JP3847154B2 - Purification method for substances contaminated with organochlorine compounds - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌や灰等の浄化方法に関し、より詳細には、ダイオキシン類等の有機塩素系化合物によって汚染された土壌や灰等の被処理物質を微生物の作用を利用して浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
人の健康を保護するために、また、ダイオキシン類に汚染された土壌や、最終処分場に埋め立てられているダイオキシン類含有焼却灰などを負の遺産として将来の世代に残さないために、ダイオキシン類の分解・浄化技術の実用化が社会的に切望されている。特に、ダイオキシン類対策特別措置法によりダイオキシン類の暫定指針濃度が定められたことに伴い、ダイオキシン類で汚染された土壌等を、暫定指針濃度を下回るレベルまで修復するためのより具体的な技術の開発が緊急の課題になっている。
【0003】
ダイオキシン類等の有機塩素系化合物による土壌汚染は、発生源付近の高濃度で狭い範囲の汚染と、発生源から離れた、低濃度で広範囲の汚染の二つが想定され、それぞれに適した浄化技術が必要と考えられる。例えば、ダイオキシン類発生源付近の高濃度で狭い範囲の汚染は、溶融法、熱分解法、超臨界抽出法等による分解・浄化方法が適当と考えられる。一方、広範囲で低濃度の汚染土壌の浄化や環境修復には、経済性及び技術面から生物的方法が妥当と考えられる。以下、有機塩素系化合物の生物的処理方法の従来例を記す。
【0004】
好気性細菌、嫌気性細菌、担子菌などを用いる技術として、特開2001−29915号公報(ダイオキシン類の低減剤及びそれを用いるダイオキシン類の低減方法)では、至適温度を85℃とする好気性コンポストによるダイオキシン類の分解処理が提案されている。特開2000−232876号公報(複合有効微生物群含有資材)では、ダイオキシン類の分解を想定した微生物が多数列挙されている。
【0005】
ところで、嫌気性細菌は2〜8塩素化ダイオキシン類を還元的脱塩素化し、好気性細菌は1〜3塩素化ダイオキシン類を酸化分解する特異性を有する事実が知られており、毒性等価係数が与えられているダイオキシン類は4〜8塩素化ダイオキシン類から構成されることを考慮すると、前記特許公報の技術はダイオキシン類の一部だけを分解する方法であると判断される。しかし、ダイオキシン類の毒性は、塩素数により大きく変化するため、これらすべての種類のダイオキシン類を分解できる方法でなければ意味がない。すなわち、ダイオキシン類で最も毒性が強いのは4塩素化ダイオキシンであるため、これを分解できる方法であれば毒性等量換算でのダイオキシン濃度は大きく低下する。しかし、塩素数が7や8のダイオキシン類が分解されずに土壌等に残留した場合、微生物等の作用により脱塩素化が進行するに従い、4塩素化ダイオキシンに変化し、処理後相当時間を経過してから急激に毒性等量ベースでの濃度が上昇する、といった事態も予想されるのである。
【0006】
一方、担子菌、特に白色腐朽菌は、単独で1〜8塩素化ダイオキシン類を分解し、かつ速い分解速度を有する。しかし、土壌中では土着菌が優先するため、担子菌の増殖は抑制され、ダイオキシン類を円滑に分解できない。このため土壌の加熱処理、コンポスト化等の前処理が考案されている。
【0007】
担子菌を用い、前処理を取り入れたダイオキシン類の分解法として、特開2000−107742号公報(ダイオキシン類汚染土壌の浄化方法)では、担子菌により木材をコンポスト化したものを用いたダイオキシン類分解法が、また、特開2001−162263号公報(塩素化ダイオキシン類汚染土壌の浄化法)では、ダイオキシン類汚染土壌中の土着菌の増殖を抑制処理した後、担子菌を添加するダイオキシン類分解法が提案されている。
【0008】
ダイオキシン類汚染土壌を原位置で処理することを前提とすると、装置はある程度の閉鎖性が必要とされる。しかし、無菌室を構築するレベルまで遮断性を高めることは、汚染土壌の処理規模を考えるとコスト的にも困難が伴う。汚染土壌では、本来、土壌菌が優先種であるから、上記特開2001−162263号公報記載の方法では一時的に土着菌を抑制、または死滅させるものと推定される。このため実験室レベルでは高いダイオキシン類分化能を有する担子菌でも、原位置における実用規模では効率的にダイオキシン類を分解するのは困難と考えられる。また、特開2000−107742号公報記載の方法のように、土着菌が基質として利用しにくい木材を添加したコンポスト化は、土壌中に他の有機物がない場合は担子菌が優先種となる方法である。しかし、担子菌は木材を用いた場合、増殖速度が遅いため、分解処理に時間がかかり、かつ、順調に生育しにくいことが指摘されている。さらに、担子菌を利用する場合、担子菌の増殖速度が遅いことから大量の種菌を確保するのが困難であり、時間的な面だけでなく、量的にも大きな制約があると考えられる。
【0009】
また、特開2000−102377号公報(水または土壌の浄化方法及び該方法に使用される微生物群)、特開平10−34128号公報(有機塩素化合物汚染土壌の微生物処理方法)では、いずれも嫌気性処理後、好気性処理を行うことにより、テトラクロロエチレンなどの有機塩素化合物で汚染された土壌を浄化する方法が提案されている。これらは比較的塩素数の小さな(塩素数4以下)揮発性有機塩素化合物の分解方法として考案されたものであり、塩素数1〜8を有するダイオキシン類の分解には適用できない。
【0010】
すなわち、上記公報のように、嫌気処理後、好気処理へ移行する一方通行の方法では、嫌気性細菌によるダイオキシン類の分解速度が好気性細菌より遅いので、処理効率が著しく悪くなり、実用性に乏しい。
【0011】
従って、広範囲の土壌等に汚染物質として含まれるダイオキシン類等の有機塩素系化合物を微生物の作用によって効率良く分解し、その環境毒性を低減できる実用性に優れた浄化技術の開発が望まれていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、比較的低濃度で広範囲にわたり有機塩素系化合物で汚染された土壌や、低濃度の有機塩素系化合物を含む多量の焼却灰など、大量の被処理物質中に含まれる有機塩素系化合物の分解、除去に適した実用性の高い浄化方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法の発明は、有機塩素系化合物で汚染された被処理物質に、嫌気性微生物および好気性微生物を混合し、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、有機塩素系化合物に嫌気性微生物および好気性微生物を作用させて分解処理する有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法であって、前記好気的条件を作り出すための操作を間欠的に実施することによって、嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す処理環境を作り出し、嫌気−好気の1サイクルにおいて、嫌気時間/好気時間の比が12〜60の間になるように設定することを特徴とする。
【0014】
この特徴によれば、浄化対象の被処理物質中に含まれる有機塩素系化合物に、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら嫌気性および好気性微生物を作用させることによって、効率良く有機塩素系化合物の脱塩素化、分解処理を行うことが可能になる。例えば、従来の方法では分解が困難なダイオキシン類についても、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返すことによって、嫌気性細菌の作用により2〜8塩素化ダイオキシンを還元的に脱塩素化し、好気性細菌の作用により1〜3塩素化ダイオキシンを酸化分解できる。
【0015】
また、請求項2に記載の有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法の発明は、有機塩素系化合物で汚染された被処理物質に、少なくとも、嫌気性微生物と、好気性微生物と、有機性廃棄物由来の有機物とを含有する複合微生物製剤を混合し、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、有機塩素系化合物に嫌気性微生物および好気性微生物を作用させて分解処理する有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法であって、前記好気的条件を作り出すための操作を間欠的に実施することによって、嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す処理環境を作り出し、嫌気−好気の1サイクルにおいて、嫌気時間/好気時間の比が12〜60の間になるように設定することを特徴とする。
【0016】
この特徴によれば、浄化対象の被処理物質に複合微生物製剤を混合し、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら嫌気性および好気性微生物を作用させることによって、請求項1と同様の作用効果が得られる。また、本発明の複合微生物製剤は有機性廃棄物由来の有機物を含有するため、処理期間の全域で嫌気性および好気性微生物の増殖と活発な代謝活動が行われ、ダイオキシン類等の有機塩素系化合物の分解を促すことができる。さらに、本発明の浄化方法は、微生物の作用を利用するため低コストで稼動可能であり、比較的低濃度で広範囲にわたって汚染された土壌や、都市ごみの焼却炉等から排出される焼却灰など、大量の被処理物質からダイオキシン類等の有機塩素系化合物を除去する際に有効な方法である。
【0017】
また、請求項3に記載の有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法の発明は、請求項2において、複合微生物製剤が、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、有機性廃棄物を嫌気性微生物および好気性微生物によりコンポスト化して得られたものであることを特徴とする。
【0018】
この特徴によれば、嫌気性微生物および好気性微生物を含む有機性廃棄物を嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながらコンポスト化して得られる複合微生物製剤は、有機塩素系化合物で汚染された被処理物質に適用する時点で、嫌気性および好気性微生物が十分に増殖しており、しかも活発な代謝活動を行い得る状態になっているため、有機塩素系化合物の分解処理をすみやかに開始させることができる。また、複合微生物製剤として、生ごみなどの有機性廃棄物をコンポスト化したものを用いることで、大量の有機性廃棄物の処理も行えるという利点を併せ持つため、廃棄物処理を含めた全体的なコストを低減化することが可能になる。
