JP3854167B2 - Method for manufacturing magnetic sensing element - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主に、ハードディスク装置や磁気センサなどに用いられる磁気検出素子に係り、特に狭トラック化においても適切にフリー磁性層の磁化制御を行うことができ、再生特性に優れた磁気検出素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図40は、従来の磁気検出素子の構造を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0003】
符号1は基板であり、前記基板1の上に反強磁性層2、固定磁性層3、非磁性材料層4及びフリー磁性層5からなる多層膜8が形成されている。前記多層膜8の両側にはハードバイアス層6が形成され、前記ハードバイアス層6の上には電極層7が形成されている。
【0004】
前記固定磁性層3の磁化は前記反強磁性層2との間で発生する交換結合磁界によって図示Y方向に固定される。一方、フリー磁性層5の磁化は、ハードバイアス層6からの縦バイアス磁界によって図示X方向に揃えられる。
【0005】
図40に示すように前記フリー磁性層5のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法でトラック幅Twが規制され、今後の高記録密度化に伴って前記トラック幅Twの寸法は益々小さくなっている。
【0006】
しかし狭トラック化が進むと、図40に示す磁気検出素子の構造では適切にフリー磁性層5の磁化制御を行うことができなかった。
【0007】
(1)まず図40に示す構造では、狭トラック化に伴ってフリー磁性層5の幅寸法が短くなっていくが、狭トラック化になるほど、ハードバイアス層6からの強い縦バイアス磁界の影響を受ける領域がフリー磁性層5内で大きな割合を占める。強い縦バイアス磁界を受けた領域は、外部磁界に対して磁化変動しにくい不感領域となり、狭トラック化に伴ってこの不感領域の比率が大きくなるから再生感度が低下する。
【0008】
(2)ハードバイアス層6とフリー磁性層5間は磁気的に不連続状態となりやすい。特に前記ハードバイアス層6とフリー磁性層5間にCrなどで形成されたバイアス下地層が介在するとなおさらである。
【0009】
このような磁気的な不連続状態によってフリー磁性層5のトラック幅方向端部の反磁界の影響が強まり、フリー磁性層5の磁化を乱す現象(バックリング現象)が生じ易くなる。このバックリング現象は、狭トラック化になるほど、フリー磁性層5の広い領域に生じ易くなり、これにより再生波形の安定性が低下するといった問題が発生する。
【0010】
(3)狭ギャップ化に伴って、ハードバイアス層6からの縦バイアス磁界の一部が、図40に示す磁気検出素子の上下に形成されたシールド層(図示しない)に逃げてしまい、シールド層の磁化状態を乱すと共に、フリー磁性層5に供給されるはずの縦バイアス磁界が弱まり、フリー磁性層5の磁化制御を適切に行うことができない。
【0011】
上記した問題点を解消するため、最近では、フリー磁性層5の磁化制御は、フリー磁性層上に反強磁性層を用いたエクスチェンジバイアス方式が採用されつつある。
【0012】
エクスチェンジバイアス方式を用いた磁気検出素子は、例えば図41及び図42に示す製造工程を用いて製造される。図41及び図42は、磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0013】
図41に示す工程では、基板1上に例えばPtMn合金からなる反強磁性層2を形成し、さらに磁性材料製の固定磁性層3、非磁性材料層4及び磁性材料製のフリー磁性層5を積層形成する。そして前記フリー磁性層5上に前記フリー磁性層5表面が大気暴露されたときに酸化されるのを防止するためのTa膜9を形成する。
【0014】
次に図41に示す前記Ta膜9上にリフトオフ用のレジスト層10を形成し、前記レジスト層10に覆われていないトラック幅方向(図示X方向)の両側に露出した前記Ta膜9をイオンミリングですべて除去する。このとき前記Ta膜9下のフリー磁性層5も一部削られる(点線部分が削られる)。
【0015】
次に図42に示す工程ではレジスト層10の両側に露出したフリー磁性層5上に強磁性層11、IrMn合金などで形成された第2反強磁性層12、および電極層13を連続成膜する。そして図42に示すレジスト層10を除去すると、エクスチェンジバイアス方式を用いた磁気検出素子が完成する。
【0016】
そして図42に示す磁気検出素子では、強磁性層11間のトラック幅方向(図示X歩行)の間隔でトラック幅Twを規制でき、前記強磁性層11は前記第2反強磁性層12との間で発生する交換結合磁界によって図示X方向に強固に固定される。これにより前記強磁性層11下に位置するフリー磁性層5の両側端部Aは、前記強磁性層11との間の強磁性結合によって図示X方向に強固に固定され、トラック幅Tw領域のフリー磁性層5の中央部Bは外部磁界に対し磁化変動できる程度に弱く単磁区化されていると考えられた。
【0017】
このエクスチェンジバイアス方式を用いた磁気検出素子であれば、上記した(1)〜(3)の問題点を適切に解消できるものと期待された。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図41及び図42に示す製造工程で形成された磁気検出素子では以下のような課題が生じた。
【0019】
(1)まず第1に、図41に示す工程でのイオンミリング時に、Ta膜9のみならず、その下に形成されたフリー磁性層5の一部までも削れてしまい、またイオンミリング時に使用されるArなどの不活性ガスが露出したフリー磁性層5表面から内部に入り込みやすくなり、以上のようなイオンミリングによるダメージによって前記フリー磁性層5の表面部分5aの結晶構造が壊れたり、あるいは格子欠陥が発生しやすくなる(Mixing効果)。これによって前記フリー磁性層5の表面部分5aの磁気特性が劣化しやすい。
【0020】
図41工程のイオンミリング時にTa膜9のみを削り、フリー磁性層5が削られないようにできれば最も好ましいが、実際にそのようにミリング制御することは難しい。
【0021】
その理由は、フリー磁性層5上に形成されたTa膜9の膜厚にある。前記Ta膜9の膜厚は成膜時で30Å〜50Å程度で形成される。この程度の厚い膜厚でなければフリー磁性層5が酸化されるのを適切に防止できないからである。
【0022】
ところがTa膜9は、大気に曝されたり、固定磁性層3や強磁性層11と反強磁性層2、12間で交換結合磁界を発生させるための磁場中アニールによって酸化され、その酸化された部分の膜厚が膨張し、前記Ta膜9全体の膜厚は成膜段階よりも厚くなる。例えばTa膜9の膜厚が成膜時30Å程度であったとき、酸化によって前記Ta膜9の膜厚は45Å程度にまで大きくなってしまう。
【0023】
従って酸化によって膜厚が大きくなったTa膜9を効果的にミリングで除去するには、高エネルギーのイオンミリングを使用する必要がある。高エネルギーのイオンミリングであるからミリングレートは速く、膜厚の厚いTa膜9をイオンミリングで除去した瞬間に、ミリングを止めることは不可能に近い。すなわち高エネルギーになればなるほどミリング止め位置のマージンを広く取る必要がある。このため前記Ta膜の下に形成されたフリー磁性層5も一部削られてしまい、このとき高エネルギーのイオンミリングによって余計にフリー磁性層5は大きなダメージを受けやすく磁気特性の劣化が顕著になる。
【0024】
(2)また図41に示すようにフリー磁性層5の途中でイオンミリングを止めることも、高エネルギーのイオンミリングを使用することと合わせて、フリー磁性層5の膜厚が30Å〜40Å程度に薄く形成されるので難しい。すなわち最悪の場合、フリー磁性層5の両側端部Aがすべてイオンミリングで除去されることもある。このようにフリー磁性層5の膜厚が薄いために前記フリー磁性層5の途中でイオンミリングを止めること自体が難しい。
【0025】
(3)上記のようにイオンミリングで露出したフリー磁性層5表面は、前記イオンミリングによるダメージによって磁気特性が劣化している。このため前記フリー磁性層5上に積層される強磁性層11との間の磁気的な結合(強磁性的な交換相互作用)は十分ではなく、このため強磁性層11の膜厚を厚く形成する必要がある。
【0026】
しかし強磁性層11の膜厚を厚く形成すると今度は反強磁性層12間で発生する交換結合磁界が弱まるため、結局、フリー磁性層5の両側端部Aを強固に磁化固定できず、サイドリーディングの問題が発生し、狭トラック化に適切に対応可能な磁気検出素子を製造できなくなる。
【0027】
また強磁性層11を厚く形成しすぎると、前記強磁性層11の内側側面から前記フリー磁性層5の中央部Bに余分な静磁界が及びやすくなり、磁化反転可能なフリー磁性層5の中央部Bの外部磁界に対する感度が低下しやすい。
【0028】
以上のように、フリー磁性層5上にTa膜9を形成し、前記Ta膜9の両側を削って露出したフリー磁性層5上に強磁性層11及び第2反強磁性層12を重ね合わせる磁気検出素子の構造では、依然としてフリー磁性層5の磁化制御を適切に行えず、狭トラック化に適切に対応可能な磁気検出素子を製造することができなかった。
【0029】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、エクスチェンジバイアス方式において、フリー磁性層の磁化制御を適切に行うことができ、狭トラック化に適切に対応可能な磁気検出素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法である。
(a)基板上に、下から第1反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層、及び貴金属材料からなる非磁性層の順に積層された多層膜を形成する工程と、
(b)第1の磁場中アニールを施して、前記第1反強磁性層と固定磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記固定磁性層の磁化方向を固定する工程と、
(c)前記非磁性層の両側端部を除去し、前記フリー磁性層の両側端部表面を露出させる工程と、
(d)前記非磁性層の両側に露出した前記フリー磁性層上に、強磁性層を形成する工程と、
(e)前記強磁性層上に、第2反強磁性層を形成する工程と、
(f)第2の磁場中アニールを施し、前記第2反強磁性層と前記強磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記強磁性層及び前記フリー磁性層の両側端部の磁化を前記固定磁性層の磁化方向と交叉する方向に固定する工程。
【0031】
本発明の前記(a)工程における、前記非磁性層は、前記フリー磁性層を大気暴露による酸化から防止するためのものである。
【0032】
本発明では、前記非磁性層が貴金属材料によって形成されている。これら貴金属は、酸化されにくい材質である。従来使用されていたTa膜は、貴金属材料に比べて酸化されやすいので好ましくない。本発明ではTa膜に代えて貴金属を使用することで、非磁性層の膜厚が薄くても十分な酸化防止効果を発揮するため、前記(c)工程で、低エネルギーのイオンミリングを使用でき、効果的に狭トラック化に優れた磁気検出素子を製造することが可能になっている。
【0033】
低エネルギーのイオンミリングはミリングレートが遅く、ミリング止め位置のマージンを狭くすることが可能になる。特に、前記非磁性層をイオンミリングで除去した瞬間にミリングを止めることも可能になる。従って、フリー磁性層はイオンミリングによって大きなダメージを受けなくなる。
【0034】
このため前記フリー磁性層上に積層される前記強磁性層との間の磁気的な結合(強磁性的な交換相互作用)は強くなり、前記強磁性層の膜厚を薄く形成することができる。
【0035】
前記強磁性層の膜厚を薄くすると第2反強磁性層と前記強磁性層間で発生する交換結合磁界が強くなり、前記フリー磁性層の両側端部を強固に磁化固定できるようになる。すなわち、サイドリーディングを抑え、狭トラック化に適切に対応可能な磁気検出素子を製造できる。
【0036】
また前記強磁性層を薄くすると、前記強磁性層の内側側面から前記フリー磁性層の中央部に余分な静磁界が入り込むことも抑制でき、磁化反転可能なフリー磁性層の中央部の外部磁界に対する感度の低下を防止できる。
【0037】
本発明では、前記強磁性層の膜厚を5Å〜50Åに設定することができる。
なお、前記フリー磁性層の受けるダメージとは、例えば、イオンミリング時に使用されるArなどの不活性ガスが露出した前記フリー磁性層の表面から内部に入り込むことや、前記フリー磁性層の表面部分の結晶構造が壊れ、格子欠陥が発生する(Mixing効果)ことである。これらのダメージによって前記フリー磁性層の表面部分の磁気特性が劣化しやすい。
【0038】
また、本発明は、以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法である。
(g)基板上に、下から第1反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層、中間反強磁性層及び貴金属からなる非磁性層の順で積層された多層膜を形成する工程と、
(h)第1の磁場中アニールを施して、前記第1反強磁性層と固定磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記固定磁性層の磁化方向を固定する工程と、
(i)前記非磁性層を全部除去して、前記中間反強磁性層の表面を露出させる工程と、
(j)前記中間反強磁性層上に第2反強磁性層を形成する工程と、
(k)前記第2反強磁性層の中央部を削る工程と、
(l)第2の磁場中アニールを施して、第2反強磁性層下の中間反強磁性層の両側端部と、フリー磁性層の両側端部間に交換結合磁界を発生させ、前記フリー磁性層の両側端部の磁化を前記固定磁性層の磁化方向と交叉する方向に固定する工程。
【0039】
前記(g)工程で、前記中間反強磁性層上に設けられた非磁性層は、前記中間反強磁性層を大気暴露による酸化から防止するためのものである。
【0040】
本発明でも、非磁性層に貴金属材料を使用することで、非磁性層の膜厚が薄くても十分な酸化防止効果を発揮するため、前記(i)工程で、低エネルギーのイオンミリングを使用でき、効果的に狭トラック化に優れた磁気検出素子を製造することが可能になっている。
【0041】
さらに、本発明ではフリー磁性層上は前記中間反強磁性層で覆われているので、イオンミリングによるダメージをフリー磁性層が受けるという問題は発生しない。
【0042】
また、前記非磁性層を形成するための貴金属材料は、前記中間反強磁性層の材料と混合したときに、この混合物が反強磁性を示すものであると、前記貴金属元素がアニールなどによって前記中間反強磁性層の内部に拡散しても、前記中間反強磁性層の反強磁性が劣化することがないので好ましい。
【0043】
本発明では前記中間反強磁性層の膜厚を抑えることにより、前記中間反強磁性層の中央部とフリー磁性層の中央部間で大きな交換結合磁界が発生するのを防止できる。
【0044】
具体的には、本発明では、前記中間反強磁性層の膜厚を10Å以上で50Å以下にすることが好ましく、より好ましくは、30Å以上で40Å以下である。この程度の膜厚であれば前記中間反強磁性層の中央部とフリー磁性層の中央部間で交換結合磁界は発生しないし、発生してもその値は非常に小さい。
【0045】
また、本発明では、前記(k)工程で、第2反強磁性層の中央部を全て除去して、前記中間反強磁性層を露出させてもよい。
【0046】
また、前記第2反強磁性層の中央部を全て除去し、さらに露出した前記中間反強磁性層も除去して、フリー磁性層を露出させることも可能である。この場合は、前記フリー磁性層の中央部上に反強磁性層を設けないことになる。
【0047】
本発明では、前記(k)工程で、前記フリー磁性層の中央部上に形成された反強磁性層の膜厚を50Å以下にする、または前記フリー磁性層の中央部上に反強磁性層を残さないことが好ましい。特に、前記フリー磁性層の中央部上に形成された反強磁性層の膜厚を40Å以下にすることがより好ましい。
【0048】
前記フリー磁性層の中央部上に形成された反強磁性層の膜厚を50Å以下にすると、前記フリー磁性層の中央部上に設けられた前記中間反強磁性層は非反強磁性の性質を有する。また、前記フリー磁性層の両側端部上の反強磁性層を80〜500Å、好ましくは100〜300Åと厚くすると、前記中間反強磁性層の両側端部は反強磁性の性質を有するようになる。これによって前記フリー磁性層の中央部と前記中間反強磁性層の中央部間では交換結合磁界が発生せず、前記フリー磁性層の中央部の磁化がトラック幅方向に強固に固定されることが無く、外部磁界に対し磁化反転できる程度に弱く磁化される。
【0049】
一方、前記中間反強磁性層の両側端部は、その上に形成された第2反強磁性層と合わせて一体の反強磁性層のようになるため、磁場中アニールによって前記中間反強磁性層の両側端部は規則化変態し、前記中間反強磁性層の両側端部とフリー磁性層の両側端部間で適切な大きさの交換結合磁界が発生し、これによって、前記フリー磁性層の両側端部はトラック幅方向に強固に固定された状態になる。
【0050】
本発明では、フリー磁性層に大きなダメージを与えることがなく、またフリー磁性層の両側端部を強固に固定でき、中央部の磁化を外部磁界に対し磁化反転可能な程度に揃えることができ、前記フリー磁性層の磁化制御を適切に行うことが可能である。
【0051】
すなわち、本発明では狭トラック化においても再生感度がよく再生特性に優れた磁気検出素子を製造することが可能になっている。
【0052】
あるいは、本発明は、以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法である。
(m)基板上に、下から第1反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層、及び貴金属からなる非磁性層の順で積層された多層膜を形成する工程と、
(n)第1の磁場中アニールを施して、前記第1反強磁性層と固定磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記固定磁性層の磁化方向を固定する工程と、
(o)前記非磁性層を全部除去して、前記フリー磁性層の表面を露出させる工程と、
(p)前記フリー磁性層上に強磁性層及び第2反強磁性層を順に形成する工程と、
(q)前記第2反強磁性層及び前記強磁性層の中央部を除去する工程と、
(r)第2の磁場中アニールを施して、前記第2反強磁性層と前記強磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記強磁性層及び前記フリー磁性層の両側端部の磁化を前記固定磁性層の磁化方向と交叉する方向に固定する工程。
【0053】
本発明の前記(m)工程における、前記非磁性層も、前記フリー磁性層を大気暴露による酸化から防止するためのものである。
【0054】
本発明でも、前記非磁性層が酸化されにくい貴金属材料によって形成されている。本発明では貴金属を使用することで、非磁性層の膜厚が薄くても十分な酸化防止効果を発揮するため、前記(o)工程で、低エネルギーのイオンミリングを使用でき、効果的に狭トラック化に優れた磁気検出素子を製造することが可能になっている。
【0055】
また、低エネルギーのイオンミリングを使用して前記フリー磁性層に大きなダメージを与えないようにできるので、前記強磁性層の膜厚を薄くできる。
【0056】
前記強磁性層の膜厚を薄くすると第2反強磁性層と前記強磁性層間で発生する交換結合磁界が強くなり、前記フリー磁性層の両側端部を強固に磁化固定できるようになる。すなわち、サイドリーディングを抑え、狭トラック化に適切に対応可能な磁気検出素子を製造できる。
【0057】
また前記強磁性層を薄くすると、前記強磁性層の内側側面から前記フリー磁性層の中央部に余分な静磁界が入り込むことも抑制でき、磁化反転可能なフリー磁性層の中央部の外部磁界に対する感度の低下を防止できる。
【0058】
本発明では、前記強磁性層の膜厚を5Å〜50Åに設定することができる。
なお、前記第2の反強磁性層上に、トラック幅方向に間隔をあけて一対の電極層を積層する工程を有することにより、電流が前記多層膜の各層の膜面に対し平行な方向に流れるCIP型の磁気検出素子を形成することができる。
【0059】
また、前記多層膜の上下に上部電極層及び下部電極層が設けられ、電流は前記多層膜の各層の膜面に対し垂直方向に流れるいわゆるCPP(current perpendicular to the plane)型の磁気検出素子を形成するときには、
前記(a)工程の前に、
(s1)基板上に、下部電極層を形成する工程を有し、
前記(e)工程の後に、
(s2)前記第2の反強磁性層上に、前記第2の反強磁性層を覆いトラック幅方向の中央部に穴部が設けられた絶縁層を積層する工程と、
(s3)前記多層膜層に電気的に導通する上部電極層を形成する工程と、
を有することが好ましい。
【0060】
または、前記(g)又は(m)工程の前に、
(t1)基板上に、下部電極層を形成する工程を有し、
前記(k)又は(q)の工程の代わりに、
(t2)前記第2の反強磁性層上に絶縁層を成膜する工程と、
(t3)前記絶縁層上に、トラック幅方向の中央部に穴部を設けたレジストを積層し、前記絶縁層及び前記第2の反強磁性層の前記穴部に露出する部位を削り込むことにより凹部を形成する工程と、
(t4)前記凹部の底面に電気的に導通する上部電極層を形成する工程と、
を有することが好ましい。
【0061】
または、前記(g)又は(m)工程の前に、
(t5)基板上に、下部電極層を形成する工程を有し、
前記(k)又は(q)の工程の代わりに、
(t6)前記第2の反強磁性層上にトラック幅方向の中央部に穴部が形成された絶縁層を成膜する工程と、
(t7)前記絶縁層をマスクとして、前記第2の反強磁性層のトラック幅方向中央部を削り込むことにより凹部を形成する工程と、
(t8)前記凹部の底面に電気的に導通する上部電極層を形成する工程と、
を有することが好ましい。
【0062】
さらに、前記(t3)工程と前記(t4)工程の間または前記(t7)工程と前記(t8)工程の間に、
(u1)前記凹部から前記絶縁層上にかけて他の絶縁層を成膜する工程と、
(u2)前記凹部の底面上に積層された前記他の絶縁層を除去する工程と、
を有することがより好ましい。
【0063】
また、CPP型の磁気検出素子の下部電極層を形成するときには、
前記(s1)工程と前記(a)工程の間、前記(t1)工程と前記(g)又は(m)工程の間或いは前記(t5)工程と前記(g)又は(m)工程の間に、
(v1)前記下部電極層のトラック幅方向の中央に、前記多層膜方向に突出した突出部を形成する工程と
(v2)前記下部電極層の前記突出部のトラック幅方向の両側部に絶縁層を設ける工程とを有し、
前記(a)、(g)または(m)工程において、
前記突出部の上面が前記多層膜の下面と接するように、前記多層膜を形成することが好ましい。
【0064】
さらに、前記(v2)工程において、
前記突出部の上面と、前記下部電極層の両側端部上に設けられた前記絶縁層の上面を同一平面にすることがより好ましい。
【0065】
また、前記下部電極層及び/又は前記上部電極層を磁性材料で形成すると、前記下部電極層が下部シールド層を兼用し、前記上部電極層が上部シールド層を兼用することができるので好ましい。
【0066】
なお、前記上部電極層を、前記多層膜と電気的に導通する非磁性導電性材料で形成される層と磁性材料で形成される層が積層されたものとして形成してもよい。
【0067】
また本発明では、前記非磁性材料層を非磁性導電材料で形成することが好ましい。前記非磁性材料層が非磁性導電材料で形成された磁気検出素子を、スピンバルブGMR型磁気抵抗効果素子(CPP−GMR)と呼んでいる。
【0068】
また本発明では、CPP型の磁気検出素子である場合、前記非磁性材料層を絶縁材料で形成してもよい。この磁気検出素子をスピンバルブトンネル型磁気抵抗効果型素子(CPP−TMR)と呼んでいる。
【0069】
本発明では、前記(a)、(g)または(m)工程で、前記非磁性層を薄く形成しても、十分な酸化防止効果を得ることができることを先に述べたが、具体的には、前記非磁性層を3Å以上で10Å以下で形成することができる。
【0070】
本発明では、前記(a)、(g)または(m)工程で、前記非磁性層を、Ru、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rhのいずれか1種または2種以上で形成することが好ましい。
【0071】
なお、従来使用されていたTa膜は、反強磁性層の内部に拡散すると、反強磁性層の性質(機能)を劣化させるものであった。
【0072】
また、本発明では、前記(a)、(g)または(m)工程で、前記フリー磁性層を磁性層の3層構造で形成することが好ましい。例えば、前記フリー磁性層をCoFe/NiFe/CoFeの3層構造で形成することが好ましい。
【0073】
【発明の実施の形態】
図1ないし図4は本発明の磁気検出素子の製造方法を示す一工程図である。図1ないし図4に示す各工程は記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0074】
本発明によって形成される磁気検出素子は、記録媒体に記録された記録信号を再生するためのMRヘッドである。記録媒体との対向面は、例えば磁気検出素子を構成する薄膜の膜面に垂直で且つ磁気検出素子のフリー磁性層の外部磁界(記録信号磁界)が印加されていないときの磁化方向と平行な平面である。図1では、記録媒体との対向面はX−Z平面に平行な平面である。
【0075】
なお、磁気検出素子が浮上式の磁気ヘッドに用いられる場合、記録媒体との対向面とは、いわゆるABS面のことである。
【0076】
また磁気検出素子は、例えばアルミナ−チタンカーバイト(Al23−TiC)で形成されたスライダのトレーリング端面上に形成される。スライダは、記録媒体との対向面と逆面側で、ステンレス材などによる弾性変形可能な支持部材と接合され、磁気ヘッド装置が構成される。
【0077】
なお、トラック幅方向とは、外部磁界によって磁化方向が変動する領域の幅方向のことであり、例えば、フリー磁性層の外部磁界が印加されていないときの磁化方向、すなわち図示X方向である。トラック幅方向のフリー磁性層の幅寸法が磁気検出素子のトラック幅Twを規定する。
【0078】
なお、記録媒体は磁気検出素子の記録媒体との対向面に対向しており、図示Z方向に移動する。この記録媒体からの洩れ磁界方向は図示Y方向である。
【0079】
図1に示す工程では、基板20上に、シードレイヤ21、第1反強磁性層22、固定磁性層23、非磁性材料層27、フリー磁性層28、および非磁性層31を連続成膜する。成膜にはスパッタや蒸着法が使用される。
【0080】
シードレイヤ21は、NiFe合金、NiFeCr合金あるいはCrなどで形成される。シードレイヤ21は、例えば(Ni0.8Fe0.260at%Cr40at%の膜厚60Åで形成される。
【0081】
シードレイヤ21の上には第1反強磁性層22が形成されている。第1反強磁性層22は、PtMn合金、または、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,Os,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1または2種以上の元素である)合金で形成される。
【0082】
第1反強磁性層22として、これらの合金を使用し、これを熱処理することにより、大きな交換結合磁界を発生する第1反強磁性層22及び固定磁性層23の交換結合膜を得ることができる。特に、PtMn合金であれば、48kA/m以上、例えば64kA/mを越える交換結合磁界を有し、交換結合磁界を失うブロッキング温度が380℃と極めて高い優れた第1反強磁性層22及び固定磁性層23の交換結合膜を得ることができる。
【0083】
これらの合金は、成膜直後の状態では、不規則系の面心立方構造(fcc)であるが、熱処理によってCuAuI型の規則型の面心正方構造(fct)に構造変態する。
【0084】
第1反強磁性層22の膜厚は、80〜300Åである。
第1反強磁性層22の上には、固定磁性層23が形成されている。固定磁性層23は人工フェリ構造となるものである。固定磁性層23は磁性層24、26とその間に介在する非磁性中間層25の3層構造である。
【0085】
磁性層24、26は、例えばNiFe合金、Co、CoNiFe合金、CoFe合金、CoNi合金などの磁性材料で形成される。磁性層24と磁性層26は、同一の材料で形成されることが好ましい。
【0086】
また、非磁性中間層25は、非磁性材料により形成されるもので、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuのうち1種またはこれらの2種以上の合金で形成されている。特にRuによって形成されることが好ましい。
【0087】
磁性層24、26は、それぞれ10〜70Å程度で形成される。また非磁性中間層25の膜厚は3Å〜10Å程度で形成で形成される。
【0088】
なお固定磁性層23は上記したいずれかの磁性材料を使用した1層構造あるいは上記したいずれかの磁性材料からなる層とCo層などの拡散防止層の2層構造で形成されていても良い。
【0089】
固定磁性層23の上には、非磁性材料層27が形成されている。非磁性材料層27は、固定磁性層23とフリー磁性層28との磁気的な結合を防止し、またセンス電流が主に流れる層であり、Cu,Cr,Au,Agなど導電性を有する非磁性材料により形成されることが好ましい。特にCuによって形成されることが好ましい。非磁性材料層27は例えば18〜30Å程度の膜厚で形成される。
【0090】
非磁性材料層27の上にはフリー磁性層28が形成されている。図1に示す実施形態ではフリー磁性層28は2層構造である。符号29の層は、CoやCoFeなどからなる拡散防止層である。この拡散防止層29はフリー磁性層28と非磁性材料層27の相互拡散を防止する。そして、この拡散防止層29の上にNiFe合金などで形成された磁性材料層30が形成されている。フリー磁性層28は、30〜50Å程度で形成される。
【0091】
また図1工程のようにフリー磁性層28上に非磁性層31を形成することで、図1に示す積層体が大気暴露されてもフリー磁性層28が酸化されるのを適切に防止できる。
【0092】
ここで非磁性層31は大気暴露によって酸化されにくい緻密な層である必要がある。
【0093】
本発明では非磁性層31を貴金属を用いて形成する。例えば、Ru、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rhのいずれか1種または2種以上からなる貴金属で形成することが好ましい。
【0094】
Ruなどの貴金属を用いてスパッタ成膜することにより、大気暴露によって酸化されにくい緻密な非磁性層31を得ることができる。したがって非磁性層31の膜厚を薄くしてもフリー磁性層28が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止できる。
【0095】
本発明では非磁性層31を3Å以上で10Å以下で形成することが好ましい。より好ましくは、3Å以上で8Å以下で形成することである。この程度の薄い膜厚の非磁性層31によってもフリー磁性層28が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止することが可能である。
【0096】
このように薄い膜厚で非磁性層31を形成したことによって図2工程でのイオンミリングを低エネルギーで行うことができミリング制御を従来に比べて向上させることができる。この点については図2工程で詳しく説明する。
【0097】
図1に示すように基板20上に非磁性層31までの各層を積層した後、第1の磁場中アニールを施す。トラック幅Tw(図示X方向)と直交する方向である第1の磁界(図示Y方向)を印加しつつ、第1の熱処理温度で熱処理し、第1の反強磁性層22と固定磁性層23を構成する磁性層24との間に交換結合磁界を発生させて、磁性層24の磁化を図示Y方向、すなわちハイト方向に固定する。もう一方の磁性層26の磁化は、磁性層24との間で働くRKKY相互作用による交換結合によって図示Y方向とは逆方向に固定される。なお例えば第1の熱処理温度を270℃とし、磁界の大きさを800k(A/m)とする。
【0098】
また上記した第1の磁場中アニールによって、非磁性層31を構成するRuなどの貴金属元素が、フリー磁性層28内部に拡散するものと考えられる。従って熱処理後におけるフリー磁性層28の表面近くの構成元素は、フリー磁性層を構成する元素と貴金属元素とから構成される。またフリー磁性層28内部に拡散した貴金属元素は、フリー磁性層28の下面側よりもフリー磁性層28の表面側の方が多く、拡散した貴金属元素の組成比は、フリー磁性層28の表面から下面に向うに従って徐々に減るものと考えられる。このような組成変調は、SIMS分析装置など薄膜の化学組成を分析する装置で確認することが可能である。
【0099】
次に図2に示す工程では非磁性層31の上面にレジスト層を形成し、このレジスト層を露光現像することによって図2に示す形状のレジスト層49を非磁性層31上に残す。レジスト層49は例えばリフトオフ用のアンダーカット形状を有するレジスト層である。
【0100】
次にレジスト層49に覆われていない非磁性層31の両側端部31aを、図2に示す矢印H方向からのイオンミリングで削って除去する(図13に示す点線部分の非磁性層31が除去される)。
【0101】
図2に示すイオンミリング工程では、低エネルギーのイオンミリングを使用できる。その理由は、非磁性層31が3Å〜10Å程度の非常に薄い膜厚で形成されているからである。
【0102】
低エネルギーのイオンミリングとは、ビーム電圧(加速電圧)が1000V未満のイオンビームを用いたイオンミリングであると定義される。例えば、150V〜500Vのビーム電圧が用いられる。本実施の形態では、200Vの低ビーム電圧のアルゴン(Ar)イオンビームを用いている。
【0103】
これに対し、例えば図21に示す従来例のようにTa膜9を使用すると、このTa膜9自体、大気暴露によって酸化されるので、30Å〜50Å程度の厚い膜厚で形成しないと、十分にその下の層を酸化から保護できず、しかもTa膜9は酸化によって体積が大きくなり、Ta膜9の膜厚は約50Å以上にまで膨れ上がる。
【0104】
このような厚い膜厚のTa膜9をイオンミリングで除くには、高エネルギーのイオンミリングでTa膜9を除去する必要があり、高エネルギーのイオンミリングを使用すると、Ta膜9のみが除去されるようにミリング制御することは非常に難しい。
【0105】
従って、Ta膜9の下に形成されているフリー磁性層5も深く削られ、フリー磁性層5に、イオンミリング時に使用されるArなどの不活性ガスが露出したフリー磁性層の表面から内部に入り込んだり、フリー磁性層の表面部分の結晶構造が壊れ、格子欠陥が発生(Mixing効果)する。これらのダメージによってフリー磁性層の磁気特性が劣化しやすい。また、約50Å以上の膜厚を有するTa膜9を低エネルギーのイオンミリングで削ると処理時間がかかりすぎて実用的でなくなる。また、Taは前記貴金属に比べると、成膜時にフリー磁性層に拡散浸入しやすく、Ta膜9のみを削って除去できたとしても、露出したフリー磁性層表面には、Taが混入する。Taが混入したフリー磁性層は、磁気特性が劣化する。
【0106】
一方、本発明では、低エネルギーのイオンミリングによって非磁性層31を削ることができる。低エネルギーのイオンミリングはミリングレートが遅く、ミリング止め位置のマージンを狭くすることが可能になる。特に、非磁性層31をイオンミリングで除去した瞬間にミリングを止めることも可能になる。従って、フリー磁性層28はイオンミリングによって大きなダメージを受けなくなる。なお、図2工程におけるイオンミリングの入射角度は、基板20表面に対する法線方向から30°〜70°にすることが好ましい。また、イオンミリングの処理時間は数秒〜10分程である。
【0107】
このため、次工程で、フリー磁性層28上に積層される強磁性層32の膜厚を薄くしても、フリー磁性層28と強磁性層32との間の磁気的な結合(強磁性的な交換相互作用)を強くできる。
【0108】
次に図3工程を施す。図3工程では、フリー磁性層28の両側端部28a上に、強磁性層32、第2反強磁性層33、電極層34を真空中で連続成膜する。成膜にはスパッタや蒸着法を使用できる。成膜された第2反強磁性層33の内側端部33a及び電極層34の内側端部34aは、下面から上面に向うにしたがって(図示Z方向)、徐々に第2反強磁性層33間の間隔が広がる傾斜面あるいは湾曲面で形成される。
【0109】
またこの実施形態では強磁性層32の下面間の間隔でトラック幅Twが規定される。
【0110】
第2反強磁性層33に使用される材質は、第1反強磁性層22に使用される反強磁性材料と同じものであることが好ましい。
【0111】
また図3に示す工程では、第2反強磁性層33の膜厚が80Å以上で500Å以下の厚い膜厚となるように、第2反強磁性層33の膜厚を調整することが好ましい。
【0112】
図3に示すように電極層34まで積層形成した後、強磁性層32を構成する元素からなる強磁性材料の膜32b、第2反強磁性層33を構成する元素からなる反強磁性材料の膜33b及び電極層34を構成する元素からなる電極材料の膜34bが付着したレジスト層49を有機溶剤などを用いたリフトオフで除去する。
【0113】
強磁性層32は、フリー磁性層28の磁性材料層30或いは拡散防止層29と同じ材料で形成される。
【0114】
電極層34は、例えば、Au、W、Cr、Ru、Rh、Taなどで形成される。電極層34の膜厚は300Å〜1000Åである。
【0115】
次に第2の磁場中アニールを施す。このときの磁場方向は、トラック幅方向(図示X方向)である。なおこの第2の磁場中アニールは、第2の印加磁界を、第1反強磁性層22の交換異方性磁界よりも小さく、しかも熱処理温度を、第1反強磁性層22のブロッキング温度よりも低くする。これによって第1反強磁性層22の交換異方性磁界の方向をハイト方向(図示Y方向)に向けたまま、第2反強磁性層33の交換異方性磁界をトラック幅方向(図示X方向)に向けることができる。なお第2の熱処理温度は例えば250℃であり、磁界の大きさは8〜30(kA/m)、例えば24k(A/m)である。
【0116】
なお、第2の印加磁界を強磁性層32とフリー磁性層28の反磁界及び保磁力より大きくすることが好ましい。
【0117】
このため上記の第2の磁場中アニールによって、第2反強磁性層33は適切に規則化変態し、第2反強磁性層33と強磁性層32との間に適切な大きさの交換結合磁界が発生する。さらに、強磁性層32とフリー磁性層28の両側端部Cとの間に、交換相互作用に基づく強磁性結合が発生し、これによってフリー磁性層28の両側端部Cの磁化は、トラック幅方向(図示X方向)に固定される。
【0118】
なお、フリー磁性層28の中央部Dの磁化は外部磁界に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区化された状態である。
【0119】
また、図2工程で、ミリング角度を基板20表面の垂直方向に対し50°から60°、ミリング時間を30秒から50秒で行うと、非磁性層31が完全に除去され、フリー磁性層28の表面がわずかに削られた状態になるが、フリー磁性層28はイオンミリングによって大きなダメージを受けないため、強磁性層32とフリー磁性層28の両側端部Cとの間には適切な強磁性結合が発生し、交換バイアス磁界の大きさを32〜72(kA/m)にすることも可能になる。
【0120】
本発明では、フリー磁性層28上に積層される強磁性層32の膜厚を薄くしても、フリー磁性層28と強磁性層32との間の磁気的な結合(強磁性的な交換相互作用)を強くできる。
【0121】
強磁性層32の膜厚を薄くすると第2反強磁性層33と強磁性層32間で発生する交換結合磁界が強くなり、フリー磁性層の両側端部を強固に磁化固定できるようになる。すなわち、サイドリーディングを抑え、狭トラック化に適切に対応可能な磁気検出素子を製造できる。
【0122】
また強磁性層32を薄くすると、強磁性層32の内側側面からフリー磁性層28の中央部Dに余分な静磁界が入り込むことも抑制でき、磁化反転可能なフリー磁性層28の中央部Dの外部磁界に対する感度の低下を防止できる。
【0123】
本発明では、強磁性層32の膜厚を5Å〜50Åに設定することができる。
こうして、図4に示される磁気検出素子が得られる
上記のように本発明の製造方法によれば従来に比べて適切にフリー磁性層28の磁化制御を行うことができ、狭トラック化においても再生感度に優れた磁気検出素子を製造することができる。
【0124】
図5ないし図8に示す製造工程は第2の本発明の磁気検出素子の製造方法を示す一工程図である。各図は記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0125】
まず図5工程では、基板20上に、シードレイヤ21、第1反強磁性層22、固定磁性層23、非磁性材料層27、フリー磁性層28、中間反強磁性層41、および非磁性層31を連続成膜する。成膜にはスパッタや蒸着法が使用される。図5に示す固定磁性層23は、例えばCoFe合金などで形成された磁性層24と磁性層26と、両磁性層24、26間に介在するRuなどの非磁性の中間層25との積層フェリ構造である。フリー磁性層28は、CoFe合金などの拡散防止層29とNiFe合金などの磁性材料層30との積層構造である。
【0126】
シードレイヤ21はCrまたはNiFeCrで形成し、非磁性材料層27はCuで形成している。
【0127】
本発明では第1反強磁性層22及び中間反強磁性層41を、PtMn合金、または、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,Os,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1または2種以上の元素である)合金で形成することが好ましい。
【0128】
また前記PtMn合金及び前記X−Mnの式で示される合金において、PtあるいはXが37〜63at%の範囲であることが好ましい。また、前記PtMn合金及び前記X−Mnの式で示される合金において、PtあるいはXが47〜57at%の範囲であることがより好ましい。特に規定しない限り、〜で示す数値範囲の上限と下限は以下、以上を意味する。
【0129】
