JP3838004B2 - Piston cooling structure for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内直接噴射式の内燃機関、例えばディーゼル機関に適用される内燃機関用ピストンの冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、筒内直接噴射式の内燃機関として、図8に示すように、ピストン80の上面中央に設けたキャビティ81内へ、同キャビティ81の中央上部に配置したインジェクタ( 図示省略) 先端の複数の噴口から燃料を噴射するディーゼル機関が知られている。このようなディーゼル機関にあっては、一般に、キャビティ81のリップ部82のうち、エンジンフロント方向(Fr方向)にある前側部位83近傍或いはエンジンリア方向(Rr方向)にある後側部位84近傍には、爆発荷重を受けた際に最も大きな引張応力が発生する。通常、そのような機械的応力が大きくなる部位の温度をできるだけ低くするのが望ましい。
【0003】
そこで、図8に示すディーゼル機関のように、インジェクタの噴口数が偶数(同図では6)の場合には、リップ部82の前側部位83或いは後側部位84のいずれにも火炎が当たらないように、インジェクタの各噴口の向きを設定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のディーゼル機関では、インジェクタの噴口数を5以上の奇数にした場合には、リップ部82の前側部位83或いは後側部位84のいずれか一方に火炎が当たるような設定になってしまう。特に、最近では、キャビティ81内に噴射される燃料を微粒化して排気エミッションを低減するために、インジェクタの噴口数が多くなる傾向にある。このようなディーゼル機関にあっては、インジェクタの噴口数を奇数にした場合、前側部位83或いは後側部位84のいずれか一方に必ず火炎が当たるような設定になってしまう。この場合、機械的応力が最も大きくなる部位である前側部位83或いは後側部位84のいずれか一方が、火炎により高温になるために、その部位で機械的応力による亀裂等が発生し易くなり、ピストン80が破損する虞がある。
【0005】
このような問題を解決するために、図9に示すように、ピストン80のリップ部82に円筒状の補強材85を組み付ける構成が考えられる。しかし、この場合には、補強材85の分だけ部品点数が増えるとともに、補強材85をリップ部82に組み付ける作業が新たに増えてしまうので、製造コストが増大してしまう。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、製造コストを増大させることなく、機械的応力による破損を防止した内燃機関用ピストンの冷却構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、ピストンの上面中央に設けたキャビティ内へ、同キャビティの中央上部に配置したインジェクタ先端の複数の噴口から燃料を噴射する筒内直接噴射式の内燃機関に適用され、前記キャビティ周縁のリップ部の、前記複数の噴口にそれぞれ対応する複数の個所に火炎が当たる内燃機関用ピストンの冷却構造であって、前記キャビティ周縁のリップ部の、エンジンフロント方向にある前側部位或いはエンジンリア方向にある後側部位のいずれか一方に火炎が当たるように前記インジェクタの噴口の向きが設定されるとき、前記ピストンの上部内で前記キャビティの外側を環状に延びる冷却用オイル通路のオイル入口が、前記リップ部の前側部位或いは後側部位のうち、火炎が当たる方の近傍に設けられていることを特徴としている。
【0008】
この発明によれば、リップ部の前側部位或いは後側部位のうち、火炎が当たる方の近傍領域の温度上昇を、冷却用オイル通路のオイル入口から入る温度の低いオイルで防ぐことができる。これにより、最も大きな機械的応力の発生する部位が火炎により高温になるのを防止することができる。しかも、その防止のために、別部材を新たに用意する必要がない。したがって、製造コストを増大させることなく、機械的応力による破損を防止することができる。
【0009】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の内燃機関用ピストンの冷却構造において、前記インジェクタの噴口数が奇数であることを特徴としている。
この発明によれば、インジェクタの噴口数を奇数とし、その噴口数を多くする場合に特に有効となる。即ち、噴口数を奇数としてその噴口数を多くすると、リップ部の前側部位或いは後側部位のいずれか一方に必ず火炎が当たるような設定になってしまう。しかし、このような場合にも、前側部位或いは後側部位のうち、火炎が当たる方の近傍領域の温度上昇を、冷却用オイル通路のオイル入口から入る温度の低いオイルで防ぐことができる。したがって、機械的応力による破損を防止しつつ、インジェクタの噴口数を増やして排気エミッションの低減を図ることができる。
【0010】
請求項3に係る発明では、請求項1又は2に記載の内燃機関用ピストンの冷却構造において、前記冷却用オイル通路のオイル出口は、前記ピストンの上部内で前記キャビティの外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置や前記キャビティ内に発生させるスワールの向きにより高温になる領域内に設けられていることを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、ピストンの上部内でキャビティの外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置やスワールの向きにより高温になる領域は、冷却用オイル通路のオイル出口に近づくにつれて温度が高くなるオイルで冷却される。このため、キャビティの外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置やスワールの向きにより高温になる領域では、冷却用オイル通路近傍と火炎が当たって高温になるリップ部との間での温度勾配が緩やかになり、大きな熱応力の発生を防止することができる。
【0012】
