JP3823043B2 - Power amplifier - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として携帯電話等の移動体通信基地局で使用される電力増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動体通信機器の基地局の送信装置には、多数の信号チャンネルを一括して増幅するために、高効率で、かつ、可能な限り線形な特性を持つ電力増幅器が必要とされている。電力増幅器の特性を可能な限り線形にするためには、例えば、フィードフォワード方式などの歪み補償の採用に加えて、電力増幅器そのものの低歪み化が不可欠である。
【0003】
図31は、従来の電力増幅器600を示す図である。
【0004】
電力増幅装置600は、入力端子601と、出力端子602と、バラン603、604と、増幅器605、606とを含む。増幅器605、606は、増幅素子611、612と、入力側の整合回路613、614と、出力側の整合回路615、616と、入力側バイアス回路用コンデンサ617、618と、出力側バイアス回路用コンデンサ619、620とを含む。増幅器605および606は、プッシュプル増幅器として動作する。コンデンサ619および620の各々は、実際には複数のコンデンサから構成されている。すなわち、所定の信号周波数において低インピーダンスとなるコンデンサと、複数の信号を入力する場合の周波数の差(周波数間隔)に対応する周波数において低インピーダンスとなるコンデンサである。出力側バイアス回路用コンデンサ619、620を設けることで、増幅器で発生する相互変調歪みを抑圧し、電力増幅器の特性を可能な限り線形に近づけることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の電力増幅装置600では、各プッシュプル増幅器605および606のバイアス回路にコンデンサ619、620を設けなければならず、部品数が多くなる。しかもコンデンサ619、620は、一般的には大容量かつ低抵抗である必要があるため、部品数が多くなると全体の回路規模が大きくなってしまう。さらには増幅器に入力される複数の信号の周波数間隔によって、相互変調歪みの抑圧度にばらつきが生じる。
【0006】
本発明の目的は、部品数を少なくしつつ、増幅器で発生する相互変調歪みを低減する電力増幅器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電力増幅器は、周波数の異なる2つの信号を合成した合成信号を入力する入力部、第1の位相を有する第1の信号を出力する第1の出力部、および、前記第1の位相と逆の第2の位相を有する第2の信号を出力する第2の出力部を有する第1のバランと、前記第1の信号を受け取って増幅することにより、前記2つの信号の周波数の差からなる周波数成分を含む第1の増幅信号を出力する第1の増幅器と、前記第2の信号を受け取って増幅することにより、前記2つの信号の周波数の差からなる周波数成分を含む第2の増幅信号を出力する第2の増幅器と、第1の入力部および第2の入力部を有し、前記第1の入力部および第2の入力部から入力された信号の合成信号を出力する出力部を有する第2のバランと、前記第1の増幅器の出力および前記第2の増幅器の出力の間に接続された、前記2つの信号の周波数の差の絶対値を自己共振周波数とするインピーダンス素子と、を備え、前記第2の増幅信号に含まれる周波数成分を、前記インピーダンス素子を経由して前記第2のバランの第1の入力部へ到達する第1の増幅経路に入力し、前記第1の増幅信号に含まれる周波数成分を、前記インピーダンス素子を経由して前記第2のバランの第2の入力部へ到達する第2の増幅経路に入力する。これにより上記目的が達成される。
【0008】
【0009】
【0010】
前記インピーダンス素子に直列に接続され、前記第1の増幅信号に含まれる周波数成分と、前記第2の増幅信号に含まれる周波数成分とを受け取って、各周波数成分の位相を調整して、互いに逆位相で出力する位相器をさらに備えていてもよい。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0034】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1による電力増幅器100の構成を示すブロック図である。電力増幅器100は、入力端子101と、入力103a、第1の出力103bおよび第2の出力103cを有する第1のバラン103と、入力105aおよび出力105bを有する増幅器105と、入力106aおよび出力106bを有する増幅器106と、インピーダンス素子であるコンデンサ107と、第1の入力104b、第2の入力104cおよび出力104aを有する第2のバラン104と、出力端子102とを備えている。
【0035】
電力増幅器100内の接続関係は、以下のとおりである。入力端子101は、バラン103の入力103aに接続され、バラン103の第1の出力103bおよび第2の出力103cは、それぞれ増幅器105の入力105aおよび増幅器106の入力106aに接続される。増幅器105の出力105bおよび増幅器106の出力106bは、それぞれ第2のバラン104の第1の入力104bおよび第2の入力104cに接続される。バラン104の出力104aは、出力端子102に接続される。更に、コンデンサ107は、増幅器105の出力105bと増幅器106の出力106bの間に接続されている。以下では、バラン103の第1の出力103bから増幅器105を経由してバラン104の第1の入力104bへ到達する経路を第1の増幅経路161とする。また、バラン103の第2の出力103cから増幅器106を経由してバラン104の第2の入力104cへ到達する経路を第2の増幅経路162とする。
【0036】
図2は、電力増幅器100の具体的な回路構成を示す。増幅器105は、トランジスタからなる増幅素子111と、入力側のインピーダンスを整合する入力側整合回路113と、出力側のインピーダンスを整合する出力側整合回路115と、入力側にバイアスを与える入力側バイアス回路131と、出力側にバイアスを与える出力側バイアス回路133とを備えている。増幅素子111のゲートには、入力側整合回路113および入力側バイアス回路131が接続されている。更に、増幅素子111のドレインには、出力側整合回路115および出力側バイアス回路133が接続される。入力側バイアス回路131は、伝送線路121と、入力側バイアス回路用のコンデンサ117とを含む。出力側バイアス回路133は、伝送線路123と、出力側バイアス回路用のコンデンサ119とを含む。伝送線路121および伝送線路123は、例えば、入力信号周波数の4分の1波長線路である。また、コンデンサ117、119は、入力信号周波数において低インピーダンスとなるコンデンサである。
【0037】
一方、電力増幅器100の増幅器106は、トランジスタからなる増幅素子112と、入力側整合回路114と、出力側整合回路116と、入力側バイアス回路132と、出力側バイアス回路134とを備えている。増幅素子112のゲートには、入力側整合回路114と、入力側バイアス回路132とが接続される。更に、増幅素子112のドレインには、出力側整合回路116および出力側バイアス回路134が接続される。入力側バイアス回路132は、伝送線路122と入力側バイアス回路用のコンデンサ118とを含む。出力側バイアス回路134は、伝送線路124と、出力側バイアス回路用のコンデンサ120とを含む。
【0038】
次に、図3を参照して、電力増幅器100の基本動作を説明する。図3は、電力増幅器100の各部における信号波形を記したブロック図である。入力端子101から入力された不平衡信号は、バラン103により第1の信号と第2の信号に変換され、それぞれ第1の出力103bおよび第2の出力103cから出力される。このとき、2つの出力からは、同振幅で互いに180°の位相差を有する平衡信号が出力される。すなわち、バランは103は、1つの入力信号を、位相のみが互いに180°ずれた2つの信号に変換して、それぞれを出力する。第1の信号および第2の信号は、それぞれプッシュプル増幅器として動作する増幅器105および増幅器106で増幅される。増幅された第1の信号および第2の信号は、バラン104の第1の入力104bおよび第2の入力104cからそれぞれバラン104に入力され、不平衡信号である増幅信号に変換される。すなわち、バランは104は、位相のみが互いに180°ずれた2つの入力信号を、1つの信号に増幅して変換し、出力する。変換された増幅信号は、出力端子102から出力される。結果として、入力端子101から入力された信号は、出力端子102では増幅された信号として出力される。
【0039】
増幅器105のバイアス回路131(図2)およびバイアス回路133(図2)は、増幅器105への入力信号線から見ると、入力信号周波数においては高インピーダンスである。すなわち、バイアス回路131(図2)およびバイアス回路133(図2)は、信号の動作に影響を与えない。これは、増幅器106のバイアス回路についても同様である。
【0040】
