JP3831864B2 - Output control device and power work machine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原動機の出力を制御するための出力制御装置及び該出力制御装置を備えた動力作業機に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、原動機を迅速に加速せしめることができ、しかも、該原動機の出力を所定の設定出力レベルに容易に保持せしめることができる、出力制御装置および該出力制御装置を備えた動力作業機を提供することである。
【0003】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明に係る出力制御装置は、原動機と、該原動機の出力を制御するための操作部材であって、非操作位置と、前記原動機の所定の設定出力レベルに対応する所定の操作位置と、を有する操作部材と、該操作部材の前記所定の操作位置への操作に応じて前記原動機の出力を一時的に前記設定出力レベルより大きくせしめるとともにその後前記原動機の出力を前記設定出力レベルに戻して保持せしめる伝達戻し機構と、を備えてなる、出力制御装置であって、前記伝達戻し機構は、相互間に第一流体室及び第二流体室を画成するとともに互いに相対運動することにより前記流体室の容積を変化せしめる第一の部材及び第二の部材と、前記第一の部材と前記第二の部材との間に配設されてそれらの相対位置を前記操作部材の前記非操作位置に対応する初期状態に保持せしめるように常時作用する付勢手段と、前記第一流体室内の流体を相対的に急速に排出させるための大流体通過孔と、前記第二流体室内の流体を相対的に緩やかに排出させるための小流体通過孔と、前記第一流体室からの流体排出時に前記第二流体室への流体の流入を許容する逆止弁と、を備え、前記第一の部材は、前記操作部材の前記所定の操作位置への操作と同時に駆動されるように前記操作部材と作動上連結され、前記第二の部材は、前記原動機の出力を減少せしめる方向に常時付勢されるとともに、その付勢力に抗して駆動されることにより前記原動機の出力を増大せしめるように該原動機と作動上連結され、前記小流体通過孔が与える流通抵抗は、前記操作部材の操作に対応して前記第一の部材と一体的に前記第二の部材が前記原動機の出力を前記設定出力レベルより大きくせしめるように一時的に駆動される程度に設定され、さらに、前記第一の部材と前記第二の部材との間には、前記第二の流体通過孔から前記第二の流体室内の流体が流出することによる前記第一の部材に対する前記第二の部材の相対位置の変化を停止せしめて、前記原動機の出力を前記設定出力レベルに保持せしめるストッパを備えたものである。
【0004】
本発明によれば、前記操作部材を前記所定の操作位置へと操作すると、前記伝達戻し機構の伝達作用により、前記原動機の出力が一時的に前記設定出力レベルより大きくなる。よって、前記原動機の加速が早い。その後、前記伝達戻し機構の戻し作用によって、前記原動機の出力は、自動的に前記設定出力レベルに戻されて保持される。このため、前記操作部材を前記所定の操作位置へと操作するだけで、前記原動機を素早く加速させることができるとともに、該原動機の出力を自動的に前記設定出力レベルに戻し、そのレベルに容易に保持せしめることができる。
【0005】
また、前記伝達戻し機構として、流体の流通抵抗を利用したものを採用しているので、機械的または電気的制御手段等を利用した伝達戻し機構とした場合に比べて、構成が簡潔となりコスト低減に資するほか、振動等の衝撃にも強く耐久性が良い等の利点がある。
【0007】
前記操作部材を非操作位置から前記所定の操作位置へと操作すると、それに対応して、前記第一の部材が同時に駆動される。この時、前記第二流体室の内圧が上がることになるので、前記流体室内の前記流体は、前記小流体通過孔から流出しようとする。しかし、該小流体通過孔の流通抵抗は、前記所定の程度に設定されているので、前記流体の単位時間当たりの流出量は少ない。よって、前記第一の部材の瞬時の駆動に伴って前記第二の部材も一体的に駆動され、これにより、前記原動機の出力が前記設定出力レベルより大きくなる。ところが、前記第二の部材は、前記原動機の出力を減少せしめる方向に常時付勢されているので、前記第二流体室内の前記流体は、前記小流体通過孔から徐々に流出し、前記第二の部材は、前記原動機の出力を減少せしめる方向に徐々に戻る。やがて、前記ストッパによって、前記第一の部材に対する前記第二の部材の相対位置の変化が停止されて、前記原動機の出力が前記設定出力レベルに維持される。次に、前記操作部材を前記非操作位置へと戻すと、前記第二の部材が前記原動機の出力を減少させる方向へと常時付勢されていることにより、前記第一の部材と前記第二の部材が、それらの相対位置を一定に保ったままで一体となって戻される。同時に、前記付勢手段の作用により、前記第一の部材と前記第二の部材の相対位置が初期状態へと復帰する。この復帰動作は、前記付勢手段の作用によって前記第二流体室の容積が増大することで前記逆止弁が開作動し、併せて、前記大流体通過孔から前記第一流体室内の流体が迅速に排出されることにより、瞬時且つ確実に完了する。
【0008】
請求項2に記載のもののように、例えば、前記第一の部材を、互いに摺動自在に嵌合するシリンダ部材とピストン部材のいずれか一方で形成し、前記第二の部材を、前記シリンダ部材と前記ピストン部材のいずれか他方で形成すると、好適である。
【0009】
請求項3に記載の本発明に係る出力制御装置は、請求項1又は2に記載のものにおいて、前記操作部材が、前記所定の操作位置から解放されると前記原動機の動力作業部材への出力が断たれる所定の非操作位置へと自動的に復帰する自動復帰式操作部材であり、該自動復帰式操作部材を前記所定の操作位置へと操作したときの前記原動機の前記設定出力レベルを調節し得る操作位置固定式操作部材を備えたものである。
【0010】
請求項4に記載の本発明に係る動力作業機は、請求項1,2又は3に記載の出力制御装置を備えるとともに、前記原動機と駆動上連結された動力作業部材を備えたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な一実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る出力制御装置を備えた動力作業機の一例としての刈払機を示す全体概略斜視図、図2は、図1中のスロットルレバー装置の全体斜視図、図3は、図2の分解斜視図、図4は、スロットルレバー装置の要部の斜視図、図5は、図4のV−V矢視断面部を含むスロットルレバー装置の部分断面図、図6は、スロットルレバー装置と気化器との間の操作力伝動系を示す説明図である。
【0013】
まず、図1を参照して説明すると、前記刈払機は、前後方向に延びた操作桿1の前端部に、動力作業部材としての回転刈刃2を有するとともに、前記操作桿1の後端部に、原動機として、例えば、小型空冷二サイクル内燃エンジン3を備えている。該内燃エンジン3による駆動力は、前記操作桿1内に挿通された伝動軸4を介して、前記刈刃2に伝達される。前記内燃エンジン3と前記伝動軸4との間には、適当な形式の遠心クラッチ5が介装されていて、前記内燃エンジン3の回転速度が所定値を超えたときに、その回転駆動力が前記刈刃2へと出力されるようになっている。
【0014】
前記操作桿1の前記内燃エンジン3に近い部分には、吊金具6が取り付けてある。該吊金具6に図示しない肩掛ベルトを掛けることによって、作業者は、前記刈払機を肩掛けでバランス良く保持することができる。
【0015】
また、前記操作桿1上には、それぞれ振動吸収性の良いゴムを主体として用いた、前後二つのグリップ部7,8が配設されている。通常は前記作業者の左手で握られる前記前グリップ部7の近傍には、該前グリップ部7を握ったままの手指で制動解除操作し得る位置に、前記刈刃2を制動操作するためのブレーキレバー装置9が取り付けられている。該ブレーキレバー装置9は、ブレーキ駆動力伝達用ケーブル55を介して、前記刈刃2部に配設されたブレーキ装置56に作動上連結されている。前記ブレーキレバー装置9は、前記遠心クラッチ5が切れて前記刈刃2の駆動が停止するように前記内燃エンジン3を減速せしめた時に、前記刈刃2の慣性による回転を瞬時に停止せしめ、前記刈払機の安全性を高めるためのものである。
【0016】
一方、通常は前記作業者の右手で握られる前記後グリップ部8の近傍には、該後グリップ部8を握ったままの手指で前記内燃エンジン3の増減速操作をし得る位置に、スロットルレバー装置10が取り付けられている。
【0017】
該スロットルレバー装置10は、図6に明瞭に示されているように、押し引き操作自在なスロットル操作用ボーデンケーブル11を介して、前記内燃エンジン3の出力制御部材である、気化器12のスロットルバルブ12aに作動上連結されている。本実施形態では、前記気化器12として、ピストンバルブ付でフロート式の、それ自体周知の構成のものを図示している。前記スロットルバルブ12aは、スロットルバルブ戻しばね60等の付勢手段によって、アイドル回転開度に自動的に戻される方向に常時付勢されていて、それに接続されている前記スロットル操作用ボーデンケーブル11のインナーワイヤ13が、前記スロットルレバー装置10の握り操作により非操作状態から所定長以上引っ張られると、前記インナーワイヤ13の遊びが無くなって、前記スロットルバルブ12aが前記アイドル回転開度から前記内燃エンジン3の増速(出力増大)方向に開き始めるようになっている。
