JP3840056B2

JP3840056B2 - Slurry for polishing

Info

Publication number: JP3840056B2
Application number: JP2001037641A
Authority: JP
Inventors: 佐藤　　誠
Original assignee: Noritake Co Ltd
Current assignee: Noritake Co Ltd
Priority date: 2001-02-14
Filing date: 2001-02-14
Publication date: 2006-11-01
Anticipated expiration: 2021-02-14
Also published as: JP2002241741A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、砥粒が分散させられ、研磨加工に際してワークが摺接させられる研磨盤の上に供給される研磨加工用スラリーに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
たとえば砥粒などの研磨剤を含む研磨加工用スラリーが供給された研磨盤或いはラップ盤の上面にワークを摺接させることによりそのワークの一面に研磨加工を施す遊離砥粒を用いた研磨加工が知られている。たとえば、所謂ラッピング加工、ポッリシング加工などと称されるものがそれである。このような遊離砥粒型の研磨加工では、それに用いられる研磨加工用スラリーに含まれる砥粒がワークと研磨盤との間に介在することにより研磨が進行させられる。
【０００３】
ところで、上記のような研磨加工に際しては、上記スラリー中に混入される研磨剤すなわち砥粒の大きさ（粒径）によってワークに対する研磨面粗さと研磨加工能率とが決定されるという性質がある。たとえば、砥粒の粒径が大きくなると研磨面が粗くなるが研磨加工能率が高められ、砥粒の粒径が小さくなると研磨面の表面粗さが細かくなり研磨加工能率が低くなるという傾向がある。このため、ワークの研磨面の表面粗さを細かくすると同時に研磨能率を向上させるために、スラリー中に含まれる砥粒の粒径を小さくしつつその砥粒の割合を高めることが提案されている。
【０００４】
しかしながら、上記従来の研磨加工用スラリーによれば、若干の研磨加工能率の向上が見られるが、実際の研磨加工においてはスラリー中の砥粒の一部しかそれらワークと研磨盤との間において研磨に関与することができず、他の多くの砥粒は研磨加工に関与できないまま排出されてしまうので、比較的高価な砥粒の混入率増加に見合った研磨加工能率の向上が得られず、また、廃液などの廃棄物が大幅に増加するという不都合があった。
【０００５】
これに対し、本出願人は、分散媒に溶解し且つ析出した状態の界面活性剤を上記研磨加工用スラリーに添加してその界面活性剤を砥粒間の隙間に介在する隙間剤として機能させて砥粒を分散させることにより、比較的細かい研磨剤或いは少量の研磨剤を用いても加工能率が高くし、被加工物の高品位な表面性状と加工能率とが両立できるようにした研磨加工用スラリーを提案した。特願平１１−２１４７７６号（未公開）の明細書に記載された発明がそれである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の研磨加工用スラリーにおいては、スラリーを連続供給する一方で使用済の排出されたスラリーを廃棄する非循環方式の研磨装置で研磨を行う場合には、大変良好な性能を発揮することができる。しかしながら、経済性と廃棄物処理の点からスラリー循環方式の研磨装置で研磨を行う場合には、スラリーの流動性が不十分であることからスラリー循環経路内で詰まりが発生し易くなるという不都合が発生する。また、スラリーの流動性を高めるために上記隙間剤を少なくすると、数時間で隙間剤と研磨剤（砥粒）とが分離或いは分層するので、研磨性能が低下してしまうという問題があった。
【０００７】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、研磨加工において研磨面の表面粗さを細かくすると同時に研磨能率を向上させることができ、しかも流動性が高く循環経路内で詰まりの発生しない研磨加工用スラリーを提供することにある。
【０００８】
本発明者等は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、研磨盤とそれに向かって押圧されるワークとの間に砥粒が容易に入り込むことができるように、そのスラリー中に析出させた脂肪酸塩などのような研磨の邪魔をしない（自由に変形する）隙間剤を上記スラリー中に砥粒と砥粒との間に介在させてその砥粒を積極的に分散させるようにした研磨加工用スラリーに対して、上記脂肪酸塩よりも分子量の大きい脂肪酸を混入すると、研磨加工用スラリーの研磨性能が損なわれることなく隙間剤と研磨砥粒との分離が防止され、循環型研磨装置において循環経路の詰まりが好適に防止されることを見いだした。この添加された脂肪酸は上記隙間剤同士の間隔を保つ緩衝剤として機能するものと考えられる。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
【０００９】
【課題を解決するための第１の手段】
すなわち、第１発明の要旨とするところは、分散媒中に砥粒が分散させられて研磨加工のために研磨盤上に供給される研磨加工用スラリーであって、前記分散媒に析出した状態の親水基を持った脂肪酸塩と、その分散媒に析出した状態の親水基と疎水基とを持つ脂肪酸とを含む研磨加工用ルブリカントに、前記砥粒が分散させられ、その脂肪酸は、Ｃ１８〜Ｃ３０の範囲の炭素数を備えたことにある。
【００１０】
【課題を解決するための第２の手段】
また、第２発明の要旨とするところは、分散媒中に砥粒が分散させられて研磨加工のために研磨盤上に供給される研磨加工用スラリーのためのルブリカントであって、前記分散媒に析出した状態の親水基を持った脂肪酸塩と、その分散媒に析出し状態の親水基と疎水基とを持つ脂肪酸とを含み、その脂肪酸は、Ｃ１８〜Ｃ３０の範囲の炭素数を備えたことにある。
【００１１】
【第１発明および第２発明の効果】
このようにすれば、研磨加工用スラリー或いはその研磨加工用スラリーから研磨剤（砥粒）を除いたルブリカントに含まれている、分散媒に析出した状態の親水基を持った脂肪酸塩は、スラリー中の砥粒と砥粒との間に介在してその砥粒を積極的に分散させ且つ自由に変形して研磨加工の邪魔をしない隙間剤として機能するので、相対移動させられる研磨盤とそれに向かって押圧されるワークとの間に砥粒が容易に入り込むことができるようになり、研磨加工において表面粗さの細かな高品位の研磨面が得られると同時に研磨能率を向上させることができる。同時に、上記研磨加工用スラリー或いはその研磨加工用スラリー内のルブリカントに含まれている、分散媒に析出した状態の親水基と疎水基とを持つ脂肪酸は、上記の隙間剤同士の間隔を保つ緩衝剤として機能するので、隙間剤の動きが滑らかとなって隙間剤と研磨砥粒との分離が防止され、研磨加工用スラリーの研磨性能が損なわれることなく循環型研磨装置において循環経路の詰まりが好適に防止される。
【００１２】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記分散媒は、水、或いはアルカノールアミンなどのような水溶性アミンすなわちアミン水溶液である。このようにすれば、油性の研磨加工用スラリーに比較して取扱いが容易となり、作業環境が向上する。
【００１３】
また、好適には、上記分散媒に溶解し且つ析出した状態の親水基を持った濃度転移型液晶（Lyotropic Lquid Crystal ）は、砥粒間に介在してその砥粒を分散させる隙間剤として機能するものであり、Ｃ６〜Ｃ３０の範囲の炭素数を備えた水和性の脂肪酸塩である。このようにすれば、脂肪酸塩が分散媒に容易に溶解して析出粒子が得られる。
【００１４】
また、好適には、前記親水基と疎水基とを持つ物質は、隙間剤として機能する上記脂肪酸塩同士の間隔を保つ緩衝剤として機能するものであり、Ｃ１０〜Ｃ３０の範囲の炭素数を備えて飽和濃度以上に溶解させられて析出させられた脂肪酸である。このようにすれば、脂肪酸が分散媒に容易に溶解して析出粒子が得られる。この脂肪酸は、上記脂肪酸塩よりも分子量の大きい高分子であることが望ましい。
【００１５】
また、好適には、前記研磨加工用スラリーのルブリカントは、研磨装置のスラリー循環経路を通って還流させられるスラリーの流通が泡により阻害されることを防止するためにその泡の発生を抑制する機能を備えた消泡剤を含むものであり、その消泡剤はＣ１〜Ｃ２２の範囲の炭素数を備えた極性有機物である。この極性有機物としては、アルコールに限られないが、たとえばＣ１８のオレイルアルコールなどのように、炭素数がＣ６以上の中級アルコール或いは高級アルコールが好適に用いられる。
【００１６】
また、好適には、前記研磨加工用スラリーのルブリカントは、０〜３０重量％のアミン水溶液と、飽和量〜飽和量＋２０重量％の脂肪酸と、飽和量〜飽和量＋２０重量％の脂肪酸塩と、０．００１〜１０重量％の極性有機物と、残部の水とを含むものである。さらに好適には、上記研磨加工用ルブリカントは、０．１〜３重量％のアミン水溶液と、飽和量〜飽和量＋５重量％の脂肪酸と、飽和量〜飽和量＋５重量％の脂肪酸塩と、０．１〜２重量％の極性有機物と、残部の水とを含むものである。このようにすれば、研磨加工用スラリー中の砥粒の凝集も少なく、研磨加工時の研磨盤上でも砥粒の保持性も良く、研磨加工用スラリーの流動性も良好であり、貯留タンクなどでの分層も発生し難いため、砥粒が有効に作用できる。上記アミン水溶液は、３０重量％を越えると強度のアルカリ性となって作業性が低下するので、３０重量％以下さらに３重量％以下が望ましい。また、ルブリカントの安定性を高めるために０．１重量％以上が望ましい。上記脂肪酸は、飽和量を下まわると析出が得られなくなり、飽和量＋２０重量％を越えると白濁して水和状態になり難く或いは一度に水に溶解し難くなってスラリーの流動性が損なわれるので、飽和量＋２０重量％以下とくに飽和量＋５重量％以下が望ましい。上記脂肪酸塩は、同様に、飽和量を下まわると析出が得られなくなり、飽和量＋２０重量％を越えるとルプリカントの流動性が損なわれるので、飽和量＋２０重量％以下とくに飽和量＋５重量％以下が望ましい。上記極性有機物は、０．１重量％特に０．００１重量％を下回ると消泡作用が十分に得られ難くなり、２重量％特に１０重量％を越えると分離が発生する。
【００１７】
また、好適には、前記研磨加工用スラリーは、前記のルブリカントに０．０１〜５０重量％の砥粒が混合されたものである。砥粒の混合率が０．０１重量％を下まわると研磨能率が十分に得られなくなり、５０重量％を越えるとスラリーの流動性が十分に得られなくなる。
【００１８】
また、好適には、前記砥粒は、３０μｍ以下の平均粒径を備えたものである。このようにすれば、ワークの研磨面の表面粗さが好適に得られる。
【００１９】
また、好適には、前記研磨加工用スラリーは、７．５〜１２の水素イオン濃度（ｐＨ）を有するものである。このようにすれば、界面活性剤すなわち前記脂肪酸または脂肪酸塩が化学的に安定し、水和状態が長期間にわたって好適に保持されるので、砥粒の分散状態も比較的均質に保持される。上記水素イオン濃度が７．５を下まわると、脂肪酸或いは脂肪酸塩、特にステアリン酸ナトリウム（Ｃ₁₇Ｈ₃₅−ＣＯＯＮａ）が水和状態になり難くなり、例えば酸化セリウム等の研磨剤がごつごつとした固まりの状態となって砥粒が好適に分散されないと同時に、研磨装置の各部に錆が発生する。また、上記水素イオン濃度が１２を上まわると、手荒れ等をおこすため素手で扱い難くなり、またスラリ─の供給・排出用の樹脂配管等を傷める。
【００２０】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【００２１】