また、Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’+Ptが37〜63at%の範囲であることが好ましい。また、前記Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’+Ptが47〜57at%の範囲であることがより好ましい。さらに、前記Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’が0.2〜10at%の範囲であることが好ましい。ただし、X’がPd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である場合には、X’は0.2〜40at%の範囲であることが好ましい。
【0130】
また本発明では第1反強磁性層22の膜厚を80Å以上で300Å以下で形成することが好ましい。この程度の厚い膜厚で第1反強磁性層22を形成することにより磁場中アニールで、第1反強磁性層22と固定磁性層23間に大きな交換結合磁界を発生させることができる。具体的には、48kA/m以上、例えば64kA/mを越える交換結合磁界を発生させることができる。
【0131】
また本発明では中間反強磁性層41の膜厚を10Å以上で50Å以下で形成することが好ましく、より好ましくは30Å以上で40Å以下で形成する。
【0132】
本発明では、このように中間反強磁性層41を薄い膜厚で形成することに特徴点がある。
【0133】
上記のように中間反強磁性層41を50Å以下の薄い膜厚で形成することにより、中間反強磁性層41は反強磁性の性質を有さなくなり、磁場中アニールを施しても、中間反強磁性層41が規則化変態しにくく中間反強磁性層41とフリー磁性層28間に交換結合磁界が発生せずあるいは発生してもその値は小さく、フリー磁性層28の磁化が、固定磁性層23と同じように強固に固定されることがない。
【0134】
また中間反強磁性層41が10Å以上、好ましくは30Å以上で形成されるとしたのは、この程度の膜厚がないと、後工程で中間反強磁性層41の両側端部C上に第2反強磁性層42を形成しても、中間反強磁性層41の両側端部Cが反強磁性の性質を帯び難く、中間反強磁性層41の両側端部Cとフリー磁性層28の両側端部C間に適切な大きさの交換結合磁界が発生しないからである。
【0135】
また図5工程のように中間反強磁性層41上に非磁性層31を形成することで、図5に示す積層体が大気暴露されても中間反強磁性層41が酸化されるのを適切に防止できる。
【0136】
ここで非磁性層31は大気暴露によって酸化されにくい緻密な層である必要がある。また熱拡散などにより非磁性層31が中間反強磁性層41内部に侵入しても反強磁性層としての性質を劣化させない材質である必要がある。
【0137】
本発明では非磁性層31を貴金属で形成する。具体的には、Ru、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rhのいずれか1種または2種以上からなる貴金属で形成することが好ましい。
【0138】
Ruなどの貴金属からなる非磁性層31は大気暴露によって酸化されにくい緻密な層である。したがって非磁性層31の膜厚を薄くしても中間反強磁性層41が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止できる。
【0139】
本発明では非磁性層31を3Å以上で10Å以下で形成することが好ましい。この程度の薄い膜厚の非磁性層31によっても適切に中間反強磁性層41が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止することが可能である。
【0140】
本発明では上記のように非磁性層31をRuなどの貴金属で形成し、しかも非磁性層31を3Å〜10Å程度の薄い膜厚で形成している。このように薄い膜厚で非磁性層31を形成したことによって次工程のイオンミリング制御を適切に且つ容易に行うことができるのである。
【0141】
図5に示すように基板20上に非磁性層31までの各層を積層した後、第1の磁場中アニールを施す。トラック幅Tw(図示X方向)と直交する方向である第1の磁界(図示Y方向)を印加しつつ、第1の熱処理温度で熱処理し、第1の反強磁性層12と固定磁性層23を構成する磁性層24との間に交換結合磁界を発生させて、磁性層24の磁化を図示Y方向に固定する。もう一方の磁性層26の磁化は、磁性層24との間で働くRKKY相互作用による交換結合によって図示Y方向とは逆方向に固定される。なお例えば第1の熱処理温度を270℃とし、磁界の大きさを800k(A/m)とする。
【0142】
また上記したように、この第1の磁場中アニールによって中間反強磁性層41は膜厚が薄いため規則化変態しにくく、中間反強磁性層41とフリー磁性層28を構成する磁性材料層30との間には交換結合磁界は発生しない。中間反強磁性層41は50Å以下の薄い膜厚で形成されており、反強磁性としての性質を有していないからである。
【0143】
また上記した第1の磁場中アニールによって、非磁性層31を構成するRuなどの貴金属元素が、中間反強磁性層41内部に拡散するものと考えられる。従って熱処理後における中間反強磁性層41の構成元素は、反強磁性層を構成する元素と貴金属元素とから構成される。また中間反強磁性層41内部に拡散した貴金属元素は、中間反強磁性層41の下面側よりも中間反強磁性層41の表面側の方が多く、拡散した貴金属元素の組成比は、中間反強磁性層41の表面から下面に向うに従って徐々に減るものと考えられる。このような組成変調は、SIMS分析装置などで確認することが可能である。
【0144】
また、非磁性層31を形成するための貴金属元素は、中間反強磁性層の材料と混合したときに、この混合物が反強磁性を示すので、第1の磁場中アニールで、前記貴金属元素が中間反強磁性層41の内部に拡散しても、中間反強磁性層41の反強磁性が劣化することをなくすことができる。
【0145】
次に図5工程で非磁性層31の表面全体をイオンミリングし、非磁性層31を除去する。
【0146】
図5に示すイオンミリング工程では、低エネルギーのイオンミリングを使用できる。その理由は、成膜段階で非磁性層31が3Å〜10Å程度の非常に薄い膜厚で形成されているからである。このため本発明では、低エネルギーのイオンミリングによって非磁性層31が除去され、中間反強磁性層の最表面でミリングを止めやすく、従来に比べてミリング制御を向上させることができるのである。
【0147】
図5工程におけるイオンミリングの入射角度は、基板20表面に対する法線方向から30°〜70°にすることが好ましい。なお、イオンミリングの処理時間は数秒〜10分程度である。
【0148】
次に図6に示す工程では、中間反強磁性層41上に第2反強磁性層42を成膜し、さらに連続して第2反強磁性層42の上にTaなどで形成された中間層(保護層)43を成膜する。中間層43は、第2反強磁性層42を大気暴露によって酸化されないように保護するためのものである。
【0149】
なお、第2反強磁性層42を中間反強磁性層41と同じ材質で形成することが好ましい。
【0150】
また図6に示す工程では、第2反強磁性層42と中間反強磁性層41とを足した総合膜厚が80Å以上で500Å以下の厚い膜厚となるように、第2反強磁性層42の膜厚を調整することが好ましい。
【0151】
中間反強磁性層41の膜厚と第2反強磁性層42の膜厚とを足した総合膜厚が80Å以上で500Å以下程度の厚い膜厚で形成されると、単独では反強磁性の性質を有さなかった中間反強磁性層41が反強磁性の性質を帯びるからである。
【0152】
次に図7に示す工程では、中間層43上にトラック幅方向(図示X方向)に所定の間隔50aを開けて例えば無機材料で形成されたマスク層50を形成する。前記無機材料としては、Ta、Ti、Si、Zr、Nb、Mo、Hf、W、Al−O、Al−Si−O、Si−Oなどを選択できる。このうち金属材料でマスク層50を形成する場合には、マスク層50を製造工程後においてもそのまま残して電極層44として機能させることもできる。
【0153】
マスク層50の形成は、例えば中間層43の中央部上にレジスト層(図示しない)を立てておき、その両側をマスク層50で埋めた後、レジスト層を除去してマスク層50に所定幅の間隔50aを形成する。あるいは中間層43上全体にマスク層50を形成した後、レジスト層(図示しない)をマスク層50上に重ねて形成し、前記レジスト層の中央部に露光現像によって穴部を形成した後、この穴部から露出するマスク層50をRIE(反応性イオンエッチング)などで削って、マスク層50に所定幅の間隔50aを形成する。
【0154】
あるいは本発明ではマスク層50をレジストで形成してもよい。
図7に示す工程では、マスク層50の間隔50a内から露出する中間層43をRIEやイオンミリングによって削り、さらに中間層43下の第2反強磁性層42を点線Kの位置まで削り込む。このとき点線K下の第2反強磁性層42の膜厚と中間反強磁性層41の膜厚を足した総合膜厚が50Å以下になるまで第2反強磁性層42を削り込むことが好ましい。より好ましくは40Å以下である。そうしないと、中間反強磁性層41の中央部Dが反強磁性の性質を残してしまい、次工程の第2磁場中アニールで、中間反強磁性層41の中央部Dとフリー磁性層28の中央部D間で交換結合磁界が発生し、フリー磁性層28の中央部Dの磁化が強固に固定されてしまうからである。
【0155】
またマスク層50の間隔50a内から露出する第2反強磁性層42をすべて除去し、その下に形成されている中間反強磁性層41を一点鎖線Lまで除去してミリングを止めてもよい。
【0156】
図7に示すように、第2反強磁性層42は、基板20表面に対し垂直方向または垂直方向に近い方向に削り込まれるので、第2反強磁性層42の内側端部42aは基板20表面に対し垂直方向(図示Z方向)または垂直方向に近い方向に形成される。なお当然に、第2反強磁性層42の下側に形成された層まで削り込むときには、削り込まれた各層の内側端面は基板20表面に対し垂直方向または垂直方向に近い方向(基板20表面に対する角度が80°〜90°)に形成された状態になっている。
【0157】
なお例えば図7の点線Mのように、マスク層50の内側端部50bが、下面から上面に向け徐々に間隔50aが広がる傾斜面や湾曲面で形成されている場合、第2反強磁性層42等の内側端部42aも傾斜面あるいは湾曲面として形成される。
【0158】
マスク層50の内側端部50bが傾斜面あるいは湾曲面として形成されていると、削り込まれる間隔50a内のトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法は下面に向うほど狭くなっていく。このためトラック幅Twを、マスク層50の間隔50aの幅よりもさらに小さくでき、より狭トラック化に対応可能な磁気検出素子を製造することができる。
【0159】
またどこまで削り込むかは任意であるが、少なくともフリー磁性層28の中央部D上に反強磁性を帯びる程度の厚い膜厚の反強磁性層を残さないことが重要である。
【0160】
上記したRIEやイオンミリング工程が終了した後、第2の磁場中アニールを施す。このときの磁場方向は、トラック幅方向(図示X方向)である。なおこの第2の磁場中アニールは、第2の印加磁界を、第1反強磁性層22の交換異方性磁界よりも小さく、しかも熱処理温度を、第1反強磁性層22のブロッキング温度よりも低くする。これによって第1反強磁性層22の交換異方性磁界の方向をハイト方向(図示Y方向)に向けたまま、中間反強磁性層41の両側端部Cの交換異方性磁界をトラック幅方向(図示X方向)に向けることができる。なお第2の熱処理温度は例えば250℃であり、磁界の大きさは8〜30(kA/m)、例えば24k(A/m)である。
【0161】
なお、第2の印加磁界を強磁性層32とフリー磁性層28の反磁界及び保磁力より大きくすることが好ましい。 中間反強磁性層41の両側端部Cは、その上に形成された第2反強磁性層42との間で発生する反強磁性的な相互作用によって反強磁性の性質を帯びているから、この第2の磁場中アニールによって、中間反強磁性層41の両側端部Cは規則化変態し、中間反強磁性層41の両側端部Cとフリー磁性層28の両側端部Cとの間に大きな交換結合磁界が発生する。これによってフリー磁性層28の両側端部Cの磁化は、トラック幅方向(図示X方向)に固定される。
【0162】
一方、フリー磁性層28の中央部D上には反強磁性の性質を帯びない程度の薄い膜厚の反強磁性層しか形成されていないから、上記の第2の磁場中アニールによっても、フリー磁性層28の中央部D上に形成された中間反強磁性層41の中央部Dは規則化変態せず、中間反強磁性層41の中央部Dとフリー磁性層28の中央部D間には交換結合磁界が発生せずあるいは発生してもその値は小さく、フリー磁性層28の中央部Dが両側端部Cと同様にトラック幅方向に強固に固定されるといったことがない。また、フリー磁性層28の中央部Dの保磁力が、中間反強磁性層41によって増大することも避けることができる。
【0163】
フリー磁性層28の中央部Dの磁化は外部磁界に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区化された状態である。
【0164】
また、フリー磁性層28の中央部D上の中間反強磁性層41の膜厚は、50Å以下であるので、中間反強磁性層41へのセンス電流の分流を少なくすることができ、磁気検出素子の磁界検出出力を向上させることができる。
【0165】
このように本発明では、従来に比べてフリー磁性層28の磁化制御を適切に行うことができ、狭トラック化においても再生感度に優れた磁気検出素子を製造することができる。
【0166】
またこの第2の磁場中アニールを図6工程の後、すなわち中間反強磁性層41上に第2反強磁性層42及び中間層43を成膜した後、施してもよい。かかる場合、中間反強磁性層41は第2反強磁性層42が重ねて形成されたことで、反強磁性の性質を帯びており、第2の磁場中アニールで中間反強磁性層41は規則化変態し、中間反強磁性層41とフリー磁性層28との間で大きな交換結合磁界が生じ、一旦、フリー磁性層28全体の磁化がトラック幅方向に固定されやすくなるが、図7工程で、第2反強磁性層42の中央部Dや第2反強磁性層42及び中間反強磁性層41の中央部Dを削り込むことで、フリー磁性層28の中央部D上に形成された反強磁性層との間で発生する交換結合磁界は弱まり、フリー磁性層28の中央部Dを磁化反転しやすい程度に弱い磁化に変えることができるものと考えられる。
【0167】
図8は、電極層44の形成工程を示す一工程図である。図面は記録媒体との対向面側から部分拡大断面図である。
【0168】
図7に示すマスク層50がレジストなど、残しておいても電極層とはなり得ない材質の場合、マスク層50を除去した後、電極層44を第2反強磁性層42上に形成しなければならない。
【0169】
図8工程に示すように、第2反強磁性層42間の間隔42bから、さらに第2反強磁性層42の一部の上面にまでレジスト層51を形成する。なお間隔42b内にのみレジスト層51を設けてもよい。そしてレジスト層51に覆われていない第2反強磁性層42上に電極層44を成膜し、レジスト層51を除去する。これによって第2反強磁性層42上に電極層44を形成できる。
【0170】
図7工程において、第2反強磁性層42を鎖線Kまで除去するミリングしたときは、図9に示される磁気検出素子が得られる。また、中間反強磁性層41を一点鎖線Lまで除去するミリングを行ったときには、図10に示される磁気検出素子が得られる。
【0171】
図11ないし図13は本発明の磁気検出素子の製造方法を示す一工程図である。図11ないし図13に示す各工程は記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0172】
図1と同じ工程によって、基板20上に、シードレイヤ21、第1反強磁性層22、固定磁性層23、非磁性材料層27、フリー磁性層28、および非磁性層31を連続成膜する。成膜にはスパッタや蒸着法が使用される。各層の材料及び膜厚は、図1に示される同じ符号をつけた各層と同じである。
【0173】
本発明でも、フリー磁性層28上に非磁性層31を形成することで、図5に示す積層体が大気暴露されてもフリー磁性層28が酸化されるのを適切に防止できる。
【0174】
ここで非磁性層31は大気暴露によって酸化されにくい緻密な層である必要がある。
【0175】
本発明では非磁性層31を貴金属で形成する。具体的には、Ru、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rhのいずれか1種または2種以上からなる貴金属で形成することが好ましい。
【0176】
Ruなどの貴金属からなる非磁性層31は大気暴露によって酸化されにくい緻密な層である。したがって非磁性層31の膜厚を薄くしてもフリー磁性層28が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止できる。
【0177】
本発明では非磁性層31を3Å以上で10Å以下で形成することが好ましい。この程度の薄い膜厚の非磁性層31によっても適切にフリー磁性層28が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止することが可能である。
【0178】
このように薄い膜厚で非磁性層31を形成したことによって次工程のイオンミリング制御を適切に且つ容易に行うことができるのである。
【0179】
図11に示すように基板20上に非磁性層31までの各層を積層した後、第1の磁場中アニールを施す。トラック幅Tw(図示X方向)と直交する方向である第1の磁界(図示Y方向)を印加しつつ、第1の熱処理温度で熱処理し、第1の反強磁性層22と固定磁性層23を構成する磁性層24との間に交換結合磁界を発生させて、磁性層24の磁化を図示Y方向に固定する。もう一方の磁性層26の磁化は、磁性層24との間で働くRKKY相互作用による交換結合によって図示Y方向とは逆方向に固定される。なお例えば第1の熱処理温度を270℃とし、磁界の大きさを800k(A/m)とする。
【0180】
また上記した第1の磁場中アニールによって、非磁性層31を構成するRuなどの貴金属元素が、フリー磁性層28内部に拡散するものと考えられる。従って熱処理後におけるフリー磁性層28の表面近くの構成元素は、反強磁性層を構成する元素と貴金属元素とから構成される。またフリー磁性層28内部に拡散した貴金属元素は、フリー磁性層28の下面側よりもフリー磁性層28の表面側の方が多く、拡散した貴金属元素の組成比は、フリー磁性層28の表面から下面に向うに従って徐々に減るものと考えられる。このような組成変調は、SIMS分析装置など薄膜の化学組成を分析する装置で確認することが可能である。
【0181】
次に、非磁性層31の表面全体をイオンミリングし、非磁性層31を除去する。
【0182】
図11に示すイオンミリング工程では、低エネルギーのイオンミリングを使用できる。その理由は、成膜段階で非磁性層31が3Å〜10Å程度の非常に薄い膜厚で形成されているからである。このため本発明では、低エネルギーのイオンミリングによって非磁性層31が除去され、フリー磁性層28の最表面でミリングを止めやすく、従来に比べてミリング制御を向上させることができるのである。
【0183】
なお、図11工程におけるイオンミリングの入射角度は、基板20表面に対する法線方向から30°〜70°にすることが好ましい。なお、イオンミリングの処理時間は約1分程度である。
【0184】
次に図12に示す工程では、フリー磁性層28上に、フリー磁性層28の磁性材料層30あるいは拡散防止層29と同じ材料を用いて、強磁性層45を成膜し、さらに第2反強磁性層42、Taなどで形成された中間層(保護層)43を真空中で連続成膜する。中間層43は、第2反強磁性層42を大気暴露によって酸化されないように保護するためのものである。
【0185】
なお、第2反強磁性層42を第1の反強磁性層22と同じ材質で形成することが好ましい。
【0186】
また図6に示す工程では、第2反強磁性層42の膜厚が80Å以上で500Å以下の厚い膜厚にすることが好ましい。
【0187】
次に、中間層43上にトラック幅方向(図示X方向)に所定の間隔50aを開けて例えば無機材料で形成されたマスク層50を形成する。前記無機材料としては、Ta、Ti、Si、Zr、Nb、Mo、Hf、W、Al−O、Al−Si−O、Si−Oなどを選択できる。このうち金属材料でマスク層50を形成する場合には、マスク層50を製造工程後においてもそのまま残して電極層44として機能させることもできる。
【0188】
マスク層50の形成は、例えば中間層43の中央部上にレジスト層(図示しない)を立てておき、その両側をマスク層50で埋めた後、前記レジスト層を除去してマスク層50に所定幅の間隔50aを形成する。あるいは中間層43上全体にマスク層50を形成した後、レジスト層(図示しない)をマスク層50上に重ねて形成し、前記レジスト層の中央部に露光現像によって穴部を形成した後、この穴部から露出するマスク層50をRIEなどで削って、マスク層50に所定幅の間隔50aを形成する。
【0189】
あるいは本発明ではマスク層50をレジストで形成してもよい。
マスク層50の間隔50a内から露出する中間層43をRIEやイオンミリングによって削り、さらに中間層43下の第2反強磁性層42及び強磁性層45を削り込む。
【0190】
図12に示すように、第2反強磁性層42は、基板20表面に対し垂直方向または垂直方向に近い方向に削り込まれるので、第2反強磁性層42の内側端部42aは基板20表面に対し垂直方向(図示Z方向)または垂直方向に近い方向に形成される。なお当然に、第2反強磁性層42の下側に形成された層まで削り込むときには、削り込まれた各層の内側端面は基板20表面に対し垂直方向または垂直方向に近い方向に形成された状態になっている。
【0191】
なお例えば図12の点線Mのように、マスク層50の内側端部50bが、下面から上面に向け徐々に間隔50aが広がる傾斜面や湾曲面で形成されている場合、第2反強磁性層42等の内側端部42aも傾斜面あるいは湾曲面として形成される。
【0192】
マスク層50の内側端部50bが傾斜面あるいは湾曲面として形成されていると、削り込まれる間隔50a内のトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法は下面に向うほど狭くなっていく。このためトラック幅Twを、マスク層50の間隔50aの幅よりもさらに小さくでき、より狭トラック化に対応可能な磁気検出素子を製造することができる。
【0193】
上記したRIEやイオンミリング工程が終了した後、第2の磁場中アニールを施す。このときの磁場方向は、トラック幅方向(図示X方向)である。なおこの第2の磁場中アニールは、第2の印加磁界を、第1反強磁性層22の交換異方性磁界よりも小さく、しかも熱処理温度を、第1反強磁性層22のブロッキング温度よりも低くする。これによって第1反強磁性層22の交換異方性磁界の方向をハイト方向(図示Y方向)に向けたまま、第2反強磁性層42の両側端部Cの交換異方性磁界をトラック幅方向(図示X方向)に向けることができる。なお第2の熱処理温度は例えば250℃であり、磁界の大きさは8〜30(kA/m)、例えば24k(A/m)である。
【0194】
なお、第2の印加磁界を強磁性層32とフリー磁性層28の反磁界及び保磁力より大きくすることが好ましい。
【0195】
このため上記の第2の磁場中アニールによって、第2反強磁性層42は適切に規則化変態し、第2反強磁性層42と強磁性層45との間に適切な大きさの交換結合磁界が発生する。さらに、強磁性層45とフリー磁性層28の両側端部Cとの間に、交換相互作用に基づく強磁性結合が発生し、これによってフリー磁性層28の両側端部Cの磁化は、トラック幅方向(図示X方向)に固定される。
【0196】
なお、フリー磁性層28の中央部Dの磁化は外部磁界に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区化された状態である。
【0197】
また、図11工程で、ミリング角度を基板20表面の垂直方向に対し50°から60°、ミリング時間を30秒から50秒で行うと、非磁性層31が完全に除去され、フリー磁性層28の表面がわずかに削られた状態になるが、フリー磁性層28はイオンミリングによって大きなダメージを受けないため、強磁性層45とフリー磁性層28の両側端部Cとの間には適切な強磁性結合が発生し、交換バイアス磁界の大きさを32〜72(kA/m)にすることも可能になる。
【0198】
本発明では、フリー磁性層28上に積層される強磁性層45の膜厚を薄くしても、フリー磁性層28と強磁性層45との間の磁気的な結合(強磁性的な交換相互作用)を強くできる。
【0199】
強磁性層45の膜厚を薄くすると第2反強磁性層42と強磁性層45間で発生する交換結合磁界が強くなり、フリー磁性層の両側端部を強固に磁化固定できるようになる。すなわち、サイドリーディングを抑え、狭トラック化に適切に対応可能な磁気検出素子を製造できる。
【0200】
また強磁性層45を薄くすると、強磁性層45の内側側面からフリー磁性層28の中央部Dに余分な静磁界が入り込むことも抑制でき、磁化反転可能なフリー磁性層28の中央部Dの外部磁界に対する感度の低下を防止できる。
【0201】
本発明では、強磁性層45の膜厚を5Å〜50Åに設定することができる。
このように本発明では、従来に比べてフリー磁性層28の磁化制御を適切に行うことができ、狭トラック化においても再生感度に優れた磁気検出素子を製造することができる。
【0202】
図7に示すマスク層50がレジストなど、残しておいても電極層とはなり得ない材質の場合、マスク層50を除去した後、電極層44を第2反強磁性層42上に形成しなければならない。
【0203】
電極層44を形成するときは、図8工程に示すように、第2反強磁性層42間の間隔42bから、さらに第2反強磁性層42の一部の上面にまでレジスト層51を形成する。なお間隔42b内にのみレジスト層51を設けてもよい。そしてレジスト層51に覆われていない第2反強磁性層42上に電極層44を成膜し、レジスト層51を除去する。これによって第2反強磁性層42上に電極層44を形成できる。
【0204】
上記各工程を経て、図13に示される磁気検出素子を得ることができる。
なお、図11のイオンミリング終了後、強磁性層45を積層せずフリー磁性層28上に直接第2反強磁性層42を積層してもよい。この場合フリー磁性層28に与えられる交換バイアス磁界は、図13に示される磁気検出素子よりも小さくなるが、それでも絶対値で16(kA/m)程度の交換バイアス磁界を得ることができる。
【0205】
次に本発明におけるフリー磁性層28の形態について説明する。
図1ないし図13では、すべてフリー磁性層28は2層構造であり、非磁性材料層27と接する側の層が、CoFeやCoなどの拡散防止層29となっている。磁性材料層30はNiFe合金などの磁性材料で形成されている。
【0206】
フリー磁性層28は磁性材料の単層で形成されていてもよい。磁性材料としてはNiFe合金、CoFe合金、CoFeNi合金、Co、CoNi合金などを選択できる。このうち特にフリー磁性層28をCoFeNi合金で形成することが好ましい。
【0207】
図14は、フリー磁性層28の部分を中心に図示した部分拡大断面図である。断面は記録媒体との対向面側から見ている。
【0208】
図14に示す形態ではフリー磁性層28は3層構造である。フリー磁性層28を構成する符号56、57、58の各層はすべて磁性材料の層であり、磁性材料層56は、非磁性材料層27との間で元素の拡散を防止するための拡散防止層である。磁性材料層56はCoFeやCoなどで形成される。
【0209】
磁性材料層58は、強磁性層32、中間反強磁性層41、または強磁性層45と接して形成されている。図14では強磁性層32と接している状態を図示している。
【0210】
磁性材料層58は、CoFe合金で形成されることが好ましい。
図14に示す3層構造の材質の組合わせとしては、例えば磁性材料層56:CoFe/磁性材料層57:NiFe/磁性材料層58:CoFeを提示できる。
【0211】
磁性材料のみで形成されたフリー磁性層28の膜厚は30Å〜50Å程度で形成されることが好ましい。またフリー磁性層28に使用されるCoFe合金の組成比は、例えばCoが90at%、Feが10at%である。
【0212】
図15は、フリー磁性層28の別の実施形態を示す部分拡大断面図である。図15に示すフリー磁性層28は積層フェリ構造と呼ばれる構造である。これによりフリー磁性層28の物理的な厚みを極端に薄くすることなしに、磁気的な実効的フリー磁性層の膜厚を薄くでき、外部磁界に対する感度を向上させることができる。
【0213】
符号59、61の層は磁性層であり、符号60の層は非磁性中間層である。磁性層59および磁性層61は、例えばNiFe合金、CoFe合金、CoFeNi合金、Co、CoNi合金などの磁性材料で形成される。このうち特に磁性層59及び/または磁性層61は、CoFeNi合金で形成されることが好ましい。組成比としては、Feが9at%以上で17at%以下、Niが0.5at%以上で10at%以下、残りがCoのat%であることが好ましい。
【0214】
これにより磁性層59、61間に働くRKKY相互作用による結合磁界を大きくできる。具体的にはスピンフロップ磁界(Hsf)を約293(kA/m)以上にできる。以上により、磁性層59と磁性層61との磁化を適切に反平行状態にできる。また上記した組成範囲内であると、フリー磁性層28の磁歪を−3×10-6から3×10-6の範囲内に収めることができ、また保磁力を790(A/m)以下に小さくできる。
【0215】
さらに、フリー磁性層28の軟磁気特性の向上、非磁性材料層27へのNiの拡散による抵抗変化量(ΔR)や抵抗変化率(ΔR/R)の低減の抑制を適切に図ることが可能である。
【0216】
また非磁性中間層60は、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuのうち1種または2種以上で形成されることが好ましい。
【0217】
磁性層59の膜厚は例えば35Å程度で、非磁性中間層60は例えば9Å程度で、磁性層61の膜厚は例えば15Å程度で形成される。
【0218】
上記したフリー磁性層28が積層フェリ構造で形成されたとき、図18に示すように、中央部Dで磁性層61が一部除去された状態にすることもできるし、また、図19に示すように、中央部Dで磁性層61が完全に除去され、非磁性中間層60が露出するように構成することもできる。これによりフリー磁性層28の中央部Dは積層フェリ構造ではなく、通常の磁性層のみで形成されたフリー磁性層として機能し、一方、フリー磁性層28の両側端部Cでは積層フェリ構造となり、一方向性バイアス磁界を増強し、より確実にフリー磁性層28の両側端部Cをトラック幅方向に固定させ、サイドリーディングの発生を防ぐことができる。
【0219】
また磁性層59と非磁性材料層27との間には、CoFe合金やCoで形成された拡散防止層が設けられていてもよい。さらには、磁性層61と中間反強磁性層41間にCoFe合金で形成された磁性層が介在していてもよい。
【0220】
かかる場合、磁性層59及び/または磁性層61がCoFeNi合金で形成されるとき、CoFeNi合金のFeの組成比は7原子%以上で15原子%以下で、Niの組成比は5原子%以上で15原子%以下で、残りの組成比はCoであることが好ましい。
【0221】
これにより磁性層59、61間で発生するRKKY相互作用における交換結合磁界を強くすることができる。具体的には、スピンフロップ磁界(Hsf)を約293(kA/m)にまで大きくすることができる。よって磁性層59、61の磁化を適切に反平行状態にすることができる。
【0222】
また上記した組成範囲内であると、フリー磁性層28の磁歪を−3×10-6から3×10-6の範囲内に収めることができ、また保磁力を790(A/m)以下に小さくできる。さらに、フリー磁性層28の軟磁気特性の向上を図ることができる。
【0223】
図16は本発明におけるフリー磁性層28の別の形態を示す部分拡大断面図である。図16に示すフリー磁性層28には、磁性材料層62、64間にスペキュラー膜63が形成されている。スペキュラー膜63には、図16に示すように欠陥部(ピンホール)Gが形成されていてもよい。また図16に示す実施形態ではスペキュラー膜(鏡面反射層)63を挟んだ磁性層62及び磁性層64は同じ方向(矢印方向)に磁化されている。
【0224】
磁性層62、64にはNiFe合金、CoFe合金、CoFeNi合金、Co、CoNi合金などの磁性材料が使用される。
【0225】
図16のようにスペキュラー膜63がフリー磁性層28内に形成されているとスペキュラー膜63に達した伝導電子(例えばアップスピンを持つ伝導電子)は、そこでスピン状態(エネルギー、量子状態など)を保持したまま鏡面反射する。そして鏡面反射したアップスピンを持つ伝導電子は、移動向きを変えてフリー磁性層内を通り抜けることが可能になる。
【0226】
このため本発明では、スペキュラー膜63を設けることで、アップスピンを持つ伝導電子の平均自由行程λ+を従来に比べて伸ばすことが可能になり、よってアップスピンを持つ伝導電子の平均自由行程λ+と、ダウンスピンを持つ伝導電子の平均自由行程λ-との差を大きくすることができ、従って抵抗変化率(ΔR/R)の向上とともに、再生出力の向上を図ることが可能になる。
【0227】
スペキュラー膜63の形成は、例えば磁性層62までを成膜し、磁性層62表面を酸化する。この酸化層をスペキュラー膜63として機能させることができる。そしてスペキュラー膜63上に磁性層64を成膜する。
【0228】
スペキュラー膜63の材質としては、Fe−O、Ni−O、Co−O、Co−Fe−O、Co−Fe−Ni−O、Al−O、Al−Q−O(ここでQはB、Si、N、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選択される1種以上)、R−O(ここでRはCu、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上)の酸化物、Al−N、Al−Q−N(ここでQはB、Si、O、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選択される1種以上)、R−N(ここでRはTi、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選択される1種以上)の窒化物、半金属ホイッスラー合金などを提示できる。
【0229】
スペキュラー膜63をスパッタ成膜するときは、例えば基板20の温度を0〜100℃とし、基板20とスペキュラー膜63の材料のターゲット間の距離を100〜300mmとし、Arガス圧を10-5〜10-3Torr(1.3×10-3〜0.13Pa)とする。
【0230】
図17は本発明におけるフリー磁性層28の別の形態を示す部分拡大断面図である。
【0231】
図17に示すフリー磁性層28は、磁性層65及び強磁性層32間にバックド層66が形成されている。バックド層66は例えばCu、Au、Cr、Ruなどで形成される。磁性層65はNiFe合金、CoFe合金、CoFeNi合金、Co、CoNi合金などの磁性材料で形成される。
【0232】
バックド層66が形成されることによって、磁気抵抗効果に寄与するアップスピンの伝導電子(上向きスピン:up spin)における平均自由行程(mean free path)を延ばし、いわゆるスピンフィルター効果(spin filter effect)によりスピンバルブ型磁気素子において、大きな抵抗変化率が得られ、高記録密度化に対応できるものとなる。
【0233】
なお、上述した実施の形態の磁気検出素子において、固定磁性層23が単層の強磁性材料層として形成されてもよい。
【0234】
本発明の磁気検出素子を用いて磁気ヘッドを構成するときには、基板20と第1反強磁性層22の間に、アルミナなどの絶縁性材料からなる下地層、この下地層上に積層される磁性合金からなる下部シールド層、及びこの下部シールド上に積層される絶縁性材料からなる下部ギャップ層が形成される。薄膜磁気素子は前記下部ギャップ層上に積層される。また、この薄膜磁気素子上には、絶縁性材料からなる上部ギャップ層、及びこの上部ギャップ層上に積層される磁性合金からなる上部シールド層が形成される。また、前記上部シールド層上に書き込み用のインダクティブ素子が積層されてもよい。
【0235】
ところで図1ないし図19では、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層を有する多層膜のトラック幅方向(図示X方向)の両側端部C,C上に電極層33、44が設けられ、電極層33,44から前記多層膜内に流れる電流が、前記多層膜内を各層の膜面に対して平行な方向に流れるCIP(current in the plane)型の磁気検出素子の製造方法を説明した。
【0236】
一方、図20以降で説明する磁気検出素子の製造方法は、前記多層膜の上下に電極層が設けられ、前記電極層から前記多層膜内に流れる電流が、前記多層膜の各層の膜面に対し垂直方向に流れるCPP(current perpendicular to the plane)型の磁気検出素子の製造方法である。
【0237】
まず、図20工程では、図示しない基板上に下部シールド層を兼用する下部電極層70をNiFeなどの磁性材料を用いて形成する。
【0238】
さらに、下部電極層70上に、シードレイヤ21、第1の反強磁性層22、第1の固定磁性層24、非磁性中間層25、第2の固定磁性層26からなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層23、非磁性材料層27、フリー磁性層28、非磁性層31まで積層された多層膜を、スパッタ法や蒸着法などの薄膜形成プロセスによって、同一真空成膜装置中で連続成膜する。
【0239】
第1の反強磁性層22、第1の固定磁性層24、非磁性中間層25、第2の固定磁性層26、非磁性材料層27、フリー磁性層28、非磁性層31の材料は図1から図4に示された磁気検出素子の製造方法と同じである。
【0240】
次に、非磁性層31まで積層された多層膜を第1の熱処理温度、Y方向を向いた第1の大きさの磁界中で、第1の磁場中アニールを行い、第1の反強磁性層22と第1の固定磁性層24との間に交換異方性磁界を発生させ、固定磁性層23の磁化方向を図示Y方向に固定する。本実施の形態では、前記第1の熱処理温度を270℃、磁界の第1の大きさを800k(A/m)としている。
【0241】
次に、図21に示されるように非磁性層31上に、下面に切り込み部が形成されたリフトオフ用のレジスト層49を形成する。レジスト層49は、非磁性層31のトラック幅領域(中央部)Dの領域を覆うものとして形成する。
【0242】
次に、非磁性層31のレジスト層49に覆われていない領域を、イオンミリングによって完全に削ってフリー磁性層28を露出させる。このイオンミリングは先に説明した低エネルギーのイオンミリングである。
【0243】
そして、露出したフリー磁性層28の両側端部C,C上に強磁性層32,32、第2反強磁性層33,33をスパッタ法によって連続成膜する。
【0244】
本発明では、低エネルギーのイオンミリングによって非磁性層31を削ることができる。低エネルギーのイオンミリングはミリングレートが遅く、ミリング止め位置のマージンを狭くすることが可能になる。特に、非磁性層31をイオンミリングで除去した瞬間にミリングを止めることも可能になる。従って、フリー磁性層28はイオンミリングによって大きなダメージを受けなくなる。なお、図23工程におけるイオンミリングの入射角度は、非磁性層31表面に対する法線方向から30°〜70°にすることが好ましい。また、イオンミリングの処理時間は数秒〜10分程である。
【0245】
このため、次工程で、フリー磁性層28上に積層される強磁性層32の膜厚を薄くしても、フリー磁性層28と強磁性層32との間の磁気的な結合(強磁性的な交換相互作用)を強くできる。
【0246】
第2反強磁性層33,33のトラック幅方向間隔W2は、レジスト層49の底面49aのトラック幅方向の幅寸法W2より大きい。レジスト49は非磁性層31の中央部を略四方形状または略円形状に覆っている。
【0247】
次に、図21に示されるように非磁性層31のレジスト層49に覆われていない領域上及び第2反強磁性層33,33上に絶縁層71をスパッタ法によって成膜する。絶縁層71は、Al23、SiO2、AlN、Al−Si−O、Si34などの絶縁材料からなる。スパッタ法には、イオンビームスパッタ法、ロングスロースパッタ法、コリメーションスパッタ法などを使用できる。
【0248】
なお、スパッタの入射角度を調節して、絶縁層71のトラック幅領域(中央部)C側の側端縁71aを、非磁性層31とレジスト層49が接合しているところまで延して形成することにより、絶縁層71が第2反強磁性層33,33を完全に覆うようにできる。
【0249】
このとき、レジスト層49の底面のトラック幅方向寸法W2と側端縁71a,71aのトラック幅方向間距離は等しくなる。なお、側端縁71a,71aのトラック幅方向間距離が磁気検出素子のトラック幅寸法Tw(=W2)を規定する。
【0250】
絶縁層71が第2反強磁性層33,33を完全に覆うことにより、図21の工程で、第2反強磁性層33,33の側端縁33a1,33a1付近の領域で組成が変化したりだれが生じたりすることによって、第2反強磁性層33,33の側端縁33a1,33a1付近に重なるフリー磁性層28の両側端部C,Cの磁化方向が動きやすくなっても、実効トラック幅Twが変化することを抑えることができる。
【0251】
絶縁層71の成膜後、レジスト層49を除去すると、絶縁層71の中央部に非磁性層31が露出する穴部71bができる。
【0252】
なお、本実施の形態の磁気検出素子は、第1反強磁性層22と第2反強磁性層33,33を同じ組成の反強磁性材料を用いて形成することができる。
【0253】
レジスト層49を除去し、第2の熱処理温度、X方向を向いた第2の大きさの磁界中で、第2の磁場中アニールにかけて、第2反強磁性層33,33と強磁性層32,32との間に交換異方性磁界を発生させ、強磁性層32,32の磁化方向を図示X方向に固定する。本実施の形態では、前記第2の熱処理温度を250℃、磁界の第2の大きさを8k(A/m)としている。
【0254】
第2反強磁性層33,33と強磁性層32,32との間の交換異方性磁界は、第2の磁場中アニール工程において初めて生じる。従って、第1反強磁性層22と第1固定磁性層24との間の交換異方性磁界の方向を図示Y方向に向けたまま、第2反強磁性層33,33と強磁性層32,32との間の交換異方性磁界を図示X方向に向けるためには、前記第2の熱処理温度を、第1の反強磁性層22による交換結合磁界が消失するブロッキング温度より低い温度に設定し、前記第2の磁界の大きさを第1の反強磁性層22と第1固定磁性層24との間の交換異方性磁界より小さくするだけでよい。また、第2の磁場中アニールをこれらの条件下で行えば、第1の反強磁性層22と第2反強磁性層33,33を同じ組成の反強磁性材料を用いて形成しても、第1の反強磁性層22と第1固定磁性層24との間の交換異方性磁界の方向を図示Y方向に向けたまま、第2反強磁性層33,33と強磁性層32,32との間の交換異方性磁界を図示X方向に向けることができる。すなわち、フリー磁性層28の磁化方向を、固定磁性層23の磁化方向と直交する方向に固定することが容易になる。
