JP3824961B2 - Fuel oil composition - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料油組成物に関する。詳しくは、ワックス含有燃料油と流動性向上剤を含有する燃料油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油中間留出油、例えば、ディーゼル燃料油、A重油等は、冬期あるいは寒冷地において低温(例えば0℃〜−20℃)にさらされると、その中に含まれるワックスが析出し、配管系のフィルターを目詰まらせたり、又、配管系内にて固化することにより不具合が発生している。
これらの低温での流動性に関する問題点を解決するために、従来、▲1▼エチレン−飽和カルボン酸ビニルエステル系共重合体を基油に添加する方法が数多く提案されている。例えば、特公昭39−200692号公報、特公昭48−23165号公報、特開昭59−136391号公報などに記載されている。
また、これらの低温流動性をより向上させるものとして、▲2▼エチレン−カルボン酸ビニル共重合体の不飽和ジカルボン酸エステルグラフト付加物及びそれら付加物とエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体を併用して添加する方法[特公昭58−39472公報、特開平10−245574号公報]などが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これら▲1▼、▲2▼に開示されているものは、燃料油の低温での流動性を向上させるものの、副作用として常温でフィルターの目詰まりを起こす問題(通油性の低下)が生じる。従来の硫黄含量が高い燃料油においては、比較的少量の流動性向上剤で低温流動性を向上できたため、通油性の低下は大きな問題とはならなかったが、低硫黄燃料油に対しては低温流動性を向上させるのに必要な添加量が著しく増大し、その結果、通油性の低下が問題となっている。
近年、環境問題から燃料油組成物中の硫黄含量の低減が望まれており、低温流動性に優れ、かつ通油性の問題のない低硫黄燃料油組成物の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、高硫黄含量の燃料油からなる燃料油組成物のみならず、とりわけ低硫黄含量とした場合においても、低温流動性に優れ、かつ通油性の問題のない燃料油組成物を見いだし本発明に至った。
すなわち本発明は、炭素数20以上のn−パラフィンを含有する燃料油および低温流動性向上剤からなる燃料油組成物であって、低温流動性向上剤がエチレン(a)および炭素数2〜24の脂肪族カルボン酸のビニルエステル(b)を必須構成単量体としてなる共重合体(A)からなり、燃料油中の炭素数20以上のn−パラフィンの炭素数(x)とその含有量(y[重量%])の下記関係式(1)における傾き(α)の絶対値(αa)と、燃料油組成物中の共重合体(A)の含有量(WA[重量%])が下式(2)の関係を満たし、かつ、(A)の+10℃におけるヘキサン不溶分(IH[重量%])と(αa)が下式(3)の関係を満たすことを特徴とする燃料油組成物である。
y=αx+β (1)
0.04 ≦ WA÷(αa−0.17) ≦ 0.4 (2)
−4 ≦ (IH−5)×(αa−0.14) ≦ 5 (3)
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において、炭素数20以上のn−パラフィンを含有する燃料油としては、低硫黄原油(たとえば、ミナス原油等、南方系の原油)の通常の蒸留で得られるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油およびA重油;通常の原油から水素化脱硫処理工程を経て製造される脱硫軽油およびA重油;該脱硫軽油と直留軽油(水素化脱硫工程前の軽油)をブレンドして得られる軽油留分から製造されるJIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油、JIS特3号軽油およびA重油などが挙げられる。
これらのうち、水素化脱硫処理工程を経て製造される脱硫軽油を50%以上ブレンドして製造される、JIS1号軽油、JIS2号軽油、JIS3号軽油およびJIS特3号軽油に対して有用であり、特にJIS2号軽油およびJIS3号軽油において本発明の燃料油組成物は有用である。
本発明における燃料油の曇り点は、下限が通常−25℃、好ましくは−8℃、さらに好ましくは−6℃であり、上限が+5℃、好ましくは+2℃、さらに好ましくは0℃である。曇り点が上記範囲の燃料油を使用すると、本発明の燃料油組成物は低温流動性と通油性の両立の観点で特に優れる。
本発明における燃料油の硫黄含有量は、通常0.05%以下、好ましくは0.005%以下である。硫黄含量が低い燃料油ほど後述の(αa)が大きくなる、すなわちワックスの析出温度がシャープになりやすいため、本発明の燃料油組成物は低温流動性と通油性の両立の観点で優れる。
【0006】
燃料油中の炭素数20以上の各n−パラフィンの含有量は、以下のガスクロマトグラフィー法によって求めることができる。
キャピラリーカラム(例えばJ&W Scientific社製DB−1HT、長さ30m、口径0.25mm、膜厚0.1μm)を付した、キャピラリーガスクロマトグラフ装置(例えば島津製作所製GC−14B、FID検知器)を用い、ヘリウムをキャリアガスとし、インジェクション温度360℃、ディテクター温度360℃にて、カラム温度を140から355℃まで毎分5℃の昇温させて、サンプル量0.5μlをスプリット比1/60で注入し測定する。
測定結果は、データ処理装置(例えば島津製作所製クロマトパックCR−7A)を用いて各ピークの面積%を求める。燃料油中の分岐パラフィンおよびナフテン成分は異性体が多く、ピークが十分に分割できない。そのピークがn−パラフィンのピークに一部重なるが、ピークを垂直に分割することで面積%を求める。なお、n−パラフィンの同定は、標品を用い、そのリテンションタイムの比較から決定する。
上記測定によって求めた各n−パラフィンのピークの、試料全体のピークの合計に対する面積%をもって各n−パラフィンの含有量(重量%)とする。
上記で求めた炭素数20以上の各n−パラフィンについて、その炭素数をx軸にして、その含有量(重量%)をy軸にしてプロットする。最小二乗法にて一次近似し、下記式(1)を得て、その傾き(α)の絶対値(αa)を求める。
y=αx+β (1)
なお、燃料油の種類によっては、上記n−パラフィンの含油量分布が一次近似から外れ、相関係数(r2)が0.94未満になる場合がある。その場合は、相関係数が0.94以上になるように、含有量が少ない炭素数の大きなものから順に最小二乗法から省いて算出する。
本発明において(α)の絶対値(αa)は、下限が好ましくは0.2、さらに好ましくは0.23、特に好ましくは0.27であり、上限は好ましくは0.5、さらに好ましくは0.45、特に好ましくは0.42である。
(αa)が上記範囲の燃料油に対して本発明を適用することで、低温流動性と通油性の両立が図れる点で好ましい。
また、炭素数20以上のn−パラフィンの含有量の総量は、好ましくは3〜10重量%、さらに好ましくは4〜8重量%、特に好ましくは4.5〜7.5重量%である。
【0007】
本発明においては、前記(αa)と、後述の共重合体(A)の含有量(WA[重量%])が以下の関係を満たすことが重要である。
0.04 ≦ WA÷(αa−0.17) ≦ 0.4 (1)
[WA÷(αa−0.17)]は、下限が通常0.04、好ましくは0.05、さらに好ましくは0.06であり、上限が0.4、好ましくは0.3、さらに好ましくは0.24、特に好ましくは0.21である。
前記範囲とすることで、低温流動性と通油性の両立が図れる。
【0008】
エチレン(a)とともに共重合体(A)を構成する、炭素数2〜24の脂肪族カルボン酸のビニルエステル(b)としては、炭素数2〜4(カルボニル炭素も含む:以下同様)の飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステル(b1)および炭素数5〜24の脂肪族カルボン酸のビニルエステル(b2)が挙げられる。
(b1)としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニルなどが挙げられる。
(b2)としては、分岐飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステル(b21)、直鎖飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステル(b22)、不飽和脂肪族カルボン酸のビニルエステル(b23)などが挙げられる。
(b21)としては、2級アルキル基を有する脂肪族カルボン酸ビニルエステル[例えば、2-エチルヘキサン酸ビニル、イソドデカン酸ビニル、イソステアリン酸ビニルなど]および3級アルキル基を有する脂肪族カルボン酸ビニルエステル[例えば、ネオペンタン酸ビニル、ネオノネン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ネオウンデカン酸ビニルなど]が挙げられる。
(b22)としては、n−ヘキサン酸ビニル、n−デカン酸ビニル、n−ドデカン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ベヘン酸ビニルなどが挙げられる。
(b23)としては、デセン酸ビニル、ドデセン酸ビニル、ドデカジエン酸ビニル、テトラデセン酸ビニル、ヘキサデセン酸ビニル、オレイン酸ビニル、リノール酸ビニル、リノレン酸ビニル、エイコセン酸ビニルなどが挙げられる。
これら(b)のうち、好ましいものは(b1)、(b2)およびそれらの併用であり、さらに好ましいものは(b1)およびそれと(b2)の併用であり、特に好ましいものは(b1)およびそれと(b21)の併用であり、とりわけ好ましいものは酢酸ビニルと炭素数5〜24の分岐3級脂肪族カルボン酸ビニルエステルの併用である。
【0009】
共重合体(A)は、(a)および(b)から誘導される単位の他に必要により1種以上の(a)、(b)以外のその他のビニル単量体(c)から誘導される単位を構成単位として含んでいてもよい。
