JP3828472B2 - Optical functional element - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ、光スイッチ、光フィルター、光変調器などとして用いられる光機能素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、従来の光機能素子では不可能だった光の制御を可能とする材料として、フォトニック結晶が大きな関心を集めている。フォトニック結晶とは、屈折率の異なる二つあるいはそれ以上の数の媒質を組み合わせた多次元周期構造のことである。図2はフォトニック結晶のうち、二次元フォトニック結晶と呼ばれるものの一例を示す図である。図2に示す二次元フォトニック結晶は誘電率ε1の媒質11に誘電率ε2の円柱22が三角格子状に配置されている(ε1>ε2)。紙面と平行な方向には円柱22の周期構造を有し、垂直方向の構造は一様な構造を持つものである。円柱22の部分が空洞の場合は場合はε2=1である。図2中のaは格子定数、rは円柱の半径を表す。
【0003】
フォトニック結晶を伝播する光の波数と周波数の関係を示した図をフォトニックバンド図という。図3は、図2の構造において、(ε1)1/2=3.5、ε2=1、r/a=0.45としたときのTMモードおよびTEモードに対するフォトニックバンド図を示す図である。ここでTMモードとは電場が紙面と垂直のモードのことを指し、TEモードとは電場が紙面と平行のモードのことを指す。縦軸は規格化周波数(ωa/2πc)、横軸は第1ブリルアンゾーン内で規格化した波数ベクトル(ka/2π)を表す。cは真空中の光速、ωは光の角周波数、kは波数をそれぞれ表す。図2の三角格子は六方対称に対応し、形成されるブリルアンゾーンは図3中に図示する正六角形構造である。正六角形の頂点がK点、各辺の中点がM点、波数が0である点がΓ点である。
【0004】
図3に斜線で示すように、特定の(規格化)周波数領域では第1ブリルアンゾーン全域に渡ってバンドが存在しない。これは、この帯域に対応する周波数の光はフォトニック結晶中を伝播できないことを意味する。このような、伝播が禁止された周波数帯域をフォトニックバンドギャップと呼ぶ。このフォトニックバンドギャップを利用すると従来の素子では不可能であった光の制御が可能とされ注目を集めている。
【0005】
このような特徴をもつフォトニック結晶は様々な分野への応用が期待されているが、特に光部品への応用を目的とした研究が盛んである。二次元フォトニック結晶中に線状あるいは点状の欠陥を導入し、導波路や他の光機能素子を作製すると、小型化・高性能化に著しい効果があるとされており、現在までに様々な素子が提案・研究されている。
【0006】
例えば【特許文献1】にはフォトニック結晶を用いた波長分波回路の例が示されている。この素子に於いては、基板に二次元フォトニック結晶を形成し、その屈折率分散の異方性を利用して、波長多重された光パルスを分波する。また、【特許文献2】にはフォトニック結晶を用いた光信号制御の例が示されている。この素子に於いては、基板に形成した二次元フォトニック結晶の上面にビームを設け、これを結晶の上面に引き付けたり、離したりして二次元フォトニック結晶を伝播する光信号を制御する。
【0007】
さらに、光スイッチや強度変調器などの光機能素子では、材質の屈折率・反射率その他物理定数を、外部からの電圧印加などによって変化させることにより、光の伝搬を制御する。フォトニック結晶を用いる場合も同様で、素子に機能性を持たせるためには、なんらかの外部からの制御が必要となる。この外部からの制御により、フォトニック結晶を用いた光スイッチや強度変調器などが提案されている。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−271541号公報
【特許文献2】
米国特許出願公開第2002/0021878号公報
【特許文献3】
特開平09−166606号公報
【特許文献4】
特開平11−330619号公報
【非特許文献1】
ジャーナル オブ マイクロエレクトロメカニカルシステムズ、Vol.6,No.1,1997 PP.10−17
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した【特許文献1】のような素子の外部からの制御方法としては、従来、材質の屈折率を変化させることが一般的に行われている。フォトニック結晶の材料の組み合わせとしては、高屈折率媒質にはシリコン(Si)や砒化ガリウム(GaAs)等の半導体、低屈折率媒質には空気や二酸化珪素(SiO2)を用いるのが一般的である。屈折率変化を得るためには、例えば、半導体への電界印加が考えられる。しかしその場合、効果的な電界印加のためには、複雑な電極構造が必要となる。また光機能素子を構成するほどの屈折率変化を得ようとすると、極めて大きな電圧を印加する必要がある。また屈折率変化を得る他の方法としては、半導体の熱光学効果を利用して屈折率制御を得る方法もある。しかしながらこの方法も、開示されている素子形態で有効な屈折率変化を得ようとすると大きく温度を変化させる必要があり、実現が難しい。
【0010】
また【特許文献2】のように、二次元フォトニック結晶の上面にビームを設けて、その位置を制御することによる信号制御では、その制御のメカニズムが明確でないと実際的な装置を構成する指針が得られない。
【0011】
本発明の目的は、比較的簡単な構成で、フォトニック結晶に対して外部からの制御を有効に行う構成および方法を提供し、例えば低い動作電圧で動作する高機能な光機能素子及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、フォトニック結晶を構成する構造体、すなわち、フォトニック結晶スラブ(2次元フォトニック結晶の厚さ方向を有限にした板状のフォトニック結晶構造)の上面に他の構造体を近接して配置した場合に、フォトニック結晶のバンド構造が変化することに着目し、その変化を詳細に解析して、両者の相対的な位置関係の制御の指針を具体的に提案する。
【0013】
図1は、本発明の光機能素子の基本構成を示す斜視図である。本発明では、フォトニック結晶スラブ11と該フォトニック結晶スラブ11の上面に平行に平板12を配置する。フォトニック結晶スラブ11には円柱22の周期構造が形成されている。ここで、上面とはフォトニック結晶スラブ11の周期構造を形成する円柱22の端面が表れている面を言う。フォトニック結晶スラブ11では、その一端に光が入射すると、フォトニック結晶特有のバンド構造に従い、フォトニック結晶スラブ11中を光が伝搬し、最後に反対側の端面から伝搬した光が出射するものであるが、前記平板12が、駆動装置13により操作される操作ロッド14を介してフォトニック結晶スラブ11の上面に対して、接近あるいは遠ざけられ、フォトニック結晶スラブ11内の光の伝播を制御する。なお、平板12は、図1では、フォトニック結晶スラブ11の上面に対して垂直に移動するものとしたが、これは、上面に対して所定の距離だけ離れた位置で左右に移動するものとされても良い。また、駆動装置13および操作ロッド14は、機械的に駆動するものに限らず、例えば、結晶スラブ11と平板12との間に作用する電界による駆動力である場合も含み、結晶スラブ11と平板12との間に何らかの力が作用させられることを意味するものである。
【0014】
図4(A),(B)は、シミュレーションによって求めたフォトニック結晶スラブ11のバンド構造の例を示す図である。この例の場合、フォトニック結晶スラブ11の媒質はSiとし、その屈折率は3.5、空孔三角格子からなり、aを格子定数として、空孔半径は0.3a、スラブの厚さは0.5aである。フォトニック結晶スラブ11の上面に平行に配置された平板12の媒質はSiとし、その厚さは0.5aとした。
【0015】
伝搬する光がTEモードの場合、ライトライン(Light line)41の下側に存在する分散曲線42に従って、フォトニック結晶スラブ11中を光が伝搬する。
【0016】
図4(A)は平板12が存在しない場合のフォトニック結晶スラブ11のバンド構造を示し、図4(B)は、第1の構造物であるフォトニック結晶スラブ11の上面に第2の構造物である平板12をフォトニック結晶の格子定数の1/10(=0.1a)の近さで配置したときのフォトニック結晶スラブ11のバンド構造を示す。図4(A)と図4(B)とを対比して分かるように、そのバンド構造が大幅に変化している。すなわち、フォトニック結晶スラブを伝搬する光は、その特性が大幅に変化する。
【0017】
たとえば、典型的な例として、フォトニック結晶スラブ11の媒質はSi、その屈折率は3.5、格子定数aを1μm、空孔三角格子からなり、空孔半径は300nm、スラブの厚さは500nmとし、平板12の媒質はSiとし、その厚さは0.5aとした場合、フォトニック結晶スラブ11の上面と平板12の距離を、100nmと非常に小さな値だけ変化した場合でも、フォトニック結晶スラブ11を伝搬する光の強度がほぼ1.0から0.1程度まで非常に大きく変化することが確認できた。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳述する。
【0019】
(実施例1)
図5(A)は、本発明による光機能素子の一実施例の構成の概念を示す平面図、(B)はそのA−A位置で矢印方向に見た断面図である。本実施例は、フォトニック結晶からなる第1の構造体としてフォトニック結晶スラブ11を用意し、円柱22の周期構造を形成する。円柱22は、具体的には空孔とした。第2の構造体として誘電体からなる平板12をフォトニック結晶スラブ11の上面に近接して設け、フォトニック結晶スラブ11と平板12との距離を変化させることによって、伝搬する光の強度と位相を変化させる構成である。光は、図に示すように、図の左方から入射し、右方から出射するものとする。
【0020】
この例では、フォトニック結晶スラブ11の媒質はSiとし、その屈折率は3.5、厚さ175nm、格子間隔350nm、空孔22の半径105nmの空孔三角格子からなるものとした。スラブ11の周辺は空気から構成される。光入射の方向は、三角格子のΓ―M方向であり、波長は1.55μmである。また、平板12は、屈折率3.5のSiとし、その厚さは175nmとした。
【0021】
図6は図5に示す構成で、フォトニック結晶スラブ11の上面と平板12との距離を変化させ、フォトニック結晶スラブ11を伝搬する光の透過率と位相変化をシミュレーションによって求めた結果を示す図である。図6の横軸は、フォトニック結晶スラブ11の上面と平板12との距離dで、左軸は、規格化された透過率、右軸は位相変化を示す。図から分かるように、光透過率は、距離dが小さくなるにつれてd=250nm付近から減少する。その後、d=80nm付近で最小値を取り、その後は一転して光透過率は増加する。平板とフォトニック結晶スラブが密着したd=0nmでは、光透過率は、ほとんどd>250nmでの光透過率、すなわち平板が無い状態の光透過率に戻ってしまうことが分かる。この現象は平板とフォトニックス結晶スラブとの距離dを変えたとき、実用に供しうる透過率の変化が得られる波長域で生ずる。
【0022】
このことは、新たに発見された点であり、かつ非常に重要な意味を持っている。すなわち、平板を単にフォトニック結晶スラブに密着させるだけでは、光透過率の変化を引き起こさせることは出来ない。図6の結果が得られた構成では、少なくともd=50nm以上平板とフォトニック結晶スラブを離しておかないと、効率的な光透過率の変調は制御できないことを示している。このように、平板12とフォトニック結晶スラブ11とを密着させず、ある距離離しておくことが本質である。勿論、ここに示したd=50nmの値は、平板やフォトニック結晶スラブの構造、材質に依存する量である。
【0023】
一方、出射光の位相は、距離dが50から80nmの範囲で大きく変化し、この前後で位相がπ変化することが分かる。このように、距離dを少しだけ変化させることによって、光透過率および位相の両者を大幅に変化させることが可能である。
【0024】
図7は、上述の大きな変化の起因を明らかにするため、フォトニック結晶スラブ11を伝搬する光の透過率をシミュレーションによって求めた図である。図7中の実線は平板12が無い場合、図7中の波線は平板12を、距離d=0.1aだけ離して設置した場合の結果である(aは格子定数)。このフォトニック結晶スラブ11は、三角空孔格子からなり、空孔の半径r=0.3a、スラブ厚さt=0.5a、スラブ屈折率は3.5、平板12の屈折率は3.5、厚さは0.5a、長さは6aとなっている。図7から、フォトニック結晶スラブ11を伝搬する光が平板12の存在によって大きく影響を受け、その特性が大きく変わっていることが分かる。とくに特徴的な点は、平板の存在によって、規格化周波数0.22から0.32付近に存在するバンドギャップ内に、透過ピークが現れることである。このように、平板12の存在によって、バンドギャップ内に新しい準位ができることが分かる。これは、フォトニック結晶のバンド構造が変わったことに対応する。このように、フォトニック結晶のバンド構造が変化することによって、フォトニック結晶を伝搬する光の伝搬の様子が大幅に変わることが重要であることが示された。
【0025】
図8は、図5に対応する構造を基礎として、作製した光機能素子の構造を示す斜視図である。フォトニック結晶スラブ11は、媒質は屈折率3.5のSi、空孔22を格子間隔350nm、空孔半径105nm、厚さ175nmとする空孔三角格子からなる。スラブ11の周辺は、空気から構成される。フォトニック結晶スラブ11は基板71の上に形成されるが、基板71との間に適当な空隙を形成するとともに、電気的に絶縁するために、SiO2層72を介して形成される。また、光ファイバ(図示しない)からの入射光をフォトニック結晶スラブ11に、効率良く導入し、フォトニック結晶スラブ11からの出射光を効率良く光ファイバ(図示しない)へ導くため、フォトニック結晶スラブ11の両側にリッジ型の導波路75を設けている。このリッジ型の導波路75は、厚みはフォトニック結晶スラブ層11と同じで、幅は3μmとした。
【0026】
平板12の厚さは175nmとし屈折率3.5のSiとしている。また、平板12の両端部はSiO層74を介してフォトニック結晶スラブ11の上面に対向するように配置される。これは、フォトニック結晶スラブ11と平板12とを電気的に絶縁するとともに、定常状態でフォトニック結晶スラブ11と平板12との距離を予定値に保つためである。この例では、これを0.5μmとした。また、平板12の両端部に近い部分には切り欠き12aおよび12bを設ける。これは平板12がフォトニック結晶スラブ11の上面と平行を保ちながら変形し易くするためである。ここで注意すべきは、平板12は、フォトニック結晶スラブ11の上面の上では、下面に空間的にSiO層が無く、ある範囲で自由に下方に動くことができ、フォトニック結晶スラブ11と平板12の距離を変えることができることである。
【0027】
フォトニック結晶スラブ11および平板12は導電性をもたせるためにリン(P)をドープされてn型とされている。また、それぞれ電極77、電極76を形成され、且つ、電極からリード線79,78が引き出されている。
【0028】
フォトニック結晶スラブ11に、三角格子のΓ―M方向から波長が1.55μmの光を入射させる。このとき、フォトニック結晶スラブ11および平板12ともに電圧が印加されていないと、両者の距離は0.5μmのままであるから、図6を参照して分かるように、規格化透過率はほぼ1.0である。一方、リード線79,78を介してフォトニック結晶スラブ11および平板12に電圧を印加すると両者の間に発生する静電気間の引力により、平板12はフォトニック結晶スラブ11の上面に引き付けられる。いま、リード線78,79から10Vの電圧を引加した場合、印加しなかった場合に比べて、素子の入射側および出射側に接続した光ファイバ間の光透過率は9dB減少した。この結果は、電圧を引加することによって、フォトニック結晶スラブと平板間の距離が減少し、シミュレーションで予測されたように、光透過特性が減少したことに対応する。
【0029】
本発明による光機能素子は、上述したように、光パルスの強度を変化する機能を有する光強度変調器であるのみならず、光位相変調器としての機能も有する。リード線78,79から15Vの電圧を引加した場合、印加しなかった場合に比べて、素子の出射端での光の位相がほぼπだけ変化した。このとき、電圧印加の前後での光透過率の変化は20%程度と少なく、位相のみを変化させることができる。これは、シミュレーションの結果である図6から、定性的に説明できる。すなわち、電圧印加前は、フォトニック結晶スラブ11と平板12との距離dが大きく、光透過率がほぼ100%で位相がほぼ0であるが、dを小さくしていき80nmを過ぎてさらに0に近くなると、光透過率はほぼ100%に戻るのに対し、位相はほぼπだけ変化したままである。すなわち、本発明による素子は、低損失で超小型の位相変調器として機能する。
【0030】
図9(A)−(F)は、図8に示す光機能素子の構造を実現するプロセスの一例の主要部を示す断面図(一部平面図を含む)である。これらの断面図は図8のB−B位置で矢印方向に見た断面である。
【0031】
まず、図9(A)に示すように、基板71を形成するためのSi基板71の上にSiO膜72を形成し、その上に、フォトニック結晶スラブ11を形成するためのSi層11を有するSOI(Silicon on Insulator)を用意する。SiO膜72の厚さは、0.5μm、Si層11の厚さは、175nmである。Si層11にはPをドープする。
【0032】
次に、図9(B1)に示すように、電子ビーム露光法と気相エッチング法により、空孔22を格子間隔350nm、空孔半径105nmで空孔三角格子をSi層11に形成し、フォトニック結晶スラブ11を作製する。図9(B2)に、この平面図を示す。
【0033】
その後、図9(C)に示すように、バイアススパッタ法により、フォトニック結晶スラブ11を埋め込む形でSiO膜74を形成する。このときSiO膜74はフォトニック結晶スラブ11の上面から、0.5μmの厚さとなるようにした。
【0034】
この工程の後、図9(D)に示すように、スパッタ法によりSiO2膜74の上に平板12を形成するためのSi層12を厚さ175nmで形成する。Si層12にはPをドープする。
【0035】
次いで、図9(E1)に示すように、電子ビーム露光法と気相エッチング法により、平板12および切り欠き12a、12bを形成する。図9(E2)に、この平面図を示す。
【0036】
その後、図9(F)に示すように、弗酸系エッチング液により、SiO2膜74とSiO2膜72を取り除き、図8に示す構造を形成する。このとき、フォトニック結晶スラブ11を支えることになるリッジ型の導波路75部分のSiO2膜72およびフォトニック結晶スラブ11の光路と平行する側面部および平板12を支えることになる平板12の端部の支持用のSiO2膜74は、SiO2層を残す様にエッチング時間を調節する。実際的には、導波路75部分および平板12の端部の領域は、フォトニック結晶スラブ11の光が伝搬する領域に比べて圧倒的に大きいので、エッチング時間の調整は容易である。なお、平板12の端部の支持用のSiO2膜74は、断面位置では除去されているので、断面を示すハッチングは付されていない。最後に、Si層11、12へ電極を形成し、リード線79,78を取り付ける。
【0037】
なお、図6の特性から分かるように、フォトニック結晶スラブ11と平板12との間隔は、吸引状態では、極めて小さいので、図9(F)に示す過程で図8に示す構造を形成した後、フォトニック結晶スラブ11上にSiO2の微細粒子(粒径が80nm程度)を散布してスペーサとするのが良い。
【0038】
(実施例2)
実施例1では、図9に示したプロセスで光機能素子を作製したが、ここでは別の作製方法を例示する。図10は、第1の構造体であるフォトニック結晶スラブの材料としてGaAsを用い、第2の構造体である平板としてSiを用いた場合の作製プロセスを示す図である。
【0039】
まず、図10(A)に示すように、GaAs基板91上に、AlAs層92と最終的にフォトニック結晶スラブとなるGaAs層93をエピタキシャル成長する。AlAs層92の厚さは、0.5μm、GaAs層93の厚さは、175nmである。GaAs層93にはSiをドープする。
【0040】
次に、図10(B)に示すように、電子ビーム露光法と気相エッチング法により、格子間隔350nm、空孔半径105nmの空孔22の三角格子をGaAs層93に形成し、フォトニック結晶スラブ11を作製する。
【0041】
その後、図10(C)に示すように、AlAsのみを選択的にエッチングするエッチング液を用いて、フォトニック結晶スラブ11とGaAs基板91との間のAlAs層92を除去する。この場合も、実施例1と同様、導波路75部分およびフォトニック結晶スラブ11の支持部となるAlAs層92の端部の領域は、フォトニック結晶スラブ11の光が伝搬する領域に比べて圧倒的に大きいので、エッチング時間の調整で容易に残すことができる。
【0042】
一方、図10(D)に示すように、第2の構造体である平板12を形成するためのSi基板95の表面にSiO層96を形成する。Si基板95にはPをドープする。SiO層96の厚さは、0.5μmとした。
【0043】
次に、図10(E)に示すように、通常の光露光法と弗酸系エッチングにより、平板12をフォトニック結晶スラブ11上に支えるSiO2層96を成形する。
【0044】
その後、図10(F1)に示すように、バックエッチング法により、Si基板95の背面99を削り、Si層98を厚さ175nmの厚さで残す。このSi層98は、図8に示す平板12に対応する。ここで、Si基板95の両側面は残し、張り合わせ操作のための保持部として使用する。そのため、この過程の後、Si層98の両側に、切り欠き12a、12bと同様に切り欠き98a、98bを作成する。勿論、Si層98には、図8に示す切り欠き12aおよび12bをも作成する。図10(F2)に、下面から見た図を示す。
【0045】
その後、図10(G)に示すように、図10(C)に示す第1の構造体であるフォトニック結晶スラブ11の上に、図10(F1)に示す第2の構造体である平板98を上下逆にして、張り合わせる。最後に、電極等を形成し、図8に示す素子構造を作製した。
【0046】
実施例2によれば、GaAs基板91上にフォトニック結晶スラブ11を作製する過程と、平板12に対応するSi層98の作成過程とを分離することができるので、両者の張り合わせの位置合わせが必要ではあるが、それぞれを高精度に作成することができる。また、個々の材料、構造の自由度が高くなる。
【0047】
