JP3840394B2 - Flow control valve - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷却水を循環させてエンジンを冷却する水冷式の冷却装置に使用され、冷却水の流量を制御するのに使用される流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のエンジンに設けられる水冷式の冷却装置は、一般には、エンジンの運転状態に拘わらず、冷却水をサーモスタットにより80℃程度の一定温度に調整するものが主流をなしていた。ところが、エンジンのフリクション低減、燃費の向上、ノッキング性能の向上及び冷却水温度の過上昇防止等を図るためには、エンジンの運転状態(負荷状態や回転速度等)に応じて冷却度合いを変えることが有効であることが確かめられてきた。そこで、エンジンの運転状態に応じて冷却度合いを制御するようにした水冷式の冷却装置が幾つか提案されている。
【0003】
この種の冷却装置として、例えば、特開平9−195768号公報に開示されたもの(第1従来例)がある。この冷却装置は、エンジンから流れ出てラジエータを介してウォータポンプへ戻る冷却水の流量(ラジエータ流量)を制御するための第1の弁体と、エンジンから流れ出てラジエータを介さずにウォータポンプへ戻る冷却水の流量(バイパス流量)を制御する第2の弁体と、第1及び第2の弁体を一体的に駆動する電磁アクチュエータとを含む流量制御弁を備えている。この流量制御弁の電磁アクチュエータは、電磁コイルに通電することにより、磁性材製のシャフトを吸引してスプリングのばね力に抗して下方へ変位させ、電磁コイルに対する通電を遮断することにより、シャフトをスプリングのばね力により上方へ変位させるものである。このシャフトの変位に伴い第1及び第2の弁体を一体的に駆動させるようになっている。
【0004】
一方、冷却装置には限らずエンジンの各部で使用される流量制御弁として、例えば、特開平8−4632号公報に開示されたもの(第2従来例)がある。この流量制御弁は、所定の流体流量を制御するバルブ(弁体)と、その弁体を閉方向へ付勢するスプリングとを備え、弁体を駆動するための電磁アクチュエータとしてステップモータが使用されている。この流量制御弁では、ステップモータのコイルが所定の推力を発生しなくなったときに、スプリングの付勢力とコイルの推力との併用により弁体の閉弁を可能にしている。
【0005】
従って、第1従来例と第2従来例の組み合わせにより、第1従来例の流量制御弁の電磁アクチュエータにステップモータを使用し、スプリングの付勢力とステップモータの推力との併用により第1及び第2の弁体の閉弁を可能にすることも考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記第1従来例と第2従来例との組み合わせによる流量制御弁では、ステップモータのコイル線に断線故障等が生じると、第1の弁体が閉弁されてしまい、開弁することができないことから、ラジエータ流量が不足する事態を招き、エンジンにオーバーヒートが生じるおそれがある。
【0007】
そこで、この発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、ラジエータ流量を制御する第1の弁体及び第1の弁座と、バイパス流量を制御する第2の弁体及び第2の弁座を備え、第1及び第2の弁体をステップモータにより一体的に駆動することを前提にして、ステップモータのコイル線に断線故障等が生じたときに、ラジエータ流量を最大にしてエンジンのオーバヒートを未然に防止することを可能にした流量制御弁を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、冷却水を循環させてエンジンを冷却する水冷式の冷却装置に使用され、エンジンから流れ出てラジエータを介してウォータポンプへ戻るラジエータ流量を制御するための第1の弁体及び第1の弁座と、エンジンから流れ出てラジエータを介さずにウォータポンプへ戻るバイパス流量を制御する第2の弁体及び第2の弁座と、第1及び第2の弁体を一体的に駆動するためのステップモータとを備えた流量制御弁において、第1の弁体を所定の付勢力で開弁方向へ付勢するためのバックスプリングを設け、ステップモータのトルクが低下したとき、バックスプリングの付勢力とステップモータの推力との併用により第1及び第2の弁体を一体的に駆動させて、第1の弁体で第1の弁座を開弁可能に、かつ第2の弁体で第2の弁座を閉弁可能にすることを趣旨とする。
【0009】
上記発明の構成によれば、ステップモータのコイル線に断線故障等が生じてステップモータのトルクが低下したとき、バックスプリングが第1の弁体で第1の弁座を開弁方向へ付勢することから、その付勢力がステップモータにも作用してステップモータにバックスプリングの付勢力と同一方向の推力が得られる。そして、バックスプリングの付勢力とステップモータの推力との併用により第1の弁体及び第2の弁体が一体的に駆動され、第1の弁体で第1の弁座が開弁され、かつ、第2の弁体で第2の弁座が閉弁されて、ラジエータ流量が確保される。
【0010】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、冷却水を循環させてエンジンを冷却する水冷式の冷却装置に使用され、エンジンから流れ出てラジエータを介してウォータポンプへ戻るラジエータ流量を制御するための第1の弁体及び第1の弁座と、エンジンから流れ出てラジエータを介さずにウォータポンプへ戻るバイパス流量を制御する第1の弁体、第2の弁体及び第2の弁座と、第1及び第2の弁体を一体的に駆動するためのステップモータとを備えた流量制御弁において、第1の弁体を所定の付勢力で開弁方向へ付勢するためのバックスプリングを設け、ステップモータのトルクが低下したとき、バックスプリングの付勢力とステップモータの推力との併用により第1及び第2の弁体を一体的に駆動させて、第1の弁体で第1の弁座を開弁可能に、かつ第1の弁体で第2の弁座を閉弁可能にすることを趣旨とする。