したがって、最も大きな機械的応力の発生する部位でかつ火炎が当たるリップ部の前側部位或いは後側部位の一方を含む狭い範囲の温度上昇に対しては、温度の低いオイルでその狭い範囲の温度を下げて機械的応力による破損を防止するとともに、吸気及び排気バルブの配置やスワールの向きにより高温になる広範囲の温度上昇に対しては、大きな熱応力を発生させずにその広範囲の領域の温度を下げることができる。
【0013】
請求項4係る発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンの冷却構造において、前記スワールの向きが前記ピストンの上面内で反時計方向であり、エンジンのスラスト側に排気バルブが配置され、かつ前記リップ部の後側部位に火炎が当たる場合、前記冷却用オイル通路のオイル入口は、前記ピストンの上部内で前記キャビティの外側の領域のうち、エンジンの反スラスト側でかつリア側の領域内に設けられ、そして、前記冷却用オイル通路のオイル出口は、前記外側の領域のうち、前記スラスト側でかつフロント側或いはリア側の領域内に設けられていることを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、火炎が当たるリップ部の後側部位を含む狭い範囲の温度上昇に対しては、冷却用オイル通路のオイル入口から入る温度の低いオイルでその狭い範囲の温度を下げて機械的応力による破損を防止することができる。これとともに、前記キャビティの外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置やスワールの向きにより高温になる領域、即ち、エンジンのスラスト側でかつフロント側或いはリア側の広範囲の温度上昇に対しては、大きな熱応力を発生させずにその広範囲の領域の温度を下げることができる。
【0015】
請求項5に係る発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンの冷却構造において、前記スワールの向きが前記ピストンの上面内で反時計方向であり、エンジンのスラスト側に排気バルブが配置され、かつ前記リップ部の前側部位に火炎が当たる場合、前記冷却用オイル通路のオイル入口は、前記ピストンの上部内で前記キャビティの外側の領域のうち、エンジンの反スラスト側でかつフロント側の領域内に設けられ、そして、前記冷却用オイル通路のオイル出口は、前記外側の領域のうち、前記スラスト側でかつフロント側或いはリア側の領域内に設けられていることを特徴としている。
【0016】
この発明によれば、火炎が当たるリップ部の前側部位を含む狭い範囲の温度上昇に対しては、冷却用オイル通路のオイル入口から入る温度の低いオイルでその狭い範囲の温度を下げて機械的応力による破損を防止することができる。これとともに、前記キャビティの外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置やスワールの向きにより高温になる領域、即ち、エンジンのスラスト側でかつフロント側或いはリア側の広範囲の温度上昇に対しては、大きな熱応力を発生させずにその広範囲の領域の温度を下げることができる。
【0017】
請求項6に係る発明では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンの冷却構造において、前記スワールの向きが前記ピストンの上面内で時計方向であり、エンジンのスラスト側に排気バルブが配置され、かつ前記リップ部の後側部位に火炎が当たる場合、前記冷却用オイル通路のオイル入口は、前記ピストンの上部内で前記キャビティの外側の領域のうち、エンジンの反スラスト側でかつリア側の領域内に設けられ、そして、前記冷却用オイル通路のオイル出口は、前記外側の領域のうち、前記スラスト側でかつフロント側或いはリア側の領域内に設けられていることを特徴としている。
【0018】
この発明によれば、火炎が当たるリップ部の後側部位を含む狭い範囲の温度上昇に対しては、冷却用オイル通路のオイル入口から入る温度の低いオイルでその狭い範囲の温度を下げて機械的応力による破損を防止することができる。これとともに、前記キャビティの外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置やスワールの向きにより高温になる領域、即ち、エンジンのスラスト側でかつフロント側或いはリア側の広範囲の温度上昇に対しては、高い熱応力を発生させずにその広範囲の領域の温度を下げることができる。
【0019】
請求項7に係る発明では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関用ピストンの冷却構造において、前記インジェクタの噴口の向きは、最大出力を発生する機関回転速度付近で、前記リップ部の前側部位或いは後側部位のいずれか一方に火炎が当たるように設定されることを特徴としている。
【0020】
一般に、リップ部に当たる火炎の位置は、スワールの強さにより変化する。即ち、エンジン回転速度が上がるにつれてスワールの強さ(空気流速)が大きくなると、リップ部に当たる火炎の位置は、スワールの方向に沿って移動する。そこで、この発明では、最大出力を発生するエンジン回転速度付近で、リップ部の前側部位或いは後側部位のいずれか一方に火炎が当たる設定にしてある。このため、ピストンが温度上昇により強度的に最も厳しい最高出力を発生するエンジン回転速度付近で、リップ部の前側部位或いは後側部位のいずれか一方に火炎が当たり、その部位を含む狭い範囲の温度上昇に対して、オイルの入口から入る温度の低いオイルでその狭い範囲の温度を下げることができる。したがって、全ての機関運転状態において、機械的応力による破損を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る内燃機関用ピストンの冷却構造を筒内直接噴射式のディーゼル機関に適用した各実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[ 第1の実施形態]
まず、第1の実施形態に係る内燃機関用ピストンの冷却構造を図1〜図6に基づいて説明する。図1〜図6では、ディーゼル機関の1つの気筒のピストンのみを示してある。ピストン11の上面12の中央には、図1、図2及び図5に示すように、不図示のシリンダヘッドの内壁面及び上面12と共に燃焼室を形成するキャビティ13が形成されている。このディーゼル機関は、キャビティ13の中央上部に配置したインジェクタ14先端の複数の噴口15(本例では7つの噴口)からキャビティ13内へ燃料を直接噴射するようになっている(図5参照)。各噴口15は、インジェクタ14の軸線を中心に周方向に等間隔で設けられている。
