JP3836446B2 - Bottom tube for blood test, stopper for bottom tube for blood test and blood test container - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液検査において、血餅等の付着がなく、検査値に影響を与えることのない血液検査用有底管、血液検査用有底管に容易に打栓することができ、血液検査において、血餅等の付着がなく、検査値に影響を与えることがなく、血液検査用有底管のべたつきやラベル剥がれも引き起こさない血液検査用有底管の栓体、及び、該血液検査用有底管と該血液検査用有底管の栓体とからなる血液検査用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、検査技術の進歩に伴って、血清生化学検査、血清免疫学検査、血球検査等の血液検査が広く普及し、病気の予防や早期診断に大きく貢献するようになってきている。血液検査に使用される採血管、血液の保存容器、検査時の検体容器等としては、一端が開口し他端が閉塞する有底管状の血液検査用有底管と、血液検査用有底管の開口部を密封する血液検査用有底管の栓体とからなる血液検査用容器がよく使用されている。
【0003】
従来より血液検査用有底管としては、ガラス製のもの、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン等のプラスチック製のものが多く使用されているが、プラスチック製の血液検査用有底管は、血液検査の際に内壁面に血餅や血球が付着することにより、血液検査の検査値に重大な影響を及ぼすことがあった。とりわけ、遠心分離によっても付着した血餅や血球を剥離できない場合には、溶血を引き起こしたり、血液検査用有底管に残存した血餅や血球が検査前に剥離し、検査用の血清や血漿中に混入したりして正確な検査を行うことができないことがあった。
【0004】
そこで、血清や血漿の採取を目的とする血液検査用有底管では、付着した血液を遠心分離によりきれいに剥離することを目的として、通常、血液検査用有底管の壁面に表面処理剤が塗布されている。
このような血液検査用有底管に用いる表面処理剤としては、一般にポリジメチルシロキサン等の疎水性のシリコーンオイルや、親水性の変性シリコーンオイルが使用されている。
【0005】
しかしながら、疎水性のシリコーンオイルを用いた場合は、血液検査用有底管への血餅やフィブリンの付着が起りやすくなったり、生じた血液の泡立ちが長時間に渡って消泡されなかったりすることにより、血液検査の結果に重大な影響を及ぼすという問題があった。また、親水性の変性シリコーンオイルは、血液中に溶出したり、血液と相互作用を引き起こして検査項目によっては検査結果に影響を与えたりする場合があり問題となっていた。
【0006】
また、血液検査用有底管の開口を密封するための血液検査用有底管の栓体についても、通常、血液検査用有底管の場合と同様に表面処理剤が塗布されている。これは、栓体に付着した血液を遠心分離によりきれいに剥離することのほか、栓体を血液検査用有底管に打栓する際に潤滑剤としての役割を果たすことを目的として塗布されるものである。
このような栓体の表面処理剤としては、ポリジメチルシロキサン等の疎水性のシリコーンオイルが使用されている。また、特許文献1には、栓体の表面処理剤としてポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルが開示されており、このような親水化された変性シリコーンオイルも使用されている。
【0007】
しかしながら、疎水性のシリコーンオイルでは栓体への血餅やフィブリンの付着が起りやすくなったり、生じた血液の泡立ちが長時間に渡って消泡されなかったりすることにより、血液検査の結果に重大な影響を及ぼすという問題があった。また、親水性の変性シリコーンオイルは、血液中に溶出したり、血液と相互作用を引き起こして検査項目によっては検査結果に影響を与えたりする場合があり問題となっていた。更に、これらのシリコーンオイルでは製造時や梱包輸送時、使用時において、血液検査用有底管と栓体とが接触したりすることで栓体のシリコーンが血液検査用有底管に移行して、血液検査用有底管がべたついたり、血液検査用有底管にラベル類を貼付することが困難になったりすることがあるという問題もあった。
【0008】
【特許文献1】
特公平5−73174号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても、速やかに消泡し、検査値に影響を与えることのない血液検査用有底管、血液検査用有底管に容易に打栓することができ、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても、速やかに消泡し、検査値に影響を与えることがなく、更に、血液検査用有底管のべたつきやラベル剥がれも引き起こさない血液検査用有底管の栓体、及び、上記血液検査用有底管と上記血液検査用有底管とからなる血液検査用容器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明1は、一端が開口され、他端が閉塞された管状部材と、上記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたコーティング層とからなる血液検査用有底管であって、上記コーティング層は、ポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなる血液検査用有底管である。
【0011】
本発明2は、一端が開口され、他端が閉塞された管状部材と、上記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたコーティング層とからなる血液検査用有底管であって、上記コーティング層は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなる血液検査用有底管である。
【0012】
本発明3は、栓状部材と、上記栓状部材の表面に形成されたポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなるコーティング層とからなる血液検査用有底管の栓体である。
【0013】
本発明4は、栓状部材と、上記栓状部材の表面に形成されたポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなるコーティング層とからなる血液検査用有底管の栓体である。
以下に本発明を詳述する。
【0014】
本発明の血液検査用有底管は、一端が開口され、他端が閉塞された管状部材と、上記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたコーティング層とからなる。
上記管状部材は、一端が開口され、他端が閉塞された管状のもので、血液検査用有底管として使用され得るものであれば特に限定されず、例えば、同一材料で連続的に形成されたもの、両端が開口した管の一端を栓体等で閉塞したもの等が挙げられる。なかでも、汎用性があり、かつ、取り扱い性に優れ、また、生産性にも優れることから、同一材料で連続的に形成されたものが好ましい。なお、両端が開口した管の一端を栓体等で閉塞したものに使用される栓体は、後述する本発明の血液検査用有底管の栓体であることが好ましい。
【0015】
上記管状部材の材質、又は、上記管状部材が両端が開口した管の一端を栓体等で閉塞したものである場合のその管の材質としては特に限定されないが、例えば、ガラスのほか、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の飽和ポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂等の熱可塑性樹脂;不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エポキシ−アクリレート系樹脂等の熱硬化性樹脂;酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、エチルセルロース、エチルキチン等の変性天然樹脂等が挙げられる。これらのなかでは、ガスバリア性に優れ、成形性も良好であることから、PETやPEN等の飽和ポリエステル系樹脂が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
上記コーティング層は、血液検査用有底管に付着した血液を遠心分離等の操作によって容易に除去できるようにする役割を有する。
上記コーティング層は、本発明1の血液検査用有底管にあってはポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなり、本発明2の血液検査用有底管にあっては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなる。
上記コーティング層としてこのような化合物からなるものを用いることにより、上述のコーティング層の役割を満たすと同時に、従来の血液検査用有底管の問題であった血液検査への影響や、血液の泡立ちが長時間に渡って消泡されない等の不具合を解決することができる。
【0017】
本発明1の血液検査用有底管において、上記ポリオキシアルキレングリコールとは、アルキレンオキサイドの重合体である。上記重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。
上記アルキレンオキサイドとしては特に限定されず、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。なかでもプロピレンオキサイドの重合体、又は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドからなる共重合体が好適であり、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンランダム共重合体等が挙げられる。
【0018】
上記ポリオキシアルキレングリコール誘導体としては特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキルエーテル成分としては、例えば、ブタノールやプロパノール等の1価のアルコールをエーテル化したものが挙げられる。上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、下記式(1)に示されるポリオキシプロピレンブチルエーテル、下記式(2)に示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル等が挙げられる。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
式(1)及び式(2)中、m、nは整数を表す。
【0022】
上記ポリオキシアルキレングリコールエーテルのグリコールエーテル成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンをエーテル化したもの等が挙げられる。上記ポリオキシアルキルグリコールエーテルとしては、例えば、下記式(3)に示されるポリオキシプロピレングリセリルエーテル、下記式(4)に示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル等が挙げられる。
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】
式(3)及び式(4)中、p、q、r、s、t、uは、整数を表す。
【0026】
これらのなかでは、ポリオキシプロピレンブチルエーテル及び/又はポリオキシプロピレングリセリルエーテルが好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0027】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシアルキレングリコールエーテルの粘度としては特に限定されないが、好ましい下限は25℃において30mPs、上限は50000mPsである。30mPs未満であると、コーティング層としての安定性や血液剥離性が不充分となることがあり、50000mPsを超えると、栓体を打栓する際の潤滑性に劣ることがある。例えば、ポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては40〜1000mPs程度、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては30〜2000mPs程度、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルとしては200〜700mPs程度、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルとしては300〜40000mPs程度のものが好適である。
【0028】
本発明2の血液検査用有底管において、上記ポリプロピレングリコールの平均分子量の好ましい下限は300、好ましい上限は4000であり、より好ましい下限は1500である。また、上記ポリエチレングリコールの平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は6000である。
【0029】
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンの縮合物としては、例えば、ポリプロピレングリコールを疎水基としてエチレンオキシドを付加して親水性を付与したブロック共重合体等が挙げられる。
また、上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物は、エチレンオキシドを70重量%未満含有することが好ましい。エチレンオキシドの含有量が70重量%以上であると、固体状となりコーティング層がもろくなることがある。70重量%未満の含有量であると、コーティング層の強度、安定性に優れる。好ましい下限は5重量%、より好ましい下限は10重量%である。
【0030】
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物の平均分子量の好ましい下限は1000、上限は20000であり、より好ましい上限は6000である。
また、上記コーティング層として、水に易溶性の材料を用いた場合、上記コーティング層に含まれる材料が血液に溶出し、血液検査の検査値に影響を及ぼす可能性があるため、上記コーティング層の材料としては、水に難溶性、不溶性の材料を用いることが好ましい。これにより、血液に溶出しにくくなり、幅広い検査領域への適用が可能となる。
【0031】
一方、上記コーティング層が、水に全く不溶性の材料からなる場合には、泡立った血液を消泡する作用が少なく、血液の泡立ちが長時間にわたって解消されないことが多い。例えば、血液に不溶性の架橋型の材料を用いることも好ましくない。血液の泡立ちが問題となる場合には、難溶性でありながら、わずかに血液中に溶解して消泡作用を発揮する材料を用いることが有効である。なお、性能のバランスをより高めるためには、難溶性の材料と不溶性の材料とをブレンドすることが更に有効である。
【0032】
上記コーティング層の単位面積当たりの重量は、特に限定されず、好ましい下限は、本発明の血液検査用有底管の表面積1cm2当たり0.1μgであり、好ましい上限は1000μgである。0.1μg未満であると、コーティング層としての安定性や血液剥離性が不充分となることがあり、1000μgを超えると、コーティング層が厚くなりすぎ、コーティング層の一部が剥離してしまう等の問題が生じる可能性がある。より好ましくは1〜100μgである。
