JP3837124B2 - 情報取得装置および評価設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘリコプタのロータに作用する荷重に基づいて、そのロータの寿命を評価するための情報取得装置および評価設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘリコプタのロータを構成するブレードおよびハブなどのコンポーネントは、安全寿命設計が採用されており、実際の荷重および運用履歴に関わらず、飛行時間が、予め定められた廃棄時間(安全寿命)に達した時点で、交換されている。廃棄時間(安全寿命)は、そのコンポーネントの疲労強度を保証できる時間に設定されており、コンポーネントの実際の荷重および運用履歴では、強度的な限界に達していなくても廃棄される場合があり、無駄が多く、コスト高になっていた。この点に鑑み、コンポーネントをできるだけ強度的な限界一杯まで用いることができるように、コンポーネントの荷重および運用状態を監視する技術が望まれている。
【0003】
ヘリコプタの健全性および運用状態をモニタリングするシステムとして、健全性および運用モニタリングシステム(Health and Usage Monitoring System:HUMS)が採用されているが、採用されているHUMSは、コンポーネントに作用する荷重を直接監視することができる構成ではない。したがってコンポーネントの荷重および運用状態について正確に把握することができず、やはり、無駄が多くなってしまう。
【0004】
またコンポーネントに作用する荷重を監視するにあたって、コンポーネントに箔形歪ゲージを設けて、歪から荷重を求めることが考えられるが、ロータに箔形歪ゲージを適用することはできない。詳細に述べると、コンポーネントは、過酷な状況下で、たとえば2000時間という長時間にわたって、飛行に用いられるものであり、箔形歪ゲージの強度的な信頼性では、耐え得ることができない。またロータが回転される状態では、箔形歪ゲージによる検出値のノイズが多くなり、コンポーネントの荷重および運用状態について正確に把握することができないという欠点もある。
【0005】
またマイケルソン型光ファイバ干渉計を用い、その光ファイバ干渉計のセンサ部を、繊維強化複合材積層板に埋め込む内部歪測定方法が知られている。この内部歪測定方法では、前記センサ部よる干渉光の強度変化を測定することによって、繊維強化複合材積層板の内部歪を測定している(たとえば特許文献1参照)。
【0006】
また間隔をあけたポイント間にあるどこかのポイントにおいて、構造体に生じる物理的な変位を監視する方法が知られている。この方法は、前記間隔をあけたポイント間における構造の物理的な変位が光ファイバの物理的な変位に帰着するように、前記間隔をあけたポイント間にわたって連続的に、前記構造の表面に光ファイバを設ける。この光ファイバイに光信号を送信し、光ファイバから反射して戻ってくる光信号を受信する。受信した光信号には、光ファイバの物理的な変位が反映されており、この光信号から、構造における移動の位置および大きさを特定している(たとえば特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平4−361126号公報
【特許文献2】
欧州特許第278143号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示される技術では、繊維強化複合材積層板の歪を計測することは可能であるが、光源などが、繊維強化複合材積層板と別体に設けられる構成であり、配線の配置などの理由から、この構成をそのままロータに適用することができない。特許文献2に示される技術もまた、特許文献1の技術と同様に、光源からの配置について考慮されておらず、この構成をそのままロータに適用することはできない。このようにヘリコプタロータのコンポーネントなどの変位駆動される対象物の荷重および運用状態を監視することができる技術は確立されていない。
【0009】
したがって本発明の目的は、ヘリコプタのロータに作用する荷重および運用状態を監視し、そのロータの寿命を評価することができるようにするための情報取得装置および評価設備を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、ロータハブに複数のブレードが分解可能に設けられかつ回転駆動されるヘリコプタのロータの寿命を評価するための評価情報を取得する情報取得装置であって、
ロータに設けられ、光ファイバを用いて構成され、ロータに作用する荷重に対応して歪を生じ、この歪を生じることによって光学的特性が変化する特性変化部を有し、ロータの酷使される部位に設定される強度評定部に特性変化部を配置する光路形成体と、
ロータに設けられる情報収集ユニットであって、
光路形成体に評価用光信号を送信する送信手段と、
光路形成体を通過することによって特性変化部における光学的特性に対応した信号となる評価用光信号を受信し、受信した評価用光信号からを表す評価情報を取得する取得手段と、
取得手段によって取得される歪を表す評価情報に基づいて、ロータに作用した荷重を算出し、ロータに作用した荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報に変換する情報変換手段と、
情報変換手段によって変換された評価情報を記憶する記憶手段とを有する情報収集ユニットとを含むことを特徴とする情報取得装置である。
【0011】
本発明に従えば、ロータに光路形成体が設けられ、この光路形成体に、送信手段から評価用光信号が送信され、その評価用光信号が取得手段で受信される。光路形成体は、光ファイバを用いて構成され、ロータに作用する荷重によって光学的特性が変化する特性変化部が形成されている。送信手段から送信された評価用光信号は、特性変化部における光学的特性に対応した信号となり、取得手段で受信される。受信した評価用光信号からロータに作用する荷重に対応した評価情報が、取得手段によって取得される。この評価情報を用いることによって、ロータの荷重および運用状態を監視し、ロータの寿命を評価することができる。
【0012】
このようにロータに作用する荷重に対応した評価情報を得るにあたって、光ファイバを用いて構成される光路形成体を利用している。このような構成は、箔形歪ゲージを用いる構成に比べて、強度的な信頼性が高く、変位駆動されるロータの寿命評価に好適に用いることができる。しかも光路形成体を利用する構成では、ノイズが少なく、高精度な評価が可能になる点からも、ロータの寿命評価に好適に用いることができる。さらに送信手段および取得手段を含む情報収集ユニットが、ロータに設けられており、変位駆動されるロータと固定位置とにわたって配線する必要がなく、変位駆動されるロータの評価に好適に実施することができる。
また情報収集ユニットには、評価情報を記憶する記憶手段が設けられる。これによって記憶手段に評価情報を記憶しておき、必要に応じて、ロータの寿命を評価することができる。さらに評価情報として、荷重の履歴を表す評価情報を扱うので、記憶される評価情報から、ロータの荷重および運用状態を把握して、ロータの寿命を的確に評価することができる。またロータに設けられる情報収集ユニット内の記憶手段に、荷重の履歴に基づく評価情報が記憶させておくことによって、ロータを識別して管理しなくても、そのロータの寿命を評価することができる。
【0014】
また特性変化部が、ロータに作用する荷重に対応して歪を生じ、この歪を生じることによって特性変化部の光学的特性が変化する。したがって取得手段が評価用光信号から取得する評価情報は、特性変化部の歪を表しており、この評価情報を情報変換手段で変換することによって、ロータに作用した荷重を算出することができる。このようにして、ロータの荷重および運用状態の監視を実現することができる。
