JP3821425B2 - Refractory wire - Google Patents

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JP3821425B2 JP2001056139A JP2001056139A JP3821425B2 JP 3821425 B2 JP3821425 B2 JP 3821425B2 JP 2001056139 A JP2001056139 A JP 2001056139A JP 2001056139 A JP2001056139 A JP 2001056139A JP 3821425 B2 JP3821425 B2 JP 3821425B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災等の非常時に高熱や火炎に対して所要の耐火性能や電気特性を備えた耐火電線に関する。
【0002】
【従来の技術】
消防庁告示平成9年第10号の基準に規定された耐火電線の総称である電線・ケーブルは、規定の耐火性能を満足するとともに、電気用品取締法および電気設備技術基準法に規定された構造、寸法や電気的・機械的特性を満足するものとされている。
【0003】
図3は、従来の耐火電線の代表例として、特開平11−345524号公報に記載のものを一部模式的に示す断面図である。この場合の耐火電線1は、銅撚り線などの導体2上に耐火層3および絶縁体4を設けて絶縁線心5を形成し、この絶縁線心5上にシース6を設けてなっている。
【0004】
耐火層3は、ガラスマイカテープの複数枚を導体2上にラップ巻き(回し巻き)または縦添え巻きして形成されている。ガラスマイカテープは、無機質のガラステープを基材(裏打ち材)にしてこの片面に軟質の集成マイカ箔などを貼り付けたものであり、集成マイカ箔面を導体2に対面させて複数枚を重ね巻きしている。また、絶縁体4は、代表的にはポリエチレンなどのエチレン系樹脂組成物または塩化ビニル系樹脂などを耐火層3上に押し出して被覆成形されている。そのようにして形成された絶縁線心5上にさらに、ポリオレフィン系樹脂または塩化ビニル系樹脂などを押し出してシース6が被覆成形されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この図3に示す公報記載の耐火電線1、および他の従来の耐火電線に共通して次の問題点がある。
【0006】
1つは、ガラスマイカテープの複数枚を導体2上に重ね巻きして耐火層3を形成した後、絶縁体4の成形時にポリエチレンなどの溶融樹脂を耐火層3上に押し出すと、樹脂圧力で下層の耐火層3が変形してしまうことである。耐火層3が変形すると規定の電気特性に影響して満足しないものとなる。耐火層3のそうした樹脂圧力による変形を防止するには、ガラスマイカテープをきつく巻き付けてテープ張力を高めておくことが考えられる。ところが、ガラスマイカテープの張力を高めると、テープ端のガラス繊維がささくれ、図3中の符号3aで示す「ケバ」となって絶縁体4の内部に入り込み、これまた電気特性を低下させる原因となる。
【0007】
また1つは、ポリエチレン溶融樹脂をかかる耐火層3上に押し出して絶縁体4を成形中、その溶融樹脂の熱でもって耐火層3のガラスマイカテープ内に存在する気体が膨脹し、絶縁体4内に入り込んで「空洞(ボイド)」として残留することで絶縁性など電気特性に影響を及ぼすことである。ボイド発生の防止対策として、一般にはポリエチレン溶融樹脂を押し出した直後、水冷により固化させて絶縁体4を成形する冷却処理を行っている。しかし、絶縁体4の厚さ寸法が2.5mmを超えると、冷却が絶縁体4の厚さ全域に行き渡って完了するまでにかなりの時間を要する。そのため、ボイドの発生を十分に抑止しきれないといった問題がある。
【0008】
さらに1つは、特に図3の従来例のように、ガラスマイカテープによる耐火層3を上からポリエステルテープ(図示せず)で押さえ巻きしているため、配線現場において電線端末の段剥き処理を行う作業時、そのポリエステルテープを皮剥ぎする作業手間が余分に増えてしまうことである。
【0009】
