JP3819612B2 - Method for immunological measurement of β-hCG - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異所性ヒト絨毛性ゴナドトロピン産生腫瘍等の診断に廣く用いられているヒト絨毛性ゴナドトロピンβ−サブユニット(以下、「β−hCG」という。)の血清中の濃度を化学発光法を利用して免疫学的に測定する方法に関するものであり、更に詳しくは、ペルオキシダーゼ酵素を標識物質として用い、特定の新規化学発光試薬によりβ−hCGの血清中濃度を高感度に測定する免疫学的測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
β−hCGは、胎盤から分泌される性腺刺激ホルモンであり、分子量約38,000の糖蛋白で、α−サブユニット及びβサブユニットからなり、α−サブユニットのアミノ酸配列は下垂体前葉から分泌される黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、TSHのそれと類似し、β−サブユニットのアミノ酸配列はFSH、TSHのそれとはかなり異なるがLHのβ−サブユニットとは相似性を有することが知られている。各々のサブユニットは単独では生物学的活性を持たず、生体内では大部分が両者が結合した形で存在している。
【0003】
hCGは妊娠中に大量に分泌されるため妊娠診断等に廣く利用されているが、多くの悪性腫瘍において、異所性hCGとしてhCGのβ−サブユニットが産生されることが判り、腫瘍マーカーとして利用されるようになっている。β−hCGの測定方法としては、ラジオイムノアッセイ及びエンザイムイムノアッセイ等が行なわれているが、測定感度は必ずしも十分とは云えず、異所性hCG産生悪性腫瘍の早期発見に繋がるβ−hCGの高感度測定法の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、前記事情に鑑みβ−hCGの高感度の免疫学的測定方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するためにβ−hCGを従来より高感度に測定する方法について鋭意検討を行なった結果、ペルオキシダーゼ酵素活性の超高感度測定が可能な新規化学発光試薬を用いてβ−hCGを免疫学的に測定することにより、血中β−hCGを数ピコグラムのオーダーで測定し得ることを見い出し、これらの知見に基づいて本発明に到達したものである。
【0006】
即ち、本発明は、ペルオキシダーゼ酵素標識した抗β−hCG抗体を試料中のβ−hCGと接触させ、抗原抗体反応によりペルオキシダーゼ酵素標識−抗原抗体錯体からなる免疫複合体を形成させ、必要により、該免疫複合体を不溶性担体に固定化した抗β−hCG抗体と反応させて該不溶性担体上に捕捉した後分離し、これに、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類をN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射により反応させる際に、その反応時及び/又は反応後にアミノアルコール化合物を添加することにより得られる化学発光性物質を含有する化学発光試薬を添加し、水素受容体の存在下において化学発光させ、その発光強度を測定することにより試料中のβ−hCGの含有量を定量することを特徴とするβ−hCGの化学発光法による高感度免疫学的測定方法に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法は、抗原抗体反応によりβ−hCGをペルオキシダーゼ酵素標識抗体を含む抗β−hCG抗体との免疫複合体として捕捉する免疫反応段階と、生成した該免疫複合体をその分子中に存在する標識酵素を用いる化学発光法により測定する化学発光反応段階とからなる。
【0008】
免疫反応段階を構成する抗原抗体反応の方法は任意であり、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及びアミノアルコール化合物から得られる化学発光試薬を用いることができるものであれば、いずれの方法も採用することができる。
【0009】
例えば、
▲1▼不溶性担体に結合した抗β−hCG抗体に試料中の測定すべきβ−hCGを捕捉させた後にペルオキシダーゼ酵素標識抗β−hCG抗体を反応させるサンドイッチ法、
▲2▼サンドイッチ法において、不溶性担体に結合した抗β−hCG抗体と異なる動物種に由来する抗β−hCG抗体を用い、生成したサンドイッチ錯体に対して、さらにこの抗β−hCG抗体に対する標識した第二抗β−hCG抗体を反応させる二抗体法、
▲3▼不溶性担体に結合した抗β−hCG抗体に試料中の測定すべきβ−hCGをペルオキシダーゼ酵素標識抗β−hCG抗体の存在下で反応させる競合法、
▲4▼測定すべきβ−hCGを含有する試料にこれらと特異的に反応する標識した抗β−hCG抗体を作用させて凝集沈澱させた後、遠心分離して分離した免疫複合体中の標識物質を検出する凝集沈澱法、さらに、
▲5▼ビオチン標識抗β−hCG抗体及びペルオキシダーゼ酵素標識アビジンを反応させるビオチン−アビジン法等
を非限定的に用いることができる。
【0010】
本発明のβ−hCG化学発光法による免疫学的測定方法に用いられる不溶性担体としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、ポリサッカライド等の高分子化合物、その他、ガラス、金属、磁性粒子及びこれらの組み合わせ等が挙げられる。また、不溶性担体の形状としては、例えば、トレイ状、球状、繊維状、棒状、盤状、容器状、セル、マイクロプレート、試験管等の種々の形状で用いることができる。さらに、これら不溶性担体への抗原若しくは抗体の固定化方法は任意であるが、物理的吸着法、共有結合法、イオン結合法等を用いることができる。
【0011】
尚、本発明のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法において用いられる抗体類はモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体のいずれを使うことも可能であり、その形態としては全抗体又はF(ab’)2 、Fab等の断片を用いることができる。また、抗体の起源は任意であるが、マウス、ラット、兎、羊、山羊、鶏等に由来する抗体が好適に用いられる。
【0012】
さらに、本発明のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法の後段を構成する化学発光反応段階は、化学発光試薬として、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類をN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射により反応させる際に、その反応時及び/又は反応後にアミノアルコール化合物を添加して得られる生成物を用い、更に所望により発光増強剤の存在下に水素受容体を作用させて不溶性担体上に捕捉された標識物質であるペルオキシダーゼ酵素の活性を測定するものであり、その測定方法は任意であるが、一般に、化学発光性物質及び発光増強剤を含有する測定試薬をペルオキシダーゼ酵素標識抗β−hCG抗体を免疫学的に捕捉した不溶性担体に添加し、特定塩基性pH領域において過酸化水素水溶液を添加して化学発光反応させ、その化学発光量を発光測定装置で測定する方法等が行なわれている。