【0016】
また情報変換手段によって、ロータに作用した荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報に変換される。この評価情報に基づいて、ロータの荷重および運用状態を把握して、ロータを評価することによって、ロータの寿命を評価することができる。
さらに光路形成体は、特性変化部が強度評定部に配置され、この強度評定部がロータの酷使される部位に設定されている。これによって前述のように荷重頻度分布を求めるにあたって、強度評定部における荷重頻度分布を求めるようにすることによって、多数の部位の荷重頻度分布を求める場合に比べて、演算量を少なくすることができる。しかも強度評定部をロータにおける酷使される部位に設定しておくことによって安全性を高くすることができる。
【0019】
請求項記載の本発明は、光路形成体は、ロータに直接装着されることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、光路形成体は、ロータに直接装着されるので、ロータに作用する荷重に対応した評価情報を、確実に取得することができる。
【0021】
請求項記載の本発明は、ロータは、複合材料から成り、
光路形成体は、ロータに埋め込まれて設けられ、ロータに強度影響を与えない小径の光ファイバが用いられて構成されることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、光路形成体は、ロータに埋め込まれて設けられるので、ロータに作用する荷重に対応した評価情報を、確実に取得することができる。ロータは、複合材料から成るので、光路形成体を埋め込み成型でき、光路形成体のロータへの埋め込み作業を容易にすることができる。しかも光路形成体は、ロータに強度影響を与えない小径の光ファイバが用いられて構成されるので、ロータに埋め込んで設けても、ロータの機械的特性を損なうことがなく、ロータを光路形態体が設けられていないロータと同様に用いることができる。
【0023】
請求項記載の本発明は、光路形成体は、端部が、ロータの外表面から内方に退避した状態で、ロータの表面部に設けられる嵌合管に挿入されて設けられることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、光路形成体がロータを製造する装置の動作を阻害しないので、光路形成体を埋め込んだロータを容易に製造することができる。またロータの製造時に光伝達媒体が損傷するおそれがないうえ、ロータ製造後に光路形成体を端面研磨する必要がない。また嵌合孔に他の光路形成体を挿入するだけで、ロータに埋め込まれた光路形成体への接続が可能であり、大形のコネクタなどを用いる必要がない。したがって光路形成体に対する接続構造においても、ロータの機械的特性が損なわれることを防ぐことができる。
【0025】
請求項記載の本発明は、評価情報に基づいて、ロータにおける損傷の有無を判定する損傷判定手段を含むことを特徴とする。
本発明に従えば、ロータの損傷を早期に検出することができる。
【0026】
請求項記載の本発明は、前述の報取得装置と、
情報取得装置によって取得される評価情報に基づいて、ロータの残りの寿命を演算する演算手段を備える寿命演算装置とを含むことを特徴する評価装置である。
【0027】
本発明に従えば、ロータに作用する荷重に対応した評価情報に基づいて、ロータの残りの寿命が、演算手段によって演算される。このようにして評価情報に基づいて、ロータの寿命を評価することができる。
【0028】
請求項記載の本発明は、演算手段は、情報取得装置によって取得される評価情報と、ロータの疲労曲線とに基づいて、線形累積損傷則を用いて、ロータの残りの寿命を演算することを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、取得される評価情報と、ロータの疲労曲線とに基づいて、線形累積損傷則を用いて、ロータの残りの寿命が演算される。疲労曲線および線形累積損傷則を用いることによって、評価情報に基づいて、ロータの残りの寿命を、高精度に演算して求めることができる。したがってロータが無駄に廃棄されてしまうことを確実に防ぐことができる。
【0032】
請求項記載の本発明は、情報取得装置は、評価情報に基づいてロータにおける損傷の有無を判定する損傷判定手段を備え、損傷の存在を検出したときに、損傷の存在を表す情報を寿命演算装置に与え、
寿命演算装置は、損傷の存在を表す情報が与えられると、損傷の存在を表す情報を報知する報知手段を備えることを特徴とする。
【0033】
本発明に従えば、情報取得装置によって損傷の存在が検出されると、寿命演算装置よって損傷の存在が報知される。これによって操作者が損傷の存在を容易にかつ早期に把握することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の評価設備1を示すブロック図である。図2は、評価設備1を示す斜視図である。図3は、ヘリコプタのロータ2の一部を示す斜視図である。評価設備1は、変位駆動されて用いられる評価対象物の機械的強度に基づく寿命を評価するための設備であり、変位駆動されることによって評価対象物に作用する荷重を監視し、評価対象物の運用状態を監視して、評価対象物の残りの寿命を求める。
【0035】
ヘリコプタのロータ2は、ロータハブ(以下単に「ハブ」という)3に複数(たとえば4つ)のロータブレード(以下単に「ブレード」という)4が設けられて構成される。このようなロータ2は、ハブ3に原動機から駆動力が伝達されて変位駆動、具体的には、回転軸線L2まわりに回転駆動される。本実施の形態では、このようなロータ2を構成するコンポーネントであるブレード4を評価対象物として、このブレード2の荷重および運用状態を監視して残りの寿命を求めるために、評価設備1が用いられる。したがって本実施の形態では、評価設備1は、ヘリコプタロータ用荷重運用モニタリングングシステムである。
【0036】
評価設備1は、光ファイバセンサ7を用いた先進的荷重運用モニタリング(Advanced Load and Usage Monitoring : ALUM)システムであって、情報取得装置5と、寿命演算装置6とを含んで構成される。評価設備1のうち、少なくとも情報取得装置5は、ヘリコプタに搭載される。本実施の形態では、情報取得装置5は、ヘリコプタに搭載されて機上構成体として用いられ、寿命演算装置6は、地上に設けられて地上構成体として用いられる。以下、寿命演算装置6を地上ユニット6という場合がある。
【0037】
情報取得装置5は、ブレード4の残りの寿命を評価するための評価情報を取得する装置であり、評価情報は、ブレード4の荷重および運用状態、つまりブレード4がどのような荷重が作用する状況下で運用されているかを示す情報である。この情報取得装置5は、ブレード4に設けられる光ファイバセンサ7と、ブレード4に設けられるデータ収集ユニット8とを有する。
【0038】
光ファイバセンサ7は、評価情報を得るための評価用光信号が通過する光路を形成する光路形成体である。データ収集ユニット8は、評価用信号から評価情報を収集するための情報収集ユニットである。データ収集ユニット8には、レーザ発信器10、光計測器11、データ処理器12、データ記録器13および動力源(図示せず)が設けられる。動力源は、データ収集ユニット8を駆動するための駆動源である。データ収集ユニット8は、たとえば電力で駆動される構成であり、動力源は電源である。この電源は、たとえば太陽電池単体で実現されてよいが、太陽電池とバッテリとを組合わせて実現されてもよし、またバッテリ単体で実現されてもよい。少なくとも太陽電池を用いれば、飛行しながら電力を得ることができ好適である。
