JP3848090B2 - 有機el素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子に関し、特に赤色発光の有機EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子は,自発光性で高速応答性が良好などの長所を有し、フラットパネルディスプレイへの適用が期待されている(例えば、日経エレクトロニクス、1996.1.29 .p99)。
有機EL素子を用いてフルカラーディスプレイパネルを実現しようとする場合には、赤色、緑色及び青色の3原色の光をそれぞれ発生する有機EL素子を用意する必要がある。このうち、赤色発光有機EL素子については、C.W.Tang, S.A.VanSlyke, and C.H.Chen, Applied Physics Letters vol.65, 3610(1989)に記載されるようなDCM色素が用いられてきたが、発光色及び発光効率の点で更なる向上が求められてきた。
【0003】
また、赤色発光EL素子の発光材料として、赤色蛍光発光性を有するポルフィン化合物又はポルフィリン化合物を使用することが提案されている(特開平9−13024号、特開平9−296166号、特開平11−251061号、特開平11−251062号及び再公表特許WO98/00474号など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらのポルフィン化合物又はポルフィリン化合物を発光材料とした従来の有機EL素子では、発光効率が十分でなく、更なる改良が要望されている。
本発明の目的は、発光効率が高く、かつ色純度が高い赤色発光有機EL素子を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に記載の赤色発光有機EL素子は、発光として、ポルフィセン又はその誘導体と、アルミニウムキノリン錯体と、下記構造式(10)で表わされるルブレンとの混合物を用いたことを特徴とし、本願請求項3に記載の赤色発光有機EL素子は、発光層として、ポルフィセン又はその誘導体と、アルミニウムキノリン錯体と、下記構造式(11)で表わされるDCM色素との混合物を用いたことを特徴とする。
【0006】
【化5】
Figure 0003848090
【0007】
但し、R1〜R12はそれぞれ独立に水素、アルキル基、環状アルキル基及びアリール基のいずれか1種を示す。
発光材料として、下記構造式(6)で表わされるポルフィセンを用いてもよい。
【0008】
【化6】
Figure 0003848090
【0009】
また、発光材料として、下記構造式(7)で表わされる2,7,12,17−テトラ−n−プロピルポルフィセンを用いてもよい。
【0010】
【化7】
Figure 0003848090
【0011】
更に、発光材料として、下記構造式(8)で表わされる9,10,19,20−テトラ−n−プロピルポルフィセンを用いてもよい。
【0012】
【化8】
Figure 0003848090
【0014】
【化9】
Figure 0003848090
【0016】
【化10】
Figure 0003848090
【0018】
【化11】
Figure 0003848090
【0019】
但し、R,R’は、アルキル基、アリール基又は環状アルキル基のいずれか1種を示す。
本願請求項2の発明は、請求項1の発明においてポルフィセン又はその誘導体がゲスト材料であり、アルミニウムキノリン錯体と前記構造式(10)で表わされるルブレンとがホスト材料であることを特徴とする赤色発光有機EL素子である。
本願請求項4の発明は、請求項3の発明においてポルフィセン又はその誘導体がゲスト材料であり、アルミニウムキノリン錯体と前記構造式(11)で表わされるDCM色素とがホスト材料であることを特徴とする赤色発光有機EL素子である。
前記構造式(6)は無置換のポリフィセン、構造式(7)は2,7,12,17−テトラ−n−プロピル置換のポリフィセン、構造式(8)は9,10,19,20位テトラ−n−プロピル置換ポルフィセンである。これらの化合物を発光材料として用いてもよい。
【0020】
本願発明者らは、種々のポルフィリンなどの環状化合物の蛍光発光について検討した結果、ポルフィセン又はその誘導体からなる一群の化合物が薄膜状態において高効率で色純度の高い赤色蛍光発光を起こすことを見出した。また,これらの化合物は、有機EL素子の発光材料として適用した場合に良好な性能を示すことも確認された。
【0021】
これらのポルフィセン又はその誘導体のうち、無置換、及び2,7,12,17−テトラ−n−プロピル置換、及び9,10,19,20位テトラ−n−プロピル置換ポルフィセンは代表的なものであり、いずれも有機EL素子に適用することができる。