いま、入力端子101に信号周波数に対して十分小さな周波数間隔の2つの信号が入力された場合を考える。2つの信号が入力された場合でも、電力増幅器100は、上述した基本動作を行う。しかし、この場合には、増幅器の非線形性により相互変調歪みが発生する。いま、入力される2つの信号の周波数を、それぞれf1とf2(例えば、f1を2000MHz、f2を2010MHz)とする。図4の(a)は、周波数f1およびf2の信号の波形図である。続いて図4の(b)は、周波数f1および周波数f2の信号を合成した合成信号の波形図である。そして、図4の(c)は、バラン103(図3)により変換され出力された、第1の信号および第2の信号の波形を示す図である。変換後の第1の信号および第2の信号は、それぞれ、増幅器105および増幅器106により増幅される。
【0041】
第1の信号が増幅された場合を例にとって考える。例えば、増幅器105(図3)が、仮に振幅を2倍に増幅する特性を有すると仮定する。図5の(a)を参照して、入力信号の信号波形をFとすると、理想的な増幅信号の信号波形は、F’として示される。しかし、実際の増幅信号の信号波形は、F’としては表されず、図5の(b)のF’’に示すような信号波形になる。これは、増幅器105の非線型性に起因する歪みが原因である。信号波形F’’は、包絡線の頂点に近づくにつれリニアな増幅が得られない上、位相にもずれが生じる。
【0042】
図6は、F’(図5の(a))の信号波形を成分分析したスペクトル分布を示す。図6の(a)は、増幅前の周波数f1、f2の2つの信号波の周波数スペクトルを示す。周波数f1、f2の差の絶対値(=|f1−f2|)をΔfとする。以下、|f1−f2|またはΔfを、周波数間隔と称する。
【0043】
相互変調歪みのうち、最も問題となるのは3次歪みである。図6の(b)に示すとおり、3次歪みは、周波数2f1−f2および2f2−f1において発生する。この3次相互変調歪みが発生する要因の1つは、増幅器105の非線形性により発生する周波数Δf成分(図6(b))と、信号周波数f1(またはf2)成分とが、再びプッシュプル増幅器においてミキシングされることであると考えられている。したがって、発生する周波数Δf成分を、図6(d)に示すように小さく抑えることができれば、生成される3次相互変調歪みを低減できる。なお、周波数Δf成分は、図6(a)に示す周波数間隔Δfに等しい。
【0044】
そこで、実施の形態1では、増幅器105(図1)の出力105bと増幅器106(図1)の出力106b間にコンデンサ107(図1)を接続する。そして、コンデンサ107(図1)に、周波数Δfに対して低インピーダンスになる特性を持たせる。換言すれば、コンデンサ107(図1)の自己共振周波数をΔfにする。これにより、増幅器105(図1)の出力105bからのΔf成分、および、増幅器106(図1)の出力106bのΔf成分を互いに低減できる。その理由を以下説明する。
【0045】
再び図1を参照して、プッシュプル増幅器105、106の2つの平衡出力105bおよび106bにおいて、それぞれのΔf成分は、同振幅で同位相である。上述のように、本実施の形態では、周波数Δfに対して低インピーダンスになるコンデンサ107を設けた。コンデンサ107は、Δf成分を略そのまま伝送する。ここで、増幅器105の出力105bに着目すると、Δf成分が出力されるとともに、増幅器106の出力106bから伝送された同振幅で同位相のΔf成分が入力される。増幅器106の出力106bでは、その逆である。出力105b、106bでは、理論上は、Δf成分同士が打ち消し合うことはない。
【0046】
しかし、実際には、回路の配線はインピーダンス成分を含み、Δf成分の位相のずれが生じるので、Δf成分は部分的に打ち消しあって低減する。これにより、周波数Δf成分と信号周波数(f1あるいはf2)成分とのミキシングの発生を解消することができ、増幅器で発生する3次相互変調歪みを低減できる。加えて、従来と比較して部品数を削減することもできる。また、同じ特性を有するコンデンサを2つ用いる必要がないので、コンデンサの個体差による特性の劣化を考慮する必要がないという優れた効果を有する。これまで説明したように、実施の形態1によれば、相互変調歪みを低減し、かつ、部品数を減らした電力増幅器を実現できる。
【0047】
なお、実施の形態1では、入力される信号を、周波数f1、f2の2つの正弦波信号とした。しかし、図6の(c)に示す変調波の成分曲線の2辺をf1、f2にすれば、変調波についても同様な効果が得られる。
【0048】
また、実施の形態1では、コンデンサ107(図1)を出力側整合回路115および116の出力側に接続した。しかし、この構成とは別の構成であっても、同様の効果が得られる。図7は、電力増幅器100の別の例による回路図である。電力増幅器100は、出力側整合回路115、116の増幅素子側、つまり、出力側整合回路115、116と、増幅素子111、112のドレイン端子との間に接続してもよい。コンデンサ107が第1の増幅経路161と第2の増幅経路162の間に接続されていればよい。
【0049】
続いて、Δf成分をより低減させるための構成を説明する。図8は、Δf成分を低減する電力増幅器110の構成を示すブロック図である。以下、電力増幅器110が電力増幅器100(図3)と異なる構成要素のみ説明し、同じ構成要素の説明は省略する。
【0050】
電力増幅器110が電力増幅器100(図3)と異なるのは、コンデンサ107と直列に位相器81を設けたことである。位相器81は、入力信号の位相を変更できる。具体的には、増幅器105から出力されたΔf成分の入力信号に対して、位相器81は、増幅器106から出力されたΔf成分の信号の位相と逆相にして出力する。また、増幅器106から出力されたΔf成分の入力信号に対しては、位相器81は、増幅器105から出力されたΔf成分の信号の位相と逆相にして出力する。すなわちΔf成分は、同振幅でほぼ逆位相になり、増幅器105の出力105bにおいても、増幅器106の出力106bにおいても、低減される。これにより、増幅器で発生する3次相互変調歪みも大幅に低減できる。さらに、回路の配線のインピーダンスによる位相ずれを考慮して位相を変更することにより、Δf成分が実質的に0になるように打ち消すことができる。
【0051】
位相器81は、図7で説明したコンデンサ107に直列接続で設けられてもよいし、図7における増幅器105の出力、および、増幅器106の出力の間を接続するように設けられてもよい。
【0052】
(実施の形態2)
図9は、実施の形態2による電力増幅器100の回路図である。実施の形態1で説明した構成要素と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0053】
図9に示す電力増幅器100が、実施の形態1による電力増幅器と異なるのは、増幅器105および106の出力間、換言すれば、バラン104の第1の入力と第2の入力間だけではなく、増幅素子111および112のドレイン間にもコンデンサを接続している点である。増幅素子111と112のドレイン間のコンデンサを107aとし、バラン104の入力間のコンデンサを107bとする。
【0054】
一般に、実際のコンデンサは、固有の自己共振周波数を有しており、その周波数でのインピーダンスは0Ωに近くなる。このため、コンデンサが107bを設けることで、そのコンデンサの自己共振周波数に相当するΔf成分による相互変調歪みを低減することはできる。しかし、自己共振周波数から離れた周波数においては、インピーダンスは高くなってしまう。図10は、コンデンサの共振特性の例を示すグラフである。図10の(a)から明らかなように、コンデンサでは、低インピーダンス特性を示す周波数帯域は、一般に狭い。
【0055】
電力増幅器に入力される信号の周波数は、ある帯域幅をもっており、その中でどの周波数のキャリア信号を用いるかは場合に応じて異なる。したがって、周波数間隔Δfも所定の幅を有することになる。上述のように、コンデンサは、低インピーダンス特性を示す周波数帯域は一般に狭いため、周波数間隔Δfの値が、コンデンサ107b(図9)の自己共振周波数と異なる場合には、相互変調歪みを低減できないことがある。
【0056】
そこで、信号の周波数間隔Δfの値が変化した場合でも、相互変調歪みを低減できることが必要になる。実施の形態2においては、コンデンサ107bと異なる自己共振周波数を有するコンデンサ107aを更に接続する。コンデンサ107aのインピーダンスが小さい周波数帯域と、コンデンサ107bのインピーダンスが小さい周波数帯域とは重なり部分を有する。これにより、広範囲の周波数間隔Δfに対応した相互変調歪みを低減できる。すなわち、入力される2つの信号の周波数間隔Δfの変化に応じて相互変調歪みを低減できる。例えば、図10の(b)に示すように、自己共振周波数が5MHzのコンデンサ107aと、自己共振周波数が20MHzのコンデンサ107bとを設ける。これにより、周波数間隔Δfが5MHzから20MHzの範囲にわたって、複数信号増幅時の相互変調歪みを低減できる。
【0057】
実施の形態2においても実施の形態1の場合と同様、従来と比較して、部品数を削減しつつ、相互変調歪みを低減した電力増幅器を実現できる。
【0058】