【0039】
図4は、光ファイバセンサ7に形成されるブラッグ格子15を模式的に示す断面図である。図5は、ブラッグ格子15の特性を説明するために評価用光信号の一例を示すグラフであり、図5(1)はブラッグ格子15に到達した信号Iを示し、図5(2)は、ブラッグ格子15で反射される信号を示す。図5(1)および図5(2)において、横軸は波長λを示し、縦軸は強度を示す。
【0040】
図1および図2を併せて参照して、光ファイバセンサ7は、たとえば、ブレード4に、長手方向の一端部から他端部まで延び、他端部で湾曲して折返され、一端部まで延びるように大略的にU字状に配置される。ブレード4の長手方向一端部は、たとえばハブ3に連結される内方側の端部である。また光ファイバセンサ7は、ブレード4に埋め込まれて設けられる。ブレード4は、たとえば繊維強化複合材料から成り、光ファイバセンサ7は、ブレード4の成型時に埋め込み成型されて、ブレード4に埋め込まれて設けられる。
【0041】
この光ファイバセンサ7は、光ファイバを用いて構成され、その光ファイバの中途部にブラッグ格子15が設けられるブラッグ格子形光ファイバ(Fiber Bragg Grating : FBG)センサである。特性変化部であるブラッグ格子15は、軸線方向に格子間隔dを有して形成される回折格子である。このブラッグ格子15は、次式(1)で示される波長λの光を反射し、残余の光を透過する特性を有している。
λ=2×d×n …(1)
【0042】
ここでnは、ブラッグ格子15が形成される部分における光ファイバのコアにおける屈折率である。式(1)から分かるように、ブラッグ格子15は、格子間隔dおよび屈折率nに基づく波長λの光だけを反射する特性を有している。
【0043】
光ファイバセンサ7が設けられるブレード4に荷重が作用し、ブレード4に歪が生じると、ブレード4の歪に追従して光ファイバセンサ7も同様に歪を生じる。ブラッグ格子15が歪を生じると、ブラッグ格子15の格子間隔dが変化する。これによって反射する光の波長λが、図5(2)に示すように、歪の大きさに対応してシフトすなわち変化する。このようにブラッグ格子15は、ブレード4に作用する荷重によって光学的特性が変化し、ブレード4に作用する荷重に対応した波長λの光を反射する。
【0044】
したがって図5(1)に示すように、外力が作用していない歪のない自然状態においてブラッグ格子15が反射する波長λおよびその近傍の波長を含む光信号を、ブラッグ格子15を有する光ファイバセンサ7に送信し、反射して戻ってくる光信号を受信して、その光信号の波長からブラッグ格子15における歪を求めることができる。これによってブレード4の歪を求め、ブレード4に作用する荷重を求めることが可能になる。
【0045】
光ファイバセンサ7には、複数のブラッグ格子15が、相互に間隔をあけて、具体的には一定間隔毎に、形成されている。これら各ブラッグ格子15は、ブレード4への荷重の作用状態に関わらず、反射する光の波長が互いに異なるように、格子間隔dおよび屈折率nが設定されている。詳細に説明すると、各ブラッグ格子15が、外力の作用していない自然状態において反射する波長λ含み、かつブレード4に作用する荷重の変化に伴って各ブラッグ格子15において反射する光の波長λが変化する範囲を、各ブラッグ格子15の反射波長帯域として、各ブラッグ格子15の反射波長帯域が相互に異なるように形成される。
【0046】
本実施の形態では、光ファイバセンサ7におけるコアの屈折率は、全長にわたって同一の屈折率に形成され、各ブラッグ格子15における屈折率nは同一である。各ブラッグ格子15は、自然状態における格子間隔dが相互に異なるように形成され、相互に異なる反射波長帯域の波長λの光を反射するように構成されている。
【0047】
レーザ発信器10は、光路形成体に評価用光信号を送信する送信手段である。このレーザ発信器10は、各ブラッグ格子15における反射波長帯域の波長成分を含むレーザ光を発生し、そのレーザ光を評価用光信号として、光ファイバセンサ7に、光ファイバセンサ7の一端部から送信する。
【0048】
光計測器11は、レーザ発信器10から送信され、光ファイバセンサ7を通過することによって各ブラッグ格子15における光学的特性に対応した信号となる評価用光信号を受信し、受信した評価用光信号からブレード4に作用する荷重に対応した評価情報を取得する取得手段である。レーザ発信器10によって光ファイバセンサ7に送信される評価用光信号は、各ブラッグ格子15によって、各ブラッグ格子15に対応した波長成分の光信号が反射して戻ってくる。光計測器11は、このように反射して戻る評価用光信号を、光ファイバセンサ7の一端部から受信する。
【0049】
受信される評価用光信号は、各ブラッグ格子15の歪に対応した波長成分を有している。各ブラッグ格子15の歪は、ブレード4の各ブラッグ格子15が配置される部位(以下「評価部位」という場合がある)の歪と同一である。この歪は、ブレード4に荷重が作用することによって発生し、歪の大きさは荷重に対応している。したがって受信される評価用光信号は、ブレード4の評価部位に作用する荷重に対応した評価情報として、歪を表す評価情報を有している。光計測器11は、受信した評価用光信号から、その評価用光信号に含まれる波長成分に基づいて、ブレード4における各評価部位の歪を表す評価情報を取得する。つまり光ファイバセンサ7内で反射して戻る評価用光信号を受信することによって、ブレード4における歪を生じている部位およびその歪の大きさを検出することができる。
【0050】
このように各ブラッグ格子15を形成した光ファイバセンサ7を用いる構成では、1つの光ファイバセンサ7、1つのレーザ発信器10および1つの光計測器11によって、複数の箇所における荷重に関する情報、すなわち歪を取得することができる。これによって簡単かつ小形の構成で装置を実現することができ、評価対象物であるブレード4への、形状および寸法の影響を可及的に小さくするこができる。したがってブレード4などの航空機の構成部材が評価対象物であっても、空力的な影響を与えることがなく、好適に用いることができる。
【0051】
データ処理器12は、評価情報を変換する情報変換手段であって、本実施の形態では、光計測器11からの歪を表す評価情報に基づいて、最終的にブレード4に作用した荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報に変換する。このデータ処理器12は、歪→荷重変換部16と、荷重頻度算出部17とを有する。
【0052】
歪→荷重変換部16は、光計測器11から歪を表す評価情報が与えられ、この評価情報が表す歪に基づいて、評価部位におけるブレード4に作用した荷重を算出する。このように歪→荷重変換部16は、評価情報を、荷重を表す評価情報に変換する。
【0053】
荷重頻度算出部17は、歪→荷重変換部16から荷重を表す評価情報が与えられ、この評価情報に基づいて、荷重頻度分布を算出する。荷重頻度分布は、ブレード4の運用中、換言すればブレード4がヘリコプタの飛行に用いられている間に、ブレード4に作用した荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す。ブレード4には、変動しながら作用する繰返し荷重が作用しており、荷重頻度分布は、ブレード4の運用中に、荷重の大きさ毎にその大きさの荷重が作用した回数(以下、「サイクル数」という場合がある)を表す。
【0054】