【0018】
図2に示すように、本実施形態では、前記スロットルレバー装置10として、形式の異なる二つのスロットルレバー14,15を備えたものを採用している。これら二つのスロットルレバー14,15は、いずれも、前記スロットルバルブ12aの開閉を制御して、前記刈刃2への前記内燃エンジン3の出力を制御するための出力操作部材である。ここでは、前記一方のメインスロットルレバー14を自動復帰式とし、前記他方のサブスロットルレバー15を、操作位置固定式としている。すなわち、前記メインスロットルレバー14は、それを握っていた手を離して解放すると、自動的に、前記スロットルバルブ12aとともに元の非操作位置P1(図6参照)に復帰する形式であり、前記サブスロットルレバー15は、所望の操作位置に不動状態で保持し得る形式である。このように、形式の異なる前記二つのスロットルレバー14,15を設けたのは、自動復帰式の前記メインスロットルレバー14を、前記刈刃2への出力レベルにかかわらず、常に前記後グリップ部8と一緒に手指で握りしめて安定的な所定の最大操作位置P2(図6参照)に保持して使用することができるようにして、前記スロットルレバー装置10の操作性をよくするとともに、前記刈払機の安全性を高めるためである。
【0019】
すなわち、従来、スロットルレバーの形式として、自動復帰式のものと操作位置固定式のものとが提案されており、それらのいずれにも、長所と短所とがあった。
【0020】
具体的には、前記自動復帰式のレバーによれば、手を離すことにより自動的に内燃エンジンがアイドリング状態へと戻るので安全である、等の長所があるが、その反面、刈払作業中は、前記レバーを常時指で保持して所望の操作位置に維持しなければならないので、中間開度で使用する場合には指が疲れるほか、前記刈刃への出力が一定しない、等の欠点がある。
【0021】
一方、前記操作位置固定式のレバーによれば、所望の操作位置に手放しでも不動状態で保持しておくことができるので、手指が自由となり作業性がよいほか、出力も一定し、手指が疲れない、等の利点があるが、その反面、刈刃への出力を停止する場合に、前記レバーに指を掛けてアイドル位置へと戻す意図的操作が必要であるので、不測の事態に対応して即座に前記刈刃への出力を停止させることができず、安全性の面で前記自動復帰式のものに劣る、等の問題があった。
【0022】
そこで、本実施形態においては、前記自動復帰式のレバーと前記操作位置固定式のレバーとを組み合わせて、それらの長所のみを生かすことにより、操作性が良く安全性も高いスロットルレバー装置としたのである。
【0023】
図2に示すように、前記スロットルレバー装置10は、前記メインスロットルレバー14と前記サブスロットルレバー15とを揺動自在に支持するスロットルレバーケース部材16を備えている。該スロットルレバーケース部材16は、前記操作桿1を左右から挟み付けるようにして複数のねじ17で互いに結合せしめられる左側カバーケース18と右側カバーケース19とからなり、前記後グリップ部8の前方にそれと隣接して位置している。
【0024】
同じく図2に示すように、前記スロットルレバーケース部材16には、前記内燃エンジン3の点火プラグ22(図1参照)への通電を短絡して前記内燃エンジン3を停止させるためのスライド式停止スイッチ23が設けられている。該スイッチ23から延びる図示しない電導コードは、前記スロットルレバーケース部材16の内部から、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11とともに、前記後グリップ部8の内部を貫通して、前記内燃エンジン3側へ向けて後方へ引き出されている。
【0025】
図6に示すように、前記メインスロットルレバー14は、その枢止軸24を中心として、図6に実線で示す前記非操作位置P1と、図6に二点鎖線で示す前記最大操作位置P2と、の間を、揺動操作自在となっている。前記メインスロットルレバー14が前記非操作位置P1にある時、その操作部20は、図2にも示すように、前記スロットルレバーケース部材16の後部の下部位置から前記後グリップ部8の下方へと所定角度で斜め下向きに延び出している。一方、前記メインスロットルレバー14が前記最大操作位置P2にある時には、前記操作部20は、前記後グリップ部8の下部に形成されたレバー収納用凹溝21内に嵌まり込み、前記後グリップ部8の外形を含む断面ほぼ縦長楕円形の輪郭内に納まるようになっている。このため、握り操作性が良い。前記メインスロットルレバー14は、前記操作部20が前記後グリップ部8から下方へ最も離れた前記非操作位置P1に保持されるように、メインスロットルレバー戻しばね61(図3参照)等の付勢手段で常時付勢されている。
【0026】
図3において、前記メインスロットルレバー14は、前記操作部20のほかに、前記枢止軸24を相対回動自在に受け入れる筒部25と、該筒部25の部分から前上方へと湾曲して延びたレバー作用部26と、を備えている。該レバー作用部26は、前記操作桿1の外周形状との干渉を避けるように、左右方向へも適宜湾曲した形状にすると、前記スロットルレバー装置10がコンパクトとなり好適である。前記メインスロットルレバー14の前記枢止軸24は、左右方向に水平に延びていて、その左右両外端部を、前記左右のカバーケース18,19に軽く圧入状として支持されている。
【0027】
本実施形態では、図4および図6に示すように、前記メインスロットルレバー14の前記操作部20を前記非操作位置P1から前記後グリップ部8側へと上向きに回動せしめる操作により、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13が、出力制御量拡大機構27と折り返し部材としての滑車28とを介して、前記操作桿1の前方へと引っ張られるようになっている。
【0028】
前記出力制御量拡大機構27は、前記メインスロットルレバー14および前記サブスロットルレバー15の操作量に対応する前記スロットルバルブ12aの開閉量を拡大せしめるものであり、これを設けたのは、前記メインスロットルレバー14と前記サブスロットルレバー15の回動操作用占有面積を小さくせしめ、前記スロットルレバー装置10をできるだけコンパクトにするためである。
【0029】
前記出力制御量拡大機構27は、例えば、図4に示すように、上下方向に延びる支軸29で水平揺動自在に支持されたてこ部材30を備えている。該てこ部材30の前記支軸29は、その上下両端部を、前記右側カバーケース19の内側に支持されている(図3参照)。
【0030】
図3および図4に示すように、前記てこ部材30の左半身となる長尺側揺動腕31の先端部(左端部)には、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13の前端部に取り付けられた端金具32が嵌め込まれて係止されている。また、図6に示すように、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11のアウターチューブ33の前端部は、前記スロットルレバーケース部材16に止着されている。
【0031】
一方、前記てこ部材30の右半身となる短尺側揺動腕34の先端部(右端部)には、可撓性連動部材としての折り返し用ワイヤ35の一方の端金具36が嵌め込まれて係止されている。そして、前記折り返し用ワイヤ35は、前記滑車28に下から巻き掛けられて前方へと折り返され、その他方の端金具37を、前記メインスロットルレバー14の前記レバー作用部36の先端部に嵌め込まれて係止されている。
【0032】
図4に示した前記出力制御量拡大機構27において、前記メインスロットルレバー14の前記操作部20を前記後グリップ部8に向けて上方へ回動操作すると、前記てこ部材30の前記短尺側揺動腕34が前記折り返し用ワイヤ35を介して後方へ向けて引っ張られ、前記てこ部材30は上から見て時計回り方向に回転し、それに伴い、前記てこ部材30の前記長尺側揺動腕31により前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13が前方へ向けて引き出される。この場合、前記てこ部材30のレバー比により、前記メインスロットルレバー14による前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13の引張量が拡大され、前記メインスロットルレバー14による前記スロットルバルブ12aの開閉制御量が拡大される。このため、前記スロットルバルブ12aの開閉制御を前記メインスロットルレバー14の小幅の操作で行うことができ、装置の小型軽量化が図られる。
【0033】
また、本実施形態においては、前記滑車28を前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13を引っ張る方向およびこれを緩める方向(前後方向)に強制的に移動させて、任意の調節位置で不動状態に保持する滑車位置調節機構38を設けている。
【0034】