更に、実施の形態2では、2個のコンデンサのうち1個は、増幅素子111および増幅素子112のドレイン間に接続し、他のもう1個は、整合回路115および116を通した後の出力側バラン104の2つの入力間に接続した。この点については、上記に限定されるものではなく、プッシュプル増幅器のドレイン端子間に2個とも接続してもよい。または、出力側バラン104の第1の入力と第2の入力の間に2個とも接続してもよい。これらの場合でも、実施の形態2の効果と同様の効果が得られる。
【0059】
実施の形態2では、異なる自己共振周波数を有する2種類のコンデンサを用いた。しかし、異なる自己共振周波数を有する3種類以上のコンデンサを用いてもよい。また、接続位置は、第1の増幅経路151と第2の増幅経路152の間であれば自由に設定できる。その場合でも実施の形態2の効果と同様の効果が得られる。
【0060】
さらに、図8を参照して説明した位相器を設けることで、複数の信号を増幅したときの相互変調歪みを大幅に低減できる。位相器は、それぞれのコンデンサを介してΔf成分の信号が伝送される位置に設ければよい。コンデンサの数に対応した数の位相器を設けてもよいし、特定のコンデンサに対してだけに設けてもよい。
【0061】
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3による電力増幅器100の回路図である。実施の形態1で説明した構成要素と同じ構成要素には、同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0062】
図11に示す電力増幅器100が、実施の形態1による電力増幅器と異なるのは、プッシュプル増幅器105および106の出力間に、コンデンサではなくインダクタ108を接続している点である。インダクタ108もまた、インピーダンス素子である。
【0063】
インダクタ108を設けた意味は、実施の形態1、2におけるコンデンサ107と同様である。実施の形態3において、周波数f1、f2の2つの信号が電力増幅器100に入力された場合を考える。周波数間隔Δfは、信号周波数より十分小さいとする。さらに、周波数Δf周辺において、インダクタ108は低インピーダンスであるとする。このとき、増幅器105の出力105bおよび増幅器106の出力106bに現れるΔf成分は、実施の形態1で説明したと同様の理由で打ち消し合う。その結果、増幅器におけるΔf成分と信号周波数(f1あるいはf2)とのミキシングは発生しなくなり、実施の形態1の場合と同様、増幅器で発生する3次相互変調歪みを低減できる。また、従来と比較して部品数を削減した電力増幅器を実現できる。
【0064】
インダクタ108の更なる特徴は、周波数Δfより低い周波数においても低インピーダンス特性を示すことにある。これにより、プッシュプル増幅器の出力間にインダクタ108を接続することで、増幅器に入力される複数の信号の周波数間隔Δfが変化する場合でも、相互変調歪みを低減できる。
【0065】
なお、実施の形態3では、周波数Δfにおいて低インピーダンスとなるインピーダンス素子としてインダクタ108を用いたが、代わりに図12に示す構成にしてもよい。
【0066】
図12は、実施の形態3による電力増幅器100の別の例を示す回路図である。電力増幅器100では、インダクタ108に代えて、プッシュプル増幅器の出力間に接続されるインダクタ109aと、低域通過型フィルタ109と、増幅器105の出力105bおよびアース109dの間に接続されるコンデンサ109bと、増幅器106の出力106bおよびアース109eの間に接続されるコンデンサ109cにより構成される低域通過型フィルタ109とを含む。インダクタ108の代わりに低域通過型フィルタ109を用いることにより、低インピーダンスとなる帯域幅を広くとることができる。
【0067】
なお、上述した構成とは異なる構成を有する低域通過型フィルタであっても、本実施の形態の場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。また、実施の形態1で図8を参照して説明したように、位相器を設けて、周波数間隔Δfをより確実に低減してもよい。
【0068】
(参考例1)
図13は、参考例1による電力増幅器200の構成を示すブロック図である。電力増幅器200は、実施の形態1〜3で説明した電力増幅器と同じ機能を有している。すなわち、信号周波数に対して十分小さな周波数間隔の複数の信号が入力された場合に、電力増幅器200は、相互変調歪み(特に3次相互変調歪み)を低減して、入力信号に対して位相ずれのない増幅信号を出力する。
【0069】
まず、電力増幅器200の構成を説明する。電力増幅器200は、入力端子201と、入力203a、第1の出力203bおよび第2の出力203cを有する第1のバラン203と、入力205aおよび出力205bを有する増幅器205と、入力206aおよび出力206bを有する増幅器206と、入力204a、第1の出力204bおよび第2の出力204cを有する第2のバラン204と、第1の方向性結合器251と、第2の方向性結合器252と、出力端子202とを備えている。
【0070】
方向性結合器251、252は、伝送線路において、特定の方向に伝播する信号だけを、2次線路に結合する、周知の方向性結合器が利用できる。信号が方向性結合器を通過して2次線路に入るときに受ける減衰の程度を、結合度といい、デシベルで表される。電力増幅器200の第1の方向性結合器251は、第1の端子251a、第2の端子251b、第3の端子251c、および、第4の端子251dを有する。第2の方向性結合器252は、第1の端子252a、第2の端子252b、第3の端子252c、および、第4の端子252dを有する。
【0071】
電力増幅器200内の接続関係は、以下のとおりである。入力端子201は、バラン203の入力203aに接続され、バラン203の第1の出力203bおよび第2の出力203cは、それぞれ増幅器205の入力205aおよび増幅器206の入力206aに接続される。増幅器205の出力205bは、第1の方向性結合器251の第1の端子251aに接続され、増幅器206の出力206bは、第2の方向性結合器252の第1の端子252aに接続される。
【0072】
方向性結合器の接続関係は以下のとおりである。第1の方向性結合器251に関して、第2の端子251bは、バラン204の第1の入力204bに接続される。第3の端子251cは、第2の方向性結合器252の第4の端子252dと接続される。第4の端子251dは、第2の方向性結合器252の第3の端子252cと接続される。一方、第2の方向性結合器252の第2の端子252bは、バラン204の第2の入力204cに接続される。第3の端子252cおよび第4の端子252dは、上述のとおりである。
【0073】
以下では、バラン203の第1の出力203bから増幅器205、第1の方向性結合器251を経由してバラン204の第1の入力204bへ到達する経路を、第1の増幅経路261とする。また、バラン203の第2の出力203cから増幅器206、第2の方向性結合器252を経由してバラン204の第2の入力204cへ到達する経路を、第2の増幅経路262とする。
【0074】
図14は、電力増幅器200の具体的な回路構成を示す。図から明らかなように、電力増幅器200の増幅器205、206の機能および構成は、増幅器105、106(図7)の構成と同じである。したがって、その説明は省略する。
【0075】
上述のように、電力増幅器200の基本的な機能は、実施の形態1〜3の電力増幅器と同じである。以下図15を参照して、電力増幅器200が、相互変調歪み(特に3次相互変調歪み)を低減できる原理を説明する。
【0076】
図15は、相互変調歪みを低減する原理を示す図である。入力端子201には、信号周波数に対して十分小さな周波数間隔の2つの信号が入力される。入力される2つの信号の周波数を、それぞれf1とf2(例えば、f1を2000MHz、f2を2010MHz)とする。周波数間隔(|f1−f2|)はΔfと定義される。実施の形態1で説明したように、参考例1でも、相互変調歪み、特に、3次相互変調歪みを低減するために、Δfを低減することが目的である。
【0077】
そこで、参考例1では、例えば、2信号の周波数間隔を表す周波数Δfに対して3dBの結合度を有し、信号周波数に対してはほとんど結合しない方向性結合器を用いる。すなわち、第1の方向性結合器251の第3の端子251c、および、第2の方向性結合器252の第3の端子252cから、Δf成分のみを抽出する。第1の方向性結合器251の第3の端子251cから抽出されたΔf成分は、第2の方向性結合器252の第4の端子252dに入力され、増幅器206の出力と合成される。増幅器206の出力信号は、Δf成分を含む。留意すべきは、このΔf成分と、第4の端子252dに入力されたΔf成分とは、位相がずれていることである。これは、回路の配線はインピーダンス成分を含むので、回路の配線長が異なる場合には、位相のずれ量も異なるからである。この結果、Δf成分は打ち消し合って、Δf成分は低減される。第1の方向性結合器251においても同様に、増幅器205の出力信号に含まれるΔf成分は、位相のずれた、第2の方向性結合器252の第3の端子252cから取り出されたΔf成分と打ち消しあって、低減される。