したがって、本発明の目的は、耐火層を形成するガラスマイカテープのガラス繊維から生じるケバや、耐火層内の気体が膨脹して絶縁体中に侵入してボイドを発生するのを有効に抑制して所要の耐火性能や電気特性を満足するとともに、段剥き処理作業時にガラスマイカテープを押さえ巻きするテープの皮剥ぎする作業手間を不要とした耐火電線を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明にかかる請求項1に記載の耐火電線は、導体11と、導体11上にガラスマイカテープを巻き付けて設けた耐火層12と、耐火層12上に押出し成形して設けた絶縁体13とによって絶縁線心15を形成してなっているものであって、融点の異なる内層と外層の表裏二層からなるラミネートテープを、前記絶縁体13よりも融点の高い内層を前記耐火層12に対面させ、前記絶縁体13とほぼ同一またはそれ以下の融点の低い外層をその絶縁体13に対面させて、前記耐火層12上に巻き付けることによりラミネートテープ遮蔽層14を形成してなっていることを特徴とする。
【0011】
以上の構成により、耐火層12上に巻き付けて設けたラミネートテープ遮蔽層14は次のように機能する。
(1)ラミネートテープを適度なテープ張力でガラスマイカテープの耐火層12上にラップ巻きすると、絶縁体13を押出し成形中の樹脂圧で耐火層12が変形せず、また樹脂熱で膨脹した耐火層12内の気体の圧力によってテープ自体浮き上がることはない。結果、耐火層12のガラス繊維のケバが絶縁体13内に侵入するのを阻止でき、また膨脹した気体が絶縁体13内に入り込んでボイドを発生するのを抑制でき、電気特性の低下を抑えられる。それに対して、ラミネートテープを縦添え巻きにした場合、テープ張力が不足するので上記ラップ巻きのような効果を期待できない。
(2)ラミネートテープの外層の融点は、対面する絶縁体13と融点がほぼ同一かそれ以下であるので、その外層が絶縁体13の押出し樹脂熱で溶融し、絶縁体13の内面に一体的に融着する。その際、溶融した外層がラップ巻きによるテープ巻き目を融着して封止し、絶縁体13よりも融点が高い内層は溶融しないで残る。すなわち、ラミネートテープ遮蔽層14の全体が、あたかも内層上に外層を溶融させてコーティングしたような筒状となり、耐火層12中の気体が膨脹して絶縁体13内に侵入しようとするが、そのように筒状化したラミネートテープ遮蔽層14が絶縁体13の内側に一体に融着して防壁になって阻止し、絶縁体13内でのボイド発生を有効に抑制できる。
(3)上記(2)のように、ラミネートテープ遮蔽層14が筒状化して絶縁体13の内側に一体化して防壁となることで、配線現場において電線端末の段剥き処理を行う作業時、絶縁体13を皮剥ぎするとそれと一緒にラミネートテープ遮蔽層14もまた同時に皮剥ぎされる。そのため、絶縁体13の皮剥後に改めてラミネートテープ遮蔽層14を剥離処理する必要がなく、作業手間が省ける。すなわち、従来の押さえ巻きテープのように、わざわざ皮剥ぎする作業手間が省けるので、作業能率がアップする。
【0012】
また、請求項2に記載の耐火電線は、前記ラミネートテープ遮蔽層14が、内層をポリエステル層とし、外層をポリエチレン層としてなっていることを特徴とする。
【0013】
この場合、請求項1の記載のラミネートテープ遮蔽層14を構成する内層および外層の材質の具体例として、内層を絶縁体13の融点よりも高いポリエステルを用い、外層を絶縁体13の融点とほぼ同一もしくはそれ以下のポリエチレンを用いている。絶縁体13の材質は一般にはエチレン系樹脂組成物からなっている。したがって、そうした絶縁体13の押出し成形中の樹脂熱によって同材質の外層のポリエチレンが溶融し、絶縁体13の内面に一体的に融着する。それにより、ラミネートテープ遮蔽層14が内層のポリエステル層上に溶融した外層のポリエチレン層をコーティングした筒状化する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる耐火電線の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態の耐火電線10を示す断面図である。銅撚り線などの導体11上に耐火層12が形成され、この耐火層12は、図3の従来例で説明したように、無機質のガラステープを裏打ち材にしてその片面に軟質の集成マイカ箔を貼り付け、そうしたガラスマイカテープの複数枚を集成マイカ箔面を導体11側に向けて好ましくはラップ巻きして重ね巻きすることにより形成される。
【0016】
また、図2の拡大した部分断面図のように、耐火層12を形成するガラスマイカテープの最外層となる表面に、本発明の要旨であるラミネートテープを巻き付けてラミネートテープ遮蔽層14が設けられている。このラミネートテープ遮蔽層14は、ポリエステルとポリエチレンの各材料をフィルム加工などしたものを表裏面にして貼り合わせてラミネートテープとし、ポリエステル層を内層にして耐火層12に対面させ、ポリエチレン層を外層にして次工程で設けられる絶縁体13に対面させて耐火層12上にラップ巻きして形成される。