なお、張り合わせ操作のための保持部として使用するSi基板95の両側面を切り欠き12aおよび12bと平行になる面に作成するものとすれば、実施例2のSi層98には、切り欠き98a、98bを作成することは必要なくなる。
【0048】
(実施例3)
実施例2では、第1の構造体であるフォトニック結晶スラブ11の材料としてGaAsを用い、第2の構造体である平板12としてSiを用いた場合を例示した。そして、フォトニック結晶スラブ11の部分と平板12の部分とを別に形成して貼り付ける構成とした。ここでは、図11に示すように、フォトニック結晶スラブ11を形成するためのGaAs基板91自体を第2の構造体として用いる場合を示す。したがって、この例では、フォトニック結晶スラブ11が基板91に対して移動するものとなる。
【0049】
まず、図11(A)に示すように、GaAs基板91上に、絶縁層となるAlAs層92と最終的にフォトニック結晶スラブとなるGaAs層93をエピタキシャル成長する。AlAs層92の厚さは、0.5μm、GaAs層93の厚さは、175nmである。GaAs基板91およびGaAs層93にはSiをドープする。
【0050】
次に、図11(B)に示すように、電子ビーム露光法と気相エッチング法により、格子間隔350nm、空孔半径105nmの空孔22の三角格子をGaAs層93に形成し、フォトニック結晶スラブ11を作製する。
【0051】
その後、図10(C)に示すように、AlAsのみを選択的にエッチングするエッチング液を用いて、フォトニック結晶スラブ11とGaAs基板91との間のAlAs層92を除去する。この場合も、実施例1と同様、導波路75部分およびフォトニック結晶スラブ11の支持部となるAlAs層92の端部の領域は、フォトニック結晶スラブ11の光が伝搬する領域に比べて圧倒的に大きいので、エッチング時間の調整で容易に残すことができる。
【0052】
このような構成で、基板91とフォトニック結晶スラブ11のそれぞれに電極を設けて、電圧を印加すると、今度はフォトニック結晶スラブ11自体が撓み、基板91との距離を変化させることができた。この結果、フォトニック結晶スラブ11を伝搬する光の強度の変化が観測され、基板を第2の構造体とする場合でも、第1の構造体と第2の構造体との相対的な位置を変化させ、第1の構造体の特性を変化させることが可能であることが示された。なお、この場合、リッジ型の導波路75部分は変形しないから、図示しないファイバーからの光の導入には支障が無い。
(実施例4)
実施例4は、実施例2と同様の張り合わせ法による素子構造の作製であるが、別の形で実現する例を示す。実施例2と同様に、第1の構造体であるフォトニック結晶スラブの材料としてGaAsを用い、第2の構造体である平板としてSiを用いた場合の作製プロセスを示す。
【0053】
まず、図12(A)に示すように、GaAs基板91上に、AlAs層92と最終的にフォトニック結晶スラブとなるGaAs層93をエピタキシャル成長させる。AlAs層92の厚さは0.5μm、GaAs層93の厚さは175nmである。GaAs層93にはSiをドープする。
【0054】
その後、図12(B)に示すように、第2の構造体となる平板12を支持するためのSiO2層96を、エピタキシャル成長させたGaAs層93の上に気相化学成長法により形成する。
【0055】
さらに、図12(C)に示すように、光露光法と気相エッチング法により、フォトニック結晶スラブ11を形成する領域を所定の厚さまでエッチングする。このとき、平板12をフォトニック結晶スラブ11上に支えるSiO2層96もパターン化して同時に形成する。平板12の支持のために残された部分は、平板12の両側端部に対応する位置にあるため、この図では、断面を示すハッチングは付されていない。
【0056】
次に、図12(D1)に示すように、電子ビーム露光法と気相エッチング法により、GaAs層93のフォトニック結晶スラブ11を形成する領域に、格子間隔350nm、空孔半径105nmの空孔三角格子を形成し、フォトニック結晶スラブ11を作製する。図12(D2)に平面図を示す。なお、平面図では平板12の支持のために残されたGaAs層93はSiO2層96の下になっていて図面には現れない。
【0057】
その後、図12(E)に示すように、AlAs層92のみを選択的にエッチングするエッチング液を用いて、フォトニック結晶スラブ11の下面を空気層にする。このとき、フォトニック結晶スラブ11の支持部となる領域を残すのは前記の実施例1、2と同様である。
【0058】
一方、図12(F)に示すように、第2の構造体である平板12の形成のために、Si基板95を用意する。このSi基板95にはPをドープする。
【0059】
その後、図12(G)に示すように、バックエッチング法により、Si基板95の背面99を削り、Si層98を厚さ175nmの厚さで残す。この過程の後、切り欠き98aおよび98bを作成する。このSi層98は、図8に示す平板12に対応する。ここでも、図による説明を省略するが、Si層98には、切り欠き12aおよび12bを作成する。なお、張り合わせ操作のための保持部として使用するSi基板95の両側面を切り欠き12aおよび12bと平行になる面に作成するものとすれば、実施例4のSi層98も、切り欠き98a、98bを作成することは必要なくなる。
【0060】
その後、図12(H)に示すように、図12(E)に示す第1の構造体であるフォトニック結晶スラブ11の上に、図12(G)に示す第2の構造体である平板98を上下逆にして、両者を張り合わせる。最後に、電極等を形成し、図8に示す素子構造を作製した。
【0061】
実施例4によれば、GaAs基板91上にフォトニック結晶スラブ11を作製する過程と、平板12に対応するSi層98の作成過程とを分離することができるので、両者の張り合わせの位置合わせが必要ではあるが、それぞれを高精度に作成することができる。また、個々の材料、構造の自由度が高くなる。
【0062】
(実施例5)
実施例5は、実施例4と同様の張り合わせ法による素子構造の作製であるが、第2の構造体である平板12を別の形で実現する例を示す。図12(A)−図12(E)により、GaAs基板91上にフォトニック結晶スラブ11と平板12を保持する部分を作製する過程までは、実施例4と同様である。
【0063】
まず、図13(A)に示すように、Si基板95の上にSiO膜92とSi層97を有するSOI基板を用意する。SiO膜92の厚さは0.5μm、Si層97の厚さは175nmである。Si層97はPをドープする。
【0064】
次に、図13(B)に示すように、実施例4の切り欠き98aおよび98bに対応する切り欠き97aおよび97bをSi層97に電子ビーム露光法と気相エッチング法により形成する。このSi層97は、図8に示す平板12に対応する。ここでも、図による説明を省略するが、Si層97には、この過程の後、切り欠き12aおよび12bを作成する。
【0065】
次に、図13(C1)に示すように、弗酸系エッチング液でSiO2層92を両端の支持部を除いてエッチングする。図13(C2)に側面図を示す。残されたSiO2層92は、断面図の位置では存在しないが、側面図では、両端に表示されている。
【0066】
その後、図13(D)に示すように、バックエッチング法により、Si基板95の背面99を削り、Si層98を適当な厚さで残す。なお、張り合わせ操作のための保持部として使用するSi基板95の両側面を切り欠き12aおよび12bと平行になる面に作成するものとすれば、実施例5のSi層97も、切り欠き98a、98bを作成することは必要なくなる。
【0067】
その後、図13(E)に示すように、実施例4の図12(E)に示すように別途作製されたフォトニック結晶スラブ11を有する部分と接合する。
【0068】
実施例5は、実施例4と比較すると、工程は増えるが、平板12に対応するSi層97をSOI基板を基礎に形成するので、その厚さを精密に管理することができる。また、個々の材料、構造の自由度が高くなる。
【0069】
なお、実施例5では、平板となる板部98と、保持部となるSi基板95との間に電圧を印加して、フォトニック結晶スラブ11と板部98との距離を変化させるものとしても良い
(実施例6)
実施例6は、実施例4と同様の張り合わせ法による素子構造の作製であるが、第2の構造体である平板12を実施例5とは別の形で実現する例を示す。図12(A)−図12(E)により、GaAs基板91上にフォトニック結晶スラブ11と平板12を保持する部分を作製する過程までは、実施例4と同様である。
【0070】
まず、図14(A)に示すように、Si基板95の上にSiO膜92を形成する。SiO膜92の厚さは0.5μmである。
【0071】
次に、図14(B1)に示すように、平板12の中央の可動部に対応する部分に対応する部分が残るように、SiO2膜92をパターニングする。図14(B2)に平面図を示す。すなわち、平板12のパターンに対応する破線の内、薄いドットを付した部分のみのSiO2膜92を残す。
【0072】
次に、図14(C)に示すように、SiO2膜92の上からSi層97をスパッタ法で、Si基板95の露出している面を含めて、Si層97が平坦になるように形成する。この結果形成されるSi層97の厚さはSiO2膜92の上で175nmである。Si層97にはPをドープする。
【0073】
次に、実施例4の切り欠き98aおよび98bに対応する切り欠き97aおよび97bをSi層97に電子ビーム露光法と気相エッチング法により形成する。このSi層97は、図8に示す平板12に対応する。ここでも、図による説明を省略するが、Si層97には、この過程の後、切り欠き12aおよび12bを作成する。
【0074】
次に、図14(D)に示すように、弗酸系エッチング液でSiO2層92をエッチングして除去する。また、バックエッチング法により、Si基板95の背面99を削り、Si層98を適当な厚さで残す。なお、張り合わせ操作のための保持部として使用するSi基板95の両側面を切り欠き12aおよび12bと平行になる面に作成するものとすれば、実施例6のSi層97も、切り欠き98a、98bを作成することは必要なくなる。
【0075】
その後、図14(E)に示すように、実施例4の図12(E)に示すように別途作製されたフォトニック結晶スラブ11を有する部分と接合する。
【0076】
図14(D)と図13(D)を対比して分かるように、実施例6は、実施例5に対して、平板12の可動部に対応する位置にのみSiO2層92を残すから、他の部分は、全てSi層97となる点においてのみ異なる。
【0077】
実施例6も、実施例5と同様、実施例4と比較すると、工程は増えるが、平板12に対応するSi層97を別に形成するので、その厚さを精密に管理することができる。また、個々の材料、構造の自由度が高くなる。
【0078】
(実施例7)
実施例1では、フォトニック結晶からなる第1の構造体と第1の構造体に近接した第2の構造体がそれぞれ一つずつの場合であったが、両者の構造体が複数の場合でも有効な光機能素子としての特性が得られる。図15は、実施例7の一例を示す斜視図である。
【0079】
図15では、図8に示す構造を基礎とし、フォトニック結晶スラブ11の上に第2の構造体としての誘電体からなる平板121、122を2個、カスケードに形成した場合である。図15には図8に対応する要素の内主要なものに同じ参照番号を付すとともに、同じ機能のもので2つあるものに対しては、下付の1,2を付して区別した。図15に示す光機能素子の各要素のデータは、図8で説明したそれらと同じで良い。
【0080】
実施例7では、第1の平板121によって光透過率を減少させることができるが、第2の平板122によってさらに光強度が大幅に減少させられることが明らかになった。両方を透過した光の減衰率は20dBと大きな値であり、複数の第2の構造体の存在によって大幅に特性が向上している。このように、複数の構造体を用いることは、単一の第2の構造体の形状や大きさに制限が加わる場合とくに有効である。また、構造体を複数にすることは、フォトニック結晶からなる第1の構造体に様々な制限がある場合にも有効であることは勿論である。また、第1の構造体の形状や大きさの制限ばかりでなく、異なった機能を引き出す場合、とくに異なる波長の光を独立にオンオフする場合、複数の構造体の存在は有効である。
【0081】
(実施例8)
本発明による光機能素子は、第1の構造体が、1次元フォトニック結晶、フォトニック結晶スラブを含む2次元フォトニック結晶および3次元フォトニック結晶のいずれの場合であっても実現できる。第1の構造体が2次元フォトニック結晶であるフォトニック結晶スラブの場合について、実施例1から実施例7に記述した。図16は第1の構造体が1次元フォトニック結晶の場合の実施例を示す斜視図である。
【0082】
図16で、161はSiO2基板であり、162の領域は、Si層とSiO2層をSiO2基板161上に交互に10層を積層した1次元フォトニック結晶である。Si層の厚さを0.2a、SiO2層の厚さを0.8aとした。aは、格子定数である。また、最上層はSi層とした。1次元フォトニック結晶層の最上面には、第2の構造体が配置されるが、この構造は、図8で説明したものと同等の構造であり、同じ参照符号を付した。平板12はSiからなり厚さをaとした。また、1次元フォトニック結晶層の最上面のSi層および平板12はPをドープされる。1次元フォトニック結晶層の最上面のSi層および平板12は電圧印加前の1次元フォトニック結晶162と平板12との距離は、aとした。
【0083】
光は図の矢印の方向に入射し、出射する。波長1.55μmの光を入射したところ、aが0.54μmの時、透過率50%が得られた。次に、10Vの電圧を印加して、1次元フォトニック結晶162と平板12との距離を80nmに制御したところ、透過率が2.5%に大きく減少した。このように、電圧の印加によって、光強度のオンオフができる光変調器が得られた。
【0084】
(実施例9)
図17は3次元フォトニック結晶で本発明を実現した場合の実施例の概念を示す斜視図である。図17は、図8に示された素子で、フォトニック結晶スラブ11を3次元角材積層型フォトニック結晶171で置き換えたものである。図では平板12の部分と3次元角材積層型フォトニック結晶171との関係が具体的に開示されていないが、図8と同様、フォトニック結晶スラブ11の構造部分を3次元角材積層型フォトニック結晶171で置換して、その周辺部に平板12を配置することで良い。
【0085】
3次元角材積層型フォトニック結晶171は、それを構成する微細角材を1本抜いて、その抜いた部分を光が伝搬するようにしている。また、微細角材を抜いた層の上には1層の角材層のみを形成して、3次元角材積層型フォトニック結晶171の上部にエバネッセント波が存在するようにした。3次元角材積層型フォトニック結晶の周期は0.7μm、角材の幅と厚みは0.2μmとし、角材はSiで作製した。この場合も、SiにはPをドープして素子への電圧印加により、光透過率の制御ができるようにした。素子への電圧印加により変調が見られ、光変調器として機能していることが示された。
【0086】
(実施例10)
本発明による光機能素子は、フォトニック結晶中に欠陥を持たせることによって種々の特徴を持つものが実現できる。実施例10は、図8に示す構造を基礎として、欠陥として線欠陥181を含む2次元フォトニック結晶スラブ11とした例である。
【0087】
図18は線欠陥181を含む2次元フォトニック結晶スラブ11の平面図を示す図である。2次元フォトニック結晶スラブ11の媒質はSiであり、空孔22の一列を取り除いて線欠陥181としている。平板12は、丁度、線欠陥181の上に来るように作製したが、図では、平板12の表示は省略した。光は左の矢印の方向から入射し、右の矢印の方向へ出射する。
【0088】
図18に示す2次元フォトニック結晶スラブ11の構造による光機能素子の特性を測定した。その結果、10Vの電圧を引加した場合、印加しなかった場合に比べて、素子の入射側および出射側に接続した光ファイバ間の光透過率は12dB減少した。この結果は、電圧を引加して、フォトニック結晶スラブ11と平板12間の距離を80nmまで減少させることによって、光透過特性が減少したことに対応する。
【0089】
図19は、図18と線欠陥が異なる場合の2次元フォトニック結晶スラブ11の平面図を示す。この例では、上述の線欠陥181の一部に点欠陥182が形成されている場合のフォトニック結晶スラブを示したものである。
【0090】
図19に示す2次元フォトニック結晶スラブ11の構造による光機能素子の特性を測定した。その結果、8Vの電圧を引加した場合、印加しなかった場合に比べて、素子の入射側および出射側に接続した光ファイバ間の光透過率は12dB減少した。この結果は、線欠陥の場合と同じように、電圧を引加して、フォトニック結晶スラブ11と平板12間の距離を80nmまで減少させることによって、光透過特性が減少したことに対応する。
【0091】
以上示したように、線欠陥、点欠陥等の欠陥を含むフォトニック結晶の場合も、フォトニック結晶からなる第1の構造体と第1の構造体に近接した第2の構造体の位置を所定の値まで近づけることによって、第1の構造体の特性を変化させることができる。
【0092】
(実施例11)
本発明による光機能素子は、上述の実施例では、第2の構造体をPをドープしたSiあるいはSiをドープしたGaAsの例で説明したが、これらは、導電性を持たせた他の半導体、例えば、Ge,InP,GaN等の半導体の場合も上述した実施例と同様な特性が得られる。半導体に代えて、SiO2ガラス、LiNbO3等の誘電体であっても良い。さらには、金属、磁性体あるいは半導体、誘電体も含めたそれらの複合体であっても良い。
【0093】
上述の実施例では、しかしながら、第2の構造体の変位の制御を第1の構造体との間の電位によって行うものとしたので、通電ができない誘電体の場合には工夫が必要である。例えば、第2の構造体である誘電体からなる平板を、通電可能な半導体平板の下に貼り付けることによって、位置の制御をすることが可能である。すなわち、半導体平板と第1構造体であるフォトニック結晶との静電気力によって両者の位置の変化を引き起こし、それに伴って半導体平板に貼り付けてある誘電体平板の位置も変化させることができる。
【0094】
さらに、第2の構造体として金属を用いた場合についてみると、光の吸収量が他の半導体や誘電体と比べて非常に大きい。このため、光強度変調器として用いた場合、消光比が大きく取れる。検討の結果、図8に示した素子構造で、平板12としてAlを用いた場合、10Vの電圧引加に対して、印加しなかった場合に比べて、素子の入射側および出射側に接続した光ファイバ間の光透過率は18dBと非常に大きな減少を示した。
【0095】
以上示した材料は、適用できる材料の一部を示したもので、他の誘電体、半導体、金属材料でも勿論適用可能であることは言うまでもない。
【0096】
(実施例12)
実施例12に示す光機能素子は、第2の構造体がフォトニック結晶からなることを特徴とする。
【0097】
図20は、実施例12の光機能素子の構成を示す斜視図である。この実施例12では、図8に示す光機能素子と基本的に同じ構造とし、第2の構造物である平板12がフォトニック結晶スラブから構成されている点において異なる。この場合、平板12のフォトニック結晶スラブは、第1の構造体であるフォトニック結晶スラブ11と同じ厚さ、同じ格子定数、同じ空孔半径とした。
【0098】
実施例12の光機能素子の特性は以下の通りであった。リード線78,79から5Vの電圧を引加した場合、印加しなかった場合に比べて、素子の入射側および出射側に接続した光ファイバ間の光透過率は10dB減少した。この結果は、電圧を引加することによって、フォトニック結晶スラブと平板間の距離が減少し、光透過特性が減少したことに対応する。また、この結果は、実施例1に示した結果より低電圧で動作しており、第2の構造体である平板がフォトニック結晶スラブになったことによって、第1の構造体と第2の構造体の距離が比較的大きくても、両者の相互作用が保たれることを意味する。すなわち、実施例12の方が実施例1の構造より低い電圧で制御ができることになる。
【0099】
(実施例13)
実施例13に示す光機能素子は、第1及び第2の構造体の相対的な位置の変化を櫛歯電極を利用したマイクロアクチュエーターを用いて行うことを特徴とする。
【0100】
図21(A1)は、実施例13の光機能素子によりマッハ・ツエンダー型光変調器を構成した例を示す平面図である。基板71の右側部分上面にはフォトニック結晶スラブ11が構成され、左側部分上面には櫛歯電極を利用したマイクロアクチュエーター220が形成されている。図21(A2)は参考のために、この側面図を示す。
【0101】
フォトニック結晶スラブ11はSiで形成され、格子間隔350nm、空孔半径105nmの空孔22の空孔正方格子からなり、厚さは175nmである。この空孔正方格子に、図に示すように、マッハ・ツエンダー型の線欠陥導波路を形成する。光は、矢印に示すように入出射する。このマッハ・ツエンダー型導波路の2本の線欠陥導波路の内、片方の導波路の上に、第2の構造体である平板12が存在したりしなかったりするように制御される。図21(A1)は導波路の上に平板12が存在しない場合であり、図21(B)は平板12が存在する場合である。平板12は、Siから形成され、厚さ175nmである。平板12とフォトニック結晶スラブ11との間隔は、150nmとした。
【0102】
平板12の移動を制御する櫛歯電極を利用したマイクロアクチュエーター220は【特許文献3】に開示された静電アクチュエーターを利用した。枠部221に支持された固定電極223が形成され、同じく枠部221を固定部分とする板バネ225および227が形成される。板バネ225および227の可動部には可動軸229が結合される。可動軸229の先端の自由端が平板12とされる。可動軸229には、また、可動電極224が結合される。固定電極223および可動電極224に設けられた相互に入り組んだ櫛歯電極間に作用する駆動力は、それぞれ、板バネ225および227をたわませるので、可動軸229の先端の平板12は図の右方向に移動される。この結果図21(B)に示すように、導波路の上に平板12が存在することになる。
【0103】
このとき、固定電極223および可動電極224間の電圧を制御して、図21(A1)および図21(B)のように、マッハ・ツエンダー型導波路の2本の線欠陥導波路の両方に平板12がかかっていない場合と、一方の導波路の真上に存在するときの光出力は、異なるものとなった。すなわち、図21(A1)に示すように、平板12を導波路の上部から完全にずらした場合の光出力に比べて、図21(B)のように一方の導波路の真上に平板12が存在するときの光出力は10dB小さくなっている。これは、平板の存在によって、導波路の一方を伝搬する光の位相が、πだけ変化していることを示す。このように、第2の構造体である平板12を上下方向に移動するだけでなく、横方向に移動することによって、光機能素子の出力特性を変化させることが可能である。