【0019】
また、請求項4に記載の有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法の発明は、有機塩素系化合物で汚染された被処理物質に、嫌気性微生物、好気性微生物および有機性廃棄物を混合し、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、有機性廃棄物をコンポスト化するとともに、有機塩素系化合物に嫌気性微生物および好気性微生物を作用させて分解処理する有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法であって、前記好気的条件を作り出すための操作を間欠的に実施することによって、嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す処理環境を作り出し、嫌気−好気の1サイクルにおいて、嫌気時間/好気時間の比が12〜60の間になるように設定することを特徴とする。
【0020】
この特徴によれば、前記請求項1に記載の発明と同様の作用効果に加え、有機性廃棄物のコンポスト化と、嫌気性および好気性微生物による有機塩素系化合物の分解処理を同時並行で行うため、処理時間の短縮化および処理の効率化を図ることができる。
【0021】
また、請求項5に記載の有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項において、分解処理を、中和剤の存在下で行うことを特徴とする。この特徴によれば、中和剤の存在下で微生物による有機塩素系化合物の分解処理を行うことで、脱塩素化により生成する塩化水素を中和することが可能になる。よって、処理装置内のpHの低下を防ぎ、塩化水素による微生物への悪影響を抑制することが可能になり、有機塩素系化合物の効率的な処理が可能になる。
【0022】
また、請求項6に記載の有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項において、分解処理を、油脂および/または界面活性剤の存在下で行うことを特徴とする。
【0023】
この特徴によれば、油脂および/または界面活性剤の存在下で微生物による有機塩素系化合物の分解処理を行うことで、土壌や灰中に含まれるダイオキシン類等の有機塩素系化合物を離脱させることが可能になる。すなわち、土壌や灰などの中に含有され、もしくは付着した状態の有機塩素系化合物には微生物を作用させ難いが、油脂および/または界面活性剤を添加することにより、有機塩素系化合物を土壌等から遊離させ、微生物による分解作用を受け易くすることができる。
【0024】
本発明方法で浄化の対象とする被処理物質は、有機塩素系化合物を含む土壌、焼却灰、汚泥などが挙げられる。本発明において分解・除去の対象とする有機塩素系化合物は、主にポリ塩化ジベンゾダイオキシン類(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)などのダイオキシン類であるが、例えば、コプラナーPCB(Co−PCB)をはじめとするPCB類、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレンなどに汚染された土壌等にも適用できる。
【0025】
有機塩素系化合物を分解するために使用する嫌気性微生物や好気性微生物としては、有機塩素系化合物に対する分解能を有するものであれば、特に制限はない。有機塩素系化合物の分解能を有する嫌気性微生物あるいは好気性微生物としては、単一種に限らず、複数の種や菌株を含む微生物群も用いることができる。これらの微生物は、有機塩素系化合物に汚染された土壌などから既知のスクリーニング方法により採取することができるので、それを培養して種菌として使用できる。また、本発明方法に適合する範囲で、ダイオキシン類等に対する分解活性を持つことが知られている公知の微生物種、菌株、菌群等を使用できることは言うまでもない。
【0026】
有機塩素系化合物の分解能を有する嫌気性微生物の代表的な例としては、メタノバクテリウム(Methanobacterium)属、メタノサルシナ(Methanosarcina)属、メタノロブス(Methanolobus)属等の嫌気性古細菌、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属、デスルフォバクテリウム(Desulfobacterium)属、デスルフォモニル(Desulfomonile)属、デハロスピリルム(Dehalospirillum)属、デハロバクター(Dehalobacter)属、デハロバクテリウム(Dehalobacterium)属、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属、クロストリジウム(Clostridium)属等の嫌気性細菌のほか、シトロバクター(Citrobacter)属、エシェリキア(Escherichia)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、セラチア(Serratia)属、プロテウス(Proteus)属、シュワネラ(Shewanella)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属等の通性嫌気性細菌を挙げることができる。
【0027】
また、有機塩素系化合物の分解能を有する好気性微生物の代表的な例としては、スフィンゴモナス(Sphingomonas)属、バークホリデリア(Burkholderia)属、ラルストニア(Ralstonia)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ノカルジオイデス(Nocardioides)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、テラバクター(Terrabacter)属等を挙げることができる。そして、本発明においては、嫌気的条件と好気的条件を交互に切替えるサイクル(嫌気−好気サイクル)で有機性廃棄物とともに培養・増殖させることにより、複合微生物製剤やコンポストに含まれる嫌気性微生物および好気性微生物を十分に馴致された状態にして利用することができる。嫌気−好気サイクルにより得られる複合微生物製剤やコンポストの好ましい特徴の一例として、馴養の結果、キノンプロファイル(Hiraishi, A. 1999, J. Biosci. Bioeng.; Vol. 88: p449-460)に基づき、▲1▼メナキノン含有微生物が70%以上を占めること、▲2▼MK−7、MK−8(H2)、MK−8(H4)、MK−9(H2)のいずれかの分子種2種類の組み合わせが全体の40%を越えていること、等が挙げられ、かかる特徴を備えた複合微生物製剤等を利用することにより有機塩素系化合物の効率的な分解処理が実現可能となる。
【0028】
また、本発明において、有機塩素系化合物の分解処理は、中和剤の存在下で行うことが好ましい。これは、脱塩素化により生成する塩化水素を中和することによって、処理装置内のpHの低下を防ぎ、塩化水素による微生物への悪影響を抑制することが可能になるためである。中和剤としては、炭酸カルシウム等のアルカリ性物質を直接使用してもよいが、例えば卵殻等のように炭酸カルシウムを多く含む廃棄物を用いることができる。このように中和剤として廃棄物を使用することは、その有効利用を図ることにもなる。
【0029】
さらに、有機塩素系化合物の分解処理は、油脂および/または界面活性剤の存在下で行うことが好ましい。これは、油脂および/または界面活性剤の作用により、土壌や灰などの中に含まれ、もしくは付着した状態の有機塩素系化合物を遊離させ、微生物による分解作用を受け易くすることができるからである。また、油脂として廃油を用いることにより、廃棄物の有効利用を図ることもできる。
【0030】
【作用】
本発明の浄化方法において、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、有機塩素系化合物に嫌気性微生物および好気性微生物を作用させる意義は以下のとおりである。
【0031】
嫌気的条件の下では、嫌気性微生物が活発な増殖と代謝を行うため、2〜8塩素化ダイオキシン類が特異的に還元的脱塩素化される。好気的条件では、好気性微生物が活発な増殖と代謝を行うため、1〜3塩素化ダイオキシン類が特異的に酸化分解・無機化する。この操作を所定時間ごとに交互に繰り返すことによって、嫌気性および好気性の両方の微生物の代謝活性を高い状態に維持しながら、有機塩素系化合物に作用させることが可能になり、異なる塩素数を持つダイオキシン類についても効率的に分解、除去することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を挙げ、本発明を説明する。
(1)第1プロセス(第1実施形態):
第1プロセスは、有機塩素系化合物で汚染された被処理物質に、嫌気性微生物、好気性微生物、有機性廃棄物由来の有機物等を含有する複合微生物製剤を混合し、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、有機塩素系化合物に嫌気性微生物および好気性微生物を作用させて分解処理する方法である。第1プロセスの概要を、複合微生物製剤の調製手順とともに図1に示す。
【0033】
まず、第1プロセスに使用される複合微生物製剤は、嫌気性微生物、好気性微生物、有機性廃棄物由来の有機物等を含有するものである。ここで、有機性廃棄物由来の有機物としては、残飯や野菜くずなどの生ごみ、下水処理汚泥や底泥、澱粉粕、牛や豚などの家畜糞尿等の有機性廃棄物を微生物の作用によって分解して得られる有機物であり、好ましくは嫌気性および好気性微生物とともにコンポスト中に含まれた形で使用される。
【0034】
複合微生物製剤の調製は、図1に示すように、廃棄物処理装置を用いて行われる。廃棄物処理装置は、単一槽または複数に分割された槽で構成され、コンポスト化処理法により、定期的に追加送入される生ごみ等の有機性廃棄物を連続的にコンポスト化処理する。この複合微生物製剤の調製には、ダイオキシン類で汚染された土壌、底泥、コンポスト等またはダイオキシン類に汚染されていない土壌、底泥、コンポスト等を採取し、生ごみ等の有機性廃棄物により馴致したものを種菌として使用できる。
【0035】
