JP3832329B2 - 便器洗浄システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、便器洗浄水に殺菌機能を持つ便器洗浄システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
便器、特に小便器には、尿に含まれるリン酸イオンがカルシウムなどと結合して、結石状に固体化した尿石汚れがつく。この尿石生成過程には、バクテリアの活動が関与しており、尿石抑制には殺菌性能をもつ洗浄水を便器に流すことが効果的である。本出願人は特開2000−64389号にて、殺菌水として銀イオン水を使用した便器洗浄システム提案している。銀電極に電気を通電することで、水中に銀イオンを溶出する方法で、この方法の利点は、所定濃度の銀イオンを得るため、電極に通電する電流値の大きさや通電時間を変えることで、濃度制御が可能であり、最適濃度の銀イオンを吐水することで、便器洗浄水量を少なくでき(節水)、また尿石除去の清掃頻度が少なくなる点である。
【0003】
上記、銀イオン電解生成装置付き便器の問題点としては、殺菌水吐水の制御パターンが一律に規定され、便器の使用状況に合わせて制御内容を変更できないことである。機器が取り付けられる便器は、駅やオフィッスなど公共施設が多く、施設によって、また同じフロアでも便器の位置によって、さらに時間帯によって使用状況が変わる。便器の赤外センサーで使用者を検出し、使用頻度が高い場合や、連続的に使用される場合など、想定される使用パターンを何パターンか機器に記憶させ、それに応じて便器洗浄量を可変する方法は、検出するのは人体検出であり、汚れの原因となる尿量は直接検出していないため、節水効果を高めるあまり、汚れの蓄積が顕著になる懸念があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような経緯をふまえたものであり、便器洗浄水に銀イオンを電解混入させる便器洗浄システムにおいて、便器毎に異なる尿放出量を検出することで、状況に合わせた便器洗浄水量の最大限の節水化をはかるとともに、尿石付着を抑制して便器から立ち上る臭いを抑え、便器配管の詰まり抑制によるメンテナンス性向上を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するため、本発明は、便器に洗浄水を供給する洗浄水配管に、洗浄水の便器への供給をオンオフするバルブと、銀含有電極とを設置し、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を便器へ供給する便器洗浄システムにおいて、便器のボール部内空間に向けて電波を送信する送信手段と、該送信手段によって送信された電波の反射波を受信する受信手段と、該受信手段で受信した信号の周波数と前記送信手段によって送信された信号の周波数との差分に応じた差分信号を生成する差分検出手段と、前記差分検出手段の出力を周波数解析する周波数解析手段とからなるドップラーセンサーを設置し、このドップラーセンサーの出力から尿放出時間を算出し、この算出値に基づいて、前記銀含有電極への通電制御を行うことを特徴とする。
【0006】
本発明の送信手段は、波長域の長い電波(マイクロ、ミリ波)を発信する。マイクロ波は陶器を透過するため、センサー本体を使用者の目に入らない、便器内部に内蔵する。送信された電波は、物体にあたって反射し、再び便器内部の受信手段に入る。本発明のドップラーセンサーは、電波の当たった物体の動的挙動をドップラー効果としてセンシングする。
基本式:△F=Fs―Fb=2×Fs×ν/c……▲1▼
△F :ドップラ周波数
Fs :送信周波数
Fb :受信周波数
ν :物体の移動速度
c :光速(300×10m/s)
送信波と反射波の周波数差△Fが検出信号として取り出せる。
【0007】
本発明において、移動する物体は、便器使用者と落下する尿である。具体的なドップラー周波数は実施例で示すが、実際の使用状況において、使用者と尿の放出が顕著に検出された。落下する尿を運動物体として捉え、電波のドップラー反射を利用する作用により、非接触で尿量を直接センシングすることが可能となった。尿は自由落下運動を行い、鉛直方向の速度については、以下の式で定義できる。
=v0⊥+gt……▲2▼
:鉛直方向速度
0⊥:鉛直方向の初速度
g :重力加速度
t :放出されてからの時間