【0033】
本発明の血液検査用有底管を作製する方法としては特に限定されず、例えば、上記コーティング層の原料となる物質を適当な媒体に溶解又は分散したコーティング液を調製し、このコーティング液を管状部材の表面に塗布する方法、コーティング液中に管状部材を浸漬する方法、コーティング液を管状部材上にスプレーする方法、回転式攪拌容器等に管状部材とコーティング液とを添加して混合する方法等により、管状部材表面にコーティングした後、室温乾燥、加熱乾燥又は真空乾燥等の方法により乾燥する方法等が挙げられる。また、上記コーティング層の原料となる物質を、媒体を用いることなく、直接管状部材の表面にコーティングしてもよい。
なお、本発明の血液検査用有底管において、上記コーティング層は管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されていれば、その他の形成部分については特に限定されず、管状部材の表面全体に形成されていてもよい。
【0034】
上記コーティング液の媒体としては特に限定されず、例えば、水、メタノール,エタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。コーティング層の原料物質が均一に溶解又は分散し、管状部材に対するぬれ性に優れた媒体を選択することが好ましい。
上記コーティング液の濃度としては特に限定されないが好ましい下限は0.01重量%、上限は10重量%である。
【0035】
上記コーティング層の原料となる物質として、水に難溶性、不溶性の材料を用いる場合に、均一なコーティング液を調製する方法としては、例えば、このような材料が可溶な媒体を用いる方法の他に、乳化剤を用いてエマルジョンとする方法、水中での強制撹拌や超音波を利用することにより分散させる方法等が挙げられる。
上記乳化剤としては特に限定されないが、例えば、代表的な乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0036】
上記乳化剤としては、可能な限り血液検査の検査値に影響しないものを選択し、用途範囲が限定されないようにすることが好ましい。
なお、ポリオキシエチレンのようにポリオキシアルキレン構造を有し、曇点が存在する材料を用いる場合は、常温で水に不溶な場合であっても、曇点以下に冷却することで水に均一に溶解させることができる。
【0037】
本発明の血液検査用有底管は、管状部材と、上記管状部材上の少なくとも血液と接触する部分に形成されたポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなるコーティング層、又は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなるコーティング層とからなることにより、血餅等の付着がなく、検査値に影響を与えることもない。また、血液の泡立ちが長時間に渡って消泡されなかったりすることもない。
また、本発明の血液検査用有底管を密封するために用いる栓体としては、天然ゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、シリコーンゴム等のゴムや、スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系のエラストマーからなるものが好適である。
また、後述する本発明の血液検査用有底管の栓体を用いることがより好ましい。
【0038】
血液検査用有底管が採血管である場合には、血液検査用有底管内を減圧して真空採血管とすることができる。また、上記血液検査用有底管内には目的に合わせ各種薬剤を収容させることができる。上記薬剤としては特に限定されず、例えば、血清を採取するための血液凝固促進剤、血液を凝固させないための抗凝固剤等が挙げられ、血清分離剤、血漿分離剤等が収容されてもよい。
【0039】
本発明3は、栓状部材と、上記栓状部材の表面に形成されたポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなるコーティング層とからなる血液検査用有底管の栓体である。
【0040】
本発明4は、栓状部材と、上記栓状部材の表面に形成されたポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなるコーティング層とからなる血液検査用有底管の栓体である。
【0041】
本発明の血液検査用有底管の栓体は、栓状部材と、栓状部材の表面に形成されたコーティング層からなる。
上記栓状部材としては特に限定されず、例えば、ゴム、熱可塑性エラストマーその他プラスチック等が挙げられる。
【0042】
上記ゴムとしては特に限定されず、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。なかでも、真空採血管等の気密性を要する用途にはガスバリア性に優れたブチルゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴムが好適である。
上記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系のエラストマー等が挙げられる。
【0043】
上記コーティング層は、栓体を血液検査用有底管に打栓する際の潤滑剤として働くと同時に、栓体に付着した血液を遠心分離等の操作によって容易に除去できるようにする役割を有する。
上記コーティング層は、本発明3の血液検査用有底管の栓体にあってはポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなり、本発明4の血液検査用有底管の栓体にあっては、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなる。
上記コーティング層としてこのような化合物からなるものを用いることにより、上述のコーティング層の役割を満たすと同時に、従来の栓体の問題であった血液検査への影響や血液検査用有底管のべたつきの発生等を解決することができる。本発明3の血液検査用有底管の栓体において、上記ポリオキシアルキレングリコールとは、アルキレンオキサイドの重合体である。上記重合体は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよい。
【0044】
上記アルキレンオキサイドとしては特に限定されず、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。なかでもプロピレンオキサイドの重合体、又は、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドからなる共重合体が好適であり、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンランダム共重合体等が挙げられる。
【0045】
上記ポリオキシアルキレングリコール誘導体としては特に限定されず、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルのアルキルエーテル成分としては、例えば、ブタノールやプロパノール等の1価のアルコールをエーテル化したもの等が挙げられる。上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル等が挙げられる。
【0046】
上記ポリオキシアルキレングリコールエーテルのグリコールエーテル成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンをエーテル化したもの等が挙げられる。上記ポリオキシアルキルグリコールエーテルとしては、例えば、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル等が挙げられる。
これらのなかでは、ポリオキシプロピレンブチルエーテル及び/又はポリオキシプロピレングリセリルエーテルが好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0047】
上記ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシアルキレングリコールエーテルの粘度としては特に限定されないが、好ましい下限は25℃において30mPs、上限は50000mPsである。30mPs未満であると、コーティング層としての安定性や潤滑性、血液剥離性が不充分となることがあり、50000mPsを超えると、潤滑性が劣ったりすることがある。例えば、ポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては40〜1000mPs程度、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテルとしては30〜2000mPs程度、ポリオキシプロピレングリセリルエーテルとしては200〜700mPs程度、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテルとしては300〜40000mPs程度のものが好適である。
【0048】
本発明4の血液検査用有底管の栓体において、上記ポリプロピレングリコールの平均分子量の好ましい下限は300、好ましい上限は4000であり、より好ましい下限は1500である。また、上記ポリエチレングリコールの平均分子量の好ましい下限は400、好ましい上限は6000である。
【0049】
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンの縮合物としては、例えば、ポリプロピレングリコールを疎水基としてエチレンオキシドを付加して親水性を付与したブロック共重合体等が挙げられる。
また、上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物は、エチレンオキシドを70重量%未満含有することが好ましい。エチレンオキシドの含有量が70重量%以上であると、固体状となりコーティング層がもろくなることがある。70重量%未満の含有量であると、コーティング層の強度、安定性、血液検査用有底管に栓体を打栓する際の潤滑性に優れる。好ましい下限は5重量%、より好ましい下限は10重量%である。
上記ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物の平均分子量の好ましい下限は1000、上限は20000であり、より好ましい上限は6000である。
【0050】
また、上記コーティング層として、水に易溶性の材料を用いた場合、上記コーティング層に含まれる材料が血液に溶出し、血液検査の検査値に影響を及ぼす可能性があるため、上記コーティング層の材料としては、水に難溶性、不溶性の材料を用いることが好ましい。これにより、血液に溶出しにくくなり、幅広い検査領域への適用が可能となる。
【0051】
一方、上記コーティング層が、水に全く不溶性の材料からなる場合には、泡立った血液を消泡する作用が少なく、血液の泡立ちが長時間にわたって解消されないことが多い。例えば、血液に全く溶け出さない架橋型のコーティング材料は好ましくないといえる。血液の泡立ちが問題となる場合には、難溶性でありながら、わずかに血液中に溶解して消泡作用を発揮する材料を用いることが有効である。性能のバランスをより高めるためには、難溶性と不溶性の材料をブレンドすることが更に有効である。
【0052】
上記コーティング層の単位面積当たりの重量は、特に限定されず、好ましい下限は、本発明の血液検査用有底管の栓体の表面積1cm2当たり1μgであり、好ましい上限は1000μgである。1μg未満であると、コーティング層としての安定性や血液剥離性が不充分となることがあり、1000μgを超えると、コーティング層が厚くなりすぎ、コーティング層の一部が剥離してしまう等の問題が生じる可能性がある。より好ましくは5〜100μgである。
【0053】
本発明の血液検査用有底管の栓体を作製する方法としては特に限定されず、例えば、上記コーティング層の原料となる物質を適当な媒体に溶解又は分散したコーティング液を調製し、このコーティング液を栓状部材の表面に塗布する方法、コーティング液中に栓状部材を浸漬する方法、コーティング液を栓状部材上にスプレーする方法、回転式攪拌容器等に栓状部材とコーティング液とを添加して混合する方法等により、栓状部材表面にコーティングした後、室温乾燥、加熱乾燥又は真空乾燥等の方法により乾燥する方法等が挙げられる。
また、上記コーティング層の原料となる物質を、媒体を用いることなく、直接栓体の表面にコーティングしてもよい。
【0054】
上記コーティング液の媒体としては特に限定されず、例えば、水、メタノール,エタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。コーティング層の原料物質が均一に溶解又は分散し、栓状部材に対するぬれ性に優れた媒体を選択することが好ましい。
上記コーティング液の濃度としては特に限定されないが好ましい下限は0.01重量%、上限は10重量%である。
【0055】
上記コーティング層の原料となる物質として、水に難溶性、不溶性の材料を用いる場合に、均一なコーティング液を調製する方法としては、例えば、このような材料が可溶な溶剤を用いる方法の他に、乳化剤を用いてエマルジョンとする方法、水中での強制撹拌や超音波を利用することにより分散させる方法等が挙げられる。
なお、本発明の血液検査用有底管の栓体において、上記コーティング層は、少なくとも、血液検査用有底管に収容された血液が接触する可能性のある部分に設けられ、更に、栓体の打栓時に血液検査用有底管の内面に接触する部分にも設けられることが好ましい。また、栓体の表面全体に形成されていてもよい。
上記乳化剤としては特に限定されないが、例えば、代表的な乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
【0056】
上記乳化剤としては、可能な限り血液検査の検査値に影響しないものを選択し、用途範囲が限定されないようにすることが好ましい。
なお、ポリオキシエチレンのようにポリオキシアルキレン構造を有し、曇点が存在する材料を用いる場合は、常温で水に不溶な場合であっても、曇点以下に冷却することで水に均一に溶解させることができる。
【0057】
本発明の血液検査用有底管の栓体は、栓状部材と、栓状部材の表面に形成されたポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなるコーティング層、又は、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及び、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物からなる群より選択される少なくとも1種からなるコーティング層とからなることにより、血液検査用有底管に打栓でき、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても速やかに消泡し、更に、血液中に溶け出して検査値に影響を与えることもない。また、血液検査用有底管に移行して、血液検査用有底管がべたついたり、血液検査用有底管へラベル類を貼付することが困難になったりすることもない。
【0058】