コンポスト化処理中、廃棄物処理装置内の雰囲気を交互に嫌気的状態と好気的状態にして、嫌気性微生物と好気性微生物の両方を増殖させるとともに、活発化させる。嫌気的条件にするためには、脱気を行ってもよいが、通常は一定時間静置することによって嫌気状態を作り出すことができる。一方、好気的条件は、攪拌やエアレーション等の操作によって作り出すことができる。したがって、好気的条件を作り出すための操作を間欠的に実施することによって、嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す処理環境を作ることができる。より具体的には、例えば1時間あたり5分程度攪拌を行い、残りの55分間を静置する、という操作によって嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す環境を作ることができる。
【0036】
また、嫌気−好気サイクルのタイミングは、有機性廃棄物の添加方法に応じて適宜設定することが好ましい。以下、有機性廃棄物の添加方法として、毎日有機性廃棄物を添加して処理する方法(方法A)と、約1週間おきに有機性廃棄物を添加する方法(方法B)との二通りの例を挙げて説明する。なお、前者(方法A)はコンポストを大量に生成させることを意図する場合、後者は少量のコンポストを生成させる場合に適している。
【0037】
<方法A>
(1)1日1回、廃棄物処理装置の内容物10kgあたり0.3〜1.0kg(水切後の湿重量)の有機性廃棄物を投入する。
(2)有機性廃棄物の投入直後に5分間機械的攪拌を行い、内容物とよく混合する。
(3)その後、嫌気−好気サイクルにてバッチ運転を行う。
(4)嫌気−好気の1サイクルにおいて、嫌気時間/好気時間の比が12〜60の間になるように設定する。すなわち、嫌気時間を1時間とすれば、好気時間は1〜5分の間で設定する。
(5)1サイクルの嫌気時間は1〜6時間とする。
【0038】
<方法B>
(1)1週間毎に、廃棄物処理装置の内容物10kgあたり1.0kg(水切後の湿重量)の有機性廃棄物を投入する。
(2)有機性廃棄物の投入直後に5分間機械的攪拌を行い、内容物とよく混合する。
(3)その後、嫌気−好気サイクルにてバッチ運転を行う。
(4)嫌気−好気の1サイクルにおいて、嫌気時間/好気時間の比が12〜60の間になるように設定する。すなわち、嫌気時間を3時間とすれば、好気時間は3〜15分の間で設定する。
(5)1サイクルの嫌気時間は3〜12時間とする。
【0039】
上記方法A、方法Bのいずれの場合も好気的条件は機械的攪拌で達成できる。このとき同時に空気を吹き込むこともできる。また、適宜温風を吹き込んで水分を飛ばし、含水率を維持するように調整することが好ましい。廃棄物処理装置内で処理する混合物の含水率は、30〜60重量%となるように設定することが好ましく、最適範囲は35〜45重量%である。また、処理中は廃棄物処理装置内の温度が、10〜70℃となるようにすることが好ましく、最適範囲は25〜55℃である。さらに、廃棄物処理装置で処理する混合物のpHは、pH6〜9となるように調整することが好ましく、最適範囲はpH7.5〜8.5である。なお、有機性廃棄物を添加している間は、初期にpH低下(pH6程度)が見られるが、日数が経過するにつれてpH7〜9の間で安定するようになる。従って、特にpH調節をする必要はないが、仮にpHがpH6〜9の範囲を超えて変化した場合には、適宜6N−希硫酸や4N−苛性ソーダ液等でpHを調整することができる。微生物生育における基本的な条件である水分、温度およびpHを上記範囲に調整することにより、活発な増殖と代謝活動を維持できる。
【0040】
以上のような生ごみ等の有機性廃棄物の処理により、種菌である嫌気性および好気性微生物を大量に培養、増殖させる効果があるので、以後の有機塩素系化合物の分解処理における初発菌数を飛躍的に増大させることが可能となる。また、種菌は自然界や汚染土壌中の複合微生物系を利用することから、土壌中の土着菌に駆逐されることがない。
【0041】
また、廃棄物処理装置におけるコンポスト化は、油脂としての食品廃油および/または界面活性剤を添加して行うことも可能である。油脂の添加により、油馴養した微生物製剤を得ることができる。
【0042】
図1のプロセスにおいては、廃棄物処理装置へ導入された生ごみ等の有機性廃棄物はコンポスト化処理され、得られたコンポスト(嫌気性細菌、好気性細菌等から構成される複合微生物と有機物を含む)の一部を複合微生物製剤とする。残りのコンポストは、農業、園芸等の分野で有効利用することが可能となる。
【0043】
第1プロセスでは、上記のようにして得られた複合微生物製剤を環境修復装置に送入する。環境修復装置は、廃棄物処理装置と同様に単一槽または複数に分割された槽で構成される。この環境修復装置では、複合微生物製剤と、ダイオキシン類で汚染された土壌等の被処理物質とを混合する。ここで、被処理物質と複合微生物製剤との混合比は、被処理物質:複合微生物製剤=1:1〜1:3程度の比率とすることが好ましく、被処理物質と複合微生物製剤が同量程度(例えば、汚染された土壌:複合微生物製剤=1:1)であればより好ましい。また、必要に応じて適量の中和剤としての卵殻等の炭酸カルシウム含有廃棄物を添加することもできる。さらに、この段階で油脂としての食品廃油および/または界面活性剤を添加することも可能である。前記したように油馴養した複合微生物製剤を用いる場合には、環境修復装置での油脂の添加は、いっそう効果的なものとなる。この場合、油脂の添加は、環境修復装置の運転開始時、およびその後の運転期間中は1週間に1回程度でよく、1回の添加量は200〜300ml/内容物10kg程度とすることが適当である。
【0044】
また、環境修復装置においては、適宜、木材チップ等を分解基材として被処理物質と複合微生物製剤とに混合することも可能である。
【0045】
また、被処理物質が焼却灰である場合は、本来アルカリ性であるため、添加前にpH9以下、好ましくはpH7.5〜8.5に調整しておくことが好ましい。
【0046】
環境修復装置における処理中は、嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返しながら、有機塩素系化合物に嫌気性および好気性微生物を作用させる。また、装置内の混合物に対して、所定時間毎に適量の複合微生物製剤や油脂等を追加投入することが好ましい。
【0047】
環境修復装置での処理における嫌気的条件と好気的条件の設定は、廃棄物処理装置での処理と同様に実施できる。すなわち、環境修復装置における嫌気−好気サイクルのタイミングは、複合微生物製剤の添加方法に応じて適宜設定することが好ましい。例えば、複合微生物製剤を毎日添加して処理する場合(前記方法Aを参照)や、約1週間おきに複合微生物製剤を添加する場合(前記方法Bを参照)等に応じて、前記廃棄物処理装置について述べた内容に準じて嫌気−好気サイクルを設定できる。さらに、内容物の含水率やpH、処理温度などは、廃棄物処理装置での処理と同様に実施できる。以上の操作を被処理物質中の汚染物質の濃度が環境基準以下になるまで継続することによって、有機塩素系化合物を分解し、被処理物質を確実に浄化することができる。
【0048】
(2)第2プロセス(第2実施形態):
第2プロセスは、有機塩素系化合物で汚染された被処理物質に、直接、嫌気性微生物、好気性微生物、有機性廃棄物等を混合し、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら有機性廃棄物をコンポスト化するとともに、有機塩素系化合物に嫌気性微生物および好気性微生物を作用させて分解処理することによって実施される。この方法は、有機性廃棄物のコンポスト化と、嫌気性および好気性微生物による有機塩素系化合物の分解処理を並行して行う方法であり、処理時間を大幅に短縮化できる特長を持つ。
【0049】
図2は第2プロセスの概要を示す図面である。本実施形態でも、ダイオキシン類汚染土壌、底泥、コンポスト等またはダイオキシン類に汚染されていない土壌、底泥、コンポスト等を採取し、生ごみ等の有機性廃棄物によって馴致したものを種菌として用いることができる。
【0050】
第2プロセスでは、有機性廃棄物のコンポスト化処理と、有機塩素系化合物の分解とを単一の環境修復装置を用いて同時に行う。
まず、ダイオキシン類で汚染された土壌などの被処理物質に中和剤としての卵殻等を適量添加したものと、種菌を含む有機性廃棄物に油脂(食品廃油等)および/または界面活性剤を適量添加したものと、を単一槽または複数に分割された槽で構成された環境修復装置に投入して混合する。ここで、被処理物質と微生物を含む有機性廃棄物との混合比は、被処理物質:微生物を含む有機性廃棄物=1:1〜1:3程度の比率とすることが好ましく、被処理物質と微生物を含む有機性廃棄物が同量程度(例えば、汚染された土壌:微生物を含む有機性廃棄物=1:1)であればより好ましい。
【0051】
また、被処理物質が焼却灰である場合は、添加前にpH9以下、好ましくはpH7.5〜8.5に調整しておくことが望ましい。環境修復装置における処理中は、該装置内の混合物に対して、所定時間毎に適量の有機性廃棄物及び油脂等を追加投入することが好ましい。
【0052】
環境修復装置での処理における嫌気的条件と好気的条件の設定、内容物の含水率やpH、処理温度などは、第1プロセスと同様に実施できる。
すなわち、嫌気的条件にするためには、脱気を行ってもよいが、通常は一定時間静置することによって嫌気状態を作り出すことができる。一方、好気的条件は、攪拌やエアレーション等の操作によって作り出すことができる。したがって、好気的条件を作り出すための操作を間欠的に実施することによって、嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す処理環境を作ることができる。より具体的には、例えば1時間あたり5分程度攪拌を行い、残りの55分間を静置する、という操作によって嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す環境を作ることができる。
【0053】
また、環境修復装置における嫌気−好気サイクルのタイミングは、有機性廃棄物の添加方法に応じて適宜設定することが好ましい。例えば、有機性廃棄物を毎日添加して処理する場合(前記第1プロセスの方法Aを参照)と、約1週間おきに有機性廃棄物を添加する場合(前記第1プロセスの方法Bを参照)に応じて、前記第1プロセスの廃棄物処理装置について述べた内容に準じて嫌気−好気サイクルを設定できる。この場合、好気的条件は機械的攪拌で達成でき、このとき同時に空気を吹き込むこともできる。また、適宜温風を吹き込んで水分を飛ばし、含水率を維持するように調整することが好ましい。環境修復装置内で処理する混合物の含水率は、30〜60重量%となるように設定することが好ましく、最適範囲は35〜45重量%である。また、処理中は環境修復装置内の温度が、10〜70℃となるようにすることが好ましく、最適範囲は25〜55℃である。