図１は本発明の一実施例の研磨加工用スラリー１０が適用されるスラリー循環型の研磨装置１２の構成を概略説明する図である。この研磨装置１２は、垂直軸まわりに回転駆動される比較的軟質のポリシングパッド或いはラップ盤などの研磨盤１４と、その研磨盤１４の上面である研磨面（ラップ面）１６に摺接状態で押圧される状態でワーク（被研磨材）１８を自転可能に保持する図示しないワークホルダと、上記研磨盤１４から落下する研磨加工用スラリー１０を受ける受カバー２０と、その受カバー２０により受けられた研磨加工用スラリー１０を再び研磨盤１６上に供給するスラリー供給装置２２とを備えている。このスラリー供給装置２２は、上記受カバー２０に第１管路２４を介して接続された攪拌機２６を有する貯留タンク２８と、その第１管路２４に設けられて受カバー２０に受けられた研磨加工用スラリー１０を貯留タンク２８へ送給するポンプ３０と、貯留タンク２６内の研磨加工用スラリー１０を上記研磨盤１４の研磨面１６に供給する第２管路３２とを備え、一旦使用された研磨加工用スラリー１０を再び研磨盤１４の研磨面１６に循環させることにより繰り返し研磨加工に使用できるようにして、廃棄物処理の問題を逓減し且つ経済性を高めている。
【００２２】
上記の研磨加工用スラリー１０は、たとえば図２の模式図に示すように、水或いはアミン水溶液すなわち０〜３０重量％のアミン水溶液から成る分散媒３６に溶解飽和値以上に溶解されて析出させられた状態の親水基を持った濃度転移型液晶から成る隙間剤３８と、その分散媒３６に溶解飽和値以上に溶解させられて析出させられた状態の親水基および疎水基を持つ物質から構成される緩衝剤４０と、消泡剤と、残部の水とが混合されたルブリカント４２に対して、好適には平均粒径が３０μｍ程度以下の比較的細かな砥粒４４が分散させられることにより構成されている。図２の隙間剤３８および緩衝剤４０は析出粒子を示している。
【００２３】
上記砥粒４４は、たとえば酸化セリウム、シリカ（ＳｉＯ₂ ）、酸化マンガン（ＭｎＯ₂ 、Ｍ₂ ｎＯ₃ 、Ｍｎ₃ Ｏ₄ など）、アルミナ質（Ａｌ₂ Ｏ₃ ）砥粒、炭化珪素質（ＳｉＣ）砥粒などの一般砥粒、或いはダイヤモンド砥粒やＣＢＮ砥粒などの超砥粒から構成され、スラリー１０に対して０．０１〜５０重量％の割合で混入されている。この砥粒４４の混入割合が０．０１重量％を下まわると研磨能率が十分に得られ難くなり、５０重量％を越えると流動性の低いペースト状となってしまうおそれがあるからである。
【００２４】
また、上記濃度転移型液晶から成る隙間剤３８は、砥粒４４間に介在して隙間を形成することによりその砥粒４４を分散させる機能するものであり、Ｃ６〜Ｃ３０の範囲の炭素数を備えた水和性の脂肪酸塩、たとえばＲ−ＣＯＯＮａ、Ｒ−ＣＯＯＫ、Ｒ−ＣＯＯＮＨ₃ などの化学式で代表される、親水基−ＣＯＯＮａ、−ＣＯＯＫ、−ＣＯＯＮＨ₃ 、および疎水基（親油基）Ｒ−（Ｃ_n Ｈ_2n+1−）を各々備えた物質であり、ルブリカント４２に対して飽和量〜飽和量＋２０重量％、好適には飽和量〜飽和量＋５重量％の割合で混入されている。上記脂肪酸塩の割合が飽和量を下まわるとその析出粒子が得られなくなり、５重量％特に２０重量％を越えると水和状態になり難く或いは一度に溶解し難くなる。また、上記脂肪酸塩において、炭素数がＣ６を下まわると析出が困難となるので、砥粒と砥粒との間に介在してその砥粒を積極的に分散させ且つ自由に変形して研磨加工の邪魔をしない隙間剤としての機能が不十分となるとともに、炭素数がＣ３０を上まわると自然界或いは産業界で存在しない物質となって入手が困難となり高価となるので、Ｃ６乃至Ｃ３０の炭素数範囲内のものが好適に用いられる。
【００２５】
また、上記親水基および疎水基を持つ物質から構成される緩衝剤４０は、上記隙間剤（脂肪酸塩）３８と砥粒４４との分離或いは分層を防止するためにその隙間剤３８同士の間隔を保つ緩衝剤として機能するものであり、Ｃ１０〜Ｃ３０の範囲の炭素数を備えて飽和濃度以上に溶解させられて析出させられた脂肪酸から構成されるものであり、ルブリカント４２に対して飽和量〜飽和量＋２０重量％、好適には飽和量〜飽和量＋５重量％の割合で混入されている。上記脂肪酸の割合が飽和量を下まわるとその析出粒子が得られなくなり、５重量％特に２０重量％を越えると水和状態になり難く或いは一度に溶解し難くなる。この脂肪酸は、たとえば−ＣＯＯ^- などの親水基とたとえばＣ_n Ｈ_2n+1−などの疎水基（親油基）とを備えた物質たとえば界面活性剤であり、上記隙間剤３８よりも分子量の大きい高分子であることが望ましい。この緩衝剤（脂肪酸）４０において、炭素数がＣ１０を下まわると析出が困難となるので、上記隙間剤３８の間に介在してその隙間剤３８と砥粒４４との分離を防止する緩衝剤としての機能が不十分となる。また、炭素数がＣ３０を上まわると自然界或いは産業界で存在しない物質となって入手が困難となり、高価となる。
【００２６】
また、前記研磨加工用スラリー１０のルブリカント４２に含まれる消泡剤は、前記第１管路２４、貯留タンク２８、第２管路３２、受けカバー２０からなるスラリー循環経路を経るスラリー１０の還流が泡の発生により阻害されることを防止するためにその泡の発生を抑制する機能を備えている。この消泡剤はＣ１〜Ｃ２２の範囲の炭素数を備えた極性有機物である。この極性有機物としては、シリコーン系なども使用可能であるためアルコール系に限られないが、アルカリ性が強い場合は分解などが発生して効果が長続きしない。また、Ｃ５以下の炭素数の低級アルコールでも消泡効果は高いが効果が長続きしない。このため、たとえばＣ１８のオレイルアルコールなどのように、炭素数がＣ６以上の中級アルコール或いは高級アルコールが好適に用いられる。
【００２７】
また、前記研磨加工用スラリー１０は、それに含まれる脂肪酸或いは脂肪酸塩の水和状態を好適に保持するために、７．５〜１２、好適には７．５〜１１の水素イオン濃度（ｐＨ）の範囲を有するものとなるようにｐＨ調整されている。上記水素イオン濃度が７．５を下まわると、脂肪酸或いは脂肪酸塩、特にステアリン酸ナトリウム（Ｃ₁₇Ｈ₃₅−ＣＯＯＮａ）が水和状態になり難くなり、ごつごつとした固まりの状態となって砥粒４４が好適に分散されないと同時に、研磨装置の各部に錆が発生する。また、上記水素イオン濃度が１１、特に１２を上まわると、手荒れ等をおこすため素手で扱い難くなり、またスラリ─の供給・排出用の樹脂配管等を傷める。
【００２８】
上述のように、研磨加工用スラリー１０或いはそれに含まれるルブリカント４２には、水或いはアミン水溶液などの分散媒３６に溶解し且つ析出した状態の隙間剤（脂肪酸塩から成る濃度転移型液晶）３８および緩衝剤（脂肪酸）４０が含まれることから、分散媒３６中に析出した粒状の隙間剤３８が砥粒４４の間に介在することによってその砥粒４４が積極的に分散させられ、同様に分散媒３６中に析出した粒状の緩衝剤４０が隙間剤３８同士の間隔を保持してその動きを滑らかとすることにより隙間剤３８と砥粒４４との分離を抑制するため、たとえば前記研磨装置１２の研磨加工に２時間使用した場合でも、図３に示すように、隙間剤３８が砥粒４４の間に介在した状態が保持され、且つ隙間剤３８と砥粒４４との分離が発生しないので、研磨加工においてワーク２２の研磨面２４の表面粗さを細かくすると同時に研磨能率を向上させることができる。また、上記緩衝剤（脂肪酸）４０により隙間剤３８の動きが滑らかとされるので、研磨性能が損なわれることなく第１管路２４、貯留タンク２８、第２管路３２、受けカバー２０からなるスラリー循環経路の詰まりが好適に防止される。
【００２９】
因みに、図４および図５は、上記図２および図３に相当するものであって、分散媒３６内に析出した粒状の緩衝剤（脂肪酸）４０を含まない場合のスラリー５０の構成を模式的に示す図である。当初は図４に示すように均一に分散させられていたが、たとえば前記研磨装置１２の研磨加工に２時間使用した場合では、図５に示すように、隙間剤３８と砥粒４４との分離が発生し、スラリー５０の流動性が不十分となってそのスラリー５０の循環経路内で詰まりが発生し易くなるとともに、スラリー５０の流動性を高めるために上記隙間剤３８を少なくすると、数時間で隙間剤３８と砥粒（研磨剤）４４とが分離或いは分層するので、研磨性能が低下するのである。
【００３０】
以下、本発明者が行った実験例を説明する。この実験では、表１に示す各スラリーの研磨性能が以下に示す実験条件下で研磨した場合の加工レート（単位時間あたりの研磨量）の比の値すなわち寸法レートおよびその経時的変化を対比することにより評価されている。表１に示すように、この実験例では、研磨剤のみのスラリー、緩衝剤４０を含まない従来のスラリー、本発明が適用されたスラリー１およびスラリー２が用いられている。図６は、それらスラリーの加工レートの比の経時的変化が示されている。図６において、×印は研磨剤のみのスラリーを、◇印は緩衝剤４０を含まない従来のスラリー（従来品）を、□印はスラリー１を、△印はスラリー２をそれぞれ示している。
【００３１】
（表１）
含有物質 (W ％ ) 研磨剤のみのスラリー従来品スラリー１スラリー２
研磨材（酸化セリウム）２０．０２０．０２０．０２０．０
水８０．０７７．０７６．２７６．２
アルカノールアミン１．０１．０１．０
ステアリン酸Ｎａ（Ｃ１８）２．０１．６１．６
ステアリン酸（Ｃ１８）０．８
ベヘン酸（Ｃ２２）０．８
オレイルアルコール０．４０．４
【００３２】
研磨条件
被研磨材（ワーク）の材質：強化ガラスディスク基板
ワーク回転速度：４５ｒｐｍ
ポリシングパッド：発泡ウレタン系樹脂
ポリシングパッド回転速度：４５ｒｐｍ
研磨荷重：１００ｇｆ／ｃｍ²
【００３３】
図６から明らかなように、研磨剤のみのスラリーは加工レートが低いのに対し、緩衝剤４０を含まない従来のスラリーはその研磨剤のみのスラリーよりも加工レートが大幅に高くなるが、加工時間の経過とともに急速に低下する。これに対し、スラリー１および２は、研磨剤のみのスラリーよりも加工レートが大幅に高く、しかも加工時間の経過とともに低下する割合が大幅に小さい。
【００３４】
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の研磨加工用スラリーが用いられる研磨盤の構成を概略説明する斜視図である。
【図２】図１の研磨加工用スラリーの構成を模式的に説明する図である。
【図３】図１の研磨加工用スラリーが研磨加工に所定時間用いられた後の構成を模式的に説明する図である。
【図４】緩衝剤が含まれない他は図１の研磨加工用スラリーと同様のスラリーの構成を模式的に説明する図である。
【図５】図４の研磨加工用スラリーが研磨加工に所定時間用いられた後の構成を模式的に説明する図である。
【図６】図１の研磨加工用スラリーの研磨性能を評価するために、その研磨加工用スラリーの加工レートの比の経時変化を、研磨剤のみのスラリーおよび図４のスラリーと比較して示す図である。
【符号の説明】
１０：研磨加工用スラリー
１８：ワーク（被研磨材）
３６：分散媒
３８：隙間剤（分散媒に溶解し且つ析出した状態の親水基を持った濃度転移型液晶）
４０：緩衝剤（分散媒に溶解し且つ析出した状態の親水基と疎水基とを持つ物質）
４２：ルブリカント
４４：砥粒[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polishing slurry supplied on a polishing disk in which abrasive grains are dispersed and a workpiece is brought into sliding contact with the polishing process.
[0002]
[Prior art]