【0013】
次に、本発明のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法に用いられる化学発光試薬について説明する。
前記化学発光試薬は、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類をN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の存在下において光照射により反応させる際に、その反応時及び/又は反応後に特定のアミノアルコール化合物を添加することにより得られる化学発光性物質を含有する反応混合物である。
前記アミノアルコール化合物は、前記光照射前にN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類とN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物との混合物に添加してもよいが、反応時及び/又は反応後、即ち、光照射時又は光照射後のいずれか或いは光照射時及び光照射後の両者において添加してもよい。特に、発光性能の安定性確立の観点からは光照射後、即ち、反応後に存在させることが肝要である。
前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類は、下記一般式(1)
【0014】
【化4】
で表わされる。
【0015】
前記一般式(1)において、R1 及びR2 は、アルキル基、アリール基及びハロゲン化アリール基からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよい。また、アルキル基としては炭素数1〜14の直鎖状又は分岐状のものを挙げることができ、特に、炭素数1〜10のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基等を例示することができる。アリール基は炭素数6〜20のものであり、該アリール基には炭素数1〜14のアルキル基が結合したものでもよい。具体的にはフェニル基、トリール基、キシリル基等を例示することができる。R3 、R4 、R5 及びR6 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン原子からなる群より選択され、互いに同一でも又は異なるものでもよい。アルキル基は炭素数1〜14の直鎖状又は分岐状のものであり、特に、炭素数1〜10のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基等を例示することができる。アリール基は炭素数6〜20であり、該アリール基には炭素数1〜14のアルキル基が結合したものでもよい。具体的には、フェニル基、トリール基、キシリル基等を例示することができる。アルコキシ基は炭素数1〜14の直鎖状又は分岐状アルキル基を有し、また、アリーロキシ基は、炭素数6〜20のアリール基を有する。
前記式(1)において、Xはn価の陰イオンであり、nは1又は2である。陰イオン(対イオン)としては、具体的には硝酸イオン、ハロゲンイオン、リン酸イオン、硫酸イオン、スルホン酸イオン等が挙げられる。
【0016】
前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類の具体例としては、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジエチル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジフェニル−9,9’−ビスアクリジニウム塩、N,N’−ジ−m−クロロフェニル−9,9’−ビスアクリジニウム塩などが挙げられる。特に、N,N’−ジメチル−9,9’−ビスアクリジニウムジナイトレート(ルシゲニン)が好適である。
前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物は、下記一般式(2)
【0017】
【化5】
で表わされる。
【0018】
前記一般式(2)において、R1 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子等で置換されていてもよく、R2 は、メチル基及びエチル基からなる群より選択され、R3 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基及び炭素数6〜20のアリール基からなる群より選択され、該アリール基はアルキル基、ニトロ基、水酸基、アミノ基及びハロゲン原子からなる群より選択される少なくとも一種で置換されていてもよく、また、R1 及びR3 は互いに結合して、それぞれが結合しているカルボニル基の炭素原子及びアミド基の窒素原子と共に環を形成していてもよい。
【0019】
前記N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が非限定的に挙げられる。
前記アミノアルコール化合物は、下記一般式(3)
【0020】
【化6】
で表わされる。
【0021】
前記一般式(3)において、Rは、炭素数1〜5の二価の脂肪族炭化水素であり、mは、1〜3の整数である。
その具体的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン等を非限定的に挙げることができる。
【0022】
本発明のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法に用いられる化学発光試薬の製造に必要なアミノアルコール化合物の添加は、発光反応時において、ブランク値を低下させる効果及びペルオキシダーゼの高濃度領域における発光強度を上昇させる効果を有し、また、化学発光試薬の保存時において、その発光性能の低下を防ぐ保存安定性を改善する効果等を有し、化学発光試薬の感度や安定性等の性能の向上に寄与する処が大きい。
【0023】
前記化学発光試薬の製造に用いられる光照射用の光線としては、波長領域が約290〜800nmの範囲の紫外可視部が用いられ、特に、約400〜800nmの範囲の可視光が望ましい。これらの光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、殺菌灯、蛍光灯及び白熱電灯等を非限定的に用いることができ、特に、白熱電灯が好ましく用いられる。この光照射により得られる化学発光試薬は、光源を用いずに自然光の下で製造した化学発光試薬に較べて、同じ原料ルシゲニン濃度で製造し同量で使用した場合に短時間で非常に高い発光強度を示すことと、この反応を光遮断下に実施した場合にはペルオキシダーゼ濃度依存性を有する化学発光試薬が得られないことから、化学発光性物質の生成には光照射が重要な役割を担っていることが認められる。
【0024】
