JP3858977B2 - 振動要素を含む機械設備の異常診断システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1または複数の摺動部材を含む機械設備が作動時に発生する音又は振動を記録した実測振動データを実測データ解析プログラムによって解析して、その解析結果を、判定プログラムが判定基準データと照合することで、機械設備の異常の有無の診断を行う機械設備の異常診断システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、転がり軸受等の1または複数の摺動部材を含む機械設備の異常の有無を診断する異常診断システムの従来例を示したものである。
この異常診断システム1は、機械設備を設計したメーカ等が管理する情報処理装置(コンピュータ)3に、診断プログラム5と診断に必要な判定基準データ7とを組み込んでおき、機械設備を使用するユーザ9が、機械設備の異常の有無の診断をメーカに依頼すると、メーカ側は、ユーザ9の機械設備が作動時に発生する音又は振動を記録した実測振動データを情報処理装置3の診断プログラム5で処理して、異常の有無を診断し、診断結果をユーザ9に回答する。
【0003】
判定基準データ7は、機械設備の特定部位の異常時に発生する振動の周波数成分やその周波数成分における標準的なピークレベルを、機械設備の仕様諸元等から算出して設定したもので、情報処理装置3のデータ記憶部11に保存されている。
データ記憶部11には、通常、例えば、判定基準データ7を格納した音・振動データベース71の他に、診断対象の回転体を使用しているユーザに関する情報を格納した客先情報データベース81、異常状態に応じてユーザに回答する対策方法等の情報を格納した対策方法データベース91など、診断処理に有用な各種のデータベースが構築されている。
【0004】
診断プログラム5は、例えば、ユーザから入手した実測振動データに対して、周波数分析やエンベロープ分析等の適宜解析処理を行って実測周波数スペクトルデータを生成する実測データ解析プログラム12と、この実測データ解析プログラム12の解析結果を判定基準データ7と照合することによって、異常の有無を診断する判定プログラム13とで構成される。
判定プログラム13は、例えば、判定基準データ7に格納されているデータとして、機械設備の特定部位の異常時に発生する周波数成分を判定基準とし、実測データ解析プログラム12の解析結果である実測周波数スペクトルデータ上の判定基準位置に、一定レベル以上のピーク値が表出するか否かで、機械設備の異常の有無及び異常の発生箇所を特定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、診断プログラム5による処理は、予め定めた機械設備の特定部位毎に、同様の処理を繰り返し実行しなければならないため、演算処理量が多く、処理に時間がかかる。また、複数のユーザからの診断依頼が集中する場合もある。そこで、複数のユーザの診断処理をできるだけ迅速に消化するために、情報処理装置3として、演算処理能力の高い高性能のコンピュータが必要になり、システムの構築費が高額になるという問題があった。
また、ユーザからの診断依頼が重なると、情報処理装置3に演算処理能力の高いコンピュータを採用しても、迅速な回答が難しくなるという問題も生じた。
更に、ユーザからメーカに実測振動データの送信が必要で、ユーザからメーカへの実測振動データの送信に要する時間も、診断処理の遅延を招く要因となっていた。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、1または複数の摺動部材を含む機械設備の異常の有無の診断をする際、診断対象の機械設備の発生する音や振動を記録した実測振動データをメーカに送信する手間が必要なく、実測振動データのメーカへの送信に要する手間や時間の省略による診断処理の迅速化を図ることができ、また、一つの情報処理装置に多数のユーザの診断処理が集中することを回避すると同時に、診断処理をユーザ側の空いている任意の情報処理装置に委ねることができ、更には、一つの情報処理装置に多数のユーザの診断処理が集中することを配慮しなくて良いため演算処理能力がそれほど高くない情報処理装置でも迅速な処理が期待でき、従って、システムの構築費を安価に抑えると同時に、診断処理の高速化を実現することができる機械設備の異常診断システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る機械設備の異常診断システムは、請求項1に記載したように、1又は複数の摺動部材を含む機械設備が発生する音又は振動である実測振動データを解析する実測データ解析プログラムと、前記機械設備の異常の有無の判定基準で、前記機械設備の仕様諸元から算出して設定された閾値である判定基準データと、前記実測データ解析プログラムの解析結果を前記判定基準データと照合して前記機械設備の異常の有無の診断を行う判定プログラムとを、ユーザが自己の情報処理端末にダウンロード可能に、通信網に接続されたサーバにアップロードしておき、