(c)としては、アルキルアルコール(好ましくは炭素数1〜30の直鎖または分岐アルキルアルコール)の不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など]エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ2-エチルヘキシル、マレイン酸モノドデシル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ビス2-エチルヘキシル、マレイン酸ジドデシル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノ2-エチルヘキシル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ビス2-エチルヘキシル、フマル酸ジドデシルイタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル、イタコン酸モノ2-エチルヘキシル、イタコン酸モノドデシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル、イタコン酸ビス2-エチルヘキシル、イタコン酸ジドデシルなど];脂環アルコールの不飽和カルボン酸エステル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸デカヒドロナフチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエチルなど];芳香族アルコールの不飽和カルボン酸エステル[(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、マレイン酸モノベンジル、マレイン酸ジフェニル、フマル酸ジベンジル、フマル酸モノベンジル、フマル酸ジフェニル、フマル酸ジベンジル、イタコン酸モノベンジル、イタコン酸ジフェニル、イタコン酸ジベンジルなど];多価アルコール類の不飽和カルボン酸エステル[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよび(ポリ)オキシエチレン(重合度=1〜100)ジ(メタ)アクリレートなど];炭素数3〜50の直鎖または分岐の1-オレフィン[プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチルペンテン-1、1-オクテン、1-ドデセン、1-テトラデセンおよび1-オクタデセンおよびその他のα−オレフィンなど];脂環式炭化水素系ビニル単量体[シクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ノルボルネン、ピネン、インデン、ビニルシクロヘキセンなど];炭素数2〜4のアルケニル基を有するアルキルアルケニルエーテル[炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基を有するアルキルアルケニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、オクチルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテルなど)、アリールビニルエーテル(フェニルビニルエーテルなど)];芳香族炭化水素系ビニル単量体[スチレン、ビニルトルエンなど];炭素数4〜12のアルカジエン[ブタジエン、イソプレン、1,4-ペンタジエン、1,7-オクタジエンなど];ビニルケトン類[メチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、フェニルビニルケトンなど];ハロゲン原子含有ビニル単量体[塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニルなど];アミド基もしくはイミド基含有ビニル単量体{非置換もしくはアルキル(炭素数1〜4)置換(メタ)アクリルアミド[(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-i-プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドなど]、N-ビニルカルボン酸アミド[N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドンなど]、および非置換もしくは置換マレイミド[マレイミド、フェニルマレイミド、エチルマレイミド、ドデシルマレイミドなど]など};ヒドロキシル基含有ビニル単量体{ヒドロキシル基含有芳香族ビニル単量体[p-ヒドロキシスチレンなど]、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなど]、および炭素数2〜12のアルケノール[ビニルアルコール(カルボン酸ビニル単位の加水分解により形成される)、(メタ)アリルアルコール、(イソ)プロペニルアルコール、1-オクテノールなど]など};1〜3級アミノ基含有単量体{炭素数2〜6のアルケニルアミン[ビニルアミン、アリルアミン、クロチルアミンなど]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリレート[アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレートなど]、アミノアルキル(炭素数2〜6)(メタ)アクリルアミド[アミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなど]、アミノ基含有芳香族ビニル単量体[N,N-ジメチルアミノスチレンなど]、含窒素複素環含有ビニル単量体[ビニルピリジン、ビニルカルバゾールなど]など};ニトリル基またはニトロ基含有ビニル単量体[(メタ)アクロロニトリル、シアノスチレン、ニトロスチレンなど];エポキシ基含有ビニル単量体[グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテルなど];カルボキシル基含有ビニルモノマー[(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸および(無水)イタコン酸、シトラコン酸およびアコニット酸など];ポリオキシアルキレン鎖を有するビニルモノマー[(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン(重合度=2〜100)グリコールモノエステル、(メタ)アクリル酸ポリオキシプロピレン(重合度=2〜100)グリコールモノエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(重合度=2〜100)グリコールエステル、(メタ)アクリル酸ラウロキシポリオキシエチレン(重合度=2〜100)グリコールエステルなど];イソシアネート基含有ビニルモノマー[イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルメチルベンジルイソシアネートなど]などが挙げられる。
【0010】
(A)における構成単位のうち、エチレン基(a)の割合は、好ましくは70〜95モル%、さらに好ましくは75〜90モル%、特に好ましくは80〜87モル%であり、重量%としては好ましくは40〜85重量%、さらに好ましくは45〜75、とくに好ましくは50〜68重量%である。エチレン基の割合が70モル%以上(または40重量%以上)であれば、低温流動性向上効果に優れる点で好ましく、95モル%以下(または85重量%以下)であれば通油性に優れる点で好ましい。
(b)の割合は、好ましくは2〜30モル%、さらに好ましくは5〜25モル%、とくに好ましくは10〜20モル%である。
また、必要により併用される(c)の割合は、好ましくは全構成単位のうちの10モル%以下であり、さらに好ましくは5モル%以下、特に好ましくは3モル%以下である。
【0011】
本発明において共重合体(A)は、その全量もしくは、一部に対してさらに前述の(c)をグラフト重合することもできる。エチレン含量が多い(A)にグラフト重合したもの(A')を(A)と併用することで通油性を悪化させることなく低温流動性を向上できる点で好ましい。
(A)中の(A')の比率は、通常0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは5〜15重量%である。
グラフト重合する(c)として好ましいものは、アルキルアルコールの不飽和カルボン酸エステルであり、さらに好ましいものはフマル酸ジアルキルエステルおよびマレイン酸ジアルキルエステルである。
グラフト重合体(A')中のグラフト重合する(c)の比率は、(A')の全重量に基づいて好ましくは0〜60%、さらに好ましくは10〜50%である。
また本発明においては、共重合組成の異なる2種以上の(A)を併用することもできる。2種以上の(A)を併用することで低温流動性が向上する点で好ましく、とりわけ燃料油の(αa)が小さい場合に有効である。
【0012】
本発明においては、共重合体(A)は、特定の温度でのヘキサン不溶分が特定の範囲であることが好ましい。
(A)の+10℃におけるヘキサン不溶分(IH)は、好ましくは30%以下(以下において特に断りのない限り%は重量%を表す)、さらに好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下、とりわけ好ましくは10%以下である。
IHを30%以下にすることで低温流動性、通油性のいずれもが向上する点で好ましい。
また、(A)の−20℃におけるヘキサン不溶分(IL)は、好ましくは40%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは65%以上、特に好ましくは70%以上である。
ILを60%以上にすることで低温流動性が向上する点で好ましい。
+10℃および−20℃におけるヘキサン不溶分は、以下の方法により測定することができる。まず、試料100gを500mlのビーカーに採り取り、これを150℃、10mmHgで2時間減圧乾燥することにより揮発成分を蒸発させる。これを約30g精秤し(重量を(W)[g]とする)、その20%濃度のn-ヘキサン溶液を作製する(必要により加温して均一透明になるまで溶解する)。これを400mlの遠沈管に入れ、+10℃の恒温槽中にて4時間静置する。これを+10℃に温調した遠心分離機にて10,000rpmで30分間遠心分離した後、不溶分と可溶分をデカンテーションして分離する。遠沈管内の不溶分を120℃、10mmHgで2時間減圧乾燥することにより残存ヘキサンを蒸発させ、その重量(Wi)[g]から+10℃におけるヘキサン不溶分(Wi/W×100[%])を算出する。
一方、+10℃におけるヘキサン可溶分として分離した溶液を再度遠沈管中に入れ、−20℃の恒温槽中にて4時間静置する。これを−20℃に温調した遠心分離機にて前述と同様の条件で遠心分離し、不溶分と可溶分を分離する。得られた可溶分を減圧エバポレータにて濃縮後前述と同様の条件で減圧乾燥し、その重量(Ws)[g]から−20℃におけるヘキサン不溶分{100−(Ws/W)×100}[%]を算出する。
【0013】
また、IHと燃料油のαaは下式(3)の関係を満たすことが好ましい。
−4 ≦ (IH−5)×(αa−0.14) ≦ 5 (3)
(IH−5)×(αa−0.14)は、より好ましくは−1.8〜3、さらに好ましくは−1.6〜2.5、特に好ましくは−1.2〜1.5である。
αaが大きくなるのに従って流動性向上剤の添加量は増大するが、その際の通油性が向上する点から、上記範囲が好ましい。
さらに、(IH)と(WA)が下式(4)の関係を満たすことが好ましい
250×WA+IH ≦ 35 (4)
250×WA+IHは、より好ましくは30以下、さらに好ましくは25以下、特に好ましくは20以下である。
上記範囲とすることで通油性が向上する点で好ましい。
【0014】
