JP3838819B2 - Toothed belt, toothed belt transmission and office equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯付ベルト及び歯付ベルト伝動装置並びにそれを用いた事務用機器に関し、特に、ベルトの速度むら(速度変動)を低減させるための技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の歯付ベルトとしては、ベルト歯部の形状が台形状であるものが一般的に用いられていたが、より一層の高負荷を伝達したり、騒音をより一層低減したりするという目的で、凸形状の側面を有する歯部形状のベルトが提案され、現在では主流となっている。その歯形の1つが特開昭50―42252号公報に示されるいわゆるSTPD歯形と呼ばれるものであり、他の1つが特開昭59―89852号公報に示されたいわゆるHTD−II歯形と呼ばれるものである。前者のSTPD歯形は、例えばバンドー化学(株)の商品名「スーパートルクシンクロベルト」として、また後者のHTD−II歯形は、ユニッタ(株)の商品名「パワーグリップGTベルト」としてそれぞれ実用化されている。
【0003】
また、この他、事務用機器における可動部の精密な位置決め駆動を目的として、特開昭64―74341号公報に示される歯付ベルトも提案されている。このものでは、図21に示すように、ベルト10′における本体11′のランドラインLL上に複数のベルト歯部13′,13′,…(1つのみ示す)を一定ピッチで設け、この各ベルト歯部13′は、歯幅方向中心線C2に対し対称に配置された円弧面からなる歯元部14′,14′と、この歯元部14′,14′に連続してかつ上記歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられた凸形状の円弧面からなる歯側面部15′,15′と、この歯側面部15′,15′に連続してかつ上記歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられた円弧面からなる円弧面部17′,17′とを備え、これら円弧面部17′,17′同士は1つの平面からなる平面部18′により接続されている。そして、この歯付ベルト10′の歯付プーリ1′との静的噛合い状態において、各ベルト歯部13′の歯元部14′がプーリ歯溝部3′の歯頂円弧部4′と略接触し、ベルト歯部13′のプーリ歯溝部3′でのバックラッシュがベルト歯部13′の歯元から歯先にかけて漸次増大し、プーリ歯溝部3′の深さがベルト歯部13′の高さ以上になるように構成されている。
【0004】
このものでは、プーリ歯溝部3′とのバックラッシュをベルト歯部13′の歯元部14′でなくす一方、そのプーリ歯溝部3′とのバックラッシュをベルト歯部13′の歯元から歯先にかけて漸増させてベルト歯部13′を歯先に向かって細くし、このことでベルト歯部13′とプーリ歯溝部3′の歯頂円弧部4′との噛合い干渉を抑制して、この噛合い干渉に起因するベルトピッチラインPLの変動を低減するようにしている。尚、図21中、5′はプーリ歯溝部3′における凹形状の歯溝側面部、6′は歯溝底部である。また、ベルト10′のピッチラインPLはプーリ1′のピッチ円PCと一致している。また、理解を容易にするために、図21ではプーリ1′の外周部をベルト10′と共に展開して示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プリンタや複写機に代表される事務用機器においては、歯付ベルト伝動装置を利用した印字装置(画像印刷も含む)が一般的に用いられている。この印字装置では、インクやハンマ等の印字機構を装着したキャリッジを歯付ベルトに取り付けて、この歯付ベルトを歯付プーリ間に掛け渡し、プーリを正逆転させてキャリッジを往復動作させるようになっている。
【0006】
そして、上記キャリッジによる印字精度や画像品質を高めるために、歯付ベルトの走行時の速度むら(速度変動)を可能な限り低減することが要求される。特に、プリンタにおいては、近年、カラー印刷やその高速化・高画質化が急速に進んでおり、歯付ベルトの噛合振動(噛合いによる速度むら)が印字むらや画像むらを引き起こすことがあるので、歯付ベルトの噛合速度むらの低減が強く要求されている。
【0007】
これらプリンタ等の事務用機器には、上記STPD歯形やHTD−II歯形で歯部ピッチが3mm以下(例えば3mm、2mm、1.5mm等)の歯付ベルトが一般的に用いられており、その歯部の形状は8mmピッチや5mmピッチ等、比較的大きい歯部ピッチの歯形をそのまま略相似的に縮小した形状が採用されている。
【0008】
しかしながら、これらの歯形は本来、高負荷伝達の用途を目的として開発されたものであり、このため、上記速度むらを低減する要求については何等考慮されていない。
【0009】
尚、上記した特開昭64―74341号公報に示される歯付ベルトは、速度むらの低減をある程度考慮して提案されたものではあるが、その速度むらの低減に最適な歯形とはなり得ておらず、速度むらを可及的に低減するのに不十分であった。
【0010】
すなわち、このように、歯付ベルトの速度むら低減のための歯形状の研究等については、従来から殆ど行われていないのが実情である。
【0011】
本発明は斯かる諸点に鑑み、本発明者が上記の如き事務用機器等に用いられる歯付ベルトの歯形状を構成する種々の因子について解析及び実験を鋭意重ねることでなされたものであり、その目的は歯付ベルトの速度むらを可及的に低減することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明者による研究の結果、これまでに全く考慮されていなかった因子として、ベルト歯部の側面を凸形状とした歯付ベルトにおいては、その側面の所定位置での圧力角が速度むらに極めて大きな影響を与えることが突き止められた。上記圧力角とは、ベルトのランドライン上での歯元幅をWとしたとき、ランドラインから歯高さ方向に0.3W離れた位置(この位置を基準位置とする)におけるベルト歯部側面の圧力角であり、以後、「0.3W圧力角」とも記す。この理由は、ベルト歯部側面の凸形状の歯側面部が通常0.6W前後の歯高さを有するので、その歯高さの中央となる基準位置での「0.3W圧力角」が凸形状歯形の圧力角として実質的に有効な指標となるからである。
【0013】
従来のSTPD歯形やHTD−II歯形を有する歯付ベルトでは、高負荷伝動を目的としているので、高負荷時のベルトの歯飛び(ジャンピング)を避けるために、歯部側面の上記0.3W圧力角は小さく設定される。例えば歯部ピッチが1.5〜3.0mmのSTPD歯形では上記0.3W圧力角は25.1〜25.3°の範囲に、また1.5〜3.0mmピッチのHTD−II歯形では0.3W圧力角は20.8〜21.1°の範囲にそれぞれ設定されている。これに対し、事務用機器の用途に用いられる歯付ベルトは、軽負荷伝動条件下で駆動されるものであるので、上記の如きベルトの歯飛びを考慮する必要は殆どない。そして、発明者の研究の結果、歯部側面の0.3W圧力角を26〜39°とすることで、ベルトの速度むらを大きく低減できることが判明した。
【0014】
具体的には、請求項1の発明では、軽負荷伝動用の歯付ベルトとして、ピッチライン上に抗張体が埋設されたベルト本体と、このベルト本体のランドライン上に一定ピッチで設けられた複数のベルト歯部とを備えている。そして、上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に配置された略円弧面からなる歯元部と、この歯元部に連続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線に対し対称に設けられた凸形状の略円弧面からなる歯側面部と、この両歯側面部の円弧面の歯先側延長線よりも歯元側に位置し、両歯側面部同士を連続するように設けられた歯先部とで構成され、上記ランドライン上での歯元幅をWとしたとき、上記ベルト歯部の歯側面部においてランドラインから歯高さ方向に0.3W離れた基準位置での圧力角(0.3W圧力角)が26〜39°であり、上記歯側面部と略相似形でかつ張力の付与された伝動状態において、該歯側面部と歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しい歯溝側面部を有する複数のプーリ歯溝部がプーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた歯付プーリに巻き付けられることを特徴としている。
【0015】
歯付ベルトの歯部が駆動側の歯付プーリの歯溝部に噛み込むとき、与えられる負荷トルクの影響によりベルト歯部はプーリ歯溝部の位置に対し若干遅れた位置で噛み込むので、まず、ベルト歯部の走行方向後側の歯部側面がプーリ歯溝部の側面に接触し、その後にベルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込む。このとき、ベルトのスパン(プーリに巻き付いていない部分)でベルトピッチラインがベルトスパンと直交する方向に上下動することにより、噛合い速度むらが発生する。上記ピッチラインの上下動量は、ベルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込む際に発生する反力と、その反力によってベルトが上側に押し上げられたときに発生するベルト張力の分力とによって決まる。このため、接触位置がベルト歯部とプーリ歯溝部との完全噛合位置から離れるほどベルト張力の分力が小さくなり、ピッチラインの押上げ量が大きくなる。換言すれば、ベルト歯部のプーリ歯溝部への接触が早期になされるほど速度むらが大きくなるのである。
【0016】
それ故、従来の歯部形状のように0.3W圧力角が小さいと、ベルト歯部の側面がプーリ歯溝部の側面に早く接触する(図4(b)参照)のに対し、本発明のように0.3W圧力角が従来のものよりも大きいと、ベルト歯部のプーリ歯溝部側面との接触は遅くなり(図4(a)参照)、このことによってベルトの速度むらを低減することができる。
【0017】
一方、上記0.3W圧力角を無闇に大きくすることはできず、それが大き過ぎると、却って速度むらが増大する。すなわち、上記のとおり、ベルト歯部の側面はプーリ歯溝部の側面と接触した後に滑り込む反力とベルト張力の分力とによってベルトスパンの移動量が決まるが、そのとき、0.3W圧力角が大き過ぎると、ベルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込む際に発生する反力の垂直方向(ベルトスパンと直交する方向)の成分が大きくなり過ぎ、容易に滑り込めなくなってベルトピッチラインが押し上げられるためである。
【0018】
したがって、上記0.3W圧力角は、本発明者の解析結果によれば、上記の如く26〜39°にあれば最適の許容範囲が得られることとなり、従来の圧力角(例えば25.1〜25.3°)を有するものに比べてベルトの速度むらの低減に極めて有効である。
【0019】
ここで、上記ベルト歯部の歯側面部は、1つの円の弧面で構成されていることが好ましいが、実質的に略円弧面で近似できる凸状の曲面であれば、楕円の一部や放物線の一部等、他の曲線からなる曲面であってもよい。いずれにしても略円弧面で近似できる凸状の曲面であり、0.3W圧力角が26〜39°であれば、本発明の効果が発揮される。
【0020】
また、ベルト歯部において、両歯側面部同士を連結する歯先部は、先端に略平面からなる平面部を有し、かつこの平面部が歯側面部の円弧面に対し円弧面部で連続的に接続されるように形成するのが一般的な構成(図1参照)であるが、この構成に限らず、歯先部を両歯側面部の円弧面の歯先方向への延長線よりも歯元側(内側)に位置するように設けさえすれば、上記本発明の効果を発揮できる。
【0021】
請求項2の発明では、上記請求項1の歯付ベルトにおけるベルト歯部の側面部の基準位置での圧力角(0.3W圧力角)を28〜35°とし、請求項3の発明では、同圧力角を29〜33°とする。こうすると、ベルトの速度むらをさらに低減できて好ましい。
【0022】