【0023】
また、このディーゼル機関では、キャビティ13周縁のリップ部16のうち、7つの噴口15にそれぞれ対応する7個所(図1の斜線で示す領域a〜g)に火炎が当たるように設定されている(図1参照)。これら7つの領域a〜gには、リップ部16のエンジンリア方向(Rr方向)にある後側部位17を含む領域dも含まれている。その後側部位17には、リップ部16のエンジンフロント方向(エンジンFr方向)にある前側部位18と同様に、爆発荷重を受けた際に最も大きな引張応力が発生する。こうして、このディーゼル機関では、リップ部16の前側部位18或いは後側部位17の一方(本例では後側部位17)に火炎が当たるように設定されている。なお、エンジンフロント方向を示すフロントマークMが、上面12上に設けられている。
【0024】
そして、ピストン11の上部内には、その上部内でキャビティ13の外側を環状に延びる冷却用オイル通路としてのクーリングチャンネル19(図1参照)が設けられている。このクーリングチャンネル19のオイル入口20は、リップ部16の前側部位18或いは後側部位17のうち、火炎が当たる方(後側部位17)の近傍に設けられている。一方、そのオイル出口21は、ピストン11の上部内でキャビティ13の外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置やキャビティ13内に発生させるスワールの向きにより高温になる領域内に設けられている。ここで、吸気及び排気バルブの配置により高温になる領域とは、排気側(EX側)となるために高温になる領域で、本例では図6の斜線hで示すスラスト側の領域である。また、スワールの向きにより高温になる領域とは、本例では、図6の斜線iで示すフロント側の領域である。
【0025】
具体的には、本例では、インジェクタ14の噴口数は奇数(7)であり、スワール22の向きがピストン11の上面12内で反時計方向であり、エンジンのスラスト側に排気バルブが配置され(スラスト側がEX側であり)、かつリップ部16の後側部位17を含む領域dに火炎が当たるようになっている。この場合、クーリングチャンネル19のオイル入口20は、ピストン11の上部内でキャビティ13の外側の領域(図5の斜線で示すキャビティ13周囲の領域)のうち、エンジンの反スラスト側でかつリア側の領域A(図1,図6参照)内に設けられている。一方、クーリングチャンネル19のオイル出口21は、ピストン11の上部内でキャビティ13の外側の領域のうち、スラスト側でかつフロント側の領域B内に設けられている。
【0026】
また、クーリングチャンネル19のオイル入口20には、オイルジェット23の噴出口を対向させてある(図2参照)。これにより、不図示のオイルポンプにより圧送されてオイルジェット23の出口から噴出されるオイルがオイル入口20よりクーリングチャンネル19内に導入される。また、図2及び図4で符号24は、ピストン11のスカート部25に形成されたオイルジェット23の逃げ部である。
【0027】
また、本例のディーゼル機関では、吸気ポートとして、図3に示すように、2つのヘリカルポート26,27が設けられており、両ポート26,27により反時計方向のスワール22が作られる。ヘリカルポートとタンジェンシャルポートでスワールを作る場合でも、同様の効果が得られる。
【0028】
また、ピストン11の内側には、図5に示すように、ピストンピン孔28を有するボス部29が設けられている。ピストンピン孔28には、ピストン11と不図示のコンロッドの小端部を回転自在に連結する不図示のピストンピンが回転自在に嵌合している。そのピストンピン孔28とピストンピンとの接触部についても、クーリングチャンネル19のオイル出口21から排出されるオイルで冷却と潤滑がなされるようになっている。
【0029】
そして、本例のディーゼル機関では、インジェクタ14の7つの噴口15の向きは、最大出力を発生する機関回転速度付近で、リップ部16の後側部位17に火炎が当たるように設定されている。
【0030】
以上説明した第1の実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)リップ部16の前側部位18或いは後側部位17のうち、火炎が当たる後側部位17の近傍領域の温度上昇を、クーリングチャンネル19のオイル入口20から入る温度の低いオイルで防ぐことができる。これにより、最も大きな機械的応力の発生する部位である後側部位17が火炎により高温になるのを防止することができる。しかも、その防止のために、別部材を新たに用意する必要がない。したがって、製造コストを増大させることなく、機械的応力による破損を防止することができる。
【0031】
(2)インジェクタ14の噴口数を奇数とし、その噴口数を多くする場合に特に有効となる。即ち、噴口数を奇数としてその噴口数を多くすると(例えば、本例のように噴口数を7にすると)、リップ部16の前側部位18或いは後側部位17のいずれか一方に必ず火炎が当たるような設定になってしまう。しかし、このような場合にも、前側部位18或いは後側部位17のうち、火炎が当たる方(本例では後側部位17)の近傍領域の温度上昇を、クーリングチャンネル19のオイル入口20から入る温度の低いオイルで防ぐことができる。したがって、機械的応力による破損を防止しつつ、インジェクタ14の噴口数を増やして排気エミッションの低減を図ることができる。
【0032】
(3)ピストン11の上部内でキャビティ13の外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置により高温になる領域(図6の斜線hで示すスラスト側の領域)と、スワールの向きにより高温になる領域と(同図の斜線iで示すフロント側の領域)とが重なる領域、即ち、スラスト側でかつフロント側の領域B(図1,図6参照)が、火炎の影響を除くと最も高温になる。
【0033】