前記ユーザが、前記実測データ解析プログラム及び前記判定プログラム及び判定基準データを、前記通信網を介して自己の情報処理端末上にダウンロードすると共に、前記実測振動データを適宜インタフェースを介して自己の情報処理端末に取り込み、自己の情報処理端末上で前記実測データ解析プログラム及び前記判定プログラムを実行することで、前記機械設備の異常の有無の診断を実施させる機械設備の異常診断システムであって、
前記サーバには、前記機械設備を使用するユーザの認証に必要な情報である客先情報データと照合して、アクセスしたユーザが正規ユーザであることを認証したときに、前記実測データ解析プログラム及び前記判定プログラム及び判定基準データのダウンロードを許す認証プログラムが組み込まれ、前記ユーザが使用している機械設備に応じた前記実測データ解析プログラム及び前記判定プログラム及び前記判定基準データを、前記客先情報データと対応付けて管理する客先情報データベースが設けられることを特徴とする。
【0008】
そして、1または複数の摺動部材を含む機械設備の異常診断システムにおいては、機械設備の異常の有無の診断をする際、診断プログラムによる診断処理は、ユーザ側に設置された情報処理端末で行うため、診断対象の機械設備の発生する音や振動を記録した実測振動データをメーカに送信する手間が必要なく、実測振動データのメーカへの送信に要する手間や時間を省略することができる。
なお、前記摺動部材は、軸受、ボールねじ、リニアガイド、モータ等を含むものである。
また、診断処理に必要な実測データ解析プログラムや判定プログラムや判定基準データをアップロードしたサーバは、ユーザ側の情報処理端末にこれらのプログラムや判定基準データをダウンロードするためのもので、診断処理自体は実行しないため、一つの情報処理装置に多数のユーザの診断処理が集中することを回避することができる。
更に、診断処理に必要な実測データ解析プログラムや判定プログラムや判定基準データは、通信網を介して、ユーザ側の情報処理端末にダウンロードするもので、所定の通信機能やプログラム実行性能を備えた情報処理端末であれば、ユーザ側に任意の情報処理端末にこれらの診断用のプログラムやデータを導入することができ、診断処理をユーザ側の空いている任意の情報処理装置に委ねることができる。
【0009】
更には、先にも述べたように、一つの情報処理装置に多数のユーザの診断処理が集中することを配慮しなくて良いため、演算処理能力がそれほど高くない情報処理装置でも比較的に迅速な処理が期待できる。
【0011】
また、この機械設備の異常診断システムでは、前記サーバに、前記機械設備を使用するユーザの認証に必要な情報である客先情報データと照合して、アクセスしたユーザが正規ユーザであることを認証したときに前記実測データ解析プログラム及び前記判定プログラム及び判定基準データのダウンロードを許す認証プログラムを組み込んでいるため、例えば、認証プログラムと客先データとの連携で、ユーザが必要とする診断プログラムや判定基準データのバージョン等をより詳細にサーバ側で管理することが可能になり、サーバにアクセスするユーザに負担を掛けずに、最適な診断プログラムや判定基準データの確実なダウンロードを実現することが可能になる。
【0012】
また、請求項2記載の機械設備の異常診断システムは、上記目的を達成するために、請求項1に記載の機械設備の異常診断システムにおいて、前記実測データ解析プログラムが、前記実測振動データに対してエンベロープ分析を行なうことで機械設備が発生する音又は振動を示す実測周波数スペクトルを生成し、前記判定プログラムが、前記判定基準データに格納されている機械設備の特定部位の異常時に発生する周波数成分を判定基準として実測周波数スペクトルデータと照合し、前記機械設備の異常の有無及び異常の発生箇所を特定する診断を実施させることを特徴とするものである。
また、請求項3記載の機械設備の異常診断システムは、上記目的を達成するために、請求項1または2に記載の機械設備の異常診断システムにおいて、更に、前記サーバからユーザの情報処理端末にダウンロードされるプログラム及びデータには、ダウンロードした情報処理端末上での使用回数又は使用期限を制限するプロテクトプログラムを付加することを特徴とするものである。
