JP3858721B2 - 建屋の温度調節方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は夏季日照時に生じる如き建屋内温度の上昇を抑制でき且つ冬季に生じる如き建屋内温度の低下を抑制できるようにした建屋の温度調節方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農作物等の植物の栽培方法の1つとして、ガラス、アクリル、その他のプラスチック等の透明な素材により製造した透明板、或いはビニール(プラスチックフィルム)等の透明素材で建屋としての温室を構築し、該温室内にて太陽光を利用して植物を栽培することが行われている。又、近年では、上記と同様の温室内にて温度、湿度や日照量(光量)等を制御した環境下にて植物を連続的に生産する植物生産工場も提案されてきている。
【0003】
ところで、太陽光には植物に光合成を行わせるために必要な可視光線領域(400〜900nm)の波長よりも長波長側の赤外線領域(900〜3000nm)の波長も含んでいる。この赤外線は、物質に吸収されると物質内の熱運動が励起されるため物質の温度を上昇させる性質を持つことが知られているが、温室の素材として挙げた上記各種の透明素材は、いずれも約2000nm程度の赤外領域までの赤外線を透過させてしまう。
【0004】
そのため、夏季の日照時等においては、温室内の温度は約50℃まで上昇してしまうことがあり、この場合、簡易蒸発冷房や機械式冷房を行うか、或いは、天窓や側窓から換気を行って温室内温度を低下させるようにしている。
【0005】
一方、冬季には、温室内の温度が植物を栽培できない温度まで低下することがあり、たとえば、北海道等の寒冷地では、温室内温度が−5℃にまで低下することがあり、この場合、ボイラー等の加温設備による暖房を行うようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、温室内の温度を調整するために冷暖房を行う場合には、夏季日照時に冷房を行って温室内温度を50℃から植物の栽培に適した約20℃まで温度低下させるために、たとえば、大規模な植物生産工場で使用されている1ha規模の温室では、冷房能力500kWの冷房機が15台必要であり、これらの冷房機を運転するための電気代として、1日当り約120000円が必要となる。一方、冬季の北海道のような寒冷地において、1ha規模の温室を暖房して温室内温度を、−5℃から植物の栽培に適した約15℃まで上昇させるには、約840000kJ/hの暖房機が10台必要であり、その運転に必要な燃料費は1日当り約70000円に達する。
【0007】
このように、夏季日照時における温室内温度の上昇や、冬季における温室内温度の低下時に上記従来の如く冷房機や暖房機のみにより温室内温度の制御を行う場合には、ランニングコストが嵩むという問題がある。
【0008】
又、夏季日照時に内部温度低減のために天窓や側窓の開放する方法は、病害虫や病原菌が外部から侵入する虞があるため、無農薬栽培を実施している植物生産工場等で使用されている密閉型の温室では採用し得ない。
【0009】
因みに、夏季等の日照時における温室内温度の過度の上昇を抑制するための手法の1つとして、温室の屋根部に赤外線吸収フィルムを貼る方法や、温室の屋根部を二重構造としてその内部に層状の区画を形成し、該層状の区画内に、選択的に赤外線を吸収する吸収液、たとえば、硫酸銅水溶液を流通させることにより、屋根部にて太陽光中の赤外線を硫酸銅水溶液に吸収させて、温室内に入射する赤外線の量を低減させ、これにより温室内温度の上昇の抑制を図る手法が近年提案されてきているが、この場合、赤外線を吸収すると赤外線吸収フィルムや赤外線吸収液自体が昇温し、温室内の天井部付近が昇温するという問題があり、このため、温室内の天井部付近に外気を導入して換気しなければならないことから密閉型の温室には適用できず、更に、冬季における温室内温度の温度低下に対する対策は何ら提案されていないというのが現状である。
【0010】