【0104】
実施例13の櫛歯電極を利用したマイクロアクチュエーター220は【特許文献3】に開示されているように、これ自体を独立のものとして作成できるので、その厚さに対応して基板71の左側部分を掘り下げる等により、平板12とフォトニック結晶スラブ11との間隔は、容易に管理できる。
【0105】
(実施例14)
上述した実施例13では、マイクロアクチュエーター220の可動軸229の先端に平板12を設け、これを横方向に移動させる場合を示した。実施例14では、櫛歯自体を平板12の働きをするものとした光機能素子の例を示す。図22(A)は無制御状態の実施例14の光機能素子の斜視図であり、図22(B)はアクチュエーターの櫛歯に電圧を印加して制御した状態の斜視図である。なお、図22(B)では、フォトニック結晶スラブ11の空孔正方格子を分かりやすく表示するためにアクチュエーターの枠部を省略して表示した。
【0106】
図22(A)において、71は基板であり、この上面にフォトニック結晶スラブ11が構成される。22は空孔である。ここでは、図8で説明したSiO2層72等は表示を省略した。第1の構造体であるフォトニック結晶スラブ11は、Siで形成され、格子間隔350nm、空孔半径105nmの空孔正方格子からなり、厚さは175nmである。この空孔正方格子は、図22(B)に示すように、直線上の結合欠陥導波路を形成してあるが、図22(A)ではアクチュエーターの枠部のために見えなくなっている。欠陥は、空孔22の無い状態に対応し、空孔3個につき欠陥1個の割合で結合欠陥導波路を形成した。光は、矢印のように入出射する。
【0107】
基板71の上面にはアクチュエーターが構成される。231はアクチュエーターの枠部であり、固定電極235の支持部233が左側に設けられている。枠部231の反対部には可動電極239間の支持部237が設けられている。支持部237は、基板71からは離れており、ばね片としての237aおよび237bにより枠部231に結合されている。固定電極235および可動電極239は相互に入り組んだ櫛歯とされている。櫛歯電極部分がちょうど導波路の欠陥部分の真上に来るように設置する。両櫛歯電極はリンをドープしたSiで作製し、厚さは175nmとした。両者の間に電圧を印加すると可動電極239が図22(B)に示すように、上側に移動し、フォトニック結晶スラブ11との距離が大きくなった。すなわち、可動電極239を平板12に対応するものとした。ここで、
固定電極235および可動電極239は、【特許文献3】に説明されているように、枠部231によって短絡されないように工夫するのは当然である。その結果、伝搬する光の群速度の波長依存性が変化し、群速度分散が10ps/nm/mm程度変化した。このように、実施例14の機能素子は、群速度分散量が可変な分散補償素子としての機能がある。
【0108】
櫛歯の上下方向の移動を利用した分散補償素子は分散量を可変にすることが可能であり、素子に入射した光パルスの時間幅を短くすること、すなわちパルス圧縮の機能も存在する。また、長距離光ファイバを伝搬してパルスが拡がってしまった光パルス信号を、本機能素子によって、元のパルス幅に修復する機能も存在する。
【0109】
(実施例15)
平板12をマイクロアクチュエーターによってフォトニック結晶スラブ11の上下に移動させる他の例を図23に示す。
【0110】
図23は実施例15の構成を断面図の形で示す図である。基板71の上面にSiO2層72を介してフォトニック結晶スラブ11を形成する。一方、基板71の上面にマイクロアクチュエーター220の保持手段となる板241を設ける。マイクロアクチュエーター220の可動軸229がフォトニック結晶スラブ11の上面に対して垂直に移動するように、マイクロアクチュエーター220を板241により保持し、可動軸229の先端部に平板12を設ける。
【0111】
実施例14で説明したように、この櫛歯電極を利用したマイクロアクチュエーター220は【特許文献3】に開示されているように、これ自体を独立のものとして作成できるので、基板71の上面に設けた板241に容易に取り付けることができる。そのため、平板12とフォトニック結晶スラブ11との間隔の管理も容易にできる。
【0112】
(実施例16)
次に、マイクロアクチュエーターの他の一例として、スクラッチアクチュエーターを用いた場合を例示する。図24は実施例16の構成を示す斜視図である。実施例16で採用したスクラッチアクチュエーターは【非特許文献1】の論文"Scratch Drive Actuator with Mechanical Links for Self-Assembly of Three-Dimensional MEMS"に紹介されているように、導電性の基板上に導電性のポリシリコンからなる可動板を絶縁して設置する。また、可動板の一端には基板と係合する爪を持たせる。そして、基板と可動板との間に正負に変化する矩形波の電圧を加えることによって、可動板が一定方向に移動するものである。電圧を停止すると、可動板に作用しているバネの復元力により移動したのと反対方向に引き戻されるものである。
【0113】
図24を参照して、基板71の右側上面にフォトニック結晶スラブ11を形成する。フォトニック結晶スラブ11は、Siで形成され、格子間隔350nm、空孔半径105nmの空孔22からなる空孔正方格子からなり、厚さは175nmである。ここでも、実施例13と同様にマッハ・ツエンダー型導波路の2本の線欠陥導波路を持つものとしている。図に矢印で示すように光が入出射する。一方、基板71の左側上面には平板12を導波路の上への移動を制御するスクラッチアクチュエーター250を配置する。平板12は、幅5μm、厚さ1μmとし、平板12とフォトニック結晶スラブ11との間隔は300nmとした。スクラッチアクチュエーター250は上述したように、導電性の基板251および導電性の可動板253が備えられる。導電性の基板251の上面には絶縁層が形成されているが図示は省略した。また、可動板253の一端には爪255が形成されている。爪255の自由端側に、平板12が連結されている。先に述べたように、導電性の基板251と導電性の可動板253との間に正負に変化する矩形波の電圧を加えると、可動板253は図の右側に移動する。電圧印加を止めると、図示しないが、可動板253に作用しているばね力により図の左側に初期の位置まで引き戻される。
【0114】
可動板253の初期の位置で、平板12がマッハ・ツエンダー型導波路の2本の導波路の内、片方の導波路に近接した位置にあるようにした。導電性の基板251と導電性の可動板253との間に正負に変化する矩形波の電圧を短時間加えると、平板12が片方の導波路を完全に覆う位置に移動する。電圧を切ると、今度は、可動板253がスプリングの力によって、初期位置に戻るから、平板12も片方の導波路に近接した位置に戻る。
【0115】
このような矩形波の電圧印加によって、平板12をマッハ・ツエンダー型導波路の1本の導波路の上に移動させあるいは導波路に近接した位置にあるように制御することにより、出射光の出力を11dB変化させることが出来た。これは、実施例16に示した光機能素子が、光変調器としての機能を持つことを示すものである。
【0116】
(実施例17)
本発明による光機能素子は、波長多重された光信号から特定の波長の光信号のみを選択して空間的に分離する波長分離器、あるいは特定の波長の光信号を波長多重された光信号に加える波長合波器の機能を持つものとすることができる。
【0117】
図25は、波長分離器を構成する、PをドープしたSiからなるフォトニック結晶スラブ11の実施例を上面から見た図である。図は簡略化してフォトニック結晶スラブ11のみを示したが、全体構成は、図8に示す光機能素子の構造と同等であり、空孔22の大きさと格子定数は同じである。実施例17のフォトニック結晶スラブ11は空孔22が正方格子を構成するフォトニック結晶である。
【0118】
このフォトニック結晶スラブ11には、線欠陥からなる導波路261がある。この導波路261には、矢印263から波長多重された光パルス信号が入射し、矢印264へ出射する。この波長多重化された光パルスは、光通信ネットワークを形成する光ファイバ(図示しない)から導入され、このフォトニック結晶スラブを通過した後、再び光ファイバへ導かれる。フォトニック結晶スラブ11には、もう一つ線欠陥からなる導波路262が存在し、これには矢印265から光が入射可能で、矢印266から光が出射可能である。ここで、破線12で示すのは、平板12が近接して配置される位置である。この位置では、導波路262が導波路261に空孔22の1層分離れただけの近い位置を通るようになされている。
【0119】
矢印263から波長1.5,1.6および1.7μmの10Gb/sの光パルスを入射したところ、フォトニック結晶スラブ11と平板12との間に電圧を印加しないときは、全ての波長の光パルスが矢印264から出射した。次に、フォトニック結晶スラブ11と平板12との間に電圧9Vを印加して、フォトニック結晶スラブ11と平板12間を接近させたところ、波長1.5μmの光パルスのみが矢印264から出射した。これは、二つの線欠陥導波路261、262が両者の接近した領域で方向性結合器として働き、平板12の存在によってその結合長が変化したことに起因する。
【0120】
このように、実施例17は、フォトニック結晶スラブ11の線欠陥導波路261、262を図25に示すように平板12の領域で近接した構造として、平板12をフォトニック結晶スラブ11に近接させたり、離したりすることにより、波長多重された光パルスから特定の波長の光パルスのみを選択して空間的に分離し、あるいは単に通過させる超小型の波長分離器として働くことを示している。
【0121】
実施例17の構造は、波長合波器としても機能する。このことを図25を参照して説明する。この場合には、矢印263から入射し、矢印264に出射する光信号パルス列に矢印265から入射した異なる波長のパルス列を加える場合について説明する。実際に、矢印263から波長1.5,1.6および1.7μmの10Gb/sの光パルスを入射したところ、フォトニック結晶スラブ11と平板12との間に電圧を印加しないときは全ての波長の光パルスが矢印264から出射した。次に、フォトニック結晶スラブ11と平板12との間に電圧12Vを印加して、フォトニック結晶スラブ11に平板12を近接させてところ、矢印265から入射した波長1.4μmの光パルスが矢印264から出射される光に加わった。すなわち、矢印264からは元の波長1.5,1.6および1.7μmの10Gb/sの光パルスに加えて、波長1.4μmの光パルスが出射した。このように、実施例17は、図25に示された構造からなる素子が、特定の波長の光信号パルスを波長多重された光信号パルスに加える超小型の波長合波器としても働くことを示している。これは、入射光の波長フォトニック結晶スラブ11と平板12との近接の程度により制御可能である。
【0122】
(実施例18)
図26は波長分離器に関する他の実施例を示したものである。全体構成は、図25に示す波長分離器と同等であり、フォトニック結晶スラブ11は空孔22が正方格子を構成するフォトニック結晶である。
【0123】
図25と図26とを対比して分かるように、実施例18でも、フォトニック結晶スラブ11には、線欠陥からなる2つの導波路261、262がある。導波路261には、矢印263から波長多重された光パルス信号が入射し、矢印264へ出射する。導波路262には、矢印265から波長多重された光パルス信号が入射し、矢印266へ出射する。この波長多重化された光パルスは、光通信ネットワークを形成する光ファイバ(図示しない)から導入され、このフォトニック結晶スラブを通過した後、再び光ファイバへ導かれる。フォトニック結晶スラブ11には、2つの線欠陥からなる導波路に挟まれた破線12で示す位置に点欠陥による光共振器271が存在する。ここで、破線12で示すのは、平板12が近接して配置される位置である。
【0124】
矢印263から波長1.5,1.6および1.7μmの10Gb/sの光パルスを入射したところ、フォトニック結晶スラブ11と平板12との間に電圧を印加しないときは、波長1.6μmの光パルスのみが矢印266へ出射され、他の波長1.5および1.7μmの光パルスは矢印264から出射した。これは、点欠陥光共振器271の共振波長が丁度1.5μmとなっているためである。次に、フォトニック結晶スラブ11と平板12との間に電圧9Vを印加して、フォトニック結晶スラブ11と平板12間を接近させたところ、今度は波長1.6μmの光信号のみが矢印266から出射し、それ以外の波長の光信号は矢印264から出射した。これは、平板12の存在によって点欠陥光共振器271の共振波長がシフトしたことに起因する。
【0125】
このように、実施例18は、フォトニック結晶スラブ11の線欠陥導波路261、262を図26に示すように平板12の領域で点欠陥光共振器271を持つ構造として、平板12をフォトニック結晶スラブ11に近接させたり、離したりすることにより、波長多重された光パルスから特定の波長の光パルスのみを選択して空間的に分離させる超小型の波長分離器として働くことを示している。
【0126】
実施例17の構造が、波長合波器としても機能するのと同様に、実施例18の構造でも、同様に、フォトニック結晶スラブ11と平板12との間に電圧を印加したり、電圧印加無とするなど、フォトニック結晶スラブ11と平板12間の距離を制御することにより、波長合波器としても機能するものとなる。
【0127】
(実施例19)
本発明による光機能素子は、光信号伝送路を空間的、時間的あるいは波長的に切り替えるスイッチングの機能を有する光スイッチとして機能するものとすることができる。図27は光スイッチの実施例の形態としたときのフォトニック結晶スラブ11と平板12との関係の一例を示す斜視図である。図27に示すフォトニック結晶スラブ11の諸元は図8に示されたものとほぼ同一であるが、実施例19では正方格子とされている。また、フォトニック結晶スラブ11では、入射光を導入する欠陥導波路281が形成され、直角に曲がって形成されている2つの欠陥導波路282および283と結合された結合欠陥導波路とされている。欠陥導波路282の部分には、その上面に平板12が配置される。
【0128】
フォトニック結晶スラブ11と平板12との間に電圧が印加されていない状態では、この平板12はフォトニック結晶スラブ11から遠ざかっている。このとき、欠陥導波路281に導入された入射光は、2つの欠陥導波路282および283のそれぞれの出口から出射光1、出射光2としてほぼ同等の強度で出射する。一方、電圧が印加された状態では、平板12がフォトニック結晶スラブ11に接近するので、欠陥導波路282から出射する出射光1の光出力は、10%以下に減少し、それに伴って欠陥導波路283から出射する出射光2の光出力は増加した。
【0129】
これは、平板12がフォトニック結晶スラブ11に接近することによって、結合した欠陥導波路282の光結合が弱くなり、その結果、欠陥導波路282側からの出射光1の光出力が減少したと考えられる。この減少は、光結合が弱くなった部分で反射が起きるためであり、このため欠陥導波路283側の出力が増加する。このように、実施例19の光機能素子は、欠陥導波路を伝搬する光パルスを空間的にスイッチすることができる。さらに、欠陥導波路283の上面にも平板12を配置して、欠陥導波路283からの出射光2の光出力を減少させて、欠陥導波路282側からの出射光1の光出力を増大させることもできる。すなわち2つの欠陥導波路のどちらか一方にスイッチすることが可能である。なお、実施例19では、空間的なスイッチの場合を述べたが、同様な機構によって、時間的、波長的に光パルスをスイッチすることができる。
【0130】
(実施例20)
本発明による光機能素子は、光を発する発光体あるいはレーザとして機能するものとすることができる。図28は、レーザとして機能する光機能素子のフォトニック結晶スラブ11と平板12との原理的な構成を示す斜視図である。フォトニック結晶スラブ11は、中心層にそれぞれ10nmのInP/InGaAsPからなる量子井戸層が10層からなる活性層291を有し、上面にP−InP層292および下面にN−InP層293を有する構造とした。この量子井戸からの発光の中心波長は、1.55μmである。また、フォトニック結晶は、屈折率3.5とし、格子間隔500nm、空孔半径150nm、厚さ250nmの空孔22による空孔三角格子である。スラブの周辺は、空気から構成される。また、平板12は、屈折率1.5とし、大きさが2×1.85μm、厚さ250nmである。第1の構造体であるフォトニック結晶スラブ11は点欠陥を含み、その点欠陥の上面に第2の構造体である平板12を設置する。この断面構造は、図5で説明したのと同様であるので、図示は省略した。
【0131】
このフォトニック結晶スラブ11に外部から波長1.1μmの光を照射したところ、フォトニック結晶スラブ11からの発光が観測された。実施例20は平板12の存在によって点欠陥の共振波長を制御し、例えば波長可変光源を実現する。このとき、点欠陥は必ずしも一つである必要はなく、複数でも勿論良い。
【0132】
図29は、その特性をシミュレーションで詳しく計算した結果を光強度と波長との関係で示した図である。図に示したように、実施例20により得られるレーザは、第1共鳴と第2共鳴に対応する鋭いピークが存在する。とくに注目する点は、フォトニック結晶スラブ11と平板12の距離dを25,75,225nmと変化させると、そのピーク位置が大きく変化することである。
【0133】
図30はフォトニック結晶スラブ11と平板12の距離dによるピーク位置の変化の様子を示す図である。図で横軸は距離d、縦軸は共鳴波長である。図から、距離dを2から300nmまで変えることにより、第1共鳴および第2共鳴のいずれでも、波長15nm程度と非常に大きな共鳴波長のチューニングができることが分かる。
【0134】
図29および図30に示した結果は、平板12の厚さが250nmの場合であったが、平板の厚さを375nmと増やしても、共鳴波長の距離d依存性に差は見られず、大きな効果が同様に得られた。また、図29および図30に示した結果は、平板の大きさが2×1.85μmの場合であったが、平板の大きさを5×1.85μmと大きくしても、図29および図30に示した結果と同様、フォトニック結晶スラブ11と平板12の距離dを変化させることによって、共鳴波長を大きく変化させることができた。さらに、図29および図30に示した結果は、平板12の屈折率が1.5の場合であったが、平板の屈折率が3.5の場合でも、図29および図30に示した結果と同様、フォトニック結晶スラブ11と平板12の距離dを変化させることによって、共鳴波長を大きく変化させることができた。このように、共鳴波長の制御は、第2の構造体である平板12の大きさ、厚さおよび屈折率によらず、いずれの場合も有効に行えることが分かる。
【0135】
さらに、この素子のフォトニック結晶スラブ11と平板12間に電圧を印加していくと、発光波長が、1.54μmから1.55μmへ連続的に増加した。これは、電圧印加によって、フォトニック結晶スラブ11と平板12との距離が減少し、それによって欠陥の共鳴波長が増加したことによる。このように、第1の構造体であるフォトニック結晶スラブ11が点欠陥を含み、その上部に第2の構造体である平板12を設置することにより、波長可変の発光素子ができることが示された。
【0136】
ここでは、発光素子として、光ポンプによる発光素子の実施例を示したが、勿論、この構成は電流注入型発光素子の場合にも有効である。また、ここでは一般的に発光素子について記述したが、コヒーレントな光が得られるレーザ素子の場合も本構成は十分有効である。
【0137】
以上示した実施例20では、第2の構造体である平板12の大きさが、フォトニック結晶スラブ11の点欠陥を含む単位格子よりも大きい場合であった。平板12の大きさが点欠陥を含む単位格子の大きさと同程度のときは、距離dを変化させても共振波長の変化は起きず、距離dを減少させるにつれて、むしろ共振の線幅が増大する結果が得られた。図31は平板12の大きさが点欠陥を含む単位格子の大きさと同程度の場合の発光素子の特性を示す図である。縦軸は規格化光強度を、横軸は波長(μm)を示す。
【0138】
図31の結果を得た構造は、フォトニック結晶スラブ11の格子間隔440nm、空孔半径150nm,厚さ220nmの空孔三角格子である。また、平板12は、屈折率が3.5、大きさが880nm×880nm、厚さが220nmである。このように、平板12の大きさがフォトニック結晶スラブ11の格子間隔の2倍程度と、丁度格子欠陥の部分の上のみに平板12が覆っている場合、図31に示されるように、距離dの変化によって、欠陥による共振器のQ値を制御できることに対応する。まず、平板とフォトニック結晶スラブとの距離dを200nm以上と十分大きく取ったとき、この量子井戸に電流を注入することによって、点欠陥の部分でレーザ発振が起こり、コヒーレントな光が得られた。次に、平板をフォトニック結晶に近づけ、距離dを100nmにしたとき、このレーザ発振は止まった。これは、距離dを小さくすることによって、Q値が減少し、レーザ発振が出来なくなったためである。このように、平板とフォトニック結晶スラブとの距離を変えることによって、レーザ発振のオン・オフができることが示された。また、これを使ったフォトニック結晶からなる結合欠陥導波路の伝搬速度の制御等、欠陥による共振器のQ値を利用した素子が作製できる。
【0139】
フォトニック結晶を利用したレーザは【特許文献4】にも紹介されているが、本発明のように、平板12の制御によって発光素子の特性を制御する例は開示されていない。
【0140】
(実施例21)
上述したように、本発明は、フォトニック結晶からなる第1の構造体と第1の構造体に近接した第2の構造体を有し、両者の相対的な位置を変化することによって、種々の興味ある特性を実現できるが、以下、光通信システムあるいは光応用システムの中での具体的な応用形態を説明する。
【0141】
図32は本発明の光機能素子とその機能を制御する機構を同時に備える形で光通信システムに導入された光モジュールを説明する図である。図32に示すモジュールは、図8に示した素子331と、その光軸上で素子331の両側に配置されたファイバ332とレンズ333からなる。さらに、素子331のフォトニック結晶スラブ11と平板12(図示しない)間へ電圧を印加する装置334からなる。本例では、モジュール通過後の光信号を受信した受信装置(図示しない)から制御信号が送られて、素子331へ電圧を印加する装置334から素子へ電圧が印加され、光信号のオン・オフを行う。
【0142】