【0011】
上記発明の構成によれば、ステップモータのコイル線に断線故障等が生じてステップモータのトルクが低下したとき、バックスプリングが第1の弁体で第1の弁座を開く方向へ付勢することから、その付勢力がステップモータにも作用してステップモータにバックスプリングの付勢力と同一方向の推力が得られる。そして、バックスプリングの付勢力とステップモータの推力との併用により第1の弁体及び第2の弁体が一体的に駆動され、第1の弁体で第1の弁座が開弁され、かつ、第1の弁体で第2の弁座が閉弁されて、ラジエータ流量が確保される。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の流量制御弁を具体化した第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1には、本実施の形態の流量制御弁1の側面図を、図2には、同じく流量制御弁1の平面図を、図3には、図2のA−A線に沿った断面図をそれぞれ示す。
【0014】
この流量制御弁1は、車両用エンジンの冷却装置に組み込まれて、冷却水の流量を制御するために使用されるものである。図4には、冷却装置の概略構成図を示す。図4において、エンジン2には、ウォータジャケット等を含む冷却水通路3が設けられる。流量制御弁1の出口側は、ポンプ通路4を介してウォータポンプ(W/P)5に接続される。ウォータポンプ5は冷却水通路3の入口側に接続される。冷却水通路3の出口側は、ラジエータ通路6、バイパス通路7及びヒータ通路8にそれぞれ接続される。ラジエータ通路6は、ラジエータ9を介して流量制御弁1に接続される。バイパス通路7は、ラジエータ9を介さずに流量制御弁1に直接接続される。ヒータ通路8は、ヒータ10を介してポンプ通路4に接続される。
【0015】
従って、流量制御弁1が開いた状態で、エンジン2の運転に連動してウォータポンプ5が作動することにより、同ポンプ5から冷却水が吐出され、その冷却水が冷却水通路3へ流れる。そして、冷却水通路3の出口側から流れ出る冷却水の一部が、ラジエータ通路6及びラジエータ9を経由して流量制御弁1に流れる。又、冷却水通路3の出口側から流れ出る冷却水の一部は、バイパス通路7を経由して流量制御弁1に流れる。そして、ラジエータ通路6から流量制御弁1に流れるラジエータ流量と、バイパス通路7から流量制御弁1に流れるバイパス流量とが、共に流量制御弁1で調整され、ポンプ通路4を通じてウォータポンプ5へ送られて再び冷却水通路3へと吐出される。この冷却水の循環により、エンジン2が冷却される。一方、冷却水通路3の出口側から流れ出た冷却水の一部は、ヒータ通路8、ヒータ10及びポンプ通路4を経由してウォータポンプ5へ送られて再び冷却水通路3へと吐出される。この冷却水の循環に伴いヒータ−10が放熱によって機能する。
【0016】
図4に示すように、流量制御弁1は、エンジン2を制御するための電子制御装置(ECU)11に接続される。流量制御弁1は、エンジン2の運転状態に応じてエンジン2の冷却度合いを調整するために、このECU11により制御される。流量制御弁1の制御を実行するために、ECU11には、図示しない各種センサからエンジン回転速度、吸気圧、エンジン出口水温(冷却水通路3の出口における冷却水温)及びラジエータ出口水温(ラジエータ9の出口における冷却水温)等の信号が取り込まれる。ECU11は、これらの信号に基づき、エンジン2の運転状態に応じて流量制御弁1を制御することになる。
【0017】
図1に示すように、流量制御弁1は、エンジン2のブロックに形成されたサーモスタットハウジング21に組み付けられる。このハウジング21には、ウォータポンプ5に通じるポンプ通路4と、バイパス通路7が連通する。このハウジング21は、通常は、周知のサーモスタットが設けられるものであるが、ここでは、流量制御弁1を装着するために使用される。
【0018】
図1,2に示すように、流量制御弁1は、第1のボディ22と、第2のボディ23と、ステップモータ24との三つの部分で構成される。第1のボディ22と第2のボディ23は、ともにネジ25によりエンジン2に固定される。第1のボディ22とエンジン2との間には、シールリング26が設けられる。ステップモータ24は、ネジ27により第1のボディ22に固定される。第1のボディ22には、ラジエータ通路6に接続される継手管28が突設される。ステップモータ24と第1のボディ22との間には、開弁ステップ調整用のシム29が挟み込まれる。ステップモータ24には、配線用のコネクタ30が設けられる。
【0019】
流量制御弁1の断面構造を図3を参照して説明する。流量制御弁1は、エンジン2の冷却水通路3から流れ出てラジエータ通路6及びラジエータ9等を介してウォータポンプ5へ戻るラジエータ流量と、同じく冷却水通路3から流れ出てラジエータ9を介さずにウォータポンプ5へ戻るバイパス流量とを制御するものである。そのために、流量制御弁1は、ラジエータ流量を制御するための第1の弁体31及び第1の弁座35と、バイパス流量を制御するための第2の弁体32及び第2の弁座36とを備え、第1及び第2の弁体31,32をステップモータ24により一体的に駆動するように構成される。
【0020】
図3において、第2のボディ23は筒状をなし、その下部には、バイパス通路7に通じるバイパスポート33が設けられ、上部には、ポンプ通路4に通じるポンプポート34が設けられる。第2のボディ23には、ポンプポート34の上側及び下側に対応して上記した第1の弁座35と第2の弁座36が設けられる。第1の弁座35は、第1の弁体31に対応するものであり、第2の弁座36は、第2の弁体32に対応するものである。バイパスポート33は、第2の弁座36の弁孔36aを介してポンプポート34に連通可能である。第2のボディ23の下端には、バイパス通路7と、サーモスタットハウジング21との間をシールするシールリング37が設けられる。第1のボディ22は、隔壁38により上下の部屋39,40に区画される。下側の部屋40は、継手管28の内部のラジエータポート41に通じる。ラジエータポート41は、第1の弁座35の弁孔35aを介してポンプポート34に連通可能である。