【0255】
なお、第2の磁場中アニール時の第2の磁界の大きさは、フリー磁性層28及び強磁性層32の飽和磁界、及びフリー磁性層28及び強磁性層32の反磁界より大きいことが好ましい。
【0256】
そして必要ならば、非磁性層31表面をイオンミリングでクリーニングする。そして、上部シールドを兼ね備えた上部電極層72をスパッタまたはメッキ形成する。また、絶縁層71から非磁性層31上にかけて、図22に点線で示される非磁性層73をスパッタなどで形成した後、上部シールドを兼ね備えた上部電極層72をメッキ形成してもよい。
【0257】
非磁性層73は、Ta、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuなどの非磁性導電材料で形成されることが好ましい。非磁性層73は、上部ギャップ層としての役割を有するものであるが、電流経路の出入口となる非磁性層31上を例えば絶縁材料からなる非磁性層73で覆うことは電流が多層膜内に流れにくくなるため好ましくない。よって本発明では非磁性層73を非磁性導電材料で形成することが好ましい。
【0258】
以上のようにして形成された図22に示される磁気検出素子では、第2反強磁性層33,33上を適切に絶縁層71,71よって覆うことができ、電極層から流れる電流の分流ロスを適切に抑制できるCPP型の磁気検出素子を製造することが可能になる。
【0259】
CPP型磁気検出素子の他の製造方法を説明する。
まず図23工程では、図示しない基板上に下部シールド層を兼用する下部電極層70をNiFeなどの磁性材料を用いて形成する。さらに、図5工程と同様にシードレイヤ21、第1反強磁性層22、固定磁性層23、非磁性材料層27、フリー磁性層28、中間反強磁性層41、および非磁性層31を連続成膜する。成膜にはスパッタや蒸着法が使用される。。
【0260】
中間反強磁性層41の膜厚は、10Å以上で50Å以下で形成することが好ましく、より好ましくは30Å以上で40Å以下で形成する。
【0261】
上記のように中間反強磁性層41を50Å以下の薄い膜厚で形成することにより、中間反強磁性層41は反強磁性の性質を有さなくなり、磁場中アニールを施しても、中間反強磁性層41が規則化変態しにくく中間反強磁性層41とフリー磁性層28間に交換結合磁界が発生せずあるいは発生してもその値は小さく、フリー磁性層28の磁化が、固定磁性層23と同じように強固に固定されることがない。
【0262】
また中間反強磁性層41が10Å以上、好ましくは30Å以上で形成されるとしたのは、この程度の膜厚がないと、後工程で中間反強磁性層41の両側端部C上に第2反強磁性層42を形成しても、中間反強磁性層41の両側端部Cが反強磁性の性質を帯び難く、中間反強磁性層41の両側端部Cとフリー磁性層28の両側端部C間に適切な大きさの交換結合磁界が発生しないからである。
【0263】
また図23工程のように中間反強磁性層41上に非磁性層31を形成することで、図23に示す積層体が大気暴露されても中間反強磁性層41が酸化されるのを適切に防止できる。
【0264】
本発明では非磁性層31を貴金属で形成する。具体的には、Ru、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rhのいずれか1種または2種以上からなる貴金属で形成することが好ましい。
【0265】
Ruなどの貴金属からなる非磁性層31は大気暴露によって酸化されにくい緻密な層である。したがって非磁性層31の膜厚を薄くしても中間反強磁性層41が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止できる。
【0266】
本発明では非磁性層31を3Å以上で10Å以下で形成することが好ましい。この程度の薄い膜厚の非磁性層31によっても適切に中間反強磁性層41が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止することが可能である。
【0267】
本発明では上記のように非磁性層31をRuなどの貴金属で形成し、しかも非磁性層31を3Å〜10Å程度の薄い膜厚で形成している。このように薄い膜厚で非磁性層31を形成したことによって次工程のイオンミリング制御を適切に且つ容易に行うことができる。
【0268】
図23に示すように非磁性層31までの各層を積層した後、第1の磁場中アニールを施す。トラック幅Tw(図示X方向)と直交する方向である第1の磁界(図示Y方向)を印加しつつ、第1の熱処理温度で熱処理し、第1の反強磁性層22と固定磁性層23を構成する磁性層24との間に交換結合磁界を発生させて、磁性層24の磁化を図示Y方向に固定する。もう一方の第2固定磁性層26の磁化は、第1固定磁性層24との間で働くRKKY相互作用による交換結合によって図示Y方向とは逆方向に固定される。なお例えば第1の熱処理温度を270℃とし、磁界の大きさを800k(A/m)とする。
【0269】
また上記したように、この第1の磁場中アニールによって中間反強磁性層41は膜厚が薄いため規則化変態しにくく、中間反強磁性層41とフリー磁性層28を構成する磁性材料層30との間には交換結合磁界は発生しない。中間反強磁性層41は50Å以下の薄い膜厚で形成されており、反強磁性としての性質を有していないからである。
【0270】
また上記した第1の磁場中アニールによって、非磁性層31を構成するRuなどの貴金属元素が、中間反強磁性層41内部に拡散するものと考えられる。従って熱処理後における中間反強磁性層41の構成元素は、反強磁性層を構成する元素と貴金属元素とから構成される。また中間反強磁性層41内部に拡散した貴金属元素は、中間反強磁性層41の下面側よりも中間反強磁性層41の表面側の方が多く、拡散した貴金属元素の組成比は、中間反強磁性層41の表面から下面に向うに従って徐々に減るものと考えられる。このような組成変調は、SIMS分析装置などで確認することが可能である。
【0271】
また、非磁性層31を形成するための貴金属元素は、中間反強磁性層の材料と混合したときに、この混合物が反強磁性を示すので、第1の磁場中アニールで、前記貴金属元素が中間反強磁性層41の内部に拡散しても、中間反強磁性層41の反強磁性が劣化することをなくすことができる。
【0272】
次に図23工程で非磁性層31の表面全体をイオンミリングし、非磁性層31を除去する。
【0273】
図23に示すイオンミリング工程では、前述の低エネルギーのイオンミリングを使用できる。その理由は、成膜段階で非磁性層31が3Å〜10Å程度の非常に薄い膜厚で形成されているからである。このため本発明では、低エネルギーのイオンミリングによって非磁性層31が除去され、中間反強磁性層の最表面でミリングを止めやすく、従来に比べてミリング制御を向上させることができるのである。
【0274】
図23工程におけるイオンミリングの入射角度は、非磁性層31表面に対する法線方向から30°〜70°にすることが好ましい。なお、イオンミリングの処理時間は数秒〜10分程度である。
【0275】
次に図24に示す工程では、中間反強磁性層41上に第2反強磁性層42を成膜する。なお、第2反強磁性層42を中間反強磁性層41と同じ材質で形成することが好ましい。
【0276】
また図24に示す工程では、第2反強磁性層42と中間反強磁性層41とを足した総合膜厚が80Å以上で500Å以下の厚い膜厚となるように、第2反強磁性層42の膜厚を調整することが好ましい。
【0277】
中間反強磁性層41の膜厚と第2反強磁性層42の膜厚とを足した総合膜厚が80Å以上で500Å以下程度の厚い膜厚で形成されると、単独では反強磁性の性質を有さなかった中間反強磁性層41が反強磁性の性質を帯びるからである。
【0278】
さらに、第2反強磁性層42上に、絶縁層74を積層する。絶縁層74は、例えばAl23、SiO2、AlN、Al−Si−O、Si34などの絶縁材料で形成される。
【0279】
次に図25に示す工程では、絶縁層74上にトラック幅方向(図示X方向)に所定の間隔50aを開けて例えばマスク層50を形成する。マスク層50を形成する前記無機材料としては、Cr、Ta、Ti、Si、Zr、Nb、Mo、Hf、W、Al−O、Al−Si−O、Si−Oなどを選択できる。
【0280】
マスク層50の形成は、例えば絶縁層74の中央部上にレジスト層(図示しない)を立てておき、その両側をマスク層50で埋めた後、レジスト層を除去してマスク層50に所定幅の間隔50aを形成する。あるいは絶縁層74上全体にマスク層50を形成した後、レジスト層(図示しない)をマスク層50上に重ねて形成し、前記レジスト層の中央部に露光現像によって穴部を形成した後、この穴部から露出するマスク層50をRIE(反応性イオンエッチング)などで削って、マスク層50に所定幅の間隔50aを形成する。
【0281】
あるいは本発明ではマスク層50をレジストで形成してもよい。
図25に示す工程では、マスク層50の間隔50a内から露出する絶縁層74をRIEやイオンミリングによって削り、さらに絶縁層74下の第2反強磁性層42を点線Kの位置まで削り込み、図26に示される凹部76を形成する。このとき点線K下の第2反強磁性層42の膜厚と中間反強磁性層41の膜厚を足した総合膜厚が50Å以下になるまで第2反強磁性層42を削り込むことが好ましい。より好ましくは40Å以下である。そうしないと、中間反強磁性層41の中央部Dが反強磁性の性質を残してしまい、次工程の第2磁場中アニールで、中間反強磁性層41の中央部Dとフリー磁性層28の中央部D間で交換結合磁界が発生し、フリー磁性層28の中央部Dの磁化が強固に固定されてしまうからである。
【0282】
またマスク層50の間隔50a内から露出する第2反強磁性層42をすべて除去し、その下に形成されている中間反強磁性層41を一点鎖線Lまで除去してミリングを止めてもよい。
【0283】
図25に示すように、第2反強磁性層42は、絶縁層74表面(または前記基板表面)表面に対し垂直方向または垂直方向に近い方向に削り込まれるので、第2反強磁性層42の内側端部42aは絶縁層74表面(または前記基板表面)に対し垂直方向(図示Z方向)または垂直方向に近い方向に形成される。なお当然に、第2反強磁性層42の下側に形成された層まで削り込むときには、削り込まれた各層の内側端面は絶縁層74表面(または前記基板表面)に対し垂直方向または垂直方向に近い方向(絶縁層74表面(または前記基板表面)に対する角度が80°〜90°に形成された状態になっている。
【0284】
なお例えば図7の点線Mのように、マスク層50の内側端部50bが、下面から上面に向け徐々に間隔50aが広がる傾斜面や湾曲面で形成されている場合、第2反強磁性層42等の内側端部42aも傾斜面あるいは湾曲面として形成される。また、第2反強磁性層42を削るときのイオンミリングやRIEの角度を調節することによって、第2反強磁性層42等の内側端部42aを傾斜面あるいは湾曲面にすることもできる。
【0285】
マスク層50の内側端部50bが傾斜面あるいは湾曲面として形成されていると、削り込まれる間隔50a内のトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法は下面に向うほど狭くなっていく。このためトラック幅Twを、マスク層50の間隔50aの幅よりもさらに小さくでき、より狭トラック化に対応可能な磁気検出素子を製造することができる。
【0286】
またどこまで削り込むかは任意であるが、少なくともフリー磁性層28の中央部D上に反強磁性を帯びる程度の厚い膜厚の反強磁性層を残さないことが重要である。
【0287】
または、第2反強磁性層42の成膜後、絶縁層74をベタ膜状に成膜する代わりに、第2反強磁性層42のトラック幅Twの領域を覆うリフトオフ用のレジストを形成し、第2反強磁性層42の前記レジスト層に覆われない領域上に絶縁層を成膜することにより、トラック幅方向の中央部に穴部が形成された絶縁層を形成し、この絶縁層をマスクとして、第2反強磁性層42、中間反強磁性層41を削り込むようにしてもよい。トラック幅方向の中央部に穴部が形成された絶縁層をマスクとするときには、前述のマスク層50の形成を省略することができる。なお、第2反強磁性層42上にTaなどからなる保護層を形成してからトラック幅Twの領域を覆うリフトオフ用のレジストを形成してもよい。
【0288】
上記したRIEやイオンミリング工程が終了した後、第2の磁場中アニールを施す。このときの磁場方向は、トラック幅方向(図示X方向)である。なおこの第2の磁場中アニールは、第2の印加磁界を、第1反強磁性層22の交換異方性磁界よりも小さく、しかも熱処理温度を、第1反強磁性層22のブロッキング温度よりも低くする。これによって第1反強磁性層22の交換異方性磁界の方向をハイト方向(図示Y方向)に向けたまま、中間反強磁性層41の両側端部Cの交換異方性磁界をトラック幅方向(図示X方向)に向けることができる。なお第2の熱処理温度は例えば250℃であり、磁界の大きさは8〜30(kA/m)、例えば24k(A/m)である。
【0289】
なお、第2の磁界の大きさはフリー磁性層28の飽和磁界、反磁界より大きいことが好ましい。
【0290】
中間反強磁性層41の両側端部Cは、その上に形成された第2反強磁性層42との間で発生する反強磁性的な相互作用によって反強磁性の性質を帯びているから、この第2の磁場中アニールによって、中間反強磁性層41の両側端部Cは規則化変態し、中間反強磁性層41の両側端部Cとフリー磁性層28の両側端部Cとの間に大きな交換結合磁界が発生する。これによってフリー磁性層28の両側端部Cの磁化は、トラック幅方向(図示X方向)に固定される。
【0291】
一方、フリー磁性層28の中央部D上には反強磁性の性質を帯びない程度の薄い膜厚の反強磁性層しか形成されていないから、上記の第2の磁場中アニールによっても、フリー磁性層28の中央部D上に形成された中間反強磁性層41の中央部Dは規則化変態せず、中間反強磁性層41の中央部Dとフリー磁性層28の中央部D間には交換結合磁界が発生せずあるいは発生してもその値は小さく、フリー磁性層28の中央部Dが両側端部Cと同様にトラック幅方向に強固に固定されるといったことがない。また、フリー磁性層28の中央部Dの保磁力が、中間反強磁性層41によって増大することも避けることができる。
【0292】
フリー磁性層28の中央部Dの磁化は外部磁界に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区化された状態である。
【0293】
また、フリー磁性層28の中央部D上の中間反強磁性層41の膜厚は、50Å以下であるので、中間反強磁性層41へのセンス電流の分流を少なくすることができ、磁気検出素子の磁界検出出力を向上させることができる。
【0294】
このように本発明では、従来に比べてフリー磁性層28の磁化制御を適切に行うことができ、狭トラック化においても再生感度に優れた磁気検出素子を製造することができる。
【0295】
またこの第2の磁場中アニールを図24工程の後、すなわち中間反強磁性層41上に第2反強磁性層42及び絶縁層74を成膜した後、施してもよい。
【0296】
次に、図27に示す工程では、絶縁層74の上面74aから、絶縁層74及び第2反強磁性層42が削られてできた凹部76にかけてAl23、SiO2、AlN、Al−Si−O、Si34などの絶縁材料からなる絶縁層75をスパッタ成膜する。スパッタ法には、イオンビームスパッタ法、ロングスロースパッタ法、コリメーションスパッタ法などを使用できる。
【0297】
ここで注意すべき点は、絶縁層75を形成する際のスパッタ角度θ1にある。図27に示すようにスパッタ方向Gは、多層膜の各層の膜面の垂直方向に対しθ1のスパッタ角度を有しているが本発明では前記スパッタ角度θ1をできる限り大きくして(すなわちより寝かせて)、凹部76の側面76aに絶縁層75が成膜されやすいようにすることが好ましい。例えば前記スパッタ角度θ1は50°から70°である。
【0298】
このように前記スパッタ角度θ1を大きくすることで、凹部76の側面76aに形成される絶縁層75のトラック幅方向(図示X方向)への膜厚tz1を、絶縁層74の上面74a及び凹部76の底面76bの表面に形成される絶縁層75の膜厚tz2よりも厚く形成できる。このように絶縁層75の膜厚を調整しないと次工程でのイオンミリングで、凹部76の側面76aの絶縁層75がすべて除去されてしまい、あるいは絶縁層75が残ってもその膜厚は非常に薄くなり、適切に分流ロスを低減させるための絶縁層として機能させることができない。
【0299】
次に図28に示すように多層膜の各層の膜面と垂直方向(図示Z方向と平行な方向)あるいは垂直方向に近い角度(多層膜の各層表面の垂直方向に対し0°から20°)からイオンミリングを施す。このとき凹部76の底面76bに形成された絶縁層75を適切に除去するまでイオンミリングを施す。このイオンミリングによって絶縁層74の上面に形成された絶縁層75も除去される。一方、凹部76の側面76aに形成された絶縁層75も若干削れるものの、底面76bに形成された絶縁層75よりも厚い膜厚tz1を有し、しかもイオンミリングのミリング方向Hは、側面76aに形成された絶縁層75から見ると斜め方向になるため、側面76aに形成された絶縁層75は、底面76bに形成された絶縁層75に比べて削られ難く、よって側面76aには適度な膜厚の絶縁層75が残される。
【0300】
その状態が図28である。凹部76の側面76aに残される絶縁層75のトラック幅方向における膜厚tz3は5nmから10nmであることが好ましい。
【0301】
図28に示すように第2反強磁性層42の上面42cは絶縁層74によって覆われ、また凹部76の側面76aは、絶縁層75によって覆われた状態になっている。
【0302】
そして必要ならば、図29に示すように、絶縁層74、75から凹部76の底面76bにかけて非磁性層73を形成した後、上部シールドを兼ね備えた上部電極層72をスパッタまたはメッキ形成する。非磁性層73は、Ta、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuなどの非磁性導電材料で形成されることが好ましい。非磁性層73は、上部ギャップ層としての役割を有するものであるが、電流経路の出入口となる凹部76の底面76b上を例えば絶縁材料からなる非磁性層73で覆うことは電流が多層膜内に流れにくくなるため好ましくない。よって本発明では非磁性層73を非磁性導電材料で形成することが好ましい。
【0303】
以上のようにして形成された磁気検出素子では、第2反強磁性層42の上面42cは絶縁層74によって覆われ、また凹部76の側面76aは、絶縁層75によって覆われた状態にでき、電極層から流れる電流の分流ロスを適切に抑制できるCPP型の磁気検出素子を製造することが可能になる。
【0304】
CPP型磁気検出素子の第3の製造方法を説明する。
図30に示されるように、図示しない基板上に、下部シールド層を兼用する下部電極層70をNiFeなどの磁性材料を用いて形成する。
【0305】
さらに、図11と同じ工程によって、シードレイヤ21、第1反強磁性層22、固定磁性層23、非磁性材料層27、フリー磁性層28、および非磁性層31を連続成膜する。成膜にはスパッタや蒸着法が使用される。各層の材料及び膜厚は、図11に示される同じ符号をつけた各層と同じである。
【0306】
本発明でも、フリー磁性層28上に非磁性層31を形成することで、図30に示す積層体が大気暴露されてもフリー磁性層28が酸化されるのを適切に防止できる。
【0307】
ここで非磁性層31は大気暴露によって酸化されにくい緻密な層である必要がある。
【0308】
本発明では非磁性層31を貴金属で形成する。具体的には、Ru、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rhのいずれか1種または2種以上からなる貴金属で形成することが好ましい。
【0309】
Ruなどの貴金属からなる非磁性層31は大気暴露によって酸化されにくい緻密な層である。したがって非磁性層31の膜厚を薄くしてもフリー磁性層28が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止できる。
【0310】
本発明では非磁性層31を3Å以上で10Å以下で形成することが好ましい。この程度の薄い膜厚の非磁性層31によっても適切にフリー磁性層28が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止することが可能である。
【0311】
このように薄い膜厚で非磁性層31を形成したことによって次工程のイオンミリング制御を適切に且つ容易に行うことができるのである。
【0312】
非磁性層31までの各層を積層した後、第1の磁場中アニールを施す。トラック幅Tw(図示X方向)と直交する方向である第1の磁界(図示Y方向)を印加しつつ、第1の熱処理温度で熱処理し、第1の反強磁性層22と固定磁性層23を構成する磁性層24との間に交換結合磁界を発生させて、磁性層24の磁化を図示Y方向に固定する。もう一方の磁性層26の磁化は、磁性層24との間で働くRKKY相互作用による交換結合によって図示Y方向とは逆方向に固定される。なお例えば第1の熱処理温度を270℃とし、磁界の大きさを800k(A/m)とする。
【0313】
また上記した第1の磁場中アニールによって、非磁性層31を構成するRuなどの貴金属元素が、フリー磁性層28内部に拡散するものと考えられる。次に、非磁性層31の表面全体をイオンミリングし、非磁性層31を除去する。
【0314】
図30に示すイオンミリング工程では、低エネルギーのイオンミリングを使用できる。なお、図30工程におけるイオンミリングの入射角度は、基板表面に対する法線方向から30°〜70°にすることが好ましい。なお、イオンミリングの処理時間は数秒〜10分程度である。
【0315】
次に図31に示す工程では、フリー磁性層28上に、フリー磁性層28の磁性材料層30あるいは拡散防止層29と同じ材料を用いて、強磁性層45を成膜し、さらに第2反強磁性層42、絶縁層74を真空中で連続成膜する。絶縁層74は、例えばAl23、SiO2、AlN、Al−Si−O、Si34などの絶縁材料で形成される。
【0316】
なお、第2反強磁性層42を第1の反強磁性層22と同じ材質で形成することが好ましい。
【0317】
また第2反強磁性層42の膜厚が80Å以上で500Å以下の厚い膜厚にすることが好ましい。
【0318】
次に、絶縁層74上にトラック幅方向(図示X方向)に所定の間隔50aを開けて例えば無機材料で形成されたマスク層50を、前述した図25と同様にして形成する。あるいは本発明ではマスク層50をレジストで形成してもよい。
【0319】
さらに、マスク層50の間隔50a内から露出する絶縁層74をRIEやイオンミリングによって削り、さらに絶縁層74下の第2反強磁性層42及び強磁性層45を削り込む。
【0320】
または、第2反強磁性層42の成膜後、絶縁層74をベタ膜状に成膜する代わりに、第2反強磁性層42のトラック幅Twの領域を覆うリフトオフ用のレジストを形成し、第2反強磁性層42の前記レジスト層に覆われない領域上に絶縁層を成膜することにより、トラック幅方向の中央部に穴部が形成された絶縁層を形成し、この絶縁層をマスクとして、第2反強磁性層42、強磁性層45を削り込むようにしてもよい。トラック幅方向の中央部に穴部が形成された絶縁層をマスクとするときには、前述のマスク層50の形成を省略することができる。なお、第2反強磁性層42上にTaなどからなる保護層を形成してからトラック幅Twの領域を覆うリフトオフ用のレジストを形成してもよい。
【0321】
図31に示すように、第2反強磁性層42は、絶縁層74表面(または基板表面)に対し垂直方向または垂直方向に近い方向に削り込まれるので、第2反強磁性層42の内側端部42aは絶縁層74表面(または基板表面)に対し垂直方向(図示Z方向)または垂直方向に近い方向に形成される。なお当然に、第2反強磁性層42の下側に形成された層まで削り込むときには、削り込まれた各層の内側端面は絶縁層74表面(または基板表面)に対し垂直方向または垂直方向に近い方向に形成された状態になっている。
【0322】
なお例えば図31の点線Mのように、マスク層50の内側端部50bが、下面から上面に向け徐々に間隔50aが広がる傾斜面や湾曲面で形成されている場合、第2反強磁性層42等の内側端部42aも傾斜面あるいは湾曲面として形成される。
【0323】
上記したRIEやイオンミリング工程が終了した後、第2の磁場中アニールを施す。このときの磁場方向は、トラック幅方向(図示X方向)である。なおこの第2の磁場中アニールは、第2の印加磁界を、第1反強磁性層22の交換異方性磁界よりも小さく、しかも熱処理温度を、第1反強磁性層22のブロッキング温度よりも低くする。これによって第1反強磁性層22の交換異方性磁界の方向をハイト方向(図示Y方向)に向けたまま、第2反強磁性層42の両側端部Cの交換異方性磁界をトラック幅方向(図示X方向)に向けることができる。なお第2の熱処理温度は例えば250℃であり、磁界の大きさは8〜30(kA/m)、例えば24k(A/m)である。
【0324】
このため上記の第2の磁場中アニールによって、第2反強磁性層42は適切に規則化変態し、第2反強磁性層42と強磁性層45との間に適切な大きさの交換結合磁界が発生する。さらに、強磁性層45とフリー磁性層28の両側端部Cとの間に、交換相互作用に基づく強磁性結合が発生し、これによってフリー磁性層28の両側端部Cの磁化は、トラック幅方向(図示X方向)に固定される。
【0325】
なお、フリー磁性層28の中央部Dの磁化は外部磁界に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区化された状態である。
【0326】
また、図30工程で、ミリング角度を絶縁層74表面(または基板表面)の垂直方向に対し50°から60°、ミリング時間を30秒から50秒で行うと、非磁性層31が完全に除去され、フリー磁性層28の表面がわずかに削られた状態になるが、フリー磁性層28はイオンミリングによって大きなダメージを受けないため、強磁性層45とフリー磁性層28の両側端部Cとの間には適切な強磁性結合が発生し、交換バイアス磁界の大きさを32〜72(kA/m)にすることも可能になる。
【0327】
本発明では、フリー磁性層28上に積層される強磁性層45の膜厚を薄くしても、フリー磁性層28と強磁性層45との間の磁気的な結合(強磁性的な交換相互作用)を強くできる。
【0328】
強磁性層45の膜厚を薄くすると第2反強磁性層42と強磁性層45間で発生する交換結合磁界が強くなり、フリー磁性層の両側端部を強固に磁化固定できるようになる。すなわち、サイドリーディングを抑え、狭トラック化に適切に対応可能な磁気検出素子を製造できる。
【0329】
また強磁性層45を薄くすると、強磁性層45の内側側面からフリー磁性層28の中央部Dに余分な静磁界が入り込むことも抑制でき、磁化反転可能なフリー磁性層28の中央部Dの外部磁界に対する感度の低下を防止できる。
【0330】
本発明では、強磁性層45の膜厚を5Å〜50Åに設定することができる。
このように本発明では、従来に比べてフリー磁性層28の磁化制御を適切に行うことができ、狭トラック化においても再生感度に優れた磁気検出素子を製造することができる。
【0331】
図31のイオンミリング工程によって、図32に示されるような凹部77が形成される。さらに、先に説明した図27及び図28工程と同様の工程によって、凹部77の側面77aに、トラック幅方向における膜厚tz3が例えば5nmから10nmである絶縁層75が形成される。
【0332】
図32に示すように第2反強磁性層42の上面42cは絶縁層74によって覆われ、また凹部77の側面77aは、絶縁層75によって覆われた状態になっている。
【0333】
そして必要ならば、絶縁層74、75から凹部77の底面77bにかけて非磁性層73を形成した後、上部シールドを兼ね備えた上部電極層72をスパッタまたはメッキ形成する。非磁性層73は、Ta、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuなどの非磁性導電材料で形成されることが好ましい。非磁性層73は非磁性導電材料で形成することが好ましい。
【0334】
以上のようにして形成された磁気検出素子では、第2反強磁性層42の上面42cは絶縁層74によって覆われ、また凹部77の側面77aは、絶縁層75によって覆われた状態にでき、電極層から流れる電流の分流ロスを適切に抑制できるCPP型の磁気検出素子を製造することが可能になる。
【0335】
なお図33は、図18に示す磁気検出素子をCPP型の磁気検出素子にした実施形態、図34は、図19に示す磁気検出素子をCPP型の磁気検出素子にした実施形態である。
【0336】
すなわち図33及び図34に示す磁気検出素子はいずれも、第1反強磁性層22の下に下部シールドを兼用した下部電極層70が設けられ、また第2反強磁性層42上には絶縁層74が設けられ、凹部78、79の側面78a、79aに絶縁層75が設けられ、さらに絶縁層74、75上から凹部78,79の底面78b、79b上にかけて上部シールドを兼用した上部電極層72が設けられている。
【0337】
図35及び図36に示す磁気検出素子は、図22及び図29と同様にCPP型の磁気検出素子であるが、下部シールド層を兼ねる下部電極層80の形状が図22及び図29のそれとは異なっている。
【0338】
すなわち、図35及び図36では、NiFeなどの磁性材料からなる下部シールド層を兼用した下部電極層80のトラック幅方向(図示X方向)の中央部に、シードレイヤ21からフリー磁性層28までの多層膜方向(図示Z方向)に突出した突出部80aが設けられ、この突出部80aの上面80a1が、下地層22からフリー磁性層28からなる多層膜の下面に接しており、突出部80aから前記多層膜内に(あるいは多層膜から突出部80aに)電流が流れるようになっている点である。
【0339】
そして、下部電極層80のトラック幅方向(図示X方向)における両側端部80bと前記多層膜間に絶縁層81が設けられている。絶縁層81は、Al23、SiO2、AlN、Al−Si−O、Si34などの絶縁材料で形成される。
【0340】
図35及び図36に示す磁気検出素子では、下部電極層80は、突出部80aの形成によって前記多層膜に対する電流経路が絞り込まれ、さらに下部電極層80の両側端部80bと前記多層膜間に絶縁層81が設けられたことで、両側端部80bから前記多層膜内に電流が分流することを適切に抑制でき、より効果的に再生出力の大きい磁気検出素子を製造することが可能になる。
【0341】
なお、図35及び図36に示す磁気検出素子では、下部電極層80の突出部80aの上面80a1のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法は領域Dのトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法と一致しているが、上面80a1の幅寸法が領域Dの幅寸法より広くてもよい。より好ましくは上面80a1の幅寸法がトラック幅Twと一致することである。これによってより効果的に前記多層膜に対しトラック幅Twの領域内にのみ電流を流すことができ再生出力の大きい磁気検出素子を製造することが可能である。
【0342】
また図35及び図36に示す実施形態では、下部電極層80に形成された突出部80aのトラック幅方向(図示X方向)における両側面80a2は、突出部80aのトラック幅方向における幅寸法が、前記多層膜から離れる(図示Z方向と逆方向)にしたがって徐々に広がる傾斜面あるいは湾曲面で形成されているが、両側面80a2は、トラック幅方向(図示X方向)に対して垂直面であってもかまわない。
【0343】
なお、下部電極層80に突出部80aが形成され、第2反強磁性層33、42上に絶縁層71、または絶縁層74、75が設けられていない磁気検出素子であってもよい。この場合、上部電極層72と第2反強磁性層33、42間が絶縁されていないので、電流経路はトラック幅Twよりも広がりやすく再生出力は劣るものと考えられるが、前記多層膜の下面側で、下部電極層80に突出部80aが形成されることによって電流経路を絞り込むことができ、電流経路の広がりを抑えて再生出力の低下を抑制することができる。
【0344】
図35及び図36に示す磁気検出素子の下部電極層80及び絶縁層81の製造方法を説明する。
【0345】
まず、図37に示すように、NiFeなどの磁性材料を用いて、下部電極層80をメッキまたはスパッタ形成し、表面をポリシング等で平滑化処理した後、下部電極層80のトラック幅方向(図示X方向)の中央部上にレジスト層92を形成する。
【0346】
次に、図38に示すように、このレジスト層92に覆われていない下部電極層80の両側端部80bをイオンミリングで途中まで削り込む。これによって下部電極層80のトラック幅方向の中央部に突出部80aを形成することができる。
【0347】
さらに、図39に示すように、レジスト層92に覆われていない下部電極層80の両側端面80b上に絶縁層81をスパッタ成膜し、絶縁層81の上面81aが下部電極層80の突出部80aの上面80a1とほぼ同一平面となった時点で前記スパッタ成膜を終了する。そしてレジスト層92を除去する。
【0348】
なおレジスト層92を除去した後、下部電極層80の突出部80aの上面80a1及び絶縁層81の上面81aをCMPなどを用いて研磨し、突出部80aの上面80a1と絶縁層81の上面81aを高精度に同一平面となるようにしてもよい。この場合最初のポリシング等の平滑化処理を省略することができる。
【0349】
レジスト層92を除去した後、下部電極層80及び絶縁層81上に、シードレイヤ21、第1反強磁性層22、固定磁性層23、非磁性材料層27、フリー磁性層28を積層する。
【0350】
なお、上述した実施の形態のCPP型の磁気検出素子では下部シールド層を兼ねる下部電極層70または80及び上部シールド層を兼ねる上部電極層72を多層膜の上下に接して形成しているが、このような構成によって電極層とシールド層とを別々に形成する必要性が無くなり、CPP型の磁気検出素子の製造を容易化することが可能になる。
【0351】
しかも電極機能とシールド機能とを兼用させれば、シールド層間の間隔で決定されるギャップ長G1を非常に短くすることができ、今後の高記録密度化により適切に対応可能な磁気検出素子を製造することが可能になる。
【0352】
また、本発明では、多層膜の上面及び/または下面に、例えばAu、W、Cr、Taなどからなる電極層を設け、多層膜と反対側の電極層の面にギャップ層を介して磁性材料製のシールド層を設ける構成であってもかまわない。
【0353】
なお、上述した実施の形態のCPP型の磁気検出素子では非磁性材料層27がCuなどの非磁性導電材料で形成されてもよいし、あるいは非磁性材料層27がAl23やSiO2などの絶縁材料で形成されてもよい。前者の磁気検出素子はスピンバルブGMR型磁気抵抗効果素子と呼ばれる構造(CPP−GMR)であり、後者の磁気検出素子はスピンバルブトンネル型磁気抵抗効果型素子(CPP−TMR)と呼ばれる構造である。
【0354】
トンネル型磁気抵抗効果型素子は、トンネル効果を利用して抵抗変化を生じさせるものであり、固定磁性層23とフリー磁性層28との磁化が反平行のとき、最も前記非磁性材料層27を介したトンネル電流が流れにくくなって、抵抗値は最大になり、一方、固定磁性層23とフリー磁性層28との磁化が平行のとき、最もトンネル電流が流れ易くなり抵抗値は最小になる。
【0355】
この原理を利用し、外部磁界の影響を受けてフリー磁性層28の磁化が変動することにより、変化する電気抵抗を電圧変化(定電流動作の場合)または電流変化(定電圧動作の場合)としてとらえ、記録媒体からの洩れ磁界が検出されるようになっている。
【0356】
以上本発明をその好ましい実施例に関して述べたが、本発明の範囲から逸脱しない範囲で様々な変更を加えることができる。
【0357】
なお、上述した実施例はあくまでも例示であり、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0358】
【発明の効果】
以上詳細に説明した本発明では、フリー磁性層または中間反強磁性層の上に貴金属からなる非磁性層を積層している。これら貴金属は、酸化されにくい材質であり、膜厚が薄くても十分な酸化防止効果を発揮する。そのため、後の工程で前記非磁性層を除去するときに、低エネルギーのイオンミリングを使用できる。
【0359】
低エネルギーのイオンミリングはミリングレートが遅く、ミリング止め位置のマージンを狭くすることが可能になる。特に、前記非磁性層をイオンミリングで除去した瞬間にミリングを止めることも可能になる。従って、フリー磁性層または中間反強磁性層はイオンミリングによって大きなダメージを受けなくなる。
【0360】
前記フリー磁性層上に強磁性層が積層された上で、この強磁性層上に第2反強磁性層が連続成膜される場合、前記フリー磁性層上に積層される前記強磁性層との間の磁気的な結合(強磁性的な交換相互作用)は強くなり、前記強磁性層の膜厚を薄くして、第2反強磁性層と前記強磁性層間で発生する交換結合磁界を強くすることができる。従って、前記フリー磁性層の両側端部を強固に磁化固定でき、サイドリーディングを抑え、狭トラック化に適切に対応可能な磁気検出素子を製造できる。
【0361】
また前記強磁性層を薄くすると、前記強磁性層の内側側面から前記フリー磁性層の中央部に余分な静磁界が入り込むことも抑制でき、磁化反転可能なフリー磁性層の中央部の外部磁界に対する感度の低下を防止できる。
【0362】
また、前記中間反強磁性層の上に前記非磁性層が積層された状態で、第1の磁場中アニールをする場合、前記非磁性層を形成するための貴金属材料が、前記中間反強磁性層の材料と混合したときに、この混合物が反強磁性を示すものにすることにより、前記貴金属材料が前記中間反強磁性層の内部に拡散しても、前記中間反強磁性層の反強磁性が劣化することをなくすことができる。
【0363】
また本発明における磁気検出素子はCIP型の磁気検出素子でもCPP型の磁気検出素子でもどちらにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の一工程図、
【図2】本発明の第1の実施の形態の一工程図、
【図3】本発明の第1の実施の形態の一工程図、
【図4】本発明の第1の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図5】本発明の第2の実施の形態の一工程図、
【図6】本発明の第2の実施の形態の一工程図、
【図7】本発明の第2の実施の形態の一工程図、
【図8】本発明の第2の実施の形態の一工程図、
【図9】本発明の第2の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図10】本発明の第2の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図11】本発明の第3の実施の形態の一工程図、
【図12】本発明の第3の実施の形態の一工程図、
【図13】本発明の第3の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図14】本発明におけるフリー磁性層の形態を記録媒体との対向面側から見た部分拡大断面図、
【図15】本発明におけるフリー磁性層の形態を記録媒体との対向面側から見た部分拡大断面図、
【図16】本発明におけるフリー磁性層の形態を記録媒体との対向面側から見た部分拡大断面図、
【図17】本発明におけるフリー磁性層の形態を記録媒体との対向面側から見た部分拡大断面図、
【図18】本発明の第2の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図19】本発明の第2の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図20】本発明の第3の実施の形態の一工程図、
【図21】本発明の第3の実施の形態の一工程図、
【図22】本発明の第3の実施の形態の一工程図、
【図23】本発明の第4の実施の形態の一工程図、
【図24】本発明の第4の実施の形態の一工程図、
【図25】本発明の第4の実施の形態の一工程図、
【図26】本発明の第4の実施の形態の一工程図、
【図27】本発明の第4の実施の形態の一工程図、
【図28】本発明の第4の実施の形態の一工程図、
【図29】本発明の第4の実施の形態の一工程図、
【図30】本発明の第5の実施の形態の一工程図、
【図31】本発明の第5の実施の形態の一工程図、
【図32】本発明の第5の実施の形態の一工程図、
【図33】本発明の第6の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図34】本発明の第7の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図35】本発明の第8の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図36】本発明の第9の実施の形態の製造方法によって形成された磁気検出素子の断面図、
【図37】本発明の第8及び第9の実施の形態の一工程図、
【図38】本発明の第8及び第9の実施の形態の一工程図、
【図39】本発明の第8及び第9の実施の形態の一工程図、
【図40】従来の磁気検出素子を示す断面図、
【図41】従来の磁気検出素子の製造方法を示す一工程図、
【図42】従来の磁気検出素子の製造方法を示す一工程図、
【符号の説明】
20 基板
21 シードレイヤ
22 第1反強磁性層
23 固定磁性層
27 非磁性材料層
28 フリー磁性層
31 非磁性層
32、45 強磁性層
33、42 第2反強磁性層
34、44 電極層
41 中間反強磁性層
C 両側端部
D 中央部
70、80 下部電極層
71、74、75 絶縁層
72 上部電極層
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention mainly relates to a magnetic detection element used in a hard disk device, a magnetic sensor, and the like. Particularly, even in a narrow track, magnetization control of a free magnetic layer can be appropriately performed, and a magnetic detection element having excellent reproduction characteristics. It relates to a manufacturing method.