便器に接触する直前がもっとも速度が大きくなり、ドップラーの周波数シフトに寄与する。尿は連続体ではなく、断続的な飛沫から構成されるもので、ドップラー周波数は、時間に対してある程度の分布をもつ。低周波数側は、ノイズ由来のものがあるため、フィルターを用いてカットすることが好ましい。閾値以上の周波数差を、周波数解析手段によってリアルタイムで計測し、尿放出状況を直接検出することが可能となる。ドップラー周波数差が増大した時間帯は尿が放出されている時間帯となる。本発明では、前記尿によるドップラー周波数差に基づく放尿時間を、銀含有電極への通電方法に反映させ、個別の便器毎に最適な洗浄方法を選択することができる。
【0008】
また、前記ドップラーセンサーの送信手段は便器上部からボール部内壁面と略平行方向に向けて電波を送信し、放出された尿によって反射された電波を前記受信手段で受信することで、放尿の有無を検出することを特徴とする。
【0009】
ドップラー効果は、移動物体の速度のうち、送信電波と同方向の速度成分が作用する。本発明において尿の落下カーブにおいては、鉛直方向の速度成分の変化が最も大きく、従って電波の送信手段を、便器上部から便器内に向かって下に発信させる。この場合が、もっともドップラー周波数差が大きくなり、尿の検出精度を高くすることができる。なお、送信手段から真下に電波を発信する場合でも、便器に人が近づく動きと、遠ざかる動きは検出でき、使用者の検出も可能である。
【0010】
本発明は、尿量を尿を検出している尿放出時間から算出することを特徴とする。尿由来の周波数変化時間(以後尿放出時間とする)が、尿量と直接相関することを見いだした。実際の尿量と、検出される尿放出時間の相関は、実施例で詳述する。本発明では、ドップラーセンサーで検出した尿由来の周波数変化の時間を利用することで、尿量を簡易かつ的確に検出し、以後の銀イオン洗浄水の電解、吐水制御に反映させることができる。
【0011】
また本発明は、前回の銀イオン洗浄水の吐水から所定時間が経過すると、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水するものであり、この銀含有電極へ通電する電流値は、前記所定時間の間に検出された尿放出時間の総和によって決定されることを特徴とする。
【0012】
尿石の発生には、ある程度の時間バクテリアの活動が継続することを要するため、便器使用毎に銀イオン洗浄水を流さなくても、前回の銀イオン洗浄水の吐水から所定時間が経過すると銀イオン洗浄水を吐水させるのが銀含有電極を長持ちさせるためには好ましい。そしてその場合、前記したように、放出時間と尿量を実際に計測すると、両者には一次相関が見られるので、尿放出時間の総和が長い場合は、尿量が多いと判断でき、殺菌力を高める必要がある。
ここで、銀イオンの電解生成量は、ファラデーの法則から以下で表される。
A=I×M×60×1000/Z/Q………▲3▼
A:溶出する銀イオン濃度 (ppb)
I:電極間に流れる電流 (mA)
Z:ファラデー定数
M:銀原子量
Q:電極間を流れる水の流量 (L/min)
▲3▼は溶出する銀イオン量が、電流値と電極間流量に影響されることを示している。銀イオン水を吐水する間の定時間中に、便器に放出された尿の総放出時間を機器が積算し、総放出時間が長いほど、電流値を大きくかけ、銀イオン濃度を高くして便器殺菌力を高めることができる。なお、夜間などで使用者が少なく、前回の銀イオン洗浄水の吐水から所定時間経過した時点での尿放出時間の総和が短い場合も、最低の電流値をかけるように設定する。
【0013】
本発明は、前回の銀イオン洗浄水の吐水から所定時間が経過すると、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水するものであり、この銀含有電極への通電時間及びバルブの開時間は、前記所定時間の間に検出された尿放出時間の総和によって決定されることを特徴とする。前記同様、便器の使用状況を銀イオン水洗浄に反映させる。定期吐水される銀イオン水の水量を、尿量により可変させる。例えば、銀イオン水洗浄流量が12L/minで通常は10秒設定が、尿が多量に排出された場合は、20秒洗浄に伸ばし、4L吐水に増やすなどである。臭いや尿石の大元の原因は、便器トラップや排水管内に残留する尿由来の汚れ、混じって繁殖可能な雑菌なので、これらを完全に排出してやればいい。銀イオン洗浄水量をあげることは、汚れ排出力を格段によくする効果を生む。