また、本発明の血液検査用有底管の栓体は、ガラスやポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、アクリル樹脂等のプラスチックからなる血液検査用有底管の栓体として用いることが好適である。とりわけ、本発明の血液検査用有底管と組み合わせることにより、より高い効果が得られる。
【0059】
本発明1又は2の血液検査用有底管と、本発明3又は4の血液検査用有底管の栓体とからなる血液検査用容器もまた本発明の一つである。
このように、本発明の血液検査用有底管と本発明の血液検査用有底管の栓体とを組み合わせて用いることにより、血液検査において、更に優れた効果を発揮することができる。
【0060】
本発明の血液検査用容器が採血管である場合には、血液検査用容器内を減圧して真空採血管とすることができる。また、本発明の血液検査用容器内には目的に合わせ各種薬剤を収容させることができる。上記薬剤としては特に限定されず、例えば、血清を採取するための血液凝固促進剤、管から血液を剥離させ易くするための血餅剥離剤、血液を凝固させないための抗凝固剤等が挙げられ、血清分離剤、血漿分離剤等が収容されてもよい。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0062】
(実施例1)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:49mPs/25℃)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した。
得られたコーティング液20mgを外径16mm、長さ100mmのポリエチレンテレフタレート製の有底管にスプレーした後、35℃で真空乾燥することにより、栓体との嵌合部内径が14mmφである採血管を作製した。
【0063】
(実施例2)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0064】
(実施例3)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:1400mPs/25℃)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0065】
(実施例4)
エタノール中にポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)を0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0066】
(実施例5)
エタノール中にポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0067】
(実施例6)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ1重量%、0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0068】
(実施例7)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ0.5重量%、0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0069】
(実施例8)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ2重量%、1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0070】
(実施例9)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:199mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:250mPs/25℃)をそれぞれ1重量%、1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0071】
(実施例10)
エタノール中にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:285mPs/25℃)を2重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0072】
(実施例11)
エタノール中にポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:374mPs/25℃)を2重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0073】
(実施例12)
エタノール中にポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(エチレンオキシド含量10重量%、平均分子量1100)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0074】
(実施例13)
エタノール中にポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(エチレンオキシド含量50重量%、平均分子量4600)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0075】
(実施例14)
エタノール中にポリエチレングリコール(平均分子量400)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0076】
(実施例15)
エタノール中にポリプロピレングリコール(平均分子量1500)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0077】
(比較例1)
エタノール中にポリエーテル変性シリコーンオイル(動粘度:1200cSt/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0078】
(比較例2)
エタノール中にポリジメチルシロキサン(疎水性シリコーンオイル、動粘度:5000cSt/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例1と同様にして採血管を作製した。
【0079】
(比較例3)
コーティングを行わない実施例1で使用した有底管を採血管とした。
【0080】
実施例1〜15及び比較例1〜3で作製した採血管に、血液凝固促進剤として、シリカ0.5mgを収容した後、図1に示した嵌合部外径が15mmφである臭素化ブチルゴム製の栓体12を減圧打栓し、採血量5mLの真空採血管を作製し、得られた真空採血管について、以下の評価を行った。
結果を表1に示した。
【0081】
(血餅剥離性)
真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った。凝固、遠心後に目視により管内壁面を調べ、血餅が全く残っていなかった場合を◎、血餅が残っているが問題のない範囲であった場合を〇、血餅が明らかに残っていた場合を×と評価した。
【0082】
(検査値)
真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った。凝固、遠心後に分離された血清を用いて検査を行い、コントロールの検査値と比較して検査値に全く影響がなかった場合を◎、検査値に影響があるが問題のない範囲であった場合を〇、検査値に大きく影響した場合を×と評価した。
【0083】
(血液の泡立ち解消)
上記の真空採血管の作製において、血液凝固促進剤のかわりに抗凝固剤を収容した以外は同様にして真空採血管を作製し、得られた真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った後、5回転倒混和を行ったとき、血液の泡立ちが1分以内に消失した場合を◎、2分以内に消失した場合を○、2分経っても消失しなかった場合を×とした。
【0084】
【表1】
【0085】
表1から、実施例1〜15で作製した採血管については、血餅剥離性、検査値への影響のなさに優れていることがわかった。また、血液の泡立ちも生じておらず、また生じた場合であっても速やかに消泡した。
比較例1で作製した従来から使用されている変性シリコーンオイルをコートした採血管では、血餅剥離性には優れるものの、検査値へ影響を与えていた。比較例2で作製した従来から使用されているポリジメチルシロキサン(疎水性シリコーンオイル)をコートした採血管では検査値、血液の泡立ち解消で不具合があった。更に、表面処理を行わない比較例3で作製した採血管では、検査値への影響に加えて血餅剥離性でも劣り、比較例1〜3の採血管は、血液検査用有底管としては適さないものであった。
【0086】
(実施例16)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:49mPs/25℃)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した。
得られたコーティング液中に臭素化ブチルゴムからなる栓状部材を浸漬した後、35℃で真空乾燥することにより、管体との嵌合部外径15mmφである採血管用の栓体を作製した。
【0087】
(実施例17)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0088】
(実施例18)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:1400mPs/25℃)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0089】
(実施例19)
エタノール中にポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)を0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0090】
(実施例20)
エタノール中にポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0091】
(実施例21)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ1重量%、0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0092】
(実施例22)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ0.5重量%、0.5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0093】
(実施例23)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:527mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:652mPs/25℃)をそれぞれ2重量%、1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0094】
(実施例24)
エタノール中にポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:199mPs/25℃)とポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:250mPs/25℃)をそれぞれ1重量%、1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0095】
(実施例25)
エタノール中にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(粘度:285mPs/25℃)を2重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0096】
(実施例26)
エタノール中にポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(粘度:374mPs/25℃)を2重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0097】
(実施例27)
エタノール中にポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(エチレンオキシド含量10重量%、平均分子量1100)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0098】
(実施例28)
エタノール中にポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物(エチレンオキシド含量50重量%、平均分子量4600)を5重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0099】
(実施例29)
エタノール中にポリエチレングリコール(平均分子量400)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0100】
(実施例30)
エタノール中にポリプロピレングリコール(平均分子量1500)を1重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0101】
(比較例4)
エタノール中にポリエーテル変性シリコーンオイル(動粘度:1200cSt/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0102】
(比較例5)
エタノール中にポリジメチルシロキサン(疎水性シリコーンオイル、動粘度:5000cSt/25℃)を3重量%となるように溶解してコーティング液を調製した以外は実施例16と同様にして採血管用の栓体を作製した。
【0103】
(比較例6)
コーティングを行わない実施例16で使用した栓状部材を採血管用の栓体とした。
【0104】
実施例16〜30及び比較例4〜6で作製した採血管用の栓体について、図1に示した内径14mm、外径16mm、長さ100mmのポリエチレンテレフタレート製の有底管11を採血管として用いて以下の評価を行った。
結果を表2に示した。
【0105】
(潤滑性)
栓体を採血管に手で打栓できるかどうかを調べ、非常に容易に打栓できた場合を◎、容易に打栓できた場合を〇、容易には打栓できなかった場合を×と評価した。
【0106】
(血餅剥離性)
栓体を、血液凝固促進剤、血餅剥離剤により処理された採血管に減圧打栓した真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った。凝固、遠心後に目視により栓体を調べ、血餅が全く残っていなかった場合を◎、血餅が残っているが問題のない範囲であった場合を〇、血餅が明らかに残っていた場合を×と評価した。
【0107】
(検査値)
栓体を、血液凝固促進剤、血餅剥離剤により処理された採血管に減圧打栓した真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った。凝固、遠心後に分離された血清を用いて検査を行い、コントロールの検査値と比較して、検査値に全く影響がなかった場合を◎、検査値に影響があるが問題のない範囲であった場合を〇、検査値に大きく影響した場合を×と評価した。
【0108】
(ラベル貼付性)