データ収集ユニット8では、レーザ発信器10から光ファイバセンサ7に評価用信号を送信し、反射して戻る評価用信号を光計測器11で受信して、歪を検出する情報取得作業を、ブレード4の運用中に、予め設定される時間間隔毎に実行している。情報取得作業を実行する時間間隔は、任意に設定することが可能である。本実施の形態では、データ収集ユニット8の性能上可能な最も短い時間間隔で情報取得作業を実行している。このように取得される歪に基づいて、荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を荷重頻度算出部17によって求めている。
【0055】
図6は、荷重の履歴の一例を模式的に示すグラフである。荷重頻度分布を算出するにあたっては、公知の各種方法を用いることができるが、本実施の形態では、たとえばレインフロー法(rain flow method)を用いる。前述のように、光ファイバセンサ7にレーザ発信器10から評価用信号を送信し、反射して戻る評価信号を光計測器11で受信して、各評価部位における歪の時刻歴データを得ることができる。
【0056】
全ての評価部位において荷重頻度分布を求めるようにしてよいが、演算量を少なくするために、本実施の形態では、ブレード4に予め設定される強度評定部における荷重頻度分布を、ブレード4の荷重頻度分布として求める。強度評定部は、任意に設定することができ、たとえば安全性を高くするために、経験上既知であるブレード4において酷使される部位に設定してもよい。
【0057】
強度評定部における歪の時刻歴データを得るにあたっては、予め、たとえばブレード4の製造時に、強度評定部の歪と各評価部位における歪との関係を、較正試験によって取得する。この較正試験の結果を用いて、各評価部位における歪の時刻歴データから評定部における歪の時刻歴データを得ることができる。このような各評価部位における歪の時刻歴データから評定部における歪の時刻歴データを求めているので、評定部における歪を高精度に求め、信頼性の高い情報取得が可能になる。この評定部における歪の時刻歴データを得る演算は、歪→荷重変換部16で行われる。
【0058】
歪→荷重変換部16では、さらに評定部における歪の時刻歴データに基づいて、評定部における荷重の時刻歴データを算出する。具体的には、歪の時刻歴データから、既知であるブレード4のヤング率Eを用いて、次式(2)のεに歪を代入し、応力Sの時刻歴データを算出する。
S=E×ε …(2)
応力Sは、ブレード4に作用する荷重に相当する。
【0059】
図6は、荷重の履歴である応力の履歴を、横軸に応力をとり、縦軸に下方へ向かうにつれて時刻が経過するように時刻をとって示す。図6のように軸をとって、応力の時刻歴データ、すなわち応力の履歴を示すと、左右に蛇行するような折れ線グラフとなる。
【0060】
このような応力の履歴を示す折れ線を屋根に見立て、その上を流れ落ちる雨粒の流路の1つ1つを荷重頻度、すなわち荷重の作用したサイクル数0.5回と計数する。その荷重の大きさは、その流路長に対応する値とする。荷重の大きさは、平均応力と変動応力とを含む。
【0061】
雨粒は、各屋根の付け根から流れ始めるものとし、左(右)向きの流れに関しては、自身よりも右(左)から発した流れにぶつかると停止するものとする。つまり流路は、各屋根の付け根が始点となり、自身と同一方向の流れであってかつ自身よりも上流側から流れてくる流れにぶつかる位置が終点となる。平均応力は、各流路の始点の応力および終点の応力の合計を2で除した値であり、変動応力は、各流路の始点の応力および終点の応力のうち大きい方から小さい方を減算した値である。このような計数の仕方がレインフロー法であり、このように計数して、荷重頻度分布を求める。
表1は、図6の例について求めた計数値を示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003837124
【0063】
この表1のようなデータから、同一応力毎に、作用した応力毎まとめて、サイクル数すなわち荷重作用回数を加算して、荷重頻度分布を求める。たとえば表1における▲1▼および▲2▼は、同一応力であり、この応力に置ける荷重サイクル数を1(=0.5+0.5)回とする。このようにして、ブレード4の運用中に、荷重の大きさ毎にその大きさの荷重が作用した回数を表す荷重頻度分布を求める。このような荷重頻度分布を求める演算は、荷重頻度算出部17で行われる。
【0064】
また図6の例では、ブレード4を用いた1回の飛行における荷重の履歴、すなわち応力の履歴の一部を示しているが、1回の飛行に関してみる場合には、その1回の飛行における荷重、すなわち応力の最大値と最小値から、平均応力と変動応力とを算出し、これらの応力におけるサイクル数に、1回として計数する。
【0065】
データ記録器13は、評価情報を記憶する記憶手段である。本実施の形態では、データ記録器13に、荷重頻度算出部17から荷重頻度分布を表す評価情報が与えられ、データ記録器13は、この荷重頻度分布を表す評価情報を、読出し可能に記録している。
【0066】
このデータ記録器13は、記録している評価情報を、出力する出力手段としての機能を備えている。評価情報を出力するための構成は、たとえば記録している評価情報をメモリカードなどの記録媒体に記録する構成であってもよいし、プラグインなどと呼ばれるように他の装置に有線で接続されて有線送信する構成であってもよいし、電波および赤外線などの電磁波を用いて無線送信する構成であってもよい。
【0067】
地上ユニット6は、たとえばパーソナルコンピュータによって実現され、情報取得装置5によって取得された評価情報に基づいて、ブレード4の残りの寿命を求める装置である。この地上ユニット6は、荷重頻度分布入力器20と、等価残寿命演算器21とを有する。
【0068】
荷重頻度分布入力器20は、評価情報を入力する入力手段である。この荷重頻度分布入力器20は、情報取得装置5によって所得され、出力される評価情報、したがって荷重頻度分布を表す評価情報を受取って入力する。荷重頻度分布入力器20は、たとえば評価情報が記録されたメモリカードなどの記録媒体から評価情報を読取る構成であってもよいし、プラグインなどと呼ばれるように他の装置に有線で接続されて有線受信する構成であってもよいし、電波および赤外線などの電磁波を用いて無線受信する構成であってもよいが、情報取得装置5のデータ記録器13における出力のための構成に対応する構成とされる。
【0069】
等価残寿命演算器21は、荷重頻度分布入力器20から入力される評価情報が与えられ、この荷重頻度分布を表す評価情報に基づいて、ブレード4の残りの寿命を演算する演算手段である。等価残寿命演算器21は、入力される評価情報とブレード4の疲労曲線とに基づいて、線形累積損傷則を用いて、ブレード4の残りの寿命を演算する。
【0070】
図7は、疲労曲線の一例を示すグラフである。地上ユニット6は、疲労強度記憶器であるS−N曲線記憶器22をさらに有しており、このS−N曲線記憶器22には、予め求められたブレード4の疲労強度を表す疲労曲線が記憶されている。S−N曲線とも呼ばれる疲労曲線(以下「S−N曲線」という場合がある)は、コンポーネント(ここでブレード4)の疲労強度を示すものであり、繰返し荷重で発生するコンポーネントの変動応力および平均応力に対する破壊までの荷重の繰返し回数(サイクル数)を、グラフ化して示すものである。
【0071】
具体的に述べると、S−N曲線は、図7に示すように、変動応力に対する破壊までのサイクル数を示すものである。変動応力が一定であっても、平均応力が異なれば、破壊までのサイクル数が変化する。図7には、図解を容易にするために、1つの平均応力におけるS−N曲線を示しているが、実際には各平均応力毎に、線が描かれる。したがって、S−N曲線は、変動応力および平均応力に対する破壊までのサイクル数を示すものである。