【0014】
更に本発明は、前記尿放出時間の総和によって、次回の銀イオン洗浄水の吐水までの計測手段の閾値を変更することを特徴とする。尿放出量が多い場合は、電流値を高めて銀イオン濃度を上げる、または、銀イオン洗浄水の吐水時間を長くすると共に、さらに次の銀イオン洗浄を行う時間の間隔を短くする。これにより、殺菌効率と洗浄効率をともにあげることで、汚れや菌の便器外への排出効率を高める。尿量の検知結果を、便器洗浄システムの作動方法にフィードバックすることで、個別の便器ごとの最適な殺菌水洗浄法が可能となった。
【0015】
本発明は、使用者が放尿後に便器から離れたことが前記ドップラーセンサーによって検出された時に、尿放出時間の総和が一定値を越えていると、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水することを特徴とする。
【0016】
本発明では便器の使用頻度が高い場合は、銀イオン電解生成装置を作動させて上記洗浄水に銀イオンを加えるので、汚れ、臭いの低減作用がでる。
【0017】
また本発明は、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水する時に前記送信手段から送信される信号とは異なる所定の信号を送信する手段を設け、その所定の信号を隣の便器の受信手段が受けると、電波を受信した隣の便器が前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水することにより、複数の便器同士が、銀イオン洗浄水吐水を同期して行うことを可能としたことを特徴とする。排水管内にできる尿石の予防策としては、排水管内を大流量水で流すこと、これにより尿石の原因となる尿を残留させることなく排出することが挙げられる。本発明では、排水管を共有する便器同士が、洗浄を同期させることで、排水管内の最大限の排水流量を実現する。便器が定期的に銀イオン水洗浄を行うときは、定期洗浄に相当する電波を隣りの便器に送信し、隣の便器も銀イオン水での定期洗浄を行う。便器に搭載される電波の送信手段と受信手段を用い、電波は尿放出時間検知に用いる電波で、数回ON,OFFさせるなどして、認知されるよう設定した電波を発信する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の作用・効果を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の第一の実施例を表し、便器として小便器に本発明が搭載された例を示している。小便器1の上部便器内に機器が組み込まれ、外からは見えない。従来は人体検知のための赤外線センサー部が便器外側に出ていたが、本発明では陶器外表面には何も出ていないため、フォルムがよく、使用者に悪戯されることがない。洗浄配水管4からの水は、洗浄バルブ5の作動で通水、止水が制御される。洗浄バルブ5後段には、銀イオン電解生成装置6が配置される。人体検知と、尿検知はドップラーセンサー3によって行われ、制御コントローラ2のマイコンによる処理により、洗浄バルブ5と銀イオン電解生成装置6の作動に反映される。ドップラーセンサー3から電波は鉛直方向に発信し、落下する尿の速度を効率よく反映させる。
【0020】
図2は銀イオン電解生成装置6の詳細図である。水路を挟んで銀を含有した銀電極7a、7bが平行に配置され、水と電極の間で電気分解反応が行われる。銀イオンは5ppb程度から殺菌力を持つため、10L/minで小便器に洗浄水を流す場合でも、数mA程度の電流で済むため、電解電力が非常に低くできる利点がある。水道水の抵抗の大きいものを銀電極で挟んで電解する際に、電流を数mA流すには、電圧は10V程度であり、電源容量は数十mWと電池容量レベルである。銀電極間距離を水路配管と同レベル(内径15mm程度)で、電圧10Vなので、電解槽内の圧力損出も大きくなく、電解に際して小便器の洗浄水量を落とす必要がない。結果、小便器内と排水管内を、殺菌力のある銀イオン水で勢いよく洗浄することが可能となる。
【0021】
図3は、人体と尿検知を行うドップラーセンサー3である。電波送信手段8から、電波が常時もしくは一定間隔で送信され、便器前に立つ人や、人が出した尿に電波が作用して、受信手段9に戻る。作用体の速度成分が受信電波に反映され、差分検出手段10で△Fが出力される。周波数解析手段11は、S/N比を落とす原因となる低周波数領域をカットするフィルターから成る。フィルターを通過した周波数は、時間軸上で出力され、人や尿に由来する周波数成分が解析される。人由来の周波数変化、尿由来の周波数変化情報は制御コントローラ2に入り、洗浄バルブ5の開閉や、銀イオン電解生成装置6における電解を引き起こす。