(A)の分岐度は、好ましくは4%以下、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは2.5%以下、とりわけ好ましくは2.2%以下である。尚、分岐度とは、(a)および(b)のビニル基由来のメチレン基、メチン基の総個数に対する枝分かれによって生じたメチル基の個数の百分率である。
分岐度は1H-NMRによって求めることができる。
たとえばエチレンと酢酸ビニルの共重合体の場合は、0.8〜0.9ppmのピーク強度[1](分岐メチル基由来)と、1.0〜1.9ppmのピーク強度[2](エチレン由来のビニルメチレンおよびメチン、ならびに酢酸ビニルのビニルメチレン由来)と、2.0ppm付近のピーク強度[3](酢酸ビニルのアセチルメチル基由来)と4.7〜5.0ppmのピーク強度[4](酢酸ビニルのビニルメチン由来)から下式のよって算出する。
分岐度(%) = [1]/3÷{([2]−[1]/3)/2+[1]/3+[4]}×100酢酸ビニル以外のカルボン酸ビニルを含有する場合は、カルボン酸基由来のピークが[1]および[2]と重なる場合がある。その場合はカルボン酸基のカルボニル基の隣の炭素に結合しているプロトンのピークの強度[5](2.0〜2.3ppm)および4.7〜5.0ppmのピーク強度[4](脂肪酸ビニルのビニルメチン由来)からカルボン酸ビニルの含有量を求め、そのモル比から[1]および[2]と重なっているカルボン酸基の吸収を減じて算出する。
α-オレフィンを含有している場合は、1H-NMRでは分岐とα-オレフィンの区別が困難なので、重合時の仕込量と反応率からα-オレフィンの共重合比を算出し、そのモル比から[1]および[2]と重なっているα-オレフィン側鎖の吸収を減じて算出する。
【0015】
(A)の重量平均分子量は好ましくは1,000〜100,000、さらに好ましくは3,000〜50,000である。重量平均分子量は標準物質にポリスチレンを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算分子量として測定することが出来る。
【0016】
(A)の5%ケロシン溶液の曇点は、好ましくは+30〜−10℃、さらに好ましくは+25〜−5℃、特に好ましくは+25〜0℃である。低温流動性の観点から−10℃以上が好ましく、通油性の観点から+30℃以下が好ましい。
なお(A)の曇点は、(A)を5%の濃度になるようにケロシンに溶解(必要により加温して溶解)した後、徐々に冷却(0.5℃/分)し、溶液が白濁し始める温度を読み取ることにより測定できる。
(A)の溶解度パラメーター(SP値)は、低温流動性および溶解性の観点から、好ましくは8.4〜9.7、さらに好ましくは8.6〜9.5、特に好ましくは8.9〜9.3である。8.4以上にすることで流動性向上効果に優れる点で好ましく、9.7以下にすることで通油性が向上する点で好ましい。
なお、本発明のSP値は、Fedors法[Poym.Eng.Sci.14(2)152,(1974)]によって算出される値である。
【0017】
(A)は、公知の方法によって得ることができる。例えば前記ビニル単量体類を溶剤中もしくは無溶剤下にラジカル重合することにより得られる。この場合、重合開始剤としては、アゾ系開始剤(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルなど)や過酸化物系開始剤(例えば、ジイソプロピルパーカーボネート、ベンゾイルパーオキシド、クミルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、ジt-ブチルパーオキサイドなど)を用いることができる。
重合溶剤としては、脂肪族炭化水素(ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素[トルエン、キシレン、エチルベンゼン、炭素数9の芳香族混合溶剤(トリメチルベンゼン、エチルトルエンなどの混合物)、炭素数10〜11の芳香族混合溶剤など]、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)などが挙げられる。これらの重合溶剤は重合完了後留去することもできるが、そのまま(A)を溶液状にするための溶剤として使用することもできる。
また、共重合組成分布を小さくするために、重合中に各単量体の比率が一定になるように重合率の進行に合わせてモノマーを滴下することも有効である。分岐度を小さくするためには、重合温度を低く(通常30〜300℃、好ましくは30〜160℃)するとともに、連鎖移動剤を併用することも有効である。連鎖移動剤としては公知のメルカプタン類(ブチルメルカプタン、ラウリルメルカプタンなど)、2級アルコール(イソプロピルアルコール、s-ブタノールなど)、置換芳香族化合物(トルエン、キシレン、クメンなど)、アルデヒド類(プロピオンアルデヒドなど)などが使用できる。
また、必要によりヘキサン不溶分を特定の範囲にするために、重合体の一部が析出する温度で、必要な重合体を分別して(A)を得ることもできる。例えば、重合体をヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの溶剤に溶解した後、所定温度に温調し遠心分離器を用いて可溶分と不溶分を分離する。その後脱溶剤することで所望のヘキサン不溶分に分別した重合体(A)が得られる。
【0018】
(A)の具体例としては以下のものなどが挙げられる。
▲1▼エチレン/酢酸ビニル(モル比82/18)共重合体
▲2▼エチレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル(モル比82/17/1)共重合体
▲3▼エチレン/酢酸ビニル/2-エチルヘキサン酸ビニル(モル比83/15/2)共重合体、
▲4▼エチレン/4-メチルペンテン-1共重合体、
▲5▼エチレン/酢酸ビニル/4-メチルペンテン-1共重合体、
▲6▼エチレン/アクリル酸メチル共重合体、
▲7▼前記▲1▼〜▲6▼のヘキサンによる分別物。
【0019】
本発明の燃料油組成物においては、(A)以外のその他の添加剤を含有させることもできる。
その他の添加剤としては、たとえば、ワックス分散剤(フマル酸ジアルキル/酢酸ビニル共重合体、フマル酸ジアルキル/プロピレン共重合体など)、腐食防止剤(ドデシルアミンのエチレンオキサイド付加物、オクチルアミン、脂肪族アミンおよびその塩、有機リン酸エステル、有機スルホン酸塩、アルケニルコハク酸系防錆剤、アルケニルコハク酸のエステル系防錆剤など)、清浄分散剤(ジブチルアミンのエチレンオキサイド付加物、ブタノールのエチレンオキサイド付加物など)、潤滑性向上剤(高級脂肪酸およびそのグリセリンエステル、ソルビタンモノオレート、グリセリンモノオレートなど)、セタン価向上剤(アルキル硝酸エステル類、アミルナイトレート、イソプロピルナイトレートなど)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール類、サリチリデン誘導体など)、その他消泡剤、燃焼性向上剤、導電性付与剤、および他の流動性向上剤(ポリアルキルメタクリレート、ポリオールの脂肪酸エステルなど)などが挙げられる。
その他の添加剤の使用量は、燃料油組成物の全重量に基づいて、通常0〜10,000ppm、好ましくは10〜5,000ppmになるような量である。
【0020】
【実施例】
以下に実施例および製造例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部はいずれも重量部を表す。
【0021】
製造例1
温度計および撹拌装置の付いたガラス製フラスコに、エチレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル共重合体(83/16/1モル%、分岐度2.9、Mn4000、Mw7300)200部とヘキサン800部を加え、60℃にて撹拌し溶解した。次いで、これを−20℃にて4時間静置後、−20℃にて遠心分離(10,000rpm×30分間)し、不溶分を単離した。得られた不溶分を150℃にて減圧乾燥し、重合体(1)124部を得た。重合体(1)の分析値を表1に示す。
撹拌装置、加熱装置および温度計を備えたガラス製容器に、重合体(1)650部、および希釈剤として炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶剤(初留点182℃〜終点204℃)350部を加え、100℃にて均一溶解して、流動性向上剤組成物(T1)を得た。
【0022】
製造例2
耐圧管状反応器に、エチレン533部、酢酸ビニル360部、ネオデカン酸ビニル107部、プロピオンアルデヒド40部および「パーロイルIPP−50」0.5部の混合物を供給し、120℃、110MPa、滞留時間3分の条件下で重合した。重合終了後、未反応のモノマーを減圧乾燥により除去し、重合体(2)を得た。重合体(2)の分析値を表1に示す。
重合体(2)を実施例1と同様に炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶剤に均一溶解して、流動性向上剤組成物(T2)を得た。
【0023】
製造例3
原料モノマーの比率を、エチレン506部、酢酸ビニル312部、ネオデカン酸ビニル182部に代える以外は製造例2と同様にして重合し、重合体(3)を得た。重合体(3)の分析値を表1に示す。
重合体(3)を実施例1と同様に炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶剤に均一溶解して、流動性向上剤組成物(T3)を得た。
【0024】
製造例4および5
撹拌装置、加熱装置、温度計、窒素吹き込み管を備えたガラス製反応器に、エチレン/酢酸ビニル共重合体(96.5/3.5モル%、分岐度3.4、Mn2600、Mw6600)500部およびジ2-エチルヘキシルフマレート500部を加え、窒素雰囲気とし、155℃に昇温した。これに155℃にてジータシャリーブチルパーオキサイド20部およびラウリルメルカプタン1.7部を2時間で滴下した。滴下終了後さらに2時間155℃で反応し、重合体(3)を得た。
重合体(4)は上記エチレン/酢酸ビニル共重合体にジ2-エチルヘキシルフマレートがグラフトした共重合体であった。重合体(4)の分析値を表1に示す。
市販のエチレン/酢酸ビニル/ネオデカン酸ビニル共重合体[84/14/2モル%、分岐度4.2、Mn3200、Mw7500、+10℃におけるヘキサン不溶分7重量%、−20℃におけるヘキサン不溶分43重量%]を重合体(5)とする。重合体(5)の分析値を表1に示す。
重合体(4)65部、重合体(5)585部および炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶剤(初留点182℃〜終点204℃)350部を実施例1と同様に均一溶解し、流動性向上剤組成物(T4)を得た。
重合体の比率を重合体(4)195部、重合体(5)455部に変える以外は同様にして、流動性向上剤組成物(T5)を得た。
【0025】
製造例6
市販のエチレン/酢酸ビニル共重合体[85/15モル%、分岐度3.2、Mn3300、Mw8300、+10℃におけるヘキサン不溶分18重量%、−20℃におけるヘキサン不溶分52重量%]を重合体(6)とする。重合体(6)の分析値を表1に示す。