栓体20個と採血管5本とをポリ袋中で充分に振とうした後、採血管を取り出して外周曲面に検体ラベルを貼付した。24時間放置後に目視によりラベルの状態を調べ、全く剥がれがなかった場合を◎、一部が剥がれかけであった場合を〇、ほとんど剥がれてしまった場合を×と評価した。
【0109】
(血液の泡立ち解消)
栓体を抗凝固剤入りの採血管に減圧打栓し、得られた真空採血管を用いて、採血量が5mLとなるように真空採血を行った後、5回転倒混和を行ったとき、血液の泡立ちが1分以内に消失した場合を◎、2分以内に消失した場合を○、2分経っても消失しなかった場合を×とした。
【0110】
【表2】
【0111】
表2から、実施例16〜30で作製した栓体については、潤滑性、血餅剥離性、検査値への影響のなさ、ラベル貼付性に優れていることがわかった。また、血液の泡立ちも生じておらず、また生じた場合であっても速やかに消泡した。
比較例4で作製した従来から使用されている変性シリコーンオイルをコートした栓体では、潤滑性、血餅剥離性には優れるものの、検査値へ影響を与え、また、ラベル貼付性に劣っていた。比較例5で作製した従来から使用されているポリジメチルシロキサン(疎水性シリコーンオイル)をコートした栓体では検査値、ラベル剥がれ、血液の泡立ち解消で不具合があった。更に、表面処理を行わない比較例6で作製した栓体では、検査値への影響に加えて潤滑性、血餅剥離性及び血液の泡立ち解消でも劣り、比較例4〜6の栓体は、血液検査用有底管の栓体としては適さないものであった。
【0112】
【発明の効果】
本発明によれば、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても、速やかに消泡し、検査値に影響を与えることのない血液検査用有底管、血液検査用有底管に容易に打栓することができ、血液検査において、血餅等の付着がないとともに、血液の泡立ちもなく、また、血液の泡立ちが生じた場合であっても、速やかに消泡し、検査値に影響を与えることがなく、更に、血液検査用有底管のべたつきやラベル剥がれも引き起こさない血液検査用有底管の栓体、及び、上記血液検査用有底管と上記血液検査用有底管の栓体とからなる血液検査用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例で作製した真空採血管を示す模式図である。
【符号の説明】
11 有底管
12 栓体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention can be easily plugged into a blood test bottomed tube, a blood test bottomed tube that does not affect clots and does not affect the test value in blood tests. In the bottom tube for blood test that does not cause clot adhesion, does not affect the test value, and does not cause stickiness or peeling of the bottom tube for blood test, and the blood test The present invention relates to a blood test container comprising a bottomed tube and a plug of the bottomed tube for blood test.
[0002]
[Prior art]
In recent years, blood test such as serum biochemical test, serum immunology test, blood cell test, etc. has been widely spread along with the progress of testing technology, and has greatly contributed to disease prevention and early diagnosis. A blood collection tube used for blood tests, a blood storage container, a sample container for testing, etc., includes a bottomed tubular blood test bottomed tube with one end opened and the other closed, and a blood test bottomed tube A blood test container comprising a bottomed tube for blood test that seals the opening of the blood test is often used.
[0003]
Conventionally, as a bottomed tube for blood test, a plastic tube such as a glass tube, polyethylene terephthalate, polystyrene, polymethyl methacrylate, polyethylene, etc. has been used. When blood tests are performed, blood clots or blood cells may adhere to the inner wall surface, which may have a significant effect on blood test values. In particular, if clots or blood cells that have adhered even after centrifugation cannot be removed, hemolysis may occur or blood clots or blood cells remaining in the bottom tube for blood tests may be detached before the test. In some cases, an accurate inspection could not be performed due to contamination.
[0004]
Therefore, a surface treatment agent is usually applied to the wall of a blood test bottomed tube for the purpose of separating the adhering blood cleanly by centrifugation for the purpose of collecting blood and blood test bottomed tubes. Has been.
As a surface treatment agent used for such a bottomed tube for blood test, generally, a hydrophobic silicone oil such as polydimethylsiloxane or a hydrophilic modified silicone oil is used.
[0005]
However, when hydrophobic silicone oil is used, blood clots and fibrin are more likely to adhere to the bottom tube for blood tests, and the resulting blood bubbles may not be removed for a long time. As a result, there is a problem that the blood test result is seriously affected. In addition, hydrophilic modified silicone oil has been a problem because it may be eluted in blood or may interact with blood and affect the test result depending on the test item.
[0006]
In addition, a surface treatment agent is usually applied to the plug of the bottom tube for blood test for sealing the opening of the bottom tube for blood test as in the case of the bottom tube for blood test. This is applied for the purpose of acting as a lubricant when the stopper is punched into a bottomed tube for blood testing, in addition to separating blood adhering to the stopper cleanly by centrifugation. It is.
As such a plug surface treatment agent, a hydrophobic silicone oil such as polydimethylsiloxane is used. Patent Document 1 discloses a polyoxyalkylene-modified silicone oil as a surface treatment agent for a plug, and such a hydrophilic modified silicone oil is also used.
[0007]
However, with hydrophobic silicone oil, blood clots and fibrin are more likely to adhere to the plug, and the resulting blood bubbles do not disappear for a long time. There was a problem of having an influence. In addition, hydrophilic modified silicone oil has been a problem because it may be eluted in blood or may interact with blood and affect the test result depending on the test item. Furthermore, with these silicone oils, the bottomed tube for blood testing and the plug come into contact with each other during manufacture, packaging and use, so that the silicone in the plug is transferred to the bottomed tube for blood testing. There are also problems that the bottomed tube for blood test may become sticky or it may be difficult to attach labels to the bottomed tube for blood test.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 5-73174
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above-mentioned present situation, the present invention eliminates blood clots, blood bubbles, and even when blood bubbles are generated in blood tests. Can be easily plugged into a blood test bottomed tube or blood test bottomed tube that does not affect the blood test. Even if blood bubbles occur, the bottom for blood tests will quickly disappear, and will not affect the test value, and will not cause stickiness of the bottom tube for blood tests or label peeling. It is an object of the present invention to provide a blood test container comprising a tube plug, and a blood test bottomed tube and the blood test bottomed tube.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present invention 1 is a bottomed tube for blood test comprising a tubular member having one end opened and the other end closed, and a coating layer formed on at least a portion of the tubular member in contact with blood, The coating layer is a bottomed tube for blood test made of polyoxyalkylene glycol and / or a polyoxyalkylene glycol derivative.
[0011]
The present invention 2 is a bottomed tube for blood test comprising a tubular member having one end opened and the other end closed, and a coating layer formed on at least a portion of the tubular member in contact with blood, The coating layer is a bottomed tube for blood test composed of at least one selected from the group consisting of polypropylene glycol, polyethylene glycol, and polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate.