【0078】
以上説明したように、プッシュプル増幅器を構成する各増幅器で発生するΔf成分はそれぞれ打ち消されるので、Δf成分と信号周波数(f1あるいはf2)とのミキシングは発生しなくなる。よって、増幅器で発生する3次相互変調歪みを低減できる。なお、参考例1では、方向性結合器の結合度を3dBとしたが、異なる値にしても、相互変調歪みを抑圧する効果が得られる。
【0079】
次に、相互変調歪みをより低減できる構成を説明する。図16は、電力増幅器200の別の例を示すブロック図である。この例では、実施の形態1〜3で説明したような、2信号の周波数間隔である、周波数Δfで低インピーダンスとなるコンデンサ207を1個以上付加している。方向性結合器の結合度が大きくなる周波数とそのコンデンサの自己共振周波数をずらすことにより、より広い範囲の周波数間隔Δfに応じた相互変調歪みを抑圧することができる。
【0080】
また、コンデンサ207に代えて、実施の形態3で説明したような、2信号の周波数間隔である、周波数Δfで低インピーダンスとなるインダクタを1個以上付加してもよい。方向性結合器の結合度が大きくなる周波数とインダクタが低インピーダンスとなる周波数をずらすことにより、より広い範囲の周波数間隔Δfに対して相互変調歪みを抑圧することができる。なお、コンデンサ207およびインダクタの接続位置は、第1の増幅経路261と第2の増幅経路262の間であれば自由に設定できる。
【0081】
さらに、図17に示す電力増幅器200によれば、複数信号を増幅したときの相互変調歪みを大幅に低減できる。図17は、2つの位相器を設けた電力増幅器210を示す。電力増幅器200(図13)と異なるのは、Δf成分の信号を伝送する第1の方向性結合器251、および、第2の方向性結合器252の間の配線上に、2つの位相器171、172を設けたことである。増幅器205から出力されたΔf成分の入力信号に対して、位相器171は、増幅器206から出力されたΔf成分の信号の位相と逆相にして出力する。また、増幅器206から出力されたΔf成分の入力信号に対しては、位相器172は、増幅器205から出力されたΔf成分の信号の位相と逆相にして出力する。これにより、Δf成分は、同振幅でほぼ逆位相になり、低減される。これにより、増幅器で発生する3次相互変調歪みを大幅に低減できる。さらに、回路の配線のインピーダンスによる位相ずれを考慮して位相を変更することにより、Δf成分が実質的に0になるように打ち消すことができる。なお、位相器は、それぞれのコンデンサを介してΔf成分の信号が伝送される位置に設ければよく、図17に示す位置に限られない。
【0082】
(参考例2)
図18は、参考例2による電力増幅器220の構成を示すブロック図である。電力増幅器220は、実施の形態1〜3ならびに参考例1で説明した電力増幅器と同じ機能を有している。すなわち、信号周波数に対して十分小さな周波数間隔の複数の信号が入力された場合に、電力増幅器220は、相互変調歪み(特に3次相互変調歪み)を低減して、入力信号に対して位相ずれのない増幅信号を出力する。
【0083】
電力増幅器220が、電力増幅器110(図8)と異なるのは、プッシュプル増幅器105および106の出力間に、第1のインダクタ181、位相器182、および、第2のインダクタ183が直列に接続されている点である。なお、電力増幅器220の構成は、電力増幅器110(図8)の構成と類似している。したがって、既に説明した構成要素と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、その説明は省略する。
【0084】
インダクタ181、183はいずれも、増幅器105および106から出力された信号の周波数に対してはインピーダンスが高く、一方、Δf成分の信号の周波数に対してはインピーダンスが低いことである。増幅器の出力間にインダクタ181、183を接続することで、増幅器に入力される複数の信号の周波数間隔Δfが変化する場合でも、相互変調歪みを低減できる。インダクタは、例えば、チョークコイルであり、バイアス電圧を加えるバイアス電源184のバイアスラインと共用されている。
【0085】
増幅器105から出力されたΔf成分の入力信号に対しては、位相器182は、増幅器106から出力されたΔf成分の信号の位相と逆相にして出力する。また、増幅器106から出力されたΔf成分の入力信号に対しては、位相器182は、増幅器105から出力されたΔf成分の信号の位相と逆相にして出力する。すなわちΔf成分は、同振幅でほぼ逆位相になり、互いに低減される。これにより、増幅器で発生する3次相互変調歪みを大幅に低減できる。さらに、回路の配線のインピーダンスによる位相ずれを考慮して位相を変更することにより、Δf成分が実質的に0になるように打ち消すことができる。
【0086】
次に、図19を参照して、上述した第1のインダクタ181、位相器182、および、第2のインダクタ183の直列接続を用いた、電力増幅器230を説明する。インダクタ181、183の特性、および、位相器182の動作は、上述のとおりである。
【0087】
電力増幅器100(図7)の構成は、電力増幅器230の構成と類似する。図19は、電力増幅器230の構成を示すブロック図である。電力増幅器230が電力増幅器100(図7)と異なるのは、コンデンサ107(図7)に代えて、第1のインダクタ181、位相器182、および、第2のインダクタ183が直列に接続されている点、および、バイアス電圧を加えるバイアス電源184を位相器182、および、第2のインダクタ183の間に接続した点である。さらに、バイアス電源184を設けたことにより、整合回路131〜134も省略可能になる。
【0088】
このように構成することにより、Δf成分は、位相器によって同振幅でほぼ逆位相にされて低減されるので、Δf成分に起因する3次相互変調歪みを大幅に低減できる。
【0089】
(参考例3)
図20は、参考例3による電力増幅器300の構成を示すブロック図である。電力増幅器300は、入力端子301と、入力303a、第1の出力303bおよび第2の出力303cを有する第1のバラン303と、第1〜4の方向性結合器353〜356と、入力305aと出力305bを有し、入力信号を増幅する増幅器305と、入力306aと出力306bを有し、入力信号を増幅する増幅器306と、入力304a、第1の出力304bおよび第2の出力304cを有する第2のバラン304と、出力端子302とを備えている。
【0090】
電力増幅器300内の接続関係は、以下のとおりである。入力端子301は、バラン303の入力303aに接続される。バラン303の第1の出力303bおよび第2の出力303cは、それぞれ第1の方向性結合器353の第1の端子353aおよび第2の方向性結合器354の第1の端子354aに接続される。第1の方向性結合器353の第2の端子353bは、増幅器305の入力305aに接続され、第2の方向性結合器354の第2の端子354bは、増幅器306の入力306aに接続される。増幅器305の出力305bは、第3の方向性結合器355の第1の端子355aに接続され、増幅器306の出力306bは、第4の方向性結合器356の第1の端子356aに接続される。第3の方向性結合器355の第2の端子355bおよび第4の方向性結合器356の第2の端子356bは、バラン304の第1の入力304bおよび第2の入力304cに接続される。バラン304の出力304aは、出力端子302に接続される。
【0091】
更に、第3の方向性結合器355の第3の端子355cと第2の方向性結合器354の第4の端子354dとが接続され、第4の方向性結合器356の第3の端子356cと第1の方向性結合器353の第4の端子353dとが接続される。
【0092】
以下では、バラン303の第1の出力303bから第1の方向性結合器353、増幅器305、第3の方向性結合器355を経由してバラン304の第1の入力304bへ到達する経路を第1の増幅経路361とする。また、バラン303の第2の出力303cから第2の方向性結合器354、増幅器306、第4の方向性結合器356を経由してバラン304の第2の入力304cへ到達する経路を第2の増幅経路362とする。
【0093】
図21は、電力増幅器300の具体的な回路構成を示す。増幅器305、306の構成は、実施の形態1で説明した増幅器105、106の構成と同じである。したがって、その説明は省略する。電力増幅器300の基本的な機能は、実施の形態1の場合と同様である。増幅器305と306はプッシュプル増幅器として機能する。
【0094】
参考例3では、周波数f1、f2の2つの信号が電力増幅器300に入力された場合を考える。周波数間隔Δfは、信号周波数より十分小さいとする。実施の形態1で説明したように、参考例3でも、相互変調歪み、特に、3次相互変調歪みを低減するために、Δfを低減することが目的である。
【0095】