重合体(6)を実施例1と同様に炭素数10〜11の石油系芳香族混合溶剤に均一溶解し、流動性向上剤組成物(T6)を得た。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
実施例1〜20、比較例1〜4
表3に示す性状の燃料1〜燃料5のいずれかの燃料油(軽油)に、表2に示した添加剤組成物を表4に示した添加量加えて、40℃にて均一に混合することにより、本発明の燃料油組成物および比較燃料油組成物を得た。
各燃料油組成物について以下の評価を行うことにより、低温流動性と通油性を評価した。
低温流動性は、PP[流動点(℃):JIS K2269 3に記載の方法]とCFPP[低温濾過器目詰まり点(℃):JIS K2288に記載の方法]を測定することにより評価した。
また、通油性は、メンブランフィルター(孔径5μm、フィルター径13mmφ)を付した加圧濾過器に、5℃に温調した評価油をポンプにて毎分20mLの流量で送液し、その濾過圧が0.1MPaに到達するまでの通油時間をもって評価した。
その結果を表5に示す。これから明らかなように本発明の燃料油組成物は、非常に優れた低温流動性を示すとともに、通油性にも優れる。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【発明の効果】
本発明による燃料油組成物は、高硫黄含量の燃料油からなる燃料油組成物のみならず、とりわけ低硫黄含量の燃料油からなる燃料油組成物であっても、低温流動性に優れ、かつ通油性の問題のない燃料油組成物である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fuel oil composition. Specifically, the present invention relates to a fuel oil composition containing a wax-containing fuel oil and a fluidity improver.
[0002]
[Prior art]
Petroleum middle distillate, for example diesel fuel oil, heavy fuel oil A, etc., when exposed to low temperatures (for example, 0 ° C. to −20 ° C.) in winter or cold regions, the wax contained therein precipitates, and the piping system Problems occur due to clogging of the filter or solidification in the piping system.
In order to solve these problems related to fluidity at low temperatures, a number of methods for adding (1) an ethylene-saturated carboxylic acid vinyl ester copolymer to a base oil have been proposed. For example, it is described in Japanese Patent Publication No. 39-200692, Japanese Patent Publication No. 48-23165, Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-136391, and the like.
In addition, as a means for further improving the low-temperature fluidity, (2) unsaturated dicarboxylic ester graft adducts of ethylene-vinyl carboxylate copolymers, adducts thereof with ethylene-vinyl acetate copolymers, ethylene-acrylic A method of adding an acid ester copolymer in combination [JP-B-58-39472, JP-A-10-245574] has been proposed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, those disclosed in (1) and (2) improve the fluidity of the fuel oil at low temperatures, but as a side effect, the problem of clogging the filter at room temperature (decreased oil permeability) occurs. . In conventional fuel oils with a high sulfur content, low temperature fluidity could be improved with a relatively small amount of fluidity improver, so a decrease in oil permeability was not a major problem. The amount of addition necessary to improve the low temperature fluidity is remarkably increased, and as a result, a decrease in oil permeability is a problem.
In recent years, reduction of sulfur content in fuel oil compositions has been desired due to environmental problems, and development of low sulfur fuel oil compositions having excellent low-temperature fluidity and no oil permeability problems has been desired.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventors have found that not only a fuel oil composition comprising a fuel oil having a high sulfur content, but also a fuel that is excellent in low-temperature fluidity and has no problem of oil permeability even when having a low sulfur content. An oil composition was found and the present invention was reached.
That is, the present invention is a fuel oil composition comprising a fuel oil containing n-paraffin having 20 or more carbon atoms and a low temperature fluidity improver, wherein the low temperature fluidity improver is ethylene (a) and 2 to 24 carbon atoms. The carbon number (x) of the n-paraffin having 20 or more carbon atoms in the fuel oil and the content thereof, comprising a copolymer (A) having the aliphatic carboxylic acid vinyl ester (b) as an essential constituent monomer The absolute value (αa) of the slope (α) in the following relational expression (1) of (y [wt%]) and the content (WA [wt%]) of the copolymer (A) in the fuel oil composition are: A fuel oil satisfying the relationship of the following formula (2) and satisfying the relationship of the following formula (3) in the hexane insoluble matter (IH [wt%]) of (A) at + 10 ° C. It is a composition.
y = αx + β (1)
0.04 ≦ WA ÷ (αa−0.17) ≦ 0.4 (2)
−4 ≦ (IH−5) × (αa−0.14) ≦ 5 (3)
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, the fuel oil containing n-paraffin having 20 or more carbon atoms includes JIS No. 1 diesel oil, JIS No. 2 diesel oil obtained by ordinary distillation of low-sulfur crude oil (for example, Minas crude oil, Southern crude oil), JIS No. 3 diesel oil, JIS No. 3 diesel oil and A heavy oil; desulfurized diesel oil and A heavy oil produced from ordinary crude oil through a hydrodesulfurization process; the desulfurized diesel oil and straight-run diesel oil (light oil before hydrodesulfurization process) Examples include JIS No. 1 diesel oil, JIS No. 2 diesel oil, JIS No. 3 diesel oil, JIS No. 3 diesel oil, and A heavy oil produced from the diesel oil fraction obtained by blending.