該滑車位置調節機構38は、例えば、図5に示すように、前記滑車28を回動自在に支持するとともにそれ自身も揺動自在な揺動体39と、該揺動体39を揺動操作するための前記サブスロットルレバー15と、を備えている。
【0035】
前記揺動体39は、前記右側カバーケース19の内部に、左右方向へ延びる枢支軸線Zを中心として前後方向に揺動自在に支持されている。ここでは、前記右側カバーケース19に形成した軸受部40により前記揺動体39の右側軸部41を支持せしめるとともに、前記右側カバーケース19とは別体の中間部材42に形成した軸受部43によって、前記揺動体39の左側軸部44を支持せしめ、前記中間部材42を前記右側カバーケース19に取り付けている。
【0036】
前記サブスロットルレバー15は、前記右側カバーケース19から右外方へ突出している前記揺動体39の前記右側軸部41に対して固定されている。図示例では、前記揺動体39の前記右側軸部41の先端部外周にセレーション部45を形成するとともに、それと嵌合するセレーション部46を前記サブスロットルレバー15にも形成し、前記両セレーション部45,46同士を互いに嵌め合わせて、前記サブスロットルレバー15を前記揺動体39に対してねじ47で一体に固定している。
【0037】
前記滑車28は、前記揺動体39に形成された滑車収納部48内に収納されている。前記滑車28の支持軸49は、前記揺動体39に圧入支持されていて、該揺動体39の前記枢支軸線Z−Zと平行に延びている。また、前記支持軸49の中心軸線Yは、前記揺動体39の前記枢支軸線Z−Zから所定の距離Dだけ上方に外れて位置している。このため、前記サブスロットルレバー15を前後方向に揺動操作することにより、前記滑車28が前後方向へ移動し、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13の引き操作および戻し操作を行うことができる。
【0038】
前記サブスロットルレバー15の上部には、図5に示すように、押ボタン軸50が上下方向に摺動自在に設けられている。該押ボタン軸50は、前記サブスロットルレバー15に一体形成された押ボタンスリーブ51内に挿通されていて、該押ボタンスリーブ51内に介装された圧縮コイルばね52によって上方へ常時付勢され、その上端部50aは、前記押ボタンスリーブ51から上方へ突出している。また、前記押ボタン軸50の下端部は、前記押ボタンスリーブ51から下方へ突出して左側へと屈曲していて、ここには、鋸歯状の可動側歯部53が上向きに一体形成されている。一方、前記右側カバーケース19の上部には、前記可動側歯部53が噛合する鋸歯状の固定側歯部54が下向きに一体形成されている。該固定側歯部54は、図3に示すように、前記サブスロットルレバー15の前記枢支軸線Z−Zを中心とする円弧を描くように前後方向に向けて形成されている。
【0039】
図5に示した前記滑車位置調節機構38において、前記押ボタン軸50の前記上端部50aを押圧すると、前記押ボタン軸50が下がって、前記可動側歯部53と前記固定側歯部54との噛合状態が解かれる。そこで、前記押ボタン軸50を押したままで前記サブスロットルレバー15を後方へ回動操作すると、前記滑車28が前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13を引っ張る方向(前記操作桿1の後方)へと移動する。この状態で、前記押ボタン軸50の押圧を解除すると、前記可動側歯部53が前記固定側歯部54の新たな位置で該固定側歯部54へと再び噛合し、前記サブスロットルレバー15と前記滑車28とが、そのときの回動操作位置にて保持される。
【0040】
前記滑車28は動滑車として作用するので、該滑車28を移動させると、その移動量の二倍の長さ分だけ、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13が引っ張られる。よって、前記出力制御量拡大機構27の作用に加えて一層前記スロットルバルブ12aの開閉制御量が拡大されるので、前記スロットルバルブ12aの開閉制御を前記サブスロットルレバー15の小幅の操作で行うことができ、装置の小型軽量化が図られる。
【0041】
前記サブスロットルレバー15の前後揺動幅は、所定の角度範囲内に規制されている。すなわち、前記サブスロットルレバー15は、前記滑車28が前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13を前記非操作状態にする最大前方操作位置と、前記滑車28が前記インナーワイヤ13の前記遊びを無くする最大後方操作位置と、の間で、揺動操作自在となっている。そして、前記サブスロットルレバー15を前記最大後方操作位置へと揺動操作し(したがって、前記インナーワイヤ13の遊びが無くなくなり)、その状態で前記メインスロットルレバー14を前記最大操作位置P2へと揺動操作すると、前記内燃エンジン3の出力レベルが最大(フルスロットル状態)となる。この状態から前記メインスロットルレバー14を解放すると、該メインスロットルレバー14が前記非操作位置P1へと自動復帰し、前記内燃エンジン3がアイドリング状態となる。
【0042】
前記スロットルレバー装置10は、例えば、次のようにして使用する。いま、前記刈払機が非作動状態で、前記サブスロットルレバー15が、前記最大前方操作位置にある(したがって、前記インナーワイヤ13は非操作状態)とする。この時、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13の遊び(緩み)が最大となっている。
【0043】
前記作業者は、リコイルスタータ3a(図1参照)による前記内燃エンジン3の始動操作を行い、該内燃エンジン3がアイドリング状態となったら、前記肩掛けベルトで前記刈払機を肩に掛け、前記後グリップ部8とともに前記メインスロットルレバー14を握って、該メインスロットルレバー14を前記最大操作位置P2へと揺動操作する。すると、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13が、前記出力制御量拡大機構27と前記滑車28とを介して所定長引っ張られ、例えば、前記インナーワイヤ13の遊びが無くなって、前記スロットルバルブ12aが開き始め、前記遠心クラッチ5がつながらない程度の小さな出力が開始される。
【0044】
次いで、前記作業者は、前記メインスロットルレバー14を前記最大操作位置に保持したままで、前記後グリップ部8を握っている手の親指で前記押ボタン軸50の前記上端部50aを押圧して、前記刈刃2への出力が所望のレベルまで上がるように、前記サブスロットルレバー15を、前記操作桿1の後方へと傾動操作する。すると、前記滑車28が後方へと強制的に変位せしめられ、その移動量の二倍の長さ分だけ前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13が引っ張られて、前記スロットルバルブ12aの開度が全開方向へと調節され、前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力が増大する。
【0045】
前記サブスロットルレバー15は、前記可動側歯部53と前記固定側歯部54との噛合により所望の操作位置に不動状態で保持されるので、前記作業者は、前記サブスロットルレバー15による出力設定が終わったら、該サブスロットルレバー15から手指を離すことができる。よって、前記作業者の手指の負担が軽減される。該作業者は、前記メインスロットルレバー14を常に前記後グリップ部8側へと一緒に握り込んだ状態で、前記操作桿1を操作して前記刈刃2を左右に揺動させながら、刈払作業を行えばよい。
【0046】
刈払作業を一時的に中断するため、前記内燃エンジン3をアイドリング状態へと戻す場合には、前記作業者は、前記メインスロットルレバー14を解放する。すると、前記スロットルバルブ戻しばね60の付勢力により、前記スロットルバルブ12aが前記アイドル回転開度へと自動的にかつ瞬時に戻され、前記遠心クラッチ5が切れて、前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力が停止する。
【0047】
前記内燃エンジン3のアイドリング状態から刈払作業を再開する場合には、前記作業者は、前記メインスロットルレバー14の前記操作部20を、再び前記最大操作位置P2へといっぱいまで握り込む。すると、自動的に、前記サブスロットルレバー15により設定したそれまでの出力と同じレベルのエンジン出力が得られる。よって、前記刈刃2をそれまでと同じ速度で回転駆動して、刈払作業を再開することができる。
【0048】
以上のように、前記刈払機によれば、前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力レベルを頻繁に変更する必要がないような作業環境の下で使用する場合には、自動復帰式の前記メインスロットルレバー14を、常に安定的な操作位置である前記最大操作位置P2にして使用することができ、一旦設定した前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力レベルを変更したい場合には、操作位置固定式の前記サブスロットルレバー15を操作すればよい。よって、前記メインスロットルレバー14を不安定な中間操作位置にして使用する必要がなくなり、前記作業者の手指の疲れもないので作業性が良いほか、前記メインスロットルレバー14を解放すれば、前記内燃エンジン3が瞬時にアイドリング状態に戻って、前記刈刃2への出力が停止されるので、該刈刃2への出力停止時の操作性が良く、安全性も高い等の効果がある。