[0002]
[Prior art]
FIG. 40 is a partial cross-sectional view of the structure of a conventional magnetic detection element as seen from the side facing the recording medium.
[0003]
Reference numeral 1 denotes a substrate, on which a multilayer film 8 composed of an antiferromagnetic layer 2, a pinned magnetic layer 3, a nonmagnetic material layer 4 and a free magnetic layer 5 is formed. A hard bias layer 6 is formed on both sides of the multilayer film 8, and an electrode layer 7 is formed on the hard bias layer 6.
[0004]
The magnetization of the pinned magnetic layer 3 is pinned in the Y direction in the figure by an exchange coupling magnetic field generated between the pinned magnetic layer 3 and the antiferromagnetic layer 2. On the other hand, the magnetization of the free magnetic layer 5 is aligned in the X direction in the figure by the longitudinal bias magnetic field from the hard bias layer 6.
[0005]
As shown in FIG. 40, the track width Tw is regulated by the width dimension of the free magnetic layer 5 in the track width direction (X direction in the figure), and the dimension of the track width Tw becomes smaller as the recording density increases in the future. ing.
[0006]
However, as the track becomes narrower, the magnetization control of the free magnetic layer 5 cannot be performed properly with the structure of the magnetic sensing element shown in FIG.
[0007]
(1) First, in the structure shown in FIG. 40, the width dimension of the free magnetic layer 5 becomes shorter as the track becomes narrower. However, as the track becomes narrower, the influence of a strong longitudinal bias magnetic field from the hard bias layer 6 increases. The receiving region occupies a large proportion in the free magnetic layer 5. A region subjected to a strong longitudinal bias magnetic field becomes a dead region in which magnetization fluctuation is less likely to occur with respect to an external magnetic field, and the ratio of this dead region increases as the track becomes narrower, so that the reproduction sensitivity decreases.
[0008]
(2) The hard bias layer 6 and the free magnetic layer 5 tend to be magnetically discontinuous. In particular, a bias underlayer made of Cr or the like is interposed between the hard bias layer 6 and the free magnetic layer 5 even more.
[0009]
Due to such a magnetic discontinuity, the influence of the demagnetizing field at the end of the free magnetic layer 5 in the track width direction is strengthened, and the phenomenon of disturbing the magnetization of the free magnetic layer 5 (the buckling phenomenon) is likely to occur. This buckling phenomenon is more likely to occur in a wider area of the free magnetic layer 5 as the track becomes narrower, thereby causing a problem that the stability of the reproduced waveform is lowered.
[0010]
(3) Along with the narrowing of the gap, part of the longitudinal bias magnetic field from the hard bias layer 6 escapes to shield layers (not shown) formed above and below the magnetic detection element shown in FIG. As a result, the longitudinal bias magnetic field that should be supplied to the free magnetic layer 5 is weakened, and the magnetization control of the free magnetic layer 5 cannot be performed appropriately.
[0011]
In order to solve the above-mentioned problems, recently, an exchange bias system using an antiferromagnetic layer on the free magnetic layer is being adopted for the magnetization control of the free magnetic layer 5.
[0012]
A magnetic detection element using the exchange bias method is manufactured by using, for example, the manufacturing process shown in FIGS. 41 and 42 are partial cross-sectional views of the magnetic detection element as viewed from the side facing the recording medium.
[0013]
In the process shown in FIG. 41, an antiferromagnetic layer 2 made of, for example, a PtMn alloy is formed on a substrate 1, and a pinned magnetic layer 3, a nonmagnetic material layer 4, and a free magnetic layer 5 made of a magnetic material are further formed. Laminate. A Ta film 9 is formed on the free magnetic layer 5 to prevent the surface of the free magnetic layer 5 from being oxidized when exposed to the atmosphere.
[0014]
Next, a lift-off resist layer 10 is formed on the Ta film 9 shown in FIG. 41, and the Ta film 9 exposed on both sides in the track width direction (X direction in the drawing) not covered with the resist layer 10 is ionized. Remove all by milling. At this time, a part of the free magnetic layer 5 under the Ta film 9 is also shaved (the dotted line part is shaved).
[0015]
Next, in the step shown in FIG. 42, the ferromagnetic layer 11, the second antiferromagnetic layer 12 made of an IrMn alloy, and the electrode layer 13 are continuously formed on the free magnetic layer 5 exposed on both sides of the resist layer 10. To do. Then, when the resist layer 10 shown in FIG. 42 is removed, the magnetic detection element using the exchange bias method is completed.
[0016]
In the magnetic sensing element shown in FIG. 42, the track width Tw can be regulated by the interval in the track width direction (X walking in the drawing) between the ferromagnetic layers 11, and the ferromagnetic layer 11 is in contact with the second antiferromagnetic layer 12. It is firmly fixed in the X direction in the figure by an exchange coupling magnetic field generated between them. As a result, both end portions A of the free magnetic layer 5 located under the ferromagnetic layer 11 are firmly fixed in the X direction in the figure by the ferromagnetic coupling with the ferromagnetic layer 11, and the free area in the track width Tw region is free. The central portion B of the magnetic layer 5 was considered to be weakly single-domained to such an extent that the magnetization can be varied with respect to the external magnetic field.
[0017]
The magnetic detection element using this exchange bias method is expected to be able to appropriately solve the problems (1) to (3) described above.
[0018]
[Problems to be solved by the invention]
However, the magnetic sensing element formed in the manufacturing process shown in FIGS. 41 and 42 has the following problems.
[0019]
(1) First of all, not only the Ta film 9 but also a part of the free magnetic layer 5 formed below it is scraped during ion milling in the step shown in FIG. The inert gas such as Ar is likely to enter the exposed surface of the free magnetic layer 5, and the crystal structure of the surface portion 5 a of the free magnetic layer 5 is broken or latticed due to the damage caused by ion milling as described above. Defects are likely to occur (Mixing effect). As a result, the magnetic properties of the surface portion 5a of the free magnetic layer 5 are likely to deteriorate.
[0020]
It is most preferable if only the Ta film 9 is scraped off during ion milling in the step of FIG. 41 so that the free magnetic layer 5 is not scraped. However, it is difficult to actually perform milling control as such.
[0021]
The reason is the film thickness of the Ta film 9 formed on the free magnetic layer 5. The film thickness of the Ta film 9 is about 30 to 50 mm at the time of film formation. This is because the free magnetic layer 5 cannot be appropriately prevented from being oxidized unless the film thickness is so thick.
[0022]
However, the Ta film 9 is oxidized by being exposed to the atmosphere or by annealing in a magnetic field for generating an exchange coupling magnetic field between the fixed magnetic layer 3 or the ferromagnetic layer 11 and the antiferromagnetic layers 2 and 12. The film thickness of the part expands, and the film thickness of the entire Ta film 9 becomes thicker than in the film formation stage. For example, when the film thickness of the Ta film 9 is about 30 mm at the time of film formation, the film thickness of the Ta film 9 is increased to about 45 mm by oxidation.
[0023]
Therefore, in order to effectively remove the Ta film 9 whose film thickness has been increased by oxidation, it is necessary to use ion milling with high energy. Since the milling rate is high because of high energy ion milling, it is almost impossible to stop milling at the moment when the thick Ta film 9 is removed by ion milling. That is, the higher the energy, the wider the margin of the milling stop position. For this reason, the free magnetic layer 5 formed under the Ta film is also partially cut, and at this time, the free magnetic layer 5 is easily damaged by high energy ion milling, and the magnetic characteristics are significantly deteriorated. Become.
[0024]
(2) Also, as shown in FIG. 41, stopping the ion milling in the middle of the free magnetic layer 5 is combined with the use of high energy ion milling so that the film thickness of the free magnetic layer 5 is about 30 to 40 mm. It is difficult because it is thin. That is, in the worst case, both end portions A of the free magnetic layer 5 may be removed by ion milling. Thus, since the film thickness of the free magnetic layer 5 is thin, it is difficult to stop the ion milling in the middle of the free magnetic layer 5 itself.
[0025]
(3) As described above, the surface of the free magnetic layer 5 exposed by ion milling has deteriorated magnetic properties due to damage caused by the ion milling. For this reason, the magnetic coupling (ferromagnetic exchange interaction) with the ferromagnetic layer 11 laminated on the free magnetic layer 5 is not sufficient, and therefore the ferromagnetic layer 11 is formed thick. There is a need to.
[0026]
However, when the ferromagnetic layer 11 is formed thick, the exchange coupling magnetic field generated between the antiferromagnetic layers 12 is weakened, so that the side ends A of the free magnetic layer 5 cannot be firmly fixed by magnetization. A reading problem occurs, making it impossible to manufacture a magnetic sensing element that can appropriately cope with narrowing of tracks.
[0027]
On the other hand, if the ferromagnetic layer 11 is formed too thick, an extra static magnetic field is easily applied from the inner side surface of the ferromagnetic layer 11 to the central portion B of the free magnetic layer 5, and the center of the free magnetic layer 5 capable of magnetization reversal is obtained. The sensitivity of the part B to the external magnetic field is likely to decrease.
[0028]
As described above, the Ta film 9 is formed on the free magnetic layer 5, and the ferromagnetic layer 11 and the second antiferromagnetic layer 12 are overlaid on the exposed free magnetic layer 5 by scraping both sides of the Ta film 9. With the structure of the magnetic detection element, the magnetization control of the free magnetic layer 5 cannot be performed properly, and a magnetic detection element that can appropriately cope with narrowing of the track cannot be manufactured.
[0029]
Accordingly, the present invention is to solve the above-described conventional problems, and in the exchange bias method, it is possible to appropriately control the magnetization of the free magnetic layer, and to manufacture a magnetic detecting element that can appropriately cope with narrowing of the track. It aims to provide a method.
[0030]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is a method for manufacturing a magnetic sensing element, comprising the following steps.
(A) forming a multilayer film in which a first antiferromagnetic layer, a pinned magnetic layer, a nonmagnetic material layer, a free magnetic layer, and a nonmagnetic layer made of a noble metal material are stacked in this order on the substrate;
(B) performing annealing in a first magnetic field to generate an exchange coupling magnetic field between the first antiferromagnetic layer and the pinned magnetic layer, and pinning the magnetization direction of the pinned magnetic layer;
(C) removing both side edges of the non-magnetic layer and exposing both side edges of the free magnetic layer;
(D) forming a ferromagnetic layer on the free magnetic layer exposed on both sides of the nonmagnetic layer;
(E) forming a second antiferromagnetic layer on the ferromagnetic layer;
(F) Annealing in a second magnetic field is performed to generate an exchange coupling magnetic field between the second antiferromagnetic layer and the ferromagnetic layer, and the magnetizations at both end portions of the ferromagnetic layer and the free magnetic layer are fixed. Fixing in a direction crossing the magnetization direction of the magnetic layer;
[0031]
In the step (a) of the present invention, the nonmagnetic layer is for preventing the free magnetic layer from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0032]
In the present invention, the nonmagnetic layer is formed of a noble metal material. These noble metals are materials that are not easily oxidized. Conventionally used Ta films are not preferable because they are more easily oxidized than noble metal materials. In the present invention, by using a noble metal instead of the Ta film, a sufficient anti-oxidation effect is exhibited even when the nonmagnetic layer is thin, so that low energy ion milling can be used in the step (c). Thus, it is possible to manufacture a magnetic detecting element excellent in narrowing the track effectively.
[0033]
Low energy ion milling has a slow milling rate, and the margin of the milling stop position can be narrowed. In particular, milling can be stopped at the moment when the nonmagnetic layer is removed by ion milling. Therefore, the free magnetic layer is not greatly damaged by ion milling.
[0034]
For this reason, the magnetic coupling (ferromagnetic exchange interaction) with the ferromagnetic layer laminated on the free magnetic layer becomes strong, and the ferromagnetic layer can be formed thin. .
[0035]
When the thickness of the ferromagnetic layer is reduced, an exchange coupling magnetic field generated between the second antiferromagnetic layer and the ferromagnetic layer is strengthened, and both end portions of the free magnetic layer can be strongly fixed by magnetization. That is, it is possible to manufacture a magnetic detection element that can suppress side reading and can appropriately cope with narrowing of tracks.
[0036]
In addition, when the ferromagnetic layer is thinned, it is possible to suppress an extra static magnetic field from entering the central portion of the free magnetic layer from the inner side surface of the ferromagnetic layer, and against the external magnetic field at the central portion of the free magnetic layer capable of magnetization reversal. A reduction in sensitivity can be prevented.
[0037]
In the present invention, the thickness of the ferromagnetic layer can be set to 5 to 50 mm.
The damage received by the free magnetic layer is, for example, that the inert gas such as Ar used during ion milling enters the inside from the exposed surface of the free magnetic layer, or the surface portion of the free magnetic layer. The crystal structure is broken and lattice defects are generated (Mixing effect). These damages tend to deteriorate the magnetic properties of the surface portion of the free magnetic layer.
[0038]
Moreover, this invention is a manufacturing method of the magnetic detection element characterized by having the following processes.
(G) A multilayer film in which a first antiferromagnetic layer, a pinned magnetic layer, a nonmagnetic material layer, a free magnetic layer, an intermediate antiferromagnetic layer, and a nonmagnetic layer made of a noble metal are stacked in this order on the substrate. Forming, and
(H) performing annealing in a first magnetic field to generate an exchange coupling magnetic field between the first antiferromagnetic layer and the pinned magnetic layer, and pinning the magnetization direction of the pinned magnetic layer;
(I) removing all of the nonmagnetic layer to expose the surface of the intermediate antiferromagnetic layer;
(J) forming a second antiferromagnetic layer on the intermediate antiferromagnetic layer;
(K) a step of cutting a central portion of the second antiferromagnetic layer;
(L) Annealing in a second magnetic field is performed to generate an exchange coupling magnetic field between both end portions of the intermediate antiferromagnetic layer below the second antiferromagnetic layer and both end portions of the free magnetic layer. A step of fixing the magnetizations at both ends of the magnetic layer in a direction crossing the magnetization direction of the pinned magnetic layer;
[0039]
In the step (g), the nonmagnetic layer provided on the intermediate antiferromagnetic layer is for preventing the intermediate antiferromagnetic layer from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0040]
Even in the present invention, by using a noble metal material for the non-magnetic layer, even if the non-magnetic layer is thin, sufficient anti-oxidation effect is exhibited. Therefore, low energy ion milling is used in the step (i). Thus, it is possible to effectively manufacture a magnetic sensing element excellent in narrowing the track.
[0041]
Furthermore, in the present invention, since the free magnetic layer is covered with the intermediate antiferromagnetic layer, the problem that the free magnetic layer is damaged by ion milling does not occur.
[0042]
In addition, when the noble metal material for forming the nonmagnetic layer is mixed with the material of the intermediate antiferromagnetic layer, the mixture exhibits antiferromagnetism. Diffusion inside the intermediate antiferromagnetic layer is preferable because the antiferromagnetism of the intermediate antiferromagnetic layer does not deteriorate.
[0043]
In the present invention, by suppressing the film thickness of the intermediate antiferromagnetic layer, it is possible to prevent a large exchange coupling magnetic field from being generated between the central portion of the intermediate antiferromagnetic layer and the central portion of the free magnetic layer.
[0044]
Specifically, in the present invention, the thickness of the intermediate antiferromagnetic layer is preferably 10 to 50 mm, more preferably 30 to 40 mm. With such a thickness, no exchange coupling magnetic field is generated between the central portion of the intermediate antiferromagnetic layer and the central portion of the free magnetic layer, and even if it is generated, the value is very small.
[0045]
In the present invention, in the step (k), the central portion of the second antiferromagnetic layer may be completely removed to expose the intermediate antiferromagnetic layer.
[0046]
It is also possible to remove the central portion of the second antiferromagnetic layer and further remove the exposed intermediate antiferromagnetic layer to expose the free magnetic layer. In this case, no antiferromagnetic layer is provided on the central portion of the free magnetic layer.