【0017】
また、絶縁体13はそうしたラミネートテープ遮蔽層14の外層のポリエチレン層上に押し出して被覆成形される。一般に、絶縁体13の材料にはエチレン系樹脂組成物であるポリエチレンが多用され、本例においても絶縁体13としてポリエチレン樹脂を用いており、融点のほぼ同じかそれ以下の同材質のポリエチレン層をラミネートテープ遮蔽層14の外層とすることで後述する数々の好結果が得られる。
【0018】
以上のように、導体11上に、耐火層12、ラミネートテープ遮蔽層14および絶縁体13をそれぞれ設けて絶縁線心15が形成される。図1および図2のように、本実施の形態では絶縁線心15の上にポリオレフィン樹脂系などのプラスチックシース16を押し出して被覆成形した単心の耐火電線10が示されている。それに対して、上記絶縁線心15の複数本を撚り合わせなどして束ね、それら複数線心間に介在物を充填して設けてから押さえテープ巻きし、その上に上記シース16を押出し成形することで、耐火ケーブルとすることができる。
【0019】
本実施の形態の耐火電線10にあっては、かかる絶縁線心15を備えて次のように作用する。
【0020】
導体11上に設けられる耐火層12としては、複数枚のガラスマイカテープをラップ巻きできつく巻き付けてテープ張力を高めることができる。耐火層12上にラミネートテープ遮蔽層14を介して絶縁体13を設ける際、ポリエチレン溶融樹脂の押出し成形中の樹脂圧で耐火層12が変形しようとするが、耐火層12はきつく巻き付けられているので、ラミネートテープ遮蔽層14を介在させていることと相まって絶縁体13の樹脂圧が働いても変形しない。耐火層12の変形を防止することによって、規定の電気特性を満足させることができる。
【0021】
ところで、耐火層12をきつく巻き付けると変形防止に有効である反面、きつく巻き付けてテープ張力が高まることでガラスマイカテープのテープ端面からガラス繊維がケバとなって生じることがある。仮に耐火層12からそのようにガラス繊維のケバが発生した場合でも、ラミネートテープ遮蔽層14によって上から抑圧されているため、絶縁体13中にガラス繊維のケバが侵入するのを阻止でき、そのケバ侵入阻止によって電気特性の低下を防げる。
【0022】
このように、耐火層12上にラミネートテープを巻き付けて形成されるラミネートテープ遮蔽層14としては、ラップ巻きすることで十分なテープ張力をもっているから、上記のようなガラス繊維のケバを阻止できると同時に、耐火層12中の気体が絶縁体13の押出し成形中の樹脂熱で膨脹してもテープ自体浮き上がることはない。それにより、膨脹した気体が絶縁体13中に侵入してボイドとなるのを抑制できる。
【0023】
また、ラミネートテープ遮蔽層14上にポリエチレン溶融樹脂を押出し成形して絶縁体13を設ける際、ラミネートテープ遮蔽層14は次のように作用する。ポリエチレン溶融樹脂の押出し中、その樹脂熱でラミネートテープ遮蔽層14の外層であるポリエチレン層が溶融して一体的に絶縁体13に融合する。それはあたかもラミネートテープ遮蔽層14において、その内層のポリエステル層の上に外層のポリエチレン層をコーティングしたような状態になる。またその際、溶融した外層のポリエチレン層がラップ巻きしたテープ巻き付け目に流入して融着して封止し、溶融しない内層のポリエステル層の一面にわたって外層のポリエチレン層が隙間無くコーティングされた筒状となる。そのように筒状化したラミネートテープ遮蔽層14が耐火層12と絶縁体13との間に介在することになる。
【0024】
そこで、ポリエチレン溶融樹脂を押し出して絶縁体13を被覆成形中、その樹脂熱で耐火層12中の気体が膨脹し、層外に出て絶縁体13中に侵入してボイドを生じようとするが、それを上記のように筒形状したラミネートテープ遮蔽層14が防壁となって阻止する。
【0025】
一方、本実施の形態の耐火電線10にあっては、配線現場での電線端末を皮剥処理などする施工作業時に次の効果をもたらす。電気的接続に備えて導体11を露出状態にするために最外層のシース16から最内層の耐火層12まで順番に段剥きされる。そうした段剥き作業時、絶縁体13を皮剥ぎした段階でその内側にラミネートテープ遮蔽層14が一緒に付着するので、絶縁体13の皮剥ぎ処理後に改めてラミネートテープ遮蔽層14を剥ぎ取り処理する作業が省けることである。それは、絶縁体13の押出し成形中、その溶融樹脂熱でラミネートテープ遮蔽層14の外層のポリエチレン層が融着してあたかも筒状になって絶縁体13と一体化しているからである。