【0021】
第1及び第2の弁体31,32は、一本の弁軸42上に固定される。この弁軸42は、隔壁38と第2のボディ23のボス部43に対し、軸受44,45を介してスラスト方向(図3における上下方向)へ移動可能に支持される。第1の弁体31は、弁軸42上に組み付けられる管状体をなし、上部に位置する計量部31aと、下部に位置する最大流量規制部31bとにより構成される。この計量部31aが第1の弁座35に整合するようになっている。第1の弁体31が弁軸42と一体に上下に移動することにより、同弁体31と第1の弁座35との隙間により定義されるラジエータ側開度が変えられる。図3には、ラジエータ側開度が全開となる状態が示される。この状態から、第1の弁体31が下方へ移動することにより、ラジエータ側開度が全開から全閉へ向かって小さくなる。第1の弁体31の下側に位置する第2の弁体32は、第1の弁体31の計量部31aとほぼ同径な筒状体をなし、その上下に位置する一対の計量部32a,32bと、中間に位置する最大流量規制部32cとにより構成される。これら上下の計量部32a,32bが第2の弁座36に整合するようになっている。この第2の弁体32が弁軸42及び第1の弁体31と一体に上下に移動することにより、同弁体32の両計量部32a,32bと、第2の弁座36との隙間により定義されるバイパス側開度が変えられる。図3には、下側の計量部32bにより第2の弁座36が閉じられた状態が示される。この状態から、第2の弁体32が下方へ移動することにより、下側の計量部32bが第2の弁座36から徐々に離れ、最大流量規制部32cを通過して上側の計量部32aが同弁座36に徐々に近付く。従って、バイパス側開度は、全閉状態から全開状態へ向かって開き再び全閉状態に戻ることになる。
【0022】
図3に示すように、第2の弁体32には、ボス部43との間にバックスプリング46が設けられる。このバックスプリング46は、第2の弁体32を第1の弁体31と共に所定の付勢力で押圧することにより、第1の弁体31を開弁方向へ付勢するためのものである。この実施の形態で、バックスプリング46の付勢力は、ステップモータ24の出力トルク(推力)との関係から最小限の大きさに設定される。
【0023】
この他、第1のボディ22と第2のボディ23との間は、Oリング47によりシールされる。第1のボディ22には、隔壁38と弁軸42との間をシールするためのシール部材48が設けられる。このシール部材48により、第1のボディ22の下側の部屋40を流れる冷却水が、ステップモータ24に通じる上側の部屋39に浸入しないようになっている。
【0024】
次に、ステップモータ24とそれに関連した構造について説明する。ステップモータ24は、2つのステータ51a,51bと、その内周に配置されたロータ52とを備える。ステータ51a,51bは、それぞれ上下から互い違いに形成された三角歯状のコア53と、そのコア53の内周に配置されたボビン54に巻かれた巻き方向の異なる2つのコイル55,55とを含む。2つのコイル55,55のうち、いずれに通電するかによってコア53の磁極の方向が変えられる。2つのステータ51a,51bは、そのコア53の位置をずらして重ねて固定される。
【0025】
このステップモータ24の等価回路を図5に示す。一方のステータ51aには、S2相及びS4相が設けられ、他方のステータ51bにはS1相及びS3相が設けられる。ここで、S2相とS3相が互いに同じ方向に巻かれ、S1相とS4相が互いに同じ方向に巻かれる。S1相〜S4相の端子と、コモン端子Bとは、コネクタ30の内部に設けられる。
【0026】
ここで、ロータ52は、マグネットにより構成され、マグネットの外周はN極とS極に交互に着磁されている。図3に示すように、ロータ52の中心には、中心軸56がロータ52と一体回転可能に設けられる。この中心軸56の下部外周には、雄ネジ56aが形成される。この中心軸56の下部には、ガイド57が装着される。ガイド57には、中心軸56の雄ネジ56aに噛み合う雌ネジ57aが形成される。このような構成により、ロータ52の回転が中心軸56を介してガイド57のスラスト方向の移動に変換されるようになっている。
【0027】
ガイド57は、ジョイント58を介して弁軸42に連結される。ガイド57とジョイント58との間には、リリーフスプリング59が設けられる。図6には、流量制御弁1からステップモータ24を取り外した状態を平面図に示す。ジョイント58の上端はコ字型の部分が向かい合った形状をなしている。このジョイント58に嵌め合わされるステップモータ24の端面側を、図7に示す。ステップモータ24のガイド57は、その下面が略長方形状をなす。このガイド57をジョイント58に対して切り欠きに合わせて重ね合わせ、リリーフスプリング59を押し縮めた状態でステップモータ24を全体的に回動させることにより、図8に示すように、ガイド57とジョイント58とが互いに嵌め合わされる。図8は、図3のB−B線に沿った断面図を示している。
【0028】
次に、ステップモータ24の動作について説明する。図9には、ステップモータ24の動作シーケンスを示し、その動作シーケンスに対応した各ステータ51a,51bの励磁状態と、ロータ52の位置との関係を図10(a)〜(d)に展開して模式的に示す。
【0029】
図9に示すように、励磁順▲1▼では、S1相とS2相がONされるので、図10(a)に示すように、ステータ51a,51bは互いに逆向きに励磁される。ここで、ロータ52のN極が最も近くにあるため、両ステータ51a,51bが共にS極となる位置に引き寄せられる。
【0030】
更に、励磁順▲2▼では、S2相とS3相がONされるので、図10(b)に示すように、ステータ51bの磁極が反転され、ロータ52が両ステータ51a,51bが共にS極となる位置に引き寄せられる。
【0031】
更に、励磁順▲3▼では、3相とS4相がONされるので、図10(c)に示すように、ステータ51aの磁極が反転され、ロータ52が両ステータ51a,51bが共にS極となる位置に引き寄せられる。