請求項4の発明では、上記ベルト歯部の歯側面に位置する歯側面部の円弧半径RBは、ランドライン上での歯元幅Wに対し、RB=0.7W〜1.5Wとする。すなわち、上記のように、0.3W圧力角を大きくすることによって、ベルト歯部のプーリ歯溝部への噛込み時にベルト歯部のプーリ歯溝部への接触が遅くなり、これにより速度むらを小さくすることができるが、同じ0.3W圧力角を有する歯形であっても、その歯形の歯側面部の円弧半径によってベルト歯部のプーリ歯溝部への滑込み易さが異なるため、速度むらに影響する。つまり、ベルトのプーリへの噛込みにおいて、ベルトのランド部がプーリ歯頂部に巻き付くときには、ベルトはプーリに円弧状に巻き付くが、ランド部が巻き付いた後にベルト歯部がプーリ歯溝部へ噛み込むときには、ベルト歯部は歯の走行方向前側の歯元付近におけるピッチライン上の点を支点(回転中心)として、プーリ歯溝部に噛み込む。このとき、歯側面部の円弧半径RBが大き過ぎる場合、ベルト歯部の歯先付近がプーリ歯溝側面に干渉しながら(図6(b)参照)、また歯側面部の円弧半径RBが小さ過ぎる場合は、ベルト歯部側面がプーリ歯頂円弧付近に干渉しながら(図6(c)参照)それぞれ滑り込む。こうしてベルト歯部の歯先付近又は側面が干渉しながら滑り込むことによって、噛込み時に発生するプーリからの反力が大きくなり、ピッチラインが押し上げられて速度むらが大きくなる。
【0023】
これに対し、ベルト歯部の歯側面部の円弧半径RBがベルト歯元幅Wと略等しくてR=0.7W〜1.5Wの範囲にあれば、上記の如き干渉は殆ど発生せず(図6(a)参照)、滑らかに滑り込むことができるため、速度むらが小さくなる。つまり、半径RBが歯元幅Wに対し、RB=0.7W〜1.5Wの範囲であれば、滑らかに滑り込むことができ、速度むらの低減に有効である。
【0024】
請求項5の発明では、上記ベルト歯部の歯側面部の円弧半径RBはRB=0.8W〜1.3Wとし、請求項6の発明では、ベルト歯部の歯側面部の円弧半径RBはRB=0.9W〜1.1Wとする。こうすると速度むらをさらに低減できて好ましい。
【0025】
請求項7の発明では、上記歯付ベルトにおけるベルト歯部の歯ピッチPBは、上記歯元幅Wに対し、PB=1.25W〜1.5Wとしている。すなわち、従来のSTPD歯形やHTD−II歯形を有する歯付ベルトでは、高負荷伝動時のベルトランド部の摩耗を考慮して、PB=1.56W〜1.64Wとされていた。この理由は、ベルト歯ピッチPBをこれよりも小さくすると、ベルトランド部の面積が小さくなり過ぎて高負荷伝動時の面圧が上がり、ランド部が摩耗してベルトが早期破損に至る危険性があるためであるが、歯ピッチ1.5〜3mmの軽負荷用途のものについても、単に相似設計としているので、上記のとおりPB=1.56W〜1.64Wとされている。
【0026】
これに対し、速度むらを低減させるためには、ベルト歯ピッチはできるだけ小さい方が有利である。例えば、ベルトにキャリッジを取り付け、往復運動をさせるプリンタの場合、PB=1.6Wの歯付ベルトで歯数14の駆動プーリを駆動させる駆動装置について、その歯付ベルトをPB=1.4Wのものに置き換えた場合、キャリッジ速度及びプーリ径を合わせるのに、歯数16の駆動プーリを使用することができる。
【0027】
そして、プーリ歯数が多い方が多角形効果が小さい(より一層円に近くなる)ので、歯ピッチが小さい方が有利である。PB=1.5W以下であれば、従来のものに比べて上記の効果があり、速度むらが小さくなる。但し、たとえ軽負荷用途とはいえ、PB=1.25W未満では、プーリ歯頂部が狭くなり過ぎ、プーリの強度や加工性に問題がある。このため、PB=1.25W〜1.5Wが実用的に有効な範囲である。
【0028】
請求項8の発明では、上記歯付ベルトのベルト歯部の歯ピッチPBをPB=1.37W〜1.47Wとする。この範囲が速度むらの低減とプーリの強度や加工性とから見て、さらに適切なベルトピッチの範囲となる。
【0029】
請求項9の発明では、上記ベルト歯部の歯先部は、両歯側面部の円弧面と連続しかつ歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面で構成されていることを特徴とする。
【0030】
上記のとおり、歯先部の構成は、両歯側面部の円弧面の歯先方向への延長線上内側に位置するように設けさえすればよいが、歯先部を1つの円弧面で構成すれば、平面部を有するもの(図9仮想線参照)に比べ、ベルト歯部のプーリ歯溝部への接触をさらに遅くすることができ(図9実線参照)、ベルトの速度むらをより一層低減できる利点がある。
【0031】
請求項10の発明では、ベルト歯部の歯先部は、両側面部の円弧面に連続するように設けられた略円弧面からなる円弧面部と、両円弧面部を接続するように設けられた略平面からなる1つの平面部とで構成されている。すなわち、プリンタの用途では、従動プーリ(図3のプーリ2参照)を平プーリとして使用することがあり、その場合、ベルト歯部の歯先部が平プーリ外径部と直接接触して走行するので、このベルト歯先部が略平面であれば広い面積で荷重を受け持つこととなり、ピッチラインの位置を安定させることができ、これによりベルトの速度むらを抑えることができる。
【0032】
請求項11〜13の発明は、歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせた歯付ベルト伝動装置に関する発明である。請求項11の発明では、上記請求項1〜10のいずれか1つの歯付ベルトと、複数のプーリ歯溝部を備えた歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置として、上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、この歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けられた凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、この両歯溝側面部同士を接続するように設けられた歯溝底部とで構成されている。そして、上記歯溝側面部は、上記ベルト歯部の歯側面部と略相似形であり、ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯側面部と歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しく構成されている。
【0033】
上記のように、凸状円弧の歯側面部を有する歯付ベルトで、圧力角を適正範囲に大きく構成すれば、プーリ歯溝部との接触を遅くすることができるため、ベルトそのものとして速度むらを低減させる効果を有するが、プーリ歯溝形状との組合せにより、より一層大きな効果を発揮できる。すなわち、ベルト歯形状とプーリ歯溝形状の組合せにより速度むらの低減を狙った従来技術として、上記した特開昭64―74341号公報のものがある。このものは、前述のようにベルト歯部とプーリ歯溝部との間のバックラッシュが歯先部から歯先側に向かって漸増させる(つまりベルト歯側面の圧力角よりも、プーリ歯溝側面の圧力角を小さくしたもの)ことにより、噛込み時のベルト歯のプーリ歯溝への干渉を抑えることを狙ったものである(図21参照)。
【0034】
しかし、この構成では、確かに無負荷の伝動状態で干渉は殆ど起こらないが、現実には前述のように通常の伝動状態で、与えられる負荷トルクの影響により、ベルト歯部はプーリ歯溝部の位置に対し若干遅れた位置で噛み込むので、ベルト歯部の走行方向後側の歯部側面がプーリ歯溝部の側面に接触し、その後に滑り込む。このとき、従来例のように、ベルト歯側面の圧力角よりも、プーリ歯溝側面の圧力角を小さくすると、ベルト歯部側面はプーリ歯溝部の歯頂円弧部に接触し、ベルト歯部はプーリ歯溝部の歯頂円弧部に突き上げられながら噛み込む(図5(b)参照)。これにより、プーリ歯溝部にスムーズに滑り込むことができず、ベルトピッチラインが押し上げられて速度むらが増大してしまう。実際、有限要素法を用いた速度むら解析において、ベルトとプーリの圧力角が同じものに対して、速度むらが悪化する結果となる。
【0035】
これに対し、請求項11の発明の構成によれば、ベルト歯部の側面とプーリ歯溝部の歯溝側面との歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しいため、噛込み時にベルト歯部側面がプーリ歯溝部側面に対し、均一に接触してベルト歯部がプーリ歯溝部にスムーズに滑り込むため、ベルトピッチラインが押し上げられない(図5(a)参照)。従って、ベルト歯部側面の圧力角が従来よりも大きくベルト歯側面がプーリ歯溝側面との接触が遅いことと相俟って、ベルトの速度むらを極めて小さく抑えることができる。
【0036】
請求項12の発明では、請求項10の歯付ベルトと、複数のプーリ歯溝部を備えた歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置として、上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、この歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けられた凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、この両歯溝側面部同士を接続するように設けられた略円弧面からなる円弧面部、及び該両円弧面部同士を接続するように設けられた略平面からなる1つの平面部からなる歯溝底部とで構成されている。そして、上記歯溝側面部は、上記ベルト歯部の歯側面部と略相似形であり、ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯側面部と歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しく構成され、かつベルト歯先部とプーリ歯溝底部とが接触していることを特徴としている。
【0037】
このようにベルト歯部の歯先部が略平面に設けられた歯付ベルトと、プーリ歯溝部の歯溝底部が略平面に設けられた歯付プーリとを組み合わせ、かつ両者の平面部が接触するように組み合わせることにより、ベルトがプーリに噛み込んで完全に噛み合った状態において、ベルト歯部の歯先部の平面部全体をプーリ歯溝部の歯溝底部の平面部により広い面積で受けることができ、このため、完全噛合い時のベルト心線位置(ピッチライン)をより安定させて、ベルトの速度むらをさらに低減することができる。
【0038】
請求項13の発明では、上記請求項9の歯付ベルトと、複数のプーリ歯溝部を備えた歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置として、上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、この歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けられた凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、この両歯溝側面部同士を連続するように設けられ、上記プーリ歯幅方向中心線上に中心を持ちかつベルト歯先部の円弧半径よりも大きい半径を有する1つの円弧面からなる歯溝底部で構成されている。そして、上記歯溝側面部は、上記ベルト歯部の歯側面部と略相似形であり、ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯側面部と歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しく構成され、かつベルト歯先部とプーリ歯溝底部が接触している。
【0039】
このように、プーリ歯溝部の歯溝底部がベルト歯部の歯先部の円弧半径よりも大きい半径の円弧面で構成されているので、この場合もやはり、ベルト歯先部円弧面の略全体をプーリ歯溝底部の円弧面の広い面積で受けることができ、上記と同様の効果が得られる。
【0040】
さらに、この発明では、ベルトのプーリへの噛込み時、ベルト歯部の側面がプーリ歯溝部の側面を滑らかに滑り込む上に、ベルト歯部の歯先部が歯側面部と、またプーリ歯溝部の歯溝底部が歯溝側面部とそれぞれ連続的に設けられた円弧面からなっているために、ベルトとプーリとが完全噛合い状態に至る瞬間まで、ベルト歯部の側面のみならず歯先部までもがプーリ歯溝底部に滑らかに滑り込むようになり、これにより、ピッチラインの上下量が殆ど起こらず、速度むらを極めて小さくすることができる。