【0026】
なお、本実施の形態の耐火電線10にあっては、ラミネートテープ遮蔽層14を形成する内外層の材質にポリエチレンとポリエステルを用いた例が示されたが、本発明にかかる技術思想を満足すれば、他の材質でも構成することができる。すなわち、外層としては絶縁体13と融点がほぼ同一かそれ以下の材質であって、絶縁体13の押出し成形中の樹脂熱でその外層が溶融して一体化することが必要である。また、内層としては絶縁体13よりも融点の高い材質のものであって、絶縁体13の押出し成形中の樹脂熱でも溶融しないで残ることが望まれる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる請求項1に記載の耐火電線は以下の効果がある。
(1)ラミネートテープを適度なテープ張力でガラスマイカテープの耐火層上にラップ巻きすると、絶縁体を押出し成形中の樹脂圧で耐火層が変形せず、また樹脂熱で膨脹した耐火層内の気体の圧力によってテープ自体浮き上がることはない。結果、耐火層のガラス繊維のケバが絶縁体内に侵入するのを阻止でき、また膨脹した気体が絶縁体内に入り込んでボイドを発生するのを抑制でき、電気特性の低下を抑えられる。それに対して、ラミネートテープを縦添え巻きにした場合、テープ張力が不足するので上記ラップ巻きのような効果を期待できない。
(2)ラミネートテープの外層の融点は、対面する絶縁体と融点がほぼ同一かそれ以下であるので、その外層が絶縁体の押出し樹脂熱で溶融し、絶縁体の内面に一体的に融着する。その際、溶融した外層がラップ巻きによるテープ巻き目を融着して封止し、絶縁体よりも融点が高い内層は溶融しないで残るので、ラミネートテープ遮蔽層の全体があたかも内層上に外層を溶融させてコーティングしたような筒状となり、耐火層中の気体が膨脹して絶縁体内に侵入しようとするが、そのように筒状化したラミネートテープ遮蔽層が絶縁体の内側に一体に融着して防壁になって阻止し、絶縁体内でのボイド発生を有効に抑制できる。
(3)ラミネートテープ遮蔽層が筒状化して絶縁体の内側に一体化して防壁となることで、配線現場において電線端末の段剥き処理を行う作業時、絶縁体を皮剥ぎするとそれと一緒にラミネートテープ遮蔽層もまた同時に皮剥ぎされ、絶縁体の皮剥後に改めてラミネートテープ遮蔽層を剥離処理する必要がなく、作業手間が省け、従来の押さえ巻きテープのように、わざわざ皮剥ぎする作業手間が省けるので、作業能率がアップする。
【0028】
また、請求項2に記載の耐火電線は、ラミネートテープ遮蔽層を構成する内層および外層の材質の具体例として、内層に絶縁体の融点よりも高いポリエステルを用い、外層に絶縁体の融点とほぼ同一もしくはそれ以下のポリエチレンを用いている。絶縁体は一般にはエチレン系樹脂組成物が用いられるので、そうした材質の絶縁体を押出し成形すると、その樹脂熱によって同材質のラミネートテープ遮蔽層の外層ポリエチレンが一緒に溶融し、絶縁体の内面に一体的に融着する。すなわち、ラミネートテープ遮蔽層では、内層のポリエステル層上に外層のポリエチレン層をコーティングしたような筒状となり、上記請求項1に記載された効果が一層顕著となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる耐火電線の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本実施の形態の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】従来例の耐火電線を示す断面図である。
【符号の説明】
10 耐火電線
11 導体
12 耐火層
13 絶縁体
14 ラミネートテープ遮蔽層
15 絶縁線心
16 シース
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a refractory electric wire having required fire resistance performance and electrical characteristics against high heat and flame in an emergency such as a fire.