For example, a polishing process using a free abrasive grain that performs polishing on one surface of a work by sliding the work on the upper surface of a polishing machine or lapping machine supplied with a polishing slurry containing an abrasive such as abrasive grains. Are known. For example, what is called a lapping process or a polishing process is used. In such a free-abrasive type polishing process, polishing proceeds by the abrasive grains contained in the polishing slurry used therein being interposed between the workpiece and the polishing board.
[0003]
By the way, in the polishing process as described above, there is a property that the polishing surface roughness and the polishing processing efficiency with respect to the workpiece are determined by the size of the abrasive, that is, the abrasive grains mixed in the slurry. For example, when the grain size of the abrasive grains increases, the polishing surface becomes rough, but the polishing efficiency increases. When the grain diameter of the abrasive grains decreases, the surface roughness of the polishing surface becomes finer and the polishing efficiency tends to decrease. . For this reason, in order to make the surface roughness of the polishing surface of the workpiece finer and at the same time improve the polishing efficiency, it has been proposed to increase the proportion of the abrasive grains while reducing the grain size of the abrasive grains contained in the slurry. .
[0004]
However, according to the conventional slurry for polishing, the polishing efficiency is slightly improved. However, in actual polishing, only a part of the abrasive grains in the slurry is polished between the workpiece and the polishing disk. Since many other abrasive grains are discharged without being able to participate in the polishing process, the improvement of the polishing process efficiency corresponding to the increase in the mixing rate of relatively expensive abrasive grains cannot be obtained, In addition, there is a disadvantage that waste such as waste liquid increases significantly.
[0005]
On the other hand, the applicant added a surfactant dissolved and precipitated in the dispersion medium to the polishing slurry, and caused the surfactant to function as a gap agent interposed in the gap between the abrasive grains. By dispersing the abrasive grains, the processing efficiency is increased even when a relatively fine abrasive or a small amount of abrasive is used, and the high-quality surface properties of the workpiece and the processing efficiency are compatible. A slurry was proposed. This is the invention described in the specification of Japanese Patent Application No. 11-214776 (unpublished).
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the above-mentioned slurry for polishing processing, when polishing is performed with a non-circulating polishing apparatus that continuously supplies the slurry and discards the used discharged slurry, it exhibits very good performance. Can do. However, when polishing is performed with a slurry circulation type polishing apparatus from the viewpoint of economy and waste disposal, there is a disadvantage that clogging is likely to occur in the slurry circulation path because the fluidity of the slurry is insufficient. appear. Further, if the gap agent is decreased in order to increase the fluidity of the slurry, the gap agent and the abrasive (abrasive grains) are separated or separated in a few hours, so that there is a problem that the polishing performance is lowered. .
[0007]
The present invention has been made against the background of the above circumstances, and the object of the present invention is to reduce the surface roughness of the polished surface in the polishing process and simultaneously improve the polishing efficiency, and also has high fluidity. An object of the present invention is to provide a polishing slurry that does not clog in the circulation path.
[0008]
As a result of repeated studies on the background of the above circumstances, the present inventors have precipitated in the slurry so that the abrasive grains can easily enter between the polishing disk and the workpiece pressed toward it. A gap agent such as a fatty acid salt that does not interfere with polishing (freely deformed) is interposed between the abrasive grains in the slurry so as to actively disperse the abrasive grains. When a fatty acid having a molecular weight higher than that of the fatty acid salt is mixed into the polishing slurry, separation of the gap agent and the abrasive grains is prevented without impairing the polishing performance of the polishing slurry, and a circulation type polishing apparatus It was found that clogging of the circulation path is suitably prevented. The added fatty acid is considered to function as a buffering agent that keeps the gap between the gap agents. The present invention has been made based on such findings.
[0009]
[First Means for Solving the Problems]
That is, the gist of the first invention is a slurry for polishing processing in which abrasive grains are dispersed in a dispersion medium and supplied onto a polishing disk for polishing processing, and is deposited on the dispersion medium The abrasive grains are dispersed in a polishing lubricant containing a fatty acid salt having a hydrophilic group and a fatty acid having a hydrophilic group and a hydrophobic group precipitated in the dispersion medium, and the fatty acid is C18- It has a carbon number in the range of C30.
[0010]
[Second means for solving the problem]