前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類は、pH8付近では過酸化水素ともペルオキシダーゼ存在下の過酸化水素とも顕著な発光反応は起こさないが、これはN,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンが対イオン、特に硝酸イオンと安定な塩を形成しているためと考えられる。しかし、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物等の極性の高い化合物の存在下で光照射を行なうことにより、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンへの対アニオンからの電荷移動が促進され、イオン性の高い塩類からラジカル性を有する電荷移動錯体に変化し、この錯体がN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物の配位若しくは溶媒和によって安定化され、この安定化されたビラジカル性化合物が過酸化水素の酵素分解により生成する活性酸素と反応して、励起状態のジオキセタン構造を経て発光するのでペルオキシダーゼ濃度に依存した発光強度が得られるものと考えられる。この光照射による反応において、アミノアルコール化合物の添加は、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウムカチオンへの電荷移動に関与してその反応を促進し、発光反応時のブランク値を高める副生成物の生成を抑え、且つ生成するビラジカルを更に安定化する作用を有するものと考えられる。
【0025】
前記N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類、N,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及びアミノアルコール化合物の混合割合モル比は、N,N’−ジ置換−9,9’−ビスアクリジニウム塩類に対してN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物を1〜1万倍モル、アミノアルコール化合物を1〜1万倍モルの量でそれぞれ用いることができ、さらに、同種及び/又は異種のN,N−ジ置換カルボン酸アミド化合物及び/又はその他の溶媒を反応溶媒として用いることもできる。
【0026】
前記光照射反応の反応温度は用いられる溶媒の有無及び種類によって異なるが、一般的に−10〜+150℃、好ましくは0〜120℃、特に好ましくは20〜90℃の範囲の温度である。また、反応時間は1分〜一昼夜、好ましくは10分〜15時間、特に好ましくは30分〜10時間の範囲の時間で行なうことができる。
【0027】
前記化学発光試薬は、pH7.5〜13の塩基性条件下において、過剰の過酸化水素の存在下、ペルオキシダーゼの濃度に依存した量で発光する。この発光は、フェノール性化合物等の発光促進剤によって増強することが認められる。このようなフェノール性化合物としては、p−ヒドロキシ桂皮酸、p−フェニルフェノール、p−(4−クロロフェニル)フェノール、p−(4−ブロモフェニル)フェノール、p−(4−ヨードフェニル)フェノール、p−ヨードフェノール、p−ブロモフェノール、p−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、p−クマル酸、6−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−ナフトール、ホタルルシフェリン等が非限定的に挙げられる。
【0028】
前記化学発光試薬の濃度は、10-8〜1M、好ましくは10-6〜1M、更に好ましくは10-4〜10-2Mの範囲であり、その使用量は10〜500μl、好ましくは50〜300μlの範囲が望ましい。また、発光促進剤は、化学発光試薬に対し、0.01〜100倍モル、好ましくは0.1〜10倍モルの範囲で用い、その濃度は10-6〜1M、好ましくは10-4〜10-2Mの範囲で用いるのが望ましい。
【0029】
また、本発明のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法における化学発光反応に用いられる水素受容体としては、ペルオキシダーゼ酵素の基質となり得るものであれば特に限定されるものではないが、有機過酸化物、無機過酸化物等が任意に用いられる。特に、過酸化水素が好ましく用いられる。この水素受容体の使用量は化学発光性物質に対して充分に過剰な量で用いることが必要であり、その使用量は化学発光性物質に対して3〜1万倍モル、好ましくは10〜1000倍モルの範囲である。
また、ペルオキシダーゼを標識物質として抗β−hCG抗体、核酸等を標識してβ−hCGを定量する場合には、特に限定されるものではないが、ペルオキシダーゼとして、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)が好ましく用いられる。
【0030】
前記化学発光反応に用いられる塩基性緩衝液としては、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液等を任意に用いることができる。これらの緩衝液の濃度は1mM〜1Mの範囲で用いるのが望ましい。また、反応時に界面活性剤、キレート剤等の添加剤を任意に用いることができる。
【0031】
本発明のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法における化学発光反応の発光量は、発光光度計を用いて測定することができる。その際、発光量測定の開始点及び積算時間は任意であるが、発光量が安定し且つ発光量の濃度依存性の高い時間を選択するのが望ましい。例えば、測定開始点は試薬混合後0〜1時間、好ましくは0〜30分、特に好ましくは0〜15分であり、測定の積算時間は1秒〜1分、好ましくは1〜30秒、特に好ましくは1〜10秒である。
【0032】
【実施例】
以下、参考例と共に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。もっとも、本発明は実施例等により限定されるものではない。
尚、参考例及び実施例中の%は重量%を意味する。
【0033】
[参考例1]
化学発光試薬の調製
ルシゲニンを1.5mg試験管に採り、これにN,N−ジメチルアセトアミドを1ml加えて溶解させた後、30℃の温度の水浴中で250Wのコピーランプを7時間照射してから、トリエタノールアミン0.5mlを添加し混合することにより化学発光試薬を得た。次に、この化学発光試薬を8×10-4Mのp−ヨードフェノール75mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0) 溶液で500倍に希釈することにより化学発光試薬溶液を調製した。
【0034】
[参考例2]
不溶性担体固定化兎抗β−hCGポリクローナル抗体の製造
β−hCGに特異的反応性を有する兎等の動物由来の抗β−hCGポリクローナル抗体を10mMリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH7.4) に10μg/mlの濃度で溶解した溶液を、白色マイクロプレート(ラボシステム社)の各ウェルに0.1mlずつ加え、37℃の温度で1時間放置した後、PBSで洗浄してから、1%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を0.4mlずつ加えて37℃の温度で1時間放置してポストコーティング処理を実施して兎抗β−hCGポリクローナル抗体固定化白色マイクロプレートを得た。
【0035】
[参考例3]
ペルオキシダーゼ酵素標識マウス抗β−hCGモノクローナル抗体の製造
β−hCGに特異的反応性を有するマウス抗β−hCGモノクローナル抗体を10mMリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(pH7.4) に1.0mg/mlの濃度で溶解した溶液1mlに、N−(m−マレイミド安息香酸)−N−サクシンイミドエステル(MBS)の10mg/mlの濃度のジメチルホルムアミド溶液0.1mlを添加し、25℃の温度で30分間反応後、この反応混合液をセファデックスG−25を充填したカラムを用い、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0) でゲル濾過を行ない、マレイミド化マウス抗β−hCGモノクローナル抗体と未反応MBSとを分離した。