また、これらのポルフィセン又はその誘導体は、ポルフィリン化合物に比べて蛍光量子収率が大きいことが知られており(The Journal of Physical Chemistry,Vol.94, No.15, 1990, p5879)、有機EL素子の発光分子として用いた場合に高発光効率が期待できる。
【0022】
請求項1〜4は、ポルフィセン又はその誘導体をゲスト材料とし、ホスト材料と混合して発光層を形成した有機EL素子である。ポルフィセン又はその誘導体単独では、成膜性が不足したり、有機EL素子の層に必要な電荷輸送性が十分でない場合がある。発光色素であるポルフィセン又はその誘導体をゲスト材料とし、ポルフィセンよりも大きな励起エネルギーを有するホスト材料(すなわち、ポルフィセン又はその誘導体よりも光吸収端が短波長である材料)との混合物とすることにより、良好な発光特性を保ったまま成膜性や電荷輸送性を改善することができる
【0023】
このとき、ホスト材料の蛍光発光スペクトルがゲスト材料であるポルフィセン又はその誘導体の吸収スペクトルと同じ波長領域にあるようにすると、ホストからゲストへの励起エネルギーの有効な移動が可能となり、ホスト材料の発光は殆ど起こらずにゲスト材料からの発光が効率よく起こり、純度のよい発光色が得られる。
【0024】
ホスト材料は1種類であってもよいが、2種類以上の材料の混合物で構成することも可能である。例えば、第1のホスト材料の蛍光発光波長とゲスト材料の吸収波長に有効な重なりがない場合でも、第1のホスト材料の発光波長領域の光を吸収し、ゲスト材料の吸収波長領域に蛍光を発する第2のホスト材料を混合することにより、第1のホスト材料→第2のホスト材料→ゲスト材料のエネルギー移動が効率的に起こり、ゲスト材料から高効率で発光色純度のよい発光が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
図1は有機EL素子の層構造の一例を示す断面図である。この例では、正極11、正孔注入層12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16及び負極17が下からこの順に積層されて構成されている。
【0026】
(正極)
正極11の厚さは1〜5000nmの範囲内とすればよいが、20〜200nmの範囲内とすることが好ましい。また、正極11の材料としては、ITO(indium-tin oxide:インジウム酸化スズ)、酸化スズ及び酸化インジウムなどを使用することができる。
【0027】
(正孔注入層)
正孔注入層12の厚さは1〜100nmの範囲内とすればよいが、5〜50nmの範囲内とすることが好ましい。また、正孔注入層12の材料としては、銅フタロシアニン、ポリアニリン、及び下記構造式(12)で表わされるスターバーストアミンなどを使用することができる。
【0028】
【化12】
Figure 0003848090
【0029】
(正孔輸送層)
正孔輸送層13の厚さは1〜500nmの範囲内とすればよく、10〜100nmの範囲内とすることが好ましい。また、正孔輸送層13の材料としては、下記構造式(13)で表わされるTPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン)や、下記構造式(14)で表わされるNPD(N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどの芳香族アミン類などを使用することができる。
【0030】
【化13】
Figure 0003848090
【0031】
【化14】
Figure 0003848090
【0032】
(発光層)
本発明においては、発光層14に、ポルフィセン又はその誘導体を含むことを特徴としている。これにより、発光効率が高く、かつ色純度の高い赤色発光を得ることができる。ポルフィセンの合成方法は、例えばE.Vogel,M.Koecher,H.Schmickler,and J.Lex, Angewandte Chemie,International Edition in English, vol.25,pp.262(1986) に記載されている。
【0033】
(電子輸送層)
電子輸送層15の厚さは1〜500nmの範囲内とすればよく、10〜50nmの範囲内とすることが好ましい。また、電子輸送層15の材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノール又はその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、及びニトロ置換フルオレン誘導体などを使用することができる。また、これらの材料を2層以上に積層して電子輸送層15としてもよい。