【0032】
更に、励磁順▲4▼では、S4相とS1相がONされるので、図10(d)に示すように、ステータ51bの磁極が反転され、ロータ52が両ステータ51a,51bが共にS極となる位置に引き寄せられる。
【0033】
そして、励磁順▲5▼では、S1相とS2相がONされるので、図10(a)に示すように、ステータ51aの磁極が反転され、ロータ52が両ステータ51a,51bが共にS極となる位置に引き寄せられる。
【0034】
従って、両ステータ51a,51bが、各励磁順▲1▼〜▲5▼の順あるいは励磁順▲5▼〜▲1▼の順に励磁されることにより、ロータ52がモータステップ数に対応した角度だけ正転あるいは逆転し、その回転が中心軸56、ガイド57及びジョイント58を介して弁軸42のスラスト方向の移動に変換される。ロータ52の回転方向及び回転角と、弁軸42の移動方向及び移動距離とは、1対1に対応するので、モータステップ数を制御することにより、第1及び第2の弁体31,32を一体的に移動させ、ラジエータ側開度及びバイパス側開度を変えることができる。ここでは、図9の励磁順▲1▼〜▲5▼の方向をモータステップ数の増加方向とし、これに応じてロータ52が正転するものとする。そして、モータステップ数の増加に従い弁軸42が上方向へ移動するので、第1の弁体31で第1の弁座35が開いてラジエータ側開度が増大すると共に、第2の弁体32で第2の弁座36が開閉されてバイパス側開度が増減する。又、図9の励磁順▲5▼〜▲1▼の方向をモータステップ数の減少方向とし、これに応じてロータ52が逆転する。そして、モータステップ数の減少に従い弁軸42が下方向へ移動するので、第1の弁体31で第1の弁座35が閉じてラジエータ側開度が減少すると共に、第2の弁体32で第2の弁座36が開閉されてバイパス側開度が増減する。
【0035】
図11に、この流量制御弁1の流量特性をグラフに示す。このグラフは、横軸にステップモータ24のモータステップ数を、縦軸に冷却水の流量をそれぞれ示す。このグラフからも明らかなように、ラジエータ流量は、モータステップ数が増大するにつれて徐々に増えるが、バイパス流量は、モータステップ数が増大するに連れてあるピークをもって増減することが分かる。
【0036】
ところで、このステップモータ24に断線等の異常が発生すると、ステータ51a,51bが適正に励磁されなくなり、ステップモータ24の出力トルクが低下する。例えば、S2相に断線が発生した場合、図10(a)(b)に示すように、励磁順▲1▼及び▲2▼で励磁される予定のS2相が通電されなくなり、ステータ51aが励磁されなくなる。このため、図12(a)に示すように、励磁順▲1▼では、ロータ52がステータ51bのS極の中央に引き寄せられる。次に、励磁順▲2▼では、ステータ51bの磁極が変化するが、ロータ52はその両側のS極から等距離の位置にあるので、左右どちらへも回転できる状態となる。
【0037】
このとき、バックスプリング46の付勢力が弁軸42を上方へ押圧するように働くので、ガイド57が上方へ押圧され、ガイド57と中心軸56との関係から、ロータ52には正転方向の回転力が与えられる。ここで、ステータ51bがロータ52を引き寄せる磁力は正転方向と逆転方向で均衡しているので、このわずかな回転力によって、ロータ52は、正転方向のS極へ引き寄せられることになる。この引き寄せ力は推力に相当する。すなわち、ステップモータ24の異常時には、バックスプリング46の付勢力と、その付勢力によってステップモータ24で発生する推力との協働により、ロータ52の回転が許容される。これにより、弁軸42と共に第1及び第2の弁体31,32が上方へ移動し、図11に示すようにラジエータ流量が最大となるまで、第1の弁体31で第1の弁座35が全開まで開かれる。
【0038】
以上説明したように、この実施の形態の流量制御弁1によれば、ステップモータ24のコイル55に断線故障等が生じてステップモータ24の出力トルクが低下したとき、バックスプリング46が第1の弁体31で第1の弁座35を全開方向へ付勢することから、その付勢力が弁軸42、ジョイント58及びガイド57を介してステップモータ24に作用する。そして、ステップモータ24のロータ52に正転方向の付勢力が与えられ、その付勢力と同一方向の推力がステップモータ24で得られる。そして、これらバックスプリング46の付勢力とステップモータ24の推力との併用により、第1弁体31及び第2弁体32が一体的に駆動され、第1の弁体31で第1の弁座35が開弁され、かつ、第2の弁体32で第2の弁座36が閉弁されて、ラジエータ流量が最大限に確保される。従って、ステップモータ24のコイル55に断線故障等が生じたときでも、ラジエータ流量を最大にすることができ、エンジン2を最大限に冷却することができ、これによってエンジン2のオーバヒートを未然に防止することができる。
【0039】
ところで、この流量制御弁1において、ステップモータ24が正常に機能する場合には、同モータ24を正転させる力により第1の弁体31で第1の弁座35を全開させる方向へ両弁体31,32を移動させることができる。従って、バックスプリング46に要求される付勢力は、両弁体31,32のがたつきを防止できる程度のものであればよく、かつ、ステップモータ24の異常時に、ステータ51a,51bの一方で発生する少ない磁力によりロータ52を正転方向へ回転させる契機となり得る大きさのものであればよいことになる。
【0040】
[第2の実施の形態]
次に、この発明の流量制御弁を具体化した第2の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の説明において、前記第1の実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略するものとする。
【0041】
図13に、本実施の形態の流量制御弁70の側面図を、図14に、同じく流量制御弁70の平面図を、図15に、図14のC−C線に沿った断面図を、図16に、図14のD−D線に沿った断面図をそれぞれ示す。