【0049】
ところで、前記の如き刈払機においては、前記サブスロットルレバー15の操作位置が、前記最大後方操作位置より前方の任意の中間操作位置に調節されている場合には、前記メインスロットルレバー14をいっぱいまで握って前記最大操作位置P2へと操作しても、前記内燃エンジン3の出力は、前記フルスロットル状態には到達しない。このため、従来方式のものよりも加速時間が余分にかかる等の問題も予想される。従来一般には、例えば、内燃エンジンの出力を自動復帰式のスロットルレバーで制御する場合、操作者は、立ち上がり時の良好なエンジン加速性を得るため、前記スロットルレバーを一時的に大きく操作して前記内燃エンジンをフルスロットルまで吹かし、その後、前記スロットルレバーの操作位置を、所望の出力レベルに対応する中間操作位置まで戻して、前記内燃エンジンの出力を所望のレベルとせしめるようにするのが通常である。
【0050】
そこで、本実施形態に係る出力制御装置においては、前記従来一般の場合と同様のエンジン加速時の吹かし効果を得るため、以下に詳細に述べる伝達戻し機構を採用している。
【0051】
図6と図7に、該伝達戻し機構の第一実施例が図示されている。該伝達戻し機構62は、図6に示すように、前記スロットルレバー装置10と、前記気化器12の前記スロットルバルブ12aと、の間の操作力伝達系に介装され、例えば、図1に示すように、前記操作桿1の後端位置等の、前記刈払機による刈払作業の支障にならない位置に配置されている。
【0052】
すなわち、図示例では、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11が、レバー側ボーデンケーブル63と、スロットルバルブ側ボーデンケーブル64と、に分割され、これら二本のケーブル63,64の間に、前記伝達戻し機構62が介装されている。図6に明瞭に示されているように、該伝達戻し機構62のケーシング65には、互いに対向した位置に、前記レバー側ボーデンケーブル63のアウターチューブ66の後端部66aと、前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64のアウターチューブ67の前端部67aと、が、それぞれ止着されている。
【0053】
例えば、二つ割り式等の前記ケーシング65内には、内径が一様なシリンダ孔68を有する第一の部材としてのシリンダ部材69が、その軸線方向に所定ストローク以上移動自在に収容され、前記シリンダ孔68内には、前記軸線に沿って往復摺動自在な、第二の部材としてのピストン部材70が嵌合挿入されている。該ピストン部材70の外周面には、前記シリンダ孔68の内周面との間に気密性及び適度の摺動抵抗を保持せしめるため、Oリング71等のシール部材が装着されている。前記シリンダ部材69の一端側鏡板72には、前記レバー側ボーデンケーブル63のインナーワイヤ73の後端部73aが接続され、前記ピストン部材70には、前記シリンダ部材69の他端側鏡板74を貫通して延びる前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64のインナーワイヤ75の前端部75aが接続されている。前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75と、前記シリンダ部材69の前記他端側鏡板74のワイヤ挿通孔76と、の間には、それらの間の気密性を保持するとともに前記インナーワイヤ75の長さ方向への動きを許容する適宜のシール部材77が介装されている。
【0054】
前記ピストン部材70は、前記シリンダ部材69の内部を二つの空気室(流体室)78,79に仕切っており、前記ピストン部材70の移動により、該ピストン部材70と前記シリンダ部材69との間に画成される前記二つの空気室78,79の容積が変化する。前記スロットルレバー装置10側に位置する前記第一空気室78(図6の状態では、容積がゼロ)は、前記シリンダ部材69の前記一端側鏡板72に穿設された大通気孔80を介して、通気性を有する前記ケーシング65の内部空間65aに連通している。前記大通気孔80による通気抵抗(流通抵抗)はきわめて小さく、前記第一空気室78の容積を小さくせしめる方向への前記ピストン部材70または前記シリンダ部材69の瞬時の相対移動を可能にせしめるに十分な通気量が、前記大通気孔80によって保証される。
【0055】
一方、前記スロットルバルブ12a側に位置する前記第二空気室79は、該第二空気室79内への空気の流入を許容し、該第二空気室79からの空気の流出を阻止する逆止弁81を介して、前記ケーシング65の前記内部空間65aに連通している。前記逆止弁81は、前記シリンダ孔68内での前記ピストン部材70の往復摺動の妨げとならないように、前記シリンダ部材69の外方へ延び出した延び出し通気部82に取り付けられている。
【0056】
前記ピストン部材70には、前記第一空気室78と、前記第二空気室79と、を互いに連通せしめる小通気孔83が流体通過孔として穿設されている。該小通気孔83による通気抵抗(流通抵抗)は大きく、前記第二空気室79の容積を小さくせしめる方向への前記ピストン部材70または前記シリンダ部材69の相対移動が、前記小通気孔83の流体絞り作用により、きわめて緩やかな速度に規制される。
【0057】
前記ピストン部材70と前記シリンダ部材69との間には、それらの間の相対位置を前記メインスロットルレバー14の前記非操作位置P1に対応する初期状態に保持せしめるように常時付勢作用を奏する手段として、例えば、初期状態保持用圧縮コイルばね84が介装されている。該初期状態保持用圧縮コイルばね84による付勢力は、前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75を介して前記ピストン部材70に伝達される、前記スロットルバルブ戻しばね60による付勢力より小さくなるように設定されている。
【0058】
図6および図7を参照して、前記伝達戻し機構62の動作を説明する。図7は、該伝達戻し機構62の動作を時系列的に示した説明図である。図7に示すように、該伝達戻し機構62においては、前記メインスロットルレバー14の操作に応じて、前記ケーシング65に対する前記ピストン部材70と前記シリンダ部材69の相対位置、及びこれらの部材69,70間の相対位置が変化する。
【0059】
いま、前記内燃エンジン3がアイドリング状態にあり、前記サブスロットルレバー15の位置が、前記最大後方操作位置より前方の前記中間操作位置に調節されている場合を想定する。この状態で、前記メインスロットルレバー14が、図6に実線で示した前記非操作位置P1にあるとき、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11の前記インナーワイヤ13には、全体として少しの遊びが残っており、前記スロットルバルブ12aは、前記スロットルバルブ戻しばね60の付勢力により、アイドル回転開度に保持されている。これに対応して、前記伝達戻し機構62は、例えば、図6および図7(a)に示された前記初期状態を保持している。
【0060】
該初期状態(a)における前記ピストン部材70と、前記シリンダ部材69と、の相対的な位置関係について詳細に説明すると、前記ピストン部材70は、前記スロットルバルブ12aがアイドル回転開度の状態に保持されているので、前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75の長さに対応して、例えば、図6および図7(a)に示すように、前記ケーシング65内のほぼ中間部に位置している。前記ピストン部材70のこの状態を、該ピストン部材70の初期状態という。
【0061】
一方、前記シリンダ部材69は、例えば、前記初期状態保持用圧縮コイルばね84の付勢力により、前記ピストン部材70に対して、図6および図7(a)に示す初期状態に保持されている。このとき、前記シリンダ部材69は、図6および図7(a)で見て、前記ケーシング65内の右端寄りに位置しており、しかも、前記ピストン部材70で前記シリンダ部材69内に区画形成される前記第一空気室78の容積は極小(図示例の場合は、ゼロ)となり、前記第二空気室79の容積は極大となっている。前記シリンダ部材69のこの状態を、該シリンダ部材69の初期状態という。
【0062】