そこで、本発明は、夏季の日照時等に生じるような建屋内の温度の上昇を抑制できると共に冬季等における建屋内温度の低下を抑制できて、冷暖房に要するコストを削減できる建屋の温度調節方法及び装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、屋根部を透明板による少なくとも三重以上の多重構造として該多重の透明板の間に内外方向に複層の層状区画を形成して備えてなる建屋の最外層区画及び最内層区画に、吸収液貯蔵タンクより赤外線吸収液を導くようにしてある吸収液送給ラインを、上記最外層区画側と最内層区画側に流路を切り替えるための導入側切替バルブを介在させて接続すると共に、上記最外層区画及び最内層区画に、吸収液貯蔵タンクへ赤外線吸収液を戻すための吸収液戻りラインを、上記最外層区画側と最内層区画側に流路を切り替えるための排出側切替バルブを介在させて接続して、上記導入側切替バルブ及び排出側切替バルブを、上記最外層区画側と、最内層区画側のいずれか一方に切り替えることにより、最外層区画に赤外線吸収液を流して循環させると共に内側の層状区画に空気を充満させ、該内側層状区画の空気層の存在下にて上記最外層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させることと、建屋の最内層区画に赤外線吸収液を充満させると共に外側の層状区画に空気を充満させ、上記外側層状区画の空気層の存在下にて上記最内層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させることとを切り替えて、上記建屋内の温度を調節する建屋の温度調節方法、及び、建屋の屋根部を透明板による少なくとも三重以上の多重構造として該多重の透明板の間に内外方向に複層の層状区画を形成し、上記屋根部の最外層区画と最内層区画の所要位置に、吸収液貯蔵タンク内より赤外線吸収液を導くようにしてある循環ポンプを備えた吸収液送給ラインを、上記最外層側と最内層側に流路を切り替えるための導入側切替バルブを介在させてそれぞれ接続し、且つ上記最外層区画と最内層区画の別の位置に、流路を該最外層区画側と最内層区画側で切り替えるための排出側切替バルブを介して吸収液戻りラインの一端側を接続すると共に、該吸収液戻りラインの他端を上記吸収液貯蔵タンクに接続してなる構成を有する建屋の温度調節装置とする。
【0012】
屋根部に形成した複層の層状区画のうち、最外層区画に赤外線吸収液を流して循環させると共に内側の層状区画に空気を充満させると、建屋に入射する赤外線は上記最外層区画の赤外線吸収液により吸収される。この際、赤外線を吸収することにより赤外線吸収液自体が昇温するが、赤外線吸収液は循環されていると共に、上記最外層区画は内側の層状区画の空気層の介在により建屋内部と離隔されていて建屋内部への伝熱が防止されるため、建屋内の温度の上昇が抑制される。一方、最内層区画に赤外線吸収液を充満させると共に外側の層状区画に空気を充満させると、最内層区画の赤外線吸収液は、上記と同様に赤外線を吸収することで昇温されるため、この昇温した赤外線吸収液により建屋内の天井部が温められるようになる。この際、上記最内層区画は、外側の層状区画の空気層の介在により外気と離隔配置されているために外気への伝熱により冷却されてしまうことはない。
【0013】
又、屋根部の最外層区画に赤外線吸収液を流して循環させると共に内側の層状区画に空気を充満させた状態として上記最外層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させるときに、上記最外層区画にて赤外線の吸収に供された後の赤外線吸収液を、低温水吸収冷凍機の冷却液として使用し、且つ該低温水吸収冷凍機にて製造される冷水により、上記最外層区画に導入させる赤外線吸収液を冷却するようにする方法及び装置とすることにより、屋根部の最外層区画に赤外線吸収液を低温水吸収冷凍機により冷却しながら循環させることができるため、建屋内の温度上昇抑制効果を高めることができると共に、上記低温水吸収冷凍機の運転コストを低く抑えることができる。
【0014】
更に、屋根部の最内層区画に赤外線吸収液を充満させると共に外側の層状区画に空気を充満させた状態にて上記最内層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させるときに、上記最内層区画の赤外線吸収液を外部循環させると共に、吸収液戻りラインの途中位置に設けた流路切替バルブによる流路切り替えにより該流路切替バルブの上流側の吸収液戻りラインを、暖房用伝熱管に接続する吸収液配管に連通させて、上記最内層区画にて赤外線の吸収に供された後の赤外線吸収液の保有する熱を、建屋下部の暖房用熱源として使用するようにする方法及び装置とすることにより、建屋の低部側の温度を高めることができるため、建屋の温度上昇効果を高めることが可能になる。
【0015】