この領域Bは、クーリングチャンネル19のオイル出口21に近づくにつれて温度が高くなるオイルで冷却される。このため、キャビティ13の外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置やスワール22の向きにより火炎の影響を除くと最も高温になる領域Bでは、クーリングチャンネル19近傍と、火炎が当たって高温になるリップ部16との間での温度勾配が緩やかになり、大きな熱応力の発生を防止することができる。
【0034】
したがって、最も大きな機械的応力の発生する部位である後側部位17を含む狭い範囲dの温度上昇に対しては、温度の低いオイルでその狭い範囲dの温度を下げて機械的応力による破損を防止するとともに、火炎の影響を除くと最も高温になる広範囲の領域Bの温度上昇に対しては、大きな熱応力を発生させずにその広範囲の領域Bの温度を下げることができる。
【0035】
(4)一般に、リップ部16に当たる火炎の位置は、スワール22の強さにより変化する。即ち、エンジン回転速度が上がるにつれてスワール22の強さ(空気流速)が大きくなると、リップ部16に当たる火炎の位置は、スワール22の方向に沿って移動する。そこで、本実施形態では、インジェクタ14の7つの噴口15の向きは、最大出力を発生する機関回転速度付近で、リップ部16の後側部位17に火炎が当たるように設定されている。このため、ピストン11が温度上昇により強度的に最も厳しい最高出力を発生するエンジン回転速度付近で、リップ部16の後側部位17に火炎が当たり、その部位を含む狭い範囲dの温度上昇に対して、オイルの入口20から入る温度の低いオイルでその狭い範囲dの温度を下げることができる。したがって、全ての機関運転状態において、機械的応力による破損を防止することができる。
【0036】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態に係る内燃機関用ピストンの冷却構造を図7に基づいて説明する。
【0037】
本例のディーゼル機関では、リップ部16のうち、インジェクタ14の7つの噴口15にそれぞれ対応する7個所(図7の斜線で示す領域a´〜g´)に火炎が当たるように設定されている(図1参照)。これら7つの領域a´〜g´には、リップ部16の前側部位18を含む領域g´も含まれている。即ち、リップ部16の前側部位18に火炎が当たる設定になっている。この場合、上記第1の実施形態と同様に、インジェクタ14の7つの噴口15の向きは、最大出力を発生する機関回転速度付近で、前側部位18に火炎が当たるように設定されている。
【0038】
また、クーリングチャンネル19のオイル入口20は、ピストン11の上部内でキャビティ13の外側の領域のうち、反スラスト側でかつフロント側の領域C内に設けられている。一方、クーリングチャンネル19のオイル出口21は、ピストン11の上部内でキャビティ13の外側の領域のうち、スラスト側でかつリア側の領域D内に設けられている。
【0039】
第2の実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(5)リップ部16の前側部位18或いは後側部位17のうち、火炎が当たる前側部位18の近傍領域の温度上昇を、反スラスト側でかつフロント側の領域C内に設けたオイル入口20から入る温度の低いオイルで防ぐことができる。これにより、最も大きな機械的応力の発生する部位である前側部位18が火炎により高温になるのを防止することができる。しかも、その防止のために、別部材を新たに用意する必要がない。したがって、製造コストを増大させることなく、機械的応力による破損を防止することができる。
【0040】
(6)ピストン11の上部内でキャビティ13の外側の領域のうち、吸気及び排気バルブの配置により高温になる領域のリア側領域、即ち、スラスト側でかつリア側の領域Dは、クーリングチャンネル19のオイル出口21に近づくにつれて温度が高くなるオイルで冷却される。このため、その領域Dでは、クーリングチャンネル19近傍と、火炎が当たって高温になるリップ部16との間での温度勾配が緩やかになり、大きな熱応力の発生を防止することができる。
【0041】
したがって、最も大きな機械的応力の発生する部位である前側部位18を含む狭い範囲g´の温度上昇に対しては、温度の低いオイルでその狭い範囲g´の温度を下げて機械的応力による破損を防止するとともに、吸気及び排気バルブの配置により高温になる広範囲の領域Dの温度上昇に対しては、大きな熱応力を発生させずにその広範囲の領域Dの温度を下げることができる。
【0042】
以上本発明の各実施形態について説明したが、上記各実施形態は以下に示すようにその構成を変更して実施することもできる。
・上記第1の実施形態において、オイル出口21を、ピストン11の上部内でキャビティ13の外側の領域のうち、スラスト側でかつフロント側の領域Bに設ける代わりに、スラスト側でリア側の領域Dに設けてもよい。
【0043】
・上記第1の実施形態において、スワール22の向きを時計方向に変更した場合には、スワールの向きにより高温になる領域は、リア側の領域(図6のA,D)となり、スラスト側でかつリア側の領域Dが、火炎の影響を除くと最も高温になる。この場合、オイル入口20を比較的温度の低い反スラスト側でかつリア側の領域Aに設けるとともに、オイル出口21を、スラスト側でかつフロント側の領域B或いはスラスト側でかつリア側の領域Dのいづれか一方に設ければよい。
【0044】
・上記第1の実施形態では、吸気ポートとして、ヘリカルポート26と、タンジェンシャルポート27とを設けてあるが、タンジェンシャルポート27に代えてヘリカルポートを設けてもよい。
【0045】
・上記第2の実施形態において、スワール22の向きを時計方向に変更した場合には、スワールの向きにより高温になる領域は、リア側の領域(図7の領域A,D)となり、スラスト側でかつリア側の領域Dが、火炎の影響を除くと最も高温になる。この場合、オイル入口20をピストン11の上部内でキャビティ13の外側の領域のうち、反スラスト側でかつフロント側の領域Cに設けるとともに、オイル出口21を、スラスト側でかつリア側の領域D或いはスラスト側でかつフロント側の領域Bのいづれか一方に設ければよい。
【0046】
・上記各実施形態では、インジェクタ14の噴口数を7としたが、その噴口数を5或いは9以上の奇数としてもよい。さらには、奇数個nの噴口を上下2段に設けた(噴口数が2n=偶数個の)インジェクタにも適用される。
【0047】