図33は本発明の光機能素子を、送信器、中継器、受信器のいずれかもしくは複数箇所に使用した光伝送システムを説明する図である。実施例1に例示した光機能素子を用いた40Gbps/チャンネルの波長分割多重光伝送システムである。このシステムは送信装置341、伝送ファイバ路342、受信装置343から構成される。送信装置341は各波長(チャンネル)ごとの電気―光変換器344、波長多重器345、光送信増幅器346から構成されるが、これらは通例のものをもってして十分である。使用波長は1.55μmを中心とした帯域とする。伝送ファイバ路には分散シフトファイバ342を用い、伝送距離は80kmである。受信装置343は光受信増幅器347、波長分離器348、分散補償器349、光―電気変換器340から構成される。多重されて伝送された光パルスを波長分離装置348で各波長に分割し、分散補償器349で各々のチャンネルで最適な分散補償を行う。
【0143】
この構成で、波長多重器345は、実施例17または実施例18に記載の波長合波器を多段に用いたもので構成される。また、波長分離器348も、実施例17または実施例18に記載の波長分離器を多段に用いたもので構成される。その結果、波長多重器345や波長分離器348が超小型に構成でき、システムをコンパクトに構成できるという大きな特徴がある。
【0144】
図34は本発明の光機能素子を使用して光記録装置およびシステムを構成した例を説明する図である。
【0145】
実施例20に記載の電流注入型で作製した波長可変半導体レーザ351を用いた光ビット書き込みおよび読み出し装置およびシステムを例示したものである。図で、レーザ351からの光はレンズ352を介して、光ビットを記録する回転円盤353上に集光される。円盤は駆動モータ354で回転する。この円盤には、ホールバーニング効果を有する材料が塗布されており、波長を変えることによって、波長多重書き込みが可能である。ホールバーニング効果を有する材料とは、波長の異なる光信号を同一場所に記録出来る材料である。すなわち、例えば波長λ1とλ2の光ビームをホールバーニング効果を有する材料からなる膜の同一場所に照射した場合、その場所での膜の波長λ1とλ2の光透過率が変化する。このため、同一場所で、波長を変えることによって、それぞれの波長に対応する光記録が可能となり、波長多重書き込みができるようになる。
【0146】
このような装置構成で、制御系355からの信号コントロールにより、波長多重書き込みと読み出しを効率よくかつコンパクトに出来るシステムを構築した。これは、半導体レーザ351がフォトニック結晶から出来ているため、装置の超小型化が出来たためである。
【0147】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、比較的簡単な構成で、超小型で高機能なフォトニック結晶を用いた光機能素子を実現することが出来る。さらに、本発明により、安価で信頼性の高い光伝送システムや光記録システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光機能素子の基本構成を示す斜視図。
【図2】フォトニック結晶のうち、二次元フォトニック結晶と呼ばれるものの一例を示す図。
【図3】図2の構造において、(ε1)1/2=3.5、ε2=1、r/a=0.45としたときのTMモードおよびTEモードに対するフォトニックバンド図を示す図。
【図4】(A),(B)は、シミュレーションによって求めたフォトニック結晶スラブ11のバンド構造の例を示す図。
【図5】(A)は、本発明による光機能素子の一実施例の構成の概念を示す平面図、(B)はそのA−A位置で矢印方向に見た断面図。
【図6】図5に示す構成で、フォトニック結晶スラブ11の上面と平板12との距離を変化させ、フォトニック結晶スラブ11を伝搬する光の透過率と位相変化をシミュレーションによって求めた結果を示す図。
【図7】フォトニック結晶スラブ11を伝搬する光の透過率をシミュレーションによって求めた図。
【図8】図5に対応する構造を基礎として、作製した光機能素子の構造を示す斜視図。
【図9】(A)−(F)は、図8に示す光機能素子の構造を実現するプロセスの一例の主要部を示す断面図(一部平面図を含む)。
【図10】(A)−(G)は第1の構造体であるフォトニック結晶スラブの材料としてGaAsを用い、第2の構造体である平板としてSiを用いた場合の作製プロセスを示す図。
【図11】(A)−(C)はフォトニック結晶スラブ11を形成するためのGaAs基板91自体を第2の構造体として用いる場合のプロセスの一例の主要部を示す断面図。
【図12】(A)−(H)は第1の構造体であるフォトニック結晶スラブの材料としてGaAsを用い、第2の構造体である平板としてSiを用いた場合の作製プロセスの他の例を示す図。
【図13】(A)−(E)は、図12と同様の張り合わせ法による素子構造の作製であるが、第2の構造体である平板12を別の形で実現する例を示す図。
【図14】(A)−(E)は、図12と同様の張り合わせ法による素子構造の作製であるが、第2の構造体である平板12を、さらに、別の形で実現する例を示す図。
【図15】実施例7の一例を示す斜視図。
【図16】本発明による光機能素子の第1の構造体が1次元フォトニック結晶の場合の実施例を示す斜視図。
【図17】3次元フォトニック結晶で本発明を実現した場合の実施例の概念を示す斜視図。
【図18】線欠陥181を含む2次元フォトニック結晶スラブ11の平面図を示す図。
【図19】図18と線欠陥が異なる場合の2次元フォトニック結晶スラブ11の平面図を示す図。
【図20】実施例12の光機能素子の構成を示す斜視図。
【図21】(A)−(B)は、櫛歯電極を利用したマイクロアクチュエーターを用いて第1及び第2の構造体の相対的な位置の変化を行う光機能素子の例を説明する図。
【図22】(A)−(B)は、櫛歯自体を平板12の働きをするものとした光機能素子の例を示す図。
【図23】平板12をマイクロアクチュエーターによってフォトニック結晶スラブ11の上下に移動させる他の例を示す図。
【図24】スクラッチアクチュエーターを採用した実施例16の構成を示す斜視図。
【図25】波長分離器を構成する、PをドープしたSiからなるフォトニック結晶スラブ11の実施例を上面から見た図。
【図26】波長分離器に関する他の実施例を示したフォトニック結晶スラブ11を上面から見た図。
【図27】光スイッチの実施例の形態としたときのフォトニック結晶スラブ11と平板12との関係の一例を示す斜視図。
【図28】レーザとして機能する光機能素子のフォトニック結晶スラブ11と平板12との原理的な構成を示す斜視図。
【図29】図28に示すレーザの特性をシミュレーションで詳しく計算した結果を光強度と波長との関係で示した図。
【図30】図28に示すレーザのフォトニック結晶スラブ11と平板12の距離dによるピーク位置の変化の様子を示す図。
【図31】図28に示すレーザの平板12の大きさが点欠陥を含む単位格子の大きさと同程度の場合の発光素子の特性を示す図。
【図32】本発明の光機能素子とその機能を制御する機構を同時に備える形で光通信システムに導入された光モジュールを説明する図。
【図33】本発明の光機能素子を、送信器、中継器、受信器のいずれかもしくは複数箇所に使用した光伝送システムを説明する図。
【図34】本発明の光機能素子を使用して光記録装置およびシステムを構成した例を説明する図。
【符号の説明】
11:フォトニック結晶スラブ、12:平板、12a,12b:切り欠き、13:駆動装置、14:操作ロッド、22:空孔、41:ライトライン、42:分散曲線、71:基板、72,74:SiO2層、75:リッジ型の導波路、76,77:電極77、78,79:リード線、91:GaAs基板、92:AlAs層、93:GaAs層、95:Si基板、96:SiO2層、99:Si基板95の背面、97,98:Si層、98a,98b:切り欠き、161:SiO2基板、162:Si層とSiO2層を積層した1次元フォトニック結晶、171:3次元角材積層型フォトニック結晶、181,182:フォトニック結晶中の線欠陥、220:櫛歯電極を利用したマイクロアクチュエーター、221:枠部、223:固定電極、224:可動電極、225,227:板バネ、229:可動軸、237a,237b:ばね片、241:板、250:スクラッチアクチュエーター、251:導電性の基板、253:導電性の可動板253、255:爪、261,262:導波路、263,265:入射光、264,266:出射光、271:光共振器、281,282,283:欠陥導波路、291:活性層291、292:P−InP層、293:N−InP層、331:素子、332:ファイバ、333:レンズ、334:電圧を印加する装置、340:光―電気変換器、341:送信装置、342:伝送ファイバ路、343:受信装置343、344:電気―光変換器、345:波長多重器、346:光送信増幅器346、347:光受信増幅器、348:波長分離器、349:分散補償器、349、351:波長可変半導体レーザ、352:レンズ、353:回転円盤、354:駆動モータ。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical functional element used as a laser, an optical switch, an optical filter, an optical modulator, or the like.
[0002]
[Prior art]
In recent years, photonic crystals have attracted great interest as materials that enable control of light, which was impossible with conventional optical functional elements. A photonic crystal is a multidimensional periodic structure in which two or more media having different refractive indexes are combined. FIG. 2 is a diagram showing an example of what is called a two-dimensional photonic crystal among the photonic crystals. In the two-dimensional photonic crystal shown in FIG. 2, cylinders 22 having a dielectric constant ε2 are arranged in a triangular lattice shape on a medium 11 having a dielectric constant ε1 (ε1> ε2). The cylinder 22 has a periodic structure in a direction parallel to the paper surface, and the vertical structure has a uniform structure. In the case where the cylinder 22 is hollow, ε2 = 1. In FIG. 2, a represents a lattice constant, and r represents a radius of the cylinder.
[0003]
A diagram showing the relationship between the frequency and frequency of light propagating through a photonic crystal is called a photonic band diagram. FIG. 3 shows the structure of FIG. 1/2 FIG. 4 is a diagram showing photonic band diagrams for the TM mode and the TE mode when = 3.5, ε2 = 1, and r / a = 0.45. Here, the TM mode refers to a mode in which the electric field is perpendicular to the paper surface, and the TE mode refers to a mode in which the electric field is parallel to the paper surface. The vertical axis represents the normalized frequency (ωa / 2πc), and the horizontal axis represents the wave vector (ka / 2π) normalized in the first Brillouin zone. c represents the speed of light in vacuum, ω represents the angular frequency of light, and k represents the wave number. The triangular lattice of FIG. 2 corresponds to hexagonal symmetry, and the formed Brillouin zone has a regular hexagonal structure illustrated in FIG. The vertex of the regular hexagon is the K point, the midpoint of each side is the M point, and the point where the wave number is 0 is the Γ point.
[0004]
As indicated by hatching in FIG. 3, there is no band across the entire first Brillouin zone in a specific (normalized) frequency region. This means that light having a frequency corresponding to this band cannot propagate through the photonic crystal. Such a frequency band in which propagation is prohibited is called a photonic band gap. When this photonic band gap is used, it is possible to control light, which is impossible with conventional devices, and is attracting attention.
[0005]
Photonic crystals with such characteristics are expected to be applied in various fields, but researches aimed at application to optical parts are particularly active. Introducing linear or point-like defects in two-dimensional photonic crystals to produce waveguides and other optical functional elements is said to have a significant effect on miniaturization and high performance. Devices have been proposed and studied.
[0006]
For example, Patent Document 1 shows an example of a wavelength demultiplexing circuit using a photonic crystal. In this element, a two-dimensional photonic crystal is formed on a substrate, and wavelength-multiplexed optical pulses are demultiplexed by utilizing the anisotropy of refractive index dispersion. [Patent Document 2] shows an example of optical signal control using a photonic crystal. In this device, a beam is provided on the upper surface of the two-dimensional photonic crystal formed on the substrate, and the optical signal propagating through the two-dimensional photonic crystal is controlled by attracting or separating the beam from the upper surface of the crystal.
[0007]
Further, in an optical functional element such as an optical switch or an intensity modulator, the propagation of light is controlled by changing the refractive index / reflectance of the material and other physical constants by applying an external voltage. The same applies to the case of using a photonic crystal, and some external control is required to make the device functional. With this external control, an optical switch using a photonic crystal, an intensity modulator, and the like have been proposed.
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-271541
[Patent Document 2]
US Patent Application Publication No. 2002/0021878
[Patent Document 3]
JP 09-166606 A
[Patent Document 4]
JP-A-11-330619
[Non-Patent Document 1]
Journal of Microelectromechanical Systems, Vol. 6, no. 1, 1997 PP. 10-17
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
As a control method from the outside of the element as described above [Patent Document 1], conventionally, the refractive index of a material is generally changed. As a combination of photonic crystal materials, a semiconductor such as silicon (Si) or gallium arsenide (GaAs) is used as a high refractive index medium, and air or silicon dioxide (SiO2) is used as a low refractive index medium. 2 ) Is generally used. In order to obtain a change in refractive index, for example, electric field application to a semiconductor can be considered. However, in that case, a complicated electrode structure is required for effective electric field application. Further, in order to obtain a change in refractive index enough to constitute an optical functional element, it is necessary to apply a very large voltage. As another method for obtaining a change in refractive index, there is a method for obtaining a refractive index control using the thermo-optic effect of a semiconductor. However, this method also requires a large change in temperature in order to obtain an effective refractive index change with the disclosed device configuration, and is difficult to realize.
[0010]
In addition, as in [Patent Document 2], in signal control by providing a beam on the upper surface of a two-dimensional photonic crystal and controlling its position, a guideline for constructing a practical device if the control mechanism is not clear. Cannot be obtained.