更に又、赤外線吸収液として、硫酸銅水溶液、又は、フルオレン化合物、アルミニウム塩、イソチオシアン酸アリル、メタチオフェニル等の赤外線吸収剤の水溶液、又は、多糖類の水溶液を用いるようにした構成とすることにより、赤外線吸収液により効率よく赤外線を吸収させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1及び図2は本発明の建屋の温度調節方法及び装置の実施の一形態を示すもので、建屋として植物生産工場等で使用する1ha規模の温室1へ適用した場合を示すものである。すなわち、屋根部2を、ガラスやアクリル、プラスチック等の透明素材からなる透明板4による三重構造として、該三重の透明板4の間に、内外方向に積層される2層の層状の区画5と6を形成してなる温室1を構築し、該温室1の外部近傍位置に、赤外線吸収液7の貯蔵タンク8を設置し、該吸収液貯蔵タンク8の底部に、途中にモータ3により駆動される循環ポンプ9を具備した吸収液送給ライン10の一端を接続し、該吸収液送給ライン10の他端に、導入側切替バルブ11を介して2本の吸収液導入管12aと12bの基端をそれぞれ接続して、一方の吸収液導入管12bの先端部を、上記温室1の外層区画6の所要位置としての下端部に連通接続すると共に、他方の吸収液導入管12aの先端側を上記外層区画6を貫通させて、その先端を内層区画5の所要位置としての下端部に連通接続する。更に、上記温室1の屋根部2の頂部付近となる外層区画6の所要位置としての上端部に基端を連通接続した吸収液排出管13bの先端と、基端側を上記外層区画6に貫通させると共に基端を内層区画5の所要位置としての上端部に連通接続してある吸収液排出管13aの先端とを、吸収液戻りライン15の一端に、排出側切替バルブ14を介して接続し、且つ上記吸収液戻りライン15の他端を、上記吸収液貯蔵タンク8の頂部に接続した構成として、上記導入側及び排出側の各切替バルブ11及び14を、内層区画5側或いは外層区画6側に連動して切替作動させることにより、輸送ポンプ9の運転により吸収液貯蔵タンク8より吸収液送給ライン10を通して送給される赤外線吸収液7を、吸収液導入管12aを通して内層区画5に充満させた後、吸収液排出管13aを通して排出させるか、又は、吸収液導入管12bを通して外層区画6に充満させた後、吸収液排出管13bを通して排出させ、しかる後に、吸収液戻りライン15を通して吸収液貯蔵タンク8に戻して循環させられるようにする。
【0018】
なお、上記の如く導入側及び排出側の各切替バルブ11と14とを切替えて内層又は外層のいずれか一方の層状区画5又は6に赤外線吸収液7を流通させるときに、他方の層状区画6又は5に残留する赤外線吸収液7を回収して吸収液貯蔵タンク8へ戻すと共に、該層状区画6又は5に空気16を導入して充満させることができるようにするために、吸収液導入管12a及び12bの途中位置に、一端側を分岐させて該各分岐管部に開閉バルブ18a,18bを備えた吸収液回収ライン17の分岐端をそれぞれ接続すると共に、該吸収液回収ライン17の他端を吸収液貯蔵タンク8の頂部に接続し、更に、各吸収液排出管13a及び13bの途中位置に、外部より空気16を導入するための開閉バルブ20a,20bを具備した空気導入管19a,19bをそれぞれ接続して設けて、上記導入側及び排出側の各切替バルブ11,14の切替操作後に、赤外線吸収液7の供給されない区画5又は6に対応する側の開閉バルブ18aと20a、又は、18bと20bをそれぞれ開操作することにより、赤外線吸収液7の供給されない側の層状区画5又は6内の赤外線吸収液7を、吸収液回収ライン17を通して吸収液貯蔵タンクに回収すると同時に、上記層状区画5又は6内に、対応する空気導入管19a又は19bを通して外部より取り込んだ空気16を、吸収液排出管13又は13bを通して導入できるようにする。
【0019】
更に、上記吸収液貯蔵タンク8には、冷却装置として外部より冷水21を流通させることにより該吸収液貯蔵タンク8内の赤外線吸収液7を冷却できるようにしてある冷却用伝熱管22を装備させると共に、該冷却用伝熱管22の入口側を、上記吸収液戻りライン15の途中位置に設けた低温水吸収冷凍機27に冷水ライン28を介して接続し、該低温水吸収冷凍機27にて、マイクロガスタービン式コジェネレーション装置23にて発生させる熱を熱源とし、且つ上記吸収液戻りライン15を流通する赤外線吸収液7を該低温水吸収冷凍機27における冷却液として使用することにより、水供給部24より水供給ライン25を通して供給される水26を冷却して冷水21を製造し、上記冷水ライン28に導くようにし、上記低温水吸収冷凍機27にて製造された後、冷水ライン28を通して冷却用伝熱管22に導かれる冷水21により、吸収液貯蔵タンク8内の赤外線吸収液7を伝熱管壁を介して間接冷却できるようにする。又、上記冷却用伝熱管22の出口側には、温室1内に設置した冷房機29を、冷水排出ライン30を介して接続して、上記冷却用伝熱管22を流通させることにより吸収液貯蔵タンク8内の赤外線吸収液7の間接冷却に供された後の冷水21に残存する冷熱を冷房機29に供給することにより、温室1内を冷房できるようにする。