【0041】
請求項14の発明では、事務用機器として、上記歯付ベルト伝動装置が装備されていて、その歯付ベルトにキャリッジが取り付けられているものとする。このことで、歯付ベルト伝動装置の作動時に、キャリッジを移動させて印字等をするとき、ベルトの速度むらによるキャリッジの速度変動が小さくなるので、キャリッジによる印字精度や画像品質を高めることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図3は本発明の実施形態1に係る歯付ベルト伝動装置Aの全体構成を示し、この伝動装置Aは、プリンタや複写機に代表される事務用機器に装備されるものである。図3において、1は歯付プーリからなる駆動プーリ、2は同様の従動プーリで、これらプーリ1,2は例えば水平方向に対向して配置されている。両プーリ1,2間には歯付ベルト10が噛合い状態で巻き掛けられ、この歯付ベルト10の下側スパンにはインクやハンマ等の印字機構(図示せず)を装着したキャリッジ24が取付部24aにて移動一体に取付固定されており、駆動プーリ1,2を正転又は逆転させて歯付ベルト10を走行移動させることにより、キャリッジ24をプーリ1,2間で往復動作させるようにしている。
【0043】
図2に拡大して示すように、上記歯付プーリからなる駆動又は従動プーリ1,2は、外周のプーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた複数のプーリ歯溝部3,3,…(1つのみ図示する)を備えている。この各プーリ歯溝部3は、その歯溝幅方向中心線C1に対し対称に配置された円弧半径r1Pの円弧面からなる1対の歯頂円弧部4,4と、これら両歯頂円弧部4,4に連続して上記歯溝幅方向中心線C1に対し対称に設けられ、ピッチ円PCの近傍(後述の如くプーリ1,2に噛み合うベルト10の歯部13における歯側面部15の円弧面中心点O1Bと同じ位置)に中心点O1Pを有しかつ後述するベルト歯部13の歯側面部15の円弧半径RBよりも若干大きい円弧半径RP(>RB)の凹形状の円弧面からなる1対の歯溝側面部5,5と、これら両歯溝側面部5,5を連続するように設けられた歯溝底部6とで構成され、この歯溝底部6は、両歯溝側面部5,5同士を接続するように設けられた略円弧面からなる円弧面部7,7と、該両円弧面部7,7同士を接続するように設けられた略平面からなる1つの平面部8とからなっている(尚、図2においては、理解を容易にするためにプーリ1,2の外周をベルト10と共に展開した状態で示している)。
【0044】
一方、上記歯付ベルト10は、図1に拡大して示すように、弾性材からなるベルト本体11を備えている。このベルト本体11はゴム製又はポリウレタン製であるのが好ましく、その他、例えば合成樹脂系等の材料でもよい。ゴム製の場合、クロロプレンゴムが用いられる他、NBR、SBR、EPDM等でもよく、そのゴムの硬度はJIS−Aで65〜85°程度のものがよい。ベルト本体11をポリウレタン製とする場合、そのポリウレタンは熱硬化性でかつエーテル系のものが用いられるが、熱可塑性やエステル系のものでもよい。
【0045】
また、上記ベルト本体11のピッチラインPL上に抗張体としての心線(図示せず)が埋設されている。この心線は、ベルト本体11がゴム製又はポリウレタン製のいずれであっても、主としてガラス繊維、アラミド繊維が用いられ、カーボンやPBO等の繊維でもよい。また、事務用機器の消費電力を低減するために、ロストルクが小さくなるように細径の心線が望ましい。
【0046】
また、ベルト10の速度むらを低減する狙いからみて、ベルト10のピッチラインPLを安定して維持するために、ベルト10の曲げ剛性を低くする点、また、負荷がかけられたときの歯ピッチPBの維持により噛合干渉を低減し、事務用機器の起動時の速度変動を素早く減衰させるために、ベルト10の引張弾性率を高くする点を考慮すると、高弾性率の心線を用いるのがよい。
【0047】
上記ベルト本体11のランドラインLL上には、歯元幅W(ベルト歯部13の後述する両方の歯側面部15,15の歯元方向の円弧延長線とランドラインLLとの交差位置間の寸法)を有する複数の歯部13,13,…(1つのみ図示する)がベルト長さ方向に一定の歯ピッチPBで形成され、この歯部13,13間にあるベルト本体11の底面に、ランドラインLL上に位置するランド部12が設けられている。上記ベルト歯部13のピッチPBは、上記歯元幅Wに対し、PB=1.25W〜1.5Wとされ、特に、PB=1.37W〜1.47Wとするのが好ましい。
【0048】
上記の如くベルト本体11がゴム製である場合、その歯部13の表面に合成繊維製の織布(図示せず)が貼り付けられる。その織布はポリアミド繊維が望ましいが、ポリエステル繊維でもよい。織布は通常、RF処理、エポキシ処理、RFL処理等の接着処理が施され、糊ゴムにより処理される。この糊ゴム処理は、織布の表裏両面に行われることもあるが、特に事務用機器の用途ではベルト10表面からのゴム粉の飛散を嫌い、しかもベルト10の速度むらの低減という目的からみてベルト10表面の摩擦係数を低くしておく必要があるために、歯部13の表面となる側にゴム処理を行わないのが好ましい。
【0049】
一方、ベルト本体11がポリウレタン製である場合、歯部13の表面に織布は設けられておらず、ベルト本体11に心線のみが埋め込まれたものとなる。
【0050】
本発明の特徴は、上記各ベルト歯部13及びプーリ歯溝部3の形状にある。すなわち、図1に示すように、各ベルト歯部13は、そのベルト長さ方向両側に、ベルト歯部13の歯幅方向中心線C2(ベルト長さ方向の中心線)に対し対称に位置しかつランド部12に連続する所定半径r1Bの円弧面からなる1対の歯元部14,14と、これらの歯元部14,14に連続して歯部13の側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられ、円弧半径RBの凸形状の円弧面からなる1対の歯側面部15,15と、これら両歯側面部15,15の円弧面の円弧状の歯先側延長線15aよりも歯元側(内側)に位置し、両歯側面部15,15同士を連続するように設けられた歯先部16とで構成され、この歯先部16は、両歯側面部15,15に連続してかつ上記歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられた所定半径r2Bの略円弧面からなる円弧面部17,17と、これら両円弧面部17,17同士を連続するように設けられた1つの略平面からなる平面部18とで構成されている。
【0051】
上記各歯側面部15の円弧面の中心点O1Bは、上記ベルト10のピッチラインPL上又はその近傍に位置するのが望ましい。また、この各歯側面部15の円弧面の円弧半径RBは、RB=0.7W〜1.5Wに設定するのがよく、特に、RB=0.8W〜1.3W、さらにはRB=0.9W〜1.1Wとする好ましい。
【0052】
そして、上記歯付ベルト10のベルト歯部13側面の歯側面部15においてランドラインLLから歯高さ方向に0.3W離れた基準位置Dでの0.3W圧力角θBはθB=26〜39°とされ、望ましくはθB=28〜35°であり、そのうちθB=29〜33°が好ましく、最適値はθB=31°(図示例のもの)である。
【0053】
また、図2に示す如く、上記ベルト歯部13の側面(歯幅方向の側面)とプーリ歯溝部3の側面(歯溝幅方向の側面)とは互いに略相似形であり、ベルト10が各プーリ1,2に巻き付いてベルト10に張力が付与された実際の伝動状態で、ベルト歯部13及びプーリ歯溝部3の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部13側面の圧力角とプーリ歯溝部3側面の圧力角とが略等しく構成され、かつベルト歯部13の歯先部16とプーリ歯溝部3の歯溝底部6とが接触している。
【0054】
この実施形態においては、図4に示すように、歯付ベルト10の各歯部13が歯付プーリからなる駆動プーリ1の各歯溝部3に噛み込むとき、与えられる負荷トルクの影響によりベルト歯部13はプーリ歯溝部3の位置に対し若干遅れた位置で噛み込むので、ベルト歯部13の走行方向後側の歯部13側面がプーリ歯溝部3の側面に接触した後にベルト歯部13がプーリ歯溝部3に滑り込む。
【0055】
そのとき、ベルト10のスパン(プーリ1に巻き付いていない部分)でベルトピッチラインPLがベルトスパンと直交する方向に上下動することにより、噛合い速度むらが発生し、上記ピッチラインPLの上下動量は、ベルト歯部13がプーリ歯溝部3に滑り込む際に発生する反力と、その反力によってベルト10が上側に押し上げられたときに発生するベルト張力の分力とによって決まるため、接触位置がベルト歯部13とプーリ歯溝部3との完全噛合位置から離れるほどベルト張力の分力が小さくなってピッチラインPLの押上げ量が大きくなり、ベルト歯部13のプーリ歯溝部3への接触が早期であると速度むらが大きくなる。
【0056】
したがって、従来の歯付ベルト10では、図4(b)に示すように、上記したベルト歯部13側面の0.3W圧力角θBが小さい(θB=20.8〜25.3°)ので、ベルト歯部13の側面がプーリ歯溝部3の側面に早く接触するのに対し、この実施形態では、図4(a)に示す如く、上記0.3W圧力角θBがθB≧26°と従来よりも大きいので、ベルト歯部13のプーリ歯溝部3側面との接触は遅くなり、このことによってベルト10の速度むらを低減することができる。
【0057】
一方、このように、ベルト歯部13の側面はプーリ歯溝部3の側面と接触した後に滑り込む反力とベルト張力の分力とによってベルトスパンの移動量が決まり、そのときに、0.3W圧力角θBが大き過ぎると、ベルト歯部13がプーリ歯溝部3に滑り込む際に発生する反力の垂直方向(ベルトスパンと直交する方向)の成分が大きくなり過ぎ、容易に滑り込めなくなってベルトピッチラインPLが押し上げられ、却ってベルト10の速度むらが増大するが、この実施形態では、上記0.3W圧力角θBはθB≦39°であるので、ベルト歯部13がプーリ歯溝部3にスムーズに滑り込むようになり、ベルト10の速度むらの増大を抑えることができる。つまり、0.3W圧力角θBの最適範囲をθB=26〜39°とすることで、ベルト10の速度むらを可及的に低減することができる。
【0058】
また、この実施形態では、ベルト歯部13の側面とプーリ歯溝部3の側面との歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しいため、図5(a)に示すように、ベルト歯部13の側面がプーリ歯溝部3の側面に対し均一に接触してベルト歯部13がプーリ歯溝部3にスムーズに滑り込むこととなる。このため、図5(b)に示す如く、プーリ歯溝部3の圧力角をベルト歯部13の圧力角よりも小さくした場合のように、ベルト歯部13の側面がプーリ歯溝部3の側面でなくて歯頂円弧部4に接触してベルト歯部13がプーリ歯溝部3の歯頂円弧部4に突き上げられることはなく、ベルト10の速度むらをさらに抑制することができる。
【0059】
また、上記ベルト歯部13の歯側面に位置する歯側面部15の円弧半径RBは、ランドラインLL上での歯元幅Wに対し、RB=0.7W〜1.5Wとされているので、次の作用効果が得られる。すなわち、上記のように、0.3W圧力角θBを大きくすることによって、ベルト歯部13のプーリ歯溝部3への噛込み時にベルト歯部13のプーリ歯溝部3への接触が遅くなり、これにより速度むらを小さくすることができるが、同じ0.3W圧力角θBを有する歯形であっても、その歯形の歯側面部15の円弧半径RBによってベルト歯部13のプーリ歯溝部3への滑込み易さが異なるため、速度むらに影響する。つまり、ベルト10のプーリ1,2への噛込みにおいて、ベルト10のランド部12がプーリ1,2の歯頂部に巻き付くときには、ベルト10はプーリ1,2に円弧状に巻き付くが、ランド部12が巻き付いた後にベルト歯部13がプーリ歯溝部3へ噛み込むときには、ベルト歯部13は歯の走行方向前側の歯元付近におけるピッチラインPL上の点を支点(回転中心)として、プーリ歯溝部3に噛み込む。このとき、歯側面部15の円弧半径RBが大き過ぎると(例えばRB=1.6W)、図6(b)に示すように、ベルト歯部13の歯先部16付近がプーリ歯溝部3の側面に干渉しながら滑り込む一方、逆に歯側面部15の円弧半径RBが小さ過ぎる場合(例えばRB=0.65W)は、図6(c)に示す如く、ベルト歯部13の側面がプーリ歯溝部3の歯頂円弧部4付近に干渉しながら滑り込むこととなり、こうしてベルト歯部13の歯先部16付近又は側面が干渉しながら滑り込むことによって、噛込み時に発生するプーリ1,2からの反力が大きくなり、ピッチラインPLが押し上げられて速度むらが大きくなる。