【0054】
さらに、環境修復装置で処理する混合物のpHは、pH6〜9となるように調整することが好ましく、最適範囲はpH7.5〜8.5である。なお、有機性廃棄物を添加している間は、初期にpH低下(pH6程度)が見られるが、日数が経過するにつれてpH7〜9の間で安定するようになる。従って、特にpH調節をする必要はないが、仮にpHがpH6〜9の範囲を超えて変化した場合には、適宜6N−希硫酸や4N−苛性ソーダ液等でpHを調整することができる。微生物生育における基本的な条件である水分、温度およびpHを上記範囲に調整することにより、活発な増殖と代謝活動を維持できる。
【0055】
以上のように、環境修復装置内の雰囲気を交互に嫌気、好気条件に維持することにより、嫌気性微生物と好気性微生物の両方を増殖させるとともに、活発化させる。また、種菌は自然界や汚染土壌中の複合微生物系を利用することから、土壌中の土着菌に駆逐されることがない。したがって、この操作を交互に繰り返すことによって、塩素数の異なるダイオキシン類を効率的に分解、脱塩素化することができる。
【0056】
第2プロセスにおいては、有機塩素系化合物の分解を行いながら、環境修復装置内に導入された生ごみ等の有機性廃棄物をコンポスト化処理することができる。また、種菌である嫌気性および好気性微生物を大量に培養、増殖させ、活性化された状態に維持することが可能となる。したがって、以上の操作を被処理物質中の汚染物質の濃度が環境基準以下になるまで継続することによって、被処理物質を迅速、かつ確実に浄化することができる。
【0057】
【実施例】
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより何ら制約されるものではない。
実施例1
以下の方法でダイオキシン類を含む焼却灰を処理し、ダイオキシン類の分解率を測定した。
【0058】
<処理装置>
家庭用生ごみ処理機「ごみナイス」(商品名:三洋電機株式会社製)
<初期条件>
1.焼却灰、複合微生物製剤としての馴養コンポスト、および分解基剤(市販の木材チップ)を重量比で1:1:1に混ぜる(各2kgづつ)。
2.水道水および6規定塩酸を加えて、pH8.5、水分含量35%に調整する。
3.生ごみ700g(湿重量)を添加して運転を開始する。
【0059】
<運転条件>
駆動条件:1時間あたり5分間撹拌、55分間停止の繰り返しによる好気・嫌気(静止)条件で行った。
温度:制御せず。処理中は、ほとんどが30〜50℃の範囲であった。
通風・排気:家庭用生ごみ処理機の機構に従って実施した。
生ごみ:一日1回大学レストランの生ごみ700g(湿重量)を添加した。
【0060】
<分析>
結果の詳細は、図3に示すとおりである。1〜3週間ごとに内容物を採取し、GC/MS法でダイオキシン類を分析した。その結果、初期ダイオキシン量は、80,000pg/g(800pgTEQ/g)であったのに対し、200日後のダイオキシン量は22,000pg/g(230pgTEQ/g)まで低減させることができた(分解率:約45%)。
【0061】
実施例2
実施例1において、駆動条件(嫌気−好気時間比率)を変え、3ヶ月間運転後のダイオキシン類の減少率(TEQレベル)をGC・MS法で測定し、ダイオキシン類の減少(TEQレベル)に及ぼす嫌気−好気時間比率の影響を調べた。その結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
実施例3
油馴養した複合微生物製剤と油馴養していない複合微生物製剤を用い、運転開始時に油脂(てんぷら廃油)を添加した場合と添加しない場合について、実施例1と同様の条件で2ヶ月間運転後のダイオキシン類の減少率(TEQレベル)をGC・MS法で測定し、ダイオキシン類の減少(TEQレベル)に及ぼす油馴養および油添加の影響を調べた。油脂の添加量は、200〜300ml/10kg(内容物)とした。その結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】
表2の結果から、油馴養した複合微生物製剤を使うことにより、ダイオキシン類の分解が促され、油脂添加の効果を向上させ得ることが明らかとなった。
【0066】
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用されるものであることは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、浄化対象の被処理物質に嫌気性および好気性微生物を作用させることによって、効率良く有機塩素系化合物の脱塩素化、分解処理を行うことが可能になる。
【0068】
また、本発明では処理期間の全域で嫌気性および好気性微生物の増殖と活発な代謝活動が行われ、ダイオキシン類等の有機塩素系化合物の分解を促すことができるので、実験室レベルでの限定的な効果しか得られない従来技術に比べ、実用性に優れている。
【0069】
さらに、本発明の浄化方法は、微生物の作用を利用するため低コストで稼動可能であり、比較的低濃度で広範囲にわたって汚染された土壌や、都市ごみの焼却炉等から排出される焼却灰など、大量の被処理物質からダイオキシン類等の有機塩素系化合物を除去する際に特に適した方法である。しかも、有機塩素系化合物の除去と同時に大量に排出される生ごみ等の有機性廃棄物を処理・処分することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1プロセスの概要を示す図面。
【図2】第2プロセスの概要を示す図面。
【図3】ダイオキシン類の分解除去と処理期間の関係を示すグラフ図面。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for purifying soil, ash, and the like, and more particularly, to a method for purifying treated materials such as soil and ash contaminated by organic chlorinated compounds such as dioxins using the action of microorganisms. .
[0002]
[Prior art]
Dioxins are used to protect human health and to prevent dioxins-contaminated soil and dioxin-containing incinerated ash buried in the final disposal site as a negative legacy for future generations. The practical application of the decomposition and purification technology is highly desired. In particular, with the provision of the provisional guideline concentration for dioxins under the Act on Special Measures against Dioxins, more specific technology for restoring soil contaminated with dioxins to a level below the provisional guideline concentration Development has become an urgent issue.
[0003]
There are two types of soil contamination caused by organic chlorinated compounds such as dioxins, including high-concentration and narrow-range contamination near the source and low-concentration and wide-range contamination away from the source. Is considered necessary. For example, a high-concentration and narrow-range contamination near a dioxin generation source is considered to be appropriate by a decomposition / purification method such as a melting method, a thermal decomposition method, or a supercritical extraction method. On the other hand, biological methods are considered to be appropriate from the economical and technical viewpoints for the purification and environmental remediation of contaminated soil in a wide range and at low concentrations. Hereinafter, conventional examples of biological treatment methods for organochlorine compounds will be described.
[0004]
As a technique using aerobic bacteria, anaerobic bacteria, basidiomycetes, etc., JP-A-2001-29915 (a dioxin reducing agent and a dioxin reducing method using the same) has a favorable temperature of 85 ° C. Dioxins are being decomposed by tempering compost. Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-232728 (material containing composite effective microorganism group) lists a large number of microorganisms that are supposed to decompose dioxins.