このように構成された1または複数の摺動部材を含む機械設備の異常診断システムにおいては、ユーザ側にダウンロードされた診断処理プログラムや判定基準データの不当な繰り返し使用や流出を防止することができ、また、異種の機械設備の異常診断への誤使用等を防止することができる。
また、請求項4記載の機械設備の異常診断システムは、上記目的を達成するために、請求項1乃至請求項3記載の機械設備の異常診断システムにおいて、更に、前記通信網として、インターネットを使用することを特徴とするものである。
このように構成された機械設備の異常診断システムにおいては、既に広域通信網として構築されていて、更に高速通信を実現するブロードバンド化も推進されているインターネットをダウンロード用の通信網として利用するため、専用の通信網の整備等のために余分なコストがかからず、多数のユーザが容易かつ安価に、診断システムを利用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る摺動部材を含む機械設備の異常診断システムの好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る摺動部材を含む機械設備の異常診断システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
この機械設備の異常診断システム21は、通信網23に接続された情報処理装置(コンピュータ)であるサーバ25と、異常の有無の診断対象となる1または複数の摺動部材を含む機械設備27を使用しているユーザ側に設置されて前記した通信網23を介して前記サーバ25にアクセス可能な情報処理端末29とで構成されていて、通信網23としてはインターネットが使用される。
【0014】
機械設備27は、本実施の形態の場合、転がり軸受である。
サーバ25には、機械設備27が作動時に発生する音又は振動を記録した実測振動データ31を解析する実測データ解析プログラム41と、機械設備27の特定部位の異常の有無の判定基準となる情報を記録した判定基準データ43aと、実測データ解析プログラム41の解析結果を判定基準データ43aと照合して機械設備27の特定部位に対する異常の有無の診断を行う判定プログラム45とが、ユーザ側の情報処理端末29で実行可能なデータ形式で、アップロードされている。
【0015】
判定基準データ43aは、機械設備27の特定部位の異常時に発生する振動の周波数成分やその周波数成分における標準的なピークレベルを、機械設備27の仕様諸元等から算出して設定したもので、サーバ25のデータ記憶部47に構築された音・振動データベース43で管理されている。
データ記憶部47には、音・振動データベース43の他に、機械設備の仕様諸元等の情報を格納した諸元データベース61、診断対象の機械設備を使用しているユーザに関する情報を格納した客先情報データベース81、異常の状態に応じてユーザに回答する対策方法等の情報を格納した対策方法データベース91など、診断処理に有用な各種のデータベースが構築されている。
【0016】
実測データ解析プログラム41及び判定プログラム45は、サーバ25の診断プログラム記憶部46にアップロードされている。
本実施の形態の場合、実測データ解析プログラム41は、情報処理端末29において実行されると、実測振動データ31に対して、例えばエンベロープ分析等の適宜解析処理を行うことで、機械設備27の回転時に発生する音又は振動を示す実測周波数スペクトルデータを生成する。
【0017】
また、判定プログラム45は、情報処理端末29において実行されると、判定基準データ43aに格納されているデータとして、機械設備27の特定部位の異常時に発生する周波数成分を判定基準とし、実測データ解析プログラム41の解析結果である実測周波数スペクトルデータ上の判定基準位置に、一定レベル以上のピーク値が表出するか否かで、機械設備27の異常の有無及び異常の発生箇所を特定する。そして、判定プログラム45は、判定結果を、情報処理端末29に接続されている表示手段54に出力したり、ユーザの要求があれば、情報処理端末29に接続された不図示のプリンタ等に出力する。
【0018】
サーバ25にアップロードされた実測データ解析プログラム41,判定プログラム45,判定基準データ43aは、サーバ25に組み込まれた診断処理メニュー48が、一定のアクセス手順でダウンロード可能に管理している。
【0019】