【0060】
しかし、この実施形態のように、ベルト歯部13の歯側面部15の円弧半径RBがベルト歯元幅Wと略等しければ(RB=0.7W〜1.5W)、図6(a)に例示するように、上記の如き干渉は殆ど発生せず、滑らかに滑り込むことができて速度むらが小さくなる。よって、歯側面部15の円弧半径RBが歯元幅Wに対し、RB=0.7W〜1.5Wの範囲であれば、ベルト10の速度むらの低減に有効である。
【0061】
また、歯付ベルト10の歯ピッチPBは、歯元幅Wに対し、PB=1.25W〜1.5Wとされているので、以下の作用効果を奏する。すなわち、ベルト10の速度むらを低減させるためには、ベルト10の歯ピッチPBができるだけ小さくてプーリ歯数が多い方が、多角形効果が小さく(より一層円に近く)なるので、有利であり、PB=1.5W以下であれば、従来のものに比べて、速度むらが小さくなる。一方、PB=1.25W未満では、プーリ歯頂部が狭くなり過ぎ、プーリ1,2の強度や加工性に問題がある。このため、この実施形態のように、PB=1.25W〜1.5Wとすることで、プーリ1,2の強度や加工性の問題を招くことなく、ベルト10の速度むらを低減することができる。
【0062】
さらにまた、ベルト歯部13の歯先部16に略平面の平面部18が設けられている一方、プーリ歯溝部3の歯溝底部6に略平面の平面部8が設けられているので、ベルト10がプーリ1,2に完全に噛み合った状態では、ベルト歯部13の歯先部16における平面部18全体をプーリ歯溝部3の歯溝底部6における平面部8が広い面積で受けることになり、完全噛合い時のベルト10の心線位置(ピッチラインPL)をより安定させて、ベルト10の速度むらをさらに低減することができる。
【0063】
以上のようにベルト10の速度むらが可及的に低減されることによって、事務用機器の印字精度や画像品質の向上等を図ることができる。
【0064】
また、上記プーリ1,2における各プーリ歯溝部3の歯溝底部6が略平面であるので、プーリ歯溝部3の歯溝底部6をベルト歯部13の歯先部16と同じ略平面形状とすることができる。尚、この実施形態1において、プーリ歯溝部3の歯溝底部6のみを、プーリ中心方向に中心を持つ円弧面で形成してもよい。
【0065】
(実施形態2)
図7及び図8は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では図1及び図2と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、この実施形態では、ベルト歯部13の形状を変えたものである。
【0066】
すなわち、この実施形態では、図8に示すように、プーリ1,2における各プーリ歯溝部3は、歯溝幅方向中心線C1に対し対称に配置された円弧面からなる歯頂円弧部4,4と、この歯頂円弧部4,4に連続して歯溝幅方向中心線C1に対し対称に設けられた凹形状の円弧面からなる歯溝側面部5,5と、これら両歯溝側面部5,5同士を連続するように設けられた円弧面部7,7及び平面部8からなる歯溝底部6とで構成されている。
【0067】
一方、図7及び図8に示すように、歯付ベルト10の各ベルト歯部13は、そのベルト長さ方向両側に、ベルト歯部13の歯幅方向中心線C2に対し対称に位置しかつランド部12に連続する所定半径r1Bの円弧面からなる1対の歯元部14,14と、この歯元部14,14に連続して歯部13側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線C2に対し対称に設けられた円弧半径RBの凸形状の円弧面からなる1対の歯側面部15,15と、この両歯側面部15,15同士を連続するように設けられ、上記ベルト歯部13の歯幅方向中心線C2上に中心点O2Bを持つ円弧半径rTBの1つの円弧面からなる歯先部16とで構成されている。
【0068】
そして、上記実施形態1と同様に、上記各ベルト歯部13側面の歯側面部15の基準位置Dでの0.3W圧力角θBはθB=26〜39°とされ、望ましくはθB=28〜35°で、そのうちθB=29〜33°が好ましく、最適値はθB=31°(図示例のもの)である。
【0069】
さらに、上記ベルト歯部13側面とプーリ歯溝部3の側面とは略相似形で、ベルト10がプーリ1,2に巻き付いてベルト10に張力が付与された伝動状態では、ベルト歯部13及びプーリ歯溝部3の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部13側面の圧力角とプーリ歯溝部3側面の圧力角とが略等しく構成され、かつベルト歯部13の歯先部16とプーリ歯溝部3の歯溝底部6とが接触している。その他の構成は実施形態1と同様である。
【0070】
したがって、この実施形態においても、上記実施形態1と同様の作用効果が得られる。そのことに加え、各ベルト歯部13の歯先部16が1つの円弧面で構成されているので、図9で実線にて示すように、ベルト歯部13のプーリ歯溝部3への接触をさらに遅くすることができ、単に0.3W圧力角θBを大きくするのみの実施形態1の構造(図9に仮想線にて示す)に比べ、ベルト10の速度むらをさらに有効に低減できる利点がある。
【0071】
(実施形態3)
図10は実施形態3を示し、この実施形態では、歯付ベルト10における各ベルト歯部13は、上記実施形態2と同様に、その先端部に、1つの円弧面からなる歯先部16がベルト長さ方向両側の両歯側面部15,15同士を連続するように設けられている。
【0072】
これに対し、プーリ1,2における各プーリ歯溝部3の歯溝底部6は、歯溝幅方向中心線C1上に中心点O2Pを持ちベルト歯部13の歯先部16の円弧半径rTBよりも少し大きい円弧半径rTPの1つの円弧面で構成されている。
【0073】
この実施形態の場合、各プーリ歯溝部3の歯溝底部6が各ベルト歯部13の歯先部16の円弧面の半径rTBよりも少し大きい半径rTP(>rTB)を持つ円弧面で形成されているので、ベルト10のプーリ1,2への噛込み時、ベルト歯部13の側面がプーリ歯溝部3の側面により一層滑らかに滑り込む。しかも、ベルト歯部13の歯先部16が歯側面部15と連続的に設けられた円弧面であり、またプーリ歯溝部3の歯溝底部6が歯溝側面部5と連続的に設けられた円弧面であるので、ベルト10とプーリ1,2とが完全噛合い状態に至る瞬間まで、ベルト歯部13の側面のみならず歯先部16までもがプーリ歯溝底部6に滑らかに滑り込むようになる。これらの作用により、ピッチラインPLの上下量が殆ど起こらず、ベルト10の速度むらを極めて小さくすることができる。
【0074】
また、プーリ歯溝部3の歯溝底部6はベルト歯部13の歯先部16の円弧半径rTBよりも若干大きい半径rTPの円弧面で構成されているので、この場合もやはり、ベルト歯部13の歯先部16円弧面の略全体をプーリ歯溝部3における歯溝底部6の円弧面の広い面積で受けることができ、完全噛合い時のベルト10の心線位置を安定させて、ベルト10の速度むらを低減することができる。
【0075】
(他の実施形態)
尚、上記実施形態1においては、ベルト10がプーリ1,2に巻き付いてベルト10に張力が付与された伝動状態で、ベルトランド部12がプーリ外径部に接触するようにしているが、図11に示す如く、同じ状態でベルトランド部12がプーリ外径部に接触しないようにしてもよい。
【0076】
また、その場合、歯付ベルト10のランド部12は、円弧面でもよいが、歯幅方向中心線C2に対し対称に配置された円弧面からなる歯元部14,14によりベルト歯部13側面と連続して接続された略平面で構成するのがよい。すなわち、ベルト本体11がポリウレタン製である歯付ベルト10において、そのベルト歯部13の歯ピッチPBが1.5mm以下であるときには、心線をランド部12から離すために設ける凹部の寸法が極めて小さく、金型の加工が難しいため、上記の如き凹部を設けずに、ランド部12上に直接心線を配設しているが、この心線がプーリ1,2の外径部に接触して傷付けられないようにすべく、ベルト10のランド部12がプーリ1,2の外径部と接触しない状態で使用される。従って、上記のようにベルト10のランド部12を略平面とすることで、上記心線の位置を安定させることができる。
【0077】
また、上記各実施形態は、プリンタや複写機等の事務用機器に装備された歯付ベルト10及び伝動装置Aについて説明しているが、本発明は、事務用機器以外の歯付ベルト及び伝動装置に対しても適用できるのはいうまでもない。
【0078】
また、上記各実施形態では、ベルト歯部13の両歯側面部15,15同士を連結する歯先部16は、先端に略平面からなる平面部18を有しかつこの平面部18が各歯側面部15の円弧面に円弧面部17で連続的に接続されるように形成し(図1参照)、或いは両歯側面部15,15の円弧面と連続しかつ歯幅方向中心線C2上に中心点を持つ1つの円弧面で構成している(図7参照)が、その他の形状の歯先部を設けることができる。例えば図12(a)に示す如く、平面部18の中央に突起部20を設けた歯先部16や、図12(b)に示すように歯幅方向の中央に凹部21を形成した歯先部16等でもよく、さらにその他の公知の歯先部のいずれであっても本発明の効果が発揮される。要は、歯先部16を両歯側面部15,15の円弧面の歯先方向への延長線よりも歯元側(内側)に位置するように設けさえすればよいのである。
【0079】
【実施例】
(FEM解析評価)
次に、具体的に実施した実施例について説明する。まず、歯付ベルトの速度むらをFEM解析法を用いて解析した。このFEM解析では、汎用ソフトウェア「ABAQUS」を用いた2次元の動的解析とした。図13に示すように、解析モデルは駆動及び従動プーリの1,2の2つのプーリと、内側に歯部13を有するエンドレスのベルト10とをモデル化し、ベルト10に張力を付与した後にプーリ1,2を回転させるものとした。ベルト歯部13及びプーリ歯溝部3の各形状は上記実施形態と同様の形状に合わせて形成した(図13では実施形態1の形状に合わせて形成したモデルを例示している)。ベルトの材料の各定数は、歯ピッチが2.117mmのベルト及びその各構成材料で実測して入力した(歯形状が変わっても材料定数は変化しないものであるとした)。ベルト本体は四角形の平面要素に、また心線は梁要素にそれぞれ設定し、プーリ1,2と接触する表面は摩擦を考慮してインタフェース要素とした。プーリ表面は剛表面でモデル化した。尚、図14はFEM解析法による解析途中で噛合状態にある解析モデルの要部を示しており、図14(a)は本発明の実施例の解析モデルを、また図14(b)は従来例の解析モデルをそれぞれ示す。
【0080】
そして、ベルトピッチライン上の1点の速度を出力して速度むらのデータを得た。そのデータを図15に示す。図15(a)は、ベルト歯部が歯先部に1つの略平面からなる平面部を備えていて、0.3W圧力角が31°の本発明例(本発明の実施形態1に相当するもの)のデータであり、また、図15(b)は従来例(0.3W圧力角が25.3°)のデータを示している。
【0081】
また、このデータからベルト歯部の0.3W圧力角と速度むら(ベルト速度の変動値)との関係を求めたところ、図16に示す結果が得られた。図16においては、ベルト速度の変動値は上記従来例を「1.0」とする指数で表している。また、図16中、実線はベルト歯部が、1つの略平面からなる歯先部を備えた歯部形状を持つものを示し、そのうち、0.3W圧力角が26〜39°のものが本発明例となる。一方、破線はベルト歯部が、両歯側面部同士を連続するように設けられかつ歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面からなる歯先部を備えた実施形態2に相当する本発明例を示す。
【0082】
(台上評価)
一方、ベルト及びプーリからなる伝動装置を作製して、そのベルトの速度むらを測定装置で測定する台上試験をも行った。すなわち、本発明例として、図7に示す実施形態2の構成で圧力角が異なる(0.3W圧力角=29.2°,31.1°)2つの歯付ベルトを作り(本発明例1,2)、従来例として1つの略平面を有する歯先部を備えかつ歯側面部の0.3W圧力角が25.3°の歯付ベルトを作った。その各々の寸法は下記の表1のとおりである。尚、寸法値はベルト歯部のピッチ(2.117mm)を「1.0」とする指数で表している。