そこで、参考例3では、例えば、2信号の周波数間隔を表す周波数Δfに対して3dBの結合度を有し、信号周波数に対してはほとんど結合しない方向性結合器を用いる。再び図20を参照して、より具体的に説明する。まず、増幅器305の非線形性により発生した周波数Δf成分の信号は、第3の方向性結合器355の第3の端子355cから取り出され、第2の方向性結合器354の第4の端子354dを経て、増幅器306に入力される。同様に、増幅器306の非線形性により発生した周波数Δf成分の信号は、第4の方向性結合器356の第3の端子356cから取り出され、第1の方向性結合器353の第4の端子353dを経て、増幅器305に入力される。
【0096】
このように構成することにより、増幅器305の非線形性により発生するΔf成分とは位相がずれた同振幅のΔf成分が、増幅器305に入力されることになり、結果として増幅器305で発生するΔf成分を低減する。また、増幅器306の非線形性により発生するΔf成分とは位相がずれた同振幅のΔf成分が、増幅器306に入力されることになり、結果として増幅器306で発生するΔf成分を低減する。この結果、Δf成分と信号周波数(f1およびf2)とのミキシングは発生しなくなり、増幅器305、306で発生する3次相互変調歪みを低減できる。
【0097】
なお、参考例3では、方向性結合器の結合度を3dBとしたが、異なる値にしても、相互変調歪みを抑圧する効果が得られる。
【0098】
なお、図22に示すように、第1の増幅経路361および第2の増幅経路362の間に、2信号の周波数間隔である、周波数Δfにおいて低インピーダンスとなるコンデンサ307を少なくとも1個以上付加することもできる。さらに、コンデンサ307(図19)に代えて、2信号の周波数間隔である、周波数Δfにおいて低インピーダンスとなるインダクタ(図示せず)を少なくとも1個以上付加してもよい。方向性結合器の結合度が大きくなる周波数とコンデンサの自己共振周波数をずらし、または、方向性結合器の結合度が大きくなる周波数とインダクタが低インピーダンスとなる周波数をずらすことにより、より広い範囲のΔfに対して相互変調歪みを抑圧できる。
【0099】
なお、コンデンサ307、または、インダクタ(図示せず)を接続する位置は、第1の増幅経路361と第2の増幅経路362の間であるならば自由に設定することができる。その場合でも本参考例の場合と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0100】
(参考例4)
次に、図23〜図30を参照して、本発明が適用できる別の例を説明する。いずれの例も、3次相互変調歪みの原因となる、2つの入力信号の周波数間隔である周波数Δfの信号を低減することを目的とする。
【0101】
図23は、参考例4による第1の電力増幅器400の構成を示すブロック図である。電力増幅器400は、参考例3で説明した電力増幅器300(図20)の変形例である。以下、電力増幅器400が電力増幅器300(図20)と異なる構成要素のみ説明し、同じ構成要素の説明は省略する。
【0102】
電力増幅器400が電力増幅器300(図20)と異なるのは、Δf成分の信号を伝送する第4の方向性結合器356から第1の方向性結合器353へ至る配線上に、位相器371を設けたこと、および、第3の方向性結合器355から第2の方向性結合器354へ至る配線上に、位相器372を設けたことである。位相器371、372は、入力された信号の位相を変更できる。具体的には、増幅器305から出力されるΔf成分の信号に対して、位相器371は、増幅器306から出力されたΔf成分の信号の位相を逆相にして出力する。また、増幅器306から出力されるΔf成分の入力信号に対しては、位相器372は、増幅器305から出力されたΔf成分の信号の位相を逆相にして出力する。これにより、Δf成分は、増幅器305、306で発生するΔf成分に対して、同振幅でほぼ逆位相になり、増幅器305、306で発生するΔf成分を低減する。これにより、増幅器で発生する3次相互変調歪みを大幅に低減できる。さらに、回路の配線のインピーダンスによる位相ずれを考慮して位相を変更することにより、Δf成分が実質的に0になるように打ち消すことができる。
【0103】
図24は、参考例4による第2の電力増幅器410の構成を示すブロック図である。電力増幅器410は、上述の電力増幅器400(図23)の変形例である。以下、電力増幅器410が電力増幅器400(図23)と異なる構成要素のみ説明し、同じ構成要素の説明は省略する。
【0104】
電力増幅器410が電力増幅器400(図23)と異なるのは、方向性結合器353〜356に代えて、インダクタ413〜416を設けている点にある。インダクタ413〜416は、例えば、チョークコイルであり、周波数Δfにおいて低インピーダンスであるとする。これにより、電力増幅器410においても、電力増幅器400(図23)と同様にΔf成分が抽出され、低減される。これにより、増幅器で発生する3次相互変調歪みを大幅に低減できる。さらに、回路の配線のインピーダンスによる位相ずれを考慮して位相を変更することにより、Δf成分が実質的に0になるように打ち消すことができる。
【0105】
図25は、参考例4による第3の電力増幅器420の構成を示すブロック図である。電力増幅器420は、電力増幅器300(図22)の変形例である。以下、電力増幅器420が電力増幅器300(図23)と異なる構成要素のみ説明し、同じ構成要素の説明は省略する。
【0106】
電力増幅器420が電力増幅器300(図22)と異なるのは、方向性結合器353〜356に代えて、ダイプレクサ421、422を設けている点にある。ダイプレクサ421、422は、周波数に応じて信号を分離する。より具体的には、ダイプレクサ421、422は、周波数f1、f2の基本波成分は、バラン304へ通過させ、周波数Δfの差周波成分は、反対側の経路の増幅器305、306に通過させる。
【0107】
ダイプレクサ421、422は、周波数f1、f2(例えば、GHz帯)を通過帯域に含むバンドパスフィルタ(BPF)425、427と、周波数Δf(例えば、MHz帯)を通過帯域に含み、かつ、周波数f1、f2は含まない低域通過フィルタ(ローパスフィルタ(LPF))426、428とをそれぞれ含む。ローパスフィルタ(LPF)426、428は、コンデンサ107(図1)、インダクタ108(図11)等と同様、インピーダンス素子といえる。
【0108】
増幅器306からの出力信号は、ダイプレクサ422に入力される。ダイプレクサ422は、バンドパスフィルタ427によって周波数f1、f2の基本波成分をバラン304に通過させ、ローパスフィルタ428によって周波数Δfの差周波成分を増幅器305に出力する。留意すべきは、ローパスフィルタ428を通過した信号の位相は、入力された信号の位相に対して所定のずれを与えることである。このずれ量を、例えば約180度になるように設計すれば、増幅器305に入力されるΔf成分は、増幅器305で発生するΔf成分に対して、同振幅でほぼ逆位相になる。これにより、増幅器305で発生するΔf成分を低減できる。なお、ダイプレクサ421の機能も、ダイプレクサ422と同様である。すなわち、バンドパスフィルタ425によって周波数f1、f2の基本波成分をバラン304に通過させ、ローパスフィルタ426によって周波数Δfの差周波成分を増幅器306に出力する。そして、増幅器306に入力されたΔf成分は、増幅器306で発生するΔf成分を低減する。以上の結果、増幅器で発生する3次相互変調歪みを大幅に低減できる。
【0109】
図26は、参考例4による第4の電力増幅器430の構成を示すブロック図である。電力増幅器430は、図25に示す電力増幅器420の変形例である。電力増幅器430が電力増幅器420(図25)と異なるのは、増幅器305、306でΔf成分を低減するのではなく、ダイプレクサ421およびダイプレクサ422の出力間で行うことである。また、位相器431により、Δf成分の位相の調整を行うので、ダイプレクサに含まれるローパスフィルタの位相特性は、特に問題としなくてよい。
【0110】
より具体的に説明すると、増幅器306で発生したΔf成分は、ローパスフィルタ428により抽出され、位相器431に入力される。位相器431は、ダイプレクサ422に入力されたΔf成分と逆位相になるように、入力されたΔf成分の位相を調整し、ローパスフィルタ426に出力する。ローパスフィルタ426は、位相が180度ずらされたΔf成分を通過させる。一方、増幅器305からも、増幅器305で発生したΔf成分を含む増幅信号が入力される。その結果、増幅器305で発生したΔf成分は、位相器から受け取ったΔf成分により、低減される。これは、ダイプレクサ421で行われる処理であるが、ダイプレクサ422においてもΔf成分が同時に低減される処理が行われる。この処理は上述の説明において、ダイプレクサ421とダイプレクサ422とを入れ替えればよいので、その説明は省略する。以上の処理により、Δf成分が低減され、3次相互変調歪みが大幅に低減された信号が、バンドパスフィルタ425、427からバラン304に入力される。
【0111】