[0047]
In the present invention, in the step (k), the thickness of the antiferromagnetic layer formed on the central portion of the free magnetic layer is set to 50 mm or less, or the antiferromagnetic layer is formed on the central portion of the free magnetic layer. It is preferable not to leave. In particular, the thickness of the antiferromagnetic layer formed on the central portion of the free magnetic layer is more preferably 40 mm or less.
[0048]
When the thickness of the antiferromagnetic layer formed on the central portion of the free magnetic layer is 50 mm or less, the intermediate antiferromagnetic layer provided on the central portion of the free magnetic layer has a non-antiferromagnetic property. Have Further, when the antiferromagnetic layer on both end portions of the free magnetic layer is thickened to 80 to 500 mm, preferably 100 to 300 mm, both end portions of the intermediate antiferromagnetic layer have antiferromagnetic properties. Become. As a result, no exchange coupling magnetic field is generated between the central portion of the free magnetic layer and the central portion of the intermediate antiferromagnetic layer, and the magnetization of the central portion of the free magnetic layer is firmly fixed in the track width direction. And is weakly magnetized to such an extent that magnetization can be reversed with respect to an external magnetic field.
[0049]
On the other hand, both end portions of the intermediate antiferromagnetic layer become an integral antiferromagnetic layer together with the second antiferromagnetic layer formed on the intermediate antiferromagnetic layer. Both end portions of the layer undergo a regular transformation, and an exchange coupling magnetic field having an appropriate magnitude is generated between both end portions of the intermediate antiferromagnetic layer and both end portions of the free magnetic layer, whereby the free magnetic layer Both end portions of the disk are firmly fixed in the track width direction.
[0050]
In the present invention, the free magnetic layer is not greatly damaged, both end portions of the free magnetic layer can be firmly fixed, and the magnetization of the central portion can be aligned to the extent that magnetization can be reversed with respect to the external magnetic field, It is possible to appropriately control the magnetization of the free magnetic layer.
[0051]
That is, according to the present invention, it is possible to manufacture a magnetic detection element that has good reproduction sensitivity and excellent reproduction characteristics even in a narrow track.
[0052]
Or this invention is a manufacturing method of the magnetic detection element characterized by having the following processes.
(M) forming a multilayer film in which a first antiferromagnetic layer, a pinned magnetic layer, a nonmagnetic material layer, a free magnetic layer, and a nonmagnetic layer made of a noble metal are stacked in this order on the substrate;
(N) performing annealing in a first magnetic field to generate an exchange coupling magnetic field between the first antiferromagnetic layer and the pinned magnetic layer, and pinning the magnetization direction of the pinned magnetic layer;
(O) removing all of the nonmagnetic layer to expose the surface of the free magnetic layer;
(P) forming a ferromagnetic layer and a second antiferromagnetic layer in order on the free magnetic layer;
(Q) removing the central portion of the second antiferromagnetic layer and the ferromagnetic layer;
(R) An annealing in a second magnetic field is performed to generate an exchange coupling magnetic field between the second antiferromagnetic layer and the ferromagnetic layer, and the magnetizations at both end portions of the ferromagnetic layer and the free magnetic layer are A step of fixing in a direction crossing the magnetization direction of the fixed magnetic layer.
[0053]
The nonmagnetic layer in the step (m) of the present invention is also for preventing the free magnetic layer from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0054]
Also in the present invention, the nonmagnetic layer is formed of a noble metal material which is not easily oxidized. In the present invention, by using a noble metal, a sufficient anti-oxidation effect can be exhibited even when the nonmagnetic layer is thin. Therefore, in the step (o), low energy ion milling can be used, effectively narrowing. It is possible to manufacture a magnetic detecting element excellent in track formation.
[0055]
Further, since the free magnetic layer can be prevented from being greatly damaged by using low energy ion milling, the thickness of the ferromagnetic layer can be reduced.
[0056]
When the thickness of the ferromagnetic layer is reduced, an exchange coupling magnetic field generated between the second antiferromagnetic layer and the ferromagnetic layer is strengthened, and both end portions of the free magnetic layer can be strongly fixed by magnetization. That is, it is possible to manufacture a magnetic detection element that can suppress side reading and can appropriately cope with narrowing of tracks.
[0057]
In addition, when the ferromagnetic layer is thinned, it is possible to suppress an extra static magnetic field from entering the central portion of the free magnetic layer from the inner side surface of the ferromagnetic layer, and against the external magnetic field at the central portion of the free magnetic layer capable of magnetization reversal. A reduction in sensitivity can be prevented.
[0058]
In the present invention, the thickness of the ferromagnetic layer can be set to 5 to 50 mm.
In addition, by having a step of laminating a pair of electrode layers on the second antiferromagnetic layer with an interval in the track width direction, current flows in a direction parallel to the film surface of each layer of the multilayer film. A flowing CIP type magnetic sensing element can be formed.
[0059]
In addition, an upper electrode layer and a lower electrode layer are provided above and below the multilayer film, and a so-called CPP (current perpendicular to the plane) type magnetic sensing element that flows in a direction perpendicular to the film surface of each layer of the multilayer film is provided. When forming,
Before the step (a),
(S1) having a step of forming a lower electrode layer on the substrate;
After the step (e),
(S2) laminating an insulating layer on the second antiferromagnetic layer, covering the second antiferromagnetic layer and having a hole in the center in the track width direction;
(S3) forming an upper electrode layer that is electrically conductive to the multilayer film layer;
It is preferable to have.
[0060]
Alternatively, before the step (g) or (m),
(T1) having a step of forming a lower electrode layer on the substrate;
Instead of the step (k) or (q),
(T2) forming an insulating layer on the second antiferromagnetic layer;
(T3) Laminating a resist having a hole at the center in the track width direction on the insulating layer, and cutting the exposed portions of the insulating layer and the second antiferromagnetic layer into the hole. Forming a recess by
(T4) forming an electrically conductive upper electrode layer on the bottom surface of the recess;
It is preferable to have.
[0061]
Alternatively, before the step (g) or (m),
(T5) having a step of forming a lower electrode layer on the substrate;
Instead of the step (k) or (q),
(T6) forming an insulating layer having a hole formed in the center in the track width direction on the second antiferromagnetic layer;
(T7) forming a recess by cutting the central portion in the track width direction of the second antiferromagnetic layer using the insulating layer as a mask;
(T8) forming an electrically conductive upper electrode layer on the bottom surface of the recess;
It is preferable to have.
[0062]
Furthermore, between the step (t3) and the step (t4) or between the step (t7) and the step (t8),
(U1) forming another insulating layer from the recess to the insulating layer;
(U2) removing the other insulating layer laminated on the bottom surface of the recess;
It is more preferable to have.
[0063]
When forming the lower electrode layer of the CPP type magnetic sensing element,
Between the step (s1) and the step (a), between the step (t1) and the step (g) or (m), or between the step (t5) and the step (g) or (m). ,
(V1) forming a projecting portion projecting in the multilayer film direction at the center of the lower electrode layer in the track width direction;
(V2) providing an insulating layer on both sides in the track width direction of the protruding portion of the lower electrode layer,
In the step (a), (g) or (m),
The multilayer film is preferably formed so that the upper surface of the protruding portion is in contact with the lower surface of the multilayer film.
[0064]
Furthermore, in the step (v2),
More preferably, the upper surface of the protruding portion and the upper surface of the insulating layer provided on both end portions of the lower electrode layer are flush with each other.
[0065]
Further, it is preferable that the lower electrode layer and / or the upper electrode layer is formed of a magnetic material because the lower electrode layer can also serve as a lower shield layer and the upper electrode layer can also serve as an upper shield layer.
[0066]
The upper electrode layer may be formed by laminating a layer formed of a nonmagnetic conductive material that is electrically connected to the multilayer film and a layer formed of a magnetic material.
[0067]
In the present invention, it is preferable that the nonmagnetic material layer is formed of a nonmagnetic conductive material. A magnetic sensing element in which the nonmagnetic material layer is formed of a nonmagnetic conductive material is called a spin valve GMR magnetoresistive element (CPP-GMR).
[0068]
In the present invention, in the case of a CPP type magnetic detecting element, the nonmagnetic material layer may be formed of an insulating material. This magnetic detection element is called a spin valve tunnel type magnetoresistive element (CPP-TMR).
[0069]
In the present invention, it has been described above that a sufficient antioxidant effect can be obtained even if the nonmagnetic layer is formed thin in the step (a), (g) or (m). The nonmagnetic layer can be formed with a thickness of 3 to 10 mm.
[0070]
In the present invention, in the step (a), (g) or (m), the nonmagnetic layer is made of one or more of Ru, Re, Pd, Os, Ir, Pt, Au, and Rh. It is preferable to form.
[0071]
Incidentally, a Ta film that has been conventionally used deteriorates the properties (functions) of the antiferromagnetic layer when diffused into the antiferromagnetic layer.
[0072]
In the present invention, it is preferable that the free magnetic layer has a three-layer structure of magnetic layers in the step (a), (g) or (m). For example, the free magnetic layer is preferably formed with a three-layer structure of CoFe / NiFe / CoFe.
[0073]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1 to 4 are process diagrams showing a method of manufacturing a magnetic sensing element according to the present invention. Each step shown in FIGS. 1 to 4 is a partial cross-sectional view as viewed from the surface facing the recording medium.
[0074]
The magnetic detection element formed according to the present invention is an MR head for reproducing a recording signal recorded on a recording medium. The surface facing the recording medium is, for example, perpendicular to the film surface of the thin film constituting the magnetic detection element and parallel to the magnetization direction when the external magnetic field (recording signal magnetic field) of the free magnetic layer of the magnetic detection element is not applied. It is a plane. In FIG. 1, the surface facing the recording medium is a plane parallel to the XZ plane.
[0075]
When the magnetic detection element is used for a floating magnetic head, the surface facing the recording medium is a so-called ABS surface.
[0076]
The magnetic detection element is, for example, alumina-titanium carbide (Al 2 O Three -TiC) formed on the trailing end face of the slider. The slider is bonded to an elastically deformable support member made of stainless steel or the like on the side opposite to the surface facing the recording medium to constitute a magnetic head device.
[0077]
The track width direction is the width direction of a region where the magnetization direction varies due to an external magnetic field, and is, for example, the magnetization direction when the external magnetic field of the free magnetic layer is not applied, that is, the X direction shown in the figure. The width dimension of the free magnetic layer in the track width direction defines the track width Tw of the magnetic detection element.
[0078]
The recording medium faces the surface of the magnetic detection element facing the recording medium, and moves in the Z direction shown in the figure. The direction of the leakage magnetic field from the recording medium is the Y direction shown in the figure.
[0079]
In the step shown in FIG. 1, a seed layer 21, a first antiferromagnetic layer 22, a pinned magnetic layer 23, a nonmagnetic material layer 27, a free magnetic layer 28, and a nonmagnetic layer 31 are continuously formed on the substrate 20. . Sputtering or vapor deposition is used for film formation.
[0080]
The seed layer 21 is formed of a NiFe alloy, a NiFeCr alloy, Cr, or the like. The seed layer 21 is, for example, (Ni 0.8 Fe 0.2 ) 60at% Cr 40at% The film thickness is 60 mm.
[0081]
A first antiferromagnetic layer 22 is formed on the seed layer 21. The first antiferromagnetic layer 22 is a PtMn alloy or an X—Mn alloy (where X is one or more elements of Pd, Ir, Rh, Ru, Os, Ni, and Fe). Or Pt—Mn—X ′ (where X ′ is one or more elements of Pd, Ir, Rh, Ru, Au, Ag, Os, Cr, Ni, Ar, Ne, Xe, Kr) Formed from an alloy.
[0082]
By using these alloys as the first antiferromagnetic layer 22 and heat-treating them, an exchange coupling film of the first antiferromagnetic layer 22 and the fixed magnetic layer 23 that generate a large exchange coupling magnetic field can be obtained. it can. In particular, in the case of a PtMn alloy, the excellent first antiferromagnetic layer 22 and the fixed layer having an exchange coupling magnetic field of 48 kA / m or more, for example, exceeding 64 kA / m, and an extremely high blocking temperature of 380 ° C. for losing the exchange coupling magnetic field. An exchange coupling film of the magnetic layer 23 can be obtained.
[0083]
These alloys have an irregular face-centered cubic structure (fcc) immediately after film formation, but undergo structural transformation to a CuAuI-type ordered face-centered tetragonal structure (fct) by heat treatment.
[0084]
The film thickness of the first antiferromagnetic layer 22 is 80 to 300 mm.
A pinned magnetic layer 23 is formed on the first antiferromagnetic layer 22. The pinned magnetic layer 23 has an artificial ferri structure. The pinned magnetic layer 23 has a three-layer structure of magnetic layers 24 and 26 and a nonmagnetic intermediate layer 25 interposed therebetween.
[0085]
The magnetic layers 24 and 26 are made of a magnetic material such as a NiFe alloy, Co, a CoNiFe alloy, a CoFe alloy, or a CoNi alloy. The magnetic layer 24 and the magnetic layer 26 are preferably formed of the same material.
[0086]
The nonmagnetic intermediate layer 25 is formed of a nonmagnetic material, and is formed of one kind of Ru, Rh, Ir, Cr, Re, or Cu or an alloy of two or more kinds thereof. In particular, it is preferably formed of Ru.
[0087]
The magnetic layers 24 and 26 are each formed with a thickness of about 10 to 70 mm. The nonmagnetic intermediate layer 25 is formed with a thickness of about 3 to 10 mm.
[0088]
The pinned magnetic layer 23 may be formed in a one-layer structure using any one of the magnetic materials described above or a two-layer structure including a layer made of any one of the magnetic materials described above and a diffusion prevention layer such as a Co layer.
[0089]
A nonmagnetic material layer 27 is formed on the pinned magnetic layer 23. The nonmagnetic material layer 27 is a layer that prevents magnetic coupling between the pinned magnetic layer 23 and the free magnetic layer 28, and through which a sense current mainly flows, and has non-conductive properties such as Cu, Cr, Au, and Ag. Preferably, it is formed of a magnetic material. In particular, it is preferably formed of Cu. The nonmagnetic material layer 27 is formed with a film thickness of about 18 to 30 mm, for example.
[0090]
A free magnetic layer 28 is formed on the nonmagnetic material layer 27. In the embodiment shown in FIG. 1, the free magnetic layer 28 has a two-layer structure. A layer 29 is a diffusion prevention layer made of Co, CoFe, or the like. The diffusion preventing layer 29 prevents mutual diffusion between the free magnetic layer 28 and the nonmagnetic material layer 27. A magnetic material layer 30 made of NiFe alloy or the like is formed on the diffusion preventing layer 29. The free magnetic layer 28 is formed with a thickness of about 30 to 50 mm.
[0091]
Further, by forming the nonmagnetic layer 31 on the free magnetic layer 28 as in the step of FIG. 1, it is possible to appropriately prevent the free magnetic layer 28 from being oxidized even if the laminate shown in FIG. 1 is exposed to the atmosphere.
[0092]
Here, the nonmagnetic layer 31 needs to be a dense layer that is not easily oxidized by exposure to the atmosphere.
[0093]
In the present invention, the nonmagnetic layer 31 is formed using a noble metal. For example, it is preferable to form a noble metal composed of one or more of Ru, Re, Pd, Os, Ir, Pt, Au, and Rh.
[0094]
By performing sputter deposition using a noble metal such as Ru, it is possible to obtain a dense nonmagnetic layer 31 that is not easily oxidized by exposure to the atmosphere. Therefore, even if the nonmagnetic layer 31 is thin, the free magnetic layer 28 can be appropriately prevented from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0095]
In the present invention, it is preferable to form the nonmagnetic layer 31 with a thickness of 3 to 10 mm. More preferably, it is formed with 3 to 8 mm. The nonmagnetic layer 31 having such a thin film thickness can appropriately prevent the free magnetic layer 28 from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0096]
By forming the nonmagnetic layer 31 with such a thin film thickness, ion milling in the step of FIG. 2 can be performed with low energy, and milling control can be improved as compared with the conventional case. This point will be described in detail with reference to FIG.
[0097]
As shown in FIG. 1, after the layers up to the nonmagnetic layer 31 are stacked on the substrate 20, a first annealing in a magnetic field is performed. The first antiferromagnetic layer 22 and the pinned magnetic layer 23 are heat treated at a first heat treatment temperature while applying a first magnetic field (Y direction shown) that is perpendicular to the track width Tw (X direction shown). An exchange coupling magnetic field is generated between the magnetic layer 24 and the magnetic layer 24, and the magnetization of the magnetic layer 24 is fixed in the Y direction in the drawing, that is, in the height direction. The magnetization of the other magnetic layer 26 is fixed in the direction opposite to the Y direction in the figure by exchange coupling due to the RKKY interaction acting with the magnetic layer 24. For example, the first heat treatment temperature is set to 270 ° C., and the magnitude of the magnetic field is set to 800 k (A / m).
[0098]
Further, it is considered that noble metal elements such as Ru constituting the nonmagnetic layer 31 diffuse into the free magnetic layer 28 by the first annealing in the magnetic field. Therefore, the constituent elements near the surface of the free magnetic layer 28 after the heat treatment are composed of elements constituting the free magnetic layer and noble metal elements. Further, the noble metal element diffused into the free magnetic layer 28 is more on the surface side of the free magnetic layer 28 than the lower surface side of the free magnetic layer 28, and the composition ratio of the diffused noble metal element is from the surface of the free magnetic layer 28. It is thought that it gradually decreases as it goes to the bottom surface. Such compositional modulation can be confirmed by a device for analyzing the chemical composition of the thin film such as a SIMS analyzer.
[0099]
Next, in the step shown in FIG. 2, a resist layer is formed on the upper surface of the nonmagnetic layer 31, and this resist layer is exposed and developed to leave the resist layer 49 having the shape shown in FIG. 2 on the nonmagnetic layer 31. The resist layer 49 is, for example, a resist layer having an undercut shape for lift-off.
[0100]
Next, both end portions 31a of the nonmagnetic layer 31 not covered with the resist layer 49 are removed by ion milling from the direction of arrow H shown in FIG. 2 (the nonmagnetic layer 31 in the dotted line shown in FIG. 13 is removed). Removed).
[0101]
In the ion milling process shown in FIG. 2, low energy ion milling can be used. The reason is that the nonmagnetic layer 31 is formed with a very thin film thickness of about 3 to 10 mm.
[0102]
Low energy ion milling is defined as ion milling using an ion beam having a beam voltage (acceleration voltage) of less than 1000V. For example, a beam voltage of 150V to 500V is used. In this embodiment, an argon (Ar) ion beam having a low beam voltage of 200 V is used.
[0103]
On the other hand, for example, if the Ta film 9 is used as in the conventional example shown in FIG. 21, the Ta film 9 itself is oxidized by exposure to the atmosphere. The underlying layer cannot be protected from oxidation, and the volume of the Ta film 9 increases due to oxidation, and the thickness of the Ta film 9 expands to about 50 mm or more.
[0104]
In order to remove such a thick Ta film 9 by ion milling, it is necessary to remove the Ta film 9 by high energy ion milling. When using high energy ion milling, only the Ta film 9 is removed. It is very difficult to control the milling.
[0105]
Accordingly, the free magnetic layer 5 formed under the Ta film 9 is also deeply cut, and the free magnetic layer 5 is exposed from the surface of the free magnetic layer where an inert gas such as Ar used during ion milling is exposed. Intrusion occurs, the crystal structure of the surface portion of the free magnetic layer is broken, and lattice defects are generated (Mixing effect). These damages tend to deteriorate the magnetic characteristics of the free magnetic layer. Further, if the Ta film 9 having a film thickness of about 50 mm or more is shaved by low energy ion milling, it takes too much processing time and becomes impractical. Further, Ta is easier to diffuse and penetrate into the free magnetic layer during film formation than the noble metal, and even if only the Ta film 9 can be removed by shaving, Ta is mixed into the exposed free magnetic layer surface. The magnetic characteristics of the free magnetic layer mixed with Ta deteriorate.
[0106]
On the other hand, in the present invention, the nonmagnetic layer 31 can be shaved by low energy ion milling. Low energy ion milling has a slow milling rate, and the margin of the milling stop position can be narrowed. In particular, milling can be stopped at the moment when the nonmagnetic layer 31 is removed by ion milling. Therefore, the free magnetic layer 28 is not greatly damaged by ion milling. The incident angle of ion milling in the process of FIG. 2 is preferably 30 ° to 70 ° from the normal direction to the surface of the substrate 20. The processing time for ion milling is about several seconds to 10 minutes.
[0107]
For this reason, even if the thickness of the ferromagnetic layer 32 stacked on the free magnetic layer 28 is reduced in the next step, the magnetic coupling between the free magnetic layer 28 and the ferromagnetic layer 32 (ferromagnetically) Strong exchange interaction).
[0108]
Next, the process of FIG. 3 is performed. In the step of FIG. 3, the ferromagnetic layer 32, the second antiferromagnetic layer 33, and the electrode layer 34 are continuously formed in a vacuum on both end portions 28a of the free magnetic layer 28. Sputtering or vapor deposition can be used for film formation. The inner end portion 33a of the deposited second antiferromagnetic layer 33 and the inner end portion 34a of the electrode layer 34 gradually move between the second antiferromagnetic layers 33 from the bottom surface to the top surface (Z direction in the drawing). It is formed of an inclined surface or a curved surface in which the interval is widened.
[0109]
In this embodiment, the track width Tw is defined by the interval between the lower surfaces of the ferromagnetic layers 32.
[0110]
The material used for the second antiferromagnetic layer 33 is preferably the same as the antiferromagnetic material used for the first antiferromagnetic layer 22.
[0111]
In the step shown in FIG. 3, it is preferable to adjust the film thickness of the second antiferromagnetic layer 33 so that the film thickness of the second antiferromagnetic layer 33 is 80 to 500 mm.
[0112]
As shown in FIG. 3, after the electrode layer 34 is laminated, the ferromagnetic material film 32b composed of the elements composing the ferromagnetic layer 32 and the antiferromagnetic material composed of the elements composing the second antiferromagnetic layer 33 are formed. The resist layer 49 to which the electrode material film 34b composed of the elements constituting the film 33b and the electrode layer 34 is removed is removed by lift-off using an organic solvent or the like.
[0113]
The ferromagnetic layer 32 is formed of the same material as the magnetic material layer 30 or the diffusion prevention layer 29 of the free magnetic layer 28.
[0114]
The electrode layer 34 is made of, for example, Au, W, Cr, Ru, Rh, Ta, or the like. The film thickness of the electrode layer 34 is 300 to 1000 mm.
[0115]
Next, annealing in the second magnetic field is performed. The magnetic field direction at this time is the track width direction (X direction in the drawing). In the second annealing in the magnetic field, the second applied magnetic field is smaller than the exchange anisotropic magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22, and the heat treatment temperature is set higher than the blocking temperature of the first antiferromagnetic layer 22. Also lower. Accordingly, the exchange anisotropic magnetic field of the second antiferromagnetic layer 33 is changed in the track width direction (X in the figure) while the direction of the exchange anisotropic magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22 is directed in the height direction (Y direction in the figure). Direction). The second heat treatment temperature is, for example, 250 ° C., and the magnitude of the magnetic field is 8 to 30 (kA / m), for example, 24 k (A / m).
[0116]
The second applied magnetic field is preferably larger than the demagnetizing field and coercive force of the ferromagnetic layer 32 and the free magnetic layer 28.
[0117]
Therefore, the second antiferromagnetic layer 33 is appropriately ordered and transformed by the above-described annealing in the second magnetic field, and an exchange coupling having an appropriate size is established between the second antiferromagnetic layer 33 and the ferromagnetic layer 32. Magnetic field is generated. Further, ferromagnetic coupling based on exchange interaction occurs between the ferromagnetic layer 32 and both side ends C of the free magnetic layer 28, whereby the magnetization of both side ends C of the free magnetic layer 28 has a track width. It is fixed in the direction (X direction in the figure).
[0118]
It should be noted that the magnetization of the central portion D of the free magnetic layer 28 is weakly single-domained so that the magnetization can be reversed with respect to the external magnetic field.
[0119]
In addition, when the milling angle is 50 ° to 60 ° with respect to the direction perpendicular to the surface of the substrate 20 and the milling time is 30 seconds to 50 seconds in the step of FIG. 2, the nonmagnetic layer 31 is completely removed and the free magnetic layer 28 is removed. However, since the free magnetic layer 28 is not significantly damaged by ion milling, an appropriate strength is provided between the ferromagnetic layer 32 and the end portions C on both sides of the free magnetic layer 28. Magnetic coupling occurs, and the magnitude of the exchange bias magnetic field can be 32 to 72 (kA / m).
[0120]
In the present invention, even if the thickness of the ferromagnetic layer 32 laminated on the free magnetic layer 28 is reduced, the magnetic coupling (ferromagnetic exchange mutual) between the free magnetic layer 28 and the ferromagnetic layer 32 is achieved. (Action) can be strengthened.
[0121]
When the film thickness of the ferromagnetic layer 32 is reduced, the exchange coupling magnetic field generated between the second antiferromagnetic layer 33 and the ferromagnetic layer 32 is strengthened, and both end portions of the free magnetic layer can be strongly fixed in magnetization. That is, it is possible to manufacture a magnetic detection element that can suppress side reading and can appropriately cope with narrowing of tracks.
[0122]
Further, when the ferromagnetic layer 32 is thinned, it is possible to prevent an extra static magnetic field from entering the central portion D of the free magnetic layer 28 from the inner side surface of the ferromagnetic layer 32, and the central portion D of the free magnetic layer 28 capable of magnetization reversal. A decrease in sensitivity to an external magnetic field can be prevented.
[0123]
In the present invention, the film thickness of the ferromagnetic layer 32 can be set to 5 to 50 mm.
Thus, the magnetic detection element shown in FIG. 4 is obtained.
As described above, according to the manufacturing method of the present invention, it is possible to appropriately control the magnetization of the free magnetic layer 28 as compared with the conventional case, and it is possible to manufacture a magnetic detecting element excellent in reproduction sensitivity even in a narrow track. .
[0124]
The manufacturing process shown in FIGS. 5 to 8 is a process diagram showing the manufacturing method of the magnetic sensing element of the second aspect of the present invention. Each figure is a partial cross-sectional view as viewed from the side facing the recording medium.
[0125]
First, in FIG. 5, the seed layer 21, the first antiferromagnetic layer 22, the pinned magnetic layer 23, the nonmagnetic material layer 27, the free magnetic layer 28, the intermediate antiferromagnetic layer 41, and the nonmagnetic layer are formed on the substrate 20. 31 is continuously formed. Sputtering or vapor deposition is used for film formation. The pinned magnetic layer 23 shown in FIG. 5 is a laminated ferrimagnetic layer made up of a magnetic layer 24 and a magnetic layer 26 made of, for example, a CoFe alloy, and a nonmagnetic intermediate layer 25 such as Ru interposed between the magnetic layers 24 and 26. Structure. The free magnetic layer 28 has a laminated structure of a diffusion prevention layer 29 such as a CoFe alloy and a magnetic material layer 30 such as a NiFe alloy.
[0126]
The seed layer 21 is made of Cr or NiFeCr, and the nonmagnetic material layer 27 is made of Cu.
[0127]
In the present invention, the first antiferromagnetic layer 22 and the intermediate antiferromagnetic layer 41 are made of PtMn alloy or X—Mn (where X is any one of Pd, Ir, Rh, Ru, Os, Ni, and Fe). Or an alloy of two or more elements, or Pt—Mn—X ′ (where X ′ is Pd, Ir, Rh, Ru, Au, Ag, Os, Cr, Ni, Ar, Ne, Xe, Kr). It is preferable to form an alloy of any one or two or more elements.
[0128]
In the PtMn alloy and the alloy represented by the formula of X—Mn, it is preferable that Pt or X is in the range of 37 to 63 at%. Further, in the PtMn alloy and the alloy represented by the formula of X-Mn, it is more preferable that Pt or X is in a range of 47 to 57 at%. Unless otherwise specified, the upper and lower limits of the numerical range indicated by-mean the following.
[0129]
In the alloy represented by the formula Pt—Mn—X ′, X ′ + Pt is preferably in the range of 37 to 63 at%. In the alloy represented by the formula of Pt—Mn—X ′, X ′ + Pt is more preferably in the range of 47 to 57 at%. Furthermore, in the alloy represented by the formula of Pt—Mn—X ′, X ′ is preferably in the range of 0.2 to 10 at%. However, when X ′ is one or more elements of Pd, Ir, Rh, Ru, Os, Ni, and Fe, X ′ may be in the range of 0.2 to 40 at%. preferable.
[0130]
In the present invention, the thickness of the first antiferromagnetic layer 22 is preferably 80 to 300 mm. By forming the first antiferromagnetic layer 22 with such a thick film thickness, a large exchange coupling magnetic field can be generated between the first antiferromagnetic layer 22 and the pinned magnetic layer 23 by annealing in a magnetic field. Specifically, an exchange coupling magnetic field of 48 kA / m or more, for example, exceeding 64 kA / m can be generated.
[0131]
In the present invention, the intermediate antiferromagnetic layer 41 is preferably formed with a thickness of 10 to 50 mm, more preferably 30 to 40 mm.
[0132]
The present invention is characterized in that the intermediate antiferromagnetic layer 41 is formed in such a thin film thickness.
[0133]
By forming the intermediate antiferromagnetic layer 41 with a thin film thickness of 50 mm or less as described above, the intermediate antiferromagnetic layer 41 does not have antiferromagnetic properties, and even if annealing in a magnetic field is performed, the intermediate antiferromagnetic layer 41 does not have an antiferromagnetic property. The ferromagnetic layer 41 is less likely to undergo ordered transformation, and no exchange coupling magnetic field is generated between the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the free magnetic layer 28, or the value is small even when it is generated, and the magnetization of the free magnetic layer 28 is fixed magnetic. Like the layer 23, it is not fixed firmly.
[0134]
The intermediate antiferromagnetic layer 41 is formed to have a thickness of 10 mm or more, preferably 30 mm or more. If there is no film thickness of this level, the intermediate antiferromagnetic layer 41 is formed on both side ends C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 in a later step. 2 Even if the antiferromagnetic layer 42 is formed, both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 are less likely to have antiferromagnetic properties, and both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the free magnetic layer 28 This is because an exchange coupling magnetic field having an appropriate magnitude is not generated between the end portions C on both sides.
[0135]
Further, by forming the nonmagnetic layer 31 on the intermediate antiferromagnetic layer 41 as in the step of FIG. 5, it is possible to appropriately oxidize the intermediate antiferromagnetic layer 41 even when the laminate shown in FIG. 5 is exposed to the atmosphere. Can be prevented.
[0136]
Here, the nonmagnetic layer 31 needs to be a dense layer that is not easily oxidized by exposure to the atmosphere. Further, even if the nonmagnetic layer 31 penetrates into the intermediate antiferromagnetic layer 41 due to thermal diffusion or the like, it is necessary to use a material that does not deteriorate the properties of the antiferromagnetic layer.
[0137]
In the present invention, the nonmagnetic layer 31 is formed of a noble metal. Specifically, it is preferable to form a noble metal composed of one or more of Ru, Re, Pd, Os, Ir, Pt, Au, and Rh.
[0138]
The nonmagnetic layer 31 made of a noble metal such as Ru is a dense layer that is not easily oxidized by exposure to the atmosphere. Therefore, even if the thickness of the nonmagnetic layer 31 is reduced, the intermediate antiferromagnetic layer 41 can be appropriately prevented from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0139]
In the present invention, it is preferable to form the nonmagnetic layer 31 with a thickness of 3 to 10 mm. The nonmagnetic layer 31 having such a thin film thickness can appropriately prevent the intermediate antiferromagnetic layer 41 from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0140]
In the present invention, as described above, the nonmagnetic layer 31 is formed of a noble metal such as Ru, and the nonmagnetic layer 31 is formed with a thin film thickness of about 3 to 10 mm. By forming the nonmagnetic layer 31 with such a thin film thickness, the ion milling control in the next process can be performed appropriately and easily.
[0141]
As shown in FIG. 5, after the layers up to the nonmagnetic layer 31 are stacked on the substrate 20, a first annealing in a magnetic field is performed. While applying a first magnetic field (Y direction) that is perpendicular to the track width Tw (X direction), the first antiferromagnetic layer 12 and the pinned magnetic layer 23 are heat treated at a first heat treatment temperature. An exchange coupling magnetic field is generated between the magnetic layer 24 and the magnetic layer 24, and the magnetization of the magnetic layer 24 is fixed in the Y direction in the drawing. The magnetization of the other magnetic layer 26 is fixed in the direction opposite to the Y direction in the figure by exchange coupling due to the RKKY interaction acting with the magnetic layer 24. For example, the first heat treatment temperature is set to 270 ° C., and the magnitude of the magnetic field is set to 800 k (A / m).
[0142]
Further, as described above, the intermediate antiferromagnetic layer 41 is thin by the first annealing in the magnetic field, so that it does not easily undergo regular transformation, and the magnetic material layer 30 constituting the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the free magnetic layer 28. No exchange coupling magnetic field is generated between the two. This is because the intermediate antiferromagnetic layer 41 is formed with a thin film thickness of 50 mm or less and does not have antiferromagnetic properties.
[0143]
In addition, it is considered that noble metal elements such as Ru constituting the nonmagnetic layer 31 diffuse into the intermediate antiferromagnetic layer 41 by the first annealing in the magnetic field. Therefore, the constituent elements of the intermediate antiferromagnetic layer 41 after the heat treatment are composed of an element constituting the antiferromagnetic layer and a noble metal element. Further, the noble metal element diffused inside the intermediate antiferromagnetic layer 41 is more on the surface side of the intermediate antiferromagnetic layer 41 than the lower surface side of the intermediate antiferromagnetic layer 41, and the composition ratio of the diffused noble metal element is intermediate. It is thought that it gradually decreases from the surface of the antiferromagnetic layer 41 toward the lower surface. Such compositional modulation can be confirmed with a SIMS analyzer or the like.