【0034】
(電子注入層)
電子注入層16の厚さは0.1〜10nmの範囲内とすればよく、0.5〜2nmの範囲内とすることが好ましい。また、電子注入層16の材料としては、フッ化リチウムなどのアルカリ金属フッ化物、及びフッ化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属フッ化物を使用することができる。
【0035】
(負極)
負極17の厚さは1〜10000nmの範囲内とすればよく、20〜200nmの範囲内とすることが好ましい。また、負極17の材料としては、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、リチウム、インジウム、銀及びこれらの合金などを使用することができる。
【0036】
なお、有機EL素子の層構造は上記の構造に限定されるものではなく、下記(1)から(12)に示すような層構造のいずれであってもよい。
(1)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/負極
(2)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/負極
(3)正極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/負極
(4)正極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/負極
(5)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/電子注入層/負極
(6)正極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/負極
(7)正極/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/電子注入層/負極
(8)正極/正孔輸送層/発光層兼電子輸送層/負極
(9)正極/正孔注入層/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/電子注入層/負極
(10)正極/正孔注入層/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/負極
(11)正極/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/電子注入層/負極
(12)正極/正孔輸送層兼発光層/電子輸送層/負極
以下、本発明に係る有機EL素子を実際に製造し、発光色及び発光輝度を調べた結果について説明する。
【0037】
参考例1)
図2は参考例1の有機EL素子の構造を示す断面図である。この図2を参照して、参考例1の有機EL素子の製造方法について説明する。まず、ITO膜からなる正極21が形成されたガラス基板20を用意し、このガラス基板20を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにより洗浄した。その後、このガラス基板20を真空蒸着装置のチャンバ内に配置し、チャンバ内を1×10−6torrに排気した後、基板温度が室温のまま、正極21の上に厚さ50nmの正孔輸送層22、厚さ20nmの発光層23、厚さ30nmの電子輸送層24及び厚さ50nmの負極25を順次成膜した。正孔輸送層22はTPDにより形成し、発光層23は下記構造式(15)で表わされるポルフィセンにより形成した。また、電子輸送層24はアルミニウムキノリン錯体(以下、Alqという)により形成し、負極25はAl−Li合金(Li含有量が0.5重量%)により形成した。
【0038】
【化15】
Figure 0003848090
【0039】
このようにして製造した有機EL素子に対し、正極21と負極25との間に電圧を印加したところ、電圧が6V以上で赤色発光が観測された。印加電圧を10Vとしたところ、発光輝度が210cd/m2 の赤色発光(波長、約600〜750nm)が観測された。
参考例2)
まず、ITO膜からなる正極21が形成されたガラス基板20を用意し、このガラス基板を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにより洗浄した。その後、このガラス基板20を真空蒸着装置のチャンバ内に配置し、チャンバ内を1×10-6torrに排気した後、基板温度が室温のまま、正極21の上に厚さ50nmの正孔輸送層22、厚さ20nmの発光層23、厚さ30nmの電子輸送層24及び厚さ50nmの負極25を順次成膜した。正孔輸送層22はTPDにより形成し、発光層23はポルフィセンとAlqとを同時に蒸着して形成した。蒸着比は、ポルフィセン1分子に対しAlqが99分子である。また、電子輸送層24はAlqにより形成し、負極25はAl−Li合金(Li含有量が0.5重量%)により形成した。