[0012]
The present invention 3 is a bottomed tube for blood test comprising a plug-shaped member and a coating layer made of polyoxyalkylene glycol and / or a polyoxyalkylene glycol derivative formed on the surface of the plug-shaped member. .
[0013]
Invention 4 is a coating comprising at least one selected from the group consisting of a plug-shaped member and polypropylene glycol, polyethylene glycol, and polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate formed on the surface of the plug-shaped member. It is a bottomed tube stopper for blood testing comprising a layer.
The present invention is described in detail below.
[0014]
The bottomed tube for blood test of the present invention comprises a tubular member having one end opened and the other end closed, and a coating layer formed on at least a portion of the tubular member that contacts blood.
The tubular member is not particularly limited as long as the tubular member is open at one end and closed at the other end and can be used as a bottomed tube for blood test. For example, the tubular member is continuously formed of the same material. And one in which one end of a tube having both ends opened is closed with a plug or the like. Among these, those formed continuously from the same material are preferable because they are versatile, have excellent handleability, and are excellent in productivity. In addition, it is preferable that the plug body used for what closed the end of the pipe | tube with which both ends opened with the plug body etc. is the plug body of the bottomed tube for blood tests of this invention mentioned later.
[0015]
The material of the tubular member, or the material of the tube in the case where the tubular member is one in which one end of a tube having both ends opened with a plug or the like is not particularly limited, for example, glass, polyethylene, Polyolefin resins such as polypropylene; Saturated polyester resins such as polystyrene resins, polyethylene terephthalate (PET), and polyethylene naphthalate (PEN); Thermoplastic resins such as polymethyl methacrylate resins and polyacrylonitrile resins; Unsaturated polyester resins Examples thereof include thermosetting resins such as resins, epoxy resins, and epoxy-acrylate resins; modified natural resins such as cellulose acetate, cellulose propionate, ethyl cellulose, and ethyl chitin. Of these, saturated polyester resins such as PET and PEN are preferred because of excellent gas barrier properties and good moldability. These may be used alone or in combination of two or more.
[0016]
The coating layer has a role of easily removing blood adhering to the bottomed tube for blood test by an operation such as centrifugation.
The coating layer is made of polyoxyalkylene glycol and / or a polyoxyalkylene glycol derivative in the bottomed tube for blood test of the first aspect of the invention, and polypropylene in the bottomed tube for blood test of the second aspect of the invention. It consists of at least one selected from the group consisting of glycol, polyethylene glycol, and polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate.
By using such a coating layer as a coating layer, the above-mentioned role of the coating layer is satisfied, and at the same time, the influence on the blood test, which is a problem of the conventional bottomed tube for blood test, and blood foaming It is possible to solve the problem that the foam is not defoamed for a long time.
[0017]
In the bottomed tube for blood test according to the first aspect of the invention, the polyoxyalkylene glycol is a polymer of alkylene oxide. The polymer may be a random copolymer or a block copolymer.
The alkylene oxide is not particularly limited, and examples thereof include ethylene oxide and propylene oxide. Among them, a propylene oxide polymer or a copolymer composed of ethylene oxide and propylene oxide is preferable, and examples thereof include a polyoxyethylene-polyoxypropylene random copolymer.
[0018]
It does not specifically limit as said polyoxyalkylene glycol derivative, For example, polyoxyalkylene alkyl ether, polyoxyalkylene glycol ether, etc. are mentioned.
Examples of the alkyl ether component of the polyoxyalkylene alkyl ether include etherified monovalent alcohols such as butanol and propanol. Examples of the polyoxyalkylene alkyl ether include polyoxypropylene butyl ether represented by the following formula (1), polyoxyethylene polyoxypropylene butyl ether represented by the following formula (2), and the like.
[0019]
[Chemical 1]
[0020]
[Chemical 2]
[0021]
In formula (1) and formula (2), m and n represent integers.
[0022]
Examples of the glycol ether component of the polyoxyalkylene glycol ether include etherification of ethylene glycol, propylene glycol, and glycerin. Examples of the polyoxyalkyl glycol ether include polyoxypropylene glyceryl ether represented by the following formula (3), polyoxyethylene polyoxypropylene glyceryl ether represented by the following formula (4), and the like.
[0023]
[Chemical 3]
[0024]
[Formula 4]
[0025]
In formula (3) and formula (4), p, q, r, s, t, and u represent integers.
[0026]
Of these, polyoxypropylene butyl ether and / or polyoxypropylene glyceryl ether are preferred. These may be used alone or in combination of two or more.
[0027]
Although it does not specifically limit as a viscosity of the said polyoxyalkylene alkyl ether and / or polyoxyalkylene glycol ether, A preferable minimum is 30 mPs in 25 degreeC, and an upper limit is 50000 mPs. If it is less than 30 mPs, the stability and blood peelability as a coating layer may be insufficient, and if it exceeds 50000 mPs, the lubricity at the time of plugging the plug may be inferior. For example, about 40 to 1000 mPs as polyoxypropylene butyl ether, about 30 to 2000 mPs as polyoxyethylene polyoxypropylene butyl ether, about 200 to 700 mPs as polyoxypropylene glyceryl ether, and 300 as polyoxyethylene polyoxypropylene glyceryl ether Those of about ˜40000 mPs are suitable.
[0028]
In the bottomed tube for blood test according to the second aspect of the invention, a preferable lower limit of the average molecular weight of the polypropylene glycol is 300, a preferable upper limit is 4000, and a more preferable lower limit is 1500. Moreover, the preferable minimum of the average molecular weight of the said polyethyleneglycol is 400, and a preferable upper limit is 6000.
[0029]
Examples of the polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate include a block copolymer in which polypropylene glycol is used as a hydrophobic group and ethylene oxide is added to impart hydrophilicity.
The polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate preferably contains less than 70% by weight of ethylene oxide. When the content of ethylene oxide is 70% by weight or more, it may become solid and the coating layer may become brittle. When the content is less than 70% by weight, the coating layer is excellent in strength and stability. A preferred lower limit is 5% by weight, and a more preferred lower limit is 10% by weight.
[0030]
The minimum with the preferable average molecular weight of the said polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate is 1000, an upper limit is 20000, and a more preferable upper limit is 6000.
In addition, when an easily soluble material in water is used as the coating layer, the material contained in the coating layer may elute into the blood and affect the test value of the blood test. As the material, it is preferable to use a material that is hardly soluble or insoluble in water. Thereby, it becomes difficult to elute into blood, and application to a wide examination field is possible.
[0031]
On the other hand, when the coating layer is made of a material that is completely insoluble in water, there is little action of defoaming the foamed blood, and the foaming of blood is often not eliminated for a long time. For example, it is not preferable to use a cross-linked material that is insoluble in blood. When foaming of blood becomes a problem, it is effective to use a material that is slightly soluble but slightly dissolves in blood and exhibits an antifoaming action. In order to further improve the balance of performance, it is more effective to blend a hardly soluble material and an insoluble material.
[0032]
The weight per unit area of the coating layer is not particularly limited, and the preferred lower limit is 1 cm of the surface area of the bottomed tube for blood test of the present invention. 2 Per microgram and a preferred upper limit is 1000 micrograms. If it is less than 0.1 μg, the stability and blood peelability as a coating layer may be insufficient, and if it exceeds 1000 μg, the coating layer becomes too thick and a part of the coating layer peels off. May cause problems. More preferably, it is 1-100 micrograms.
[0033]
The method for producing the bottomed tube for blood test according to the present invention is not particularly limited. For example, a coating solution in which a material as a raw material for the coating layer is dissolved or dispersed in an appropriate medium is prepared, and the coating solution is tubular. A method of applying to the surface of the member, a method of immersing the tubular member in the coating liquid, a method of spraying the coating liquid onto the tubular member, a method of adding and mixing the tubular member and the coating liquid to a rotary stirring vessel, etc. And the like, after coating on the surface of the tubular member, a method of drying by a method such as room temperature drying, heat drying or vacuum drying. In addition, the surface of the tubular member may be directly coated with the material that is the raw material of the coating layer without using a medium.
In addition, in the bottomed tube for blood test of the present invention, as long as the coating layer is formed on at least a portion in contact with blood on the tubular member, the other formed portions are not particularly limited, and the entire surface of the tubular member It may be formed.
[0034]
The medium for the coating liquid is not particularly limited, and examples thereof include water, alcohols such as methanol and ethanol, toluene, xylene, ethylene glycol, propylene glycol and the like. It is preferable to select a medium in which the raw material of the coating layer is uniformly dissolved or dispersed and excellent in wettability with respect to the tubular member.
Although it does not specifically limit as a density | concentration of the said coating liquid, A preferable minimum is 0.01 weight% and an upper limit is 10 weight%.
[0035]
As a method of preparing a uniform coating solution when using a material that is hardly soluble or insoluble in water as a material for the coating layer, for example, a method using a medium in which such a material is soluble can be used. In addition, a method of making an emulsion using an emulsifier, a method of dispersing by using forced stirring in water or ultrasonic waves, and the like can be mentioned.