[0005]
By the way, it is known that anaerobic bacteria reductively dechlorinate 2-8 chlorinated dioxins, and aerobic bacteria have the specificity of oxidative degradation of 1-3 chlorinated dioxins. Considering that the given dioxins are composed of 4-8 chlorinated dioxins, it is judged that the technique of the above-mentioned patent publication is a method for decomposing only a part of the dioxins. However, since the toxicity of dioxins greatly varies depending on the number of chlorine, it is meaningless unless it is a method capable of decomposing all these types of dioxins. That is, since the most toxic dioxins are tetrachlorinated dioxins, the dioxin concentration in terms of toxic equivalents is greatly reduced by a method capable of decomposing them. However, when dioxins with a chlorine number of 7 or 8 remain in the soil, etc. without being decomposed, they change to tetrachlorinated dioxins as the dechlorination proceeds due to the action of microorganisms, etc. After that, it is expected that the concentration on the basis of toxic equivalent will rapidly increase.
[0006]
On the other hand, basidiomycetes, particularly white rot fungi, decompose 1-8 chlorinated dioxins alone and have a fast degradation rate. However, since indigenous bacteria have priority in the soil, the growth of basidiomycetes is suppressed and dioxins cannot be degraded smoothly. For this reason, pretreatments such as soil heat treatment and composting have been devised.
[0007]
As a method of decomposing dioxins using basidiomycetes and incorporating pretreatment, JP-A-2000-107742 (dioxin-contaminated soil purification method) discloses dioxin decomposition using wood composted with basidiomycetes. In Japanese Patent Laid-Open No. 2001-162263 (Purification Method for Chlorinated Dioxins Contaminated Soil), a method for decomposing dioxins by adding basidiomycetes after suppressing the growth of indigenous bacteria in dioxins contaminated soil Has been proposed.
[0008]
Assuming that dioxin-contaminated soil is treated in-situ, the device needs to be closed to some extent. However, it is difficult to increase the barrier property to the level of constructing a sterile room, considering the treatment scale of contaminated soil. In soils contaminated with soil, soil bacteria are inherently the preferred species. Therefore, it is estimated that the method described in JP-A-2001-162263 temporarily suppresses or kills indigenous bacteria. For this reason, even basidiomycetes having a high ability to differentiate dioxins at the laboratory level are considered difficult to efficiently decompose dioxins on the practical scale in situ. Further, as in the method described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-107742, composting with the addition of wood that is difficult for indigenous bacteria to be used as a substrate is a method in which basidiomycetes are the preferred species when there are no other organic substances in the soil. It is. However, it has been pointed out that basidiomycetes, when wood is used, have a slow growth rate and therefore take a long time to decompose and are difficult to grow smoothly. Furthermore, when basidiomycetes are used, it is difficult to secure a large amount of inoculum due to the slow growth rate of basidiomycetes, and it is considered that there are significant restrictions not only in terms of time but also in terms of quantity.
[0009]
In addition, in JP 2000-102377 A (water or soil purification method and microorganism group used in the method) and JP 10-34128 A (organochlorine compound contaminated soil microorganism treatment method), both are anaerobic. A method for purifying soil contaminated with an organic chlorine compound such as tetrachloroethylene has been proposed by performing an aerobic treatment after an oxidative treatment. These are devised as a method for decomposing volatile organic chlorine compounds having a relatively small number of chlorines (4 or less chlorine atoms) and cannot be applied to the decomposition of dioxins having 1 to 8 chlorine atoms.
[0010]
That is, as in the above publication, in the one-way method of moving to an aerobic treatment after anaerobic treatment, the decomposition rate of dioxins by anaerobic bacteria is slower than that of aerobic bacteria, so the treatment efficiency is remarkably deteriorated and practicality It is scarce.
[0011]
Therefore, there has been a demand for the development of a practical purification technology that can efficiently decompose organic chlorinated compounds such as dioxins contained as pollutants in a wide range of soils by the action of microorganisms and reduce their environmental toxicity. .
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
The problem of the present invention is that organic chlorine contained in a large amount of material to be treated such as soil contaminated with a wide range of organochlorine compounds at a relatively low concentration and a large amount of incinerated ash containing a low concentration of organochlorine compounds. It is to provide a highly practical purification method suitable for the decomposition and removal of a system compound.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, an invention of a method for purifying a substance contaminated with an organochlorine compound according to
[0014]
According to this feature, organic chlorine can be efficiently treated by causing anaerobic and aerobic microorganisms to act on the organochlorine compound contained in the substance to be purified while alternately repeating anaerobic and aerobic conditions. It becomes possible to dechlorinate and decompose chlorine compounds. For example, for dioxins that are difficult to decompose by conventional methods, 2-8 chlorinated dioxins are reductively dechlorinated by the action of anaerobic bacteria by alternately repeating anaerobic and aerobic conditions, 1-3 chlorinated dioxins can be oxidatively decomposed by the action of aerobic bacteria.
[0015]
The invention of the method for purifying a substance contaminated with an organochlorine compound according to claim 2 is directed to at least anaerobic microorganisms, aerobic microorganisms, and organic substances to be treated contaminated with organochlorine compounds. A complex microbial preparation containing organic waste-derived organic matter is mixed and decomposed by causing anaerobic and aerobic microorganisms to act on organochlorine compounds while alternately repeating anaerobic and aerobic conditions. A method for purifying a substance contaminated with an organic chlorine-based compound, wherein a treatment environment in which anaerobic conditions and aerobic conditions are alternately repeated is performed by intermittently performing an operation for creating the aerobic conditions. Create and set the ratio of anaerobic time / aerobic time between 12-60 in one anaerobic-aerobic cycle It is characterized by that.
[0016]
According to this feature, the complex microorganism preparation is mixed with the substance to be purified, and the anaerobic and aerobic microorganisms are allowed to act while alternately repeating the anaerobic and aerobic conditions. The following effects can be obtained. In addition, since the composite microorganism preparation of the present invention contains organic matter derived from organic waste, the growth and active metabolic activity of anaerobic and aerobic microorganisms are performed throughout the treatment period, and organic chlorine-based dioxins and the like It can promote the degradation of the compound. Furthermore, the purification method of the present invention can be operated at low cost because it uses the action of microorganisms, soil contaminated over a wide area at a relatively low concentration, incineration ash discharged from municipal waste incinerators, etc. This is an effective method for removing organochlorine compounds such as dioxins from a large amount of substances to be treated.
[0017]
The invention of the method for purifying a substance contaminated with an organochlorine compound according to claim 3 is characterized in that, in claim 2, the complex microorganism preparation is an organic substance while alternately repeating anaerobic conditions and aerobic conditions. The waste is obtained by composting with anaerobic microorganisms and aerobic microorganisms.
[0018]
According to this feature, composite microbial preparations obtained by composting organic waste containing anaerobic microorganisms and aerobic microorganisms with alternating anaerobic and aerobic conditions are contaminated with organochlorine compounds. As soon as it is applied to the substances to be treated, anaerobic and aerobic microorganisms are sufficiently proliferating and can be actively metabolized. Can be made. In addition, the combined microbial preparation has the advantage of being able to treat a large amount of organic waste by using composted organic waste such as garbage. Costs can be reduced.
[0019]
Further, the invention of the method for purifying a substance contaminated with an organochlorine compound according to claim 4 is characterized in that anaerobic microorganisms, aerobic microorganisms and organic waste are added to the material to be treated contaminated with the organochlorine compound. Mixing and composting organic waste while alternately repeating anaerobic and aerobic conditions, and decomposes the organochlorine compound by causing anaerobic and aerobic microorganisms to act A method for purifying a substance contaminated with an organic chlorine-based compound, wherein a treatment environment in which anaerobic conditions and aerobic conditions are alternately repeated is performed by intermittently performing an operation for creating the aerobic conditions. Create and set the ratio of anaerobic time / aerobic time between 12-60 in one anaerobic-aerobic cycle It is characterized by that.
[0020]
According to this feature, in addition to the same effects as the invention of the first aspect, composting of organic waste and decomposition treatment of organochlorine compounds by anaerobic and aerobic microorganisms are performed in parallel. Therefore, processing time can be shortened and processing efficiency can be improved.
[0021]
The invention of the method for purifying a substance contaminated with an organochlorine compound according to
[0022]
The invention of the purification method for a substance contaminated with an organochlorine compound according to claim 6 is the method according to any one of
[0023]
According to this feature, organochlorine compounds such as dioxins contained in soil and ash can be released by decomposing organochlorine compounds by microorganisms in the presence of oils and / or surfactants. Is possible. In other words, it is difficult for microorganisms to act on organochlorine compounds contained in or attached to soil, ash, etc., but by adding oils and fats and / or surfactants, organochlorine compounds are removed from the soil. Can be easily released from the microorganisms, and can be easily degraded by microorganisms.