【0036】
一方、ペルオキシダーゼ酵素としてホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(HRP)の5.0mg/mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5) 溶液1mlに、S−アセチルメルカプトコハク酸無水物(SAMS)の35mg/mlの濃度のジメチルホルムアミド溶液50μlを添加し、25℃の温度で2時間反応させた。次いで、この反応混合液に1Mヒドロキシルアミンの5mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0) 0.8mlを添加して30℃の温度で4分間攪拌してHRP分子中に導入したS−アセチルメルカプト基を脱アセチル化した後、セファデックスG−25を充填したカラムを用い、5mMEDTA含有0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0) でゲル濾過して精製してチオール化HRPを含有する画分を得た。
【0037】
次に、マレイミド化マウス抗β−hCGモノクローナル抗体とチオール化HRPとを混合し、コロジオンバックを用いて氷冷下に4mg/mlの蛋白質濃度まで濃縮し、4℃で一昼夜放置した後、ウルトロゲルAcA44(SEPRACOR社)を充填したカラムを用いてゲル濾過し、ペルオキシダーゼ酵素標識マウス抗β−hCGモノクローナル抗体を得た。
【0038】
[実施例1]
同時サンドイッチ法CLEIAによるβ−hCGの測定
兎抗β−hCGポリクローナル抗体を固定化した白色マイクロプレートに、精製したβ−hCG(標準物質)を夫々 0、0.01、0.1、 1、 10、100mIU/mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH7.2) 50μlとペルオキシダーゼ酵素標識マウス抗β−hCGモノクローナル抗体を約2μg/mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH7.2) 100μlとを加え、37℃の温度で1時間インキュベートした。次に、ウェル内の溶液を吸引除去した後、ウェル内を生理食塩水で洗浄してから、各ウェルに75mMトリス塩酸緩衝液(pH7.8) 100μlを加え、これに参考例1で調製した化学発光試薬溶液100μl及び0.0017%過酸化水素を含む75mMトリス塩酸緩衝液(pH7.8) 50μlを順次注入して発光させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で1〜5秒間積算して測定し、この値を標準物質濃度に対してプロットすることにより、図1に示される濃度依存性の良い検量線を得た。この検量線を用いて血清検体中のβ−hCGを0.01mIU/mlの濃度まで測定することが可能であった。
【0039】
[参考例4]
不溶性担体固定化マウス抗β−hCGモノクローナル抗体の製造
β−hCGに特異的反応性を有するマウス抗β−hCGモノクローナル抗体を10mMPBS(pH7.2) に10μg/mlの濃度で溶解した溶液を、白色マイクロプレート(ラボシステム社)の各ウェルに0.1mlずつ加え、37℃の温度で1時間放置した後、PBSで洗浄してから、1%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を0.4mlずつ加えて37℃の温度で1時間放置してポストコーティング処理を実施してマウス抗β−hCGモノクローナル抗体固定化白色マイクロプレートを得た。
【0040】
[実施例2]
同時サンドイッチ法CLEIAによるβ−hCGの測定
マウス抗β−hCGモノクローナル抗体を固定化した白色マイクロプレートに、精製したβ−hCG(標準物質)を夫々0、 0.01、 0.1、 1、 10、 100mIU/mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH7.2) 50μlとペルオキシダーゼ酵素標識マウス抗β−hCGモノクローナル抗体を約2μg/mlの濃度で含有する2%BSA含有PBS溶液(pH7.2) 100μlとを加え、37℃の温度で1時間インキュベートした。次に、ウェル内の溶液を吸引除去した後、ウェル内を生理食塩水で洗浄してから、各ウェルに75mMトリス塩酸緩衝液(pH7.8) 100μlを加え、これに参考例1で調製した化学発光試薬溶液100μl及び0.0017%過酸化水素を含む75mMトリス塩酸緩衝液(pH7.8) 50μlを順次注入して発光させた後、この発光量をルミノメーター(ダイアヤトロン社製ルミナスCT−9000D)で1〜5秒間積算して測定し、この値を標準物質濃度に対してプロットすることにより、図2に示される濃度依存性の良い検量線を得た。この検量線を用いて血清検体中のβ−hCGを0.01mIU/mlの濃度まで測定することが可能であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法は、入手が容易であり取り扱いも比較的に容易なペルオキシダーゼ酵素を標識物質として用い、安価で入手が容易であるルシゲニン等を出発原料とし、且つ容易に製造できる新規化学発光試薬を用いる化学発光法により、血清等の試料中のβ−hCGを免疫学的に高感度に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1記載の反応系を用いて化学発光させた化学発光量をβ−hCG(標準物質)の濃度の関数としてプロットして作成したβ−hCG測定用のポリクローナル抗体系検量線である。
【図2】 実施例2記載の反応系を用いて化学発光させた化学発光量をβ−hCG(標準物質)の濃度の関数としてプロットして作成したβ−hCG測定用のモノクローナル抗体系検量線である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
In the present invention, the serum concentration of human chorionic gonadotropin β-subunit (hereinafter referred to as “β-hCG”), which is widely used for the diagnosis of ectopic human chorionic gonadotropin-producing tumors, is chemiluminescent. The present invention relates to a method for immunological measurement using a method, and more specifically, an immunity in which a peroxidase enzyme is used as a labeling substance and a serum concentration of β-hCG is measured with a specific novel chemiluminescence reagent. It is related to the method of measuring.