Further, it is an gist of the second invention, a Lubricant for polishing slurry abrasive grains in a dispersion medium is supplied to the polishing surface plate for polishing are dispersed, the dispersion medium A fatty acid salt having a hydrophilic group in a state of being precipitated and a fatty acid having a hydrophilic group and a hydrophobic group in a state of being precipitated in the dispersion medium, the fatty acid having a carbon number in the range of C18 to C30. There is.
[0011]
[Effects of the first invention and the second invention]
In this case, the fatty acid salt having a hydrophilic group precipitated in the dispersion medium contained in the polishing slurry or the lubricant obtained by removing the polishing agent (abrasive grains) from the polishing slurry is a slurry. Since it functions as a gap agent that intervenes between the abrasive grains in the middle and actively disperses the abrasive grains and freely deforms and does not interfere with the polishing process, Abrasive grains can easily enter between the workpiece and the workpiece pressed toward the workpiece, and a high-quality polished surface with fine surface roughness can be obtained in the polishing process, and at the same time the polishing efficiency can be improved. . At the same time, the fatty acid having a hydrophilic group and a hydrophobic group precipitated in the dispersion medium contained in the polishing slurry or a lubricant in the polishing slurry is a buffer that keeps the gap between the gap agents. Since it functions as an agent, the movement of the gap agent is smoothed to prevent separation between the gap agent and the abrasive grains, and the circulation path is clogged in the circulation type polishing apparatus without impairing the polishing performance of the polishing slurry. It is preferably prevented.
[0012]
Other aspects of the invention
Here, preferably, the dispersion medium is water or a water-soluble amine such as alkanolamine, that is, an aqueous amine solution. If it does in this way, it will become easy to handle compared with oily slurry for polishing, and the working environment will be improved.
[0013]
Preferably, the liquid crystal having a hydrophilic group dissolved and precipitated in the dispersion medium functions as a gap agent that is interposed between the abrasive grains and disperses the abrasive grains. It is a hydratable fatty acid salt having a carbon number in the range of C6 to C30. In this way, the fatty acid salt is easily dissolved in the dispersion medium to obtain precipitated particles.
[0014]
Preferably, the substance having a hydrophilic group and a hydrophobic group functions as a buffer that keeps the space between the fatty acid salts functioning as a gap agent, and has a carbon number in the range of C10 to C30. The fatty acid is dissolved and precipitated to a saturated concentration or higher. If it does in this way, a fatty acid will melt | dissolve in a dispersion medium easily and precipitation particle | grains will be obtained. The fatty acid is desirably a polymer having a molecular weight larger than that of the fatty acid salt.
[0015]
Preferably, the polishing slurry lubrication has a function of suppressing the generation of bubbles in order to prevent the flow of the slurry refluxed through the slurry circulation path of the polishing apparatus from being obstructed by the bubbles. The antifoaming agent is a polar organic substance having a carbon number in the range of C1 to C22. The polar organic substance is not limited to alcohol, but, for example, a middle alcohol or higher alcohol having a carbon number of C6 or more, such as C18 oleyl alcohol, is preferably used.
[0016]
Preferably, the lubrication slurry of the polishing slurry is a 0-30 wt% amine aqueous solution, a saturated amount-saturated amount + 20 wt% fatty acid, a saturated amount-saturated amount + 20 wt% fatty acid salt, It contains 0.001 to 10% by weight of a polar organic substance and the remaining water. More preferably, the lubricant for polishing is composed of 0.1 to 3% by weight aqueous amine solution, saturated to saturated + 5% by weight fatty acid, saturated to saturated + 5% by weight fatty acid salt, .1 to 2% by weight of a polar organic substance and the balance water. In this way, there is little agglomeration of abrasive grains in the polishing slurry, good retention of the abrasive grains on the polishing machine during polishing, and good fluidity of the polishing slurry, such as a storage tank Therefore, the abrasive grains can work effectively. If the aqueous amine solution exceeds 30% by weight, the alkalinity becomes strong and the workability decreases, so 30% by weight or less and further 3% by weight or less are desirable. Further, 0.1% by weight or more is desirable in order to increase the stability of the lubricant. When the above fatty acid falls below the saturation amount, no precipitation can be obtained, and when the saturation amount exceeds + 20% by weight, it becomes cloudy and hardly becomes hydrated or hardly dissolves in water at one time, and the fluidity of the slurry is impaired. Therefore, the saturation amount + 20% by weight or less, particularly the saturation amount + 5% by weight or less is desirable. Similarly, when the fatty acid salt falls below the saturation amount, no precipitation can be obtained, and when the saturation amount exceeds + 20% by weight, the fluidity of the ruplicant is impaired, so the saturation amount + 20% by weight or less, particularly the saturation amount + 5% by weight or less. Is desirable. When the above polar organic substance is less than 0.1% by weight, particularly 0.001% by weight, it is difficult to obtain a sufficient defoaming action, and when it exceeds 2% by weight, particularly 10% by weight, separation occurs.