なお、本実施の形態の異常診断システム21では、サーバ25の対策方法データベース91に、診断した機械設備27の異常の状態に応じてユーザ又はメーカーがなすべき対策が詳細に設定されている。ユーザが実測データ解析プログラム41や判定プログラム45をダウンロードした時には、対策方法データベース91も一緒にダウンロードされ、判定プログラム45は、判定結果に応じて、対策方法データベース91を参照して、異常を解消するための対策方法を、表示手段54等に出力する。
【0020】
情報処理端末29は、所謂パーソナルコンピュータで、通信用インタフェース51を介して通信網23に接続されている。
この情報処理端末29には、キーボード等の入力手段53と、情報処理端末29に格納したデータや情報処理端末29における処理状況など、情報処理端末29の各種内容を表示可能なCRT等による表示手段54とが接続されている。
また、情報処理端末29には、機械設備27の回転動作の音や振動を検出する振動測定装置56が、実測振動データ取り込み用インタフェース57を介して接続されいる。情報処理端末29は、振動測定装置56で測定した実測振動データ31を、インタフェース57を介して取り込んで、所定のデータ記憶部に格納する。
【0021】
ユーザは、情報処理端末29から通信網23を介してサーバ25にアクセスして、実測データ解析プログラム41及び判定プログラム45及び判定基準データ43aを、自己の情報処理端末29上にダウンロードすると共に、実測振動データ31を取り込み、自己の情報処理端末29上で実測データ解析プログラム41及び判定プログラム45を実行することで、自己の情報処理端末29で機械設備27の異常の有無の診断を実施させる。
【0022】
なお、本実施の形態の場合、図2に示すように、サーバ25の診断処理メニュー48には、機械設備27を使用するユーザの認証に必要な情報である客先情報データとの照合を行って、正規ユーザであることを認証したときに実測データ解析プログラム41及び判定プログラム45及び判定基準データ43aのダウンロードを許す認証プログラムを組み込んでいる。
【0023】
また、本実施の形態の場合、図3に示すように、サーバ25からユーザの情報処理端末29にダウンロードされるプログラム41,45及びデータ43aには、ダウンロードした情報処理端末29上での使用回数又は使用期限を制限するプロテクトプログラムが付加されている。
このプロテクトプログラムは、ダウンロードの完了直後に自動実行され、例えば、規定回数の使用後に実測データ解析プログラム41や判定プログラム45や判定基準データ43aを消去するなどして、使用回数の制限を行う。
【0024】
以上に説明した一実施の形態の異常診断システム21では、機械設備27の異常の有無の診断をする際、実測データ解析プログラム41及び判定プログラム45で構成される診断プログラムによる診断処理は、ユーザ側に設置された情報処理端末29で行うため、診断対象の機械設備27の発生する音や振動を記録した実測振動データ31をメーカに送信する手間が必要なく、実測振動データ31のメーカへの送信に要する手間や時間の省略による診断処理の迅速化を図ることができる。
【0025】
また、診断処理に必要な実測データ解析プログラム41や判定プログラム45や判定基準データ43aをアップロードしたサーバ25は、ユーザ側の情報処理端末29にこれらのプログラムや判定基準データ43aをダウンロードするためのもので、診断処理自体は実行しないため、一つの情報処理装置に多数のユーザの診断処理が集中することを回避することができる。
更に、診断処理に必要な実測データ解析プログラム41や判定プログラム45や判定基準データ43aは、通信網23を介して、ユーザ側の情報処理端末29にダウンロードするもので、所定の通信機能やプログラム実行性能を備えた情報処理端末29であれば、ユーザ側に任意の情報処理端末29にこれらの診断用のプログラムやデータを導入することができ、診断処理をユーザ側の空いている任意の情報処理装置に委ねることができる。
従って、診断処理の速やかな着手による診断処理の迅速化を図ることもできる。
【0026】
更には、既述したように、一つの情報処理装置に多数のユーザの診断処理が集中することを配慮しなくて良いため、演算処理能力がそれほど高くない情報処理装置でも比較的に迅速な処理が期待できる。
従って、情報処理端末29として普及型のパーソナルコンピュータを採用するなど、情報処理端末29の演算処理能力を適度に抑えたシステム構成として、システムの構築費を安価に抑えると同時に、診断処理の高速化を実現することができる。
【0027】