[0144]
Further, when the noble metal element for forming the nonmagnetic layer 31 is mixed with the material of the intermediate antiferromagnetic layer, this mixture exhibits antiferromagnetism. Even if diffused into the intermediate antiferromagnetic layer 41, the antiferromagnetism of the intermediate antiferromagnetic layer 41 can be prevented from deteriorating.
[0145]
Next, the entire surface of the nonmagnetic layer 31 is ion milled in the step of FIG. 5 to remove the nonmagnetic layer 31.
[0146]
In the ion milling process shown in FIG. 5, low energy ion milling can be used. The reason is that the nonmagnetic layer 31 is formed with a very thin film thickness of about 3 to 10 mm at the film formation stage. Therefore, in the present invention, the nonmagnetic layer 31 is removed by ion milling with low energy, and it is easy to stop milling at the outermost surface of the intermediate antiferromagnetic layer, and milling control can be improved as compared with the conventional case.
[0147]
The incident angle of ion milling in the step of FIG. 5 is preferably 30 ° to 70 ° from the normal direction to the surface of the substrate 20. In addition, the processing time of ion milling is about several seconds to 10 minutes.
[0148]
Next, in the process shown in FIG. 6, a second antiferromagnetic layer 42 is formed on the intermediate antiferromagnetic layer 41, and further, an intermediate formed continuously on the second antiferromagnetic layer 42 with Ta or the like. A layer (protective layer) 43 is formed. The intermediate layer 43 is for protecting the second antiferromagnetic layer 42 from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0149]
The second antiferromagnetic layer 42 is preferably formed of the same material as the intermediate antiferromagnetic layer 41.
[0150]
Further, in the step shown in FIG. 6, the second antiferromagnetic layer is formed so that the total film thickness of the second antiferromagnetic layer 42 and the intermediate antiferromagnetic layer 41 is 80 to 500 mm. It is preferable to adjust the film thickness of 42.
[0151]
If the total thickness obtained by adding the thickness of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the thickness of the second antiferromagnetic layer 42 is 80 to 500 mm, the antiferromagnetic layer alone This is because the intermediate antiferromagnetic layer 41 having no properties has antiferromagnetic properties.
[0152]
Next, in a step shown in FIG. 7, a mask layer 50 made of, for example, an inorganic material is formed on the intermediate layer 43 with a predetermined interval 50a in the track width direction (X direction in the drawing). As the inorganic material, Ta, Ti, Si, Zr, Nb, Mo, Hf, W, Al-O, Al-Si-O, Si-O, or the like can be selected. Among these, when the mask layer 50 is formed of a metal material, the mask layer 50 can be left as it is after the manufacturing process to function as the electrode layer 44.
[0153]
The mask layer 50 is formed by, for example, standing a resist layer (not shown) on the center of the intermediate layer 43, filling both sides with the mask layer 50, and then removing the resist layer to form a predetermined width on the mask layer 50. The interval 50a is formed. Alternatively, after forming the mask layer 50 on the entire intermediate layer 43, a resist layer (not shown) is formed on the mask layer 50, and a hole is formed in the central portion of the resist layer by exposure and development. The mask layer 50 exposed from the hole is shaved by RIE (reactive ion etching) or the like to form an interval 50a having a predetermined width in the mask layer 50.
[0154]
Alternatively, in the present invention, the mask layer 50 may be formed of a resist.
In the step shown in FIG. 7, the intermediate layer 43 exposed from the space 50a of the mask layer 50 is shaved by RIE or ion milling, and the second antiferromagnetic layer 42 below the intermediate layer 43 is shaved to the position of the dotted line K. At this time, the second antiferromagnetic layer 42 is etched until the total film thickness obtained by adding the film thickness of the second antiferromagnetic layer 42 below the dotted line K and the film thickness of the intermediate antiferromagnetic layer 41 becomes 50 mm or less. preferable. More preferably, it is 40 mm or less. Otherwise, the central portion D of the intermediate antiferromagnetic layer 41 retains antiferromagnetic properties, and the central portion D of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the free magnetic layer 28 are subjected to annealing in the second magnetic field in the next step. This is because an exchange coupling magnetic field is generated between the central portions D of the two, and the magnetization of the central portion D of the free magnetic layer 28 is firmly fixed.
[0155]
Alternatively, milling may be stopped by removing all of the second antiferromagnetic layer 42 exposed from the space 50a of the mask layer 50 and removing the intermediate antiferromagnetic layer 41 formed thereunder up to the alternate long and short dash line L. .
[0156]
As shown in FIG. 7, the second antiferromagnetic layer 42 is scraped in a direction perpendicular to or near the vertical direction with respect to the surface of the substrate 20, so that the inner end 42 a of the second antiferromagnetic layer 42 is formed on the substrate 20. It is formed in a direction perpendicular to the surface (Z direction in the figure) or a direction close to the vertical direction. Naturally, when cutting down to the layer formed below the second antiferromagnetic layer 42, the inner end face of each of the cut-out layers is in a direction perpendicular to or close to the vertical direction with respect to the surface of the substrate 20 (surface of the substrate 20 The angle with respect to the angle is 80 ° to 90 °.
[0157]
For example, as shown by the dotted line M in FIG. 7, when the inner end 50b of the mask layer 50 is formed of an inclined surface or a curved surface in which the interval 50a gradually increases from the lower surface to the upper surface, the second antiferromagnetic layer The inner end 42a such as 42 is also formed as an inclined surface or a curved surface.
[0158]
When the inner end portion 50b of the mask layer 50 is formed as an inclined surface or a curved surface, the width dimension in the track width direction (X direction in the drawing) within the space 50a to be cut becomes narrower toward the lower surface. For this reason, the track width Tw can be made smaller than the width of the interval 50a of the mask layer 50, and a magnetic detecting element that can cope with narrower tracks can be manufactured.
[0159]
Further, it is arbitrary how far the material is etched, but it is important not to leave an antiferromagnetic layer having a thickness as thick as antiferromagnetism at least on the central portion D of the free magnetic layer 28.
[0160]
After the RIE or ion milling process described above is completed, annealing in the second magnetic field is performed. The magnetic field direction at this time is the track width direction (X direction in the drawing). In the second annealing in the magnetic field, the second applied magnetic field is smaller than the exchange anisotropic magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22, and the heat treatment temperature is set higher than the blocking temperature of the first antiferromagnetic layer 22. Also lower. As a result, the exchange anisotropy magnetic field at both ends C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 is changed to the track width while the direction of the exchange anisotropy magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22 is directed in the height direction (Y direction in the drawing). It can be directed in the direction (X direction in the figure). The second heat treatment temperature is, for example, 250 ° C., and the magnitude of the magnetic field is 8 to 30 (kA / m), for example, 24 k (A / m).
[0161]
The second applied magnetic field is preferably larger than the demagnetizing field and coercive force of the ferromagnetic layer 32 and the free magnetic layer 28. Both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 have antiferromagnetic properties due to antiferromagnetic interaction generated with the second antiferromagnetic layer 42 formed thereon. By this second annealing in the magnetic field, both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 are orderedly transformed, and the both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and both end portions C of the free magnetic layer 28 are transformed. A large exchange coupling magnetic field is generated between them. As a result, the magnetizations at both end portions C of the free magnetic layer 28 are fixed in the track width direction (X direction in the drawing).
[0162]
On the other hand, since only an antiferromagnetic layer having a thin film thickness that does not have antiferromagnetic properties is formed on the central portion D of the free magnetic layer 28, the above-described annealing in the second magnetic field also frees the film. The central portion D of the intermediate antiferromagnetic layer 41 formed on the central portion D of the magnetic layer 28 does not undergo a regular transformation, and is between the central portion D of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the central portion D of the free magnetic layer 28. The exchange coupling magnetic field does not occur or even if it is generated, the value thereof is small, and the central portion D of the free magnetic layer 28 is not firmly fixed in the track width direction like the end portions C on both sides. Further, it is possible to avoid an increase in the coercive force of the central portion D of the free magnetic layer 28 due to the intermediate antiferromagnetic layer 41.
[0163]
The magnetization of the central portion D of the free magnetic layer 28 is weak and single-domained to such an extent that magnetization can be reversed with respect to an external magnetic field.
[0164]
Further, since the film thickness of the intermediate antiferromagnetic layer 41 on the central portion D of the free magnetic layer 28 is 50 mm or less, it is possible to reduce the diversion of the sense current to the intermediate antiferromagnetic layer 41 and to detect the magnetic field. The magnetic field detection output of the element can be improved.
[0165]
As described above, in the present invention, the magnetization control of the free magnetic layer 28 can be appropriately performed as compared with the conventional case, and a magnetic detection element excellent in reproduction sensitivity can be manufactured even in a narrow track.
[0166]
Further, this second annealing in a magnetic field may be performed after the step of FIG. 6, that is, after the second antiferromagnetic layer 42 and the intermediate layer 43 are formed on the intermediate antiferromagnetic layer 41. In such a case, the intermediate antiferromagnetic layer 41 has antiferromagnetic properties because the second antiferromagnetic layer 42 is formed so as to overlap, and the intermediate antiferromagnetic layer 41 is formed by annealing in the second magnetic field. The ordered transformation occurs, and a large exchange coupling magnetic field is generated between the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the free magnetic layer 28, and the magnetization of the entire free magnetic layer 28 is easily fixed in the track width direction. Thus, the central portion D of the second antiferromagnetic layer 42 and the central portion D of the second antiferromagnetic layer 42 and the intermediate antiferromagnetic layer 41 are etched to form on the central portion D of the free magnetic layer 28. It is considered that the exchange coupling magnetic field generated between the antiferromagnetic layer and the antiferromagnetic layer is weakened, and the central portion D of the free magnetic layer 28 can be changed to a magnetization that is weak enough to easily reverse the magnetization.
[0167]
FIG. 8 is a process diagram illustrating a process of forming the electrode layer 44. The drawing is a partially enlarged cross-sectional view from the side facing the recording medium.
[0168]
When the mask layer 50 shown in FIG. 7 is made of a material such as a resist that cannot be left as an electrode layer, the electrode layer 44 is formed on the second antiferromagnetic layer 42 after the mask layer 50 is removed. There must be.
[0169]
As shown in FIG. 8, a resist layer 51 is formed from the space 42 b between the second antiferromagnetic layers 42 to a part of the upper surface of the second antiferromagnetic layer 42. The resist layer 51 may be provided only in the interval 42b. Then, an electrode layer 44 is formed on the second antiferromagnetic layer 42 not covered with the resist layer 51, and the resist layer 51 is removed. Thereby, the electrode layer 44 can be formed on the second antiferromagnetic layer 42.
[0170]
In the step of FIG. 7, when the second antiferromagnetic layer 42 is milled to remove up to the chain line K, the magnetic detection element shown in FIG. 9 is obtained. Further, when milling for removing the intermediate antiferromagnetic layer 41 up to the alternate long and short dash line L is performed, the magnetic detection element shown in FIG. 10 is obtained.
[0171]
FIG. 11 to FIG. 13 are process diagrams showing the method of manufacturing the magnetic sensing element of the present invention. Each of the steps shown in FIGS. 11 to 13 is a partial cross-sectional view as viewed from the surface facing the recording medium.
[0172]
A seed layer 21, a first antiferromagnetic layer 22, a pinned magnetic layer 23, a nonmagnetic material layer 27, a free magnetic layer 28, and a nonmagnetic layer 31 are continuously formed on the substrate 20 by the same process as in FIG. . Sputtering or vapor deposition is used for film formation. The material and film thickness of each layer are the same as those of each layer given the same reference numerals shown in FIG.
[0173]
Also in the present invention, by forming the nonmagnetic layer 31 on the free magnetic layer 28, it is possible to appropriately prevent the free magnetic layer 28 from being oxidized even if the laminate shown in FIG. 5 is exposed to the atmosphere.
[0174]
Here, the nonmagnetic layer 31 needs to be a dense layer that is not easily oxidized by exposure to the atmosphere.
[0175]
In the present invention, the nonmagnetic layer 31 is formed of a noble metal. Specifically, it is preferable to form a noble metal composed of one or more of Ru, Re, Pd, Os, Ir, Pt, Au, and Rh.
[0176]
The nonmagnetic layer 31 made of a noble metal such as Ru is a dense layer that is not easily oxidized by exposure to the atmosphere. Therefore, even if the nonmagnetic layer 31 is thin, the free magnetic layer 28 can be appropriately prevented from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0177]
In the present invention, it is preferable to form the nonmagnetic layer 31 with a thickness of 3 to 10 mm. The nonmagnetic layer 31 having such a thin film thickness can appropriately prevent the free magnetic layer 28 from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0178]
By forming the nonmagnetic layer 31 with such a thin film thickness, the ion milling control in the next process can be performed appropriately and easily.
[0179]
As shown in FIG. 11, after the layers up to the nonmagnetic layer 31 are laminated on the substrate 20, annealing in a first magnetic field is performed. The first antiferromagnetic layer 22 and the pinned magnetic layer 23 are heat treated at a first heat treatment temperature while applying a first magnetic field (Y direction shown) that is perpendicular to the track width Tw (X direction shown). An exchange coupling magnetic field is generated between the magnetic layer 24 and the magnetic layer 24, and the magnetization of the magnetic layer 24 is fixed in the Y direction in the drawing. The magnetization of the other magnetic layer 26 is fixed in the direction opposite to the Y direction in the figure by exchange coupling due to the RKKY interaction acting with the magnetic layer 24. For example, the first heat treatment temperature is set to 270 ° C., and the magnitude of the magnetic field is set to 800 k (A / m).
[0180]
Further, it is considered that noble metal elements such as Ru constituting the nonmagnetic layer 31 diffuse into the free magnetic layer 28 by the first annealing in the magnetic field. Therefore, the constituent elements near the surface of the free magnetic layer 28 after the heat treatment are composed of an element constituting the antiferromagnetic layer and a noble metal element. Further, the noble metal element diffused into the free magnetic layer 28 is more on the surface side of the free magnetic layer 28 than the lower surface side of the free magnetic layer 28, and the composition ratio of the diffused noble metal element is from the surface of the free magnetic layer 28. It is thought that it gradually decreases as it goes to the bottom surface. Such compositional modulation can be confirmed by a device for analyzing the chemical composition of the thin film such as a SIMS analyzer.
[0181]
Next, the entire surface of the nonmagnetic layer 31 is ion milled to remove the nonmagnetic layer 31.
[0182]
In the ion milling step shown in FIG. 11, low energy ion milling can be used. The reason is that the nonmagnetic layer 31 is formed with a very thin film thickness of about 3 to 10 mm at the film formation stage. For this reason, in the present invention, the nonmagnetic layer 31 is removed by ion milling with low energy, and it is easy to stop milling on the outermost surface of the free magnetic layer 28, and milling control can be improved as compared with the conventional case.
[0183]
The incident angle of ion milling in the step of FIG. 11 is preferably 30 ° to 70 ° from the normal direction to the surface of the substrate 20. The ion milling time is about 1 minute.
[0184]
Next, in the step shown in FIG. 12, a ferromagnetic layer 45 is formed on the free magnetic layer 28 by using the same material as the magnetic material layer 30 or the diffusion prevention layer 29 of the free magnetic layer 28, and further the second anti-reflection layer 29 is formed. An intermediate layer (protective layer) 43 formed of the ferromagnetic layer 42, Ta or the like is continuously formed in a vacuum. The intermediate layer 43 is for protecting the second antiferromagnetic layer 42 from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0185]
The second antiferromagnetic layer 42 is preferably formed of the same material as the first antiferromagnetic layer 22.
[0186]
In the step shown in FIG. 6, it is preferable that the thickness of the second antiferromagnetic layer 42 is 80 to 500 mm.
[0187]
Next, a mask layer 50 made of, for example, an inorganic material is formed on the intermediate layer 43 at a predetermined interval 50a in the track width direction (X direction in the drawing). As the inorganic material, Ta, Ti, Si, Zr, Nb, Mo, Hf, W, Al-O, Al-Si-O, Si-O, or the like can be selected. Among these, when the mask layer 50 is formed of a metal material, the mask layer 50 can be left as it is after the manufacturing process to function as the electrode layer 44.
[0188]
The mask layer 50 is formed by, for example, setting a resist layer (not shown) on the center of the intermediate layer 43, filling both sides with the mask layer 50, and then removing the resist layer to form a predetermined mask layer 50. A width interval 50a is formed. Alternatively, after forming the mask layer 50 on the entire intermediate layer 43, a resist layer (not shown) is formed on the mask layer 50, and a hole is formed in the central portion of the resist layer by exposure and development. The mask layer 50 exposed from the hole is shaved by RIE or the like to form an interval 50a having a predetermined width in the mask layer 50.
[0189]
Alternatively, in the present invention, the mask layer 50 may be formed of a resist.
The intermediate layer 43 exposed from the space 50a of the mask layer 50 is shaved by RIE or ion milling, and the second antiferromagnetic layer 42 and the ferromagnetic layer 45 below the intermediate layer 43 are shaved.
[0190]
As shown in FIG. 12, the second antiferromagnetic layer 42 is scraped in a direction perpendicular to or near the vertical direction with respect to the surface of the substrate 20, so that the inner end 42 a of the second antiferromagnetic layer 42 is formed on the substrate 20. It is formed in a direction perpendicular to the surface (Z direction in the figure) or a direction close to the vertical direction. Naturally, when cutting down to the layer formed below the second antiferromagnetic layer 42, the inner end face of each cut layer was formed in a direction perpendicular to or near the vertical direction with respect to the surface of the substrate 20. It is in a state.
[0191]
For example, as shown by the dotted line M in FIG. 12, when the inner end portion 50b of the mask layer 50 is formed of an inclined surface or a curved surface in which the interval 50a gradually increases from the lower surface to the upper surface, the second antiferromagnetic layer The inner end 42a such as 42 is also formed as an inclined surface or a curved surface.
[0192]
When the inner end portion 50b of the mask layer 50 is formed as an inclined surface or a curved surface, the width dimension in the track width direction (X direction in the drawing) within the space 50a to be cut becomes narrower toward the lower surface. For this reason, the track width Tw can be made smaller than the width of the interval 50a of the mask layer 50, and a magnetic detecting element that can cope with narrower tracks can be manufactured.
[0193]
After the RIE or ion milling process described above is completed, annealing in the second magnetic field is performed. The magnetic field direction at this time is the track width direction (X direction in the drawing). In the second annealing in the magnetic field, the second applied magnetic field is smaller than the exchange anisotropic magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22, and the heat treatment temperature is set higher than the blocking temperature of the first antiferromagnetic layer 22. Also lower. As a result, the exchange anisotropy magnetic field at both ends C of the second antiferromagnetic layer 42 is tracked while the direction of the exchange anisotropy magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22 is directed in the height direction (Y direction in the drawing). It can be directed in the width direction (X direction in the figure). The second heat treatment temperature is, for example, 250 ° C., and the magnitude of the magnetic field is 8 to 30 (kA / m), for example, 24 k (A / m).
[0194]
The second applied magnetic field is preferably larger than the demagnetizing field and coercive force of the ferromagnetic layer 32 and the free magnetic layer 28.
[0195]
For this reason, the second antiferromagnetic layer 42 is appropriately ordered and transformed by the above-described annealing in the second magnetic field, and an exchange coupling having an appropriate size is established between the second antiferromagnetic layer 42 and the ferromagnetic layer 45. Magnetic field is generated. Further, a ferromagnetic coupling based on exchange interaction occurs between the ferromagnetic layer 45 and the both end portions C of the free magnetic layer 28, whereby the magnetization of the both end portions C of the free magnetic layer 28 has a track width. It is fixed in the direction (X direction in the figure).
[0196]
It should be noted that the magnetization of the central portion D of the free magnetic layer 28 is weakly single-domained so that the magnetization can be reversed with respect to the external magnetic field.
[0197]
In addition, when the milling angle is 50 ° to 60 ° with respect to the direction perpendicular to the surface of the substrate 20 and the milling time is 30 seconds to 50 seconds in the step of FIG. 11, the nonmagnetic layer 31 is completely removed, and the free magnetic layer 28 However, since the free magnetic layer 28 is not greatly damaged by ion milling, an appropriate strength is provided between the ferromagnetic layer 45 and the end portions C on both sides of the free magnetic layer 28. Magnetic coupling occurs, and the magnitude of the exchange bias magnetic field can be 32 to 72 (kA / m).
[0198]
In the present invention, even if the thickness of the ferromagnetic layer 45 laminated on the free magnetic layer 28 is reduced, the magnetic coupling (ferromagnetic exchange mutual) between the free magnetic layer 28 and the ferromagnetic layer 45 is achieved. (Action) can be strengthened.
[0199]
When the thickness of the ferromagnetic layer 45 is reduced, the exchange coupling magnetic field generated between the second antiferromagnetic layer 42 and the ferromagnetic layer 45 is strengthened, and both end portions of the free magnetic layer can be strongly fixed by magnetization. That is, it is possible to manufacture a magnetic detection element that can suppress side reading and can appropriately cope with narrowing of tracks.
[0200]
Further, when the ferromagnetic layer 45 is thinned, it is possible to suppress an extra static magnetic field from entering the central portion D of the free magnetic layer 28 from the inner side surface of the ferromagnetic layer 45, and the central portion D of the free magnetic layer 28 capable of magnetization reversal. A decrease in sensitivity to an external magnetic field can be prevented.
[0201]
In the present invention, the film thickness of the ferromagnetic layer 45 can be set to 5 to 50 mm.
As described above, in the present invention, the magnetization control of the free magnetic layer 28 can be appropriately performed as compared with the conventional case, and a magnetic detection element excellent in reproduction sensitivity can be manufactured even in a narrow track.
[0202]
When the mask layer 50 shown in FIG. 7 is made of a material such as a resist that cannot be left as an electrode layer, the electrode layer 44 is formed on the second antiferromagnetic layer 42 after the mask layer 50 is removed. There must be.
[0203]
When forming the electrode layer 44, the resist layer 51 is formed from the space 42b between the second antiferromagnetic layers 42 to a part of the upper surface of the second antiferromagnetic layer 42 as shown in FIG. To do. The resist layer 51 may be provided only in the interval 42b. Then, an electrode layer 44 is formed on the second antiferromagnetic layer 42 not covered with the resist layer 51, and the resist layer 51 is removed. Thereby, the electrode layer 44 can be formed on the second antiferromagnetic layer 42.
[0204]
Through the above steps, the magnetic detection element shown in FIG. 13 can be obtained.
After the ion milling in FIG. 11, the second antiferromagnetic layer 42 may be directly stacked on the free magnetic layer 28 without stacking the ferromagnetic layer 45. In this case, the exchange bias magnetic field applied to the free magnetic layer 28 is smaller than that of the magnetic sensing element shown in FIG. 13, but an exchange bias magnetic field of about 16 (kA / m) in absolute value can still be obtained.
[0205]
Next, the form of the free magnetic layer 28 in the present invention will be described.
1 to 13, all the free magnetic layers 28 have a two-layer structure, and the layer in contact with the nonmagnetic material layer 27 is a diffusion prevention layer 29 such as CoFe or Co. The magnetic material layer 30 is formed of a magnetic material such as a NiFe alloy.
[0206]
The free magnetic layer 28 may be formed of a single layer of magnetic material. NiFe alloy, CoFe alloy, CoFeNi alloy, Co, CoNi alloy, etc. can be selected as the magnetic material. Of these, the free magnetic layer 28 is particularly preferably formed of a CoFeNi alloy.
[0207]
FIG. 14 is a partially enlarged cross-sectional view illustrating the free magnetic layer 28 as a center. The cross section is viewed from the side facing the recording medium.
[0208]
In the form shown in FIG. 14, the free magnetic layer 28 has a three-layer structure. Each of the reference numerals 56, 57, and 58 constituting the free magnetic layer 28 is a layer made of a magnetic material, and the magnetic material layer 56 is a diffusion prevention layer for preventing the diffusion of elements with the nonmagnetic material layer 27. It is. The magnetic material layer 56 is made of CoFe, Co, or the like.
[0209]
The magnetic material layer 58 is formed in contact with the ferromagnetic layer 32, the intermediate antiferromagnetic layer 41, or the ferromagnetic layer 45. FIG. 14 shows a state in contact with the ferromagnetic layer 32.
[0210]
The magnetic material layer 58 is preferably formed of a CoFe alloy.
As a combination of materials having a three-layer structure shown in FIG. 14, for example, magnetic material layer 56: CoFe / magnetic material layer 57: NiFe / magnetic material layer 58: CoFe can be presented.
[0211]
The thickness of the free magnetic layer 28 made of only a magnetic material is preferably about 30 to 50 mm. The composition ratio of the CoFe alloy used for the free magnetic layer 28 is, for example, 90 at% for Co and 10 at% for Fe.
[0212]
FIG. 15 is a partially enlarged cross-sectional view showing another embodiment of the free magnetic layer 28. The free magnetic layer 28 shown in FIG. 15 has a structure called a laminated ferrimagnetic structure. Thereby, the film thickness of the magnetic effective free magnetic layer can be reduced without extremely reducing the physical thickness of the free magnetic layer 28, and the sensitivity to the external magnetic field can be improved.
[0213]
Reference numerals 59 and 61 are magnetic layers, and reference numeral 60 is a nonmagnetic intermediate layer. The magnetic layer 59 and the magnetic layer 61 are formed of a magnetic material such as a NiFe alloy, a CoFe alloy, a CoFeNi alloy, Co, or a CoNi alloy, for example. Of these, the magnetic layer 59 and / or the magnetic layer 61 are preferably formed of a CoFeNi alloy. As composition ratios, Fe is preferably 9 at% or more and 17 at% or less, Ni is 0.5 at% or more and 10 at% or less, and the remainder is Co at%.
[0214]
As a result, the coupling magnetic field due to the RKKY interaction acting between the magnetic layers 59 and 61 can be increased. Specifically, the spin flop magnetic field (Hsf) can be increased to about 293 (kA / m) or more. As described above, the magnetizations of the magnetic layer 59 and the magnetic layer 61 can be appropriately brought into an antiparallel state. If the composition range is within the above range, the magnetostriction of the free magnetic layer 28 is −3 × 10. -6 To 3 × 10 -6 The coercive force can be reduced to 790 (A / m) or less.
[0215]
Furthermore, it is possible to appropriately improve the soft magnetic characteristics of the free magnetic layer 28 and suppress the reduction in resistance change amount (ΔR) and resistance change rate (ΔR / R) due to the diffusion of Ni into the nonmagnetic material layer 27. It is.
[0216]
The nonmagnetic intermediate layer 60 is preferably formed of one or more of Ru, Rh, Ir, Cr, Re, and Cu.
[0217]
The thickness of the magnetic layer 59 is, for example, about 35 mm, the nonmagnetic intermediate layer 60 is, for example, about 9 mm, and the thickness of the magnetic layer 61 is, for example, about 15 mm.
[0218]
When the above-described free magnetic layer 28 is formed in a laminated ferrimagnetic structure, as shown in FIG. 18, the magnetic layer 61 can be partially removed at the center D, or as shown in FIG. As described above, the magnetic layer 61 may be completely removed at the central portion D, and the nonmagnetic intermediate layer 60 may be exposed. As a result, the central portion D of the free magnetic layer 28 does not have a laminated ferrimagnetic structure, but functions as a free magnetic layer formed only of a normal magnetic layer, while the both end portions C of the free magnetic layer 28 have a laminated ferrimagnetic structure. By enhancing the unidirectional bias magnetic field, both side ends C of the free magnetic layer 28 can be more reliably fixed in the track width direction, thereby preventing side reading.
[0219]
Further, a diffusion preventing layer made of CoFe alloy or Co may be provided between the magnetic layer 59 and the nonmagnetic material layer 27. Furthermore, a magnetic layer formed of a CoFe alloy may be interposed between the magnetic layer 61 and the intermediate antiferromagnetic layer 41.
[0220]
In such a case, when the magnetic layer 59 and / or the magnetic layer 61 is formed of a CoFeNi alloy, the composition ratio of Fe in the CoFeNi alloy is 7 atomic% or more and 15 atomic% or less, and the composition ratio of Ni is 5 atomic% or more. It is preferable that the remaining composition ratio is 15 atomic% or less and Co.
[0221]
Thereby, the exchange coupling magnetic field in the RKKY interaction generated between the magnetic layers 59 and 61 can be strengthened. Specifically, the spin flop magnetic field (Hsf) can be increased to about 293 (kA / m). Therefore, the magnetization of the magnetic layers 59 and 61 can be appropriately brought into an antiparallel state.
[0222]
If the composition range is within the above range, the magnetostriction of the free magnetic layer 28 is −3 × 10. -6 To 3 × 10 -6 The coercive force can be reduced to 790 (A / m) or less. Further, the soft magnetic characteristics of the free magnetic layer 28 can be improved.
[0223]
FIG. 16 is a partially enlarged sectional view showing another embodiment of the free magnetic layer 28 in the present invention. In the free magnetic layer 28 shown in FIG. 16, a specular film 63 is formed between the magnetic material layers 62 and 64. In the specular film 63, a defect (pinhole) G may be formed as shown in FIG. In the embodiment shown in FIG. 16, the magnetic layer 62 and the magnetic layer 64 sandwiching the specular film (specular reflection layer) 63 are magnetized in the same direction (arrow direction).
[0224]
Magnetic materials such as NiFe alloy, CoFe alloy, CoFeNi alloy, Co, and CoNi alloy are used for the magnetic layers 62 and 64.
[0225]
When the specular film 63 is formed in the free magnetic layer 28 as shown in FIG. 16, conduction electrons (for example, conduction electrons having an up spin) reaching the specular film 63 change the spin state (energy, quantum state, etc.) there. Specular reflection with holding. Then, the conduction electrons having the mirror-reflected up spin can pass through the free magnetic layer while changing the moving direction.
[0226]
For this reason, in the present invention, by providing the specular film 63, the mean free path λ of conduction electrons having an up spin is obtained. + Can be extended compared to the conventional case, and thus the mean free path λ of conduction electrons having upspin can be increased. + And the mean free path λ of conduction electrons with downspin - Therefore, the resistance change rate (ΔR / R) can be improved and the reproduction output can be improved.
[0227]
The specular film 63 is formed by, for example, forming the magnetic layer 62 and oxidizing the surface of the magnetic layer 62. This oxide layer can function as the specular film 63. Then, a magnetic layer 64 is formed on the specular film 63.
[0228]
As the material of the specular film 63, Fe-O, Ni-O, Co-O, Co-Fe-O, Co-Fe-Ni-O, Al-O, Al-Q-O (where Q is B, One or more selected from Si, N, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni), R—O (where R is Cu, Ti, V, Cr, Zr, Nb, Mo, Hf, One or more oxides selected from Ta and W, Al-N, Al-QN (where Q is selected from B, Si, O, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni) 1 or more), RN (where R is one or more selected from Ti, V, Cr, Zr, Nb, Mo, Hf, Ta, and W), a semi-metallic Whistler alloy, and the like. Can present.
[0229]
When the specular film 63 is formed by sputtering, for example, the temperature of the substrate 20 is set to 0 to 100 ° C., the distance between the targets of the material of the substrate 20 and the specular film 63 is set to 100 to 300 mm, and the Ar gas pressure is set to 10 mm. -Five -10 -3 Torr (1.3 × 10 -3 To 0.13 Pa).
[0230]
FIG. 17 is a partially enlarged sectional view showing another embodiment of the free magnetic layer 28 in the present invention.
[0231]
In the free magnetic layer 28 shown in FIG. 17, a backed layer 66 is formed between the magnetic layer 65 and the ferromagnetic layer 32. The back layer 66 is made of, for example, Cu, Au, Cr, Ru, or the like. The magnetic layer 65 is formed of a magnetic material such as a NiFe alloy, a CoFe alloy, a CoFeNi alloy, Co, or a CoNi alloy.
[0232]
By forming the backed layer 66, the mean free path in the up-spin conduction electrons (up spin) contributing to the magnetoresistive effect is extended, and the so-called spin filter effect is applied. In a spin valve type magnetic element, a large resistance change rate can be obtained, which can cope with a high recording density.
[0233]
In the magnetic sensing element of the above-described embodiment, the pinned magnetic layer 23 may be formed as a single ferromagnetic material layer.
[0234]
When a magnetic head is configured using the magnetic detection element of the present invention, an underlayer made of an insulating material such as alumina is formed between the substrate 20 and the first antiferromagnetic layer 22 and a magnetic layer laminated on the underlayer. A lower shield layer made of an alloy and a lower gap layer made of an insulating material laminated on the lower shield are formed. A thin film magnetic element is laminated on the lower gap layer. On the thin film magnetic element, an upper gap layer made of an insulating material and an upper shield layer made of a magnetic alloy laminated on the upper gap layer are formed. Further, an inductive element for writing may be laminated on the upper shield layer.
[0235]
1 to 19, electrode layers 33 and 44 are provided on both end portions C and C in the track width direction (X direction in the drawing) of a multilayer film having a pinned magnetic layer, a nonmagnetic material layer, and a free magnetic layer. A method of manufacturing a CIP (current in the plane) type magnetic sensing element in which current flowing from the electrode layers 33 and 44 into the multilayer film flows in the multilayer film in a direction parallel to the film surface of each layer will be described. did.
[0236]
On the other hand, in the method for manufacturing a magnetic sensing element described in FIG. 20 and subsequent figures, electrode layers are provided above and below the multilayer film, and current flowing from the electrode layer into the multilayer film is applied to the film surface of each layer of the multilayer film. This is a method of manufacturing a CPP (current perpendicular to the plane) type magnetic sensing element that flows in the vertical direction.
[0237]
First, in FIG. 20, a lower electrode layer 70 that also serves as a lower shield layer is formed on a substrate (not shown) using a magnetic material such as NiFe.