・上記各実施形態では、本発明に係る内燃機関用ピストンの冷却構造を筒内直接噴射式のディーゼル機関に適用したが、筒内噴射式のガソリンエンジンにも適用可能である。
【0048】
以下、上記一実施例から把握できる技術思想について説明する。
(イ)ピストンの上面中央に設けたキャビティ内へ、同キャビティの中央上部に配置したインジェクタ先端の複数の噴口から燃料を噴射する筒内直接噴射式の内燃機関に適用され、前記キャビティ周縁のリップ部の、前記複数の噴口にそれぞれ対応する複数の個所に火炎が当たる内燃機関用ピストンの冷却構造であって、
前記ピストンの上部内で前記キャビティの外側を環状に延びる冷却用オイル通路を備え、前記リップ部の、最も大きな機械的応力を受けるエンジンフロント方向にある前側部位或いはエンジンリア方向にある後側部位のうち、前記冷却用オイル通路のオイル入口に近い方に火炎が当たるようにするとともに、そのオイル入口から遠う方には火炎を当てないようにしたことを特徴とする内燃機関用ピストンの冷却構造。
【0049】
この構成によれば、最も大きな機械的応力を受けるリップ部の前側部位或いは後側部位のうち、火炎が当たる方を含む狭い範囲の温度上昇を、冷却用オイル通路のオイル入口から入る温度の低いオイルで防ぐことができるとともに、前側部位或いは後側部位のうち、火炎が当たらない方の温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態に係る内燃機関用ピストンを示す平面図。
【図2】 図1のピストンを示す斜視図。
【図3】 図1のピストンと吸気ポートの関係を示す平面図。
【図4】 図1のピストンを示す側面図。
【図5】 図1のピストンを示す断面図。
【図6】 図1のピストンの冷却構造の説明図。
【図7】 第2の実施形態に係る内燃機関用ピストンを示す平面図。
【図8】 従来例に係るディーゼル機関用ピストンを示す平面図。
【図9】 別の従来例に係るディーゼル機関用ピストンを示す平面図。
【符号の説明】
11…ピストン、12…上面、13…キャビティ、14…インジェクタ、15…噴口、16…リップ部、17…後側部位、18…前側部位、19…クーリングチャンネル(冷却用オイル通路)、20…オイル入口、21…オイル出口。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cooling structure for a piston for an internal combustion engine applied to an in-cylinder direct injection internal combustion engine, for example, a diesel engine.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as an in-cylinder direct injection internal combustion engine, as shown in FIG. 8, an injector (not shown) arranged at the center upper portion of the
[0003]
Therefore, as in the diesel engine shown in FIG. 8, when the number of injector nozzles is an even number (six in the figure), the
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional diesel engine, when the number of nozzles of the injector is an odd number of 5 or more, the setting is such that the flame hits either the
[0005]
In order to solve such a problem, a configuration in which a cylindrical reinforcing
[0006]
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to provide a cooling structure for a piston for an internal combustion engine that prevents damage due to mechanical stress without increasing the manufacturing cost. .
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In the following, means for achieving the above object and its effects are described.
In order to achieve the above object, in the invention according to
[0008]
According to the present invention, it is possible to prevent the temperature rise in the region near the flame side of the front part or the rear part of the lip portion with the low temperature oil entering from the oil inlet of the cooling oil passage. Thereby, it can prevent that the site | part in which the largest mechanical stress generate | occur | produces becomes high temperature by a flame. Moreover, it is not necessary to prepare another member for the prevention. Therefore, damage due to mechanical stress can be prevented without increasing the manufacturing cost.