前記伝達戻し機構62の前記初期状態(a)から、前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力を開始せしめるべく、前記作業者が、前記メインスロットルレバー14を、図6に二点鎖線で示す前記最大操作位置P2へと素早く揺動操作すると、前記シリンダ部材69が、前記レバー側ボーデンケーブル63の前記インナーワイヤ73で図7(a)の左方へ同時に一体的に引かれて、前記伝達戻し機構62は、例えば、図7(b)に示した加速時状態となる。前記シリンダ部材69が前記初期状態(a)から前記加速時状態(b)へと移行する時、前記逆止弁81の作用によって、前記シリンダ部材69内の前記第二空気室79内の空気は外部に流出できず、該第二空気室79内の前記空気は、前記ピストン部材70に形成された前記小通気孔83から実質的に無視し得るほどの量で前記第一空気室78側へと漏れ出すに過ぎないので、圧縮された前記第二空気室79内の空気圧により、前記シリンダ部材69に伴って、前記ピストン部材70もまた、図7の左方へと瞬時に強制的に移動せしめられる。これにより、前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75が大きく引かれて、前記スロットルバルブ12aが全開方向へと大きく開かれる。よって、前記内燃エンジン3の加速性が良く、前記刈刃2への大きな出力が瞬時に得られる。
【0063】
しかし、図7(b)の前記加速時状態は、きわめて一時的な状態であり、前記伝達戻し機構62の内部状態は、図7(c)の設定出力時状態へと緩やかに移行し始める。すなわち、前記ピストン部材70には、前記スロットルバルブ戻しばね60の付勢力によって、前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75を介して、前記ピストン部材70を前記初期状態(a)の位置へ戻そうとする力が常時作用している。このため、前記第二空気室79内の圧縮空気が、前記ピストン部材70の前記小通気孔83を通って、少しずつ前記第一空気室78側へと押し出されるからである。やがて、前記ピストン部材70の前記初期状態(a)の位置へ向けての移動は、前記第二空気室79内の容積が極小となったところで、ストッパとしての前記シリンダ部材69の前記他端側鏡板74及び押し縮められた前記初期状態保持用圧縮コイルばね84に規制されて、停止する。この状態が、図7(c)の前記設定出力時状態である。前記加速時状態(b)から前記設定出力時状態(c)への前記ピストン部材70の戻り移動に対応して、前記スロットルバルブ12aの開度が小さくなるので、前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力レベルは、図7(b)に対応する加速時の高出力レベルから下がり始め、やがて、前記作業者が前記サブスロットルレバー15であらかじめ設定した所定の中間設定出力レベルに落ち着く。よって、前記作業者は、前記メインスロットルレバー14を前記最大操作位置P2に保持したままで、刈払作業を続行すればよい。
【0064】
以上に述べた前記内燃エンジン3の出力レベルの変化を、時間との関係で図示したのが、図8のグラフである。同図に実線で示されているように、本実施形態に係る出力制御装置によれば、前記内燃エンジン3の出力レベルが、加速時には瞬間的に設定出力レベルLWを超えて高出力レベルLHとなり、やがて、前記設定出力レベルLWに落ち着く。これに対し、前記伝達戻し機構62を備えていない場合には、図8に破線で示すように、加速時の前記内燃エンジン3の出力レベルは、アイドル回転時出力レベルLIからゆっくりと上昇し、滑らかに前記設定出力レベルLWへと到達する。これらを比較すれば、本実施形態に係る出力制御装置による加速性の良さが一層明瞭となる。
【0065】
刈払作業を中止するため、前記内燃エンジン3をアイドリング状態へと戻す場合には、前記作業者は、前記メインスロットルレバー14を解放する。すると、前記スロットルバルブ戻しばね60の付勢力により、前記ピストン部材70が前記シリンダ部材69を伴って、第一戻り段階として、前記初期状態(a)における位置まで戻され、図7(d)に示す状態となる。同時に、第二戻り段階として、前記初期状態保持用ばね84の付勢力により、前記シリンダ部材69のみが、前記初期状態(a)における位置へと戻され、前記伝達戻し機構62全体の状態が、図7(a)の前記初期状態へと復帰する。図7(d)の第一戻り段階状態から図7(a)の初期状態への前記シリンダ部材69の復帰動作は、前記第二空気室79の容積増大を原因とする該第二空気室79内の圧力低下に伴う前記逆止弁81の開作動と、前記シリンダ部材69の前記大通気孔80による前記第一空気室78内の空気の迅速な排出作用と、により、瞬時に完了する。前記ピストン部材70が前記初期状態(a)へと復帰すると同時に、前記スロットルバルブ12aが前記アイドル回転開度へと戻り、前記遠心クラッチ5が切れて前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力が停止する。
【0066】
なお、前記第一実施例の変形例として、該第一実施例のものとは逆に、前記シリンダ部材69を前記スロットルバルブ12a側に接続し、前記ピストン部材70を前記メインスロットルレバー14側に接続しても、全く同様の効果を得ることができる。
【0067】
また、前記小通気孔83は、必ずしも前記ピストン部材70に形成する必要はなく、前記加速時状態(b)から前記設定出力時状態(c)への前記ピストン部材70の戻り移動を阻害しない前記シリンダ部材69の適宜の位置、例えば、該シリンダ部材69の前記他端側鏡板74等に穿設してもよい。
【0068】
図9および図10には、前記第一実施例のものと同様の効果を奏する第二実施例に係る伝達戻し機構85が示されている。図10は、図9のX−X矢視断面図である。本第二実施例に係る伝達戻し機構85の配設位置や、前記スロットル操作用ボーデンケーブル11との関係は、前記第一実施例のものと同一である。
【0069】
図9において、例えば、二つ割り式等のケーシング86内には、内径が一様なシリンダ孔87を有する第一の部材としてのシリンダ部材88が、その軸線方向に所定ストローク以上移動自在に収容され、前記シリンダ孔87内には、前記軸線に沿って往復摺動自在な、第二の部材としてのピストン部材89が嵌合挿入されている。前記シリンダ部材88の一端側鏡板90には、前記レバー側ボーデンケーブル63の前記インナーワイヤ73の前記後端部73aが接続され、前記ピストン部材89には、前記シリンダ部材88の他端側鏡板91を貫通して延びる前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75の前記前端部75aが接続されている。前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75と、前記シリンダ部材88の前記他端側鏡板91のワイヤ挿通孔92と、の間には、それらの間の気密性を保持するとともに前記インナーワイヤ75の長さ方向への動きを許容する適宜のシール部材93が介装されている。また、前記シリンダ部材88は、前記ワイヤ挿通孔92以外の部分が閉じており、前記シール部材93によって、前記シリンダ孔87内の気密性が完全に保持されている。
【0070】
前記ピストン部材89は、前記シリンダ部材88の内部を、二つの空気室(流体室)94,95に仕切っており、前記ピストン部材89の移動により、該ピストン部材89と前記シリンダ部材88との間に画成される前記二つの空気室94,95の容積が変化する。ここでは、前記スロットルレバー装置10側に位置する前記第一空気室94(図9の状態では、容積がゼロ)は、図10に明瞭に示すように、前記ピストン部材89に貫設された流体通過孔としての大通気孔96と、前記ピストン部材89の外周面に溝を形成することによって前記シリンダ部材88の内周面との間に形成された流体通過孔としての小通気孔97と、を介して、前記第二空気室95に連通している。前記大通気孔96による通気抵抗(流通抵抗)はきわめて小さく、前記第一空気室94の容積を小さくせしめる方向への前記ピストン部材89または前記シリンダ部材88の瞬時の相対移動を可能にせしめるに十分な通気量が、前記大通気孔96によって保証される。一方、前記小通気孔97による通気抵抗(流通抵抗)は大きく、前記第二空気室95の容積を小さくせしめる方向への前記ピストン部材89または前記シリンダ部材88の相対移動が、前記小通気孔97の流体絞り作用により、きわめて緩やかな速度に規制される。
【0071】
前記ピストン部材89には、前記大通気孔96を通しての前記第一空気室94側から前記第二空気室95側への空気の流れのみを許容する逆止弁98が設けられている。このため、前記第二空気室95の容積を大きくする方向への前記ピストン部材89または前記シリンダ部材88の相対移動は、迅速に行われる。一方、前記第一空気室94の容積を大きくする方向への前記ピストン部材89または前記シリンダ部材88の相対移動は、前記小通気孔97の大きな通気抵抗によって規制され、きわめて緩やかなものとなる。
【0072】
ここでは、前記逆止弁98を、前記大通気孔96を覆うことができるだけの面積を有する円形の薄板部材で形成している。前記逆止弁98は、前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75に挿通され、該インナーワイヤ75に固着された弁ストッパ99で、その移動可能量を、前記大通気孔96の開閉制御に必要なだけのストロークに規制されている。
【0073】
なお、前記弁ストッパ99は、ストッパとしての前記シリンダ部材88の前記他端側鏡板91に当接することにより、前記第二空気室95の容積を小さくせしめる方向への前記ピストン部材89または前記シリンダ部材88の相対的な移動量を規制する作用も奏する。
【0074】