Although it does not specifically limit as said emulsifier, For example, glycerin fatty acid ester, sucrose fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, propylene glycol fatty acid ester, lecithin, saponin, polyvinyl alcohol etc. are mentioned as a typical emulsifier.
[0036]
As the emulsifier, it is preferable to select an emulsifier that does not affect the test value of the blood test as much as possible so that the application range is not limited.
In addition, when using a material having a polyoxyalkylene structure such as polyoxyethylene and having a cloud point, even if it is insoluble in water at room temperature, it is uniform in water by cooling below the cloud point. Can be dissolved.
[0037]
The bottomed tube for blood test according to the present invention includes a tubular member and a coating layer made of polyoxyalkylene glycol and / or a polyoxyalkylene glycol derivative formed on at least a portion of the tubular member in contact with blood, or polypropylene. By having a coating layer consisting of at least one selected from the group consisting of glycol, polyethylene glycol, and polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate, there is no adhesion of clots and the test value is affected. There is nothing. Moreover, the bubbling of blood is not lost for a long time.
Further, as a plug used for sealing the bottomed tube for blood test of the present invention, natural rubber, butyl rubber, chlorinated butyl rubber, brominated butyl rubber, silicone rubber and other rubbers, styrene, vinyl chloride, olefin A material made of an elastomer of urethane type, urethane type, polyester type or polyamide type is preferred.
Moreover, it is more preferable to use the plug of the bottomed tube for blood test of this invention mentioned later.
[0038]
When the blood test bottomed tube is a blood collection tube, the inside of the blood test bottomed tube can be decompressed to form a vacuum blood collection tube. Further, various drugs can be accommodated in the bottomed tube for blood test according to the purpose. Examples of the drug include, but are not limited to, blood coagulation promoters for collecting serum, anticoagulants for preventing blood from coagulating, and the like, and serum separating agents, plasma separating agents and the like may be accommodated. .
[0039]
The present invention 3 is a bottomed tube for blood test comprising a plug-shaped member and a coating layer made of polyoxyalkylene glycol and / or a polyoxyalkylene glycol derivative formed on the surface of the plug-shaped member. .
[0040]
Invention 4 is a coating comprising at least one selected from the group consisting of a plug-shaped member and polypropylene glycol, polyethylene glycol, and polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate formed on the surface of the plug-shaped member. It is a bottomed tube stopper for blood testing comprising a layer.
[0041]
The plug of the bottomed tube for blood test of the present invention comprises a plug-shaped member and a coating layer formed on the surface of the plug-shaped member.
The plug member is not particularly limited, and examples thereof include rubber, thermoplastic elastomer, and other plastics.
[0042]
The rubber is not particularly limited, and examples thereof include natural rubber, butyl rubber, chlorinated butyl rubber, brominated butyl rubber, and silicone rubber. Of these, butyl rubber, chlorinated butyl rubber, and brominated butyl rubber having excellent gas barrier properties are suitable for applications requiring airtightness such as a vacuum blood collection tube.
Examples of the thermoplastic elastomer include styrene, vinyl chloride, olefin, urethane, polyester, and polyamide elastomers.
[0043]
The coating layer functions as a lubricant when the stopper is plugged into the bottomed tube for blood test, and at the same time has a role of easily removing blood adhering to the stopper by an operation such as centrifugation. .
The coating layer comprises a polyoxyalkylene glycol and / or a polyoxyalkylene glycol derivative in the bottomed tube for blood test of the third aspect of the present invention, and the plug of the bottomed tube for blood test of the fourth aspect of the present invention. In this case, it consists of at least one selected from the group consisting of polypropylene glycol, polyethylene glycol, and polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate.
By using the coating layer made of such a compound, the role of the coating layer described above is satisfied, and at the same time, the influence on blood tests and the stickiness of the bottom tube for blood tests, which have been problems with conventional plugs, are achieved. Can be solved. In the plug for a bottomed tube for blood test according to the present invention 3, the polyoxyalkylene glycol is a polymer of alkylene oxide. The polymer may be a random copolymer or a block copolymer.
[0044]
The alkylene oxide is not particularly limited, and examples thereof include ethylene oxide and propylene oxide. Among them, a propylene oxide polymer or a copolymer composed of ethylene oxide and propylene oxide is preferable, and examples thereof include a polyoxyethylene-polyoxypropylene random copolymer.
[0045]
It does not specifically limit as said polyoxyalkylene glycol derivative, For example, polyoxyalkylene alkyl ether, polyoxyalkylene glycol ether, etc. are mentioned.
Examples of the alkyl ether component of the polyoxyalkylene alkyl ether include etherified monovalent alcohols such as butanol and propanol. Examples of the polyoxyalkylene alkyl ether include polyoxypropylene butyl ether and polyoxyethylene polyoxypropylene butyl ether.
[0046]
Examples of the glycol ether component of the polyoxyalkylene glycol ether include etherification of ethylene glycol, propylene glycol, and glycerin. Examples of the polyoxyalkyl glycol ether include polyoxypropylene glyceryl ether and polyoxyethylene polyoxypropylene glyceryl ether.
Of these, polyoxypropylene butyl ether and / or polyoxypropylene glyceryl ether are preferred. These may be used alone or in combination of two or more.
[0047]
Although it does not specifically limit as a viscosity of the said polyoxyalkylene alkyl ether and / or polyoxyalkylene glycol ether, A preferable minimum is 30 mPs in 25 degreeC, and an upper limit is 50000 mPs. If it is less than 30 mPs, the stability, lubricity and blood peelability as a coating layer may be insufficient, and if it exceeds 50000 mPs, the lubricity may be inferior. For example, about 40 to 1000 mPs as polyoxypropylene butyl ether, about 30 to 2000 mPs as polyoxyethylene polyoxypropylene butyl ether, about 200 to 700 mPs as polyoxypropylene glyceryl ether, and 300 as polyoxyethylene polyoxypropylene glyceryl ether Those of about ˜40000 mPs are suitable.
[0048]
In the bottomed tube plug for blood test according to the fourth aspect of the invention, the preferable lower limit of the average molecular weight of the polypropylene glycol is 300, the preferable upper limit is 4000, and the more preferable lower limit is 1500. Moreover, the preferable minimum of the average molecular weight of the said polyethyleneglycol is 400, and a preferable upper limit is 6000.
[0049]
Examples of the polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate include a block copolymer in which polypropylene glycol is used as a hydrophobic group and ethylene oxide is added to impart hydrophilicity.
The polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate preferably contains less than 70% by weight of ethylene oxide. When the content of ethylene oxide is 70% by weight or more, it may become solid and the coating layer may become brittle. When the content is less than 70% by weight, the coating layer is excellent in strength, stability, and lubricity when a stopper is plugged into a bottomed tube for blood test. A preferred lower limit is 5% by weight, and a more preferred lower limit is 10% by weight.
The minimum with the preferable average molecular weight of the said polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate is 1000, an upper limit is 20000, and a more preferable upper limit is 6000.
[0050]
In addition, when an easily soluble material in water is used as the coating layer, the material contained in the coating layer may elute into the blood and affect the test value of the blood test. As the material, it is preferable to use a material that is hardly soluble or insoluble in water. Thereby, it becomes difficult to elute into blood, and application to a wide examination field is possible.
[0051]
On the other hand, when the coating layer is made of a material that is completely insoluble in water, there is little action of defoaming the foamed blood, and the foaming of blood is often not eliminated for a long time. For example, it can be said that a cross-linked coating material that does not dissolve in blood at all is not preferable. When foaming of blood becomes a problem, it is effective to use a material that is slightly soluble but slightly dissolves in blood and exhibits an antifoaming action. In order to further improve the balance of performance, it is more effective to blend hardly soluble and insoluble materials.
[0052]
The weight per unit area of the coating layer is not particularly limited, and the preferable lower limit is 1 cm of the surface area of the plug of the bottomed tube for blood test of the present invention. 2 1 μg per unit, and a preferable upper limit is 1000 μg. If it is less than 1 μg, the stability as a coating layer and blood peelability may be insufficient, and if it exceeds 1000 μg, the coating layer becomes too thick and a part of the coating layer is peeled off. May occur. More preferably, it is 5-100 micrograms.
[0053]
The method for producing a plug for a bottomed tube for blood test of the present invention is not particularly limited. For example, a coating solution is prepared by dissolving or dispersing a material as a raw material of the coating layer in an appropriate medium, and this coating. A method of applying the liquid to the surface of the plug-shaped member, a method of immersing the plug-shaped member in the coating liquid, a method of spraying the coating liquid on the plug-shaped member, a plug-shaped member and the coating liquid on a rotary stirring container, etc. Examples thereof include a method of coating the plug-like member surface by a method of adding and mixing, and then drying by a method such as room temperature drying, heat drying or vacuum drying.
Moreover, you may coat the material used as the raw material of the said coating layer on the surface of a plug directly, without using a medium.