【0020】
更に又、温室1の下部領域の所要位置、たとえば、植物31を栽培する土32中となる床面に、外部より所要温度を有する流体を流通させることにより上記植物栽培用土32の温度を加温して温室1内の下部領域を暖房するための暖房用伝熱管33を設置し、吸収液戻りライン15の低温水吸収冷凍機27よりも下流側位置より流路切替バルブ34を介し分岐させて設けた吸収液配管35の先端部を、上記暖房用伝熱管33の入口側に接続すると共に、該暖房用伝熱管33の出口側に一端を接続した吸収液戻し管36の他端を、上記流路切替バルブ34よりも下流側位置の吸収液戻りライン15に接続して、上記流路切替バルブ34を、吸収液戻りライン15の上流側に上記吸収液配管35が連通するように切替操作することにより、温室1の屋根部2に形成してある内層又は外層の区画5又は6を流通するときに太陽光が照射されて該太陽光中の赤外線を吸収した赤外線吸収液7が、吸収液戻りライン15を通して吸収液貯蔵タンク8に戻るときに、上記吸収液配管35、暖房用伝熱管33、吸収液戻し管36を経由して流れた後、吸収液貯蔵タンク8に戻すことができるようにする。
【0021】
上記赤外線吸収液7としては、主として赤外線領域(900〜3000nm)の波長の光を吸収するものを使用するようにし、具体的には硫酸銅水溶液、又は、フルオレン化合物、アルミニウム塩、イソチオシアン酸アリル、メタチオフェニル等の赤外線吸収剤の水溶液、又は、多糖類の水溶液を用いるようにする。
【0022】
なお、上記マイクロガスタービン式コジェネレーション装置23は、LPG、LNG、バイオガス等を燃料37として上記低温水吸収冷凍機27にて熱源として使用する熱と同時に電力を発生させるものであり、このマイクロガスタービン式コジェネレーション装置23で発生させる電力は、図1及び図2に破線で示す如く、吸収液送給ライン10の循環ポンプ9の駆動用モータ3に駆動用電力として供給すると共に、上記温室1を用いた植物生産工場にて電力を必要とする図示しない各種機器に供給するようにしてある。
【0023】
40は一端を上記マイクロガスタービン式コジェネレーション装置23の図示しない排気系に排ガス38の一部を分取できるように接続すると共に、他端側を温室1の屋根部2の内外層区画5,6を貫通配置させて温室1内部に開口させた流量調整バルブ39付きの排ガスラインであり、必要に応じて上記流量調整バルブ39の開度を調整することにより所要量の排ガス38を温室1内に導入して、該排ガス38の有する廃熱により温室1内の暖房を行うと共に、二酸化炭素を供給できるようにしてある。又、41は冷水ライン28の途中位置より流路切替バルブ42を介し分岐させて、先端部を水供給部24に接続した冷水戻しラインであり、冬季等、吸収液貯蔵タンク8内の赤外線吸収液7を冷却する必要のないときには、上記流路切替バルブ42を操作して冷水ライン21の上流側と冷水戻しライン41とを連通させるように切替操作することにより、低温水吸収冷凍機27にて製造した冷水21を、上記冷水戻しライン41を通して水供給部24へ戻すことができるようにしてある。
【0024】
夏季日照時等、温室1内の温度が植物31の栽培に適した温度よりも上昇して冷房が必要となる場合には、図1に示す如く、輸送ポンプ9を駆動した状態において、導入側切替バルブ11及び排出側切替バルブ14をそれぞれ外層区画側6に切替操作して、吸収液送給ライン10を通して送給される赤外線吸収液7が外層区画6に充満されて流通させられるようにすると共に、開閉バルブを18aと20aとを開放側に切替操作して、内層区画5より赤外線吸収液7を、図1に二点鎖線で示す如く吸収液回収ライン17を通して吸収液貯蔵タンクへ回収させると同時に、空気導入管19aを通して外部より導いた空気16を充満させるようにする。更に、流路切替バルブ34を吸収液戻りライン15の上下流方向が連通するように切替操作して暖房用伝熱管33を遮断した状態とすると共に、流路切替バルブ42を冷水ライン28の上下流側が連通するように操作して、低温水吸収冷凍機27にて製造した冷水21を、吸収液貯蔵タンク8の冷却用伝熱管22に流通させるようにする。なお、流量調整バルブ39は、排ガスライン40を通して温室1内に導かれる排ガス38の廃熱により、温室1内の温度が上昇しない程度に開度を制限するか、或いは全閉状態にしておく。