[0002]
[Prior art]
The wire / cable, which is a general term for fireproof wires specified in the standards of the Fire Department Notification No. 10 of 1997, satisfies the specified fireproof performance, and has the structure specified in the Electrical Appliance and Material Control Law and the Electrical Equipment Technical Standards Act. It is said that it satisfies the dimensions and electrical / mechanical characteristics.
[0003]
FIG. 3 is a cross-sectional view schematically showing a part of a conventional fireproof electric wire described in JP-A-11-345524. In this case, the refractory wire 1 is provided with a refractory layer 3 and an insulator 4 on a conductor 2 such as a stranded copper wire to form an insulated core 5, and a sheath 6 is provided on the insulated core 5. .
[0004]
The refractory layer 3 is formed by winding a plurality of glass mica tapes on the conductor 2 (wrapping winding) or wrapping vertically. Glass mica tape is made by using inorganic glass tape as a base material (lining material) and affixing soft laminated mica foil on one side. The laminated mica foil faces the conductor 2 and multiple sheets are stacked. Winding. The insulator 4 is typically formed by coating an ethylene resin composition such as polyethylene or a vinyl chloride resin onto the refractory layer 3. A sheath 6 is formed by coating a polyolefin resin or a vinyl chloride resin on the insulating core 5 formed as described above.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, there are the following problems in common with the fireproof wire 1 described in the publication shown in FIG. 3 and other conventional fireproof wires.
[0006]
First, after forming a refractory layer 3 by wrapping a plurality of glass mica tapes on the conductor 2 and extruding a molten resin such as polyethylene onto the refractory layer 3 when the insulator 4 is molded, That is, the lower refractory layer 3 is deformed. If the refractory layer 3 is deformed, it will be unsatisfactory due to the influence of the prescribed electrical characteristics. In order to prevent the deformation of the refractory layer 3 due to such resin pressure, it is conceivable to wind the glass mica tape tightly to increase the tape tension. However, when the tension of the glass mica tape is increased, the glass fiber at the end of the tape flutters up and becomes “blemish” indicated by reference numeral 3a in FIG. 3 and enters the inside of the insulator 4, which also causes a decrease in electrical characteristics. Become.
[0007]
One is that during the molding of the insulator 4 by extruding polyethylene molten resin onto the refractory layer 3, the gas present in the glass mica tape of the refractory layer 3 expands due to the heat of the molten resin, and the insulator 4. It is an effect of affecting electrical characteristics such as insulation by entering inside and remaining as “voids”. As a measure for preventing the generation of voids, generally, immediately after the polyethylene molten resin is extruded, a cooling process is performed in which the insulator 4 is formed by solidification by water cooling. However, if the thickness dimension of the insulator 4 exceeds 2.5 mm, it takes a considerable time for the cooling to be completed throughout the thickness of the insulator 4. Therefore, there is a problem that generation of voids cannot be sufficiently suppressed.
[0008]
Furthermore, since the fireproof layer 3 made of glass mica tape is pressed and wound with polyester tape (not shown) from the top as in the conventional example of FIG. 3 in particular, the stripping process of the wire terminal is performed at the wiring site. The work to peel off the polyester tape during the work to be performed increases.
[0009]
Therefore, the object of the present invention is to effectively suppress the generation of voids caused by the expansion of the gas in the glass mica tape forming the refractory layer and the gas in the refractory layer and entering the insulator. An object of the present invention is to provide a refractory electric wire that satisfies the required fire resistance performance and electrical characteristics and eliminates the labor of stripping the tape that holds and winds the glass mica tape during the stripping process.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a refractory wire according to claim 1 according to the present invention includes a conductor 11, a refractory layer 12 provided by winding a glass mica tape on the conductor 11, and an extrusion molding on the refractory layer 12. An insulating wire core 15 is formed by the insulator 13 provided as described above, and a laminated tape composed of an inner layer and an outer layer having two different melting points is different in melting point from the insulator 13. An inner layer faces the fireproof layer 12, and an outer layer having a low melting point substantially the same as or lower than that of the insulator 13 faces the insulator 13, and the laminate tape shielding layer 14 is wound on the fireproof layer 12. It is characterized by being formed.
[0011]
With the above configuration, the laminate tape shielding layer 14 provided by being wound around the refractory layer 12 functions as follows.