[0002]
[Prior art]
β-hCG is a gonadotropin secreted from the placenta and is a glycoprotein having a molecular weight of about 38,000, consisting of an α-subunit and a β subunit. The amino acid sequence of the α-subunit is secreted from the anterior pituitary gland. Luteinizing hormone (LH), follicle stimulating hormone (FSH), similar to that of TSH, and the amino acid sequence of β-subunit is significantly different from that of FSH, TSH, but similar to that of LH β-subunit It is known to have. Each subunit alone has no biological activity, and most of the subunits exist in the living body in a combined form.
[0003]
Since hCG is secreted in large quantities during pregnancy, it is widely used for pregnancy diagnosis and the like. In many malignant tumors, it has been found that β-subunit of hCG is produced as ectopic hCG, and tumor marker It has come to be used as. As a method for measuring β-hCG, radioimmunoassay, enzyme immunoassay, and the like have been performed. However, the measurement sensitivity is not always sufficient, and high sensitivity of β-hCG leading to early detection of ectopic hCG-producing malignant tumors. Development of a measurement method was desired.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a highly sensitive immunological measurement method for β-hCG in view of the above circumstances.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors have intensively studied a method for measuring β-hCG with higher sensitivity than before, and as a result, a novel chemiluminescent reagent capable of performing ultrasensitive measurement of peroxidase enzyme activity. It was found that β-hCG in blood can be measured on the order of several picograms by measuring β-hCG immunologically with the use of the above, and the present invention has been achieved based on these findings.
[0006]
That is, in the present invention, an anti-β-hCG antibody labeled with a peroxidase enzyme is brought into contact with β-hCG in a sample to form an immune complex composed of a peroxidase enzyme-labeled antigen-antibody complex by an antigen-antibody reaction, and if necessary, The immune complex is reacted with an anti-β-hCG antibody immobilized on an insoluble carrier, captured on the insoluble carrier and then separated, and this is separated into N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium. Chemistry containing a chemiluminescent substance obtained by adding an aminoalcohol compound during and / or after the reaction when a salt is reacted by light irradiation in the presence of an N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound It is characterized by quantifying the content of β-hCG in a sample by adding a luminescent reagent, chemiluminescence in the presence of a hydrogen acceptor, and measuring the luminescence intensity. The present invention relates to a highly sensitive immunoassay method for β-hCG by chemiluminescence.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
The immunological measurement method of the present invention by chemiluminescence of β-hCG includes an immunoreaction step of capturing β-hCG as an immunocomplex with an anti-β-hCG antibody containing a peroxidase enzyme-labeled antibody by an antigen-antibody reaction, It comprises a chemiluminescence reaction step in which the generated immune complex is measured by a chemiluminescence method using a labeling enzyme present in the molecule.
[0008]
The method of antigen-antibody reaction constituting the immune reaction stage is arbitrary, and includes N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium salts, N, N-disubstituted carboxylic acid amide compounds and amino alcohol compounds. Any method can be employed as long as the resulting chemiluminescent reagent can be used.
[0009]
For example,
(1) Sandwich method in which an anti-β-hCG antibody bound to an insoluble carrier is captured by β-hCG to be measured in a sample and then reacted with a peroxidase enzyme-labeled anti-β-hCG antibody;
(2) In the sandwich method, an anti-β-hCG antibody derived from an animal species different from the anti-β-hCG antibody bound to an insoluble carrier was used, and the resulting sandwich complex was further labeled with the anti-β-hCG antibody. A two-antibody method in which a second anti-β-hCG antibody is reacted;
(3) A competitive method in which an anti-β-hCG antibody bound to an insoluble carrier is reacted with β-hCG to be measured in a sample in the presence of a peroxidase enzyme-labeled anti-β-hCG antibody,
(4) Labeling in an immune complex separated by centrifugation after allowing a labeled anti-β-hCG antibody that reacts specifically with a sample containing β-hCG to act on the sample to be measured to aggregate and precipitate Agglomeration precipitation method to detect substances,
(5) A biotin-avidin method in which a biotin-labeled anti-β-hCG antibody and peroxidase enzyme-labeled avidin are reacted can be used without limitation.