図27は、参考例4による第5の電力増幅器440の構成を示すブロック図である。電力増幅器440の特徴は、増幅器305、306の出力に、それぞれ位相器441、442を設け、さらに、バラン444の2入力間を、インダクタ445により電気的に接続したことにある。位相器441、442は、それぞれ90度ずつ位相をずらすよう設計されている。また、インダクタ445は、2つの入力信号の周波数間隔である、周波数Δfに対して低インピーダンスになる特性を有するとする。なお、バラン444は、位相のみが互いに180°ずれた2つの入力信号を、1つの信号に増幅して変換し、出力するという機能を有しており、バラン104(図1)と同じである。
【0112】
このように構成された電力増幅器440が、Δf成分を低減する原理を説明する。まず、増幅器306で発生したΔf成分は、位相器442において位相が90度ずらされる。そして、周波数Δfに対して低インピーダンスになる、バラン444のインダクタ445を経て、位相器441でさらに位相を90度ずらされる。位相器441は、位相器442がずらした方向と同じ方向に位相をずらすので、増幅器306で発生したΔf成分の位相は、最終的に180度ずらされることになる。そして、そのΔf成分は増幅器305に入力され、増幅器305で生成するΔf成分を低減する。なお、増幅器306においても、上述の処理と同様の処理により、Δf成分が同時に低減される。その結果、Δf成分が低減され、3次相互変調歪みが大幅に低減された信号が、バラン444に入力される。
【0113】
図28は、参考例4による第6の電力増幅器450の構成を示すブロック図である。電力増幅器450の特徴は、2つの入力信号の周波数間隔である、周波数Δfの信号を出力する電源451を設けたことである。出力すべき信号の周波数Δfは、増幅器305または306の出力端子から抜き出すことにより得ることができる。または、入力側の信号を検波して生成してもよい。電源451から出力された周波数Δfの信号は、周波数Δfに対して低インピーダンスになるインダクタ452を経て、バラン444のトランス側ポート(インダクタ445)の中点に入力される。インダクタ445も、周波数Δfに対して低インピーダンスとなる特性を持つ。周波数Δfの信号は、インダクタ445から増幅器305、306に入力される。増幅器305、306に入力された際の周波数Δfの信号は、インダクタ452、445を通過することにより、位相が変化する。その結果、増幅器305、306で発生したΔf成分を低減できる。なお、インダクタ452、445に起因する位相ずれを考慮して、増幅器305、306に入力される際の周波数Δfの信号が、発生したΔf成分の位相と180度ずれるように、電源451が出力する信号の位相を調整してもよい。これにより、より確実に増幅器305、306で発生したΔf成分を低減できる。
【0114】
出力すべき信号の周波数Δfを、増幅器305または306の出力端子から抜き出す場合には、電源451を設けなくともよい。図29は、参考例4による第7の電力増幅器460の構成を示すブロック図である。図から明らかなように、電源451(図28)が省略され、増幅器306の出力が、インダクタ452を経て、バラン444のトランス側ポート(インダクタ445)の中点に入力されている。
【0115】
また、出力すべき信号の周波数Δfを、入力端子301から入力された信号を検波して生成する場合には、図30に示す構成が有効である。図30は、参考例4による第8の電力増幅器470の構成を示すブロック図である。電力増幅器470の特徴は、包絡線検波部471を設けたことにある。包絡線検波部471は、入力端子301から入力された信号の包絡線検波を行い、2つの入力信号の周波数間隔である、周波数Δfの信号を検出し、出力する。
【0116】
【発明の効果】
以上のように本発明は、プッシュプル増幅器に複数信号が入力された際に、プッシュプル増幅器における出力端子で発生する周波数間隔Δfの成分を低減する。これにより、増幅器で発生する相互変調歪みを抑圧することができ、かつ従来のようにバイアス回路にコンデンサを設ける必要もないので、部品数を減らすことができる。その結果、増幅器の線形性が高まり、多数の信号チャンネルを一括して歪みなく増幅できる電力増幅器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図2】 電力増幅器の具体的な回路構成を示す。
【図3】 電力増幅器の各部における信号波形を記したブロック図である。
【図4】 (a)は、周波数f1およびf2の信号の波形図である。(b)は、周波数f1および周波数f2の信号を合成した合成信号の波形図である。(c)は、バランにより変換され出力された、第1の信号および第2の信号の波形を示す図である。
【図5】 (a)は、プッシュプル増幅器を構成する各増幅器に入力された合成信号波形と理想的な増幅信号の波形を示す図である。(b)は、入力された合成信号波形と実際の増幅信号の波形を示す図である。
【図6】 図5の(a)に示す信号波形F’を成分分析したスペクトル分布を示す。
【図7】 図1の電力増幅器の別の例を示す回路図である。
【図8】 Δf成分を低減する電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図9】 実施の形態2による電力増幅器の回路図である。
【図10】 コンデンサの共振特性の例を示すグラフである。
【図11】 実施の形態3による電力増幅器の回路図である。
【図12】 図11の電力増幅器の別の例を示す回路図である。
【図13】 参考例1による電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図14】 電力増幅器の具体的な回路構成を示す図である。
【図15】 相互変調歪みを低減する原理を示す図である。
【図16】 図13の電力増幅器の別の例を示すブロック図である。
【図17】 2つの位相器を設けた電力増幅器を示す図である。
【図18】 参考例2による電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図19】 電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図20】 参考例3による電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図21】 電力増幅器の具体的な回路構成を示す。
【図22】 図20の電力増幅器の別の例を示すブロック図である。
【図23】 参考例4による第1の電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図24】 参考例4による第2の電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図25】 参考例4による第3の電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図26】 参考例4による第4の電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図27】 参考例4による第5の電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図28】 参考例4による第6の電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図29】 参考例4による第7の電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図30】 参考例4による第8の電力増幅器の構成を示すブロック図である。
【図31】 従来の電力増幅器を示す図である。
【符号の説明】
101 入力端子
102 出力端子
103、104 バラン
105、106 増幅器
107 コンデンサ
161 第1の増幅経路
162 第2の増幅経路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a power amplifier mainly used in a mobile communication base station such as a mobile phone.
[0002]
[Prior art]
In recent years, a transmitter of a base station of a mobile communication device has required a power amplifier having high efficiency and linear characteristics as much as possible in order to amplify a large number of signal channels at once. . In order to make the characteristics of the power amplifier as linear as possible, for example, it is indispensable to reduce distortion of the power amplifier itself in addition to employing distortion compensation such as a feed forward method.