(1) When the laminate tape is wrapped with a suitable tape tension on the fireproof layer 12 of the glass mica tape, the fireproof layer 12 is not deformed by the resin pressure during extrusion molding of the insulator 13, and the fireproof is expanded by resin heat. The pressure of the gas in the layer 12 does not lift the tape itself. As a result, it is possible to prevent the glass fiber chip of the fireproof layer 12 from entering the insulator 13, and to suppress the expanded gas from entering the insulator 13 to generate voids, thereby suppressing the deterioration of electrical characteristics. It is done. On the other hand, when the laminated tape is wound vertically, the tape tension is insufficient, so that the effect like the wrap winding cannot be expected.
(2) Since the melting point of the outer layer of the laminate tape is substantially the same as or lower than that of the facing insulator 13, the outer layer is melted by the extrusion resin heat of the insulator 13 and integrated with the inner surface of the insulator 13. To fuse. At that time, the melted outer layer is fused and sealed by wrapping, and the inner layer having a melting point higher than that of the insulator 13 remains without being melted. That is, the entire laminate tape shielding layer 14 has a cylindrical shape as if the outer layer is melted and coated on the inner layer, and the gas in the refractory layer 12 expands and tries to enter the insulator 13. Thus, the cylindrical laminated tape shielding layer 14 is integrally fused to the inside of the insulator 13 to prevent it from becoming a barrier, and the generation of voids in the insulator 13 can be effectively suppressed.
(3) As in (2) above, the laminate tape shielding layer 14 is formed into a cylindrical shape and integrated into the inside of the insulator 13 to become a barrier, so that during the work of performing stripping processing of the wire terminal at the wiring site, When the insulator 13 is peeled, the laminate tape shielding layer 14 is also peeled at the same time. Therefore, it is not necessary to peel the laminate tape shielding layer 14 again after the insulator 13 is peeled off, thereby saving labor. That is, since the labor of peeling off like a conventional press-wound tape can be saved, the work efficiency is improved.
[0012]
Moreover, the fireproof electric wire according to claim 2 is characterized in that the laminate tape shielding layer 14 has a polyester layer as an inner layer and a polyethylene layer as an outer layer.
[0013]
In this case, as a specific example of the material of the inner layer and the outer layer constituting the laminate tape shielding layer 14 according to claim 1, the inner layer is made of polyester higher than the melting point of the insulator 13, and the outer layer is substantially equal to the melting point of the insulator 13. The same or less polyethylene is used. The material of the insulator 13 is generally made of an ethylene resin composition. Therefore, the outer layer polyethylene of the same material is melted by the resin heat during the extrusion molding of the insulator 13 and is integrally fused to the inner surface of the insulator 13. Thereby, the laminated tape shielding layer 14 is formed into a cylindrical shape in which the outer polyethylene layer is coated on the inner polyester layer.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of a refractory wire according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0015]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a refractory wire 10 according to the present embodiment. A refractory layer 12 is formed on a conductor 11 such as a copper stranded wire. As described in the conventional example of FIG. 3, this refractory layer 12 is made of a soft laminated mica foil with an inorganic glass tape as a backing material. And a plurality of such glass mica tapes are preferably wrapped and overlapped, preferably with the laminated mica foil surface facing the conductor 11 side.
[0016]
Further, as shown in the enlarged partial sectional view of FIG. 2, the laminate tape shielding layer 14 is provided by winding the laminate tape as the gist of the present invention around the surface which is the outermost layer of the glass mica tape forming the fireproof layer 12. ing. This laminate tape shielding layer 14 is made by laminating polyester and polyethylene materials filmed or the like on the front and back surfaces to form a laminate tape. The polyester layer is the inner layer and faces the fireproof layer 12, and the polyethylene layer is the outer layer. Then, it is formed by wrapping on the refractory layer 12 so as to face the insulator 13 provided in the next step.
[0017]
Insulator 13 is extruded and coated on the outer polyethylene layer of laminate tape shielding layer 14. Generally, polyethylene, which is an ethylene-based resin composition, is frequently used as the material of the insulator 13, and in this example, a polyethylene resin is used as the insulator 13, and a polyethylene layer of the same material having substantially the same or lower melting point is used. Numerous good results to be described later can be obtained by using the outer layer of the laminate tape shielding layer 14.