[0054]
The medium for the coating liquid is not particularly limited, and examples thereof include water, alcohols such as methanol and ethanol, toluene, xylene, ethylene glycol, propylene glycol and the like. It is preferable to select a medium in which the raw material of the coating layer is uniformly dissolved or dispersed and excellent in wettability with respect to the plug-like member.
Although it does not specifically limit as a density | concentration of the said coating liquid, A preferable minimum is 0.01 weight% and an upper limit is 10 weight%.
[0055]
As a method of preparing a uniform coating solution when using a water-insoluble and insoluble material as a material for the coating layer, for example, a method using a solvent in which such a material is soluble can be used. In addition, a method of making an emulsion using an emulsifier, a method of dispersing by using forced stirring in water or ultrasonic waves, and the like can be mentioned.
In the plug body of the bottomed tube for blood test according to the present invention, the coating layer is provided at least in a portion where blood stored in the bottomed tube for blood test may come into contact, and further, the plug body It is also preferably provided at a portion that contacts the inner surface of the bottomed tube for blood testing when the stopper is plugged. Moreover, you may form in the whole surface of a stopper.
Although it does not specifically limit as said emulsifier, For example, glycerin fatty acid ester, sucrose fatty acid ester, sorbitan fatty acid ester, propylene glycol fatty acid ester, lecithin, saponin, polyvinyl alcohol etc. are mentioned as a typical emulsifier.
[0056]
As the emulsifier, it is preferable to select an emulsifier that does not affect the test value of the blood test as much as possible so that the application range is not limited.
In addition, when using a material having a polyoxyalkylene structure such as polyoxyethylene and having a cloud point, even if it is insoluble in water at room temperature, it is uniform in water by cooling below the cloud point. Can be dissolved.
[0057]
The plug of the bottomed tube for blood test of the present invention includes a plug-shaped member, a coating layer formed of polyoxyalkylene glycol and / or a polyoxyalkylene glycol derivative formed on the surface of the plug-shaped member, or polypropylene glycol, By comprising a coating layer made of at least one selected from the group consisting of polyethylene glycol and polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate, it can be plugged into a bottomed tube for blood test. There is no adhesion of sputum etc., there is no bubbling of blood, and even if blood bubbling occurs, it quickly disappears, and it does not dissolve in the blood and affect the test value . Further, the bottom tube for blood test does not become sticky and the bottom tube for blood test does not become sticky or it becomes difficult to attach labels to the bottom tube for blood test.
[0058]
The bottomed tube plug for blood test of the present invention is a bottomed tube plug for blood test made of plastic such as glass, polyethylene terephthalate, nylon, polypropylene, polyethylene, polystyrene, polycarbonate, hard vinyl chloride, acrylic resin, etc. It is preferable to use it as a body. In particular, a higher effect can be obtained by combining with the bottomed tube for blood test of the present invention.
[0059]
A blood test container comprising the bottomed tube for blood test of the present invention 1 or 2 and the plug of the bottomed tube for blood test of the present invention 3 or 4 is also one aspect of the present invention.
As described above, by using the bottomed tube for blood test of the present invention and the plug of the bottomed tube for blood test of the present invention in combination, a further excellent effect can be exhibited in the blood test.
[0060]
When the blood test container of the present invention is a blood collection tube, the inside of the blood test container can be decompressed to form a vacuum blood collection tube. Moreover, various drugs can be accommodated in the blood test container of the present invention in accordance with the purpose. The agent is not particularly limited, and examples thereof include a blood coagulation promoter for collecting serum, a clot remover for facilitating blood separation from a tube, and an anticoagulant for preventing blood from coagulating. Serum separating agents, plasma separating agents and the like may be accommodated.
[0061]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the present invention is not limited only to these examples.
[0062]
Example 1
A coating solution was prepared by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 49 mPs / 25 ° C.) in ethanol to a concentration of 5% by weight.
20 mg of the obtained coating solution is sprayed onto a bottomed tube made of polyethylene terephthalate having an outer diameter of 16 mm and a length of 100 mm, and then vacuum-dried at 35 ° C., whereby the inner diameter of the fitting portion with the plug is 14 mmφ. Was made.
[0063]
(Example 2)
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that a coating solution was prepared by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 527 mPs / 25 ° C.) in ethanol to 3 wt%.
[0064]
Example 3
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that a coating solution was prepared by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 1400 mPs / 25 ° C.) in ethanol to 1 wt%.
[0065]
Example 4
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) was dissolved in ethanol so as to be 0.5 wt% to prepare a coating solution.
[0066]
(Example 5)
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) was dissolved in ethanol so as to be 5 wt% to prepare a coating solution.
[0067]
(Example 6)
Dissolve polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 527 mPs / 25 ° C.) and polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) in ethanol to 1 wt% and 0.5 wt%, respectively. A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that it was prepared.
[0068]
(Example 7)
Coating is performed by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 527 mPs / 25 ° C.) and polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) in ethanol at 0.5 wt% and 0.5 wt%, respectively. A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that the liquid was prepared.
[0069]
(Example 8)
A coating solution was prepared by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 527 mPs / 25 ° C.) and polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) in ethanol at 2 wt% and 1 wt%, respectively. Except for the above, a blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1.
[0070]
Example 9
A coating solution was prepared by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 199 mPs / 25 ° C.) and polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 250 mPs / 25 ° C.) in ethanol at 1 wt% and 1 wt%, respectively. Except for the above, a blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1.
[0071]
(Example 10)
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that a coating solution was prepared by dissolving polyoxyethylene polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 285 mPs / 25 ° C.) in ethanol to 2 wt%.
[0072]
(Example 11)
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that a coating solution was prepared by dissolving polyoxyethylene polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 374 mPs / 25 ° C.) in ethanol to 2 wt%.
[0073]
(Example 12)
A blood collection tube in the same manner as in Example 1 except that a polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate (ethylene oxide content 10% by weight, average molecular weight 1100) was dissolved in ethanol so as to be 3% by weight to prepare a coating solution. Was made.
[0074]
(Example 13)
A blood collection tube in the same manner as in Example 1 except that a polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate (ethylene oxide content 50% by weight, average molecular weight 4600) was dissolved in ethanol so as to be 5% by weight and a coating solution was prepared. Was made.
[0075]
(Example 14)
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that polyethylene glycol (average molecular weight 400) was dissolved in ethanol so as to be 1% by weight to prepare a coating solution.
[0076]
(Example 15)
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that a coating liquid was prepared by dissolving polypropylene glycol (average molecular weight 1500) in ethanol to 1 wt%.
[0077]
(Comparative Example 1)
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that a coating liquid was prepared by dissolving a polyether-modified silicone oil (kinematic viscosity: 1200 cSt / 25 ° C.) in ethanol to 3 wt%.
[0078]
(Comparative Example 2)
A blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 1 except that polydimethylsiloxane (hydrophobic silicone oil, kinematic viscosity: 5000 cSt / 25 ° C.) was dissolved in ethanol to a concentration of 3% by weight to prepare a coating solution. .
[0079]
(Comparative Example 3)
The bottomed tube used in Example 1 without coating was used as a blood collection tube.
[0080]
After containing 0.5 mg of silica as a blood coagulation promoter in the blood collection tubes prepared in Examples 1 to 15 and Comparative Examples 1 to 3, brominated butyl rubber having a fitting portion outer diameter of 15 mmφ shown in FIG. The produced stopper 12 was plugged under reduced pressure to prepare a vacuum blood collection tube with a blood collection volume of 5 mL, and the following evaluation was performed on the obtained vacuum blood collection tube.
The results are shown in Table 1.
[0081]
(Clot peeling)
Using a vacuum blood collection tube, vacuum blood collection was performed so that the amount of blood collection was 5 mL. When the inner wall of the tube was visually inspected after coagulation and centrifugation, clots were not left at all, ◎ if clots were left in a range that was not a problem, clots were clearly left Was evaluated as x.
[0082]
(test result)
Using a vacuum blood collection tube, vacuum blood collection was performed so that the amount of blood collection was 5 mL. When the test is performed using serum separated after coagulation and centrifugation, the test value is completely unaffected compared to the control test value. Was evaluated as x, and when the test value was greatly affected.
[0083]
(Removal of blood bubbles)
In the preparation of the above-described vacuum blood collection tube, a vacuum blood collection tube is prepared in the same manner except that an anticoagulant is contained instead of the blood coagulation promoter, and the obtained blood collection tube is used to obtain a blood collection volume of 5 mL. In this way, after 5 vacuum inversions, if the foaming of blood disappears within 1 minute, ◎ if it disappears within 2 minutes, ○ does not disappear even after 2 minutes The case was marked with x.
[0084]
[Table 1]
[0085]
From Table 1, it was found that the blood collection tubes prepared in Examples 1 to 15 were excellent in clot peelability and no influence on test values. In addition, there was no bubbling of blood, and even when it occurred, it was quickly removed.