[0238]
Further, on the lower electrode layer 70, a synthetic ferri-pinned type comprising a seed layer 21, a first antiferromagnetic layer 22, a first pinned magnetic layer 24, a nonmagnetic intermediate layer 25, and a second pinned magnetic layer 26. A multilayer film including the pinned magnetic layer 23, the nonmagnetic material layer 27, the free magnetic layer 28, and the nonmagnetic layer 31 is continuously formed in the same vacuum film forming apparatus by a thin film forming process such as sputtering or vapor deposition. To do.
[0239]
The materials of the first antiferromagnetic layer 22, the first pinned magnetic layer 24, the nonmagnetic intermediate layer 25, the second pinned magnetic layer 26, the nonmagnetic material layer 27, the free magnetic layer 28, and the nonmagnetic layer 31 are shown in FIG. This is the same as the method for manufacturing the magnetic sensing element shown in FIGS.
[0240]
Next, the multilayer film laminated up to the nonmagnetic layer 31 is annealed in the first magnetic field in the first magnetic field at the first heat treatment temperature and in the Y direction, and the first antiferromagnetism is obtained. An exchange anisotropic magnetic field is generated between the layer 22 and the first pinned magnetic layer 24, and the magnetization direction of the pinned magnetic layer 23 is pinned in the Y direction in the figure. In the present embodiment, the first heat treatment temperature is 270 ° C., and the first magnitude of the magnetic field is 800 k (A / m).
[0241]
Next, as shown in FIG. 21, a lift-off resist layer 49 having a notch formed on the lower surface is formed on the nonmagnetic layer 31. The resist layer 49 is formed so as to cover the track width region (central portion) D region of the nonmagnetic layer 31.
[0242]
Next, the region of the nonmagnetic layer 31 that is not covered with the resist layer 49 is completely scraped by ion milling to expose the free magnetic layer 28. This ion milling is the low energy ion milling described above.
[0243]
Then, the ferromagnetic layers 32 and 32 and the second antiferromagnetic layers 33 and 33 are continuously formed by sputtering on both side ends C and C of the exposed free magnetic layer 28.
[0244]
In the present invention, the nonmagnetic layer 31 can be shaved by low energy ion milling. Low energy ion milling has a slow milling rate, and the margin of the milling stop position can be narrowed. In particular, milling can be stopped at the moment when the nonmagnetic layer 31 is removed by ion milling. Therefore, the free magnetic layer 28 is not greatly damaged by ion milling. Note that the incident angle of ion milling in the step of FIG. 23 is preferably 30 ° to 70 ° from the normal direction to the surface of the nonmagnetic layer 31. The processing time for ion milling is about several seconds to 10 minutes.
[0245]
For this reason, even if the thickness of the ferromagnetic layer 32 stacked on the free magnetic layer 28 is reduced in the next step, the magnetic coupling between the free magnetic layer 28 and the ferromagnetic layer 32 (ferromagnetically) Strong exchange interaction).
[0246]
The track width direction interval W2 of the second antiferromagnetic layers 33, 33 is larger than the width dimension W2 of the bottom surface 49a of the resist layer 49 in the track width direction. The resist 49 covers the central portion of the nonmagnetic layer 31 in a substantially square shape or a substantially circular shape.
[0247]
Next, as shown in FIG. 21, an insulating layer 71 is formed by sputtering on the region of the nonmagnetic layer 31 that is not covered with the resist layer 49 and on the second antiferromagnetic layers 33 and 33. The insulating layer 71 is made of Al 2 O Three , SiO 2 , AlN, Al-Si-O, Si Three N Four It is made of an insulating material. As the sputtering method, an ion beam sputtering method, a long throw sputtering method, a collimation sputtering method, or the like can be used.
[0248]
In addition, the incident angle of sputtering is adjusted, and the side edge 71a on the track width region (center portion) C side of the insulating layer 71 is extended to a position where the nonmagnetic layer 31 and the resist layer 49 are joined. Thus, the insulating layer 71 can completely cover the second antiferromagnetic layers 33 and 33.
[0249]
At this time, the track width direction dimension W2 on the bottom surface of the resist layer 49 is equal to the distance between the side edges 71a and 71a in the track width direction. The distance between the side edges 71a and 71a in the track width direction defines the track width dimension Tw (= W2) of the magnetic detection element.
[0250]
Since the insulating layer 71 completely covers the second antiferromagnetic layers 33, 33, the composition changes in the region near the side edges 33a1, 33a1 of the second antiferromagnetic layers 33, 33 in the step of FIG. Even if the sagging occurs, the magnetization directions of both side ends C and C of the free magnetic layer 28 overlapping the side edges 33a1 and 33a1 of the second antiferromagnetic layers 33 and 33 become easy to move. It is possible to suppress the change in the track width Tw.
[0251]
When the resist layer 49 is removed after the formation of the insulating layer 71, a hole 71b in which the nonmagnetic layer 31 is exposed at the center of the insulating layer 71 is formed.
[0252]
In the magnetic sensing element of the present embodiment, the first antiferromagnetic layer 22 and the second antiferromagnetic layers 33 and 33 can be formed using antiferromagnetic materials having the same composition.
[0253]
The resist layer 49 is removed, and the second antiferromagnetic layers 33 and 33 and the ferromagnetic layer 32 are subjected to annealing in the second magnetic field in the second heat treatment temperature and the second magnitude magnetic field facing the X direction. , 32 is generated, and the magnetization direction of the ferromagnetic layers 32, 32 is fixed in the X direction in the figure. In the present embodiment, the second heat treatment temperature is 250 ° C., and the second magnitude of the magnetic field is 8 k (A / m).
[0254]
The exchange anisotropic magnetic field between the second antiferromagnetic layers 33 and 33 and the ferromagnetic layers 32 and 32 is generated for the first time in the second magnetic field annealing step. Accordingly, the second antiferromagnetic layers 33 and 33 and the ferromagnetic layer 32 are maintained while the direction of the exchange anisotropic magnetic field between the first antiferromagnetic layer 22 and the first pinned magnetic layer 24 is directed in the Y direction in the figure. , 32 to direct the exchange anisotropic magnetic field in the X direction in the figure, the second heat treatment temperature is set to a temperature lower than the blocking temperature at which the exchange coupling magnetic field by the first antiferromagnetic layer 22 disappears. It is only necessary to set and make the magnitude of the second magnetic field smaller than the exchange anisotropic magnetic field between the first antiferromagnetic layer 22 and the first pinned magnetic layer 24. If the second annealing in the magnetic field is performed under these conditions, the first antiferromagnetic layer 22 and the second antiferromagnetic layers 33 and 33 may be formed using antiferromagnetic materials having the same composition. The second antiferromagnetic layers 33 and 33 and the ferromagnetic layer 32 with the direction of the exchange anisotropic magnetic field between the first antiferromagnetic layer 22 and the first pinned magnetic layer 24 oriented in the Y direction in the figure. , 32 can be directed in the X direction in the figure. That is, it becomes easy to fix the magnetization direction of the free magnetic layer 28 in a direction orthogonal to the magnetization direction of the pinned magnetic layer 23.
[0255]
The magnitude of the second magnetic field at the time of annealing in the second magnetic field is preferably larger than the saturation magnetic field of the free magnetic layer 28 and the ferromagnetic layer 32 and the demagnetizing field of the free magnetic layer 28 and the ferromagnetic layer 32. .
[0256]
If necessary, the surface of the nonmagnetic layer 31 is cleaned by ion milling. Then, the upper electrode layer 72 having the upper shield is formed by sputtering or plating. Further, after the nonmagnetic layer 73 shown by the dotted line in FIG. 22 is formed on the nonmagnetic layer 31 from the insulating layer 71 by sputtering or the like, the upper electrode layer 72 that also serves as an upper shield may be formed by plating.
[0257]
The nonmagnetic layer 73 is preferably formed of a nonmagnetic conductive material such as Ta, Ru, Rh, Ir, Cr, Re, or Cu. The nonmagnetic layer 73 has a role as an upper gap layer. However, if the nonmagnetic layer 31 serving as the entrance / exit of the current path is covered with the nonmagnetic layer 73 made of, for example, an insulating material, the current flows in the multilayer film. Since it becomes difficult to flow, it is not preferable. Therefore, in the present invention, the nonmagnetic layer 73 is preferably formed of a nonmagnetic conductive material.
[0258]
In the magnetic detection element shown in FIG. 22 formed as described above, the second antiferromagnetic layers 33 and 33 can be appropriately covered with the insulating layers 71 and 71, and a current loss from the current flowing from the electrode layers is reduced. It becomes possible to manufacture a CPP type magnetic sensing element capable of appropriately suppressing the above.
[0259]
Another method for manufacturing the CPP type magnetic sensing element will be described.
First, in FIG. 23, a lower electrode layer 70 that also serves as a lower shield layer is formed on a substrate (not shown) using a magnetic material such as NiFe. Further, the seed layer 21, the first antiferromagnetic layer 22, the pinned magnetic layer 23, the nonmagnetic material layer 27, the free magnetic layer 28, the intermediate antiferromagnetic layer 41, and the nonmagnetic layer 31 are continuously formed in the same manner as in the step of FIG. Form a film. Sputtering or vapor deposition is used for film formation. .
[0260]
The film thickness of the intermediate antiferromagnetic layer 41 is preferably 10 to 50 mm and more preferably 30 to 40 mm.
[0261]
By forming the intermediate antiferromagnetic layer 41 with a thin film thickness of 50 mm or less as described above, the intermediate antiferromagnetic layer 41 does not have antiferromagnetic properties, and even if annealing in a magnetic field is performed, the intermediate antiferromagnetic layer 41 does not have an antiferromagnetic property. The ferromagnetic layer 41 is less likely to undergo ordered transformation, and no exchange coupling magnetic field is generated between the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the free magnetic layer 28, or the value is small even when it is generated, and the magnetization of the free magnetic layer 28 is fixed magnetic. Like the layer 23, it is not fixed firmly.
[0262]
The intermediate antiferromagnetic layer 41 is formed to have a thickness of 10 mm or more, preferably 30 mm or more. If there is no film thickness of this level, the intermediate antiferromagnetic layer 41 is formed on both side ends C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 in a later step. 2 Even if the antiferromagnetic layer 42 is formed, both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 are less likely to have antiferromagnetic properties, and both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the free magnetic layer 28 This is because an exchange coupling magnetic field having an appropriate magnitude is not generated between the end portions C on both sides.
[0263]
Further, by forming the nonmagnetic layer 31 on the intermediate antiferromagnetic layer 41 as shown in FIG. 23, the intermediate antiferromagnetic layer 41 is appropriately oxidized even when the laminate shown in FIG. 23 is exposed to the atmosphere. Can be prevented.
[0264]
In the present invention, the nonmagnetic layer 31 is formed of a noble metal. Specifically, it is preferable to form a noble metal composed of one or more of Ru, Re, Pd, Os, Ir, Pt, Au, and Rh.
[0265]
The nonmagnetic layer 31 made of a noble metal such as Ru is a dense layer that is not easily oxidized by exposure to the atmosphere. Therefore, even if the thickness of the nonmagnetic layer 31 is reduced, the intermediate antiferromagnetic layer 41 can be appropriately prevented from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0266]
In the present invention, it is preferable to form the nonmagnetic layer 31 with a thickness of 3 to 10 mm. The nonmagnetic layer 31 having such a thin film thickness can appropriately prevent the intermediate antiferromagnetic layer 41 from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0267]
In the present invention, as described above, the nonmagnetic layer 31 is formed of a noble metal such as Ru, and the nonmagnetic layer 31 is formed with a thin film thickness of about 3 to 10 mm. By forming the nonmagnetic layer 31 with such a thin film thickness, the ion milling control in the next process can be performed appropriately and easily.
[0268]
As shown in FIG. 23, after the layers up to the nonmagnetic layer 31 are stacked, first annealing in a magnetic field is performed. The first antiferromagnetic layer 22 and the pinned magnetic layer 23 are heat treated at a first heat treatment temperature while applying a first magnetic field (Y direction shown) that is perpendicular to the track width Tw (X direction shown). An exchange coupling magnetic field is generated between the magnetic layer 24 and the magnetic layer 24, and the magnetization of the magnetic layer 24 is fixed in the Y direction in the drawing. The magnetization of the other second pinned magnetic layer 26 is pinned in the direction opposite to the Y direction in the figure by exchange coupling due to the RKKY interaction acting with the first pinned magnetic layer 24. For example, the first heat treatment temperature is set to 270 ° C., and the magnitude of the magnetic field is set to 800 k (A / m).
[0269]
Further, as described above, the intermediate antiferromagnetic layer 41 is thin by the first annealing in the magnetic field, so that it does not easily undergo regular transformation, and the magnetic material layer 30 constituting the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the free magnetic layer 28. No exchange coupling magnetic field is generated between the two. This is because the intermediate antiferromagnetic layer 41 is formed with a thin film thickness of 50 mm or less and does not have antiferromagnetic properties.
[0270]
In addition, it is considered that noble metal elements such as Ru constituting the nonmagnetic layer 31 diffuse into the intermediate antiferromagnetic layer 41 by the first annealing in the magnetic field. Therefore, the constituent elements of the intermediate antiferromagnetic layer 41 after the heat treatment are composed of an element constituting the antiferromagnetic layer and a noble metal element. Further, the noble metal element diffused inside the intermediate antiferromagnetic layer 41 is more on the surface side of the intermediate antiferromagnetic layer 41 than the lower surface side of the intermediate antiferromagnetic layer 41, and the composition ratio of the diffused noble metal element is intermediate. It is thought that it gradually decreases from the surface of the antiferromagnetic layer 41 toward the lower surface. Such compositional modulation can be confirmed with a SIMS analyzer or the like.
[0271]
Further, when the noble metal element for forming the nonmagnetic layer 31 is mixed with the material of the intermediate antiferromagnetic layer, this mixture exhibits antiferromagnetism. Even if diffused into the intermediate antiferromagnetic layer 41, the antiferromagnetism of the intermediate antiferromagnetic layer 41 can be prevented from deteriorating.
[0272]
Next, in the step of FIG. 23, the entire surface of the nonmagnetic layer 31 is ion milled, and the nonmagnetic layer 31 is removed.
[0273]
In the ion milling process shown in FIG. 23, the low energy ion milling described above can be used. The reason is that the nonmagnetic layer 31 is formed with a very thin film thickness of about 3 to 10 mm at the film formation stage. Therefore, in the present invention, the nonmagnetic layer 31 is removed by ion milling with low energy, and it is easy to stop milling at the outermost surface of the intermediate antiferromagnetic layer, and milling control can be improved as compared with the conventional case.
[0274]
The incident angle of ion milling in the step of FIG. 23 is preferably 30 ° to 70 ° from the normal direction to the surface of the nonmagnetic layer 31. In addition, the processing time of ion milling is about several seconds to 10 minutes.
[0275]
Next, in the step shown in FIG. 24, a second antiferromagnetic layer 42 is formed on the intermediate antiferromagnetic layer 41. The second antiferromagnetic layer 42 is preferably formed of the same material as the intermediate antiferromagnetic layer 41.
[0276]
In the step shown in FIG. 24, the second antiferromagnetic layer is formed so that the total thickness of the second antiferromagnetic layer 42 and the intermediate antiferromagnetic layer 41 is 80 to 500 mm. It is preferable to adjust the film thickness of 42.
[0277]
If the total thickness obtained by adding the thickness of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the thickness of the second antiferromagnetic layer 42 is 80 to 500 mm, the antiferromagnetic layer alone This is because the intermediate antiferromagnetic layer 41 having no properties has antiferromagnetic properties.
[0278]
Further, an insulating layer 74 is stacked on the second antiferromagnetic layer 42. For example, the insulating layer 74 is made of Al. 2 O Three , SiO 2 , AlN, Al-Si-O, Si Three N Four Formed of an insulating material.
[0279]
Next, in a step shown in FIG. 25, for example, a mask layer 50 is formed on the insulating layer 74 with a predetermined interval 50a in the track width direction (X direction in the drawing). As the inorganic material for forming the mask layer 50, Cr, Ta, Ti, Si, Zr, Nb, Mo, Hf, W, Al-O, Al-Si-O, Si-O, or the like can be selected.
[0280]
The mask layer 50 is formed by, for example, standing a resist layer (not shown) on the center of the insulating layer 74, filling both sides with the mask layer 50, and then removing the resist layer to form a predetermined width on the mask layer 50. The interval 50a is formed. Alternatively, after forming the mask layer 50 on the entire insulating layer 74, a resist layer (not shown) is formed on the mask layer 50, and a hole is formed in the central portion of the resist layer by exposure and development. The mask layer 50 exposed from the hole is shaved by RIE (reactive ion etching) or the like to form an interval 50a having a predetermined width in the mask layer 50.
[0281]
Alternatively, in the present invention, the mask layer 50 may be formed of a resist.
In the step shown in FIG. 25, the insulating layer 74 exposed from the space 50a of the mask layer 50 is shaved by RIE or ion milling, and the second antiferromagnetic layer 42 under the insulating layer 74 is shaved to the position of the dotted line K. A recess 76 shown in FIG. 26 is formed. At this time, the second antiferromagnetic layer 42 is etched until the total film thickness obtained by adding the film thickness of the second antiferromagnetic layer 42 below the dotted line K and the film thickness of the intermediate antiferromagnetic layer 41 becomes 50 mm or less. preferable. More preferably, it is 40 mm or less. Otherwise, the central portion D of the intermediate antiferromagnetic layer 41 retains antiferromagnetic properties, and the central portion D of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the free magnetic layer 28 are subjected to annealing in the second magnetic field in the next step. This is because an exchange coupling magnetic field is generated between the central portions D of the two, and the magnetization of the central portion D of the free magnetic layer 28 is firmly fixed.
[0282]
Alternatively, milling may be stopped by removing all of the second antiferromagnetic layer 42 exposed from the space 50a of the mask layer 50 and removing the intermediate antiferromagnetic layer 41 formed thereunder up to the alternate long and short dash line L. .
[0283]
As shown in FIG. 25, the second antiferromagnetic layer 42 is etched in a direction perpendicular to or close to the vertical direction with respect to the surface of the insulating layer 74 (or the surface of the substrate). The inner end portion 42a is formed in a direction perpendicular to the surface of the insulating layer 74 (or the substrate surface) (Z direction in the drawing) or a direction close to the vertical direction. Naturally, when cutting down to the layer formed below the second antiferromagnetic layer 42, the inner end face of each cut-off layer is perpendicular or perpendicular to the surface of the insulating layer 74 (or the substrate surface). The angle with respect to the direction close to (the surface of the insulating layer 74 (or the surface of the substrate)) is in the range of 80 ° to 90 °.
[0284]
For example, as shown by the dotted line M in FIG. 7, when the inner end 50b of the mask layer 50 is formed of an inclined surface or a curved surface in which the interval 50a gradually increases from the lower surface to the upper surface, the second antiferromagnetic layer The inner end 42a such as 42 is also formed as an inclined surface or a curved surface. Further, by adjusting the angle of ion milling or RIE when cutting the second antiferromagnetic layer 42, the inner end portion 42a of the second antiferromagnetic layer 42 or the like can be formed into an inclined surface or a curved surface.
[0285]
When the inner end portion 50b of the mask layer 50 is formed as an inclined surface or a curved surface, the width dimension in the track width direction (X direction in the drawing) within the space 50a to be cut becomes narrower toward the lower surface. For this reason, the track width Tw can be made smaller than the width of the interval 50a of the mask layer 50, and a magnetic detecting element that can cope with narrower tracks can be manufactured.
[0286]
Further, it is arbitrary how far the material is etched, but it is important not to leave an antiferromagnetic layer having a thickness as thick as antiferromagnetism at least on the central portion D of the free magnetic layer 28.
[0287]
Alternatively, after forming the second antiferromagnetic layer 42, instead of forming the insulating layer 74 in the form of a solid film, a resist for lift-off covering the region of the track width Tw of the second antiferromagnetic layer 42 is formed. Then, an insulating layer is formed on the region of the second antiferromagnetic layer 42 that is not covered with the resist layer, thereby forming an insulating layer having a hole in the center in the track width direction. As a mask, the second antiferromagnetic layer 42 and the intermediate antiferromagnetic layer 41 may be etched. When the insulating layer having a hole in the center in the track width direction is used as a mask, the formation of the mask layer 50 described above can be omitted. A lift-off resist that covers the region having the track width Tw may be formed after a protective layer made of Ta or the like is formed on the second antiferromagnetic layer 42.
[0288]
After the RIE or ion milling process described above is completed, annealing in the second magnetic field is performed. The magnetic field direction at this time is the track width direction (X direction in the drawing). In the second annealing in the magnetic field, the second applied magnetic field is smaller than the exchange anisotropic magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22, and the heat treatment temperature is set higher than the blocking temperature of the first antiferromagnetic layer 22. Also lower. As a result, the exchange anisotropy magnetic field at both ends C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 is changed to the track width while the direction of the exchange anisotropy magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22 is directed in the height direction (Y direction in the drawing). It can be directed in the direction (X direction in the figure). The second heat treatment temperature is, for example, 250 ° C., and the magnitude of the magnetic field is 8 to 30 (kA / m), for example, 24 k (A / m).
[0289]
The magnitude of the second magnetic field is preferably larger than the saturation magnetic field and the demagnetizing field of the free magnetic layer 28.
[0290]
Both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 have antiferromagnetic properties due to antiferromagnetic interaction generated with the second antiferromagnetic layer 42 formed thereon. By this second annealing in the magnetic field, both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 are orderedly transformed, and the both end portions C of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and both end portions C of the free magnetic layer 28 are transformed. A large exchange coupling magnetic field is generated between them. As a result, the magnetizations at both end portions C of the free magnetic layer 28 are fixed in the track width direction (X direction in the drawing).
[0291]
On the other hand, since only an antiferromagnetic layer having a thin film thickness that does not have antiferromagnetic properties is formed on the central portion D of the free magnetic layer 28, the above-described annealing in the second magnetic field also frees the film. The central portion D of the intermediate antiferromagnetic layer 41 formed on the central portion D of the magnetic layer 28 does not undergo a regular transformation, and is between the central portion D of the intermediate antiferromagnetic layer 41 and the central portion D of the free magnetic layer 28. The exchange coupling magnetic field does not occur or even if it is generated, the value thereof is small, and the central portion D of the free magnetic layer 28 is not firmly fixed in the track width direction like the end portions C on both sides. Further, it is possible to avoid an increase in the coercive force of the central portion D of the free magnetic layer 28 due to the intermediate antiferromagnetic layer 41.
[0292]
The magnetization of the central portion D of the free magnetic layer 28 is weak and single-domained to such an extent that magnetization can be reversed with respect to an external magnetic field.
[0293]
Further, since the film thickness of the intermediate antiferromagnetic layer 41 on the central portion D of the free magnetic layer 28 is 50 mm or less, it is possible to reduce the diversion of the sense current to the intermediate antiferromagnetic layer 41 and to detect the magnetic field. The magnetic field detection output of the element can be improved.
[0294]
As described above, in the present invention, the magnetization control of the free magnetic layer 28 can be appropriately performed as compared with the conventional case, and a magnetic detection element excellent in reproduction sensitivity can be manufactured even in a narrow track.
[0295]
Further, this second annealing in a magnetic field may be performed after the step of FIG. 24, that is, after the second antiferromagnetic layer 42 and the insulating layer 74 are formed on the intermediate antiferromagnetic layer 41.
[0296]
Next, in the process shown in FIG. 27, Al is applied from the upper surface 74 a of the insulating layer 74 to the recess 76 formed by cutting the insulating layer 74 and the second antiferromagnetic layer 42. 2 O Three , SiO 2 , AlN, Al-Si-O, Si Three N Four An insulating layer 75 made of an insulating material such as is formed by sputtering. As the sputtering method, an ion beam sputtering method, a long throw sputtering method, a collimation sputtering method, or the like can be used.
[0297]
What should be noted here is the sputtering angle θ1 when the insulating layer 75 is formed. As shown in FIG. 27, the sputtering direction G has a sputtering angle of θ1 with respect to the vertical direction of the film surface of each layer of the multilayer film, but in the present invention, the sputtering angle θ1 is made as large as possible (that is, more laid down). It is preferable that the insulating layer 75 is easily formed on the side surface 76a of the recess 76. For example, the sputtering angle θ1 is 50 ° to 70 °.
[0298]
Thus, by increasing the sputtering angle θ1, the film thickness tz1 in the track width direction (X direction in the drawing) of the insulating layer 75 formed on the side surface 76a of the recess 76 is changed to the upper surface 74a of the insulating layer 74 and the recess 76. The insulating layer 75 formed on the surface of the bottom surface 76b can be formed thicker than the film thickness tz2. If the thickness of the insulating layer 75 is not adjusted in this way, the insulating layer 75 on the side surface 76a of the recess 76 is completely removed by ion milling in the next step, or the thickness of the insulating layer 75 is very large even if the insulating layer 75 remains. However, it cannot function as an insulating layer for appropriately reducing the shunt loss.
[0299]
Next, as shown in FIG. 28, the direction perpendicular to the film surface of each layer of the multilayer film (direction parallel to the Z direction in the figure) or an angle close to the perpendicular direction (0 ° to 20 ° with respect to the vertical direction of the surface of each layer of the multilayer film) Ion milling. At this time, ion milling is performed until the insulating layer 75 formed on the bottom surface 76b of the recess 76 is appropriately removed. The insulating layer 75 formed on the upper surface of the insulating layer 74 is also removed by this ion milling. On the other hand, although the insulating layer 75 formed on the side surface 76a of the recess 76 is slightly cut, it has a film thickness tz1 thicker than that of the insulating layer 75 formed on the bottom surface 76b, and the milling direction H of ion milling is on the side surface 76a. When viewed from the formed insulating layer 75, the insulating layer 75 is inclined, so that the insulating layer 75 formed on the side surface 76a is less likely to be scraped than the insulating layer 75 formed on the bottom surface 76b. A thick insulating layer 75 is left.
[0300]
This state is shown in FIG. The film thickness tz3 in the track width direction of the insulating layer 75 remaining on the side surface 76a of the recess 76 is preferably 5 nm to 10 nm.
[0301]
As shown in FIG. 28, the upper surface 42 c of the second antiferromagnetic layer 42 is covered with the insulating layer 74, and the side surface 76 a of the recess 76 is covered with the insulating layer 75.
[0302]
If necessary, as shown in FIG. 29, after the nonmagnetic layer 73 is formed from the insulating layers 74 and 75 to the bottom surface 76b of the recess 76, the upper electrode layer 72 that also serves as the upper shield is formed by sputtering or plating. The nonmagnetic layer 73 is preferably formed of a nonmagnetic conductive material such as Ta, Ru, Rh, Ir, Cr, Re, or Cu. The nonmagnetic layer 73 has a role as an upper gap layer. However, if the bottom surface 76b of the recess 76 serving as the entrance / exit of the current path is covered with the nonmagnetic layer 73 made of, for example, an insulating material, the current flows in the multilayer film. It is not preferable because it becomes difficult to flow into the surface. Therefore, in the present invention, the nonmagnetic layer 73 is preferably formed of a nonmagnetic conductive material.
[0303]
In the magnetic sensing element formed as described above, the upper surface 42c of the second antiferromagnetic layer 42 can be covered with the insulating layer 74, and the side surface 76a of the recess 76 can be covered with the insulating layer 75. It becomes possible to manufacture a CPP type magnetic sensing element capable of appropriately suppressing the shunt loss of the current flowing from the electrode layer.
[0304]
A third manufacturing method of the CPP type magnetic sensing element will be described.
As shown in FIG. 30, a lower electrode layer 70 that also serves as a lower shield layer is formed on a substrate (not shown) using a magnetic material such as NiFe.
[0305]
Further, the seed layer 21, the first antiferromagnetic layer 22, the pinned magnetic layer 23, the nonmagnetic material layer 27, the free magnetic layer 28, and the nonmagnetic layer 31 are continuously formed by the same process as in FIG. 11. Sputtering or vapor deposition is used for film formation. The material and film thickness of each layer are the same as those of each layer given the same reference numerals shown in FIG.
[0306]
Also in the present invention, by forming the nonmagnetic layer 31 on the free magnetic layer 28, it is possible to appropriately prevent the free magnetic layer 28 from being oxidized even if the laminated body shown in FIG. 30 is exposed to the atmosphere.
[0307]
Here, the nonmagnetic layer 31 needs to be a dense layer that is not easily oxidized by exposure to the atmosphere.
[0308]
In the present invention, the nonmagnetic layer 31 is formed of a noble metal. Specifically, it is preferable to form a noble metal composed of one or more of Ru, Re, Pd, Os, Ir, Pt, Au, and Rh.
[0309]
The nonmagnetic layer 31 made of a noble metal such as Ru is a dense layer that is not easily oxidized by exposure to the atmosphere. Therefore, even if the nonmagnetic layer 31 is thin, the free magnetic layer 28 can be appropriately prevented from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0310]
In the present invention, it is preferable to form the nonmagnetic layer 31 with a thickness of 3 to 10 mm. The nonmagnetic layer 31 having such a thin film thickness can appropriately prevent the free magnetic layer 28 from being oxidized by exposure to the atmosphere.
[0311]
By forming the nonmagnetic layer 31 with such a thin film thickness, the ion milling control in the next process can be performed appropriately and easily.
[0312]
After the layers up to the nonmagnetic layer 31 are stacked, annealing in the first magnetic field is performed. The first antiferromagnetic layer 22 and the pinned magnetic layer 23 are heat treated at a first heat treatment temperature while applying a first magnetic field (Y direction shown) that is perpendicular to the track width Tw (X direction shown). An exchange coupling magnetic field is generated between the magnetic layer 24 and the magnetic layer 24, and the magnetization of the magnetic layer 24 is fixed in the Y direction in the drawing. The magnetization of the other magnetic layer 26 is fixed in the direction opposite to the Y direction in the figure by exchange coupling due to the RKKY interaction acting with the magnetic layer 24. For example, the first heat treatment temperature is set to 270 ° C., and the magnitude of the magnetic field is set to 800 k (A / m).
[0313]
Further, it is considered that noble metal elements such as Ru constituting the nonmagnetic layer 31 diffuse into the free magnetic layer 28 by the first annealing in the magnetic field. Next, the entire surface of the nonmagnetic layer 31 is ion milled to remove the nonmagnetic layer 31.
[0314]
In the ion milling process shown in FIG. 30, low energy ion milling can be used. In addition, it is preferable that the incident angle of the ion milling in the process of FIG. 30 is 30 ° to 70 ° from the normal direction to the substrate surface. In addition, the processing time of ion milling is about several seconds to 10 minutes.
[0315]
Next, in the process shown in FIG. 31, a ferromagnetic layer 45 is formed on the free magnetic layer 28 by using the same material as the magnetic material layer 30 or the diffusion prevention layer 29 of the free magnetic layer 28, and further the second anti-reflection layer 29 is formed. The ferromagnetic layer 42 and the insulating layer 74 are continuously formed in a vacuum. For example, the insulating layer 74 is made of Al. 2 O Three , SiO 2 , AlN, Al-Si-O, Si Three N Four Formed of an insulating material.
[0316]
The second antiferromagnetic layer 42 is preferably formed of the same material as the first antiferromagnetic layer 22.
[0317]
Further, it is preferable that the thickness of the second antiferromagnetic layer 42 is 80 to 500 mm.
[0318]
Next, the mask layer 50 made of, for example, an inorganic material is formed on the insulating layer 74 in the same manner as in FIG. 25 with a predetermined interval 50a in the track width direction (X direction in the drawing). Alternatively, in the present invention, the mask layer 50 may be formed of a resist.
[0319]
Further, the insulating layer 74 exposed from the space 50a of the mask layer 50 is shaved by RIE or ion milling, and the second antiferromagnetic layer 42 and the ferromagnetic layer 45 below the insulating layer 74 are shaved.
[0320]
Alternatively, after forming the second antiferromagnetic layer 42, instead of forming the insulating layer 74 in the form of a solid film, a resist for lift-off covering the region of the track width Tw of the second antiferromagnetic layer 42 is formed. Then, an insulating layer is formed on the region of the second antiferromagnetic layer 42 that is not covered with the resist layer, thereby forming an insulating layer having a hole in the center in the track width direction. As a mask, the second antiferromagnetic layer 42 and the ferromagnetic layer 45 may be etched. When the insulating layer having a hole in the center in the track width direction is used as a mask, the formation of the mask layer 50 described above can be omitted. A lift-off resist that covers the region having the track width Tw may be formed after a protective layer made of Ta or the like is formed on the second antiferromagnetic layer 42.
[0321]
As shown in FIG. 31, the second antiferromagnetic layer 42 is etched in a direction perpendicular to or close to the vertical direction with respect to the surface of the insulating layer 74 (or the substrate surface). The end 42a is formed in a direction perpendicular to the surface of the insulating layer 74 (or the substrate surface) (Z direction in the drawing) or a direction close to the vertical direction. Naturally, when the layers formed below the second antiferromagnetic layer 42 are etched, the inner end face of each etched layer is perpendicular or perpendicular to the surface of the insulating layer 74 (or the substrate surface). It is in a state of being formed in a near direction.
[0322]
For example, as shown by the dotted line M in FIG. 31, when the inner end portion 50b of the mask layer 50 is formed of an inclined surface or a curved surface in which the interval 50a gradually increases from the lower surface to the upper surface, the second antiferromagnetic layer The inner end 42a such as 42 is also formed as an inclined surface or a curved surface.