[0017]
Preferably, the polishing slurry is a slurry in which 0.01 to 50% by weight of abrasive grains is mixed with the lubricant. When the mixing ratio of the abrasive grains is less than 0.01% by weight, the polishing efficiency cannot be sufficiently obtained, and when it exceeds 50% by weight, the fluidity of the slurry cannot be sufficiently obtained.
[0018]
Preferably, the abrasive grains have an average particle diameter of 30 μm or less. In this way, the surface roughness of the polished surface of the workpiece can be suitably obtained.
[0019]
Preferably, the polishing slurry has a hydrogen ion concentration (pH) of 7.5 to 12. In this way, the surfactant, that is, the fatty acid or fatty acid salt is chemically stable and the hydration state is suitably maintained over a long period of time, so that the dispersed state of the abrasive grains is also maintained relatively homogeneous. When the hydrogen ion concentration is less than 7.5, fatty acids or fatty acid salts, particularly sodium stearate (C ₁₇ H ₃₅ -COONa) are difficult to be hydrated. For example, a polishing agent such as cerium oxide is rugged. At the same time that the abrasive grains are not properly dispersed in a solid state, rust is generated in each part of the polishing apparatus. Further, if the hydrogen ion concentration exceeds 12, it becomes difficult to handle with bare hands because it causes rough hands and damages the resin piping for supplying and discharging the slurry.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0021]
FIG. 1 is a diagram schematically illustrating the configuration of a slurry circulation type polishing apparatus 12 to which a polishing slurry 10 according to an embodiment of the present invention is applied. The polishing apparatus 12 is in sliding contact with a polishing disk 14 such as a relatively soft polishing pad or lapping machine that is driven to rotate about a vertical axis, and a polishing surface (lapping surface) 16 that is the upper surface of the polishing disk 14. A workpiece holder (not shown) that holds the workpiece (abrasive material) 18 so as to be capable of rotating in a pressed state, a receiving cover 20 that receives the polishing slurry 10 falling from the polishing plate 14, and the receiving cover 20. And a slurry supply device 22 for supplying the polishing slurry 10 onto the polishing plate 16 again. The slurry supply device 22 includes a storage tank 28 having a stirrer 26 connected to the receiving cover 20 via a first pipe 24, and a polishing provided in the first pipe 24 and received by the receiving cover 20. A pump 30 for feeding the processing slurry 10 to the storage tank 28 and a second pipe 32 for supplying the polishing slurry 10 in the storage tank 26 to the polishing surface 16 of the polishing board 14 are used once. Further, the polishing slurry 10 is again circulated to the polishing surface 16 of the polishing disk 14 so that it can be repeatedly used for polishing, thereby reducing the problem of waste disposal and improving the economy.
[0022]
For example, as shown in the schematic diagram of FIG. 2, the polishing slurry 10 is dissolved in a dispersion medium 36 composed of water or an aqueous amine solution, that is, an aqueous amine solution of 0 to 30% by weight, so as to be dissolved and precipitated. A gap agent 38 composed of a concentration transition type liquid crystal having a hydrophilic group in a fresh state, and a substance having a hydrophilic group and a hydrophobic group in a state of being dissolved and precipitated in the dispersion medium 36 to a value equal to or higher than a dissolution saturation value. A relatively fine abrasive grain 44 having an average particle diameter of about 30 μm or less is preferably dispersed in a lubricant 42 in which a buffer 40, an antifoaming agent, and the remaining water are mixed. Has been. The gap agent 38 and the buffer 40 in FIG. 2 indicate precipitated particles.
[0023]
The abrasive grains 44 are, for example, cerium oxide, silica (SiO ₂ ), manganese oxide (MnO ₂ , M ₂ nO ₃ , Mn ₃ O _4, etc.), alumina (Al ₂ O ₃ ) abrasive grains, silicon carbide (SiC) ) It is composed of general abrasive grains such as abrasive grains, or superabrasive grains such as diamond abrasive grains and CBN abrasive grains, and is mixed in a proportion of 0.01 to 50% by weight with respect to the slurry 10. This is because if the mixing ratio of the abrasive grains 44 is less than 0.01% by weight, it is difficult to obtain a sufficient polishing efficiency, and if it exceeds 50% by weight, a paste with low fluidity may be formed.
[0024]