【0042】
この流量制御弁70は、流量制御弁1と同様に、図4に示す冷却装置で使用されるものである。第1の実施の形態の流量制御弁1は、エンジン2のブロックのサーモスタットハウジング21に組み込まれるものであったのに対し、本実施の形態の流量制御弁70は、サーモスタットハウジング21ではなくエンジン2のブロック等に対して外付けされるものである。
【0043】
図13,14に示すように、流量制御弁70は、第1のボディ71と、第2のボディ72と、ステップモータ24との三つの部分で構成される。第1のボディ71と第2のボディ72は、ネジ73により互いに連結される。ステップモータ24は、ネジ74により第1のボディ71に固定される。第1のボディ71には、バイパス通路7に接続される第1の継手管75と、ヒータ通路8に接続される第2の継手管76が突設される。又。第2のボディ72には、ラジエータ通路6に接続される第3の継手管77が突設される。第2のボディ72には、エンジン2のブロック等に外付けするためのネジ孔78が設けられる。
【0044】
流量制御弁70の断面構造を図15,16を参照して説明する。流量制御弁70は、ラジエータ通路6からのラジエータ流量を制御するための第1の弁体81及び第1の弁座86と、バイパス通路7からのバイパス流量を制御するための第1の弁体81、第2の弁体82及び第2の弁座88とを備え、第1及び第2の弁体81,82をステップモータ24により一体的に駆動するように構成される。
【0045】
図15に示すように、第2のボディ72の下部には、ラジエータ通路6に連通するラジエータポート83が設けられる。第2のボディ72の上部には、部屋84が設けられる。図16に示すように、第2のボディ72には、ポンプ通路4に通じるポンプポート85が設けられる。ポンプポート85は、部屋84に連通する。第2のボディ72において、ラジエータポート83と部屋84との間に、第1の弁体81に対応する第1の弁座86が設けられる。ラジエータポート83は、第1の弁座86の弁孔86aを通じて部屋84及びポンプポート85に連通可能である。第1のボディ71の下部には、第1の継手管75に連通する部屋87が設けられる。この部屋87の下端には、第2の弁体82に対応する第2の弁座88が設けられる。第2のボディ72の部屋84は、第2の弁座88の弁孔88aを介して第1のボディ71の部屋87及びポンプポート85に連通可能である。第1のボディ71は、隔壁38により下側の部屋87と、その上側の部屋39とに区画される。
【0046】
第1及び第2の弁体81,82を固定した弁軸42は、隔壁38と第2のボディ72のボス部43に対し、軸受44,45を介してスラスト方向(図15,16における上下方向)へ移動可能に支持される。第1の弁体81は、笠形状に形成される。その下部には最大流量規制部81aが形成される。この弁体81の下側が第1の弁座86に整合し、この弁体81の上側が第2の弁座88に整合するようになっている。第1の弁体81が弁軸42と一体に上下に移動することにより、同弁体81と第1の弁座86との隙間により定義されるラジエータ側開度が変えられる。図15,16には、ラジエータ側開度が全開となる状態が示される。この状態から、第1の弁体81が下方へ移動することにより、ラジエータ側開度が全開から全閉へ向かって小さくなる。第1の弁体81の上側に位置する第2の弁体82は、第1の弁体81とほぼ同径な笠形状をなし、その下面がテーパをなしている。その下部には最大流量規制部82aが形成される。この弁体82のテーパ面が第2の弁座88に整合するようになっている。この第2の弁体82が弁軸42及び第1の弁体81と一体に上下に移動することにより、両弁体81,82と、第2の弁座88との隙間により定義されるバイパス側開度が変えられる。図15,16には、第1の弁体81により第2の弁座88が閉じられた状態が示される。この状態から、両弁体81,82が下方へ移動することにより、第1の弁体81が第2の弁座88から徐々に離れ、その一方で、第2の弁体82が同弁座88に徐々に近付く。従って、バイパス側開度は、全閉状態から全開状態へ開き再び全閉状態に戻ることになる。図17に、この流量制御弁70の流量特性をグラフに示す。
【0047】
図15,16に示すように、第1の弁体81には、ボス部43との間にバックスプリング46が設けられる。このバックスプリング46は、第1の弁体81を第2の弁体82と共に所定の付勢力で押圧することにより、第1の弁体81で第1の弁座86を開弁方向へ付勢するためのものである。この実施の形態でも、バックスプリング46の付勢力は、ステップモータ24の持つ推力との関係から最小限の大きさに設定される。
【0048】
尚、第1のボディ71の上側の部屋39に収容されるジョイント58と弁軸42との関係、ジョイント58とその上のガイド57等との関係、並びにステップモータ24の構造は、第1の実施の形態の流量制御弁1と同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0049】
この実施の形態の流量制御弁70においても、ステップモータ24に断線等の異常が発生すると、ステータ51a,51bが適正に励磁されなくなって駆動トルクが低下して、冷却水の流量を適正に制御ができなくなる。バックスプリング46の付勢力が弁軸42を上方へ押圧するように常に作用しており、ガイド57が上方へ押圧され、ガイド57と中心軸56を介してロータ52に正転方向の回転力が加わる。ここで、この回転力により、ステップモータ24にこの回転力と同一方向の推力が発生し、バックスプリング46の付勢力と、ECU11がステップモータ24の断線を検出したときのステップモータ24の第1の弁体81の全開方向への推力との協働により、ロータ52の回転が許容となる。これにより、弁軸42と共に第1及び第2の弁体81,82が上方へ容易に移動し、図17に示すようにラジエータ流量が最大となるまで、ECU11が駆動信号を発して第1の弁体81を全開にする。
【0050】