[0024]
Examples of substances to be treated by the method of the present invention include soil containing organochlorine compounds, incineration ash, and sludge. The organochlorine compounds to be decomposed and removed in the present invention are mainly dioxins such as polychlorinated dibenzodioxins (PCDD) and polychlorinated dibenzofurans (PCDF). For example, coplanar PCB (Co-PCB) It can also be applied to soils contaminated with PCBs including tetrachloroethylene and trichlorethylene.
[0025]
The anaerobic microorganism or aerobic microorganism used for decomposing the organochlorine compound is not particularly limited as long as it has a resolution for the organochlorine compound. The anaerobic microorganism or aerobic microorganism having the resolution of the organic chlorine compound is not limited to a single species, and a microorganism group including a plurality of species and strains can also be used. Since these microorganisms can be collected from soil contaminated with organochlorine compounds by a known screening method, they can be cultured and used as seeds. Needless to say, known microbial species, strains, fungal groups and the like that are known to have a decomposing activity for dioxins and the like can be used as long as they are compatible with the method of the present invention.
[0026]
Representative examples of anaerobic microorganisms with the ability to resolve organochlorine compounds include anaerobic archaea such as the genus Methanobacterium, Methanosarcina, and Methanolobus, and Acetobacterium. ) Genus, Desulfobacterium genus, Desulfomonile genus, Dehalospirillum genus, Dehalobacter genus, Dehalobacterium genus, Dehalococcoides genus, Clostridium ( In addition to anaerobic bacteria such as Clostridium genus, Citrobacter genus, Escherichia genus, Enterobacter genus, Serratia genus, Proteus genus, Shewanella genus, Stawan The genus Staphylococcus Of facultative anaerobic bacteria.
[0027]
In addition, representative examples of aerobic microorganisms having a resolution of organochlorine compounds include the genus Sphingomonas, the genus Burkholderia, the genus Ralstonia, the genus Pseudomonas, the nocardioides ( Examples include the genus Nocardioides, the genus Rhodococcus, and the genus Terrabacter. In the present invention, anaerobic conditions contained in complex microbial preparations and composts are cultured and grown together with organic waste in a cycle in which anaerobic conditions and aerobic conditions are alternately switched (anaerobic-aerobic cycle). Microorganisms and aerobic microorganisms can be used in a fully acclimatized state. As an example of the favorable characteristics of complex microbial preparations and compost obtained by anaerobic-aerobic cycle, based on quinone profile (Hiraishi, A. 1999, J. Biosci. Bioeng .; Vol. 88: p449-460) , (1) Menaquinone-containing microorganisms occupy 70% or more, (2) Two kinds of molecular species of any one of MK-7, MK-8 (H2), MK-8 (H4), and MK-9 (H2) The combination of these exceeds 40% of the total, etc., and by utilizing a composite microbial preparation or the like having such characteristics, an efficient decomposition treatment of the organic chlorine compound can be realized.
[0028]
In the present invention, the decomposition treatment of the organic chlorine compound is preferably performed in the presence of a neutralizing agent. This is because by neutralizing the hydrogen chloride generated by dechlorination, it is possible to prevent the pH in the processing apparatus from being lowered and to suppress the adverse effects of hydrogen chloride on microorganisms. As the neutralizing agent, an alkaline substance such as calcium carbonate may be used directly, but waste containing a large amount of calcium carbonate such as eggshell can be used. The use of waste as a neutralizing agent in this way also makes effective use of it.
[0029]
Furthermore, the decomposition treatment of the organic chlorine compound is preferably performed in the presence of fats and oils and / or surfactants. This is because the action of oils and fats and / or surfactants can release organochlorine compounds contained in or attached to soil, ash, etc., and can easily be decomposed by microorganisms. is there. Moreover, waste oil can be used effectively as waste oil by using waste oil.
[0030]
[Action]
In the purification method of the present invention, the significance of causing an anaerobic microorganism and an aerobic microorganism to act on an organochlorine compound while alternately repeating an anaerobic condition and an aerobic condition is as follows.
[0031]
Under anaerobic conditions, anaerobic microorganisms actively proliferate and metabolize, so that 2-8 chlorinated dioxins are specifically reductively dechlorinated. Under aerobic conditions, since aerobic microorganisms actively proliferate and metabolize, 1 to 3 chlorinated dioxins specifically oxidatively decompose and mineralize. By repeating this operation every predetermined time, it becomes possible to act on organochlorine compounds while maintaining the metabolic activity of both anaerobic and aerobic microorganisms at a high level. Dioxins possessed can also be efficiently decomposed and removed.
[0032]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described with reference to embodiments of the invention.
(1) First process (first embodiment):
In the first process, a mixed microorganism preparation containing anaerobic microorganisms, aerobic microorganisms, organic waste-derived organic substances, etc. is mixed with the material to be treated contaminated with an organic chlorine compound, and anaerobic conditions and aerobic conditions are mixed. In this method, anaerobic microorganisms and aerobic microorganisms are allowed to act on organochlorine compounds while alternately repeating the general conditions. The outline of the first process is shown in FIG. 1 together with the preparation procedure of the complex microbial preparation.
[0033]
First, the composite microorganism preparation used in the first process contains anaerobic microorganisms, aerobic microorganisms, organic matter derived from organic waste, and the like. Here, organic waste derived from organic waste includes organic waste such as food waste such as leftover food and vegetable waste, sewage treatment sludge and bottom mud, starch lees, livestock manure such as cattle and pigs, etc. by the action of microorganisms. It is an organic substance obtained by decomposing, and is preferably used in a form contained in compost together with anaerobic and aerobic microorganisms.
[0034]
The preparation of the composite microbial preparation is performed using a waste treatment apparatus as shown in FIG. The waste treatment equipment is composed of a single tank or a plurality of divided tanks, and continuously composts organic waste such as food waste that is regularly sent in by a composting method. . For the preparation of this complex microbial preparation, soil, bottom mud, compost, etc. contaminated with dioxins or soil, bottom mud, compost etc. not contaminated with dioxins are collected, and organic waste such as garbage is collected. What you are accustomed to can be used as an inoculum.
[0035]
During the composting process, the atmosphere in the waste treatment apparatus is alternately brought into an anaerobic state and an aerobic state to grow and activate both anaerobic microorganisms and aerobic microorganisms. In order to make it an anaerobic condition, deaeration may be performed, but an anaerobic state can be usually created by standing for a certain period of time. On the other hand, aerobic conditions can be created by operations such as stirring and aeration. Therefore, a processing environment in which the anaerobic condition and the aerobic condition are alternately repeated can be created by intermittently performing the operation for creating the aerobic condition. More specifically, for example, an environment in which anaerobic conditions and aerobic conditions are alternately repeated can be created by an operation of stirring for about 5 minutes per hour and allowing the remaining 55 minutes to stand.
[0036]
The timing of the anaerobic-aerobic cycle is preferably set as appropriate according to the method for adding organic waste. Hereinafter, there are two methods of adding organic waste: a method of adding organic waste every day (Method A) and a method of adding organic waste about every week (Method B). An example will be described. The former (Method A) is suitable for generating a large amount of compost, and the latter is suitable for generating a small amount of compost.
[0037]
<Method A>
(1) Once a day, 0.3 to 1.0 kg (wet weight after draining) of organic waste is charged per 10 kg of contents of the waste treatment apparatus.
(2) Immediately after the introduction of organic waste, perform mechanical stirring for 5 minutes and mix well with the contents.
(3) Thereafter, batch operation is performed in an anaerobic-aerobic cycle.
(4) In one cycle of anaerobic-aerobic, the ratio of anaerobic time / aerobic time is set to be between 12-60. That is, if the anaerobic time is 1 hour, the aerobic time is set between 1 and 5 minutes.
(5) One cycle of anaerobic time is 1 to 6 hours.
[0038]
<Method B>
(1) An organic waste of 1.0 kg (wet weight after draining) is charged per 10 kg of contents of the waste treatment apparatus every week.
(2) Immediately after the introduction of organic waste, perform mechanical stirring for 5 minutes and mix well with the contents.
(3) Thereafter, batch operation is performed in an anaerobic-aerobic cycle.
(4) In one cycle of anaerobic-aerobic, the ratio of anaerobic time / aerobic time is set to be between 12-60. That is, if the anaerobic time is 3 hours, the aerobic time is set between 3 and 15 minutes.
(5) One cycle of anaerobic time is 3 to 12 hours.