【0040】
このようにして製造した有機EL素子に対し、正極21と負極25との間に電圧を印加したところ、電圧が5V以上で赤色発光が観測された。印加電圧を10Vとしたところ、発光輝度が830cd/m2 の赤色発光(波長、約600〜750nm)が観測された。
参考例3)
まず、ITO膜からなる正極21が形成されたガラス基板20を用意し、このガラス基板20を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにより洗浄した。その後、このガラス基板20を真空蒸着装置のチャンバ内に配置し、チャンバ内を1×10−6torrに排気した後、基板温度が室温のまま、正極21の上に厚さ50nmの正孔輸送層22、厚さ20nmの発光層23、厚さ30nmの電子輸送層24及び厚さ50nmの負極25を順次成膜した。正孔輸送層22はTPDにより形成し、発光層23は下記構造式(16)で表わされる2,7,12,17−テトラ−n−プロピルポルフィセンとAlqとを同時に蒸着して形成した。蒸着比は、2,7,12,17−テトラ−n−プロピルポルフィセン1分子に対しAlqが99分子である。また、電子輸送層24はAlqにより形成し、負極25はAl−Li合金(Li含有量が0.5重量%)により形成した。
【0041】
【化16】
Figure 0003848090
【0042】
このようにして製造した有機EL素子に対し、正極21と負極25との間に電圧を印加したところ、電圧が5V以上で赤色発光が観測された。印加電圧を10Vとしたところ、発光輝度が900cd/m2 の赤色発光(波長、約600〜750nm)が観測された。
参考例4)
まず、ITO膜からなる正極21が形成されたガラス基板20を用意し、このガラス基板20を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにより洗浄した。その後、このガラス基板20を真空蒸着装置のチャンバ内に配置し、チャンバ内を1×10−6torrに排気した後、基板温度が室温のまま、正極21の上に厚さ50nmの正孔輸送層22、厚さ20nmの発光層23、厚さ30nmの電子輸送層24及び厚さ50nmの負極25を順次成膜した。正孔輸送層22はTPDにより形成し、発光層23は下記構造式(17)で表わされる9,10,19,20−テトラ−n−プロピルポルフィセンとAlqとを同時に蒸着して形成した。蒸着比は、9,10,19,20−テトラ−n−プロピルポルフィセン1分子に対しAlqが99分子である。
【0043】
また、電子輸送層24はAlqにより形成し、負極25はAl−Li合金(Li含有量が0.5重量%)により形成した。
【0044】
【化17】
Figure 0003848090
【0045】
このようにして製造した有機EL素子に対し、正極21と負極25との間に電圧を印加したところ、電圧が5V以上で赤色発光が観測された。印加電圧を10Vとしたところ、発光輝度が850cd/m2 の赤色発光(波長、約600〜750nm)が観測された。
(実施例
まず、正極21としてITO膜が形成されたガラス基板20を用意し、このガラス基板20を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにより洗浄した。その後、このガラス基板20を真空蒸着装置のチャンバ内に配置し、チャンバ内を1×10-6torrに排気した後、基板温度が室温のまま、正極21の上に厚さ50nmの正孔輸送層22、厚さ20nmの発光層23、厚さ30nmの電子輸送層24及び厚さ50nmの負極25を順次成膜した。正孔輸送層22はTPDにより形成し、発光層23はポルフィセンとAlqとルブレンとを同時に蒸着して形成した。蒸着比は、ポルフィセン1分子に対しAlqが94分子、ルブレンが5分子である。また、電子輸送層24はAlqにより形成し、負極25はAl−Li合金(Li含有量が0.5重量%)により形成した。
【0046】
このようにして製造した有機EL素子に対し、正極21と負極25との間に電圧を印加したところ、電圧が5V以上で赤色発光が観測された。印加電圧を10Vとしたところ、発光輝度が1400cd/m2 の赤色発光(波長、約600〜750nm)が観測された。
(実施例