Among these, it is useful for JIS No. 1 diesel oil, JIS No. 2 diesel oil, JIS No. 3 diesel oil and JIS No. 3 diesel oil produced by blending 50% or more of the desulfurized diesel oil produced through the hydrodesulfurization process. In particular, the fuel oil composition of the present invention is useful in JIS No. 2 diesel oil and JIS No. 3 diesel oil.
In the present invention, the cloud point of the fuel oil has a lower limit of usually −25 ° C., preferably −8 ° C., more preferably −6 ° C., and an upper limit of + 5 ° C., preferably + 2 ° C., more preferably 0 ° C. When a fuel oil having a cloud point in the above range is used, the fuel oil composition of the present invention is particularly excellent in terms of both low-temperature fluidity and oil permeability.
The sulfur content of the fuel oil in the present invention is usually 0.05% or less, preferably 0.005% or less. Fuel oil with lower sulfur content (α a ) Increases, that is, the precipitation temperature of the wax tends to be sharp, and the fuel oil composition of the present invention is excellent in terms of both low-temperature fluidity and oil permeability.
[0006]
The content of each n-paraffin having 20 or more carbon atoms in the fuel oil can be determined by the following gas chromatography method.
A capillary gas chromatograph apparatus (for example, GC-14B, FID detector manufactured by Shimadzu Corporation) with a capillary column (for example, DB-1HT manufactured by J & W Scientific, length 30 m, aperture 0.25 mm, film thickness 0.1 μm) was used. Helium is used as a carrier gas, the column temperature is raised from 140 to 355 ° C. at 5 ° C. at an injection temperature of 360 ° C. and a detector temperature of 360 ° C., and a sample volume of 0.5 μl is injected at a split ratio of 1/60. taking measurement.
As the measurement result, the area% of each peak is obtained using a data processing device (for example, Chromatopack CR-7A manufactured by Shimadzu Corporation). The branched paraffin and naphthene components in the fuel oil have many isomers and the peaks cannot be sufficiently resolved. Although the peak partially overlaps with the peak of n-paraffin, area% is obtained by dividing the peak vertically. In addition, the identification of n-paraffin is determined from a comparison of retention times using a standard.
The area% of each n-paraffin peak determined by the above measurement with respect to the total peak of the entire sample is defined as the content (% by weight) of each n-paraffin.
For each n-paraffin having 20 or more carbon atoms determined above, the carbon number is plotted on the x-axis and the content (% by weight) is plotted on the y-axis. First-order approximation is performed by the least square method to obtain the following formula (1), and the absolute value (α) of the slope (α) a )
y = αx + β (1)
Depending on the type of fuel oil, the oil content distribution of the n-paraffin may deviate from the linear approximation, and the correlation coefficient (r 2 ) May be less than 0.94. In that case, the calculation is performed by omitting from the least square method in order from the one having the smallest carbon content and the largest one so that the correlation coefficient becomes 0.94 or more.
In the present invention, the absolute value of (α) (α a ) Is preferably 0.2, more preferably 0.23, particularly preferably 0.27, and the upper limit is preferably 0.5, more preferably 0.45, particularly preferably 0.42. .
(Α a ) Is preferable in that the present invention is applied to the fuel oil in the above range in order to achieve both low temperature fluidity and oil permeability.
The total content of n-paraffins having 20 or more carbon atoms is preferably 3 to 10% by weight, more preferably 4 to 8% by weight, and particularly preferably 4.5 to 7.5% by weight.
[0007]
In the present invention, the (α a ) And the content of the copolymer (A) described later (WA [wt%]) satisfy the following relationship.
0.04 ≤ WA ÷ (α a −0.17) ≦ 0.4 (1)
[WA ÷ (α a −0.17)] is usually 0.04, preferably 0.05, more preferably 0.06, and the upper limit is 0.4, preferably 0.3, more preferably 0.24, in particular. Preferably it is 0.21.
By setting it as the above range, both low-temperature fluidity and oil permeability can be achieved.
[0008]
The vinyl ester (b) of an aliphatic carboxylic acid having 2 to 24 carbon atoms constituting the copolymer (A) together with ethylene (a) is saturated with 2 to 4 carbon atoms (including carbonyl carbon: the same applies hereinafter). Examples thereof include vinyl esters (b1) of aliphatic carboxylic acids and vinyl esters (b2) of aliphatic carboxylic acids having 5 to 24 carbon atoms.
Examples of (b1) include vinyl acetate, vinyl propionate, vinyl butyrate, vinyl isobutyrate, and the like.
Examples of (b2) include vinyl ester (b21) of branched saturated aliphatic carboxylic acid, vinyl ester (b22) of linear saturated aliphatic carboxylic acid, vinyl ester (b23) of unsaturated aliphatic carboxylic acid, and the like.
As (b21), aliphatic carboxylic acid vinyl ester having a secondary alkyl group [for example, vinyl 2-ethylhexanoate, vinyl isododecanoate, vinyl isostearate, etc.] and aliphatic carboxylic acid vinyl ester having a tertiary alkyl group [For example, vinyl neopentanoate, vinyl neononenoate, vinyl neodecanoate, vinyl neoundecanoate, etc.].
Examples of (b22) include n-vinyl hexanoate, n-vinyl decanoate, vinyl n-dodecanoate, vinyl stearate, vinyl behenate and the like.
Examples of (b23) include vinyl decenoate, vinyl dodecenoate, vinyl dodecadienoate, vinyl tetradecenoate, vinyl hexadecenoate, vinyl oleate, vinyl linoleate, vinyl linolenate, and vinyl eicosenoate.
Among these (b), preferred are (b1), (b2) and combinations thereof, more preferred are (b1) and combinations thereof with (b2), and particularly preferred are (b1) and combinations thereof. A combination of (b21), particularly preferred is a combination of vinyl acetate and a branched tertiary aliphatic carboxylic acid vinyl ester having 5 to 24 carbon atoms.
[0009]
The copolymer (A) is derived from one or more vinyl monomers (c) other than (a) and (b) if necessary in addition to the units derived from (a) and (b). Units may be included as constituent units.