【0072】
このS−N曲線は、コンポーネントの構成によって異なるものであり、ブレード4に対応する構成の試料に対する試験によってS−N曲線が取得され、そのS−N曲線がS−N曲線記憶器22に記憶されている。図7には、ブレード4がガラス繊維強化複合材料(GFRP)から成る場合のS−N曲線を示す。
【0073】
本実施の形態では、線形累積損傷則として、マイナーの累積損傷則(以下「マイナー則」という場合がある)を採用する。マイナー則は、材料の疲労破壊に関する法則であり、航空機の疲労強度設計に用いられている。
【0074】
1つのコンポーネント(ここではブレード4)に作用する荷重は、1つの大きさの変動応力および平均応力の荷重ではなく、様々な大きさの変動応力および平均応力の荷重を含んでいる。1つの大きさの変動応力および平均応力の荷重だけが作用するのであれば、S−N曲線から、破壊までのサイクル数を直接求めることができるが、様々な変動応力および平均応力の荷重がそれぞれ異なるサイクル数で作用する場合には、破壊に関する評価を、S−N曲線から直接求めることができない。そこでこのような場合には、マイナー則によって破壊に関する評価、すなわち強度に関する評価を求める。
【0075】
マイナー則では、荷重頻度分布から得られる1つの応力レベル(変動応力および平均応力の組合わせ)に1つずつ番号を与え、その番号をi(=1〜k;kは応力レベルの数)として、変動応力Saiおよび平均応力Smiの実際のサイクルル数(i番目のサイクル数)niと、前記変動応力Saiおよび平均応力Smiに対応する破壊に至るまでのサイクル数Niとの比をとり、それらの比を全て総和することによって累積損傷Dを算出する。累積損傷Dは、次式(3)で表される。
【0076】
【数1】
Figure 0003837124
【0077】
このようにして求められる累積損傷Dが1になるとき、そのコンポーネント(ブレード4)が破壊するとみなす。
【0078】
等価残寿命演算器21は、S−N曲線記憶器22に記憶されるS−N曲線と、入力される評価情報の荷重頻度分布から、前述のマイナー則によって、ブレード4の累積損傷Dを算出する。そしてこの累積損傷Dから、ブレード4の残りの寿命を算出する。
【0079】
残りの寿命(以下「等価残寿命」という場合がある)Trは、ブレード4の安全寿命Tsと累積損傷Dを用いて、次式(4)によって算出される。
Tr=Ts×(1−D) …(4)
安全寿命Tsは、亀裂などの機械的損傷を生じることなく用いることができる、疲労強度を保証できる期間であり、ブレード4の設計時に、その構成に基づいて設定される。
【0080】
このようにして求められる等価残寿命は、表示手段を用いて表示することができる。図1には、表示手段は図示されていないが、地上ユニット6が表示手段を備えるようにしてもよい。
【0081】
図8は、光ファイバセンサ7の有用性を確認するための試験装置30を示すブロック図である。試験装置30は、試験用の光ファイバ31を埋め込んだ供試体32に、引張試験機33によって引張荷重を与え、このときの荷重を引張試験機33で検出するとともに、歪を変位計34で検出し、さらに光ファイバ31の一端部に光源35から入射した光の強度を光検知器36で検出するように構成されている。
【0082】
図9は、試験装置30を用いた試験結果の一例を示すグラフである。図9には、荷重のサイクル数と光強度との関係を示す。また試験装置30を用いた試験結果を、図7に、前述のS−N曲線に加えて示す。図7に示すように、光ファイバ31は、ブレード4の疲労強度よりも高い疲労強度を有していることがわかる。また、図9に示すように、光ファイバ31は、繰返し荷重が作用しても、光信号の伝達に影響を受けないことがわかる。これらから、光ファイバを用いた光ファイバセンサ7の有用性が明らかである。
【0083】
図10は、光ファイバセンサ7を構成する光ファイバ7a,7bの一例を示す断面図である。図10(1)は、シングルモードの光ファイバ7aを示し、図10(2)は、マルチモードの光ファイバ7bを示す。シングルモードの光ファイバ7aは、伝送損失が小さく、長距離通信に適したファイバであり、コア40aの外径が8.5μmであり、クラッド41aの外径が40μmであり、被膜42aの外径が52μmである。マルチモードの光ファイバ7aは、接続が容易であり、ネットワークケーブルに適したファイバであり、コア40bの外径が20μmであり、クラッド41bの外径が40μmであり、被膜42bの外径が52μmである。
【0084】
本実施の形態では、シングモードおよびマルチモードのいずれでもよいが、図10に示すような、クラッド外径が40μmであり、被膜外径が52μmの細径の光ファイバが用いられる。このような細径の光ファイバ7a,7bは、ブレード4に埋め込んでも、ブレード4の強度に影響を与えない小さい外径である。
【0085】
図11は、光ファイバの複合材に対する強度への影響を確認する試験方法を説明するための断面図である。この試験では、供試体45に光ファイバ46を埋め込み、この埋め込み領域の中途部に内径が0.64cmの空隙を形成して、光ファイバに垂直な方向に引張荷重を与える。
【0086】
図12は、図11の試験の結果を示すグラフである。横軸は、光ファイバの外径を示し、縦軸は、標準化された強度を示す。図12にから明らかなように、光ファイバの外径が100μm程度であれば、強度に大きな影響を与えないことが分かる。
【0087】
図13は、光ファイバの複合材に対する強度への影響を確認する、図11とは異なる試験の結果を示すグラフである。図13から明らかなように、クラッドの外径が40μmの光ファイバは、光ファイバが埋め込まれていない状態と同様の強度を示すことが分かる。
【0088】
また光ファイバセンサ7の被膜がポリイミドから構成されるので、熱に強い光ファイバセンサ7を実現することができる。この光ファイバセンサ7は、ブレード4の成型時の熱にも耐え得ることが可能であり、埋め込み成型に好適に用いることができる。
【0089】
図14は、光ファイバセンサ7と、データ収集ユニット8との接続構造を示す断面図である。光ファイバセンサ7は、全体がブレード4に埋め込まれた状態で設けられる。この光ファイバセンサ7の一端部50は、ブレード4の長手方向一端部51の端面52から退避して配置されている。ブレード4の一端部51には、端面52で開口する嵌合管54が設けられており、光ファイバセンサ7の一端部50は、嵌合管54の中途部まで挿入された状態で設けられる。
【0090】
光ファイバセンサ7の一端部50に、半径方向外方から覆うフェルール56が設けられている。嵌合管54内には、半径方向に弾発的に変形可能な挟持部材、たとえば断面形状が略C字状の挟持部材57が設けられており、光ファイバセンサ7の一端部50は、挟持部材57の中途部まで挿入され、挟持部材56によってフェルール54が弾発的に挟持されている。したがって光ファイバセンサ7の一端部50が間接的に挟持された状態にある。
【0091】
レーザ発信器10および光計測器11には、光カプラなどを介して、共通の接続用光ファイバ60が光伝達可能に接続されている。レーザ発信器10は、接続用光ファイバ60に評価用光信号を送信することができ、光計測器11は、接続用光ファイバ60から評価用光信号を受信することができるように構成されている。
【0092】