また、本実施の形態の異常診断システム21は、サーバ25にアクセスするための通信網23として、既に広域通信網23として構築されていて、更に高速通信を実現するブロードバンド化も推進されているインターネットを利用するため、専用の通信網23の整備等のために余分なコストがかからず、多数のユーザが容易かつ安価に、診断システムを利用できるようになる。
【0028】
また、本実施の形態の異常診断システム21は、正規ユーザにのみプログラムやデータのダウンロードを許す認証プログラムを備えているため、例えば、認証プログラムと客先データとの連携で、ユーザが必要とする診断プログラムや判定基準データ43aのバージョン等をより詳細にサーバ25側で管理することが可能になり、サーバ25にアクセスするユーザに負担を掛けずに、最適な診断プログラムや判定基準データ43aの確実なダウンロードを実現することが可能になり、メーカとしてのサービスの向上を実現することができる。
【0029】
また、本実施の形態の異常診断システム21は、サーバ25からダウンロードしたプログラムやデータに、情報処理端末29上での使用回数又は使用期限を制限するプロテクトプログラムを付加しているため、ユーザ側にダウンロードされた診断処理プログラムや判定基準データ43aの不当な繰り返し使用や流出を防止することができ、また、異種の機械設備27の異常診断への誤使用等を防止することができる。
従って、メーカの技術の不当な流出を防止することができ、また、診断処理の信頼性を向上させることができる。
【0030】
なお、本実施の形態では、診断処理に必要なプログラム及びデータのサーバからのダウンロードの完了直後に自動実行されて、ダウンロードしたプログラムやデータの使用回数の制限を行うプロテクトプログラムを、ダウンロード対象のプログラムやデータに添付した。しかし、使用回数の制限を行うプロテクトプログラムの代わりに、例えばダウンロード完了時から一定時間経過後にダウンロードしたプログラムやデータを消去するなど、ダウンロード完了時からの使用期限や使用時間を制限するプロテクトプログラムを添付する方法や、ダウンロードしたプログラムを実行する際にサーバ側へアクセスし、認証を受け取るようなステップを設けるようにしても、同様の効果を得ることが可能である。
【0031】
なお、本発明において、実測データ解析プログラムにおける実測振動データの具体的な解析方法等は、上記の実施の形態で示したエンベロープ分析等に限らない。振動波形データを整形したり、波形の特徴を顕在化させる各種の波形処理や分析方法を応用することが可能である。
【0032】
また、判定プログラムによる具体的な処理方法も、上記の実施の形態の方法に限らない。
【0033】
更に、異常の有無を診断する機械設備も、転がり軸受に限らない。機械設備上に損傷等の異常が生じたときに、回転または摺動動作時の作動音に異変が生じる各種の機械設備に応用することが可能である。
【0034】
また、本発明に係るサーバのデータ記憶部に格納するデータの種類等も、上記の実施の形態に限定するものではない。正規ユーザの認証や、異常の発生状態に応じた対策の通知が速やかに実行できるように、格納するデータの種類等やデータベース化は適宜に改善可能である。
【0035】
また、サーバを接続する通信網は、インターネットに限らない。例えば、公衆回線を利用した既存の通信網や、ケーブルテレビ用の通信網など、地域で有利な通信網を選択するとよい。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載した本発明の機械設備の異常診断システムによれば、摺動部材を含む機械設備の異常の有無の診断をする際、診断プログラムによる診断処理は、ユーザ側に設置された情報処理端末で行うため、診断対象の機械設備の発生する音や振動を記録した実測振動データをメーカに送信する手間が必要なく、実測振動データのメーカへの送信に要する手間や時間の省略による診断処理の迅速化を図ることができる。
また、一つの情報処理装置に多数のユーザの診断処理が集中することを配慮しなくて良いため、演算処理能力がそれほど高くない情報処理装置でも比較的に迅速な処理が期待できる。
従って、情報処理端末として普及型のパーソナルコンピュータを採用するなど、情報処理端末の演算処理能力を適度に抑えたシステム構成として、システムの構築費を安価に抑えると同時に、診断処理の高速化を実現することができる。
また、例えば、認証プログラムと客先データとの連携で、ユーザが必要とする診断プログラムや判定基準データのバージョン等をより詳細にサーバ側で管理することが可能になり、サーバにアクセスするユーザに負担を掛けずに、最適な診断プログラムや判定基準データの確実なダウンロードを実現することが可能になり、メーカとしてのサービスの向上を実現することができる。
【0037】