前記ピストン部材89と前記シリンダ部材88との間には、それらの間の相対位置を、図9に示す初期状態に保持せしめるように常時付勢作用を奏する手段として、例えば、初期状態保持用圧縮コイルばね100が介装されている。該初期状態保持用圧縮コイルばね100による付勢力は、前記スロットルバルブ戻しばね60によって前記ピストン部材89に作用する付勢力より小さくなるように設定されている。
【0075】
図11を参照して、前記伝達戻し機構85の動作を説明する。図11は、図7と同様に、前記伝達戻し機構の動作を時系列的に示した説明図であり、図11の(a)乃至(d)は、図7の(a)乃至(d)にそれぞれ対応している。
【0076】
図11(a)の前記伝達戻し機構85の初期状態における、前記ピストン部材89と、前記シリンダ部材88と、の相対的な位置関係について詳細に説明すると、前記メインスロットルレバー14が前記非操作位置P1にあるとき、前記スロットルバルブ12aがアイドル回転開度の状態に保持されているので、前記ピストン部材89は、前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75の長さに対応して、例えば、図11(a)に示すように、初期状態として、前記ケーシング86内のほぼ中間部に位置している。
【0077】
一方、前記シリンダ部材88は、例えば、前記初期状態保持用圧縮コイルばね100の付勢力により、前記ピストン部材89に対して、図11(a)に示す初期状態に保持されている。このとき、前記シリンダ部材は、図11(a)で見て、前記ケーシング86内の右端寄りに位置しており、しかも、前記ピストン部材89で前記シリンダ部材88内に区画形成される前記第一空気室94の容積は極小(図示例では、ゼロ)となり、前記第二空気室95の容積は極大となっている。
【0078】
前記伝達戻し機構85の前記初期状態(a)から、前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力を開始せしめるべく、前記作業者が、前記メインスロットルレバー14を、前記最大操作位置P2へと素早く揺動操作すると、前記シリンダ部材88が、前記レバー側ボーデンケーブル63の前記インナーワイヤ73で図11(a)の左方へ引かれて、前記伝達戻し機構85は、例えば、図11(b)に示した加速時状態となる。前記シリンダ部材88が前記初期状態(a)から前記加速時状態(b)へと移行する時には、前記逆止弁98によって前記大通気孔96が閉じられる。このため、前記シリンダ部材88内の前記第二空気室95内の空気は、前記小通気孔97から実質的に無視し得るほどの量で前記第一空気室94側へと移動するに過ぎず、圧縮された前記第二空気室95内の空気圧により、前記シリンダ部材88に伴って、前記ピストン部材89もまた、図11の左方へと瞬時に強制的に移動せしめられる。これにより、前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75が大きく引かれて、前記スロットルバルブ12aが全開方向へと大きく開かれる。よって、前記内燃エンジン3の加速性が良く、前記刈刃2への大きな出力が瞬時に得られる。
【0079】
しかし、図11(b)の前記加速時状態は、きわめて一時的な状態であり、前記伝達戻し機構85の内部状態は、図11(c)の設定出力時状態へと緩やかに移行し始める。すなわち、前記ピストン部材89には、前記スロットルバルブ戻しばね60の付勢力によって、前記スロットルバルブ側ボーデンケーブル64の前記インナーワイヤ75を介して、前記ピストン部材89を前記初期状態(a)の位置へ戻そうとする力が常時作用している。このため、前記第二空気室95内の圧縮空気が、前記ピストン部材89の前記小通気孔97を通って、少しずつ前記第一空気室94側へと移動する。やがて、前記ピストン部材89の前記初期状態(a)の位置へ向けての移動は、前記弁ストッパ99が前記シリンダ部材88の前記他端側鏡板91に当接することによって停止され、このとき、前記第二空気室95内の容積が極小となる。この状態が、図11(c)の前記設定出力時状態である。前記加速時状態(b)から前記設定出力時状態(c)への前記ピストン部材89の戻り移動に対応して、前記スロットルバルブ12aの開度が小さくなるので、前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力レベルは、図11(b)に対応する加速時の高出力レベルLHから下がり始め、やがて、前記作業者が前記サブスロットルレバー15であらかじめ設定した所定の中間の設定出力レベルLWに落ち着く。よって、前記作業者は、前記メインスロットルレバー14を前記最大操作位置P2に保持したままで、刈払作業を続行すればよい。
【0080】
刈払作業を中止するため、前記内燃エンジン3をアイドリング状態へと戻す場合には、前記作業者は、前記メインスロットルレバー14を解放する。すると、前記スロットルバルブ戻しばね60の付勢力により、前記ピストン部材89が前記シリンダ部材88を伴って、第一戻り段階として、前記初期状態(a)における位置まで戻され、図11(d)に示す状態となる。同時に、第二戻り段階として、前記初期状態保持用圧縮コイルばね100の付勢力により、前記シリンダ部材88のみが、前記初期状態(a)における位置へと戻され、前記伝達戻し機構85全体の状態が、図11(a)の前記初期状態へと復帰する。図11(d)の状態から図11(a)の状態への前記シリンダ部材88の復帰動作は、前記第二空気室95の容積増大を原因とする該第二空気室95内の圧力低下に伴う前記逆止弁98の開作動と、前記大通気孔96による前記第一空気室94内の空気の迅速な排出作用と、により、瞬時に完了する。前記ピストン部材89が前記初期状態(a)へと復帰すると同時に、前記スロットルバルブ12aが前記アイドル回転開度へと戻り、前記遠心クラッチ5が切れて前記内燃エンジン3の前記刈刃2への出力が停止する。
【0081】
本第二実施例に係る伝達戻し機構85によれば、前記シリンダ部材88の内外における流体の移動がないので、該シリンダ部材88の内部に、空気に代えて、適宜のオイル等の液体を封入することもできる。このようにすれば、前記メインスロットルレバー14を前記最大操作位置P2へと操作したときの、前記スロットルバルブ12aの応答作動性が一層良好となり、加速性が一層向上する等の利点がある。
【0082】
なお、本第二実施例に係る伝達戻し機構85の場合にも、前記第一実施例の場合と同様に、その変形例として、前記シリンダ部材88と前記ピストン部材89の向きを逆にして配設してもよい。
【0083】
本発明に係る出力制御装置は、様々な動力作業機に適用することが可能であるが、例えば、図示した刈払機のほか、ヘッジトリマー等、手持式または携帯式の動力作業機に適用すると、特に好適である。
【0084】
また、本実施形態では、前記伝達戻し機構として、流体の流通抵抗を利用したものにつき詳述したが、他の機構や電気的制御手段等も適用できることは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る出力制御装置を備えた動力作業機の一例としての刈払機を示す全体概略斜視図である。
【図2】 図1中のスロットルレバー装置の全体斜視図である。
【図3】 図2の分解斜視図である。
【図4】 スロットルレバー装置の要部の斜視図である。
【図5】 図4のV−V矢視断面部を含むスロットルレバー装置の部分断面図である。
【図6】 スロットルレバー装置と気化器との間の操作力伝動系を示す説明図である。
【図7】 第一実施例に係る伝達戻し機構の動作を時系列的に示した説明図である。
【図8】 内燃エンジンの出力レベルの変化を、時間との関係で図示したグラフである。
【図9】 第二実施例に係る伝達戻し機構の縦断面図である。
【図10】 図9のX−X矢視断面図である。
【図11】 図9に示した伝達戻し機構の動作を時系列的に示した説明図である。
【符号の説明】
2 刈刃(動力作業部材)
3 原動機
14 メインスロットルレバー(操作部材、自動復帰式操作部材)
15 サブスロットルレバー(操作位置固定式操作部材)
P2 所定の操作位置
62 伝達戻し機構
69 シリンダ部材(第一の部材)
70 ピストン部材(第二の部材)
74 シリンダ部材の他端側鏡板(ストッパ)
78 第一空気室(第一流体室)
79 第二空気室(第二流体室)
80 大通気孔(大流体通過孔)
81 逆止弁
83 小通気孔(小流体通過孔)
84 初期状態保持用圧縮コイルばね(付勢手段)
85 伝達戻し機構
88 シリンダ部材(第一の部材)
89 ピストン部材(第二の部材)
91 シリンダ部材の他端側鏡板(ストッパ)
94 第一空気室(第一流体室)
95 第二空気室(第二流体室)
96 大通気孔(大流体通過孔)
97 小通気孔(小流体通過孔)
98 逆止弁
100 初期状態保持用圧縮コイルばね(付勢手段)
LW 設定出力レベル
P1 非操作位置
P2 所定の操作位置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an output control device for controlling the output of a prime mover and a power work machine including the output control device.