As (c), an unsaturated carboxylic acid [(meth) acrylic acid, crotonic acid, maleic acid, fumaric acid, itaconic acid, etc.] ester of an alkyl alcohol (preferably a linear or branched alkyl alcohol having 1 to 30 carbon atoms) [Methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, dodecyl (meth) acrylate, (meth) Tetradecyl acrylate, heptadecyl (meth) acrylate, octadecyl (meth) acrylate, behenyl (meth) acrylate, monomethyl maleate, monoethyl maleate, monobutyl maleate, mono-2-ethylhexyl maleate, monododecyl maleate, maleate Dimethyl acid, diethyl maleate, malein Dibutyl acid, bis-2-ethylhexyl maleate, didodecyl maleate, monomethyl fumarate, monobutyl fumarate, mono-2-ethylhexyl fumarate, dimethyl fumarate, diethyl fumarate, dibutyl fumarate, bis-2-ethylhexyl fumarate, fumaric acid Monomethyl didodecyl itaconate, monoethyl itaconate, monobutyl itaconate, mono-2-ethylhexyl itaconate, monododecyl itaconate, dimethyl itaconate, diethyl itaconate, dibutyl itaconate, bis-2-ethylhexyl itaconate, didodecyl itaconate, etc.] An unsaturated carboxylic acid ester of an alicyclic alcohol [cyclohexyl (meth) acrylate and decahydronaphthyl (meth) acrylate, cyclohexylethyl (meth) acrylate, etc.]; Saturated carboxylic acid ester [phenyl (meth) acrylate, benzyl (meth) acrylate, monobenzyl maleate, diphenyl maleate, dibenzyl fumarate, monobenzyl fumarate, diphenyl fumarate, dibenzyl fumarate, monobenzyl itaconate, Diphenyl itaconate, dibenzyl itaconate, etc.]; unsaturated carboxylic acid esters of polyhydric alcohols [ethylene glycol di (meth) acrylate, propylene glycol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, trimethylolpropane tri] (Meth) acrylate and (poly) oxyethylene (degree of polymerization = 1-100) di (meth) acrylate, etc.]; linear or branched 1-olefin having 3 to 50 carbon atoms [propylene, 1-butene, 1-pentene , 1- Xene, 4-methylpentene-1, 1-octene, 1-dodecene, 1-tetradecene and 1-octadecene and other α-olefins]; alicyclic hydrocarbon vinyl monomers [cyclohexene, (di) cyclo Pentadiene, norbornene, pinene, indene, vinylcyclohexene, etc.]; alkyl alkenyl ether having an alkenyl group having 2 to 4 carbon atoms [alkyl alkenyl ether having a linear or branched alkyl group having 1 to 12 carbon atoms (methyl vinyl ether, ethyl vinyl ether) Butyl vinyl ether, octyl vinyl ether, dodecyl vinyl ether, methyl allyl ether, ethyl allyl ether, butyl allyl ether, octyl allyl ether, dodecyl allyl ether, etc.), aryl vinyl ether (phenyl vinyl ether) Aromatic hydrocarbon vinyl monomers [styrene, vinyltoluene, etc.]; alkadienes having 4 to 12 carbon atoms [butadiene, isoprene, 1,4-pentadiene, 1,7-octadiene, etc.]; vinyl ketones [ Methyl vinyl ketone, butyl vinyl ketone, phenyl vinyl ketone, etc.]; halogen atom-containing vinyl monomers [vinyl chloride, vinylidene chloride, vinyl bromide, etc.]; amide group or imide group-containing vinyl monomers {unsubstituted or alkyl ( C1-C4) substituted (meth) acrylamide [(meth) acrylamide, N-methyl (meth) acrylamide, Ni-propyl (meth) acrylamide, N, N-dimethyl (meth) acrylamide, etc.], N-vinylcarboxylic acid Amides [N-vinylformamide, N-vinylacetamide, N-vinylpyrrolidone, etc.] Or substituted maleimide [maleimide, phenylmaleimide, ethylmaleimide, dodecylmaleimide, etc.]}; hydroxyl group-containing vinyl monomer {hydroxyl group-containing aromatic vinyl monomer [p-hydroxystyrene etc.], hydroxyalkyl (2 carbon atoms) -6) (meth) acrylate [2-hydroxyethyl (meth) acrylate and the like], and alkenol having 2 to 12 carbon atoms (vinyl alcohol (formed by hydrolysis of vinyl carboxylate unit), (meth) allyl alcohol, (Iso) propenyl alcohol, 1-octenol and the like}; primary to tertiary amino group-containing monomers {alkenylamines having 2 to 6 carbon atoms [vinylamine, allylamine, crotylamine, etc.], aminoalkyls (2 to 6 carbon atoms) ) (Meth) acrylate [Amino Eth (Meth) acrylate, dimethylaminoethyl (meth) acrylate, diethylaminoethyl (meth) acrylate, morpholinoethyl (meth) acrylate, etc.], aminoalkyl (2 to 6 carbon atoms) (meth) acrylamide [aminoethyl (meth) acrylamide, Dimethylaminopropyl (meth) acrylamide, etc.], amino group-containing aromatic vinyl monomers [N, N-dimethylaminostyrene, etc.], nitrogen-containing heterocyclic-containing vinyl monomers [vinyl pyridine, vinyl carbazole, etc.]}; Nitrile group or nitro group-containing vinyl monomers [(meth) acrylonitrile, cyanostyrene, nitrostyrene, etc.]; Epoxy group-containing vinyl monomers [glycidyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) allyl ether, etc.); carboxyl Group-containing vinyl Nomers (such as (meth) acrylic acid, crotonic acid, cinnamic acid, (anhydrous) maleic acid, (anhydrous) fumaric acid and (anhydrous) itaconic acid, citraconic acid and aconitic acid]; vinyl monomers having a polyoxyalkylene chain [( (Meth) acrylic acid polyoxyethylene (polymerization degree = 2-100) glycol monoester, (meth) acrylic acid polyoxypropylene (polymerization degree = 2-100) glycol monoester, (meth) acrylic acid methoxypolyoxyethylene (polymerization) Degree = 2-100) glycol ester, (meth) acrylic acid lauroxy polyoxyethylene (degree of polymerization = 2-100) glycol ester, etc.]; isocyanate group-containing vinyl monomer [isocyanatoethyl (meth) acrylate, m-isopropenyl -Α, α-Dimethylmethylbenzyl Isocyanate, etc.] and the like.
[0010]
The proportion of the ethylene group (a) in the structural unit in (A) is preferably 70 to 95 mol%, more preferably 75 to 90 mol%, particularly preferably 80 to 87 mol%, Preferably it is 40 to 85 weight%, More preferably, it is 45 to 75, Most preferably, it is 50 to 68 weight%. If the ratio of ethylene group is 70 mol% or more (or 40 wt% or more), it is preferable from the viewpoint of excellent low temperature fluidity improvement effect, and if it is 95 mol% or less (or 85 wt% or less), oil permeability is excellent. Is preferable.
The proportion of (b) is preferably 2 to 30 mol%, more preferably 5 to 25 mol%, particularly preferably 10 to 20 mol%.
Further, the proportion of (c) used in combination is preferably 10 mol% or less, more preferably 5 mol% or less, and particularly preferably 3 mol% or less of all the structural units.
[0011]
In the present invention, the copolymer (A) can be further graft-polymerized with the above-mentioned (c) with respect to the whole amount or a part thereof. (A) having a high ethylene content graft-polymerized (A ′) is preferred in combination with (A) in that the low temperature fluidity can be improved without deteriorating the oil permeability.
The ratio of (A ′) in (A) is usually 0 to 30% by weight, preferably 0 to 20% by weight, and more preferably 5 to 15% by weight.
Preferred as (c) for graft polymerization are unsaturated carboxylic acid esters of alkyl alcohols, and more preferred are dialkyl esters of fumaric acid and dialkyl esters of maleic acid.
The ratio of (c) to be graft polymerized in the graft polymer (A ′) is preferably 0 to 60%, more preferably 10 to 50% based on the total weight of (A ′).
Moreover, in this invention, 2 or more types (A) from which a copolymer composition differs can also be used together. Two or more types (A) are used in combination in that the low temperature fluidity is improved. a This is effective when) is small.
[0012]
In the present invention, the copolymer (A) preferably has a hexane insoluble content within a specific range at a specific temperature.
The hexane insoluble content (IH) at + 10 ° C. of (A) is preferably 30% or less (unless otherwise specified,% represents% by weight), more preferably 20% or less, particularly preferably 15% or less. Particularly preferably, it is 10% or less.
Setting IH to 30% or less is preferable in that both low temperature fluidity and oil permeability are improved.
Further, the hexane insoluble content (IL) at −20 ° C. of (A) is preferably 40% or more, more preferably 60% or more, still more preferably 65% or more, and particularly preferably 70% or more.
By setting IL to 60% or more, it is preferable in that the low temperature fluidity is improved.