[0003]
FIG. 31 is a diagram showing a
[0004]
The power amplifying
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional
[0006]
An object of the present invention is to provide a power amplifier that reduces intermodulation distortion generated in an amplifier while reducing the number of components.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The power amplifier of the present invention includes an input unit that inputs a combined signal obtained by combining two signals having different frequencies, a first output unit that outputs a first signal having a first phase, and the first phase. A first balun having a second output for outputting a second signal having a second phase opposite to that of the first signal, and receiving and amplifying the first signal, thereby obtaining a frequency difference between the two signals. A first amplifier that outputs a first amplified signal including a frequency component comprising: a second amplifier including a frequency component comprising a frequency difference between the two signals by receiving and amplifying the second signal; A second amplifier for outputting an amplified signal, an output having a first input unit and a second input unit, and outputting a combined signal of signals input from the first input unit and the second input unit A second balun having a portion; An impedance element connected between an output of the first amplifier and an output of the second amplifier and having a self-resonant frequency as an absolute value of a frequency difference between the two signals; A frequency component included in the second amplified signal, Impedance element To the first amplification path that reaches the first input of the second balun Shi , The frequency component included in the first amplified signal is Impedance element To the second amplification path reaching the second input section of the second balun The This achieves the above object.
[0008]
[0009]
[0010]
The impedance element is connected in series and is included in the first amplified signal. Lap Wavenumber component, Said Included in the second amplified signal Lap There may be further provided a phase shifter that receives the wave number component, adjusts the phase of each frequency component, and outputs the frequency component in opposite phases.
[0011]
[0012]
[0013]
[0014]
[0015]
[0016]
[0017]
[0018]
[0019]
[0020]
[0021]
[0022]
[0023]
[0024]
[0025]
[0026]
[0027]
[0028]
[0029]
[0030]
[0031]
[0032]
[0033]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings.
[0034]
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a block diagram showing a configuration of a
[0035]
The connection relationship in the
[0036]
FIG. 2 shows a specific circuit configuration of the
[0037]
On the other hand, the
[0038]
Next, the basic operation of the
[0039]
When viewed from the input signal line to the
[0040]
Consider a case where two signals having a sufficiently small frequency interval with respect to the signal frequency are input to the
[0041]
Consider the case where the first signal is amplified. For example, assume that the amplifier 105 (FIG. 3) has a characteristic of amplifying the amplitude twice. With reference to (a) of FIG. 5, if the signal waveform of the input signal is F, the ideal signal waveform of the amplified signal is indicated as F ′. However, the signal waveform of the actual amplified signal is not represented as F ′, but becomes a signal waveform as indicated by F ″ in FIG. This is due to distortion caused by the nonlinearity of the
[0042]
FIG. 6 shows a spectral distribution obtained by component analysis of the signal waveform of F ′ ((a) of FIG. 5). FIG. 6A shows the frequency spectrum of two signal waves of frequencies f1 and f2 before amplification. Let Δf be the absolute value of the difference between the frequencies f1 and f2 (= | f1-f2 |). Hereinafter, | f1-f2 | or Δf is referred to as a frequency interval.
[0043]
Of the intermodulation distortion, the third problem is the most problematic. As shown in FIG. 6B, the third-order distortion occurs at the frequencies 2f1-f2 and 2f2-f1. One of the factors that cause this third-order intermodulation distortion is that the frequency Δf component (FIG. 6B) generated by the nonlinearity of the
[0044]
Therefore, in the first embodiment, the capacitor 107 (FIG. 1) is connected between the
[0045]
Referring again to FIG. 1, in the two
[0046]
However, in practice, the circuit wiring includes an impedance component, and a phase shift of the Δf component occurs, so the Δf component partially cancels and decreases. Thereby, it is possible to eliminate the mixing of the frequency Δf component and the signal frequency (f1 or f2) component, and to reduce the third-order intermodulation distortion generated in the amplifier. In addition, the number of parts can be reduced as compared with the prior art. In addition, since it is not necessary to use two capacitors having the same characteristics, there is an excellent effect that it is not necessary to consider deterioration of characteristics due to individual differences of capacitors. As described so far, according to the first embodiment, it is possible to realize a power amplifier in which intermodulation distortion is reduced and the number of components is reduced.
[0047]
In the first embodiment, the input signals are two sine wave signals having frequencies f1 and f2. However, if the two sides of the modulation wave component curve shown in FIG. 6C are set to f1 and f2, the same effect can be obtained for the modulation wave.
[0048]
In the first embodiment, the capacitor 107 (FIG. 1) is connected to the output side of the output
[0049]
Subsequently, a configuration for further reducing the Δf component will be described. FIG. 8 is a block diagram showing the configuration of the power amplifier 110 that reduces the Δf component. Hereinafter, only components different from the power amplifier 100 (FIG. 3) in the power amplifier 110 will be described, and description of the same components will be omitted.
[0050]
The power amplifier 110 differs from the power amplifier 100 (FIG. 3) in that a
[0051]
The
[0052]
(Embodiment 2)
FIG. 9 is a circuit diagram of the
[0053]
The
[0054]
In general, an actual capacitor has a unique self-resonant frequency, and the impedance at that frequency is close to 0Ω. For this reason, by providing the
[0055]
The frequency of the signal input to the power amplifier has a certain bandwidth, and which frequency of the carrier signal is used varies depending on the case. Therefore, the frequency interval Δf also has a predetermined width. As described above, since a capacitor generally has a narrow frequency band that exhibits low impedance characteristics, if the value of the frequency interval Δf is different from the self-resonant frequency of the
[0056]
Therefore, it is necessary to be able to reduce intermodulation distortion even when the value of the signal frequency interval Δf changes. In the second embodiment, a
[0057]
In the second embodiment, as in the case of the first embodiment, it is possible to realize a power amplifier in which the number of parts is reduced and the intermodulation distortion is reduced as compared with the conventional case.
[0058]
Furthermore, in the second embodiment, one of the two capacitors is connected between the drains of the amplifying
[0059]
In the second embodiment, two types of capacitors having different self-resonant frequencies are used. However, three or more types of capacitors having different self-resonant frequencies may be used. Further, the connection position can be freely set as long as it is between the first amplification path 151 and the second amplification path 152. Even in this case, the same effect as that of the second embodiment can be obtained.
[0060]
Furthermore, by providing the phase shifter described with reference to FIG. 8, it is possible to greatly reduce intermodulation distortion when a plurality of signals are amplified. The phase shifter may be provided at a position where a Δf component signal is transmitted through each capacitor. The number of phase shifters corresponding to the number of capacitors may be provided, or may be provided only for a specific capacitor.
[0061]
(Embodiment 3)
FIG. 11 is a circuit diagram of the
[0062]
The
[0063]
The meaning of providing the
[0064]
A further feature of the
[0065]
In the third embodiment, the
[0066]
FIG. 12 is a circuit diagram showing another example of the
[0067]
Needless to say, the same effects as those of the present embodiment can be obtained even with a low-pass filter having a configuration different from the configuration described above. Further, as described with reference to FIG. 8 in the first embodiment, a phase shifter may be provided to reduce the frequency interval Δf more reliably.
[0068]
( Reference example 1 )
FIG. Reference example 1 2 is a block diagram showing a configuration of a
[0069]
First, the configuration of the
[0070]
[0071]
The connection relationship in the
[0072]
The connection relationship of the directional coupler is as follows. With respect to the first
[0073]
Hereinafter, a path from the first output 203b of the
[0074]
FIG. 14 shows a specific circuit configuration of the
[0075]
As described above, the basic function of
[0076]
FIG. 15 is a diagram illustrating the principle of reducing intermodulation distortion. Two signals with a frequency interval sufficiently small with respect to the signal frequency are input to the
[0077]
Therefore, Reference example 1 Then, for example, a directional coupler having a coupling degree of 3 dB with respect to a frequency Δf representing a frequency interval between two signals and hardly coupling with respect to a signal frequency is used. That is, only the Δf component is extracted from the
[0078]
As described above, since the Δf component generated in each amplifier constituting the push-pull amplifier is canceled, mixing between the Δf component and the signal frequency (f1 or f2) does not occur. Therefore, the third-order intermodulation distortion generated in the amplifier can be reduced. In addition, Reference example 1 Then, although the coupling degree of the directional coupler is 3 dB, even if the value is different, an effect of suppressing intermodulation distortion can be obtained.