【0025】
これにより、外層区画6に流される赤外線吸収液7により太陽光中の赤外線が吸収されるため、温室1内に入射する赤外線の量が低減させられる。この際、赤外線の吸収に伴って赤外線吸収液7の温度が上昇させられるようになるが、該赤外線吸収液7は、吸収液貯蔵タンク8に戻された時点で上記冷水21により冷却されながら循環させられており、更に、内層区画5に導入された空気16の層により、温室1内部は、上記赤外線の吸収により昇温する赤外線吸収液7の充満する外層区画6と離隔されて熱伝導が抑えられるため、温室1内の温度上昇が抑制される。又、上記吸収液貯蔵タンク8の冷却用伝熱管22を通過することにより赤外線吸収液7の冷却に供された後の冷水21が、温室1内の冷房機29に導かれ、該冷水21に残存する冷熱による温室1内の積極的な冷房も行われる。
【0026】
一方、冬季日照時に温室1内の温度が低下して暖房が必要となる場合には、図2に示す如く、導入側切替バルブ11及び排出側切替バルブ14をそれぞれ内層区画5側に切替操作して、吸収液送給ライン10を通して送給される赤外線吸収液7を内層区画5に充満させて流通させると共に、開閉バルブを18bと20bとを開放側に切替操作して、外層区画6の赤外線吸収液7を、図2に二点鎖線で示す如く、吸収液回収ライン17を通して吸収液貯蔵タンク8に回収すると同時に、空気導入管19bを通して外部より導いた空気16を外層区画6に充満させるようにする。更に、流路切替バルブ34を、吸収液戻りライン15の上流側と吸収液配管35が連通するように切替操作して、赤外線吸収液7が、該吸収液配管35、暖房用伝熱管33、吸収液戻し管36を経由して流通するようにし、更に、流路切替バルブ42を、冷水ライン28の上流側に冷水戻しライン41が連通するように切替操作することにより、低温水吸収冷凍機27にて製造した冷水21の流路から吸収液貯蔵タンク8の冷却用伝熱管22を遮断して、該吸収液貯蔵タンク8における赤外線吸収液7の冷却を行わないようにする。更に又、流量調整バルブ39を所要開度に調整して、温室1内に、排ガスライン40を通してガスタービン式コジェネレーション装置23の排気系より所要量の排ガス38が導かれるようにする。
【0027】
これにより、内層区画5に充満して流される赤外線吸収液7により太陽光中の赤外線が吸収されるため、温室1内に入射する赤外線の量は低減させられるが、赤外線の吸収に伴って赤外線吸収液7の温度が上昇し、且つ該赤外線吸収液7は、吸収液貯蔵タンク8にて冷却されることなく循環させられているため、上記内層区画5に昇温した赤外線吸収液7が充満されることにより、温室1内の天井部が温められる。この際、内層区画5の赤外線吸収液7は、外層区画6に充満される空気16の層により外気と離隔されているため、冬季の外気の如き低温の外気への熱伝導が抑えられ、赤外線吸収液7の温度低下は抑えられる。更に、上記内層区画5にて赤外線を吸収して昇温した赤外線吸収液7は、吸収液戻りライン15を通して吸収液貯蔵タンク8に戻す際に、暖房用伝熱管33を経由して流れるようにしてあることから、該暖房用伝熱管33を流通する上記昇温状態の赤外線吸収液7により暖房用伝熱管33の周囲の土32が温められ、温室1の下部領域が温められる。更に又、温室1内には排ガスライン40を通して廃熱を有する排ガス38が導入されることによる積極的な暖房も実施される。
【0028】
このように、夏季日照時等、温室1内の冷房が必要なときに、入射する赤外線によって引き起こされる温度上昇を抑制でき、又、冬季等、温室1内の暖房が必要な時には、入射する赤外線を有効に活用して温室1内の温度を高めることができる。このため、温室1内を冷房機により冷房する場合に使用する冷房機の台数を削減したり、冷房機の消費電力を低減できるため、たとえば、1ha規模の温室1で、夏季日照時に1ha規模の温室1内の温度を50℃から約20℃まで温度低下させるためのコストを、従来の1日当り約120000円から70000円程度まで引き下げることができ、且つ1ha規模の温室1を暖房して温室内温度を、−5℃から植物の栽培に適した約15℃まで上昇させる場合には、従来要していた暖房機の台数を削減したり、暖房機を小型化できるため、燃料費として従来要していた1日当り約70000円のコストを約40000円まで引き下げることができ、冷暖房コストの大幅な削減が可能になると共に、従来冷暖房を実施するために要していた電気、灯油、LPG等の使用量を削減できて、二酸化炭素の排出量も削減できる。又、温室1の内部に外気を導入する必要はないため密閉型温室にも容易に適用することができる。更に、上記温室1内は、屋根部2の内外層いずれかの区画5又は6の赤外線吸収液7により赤外線を常にカットした状態で植物31を栽培できるため、植物の栄養価(ビタミン、糖度等)の安定が期待できると共に、栄養価の増大をも期待できる。