【0083】
【表1】
【0084】
具体的には、歯付ベルトは歯ピッチ2.117mmの円弧歯形状の歯部を持つゴム製のもので、そのゴムは硬度70°のクロロプレンゴムで、心線は径0.3mmのガラス繊維からなる。織布はポリアミドウーリー加工糸からなり、RF処理と、裏面のみのゴム糊処理とを施した。
【0085】
そして、これらの歯付ベルトについて、実際の走行時の速度むらを図17に示すベルト速度むら測定装置により測定した。この測定装置は、試験用の歯付ベルト10を巻き掛ける歯付プーリからなる駆動及び従動プーリ1,2を備えており、その従動プーリ2への静荷重DWによりベルト張力を付与しかつ従動プーリ2を無負荷にした状態で駆動プーリ1を図で矢印の方向に回転させ、そのときのベルト10の緩み側スパンにおいて駆動プーリ1の軸心からd1=10mm離れた部位に対し、その部位からベルト側方にd2=100±2mm離れた位置のプローブ43からレーザ光43aを当て、そのプローブ43の出力信号に基づいて速度むら測定器44によりベルト40の速度むらを測定し、この速度むらの周波数をFFT45により解析してパソコン46に取り込み、そのデータをプリンタ47によりプリントするようにしたものである。この速度むら測定装置の測定データを図18に、またベルト10の速度むらの周波数を分析したデータを図19にそれぞれ示す(図19(a)は本発明例2を、図19(b)は従来例をそれぞれ示している)。また、ベルトの速度むら測定データから得られたベルト歯部の0.3W圧力角と速度むらとの関係を図20に示す。尚、この図20におけるベルト速度の変動値も従来例(0.3W圧力角25.3°)を「1.0」とする指数値である。
【0086】
上記図16から明らかなように、ベルト歯部側面の0.3W圧力角を26〜39°とすれば、従来例のように0.3W圧力角を25.3°とするのに比べ、ベルトの速度むらが低減していることが裏付けられた。特に、0.3W圧力角を28〜35°とし、さらには29〜33°とすれば、ベルトの速度むらが大きく低減し、31°が最適値であることが判る。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1では、軽負荷伝動用の歯付ベルトの各ベルト歯部の略円弧面からなる歯元部と、凸形状の略円弧面からなる歯側面部とをベルト歯部の歯幅方向中心線に対し対称に配置し、これら歯側面部同士を連続する歯先部を歯側面部の円弧面の歯先側延長線よりも歯元側に配置し、ランドライン上での歯元幅Wに対し、ベルト歯部の歯側面部においてランドラインから歯高さ方向に0.3W離れた基準位置での0.3W圧力角を26〜39°とし、歯側面部と略相似形でかつ張力の付与された伝動状態において、該歯側面部と歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しい歯溝側面部を有する複数のプーリ歯溝部がプーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた歯付プーリに巻き付けた。また、請求項2の発明では、上記0.3W圧力角を28〜35°とした。さらに、請求項3の発明では、同圧力角を29〜33°とした。従って、これらの発明によれば、ベルト歯部のプーリ歯溝部への噛合時にベルト歯部の側面をプーリ歯溝部の側面に遅く接触させるとともに、ベルト歯部がプーリ歯溝部に滑り込む際に発生する反力の垂直方向の成分を小さくして、容易に滑り込ませることができ、よって歯付ベルトの速度むらを大幅に低減して、プリンタに代表される軽負荷伝動下で歯付ベルトを駆動させる事務用機器の印字精度や画像品質の向上等を図ることができるという実用上優れた効果が得られる。
【0088】
請求項4の発明では、ベルト歯部の歯側面部の円弧半径を0.7W〜1.5Wとした。また、請求項5の発明では、上記歯側面部の円弧半径を0.8W〜1.3Wとした。さらに、請求項6の発明では、同円弧半径を0.9W〜1.1Wとした。これらの発明によれば、ベルトのプーリへの噛込み時に、ベルトのランド部がプーリ歯頂部に巻き付いた後にベルト歯部がプーリ歯溝部へ噛み込む際、ベルト歯部の歯先付近がプーリ歯溝側面に、またベルト歯部側面がプーリ歯頂円弧付近にそれぞれ干渉するのを防いで、ベルト歯部をプーリ歯溝部へ滑らかに滑り込ませることができ、ピッチラインの押上げを抑えてベルトの速度むらをさらに低減することができる。
【0089】
請求項7の発明では、上記ベルト歯部の歯ピッチを1.25W〜1.5Wとした。また、請求項8の発明では、同歯ピッチを1.37W〜1.47Wとした。これらの発明によれば、プーリ歯数を多くして多角形効果によりベルトの速度むらを低減しつつ、プーリの強度や加工性の確保を図ることができる。
【0090】
請求項9の発明によると、ベルト歯部の歯先部を、両歯側面部の円弧面と連続しかつ歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面で構成したことにより、ベルト歯部のプーリ歯溝部への接触をさらに遅くして、ベルトの速度むらをより一層低減することができる。
【0091】
請求項10の発明によると、ベルト歯部の歯先部を、両側面部の円弧面に連続するように設けられた略円弧面からなる円弧面部と、両円弧面部を接続するように設けられた略平面からなる1つの平面部とで構成したことにより、プリンタの用途で従動プーリを平プーリとして使用し、ベルト歯部の歯先部を平プーリ外径部と直接接触して走行させる場合、略平面のベルト歯先部により広い面積で荷重を受け持たせてピッチラインの位置を安定させることができ、歯付ベルトの速度むらの低減を図ることができる。
【0092】
請求項11の発明によれば、請求項1〜10の歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置として、歯付プーリの各プーリ歯溝部の円弧面からなる歯頂円弧部と、凹形状の円弧面からなる歯溝側面部とを歯溝幅方向中心線に対し対称に配置し、両歯溝側面部同士を接続するように歯溝底部を設け、プーリ歯溝部の歯溝側面部をベルト歯部の歯側面部と略相似形とし、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与された状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ歯溝部側面の圧力角とを略等しくしたことにより、伝動状態でのベルト歯部のプーリ歯溝部への噛込み時、にベルト歯部側面がプーリ歯溝部側面に均一に接触してベルト歯部がプーリ歯溝部にスムーズに滑り込むようになり、ベルトピッチラインの押上げを抑えて、ベルトの速度むらをさらに低減することができる。
【0093】
請求項12の発明によると、請求項10の歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置として、歯付プーリの各プーリ歯溝部の歯溝底部を、両歯溝側面部同士を接続する略円弧面からなる円弧面部と、これら両円弧面部同士を接続する略平面からなる1つの平面部とからなるものとし、プーリ歯溝部の歯溝側面部をベルト歯部の歯側面部と略相似形とし、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与された状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ歯溝部側面の圧力角とを略等しくし、かつベルト歯先部とプーリ歯溝底部とを接触させたことにより、ベルトがプーリに完全に噛み合った状態で、ベルト歯部の歯先部の平面部全体をプーリ歯溝部の歯溝底部の平面部により広い面積で受けて、完全噛合い時のベルト心線位置を安定させてベルトの速度むらをさらに低減することができる。
【0094】
請求項13の発明によれば、請求項9の歯付ベルトと歯付プーリとを組み合わせてなる歯付ベルト伝動装置として、歯付プーリの各プーリ歯溝部の歯溝底部を、両歯溝側面部同士を連続するように設けられ、プーリ歯幅方向中心線上に中心を持ちかつベルト歯先部の円弧半径よりも大きい半径を有する1つの円弧面からなるものとし、プーリ歯溝部の歯溝側面部をベルト歯部の歯側面部と略相似形とし、ベルトがプーリに巻き付いてベルトに張力が付与された状態で、ベルト歯部及びプーリ歯溝部の各側面の歯高さ方向の各位置でのベルト歯部側面の圧力角とプーリ歯溝部側面の圧力角とを略等しくし、かつベルト歯先部とプーリ歯溝底部とを接触させたことにより、ベルトがプーリに完全に噛み合った状態で、ベルト歯部の歯先部全体をプーリ歯溝部により広い面積で受けるとともに、完全噛合い状態に至るまでベルト歯部の側面のみならず歯先部をもプーリ歯溝底部に滑らかに滑り込ませることができ、ベルトの速度むらのより一層の低減を図ることができる。
【0095】
請求項14の発明によると、上記歯付ベルト伝動装置が装備されていて、その歯付ベルトにキャリッジが取り付けられている事務用機器としたことにより、その事務用機器のキャリッジの速度変動を小さくして印字精度や画像品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1における歯付ベルトの歯部を拡大して示す断面図である。
【図2】 実施形態1における歯付ベルト伝動装置の歯付ベルトの歯部が歯付プーリに噛み合った状態を展開して示す拡大断面図である。
【図3】 歯付ベルト伝動装置の全体構成を概略的に示す正面図である。
【図4】 歯付ベルトの歯部が歯付プーリの歯溝部に噛み合う状態を概略的に示す説明図である。
【図5】 歯付ベルトの歯部側面と歯付プーリの歯溝部側面との圧力角の相違に応じた噛合状態を示す図4相当図である。
【図6】 ベルト歯部の歯側面部の円弧半径の大きさに応じた噛合状態を示す図4相当図である。
【図7】 本発明の実施形態2における歯付ベルトの歯部を示す図1相当図である。
【図8】 実施形態2を示す図2相当図である。
【図9】 実施形態2において歯付ベルトの歯部が歯付プーリの歯溝部に噛み合う状態を概略的に示す図4相当図である。
【図10】 実施形態3を示す図2相当図である。
【図11】 ベルトに張力が付与された伝動状態でベルトランド部がプーリ外径部に接触しない構成の他の実施形態を示す図2相当図である。
【図12】 ベルト歯部の歯先部の変形例を概略的に示す図である。
【図13】 ベルトの速度むらをFEM解析法により解析するための解析モデルの全体構成を示す図である。
【図14】 解析モデルの要部を示す図である。
【図15】 ベルトの速度むらをFEM解析法により解析したデータを示す図である。
【図16】 ベルトの速度むら解析データから得られたベルト歯部の圧力角と速度むらとの関係を示す図である。
【図17】 ベルトの速度むら測定装置を示す図である。
【図18】 ベルトの速度むら測定装置の測定データを示す図である。
【図19】 ベルトの速度むらの周波数を分析したデータを示す図である。
【図20】 ベルトの速度むら測定データから得られたベルト歯部の圧力角と速度むらとの関係を示す図である。
【図21】 従来の歯付ベルトの歯部が歯付プーリに噛み合った状態を示す図2相当図である。
【符号の説明】
A 歯付ベルト伝動装置
1,2 プーリ
3 プーリ歯溝部
4 歯頂円弧部
5 歯溝側面部
6 歯溝底部
7 円弧面部
8 平面部
C1 歯溝幅方向中心線
O2P 中心点
rTP 円弧半径
10 歯付ベルト
11 ベルト本体
12 ランド部
13 ベルト歯部
14 歯元部
15 歯側面部
16 歯先部
17 円弧面部
18 平面部
D 基準位置
PL ピッチライン
LL ランドライン
C2 歯幅方向中心線
O2B 中心点
rTB 円弧半径
θB 0.3W圧力角
W 歯元幅[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a toothed belt, a toothed belt transmission device, and office equipment using the same, and particularly relates to a technical field for reducing uneven speed of the belt (speed fluctuation).