[0010]
Examples of the insoluble carrier used in the immunological measurement method by β-hCG chemiluminescence method of the present invention include, for example, high molecular compounds such as polystyrene, polyethylene, polypropylene, polyester, polyacrylonitrile, fluororesin, cross-linked dextran, polysaccharides, Other examples include glass, metal, magnetic particles, and combinations thereof. The insoluble carrier can be used in various shapes such as a tray shape, a spherical shape, a fiber shape, a rod shape, a disk shape, a container shape, a cell, a microplate, and a test tube. Furthermore, the immobilization method of the antigen or antibody to these insoluble carriers is arbitrary, but a physical adsorption method, a covalent bond method, an ionic bond method or the like can be used.
[0011]
The antibodies used in the immunoassay method for β-hCG of the present invention by chemiluminescence can use either monoclonal antibodies or polyclonal antibodies, and the form thereof is whole antibody or F (ab ′ 2 ) Fragments such as Fab can be used. The origin of the antibody is arbitrary, but an antibody derived from mouse, rat, rabbit, sheep, goat, chicken or the like is preferably used.
[0012]
Furthermore, the chemiluminescence reaction step constituting the latter stage of the immunoassay method of β-hCG of the present invention by chemiluminescence method comprises N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridyl as a chemiluminescent reagent. When the nium salt is reacted by light irradiation in the presence of an N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound, a product obtained by adding an amino alcohol compound during the reaction and / or after the reaction is used, and further if desired. The activity of the peroxidase enzyme, which is a labeling substance captured on an insoluble carrier by the action of a hydrogen acceptor in the presence of a luminescence enhancer, is measured. The measurement method is arbitrary, but generally chemiluminescent A measurement reagent containing a substance and a luminescence enhancer is added to an insoluble carrier immunologically captured with a peroxidase enzyme-labeled anti-β-hCG antibody, and water peroxide is added in a specific basic pH region. Aqueous solution was chemiluminescent reaction by addition of, methods and the like have been made to measure the amount of chemiluminescence in a luminometer.
[0013]
Next, the chemiluminescent reagent used for the immunological measuring method of the present invention by chemiluminescence of β-hCG will be described.
The chemiluminescent reagent is prepared by reacting N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium salts with light irradiation in the presence of an N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound. And / or a reaction mixture containing a chemiluminescent substance obtained by adding a specific amino alcohol compound after the reaction.
The amino alcohol compound may be added to a mixture of N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium salts and N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound before the light irradiation. , And / or after the reaction, that is, either during the light irradiation or after the light irradiation, or both during the light irradiation and after the light irradiation. In particular, from the viewpoint of establishing stability of the light emission performance, it is important to exist after light irradiation, that is, after reaction.
The N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium salts are represented by the following general formula (1)
[0014]
[Formula 4]
It is represented by
[0015]
In the general formula (1), R 1 and R 2 are selected from the group consisting of an alkyl group, an aryl group, and a halogenated aryl group, and may be the same as or different from each other. Further, examples of the alkyl group include linear or branched ones having 1 to 14 carbon atoms, and those having 1 to 10 carbon atoms are particularly preferable, specifically, methyl group, ethyl group, propyl group. Group, isopropyl group, butyl group, isobutyl group, pentyl group, isopentyl group, hexyl group, isohexyl group and the like. The aryl group has 6 to 20 carbon atoms, and the aryl group may be bonded to an alkyl group having 1 to 14 carbon atoms. Specifically, a phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, etc. can be illustrated. R 3 , R 4 , R 5 and R 6 are selected from the group consisting of a hydrogen atom, an alkyl group, an aryl group, an alkoxy group, an aryloxy group and a halogen atom, and may be the same or different from each other. The alkyl group is linear or branched having 1 to 14 carbon atoms, and particularly preferably having 1 to 10 carbon atoms, specifically, methyl, ethyl, propyl, isopropyl, butyl Examples thereof include a group, an isobutyl group, a pentyl group, and an isopentyl group. The aryl group has 6 to 20 carbon atoms, and the aryl group may be bonded to an alkyl group having 1 to 14 carbon atoms. Specifically, a phenyl group, a tolyl group, a xylyl group, etc. can be illustrated. The alkoxy group has a linear or branched alkyl group having 1 to 14 carbon atoms, and the aryloxy group has an aryl group having 6 to 20 carbon atoms.
In the formula (1), X is an n-valent anion, and n is 1 or 2. Specific examples of the anion (counter ion) include nitrate ion, halogen ion, phosphate ion, sulfate ion, and sulfonate ion.
[0016]
Specific examples of the N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium salts include N, N′-dimethyl-9,9′-bisacridinium salts, N, N′-diethyl- 9,9′-bisacridinium salt, N, N′-diphenyl-9,9′-bisacridinium salt, N, N′-di-m-chlorophenyl-9,9′-bisacridinium salt Etc. In particular, N, N′-dimethyl-9,9′-bisacridinium dinitrate (lucigenin) is preferred.
The N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound has the following general formula (2):
[0017]
[Chemical formula 5]
It is represented by
[0018]
In the general formula (2), R 1 is selected from the group consisting of a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms, an alkenyl group having 2 to 10 carbon atoms, and an aryl group having 6 to 20 carbon atoms. The group may be substituted with an alkyl group, a nitro group, a hydroxyl group, an amino group, a halogen atom or the like, R 2 is selected from the group consisting of a methyl group and an ethyl group, and R 3 has 1 to 10 carbon atoms. Selected from the group consisting of an alkyl group, an alkenyl group having 2 to 10 carbon atoms and an aryl group having 6 to 20 carbon atoms, wherein the aryl group is selected from the group consisting of an alkyl group, a nitro group, a hydroxyl group, an amino group and a halogen atom. R 1 and R 3 may be bonded to each other to form a ring together with the carbon atom of the carbonyl group and the nitrogen atom of the amide group to which each is bonded. May be.