まず、ITO膜からなる正極21が形成されたガラス基板20を用意し、このガラス基板20を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにより洗浄した。その後、このガラス基板20を真空蒸着装置のチャンバ内に配置し、チャンバ内を1×10-6torrに排気した後、基板温度が室温のまま、正極21の上に厚さ50nmの正孔輸送層22、厚さ20nmの発光層23、厚さ30nmの電子輸送層24及び厚さ50nmの負極25を順次成膜した。正孔輸送層22はTPDにより形成し、発光層23はポルフィセンとAlqと下記構造式(18)で表わされるDCM色素とを同時に蒸着して形成した。蒸着比は、ポルフィセン1分子に対しAlqが97分子、DCMが2分子である。また、電子輸送層24はAlqにより形成し、負極25はAl−Li合金(Li含有量が0.5重量%)により形成した。
【0047】
【化18】
Figure 0003848090
【0048】
このようにして製造した有機EL素子に対し、正極21と負極25との間に電圧を印加したところ、電圧が5V以上で赤色発光が観測された。印加電圧を10Vとしたところ、発光輝度が1200cd/m2 の赤色発光(波長、約600〜750nm)が観測された。
(比較例1)
まず、ITO膜からなる正極21が形成されたガラス基板20を用意し、このガラス基板を、水、アセトン及びイソプロピルアルコールにより洗浄した。その後、このガラス基板20を真空蒸着装置のチャンバ内に配置し、チャンバ内を1×10-6torrに排気した後、基板温度が室温のまま、正極21の上に厚さ50nmの正孔輸送層22、厚さ20nmの発光層23、厚さ30nmの電子輸送層24及び厚さ50nmの負極25を順次成膜した。正孔輸送層22はTPDにより形成し、発光層23は下記構造式(19)で表わされるテトラフェニルポルフィリンとAlqとを同時に蒸着して形成した。蒸着比は、テトラフェニルポルフィリン1分子に対しAlqが99分子である。また、電子輸送層24はAlqにより形成し、負極25はAl−Li合金(Li含有量が0.5重量%)により形成した。
【0049】
【化19】
Figure 0003848090
【0050】
このようにして製造した有機EL素子に対し、正極21と負極25との間に電圧を印加したところ、電圧が6V以上でオレンジ発光(波長、約550〜750nm)が観測された。印加電圧を10Vとしたところ、発光輝度が120cd/m2 のオレンジ発光が観測された。
このように、本発明の実施例1〜6ではいずれも電圧が5V又は6V以上で色純度が高く高輝度の赤色発光が得られたのに対し、比較例1では色純度の高い赤色発光を得ることはできず、また発光強度も低いものであった。
【0051】
(有機ELディスプレイ)
有機ELディスプレイは多数の有機EL素子をマトリクス状に配置して構成される。そして、各有機EL素子の発光を個別に制御することによって文字や図形が表示される。フルカラー表示の有機ELディスプレイでは、相互に隣接する赤色発光有機EL素子、緑色発光有機EL素子及び青色発光有機EL素子の3つの素子が1組になって1つのピクセル(カラー表示単位)が構成される。本実施の形態では、これらの有機EL素子のうち、赤色発光有機EL素子として、前述の実施例1〜6で述べたような発光層を有する素子が用いられる。
【0052】
図3はパッシブマトリクス型有機ELディスプレイの構成を示す模式図である。パネル基板30には、垂直方向に延びる複数本の陽極ライン31と、水平方向に延びる複数本の陰極ライン32とが形成されている。また、陽極ライン31と陰極ライン32との各交差部の近傍には、それぞれ有機EL素子33が配置されている。垂直方向に並んだ有機EL素子33の正極はいずれも同一の陽極ライン31に接続され、水平方向に並んだ有機EL素子33の陰極はいずれも同一の陰極ライン32に接続されている。各陽極ライン31はそれぞれ対応する定電流源34に接続されている。これらの定電流源34は、駆動回路(図示せず)により駆動されるようになっている。
【0053】
駆動回路(図示せず)により、所定の陽極ライン31と所定の陰極ライン32との間に電圧が印加されると、当該陽極ライン31及び陰極ライン32に接続された有機EL素子33に電流が流れ、この有機EL素子33が発光する。駆動回路によって各有機EL素子33の発光を順次制御することによって、有機ELディスプレイに所望の文字や図形が表示される。
【0054】
フルカラーの有機ELディスプレイでは、前述したように、1つのピクセル(カラー表示単位)は相互に隣接して配置された赤色発光有機EL素子、緑色発光有機EL素子及び青色発光有機EL素子の3つの素子で構成される。この場合、赤色発光有機EL素子として、前述の実施の形態1〜6で述べたような発光層を有する素子が用いられる。