[0018]
As described above, the insulation core 15 is formed by providing the fireproof layer 12, the laminate tape shielding layer 14, and the insulator 13 on the conductor 11. As shown in FIGS. 1 and 2, the present embodiment shows a single core refractory wire 10 in which a plastic sheath 16 such as a polyolefin resin is extruded and coated on an insulating wire core 15. On the other hand, a plurality of the insulating wire cores 15 are bundled by being twisted together, filled with inclusions between the plurality of wire cores, wound with pressing tape, and the sheath 16 is extruded thereon. Thus, a fireproof cable can be obtained.
[0019]
In the refractory electric wire 10 of the present embodiment, the insulated wire core 15 is provided and operates as follows.
[0020]
As the refractory layer 12 provided on the conductor 11, a plurality of glass mica tapes can be wrapped tightly and the tape tension can be increased. When the insulator 13 is provided on the refractory layer 12 through the laminate tape shielding layer 14, the refractory layer 12 tends to be deformed by the resin pressure during the extrusion molding of the polyethylene molten resin, but the refractory layer 12 is tightly wound. Therefore, even if the resin pressure of the insulator 13 works together with the laminate tape shielding layer 14 interposed, it does not deform. By preventing the refractory layer 12 from being deformed, the prescribed electrical characteristics can be satisfied.
[0021]
By the way, when the refractory layer 12 is tightly wound, it is effective for preventing deformation. On the other hand, when the refractory layer 12 is tightly wound and the tape tension is increased, the glass fiber may be generated from the end surface of the glass mica tape. Even if glass fiber cracks are generated from the refractory layer 12, the laminate tape shielding layer 14 suppresses the glass fiber cracks from entering the insulator 13, so that the Deterioration of electrical characteristics can be prevented by preventing invasion.
[0022]
As described above, the laminate tape shielding layer 14 formed by winding the laminate tape on the fireproof layer 12 has sufficient tape tension by wrapping. At the same time, even if the gas in the refractory layer 12 expands due to the resin heat during the extrusion of the insulator 13, the tape itself does not rise. Thereby, it can suppress that the expanded gas penetrate | invades into the insulator 13 and becomes a void.
[0023]
When the insulator 13 is provided by extruding a polyethylene molten resin on the laminate tape shielding layer 14, the laminate tape shielding layer 14 acts as follows. During the extrusion of the molten polyethylene resin, the polyethylene layer which is the outer layer of the laminate tape shielding layer 14 is melted by the resin heat and united with the insulator 13. It is as if the laminated tape shielding layer 14 was coated with an outer polyethylene layer on the inner polyester layer. Also, at that time, the outer outer polyethylene layer flows into the wrap-wrapped tape winding and is sealed by sealing, and the outer polyethylene layer is coated without gaps over the entire inner polyester layer that does not melt. It becomes. The cylindrical laminated tape shielding layer 14 is interposed between the refractory layer 12 and the insulator 13.
[0024]
Thus, while the polyethylene molten resin is extruded and the insulator 13 is covered and molded, the gas in the refractory layer 12 expands due to the heat of the resin, and it goes out of the layer and enters the insulator 13 to generate voids. The laminate tape shielding layer 14 having the cylindrical shape as described above serves as a barrier to prevent it.
[0025]
On the other hand, in the refractory electric wire 10 of the present embodiment, the following effects are brought about at the time of construction work such as stripping of the electric wire terminal at the wiring site. In order to make the conductor 11 exposed in preparation for electrical connection, the outermost sheath 16 to the innermost refractory layer 12 are stripped in order. At the time of such stepping work, since the laminate tape shielding layer 14 adheres to the inside of the insulator 13 when it is peeled off, the laminate tape shielding layer 14 is peeled off again after the insulator 13 is peeled off. Can be omitted. This is because during extrusion molding of the insulator 13, the polyethylene layer of the outer layer of the laminate tape shielding layer 14 is fused by the heat of the molten resin so as to form a cylindrical shape and be integrated with the insulator 13.
[0026]
In the refractory wire 10 of the present embodiment, an example in which polyethylene and polyester are used as the material of the inner and outer layers forming the laminate tape shielding layer 14 is shown, but the technical idea according to the present invention is satisfied. For example, other materials can be used. That is, the outer layer is made of a material having a melting point substantially the same as or lower than that of the insulator 13, and the outer layer needs to be melted and integrated by the resin heat during the extrusion of the insulator 13. Further, it is desirable that the inner layer is made of a material having a melting point higher than that of the insulator 13 and remains without being melted even by resin heat during the extrusion molding of the insulator 13.