The hexane insoluble matter at + 10 ° C. and −20 ° C. can be measured by the following method. First, 100 g of a sample is taken into a 500 ml beaker, and this is dried under reduced pressure at 150 ° C. and 10 mmHg for 2 hours to evaporate volatile components. About 30 g of this is precisely weighed (weight is (W) [g]), and a 20% strength n-hexane solution is prepared (if necessary, it is heated and dissolved until uniform and transparent). This is put into a 400 ml centrifuge tube and left in a + 10 ° C. constant temperature bath for 4 hours. This is centrifuged at 10,000 rpm for 30 minutes in a centrifuge controlled at + 10 ° C., and then insoluble and soluble components are decanted and separated. The insoluble matter in the centrifuge tube is dried under reduced pressure at 120 ° C. and 10 mmHg for 2 hours to evaporate the residual hexane, and from its weight (Wi) [g] to hexane insoluble matter at + 10 ° C. (Wi / W × 100 [%]) Is calculated.
On the other hand, the solution separated as a hexane-soluble component at + 10 ° C. is again placed in a centrifuge tube and left in a thermostatic bath at −20 ° C. for 4 hours. This is centrifuged under the same conditions as described above in a centrifuge temperature-controlled at −20 ° C. to separate insoluble and soluble components. The obtained soluble component is concentrated with a vacuum evaporator and then dried under the same conditions as described above. From its weight (Ws) [g], hexane-insoluble matter at -20 ° C. {100- (Ws / W) × 100} Calculate [%].
[0013]
IH and fuel oil α a Preferably satisfies the relationship of the following formula (3).
−4 ≦ (IH−5) × (α a −0.14) ≦ 5 (3)
(IH-5) × (α a -0.14) is more preferably -1.8 to 3, further preferably -1.6 to 2.5, and particularly preferably -1.2 to 1.5.
α a The amount of the fluidity improver increases as the value increases, but the above range is preferable from the viewpoint of improving oil permeability.
Furthermore, it is preferable that (IH) and (WA) satisfy the relationship of the following formula (4).
250 x WA + IH ≤ 35 (4)
250 × WA + IH is more preferably 30 or less, further preferably 25 or less, and particularly preferably 20 or less.
By setting it as the said range, it is preferable at the point which oil permeability improves.
[0014]
The degree of branching in (A) is preferably 4% or less, more preferably 3% or less, particularly preferably 2.5% or less, and particularly preferably 2.2% or less. The degree of branching is the percentage of the number of methyl groups generated by branching with respect to the total number of methylene groups and methine groups derived from vinyl groups in (a) and (b).
The degree of branching can be determined by 1H-NMR.
For example, in the case of a copolymer of ethylene and vinyl acetate, a peak intensity [1] of 0.8 to 0.9 ppm (derived from a branched methyl group) and a peak intensity [2] of 1.0 to 1.9 ppm (derived from ethylene) Vinyl methylene and methine, and vinyl acetate derived from vinyl methylene), a peak intensity of about 2.0 ppm [3] (derived from the acetylmethyl group of vinyl acetate), and a peak intensity of 4.7 to 5.0 ppm [4] ( It is calculated by the following formula from vinyl acetate derived from vinyl acetate).
Degree of branching (%) = [1] / 3 ÷ {([2] − [1] / 3) / 2 + [1] / 3 + [4]} × 100 When vinyl carboxylate other than vinyl acetate is contained, A peak derived from a carboxylic acid group may overlap with [1] and [2]. In that case, the peak intensity [5] (2.0 to 2.3 ppm) of the proton bonded to the carbon adjacent to the carbonyl group of the carboxylic acid group and the peak intensity [4] (4.7 to 5.0 ppm) ( The content of vinyl carboxylate is determined from the vinyl methine of fatty acid vinyl), and calculated by subtracting the absorption of carboxylic acid groups overlapping [1] and [2] from the molar ratio.
When α-olefin is contained, it is difficult to distinguish between branched and α-olefin by 1H-NMR, so calculate the copolymerization ratio of α-olefin from the charged amount and the reaction rate at the time of polymerization. Calculated by subtracting the absorption of α-olefin side chains overlapping [1] and [2].
[0015]
The weight average molecular weight of (A) is preferably 1,000 to 100,000, more preferably 3,000 to 50,000. The weight average molecular weight can be measured as a polystyrene-equivalent molecular weight by gel permeation chromatography (GPC) using polystyrene as a standard substance.
[0016]
The cloud point of the 5% kerosene solution (A) is preferably +30 to -10 ° C, more preferably +25 to -5 ° C, and particularly preferably +25 to 0 ° C. From the viewpoint of low temperature fluidity, −10 ° C. or higher is preferable, and from the viewpoint of oil permeability, + 30 ° C. or lower is preferable.
The cloud point of (A) is obtained by dissolving (A) in kerosene so that the concentration is 5% (dissolve by heating if necessary) and then gradually cooling (0.5 ° C./min) It can be measured by reading the temperature at which the liquid begins to become cloudy.
The solubility parameter (SP value) of (A) is preferably 8.4 to 9.7, more preferably 8.6 to 9.5, and particularly preferably 8.9 to 9, from the viewpoint of low temperature fluidity and solubility. 9.3. Setting it to 8.4 or more is preferable in terms of excellent fluidity improvement effect, and setting it to 9.7 or less is preferable in terms of improving oil permeability.
Note that the SP value of the present invention is the Fedors method [Poym. Eng. Sci. 14 (2) 152, (1974)].
[0017]
(A) can be obtained by a known method. For example, it can be obtained by radical polymerization of the vinyl monomers in a solvent or without a solvent. In this case, polymerization initiators include azo initiators (eg, azobisisobutyronitrile, azobisvaleronitrile, etc.) and peroxide initiators (eg, diisopropyl percarbonate, benzoyl peroxide, cumyl peroxide). Lauryl peroxide, di-t-butyl peroxide, etc.) can be used.
Polymerization solvents include aliphatic hydrocarbons (hexane, heptane, octane, cyclohexane, etc.), aromatic hydrocarbons (toluene, xylene, ethylbenzene, aromatic mixed solvents with 9 carbon atoms (mixtures of trimethylbenzene, ethyltoluene, etc.), C10-C11 aromatic mixed solvent, etc.] and ketones (acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, etc.). These polymerization solvents can be distilled off after completion of the polymerization, but can also be used as they are as a solvent for converting (A) into a solution.
In order to reduce the copolymer composition distribution, it is also effective to add the monomers dropwise in accordance with the progress of the polymerization rate so that the ratio of each monomer is constant during the polymerization. In order to reduce the degree of branching, it is effective to lower the polymerization temperature (usually 30 to 300 ° C., preferably 30 to 160 ° C.) and use a chain transfer agent in combination. As chain transfer agents, known mercaptans (such as butyl mercaptan and lauryl mercaptan), secondary alcohols (such as isopropyl alcohol and s-butanol), substituted aromatic compounds (such as toluene, xylene, cumene) and aldehydes (such as propionaldehyde) ) Etc. can be used.
Moreover, in order to make a hexane insoluble content into a specific range if needed, a required polymer can be fractionated at the temperature which a part of polymer precipitates, and (A) can also be obtained. For example, after dissolving the polymer in a solvent such as hexane, heptane, cyclohexane, etc., the temperature is adjusted to a predetermined temperature, and the soluble component and the insoluble component are separated using a centrifuge. Thereafter, by removing the solvent, a polymer (A) fractionated into a desired hexane-insoluble matter is obtained.
[0018]
Specific examples of (A) include the following.
(1) Ethylene / vinyl acetate (molar ratio 82/18) copolymer
(2) Ethylene / vinyl acetate / vinyl neodecanoate (molar ratio 82/17/1) copolymer
(3) Ethylene / vinyl acetate / 2-ethylhexanoic acid vinyl (molar ratio 83/15/2) copolymer,
(4) Ethylene / 4-methylpentene-1 copolymer,
(5) Ethylene / vinyl acetate / 4-methylpentene-1 copolymer,
(6) Ethylene / methyl acrylate copolymer,
(7) Fractionated product of (1) to (6) with hexane.
[0019]
In the fuel oil composition of the present invention, other additives other than (A) may be contained.