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as this type of toothed belt, a belt having a trapezoidal shape is generally used. However, a higher load can be transmitted and noise can be further reduced. To this end, a tooth-shaped belt having a convex side surface has been proposed and is now mainstream. One of the tooth profiles is a so-called STPD tooth profile disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 50-42252, and the other is a so-called HTD-II tooth profile disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 59-89852. is there. The former STPD tooth profile is put into practical use, for example, under the trade name “Super Torque Synchro Belt” of Bando Chemical Co., Ltd., and the latter HTD-II tooth profile as the product name “Power Grip GT Belt” of Unitta Corporation. ing.
[0003]
In addition, a toothed belt disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 64-74341 has been proposed for the purpose of precise positioning driving of a movable part in office equipment. As shown in FIG. 21, a plurality of belt teeth 13 ', 13',... (Only one is shown) are provided at a constant pitch on the land line LL of the main body 11 'of the belt 10'. The
[0004]
In this device, the backlash with the pulley tooth groove portion 3 'is eliminated from the tooth root portion 14' of the belt tooth portion 13 ', while the backlash with the pulley tooth groove portion 3' is removed from the tooth root of the belt tooth portion 13 '. The belt tooth portion 13 'is gradually increased toward the tip of the tooth, and the meshing interference between the belt tooth portion 13' and the apex arc portion 4 'of the pulley tooth groove portion 3' is suppressed. Variations in the belt pitch line PL due to this meshing interference are reduced. In FIG. 21, reference numeral 5 'denotes a concave tooth groove side surface portion of the pulley tooth groove portion 3', and 6 'denotes a tooth groove bottom portion. Further, the pitch line PL of the belt 10 'coincides with the pitch circle PC of the pulley 1'. In order to facilitate understanding, FIG. 21 shows the outer peripheral portion of the
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in office equipment represented by printers and copiers, printing devices (including image printing) using a toothed belt transmission are generally used. In this printing apparatus, a carriage equipped with a printing mechanism such as ink or hammer is attached to a toothed belt, the toothed belt is stretched between toothed pulleys, and the carriage is reciprocated by rotating the pulley forward and backward. It has become.
[0006]
In order to improve the printing accuracy and image quality by the carriage, it is required to reduce the speed unevenness (speed fluctuation) when the toothed belt travels as much as possible. In particular, in printers, color printing and its high speed and high image quality have been progressing rapidly in recent years, and the meshing vibration of the toothed belt (speed unevenness due to meshing) can cause uneven printing and uneven image. Therefore, there is a strong demand for reducing the unevenness of the meshing speed of the toothed belt.
[0007]
In office equipment such as printers, toothed belts having a tooth portion pitch of 3 mm or less (for example, 3 mm, 2 mm, 1.5 mm, etc.) in the above-mentioned STPD tooth profile or HTD-II tooth profile are generally used. As the shape of the tooth portion, a shape obtained by reducing the tooth shape of a relatively large tooth portion pitch, such as an 8 mm pitch or a 5 mm pitch, as it is is substantially similar.
[0008]
However, these tooth profiles were originally developed for the purpose of high load transmission, and therefore, no consideration has been given to the requirement to reduce the speed unevenness.
[0009]
The above-mentioned toothed belt disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 64-74341 has been proposed in consideration of the reduction of the speed unevenness to some extent, but can be an optimum tooth profile for the reduction of the speed unevenness. It was not sufficient to reduce the uneven speed as much as possible.
[0010]
In other words, as described above, the research on the tooth shape and the like for reducing the speed unevenness of the toothed belt has hardly been performed.
[0011]
In view of these points, the present invention has been made by repeatedly conducting analysis and experiments on various factors that constitute the tooth shape of the toothed belt used by the inventor as described above, The purpose is to reduce the uneven speed of the toothed belt as much as possible.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, as a factor that has not been considered at all as a result of research by the present inventors, in a toothed belt having a convex side surface of the belt tooth portion, a predetermined position on the side surface It has been found that the pressure angle at the cylinder has an extremely large influence on the speed unevenness. The pressure angle refers to the side surface of the belt tooth portion at a position separated from the land line by 0.3 W in the tooth height direction (this position is the reference position) where W is the root width on the belt land line. Hereinafter, it is also referred to as “0.3 W pressure angle”. The reason for this is that the convex tooth side surface of the belt tooth side surface usually has a tooth height of around 0.6 W, so that the “0.3 W pressure angle” at the reference position at the center of the tooth height is convex. This is because it becomes a substantially effective index as the pressure angle of the shape tooth profile.
[0013]
The conventional toothed belt having the STPD tooth profile and the HTD-II tooth profile is intended for high load transmission. Therefore, in order to avoid tooth jumping (jumping) of the belt at high load, the above-mentioned 0.3 W pressure on the side surface of the tooth portion is used. The corner is set small. For example, in the STPD tooth profile with a tooth pitch of 1.5 to 3.0 mm, the 0.3 W pressure angle is in the range of 25.1 to 25.3 °, and in the HTD-II tooth profile with a pitch of 1.5 to 3.0 mm. The 0.3 W pressure angle is set in the range of 20.8 to 21.1 °. On the other hand, since the toothed belt used for the office machine is driven under light load transmission conditions, there is almost no need to consider the tooth skipping of the belt as described above. As a result of the inventor's research, it has been found that the belt speed unevenness can be greatly reduced by setting the 0.3 W pressure angle on the side surface of the tooth portion to 26 to 39 °.
[0014]
Specifically, in the invention of
[0015]
When the tooth part of the toothed belt bites into the tooth groove part of the toothed pulley on the driving side, the belt tooth part bites at a position slightly delayed from the position of the pulley tooth groove part due to the influence of the applied load torque. The side surface of the tooth portion on the rear side in the running direction of the belt tooth portion contacts the side surface of the pulley tooth groove portion, and then the belt tooth portion slides into the pulley tooth groove portion. At this time, the belt pitch line moves up and down in a direction perpendicular to the belt span in the belt span (portion not wrapped around the pulley), thereby causing uneven meshing speed. The vertical movement amount of the pitch line is determined by a reaction force generated when the belt tooth portion slides into the pulley tooth groove portion and a component force of the belt tension generated when the belt is pushed up by the reaction force. For this reason, as the contact position moves away from the complete meshing position between the belt tooth portion and the pulley tooth groove portion, the component force of the belt tension decreases, and the pitch line push-up amount increases. In other words, the speed unevenness increases as the contact of the belt tooth portion to the pulley tooth groove portion is made earlier.
[0016]
Therefore, when the 0.3 W pressure angle is small as in the conventional tooth shape, the side surface of the belt tooth portion quickly contacts the side surface of the pulley tooth groove portion (see FIG. 4 (b)). Thus, when the 0.3 W pressure angle is larger than the conventional one, the contact of the belt tooth portion with the side surface of the pulley tooth groove portion becomes slow (see FIG. 4A), thereby reducing the belt speed unevenness. Can do.
[0017]
On the other hand, the 0.3 W pressure angle cannot be increased in a dark manner. If it is too large, the speed unevenness increases. That is, as described above, the amount of movement of the belt span is determined by the reaction force that slips after the side surface of the belt tooth portion comes into contact with the side surface of the pulley tooth groove portion and the component force of the belt tension. If it is too large, the component in the vertical direction (in the direction perpendicular to the belt span) of the reaction force generated when the belt tooth slides into the pulley tooth groove will become too large, making it difficult to slip and pushing up the belt pitch line. It is.
[0018]
Therefore, according to the analysis result of the present inventor, the above-mentioned 0.3 W pressure angle is within the range of 26 to 39 ° as described above, so that an optimum allowable range can be obtained. 25.3 °), which is extremely effective in reducing the uneven speed of the belt.
[0019]
Here, it is preferable that the tooth side surface portion of the belt tooth portion is composed of an arc surface of one circle, but if it is a convex curved surface that can be approximated by a substantially arc surface, a part of the ellipse Or a curved surface made of another curve, such as a part of a parabola. In any case, if it is a convex curved surface that can be approximated by a substantially arc surface, and the 0.3 W pressure angle is 26 to 39 °, the effect of the present invention is exhibited.
[0020]
Further, in the belt tooth portion, the tooth tip portion that connects the two tooth side surface portions has a flat surface portion that is substantially flat at the tip, and this flat surface portion is continuous with the arc surface portion with respect to the arc surface of the tooth side surface portion. It is a general configuration (see FIG. 1) that is formed so as to be connected to the teeth. However, the present invention is not limited to this configuration, and the tooth tip part is more than the extension line in the tooth tip direction of the arc surface of both tooth side parts. The effect of the present invention can be exhibited as long as it is provided so as to be positioned on the tooth base side (inner side).
[0021]
In the invention of
[0022]
In the invention of
[0023]
On the other hand, if the arc radius RB of the tooth side surface portion of the belt tooth portion is substantially equal to the belt tooth root width W and is in the range of R = 0.7 W to 1.5 W, the above interference hardly occurs ( (See FIG. 6 (a)), since it can slide smoothly, the speed unevenness is reduced. In other words, if the radius RB is within the range of RB = 0.7 W to 1.5 W with respect to the tooth root width W, it is possible to slip smoothly and is effective in reducing the speed unevenness.
[0024]
In the invention of
[0025]
In the invention of
[0026]
On the other hand, in order to reduce the speed unevenness, it is advantageous that the belt tooth pitch is as small as possible. For example, in the case of a printer that attaches a carriage to a belt and makes a reciprocating motion, for a driving device that drives a driving pulley with 14 teeth with a toothed belt with PB = 1.6 W, the toothed belt is with PB = 1.4 W. If replaced with one, a drive pulley with 16 teeth can be used to match the carriage speed and pulley diameter.
[0027]
Since the polygonal effect is smaller (more closer to a circle) when the number of pulley teeth is larger, it is advantageous that the tooth pitch is smaller. If PB = 1.5 W or less, the above effect is obtained compared to the conventional one, and the speed unevenness is reduced. However, even if it is a light load application, if it is less than PB = 1.25 W, the pulley tooth crest becomes too narrow, and there is a problem in the strength and workability of the pulley. For this reason, PB = 1.25W-1.5W is a practically effective range.
[0028]
In the invention of
[0029]
According to a ninth aspect of the present invention, the tooth tip portion of the belt tooth portion is constituted by one circular arc surface that is continuous with the circular arc surfaces of both tooth side surface portions and has a center point on the center line in the tooth width direction. And
[0030]
As described above, the tooth tip portion only needs to be provided so as to be positioned on the inner side of the extension line in the tooth tip direction of the arc surface of both tooth side surface portions, but the tooth tip portion is constituted by one arc surface. For example, the contact of the belt tooth portion with the pulley tooth groove portion can be further slowed (see the solid line in FIG. 9) and the belt speed unevenness can be further reduced as compared with the one having a flat portion (see the phantom line in FIG. 9). There are advantages.