[0009]
The invention according to claim 2 is characterized in that, in the piston cooling structure for an internal combustion engine according to
According to the present invention, this is particularly effective when the number of injector nozzles is odd and the number of nozzles is increased. That is, when the number of nozzle holes is set to an odd number and the number of nozzle holes is increased, the setting is such that the flame always strikes either the front part or the rear part of the lip portion. However, even in such a case, it is possible to prevent an increase in the temperature in the vicinity of the area where the flame hits, either the front part or the rear part, with the low temperature oil entering from the oil inlet of the cooling oil passage. Therefore, it is possible to reduce the exhaust emission by increasing the number of injector nozzles while preventing breakage due to mechanical stress.
[0010]
According to a third aspect of the present invention, in the piston cooling structure for the internal combustion engine according to the first or second aspect, an oil outlet of the cooling oil passage is located in an upper part of the piston, in a region outside the cavity. It is characterized in that it is provided in a region where the temperature becomes high due to the arrangement of intake and exhaust valves and the direction of the swirl generated in the cavity.
[0011]
According to the present invention, in the region outside the cavity in the upper part of the piston, the region that becomes hot due to the arrangement of the intake and exhaust valves and the direction of the swirl becomes higher as it approaches the oil outlet of the cooling oil passage. Cooled with oil. For this reason, in the region outside the cavity, in the region where the temperature is high due to the arrangement of the intake and exhaust valves and the direction of the swirl, the temperature gradient between the vicinity of the cooling oil passage and the lip portion where the temperature hits the flame Becomes gentle and generation of a large thermal stress can be prevented.
[0012]
Therefore, for a temperature rise in a narrow range that includes one of the front part and the rear part of the lip portion where the greatest mechanical stress is generated and the flame hits, the temperature of the narrow range is reduced with low temperature oil. In order to prevent breakage due to mechanical stress, the temperature of the wide area can be increased without generating a large thermal stress for a wide range of temperature rises due to the arrangement of the intake and exhaust valves and the direction of the swirl. Can be lowered.