Examples of other additives include wax dispersants (dialkyl fumarate / vinyl acetate copolymer, dialkyl fumarate / propylene copolymer, etc.), corrosion inhibitors (ethylene oxide adducts of dodecylamine, octylamine, fats) Amines and their salts, organophosphates, organic sulfonates, alkenyl succinic acid rust preventives, alkenyl succinic acid ester rust preventives, etc.), detergent dispersants (dibutylamine ethylene oxide adducts, butanol Ethylene oxide adducts, etc.), lubricity improvers (higher fatty acids and their glycerin esters, sorbitan monooleate, glycerin monooleate, etc.), cetane improvers (alkyl nitrates, amyl nitrate, isopropyl nitrate, etc.), oxidation Inhibitor (hindered pheno Le ethers, such as salicylidene derivatives), other defoaming agents, combustion improvers, conductivity imparting agents, and other flow improvers (polyalkyl methacrylates, such as fatty acid esters of polyols), and the like.
The amount of other additives used is usually 0 to 10,000 ppm, preferably 10 to 5,000 ppm, based on the total weight of the fuel oil composition.
[0020]
【Example】
The present invention will be described in detail below with reference to examples and production examples, but the present invention is not limited thereto. All parts represent parts by weight.
[0021]
Production Example 1
In a glass flask equipped with a thermometer and a stirrer, 200 parts of ethylene / vinyl acetate / neodecanoic acid copolymer (83/16/1 mol%, branching degree 2.9, Mn 4000, Mw 7300) and 800 parts of hexane were added. In addition, the mixture was stirred and dissolved at 60 ° C. Next, this was allowed to stand at −20 ° C. for 4 hours and then centrifuged at −20 ° C. (10,000 rpm × 30 minutes) to isolate insoluble matter. The obtained insoluble matter was dried under reduced pressure at 150 ° C. to obtain 124 parts of polymer (1). The analytical value of the polymer (1) is shown in Table 1.
In a glass container equipped with a stirrer, a heating device and a thermometer, 650 parts of the polymer (1) and a petroleum aromatic mixed solvent having 10 to 11 carbon atoms as a diluent (initial boiling point 182 ° C. to end point 204 ° C. 350 parts were added and uniformly dissolved at 100 ° C. to obtain a fluidity improver composition (T1).
[0022]
Production Example 2
A pressure-resistant tubular reactor is fed with a mixture of 533 parts of ethylene, 360 parts of vinyl acetate, 107 parts of vinyl neodecanoate, 40 parts of propionaldehyde and 0.5 part of “Perroyl IPP-50”, 120 ° C., 110 MPa, residence time 3 Polymerized under conditions of minutes. After completion of the polymerization, unreacted monomers were removed by drying under reduced pressure to obtain a polymer (2). The analytical value of the polymer (2) is shown in Table 1.
The polymer (2) was uniformly dissolved in a petroleum aromatic mixed solvent having 10 to 11 carbon atoms in the same manner as in Example 1 to obtain a fluidity improver composition (T2).
[0023]
Production Example 3
Polymerization was carried out in the same manner as in Production Example 2 except that the raw material monomer ratio was changed to 506 parts of ethylene, 312 parts of vinyl acetate, and 182 parts of vinyl neodecanoate to obtain a polymer (3). The analysis value of the polymer (3) is shown in Table 1.
The polymer (3) was uniformly dissolved in a petroleum aromatic mixed solvent having 10 to 11 carbon atoms in the same manner as in Example 1 to obtain a fluidity improver composition (T3).
[0024]
Production Examples 4 and 5
Ethylene / vinyl acetate copolymer (96.5 / 3.5 mol%, degree of branching 3.4, Mn2600, Mw6600) 500 in a glass reactor equipped with a stirrer, a heating device, a thermometer, and a nitrogen blowing tube And 500 parts of di-2-ethylhexyl fumarate were added, and the temperature was raised to 155 ° C. under a nitrogen atmosphere. Thereto was added dropwise 20 parts of jetty butyl peroxide and 1.7 parts of lauryl mercaptan at 155 ° C. over 2 hours. After completion of dropping, the mixture was further reacted at 155 ° C. for 2 hours to obtain a polymer (3).
The polymer (4) was a copolymer obtained by grafting di2-ethylhexyl fumarate to the ethylene / vinyl acetate copolymer. The analytical value of the polymer (4) is shown in Table 1.
Commercially available ethylene / vinyl acetate / vinyl neodecanoate copolymer [84/14/2 mol%, degree of branching 4.2, Mn 3200, Mw 7500, 7% by weight of hexane insoluble at + 10 ° C., hexane insoluble at 43 ° C. 43 % By weight] is the polymer (5). The analytical value of the polymer (5) is shown in Table 1.
65 parts of the polymer (4), 585 parts of the polymer (5) and 350 parts of a petroleum aromatic mixed solvent having 10 to 11 carbon atoms (initial boiling point 182 ° C. to end point 204 ° C.) are uniformly dissolved in the same manner as in Example 1. Thus, a fluidity improver composition (T4) was obtained.
A fluidity improver composition (T5) was obtained in the same manner except that the ratio of the polymer was changed to 195 parts of the polymer (4) and 455 parts of the polymer (5).
[0025]
Production Example 6
Polymer of commercially available ethylene / vinyl acetate copolymer [85/15 mol%, branching degree 3.2, Mn 3300, Mw 8300, hexane insoluble content at + 10 ° C. 18% by weight, hexane insoluble content at −20 ° C. 52% by weight] (6). The analytical value of the polymer (6) is shown in Table 1.
The polymer (6) was uniformly dissolved in a petroleum aromatic mixed solvent having 10 to 11 carbon atoms in the same manner as in Example 1 to obtain a fluidity improver composition (T6).
[0026]
[Table 1]
[0027]
[Table 2]
[0028]
Examples 1-20, Comparative Examples 1-4
The additive composition shown in Table 2 is added to the fuel oil (light oil) of any of fuel 1 to fuel 5 having the properties shown in Table 3 and mixed uniformly at 40 ° C. As a result, the fuel oil composition of the present invention and the comparative fuel oil composition were obtained.
Each fuel oil composition was evaluated as follows to evaluate low-temperature fluidity and oil permeability.
The low temperature fluidity was evaluated by measuring PP [pour point (° C.): method described in JIS K2269 3] and CFPP [low temperature filter clogging point (° C.): method described in JIS K2288].
Oil permeability is measured by feeding the evaluation oil temperature-controlled at 5 ° C to a pressure filter equipped with a membrane filter (pore size 5 µm, filter diameter 13 mmφ) with a pump at a flow rate of 20 mL / min. Was evaluated based on the oil passing time until the pressure reached 0.1 MPa.
The results are shown in Table 5. As is apparent from the above, the fuel oil composition of the present invention exhibits very excellent low temperature fluidity and excellent oil permeability.
[0029]
[Table 3]
[0030]
[Table 4]
[0031]
[Table 5]
[0032]
【The invention's effect】
The fuel oil composition according to the present invention is excellent not only in a fuel oil composition comprising a fuel oil having a high sulfur content but also in particular a fuel oil composition comprising a fuel oil having a low sulfur content, The fuel oil composition has no problem of oil permeability.
Claims (13)
y=αx+β (1)
0.04 ≦ WA÷(αa−0.17) ≦ 0.4 (2)
−4 ≦ (IH−5)×(αa−0.14) ≦ 5 (3)A fuel oil composition comprising a fuel oil containing n-paraffin having 20 or more carbon atoms and a low temperature fluidity improver, wherein the low temperature fluidity improver is ethylene (a) and an aliphatic carboxylic acid having 2 to 24 carbon atoms The carbon number (x) of the n-paraffin having 20 or more carbon atoms in the fuel oil and its content (y [wt%] ]) In the following relational expression (1), the absolute value (αa) of the slope (α) and the content (WA [wt%]) of the copolymer (A) in the fuel oil composition are: A fuel oil composition characterized in that the hexane insoluble matter (IH [wt%]) and (αa) at + 10 ° C. of (A) satisfy the relationship of the following formula (3):
y = αx + β (1)
0.04 ≦ WA ÷ (αa−0.17) ≦ 0.4 (2)
−4 ≦ (IH−5) × (αa−0.14) ≦ 5 (3)
250×WA+IH ≦ 35 (4)The fuel oil composition according to claim 1 or 2, wherein (IH) and (WA) satisfy the relationship of the following formula (4).
250 x WA + IH ≤ 35 (4)
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