[0031]
In the invention of
[0032]
The inventions of
[0033]
As described above, with a toothed belt having a convex arc tooth side surface portion, if the pressure angle is configured to be large within an appropriate range, the contact with the pulley tooth groove portion can be slowed, so the speed variation as the belt itself is reduced. Although it has the effect of reducing, it can exhibit a much larger effect by combining with the pulley tooth groove shape. That is, as a prior art aiming at reducing the speed unevenness by combining the belt tooth shape and the pulley tooth groove shape, there is the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 64-74341. As described above, the backlash between the belt tooth portion and the pulley tooth groove portion is gradually increased from the tooth tip portion toward the tooth tip side (that is, the pulley tooth groove side surface is larger than the pressure angle on the belt tooth side surface). By reducing the pressure angle, the aim is to suppress the interference of the belt teeth on the pulley tooth groove during biting (see FIG. 21).
[0034]
However, in this configuration, interference hardly occurs in the no-load transmission state, but in reality, in the normal transmission state as described above, the belt tooth portion of the pulley tooth groove portion is affected by the applied load torque. Since it bites in a position slightly delayed from the position, the side surface of the tooth portion on the rear side in the running direction of the belt tooth portion comes into contact with the side surface of the pulley tooth groove portion and then slips. At this time, as in the conventional example, if the pressure angle on the pulley tooth groove side is made smaller than the pressure angle on the belt tooth side surface, the belt tooth side surface comes into contact with the apex arc portion of the pulley tooth groove portion, and the belt tooth portion is It is bitten while being pushed up by the crest arc portion of the pulley tooth groove (see FIG. 5B). As a result, the belt cannot slide smoothly into the pulley tooth groove, and the belt pitch line is pushed up, resulting in increased speed unevenness. Actually, in the speed unevenness analysis using the finite element method, the speed unevenness deteriorates for the same pressure angle of the belt and the pulley.
[0035]
On the other hand, according to the structure of the invention of
[0036]
In the invention of
[0037]
In this way, the toothed belt in which the tooth tip portion of the belt tooth portion is provided on a substantially flat surface and the toothed pulley in which the tooth groove bottom portion of the pulley tooth groove portion is provided on a substantially flat surface are combined, and the two flat portions are in contact with each other. As a result, the entire flat surface of the tooth tip portion of the belt tooth portion can be received by the flat surface portion of the tooth groove bottom portion of the pulley tooth groove portion in a wide area in a state where the belt is fully engaged with the pulley. For this reason, the belt core line position (pitch line) at the time of complete meshing can be made more stable, and the uneven speed of the belt can be further reduced.
[0038]
In the invention of
[0039]
As described above, the tooth bottom portion of the pulley tooth groove portion is configured by an arc surface having a radius larger than the arc radius of the tooth tip portion of the belt tooth portion. Can be received over a wide area of the arc surface of the pulley tooth groove bottom, and the same effect as described above can be obtained.
[0040]
Furthermore, according to the present invention, when the belt is engaged with the pulley, the side surface of the belt tooth portion smoothly slides on the side surface of the pulley tooth groove portion, the tooth tip portion of the belt tooth portion is the tooth side surface portion, and the pulley tooth groove portion. Since the bottom of the tooth groove is an arc surface continuously provided with the side surface of the tooth groove, not only the side of the belt tooth but also the tooth tip until the moment when the belt and the pulley are fully engaged. Even the portion slides smoothly into the bottom portion of the pulley tooth groove, so that the vertical amount of the pitch line hardly occurs and the speed unevenness can be extremely reduced.
[0041]
According to the fourteenth aspect of the present invention, the toothed belt transmission device is provided as office equipment, and a carriage is attached to the toothed belt. As a result, when printing is performed by moving the carriage during operation of the toothed belt transmission device, the speed fluctuation of the carriage due to uneven speed of the belt is reduced, so that the printing accuracy and image quality by the carriage can be improved. .
[0042]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(Embodiment 1)
FIG. 3 shows an overall configuration of the toothed belt transmission device A according to the first embodiment of the present invention, and this transmission device A is installed in office equipment typified by a printer or a copying machine. In FIG. 3,
[0043]
As shown in FIG. 2 in an enlarged manner, the driving or driven
[0044]
On the other hand, the
[0045]
Further, a core wire (not shown) as a tensile body is embedded on the pitch line PL of the
[0046]
Further, in view of reducing the speed unevenness of the
[0047]
On the land line LL of the belt
[0048]
When the belt
[0049]
On the other hand, when the belt
[0050]
The feature of the present invention resides in the shape of each
[0051]
The center point O1B of the arc surface of each tooth
[0052]
The 0.3 W pressure angle θB at the reference position D, which is 0.3 W away from the land line LL in the tooth height direction in the tooth
[0053]
In addition, as shown in FIG. 2, the side surface (side surface in the tooth width direction) of the
[0054]
In this embodiment, as shown in FIG. 4, when each
[0055]
At that time, the belt pitch line PL moves up and down in the direction perpendicular to the belt span in the span of the belt 10 (the portion not wrapped around the pulley 1), thereby causing uneven meshing speed and the amount of vertical movement of the pitch line PL. Is determined by a reaction force generated when the
[0056]
Therefore, in the conventional
[0057]
On the other hand, the amount of movement of the belt span is determined by the reaction force that slides after the side surface of the
[0058]
Further, in this embodiment, since the pressure angle at each position in the tooth height direction of the side surface of the
[0059]
Further, the arc radius RB of the tooth
[0060]
However, as in this embodiment, if the arc radius RB of the tooth
[0061]
Moreover, since the tooth pitch PB of the
[0062]
Furthermore, the substantially
[0063]
As described above, the unevenness of the speed of the
[0064]
Further, since the tooth
[0065]
(Embodiment 2)
7 and 8 show a second embodiment of the present invention (in the following embodiments, the same parts as those in FIGS. 1 and 2 are denoted by the same reference numerals and detailed description thereof is omitted). In the form, the shape of the
[0066]
That is, in this embodiment, as shown in FIG. 8, each pulley
[0067]
On the other hand, as shown in FIGS. 7 and 8, each
[0068]
As in the first embodiment, the 0.3 W pressure angle θB at the reference position D of the tooth
[0069]
Further, the side surface of the
[0070]
Therefore, also in this embodiment, the same effect as that of the first embodiment can be obtained. In addition, since the
[0071]
(Embodiment 3)
FIG. 10 shows a third embodiment, and in this embodiment, each
[0072]
On the other hand, the tooth
[0073]
In the case of this embodiment, the tooth
[0074]
Further, the
[0075]
(Other embodiments)
In the first embodiment, the
[0076]
Further, in this case, the
[0077]
In the above embodiments, the
[0078]
Moreover, in each said embodiment, the
[0079]
【Example】
(FEM analysis evaluation)
Next, specific examples will be described. First, the speed unevenness of the toothed belt was analyzed using the FEM analysis method. The FEM analysis was a two-dimensional dynamic analysis using general-purpose software “ABAQUS”. As shown in FIG. 13, the analysis model models two
[0080]
Then, the velocity irregularity data was obtained by outputting the velocity at one point on the belt pitch line. The data is shown in FIG. FIG. 15A shows an example of the present invention (corresponding to
[0081]
Further, when the relationship between the 0.3 W pressure angle of the belt tooth portion and the speed unevenness (belt speed fluctuation value) was obtained from this data, the result shown in FIG. 16 was obtained. In FIG. 16, the fluctuation value of the belt speed is represented by an index with the above conventional example being “1.0”. Further, in FIG. 16, the solid line indicates that the belt tooth portion has a tooth shape having a tooth tip portion formed of one substantially flat surface, of which 0.3W pressure angle is 26 to 39 °. This is an example of the invention. On the other hand, the broken line corresponds to the second embodiment in which the belt tooth portion is provided so as to be continuous between both tooth side surface portions and has a tooth tip portion formed of one circular arc surface having a center point on the center line in the tooth width direction. The example of this invention is shown.
[0082]
(Table evaluation)
On the other hand, a transmission test composed of a belt and a pulley was produced, and a bench test was also performed in which the speed variation of the belt was measured with a measuring device. That is, as an example of the present invention, two toothed belts having different pressure angles (0.3 W pressure angle = 29.2 °, 31.1 °) in the configuration of the second embodiment shown in FIG. 2) As a conventional example, a toothed belt having a tooth tip portion having one substantially flat surface and a 0.3 W pressure angle of the tooth side surface portion of 25.3 ° was made. The respective dimensions are as shown in Table 1 below. The dimension value is expressed as an index with the belt tooth pitch (2.117 mm) being “1.0”.
[0083]
[Table 1]
[0084]
Specifically, the toothed belt is made of rubber having an arc tooth-shaped tooth portion with a tooth pitch of 2.117 mm, the rubber is chloroprene rubber having a hardness of 70 °, and the core wire is a glass fiber having a diameter of 0.3 mm. Consists of. The woven fabric was made of polyamide wooly yarn, and was subjected to RF treatment and rubber paste treatment only on the back side.
[0085]
And about these toothed belts, the speed nonuniformity at the time of an actual driving | running | working was measured with the belt speed nonuniformity measuring apparatus shown in FIG. This measuring device comprises a drive and driven
[0086]
As is apparent from FIG. 16 above, if the 0.3 W pressure angle on the side surface of the belt tooth is 26 to 39 °, the belt has a 0.3 W pressure angle of 25.3 ° as compared to the conventional example. It was confirmed that the non-uniformity of speed was reduced. In particular, if the 0.3 W pressure angle is set to 28 to 35 °, and further set to 29 to 33 °, the belt speed unevenness is greatly reduced, and 31 ° is found to be an optimum value.
[0087]
【The invention's effect】
As described above, in
[0088]
In the invention of
[0089]
In invention of
[0090]
According to the ninth aspect of the present invention, the tooth portion of the belt tooth portion is constituted by one arc surface that is continuous with the arc surface of both tooth side surface portions and has a center point on the center line in the tooth width direction. It is possible to further reduce the belt speed unevenness by further slowing the contact of the belt portion with the pulley tooth groove portion.
[0091]
According to the invention of
[0092]
According to invention of
[0093]
According to the invention of
[0094]
According to the invention of
[0095]
According to the fourteenth aspect of the present invention, since the office equipment is equipped with the toothed belt transmission device and the carriage is attached to the toothed belt, the speed fluctuation of the carriage of the office equipment is reduced. Thus, printing accuracy and image quality can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an enlarged cross-sectional view showing a tooth portion of a toothed belt according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view illustrating a state in which a tooth portion of a toothed belt of the toothed belt transmission according to the first embodiment is engaged with a toothed pulley.
FIG. 3 is a front view schematically showing the overall configuration of the toothed belt transmission device.
FIG. 4 is an explanatory view schematically showing a state in which a tooth portion of a toothed belt meshes with a tooth groove portion of a toothed pulley.
FIG. 5 is a view corresponding to FIG. 4 showing a meshing state corresponding to a difference in pressure angle between a tooth side surface of the toothed belt and a tooth groove side surface of the toothed pulley.
6 is a view corresponding to FIG. 4 showing a meshing state according to the size of the arc radius of the tooth side surface portion of the belt tooth portion.
FIG. 7 is a view corresponding to FIG. 1 and showing a tooth portion of a toothed belt according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a view corresponding to FIG.
FIG. 9 is a view corresponding to FIG. 4 schematically showing a state in which the tooth portion of the toothed belt meshes with the tooth groove portion of the toothed pulley in the second embodiment.
FIG. 10 is a view corresponding to FIG.
FIG. 11 is a view corresponding to FIG. 2 showing another embodiment in which the belt land portion does not contact the pulley outer diameter portion in a transmission state in which tension is applied to the belt.
FIG. 12 is a diagram schematically showing a modification of a tooth tip portion of a belt tooth portion.