[0039]
In both cases A and B, the aerobic condition can be achieved by mechanical stirring. At this time, air can be blown simultaneously. Moreover, it is preferable to adjust so that a moisture content may be blown away by appropriately blowing warm air to maintain the moisture content. The water content of the mixture to be treated in the waste treatment apparatus is preferably set to be 30 to 60% by weight, and the optimum range is 35 to 45% by weight. Moreover, it is preferable to make it the temperature in a waste-treatment apparatus become 10-70 degreeC during a process, and the optimal range is 25-55 degreeC. Furthermore, the pH of the mixture to be treated by the waste treatment apparatus is preferably adjusted to be pH 6 to 9, and the optimum range is pH 7.5 to 8.5. In addition, while adding organic waste, although pH fall (about pH 6) is seen at the initial stage, it becomes stable between pH 7 and 9 as the number of days elapses. Therefore, although it is not necessary to adjust the pH in particular, if the pH changes beyond the range of pH 6-9, the pH can be appropriately adjusted with 6N-dilute sulfuric acid, 4N-caustic soda solution, or the like. Active growth and metabolic activity can be maintained by adjusting the water, temperature, and pH, which are basic conditions for microbial growth, to the above ranges.
[0040]
The treatment of organic waste such as garbage as described above has the effect of culturing and growing a large number of anaerobic and aerobic microorganisms that are seed bacteria. Can be dramatically increased. In addition, since the inoculum uses a complex microbial system in nature or contaminated soil, it is not driven out by indigenous bacteria in the soil.
[0041]
Further, composting in the waste treatment apparatus can be performed by adding food waste oil and / or surfactant as fats and oils. By adding fats and oils, a microbial preparation acclimated to oil can be obtained.
[0042]
In the process of FIG. 1, organic waste such as garbage introduced into the waste treatment apparatus is composted, and the resulting compost (composite microorganisms and organic matter composed of anaerobic bacteria, aerobic bacteria, etc.) Part) is made into a composite microbial preparation. The remaining compost can be effectively used in fields such as agriculture and horticulture.
[0043]
In the first process, the composite microbial preparation obtained as described above is sent to an environmental repair device. The environmental restoration device is constituted by a single tank or a plurality of divided tanks as in the waste treatment apparatus. In this environmental remediation apparatus, a complex microorganism preparation and a substance to be treated such as soil contaminated with dioxins are mixed. Here, the mixing ratio of the substance to be treated and the complex microbial preparation is preferably set to the ratio of the substance to be treated: the complex microbial preparation = 1: 1 to 1: 3, and the same amount of the substance to be treated and the complex microbial preparation. More preferably (eg contaminated soil: composite microbial formulation = 1: 1). Moreover, calcium carbonate containing wastes, such as eggshell as a suitable amount of neutralizing agents, can also be added as needed. Furthermore, it is also possible to add food waste oil and / or surfactant as fats and oils at this stage. As described above, when the complex microbial preparation acclimated to oil is used, the addition of fats and oils in the environmental restoration device becomes more effective. In this case, the addition of fats and oils may be about once a week at the start of the operation of the environmental repair device and during the subsequent operation period, and the amount added once may be about 200 to 300 ml / about 10 kg of contents. Is appropriate.
[0044]
In the environment restoration apparatus, it is also possible to appropriately mix the material to be treated and the composite microorganism preparation using wood chips or the like as a decomposition base material.
[0045]
Further, when the material to be treated is incinerated ash, it is alkaline in nature, so it is preferable to adjust the pH to 9 or less, preferably pH 7.5 to 8.5 before addition.
[0046]
During the treatment in the environmental repair device, anaerobic and aerobic microorganisms are allowed to act on the organochlorine compound while alternately repeating anaerobic conditions and aerobic conditions. In addition, it is preferable to add an appropriate amount of the composite microbial preparation, fats and oils to the mixture in the apparatus every predetermined time.
[0047]
The setting of the anaerobic condition and the aerobic condition in the processing by the environmental repair device can be performed in the same manner as the processing by the waste processing device. That is, the timing of the anaerobic-aerobic cycle in the environmental repair device is preferably set as appropriate according to the method of adding the composite microorganism preparation. For example, according to the case where the complex microorganism preparation is added and processed every day (see the above method A), the case where the complex microorganism preparation is added every other week (see the above method B), etc., the waste treatment An anaerobic-aerobic cycle can be set according to what is described for the device. Furthermore, the moisture content, pH, treatment temperature, etc. of the contents can be implemented in the same manner as in the waste treatment apparatus. By continuing the above operation until the concentration of the pollutant in the material to be treated is below the environmental standard, the organic chlorine compound can be decomposed and the material to be treated can be reliably purified.
[0048]
(2) Second process (second embodiment):
In the second process, anaerobic microorganisms, aerobic microorganisms, organic wastes, etc. are directly mixed with the material to be treated contaminated with organochlorine compounds, and the anaerobic conditions and aerobic conditions are alternately repeated. It is carried out by composting organic waste and decomposing it by causing anaerobic microorganisms and aerobic microorganisms to act on organochlorine compounds. This method is a method of composting organic waste and decomposing organochlorine compounds by anaerobic and aerobic microorganisms in parallel, and has the feature that the treatment time can be greatly shortened.
[0049]
FIG. 2 is a diagram showing an outline of the second process. Also in this embodiment, dioxin-contaminated soil, bottom mud, compost, etc. or soil, bottom mud, compost etc. not contaminated with dioxins are collected and used as inoculum by acclimatizing with organic waste such as garbage. be able to.
[0050]
In the second process, composting treatment of organic waste and decomposition of the organic chlorinated compound are simultaneously performed using a single environmental repair device.
First, a suitable amount of eggshell as a neutralizing agent added to a substance to be treated such as soil contaminated with dioxins, and an organic waste containing inoculum with fats and oils (food waste oil, etc.) and / or a surfactant. An appropriate amount is added and mixed into an environmental restoration device composed of a single tank or a plurality of divided tanks. Here, the mixing ratio of the substance to be treated and the organic waste containing microorganisms is preferably set to the ratio of the substance to be treated: organic waste containing microorganisms = 1: 1 to 1: 3. It is more preferable that the organic waste containing the substance and the microorganism is about the same amount (for example, contaminated soil: organic waste containing the microorganism = 1: 1).
[0051]
Moreover, when the to-be-processed substance is incineration ash, it is desirable to adjust to pH 9 or less before addition, Preferably it is pH 7.5-8.5. During processing in the environmental restoration apparatus, it is preferable to add an appropriate amount of organic waste, fats and oils to the mixture in the apparatus every predetermined time.
[0052]
The setting of anaerobic conditions and aerobic conditions in the treatment with the environmental repair device, the water content and pH of the contents, the treatment temperature, etc. can be carried out in the same manner as in the first process.
That is, in order to make an anaerobic condition, deaeration may be performed, but normally an anaerobic state can be created by standing for a certain period of time. On the other hand, aerobic conditions can be created by operations such as stirring and aeration. Therefore, a processing environment in which the anaerobic condition and the aerobic condition are alternately repeated can be created by intermittently performing the operation for creating the aerobic condition. More specifically, for example, an environment in which anaerobic conditions and aerobic conditions are alternately repeated can be created by an operation of stirring for about 5 minutes per hour and allowing the remaining 55 minutes to stand.
[0053]
In addition, the timing of the anaerobic-aerobic cycle in the environmental repair device is preferably set as appropriate according to the method for adding organic waste. For example, when organic waste is added and processed daily (see Method A of the first process), or when organic waste is added approximately every week (see Method B of the first process). ), An anaerobic-aerobic cycle can be set according to the contents described for the waste processing apparatus of the first process. In this case, the aerobic condition can be achieved by mechanical agitation, and air can be blown at the same time. Moreover, it is preferable to adjust so that a moisture content may be blown away by appropriately blowing warm air to maintain the moisture content. It is preferable to set the water content of the mixture to be treated in the environmental restoration device to be 30 to 60% by weight, and the optimum range is 35 to 45% by weight. Moreover, it is preferable to make it the temperature in an environmental repair apparatus become 10-70 degreeC during a process, and the optimal range is 25-55 degreeC.
[0054]
Furthermore, it is preferable to adjust the pH of the mixture to be treated with the environmental repair device to be pH 6 to 9, and the optimum range is pH 7.5 to 8.5. In addition, while adding organic waste, although pH fall (about pH 6) is seen at the initial stage, it becomes stable between pH 7 and 9 as the number of days elapses. Therefore, although it is not necessary to adjust the pH in particular, if the pH changes beyond the range of pH 6-9, the pH can be appropriately adjusted with 6N-dilute sulfuric acid, 4N-caustic soda solution, or the like. Active growth and metabolic activity can be maintained by adjusting the water, temperature, and pH, which are basic conditions for microbial growth, to the above ranges.