[0079]
Next, a configuration that can further reduce intermodulation distortion will be described. FIG. 16 is a block diagram illustrating another example of the
[0080]
Instead of the
[0081]
Furthermore, according to the
[0082]
( Reference example 2 )
FIG. Reference example 2 2 is a block diagram showing a configuration of a
[0083]
The
[0084]
Both the
[0085]
For the Δf component input signal output from the
[0086]
Next, a
[0087]
The configuration of the power amplifier 100 (FIG. 7) is similar to the configuration of the
[0088]
By configuring in this way, the Δf component is reduced by being made substantially antiphase with the same amplitude by the phase shifter, so that third-order intermodulation distortion caused by the Δf component can be greatly reduced.
[0089]
( Reference example 3 )
FIG. Reference example 3 2 is a block diagram showing a configuration of a
[0090]
The connection relationship in the
[0091]
Further, the third terminal 355c of the third
[0092]
In the following, the path from the
[0093]
FIG. 21 shows a specific circuit configuration of the
[0094]
Reference example 3 Let us consider a case where two signals of
[0095]
Therefore, Reference example 3 Then, for example, a directional coupler having a coupling degree of 3 dB with respect to a frequency Δf representing a frequency interval between two signals and hardly coupling with respect to a signal frequency is used. A more specific description will be given with reference to FIG. 20 again. First, the signal of the frequency Δf component generated by the nonlinearity of the
[0096]
With this configuration, the Δf component having the same amplitude that is out of phase with the Δf component generated by the nonlinearity of the
[0097]
In addition, Reference example 3 Then, although the coupling degree of the directional coupler is 3 dB, even if the value is different, an effect of suppressing intermodulation distortion can be obtained.
[0098]
As shown in FIG. 22, at least one
[0099]
Note that the position where the
[0100]
( Reference example 4 )
Next, another example to which the present invention can be applied will be described with reference to FIGS. Both examples aim to reduce a signal having a frequency Δf that is a frequency interval between two input signals, which causes third-order intermodulation distortion.
[0101]
FIG. Reference example 4 2 is a block diagram showing a configuration of a
[0102]
The
[0103]
FIG. Reference example 4 2 is a block diagram showing a configuration of a
[0104]
The
[0105]
FIG. Reference example 4 4 is a block diagram showing a configuration of a
[0106]
The
[0107]
The
[0108]
An output signal from the
[0109]
FIG. Reference example 4 4 is a block diagram showing a configuration of a
[0110]
More specifically, the Δf component generated by the
[0111]
FIG. Reference example 4 7 is a block diagram showing a configuration of a
[0112]
The principle that the
[0113]
FIG. Reference example 4 6 is a block diagram showing a configuration of a
[0114]
When the frequency Δf of the signal to be output is extracted from the output terminal of the
[0115]
Further, in the case where the frequency Δf of the signal to be output is generated by detecting the signal input from the
[0116]
【The invention's effect】
As described above, the present invention reduces the component of the frequency interval Δf generated at the output terminal of the push-pull amplifier when a plurality of signals are input to the push-pull amplifier. As a result, the intermodulation distortion generated in the amplifier can be suppressed, and it is not necessary to provide a capacitor in the bias circuit as in the prior art, so that the number of components can be reduced. As a result, the linearity of the amplifier is improved, and a power amplifier that can amplify a large number of signal channels at once without distortion can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a configuration of a power amplifier according to a first embodiment.
FIG. 2 shows a specific circuit configuration of a power amplifier.
FIG. 3 is a block diagram showing signal waveforms at various parts of the power amplifier.
FIG. 4A is a waveform diagram of signals of frequencies f1 and f2. (B) is a waveform diagram of a synthesized signal obtained by synthesizing signals of frequency f1 and frequency f2. (C) is a figure which shows the waveform of the 1st signal and the 2nd signal which were converted and output by the balun.
FIG. 5A is a diagram showing a combined signal waveform input to each amplifier constituting the push-pull amplifier and an ideal amplified signal waveform; (B) is a figure which shows the waveform of the input synthetic signal waveform and the actual amplified signal.
6 shows a spectral distribution obtained by analyzing the component of the signal waveform F ′ shown in FIG.
7 is a circuit diagram showing another example of the power amplifier of FIG. 1. FIG.
FIG. 8 is a block diagram showing the configuration of a power amplifier that reduces the Δf component.
FIG. 9 is a circuit diagram of a power amplifier according to a second embodiment.
FIG. 10 is a graph showing an example of resonance characteristics of a capacitor.
FIG. 11 is a circuit diagram of a power amplifier according to a third embodiment.
12 is a circuit diagram showing another example of the power amplifier of FIG.
FIG. 13 Reference example 1 It is a block diagram which shows the structure of the power amplifier by this.
FIG. 14 is a diagram showing a specific circuit configuration of a power amplifier.
FIG. 15 is a diagram illustrating the principle of reducing intermodulation distortion.
16 is a block diagram showing another example of the power amplifier of FIG.
FIG. 17 is a diagram showing a power amplifier provided with two phase shifters.
FIG. 18 Reference example 2 It is a block diagram which shows the structure of the power amplifier by this.
FIG. 19 is a block diagram showing a configuration of a power amplifier.
FIG. 20 Reference example 3 It is a block diagram which shows the structure of the power amplifier by this.
FIG. 21 shows a specific circuit configuration of the power amplifier.
22 is a block diagram showing another example of the power amplifier of FIG.
FIG. 23 Reference example 4 2 is a block diagram showing a configuration of a first power amplifier according to FIG.
FIG. 24 Reference example 4 It is a block diagram which shows the structure of the 2nd power amplifier by these.
FIG. 25 Reference example 4 It is a block diagram which shows the structure of the 3rd power amplifier by these.
FIG. 26 Reference example 4 It is a block diagram which shows the structure of the 4th power amplifier by these.
FIG. 27 Reference example 4 It is a block diagram which shows the structure of the 5th power amplifier by this.
FIG. 28 Reference example 4 It is a block diagram which shows the structure of the 6th power amplifier by these.
FIG. 29 Reference example 4 It is a block diagram which shows the structure of the 7th power amplifier by these.
FIG. 30 Reference example 4 It is a block diagram which shows the structure of the 8th power amplifier by.
FIG. 31 is a diagram showing a conventional power amplifier.
[Explanation of symbols]
101 Input terminal
102 Output terminal
103, 104 balun
105, 106 Amplifier
107 capacitor
161 First amplification path
162 Second amplification path
Claims (2)
前記第1の信号を受け取って増幅することにより、前記2つの信号の周波数の差からなる周波数成分を含む第1の増幅信号を出力する第1の増幅器と、
前記第2の信号を受け取って増幅することにより、前記2つの信号の周波数の差からなる周波数成分を含む第2の増幅信号を出力する第2の増幅器と、
第1の入力部および第2の入力部を有し、前記第1の入力部および第2の入力部から入力された信号の合成信号を出力する出力部を有する第2のバランと、
前記第1の増幅器の出力および前記第2の増幅器の出力の間に接続された、前記2つの信号の周波数の差の絶対値を自己共振周波数とするインピーダンス素子と、
を備え、
前記第2の増幅信号に含まれる周波数成分を、前記インピーダンス素子を経由して前記第2のバランの第1の入力部へ到達する第1の増幅経路に入力し、
前記第1の増幅信号に含まれる周波数成分を、前記インピーダンス素子を経由して前記第2のバランの第2の入力部へ到達する第2の増幅経路に入力する、電力増幅器。An input unit that inputs a synthesized signal obtained by synthesizing two signals having different frequencies, a first output unit that outputs a first signal having a first phase, and a second phase opposite to the first phase A first balun having a second output for outputting a second signal having
A first amplifier that receives and amplifies the first signal to output a first amplified signal including a frequency component that is a frequency difference between the two signals;
A second amplifier that receives and amplifies the second signal to output a second amplified signal including a frequency component composed of a difference between the frequencies of the two signals;
A second balun having a first input unit and a second input unit, and having an output unit for outputting a combined signal of the signals input from the first input unit and the second input unit;
An impedance element connected between an output of the first amplifier and an output of the second amplifier and having a self-resonant frequency as an absolute value of a frequency difference between the two signals;
With
A frequency component included in said second amplified signal, via said impedance element is input to the first amplification path reaching the first input of the second balun,
The frequency component contained in the first amplified signal, to enter into the second amplification path reaching the second input of the second balun via the impedance element, the power amplifier.
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