【0022】
図4は、ドップラーセンサー3から出力される周波数を表す。送信手段8から電波10.525GHzを送信した時、差分検出手段10に出力された波形が図4の上図である。これに増幅+フィルター処理を加えたのが下図であり、周波数解析手段11からの出力となる。増幅率は凡そ500倍、フィルター通過域は凡そ100〜200Hzである。図4下図は尿に由来する波形変化である。鮮明に尿の放出が捉えられることを示している。
【0023】
図5は、尿量と尿放出時間の相関である。モニターで実際に尿量を計り、出力された図4の波形から、尿由来の波形生成の継続時間をプロットした。尿量と尿放出時間のよい相関を示している。一般的に成人男子で平均的な尿量は200ml程度であり、要する時間は10秒程度とドップラーセンサーは検出しており、妥当な数値である。電波は光速であるからリアルタイムの尿検出であり、かつ尿放出時間をパラメーターとすることで簡易かつ有効な尿量検出が可能となった。
【0024】
図6は、通常使用時における機器作動チャートである。ドップラーセンサー3が人体を検知すると(S61Yes)。尿放出時間を計測するタイマーT1をセットすし(S62)、尿検知フローに入る(S63)。尿を検知すると、タイマーT1が起動し(S64)、尿を継続検知する。尿の検知停止とともにタイマーT1が停止し(S65)、検知された尿放出時間T1を前回までの合計時間Tn-1に加え、メモリーMに記録する(S66)。人体を検知すると(S67)、洗浄バルブを開き(S68)、小便器に放出された尿を洗い流す。
【0025】
図7は、前記尿放出時間のセンシングを踏まえ、銀イオン洗浄の電解電流値の制御に関わるフローチャートである。前回の銀イオン水での洗浄からの時間を計時しているタイマーT2の値を定期的に読み込み(S71)、時間が△tになっていると(S72Yes)、メモリーMにアクセスし、尿放出の合計時間Tnを読み込む(S73)。Tnを判別し(S74)、Tn≧Taの場合、電解電流I=2×Iで銀電解を行うと共に洗浄バルブを開いて小便器へ銀イオン水を吐水する(S75)。そうでない場合は、電解電流I=Iとなる(S76)。Iは、水の電気伝導度から計算される電流値で、詳細は後述するが、銀イオンをできるだけ定濃度溶出するために、水の電気伝導度を利用した。△tを固定すると、定時間間隔で銀イオン吐水を行う実施例となり、制御上は単純化されるが、少ない銀イオン量で、臭い・尿石抑制効果をあげる方法としては適している。なぜなら、小便器トラップや排水管内の水を長く滞留させないことがポイントで、特に夜間の銀イオン水洗浄は効果が高い。定時間間隔では、必ず夜間吐水が行われるように△tを刻めばよい。もちろんファジー制御などで、△tを固定しない方法も適用可である。この制御は、使用者が多く、小便負荷量が多い場合は、殺菌力をアップさせるため電流値を上げることを目的としている。昼間使用者が多い場合は、夜間より2倍大きい電流値をかけるなどが起こり、同一便器でも時間帯による使用状況が便器洗浄方法に反映される。これは、洗浄時間に反映させても良く、本発明の別の実施形態は以下のようになる。
T<Ta 銀イオン水洗浄時間=T
T≧Ta 銀イオン水洗浄時間=2×T
: 洗浄バルブの開時間、10秒程度
2倍洗浄水量を上げれば、尿など汚れ成分の排出効率は格段にアップする。
【0026】
に関し図8〜11を示した。図8は、日本全国から集めた水道水と中水に含まれる塩素イオン濃度と、同水を電解したときの銀イオン生成効率を計算したものである。横軸の塩素イオン濃度に対して、効率は指数関数上に減少し、塩素イオンが極めて多くなると、効率は限りなくゼロに近づくことを示している。小便器洗浄水に、一度使用されて処理された再利用水を用いる場合、汚れているため高塩素イオン濃度となる。これらの水を電解する場合は、効率が下がるため一定電流値では、濃度が極端に下がってしまう。よって、効率の低下を想定した電流値を印可することが好ましい。図9は、前述した電解に用いた水の、塩素イオン濃度と電気伝導度の相関をとったものである。両者は非常に高い相関関係にあることを示す。この結果、塩素イオン濃度の指標として検出が容易な電気伝導度を用いる。