[0019]
Specific examples of the N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound include N, N-dimethylformamide, N, N-dimethylacetamide, N, N-dimethylacrylamide, N, N-dimethylpropionamide, N, N- Nonlimiting examples include dimethylbenzamide, N-methyl-2-pyrrolidone, and the like.
The amino alcohol compound has the following general formula (3)
[0020]
[Chemical 6]
It is represented by
[0021]
In the general formula (3), R is a divalent aliphatic hydrocarbon having 1 to 5 carbon atoms, and m is an integer of 1 to 3.
Specific examples thereof include, but are not limited to, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, monoisopropanolamine, diisopropanolamine, triisopropanolamine and the like.
[0022]
The addition of an amino alcohol compound necessary for the production of a chemiluminescence reagent used in the immunoassay method of β-hCG according to the present invention by chemiluminescence method has the effect of reducing the blank value and the high concentration of peroxidase during the luminescence reaction. Has the effect of increasing the luminescence intensity in the region, and has the effect of improving the storage stability to prevent the degradation of the luminescence performance when storing the chemiluminescent reagent, the sensitivity and stability of the chemiluminescent reagent, etc. The process that contributes to the improvement of performance is large.
[0023]
As the light beam for light irradiation used for the production of the chemiluminescent reagent, an ultraviolet-visible part having a wavelength region of about 290 to 800 nm is used, and visible light of about 400 to 800 nm is particularly desirable. As these light sources, high-pressure mercury lamps, low-pressure mercury lamps, germicidal lamps, fluorescent lamps, incandescent lamps and the like can be used without limitation, and incandescent lamps are particularly preferably used. The chemiluminescent reagent obtained by this light irradiation has a very high luminescence in a short time when manufactured with the same raw material lucigenin concentration and used in the same amount as compared with the chemiluminescent reagent manufactured under natural light without using a light source. Light irradiation plays an important role in the production of chemiluminescent substances because chemiluminescent reagents that depend on the concentration of peroxidase cannot be obtained when the reaction is performed under light blockage. It is recognized that
[0024]
The N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium salts do not cause a remarkable luminescence reaction near hydrogen peroxide or hydrogen peroxide in the presence of peroxidase near pH 8. This is presumably because the '-disubstituted-9,9'-bisacridinium cation forms a stable salt with the counter ion, particularly nitrate ion. However, by irradiating with light in the presence of a highly polar compound such as an N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound, a pair to the N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium cation is obtained. Charge transfer from the anion is promoted, and the salt is changed from a highly ionic salt to a radical charge transfer complex, which is stabilized by coordination or solvation of the N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound, This stabilized biradical compound reacts with active oxygen produced by enzymatic decomposition of hydrogen peroxide and emits light through an excited dioxetane structure, so that it is considered that the emission intensity depending on the peroxidase concentration can be obtained. In this reaction by light irradiation, the addition of an amino alcohol compound is involved in charge transfer to the N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium cation and promotes the reaction. It is thought that it has the effect | action which suppresses the production | generation of the by-product which raises a blank value, and further stabilizes the produced biradical.
[0025]
The mixing ratio molar ratio of the N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium salts, N, N-disubstituted carboxylic acid amide compounds and amino alcohol compounds is N, N′-disubstituted-9. , 9′-bisacridinium salts can be used in an amount of 1 to 10,000 times mol of N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound and 1 to 10,000 times mol of amino alcohol compound, respectively. The same and / or different N, N-disubstituted carboxylic acid amide compounds and / or other solvents can also be used as the reaction solvent.
[0026]
The reaction temperature of the light irradiation reaction varies depending on the presence and type of the solvent used, but is generally -10 to + 150 ° C, preferably 0 to 120 ° C, particularly preferably 20 to 90 ° C. The reaction time may be 1 minute to 1 day, preferably 10 minutes to 15 hours, particularly preferably 30 minutes to 10 hours.
[0027]
The chemiluminescent reagent emits light in an amount depending on the concentration of peroxidase in the presence of excess hydrogen peroxide under basic conditions of pH 7.5-13. It is recognized that this light emission is enhanced by a light emission accelerator such as a phenolic compound. Such phenolic compounds include p-hydroxycinnamic acid, p-phenylphenol, p- (4-chlorophenyl) phenol, p- (4-bromophenyl) phenol, p- (4-iodophenyl) phenol, p -Iodophenol, p-bromophenol, p-chlorophenol, 2,4-dichlorophenol, p-coumaric acid, 6-hydroxybenzothiazole, 2-naphthol, firefly luciferin, and the like.
[0028]
The concentration of the chemiluminescent reagent is in the range of 10 −8 to 1M, preferably 10 −6 to 1M, more preferably 10 −4 to 10 −2 M. The amount used is 10 to 500 μl, preferably 50 to A range of 300 μl is desirable. The luminescence accelerator is used in a range of 0.01 to 100 times mol, preferably 0.1 to 10 times mol, and the concentration is 10 −6 to 1 M, preferably 10 −4 to the chemiluminescence reagent. It is desirable to use in the range of 10 −2 M.