The blood collection tube coated with a modified silicone oil conventionally used in Comparative Example 1 had an influence on the test value although it was excellent in clot removability. The conventionally used blood collection tube coated with polydimethylsiloxane (hydrophobic silicone oil) produced in Comparative Example 2 had a problem in eliminating test values and blood bubbling. Furthermore, the blood collection tube prepared in Comparative Example 3 in which surface treatment is not performed is inferior in clot detachability in addition to the influence on the test value, and the blood collection tubes in Comparative Examples 1 to 3 are as bottomed tubes for blood tests. It was not suitable.
[0086]
(Example 16)
A coating solution was prepared by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 49 mPs / 25 ° C.) in ethanol to a concentration of 5% by weight.
A plug-shaped member made of brominated butyl rubber was immersed in the obtained coating liquid, and then vacuum-dried at 35 ° C. to prepare a plug for blood collection tube having a fitting portion outer diameter of 15 mmφ.
[0087]
(Example 17)
A stopper for blood collection was prepared in the same manner as in Example 16 except that polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 527 mPs / 25 ° C.) was dissolved in ethanol so as to be 3 wt% to prepare a coating solution.
[0088]
(Example 18)
A stopper for blood collection was prepared in the same manner as in Example 16 except that polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 1400 mPs / 25 ° C.) was dissolved in ethanol so as to have a concentration of 1% by weight to prepare a coating solution.
[0089]
(Example 19)
A stopper for a blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 16 except that polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) was dissolved in ethanol to a concentration of 0.5% by weight to prepare a coating solution. did.
[0090]
(Example 20)
A stopper for blood collection was prepared in the same manner as in Example 16 except that polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) was dissolved in ethanol so as to be 5 wt% to prepare a coating solution.
[0091]
(Example 21)
Dissolve polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 527 mPs / 25 ° C.) and polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) in ethanol to 1 wt% and 0.5 wt%, respectively. A stopper for blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 16 except that it was prepared.
[0092]
(Example 22)
Coating is performed by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 527 mPs / 25 ° C.) and polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) in ethanol at 0.5 wt% and 0.5 wt%, respectively. A stopper for blood collection was prepared in the same manner as in Example 16 except that the solution was prepared.
[0093]
(Example 23)
A coating solution was prepared by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 527 mPs / 25 ° C.) and polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 652 mPs / 25 ° C.) in ethanol at 2 wt% and 1 wt%, respectively. A plug for blood collection was prepared in the same manner as Example 16 except for the above.
[0094]
(Example 24)
A coating solution was prepared by dissolving polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 199 mPs / 25 ° C.) and polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 250 mPs / 25 ° C.) in ethanol at 1 wt% and 1 wt%, respectively. A plug for blood collection was prepared in the same manner as Example 16 except for the above.
[0095]
(Example 25)
A plug for blood collection was prepared in the same manner as in Example 16 except that polyoxyethylene polyoxypropylene butyl ether (viscosity: 285 mPs / 25 ° C.) was dissolved in ethanol so that the concentration was 2% by weight and a coating solution was prepared. did.
[0096]
(Example 26)
A stopper for a blood collection tube was prepared in the same manner as in Example 16 except that a coating solution was prepared by dissolving polyoxyethylene polyoxypropylene glyceryl ether (viscosity: 374 mPs / 25 ° C.) in ethanol to 2 wt%. Produced.
[0097]
(Example 27)
For blood collection tubes in the same manner as in Example 16 except that a polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate (ethylene oxide content 10 wt%, average molecular weight 1100) was dissolved in ethanol so as to be 3 wt% to prepare a coating solution. A plug body was prepared.
[0098]
(Example 28)
For blood collection tubes in the same manner as in Example 16, except that a polyoxyethylene-polyoxypropylene condensate (ethylene oxide content 50% by weight, average molecular weight 4600) was dissolved in ethanol so as to be 5% by weight to prepare a coating solution. A plug body was prepared.
[0099]
(Example 29)
A stopper for blood collection was prepared in the same manner as in Example 16 except that a coating solution was prepared by dissolving polyethylene glycol (average molecular weight 400) in ethanol to 1 wt%.
[0100]
(Example 30)
A stopper for blood collection was prepared in the same manner as in Example 16 except that a coating liquid was prepared by dissolving polypropylene glycol (average molecular weight 1500) in ethanol to 1 wt%.
[0101]
(Comparative Example 4)
A stopper for blood collection was prepared in the same manner as in Example 16 except that a polyether-modified silicone oil (kinematic viscosity: 1200 cSt / 25 ° C.) was dissolved in ethanol so as to be 3 wt% to prepare a coating solution. .
[0102]
(Comparative Example 5)
A stopper for blood collection tube in the same manner as in Example 16 except that a coating solution was prepared by dissolving polydimethylsiloxane (hydrophobic silicone oil, kinematic viscosity: 5000 cSt / 25 ° C.) in ethanol to 3 wt%. Was made.
[0103]
(Comparative Example 6)
The plug-like member used in Example 16 without coating was used as a blood collection tube stopper.
[0104]
About the stoppers for blood collection tubes prepared in Examples 16 to 30 and Comparative Examples 4 to 6, the bottomed tube 11 made of polyethylene terephthalate having an inner diameter of 14 mm, an outer diameter of 16 mm, and a length of 100 mm shown in FIG. 1 is used as a blood collection tube. The following evaluations were made.
The results are shown in Table 2.
[0105]
(Lubricity)
Investigate whether the stopper can be manually plugged into the blood collection tube, ◎ if it was very easily plugged, ◎ if it was easily plugged, and × if it was not easily plugged evaluated.
[0106]
(Clot peeling)
Using a vacuum blood collection tube in which the stopper was vacuum-plugged into a blood collection tube treated with a blood coagulation promoter and a clot release agent, vacuum blood collection was performed so that the blood collection volume was 5 mL. Check the plug after visual inspection after coagulation and centrifugation, ◎ if no clot remains, ◯ if clot remains but is in a range where there is no problem, clot remains clear Was evaluated as x.
[0107]
(test result)
Using a vacuum blood collection tube in which the stopper was vacuum-plugged into a blood collection tube treated with a blood coagulation promoter and a clot release agent, vacuum blood collection was performed so that the blood collection volume was 5 mL. Tests were performed using serum separated after coagulation and centrifugation, and compared to the control test values, the test values were not affected at all. The case was evaluated as ◯ and the case that greatly influenced the inspection value was evaluated as ×.
[0108]
(Labelability)
After 20 stoppers and 5 blood collection tubes were sufficiently shaken in a plastic bag, the blood collection tube was taken out and a specimen label was attached to the outer peripheral curved surface. The state of the label was visually inspected after being left for 24 hours. The case where no peeling occurred was evaluated as ◎, the case where part of the label was about to peel off was evaluated as ◯, and the case where it was almost peeled off was evaluated as ×.
[0109]
(Removal of blood bubbles)
When the stopper was vacuum-plugged into an anticoagulant-containing blood collection tube, and the resulting vacuum blood collection tube was used for vacuum blood collection so that the amount of blood collected was 5 mL, and mixed by inverting 5 times, The case where the foaming of blood disappeared within 1 minute was marked as ◎, the case where it disappeared within 2 minutes, the case where it did not disappear after 2 minutes, and x.
[0110]
[Table 2]
[0111]
From Table 2, it was found that the plugs produced in Examples 16 to 30 were excellent in lubricity, clot peelability, no influence on test values, and label stickability. In addition, there was no bubbling of blood, and even when it occurred, it was quickly removed.
The plug body coated with a modified silicone oil used in Comparative Example 4 that has been used in the past has excellent lubricity and clot peelability, but has an effect on test values and is inferior in label stickiness. . The plug body coated with polydimethylsiloxane (hydrophobic silicone oil) conventionally used in Comparative Example 5 had problems in test values, peeling of labels, and elimination of blood bubbles. Furthermore, in the plug produced in Comparative Example 6 in which the surface treatment is not performed, in addition to the influence on the test value, the lubricity, the clot peelability and the elimination of blood bubbles are inferior, and the plugs of Comparative Examples 4 to 6 are It was not suitable as a plug for a bottomed tube for blood tests.
[0112]
【The invention's effect】
According to the present invention, in blood tests, there is no clot adherence, no blood bubbles, and even when blood bubbles occur, the blood bubbles are quickly removed, affecting the test value. It can be easily plugged into a blood test bottomed tube, a blood test bottomed tube that is not given, and in blood tests there is no clot adherence, no bubbling of blood, Even if bubbling occurs, it quickly disappears, does not affect the test value, and does not cause stickiness of the bottom tube for blood testing or label peeling. It is possible to provide a blood test container comprising a body and the bottom tube for blood test and the plug of the bottom tube for blood test.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a vacuum blood collection tube prepared in an example.
[Explanation of symbols]
11 Bottomed tube
12 Plug body
Claims (13)
前記コーティング層は、ポリオキシアルキレングリコール及び/又はポリオキシアルキレングリコール誘導体からなる
ことを特徴とする血液検査用有底管。A bottomed tube for blood test comprising a tubular member having one end opened and the other end closed, and a coating layer formed on at least a portion of the tubular member in contact with blood,
The bottomed tube for blood tests, wherein the coating layer is made of polyoxyalkylene glycol and / or a polyoxyalkylene glycol derivative.
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