[0011]
An object of the present invention is to provide a configuration and a method for effectively performing external control on a photonic crystal with a relatively simple configuration, for example, a high-performance optical functional device that operates at a low operating voltage, and its manufacture It is to provide a method.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, in the present invention, a structure constituting a photonic crystal, that is, a photonic crystal slab (a plate-like photonic crystal structure in which the thickness direction of a two-dimensional photonic crystal is finite) is formed. Pay attention to the fact that the band structure of the photonic crystal changes when another structure is placed close to the top surface, analyze the change in detail, and provide a guideline for controlling the relative positional relationship between them. Propose concretely.
[0013]
FIG. 1 is a perspective view showing a basic configuration of an optical functional element of the present invention. In the present invention, the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 are arranged in parallel to the upper surface of the photonic crystal slab 11. In the photonic crystal slab 11, a periodic structure of a cylinder 22 is formed. Here, the upper surface refers to the surface on which the end surface of the cylinder 22 forming the periodic structure of the photonic crystal slab 11 appears. In the photonic crystal slab 11, when light is incident on one end thereof, the light propagates through the photonic crystal slab 11 according to the band structure unique to the photonic crystal, and finally the light propagated from the opposite end face is emitted. However, the flat plate 12 is moved closer to or away from the upper surface of the photonic crystal slab 11 via the operation rod 14 operated by the driving device 13, and the propagation of light in the photonic crystal slab 11 is controlled. To do. In FIG. 1, the flat plate 12 moves perpendicularly to the upper surface of the photonic crystal slab 11, but this moves to the left and right at a position away from the upper surface by a predetermined distance. May be. Further, the driving device 13 and the operating rod 14 are not limited to those that are mechanically driven, and include, for example, a case where the driving force is generated by an electric field acting between the crystal slab 11 and the flat plate 12. 12 means that some force is applied between the two.
[0014]
4A and 4B are diagrams showing examples of the band structure of the photonic crystal slab 11 obtained by simulation. In this example, the medium of the photonic crystal slab 11 is Si, its refractive index is 3.5, it is composed of a triangular lattice of holes, a is a lattice constant, the hole radius is 0.3a, and the thickness of the slab is 0.5a. The medium of the flat plate 12 arranged in parallel to the upper surface of the photonic crystal slab 11 was Si, and its thickness was 0.5a.
[0015]
When the propagating light is in the TE mode, the light propagates through the photonic crystal slab 11 according to the dispersion curve 42 existing below the light line 41.
[0016]
4A shows the band structure of the photonic crystal slab 11 when the flat plate 12 is not present, and FIG. 4B shows the second structure on the upper surface of the photonic crystal slab 11 that is the first structure. The band structure of the photonic crystal slab 11 is shown when the flat plate 12 as an object is arranged in the vicinity of 1/10 (= 0.1a) of the lattice constant of the photonic crystal. As can be seen by comparing FIG. 4A and FIG. 4B, the band structure is significantly changed. That is, the characteristics of light propagating through the photonic crystal slab change greatly.
[0017]
For example, as a typical example, the medium of the photonic crystal slab 11 is Si, the refractive index thereof is 3.5, the lattice constant a is 1 μm, the hole triangular lattice, the hole radius is 300 nm, and the thickness of the slab is Even if the distance between the upper surface of the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 is changed to a very small value of 100 nm when the thickness of the flat plate 12 is Si and the thickness thereof is 0.5 a, the photonic crystal is 500 nm. It has been confirmed that the intensity of light propagating through the crystal slab 11 varies greatly from about 1.0 to about 0.1.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0019]
Example 1
FIG. 5A is a plan view showing the concept of the configuration of an embodiment of the optical functional element according to the present invention, and FIG. 5B is a cross-sectional view seen in the arrow direction at the AA position. In this embodiment, a photonic crystal slab 11 is prepared as a first structure made of a photonic crystal, and a periodic structure of a cylinder 22 is formed. The cylinder 22 was specifically a hole. As a second structure, a flat plate 12 made of a dielectric is provided close to the upper surface of the photonic crystal slab 11, and the distance between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 is changed, whereby the intensity and phase of propagating light are changed. It is the structure which changes. As shown in the figure, light enters from the left side of the figure and exits from the right side.
[0020]
In this example, the medium of the photonic crystal slab 11 is Si, and its refractive index is 3.5, the thickness is 175 nm, the lattice spacing is 350 nm, and the hole 22 has a radius of 105 nm. The periphery of the slab 11 is composed of air. The direction of light incidence is the Γ-M direction of the triangular lattice, and the wavelength is 1.55. μm It is. The flat plate 12 was made of Si having a refractive index of 3.5, and its thickness was 175 nm.
[0021]
FIG. 6 shows the result of obtaining the transmittance and phase change of light propagating through the photonic crystal slab 11 by simulation by changing the distance between the upper surface of the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 in the configuration shown in FIG. FIG. The horizontal axis in FIG. 6 is the distance d between the upper surface of the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12, the left axis is the normalized transmittance, and the right axis is the phase change. As can be seen from the figure, the light transmittance decreases from around d = 250 nm as the distance d decreases. Thereafter, a minimum value is taken near d = 80 nm, and thereafter, the light transmittance is increased and the light transmittance is increased. It can be seen that at d = 0 nm where the flat plate and the photonic crystal slab are in close contact, the light transmittance almost returns to the light transmittance at d> 250 nm, that is, the light transmittance without the flat plate. This phenomenon occurs in a wavelength region where a change in transmittance that can be put to practical use is obtained when the distance d between the flat plate and the photonic crystal slab is changed.
[0022]
This is a newly discovered point and has a very important meaning. That is, the light transmittance cannot be changed by simply bringing the flat plate into close contact with the photonic crystal slab. In the configuration in which the result of FIG. 6 is obtained, it is shown that efficient modulation of light transmittance cannot be controlled unless the flat plate and the photonic crystal slab are separated from each other by at least d = 50 nm. In this way, it is essential that the flat plate 12 and the photonic crystal slab 11 are kept in close contact with each other without being brought into close contact with each other. Of course, the value of d = 50 nm shown here depends on the structure and material of the flat plate and the photonic crystal slab.
[0023]
On the other hand, it can be seen that the phase of the emitted light changes greatly when the distance d is in the range of 50 to 80 nm, and the phase changes by π before and after this. In this way, both the light transmittance and the phase can be significantly changed by slightly changing the distance d.
[0024]
FIG. 7 is a diagram in which the transmittance of light propagating through the photonic crystal slab 11 is obtained by simulation in order to clarify the cause of the large change described above. The solid line in FIG. 7 is the result when the flat plate 12 is not present, and the wavy line in FIG. 7 is the result when the flat plate 12 is installed at a distance d = 0.1a (a is the lattice constant). The photonic crystal slab 11 is composed of a triangular hole lattice, the hole radius r = 0.3a, the slab thickness t = 0.5a, the slab refractive index 3.5, and the flat plate 12 has a refractive index 3. 5. The thickness is 0.5a, and the length is 6a. From FIG. 7, it can be seen that the light propagating through the photonic crystal slab 11 is greatly affected by the presence of the flat plate 12 and its characteristics are greatly changed. A particularly characteristic point is that a transmission peak appears in a band gap existing in the vicinity of a normalized frequency of 0.22 to 0.32 due to the presence of a flat plate. Thus, it can be seen that the presence of the flat plate 12 creates a new level in the band gap. This corresponds to a change in the band structure of the photonic crystal. Thus, it was shown that it is important that the state of propagation of light propagating through the photonic crystal is significantly changed by changing the band structure of the photonic crystal.
[0025]
FIG. 8 is a perspective view showing the structure of the produced optical functional element based on the structure corresponding to FIG. The photonic crystal slab 11 is composed of Si having a refractive index of 3.5, a hole triangular lattice with holes 22 having a lattice interval of 350 nm, a hole radius of 105 nm, and a thickness of 175 nm. The periphery of the slab 11 is composed of air. The photonic crystal slab 11 is formed on the substrate 71. In order to form an appropriate gap between the photonic crystal slab 11 and the substrate 71 and to electrically insulate, the photonic crystal slab 11 is made of SiO2. 2 Formed through layer 72. In addition, in order to efficiently introduce incident light from an optical fiber (not shown) into the photonic crystal slab 11, and to guide the outgoing light from the photonic crystal slab 11 to the optical fiber (not shown), the photonic crystal Ridge-type waveguides 75 are provided on both sides of the slab 11. This ridge-type waveguide 75 has the same thickness as the photonic crystal slab layer 11 and a width of 3 μm.
[0026]
The thickness of the flat plate 12 is 175 nm, and the refractive index is 3.5. Moreover, both ends of the flat plate 12 are made of SiO. 2 It arrange | positions so that the upper surface of the photonic crystal slab 11 may be opposed through the layer 74. FIG. This is to electrically insulate the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 and to keep the distance between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 at a predetermined value in a steady state. In this example, this is 0.5 μm It was. Further, notches 12 a and 12 b are provided in portions near both ends of the flat plate 12. This is because the flat plate 12 is deformed while being kept parallel to the upper surface of the photonic crystal slab 11. Easy to do It is to do. It should be noted that the flat plate 12 is spatially formed on the lower surface of the photonic crystal slab 11 on the lower surface. 2 There is no layer, it can move freely in a certain range, and the distance between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 can be changed.
[0027]
The photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 are n-type doped with phosphorus (P) in order to have conductivity. Electrodes 77 and 76 are formed, respectively, and lead wires 79 and 78 are drawn out from the electrodes.
[0028]
The wavelength of the photonic crystal slab 11 is 1.55 from the Γ-M direction of the triangular lattice. μm Of light. At this time, if no voltage is applied to the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12, the distance between them is 0.5. μm Thus, as can be seen with reference to FIG. 6, the normalized transmittance is approximately 1.0. On the other hand, when a voltage is applied to the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 via the lead wires 79 and 78, the flat plate 12 is attracted to the upper surface of the photonic crystal slab 11 by an attractive force between static electricity generated between the two. Now, when a voltage of 10 V is applied from the lead wires 78 and 79, the light transmittance between the optical fibers connected to the incident side and the outgoing side of the element is reduced by 9 dB as compared with the case where the voltage is not applied. This result corresponds to the fact that by applying the voltage, the distance between the photonic crystal slab and the flat plate is reduced, and the light transmission characteristics are reduced as predicted by the simulation.
[0029]
As described above, the optical functional element according to the present invention is not only a light intensity modulator having a function of changing the intensity of an optical pulse, but also has a function as an optical phase modulator. When a voltage of 15 V was applied from the lead wires 78 and 79, the phase of light at the output end of the element changed by approximately π compared to the case where no voltage was applied. At this time, the change of the light transmittance before and after the voltage application is as small as about 20%, and only the phase can be changed. This can be explained qualitatively from FIG. 6 which is the result of the simulation. That is, before the voltage is applied, the distance d between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 is large, the light transmittance is almost 100%, and the phase is almost zero. As the light transmittance approaches, the light transmittance returns to almost 100%, while the phase remains changed by almost π. That is, the element according to the present invention functions as a low-loss and ultra-small phase modulator.
[0030]
FIGS. 9A to 9F are cross-sectional views (including a partial plan view) showing a main part of an example of a process for realizing the structure of the optical functional element shown in FIG. These cross-sectional views are cross sections viewed in the direction of the arrow at the position BB in FIG.
[0031]
First, as shown in FIG. 9A, SiO is formed on the Si substrate 71 for forming the substrate 71. 2 A film 72 is formed, and an SOI (Silicon on Insulator) having the Si layer 11 for forming the photonic crystal slab 11 is prepared thereon. SiO 2 The thickness of the membrane 72 is 0.5 μm The thickness of the Si layer 11 is 175 nm. The Si layer 11 is doped with P.
[0032]
Next, as shown in FIG. 9B1, vacancy 22 is formed in Si layer 11 with vacancy 22 having a lattice spacing of 350 nm and vacancy radius of 105 nm by electron beam exposure and vapor phase etching. The nick crystal slab 11 is produced. FIG. 9B2 shows this plan view.
[0033]
Thereafter, as shown in FIG. 9C, the photonic crystal slab 11 is embedded in the SiO 2 by bias sputtering. 2 A film 74 is formed. At this time, SiO 2 The film 74 is 0.5 mm from the upper surface of the photonic crystal slab 11. μm It was made to become the thickness of.
[0034]
After this step, as shown in FIG. 2 On the film 74, the Si layer 12 for forming the flat plate 12 is formed with a thickness of 175 nm. The Si layer 12 is doped with P.
[0035]
Next, as shown in FIG. 9 (E1), the flat plate 12 and the notches 12a and 12b are formed by the electron beam exposure method and the vapor phase etching method. FIG. 9E2 shows this plan view.
[0036]
After that, as shown in FIG. 2 Film 74 and SiO 2 The film 72 is removed to form the structure shown in FIG. At this time, the ridge-type waveguide 75 portion of the SiO 2 that supports the photonic crystal slab 11 is SiO 2. 2 SiO for supporting the side portions parallel to the optical path of the film 72 and the photonic crystal slab 11 and the end portions of the flat plate 12 supporting the flat plate 12 2 The film 74 is made of SiO. 2 The etching time is adjusted to leave the layer. Actually, the waveguide 75 portion and the end region of the flat plate 12 are overwhelmingly larger than the region where the light of the photonic crystal slab 11 propagates, so that the etching time can be easily adjusted. In addition, SiO for supporting the end of the flat plate 12 2 Since the film 74 is removed at the cross-sectional position, hatching indicating the cross-section is not attached. Finally, electrodes are formed on the Si layers 11 and 12, and lead wires 79 and 78 are attached.
[0037]
As can be seen from the characteristics of FIG. 6, the distance between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 is extremely small in the suction state, so that after the structure shown in FIG. 8 is formed in the process shown in FIG. , SiO on the photonic crystal slab 11 2 The fine particles (particle size of about 80 nm) are preferably dispersed to form a spacer.
[0038]
(Example 2)
In Example 1, an optical functional element was manufactured by the process shown in FIG. 9, but another manufacturing method is illustrated here. FIG. 10 is a diagram showing a manufacturing process in the case where GaAs is used as the material of the photonic crystal slab that is the first structure and Si is used as the flat plate that is the second structure.
[0039]
First, as shown in FIG. 10A, an AlAs layer 92 and a GaAs layer 93 that will eventually become a photonic crystal slab are epitaxially grown on a GaAs substrate 91. The thickness of the AlAs layer 92 is 0.5. μm The thickness of the GaAs layer 93 is 175 nm. The GaAs layer 93 is doped with Si.
[0040]
Next, as shown in FIG. 10B, a triangular lattice of holes 22 having a lattice interval of 350 nm and a hole radius of 105 nm is formed in the GaAs layer 93 by an electron beam exposure method and a gas phase etching method, and a photonic crystal is formed. The slab 11 is produced.
[0041]
Thereafter, as shown in FIG. 10C, the AlAs layer 92 between the photonic crystal slab 11 and the GaAs substrate 91 is removed using an etchant that selectively etches only AlAs. Also in this case, as in the first embodiment, the waveguide 75 portion and the end region of the AlAs layer 92 serving as the support portion of the photonic crystal slab 11 are overwhelming as compared with the region where the light of the photonic crystal slab 11 propagates. Therefore, it can be easily left by adjusting the etching time.
[0042]
On the other hand, as shown in FIG. 10D, SiO 2 is formed on the surface of the Si substrate 95 for forming the flat plate 12 as the second structure. 2 Layer 96 is formed. The Si substrate 95 is doped with P. SiO 2 The thickness of layer 96 is 0.5. μm It was.
[0043]
Next, as shown in FIG. 10 (E), SiO 2 that supports the flat plate 12 on the photonic crystal slab 11 by a normal light exposure method and hydrofluoric acid etching. 2 Layer 96 is formed.
[0044]
Thereafter, as shown in FIG. 10 (F1), the back surface 99 of the Si substrate 95 is shaved by a back etching method, and the Si layer 98 is left with a thickness of 175 nm. This Si layer 98 corresponds to the flat plate 12 shown in FIG. Here, both side surfaces of the Si substrate 95 are left and used as a holding portion for the bonding operation. Therefore, after this process, notches 98a and 98b are formed on both sides of the Si layer 98 in the same manner as the notches 12a and 12b. Of course, notches 12a and 12b shown in FIG. 8 are also formed in the Si layer 98. FIG. 10F2 shows a view from the bottom.
[0045]
Thereafter, as shown in FIG. 10G, a flat plate as the second structure shown in FIG. 10F1 is formed on the photonic crystal slab 11 as the first structure shown in FIG. 10C. 98 is turned upside down and pasted together. Finally, electrodes and the like were formed, and the element structure shown in FIG. 8 was produced.
[0046]
According to the second embodiment, the process of producing the photonic crystal slab 11 on the GaAs substrate 91 and the process of producing the Si layer 98 corresponding to the flat plate 12 can be separated. Although necessary, each can be created with high accuracy. Moreover, the freedom degree of each material and structure becomes high.
[0047]
If both side surfaces of the Si substrate 95 used as a holding portion for the bonding operation are formed in a plane parallel to the notches 12a and 12b, the Si layer 98 of Example 2 has a notch 98a. 98b is no longer necessary.
[0048]
Example 3
In Example 2, the case where GaAs was used as the material of the photonic crystal slab 11 serving as the first structure and Si was used as the flat plate 12 serving as the second structure was illustrated. Then, the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 are separately formed and pasted. Here, as shown in FIG. 11, the case where the GaAs substrate 91 itself for forming the photonic crystal slab 11 is used as the second structure is shown. Therefore, in this example, the photonic crystal slab 11 moves relative to the substrate 91.
[0049]
First, as shown in FIG. 11A, on the GaAs substrate 91, an AlAs layer 92 that becomes an insulating layer and a GaAs layer 93 that finally becomes a photonic crystal slab are epitaxially grown. The thickness of the AlAs layer 92 is 0.5. μm The thickness of the GaAs layer 93 is 175 nm. The GaAs substrate 91 and the GaAs layer 93 are doped with Si.
[0050]
Next, as shown in FIG. 11B, a triangular lattice of holes 22 having a lattice interval of 350 nm and a hole radius of 105 nm is formed in the GaAs layer 93 by an electron beam exposure method and a gas phase etching method, and a photonic crystal is formed. The slab 11 is produced.
[0051]
Thereafter, as shown in FIG. 10C, the AlAs layer 92 between the photonic crystal slab 11 and the GaAs substrate 91 is removed using an etchant that selectively etches only AlAs. Also in this case, as in the first embodiment, the waveguide 75 portion and the end region of the AlAs layer 92 serving as the support portion of the photonic crystal slab 11 are overwhelming as compared with the region where the light of the photonic crystal slab 11 propagates. Therefore, it can be easily left by adjusting the etching time.
[0052]
With such a configuration, when an electrode is provided on each of the substrate 91 and the photonic crystal slab 11 and a voltage is applied, the photonic crystal slab 11 itself is bent and the distance from the substrate 91 can be changed. . As a result, a change in the intensity of light propagating through the photonic crystal slab 11 is observed, and even when the substrate is the second structure, the relative positions of the first structure and the second structure are determined. It has been shown that it is possible to change the properties of the first structure. In this case, since the ridge-type waveguide 75 is not deformed, there is no problem in introducing light from a fiber (not shown).