【0055】
図4はアクティブマトリクス型有機ELディスプレイの構成を示す模式図である。パネル基板40には、垂直方向に延びる複数本のデータライン41及び電源供給ライン42と、水平方向に延びる複数本の走査ライン43とが形成されている。データライン41、電源供給ライン42及び走査ライン43に囲まれた領域がそれぞれ画素領域となっている。各画素領域には、それぞれスイッチング用TFT(薄膜トランジスタ)44と、駆動用TFT45と、コンデンサ46と、有機EL素子47とが設けられている。スイッチング用TFT44のゲートは走査ライン43に接続され、ソース及びドレインはそれぞれ駆動用TFT45のゲート及びデータライン41に接続されている。コンデンサ46は駆動用TFT45のゲートと電源供給ライン42との間に接続されている。
【0056】
駆動用TFT45のソース及びドレインは、それぞれ有機EL素子47及び電源供給ライン42に接続されている。
このように構成された有機ELディスプレイにおいて、各データバスライン41に所定の電圧を供給し、1行目(上から1本目)の走査線43のみに走査信号を供給すると、1行目の走査線43に接続されたスイッチング用TFT44がいずれもオンになってコンデンサ46にデータライン41の電圧が蓄積される。この電圧に応じた電圧が電源供給ライン42から駆動用TFT45を通って有機EL素子47に供給され、1行目の各有機EL素子47が発光する。その後、各データバスライン41に所定の電圧を供給し、2行目(上から2本目)の走査線43のみに走査信号を供給すると、2行目の各有機EL素子47が発光する。このようにして、各行の有機EL素子47を順番に駆動することによって、所望の文字又は画像が表示される。
【0057】
フルカラーの有機ELディスプレイでは、前述したように、1つのピクセル(カラー表示単位)は相互に隣接して配置された赤色発光有機EL素子、緑色発光有機EL素子及び青色発光有機EL素子の3つの素子で構成される。この場合、赤色発光有機EL素子として、前述の実施の形態1〜6で述べたような発光層を有する素子が用いられる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、発光材料にポルフィセン化合物又はその誘電体を含むので、発光効率が高く、かつ色純度の高い赤色光有機EL素子を得ることができる。これにより、フルカラーの有機ELディスプレイの実現が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は有機EL素子の層構造の一例を示す断面図である。
【図2】図2は実施例1の有機EL素子の構造を示す断面図である。
【図3】図3はパッシブマトリクス型有機ELディスプレイの構成を示す模式図である。
【図4】図4はアクティブマトリクス型有機ELディスプレイの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
11,21…正極、
12…正孔注入層、
13,22…正孔輸送層、
14,23…発光層、
15,24…電子輸送層、
16…電子注入層、
17,25…負極、
20…ガラス基板、
30,40…パネル基板、
31…陽極ライン、
32…陰極ライン、
33,47…有機EL素子、
34…定電流源、
41…データライン、
42…電源供給ライン、
43…走査ライン、
44…スイッチング用TFT、
45…駆動用TFT、
46…コンデンサ。

Claims (4)

  1. 発光層として、ポルフィセン又はその誘導体と、アルミニウムキノリン錯体と、下記構造式(3)で表わされるルブレンとの混合物を用いたことを特徴とする赤色発光有機EL素子。
    Figure 0003848090
  2. ポルフィセン又はその誘導体がゲスト材料であり、アルミニウムキノリン錯体と前記構造式(3)で表わされるルブレンとがホスト材料であることを特徴とする請求項1に記載の赤色発光有機EL素子。
  3. 発光層として、ポルフィセン又はその誘導体と、アルミニウムキノリン錯体と、下記構造式(4)で表わされるDCM色素との混合物を用いたことを特徴とする赤色発光有機EL素子。
    Figure 0003848090
    但し、R,R’は、アルキル基、アリール基又は環状アルキル基のいずれか1種を示す。
  4. ポルフィセン又はその誘導体がゲスト材料であり、アルミニウムキノリン錯体と前記構造式(4)で表わされるDCM色素とがホスト材料であることを特徴とする請求項3に記載の赤色発光有機EL素子。
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