以上説明したように、この実施の形態の流量制御弁70によっても、第1の実施の形態の流量制御弁1と同様、ステップモータ24のコイル55に断線故障等が生じてステップモータ24の出力トルクが低下すると、バックスプリング46が第1弁体81を全開方向へ付勢し、その付勢力によりステップモータ24に全開方向の推力が得られる。そして、これらバックスプリング46の付勢力とステップモータ24の低下した推力との併用により、第1及び第2の弁体81,82が一体的に駆動され、第1の弁体81で第1の弁座86が開弁され、かつ、第1の弁体81で第2の弁座88が閉弁されて、ラジエータ流量が最大限に確保される。このため、ステップモータ24のコイル55に断線故障等が生じたときでも、ラジエータ流量を最大にすることができ、エンジン2を最大限に冷却することができ、これによってエンジン2のオーバヒートを未然に防止することができる。
【0051】
尚、この発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で、構成の一部を適宜に変更して実施することもできる。
【0052】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の構成によれば、第1の弁体を所定の付勢力で開弁方向へ付勢するためのバックスプリングを設け、ステップモータのトルクが低下したとき、バックスプリングの付勢力とステップモータの推力との併用により第1及び第2の弁体を一体的に駆動させて、第1の弁体で第1の弁座を開弁可能に、かつ第2の弁体で第2の弁座を閉弁可能にしているので、ステップモータに断線故障等が生じたときでも、ラジエータ流量を最大にすることができ、エンジンを最大限に冷却することができ、これによってエンジンのオーバヒートを未然に防止することができる。
【0053】
請求項2に記載の発明の構成によれば、第1の弁体を所定の付勢力で開弁方向へ付勢するためのバックスプリングを設け、ステップモータのトルクが低下したとき、バックスプリングの付勢力とステップモータの推力との併用により第1及び第2の弁体を一体的に駆動させて、第1の弁体で第1の弁座を開弁可能に、かつ第1の弁体で第2の弁座を閉弁可能にしているので、ステップモータに断線故障等が生じたときでも、ラジエータ流量を最大にすることができ、エンジンを最大限に冷却することができ、これによってエンジンのオーバヒートを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係り、流量制御弁を示す側面図である。
【図2】流量制御弁を示す平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】エンジン冷却装置を示す概略構成図である。
【図5】ステップモータの等価回路図である。
【図6】ステップモータを取り外した状態の流量制御弁を示す平面図である。
【図7】ステップモータの底面図である。
【図8】図3のB−B線断面図である。
【図9】ステップモータの動作シーケンスを示す説明図である。
【図10】(a)〜(d)は、ステップモータの動作を示す説明図である。
【図11】流量制御弁の流量特性図である。
【図12】(a),(b)は、ステップモータの異常時の動作を示す説明図である。
【図13】第2の実施の形態に係り、流量制御弁を示す側面図である。
【図14】流量制御弁を示す平面図である。
【図15】図14のC−C線断面図である。
【図16】図14のD−D線断面図である。
【図17】流量制御弁の流量特性図である。
【符号の説明】
1 流量制御弁
2 エンジン
5 ウォータポンプ
9 ラジエータ
24 ステップモータ
31 第1弁体
32 第2弁体
35 第1の弁座
36 第2の弁座
46 バックスプリング
70 流量制御弁
81 第1弁体
82 第2弁体
86 第1の弁座
88 第2の弁座[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a flow rate control valve that is used in a water-cooled cooling device that circulates cooling water to cool an engine and that is used to control the flow rate of cooling water.
[0002]
[Prior art]
In general, a water-cooling type cooling device provided in a conventional engine has been mainly used in which cooling water is adjusted to a constant temperature of about 80 ° C. by a thermostat regardless of the operating state of the engine. However, in order to reduce engine friction, improve fuel efficiency, improve knocking performance, and prevent an excessive increase in cooling water temperature, the degree of cooling must be changed according to the engine operating conditions (load condition, rotation speed, etc.). Has been confirmed to be effective. In view of this, several water-cooled cooling devices have been proposed in which the degree of cooling is controlled in accordance with the operating state of the engine.