Example 4
Example 4 is an example of manufacturing an element structure by a bonding method similar to Example 2, but realized in another form. Similarly to Example 2, a manufacturing process in the case where GaAs is used as the material of the photonic crystal slab that is the first structure and Si is used as the flat plate that is the second structure will be described.
[0053]
First, as shown in FIG. 12A, an AlAs layer 92 and a GaAs layer 93 that will eventually become a photonic crystal slab are epitaxially grown on a GaAs substrate 91. The thickness of the AlAs layer 92 is 0.5. μm The thickness of the GaAs layer 93 is 175 nm. The GaAs layer 93 is doped with Si.
[0054]
Thereafter, as shown in FIG. 12B, SiO for supporting the flat plate 12 to be the second structure body. 2 The layer 96 is formed on the epitaxially grown GaAs layer 93 by vapor phase chemical growth.
[0055]
Further, as shown in FIG. 12C, the region where the photonic crystal slab 11 is formed is etched to a predetermined thickness by a light exposure method and a vapor phase etching method. At this time, SiO supporting the flat plate 12 on the photonic crystal slab 11 2 Layer 96 is also patterned and formed simultaneously. Since the portion left for supporting the flat plate 12 is in a position corresponding to both end portions of the flat plate 12, hatching indicating a cross section is not given in this drawing.
[0056]
Next, as shown in FIG. 12 (D1), holes having a lattice spacing of 350 nm and a hole radius of 105 nm are formed in the region of the GaAs layer 93 where the photonic crystal slab 11 is formed by electron beam exposure and vapor phase etching. A triangular lattice is formed, and the photonic crystal slab 11 is produced. A plan view is shown in FIG. In the plan view, the GaAs layer 93 left for supporting the flat plate 12 is SiO 2. 2 Under layer 96, it does not appear in the drawing.
[0057]
Thereafter, as shown in FIG. 12E, the lower surface of the photonic crystal slab 11 is made an air layer by using an etching solution that selectively etches only the AlAs layer 92. At this time, the region that becomes the support portion of the photonic crystal slab 11 is left as in the first and second embodiments.
[0058]
On the other hand, as shown in FIG. 12F, a Si substrate 95 is prepared for forming the flat plate 12 as the second structure. The Si substrate 95 is doped with P.
[0059]
Thereafter, as shown in FIG. 12G, the back surface 99 of the Si substrate 95 is removed by a back etching method, and the Si layer 98 is left with a thickness of 175 nm. After this process, notches 98a and 98b are created. This Si layer 98 corresponds to the flat plate 12 shown in FIG. Here, although not shown in the figure, notches 12a and 12b are formed in the Si layer 98. Note that if both side surfaces of the Si substrate 95 used as a holding portion for the laminating operation are formed in a plane parallel to the notches 12a and 12b, the Si layer 98 of Example 4 also has the notches 98a, It is no longer necessary to create 98b.
[0060]
Thereafter, as shown in FIG. 12H, a flat plate as a second structure shown in FIG. 12G is formed on the photonic crystal slab 11 as a first structure shown in FIG. 98 is turned upside down and the two are attached. Finally, electrodes and the like were formed, and the element structure shown in FIG. 8 was produced.
[0061]
According to the fourth embodiment, the process of manufacturing the photonic crystal slab 11 on the GaAs substrate 91 and the process of forming the Si layer 98 corresponding to the flat plate 12 can be separated. Although necessary, each can be created with high accuracy. Moreover, the freedom degree of each material and structure becomes high.
[0062]
(Example 5)
Example 5 is an element structure manufactured by a bonding method similar to Example 4, but shows an example in which the flat plate 12 as the second structure is realized in another form. 12A to 12E, the process is the same as that of the fourth embodiment until the process of manufacturing the portion for holding the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 on the GaAs substrate 91.
[0063]
First, as shown in FIG. 2 An SOI substrate having a film 92 and a Si layer 97 is prepared. SiO 2 The thickness of the membrane 92 is 0.5 μm The thickness of the Si layer 97 is 175 nm. The Si layer 97 is doped with P.
[0064]
Next, as shown in FIG. 13B, notches 97a and 97b corresponding to the notches 98a and 98b of Example 4 are formed in the Si layer 97 by the electron beam exposure method and the vapor phase etching method. This Si layer 97 corresponds to the flat plate 12 shown in FIG. Here, although not shown in the figure, notches 12a and 12b are formed in the Si layer 97 after this process.
[0065]
Next, as shown in FIG. 2 Layer 92 is etched except for support at both ends. FIG. 13C2 shows a side view. Remaining SiO 2 The layer 92 does not exist at the position of the cross-sectional view, but is displayed at both ends in the side view.
[0066]
Thereafter, as shown in FIG. 13D, the back surface 99 of the Si substrate 95 is shaved by a back etching method, and the Si layer 98 is left with an appropriate thickness. Note that if both side surfaces of the Si substrate 95 used as a holding portion for the laminating operation are formed in a plane parallel to the notches 12a and 12b, the Si layer 97 of Example 5 also has the notch 98a, It is no longer necessary to create 98b.
[0067]
After that, as shown in FIG. 13E, it is joined to a portion having the photonic crystal slab 11 separately manufactured as shown in FIG.
[0068]
In Example 5, the number of steps is increased compared to Example 4. However, since the Si layer 97 corresponding to the flat plate 12 is formed on the basis of the SOI substrate, the thickness can be precisely controlled. Moreover, the freedom degree of each material and structure becomes high.
[0069]
In Example 5, the distance between the photonic crystal slab 11 and the plate portion 98 may be changed by applying a voltage between the plate portion 98 that is a flat plate and the Si substrate 95 that is a holding portion. good
(Example 6)
Example 6 is the production of an element structure by a bonding method similar to Example 4, but shows an example in which the flat plate 12 as the second structure is realized in a form different from Example 5. 12A to 12E, the process is the same as that of the fourth embodiment until the process of manufacturing the portion for holding the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 on the GaAs substrate 91.
[0070]
First, as shown in FIG. 2 A film 92 is formed. SiO 2 The thickness of the membrane 92 is 0.5 μm It is.
[0071]
Next, as shown in FIG. 14 (B1), the portion corresponding to the central movable portion of the flat plate 12 remains so that the portion corresponding to the movable portion remains. 2 The film 92 is patterned. A plan view is shown in FIG. That is, only the portion with a thin dot in the broken line corresponding to the pattern of the flat plate 12 is SiO. 2 The membrane 92 is left.
[0072]
Next, as shown in FIG. 2 A Si layer 97 is formed on the film 92 by sputtering so that the Si layer 97 including the exposed surface of the Si substrate 95 becomes flat. The resulting Si layer 97 has a thickness of SiO 2 175 nm on film 92. The Si layer 97 is doped with P.
[0073]
Next, notches 97a and 97b corresponding to the notches 98a and 98b of the fourth embodiment are formed in the Si layer 97 by electron beam exposure and vapor phase etching. This Si layer 97 corresponds to the flat plate 12 shown in FIG. Here, although not shown in the figure, notches 12a and 12b are formed in the Si layer 97 after this process.
[0074]
Next, as shown in FIG. 2 Layer 92 is etched away. Further, the back surface 99 of the Si substrate 95 is scraped by a back etching method, and the Si layer 98 is left with an appropriate thickness. Note that if both side surfaces of the Si substrate 95 used as a holding portion for the laminating operation are formed in a plane parallel to the notches 12a and 12b, the Si layer 97 of Example 6 also has the notches 98a, It is no longer necessary to create 98b.
[0075]
After that, as shown in FIG. 14E, it is joined to a portion having the photonic crystal slab 11 separately manufactured as shown in FIG.
[0076]
As can be seen by comparing FIG. 14 (D) and FIG. 13 (D), the sixth embodiment is different from the fifth embodiment in that only the position corresponding to the movable portion of the flat plate 12 is SiO. 2 Since the layer 92 is left, the other parts differ only in that they become the Si layer 97.
[0077]
In the sixth embodiment, as in the fifth embodiment, the number of processes is increased as compared with the fourth embodiment. However, since the Si layer 97 corresponding to the flat plate 12 is separately formed, the thickness can be accurately controlled. Moreover, the freedom degree of each material and structure becomes high.
[0078]
(Example 7)
In the first embodiment, there is one each of the first structure made of the photonic crystal and the second structure close to the first structure, but even when there are a plurality of both structures. Characteristics as an effective optical functional element can be obtained. FIG. 15 is a perspective view illustrating an example of the seventh embodiment.
[0079]
In FIG. 15, a flat plate 12 made of a dielectric as a second structure is formed on the photonic crystal slab 11 on the basis of the structure shown in FIG. 1 , 12 2 Is formed in a cascade. In FIG. 15, the same reference numerals are given to the main elements corresponding to those in FIG. 8, and two elements having the same function are identified by subscripts 1 and 2. The data of each element of the optical functional element shown in FIG. 15 may be the same as those described in FIG.
[0080]
In the seventh embodiment, the first flat plate 12 1 The light transmittance can be reduced by the second flat plate 12. 2 It was revealed that the light intensity can be further greatly reduced. The attenuation factor of the light transmitted through both is as large as 20 dB, and the characteristics are greatly improved by the presence of the plurality of second structures. Thus, the use of a plurality of structures is particularly effective when restrictions are imposed on the shape and size of a single second structure. It goes without saying that the use of a plurality of structures is also effective when there are various restrictions on the first structure made of a photonic crystal. In addition to limiting the shape and size of the first structure, the presence of a plurality of structures is effective when different functions are derived, particularly when light of different wavelengths is turned on and off independently.
[0081]
(Example 8)
The optical functional element according to the present invention can be realized regardless of whether the first structure is a one-dimensional photonic crystal, a two-dimensional photonic crystal including a photonic crystal slab, or a three-dimensional photonic crystal. Examples 1 to 7 describe the case where the first structure is a photonic crystal slab, which is a two-dimensional photonic crystal. FIG. 16 is a perspective view showing an embodiment in which the first structure is a one-dimensional photonic crystal.
[0082]
In FIG. 16, 161 is SiO. 2 It is a substrate, and the region 162 is composed of an Si layer and SiO. 2 Layer is SiO 2 A one-dimensional photonic crystal in which 10 layers are alternately stacked on a substrate 161. Si layer thickness is 0.2a, SiO 2 The layer thickness was 0.8a. a is a lattice constant. The uppermost layer was a Si layer. The second structure is disposed on the uppermost surface of the one-dimensional photonic crystal layer. This structure is the same as that described with reference to FIG. 8, and is given the same reference numerals. The flat plate 12 is made of Si and has a thickness of a. The uppermost Si layer and the flat plate 12 of the one-dimensional photonic crystal layer are doped with P. In the uppermost Si layer and the flat plate 12 of the one-dimensional photonic crystal layer, the distance between the one-dimensional photonic crystal 162 and the flat plate 12 before voltage application is a.
[0083]
Light enters and exits in the direction of the arrow in the figure. 1.55 wavelength μm Is incident, a is 0.54. μm In this case, a transmittance of 50% was obtained. Next, when a voltage of 10 V was applied to control the distance between the one-dimensional photonic crystal 162 and the flat plate 12 to 80 nm, the transmittance was greatly reduced to 2.5%. Thus, an optical modulator capable of turning on and off the light intensity by applying a voltage was obtained.
[0084]
Example 9
FIG. 17 is a perspective view showing the concept of the embodiment when the present invention is realized by a three-dimensional photonic crystal. FIG. 17 shows the element shown in FIG. 8 in which the photonic crystal slab 11 is replaced with a three-dimensional square material laminated photonic crystal 171. In the figure, the relationship between the portion of the flat plate 12 and the three-dimensional square material laminated photonic crystal 171 is not specifically disclosed, but the structural part of the photonic crystal slab 11 is represented by a three-dimensional square material laminated photonic crystal as in FIG. Substituting with the crystal 171 and arranging the flat plate 12 on the periphery thereof may be performed.
[0085]
In the three-dimensional square material laminated photonic crystal 171, one fine square material constituting the three-dimensional square material is extracted, and light propagates through the extracted portion. In addition, only one square layer was formed on the layer from which the fine square rods were removed so that an evanescent wave was present on the top of the three-dimensional square layered photonic crystal 171. The period of the three-dimensional square-stacked photonic crystal is 0.7 μm The width and thickness of the square are 0.2 μm The square bar was made of Si. Also in this case, Si was doped with P so that the light transmittance could be controlled by applying a voltage to the device. Modulation was observed by applying voltage to the device, indicating that it functions as an optical modulator.
[0086]
(Example 10)
The optical functional element according to the present invention can be realized with various characteristics by providing defects in the photonic crystal. Example 10 is an example in which a two-dimensional photonic crystal slab 11 including a line defect 181 as a defect is formed on the basis of the structure shown in FIG.
[0087]
FIG. 18 is a plan view of the two-dimensional photonic crystal slab 11 including the line defect 181. The medium of the two-dimensional photonic crystal slab 11 is Si, and a line defect 181 is formed by removing one row of the holes 22. The flat plate 12 is produced so as to be exactly on the line defect 181, but the display of the flat plate 12 is omitted in the figure. Light enters from the direction of the left arrow and exits in the direction of the right arrow.
[0088]
The characteristics of the optical functional element having the structure of the two-dimensional photonic crystal slab 11 shown in FIG. 18 were measured. As a result, when a voltage of 10 V was applied, the light transmittance between the optical fibers connected to the incident side and the outgoing side of the element was reduced by 12 dB compared to the case where the voltage was not applied. This result corresponds to a decrease in the light transmission characteristics by applying a voltage and reducing the distance between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 to 80 nm.
[0089]
FIG. 19 shows a plan view of the two-dimensional photonic crystal slab 11 when the line defect is different from FIG. In this example, a photonic crystal slab in the case where a point defect 182 is formed in a part of the above-described line defect 181 is shown.
[0090]
The characteristics of the optical functional element having the structure of the two-dimensional photonic crystal slab 11 shown in FIG. 19 were measured. As a result, when a voltage of 8 V was applied, the light transmittance between the optical fibers connected to the incident side and the outgoing side of the element was reduced by 12 dB compared to the case where the voltage was not applied. This result corresponds to the reduction of the light transmission characteristics by applying a voltage and reducing the distance between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 to 80 nm as in the case of the line defect.
[0091]
As described above, also in the case of a photonic crystal including a defect such as a line defect or a point defect, the position of the first structure formed of the photonic crystal and the second structure close to the first structure are determined. By approaching to a predetermined value, the characteristics of the first structure can be changed.
[0092]
(Example 11)
In the optical functional element according to the present invention, in the above-described embodiment, the second structure is described as an example of Si doped with P or GaAs doped with Si. However, these are other semiconductors having conductivity. For example, in the case of a semiconductor such as Ge, InP, and GaN, the same characteristics as in the above-described embodiment can be obtained. Instead of semiconductor, SiO 2 Glass, LiNbO Three It may be a dielectric such as. Further, it may be a metal, a magnetic material, or a composite thereof including a semiconductor and a dielectric.
[0093]
In the above-described embodiment, however, since the displacement of the second structure is controlled by the potential between the first structure and the dielectric that cannot be energized, it is necessary to devise. For example, the position can be controlled by sticking a flat plate made of a dielectric, which is the second structural body, under a conductive flat plate. That is, the electrostatic force between the semiconductor flat plate and the first structure photonic crystal Therefore A change in both positions can be caused, and the position of the dielectric flat plate attached to the semiconductor flat plate can be changed accordingly.
[0094]
Furthermore, in the case of using a metal as the second structure, the amount of light absorption is very large compared to other semiconductors and dielectrics. For this reason, when used as a light intensity modulator, a large extinction ratio can be obtained. As a result of the study, when Al was used as the flat plate 12 in the element structure shown in FIG. 8, it was connected to the incident side and the emission side of the element as compared with the case where no voltage was applied to 10 V applied voltage. The light transmittance between the optical fibers showed a very large decrease of 18 dB.
[0095]
The materials shown above are only a part of applicable materials, and it goes without saying that other dielectrics, semiconductors, and metal materials can be applied.
[0096]
(Example 12)
The optical functional element shown in Example 12 is characterized in that the second structure is made of a photonic crystal.
[0097]
FIG. 20 is a perspective view showing the configuration of the optical functional element of Example 12. This Example 12 is basically the same as the optical functional element shown in FIG. 8, and differs in that the flat plate 12 as the second structure is composed of a photonic crystal slab. In this case, the photonic crystal slab of the flat plate 12 has the same thickness, the same lattice constant, and the same hole radius as the photonic crystal slab 11 as the first structure.
[0098]
The characteristics of the optical functional device of Example 12 were as follows. When a voltage of 5 V was applied from the lead wires 78 and 79, the light transmittance between the optical fibers connected to the incident side and the outgoing side of the element was reduced by 10 dB compared to the case where the voltage was not applied. This result corresponds to the fact that by applying a voltage, the distance between the photonic crystal slab and the flat plate is reduced, and the light transmission characteristics are reduced. In addition, this result is operated at a lower voltage than the result shown in Example 1, and the flat plate as the second structure is a photonic crystal slab, so that the first structure and the second structure This means that the interaction between the two is maintained even if the distance between the structures is relatively large. That is, the twelfth embodiment can be controlled with a lower voltage than the structure of the first embodiment.
[0099]
(Example 13)
The optical functional element shown in Example 13 is characterized in that the relative positions of the first and second structures are changed using a microactuator using comb-tooth electrodes.
[0100]
FIG. 21A1 is a plan view showing an example in which a Mach-Zehnder type optical modulator is configured by the optical functional element of Example 13. FIG. A photonic crystal slab 11 is formed on the upper surface of the right side portion of the substrate 71, and a microactuator 220 using comb electrodes is formed on the upper surface of the left side portion. FIG. 21 (A2) shows this side view for reference.
[0101]
The photonic crystal slab 11 is made of Si, and is composed of a hole square lattice of holes 22 having a lattice interval of 350 nm and a hole radius of 105 nm, and has a thickness of 175 nm. As shown in the figure, a Mach-Zehnder type line defect waveguide is formed in the hole square lattice. Light enters and exits as indicated by arrows. Of the two line defect waveguides of the Mach-Zehnder type waveguide, control is performed so that the flat plate 12 as the second structure exists or does not exist on one of the waveguides. FIG. 21A1 shows the case where the flat plate 12 does not exist on the waveguide, and FIG. 21B shows the case where the flat plate 12 exists. The flat plate 12 is made of Si and has a thickness of 175 nm. The distance between the flat plate 12 and the photonic crystal slab 11 was 150 nm.
[0102]
The microactuator 220 using the comb-tooth electrode for controlling the movement of the flat plate 12 is the electrostatic actuator disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. H10-228707. A fixed electrode 223 supported by the frame portion 221 is formed, and plate springs 225 and 227 having the frame portion 221 as a fixed portion are also formed. A movable shaft 229 is coupled to the movable portions of the leaf springs 225 and 227. The free end at the tip of the movable shaft 229 is a flat plate 12. A movable electrode 224 is also coupled to the movable shaft 229. Since the driving force acting between the interdigitated comb electrodes provided on the fixed electrode 223 and the movable electrode 224 deflects the leaf springs 225 and 227, respectively, the flat plate 12 at the tip of the movable shaft 229 is shown in the figure. Move to the right. As a result, as shown in FIG. 21B, the flat plate 12 exists on the waveguide.