[0027]
【The invention's effect】
As described above, the refractory wire according to claim 1 of the present invention has the following effects.
(1) When a laminate tape is wrapped with a suitable tape tension on a refractory layer of glass mica tape, the refractory layer is not deformed by the resin pressure during extrusion molding of the insulator, and the refractory layer expanded by resin heat The tape itself is not lifted by the gas pressure. As a result, it is possible to prevent invasion of the glass fiber in the refractory layer into the insulator, and it is possible to suppress the expanded gas from entering the insulator and generating voids, thereby suppressing deterioration in electrical characteristics. On the other hand, when the laminated tape is wound vertically, the tape tension is insufficient, so that the effect like the wrap winding cannot be expected.
(2) Since the melting point of the outer layer of the laminate tape is substantially the same as or lower than that of the facing insulator, the outer layer is melted by the extrusion resin heat of the insulator and is integrally fused to the inner surface of the insulator. To do. At that time, the melted outer layer is fused and sealed with a tape winding by wrapping, and the inner layer having a melting point higher than that of the insulator remains without being melted, so that the entire laminated tape shielding layer is as if the outer layer is placed on the inner layer. The tube is melted and coated, and the gas in the refractory layer expands and attempts to enter the insulator. The cylindrical laminated tape shielding layer is fused together inside the insulator. Therefore, it becomes a barrier and prevents it, and the generation of voids in the insulator can be effectively suppressed.
(3) The laminate tape shielding layer is formed into a cylindrical shape and integrated inside the insulator to become a barrier, so that when stripping the insulator at the wiring site, the insulator is peeled off and laminated together with it. The tape shielding layer is also peeled off at the same time, eliminating the need to peel off the laminated tape shielding layer after the insulation has been peeled off, saving the work and saving the trouble of peeling off like a conventional press-wound tape. So work efficiency is improved.
[0028]
In addition, as a specific example of the material of the inner layer and the outer layer constituting the laminated tape shielding layer, the refractory electric wire according to claim 2 uses a polyester having a higher melting point than the insulator for the inner layer, and the melting point of the insulator is substantially equal to the melting point of the insulator. The same or less polyethylene is used. Since the insulator is generally made of an ethylene-based resin composition, when an insulator of such a material is extruded, the outer layer polyethylene of the laminate tape shielding layer of the same material is melted together by the resin heat, and is formed on the inner surface of the insulator. Fusing together. That is, the laminated tape shielding layer has a cylindrical shape in which an outer polyethylene layer is coated on an inner polyester layer, and the effect described in claim 1 becomes more remarkable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of a refractory wire according to the present invention.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view showing a main part of the present embodiment.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a conventional refractory electric wire.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 10 Refractory wire 11 Conductor 12 Refractory layer 13 Insulator 14 Laminate tape shielding layer 15 Insulated wire core 16 Sheath

Claims (2)

導体と、導体上にガラスマイカテープを巻き付けて設けた耐火層と、耐火層上に押出し成形して設けた絶縁体とによって絶縁線心を形成してなっている耐火電線であって、
融点の異なる内層と外層の表裏二層からなるラミネートテープを、前記絶縁体よりも融点の高い内層を前記耐火層に対面させ、前記絶縁体とほぼ同一またはそれ以下の融点の低い外層を該絶縁体に対面させて、前記耐火層上に巻き付けることによりラミネートテープ遮蔽層を形成してなっていることを特徴とする耐火電線。
A refractory wire in which an insulation core is formed by a conductor, a refractory layer provided by wrapping a glass mica tape on the conductor, and an insulator provided by extrusion molding on the refractory layer,
A laminated tape consisting of two layers, an inner layer and an outer layer, having different melting points, has an inner layer having a melting point higher than that of the insulator facing the refractory layer, and an outer layer having a melting point substantially equal to or lower than that of the insulator. A fireproof electric wire characterized in that a laminate tape shielding layer is formed by facing a body and winding on the fireproof layer.
前記ラミネートテープ遮蔽層が、内層をポリエステル層とし、外層をポリエチレン層としてなっていることを特徴とする請求項1に記載の耐火電線。The fireproof electric wire according to claim 1, wherein the laminated tape shielding layer has a polyester layer as an inner layer and a polyethylene layer as an outer layer.
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