[0003]
As this type of cooling device, for example, there is one (first conventional example) disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 9-195768. This cooling device flows out of the engine, returns to the water pump via the radiator, and returns to the water pump without going through the radiator and the first valve body for controlling the flow rate of cooling water (radiator flow rate). A flow control valve including a second valve body that controls the flow rate of the coolant (bypass flow rate) and an electromagnetic actuator that integrally drives the first and second valve bodies is provided. The electromagnetic actuator of this flow control valve is designed to attract the shaft made of a magnetic material by energizing the electromagnetic coil and displace it downward against the spring force of the spring. Is displaced upward by the spring force of the spring. The first and second valve bodies are integrally driven with the displacement of the shaft.
[0004]
On the other hand, as a flow control valve used in each part of the engine, not limited to the cooling device, for example, there is one disclosed in JP-A-8-4632 (second conventional example). This flow control valve includes a valve (valve element) that controls a predetermined fluid flow rate and a spring that biases the valve element in a closing direction, and a step motor is used as an electromagnetic actuator for driving the valve element. ing. In this flow control valve, when the coil of the step motor no longer generates a predetermined thrust, the valve body can be closed by using both the biasing force of the spring and the thrust of the coil.
[0005]
Therefore, by combining the first conventional example and the second conventional example, a step motor is used for the electromagnetic actuator of the flow control valve of the first conventional example, and the first and second are combined by using the spring biasing force and the step motor thrust. It is also conceivable that the second valve element can be closed.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the flow control valve according to the combination of the first conventional example and the second conventional example, when a disconnection failure or the like occurs in the coil wire of the step motor, the first valve body is closed and opened. Since it cannot be performed, a situation in which the flow rate of the radiator is insufficient may be caused and the engine may be overheated.
[0007]
Accordingly, the present invention has been made in view of the above circumstances, and its object is to provide a first valve body and a first valve seat for controlling the radiator flow rate, and a second valve body for controlling the bypass flow rate. And the second valve seat, and assuming that the first and second valve bodies are integrally driven by the step motor, the flow rate of the radiator is reduced when a disconnection failure occurs in the coil wire of the step motor. An object of the present invention is to provide a flow control valve that can prevent engine overheating in the maximum.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention according to
[0009]
According to the configuration of the above invention, when the disconnection failure or the like occurs in the coil wire of the step motor and the torque of the step motor decreases, the back spring biases the first valve seat in the valve opening direction with the first valve body. Therefore, the urging force also acts on the step motor, and a thrust in the same direction as the urging force of the back spring is obtained in the step motor. The first valve body and the second valve body are integrally driven by the combined use of the urging force of the back spring and the thrust of the step motor, and the first valve seat is opened by the first valve body, In addition, the second valve seat is closed by the second valve body, and the radiator flow rate is ensured.
[0010]
In order to achieve the above object, the invention according to
[0011]
According to the configuration of the above invention, when a disconnection failure or the like occurs in the coil wire of the step motor and the torque of the step motor decreases, the back spring biases the first valve body in the direction of opening the first valve seat. Therefore, the urging force also acts on the step motor, and a thrust in the same direction as the urging force of the back spring is obtained in the step motor. The first valve body and the second valve body are integrally driven by the combined use of the urging force of the back spring and the thrust of the step motor, and the first valve seat is opened by the first valve body, In addition, the second valve seat is closed by the first valve body, and the radiator flow rate is ensured.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[First Embodiment]
Hereinafter, a first embodiment of the flow control valve of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0013]
1 is a side view of the
[0014]
This
[0015]
Accordingly, when the
[0016]
As shown in FIG. 4, the
[0017]
As shown in FIG. 1, the
[0018]
As shown in FIGS. 1 and 2, the
[0019]
A cross-sectional structure of the
[0020]
In FIG. 3, the
[0021]
The first and
[0022]
As shown in FIG. 3, a
[0023]
In addition, the space between the
[0024]
Next, the
[0025]
An equivalent circuit of the
[0026]
Here, the
[0027]
The
[0028]
Next, the operation of the
[0029]
As shown in FIG. 9, in the excitation order {circle around (1)}, the S1 phase and the S2 phase are turned on, so that the
[0030]
Further, in the excitation order {circle around (2)}, the S2 phase and the S3 phase are turned on, so that the magnetic pole of the
[0031]
Further, in the excitation order {circle over (3)}, the third phase and the S4 phase are turned on. Therefore, as shown in FIG. 10C, the magnetic pole of the
[0032]
Further, in the excitation order {circle around (4)}, the S4 phase and the S1 phase are turned on, so that the magnetic pole of the
[0033]
In the excitation order (5), the S1 phase and the S2 phase are turned on, so that the magnetic pole of the
[0034]
Therefore, when both the
[0035]
FIG. 11 is a graph showing the flow characteristics of the
[0036]
By the way, when an abnormality such as disconnection occurs in the
[0037]
At this time, since the urging force of the
[0038]
As described above, according to the
[0039]
By the way, in this
[0040]
[Second Embodiment]
Next, a second embodiment of the flow control valve according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In the following description, the same components as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted.
[0041]
FIG. 13 is a side view of the
[0042]
The flow
[0043]
As shown in FIGS. 13 and 14, the
[0044]
A cross-sectional structure of the
[0045]
As shown in FIG. 15, a
[0046]
The
[0047]
As shown in FIGS. 15 and 16, a
[0048]
The relationship between the joint 58 accommodated in the
[0049]
Also in the
[0050]
As described above, the
[0051]
Note that the present invention is not limited to the above-described embodiments, and a part of the configuration can be changed as appropriate without departing from the spirit of the invention.