Further, the gap agent 38 made of the above-mentioned concentration transition type liquid crystal functions to disperse the abrasive grains 44 by forming gaps interposed between the abrasive grains 44, and has a carbon number in the range of C6 to C30. Hydrating fatty acid salts provided, for example, hydrophilic groups —COONa, —COOK, —COONH ₃ , and hydrophobic groups (lipophilic groups) represented by chemical formulas such as R-COONa, R-COOK, and R-COONH ₃ _{_{R- (C n H 2n + 1}} -) are each provided with a material, the saturation amount to a saturated amount +20 wt% relative Lubricant 42, preferably are mixed in a ratio of saturating amounts to a saturated amount +5 wt% Yes. When the proportion of the fatty acid salt falls below the saturation amount, the precipitated particles cannot be obtained, and when it exceeds 5% by weight, particularly 20% by weight, it becomes difficult to become hydrated or dissolve at once. In the fatty acid salt, since precipitation becomes difficult when the number of carbon atoms falls below C6, the abrasive grains are interposed between the abrasive grains and actively dispersed and freely deformed and polished. Since the function as a gap agent that does not interfere with processing becomes insufficient, and if the number of carbons exceeds C30, it becomes a substance that does not exist in nature or industry, making it difficult to obtain and expensive, so C6 to C30 carbon Those within a few ranges are preferably used.
[0025]
Further, the buffer 40 composed of the substance having the hydrophilic group and the hydrophobic group has a gap between the gap agents 38 in order to prevent separation or layering of the gap agent (fatty acid salt) 38 and the abrasive grains 44. Is composed of fatty acids having a carbon number in the range of C10 to C30 and dissolved and precipitated to a saturation concentration or higher, and a saturated amount relative to the lubricant 42 ˜saturation amount + 20% by weight, preferably saturation amount−saturation amount + 5% by weight. When the fatty acid ratio falls below the saturation amount, the precipitated particles cannot be obtained, and when it exceeds 5% by weight, particularly 20% by weight, it becomes difficult to become hydrated or dissolve at once. The fatty acids, for example, -COO ^- hydrophilic group and for example C _n H _{2n + 1,} such as - a substance such as surfactants comprising a hydrophobic group (lipophilic group), such as, the molecular weight than the gap agent 38 A large polymer is desirable. In this buffer (fatty acid) 40, if the carbon number falls below C10, precipitation becomes difficult. Therefore, a buffer that is interposed between the gaps 38 and prevents separation between the gaps 38 and the abrasive grains 44. The function as is insufficient. Further, if the number of carbon atoms exceeds C30, it becomes a substance that does not exist in the natural world or industry, making it difficult to obtain and expensive.
[0026]
Further, the antifoaming agent contained in the lubricant 42 of the polishing slurry 10 is circulated through the slurry circulation path including the first conduit 24, the storage tank 28, the second conduit 32, and the receiving cover 20. Has a function of suppressing the generation of bubbles in order to prevent the bubbles from being inhibited by the generation of bubbles. This antifoaming agent is a polar organic substance having a carbon number in the range of C1 to C22. This polar organic substance is not limited to an alcohol type because a silicone type or the like can be used. However, when the alkali is strong, decomposition or the like occurs and the effect does not last long. Even a lower alcohol having a carbon number of 5 or less has a high defoaming effect, but the effect does not last long. For this reason, intermediate alcohols or higher alcohols having a carbon number of C6 or more, such as C18 oleyl alcohol, are preferably used.
[0027]
Further, the polishing slurry 10 has a hydrogen ion concentration (pH) of 7.5 to 12, preferably 7.5 to 11 in order to suitably maintain the hydration state of the fatty acid or fatty acid salt contained therein. The pH is adjusted to have the following range. When the hydrogen ion concentration is less than 7.5, the fatty acid or fatty acid salt, particularly sodium stearate (C ₁₇ H ₃₅ -COONa) becomes difficult to be hydrated and becomes a solid mass and becomes abrasive grains. At the same time as 44 is not properly dispersed, rust is generated in each part of the polishing apparatus. Further, if the hydrogen ion concentration exceeds 11, especially 12, it becomes difficult to handle with bare hands because it causes rough hands and damages the resin piping for supplying and discharging the slurry.
[0028]