[0002]
[Problems to be solved by the invention]
The problem to be solved by the present invention is that it is possible to quickly accelerate the prime mover, and to easily maintain the output of the prime mover at a predetermined set output level, and the power provided with the output control device. It is to provide a working machine.
[0003]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, an output control device according to the present invention described in
[0004]
According to the present invention, when the operation member is operated to the predetermined operation position, the output of the prime mover temporarily exceeds the set output level by the transmission action of the transmission return mechanism. Therefore, the prime mover accelerates quickly. Thereafter, the output of the prime mover is automatically returned to the set output level and held by the return action of the transmission return mechanism. For this reason, the prime mover can be quickly accelerated only by operating the operating member to the predetermined operation position, and the output of the prime mover is automatically returned to the set output level, and the level can be easily set. It can be held.
[0005]
Also,As the transmission return mechanismFlowUsing body circulation resistanceBecause we adopt the thingCompared to a transmission return mechanism using a mechanical or electrical control means, etc., there are advantages such as a simple structure that contributes to cost reduction, and is strong against shocks such as vibration and has good durability.
[0007]
in frontThe operation memberFrom non-operating positionWhen operating to the predetermined operating position, the first member is simultaneously driven accordingly. At this time,secondSince the internal pressure of the fluid chamber is increased, the fluid in the fluid chamber issmallIt tries to flow out from the fluid passage hole. However, thesmallSince the flow resistance of the fluid passage hole is set to the predetermined level, the amount of fluid flowing out per unit time is small. Therefore, the second member is also driven integrally with the instantaneous driving of the first member, and thereby the output of the prime mover becomes larger than the set output level. However, since the second member is constantly urged in a direction that reduces the output of the prime mover, the fluid in the second fluid chamber issmallThe second member gradually flows out from the fluid passage hole, and gradually returns in the direction of decreasing the output of the prime mover. Eventually, the stopper stops the change in the relative position of the second member with respect to the first member, and the output of the prime mover is maintained at the set output level.Next, when the operation member is returned to the non-operation position, the second member is constantly urged in a direction to decrease the output of the prime mover, whereby the first member and the second member are These members are returned together while keeping their relative positions constant. At the same time, the relative position of the first member and the second member returns to the initial state by the action of the biasing means. In this returning operation, the check valve is opened by increasing the volume of the second fluid chamber due to the action of the urging means, and the fluid in the first fluid chamber flows from the large fluid passage hole. It is completed instantly and reliably by being quickly discharged.
[0008]
Claim2For example, the first member is formed by one of a cylinder member and a piston member that are slidably fitted to each other, and the second member is formed by the cylinder member and the piston. It is preferable to form with the other of the members.
[0009]
Claim3The output control apparatus according to the present invention described in claim 1Or 2An automatic return-type operation member that automatically returns to a predetermined non-operation position where output to the power work member of the prime mover is cut off when the operation member is released from the predetermined operation position. And an operation position fixed operation member capable of adjusting the set output level of the prime mover when the automatic return operation member is operated to the predetermined operation position.
[0010]
Claim4A power working machine according to the present invention described in claim1, 2 or 3And a power working member that is connected in driving to the prime mover.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF EXEMPLARY EMBODIMENTS Hereinafter, a preferred embodiment of the invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0012]
1 is an overall schematic perspective view showing a brush cutter as an example of a power working machine including an output control device according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is an overall perspective view of a throttle lever device in FIG. 3 is an exploded perspective view of FIG. 2, FIG. 4 is a perspective view of the main part of the throttle lever device, and FIG. 5 is a partial cross-sectional view of the throttle lever device including a cross-section taken along the line V-V of FIG. 6 is an explanatory diagram showing an operating force transmission system between the throttle lever device and the carburetor.
[0013]
First, referring to FIG. 1, the brush cutter has a rotary cutting blade 2 as a power working member at a front end portion of the
[0014]
A hanging
[0015]
On the
[0016]
On the other hand, in the vicinity of the
[0017]
As clearly shown in FIG. 6, the
[0018]
As shown in FIG. 2, in this embodiment, the
[0019]
That is, conventionally, as a throttle lever type, an automatic return type and an operation position fixed type have been proposed, both of which have advantages and disadvantages.
[0020]
Specifically, the automatic return lever has the advantage that it is safe because the internal combustion engine automatically returns to the idling state when the hand is released. Since the lever must be held with a finger at all times and maintained at a desired operation position, when used at an intermediate opening, the finger becomes tired and the output to the cutting blade is not constant. There is.
[0021]
On the other hand, according to the lever with the fixed operation position, it can be held in a fixed state even if it is released to the desired operation position, so that the fingers are free and the workability is good, the output is constant, and the fingers are tired. However, when stopping output to the cutting blade, an intentional operation is required to put the finger on the lever and return it to the idle position. As a result, there is a problem that the output to the cutting blade cannot be stopped immediately, which is inferior to the automatic return type in terms of safety.
[0022]
Therefore, in the present embodiment, the automatic return type lever and the operation position fixed type lever are combined, and the throttle lever device having high operability and high safety is obtained by taking advantage of only the advantages thereof. is there.
[0023]
As shown in FIG. 2, the
[0024]
Similarly, as shown in FIG. 2, a sliding stop switch for stopping the
[0025]
As shown in FIG. 6, the
[0026]
In FIG. 3, the
[0027]
In the present embodiment, as shown in FIGS. 4 and 6, the
[0028]
The output control
[0029]
For example, as shown in FIG. 4, the output control
[0030]
As shown in FIGS. 3 and 4, the front end of the
[0031]
On the other hand, one end fitting 36 of a
[0032]
In the output control
[0033]
Further, in the present embodiment, the
[0034]
For example, as shown in FIG. 5, the pulley
[0035]
The
[0036]
The
[0037]
The
[0038]
As shown in FIG. 5, a
[0039]
In the pulley
[0040]
Since the
[0041]
The front / rear swinging width of the
[0042]
The
[0043]
The operator performs a start operation of the
[0044]
Next, the operator presses the upper end portion 50a of the
[0045]
Since the
[0046]
The operator releases the
[0047]
When the brushing operation is resumed from the idling state of the
[0048]
As described above, according to the brush cutter, when used in a work environment in which the output level of the
[0049]
By the way, in the brush cutter as described above, when the operation position of the
[0050]
Therefore, in the output control device according to the present embodiment, the engine acceleration is the same as in the conventional general case.BlowingIn order to obtain a scare effect, a transmission return mechanism described in detail below is employed.