また、請求項2に記載の機械設備の異常診断システムでは、機械設備の異常の有無及び異常の発生箇所をユーザ側で特定することができる。
【0038】
また、請求項3に記載の機械設備の異常診断システムでは、ユーザ側にダウンロードされた診断処理プログラムや判定基準データの不当な繰り返し使用や流出を防止することができ、また、異種の機械設備の異常診断への誤使用等を防止することができる。
従って、メーカの技術の不当な流出を防止することができ、また、診断処理の信頼性を向上させることができる。
また、請求項4に記載の機械設備の異常診断システムでは、既に広域通信網として構築されていて、更に高速通信を実現するブロードバンド化も推進されているインターネットをダウンロード用の通信網として利用するため、専用の通信網の整備等のために余分なコストがかからず、多数のユーザが容易かつ安価に、診断システムを利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る機械設備の異常診断システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の機械設備の異常診断システムに客先の認証を行うプログラムを組み込んだ構成を示すブロック図である。
【図3】図2の機械設備の異常診断システムにプロテクトプログラムを負荷した場合の構成を示すブロック図である。
【図4】従来の摺動部材を含む機械設備の異常診断システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
21 異常診断システム
23 通信網
25 サーバ
27 1または複数の摺動部材を含む機械設備
29 情報処理端末
31 実測振動データ
41 実測データ解析プログラム
43 音・振動データベース
43a 判定基準データ
45 判定プログラム
48 診断処理メニュー
53 入力手段
54 表示手段
61 諸元データ
81 客先情報データベース
91 対策方法データベース
Claims (4)
- 1又は複数の摺動部材を含む機械設備が発生する音又は振動である実測振動データを解析する実測データ解析プログラムと、前記機械設備の異常の有無の判定基準で、前記機械設備の仕様諸元から算出して設定された閾値である判定基準データと、前記実測データ解析プログラムの解析結果を前記判定基準データと照合して前記機械設備の異常の有無の診断を行う判定プログラムとを、ユーザが自己の情報処理端末にダウンロード可能に、通信網に接続されたサーバにアップロードしておき、
前記ユーザが、前記実測データ解析プログラム及び前記判定プログラム及び判定基準データを、前記通信網を介して自己の情報処理端末上にダウンロードすると共に、前記実測振動データを適宜インタフェースを介して自己の情報処理端末に取り込み、自己の情報処理端末上で前記実測データ解析プログラム及び前記判定プログラムを実行することで、前記機械設備の異常の有無の診断を実施させる機械設備の異常診断システムであって、
前記サーバには、前記機械設備を使用するユーザの認証に必要な情報である客先情報データと照合して、アクセスしたユーザが正規ユーザであることを認証したときに、前記実測データ解析プログラム及び前記判定プログラム及び判定基準データのダウンロードを許す認証プログラムが組み込まれ、前記ユーザが使用している機械設備に応じた前記実測データ解析プログラム及び前記判定プログラム及び前記判定基準データを、前記客先情報データと対応付けて管理する客先情報データベースが設けられることを特徴とする機械設備の異常診断システム。 - 前記実測データ解析プログラムが、前記実測振動データから機械設備が発生する音又は振動を示す実測周波数スペクトルを生成し、前記判定プログラムが、前記判定基準データに格納されている機械設備の特定部位の異常時に発生する周波数成分を判定基準として実測周波数スペクトルデータと照合し、前記機械設備の異常の有無及び異常の発生箇所を特定する診断を実施させることを特徴とする請求項1に記載の機械設備の異常診断システム。
- 前記サーバからユーザの情報処理端末にダウンロードされるプログラム及びデータには、ダウンロードした情報処理端末上での使用回数又は使用期限を制限するプロテクトプログラムを付加することを特徴とする請求項1又は2記載の機械設備の異常診断システム。
- 前記通信網として、インターネットを使用することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の機械設備の異常診断システム。
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