As described above, the polishing slurry 10 or the lubricant 42 contained therein includes a gap agent (concentration transfer type liquid crystal comprising a fatty acid salt) 38 dissolved and precipitated in a dispersion medium 36 such as water or an aqueous amine solution, and the like. Since the buffer (fatty acid) 40 is included, the interstices 38 that are precipitated in the dispersion medium 36 are interposed between the abrasive grains 44, so that the abrasive grains 44 are actively dispersed and similarly dispersed. In order to suppress separation between the gap agent 38 and the abrasive grains 44 by keeping the gap between the gap agents 38 and smoothing the movement of the granular buffer agent 40 deposited in the medium 36, for example, the polishing apparatus 12 Even when the polishing process is used for 2 hours, as shown in FIG. 3, the state in which the gap agent 38 is interposed between the abrasive grains 44 is maintained, and the gap agent 38 and the abrasive grains 44 are not separated. When finer surface roughness of the polished surface 24 of the workpiece 22 in polishing can be improved polishing efficiency simultaneously. Further, since the movement of the gap agent 38 is smoothed by the buffer agent (fatty acid) 40, the first pipe 24, the storage tank 28, the second pipe 32, and the receiving cover 20 are formed without impairing the polishing performance. The clogging of the slurry circulation path is preferably prevented.
[0029]
4 and 5 correspond to FIG. 2 and FIG. 3 described above, and schematically illustrate the configuration of the slurry 50 when the particulate buffer (fatty acid) 40 precipitated in the dispersion medium 36 is not included. FIG. Initially, it was uniformly dispersed as shown in FIG. 4, but when it is used for 2 hours in the polishing process of the polishing apparatus 12, for example, as shown in FIG. 5, the gap agent 38 and the abrasive grains 44 are separated. If the fluidity of the slurry 50 becomes insufficient and clogging is likely to occur in the circulation path of the slurry 50, and if the gap agent 38 is reduced to increase the fluidity of the slurry 50, several hours are required. Thus, the gap 38 and the abrasive grains (polishing agent) 44 are separated or separated into layers, so that the polishing performance is lowered.
[0030]
Hereinafter, experimental examples conducted by the present inventors will be described. In this experiment, the polishing performance of each slurry shown in Table 1 is compared with the ratio value of the processing rate (polishing amount per unit time) when polishing is performed under the following experimental conditions, that is, the dimensional rate and its change with time. It is evaluated by. As shown in Table 1, in this experimental example, a slurry containing only an abrasive, a conventional slurry not including the buffer 40, and a slurry 1 and a slurry 2 to which the present invention is applied are used. FIG. 6 shows the change over time in the ratio of the processing rates of these slurries. In FIG. 6, the symbol x indicates a slurry containing only an abrasive, the symbol スラリー indicates a conventional slurry (conventional product) that does not contain the buffer 40, the symbol □ indicates slurry 1, and the symbol Δ indicates slurry 2.
[0031]
(Table 1)
Contained substances (W % ) Slurry with abrasive only Conventional product Slurry 1 Slurry 2
Abrasive (cerium oxide) 20.0 20.0 20.0 20.0
Water 80.0 77.0 76.2 76.2
Alkanolamine 1.0 1.0 1.0
Na stearate (C18) 2.0 1.6 1.6
Stearic acid (C18) 0.8
Behenic acid (C22) 0.8
Oleyl alcohol 0.4 0.4
[0032]
Polishing condition Material of workpiece (work): Tempered glass disk substrate Work speed: 45rpm
Polishing pad: Urethane foam resin polishing pad rotation speed: 45rpm
Polishing load: 100 gf / cm ²
[0033]
As is apparent from FIG. 6, the slurry containing only the polishing agent has a low processing rate, whereas the conventional slurry not containing the buffer 40 has a processing rate significantly higher than that of the slurry containing only the polishing agent. Decreases rapidly over time. On the other hand, the slurries 1 and 2 have a processing rate significantly higher than that of the slurry containing only the abrasive, and the rate of decrease with the lapse of processing time is significantly smaller.
[0034]
The above description is only an example of the present invention, and the present invention can be variously modified without departing from the gist of the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view schematically illustrating a configuration of a polishing disk in which a polishing slurry of one embodiment of the present invention is used.
FIG. 2 is a diagram schematically illustrating the configuration of the polishing slurry in FIG. 1;
FIG. 3 is a diagram schematically illustrating a configuration after the polishing slurry of FIG. 1 is used for a predetermined time for polishing.
4 is a diagram schematically illustrating the structure of a slurry similar to that of the polishing slurry of FIG. 1 except that no buffer is contained.
FIG. 5 is a diagram schematically illustrating a configuration after the polishing slurry of FIG. 4 has been used for polishing for a predetermined time.
6 shows the change over time in the ratio of the processing rate of the polishing slurry in order to evaluate the polishing performance of the polishing slurry of FIG. 1 in comparison with the slurry containing only the abrasive and the slurry of FIG. FIG.
[Explanation of symbols]
10: Slurry for polishing 18: Workpiece (material to be polished)
36: Dispersion medium 38: Gap agent (concentration transfer type liquid crystal having a hydrophilic group dissolved and precipitated in the dispersion medium)
40: Buffering agent (a substance having a hydrophilic group and a hydrophobic group dissolved and precipitated in a dispersion medium)
42: Lubricant 44: Abrasive grain