[0103]
At this time, the voltage between the fixed electrode 223 and the movable electrode 224 is controlled so that both the two line defect waveguides of the Mach-Zehnder type waveguide are used as shown in FIGS. 21A1 and 21B. The light output when the flat plate 12 is not applied is different from that when the flat plate 12 exists right above one of the waveguides. That is, as shown in FIG. 21A1, compared to the light output when the flat plate 12 is completely shifted from the upper portion of the waveguide, the flat plate 12 is directly above one of the waveguides as shown in FIG. The light output when is present is reduced by 10 dB. This indicates that the phase of light propagating through one of the waveguides is changed by π due to the presence of the flat plate. In this way, it is possible to change the output characteristics of the optical functional element by moving not only in the vertical direction but also in the horizontal direction as the flat plate 12 as the second structure.
[0104]
Since the microactuator 220 using the comb electrode of Example 13 can be formed as an independent one as disclosed in [Patent Document 3], the left side portion of the substrate 71 corresponds to the thickness thereof. For example, the distance between the flat plate 12 and the photonic crystal slab 11 can be easily managed.
[0105]
(Example 14)
In the above-described thirteenth embodiment, the case where the flat plate 12 is provided at the tip of the movable shaft 229 of the microactuator 220 and this is moved in the lateral direction is shown. Example 14 shows an example of an optical functional element in which the comb teeth themselves function as the flat plate 12. FIG. 22A is a perspective view of the optical functional element of Example 14 in an uncontrolled state, and FIG. 22B is a perspective view of a state in which voltage is applied to the comb teeth of the actuator for control. In FIG. 22B, the frame of the actuator is omitted for easy understanding of the hole square lattice of the photonic crystal slab 11.
[0106]
In FIG. 22A, reference numeral 71 denotes a substrate, on which the photonic crystal slab 11 is formed. 22 is a hole. Here, the SiO described in FIG. 2 The layer 72 and the like are not shown. The photonic crystal slab 11 as the first structure is made of Si, and is formed of a hole square lattice having a lattice interval of 350 nm and a hole radius of 105 nm, and has a thickness of 175 nm. As shown in FIG. 22 (B), this hole square lattice forms a linear coupling defect waveguide, but in FIG. 22 (A), it becomes invisible due to the frame portion of the actuator. The defects corresponded to the state without the holes 22, and the coupling defect waveguide was formed at a ratio of one defect for every three holes. Light enters and exits as shown by arrows.
[0107]
An actuator is formed on the upper surface of the substrate 71. Reference numeral 231 denotes a frame portion of the actuator, and a support portion 233 for the fixed electrode 235 is provided on the left side. A support portion 237 between the movable electrodes 239 is provided on the opposite portion of the frame portion 231. The support portion 237 is separated from the substrate 71 and is coupled to the frame portion 231 by springs 237a and 237b. The fixed electrode 235 and the movable electrode 239 are comb teeth interlaced with each other. It is installed so that the comb electrode portion is just above the defective portion of the waveguide. Both comb electrodes were made of Si doped with phosphorus and had a thickness of 175 nm. When a voltage was applied between the two, the movable electrode 239 moved upward as shown in FIG. 22B, and the distance from the photonic crystal slab 11 was increased. That is, the movable electrode 239 corresponds to the flat plate 12. here,
Naturally, the fixed electrode 235 and the movable electrode 239 should be devised so as not to be short-circuited by the frame portion 231, as described in Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-228707. As a result, the wavelength dependence of the group velocity of the propagating light changed, and the group velocity dispersion changed by about 10 ps / nm / mm. Thus, the functional element of Example 14 has a function as a dispersion compensating element with variable group velocity dispersion.
[0108]
The dispersion compensation element using the vertical movement of the comb teeth can vary the amount of dispersion, and there is a function of shortening the time width of an optical pulse incident on the element, that is, a pulse compression function. There is also a function of restoring the original pulse width by using this functional element for an optical pulse signal that has propagated through a long-distance optical fiber and whose pulse has spread.
[0109]
(Example 15)
FIG. 23 shows another example in which the flat plate 12 is moved up and down the photonic crystal slab 11 by a microactuator.
[0110]
FIG. 23 is a sectional view showing the structure of the fifteenth embodiment. SiO on the upper surface of the substrate 71 2 A photonic crystal slab 11 is formed through the layer 72. On the other hand, a plate 241 serving as a holding means for the microactuator 220 is provided on the upper surface of the substrate 71. The microactuator 220 is held by a plate 241 so that the movable shaft 229 of the microactuator 220 moves perpendicularly to the upper surface of the photonic crystal slab 11, and the flat plate 12 is provided at the tip of the movable shaft 229.
[0111]
As described in the fourteenth embodiment, the microactuator 220 using the comb electrode can be formed as an independent one as disclosed in [Patent Document 3]. It can be easily attached to the plate 241. Therefore, management of the space | interval of the flat plate 12 and the photonic crystal slab 11 can also be performed easily.
[0112]
(Example 16)
Next, as another example of the microactuator, a case where a scratch actuator is used will be exemplified. FIG. 24 is a perspective view showing the configuration of the sixteenth embodiment. The scratch actuator adopted in Example 16 is conductive on a conductive substrate as introduced in the paper “Scratch Drive Actuator with Mechanical Links for Self-Assembly of Three-Dimensional MEMS” in [Non-Patent Document 1]. A movable plate made of polysilicon is insulated and installed. Further, a claw that engages with the substrate is provided at one end of the movable plate. Then, by applying a rectangular wave voltage that changes positively and negatively between the substrate and the movable plate, the movable plate moves in a certain direction. When the voltage is stopped, it is pulled back in the direction opposite to the direction in which it is moved by the restoring force of the spring acting on the movable plate.
[0113]
Referring to FIG. 24, photonic crystal slab 11 is formed on the upper right side surface of substrate 71. The photonic crystal slab 11 is made of Si, and is composed of a hole square lattice including holes 22 having a lattice interval of 350 nm and a hole radius of 105 nm, and has a thickness of 175 nm. Also here, like the thirteenth embodiment, it has two line defect waveguides of Mach-Zehnder type waveguides. Light enters and exits as indicated by arrows in the figure. On the other hand, a scratch actuator 250 that controls the movement of the flat plate 12 above the waveguide is disposed on the upper left surface of the substrate 71. The flat plate 12 had a width of 5 μm and a thickness of 1 μm, and the distance between the flat plate 12 and the photonic crystal slab 11 was 300 nm. As described above, the scratch actuator 250 includes the conductive substrate 251 and the conductive movable plate 253. Although an insulating layer is formed on the upper surface of the conductive substrate 251, the illustration is omitted. A claw 255 is formed at one end of the movable plate 253. The flat plate 12 is connected to the free end side of the claw 255. As described above, when a rectangular wave voltage that changes between positive and negative is applied between the conductive substrate 251 and the conductive movable plate 253, the movable plate 253 moves to the right side of the figure. When the voltage application is stopped, although not shown, it is pulled back to the initial position on the left side of the drawing by the spring force acting on the movable plate 253.
[0114]
At the initial position of the movable plate 253, the flat plate 12 is located at a position close to one of the two waveguides of the Mach-Zehnder type waveguide. When a rectangular wave voltage that changes between positive and negative is applied between the conductive substrate 251 and the conductive movable plate 253 for a short time, the flat plate 12 moves to a position that completely covers one of the waveguides. When the voltage is turned off, the movable plate 253 returns to the initial position by the force of the spring, so that the flat plate 12 also returns to a position close to one of the waveguides.
[0115]
By applying such a rectangular wave voltage, the flat plate 12 is moved onto one waveguide of the Mach-Zehnder type waveguide or controlled so as to be in a position close to the waveguide, thereby outputting the output light. Could be changed by 11 dB. This indicates that the optical functional element shown in Example 16 has a function as an optical modulator.
[0116]
(Example 17)
The optical functional element according to the present invention is a wavelength separator that spatially separates only a specific wavelength optical signal from the wavelength multiplexed optical signal, or a wavelength multiplexed optical signal. It can have a function of a wavelength multiplexer to be added.
[0117]
FIG. 25 is a top view of an embodiment of the photonic crystal slab 11 made of P-doped Si that constitutes the wavelength separator. Although the figure is simplified and only the photonic crystal slab 11 is shown, the overall configuration is equivalent to the structure of the optical functional element shown in FIG. 8, and the size of the holes 22 and the lattice constant are the same. The photonic crystal slab 11 of Example 17 is a photonic crystal in which the holes 22 form a square lattice.
[0118]
The photonic crystal slab 11 has a waveguide 261 made of a line defect. The optical pulse signal wavelength-multiplexed from the arrow 263 is incident on the waveguide 261 and is emitted to the arrow 264. The wavelength-multiplexed optical pulse is introduced from an optical fiber (not shown) that forms an optical communication network, passes through the photonic crystal slab, and is guided to the optical fiber again. The photonic crystal slab 11 has another waveguide 262 made of a line defect. Light can enter from the arrow 265 and light can exit from the arrow 266. Here, a broken line 12 indicates a position at which the flat plate 12 is disposed in proximity. At this position, the waveguide 262 passes through a position close to the waveguide 261 where only one layer of the hole 22 is separated.
[0119]
Wavelengths 1.5, 1.6 and 1.7 from arrow 263 μm When a voltage of 10 Gb / s was incident, when no voltage was applied between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12, light pulses of all wavelengths were emitted from the arrow 264. Next, when a voltage of 9 V was applied between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 to bring the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 close to each other, the wavelength 1.5 μm Only the light pulse from the arrow 264 was emitted. This is due to the fact that the two line defect waveguides 261 and 262 function as directional couplers in the region where they are close to each other, and the coupling length is changed by the presence of the flat plate 12.
[0120]
As described above, in Example 17, the line defect waveguides 261 and 262 of the photonic crystal slab 11 are close to each other in the region of the flat plate 12 as shown in FIG. 25, and the flat plate 12 is brought close to the photonic crystal slab 11. By separating or separating, it is shown that it works as an ultra-small wavelength separator that selects only light pulses of a specific wavelength from the wavelength-multiplexed light pulses and spatially separates them or simply passes them.
[0121]
The structure of the seventeenth embodiment also functions as a wavelength multiplexer. This will be described with reference to FIG. In this case, a case will be described where pulse trains of different wavelengths incident from the arrow 265 are added to the optical signal pulse train incident from the arrow 263 and emitted from the arrow 264. In fact, from the arrow 263, the wavelengths 1.5, 1.6 and 1.7 μm When a light pulse of 10 Gb / s was incident, when no voltage was applied between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12, light pulses of all wavelengths were emitted from the arrow 264. Next, a voltage of 12 V is applied between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 to bring the flat plate 12 close to the photonic crystal slab 11, and the wavelength 1.4 incident from the arrow 265 is entered. μm Was added to the light emitted from the arrow 264. That is, from the arrow 264, the original wavelengths 1.5, 1.6 and 1.7. μm In addition to a 10 Gb / s optical pulse, a wavelength of 1.4 μm The light pulse was emitted. Thus, Example 17 is that the element having the structure shown in FIG. 25 also functions as an ultra-small wavelength multiplexer that adds an optical signal pulse of a specific wavelength to an optical signal pulse that has been wavelength-multiplexed. Show. This can be controlled by the degree of proximity between the wavelength photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 of incident light.
[0122]
(Example 18)
FIG. 26 shows another embodiment relating to the wavelength separator. The overall configuration is the same as that of the wavelength separator shown in FIG. 25, and the photonic crystal slab 11 is a photonic crystal in which the holes 22 form a square lattice.
[0123]
As can be seen by comparing FIG. 25 and FIG. 26, also in Example 18, the photonic crystal slab 11 has two waveguides 261 and 262 made of line defects. The optical pulse signal wavelength-multiplexed from the arrow 263 is incident on the waveguide 261 and is emitted to the arrow 264. The optical pulse signal wavelength-multiplexed from the arrow 265 enters the waveguide 262 and is emitted to the arrow 266. The wavelength-multiplexed optical pulse is introduced from an optical fiber (not shown) that forms an optical communication network, passes through the photonic crystal slab, and is guided to the optical fiber again. In the photonic crystal slab 11, an optical resonator 271 due to a point defect exists at a position indicated by a broken line 12 sandwiched between waveguides composed of two line defects. Here, a broken line 12 indicates a position at which the flat plate 12 is disposed in proximity.
[0124]
Wavelengths 1.5, 1.6 and 1.7 from arrow 263 μm When a 10 Gb / s optical pulse is incident and no voltage is applied between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12, the wavelength is 1.6. μm Only light pulses are emitted to arrow 266 and the other wavelengths 1.5 and 1.7. μm The light pulse is emitted from the arrow 264. This is because the point wavelength optical resonator 271 has a resonance wavelength of just 1.5. μm This is because. Next, when a voltage of 9 V was applied between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 to bring the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 close to each other, this time, a wavelength of 1.6. μm Only the optical signal of the light is emitted from the arrow 266, and other waves Long light The signal exited from arrow 264. This is because the resonance wavelength of the point defect optical resonator 271 is shifted by the presence of the flat plate 12.
[0125]
Thus, in Example 18, the line defect waveguides 261 and 262 of the photonic crystal slab 11 have a structure having the point defect optical resonator 271 in the region of the plate 12 as shown in FIG. It is shown that it works as an ultra-compact wavelength separator that selects and spatially separates only light pulses having a specific wavelength from the wavelength-multiplexed light pulses by bringing them close to or away from the crystal slab 11. .
[0126]
Similarly to the structure of the seventeenth embodiment functioning as a wavelength multiplexer, the structure of the eighteenth embodiment similarly applies a voltage between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 or applies a voltage. By controlling the distance between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 such as not being used, it also functions as a wavelength multiplexer.
[0127]
(Example 19)
The optical functional element according to the present invention can function as an optical switch having a switching function of switching an optical signal transmission path spatially, temporally, or wavelength. FIG. 27 is a perspective view showing an example of the relationship between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 in the form of an embodiment of the optical switch. The specifications of the photonic crystal slab 11 shown in FIG. 27 are almost the same as those shown in FIG. 8, but in Example 19, a square lattice is used. In the photonic crystal slab 11, a defect waveguide 281 for introducing incident light is formed, which is a coupled defect waveguide coupled to two defect waveguides 282 and 283 that are bent at a right angle. . The flat plate 12 is disposed on the upper surface of the defective waveguide 282.
[0128]
When no voltage is applied between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12, the flat plate 12 is moved away from the photonic crystal slab 11. At this time, the incident light introduced into the defect waveguide 281 is emitted from the respective exits of the two defect waveguides 282 and 283 as emitted light 1 and emitted light 2 with substantially the same intensity. On the other hand, in a state where a voltage is applied, the flat plate 12 approaches the photonic crystal slab 11, so that the light output of the emitted light 1 emitted from the defect waveguide 282 decreases to 10% or less, and along with this, the defect conduction is reduced. The light output of the emitted light 2 emitted from the waveguide 283 increased.
[0129]
This is because when the flat plate 12 approaches the photonic crystal slab 11, the optical coupling of the coupled defect waveguide 282 is weakened, and as a result, the optical output of the emitted light 1 from the defect waveguide 282 side is reduced. Conceivable. This decrease is because reflection occurs at a portion where the optical coupling is weakened, and thus the output on the defect waveguide 283 side increases. Thus, the optical functional device of Example 19 can spatially switch the optical pulse propagating through the defect waveguide. Further, the flat plate 12 is also arranged on the upper surface of the defect waveguide 283 to reduce the light output of the emitted light 2 from the defect waveguide 283 and increase the light output of the emitted light 1 from the defect waveguide 282 side. You can also That is, it is possible to switch to either one of the two defect waveguides. In the nineteenth embodiment, the case of a spatial switch has been described. However, an optical pulse can be switched in terms of time and wavelength by a similar mechanism.
[0130]
(Example 20)
The optical functional element according to the present invention can function as a light emitter or a laser that emits light. FIG. 28 is a perspective view showing the basic configuration of the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 of the optical functional element that functions as a laser. The photonic crystal slab 11 has an active layer 291 composed of 10 quantum well layers made of InP / InGaAsP each having a thickness of 10 nm in the center layer, a P-InP layer 292 on the upper surface, and an N-InP layer 293 on the lower surface. The structure. The central wavelength of light emission from this quantum well is 1.55 μm. Further, the photonic crystal is a hole triangular lattice with holes 22 having a refractive index of 3.5, a lattice interval of 500 nm, a hole radius of 150 nm, and a thickness of 250 nm. The periphery of the slab is composed of air. The flat plate 12 has a refractive index of 1.5, a size of 2 × 1.85 μm, and a thickness of 250 nm. The photonic crystal slab 11 that is the first structure includes a point defect, and the flat plate 12 that is the second structure is provided on the upper surface of the point defect. Since this cross-sectional structure is the same as that described with reference to FIG.
[0131]
When the photonic crystal slab 11 was irradiated with light having a wavelength of 1.1 μm from the outside, light emission from the photonic crystal slab 11 was observed. In the twentieth embodiment, the resonance wavelength of the point defect is controlled by the presence of the flat plate 12, and for example, a wavelength variable light source is realized. At this time, the number of point defects is not necessarily one, and a plurality of point defects may be used.
[0132]
FIG. 29 is a diagram showing the result of detailed calculation of the characteristics by simulation in relation to the light intensity and the wavelength. As shown in the figure, the laser obtained by Example 20 has sharp peaks corresponding to the first resonance and the second resonance. Of particular note is that when the distance d between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 is changed to 25, 75, and 225 nm, the peak position changes greatly.
[0133]
FIG. 30 is a diagram showing how the peak position changes depending on the distance d between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12. In the figure, the horizontal axis represents the distance d, and the vertical axis represents the resonance wavelength. From the figure, it can be seen that by changing the distance d from 2 to 300 nm, tuning of a very large resonance wavelength of about 15 nm can be performed in both the first resonance and the second resonance.
[0134]
The results shown in FIG. 29 and FIG. 30 were when the thickness of the flat plate 12 was 250 nm, but even if the thickness of the flat plate was increased to 375 nm, no difference was seen in the distance d dependency of the resonance wavelength. A great effect was obtained as well. Further, the results shown in FIGS. 29 and 30 were obtained when the size of the flat plate was 2 × 1.85 μm. However, even if the size of the flat plate is increased to 5 × 1.85 μm, FIG. 29 and FIG. Similar to the results shown in FIG. 30, the resonance wavelength could be greatly changed by changing the distance d between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12. Further, the results shown in FIGS. 29 and 30 were obtained when the refractive index of the flat plate 12 was 1.5, but even when the refractive index of the flat plate was 3.5, the results shown in FIGS. 29 and 30 were obtained. Similarly to the above, by changing the distance d between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12, the resonance wavelength could be greatly changed. Thus, it can be seen that the resonance wavelength can be controlled effectively in any case regardless of the size, thickness and refractive index of the flat plate 12 as the second structure.
[0135]
Furthermore, when a voltage was applied between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 of this element, the emission wavelength continuously increased from 1.54 μm to 1.55 μm. This is because the distance between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 is decreased by applying a voltage, thereby increasing the resonance wavelength of the defect. As described above, it is shown that the photonic crystal slab 11 as the first structure includes a point defect, and the flat plate 12 as the second structure is disposed on the photonic crystal slab 11 to form a wavelength-tunable light emitting element. It was.