[0052]
【The invention's effect】
According to the configuration of the first aspect of the present invention, the back spring for biasing the first valve body in the valve opening direction with the predetermined biasing force is provided, and when the torque of the step motor decreases, The first and second valve bodies are integrally driven by the combined use of the urging force and the thrust of the step motor so that the first valve seat can be opened by the first valve body, and the second valve body Since the second valve seat can be closed, the flow rate of the radiator can be maximized even when a disconnection failure or the like occurs in the step motor, and the engine can be cooled to the maximum. Engine overheating can be prevented in advance.
[0053]
According to the second aspect of the present invention, the back spring is provided for urging the first valve body in the valve opening direction with a predetermined urging force. The first and second valve bodies can be integrally driven by the combined use of the urging force and the thrust of the step motor so that the first valve seat can be opened, and the first valve body Since the second valve seat can be closed, the flow rate of the radiator can be maximized even when a disconnection failure or the like occurs in the step motor, and the engine can be cooled to the maximum. Engine overheating can be prevented in advance.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing a flow control valve according to a first embodiment.
FIG. 2 is a plan view showing a flow control valve.
FIG. 3 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 4 is a schematic configuration diagram showing an engine cooling device.
FIG. 5 is an equivalent circuit diagram of a step motor.
FIG. 6 is a plan view showing the flow control valve with the step motor removed.
FIG. 7 is a bottom view of the step motor.
8 is a cross-sectional view taken along line BB in FIG.
FIG. 9 is an explanatory diagram showing an operation sequence of a step motor.
FIGS. 10A to 10D are explanatory views showing the operation of the step motor. FIGS.
FIG. 11 is a flow characteristic diagram of the flow control valve.
FIGS. 12A and 12B are explanatory diagrams showing an operation when the step motor is abnormal. FIGS.
FIG. 13 is a side view showing a flow control valve according to the second embodiment.
FIG. 14 is a plan view showing a flow control valve.
15 is a cross-sectional view taken along line CC in FIG.
16 is a cross-sectional view taken along the line DD of FIG.
FIG. 17 is a flow characteristic diagram of the flow control valve.
[Explanation of symbols]
1 Flow control valve
2 Engine
5 Water pump
9 Radiator
24 step motor
31 1st valve body
32 Second valve body
35 First valve seat
36 Second valve seat
46 Backspring
70 Flow control valve
81 1st valve body
82 Second valve body
86 First valve seat
88 Second valve seat
Claims (2)
を備えた流量制御弁において、
前記第1の弁体を所定の付勢力で開弁方向へ付勢するためのバックスプリングと、前記ステップモータのロータと、前記ロータと一体回転可能に設けられた回転軸に螺合されたガイド部材とを備え、
前記第1及び第2の弁体が、前記バックスプリングと前記ガイド部材との間に位置し、
前記ステップモータのトルクが低下したとき、前記バックスプリングが、前記第2の弁体を閉弁方向に、前記第1の弁体を開弁方向に付勢すると共に、前記ガイド部材をスラスト方向に付勢することにより、前記バックスプリングの付勢力と前記ステップモータの推力との併用により前記第1及び第2の弁体を一体的に駆動させて、前記第1の弁体で前記第1の弁座を開弁可能に、かつ前記第2の弁体で前記第2の弁座を閉弁可能にすることを特徴とする流量制御弁。A first valve body and a first valve seat that are used in a water-cooled cooling device that circulates cooling water to cool an engine and that control the flow rate of the radiator that flows out of the engine and returns to the water pump via the radiator And a second valve body and a second valve seat for controlling a bypass flow rate that flows out of the engine and returns to the water pump without passing through the radiator, and the first and second valve bodies are integrally driven. In a flow control valve provided with a step motor for
A back spring for urging the first valve body in a valve opening direction with a predetermined urging force, a rotor of the step motor, and a guide screwed to a rotation shaft provided so as to be integrally rotatable with the rotor. With members,
The first and second valve bodies are located between the back spring and the guide member;
When the torque of the step motor decreases, the back spring urges the second valve body in the valve closing direction, the first valve body in the valve opening direction, and the guide member in the thrust direction. by urging, said by combination with the urging force of the back spring and the thrust of the step motor integrally so driving the first and second valve body, the first in the first valve body A flow control valve characterized in that the valve seat can be opened and the second valve seat can be closed by the second valve body.
を備えた流量制御弁において、
前記第1の弁体を所定の付勢力で開弁方向へ付勢するためのバックスプリングを設け、前記ステップモータのトルクが低下したとき、前記バックスプリングの付勢力と前記ステップモータの推力との併用により前記第1及び第2の弁体を一体的に駆動させて、前記第1の弁体で前記第1の弁座を開弁可能に、かつ前記第1の弁体で前記第2の弁座を閉弁可能にすることを特徴とする流量制御弁。A first valve body and a first valve seat that are used in a water-cooled cooling device that circulates cooling water to cool an engine and that control the flow rate of the radiator that flows out of the engine and returns to the water pump via the radiator And the first valve body, the second valve body and the second valve seat for controlling the bypass flow rate flowing out of the engine and returning to the water pump without passing through the radiator, and the first and second valve seats. In a flow control valve having a step motor for driving the valve body integrally,
A back spring for urging the first valve body with a predetermined urging force in a valve opening direction is provided, and when the torque of the step motor decreases, the urging force of the back spring and the thrust of the step motor The first and second valve bodies are integrally driven by the combined use so that the first valve body can be opened by the first valve body, and the second valve body can be opened by the first valve body. A flow control valve characterized in that the valve seat can be closed.
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