【0027】
図10は、電気伝導度に対する印加電流値の変化を表す。目的は、水中の銀イオン濃度をどのような水に対しても、あるレベル以上に生成維持することで、本装置がどのような水環境で使用されても殺菌力を有することを念頭においている。前述した銀イオン生成の塩素イオンによる阻害を効率という視点から定量化し、定量化することで電流の数値制御を可能とした。数値制御の一例として、効率をそのままに反映させる指数関数制御を示したのが図10である。縦軸の電流値の絶対値は、制御したい銀イオン濃度の値によって変化する。銀の環境への影響が懸念されるため、あまり高い銀イオン濃度は溶出できないため、おのずと上限値は決まってくる。我々は、WTOに加盟している世界の水質規制や、日本の下水同局の意見を鑑み、上限値として10ppbを設定した。低塩素イオン領域となる水道水は塩素イオンを10〜20ppb含み、電流値としては2mA程度でよい。よって、上記電流値の範囲で、電気伝導度に対し、指数関数上に電流値が変化する。図11は、図10の電気伝導度に対して指数的に電流値を変化させるのをより簡便化した電流値制御例である。塩素イオン濃度の低い(電気伝導度の低い)領域では、電流値と一次で相関させ、電気伝導度の高い領域では常に一定電流値とする。これら電気伝導度によって電流値Iを決めることにより、様々な水質が想定される再処理水においても、銀イオン濃度を所定領域に制御できるようになった。
【0028】
図12は、図6の尿放出時間のセンシングを踏まえ、銀イオン洗浄を行なう時間間隔を変更する場合のフローチャートである。前回の銀イオン水での洗浄からの時間を計時しているタイマーT2の値を定期的に読み込み(S121)、メモリMにアクセス(S122)、前回の銀イオン吐水時のTn′を出力する(S123)。Tn′を判別し(S124)、Tn′<Taであれば、T2が通常の△tになれば、銀イオン吐水モードにはいるが(S126)、Tn′≧Taの場合は、それより早めて通常の半分0.5×△tで銀イオン洗浄モードに入る(S125)。メモリMにアクセスし(S127)、Tnを出力。Tn≧Taであれば、通常の2倍の電流値で電解するのは第7と同様である。もちろん電流値を変えることに代えて、銀電解を行なう時間を変化させても良い。
【0029】
図13は、本発明の更に別の実施例を表す。人が次から次へと便器を使用する場合、定期的な銀イオン洗浄では汚れが発生する可能性が生じるので、便器使用が終了した時の放出された尿量の積算値が所定量を超えていると銀イオン水で洗浄することを表す。ドップラーセンサー3で人体、尿放出時間を検知するまでは、図6と同じである(S131〜S136)。人体が離れた後、判別が入る(S137)。Tt≧Tbであれば、想定量の尿が小便器に入ったと判断し、洗浄排出にかかる。洗浄バルブを開き、銀イオン電解生成装置に電流Iを通電して、銀イオン水を吐水する(S139)。人が多頻度で使用しても、実質の尿負荷量は多くない場合などは、特に水の無駄が多くなるため、前記ステップの洗浄工程が効果を発揮する。
【0030】
図14は、本発明のドップラーセンサー3が有する電波の送受信手段を、便器同士の情報伝達に利用する例である。但し、送信手段は、便器ボール部内への送信手段とは別に、隣に設けられた便器へ向かう送信手段を別に設けている。本発明では、銀イオン水の洗浄工程を、同じ排水管を共有する便器同士が同期して行うことに利用する。小便器1がドップラーセンサー3を利用して、尿負荷量に応じて銀イオン水の洗浄パターンを変えて吐水を行う際、銀イオン水の洗浄情報を、隣の小便器12に電波を利用して知らせる。電波を受信した小便器12も、銀イオン水の吐水を開始する。結果、排水管13内は、2個以上の小便器からの洗浄水で満杯になり、バケツで一気に流すような状況のもと、完璧に汚れを下流に流し去ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を示す装置構成図。
【図2】本発明の銀イオン電解生成装置図。
【図3】本発明のドップラーセンサー要素構成図。
【図4】本発明のドップラーセンサーからの周波数出力図。
【図5】本発明のを示す尿量と尿放出時間の相関。
【図6】本発明に関わる尿放出時間を検知するフローチャート。
【図7】本発明のに関わる尿放出時間と電解電流値の制御フローチャート。
【図8】本発明に関わる、日本全国から集めた水道水と再処理水に含まれる塩素イオン濃度と、同水を電解したときの銀イオン生成効率。