接続用光ファイバ60のレーザ発信器10および光計測器11とは反対側の端部61には、半径方向外方から覆うフェルール62が設けられている。接続用光ファイバ60の端部61は、嵌合管54内に挿入され、かつ挟持部材57に挿入され、挟持部材56によってフェルール62が弾発的に挟持されている。したがって接続用光ファイバセンサ60の端部61が間接的に挟持された状態にある。
【0093】
この状態で光ファイバセンサ7と、接続用光ファイバ60とは、同軸に配置され、かつ当接されて配置される。これによって光ファイバセンサ7と、接続用光ファイバ60との間で、評価用光信号の伝達が可能である。このような構造を介して、光ファイバセンサ7と、レーザ光発信器10および光計測器11が接続され、前述のような検出を可能にしている。
【0094】
本実施の形態によれば、ブレード4に光ファイバセンサ7が設けられ、レーザ発信器10から評価用光信号が送信され、その評価用光信号が光計測器11で受信される。光ファイバセンサ7は、光ファイバを用いて構成され、評価対象物に作用する荷重によって光学的特性が変化するブラッグ格子15が形成されている。評価用光信号は、ブラッグ格子15における光学的特性に対応した信号となり、光計測器11で受信される。受信した評価用光信号からブレード4に作用する荷重に対応した評価情報が、光計測器11によって取得される。
【0095】
ブラッグ格子15は、ブレード4に作用する荷重に対応して歪を生じ、これによって光学的特性が変化する構成であり、光計測器11で取得される評価情報は、歪を表す評価情報である。このような評価情報が、データ処理器12で、荷重を表す評価情報に変換され、さらに荷重頻度分布を表す評価情報に変換される。このようにして、ブレード4に設けられる情報取得装置5によって、評価情報が取得される。
【0096】
このような評価情報が、地上ユニット6に与えられて、入力される。地上ユニット6では、情報取得装置5によって取得された評価情報に基づいて、ブレード4の等価残寿命が演算される。等価残寿命の演算は、S−N曲線に基づいて、マイナー則を用いて演算される。このようにして等価残寿命が高精度に演算され、寿命を評価することができる。
【0097】
等価残寿命Trの算出例を以下に示す。今、安全寿命が1000時間に設定されるブレード4があるとする。このブレード4を用いて100時間飛行したとき(実飛行時間Taが100)、前述のようにして算出した累積損傷Dが0.05であったとする。この場合の等価残寿命Trは、前記式(4)に値を代入して求めると、式(5)で示すように950時間となる。
Tr=1000×(1−0.05)=950 …(5)
【0098】
すでに100時間を飛行しているので、この場合のブレード4は、1050(=950+100)時間の飛行に用いることができることになる。つまり安全寿命に達した時点で廃棄する場合に比べて、50時間、寿命が延びたことになる。
【0099】
さらに実飛行時間Taが1000時間に達したとき、その累積損傷Dが0.5であったとする。この場合の等価残寿命Trは、前記式(4)に値を代入して求めると、式(6)で示すように500時間となる。
Tr=1000×(1−0.5)=500 …(6)
【0100】
すでに安全寿命の1000時間を飛行しているが、この時点であと500時間の飛行に耐え得ると評価されるので、この場合のブレード4は、1500(=500+1000)時間の飛行に用いることができることになる。つまり安全寿命に達した時点で廃棄する場合に比べて、500時間、寿命が延びたことになる。
【0101】
このような等価残寿命Trは、あくまで設計時に設定した安全寿命に基づいて、ブレード4に設計で想定した荷重がどのように実際に作用したかを検出して累積損傷Dを求め、残りの寿命を求めているものであり、実荷重を監視することによって設計時に想定した荷重を変更して寿命を判断するものではない。
【0102】
このようにブレード4の荷重および運用状態を監視し、ブレード4の等価残寿命を高精度に評価することによって、ブレード4が無駄に廃棄されてしまうことを確実に防ぐことができる。
【0103】
また光ファイバセンサ7を用いることによって、箔形歪ゲージを用いる構成に比べて、強度的な信頼性が高く、変位駆動される評価対象物の寿命評価に好適に用いることができる。しかも光ファイバセンサ7を利用する構成では、ノイズが少なく、高精度な評価が可能になる点からも、ブレード4の寿命評価に好適に用いることができる。
【0104】
さらにデータ収集ユニット8が、ブレード4に設けられており、変位駆動されるブレード4とヘリコプタの機体内部などの固定位置とにわたって配線する必要がなく、ブレード4の評価に好適に実施することができる。さらにデータ収集ユニット4がデータ記録器13を備えており、地上ユニット6が無くても評価情報の取得が可能であり、後刻地上ユニットに評価情報を与えて、寿命を評価することができ、飛行するヘリコプタのブレード4の寿命評価に好適である。
【0105】
さらにデータ記録器13には、たとえば過去の全ての荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報が記録しておくようにしてもよい。この場合、記憶される評価情報に基づいて寿命を評価すれば、そのブレード4の寿命を評価することができる。過去の一部の荷重の履歴に基づく荷重頻度分布が別途に記憶されていると、これを併せて評価しなければならず、ブレード4を識別して、別途に記憶される荷重頻度分布を対応付けて管理しておかなければならない。これに対して過去の全ての荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を記憶しておけば、ブレード4を識別して管理しなくても、そのブレード4の寿命を評価することができる。さらに具体的に述べると、たとえば点検補修時などに、ブレード4がロータから取外され、元のロータとは異なるロータに組み込まれることがあっても、つまりブレード4が取外された後、別のヘリコプタの機体に取り付けられることがあっても、ブレード4を識別して管理しておかなくても、ブレード4の寿命を評価することができる。
【0106】
もちろん、データ記録器13に過去の全ての荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報を記録しておくことは、あくまで一例であり、たとえば前回の寿命の評価時以後の荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報を記録しておくようにしてもよい。この場合には、評価時に、その評価時以前の荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報についは、データ記録器13と異なる記録手段に別途記録しておき、この記録手段に記録される評価情報と、データ記録器13に記録される評価情報を併せて評価するようにすればよい。このようにデータ記録器13には、過去の一部の荷重頻度分布を表す評価情報を記録しておく構成であってもよい。
【0107】
また寿命の評価は、前述のような点検補修時に実行されてもよいし、たとえば1日毎、1週間毎、1ヵ月毎など、定期的に実行されてもよいし、たとえば1回毎、2回毎、5回毎など、予め定める飛行回数毎に実行されてもよい。このように寿命の評価は、任意にまたは必要に応じて実行すればよい。また寿命の評価を実行するにあたって、ブレード4をロータから取外して実行してもよいが、ブレード4を取外さずに、ロータに組み込まれたままの状態で実行してもよい。
【0108】