【0029】
次に、図3は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1及び図2に示したと同様な構成において、温室1の屋根部2を、透明板4による三重構造として透明板4の間に内外2層の層状区画5と6を形成して設けることに代えて、屋根部2を透明板4による四重構造として、内外方向に3層の、すなわち、内層区画5と外層区画6の間に中間層区画43を形成し、吸収液導入管12a及び吸収液排出管13aを、それぞれ外層区画6及び中間層区画5を貫通させて上記内層区画5に接続したものである。その他の構成は、図1及び図2に示したものと同様であり同一のものには同一符号が付してある。
【0030】
本実施の形態によれば、中間層区画43は、常に空気が充満されて断熱層として作用するようになることから、温室1を冷房するときに外層区画6に流通させる赤外線吸収液7と温室1内部との断熱効果を高めることができて、温室1内の温度上昇を更に抑制できると共に、温室1を暖房するときに内層区画5を流通させる赤外線吸収液7と外気との断熱効果を高めることができ、このため、温室1内部を温める効果を高めることができることから、温室1の冷暖房コストを更に低減させることが可能になる。
【0031】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、導入側切替バルブ11、排出側切替バルブ14、開閉バルブ18a,18bと20a,20b、流路切替バルブ34と42及び流量調整バルブ39を電磁弁として、外気温や日照の強さ、風向、風速、温室内温度の外気温との差、使用目的に対応した至適温度範囲に対する温室内温度の差等を検出するセンサーを単独又は組み合わせて設けると共に、これらセンサーの検出値に基づいて上記各バルブ11,14,18a,18b,20a,20b,34,39,42に切替指令を与える演算器を設けて、季節や運転の切替を自動化するようにしてもよいこと、図3の実施の形態では、屋根部2を、透明板4による四重構造として内層区画5と外層区画6との間に一層の中間層区画43を備えてなる構成として示したが、屋根部2を透明板4による五重以上の多重構造として、最内層となる内層区画5と最外層となる外層区画6の間に複数の中間層43を形成して設けるようにしてもよいこと、暖房用伝熱管33は、温室1の下部領域のいかなる個所に配置してもよく、更には、暖房用伝熱管33を省略して、温室1内を暖房する必要があるときに、内層区画5に充満される赤外線吸収液7からの伝熱のみにより温室1内の温度を高めるようにすることも可能なこと、又、この場合、内層区画5に充満させた赤外線吸収液7は必ずしも循環させなくてよいこと、吸収液貯蔵タンク8における赤外線吸収液7の冷却装置としては、低温水吸収冷凍機27で製造した冷水21を流通させるものとして、冷却用伝熱管22以外の冷水ジャケット等の各種冷却手段を採用してよく、更には、冷水21以外の冷熱源による冷却手段も採用でき、この場合、低温水吸収冷却機27の設置を省略することも可能なこと、屋根部2を透明板4による多重構造とすることができる建屋であれば、温室1以外の工業施設やスタジアム等の建屋に採用してよいこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明によれば以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)屋根部を透明板による少なくとも三重以上の多重構造として該多重の透明板の間に内外方向に複層の層状区画を形成して備えてなる建屋の最外層区画及び最内層区画に、吸収液貯蔵タンクより赤外線吸収液を導くようにしてある吸収液送給ラインを、上記最外層区画側と最内層区画側に流路を切り替えるための導入側切替バルブを介在させて接続すると共に、上記最外層区画及び最内層区画に、吸収液貯蔵タンクへ赤外線吸収液を戻すための吸収液戻りラインを、上記最外層区画側と最内層区画側に流路を切り替えるための排出側切替