[0013]
According to a fourth aspect of the present invention, in the piston cooling structure for an internal combustion engine according to any one of the first to third aspects, the direction of the swirl is counterclockwise within the upper surface of the piston, and the thrust side of the engine When the exhaust valve is disposed on the rear side of the lip portion and a flame hits the oil inlet of the cooling oil passage, the oil inlet of the cooling oil passage is an anti-thrust engine in the region outside the cavity in the upper part of the piston. The oil outlet of the cooling oil passage is provided in the thrust side and in the front side or rear side region of the outer region. It is characterized by.
[0014]
According to the present invention, in response to a temperature rise in a narrow range including the rear side portion of the lip portion to which a flame hits, the temperature in the narrow range is lowered with low temperature oil entering from the oil inlet of the cooling oil passage. Damage due to mechanical stress can be prevented. At the same time, in the region outside the cavity, the region that becomes hot due to the arrangement of the intake and exhaust valves and the direction of the swirl, that is, for a wide range of temperature rise on the thrust side of the engine and on the front side or rear side The temperature in the wide area can be lowered without generating a large thermal stress.
[0015]
According to a fifth aspect of the present invention, in the internal combustion engine piston cooling structure according to any one of the first to third aspects, the direction of the swirl is counterclockwise within the upper surface of the piston, and the thrust of the engine When an exhaust valve is disposed on the side and a flame hits the front part of the lip portion, the oil inlet of the cooling oil passage is an anti-thrust engine in the region outside the cavity in the upper part of the piston. The oil outlet of the cooling oil passage is provided in the thrust side and in the front side or rear side region of the outer region. It is characterized by.
[0016]
According to the present invention, for a temperature increase in a narrow range including the front side portion of the lip portion where the flame hits, the temperature in the narrow range is lowered by the low temperature oil entering from the oil inlet of the cooling oil passage, and the mechanical temperature is lowered. Damage due to stress can be prevented. At the same time, in the region outside the cavity, the region that becomes hot due to the arrangement of the intake and exhaust valves and the direction of the swirl, that is, for a wide range of temperature rise on the thrust side of the engine and on the front side or rear side The temperature in the wide area can be lowered without generating a large thermal stress.
[0017]
According to a sixth aspect of the present invention, in the internal combustion engine piston cooling structure according to any one of the first to third aspects, the direction of the swirl is clockwise within the upper surface of the piston, and the thrust side of the engine When the exhaust valve is disposed on the rear side of the lip portion and a flame hits the oil inlet of the cooling oil passage, the oil inlet of the cooling oil passage is an anti-thrust engine in the region outside the cavity in the upper part of the piston. The oil outlet of the cooling oil passage is provided in the thrust side and in the front side or rear side region of the outer region. It is characterized by.
[0018]
According to the present invention, in response to a temperature rise in a narrow range including the rear side portion of the lip portion to which a flame hits, the temperature in the narrow range is lowered with low temperature oil entering from the oil inlet of the cooling oil passage. Damage due to mechanical stress can be prevented. At the same time, in the region outside the cavity, the region that becomes hot due to the arrangement of the intake and exhaust valves and the direction of the swirl, that is, for a wide range of temperature rise on the thrust side of the engine and on the front side or rear side The temperature in the wide area can be lowered without generating high thermal stress.
[0019]
According to a seventh aspect of the present invention, in the piston cooling structure for an internal combustion engine according to any one of the first to sixth aspects, the direction of the injection port of the injector is in the vicinity of the engine speed at which a maximum output is generated. It is characterized in that it is set so that a flame hits either the front part or the rear part of the lip part.
[0020]
Generally, the position of the flame that hits the lip varies depending on the strength of the swirl. That is, when the strength of the swirl (air flow rate) increases as the engine speed increases, the position of the flame that hits the lip moves along the direction of the swirl. Therefore, in the present invention, the flame hits either the front part or the rear part of the lip portion in the vicinity of the engine speed at which the maximum output is generated. For this reason, near the engine rotation speed at which the piston generates the most severely strong output due to temperature rise, a flame hits one of the front part or the rear part of the lip, and a narrow range of temperatures including that part. The temperature in the narrow range can be lowered with low temperature oil entering from the oil inlet. Therefore, damage due to mechanical stress can be prevented in all engine operating states.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments in which a piston cooling structure for an internal combustion engine according to the present invention is applied to an in-cylinder direct injection type diesel engine will be described below with reference to the drawings.