[0323]
After the RIE or ion milling process described above is completed, annealing in the second magnetic field is performed. The magnetic field direction at this time is the track width direction (X direction in the drawing). In the second annealing in the magnetic field, the second applied magnetic field is smaller than the exchange anisotropic magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22, and the heat treatment temperature is set higher than the blocking temperature of the first antiferromagnetic layer 22. Also lower. As a result, the exchange anisotropy magnetic field at both ends C of the second antiferromagnetic layer 42 is tracked while the direction of the exchange anisotropy magnetic field of the first antiferromagnetic layer 22 is directed in the height direction (Y direction in the drawing). It can be directed in the width direction (X direction in the figure). The second heat treatment temperature is, for example, 250 ° C., and the magnitude of the magnetic field is 8 to 30 (kA / m), for example, 24 k (A / m).
[0324]
For this reason, the second antiferromagnetic layer 42 is appropriately ordered and transformed by the above-described annealing in the second magnetic field, and an exchange coupling having an appropriate size is established between the second antiferromagnetic layer 42 and the ferromagnetic layer 45. Magnetic field is generated. Further, a ferromagnetic coupling based on exchange interaction occurs between the ferromagnetic layer 45 and the both end portions C of the free magnetic layer 28, whereby the magnetization of the both end portions C of the free magnetic layer 28 has a track width. It is fixed in the direction (X direction in the figure).
[0325]
It should be noted that the magnetization of the central portion D of the free magnetic layer 28 is weakly single-domained so that the magnetization can be reversed with respect to the external magnetic field.
[0326]
In FIG. 30, if the milling angle is 50 ° to 60 ° with respect to the direction perpendicular to the surface of the insulating layer 74 (or the substrate surface) and the milling time is 30 seconds to 50 seconds, the nonmagnetic layer 31 is completely removed. As a result, the surface of the free magnetic layer 28 is slightly scraped, but the free magnetic layer 28 is not greatly damaged by ion milling. Appropriate ferromagnetic coupling occurs between them, and the magnitude of the exchange bias magnetic field can be 32 to 72 (kA / m).
[0327]
In the present invention, even if the thickness of the ferromagnetic layer 45 laminated on the free magnetic layer 28 is reduced, the magnetic coupling (ferromagnetic exchange mutual) between the free magnetic layer 28 and the ferromagnetic layer 45 is achieved. (Action) can be strengthened.
[0328]
When the thickness of the ferromagnetic layer 45 is reduced, the exchange coupling magnetic field generated between the second antiferromagnetic layer 42 and the ferromagnetic layer 45 is strengthened, and both end portions of the free magnetic layer can be strongly fixed by magnetization. That is, it is possible to manufacture a magnetic detection element that can suppress side reading and can appropriately cope with narrowing of tracks.
[0329]
Further, when the ferromagnetic layer 45 is thinned, it is possible to suppress an extra static magnetic field from entering the central portion D of the free magnetic layer 28 from the inner side surface of the ferromagnetic layer 45, and the central portion D of the free magnetic layer 28 capable of magnetization reversal. A decrease in sensitivity to an external magnetic field can be prevented.
[0330]
In the present invention, the film thickness of the ferromagnetic layer 45 can be set to 5 to 50 mm.
As described above, in the present invention, the magnetization control of the free magnetic layer 28 can be appropriately performed as compared with the conventional case, and a magnetic detection element excellent in reproduction sensitivity can be manufactured even in a narrow track.
[0331]
A recess 77 as shown in FIG. 32 is formed by the ion milling process of FIG. Furthermore, the insulating layer 75 having a film thickness tz3 in the track width direction of, for example, 5 nm to 10 nm is formed on the side surface 77a of the recess 77 by the same process as the process described above with reference to FIGS.
[0332]
As shown in FIG. 32, the upper surface 42 c of the second antiferromagnetic layer 42 is covered with the insulating layer 74, and the side surface 77 a of the recess 77 is covered with the insulating layer 75.
[0333]
If necessary, a nonmagnetic layer 73 is formed from the insulating layers 74 and 75 to the bottom surface 77b of the recess 77, and then the upper electrode layer 72 that also serves as an upper shield is formed by sputtering or plating. The nonmagnetic layer 73 is preferably formed of a nonmagnetic conductive material such as Ta, Ru, Rh, Ir, Cr, Re, or Cu. The nonmagnetic layer 73 is preferably formed of a nonmagnetic conductive material.
[0334]
In the magnetic sensing element formed as described above, the upper surface 42c of the second antiferromagnetic layer 42 can be covered with the insulating layer 74, and the side surface 77a of the recess 77 can be covered with the insulating layer 75. It becomes possible to manufacture a CPP type magnetic sensing element capable of appropriately suppressing the shunt loss of the current flowing from the electrode layer.
[0335]
FIG. 33 is an embodiment in which the magnetic detection element shown in FIG. 18 is a CPP type magnetic detection element, and FIG. 34 is an embodiment in which the magnetic detection element shown in FIG. 19 is a CPP type magnetic detection element.
[0336]
That is, in each of the magnetic sensing elements shown in FIGS. 33 and 34, the lower electrode layer 70 also serving as a lower shield is provided under the first antiferromagnetic layer 22, and the second antiferromagnetic layer 42 is insulated. And an insulating layer 75 is provided on the side surfaces 78a and 79a of the recesses 78 and 79, and an upper electrode layer that also serves as an upper shield from above the insulating layers 74 and 75 to the bottom surfaces 78b and 79b of the recesses 78 and 79. 72 is provided.
[0337]
The magnetic detection element shown in FIGS. 35 and 36 is a CPP type magnetic detection element as in FIGS. 22 and 29, but the shape of the lower electrode layer 80 also serving as the lower shield layer is different from that of FIGS. Is different.
[0338]
That is, in FIG. 35 and FIG. 36, from the seed layer 21 to the free magnetic layer 28 at the center in the track width direction (X direction in the drawing) of the lower electrode layer 80 also serving as a lower shield layer made of a magnetic material such as NiFe. A projecting portion 80a projecting in the multilayer film direction (Z direction in the figure) is provided, and an upper surface 80a1 of the projecting portion 80a is in contact with the lower surface of the multilayer film composed of the free magnetic layer 28 from the base layer 22, and from the projecting portion 80a. A current flows in the multilayer film (or from the multilayer film to the projecting portion 80a).
[0339]
An insulating layer 81 is provided between both side end portions 80b of the lower electrode layer 80 in the track width direction (X direction in the drawing) and the multilayer film. The insulating layer 81 is made of Al 2 O Three , SiO 2 , AlN, Al-Si-O, Si Three N Four Formed of an insulating material.
[0340]
35 and 36, in the lower electrode layer 80, the current path to the multilayer film is narrowed by the formation of the projecting portion 80a, and the lower electrode layer 80 is further sandwiched between the both end portions 80b of the lower electrode layer 80 and the multilayer film. By providing the insulating layer 81, it is possible to appropriately suppress a current from being diverted into the multilayer film from the side end portions 80b, and it is possible to manufacture a magnetic detection element having a large reproduction output more effectively. .
[0341]
35 and 36, the width dimension in the track width direction (X direction in the drawing) of the upper surface 80a1 of the protrusion 80a of the lower electrode layer 80 is in the track width direction (X direction in the drawing) of the region D. Although the width dimension coincides with the width dimension, the width dimension of the upper surface 80a1 may be wider than the width dimension of the region D. More preferably, the width dimension of the upper surface 80a1 matches the track width Tw. As a result, it is possible to produce a magnetic detection element having a large reproduction output that allows a current to flow only in the region of the track width Tw with respect to the multilayer film more effectively.
[0342]
In the embodiment shown in FIGS. 35 and 36, both side surfaces 80a2 in the track width direction (X direction in the drawing) of the protrusion 80a formed in the lower electrode layer 80 have a width dimension in the track width direction of the protrusion 80a. Although formed with an inclined surface or a curved surface that gradually spreads away from the multilayer film (opposite to the Z direction in the figure), both side surfaces 80a2 are perpendicular to the track width direction (the X direction in the figure). It doesn't matter.
[0343]
Note that a magnetic detecting element in which the protruding portion 80 a is formed in the lower electrode layer 80 and the insulating layer 71 or the insulating layers 74 and 75 are not provided on the second antiferromagnetic layers 33 and 42 may be used. In this case, since the upper electrode layer 72 and the second antiferromagnetic layers 33 and 42 are not insulated, the current path is likely to be wider than the track width Tw and the reproduction output is considered to be inferior. On the side, the projecting portion 80a is formed on the lower electrode layer 80, so that the current path can be narrowed down, and the spread of the current path can be suppressed to suppress the decrease in the reproduction output.
[0344]
A method of manufacturing the lower electrode layer 80 and the insulating layer 81 of the magnetic detection element shown in FIGS. 35 and 36 will be described.
[0345]
First, as shown in FIG. 37, the lower electrode layer 80 is plated or sputtered using a magnetic material such as NiFe, and the surface is smoothed by polishing or the like. A resist layer 92 is formed on the central portion in the X direction.
[0346]
Next, as shown in FIG. 38, both end portions 80b of the lower electrode layer 80 not covered with the resist layer 92 are etched halfway by ion milling. As a result, the protruding portion 80a can be formed at the center of the lower electrode layer 80 in the track width direction.
[0347]
Further, as shown in FIG. 39, an insulating layer 81 is formed by sputtering on both side end faces 80b of the lower electrode layer 80 that is not covered with the resist layer 92, and the upper surface 81a of the insulating layer 81 is a protruding portion of the lower electrode layer 80. The sputter film formation is terminated when the surface is substantially flush with the upper surface 80a1 of 80a. Then, the resist layer 92 is removed.
[0348]
After removing the resist layer 92, the upper surface 80a1 of the protruding portion 80a of the lower electrode layer 80 and the upper surface 81a of the insulating layer 81 are polished by CMP or the like, and the upper surface 80a1 of the protruding portion 80a and the upper surface 81a of the insulating layer 81 are polished. You may make it become the same plane with high precision. In this case, the smoothing process such as the first polishing can be omitted.
[0349]
After removing the resist layer 92, the seed layer 21, the first antiferromagnetic layer 22, the pinned magnetic layer 23, the nonmagnetic material layer 27, and the free magnetic layer 28 are stacked on the lower electrode layer 80 and the insulating layer 81.
[0350]
In the CPP type magnetic sensing element of the above-described embodiment, the lower electrode layer 70 or 80 that also serves as the lower shield layer and the upper electrode layer 72 that also serves as the upper shield layer are formed in contact with the upper and lower sides of the multilayer film. With such a configuration, it is not necessary to form the electrode layer and the shield layer separately, and the manufacture of the CPP type magnetic sensing element can be facilitated.
[0351]
Moreover, if the electrode function and the shield function are combined, the gap length G1 determined by the distance between the shield layers can be made extremely short, and a magnetic sensing element that can be appropriately handled by increasing the recording density in the future is manufactured. It becomes possible to do.
[0352]
In the present invention, an electrode layer made of, for example, Au, W, Cr, Ta or the like is provided on the upper surface and / or the lower surface of the multilayer film, and the magnetic material is interposed on the surface of the electrode layer opposite to the multilayer film via a gap layer. A configuration in which a shield layer made of metal is provided may also be used.
[0353]
In the CPP type magnetic sensing element of the above-described embodiment, the nonmagnetic material layer 27 may be formed of a nonmagnetic conductive material such as Cu, or the nonmagnetic material layer 27 is made of Al. 2 O Three And SiO 2 It may be formed of an insulating material. The former magnetic sensing element has a structure called a spin valve GMR magnetoresistive effect element (CPP-GMR), and the latter magnetic sensing element has a structure called a spin valve tunnel magnetoresistive effect element (CPP-TMR). .
[0354]
The tunnel magnetoresistive element uses the tunnel effect to cause a resistance change. When the magnetizations of the pinned magnetic layer 23 and the free magnetic layer 28 are antiparallel, the nonmagnetic material layer 27 is formed most. Therefore, when the magnetizations of the pinned magnetic layer 23 and the free magnetic layer 28 are parallel, the tunnel current easily flows and the resistance value is minimized.
[0355]
Using this principle, the magnetization of the free magnetic layer 28 fluctuates due to the influence of an external magnetic field, so that the changing electric resistance is changed as a voltage change (in constant current operation) or current change (in constant voltage operation). In view of this, the leakage magnetic field from the recording medium is detected.
[0356]
While the invention has been described with reference to preferred embodiments thereof, various modifications can be made without departing from the scope of the invention.
[0357]
The above-described embodiment is merely an example, and does not limit the scope of the claims of the present invention.
[0358]
【The invention's effect】
In the present invention described in detail above, a nonmagnetic layer made of a noble metal is laminated on a free magnetic layer or an intermediate antiferromagnetic layer. These noble metals are difficult to oxidize and exhibit a sufficient antioxidant effect even when the film thickness is thin. Therefore, low energy ion milling can be used when removing the nonmagnetic layer in a later step.
[0359]
Low energy ion milling has a slow milling rate, and the margin of the milling stop position can be narrowed. In particular, milling can be stopped at the moment when the nonmagnetic layer is removed by ion milling. Therefore, the free magnetic layer or the intermediate antiferromagnetic layer is not greatly damaged by ion milling.
[0360]
When a ferromagnetic layer is stacked on the free magnetic layer and a second antiferromagnetic layer is continuously formed on the ferromagnetic layer, the ferromagnetic layer stacked on the free magnetic layer and The magnetic coupling (ferromagnetic exchange interaction) between the two layers becomes stronger, the film thickness of the ferromagnetic layer is reduced, and the exchange coupling magnetic field generated between the second antiferromagnetic layer and the ferromagnetic layer is reduced. Can be strong. Accordingly, it is possible to manufacture a magnetic detecting element that can firmly fix both side ends of the free magnetic layer, suppress side reading, and can appropriately cope with narrowing of tracks.
[0361]
In addition, when the ferromagnetic layer is thinned, it is possible to suppress an extra static magnetic field from entering the central portion of the free magnetic layer from the inner side surface of the ferromagnetic layer, and against the external magnetic field at the central portion of the free magnetic layer capable of magnetization reversal. A reduction in sensitivity can be prevented.
[0362]
When the first magnetic field annealing is performed in a state where the nonmagnetic layer is laminated on the intermediate antiferromagnetic layer, the noble metal material for forming the nonmagnetic layer is the intermediate antiferromagnetic material. When the mixture is mixed with the material of the layer, the mixture exhibits antiferromagnetism, so that even if the noble metal material diffuses inside the intermediate antiferromagnetic layer, The magnetism can be prevented from deteriorating.
[0363]
The magnetic detection element according to the present invention can be applied to both a CIP type magnetic detection element and a CPP type magnetic detection element.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a process diagram of a first embodiment of the present invention;
FIG. 2 is a process diagram of the first embodiment of the present invention;
FIG. 3 is a process diagram of the first embodiment of the present invention;
FIG. 4 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the first embodiment of the present invention;
FIG. 5 is a process diagram of a second embodiment of the present invention;
FIG. 6 is a process diagram of a second embodiment of the present invention;
FIG. 7 is a process diagram of a second embodiment of the present invention;
FIG. 8 is a process diagram of a second embodiment of the present invention;
FIG. 9 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the second embodiment of the present invention;
FIG. 10 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the second embodiment of the present invention;
FIG. 11 is a process diagram of a third embodiment of the present invention;
FIG. 12 is a process diagram of a third embodiment of the present invention;
FIG. 13 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the third embodiment of the present invention;
FIG. 14 is a partially enlarged cross-sectional view of the form of the free magnetic layer in the present invention as viewed from the side facing the recording medium;
FIG. 15 is a partially enlarged cross-sectional view of the form of the free magnetic layer in the present invention as viewed from the side facing the recording medium;
FIG. 16 is a partially enlarged cross-sectional view of the form of the free magnetic layer in the present invention as viewed from the side facing the recording medium
FIG. 17 is a partial enlarged cross-sectional view of the form of the free magnetic layer in the present invention as viewed from the side facing the recording medium
FIG. 18 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the second embodiment of the present invention;
FIG. 19 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the second embodiment of the present invention;
FIG. 20 is a process diagram of a third embodiment of the present invention;
FIG. 21 is a process diagram of a third embodiment of the present invention;
FIG. 22 is a process diagram of a third embodiment of the present invention;
FIG. 23 is a process diagram of the fourth embodiment of the present invention;
FIG. 24 is a process diagram of the fourth embodiment of the present invention;
FIG. 25 is a process diagram of the fourth embodiment of the present invention;
FIG. 26 is a process diagram of the fourth embodiment of the present invention;
FIG. 27 is a process diagram of the fourth embodiment of the present invention;
FIG. 28 is a process diagram of the fourth embodiment of the present invention;
FIG. 29 is a process diagram of the fourth embodiment of the present invention;
FIG. 30 is a process diagram of the fifth embodiment of the present invention;
FIG. 31 is a process diagram of the fifth embodiment of the present invention;
FIG. 32 is a process diagram of the fifth embodiment of the present invention;
FIG. 33 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the sixth embodiment of the present invention;
34 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the seventh embodiment of the present invention; FIG.
FIG. 35 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the eighth embodiment of the present invention;
FIG. 36 is a cross-sectional view of a magnetic sensing element formed by the manufacturing method according to the ninth embodiment of the present invention;
FIG. 37 is a process diagram of the eighth and ninth embodiments of the present invention;
FIG. 38 is a process diagram of the eighth and ninth embodiments of the present invention;
FIG. 39 is a process diagram of the eighth and ninth embodiments of the present invention;
FIG. 40 is a cross-sectional view showing a conventional magnetic detection element;
FIG. 41 is a process diagram showing a conventional method of manufacturing a magnetic detection element;
FIG. 42 is a process diagram showing a conventional method of manufacturing a magnetic detection element;
[Explanation of symbols]
20 substrates
21 Seed layer
22 First antiferromagnetic layer
23 Fixed magnetic layer
27 Non-magnetic material layer
28 Free magnetic layer
31 Nonmagnetic layer
32, 45 Ferromagnetic layer
33, 42 Second antiferromagnetic layer
34, 44 electrode layer
41 Intermediate antiferromagnetic layer
C Both ends
D Central part
70, 80 Lower electrode layer
71, 74, 75 Insulating layer
72 Upper electrode layer

Claims (26)

以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
(a)基板上に、下から第1反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層、及び貴金属材料からなる非磁性層の順に積層された多層膜を形成する工程と、
(b)第1の磁場中アニールを施して、前記第1反強磁性層と固定磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記固定磁性層の磁化方向を固定する工程と、
(c)前記非磁性層の両側端部を除去し、前記フリー磁性層の両側端部表面を露出させる工程と、
(d)前記非磁性層の両側に露出した前記フリー磁性層上に、強磁性層を形成する工程と、
(e)前記強磁性層上に、第2反強磁性層を形成する工程と、
(f)第2の磁場中アニールを施し、前記第2反強磁性層と前記強磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記強磁性層及び前記フリー磁性層の両側端部の磁化を前記固定磁性層の磁化方向と交叉する方向に固定する工程。
The manufacturing method of the magnetic detection element characterized by having the following processes.
(A) forming a multilayer film in which a first antiferromagnetic layer, a pinned magnetic layer, a nonmagnetic material layer, a free magnetic layer, and a nonmagnetic layer made of a noble metal material are stacked in this order on the substrate;
(B) performing annealing in a first magnetic field to generate an exchange coupling magnetic field between the first antiferromagnetic layer and the pinned magnetic layer, and pinning the magnetization direction of the pinned magnetic layer;
(C) removing both side edges of the non-magnetic layer and exposing both side edges of the free magnetic layer;
(D) forming a ferromagnetic layer on the free magnetic layer exposed on both sides of the nonmagnetic layer;
(E) forming a second antiferromagnetic layer on the ferromagnetic layer;
(F) Annealing in a second magnetic field is performed to generate an exchange coupling magnetic field between the second antiferromagnetic layer and the ferromagnetic layer, and the magnetizations at both end portions of the ferromagnetic layer and the free magnetic layer are fixed. Fixing in a direction crossing the magnetization direction of the magnetic layer;
前記強磁性層の膜厚を5Å〜50Åに設定する請求項1に記載の磁気検出素子の製造方法。The method of manufacturing a magnetic detection element according to claim 1, wherein a film thickness of the ferromagnetic layer is set to 5 to 50 mm. 以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
(g)基板上に、下から第1反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層、中間反強磁性層及び貴金属材料からなる非磁性層の順で積層された多層膜を形成する工程と、
(h)第1の磁場中アニールを施して、前記第1反強磁性層と固定磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記固定磁性層の磁化方向を固定する工程と、
(i)前記非磁性層を全部除去して、前記中間反強磁性層の表面を露出させる工程と、
(j)前記中間反強磁性層上に第2反強磁性層を形成する工程と、
(k)前記第2反強磁性層の中央部を削る工程と、
(l)第2の磁場中アニールを施して、第2反強磁性層下の中間反強磁性層の両側端部と、フリー磁性層の両側端部間に交換結合磁界を発生させ、前記フリー磁性層の両側端部の磁化を前記固定磁性層の磁化方向と交叉する方向に固定する工程。
The manufacturing method of the magnetic detection element characterized by having the following processes.
(G) A multilayer film in which a first antiferromagnetic layer, a pinned magnetic layer, a nonmagnetic material layer, a free magnetic layer, an intermediate antiferromagnetic layer, and a nonmagnetic layer made of a noble metal material are stacked in that order on the substrate. Forming a step;
(H) performing annealing in a first magnetic field to generate an exchange coupling magnetic field between the first antiferromagnetic layer and the pinned magnetic layer, and pinning the magnetization direction of the pinned magnetic layer;
(I) removing all of the nonmagnetic layer to expose the surface of the intermediate antiferromagnetic layer;
(J) forming a second antiferromagnetic layer on the intermediate antiferromagnetic layer;
(K) a step of cutting a central portion of the second antiferromagnetic layer;
(L) Annealing in a second magnetic field is performed to generate an exchange coupling magnetic field between both end portions of the intermediate antiferromagnetic layer below the second antiferromagnetic layer and both end portions of the free magnetic layer. A step of fixing the magnetizations at both ends of the magnetic layer in a direction crossing the magnetization direction of the pinned magnetic layer;
前記非磁性層を、前記中間反強磁性層の材料と混合したときに、この混合物が反強磁性を示す金属材料を用いて形成する請求項3に記載の磁気検出素子の製造方法。The method for manufacturing a magnetic sensing element according to claim 3, wherein when the nonmagnetic layer is mixed with the material of the intermediate antiferromagnetic layer, the mixture is formed using a metal material exhibiting antiferromagnetism. 前記(g)工程で、前記中間反強磁性層を10Å以上で50Å以下で形成する請求項3または4記載の磁気検出素子の製造方法。5. The method of manufacturing a magnetic sensing element according to claim 3, wherein in the step (g), the intermediate antiferromagnetic layer is formed with a thickness of 10 to 50 mm. 前記中間反強磁性層を30Å以上で40Å以下で形成する請求項5記載の磁気検出素子の製造方法。6. The method of manufacturing a magnetic sensing element according to claim 5, wherein the intermediate antiferromagnetic layer is formed with a thickness of 30 to 40 mm. 前記(k)工程で、第2反強磁性層の中央部を全て除去して、前記中間反強磁性層を露出させる請求項3ないし6のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。The method of manufacturing a magnetic sensing element according to claim 3, wherein in the step (k), the central portion of the second antiferromagnetic layer is completely removed to expose the intermediate antiferromagnetic layer. 前記(k)工程で、前記フリー磁性層の中央部上に形成された反強磁性層の膜厚を50Å以下にする、または前記フリー磁性層の中央部上に反強磁性層を残さない請求項3ないし6のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。In the step (k), the thickness of the antiferromagnetic layer formed on the central portion of the free magnetic layer is set to 50 mm or less, or the antiferromagnetic layer is not left on the central portion of the free magnetic layer. Item 7. A method for manufacturing a magnetic detection element according to any one of Items 3 to 6. 前記(k)工程で、前記フリー磁性層の中央部上に形成された反強磁性層の膜厚を40Å以下にする請求項8記載の磁気検出素子の製造方法。9. The method of manufacturing a magnetic detecting element according to claim 8, wherein in the step (k), the thickness of the antiferromagnetic layer formed on the central portion of the free magnetic layer is set to 40 mm or less. 以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
(m)基板上に、下から第1反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層、フリー磁性層、及び貴金属材料からなる非磁性層の順で積層された多層膜を形成する工程と、
(n)第1の磁場中アニールを施して、前記第1反強磁性層と固定磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記固定磁性層の磁化方向を固定する工程と、
(o)前記非磁性層を全部除去して、前記フリー磁性層の表面を露出させる工程と、
(p)前記フリー磁性層上に強磁性層及び第2反強磁性層を順に形成する工程と、
(q)前記第2反強磁性層及び前記強磁性層の中央部を除去する工程と、
(r)第2の磁場中アニールを施して、前記第2反強磁性層と前記強磁性層間に交換結合磁界を発生させ、前記強磁性層及び前記フリー磁性層の両側端部の磁化を前記固定磁性層の磁化方向と交叉する方向に固定する工程。
The manufacturing method of the magnetic detection element characterized by having the following processes.
(M) forming a multilayer film in which a first antiferromagnetic layer, a pinned magnetic layer, a nonmagnetic material layer, a free magnetic layer, and a nonmagnetic layer made of a noble metal material are stacked in this order on the substrate ,
(N) performing annealing in a first magnetic field to generate an exchange coupling magnetic field between the first antiferromagnetic layer and the pinned magnetic layer, and pinning the magnetization direction of the pinned magnetic layer;
(O) removing all of the nonmagnetic layer to expose the surface of the free magnetic layer;
(P) forming a ferromagnetic layer and a second antiferromagnetic layer in order on the free magnetic layer;
(Q) removing the central portion of the second antiferromagnetic layer and the ferromagnetic layer;
(R) An annealing in a second magnetic field is performed to generate an exchange coupling magnetic field between the second antiferromagnetic layer and the ferromagnetic layer, and the magnetizations at both end portions of the ferromagnetic layer and the free magnetic layer are A step of fixing in a direction crossing the magnetization direction of the fixed magnetic layer.
前記強磁性層の膜厚を5Å〜50Åに設定する請求項10記載の磁気検出素子の製造方法。The method of manufacturing a magnetic sensing element according to claim 10, wherein the thickness of the ferromagnetic layer is set to 5 to 50 mm. 前記第2の反強磁性層上に、トラック幅方向に間隔をあけて一対の電極層を積層する工程を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。12. The method of manufacturing a magnetic sensing element according to claim 1, further comprising a step of stacking a pair of electrode layers on the second antiferromagnetic layer with an interval in a track width direction. 前記(a)工程の前に、
(s1)基板上に、下部電極層を形成する工程を有し、
前記(e)工程の後に、
(s2)前記第2の反強磁性層上に、前記第2の反強磁性層を覆いトラック幅方向の中央部に穴部が設けられた絶縁層を積層する工程と、
(s3)前記多層膜層に電気的に導通する上部電極層を形成する工程と、
を有する請求項1または2記載の磁気検出素子の製造方法。
Before the step (a),
(S1) having a step of forming a lower electrode layer on the substrate;
After the step (e),
(S2) laminating an insulating layer on the second antiferromagnetic layer, covering the second antiferromagnetic layer and having a hole in the center in the track width direction;
(S3) forming an upper electrode layer that is electrically conductive to the multilayer film layer;
The method for manufacturing a magnetic sensing element according to claim 1, wherein
前記(g)又は(m)工程の前に、
(t1)基板上に、下部電極層を形成する工程を有し、
前記(k)又は(q)の工程の代わりに、
(t2)前記第2の反強磁性層上に絶縁層を成膜する工程と、
(t3)前記絶縁層上に、トラック幅方向の中央部に穴部を設けたレジストを積層し、前記絶縁層及び前記第2の反強磁性層の前記穴部に露出する部位を削り込むことにより凹部を形成する工程と、
(t4)前記凹部の底面に電気的に導通する上部電極層を形成する工程と、
を有する請求項3ないし11のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
Before the step (g) or (m),
(T1) having a step of forming a lower electrode layer on the substrate;
Instead of the step (k) or (q),
(T2) forming an insulating layer on the second antiferromagnetic layer;
(T3) Laminating a resist having a hole at the center in the track width direction on the insulating layer, and cutting the exposed portions of the insulating layer and the second antiferromagnetic layer into the hole. Forming a recess by
(T4) forming an electrically conductive upper electrode layer on the bottom surface of the recess;
A method for manufacturing a magnetic sensing element according to claim 3, comprising:
前記(g)又は(m)工程の前に、
(t5)基板上に、下部電極層を形成する工程を有し、
前記(k)又は(q)の工程の代わりに、
(t6)前記第2の反強磁性層上にトラック幅方向の中央部に穴部が形成された絶縁層を成膜する工程と、
(t7)前記絶縁層をマスクとして、前記第2の反強磁性層のトラック幅方向中央部を削り込むことにより凹部を形成する工程と、
(t8)前記凹部の底面に電気的に導通する上部電極層を形成する工程と、
を有する請求項3ないし11のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
Before the step (g) or (m),
(T5) having a step of forming a lower electrode layer on the substrate;
Instead of the step (k) or (q),
(T6) forming an insulating layer having a hole formed in the center in the track width direction on the second antiferromagnetic layer;
(T7) forming a recess by cutting the central portion in the track width direction of the second antiferromagnetic layer using the insulating layer as a mask;
(T8) forming an electrically conductive upper electrode layer on the bottom surface of the recess;
A method for manufacturing a magnetic sensing element according to claim 3, comprising:
前記(t3)工程と前記(t4)工程の間または前記(t7)工程と前記(t8)工程の間に、
(u1)前記凹部から前記絶縁層上にかけて他の絶縁層を成膜する工程と、
(u2)前記凹部の底面上に積層された前記他の絶縁層を除去する工程と、
を有する請求項14または15に記載の磁気検出素子の製造方法。
Between the step (t3) and the step (t4) or the step (t7) and the step (t8).
(U1) forming another insulating layer from the recess to the insulating layer;
(U2) removing the other insulating layer laminated on the bottom surface of the recess;
The manufacturing method of the magnetic detection element of Claim 14 or 15 which has these.
前記(s1)工程と前記(a)工程の間、前記(t1)工程と前記(g)又は(m)工程の間に、或いは前記(t5)工程と前記(g)又は(m)工程の間に、
(v1)前記下部電極層のトラック幅方向の中央に、前記多層膜方向に突出した突出部を形成する工程と
(v2)前記下部電極層の前記突出部のトラック幅方向の両側部に絶縁層を設ける工程とを有し、
前記(a)、(g)または(m)工程において、
前記突出部の上面が前記多層膜の下面と接するように、前記多層膜を形成する請求項13ないし16のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
Between the step (s1) and the step (a), between the step (t1) and the step (g) or (m), or between the step (t5) and the step (g) or (m). Between,
(V1) forming a projecting portion projecting in the multilayer film direction at the center of the lower electrode layer in the track width direction; and (v2) insulating layers on both sides of the projecting portion of the lower electrode layer in the track width direction. And a step of providing
In the step (a), (g) or (m),
17. The method of manufacturing a magnetic sensing element according to claim 13, wherein the multilayer film is formed so that an upper surface of the protruding portion is in contact with a lower surface of the multilayer film.
前記(v2)工程において、
前記突出部の上面と、前記下部電極層の両側端部上に設けられた前記絶縁層の上面を同一平面にする請求項17記載の磁気検出素子の製造方法。
In the step (v2),
18. The method of manufacturing a magnetic sensing element according to claim 17, wherein an upper surface of the projecting portion and an upper surface of the insulating layer provided on both end portions of the lower electrode layer are flush with each other.
前記下部電極層及び/又は前記上部電極層を、磁性材料で形成する請求項13ないし18のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。The method for manufacturing a magnetic sensing element according to claim 13, wherein the lower electrode layer and / or the upper electrode layer is formed of a magnetic material. 前記上部電極層を、前記多層膜と電気的に導通する非磁性導電性材料で形成される層と磁性材料で形成される層が積層されたものとして形成する請求項13ないし19のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。20. The upper electrode layer is formed as a laminate of a layer formed of a nonmagnetic conductive material that is electrically connected to the multilayer film and a layer formed of a magnetic material. The manufacturing method of the magnetic detection element of description. 前記非磁性材料層を非磁性導電材料で形成する請求項1ないし20のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。21. The method of manufacturing a magnetic sensing element according to claim 1, wherein the nonmagnetic material layer is formed of a nonmagnetic conductive material. 前記非磁性材料層を絶縁材料で形成する請求項13ないし20のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。21. The method of manufacturing a magnetic detection element according to claim 13, wherein the nonmagnetic material layer is formed of an insulating material. 前記(a)、(g)または(m)工程で、前記非磁性層を3Å以上で10Å以下で形成する請求項1ないし22のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。The method for manufacturing a magnetic sensing element according to any one of claims 1 to 22, wherein in the step (a), (g), or (m), the nonmagnetic layer is formed with a thickness of 3 to 10 mm. 前記(a)、(g)または(m)工程で、前記非磁性層を、Ru、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rhのいずれか1種または2種以上で形成する請求項1ないし23のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。The nonmagnetic layer is formed of any one or more of Ru, Re, Pd, Os, Ir, Pt, Au, and Rh in the step (a), (g), or (m). 24. A method for producing a magnetic sensing element according to any one of 1 to 23. 前記(a)、(g)または(m)工程で、前記フリー磁性層を磁性層の3層構造で形成する請求項1ないし24のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。25. The method of manufacturing a magnetic detection element according to claim 1, wherein in the step (a), (g) or (m), the free magnetic layer is formed with a three-layer structure of a magnetic layer. 前記フリー磁性層をCoFe/NiFe/CoFeの3層構造で形成する請求項25記載の磁気検出素子の製造方法。26. The method of manufacturing a magnetic sensing element according to claim 25, wherein the free magnetic layer is formed of a three-layer structure of CoFe / NiFe / CoFe.
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