バルブを介在させて接続して、上記導入側切替バルブ及び排出側切替バルブを、上記最外層区画側と、最内層区画側のいずれか一方に切り替えることにより、最外層区画に赤外線吸収液を流して循環させると共に内側の層状区画に空気を充満させ、該内側層状区画の空気層の存在下にて上記最外層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させることと、建屋の最内層区画に赤外線吸収液を充満させると共に外側の層状区画に空気を充満させ、上記外側層状区画の空気層の存在下にて上記最内層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させることとを切り替えて、上記建屋内の温度を調節する建屋の温度調節方法、及び、建屋の屋根部を透明板による少なくとも三重以上の多重構造として該多重の透明板の間に内外方向に複層の層状区画を形成し、上記屋根部の最外層区画と最内層区画の所要位置に、吸収液貯蔵タンク内より赤外線吸収液を導くようにしてある循環ポンプを備えた吸収液送給ラインを、上記最外層側と最内層側に流路を切り替えるための導入側切替バルブを介在させてそれぞれ接続し、且つ上記最外層区画と最内層区画の別の位置に、流路を該最外層区画側と最内層区画側で切り替えるための排出側切替バルブを介して吸収液戻りラインの一端側を接続すると共に、該吸収液戻りラインの他端を上記吸収液貯蔵タンクに接続してなる構成を有する建屋の温度調節装置としてあるので、夏季日照時等のように建屋内の温度が所望する温度よりも高くなるときには、入射する赤外線によって引き起こされる温度上昇を抑制でき、又、冬季等、建屋内の温度が所望する温度よりも低くなるときには、入射する赤外線を有効に活用して建屋内の温度を高めることができるため、建屋の冷暖房に要するコストを従来に比して大幅に削減できる。又、冷暖房用の燃料の使用量を低減できるため二酸化炭素の排出量も削減できる。更に、建屋内部に外気を導入する必要はないため密閉型の建屋にも容易に適用することができる。
(2)屋根部の最外層区画に赤外線吸収液を流して循環させると共に内側の層状区画に空気を充満させた状態として上記最外層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させるときに、上記最外層区画にて赤外線の吸収に供された後の赤外線吸収液を、低温水吸収冷凍機の冷却液として使用し、且つ該低温水吸収冷凍機にて製造される冷水により、上記最外層区画に導入させる赤外線吸収液を冷却するようにする方法及び装置とすることにより、屋根部の最外層区画に赤外線吸収液を低温水吸収冷凍機により冷却しながら循環させることができるため、建屋内の温度上昇抑制効果を高めることができると共に、上記低温水吸収冷凍機の運転コストを低く抑えることができる。
(3)屋根部の最内層区画に赤外線吸収液を充満させると共に外側の層状区画に空気を充満させた状態にて上記最内層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させるときに、上記最内層区画の赤外線吸収液を外部循環させると共に、吸収液戻りラインの途中位置に設けた流路切替バルブによる流路切り替えにより該流路切替バルブの上流側の吸収液戻りラインを、暖房用伝熱管に接続する吸収液配管に連通させて、上記最内層区画にて赤外線の吸収に供された後の赤外線吸収液の保有する熱を、建屋下部の暖房用熱源として使用するようにする方法及び装置とすることにより、建屋の低部側の温度を高めることができるため、建屋の温度上昇効果を高めることが可能になる。
(4)赤外線吸収液として、硫酸銅水溶液、又は、フルオレン化合物、アルミニウム塩、イソチオシアン酸アリル、メタチオフェニル等の赤外線吸収剤の水溶液、又は、多糖類の水溶液を用いるようにした構成とすることにより、赤外線吸収液により効率よく赤外線を吸収させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建屋の温度調節方法及び装置の実施の一形態を示すもので、夏季日照時等における運転状態を示す概要図である。
【図2】図1の装置における冬季日照時等における運転状態を示す概要図である。
【図3】本発明の実施の他の形態における温室部分を示す概要図である。
【符号の説明】
1 温室(建屋)
2 屋根部
4 透明板
5 内層区画(最内層区画)
6 外層区画(最外層区画)
7 赤外線吸収液
8 吸収液貯蔵タンク
9 循環ポンプ
10 吸収液送給ライン
11 導入側切替バルブ