[0051]
6 and 7 show a first embodiment of the transmission return mechanism. As shown in FIG. 6, the
[0052]
That is, in the illustrated example, the throttle
[0053]
For example, a
[0054]
The
[0055]
On the other hand, the
[0056]
The
[0057]
Means always exerting an urging action between the
[0058]
The operation of the
[0059]
Now, it is assumed that the
[0060]
The relative positional relationship between the
[0061]
On the other hand, the
[0062]
In order to start the output to the cutting blade 2 of the
[0063]
However, the acceleration state in FIG. 7B is a very temporary state, and the internal state of the
[0064]
FIG. 8 is a graph showing the change in the output level of the
[0065]
When returning the
[0066]
As a modification of the first embodiment, in contrast to the first embodiment, the
[0067]
The
[0068]
FIGS. 9 and 10 show a
[0069]
In FIG. 9, for example, a
[0070]
The
[0071]
The
[0072]
Here, the
[0073]
The
[0074]
Between the
[0075]
The operation of the
[0076]
The relative positional relationship between the
[0077]
On the other hand, the
[0078]
In order to start the output of the
[0079]
However, the acceleration state in FIG. 11B is a very temporary state, and the internal state of the
[0080]
When returning the
[0081]
According to the
[0082]
In the case of the
[0083]
The output control device according to the present invention can be applied to various power working machines.For example, in addition to the illustrated brush cutter, when applied to a handheld or portable power working machine such as a hedge trimmer, Particularly preferred.
[0084]
In the present embodiment, the transmission return mechanism using fluid flow resistance has been described in detail, but it is needless to say that other mechanisms, electrical control means, and the like can be applied.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall schematic perspective view showing a brush cutter as an example of a power working machine including an output control device according to an embodiment of the present invention.
2 is an overall perspective view of the throttle lever device in FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is an exploded perspective view of FIG. 2;
FIG. 4 is a perspective view of a main part of the throttle lever device.
5 is a partial cross-sectional view of a throttle lever device including a cross-sectional view taken along line VV in FIG.
FIG. 6 is an explanatory diagram showing an operating force transmission system between a throttle lever device and a carburetor.
FIG. 7 is an explanatory diagram showing the operation of the transmission return mechanism according to the first embodiment in time series.
FIG. 8 is a graph illustrating the change in the output level of the internal combustion engine in relation to time.
FIG. 9 is a longitudinal sectional view of a transmission return mechanism according to a second embodiment.
10 is a cross-sectional view taken along arrow XX in FIG. 9;
11 is an explanatory view showing the operation of the transmission return mechanism shown in FIG. 9 in time series.
[Explanation of symbols]
2 Cutting blade (power work member)
3 prime mover
14 Main throttle lever (operating member, automatic return type operating member)
15 Sub-throttle lever (Operation position fixed operation member)
P2 Predetermined operation position
62 Transmission return mechanism
69 Cylinder member (first member)
70 Piston member (second member)
74 End plate on the other end of the cylinder member (stopper)
78 First air chamber (first fluid chamber)
79 Second air chamber (secondFluid chamber)
80 Large ventilation holes (large fluid passage holes)
81 Check valve
83 Small ventilation holes (smallFluid passage hole)
84 Compression coil spring for holding initial state (biasing means)
85 Transmission return mechanism
88 Cylinder member (first member)
89 Piston member (second member)
91 End plate on the other end of cylinder member (stopper)
94 First air chamber (first fluid chamber)
95 Second air chamber (secondFluid chamber)
96 Large vent (large fluid passage hole)
97 Small ventilation holes (smallFluid passage hole)
98 Check valve
100 Initial state holding compression coil spring (biasing means)
LW setting output level
P1 Non-operating position
P2 Predetermined operation position
Claims (4)
該原動機(3)の出力を制御するための操作部材(14)であって、非操作位置(P1)と、前記原動機(3)の所定の設定出力レベル(LW)に対応する所定の操作位置(P2)と、を有する操作部材(14)と、
該操作部材(14)の前記所定の操作位置(P2)への操作に応じて前記原動機(3)の出力を一時的に前記設定出力レベル(LW)より大きくせしめるとともにその後前記原動機(3)の出力を前記設定出力レベル(LW)に戻して保持せしめる伝達戻し機構(62,85)と、を備えてなる、出力制御装置であって、
前記伝達戻し機構(62,85)は、
相互間に第一流体室(78,94)及び第二流体室(79,95)を画成するとともに互いに相対運動することにより前記流体室(78,94/79,95)の容積を変化せしめる第一の部材(69,88)及び第二の部材(70,89)と、
前記第一の部材(69,88)と前記第二の部材(70,89)との間に配設されてそれらの相対位置を前記操作部材(14)の前記非操作位置(P1)に対応する初期状態に保持せしめるように常時作用する付勢手段(84,100)と、
前記第一流体室(78,94)内の流体を相対的に急速に排出させるための大流体通過孔(80,96)と、
前記第二流体室(79,95)内の流体を相対的に緩やかに排出させるための小流体通過孔(83,97)と、
前記第一流体室(78,94)からの流体排出時に前記第二流体室(79,95)への流体の流入を許容する逆止弁(81,98)と、
を備え、
前記第一の部材(69,88)は、前記操作部材(14)の前記所定の操作位置(P2)への操作と同時に駆動されるように前記操作部材(14)と作動上連結され、
前記第二の部材(70,89)は、前記原動機(3)の出力を減少せしめる方向に常時付勢されるとともに、その付勢力に抗して駆動されることにより前記原動機(3)の出力を増大せしめるように該原動機(3)と作動上連結され、
前記小流体通過孔(83,97)が与える流通抵抗は、前記操作部材(14)の操作に対応して前記第一の部材(69,88)と一体的に前記第二の部材(70,89)が前記原動機(3)の出力を前記設定出力レベル(LW)より大きくせしめるように一時的に駆動される程度に設定され、
さらに、前記第一の部材(69,88)と前記第二の部材(70,89)との間には、前記第二の流体通過孔(83,97)から前記第二の流体室(79,95)内の流体が流出することによる前記第一の部材(69,88)に対する前記第二の部材(70,89)の相対位置の変化を停止せしめて、前記原動機(3)の出力を前記設定出力レベル(LW)に保持せしめるストッパ(74,91)を備えている、出力制御装置。 Prime mover (3),
An operation member (14) for controlling the output of the motor (3) , a non-operation position (P1) and a predetermined operation position corresponding to a predetermined set output level (LW) of the motor (3) (P2), an operating member (14) having:
In response to the operation of the operating member (14) to the predetermined operating position (P2), the output of the prime mover (3) is temporarily made larger than the set output level (LW) and thereafter the prime mover (3) An output control device comprising a transmission return mechanism (62, 85) for returning the output to the set output level (LW) and holding it;
The transmission return mechanism (62, 85)
A first fluid chamber (78, 94) and a second fluid chamber (79, 95) are defined between each other, and the volume of the fluid chamber (78, 94/79, 95) is changed by moving relative to each other. A first member (69, 88) and a second member (70, 89);
The first member (69, 88) and the second member (70, 89) are disposed between the first member (69, 88) and the relative position thereof corresponding to the non-operation position (P1) of the operation member (14). Urging means (84, 100) that always act so as to keep the initial state of
Large fluid passage holes (80, 96) for relatively quickly discharging the fluid in the first fluid chamber (78, 94);
A small fluid passage hole (83, 97) for discharging the fluid in the second fluid chamber (79, 95) relatively slowly;
A check valve (81, 98) that allows fluid to flow into the second fluid chamber (79, 95) when fluid is discharged from the first fluid chamber (78, 94);
With
The first member (69, 88) is operatively connected to the operation member (14) so as to be driven simultaneously with the operation of the operation member (14) to the predetermined operation position (P2).
The second member (70, 89) is constantly urged in a direction that reduces the output of the prime mover (3), and is driven against the urging force to thereby output the prime mover (3). Operatively connected to the prime mover (3) so as to increase
The flow resistance provided by the small fluid passage hole (83, 97) corresponds to the operation of the operation member (14), and the second member (70, 88) is integrated with the first member (69, 88). 89) is set to such an extent that it is temporarily driven so as to make the output of the prime mover (3) larger than the set output level (LW),
Further, between the first member (69, 88) and the second member (70, 89), the second fluid chamber (79) extends from the second fluid passage hole (83, 97). 95), the change in the relative position of the second member (70, 89) with respect to the first member (69, 88) due to the outflow of the fluid is stopped, and the output of the prime mover (3) is reduced. An output control device comprising a stopper (74, 91) for holding at the set output level (LW).
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