[0055]
As described above, both the anaerobic microorganisms and the aerobic microorganisms are proliferated and activated by maintaining the atmosphere in the environmental repair device alternately under anaerobic and aerobic conditions. In addition, since the inoculum uses a complex microbial system in nature or contaminated soil, it is not driven out by indigenous bacteria in the soil. Therefore, by repeating this operation alternately, dioxins having different chlorine numbers can be efficiently decomposed and dechlorinated.
[0056]
In the second process, organic waste such as garbage introduced into the environmental restoration apparatus can be composted while decomposing the organic chlorine compound. In addition, anaerobic and aerobic microorganisms, which are inoculums, can be cultured and grown in large quantities and maintained in an activated state. Therefore, by continuing the above operation until the concentration of the pollutant in the material to be treated is below the environmental standard, the material to be treated can be quickly and reliably purified.
[0057]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated in more detail, this invention is not restrict | limited at all by this.
Example 1
The incineration ash containing dioxins was processed by the following method, and the decomposition rate of dioxins was measured.
[0058]
<Processing device>
Household garbage processing machine "garbage nice" (trade name: manufactured by Sanyo Electric Co., Ltd.)
<Initial conditions>
1. Incinerated ash, acclimatized compost as a composite microbial preparation, and decomposition base (commercially available wood chips) are mixed 1: 1: 1 by weight (2 kg each).
2. Add tap water and 6N hydrochloric acid to adjust pH to 8.5 and water content to 35%.
3. Add 700g (wet weight) of garbage and start operation.
[0059]
<Operating conditions>
Driving conditions: The test was performed under aerobic / anaerobic (static) conditions by stirring for 5 minutes per hour and stopping for 55 minutes.
Temperature: Not controlled. During the treatment, most was in the range of 30-50 ° C.
Ventilation / exhaust: Conducted according to the mechanism of household garbage processing machines.
Garbage: 700g (wet weight) of university restaurant garbage was added once a day.
[0060]
<Analysis>
The details of the results are as shown in FIG. Contents were collected every 1 to 3 weeks, and dioxins were analyzed by the GC / MS method. As a result, the initial dioxin amount was 80,000 pg / g (800 pgTEQ / g), whereas the dioxin amount after 200 days could be reduced to 22,000 pg / g (230 pgTEQ / g) (decomposition). Rate: about 45%).
[0061]
Example 2
In Example 1, the driving conditions (anaerobic-aerobic time ratio) were changed, and the reduction rate (TEQ level) of dioxins after 3 months of operation was measured by the GC / MS method, and the reduction of dioxins (TEQ level) The effect of the anaerobic-aerobic time ratio on the effect was investigated. The results are shown in Table 1.
[0062]
[Table 1]
[0063]
Example 3
Using a complex microbial formulation that has been habituated to oil and a complex microbial formulation that has not been acclimated to oil, when oil and fat (tempura waste oil) is added at the start of operation and when not added, after two months of operation under the same conditions as in Example 1. The reduction rate (TEQ level) of dioxins was measured by the GC / MS method, and the effects of oil acclimatization and oil addition on the reduction of dioxins (TEQ level) were investigated. The amount of oil added was 200 to 300 ml / 10 kg (contents). The results are shown in Table 2.
[0064]
[Table 2]
[0065]
From the results in Table 2, it was revealed that the use of a complex microbial preparation acclimated to oil promotes the decomposition of dioxins and can improve the effect of adding fats and oils.
[0066]
Although the present invention has been described with reference to various embodiments, the present invention is not limited to the above-described embodiments, and can be applied to other embodiments within the scope of the invention described in the claims. Of course, it is a thing.
[0067]
【The invention's effect】
According to the present invention, while anaerobic conditions and aerobic conditions are alternately repeated, anaerobic and aerobic microorganisms are allowed to act on the material to be purified, thereby efficiently dechlorinating organochlorine compounds. It is possible to perform a decomposition process.
[0068]
Also, in the present invention, anaerobic and aerobic microorganisms are proliferated and actively metabolized throughout the treatment period, and the decomposition of organochlorine compounds such as dioxins can be promoted. Compared with the prior art, which can only obtain a practical effect, it is excellent in practicality.
[0069]
Furthermore, the purification method of the present invention can be operated at low cost because it uses the action of microorganisms, soil contaminated over a wide range at a relatively low concentration, incineration ash discharged from municipal incinerators, etc. This is a particularly suitable method for removing organochlorine compounds such as dioxins from a large amount of substances to be treated. Moreover, organic waste such as garbage that is discharged in large quantities at the same time as the removal of organic chlorine compounds can be treated and disposed of.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an outline of a first process.
FIG. 2 is a diagram showing an outline of a second process.
FIG. 3 is a graph showing the relationship between the removal and removal of dioxins and the treatment period.
Claims (6)
嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、有機塩素系化合物に嫌気性微生物および好気性微生物を作用させて分解処理する有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法であって、
前記好気的条件を作り出すための操作を間欠的に実施することによって、嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す処理環境を作り出し、嫌気−好気の1サイクルにおいて、嫌気時間/好気時間の比が12〜60の間になるように設定することを特徴とする、
有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法。Mixing anaerobic microorganisms and aerobic microorganisms to the treated material contaminated with organochlorine compounds,
A method for purifying a substance contaminated with an organochlorine compound, wherein anaerobic microorganisms and aerobic microorganisms are allowed to act on organochlorine compounds while alternately repeating anaerobic conditions and aerobic conditions ,
By performing the operation for creating the aerobic condition intermittently, a processing environment in which the anaerobic condition and the aerobic condition are alternately repeated is created, and in one cycle of anaerobic-aerobic, anaerobic time / aerobic The time ratio is set to be between 12 and 60 ,
A purification method for substances contaminated with organochlorine compounds.
少なくとも、嫌気性微生物と、好気性微生物と、有機性廃棄物由来の有機物とを含有する複合微生物製剤を混合し、
嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、有機塩素系化合物に嫌気性微生物および好気性微生物を作用させて分解処理する有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法であって、
前記好気的条件を作り出すための操作を間欠的に実施することによって、嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す処理環境を作り出し、嫌気−好気の1サイクルにおいて、嫌気時間/好気時間の比が12〜60の間になるように設定することを特徴とする、
有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法。To treated materials contaminated with organochlorine compounds,
Mix at least a complex microbial formulation containing anaerobic microorganisms, aerobic microorganisms and organic waste-derived organic matter,
A method for purifying a substance contaminated with an organochlorine compound, wherein anaerobic microorganisms and aerobic microorganisms are allowed to act on organochlorine compounds while alternately repeating anaerobic conditions and aerobic conditions ,
By performing the operation for creating the aerobic condition intermittently, a processing environment in which the anaerobic condition and the aerobic condition are alternately repeated is created, and in one cycle of anaerobic-aerobic, anaerobic time / aerobic The time ratio is set to be between 12 and 60 ,
A purification method for substances contaminated with organochlorine compounds.
有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法。The composite microorganism preparation according to claim 2, wherein the composite microorganism preparation is obtained by composting organic waste with anaerobic microorganisms and aerobic microorganisms while alternately repeating anaerobic conditions and aerobic conditions. To
A purification method for substances contaminated with organochlorine compounds.
嫌気性微生物、好気性微生物および有機性廃棄物を混合し、
嫌気的条件および好気的条件を交互に繰り返しながら、有機性廃棄物をコンポスト化するとともに、有機塩素系化合物に嫌気性微生物および好気性微生物を作用させて分解処理する有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法であって、
前記好気的条件を作り出すための操作を間欠的に実施することによって、嫌気的条件と好気的条件を交互に繰り返す処理環境を作り出し、嫌気−好気の1サイクルにおいて、嫌気時間/好気時間の比が12〜60の間になるように設定することを特徴とする、
有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法。To treated materials contaminated with organochlorine compounds,
Mix anaerobic microorganisms, aerobic microorganisms and organic waste,
While organic waste is composted while anaerobic and aerobic conditions are repeated alternately, it is contaminated with organochlorine compounds that are decomposed by the action of anaerobic and aerobic microorganisms on organochlorine compounds. A method for purifying
By performing the operation for creating the aerobic condition intermittently, a processing environment in which the anaerobic condition and the aerobic condition are alternately repeated is created, and in one cycle of anaerobic-aerobic, anaerobic time / aerobic The time ratio is set to be between 12 and 60 ,
A purification method for substances contaminated with organochlorine compounds.
有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法。The decomposition treatment according to any one of claims 1 to 4, wherein the decomposition treatment is performed in the presence of a neutralizing agent.
A purification method for substances contaminated with organochlorine compounds.
有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法。The decomposition treatment according to any one of claims 1 to 5, wherein the decomposition treatment is performed in the presence of fats and oils and / or a surfactant.
A purification method for substances contaminated with organochlorine compounds.
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