14 排出側切替バルブ
15 吸収液戻りライン
16 空気
22 冷却用伝熱管(冷却装置)
27 低温水吸収冷凍機
33 暖房用伝熱管
34 流路切替バルブ
35 吸収液配管
36 吸収液戻し管
43 中間層区画(層状区画)
Claims (7)
- 屋根部を透明板による少なくとも三重以上の多重構造として該多重の透明板の間に内外方向に複層の層状区画を形成して備えてなる建屋の最外層区画及び最内層区画に、吸収液貯蔵タンクより赤外線吸収液を導くようにしてある吸収液送給ラインを、上記最外層区画側と最内層区画側に流路を切り替えるための導入側切替バルブを介在させて接続すると共に、上記最外層区画及び最内層区画に、吸収液貯蔵タンクへ赤外線吸収液を戻すための吸収液戻りラインを、上記最外層区画側と最内層区画側に流路を切り替えるための排出側切替バルブを介在させて接続して、上記導入側切替バルブ及び排出側切替バルブを、上記最外層区画側と、最内層区画側のいずれか一方に切り替えることにより、最外層区画に赤外線吸収液を流して循環させると共に内側の層状区画に空気を充満させ、該内側層状区画の空気層の存在下にて上記最外層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させることと、建屋の最内層区画に赤外線吸収液を充満させると共に外側の層状区画に空気を充満させ、上記外側層状区画の空気層の存在下にて上記最内層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させることとを切り替えて、上記建屋内の温度を調節することを特徴とする建屋の温度調節方法。
- 屋根部の最外層区画に赤外線吸収液を流して循環させると共に内側の層状区画に空気を充満させた状態として上記最外層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させるときに、上記最外層区画にて赤外線の吸収に供された後の赤外線吸収液を、低温水吸収冷凍機の冷却液として使用し、且つ該低温水吸収冷凍機にて製造される冷水により、上記最外層区画に導入させる赤外線吸収液を冷却するようにする請求項1記載の建屋の温度調節方法。
- 屋根部の最内層区画に赤外線吸収液を充満させると共に外側の層状区画に空気を充満させた状態にて上記最内層区画の赤外線吸収液により入射する赤外線を吸収させるときに、上記最内層区画の赤外線吸収液を外部循環させると共に、吸収液戻りラインの途中位置に設けた流路切替バルブによる流路切り替えにより該流路切替バルブの上流側の吸収液戻りラインを、暖房用伝熱管に接続する吸収液配管に連通させて、上記最内層区画にて赤外線の吸収に供された後の赤外線吸収液の保有する熱を、建屋下部の暖房用熱源として使用するようにする請求項1又は2記載の建屋の温度調節方法。
- 建屋の屋根部を透明板による少なくとも三重以上の多重構造として該多重の透明板の間に内外方向に複層の層状区画を形成し、上記屋根部の最外層区画と最内層区画の所要位置に、吸収液貯蔵タンク内より赤外線吸収液を導くようにしてある循環ポンプを備えた吸収液送給ラインを、上記最外層区画側と最内層区画側に流路を切り替えるための導入側切替バルブを介在させてそれぞれ接続し、且つ上記最外層区画と最内層区画の別の位置に、流路を該最外層区画側と最内層区画側で切り替えるための排出側切替バルブを介して吸収液戻りラインの一端側を接続すると共に、該吸収液戻りラインの他端を上記吸収液貯蔵タンクに接続してなる構成を有することを特徴とする建屋の温度調節装置。
- 吸収液戻りラインの途中位置に、低温水吸収冷凍機を設け、且つ吸収液貯蔵タンクに、上記低温水吸収冷凍機により製造する冷水により赤外線吸収液を冷却できるようにしてある冷却装置を設けた請求項4記載の建屋の温度調節装置。
- 建屋の低部所要位置に暖房用伝熱管を配設して、該暖房用伝熱管の入口側に、吸収液戻りラインの途中位置より流路切替バルブを介し分岐させた吸収液配管の先端を接続し、且つ上記暖房用伝熱管の出口側に、一端を接続した吸収液戻し管の他端を、上記流路切替バルブよりも下流側の吸収液戻りラインに接続した請求項4又は5記載の建屋の温度調節装置。
- 赤外線吸収液として、硫酸銅水溶液、又は、フルオレン化合物、アルミニウム塩、イソチオシアン酸アリル、メタチオフェニル等の赤外線吸収剤の水溶液、又は、多糖類の水溶液を用いるようにした請求項4、5又は6記載の建屋の温度調節装置。
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