FIG. 13 is a diagram showing an overall configuration of an analysis model for analyzing belt speed unevenness by an FEM analysis method;
FIG. 14 is a diagram showing a main part of an analysis model.
FIG. 15 is a diagram showing data obtained by analyzing the belt speed unevenness by an FEM analysis method;
FIG. 16 is a diagram showing a relationship between a pressure angle of a belt tooth portion and speed unevenness obtained from belt speed unevenness analysis data.
FIG. 17 is a view showing an apparatus for measuring uneven belt speed.
FIG. 18 is a diagram showing measurement data of a belt speed unevenness measuring apparatus.
FIG. 19 is a diagram showing data obtained by analyzing the frequency of belt speed unevenness.
FIG. 20 is a diagram showing a relationship between a pressure angle of a belt tooth portion obtained from belt speed unevenness measurement data and speed unevenness.
FIG. 21 is a view corresponding to FIG. 2 and showing a state in which a tooth portion of a conventional toothed belt meshes with a toothed pulley.
[Explanation of symbols]
A Toothed belt drive
1, 2 pulley
3 Pulley tooth groove
4 Top crest arc
5 tooth gap side
6 tooth gap bottom
7 Arc surface
8 Flat part
C1 center line in the tooth gap width direction
O2P center point
rTP arc radius
10 Toothed belt
11 Belt body
12 Land
13 Belt teeth
14 Tooth base
15 Tooth side
16 tooth tip
17 Arc surface
18 Flat part
D Reference position
PL pitch line
LL Landline
C2 Tooth width direction center line
O2B center point
rTB Arc radius
θB 0.3W pressure angle
W tooth root width
Claims (14)
ピッチライン上に抗張体が埋設されたベルト本体と、
上記ベルト本体のランドライン上に一定ピッチで設けられた複数のベルト歯部とを備え、
上記各ベルト歯部は、歯幅方向中心線に対し対称に配置された略円弧面からなる歯元部と、
上記歯元部に連続して歯部側面に位置しかつ上記歯幅方向中心線に対し対称に設けられた凸形状の略円弧面からなる歯側面部と、
上記両歯側面部の円弧面の歯先側延長線よりも歯元側に位置し、両歯側面部同士を連続するように設けられた歯先部とで構成されており、
上記ランドライン上での歯元幅をWとしたとき、上記ベルト歯部の歯側面部においてランドラインから歯高さ方向に0.3W離れた基準位置での圧力角が26〜39°であり、
上記歯側面部と略相似形でかつ張力の付与された伝動状態において、該歯側面部と歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しい歯溝側面部を有する複数のプーリ歯溝部がプーリ外径ライン上に一定ピッチで設けられた歯付プーリに巻き付けられることを特徴とする歯付ベルト。 In a toothed belt for light load transmission,
A belt body in which a tensile body is embedded on the pitch line;
A plurality of belt teeth provided at a constant pitch on the land line of the belt body,
Each of the belt tooth portions is a tooth root portion formed of a substantially arc surface arranged symmetrically with respect to the center line in the tooth width direction;
A tooth side surface portion comprising a convex substantially arcuate surface located on the side surface of the tooth portion continuously to the tooth base portion and provided symmetrically with respect to the center line in the tooth width direction;
It is located on the tooth base side of the tooth tip side extension line of the arc surface of the both tooth side surface parts, and is composed of a tooth tip part provided so as to continue both tooth side parts.
When the tooth root width on the land line is W, the pressure angle at the reference position 0.3 W away from the land line in the tooth height direction at the tooth side surface portion of the belt tooth portion is 26 to 39 °. The
A plurality of pulley tooth groove portions having tooth groove side portions having substantially the same pressure angle at each position in the tooth height direction as the tooth side surface portion in a transmission state that is substantially similar to the tooth side surface portion and applied with tension. A toothed belt which is wound around a toothed pulley provided at a constant pitch on a pulley outer diameter line .
ベルト歯部の歯側面部の基準位置での圧力角が28〜35°であることを特徴とする歯付ベルト。The toothed belt of claim 1,
A toothed belt, wherein a pressure angle at a reference position of a tooth side surface portion of the belt tooth portion is 28 to 35 °.
ベルト歯部の歯側面部の基準位置での圧力角が29〜33°であることを特徴とする歯付ベルト。The toothed belt of claim 1,
A toothed belt, wherein a pressure angle at a reference position of a tooth side surface portion of the belt tooth portion is 29 to 33 °.
ベルト歯部の歯側面部の円弧半径RBがRB=0.7W〜1.5Wであることを特徴とする歯付ベルト。The toothed belt according to any one of claims 1 to 3,
A toothed belt, wherein an arc radius RB of a tooth side surface portion of the belt tooth portion is RB = 0.7 W to 1.5 W.
ベルト歯部の歯側面部の円弧半径RBがRB=0.8W〜1.3Wであることを特徴とする歯付ベルト。The toothed belt according to any one of claims 1 to 3,
A toothed belt, wherein an arc radius RB of a tooth side surface portion of the belt tooth portion is RB = 0.8 W to 1.3 W.
ベルト歯部の歯側面部の円弧半径RBがRB=0.9W〜1.1Wであることを特徴とする歯付ベルト。The toothed belt according to any one of claims 1 to 3,
A toothed belt, wherein an arc radius RB of a tooth side surface portion of the belt tooth portion is RB = 0.9 W to 1.1 W.
ベルト歯部の歯ピッチPBがPB=1.25W〜1.5Wであることを特徴とする歯付ベルト。The toothed belt according to any one of claims 1 to 6,
A toothed belt, wherein a tooth pitch PB of the belt tooth portion is PB = 1.25 W to 1.5 W.
ベルト歯部の歯ピッチPBがPB=1.37W〜1.47Wであることを特徴とする歯付ベルト。The toothed belt according to any one of claims 1 to 6,
A toothed belt having a tooth pitch PB of the belt tooth portion of PB = 1.37W to 1.47W.
ベルト歯部の歯先部は、両歯側面部の円弧面と連続しかつ歯幅方向中心線上に中心点を持つ1つの円弧面で構成されていることを特徴とする歯付ベルト。In the toothed belt of any one of Claims 1-8,
The toothed portion of the belt tooth portion is constituted by a single circular arc surface that is continuous with the circular arc surfaces of both tooth side surface portions and has a center point on the center line in the tooth width direction.
ベルト歯部の歯先部は、両側面部の円弧面に連続するように設けられた略円弧面からなる円弧面部と、両円弧面部を接続するように設けられた略平面からなる1つの平面部とで構成されていることを特徴とする歯付ベルト。In the toothed belt of any one of Claims 1-8,
The tooth tip part of the belt tooth part is an arc surface part formed of a substantially arc surface provided so as to be continuous with the arc surfaces of both side surface parts, and a single plane part comprising a substantially flat surface provided so as to connect both arc surface parts. A toothed belt characterized by comprising:
上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、
上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けられた凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、
上記両歯溝側面部同士を接続するように設けられた歯溝底部とで構成されており、
上記歯溝側面部は、上記ベルト歯部の歯側面部と略相似形であり、ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯側面部と歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しく構成されていることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。One and toothed belt any of claims 1 to 10, a toothed belt transmission device comprising a combination of a toothed pulley having a pulley tooth groove portion of the multiple,
Each pulley tooth groove part is a tooth crest part formed of a substantially arc surface arranged symmetrically with respect to the center line in the tooth gap width direction,
A tooth gap side surface portion comprising a substantially arc surface of a concave shape provided symmetrically with respect to the center line of the tooth gap width direction in succession to the tooth crest arc portion;
It is composed of a tooth gap bottom portion provided so as to connect the both tooth groove side surfaces,
The grooves side portion is a tooth side portion and the shape similar to the belt tooth portion, Te transmission state odor tension to the belt pulley is wound around the belt has been applied, the tooth side portion of the belt tooth portion and the tooth height A toothed belt transmission device characterized in that pressure angles at respective positions in the vertical direction are substantially equal.
上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、
上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けられた凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、
上記両歯溝側面部同士を接続するように設けられた略円弧面からなる円弧面部と、該両円弧面部同士を接続するように設けられた略平面からなる1つの平面部とからなる歯溝底部とで構成されており、
上記歯溝側面部は、上記ベルト歯部の歯側面部と略相似形であり、ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯側面部と歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しく構成され、かつベルト歯先部とプーリ歯溝底部とが接触していることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。 A toothed belt according to claim 10, a toothed belt transmission device comprising a combination of a toothed pulley having a pulley tooth groove portion of the multiple,
Each pulley tooth groove part is a tooth crest part formed of a substantially arc surface arranged symmetrically with respect to the center line in the tooth gap width direction,
A tooth gap side surface portion comprising a substantially arc surface of a concave shape provided symmetrically with respect to the center line of the tooth gap width direction in succession to the tooth crest arc portion;
A tooth groove comprising a circular arc surface portion formed of a substantially circular arc surface provided so as to connect the side surfaces of both tooth grooves and a single flat surface portion formed of a substantially flat surface provided so as to connect the circular arc surface portions. Consists of a bottom and
The grooves side portion is a tooth side portion and the shape similar to the belt tooth portion, Te transmission state odor tension to the belt pulley is wound around the belt has been applied, the tooth side portion of the belt tooth portion and the tooth height A toothed belt transmission device characterized in that pressure angles at respective positions in the vertical direction are substantially equal, and a belt tooth tip and a pulley tooth groove bottom are in contact with each other.
上記各プーリ歯溝部は、歯溝幅方向中心線に対し対称に配置された略円弧面からなる歯頂円弧部と、
上記歯頂円弧部に連続して歯溝幅方向中心線に対し対称に設けられた凹形状の略円弧面からなる歯溝側面部と、
上記両歯溝側面部同士を連続するように設けられ、上記プーリ歯幅方向中心線上に中心を持ちかつベルト歯先部の円弧半径よりも大きい半径を有する1つの円弧面からなる歯溝底部で構成されており、
上記歯溝側面部は、上記ベルト歯部の歯側面部と略相似形であり、ベルトにプーリが巻き付いてベルトに張力が付与された伝動状態において、ベルト歯部の歯側面部と歯高さ方向の各位置での圧力角が略等しく構成され、かつベルト歯先部とプーリ歯溝底部が接触していることを特徴とする歯付ベルト伝動装置。 A toothed belt according to claim 9, a toothed belt transmission device comprising a combination of a toothed pulley having a pulley tooth groove portion of the multiple,
Each pulley tooth groove part is a tooth crest part formed of a substantially arc surface arranged symmetrically with respect to the center line in the tooth gap width direction,
A tooth gap side surface portion comprising a substantially arc surface of a concave shape provided symmetrically with respect to the center line of the tooth gap width direction in succession to the tooth crest arc portion;
A tooth groove bottom portion formed by one arc surface having a center on the pulley tooth width direction center line and having a radius larger than the arc radius of the belt tooth tip portion, provided to be continuous between both tooth groove side surfaces. Configured,
The grooves side portion is a tooth side portion and the shape similar to the belt tooth portion, Te transmission state odor tension to the belt pulley is wound around the belt has been applied, the tooth side portion of the belt tooth portion and the tooth height A toothed belt transmission device characterized in that pressure angles at respective positions in the vertical direction are substantially equal, and a belt tooth tip and a pulley tooth groove bottom are in contact with each other.
歯付ベルトにキャリッジが取り付けられていることを特徴とする事務用機器。The toothed belt transmission device according to any one of claims 11 to 13 is mounted,
An office machine characterized in that a carriage is attached to a toothed belt.
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