[0022]
[First embodiment]
First, the internal combustion engine piston cooling structure according to the first embodiment will be described with reference to FIGS. In FIGS. 1-6, only the piston of one cylinder of a diesel engine is shown. As shown in FIGS. 1, 2, and 5, a
[0023]
Moreover, in this diesel engine, it sets so that a flame may hit 7 places (area | regions ag shown by the oblique line of FIG. 1) each corresponding to the seven
[0024]
A cooling channel 19 (see FIG. 1) is provided in the upper portion of the
[0025]
Specifically, in this example, the number of injection holes of the
[0026]
Further, the
[0027]
Further, in the diesel engine of this example, as shown in FIG. 3, two
[0028]
Further, as shown in FIG. 5, a
[0029]
And in the diesel engine of this example, the direction of the seven
[0030]
According to 1st Embodiment described above, there can exist the following effects.
(1) Of the
[0031]
(2) This is particularly effective when the number of nozzle holes of the
[0032]
(3) Of the region outside the
[0033]
This region B is cooled by oil whose temperature increases as it approaches the
[0034]
Therefore, for a temperature increase in a narrow range d including the
[0035]
(4) In general, the position of the flame that hits the
[0036]
[Second Embodiment]
Next, the internal combustion engine piston cooling structure according to the second embodiment will be described with reference to FIG.
[0037]
In the diesel engine of the present example, the
[0038]
The
[0039]
According to 2nd Embodiment, there can exist the following effects.
(5) Of the
[0040]
(6) Of the region outside the
[0041]
Therefore, for a temperature rise in a narrow range g ′ including the
[0042]
Each embodiment of the present invention has been described above. However, each of the above embodiments can be implemented by changing its configuration as described below.
In the first embodiment, instead of providing the
[0043]
In the first embodiment, when the direction of the
[0044]
In the first embodiment, the
[0045]
In the second embodiment, when the direction of the
[0046]
In each of the above embodiments, the number of injection holes of the
[0047]
In each of the above embodiments, the piston cooling structure for an internal combustion engine according to the present invention is applied to a direct injection type diesel engine, but it can also be applied to a direct injection type gasoline engine.
[0048]
The technical idea that can be grasped from the above embodiment will be described below.
(A) A lip at the periphery of the cavity, which is applied to an in-cylinder direct injection internal combustion engine in which fuel is injected into a cavity provided at the center of the upper surface of the piston from a plurality of injection holes at the tip of an injector disposed at the center upper part of the cavity. A cooling structure for a piston for an internal combustion engine in which a flame hits a plurality of locations respectively corresponding to the plurality of nozzle holes,
A cooling oil passage extending annularly outside the cavity in the upper part of the piston is provided, and the front part of the lip portion in the engine front direction or the rear part in the engine rear direction which receives the greatest mechanical stress. A cooling structure for a piston for an internal combustion engine, characterized in that a flame is applied to a side closer to the oil inlet of the cooling oil passage and a flame is not applied to a side far from the oil inlet. .
[0049]
According to this configuration, the temperature rise in a narrow range including the one hitting the flame out of the front side portion or the rear side portion of the lip portion that receives the largest mechanical stress is low in temperature entering from the oil inlet of the cooling oil passage. While being able to prevent with oil, the temperature rise of the front side part or the rear side part not hit by the flame can be suppressed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing a piston for an internal combustion engine according to a first embodiment.
FIG. 2 is a perspective view showing the piston of FIG.
FIG. 3 is a plan view showing the relationship between the piston and the intake port of FIG. 1;
4 is a side view showing the piston of FIG. 1. FIG.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing the piston of FIG.
6 is an explanatory diagram of a cooling structure for the piston of FIG. 1. FIG.
FIG. 7 is a plan view showing a piston for an internal combustion engine according to a second embodiment.
FIG. 8 is a plan view showing a piston for a diesel engine according to a conventional example.
FIG. 9 is a plan view showing a diesel engine piston according to another conventional example.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (7)
前記リップ部の、エンジンフロント方向にある前側部位或いはエンジンリア方向にある後側部位のいずれか一方に火炎が当たるように前記インジェクタの噴口の向きが設定されるとき、前記ピストンの上部内で前記キャビティの外側を環状に延びる冷却用オイル通路のオイル入口が、前記リップ部の前側部位或いは後側部位のうち、火炎が当たる方の近傍に設けられていることを特徴とする内燃機関用ピストンの冷却構造。Applied to a direct injection type internal combustion engine that injects fuel from a plurality of injection nozzles at the tip of an injector disposed in the upper center of the cavity into a cavity provided in the center of the upper surface of the piston. A piston cooling structure for an internal combustion engine in which a flame hits a plurality of locations corresponding to the plurality of nozzle holes,
When the direction of the injection nozzle of the injector is set so that the flame hits one of the front part in the engine front direction or the rear part in the engine rear direction of the lip part, An internal combustion engine piston characterized in that an oil inlet of a cooling oil passage extending annularly outside the cavity is provided in the vicinity of the front portion or the rear portion of the lip portion on which the flame hits. Cooling structure.
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