さらに光ファイバセンサ7は、ブレード4に埋め込まれて設けられるので、評価情報を、高精度にかつ確実に取得することができる。しかもブレード4は、複合材料から成るので、光ファイバセンサ7を埋め込み成型でき、光ファイバセンナ7の埋め込み作業を容易にすることができる。さらに光ファイバセンサ7は、ブレード4に強度影響を与えない小径の光ファイバが用いられて構成されるので、ブレード4に埋め込んで設けても、ブレード4の機械的特性を損なうことがなく、ブレード4を光ファイバセンサ7が設けられていないブレード4と同様に用いることができる。
【0109】
また光ファイバセンサ7は、前述の図14に示すような埋め込み構造で設けられるので、ブレード4の成型にあたって、光ファイバセンサ7が、成型操作に制限を与えてしまうことがなく、埋め込み成型しない場合とほぼ同様の装置で、同様の作業によって成型することができ、ブレード4を容易に製造することができる。またブレード4の製造時に光ファイバセンサ7が損傷するおそれがないうえ、ブレード4の製造後に光ファイバセンサ7を端面研磨する必要がない。また嵌合孔に接続用光ファイバ60を挿入するだけで、光ファイバセンサ7への接続が可能であり、大形のコネクタなどを用いる必要がない。したがって光ファイバセンサ7に対する接続構造においても、ブレード4の機械的特性が損なわれることを防ぐことができる。
【0110】
また本発明の実施の他の形態として、データ収集ユニット8は、損傷判定機能を有する損傷判定手段を備える構成であってもよい。損傷判定手段は、たとえば歪→荷重変換部16によって兼ねられ、ブレード4の損傷、たとえば接合部における剥離および接合部以外における亀裂などを検出する。
【0111】
詳細に述べると、ブレード4が損傷すると、この損傷に伴なって光ファイバセンサ7も損傷する。光ファイバセンサ7が損傷すると、その損傷部位での評価用光信号の伝播が不可能になるので、評価情報に基づいて損傷の有無を判定し、損傷を検出することができる。
【0112】
損傷判定手段は、損傷の存在を検出すると、その検出結果をデータ記録器13に与える。データ記録器13では、検出結果を記録し、損傷が存在することを表す情報(損傷情報)を地上ユニット6に与える。地上ユニット6では、荷重頻度分布入力器20によって損傷情報が入力されると、損傷情報を図示しない報知手段によって報知され、操作者が容易かつ早期に把握することができる。本発明の装置は、ブレード4の等価残寿命を演算して、飛行中にブレード4の損傷を生じないようにするために用いられるものであるが、ブレード4の製造時の不良および予測できない要因などによって、万一、演算による寿命よりも前に損傷を生じた場合には、このような損傷のモニタリングによって、損傷を早期に検出することができ、より高い安全性を確保することができる。
【0113】
このようにして損傷が検出されと、寿命の評価が本来の目的を達成できなくなるので、以後の荷重頻度分布の算出など、データ収集ユニット8における寿命評価のための演算処理を中止して、データ記録器13から損傷情報だけを地上ユニット6に与えるようにしてもよい。また損傷が存在する場合においても、荷重頻度分布を演算し、等価残寿命を演算してもよい。
【0114】
また本発明の実施のさらに他の形態として、光計測器11が、評価用光信号を受信するときに、ブレード4および光ファイバセンサ7の温度による歪への影響を考慮して、信号が表す歪を補正するようにしてもよい。これによってさらに高精度な等価残寿命の演算が可能になる。
【0115】
上述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば本発明の設備は、ブレードに限らず、ハブなどのロータをはじめとする他の機構を構成するコンポーネントなどの評価対象物の寿命を評価するために用いられてもよい。もちろんヘリコプタ以外で用いられる構成であってもよい。また光路形成体は、評価対象物に埋め込まずに、表面部に接着などによって直接固定する構成であってもよい。この場合も好適に、かつ確実に評価情報を取得することができる。
【0116】
さらに光ファイバセンサは、ブラッグ格子を利用することによって、一本のセンサで複数箇所における評価情報の取得が可能になるが、ブラッグ格子以外を利用する光路形成体を用いるようにしてもよい。この場合、複数箇所での評価情報を取得できる構成であってもよいし、一箇所だけで評価情報を取得できる構成であってもよい。もちろん1つだけブラッグ格子が形成される光路形成体であってもよい。
【0117】
また地上ユニットなどの寿命演算装置は、必ずしも地上に設けられる必要はなく、ヘリコプタなど、情報取得装置が設けられる場所に設置されてもよい。また情報取得装置は、少なくとも光路形成体と送信手段と取得手段とが設けられていればよく、情報収集ユニットの他の手段は、寿命演算装置に設けられていてもよい。この場合、取得した歪を表す評価情報を逐次、寿命演算装置に送信するようにしてもよいし、情報収集ユニットに歪を表す評価情報を記録する記録器を設けるようにしてもよい。また可能であるならば、寿命演算装置の構成を、評価対象物に設けるようにしてもよい。
【0118】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、評価対象物に光路形成体が設けられ、この光路形成体に、送信手段から評価用光信号が送信され、その評価用光信号が取得手段で受信される。光路形成体は、光ファイバを用いて構成され、評価対象物に作用する荷重によって光学的特性が変化する特性変化部が形成されている。送信手段から送信された評価用光信号は、特性変化部における光学的特性に対応した信号となり、取得手段で受信される。受信した評価用光信号から評価対象物に作用する荷重に対応した評価情報が、取得手段によって取得される。この評価情報を用いることによって、評価対象物の荷重および運用状態を監視し、評価対象物の寿命を評価することができる。
【0119】
このように評価対象物に作用する荷重に対応した評価情報を得るにあたって、光ファイバを用いて構成される光路形成体を利用している。このような構成は、箔形歪ゲージを用いる構成に比べて、強度的な信頼性が高く、変位駆動される評価対象物の寿命評価に好適に用いることができる。しかも光路形成体を利用する構成では、ノイズが少なく、高精度な評価が可能になる点からも、評価対象物の寿命評価に好適に用いることができる。さらに送信手段および取得手段を含む情報収集ユニットが、評価対象物に設けられており、変位駆動される評価対象物と固定位置とにわたって配線する必要がなく、変位駆動される評価対象物の評価に好適に実施することができる。
また情報収集ユニットには、評価情報を記憶する記憶手段が設けられる。これによって記憶手段に評価情報を記憶しておき、必要に応じて、評価対象物の寿命を評価することができる。特に荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報が記憶される場合には、記憶される評価情報から、評価対象物の荷重および運用状態を把握して、評価対象物の寿命を的確に評価することができる。さらに評価対象物に設けられる情報収集ユニット内の記憶手段に、荷重の履歴に基づく評価情報を記憶させておくことによって、評価対象物を識別して管理しなくても、その評価対象物の寿命を評価することができる。
【0120】
また特性変化部が、ロータに作用する荷重に対応して歪を生じ、この歪を生じることによって特性変化部の光学的特性が変化する。したがって取得手段が評価用光信号から取得する評価情報は、特性変化部の歪を表しており、この評価情報を情報変換手段で変換することによって、ロータに作用した荷重を算出することができる。このようにして、ロータの荷重および運用状態の監視を実現することができる。
【0121】
また情報変換手段によって、ロータに作用した荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報に変換される。この評価情報に基づいて、ロータの荷重および運用状態を把握して、ロータを評価することによって、ロータの寿命を評価することができる。