[0136]
Here, an example of a light emitting element using an optical pump is shown as the light emitting element. However, this configuration is also effective in the case of a current injection type light emitting element. Although the light emitting element is generally described here, the present configuration is sufficiently effective in the case of a laser element that can obtain coherent light.
[0137]
In Example 20 shown above, the size of the flat plate 12 as the second structure was larger than the unit cell including the point defect of the photonic crystal slab 11. When the size of the flat plate 12 is approximately the same as the size of the unit cell including point defects, the resonance wavelength does not change even if the distance d is changed, and the resonance line width increases rather as the distance d is decreased. The result to be obtained. FIG. 31 is a diagram showing the characteristics of the light emitting device when the size of the flat plate 12 is approximately the same as the size of the unit cell including point defects. The vertical axis represents the normalized light intensity, and the horizontal axis represents the wavelength (μm).
[0138]
The structure obtained as a result of FIG. 31 is a hole triangular lattice having a lattice spacing of 440 nm, a hole radius of 150 nm, and a thickness of 220 nm of the photonic crystal slab 11. The flat plate 12 has a refractive index of 3.5, a size of 880 nm × 880 nm, and a thickness of 220 nm. Thus, when the flat plate 12 covers the lattice defect of the photonic crystal slab 11 about twice as large as the lattice spacing of the photonic crystal slab 11, just as shown in FIG. This corresponds to the fact that the Q value of the resonator due to the defect can be controlled by changing d. First, when the distance d between the flat plate and the photonic crystal slab was set to a sufficiently large value of 200 nm or more, by injecting current into this quantum well, laser oscillation occurred at the point defect portion, and coherent light was obtained. . Next, the laser oscillation stopped when the flat plate was brought close to the photonic crystal and the distance d was set to 100 nm. This is because by reducing the distance d, the Q value is reduced and laser oscillation cannot be performed. Thus, it was shown that laser oscillation can be turned on and off by changing the distance between the flat plate and the photonic crystal slab. In addition, an element using the Q value of the resonator due to the defect, such as control of the propagation speed of the coupled defect waveguide made of a photonic crystal using this, can be manufactured.
[0139]
Although a laser using a photonic crystal is introduced in [Patent Document 4], an example of controlling the characteristics of the light emitting element by controlling the flat plate 12 as in the present invention is not disclosed.
[0140]
(Example 21)
As described above, the present invention has a first structure made of a photonic crystal and a second structure close to the first structure, and by changing the relative positions of the two, In the following, specific application forms in an optical communication system or an optical application system will be described.
[0141]
FIG. 32 is a diagram for explaining an optical module introduced into an optical communication system in which an optical functional element of the present invention and a mechanism for controlling the function are simultaneously provided. The module shown in FIG. 32 includes the element 331 shown in FIG. 8, and the fiber 332 and the lens 333 disposed on both sides of the element 331 on the optical axis. Further, the device 334 includes a device 334 for applying a voltage between the photonic crystal slab 11 of the element 331 and the flat plate 12 (not shown). In this example, a control signal is sent from a receiving device (not shown) that receives an optical signal after passing through the module, and a voltage is applied to the device from a device 334 that applies a voltage to the device 331, and the optical signal is turned on / off. I do.
[0142]
FIG. 33 is a diagram for explaining an optical transmission system in which the optical functional element of the present invention is used in any one or a plurality of locations of a transmitter, a repeater, and a receiver. This is a wavelength division multiplexing optical transmission system of 40 Gbps / channel using the optical functional element exemplified in the first embodiment. This system includes a transmitter 341, a transmission fiber path 342, and a receiver 343. The transmission apparatus 341 includes an electric-optical converter 344, a wavelength multiplexer 345, and an optical transmission amplifier 346 for each wavelength (channel). However, these are sufficient as usual. The wavelength used is a band centered at 1.55 μm. A dispersion shifted fiber 342 is used for the transmission fiber path, and the transmission distance is 80 km. The receiving device 343 includes an optical receiving amplifier 347, a wavelength separator 348, a dispersion compensator 349, and an optical-electrical converter 340. The multiplexed optical pulse is divided into wavelengths by a wavelength demultiplexer 348, and optimum dispersion compensation is performed in each channel by a dispersion compensator 349.
[0143]
In this configuration, the wavelength multiplexer 345 is configured by using the wavelength multiplexer described in Example 17 or Example 18 in multiple stages. The wavelength separator 348 is also configured by using the wavelength separator described in Example 17 or Example 18 in multiple stages. As a result, the wavelength multiplexer 345 and the wavelength separator 348 can be configured to be very small, and the system can be configured compactly.
[0144]
FIG. 34 is a diagram for explaining an example in which an optical recording apparatus and system are configured using the optical functional element of the present invention.
[0145]
The optical bit writing / reading apparatus and system using the wavelength tunable semiconductor laser 351 manufactured by the current injection type described in Example 20 are illustrated. In the figure, the light from the laser 351 is condensed via a lens 352 onto a rotating disk 353 that records an optical bit. The disk is rotated by a drive motor 354. This disk is coated with a material having a hole burning effect, and wavelength multiplex writing is possible by changing the wavelength. A material having a hole burning effect is a material that can record optical signals having different wavelengths in the same place. That is, for example, when light beams with wavelengths λ1 and λ2 are irradiated to the same place of a film made of a material having a hole burning effect, the light transmittances of the wavelengths λ1 and λ2 of the film at that place change. For this reason, by changing the wavelength at the same place, optical recording corresponding to each wavelength becomes possible, and wavelength multiplex writing can be performed.
[0146]
With such an apparatus configuration, a system capable of efficiently and compactly performing wavelength division multiplexing writing and reading by signal control from the control system 355 was constructed. This is because the semiconductor laser 351 is made of a photonic crystal, so that the apparatus can be miniaturized.
[0147]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to realize an optical functional element using an ultra-compact and highly functional photonic crystal with a relatively simple configuration. Further, according to the present invention, an inexpensive and highly reliable optical transmission system or optical recording system can be constructed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a basic configuration of an optical functional element of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an example of what is called a two-dimensional photonic crystal among photonic crystals.
3 is (ε1) in the structure of FIG. 1/2 The figure which shows the photonic band figure with respect to TM mode and TE mode when setting = 3.5, (epsilon) 2 = 1, and r / a = 0.45.
FIGS. 4A and 4B are diagrams showing examples of a band structure of a photonic crystal slab 11 obtained by simulation. FIGS.
5A is a plan view showing the concept of the configuration of an embodiment of an optical functional element according to the present invention, and FIG. 5B is a cross-sectional view taken in the direction of the arrow at the AA position.
FIG. 6 shows the results obtained by simulating the transmittance and phase change of light propagating through the photonic crystal slab 11 by changing the distance between the upper surface of the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 in the configuration shown in FIG. FIG.
FIG. 7 is a diagram in which the transmittance of light propagating through the photonic crystal slab 11 is obtained by simulation.
8 is a perspective view showing the structure of the produced optical functional element based on the structure corresponding to FIG.
9A to 9F are cross-sectional views (including a partial plan view) showing a main part of an example of a process for realizing the structure of the optical functional element shown in FIG.
FIGS. 10A to 10G are diagrams showing a manufacturing process in the case where GaAs is used as a material of a photonic crystal slab which is a first structure and Si is used as a flat plate which is a second structure. .
FIGS. 11A to 11C are cross-sectional views showing a main part of an example of a process when a GaAs substrate 91 itself for forming a photonic crystal slab 11 is used as a second structure. FIGS.
FIGS. 12A to 12H show other processes of the manufacturing process when GaAs is used as the material of the photonic crystal slab as the first structure and Si is used as the flat plate as the second structure. The figure which shows an example.
FIGS. 13A to 13E are diagrams showing an example in which an element structure is manufactured by a bonding method similar to that in FIG. 12, but the flat plate 12 which is the second structure is realized in another form.
FIGS. 14A to 14E are examples of manufacturing a device structure by a bonding method similar to that in FIG. 12, but realizing the flat plate 12 as the second structure in another form. FIG.
15 is a perspective view showing an example of Example 7. FIG.
FIG. 16 is a perspective view showing an embodiment in which the first structure of the optical functional element according to the present invention is a one-dimensional photonic crystal.
FIG. 17 is a perspective view showing a concept of an embodiment when the present invention is realized by a three-dimensional photonic crystal.
18 is a plan view of a two-dimensional photonic crystal slab 11 including a line defect 181. FIG.
FIG. 19 is a plan view of the two-dimensional photonic crystal slab 11 when the line defect is different from FIG.
20 is a perspective view showing a configuration of an optical functional element according to Example 12. FIG.
FIGS. 21A and 21B are diagrams illustrating an example of an optical functional element that changes a relative position of a first structure and a second structure using a microactuator using a comb-tooth electrode; FIGS. .
22A to 22B are diagrams showing examples of optical functional elements in which comb teeth themselves function as a flat plate 12; FIG.
FIG. 23 is a view showing another example in which the flat plate 12 is moved up and down the photonic crystal slab 11 by a microactuator.
FIG. 24 is a perspective view showing the configuration of Example 16 employing a scratch actuator.
FIG. 25 is a top view of an embodiment of the photonic crystal slab 11 made of P-doped Si that constitutes the wavelength separator.
FIG. 26 is a top view of a photonic crystal slab 11 showing another embodiment relating to a wavelength separator.
FIG. 27 is a perspective view showing an example of the relationship between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 in the form of an embodiment of the optical switch.
FIG. 28 is a perspective view showing the basic configuration of a photonic crystal slab 11 and a flat plate 12 of an optical functional element that functions as a laser.
29 is a graph showing the result of detailed calculation of the characteristics of the laser shown in FIG. 28 by simulation in relation to the light intensity and the wavelength.
30 is a diagram showing how the peak position changes depending on the distance d between the photonic crystal slab 11 and the flat plate 12 of the laser shown in FIG. 28;
31 is a graph showing characteristics of a light-emitting element when the size of a flat plate 12 of the laser shown in FIG. 28 is approximately the same as the size of a unit cell including point defects.
FIG. 32 is a view for explaining an optical module introduced into an optical communication system in such a manner that the optical functional element of the present invention and a mechanism for controlling the function are simultaneously provided.
FIG. 33 is a diagram illustrating an optical transmission system in which the optical functional element of the present invention is used in any one or a plurality of locations of a transmitter, a repeater, and a receiver.
FIG. 34 is a diagram illustrating an example in which an optical recording apparatus and system are configured using the optical functional element of the present invention.
[Explanation of symbols]
11: Photonic crystal slab, 12: Flat plate, 12a, 12b: Notch, 13: Drive device, 14: Operating rod, 22: Hole, 41: Light line, 42: Dispersion curve, 71: Substrate, 72, 74 : SiO 2 Layer: 75: Ridge type waveguide, 76, 77: Electrodes 77, 78, 79: Lead wire, 91: GaAs substrate, 92: AlAs layer, 93: GaAs layer, 95: Si substrate, 96: SiO 2 Layer, 99: back surface of Si substrate 95, 97, 98: Si layer, 98a, 98b: notch, 161: SiO 2 Substrate, 162: Si layer and SiO 2 1-dimensional photonic crystal in which layers are laminated, 171: three-dimensional square material laminated photonic crystal, 181 and 182: line defects in the photonic crystal, 220: microactuator using comb electrodes, 221: frame portion, 223 : Fixed electrode, 224: movable electrode, 225, 227: leaf spring, 229: movable shaft, 237a, 237b: spring piece, 241: plate, 250: scratch actuator, 251: conductive substrate, 253: conductive movable Plates 253, 255: claws, 261, 262: waveguide, 263, 265: incident light, 264, 266: outgoing light, 271: optical resonator, 281, 282, 283: defect waveguide, 291: active layer 291 292: P-InP layer, 293: N-InP layer, 331: element, 332: fiber, 333: lens, 334: applying voltage 340: optical-electrical converter, 341: transmitting device, 342: transmission fiber path, 343: receiving device 343, 344: electric-optical converter, 345: wavelength multiplexer, 346: optical transmission amplifiers 346, 347: Optical receiver amplifier, 348: wavelength separator, 349: dispersion compensator, 349, 351: wavelength tunable semiconductor laser, 352: lens, 353: rotating disk, 354: drive motor.

Claims (15)

フォトニック結晶からなる第1の構造体と、該第1の構造体に近接したフォトニック結晶からなる第2の構造体と、両者の相対的な位置を変化させ前記第1の構造体と前記第2の構造体との距離を所定の値に制御する手段と、を備え、前記フォトニックス結晶は屈折率の異なる複数の媒質よりなり、前記第1の構造体を構成する前記複数の媒質よりなる領域と、前記第2の構造体を構成する前記複数の媒質よりなる領域とが、常に離間しているものであるとともに前記相対的な位置の変化が、第1の構造体を構成するフォトニック結晶のバンド構造を変化させることによって、第1の構造体の特性を変化させるものであることを特徴とする光機能素子。A first structure composed of a photonic crystal, a second structure composed of a photonic crystal adjacent to the first structure, and a relative position of the first structure and the first structure Means for controlling the distance to the second structure to a predetermined value, wherein the photonic crystal is composed of a plurality of media having different refractive indexes, and the plurality of media constituting the first structure And the region composed of the plurality of mediums constituting the second structure are always separated from each other , and the change in the relative position is a photo constituting the first structure. An optical functional element characterized in that the characteristic of the first structure is changed by changing the band structure of the nick crystal . 前記第1の構造体に対して複数の第2の構造体が配置され且つそれぞれが独立に制御される請求項1に記載の光機能素子。The optical functional element according to claim 1, wherein a plurality of second structures are arranged with respect to the first structure and each is controlled independently. 前記第1の構造体が、1次元フォトニック結晶、フォトニック結晶スラブを含む2次元フォトニック結晶および3次元フォトニック結晶のいずれかである請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の光機能素子。The first structure, the one-dimensional photonic crystals, according to claims 1 is either two-dimensional photonic crystal and a three-dimensional photonic crystal including a photonic crystal slab in any one of claims 2 Optical functional element. 前記フォトニック結晶中に欠陥を含むフォトニック結晶を第1の構造体とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光機能素子。4. The optical functional element according to claim 1, wherein the photonic crystal including a defect in the photonic crystal is the first structure. 5. 前記第2の構造体が誘電体、半導体、金属あるいはそれらの複合体である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光機能素子。The optical function element according to any one of claims 1 to 4, wherein the second structure is a dielectric, a semiconductor, a metal, or a composite thereof. 前記第1および第2の構造体の相対的な位置の変化が微小機械電気システムを含むマイクロアクチュエーターで行われる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光機能素子。The optical functional element according to any one of claims 1 to 5, wherein the relative position of the first and second structures is changed by a microactuator including a micromechanical electrical system. 前記第1の構造体に形成された複数の線欠陥を含む2次元フォトニック結晶スラブと前記第2の構造体とを近接して配置するとともに、前記複数の線欠陥間で第2の構造体の制御により、一つの線欠陥を伝播する波長多重された光信号から特定の波長の光信号のみを選択して他の線欠陥に空間的に移行させる波長分離器あるいは一つの線欠陥を伝播する光信号に他の線欠陥を伝播する光信号特定の波長の光信号を光信号に加えて波長多重された光信号とする波長合波器として機能させる請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光機能素子。A two-dimensional photonic crystal slab including a plurality of line defects formed in the first structure and the second structure are disposed close to each other, and the second structure is disposed between the plurality of line defects. By controlling the wavelength, a wavelength separator that selects only an optical signal of a specific wavelength from the wavelength-multiplexed optical signals that propagate through one line defect and spatially transfers to another line defect or propagates through one line defect any one of claims 1 to function as a wavelength multiplexer to the optical signal wavelength-multiplexed optical signal specific optical signal having a wavelength propagating other line defect in the optical signal in addition to the optical signal of claim 6 1 The optical functional element according to Item. 第1の構造体と、該第1の構造体に近接した第2の構造体との距離に対応した光の群速度の波長依存性を利用して、光パルスの形状を整形する分散補償素子として機能する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の光機能素子。Dispersion compensation element for shaping optical pulse shape using wavelength dependency of group velocity of light corresponding to distance between first structure and second structure close to first structure The optical functional element according to claim 1, which functions as: 第1の構造体と、該第1の構造体に近接した第2の構造体との距離に対応して光信号の強度ないし位相を変化する機能を有する光変調器として機能する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光機能素子。2. The optical modulator having a function of changing an intensity or a phase of an optical signal corresponding to a distance between the first structure and a second structure close to the first structure. The optical functional element according to claim 6 . 第1の構造体と、該第1の構造体に近接した第2の構造体との距離に対応して光信号伝送路を空間的、時間的あるいは波長的に切り替えるスイッチングとして機能する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光機能素子。2. The optical signal transmission line functions as switching for spatially, temporally, or wavelength-switching corresponding to the distance between the first structure and the second structure adjacent to the first structure. The optical functional element according to claim 6 . 前記第1の構造体点欠陥を含む2次元フォトニック結晶スラブが形成され、該2次元フォトニック結晶スラブの上面に第2の構造体を近接して配置した光機能素子を用いたレーザであって、該2次元フォトニック結晶スラブがレーザとして機能するための活性層を含むものであり、前記2次元フォトニック結晶スラブの上面と第2の構造体との距離を制御してレーザの発振波長を制御することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光機能素子よりなるレーザ。In the two-dimensional photonic crystal slab containing the point defects in the first structure is formed, a laser using the optical functional device disposed proximate the second structure on the upper surface of the two-dimensional photonic crystal slab The two-dimensional photonic crystal slab includes an active layer for functioning as a laser, and the distance between the upper surface of the two-dimensional photonic crystal slab and the second structure is controlled to oscillate the laser. The laser comprising the optical functional element according to any one of claims 1 to 6, wherein the wavelength is controlled. 前記第1の構造体に形成された点欠陥と前記第2の構造体の大きさをほぼ同じ大きさとして、前記2次元フォトニック結晶スラブの上面と第2の構造体との距離を制御して欠陥による共振器のQ値を制御する請求項11に記載のレーザ。The distance between the upper surface of the two-dimensional photonic crystal slab and the second structure is controlled by setting the point defects formed in the first structure and the second structure to be approximately the same size. The laser according to claim 11, wherein the Q value of the resonator due to defects is controlled. 第1の構造体と、該第1の構造体に近接した第2の構造体との距離に対応した機能を有する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光機能素子とその機能を制御する機構とを備えることを特徴とする光モジュール。The optical functional element according to any one of claims 1 to 10, having a function corresponding to a distance between the first structure and a second structure close to the first structure. An optical module comprising a mechanism for controlling functions. 第1の構造体と、該第1の構造体に近接した第2の構造体との距離に対応した機能を有する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光機能素子を、送信器、中継器、受信器のいずれかもしくは複数箇所に使用したことを特徴とする光伝送システム。The optical functional element according to any one of claims 1 to 10, having a function corresponding to a distance between a first structure and a second structure close to the first structure. An optical transmission system characterized by being used in one or a plurality of locations of a transmitter, a repeater, and a receiver. 第1の構造体と、該第1の構造体に近接した第2の構造体との距離に対応した機能を有する請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の光機能素子を使用したことを特徴とする光記録装置およびシステム。The optical functional element according to any one of claims 1 to 10, which has a function corresponding to a distance between the first structure and a second structure close to the first structure. An optical recording apparatus and system.
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