Claims

A polishing slurry in which abrasive grains are dispersed in a dispersion medium and supplied onto a polishing disk for polishing processing.
The abrasive grains are dispersed in a lubricant containing a fatty acid salt having a hydrophilic group precipitated in the dispersion medium and a fatty acid having a hydrophilic group and a hydrophobic group precipitated in the dispersion medium,
The slurry for polishing processing, wherein the fatty acid has a carbon number in the range of C18 to C30.

The slurry for polishing according to claim 1, wherein the dispersion medium is water or an aqueous amine solution with a water-soluble amine, and the fatty acid salt having a hydrophilic group is a fatty acid Na salt having a carbon number in the range of C6 to C30.

The slurry for polishing according to claim 1 or 2, wherein the fatty acid having a hydrophilic group and a hydrophobic group is stearic acid and / or behenic acid.

The polishing slurry according to any one of claims 1 to 3, wherein the polishing lubricant comprises an antifoaming agent, and the antifoaming agent has a carbon number in the range of C1 to C22.

The lubricant includes 0.1 to 30% by weight amine, 20 % by weight or less precipitated fatty acid, 20% by weight or less precipitated fatty acid Na salt, 0.001 to 10% by weight antifoaming agent, The slurry for polishing according to any one of claims 1 to 4, comprising a balance of water.

The polishing slurry according to any one of claims 1 to 5, wherein 0.01 to 50% by weight of abrasive grains is mixed with the lubricant.

The polishing slurry according to claim 1, wherein the abrasive grains have an average particle size of 30 μm or less.

Lubricant for slurry for polishing process in which abrasive grains are dispersed in a dispersion medium and supplied onto a polishing disk for polishing process,
A fatty acid salt having a hydrophilic group precipitated in the dispersion medium, and a fatty acid having a hydrophilic group and a hydrophobic group precipitated in the dispersion medium,
A lubricant for polishing slurry, wherein the fatty acid has a carbon number in the range of C18 to C30.

The slurry for polishing according to claim 8, wherein the dispersion medium is water or an aqueous amine solution with a water-soluble amine, and the fatty acid salt having a hydrophilic group is a fatty acid Na salt having a carbon number in the range of C6 to C30. Lubricant for.

The lubricant for a polishing slurry according to claim 8 or 9, wherein the fatty acid having a hydrophilic group and a hydrophobic group is stearic acid and / or behenic acid.

11. The polishing slurry for polishing according to claim 8, wherein a lubricant for the polishing slurry contains an antifoaming agent, and the antifoaming agent has a carbon number in the range of C1 to C22. Lubricant.

Lubricant for the polishing slurry is 0.1-30 wt% amine, 20 wt% or less precipitated fatty acid, 20 wt% or less precipitated fatty acid Na salt, 0.001-10 wt % Lubricant for a polishing slurry according to claim 6 or 7, comprising:% antifoaming agent and the balance water.