さらに光路形成体は、特性変化部が強度評定部に配置され、この強度評定部がロータの酷使される部位に設定されている。これによって前述のように荷重頻度分布を求めるにあたって、強度評定部における荷重頻度分布を求めるようにすることによって、多数の部位の荷重頻度分布を求める場合に比べて、演算量を少なくすることができる。しかも強度評定部をロータにおける酷使される部位に設定しておくことによって安全性を高くすることができる。
【0123】
また本発明によれば、光路形成体は、ロータに直接装着されるので、ロータに作用する荷重に対応した評価情報を、確実に取得することができる。
【0124】
また本発明によれば、光路形成体は、ロータに埋め込まれて設けられるので、ロータに作用する荷重に対応した評価情報を、確実に取得することができる。ロータは、複合材料から成るので、光路形成体を埋め込み成型でき、光路形成体のロータへの埋め込み作業を容易にすることができる。しかも光路形成体は、ロータに強度影響を与えない小径の光ファイバが用いられて構成されるので、ロータに埋め込んで設けても、ロータの機械的特性を損なうことがなく、ロータを光路形態体が設けられていないロータと同様に用いることができる。
【0125】
また本発明によれば、光路形成体がロータを製造する装置の動作を阻害しないので、光路形成体を埋め込んだロータを容易に製造することができる。またロータの製造時に光伝達媒体が損傷するおそれがないうえ、ロータ製造後に光路形成体を端面研磨する必要がない。また嵌合孔に他の光路形成体を挿入するだけで、ロータに埋め込まれた光路形成体への接続が可能であり、大形のコネクタなどを用いる必要がない。したがって光路形成体に対する接続構造においても、ロータの機械的特性が損なわれることを防ぐことができる。
【0126】
また本発明によれば、ロータの損傷を早期に検出することができる。
また本発明によれば、ロータに作用する荷重に対応した評価情報に基づいて、ロータの残りの寿命が、演算手段によって演算される。このようにして評価情報に基づいて、ロータの寿命を評価することができる。
【0127】
また本発明によれば、取得される評価情報と、ロータの疲労曲線とに基づいて、線形累積損傷則を用いて、ロータの残りの寿命が演算される。疲労曲線および線形累積損傷則を用いることによって、評価情報に基づいて、ロータの残りの寿命を、高精度に演算して求めることができる。したがってロータが無駄に廃棄されてしまうことを確実に防ぐことができる。
【0129】
また本発明によれば、情報取得装置によって損傷の存在が検出されると、寿命演算装置よって損傷の存在が報知される。これによって操作者が損傷の存在を容易にかつ早期に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の評価設備1を示すブロック図である。
【図2】評価設備1を示す斜視図である。
【図3】ヘリコプタのロータ2の一部を示す斜視図である。
【図4】光ファイバセンサ7に形成されるブラッグ格子15を模式的に示す断面図である。
【図5】ブラッグ格子15の特性を説明するために評価用光信号の一例を示すグラフである。
【図6】荷重の履歴の一例を模式的に示すグラフである。
【図7】疲労曲線の一例を示すグラフである。
【図8】光ファイバセンサ7の有用性を確認するための試験装置30を示すブロック図である。
【図9】試験装置30を用いた試験結果の一例を示すグラフである。
【図10】光ファイバセンサ7を構成する光ファイバ7a,7bの一例を示す断面図である。
【図11】光ファイバの複合材に対する強度への影響を確認する試験方法を説明するための断面図である。
【図12】図11の試験の結果を示すグラフである。
【図13】光ファイバの複合材に対する強度への影響を確認する、図11とは異なる試験の結果を示すグラフである。
【図14】光ファイバセンサ7と、データ収集ユニット8との接続構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 評価設備
2 ロータ
4 ブレード
5 情報取得装置
6 地上ユニット
7 光ファイバセンサ
8 データ収集ユニット
10 レーザ発信器
11 光計測器
12 データ処理器
13 データ記録器
15 ブラッグ格子
20 荷重頻度分布入力器
21 等価残寿命演算器
22 S−N曲線記憶器
54 嵌合管
56,62 フェルール
57 挟持部材
60 接続用光ファイバ

Claims (8)

  1. ロータハブに複数のブレードが分解可能に設けられかつ回転駆動されるヘリコプタのロータの寿命を評価するための評価情報を取得する情報取得装置であって、
    ロータに設けられ、光ファイバを用いて構成され、ロータに作用する荷重に対応して歪を生じ、この歪を生じることによって光学的特性が変化する特性変化部を有し、ロータの酷使される部位に設定される強度評定部に特性変化部を配置する光路形成体と、
    ロータに設けられる情報収集ユニットであって、
    光路形成体に評価用光信号を送信する送信手段と、
    光路形成体を通過することによって特性変化部における光学的特性に対応した信号となる評価用光信号を受信し、受信した評価用光信号からを表す評価情報を取得する取得手段と、
    取得手段によって取得される歪を表す評価情報に基づいて、ロータに作用した荷重を算出し、ロータに作用した荷重の履歴に基づく荷重頻度分布を表す評価情報に変換する情報変換手段と、
    情報変換手段によって変換された評価情報を記憶する記憶手段とを有する情報収集ユニットとを含むことを特徴とする情報取得装置。
  2. 光路形成体は、ロータに直接装着されることを特徴とする請求項1記載の情報取得装置。
  3. ロータは、複合材料から成り、
    光路形成体は、ロータに埋め込まれて設けられ、ロータに強度影響を与えない小径の光ファイバが用いられて構成されることを特徴とする請求項1または2記載の情報取得装置。
  4. 光路形成体は、端部が、ロータの外表面から内方に退避した状態で、ロータの表面部に設けられる嵌合管に挿入されて設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の情報取得装置。
  5. 評価情報に基づいて、ロータにおける損傷の有無を判定する損傷判定手段を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報取得装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の情報取得装置と、
    情報取得装置によって取得される評価情報に基づいて、ロータの残りの寿命を演算する演算手段を備える寿命演算装置とを含むことを特徴とする評価設備
  7. 演算手段は、情報取得装置によって取得される評価情報と、ロータの疲労曲線とに基づいて、線形累積損傷則を用いて、ロータの残りの寿命を演算することを特徴とする請求項6記載の評価設備
  8. 情報取得装置は、評価情報に基づいてロータにおける損傷の有無を判定する損傷判定手段を備え、損傷の存在を検出したときに、損傷の存在を表す情報を寿命演算装置に与え、
    寿命演算装置は、損傷の存在を表す情報が与えられると、損傷の存在を表す情報を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項6または7記載の評価設備。
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