【図9】本発明に関わる、塩素イオン濃度と電気伝導度の相関。
【図10】本発明に関わる、電気伝導度に対する印加電流値の変化。
【図11】図9の電気伝導度に対して指数的に電流値を変化させるのをより簡便化した電流値制御例。
【図12】本発明の別の実施例を示す尿量を銀イオン水の吐水間隔に反映させる洗浄フローチャート。
【図13】本発明の別の実施例を示す便器の多頻度使用における洗浄フローチャート。
【図14】本発明の複数便器の洗浄を同期させた場合する小便器図。
【符号の説明】
1 … 小便器
2 … 制御コントローラ
3 … ドップラーセンサー
4 … 洗浄配水管
5 … 洗浄バルブ
6 … 銀イオン電解生成装置
7a、7b …銀電極
8 … 電波の送信手段
9 … 電波の受信手段
10 … 電波周波数の差分検出手段
11 … 周波数解析手段
12 … 小便器
13 … 排水管

Claims (8)

  1. 便器に洗浄水を供給する洗浄水配管に、洗浄水の便器への供給をオンオフするバルブと、銀含有電極とを設置し、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を便器へ供給する便器洗浄システムにおいて、便器のボール部内空間に向けて電波を送信する送信手段と、該送信手段によって送信された電波の反射波を受信する受信手段と、該受信手段で受信した信号の周波数と前記送信手段によって送信された信号の周波数との差分に応じた差分信号を生成する差分検出手段と、前記差分検出手段の出力を周波数解析する周波数解析手段とからなるドップラーセンサーを設置し、このドップラーセンサーの出力から尿放出時間を算出し、この算出値に基づいて、前記銀含有電極への通電制御を行うことを特徴とする便器洗浄システム。
  2. 請求項1記載の便器洗浄システムにおいて、前記ドップラーセンサーの送信手段は便器上部からボール部内壁面と略平行方向に向けて電波を送信し、放出された尿によって反射された電波を前記受信手段で受信することで、放尿の有無を検出することを特徴とする便器洗浄システム。
  3. 請求項1又は2記載の便器洗浄システムにおいて、尿量を尿を検出している尿放出時間から算出することを特徴とする便器洗浄システム。
  4. 請求項1〜3何れか一項記載の便器洗浄システムは、前回の銀イオン洗浄水の吐水から所定時間が経過すると、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水するものであり、この時に銀含有電極へ通電する電流値は、前記所定時間の間に検出された尿放出時間の総和によって決定されることを特徴とする便器洗浄システム。
  5. 請求項1〜3何れか一項記載の便器洗浄システムは、前回の銀イオン洗浄水の吐水から所定時間が経過すると、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水するものであり、この銀含有電極への通電時間及びバルブの開時間は、前記所定時間の間に検出された尿放出時間の総和によって決定されることを特徴とする便器洗浄システム。
  6. 請求項4又は5記載の便器洗浄システムにおいて、前記尿放出時間の総和によって、次回の銀イオン洗浄水の吐水までの所定時間を変更することを特徴とする便器洗浄システム。
  7. 請求項1〜3何れか一項記載の便器洗浄システムにおいて、使用者が放尿後に便器から離れたことが前記ドップラーセンサーによって検出された時に、尿放出時間の総和が一定値を越えていると、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水することを特徴とする便器洗浄システム。
  8. 請求項1〜7何れか一項記載の便器洗浄システムにおいて、前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水する時に前記送信手段から送信される信号とは異なる所定の信号を送信する手段を設け、その所定の信号を隣の便器の受信手段が受けると、電波を受信した隣の便器が前記バルブを開けると共に前記銀含有電極へ通電して銀イオン洗浄水を吐水することにより、複数の便器同士が、銀イオン洗浄水吐水を同期して行うことを可能とした便器洗浄システム。
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