[0029]
In addition, the hydrogen acceptor used in the chemiluminescence reaction in the immunoassay method for β-hCG according to the present invention is not particularly limited as long as it can serve as a substrate for the peroxidase enzyme. Organic peroxides, inorganic peroxides and the like are arbitrarily used. In particular, hydrogen peroxide is preferably used. It is necessary to use the hydrogen acceptor in an amount that is sufficiently excessive with respect to the chemiluminescent substance, and the use amount is 3 to 10,000 times mol, preferably 10 to 10 times that of the chemiluminescent substance. The range is 1000 times mol.
Further, when β-hCG is quantified by labeling an anti-β-hCG antibody, nucleic acid or the like using peroxidase as a labeling substance, horseradish peroxidase (HRP) is preferably used as the peroxidase. It is done.
[0030]
As the basic buffer used in the chemiluminescence reaction, a Tris buffer, a phosphate buffer, a borate buffer, a carbonate buffer, a glycine-sodium hydroxide buffer, or the like can be arbitrarily used. The concentration of these buffers is desirably used in the range of 1 mM to 1M. Moreover, additives, such as surfactant and a chelating agent, can be arbitrarily used at the time of reaction.
[0031]
The amount of luminescence of the chemiluminescence reaction in the immunoassay method of β-hCG of the present invention by the chemiluminescence method can be measured using a luminescence photometer. At this time, the starting point of the light emission amount measurement and the integration time are arbitrary, but it is desirable to select a time in which the light emission amount is stable and the concentration of the light emission amount is high. For example, the measurement starting point is 0 to 1 hour, preferably 0 to 30 minutes, particularly preferably 0 to 15 minutes after mixing the reagents, and the measurement integration time is 1 second to 1 minute, preferably 1 to 30 seconds, particularly Preferably, it is 1 to 10 seconds.
[0032]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to reference examples. However, the present invention is not limited to the examples.
In addition,% in a reference example and an example means weight%.
[0033]
[Reference Example 1]
Preparation of chemiluminescent reagent Take lucigenin in a 1.5 mg test tube, add 1 ml of N, N-dimethylacetamide to dissolve it, and then add a 250 W copy lamp in a water bath at a temperature of 30C. After time irradiation, 0.5 ml of triethanolamine was added and mixed to obtain a chemiluminescent reagent. Next, a chemiluminescent reagent solution was prepared by diluting this chemiluminescent reagent 500 times with an 8 × 10 −4 M p-iodophenol 75 mM Tris-HCl buffer (pH 8.0) solution.
[0034]
[Reference Example 2]
Production of anti-β-hCG polyclonal antibody immobilized with insoluble carrier Anti-β-hCG polyclonal antibody derived from an animal such as spider having specific reactivity with β-hCG was added to 10 mM phosphate buffered saline (PBS) (pH 7.4). ) At a concentration of 10 μg / ml was added to each well of a white microplate (Lab System) 0.1 ml, left at 37 ° C. for 1 hour, washed with PBS, % Bovine serum albumin (BSA) aqueous solution (0.4 ml each) was added and allowed to stand at a temperature of 37 ° C. for 1 hour, followed by post-coating treatment to obtain a white microplate with immobilized anti-β-hCG polyclonal antibody.
[0035]
[Reference Example 3]
Production of Peroxidase Enzyme-Labeled Mouse Anti-β-hCG Monoclonal Antibody Mouse anti-β-hCG monoclonal antibody having specific reactivity with β-hCG was added to 10 mg phosphate buffered saline (PBS) (pH 7.4) at 1.0 mg / 0.1 ml of a dimethylformamide solution having a concentration of 10 mg / ml of N- (m-maleimidobenzoic acid) -N-succinimide ester (MBS) is added to 1 ml of the solution dissolved at a concentration of ml, and the temperature is 25 ° C. After reacting for 30 minutes, this reaction mixture was subjected to gel filtration with a 0.1M phosphate buffer (pH 6.0) using a column packed with Sephadex G-25 to obtain maleimide mouse anti-β-hCG monoclonal antibody. Unreacted MBS was separated.
[0036]
Meanwhile, 35 mg / ml of S-acetylmercaptosuccinic anhydride (SAMS) was added to 1 ml of a 5.0 mg / ml 0.1 M phosphate buffer (pH 6.5) solution of horseradish peroxidase (HRP) as a peroxidase enzyme. A dimethylformamide solution having a concentration of 2 was added thereto and reacted at a temperature of 25 ° C. for 2 hours. Next, 0.8 ml of 0.1 M phosphate buffer (pH 6.0) containing 1 mM hydroxylamine in 5 mM ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA) was added to the reaction mixture, and the mixture was stirred at a temperature of 30 ° C. for 4 minutes to give HRP molecules. After deacetylation of the S-acetylmercapto group introduced therein, purification was performed by gel filtration with 0.1M phosphate buffer (pH 6.0) containing 5 mM EDTA using a column packed with Sephadex G-25. A fraction containing thiolated HRP was obtained.
[0037]
Next, maleimidated mouse anti-β-hCG monoclonal antibody and thiolated HRP were mixed, concentrated to a protein concentration of 4 mg / ml under ice-cooling using collodion bag, and allowed to stand at 4 ° C. for 24 hours, and then Ultrogel AcA44. Gel filtration was performed using a column packed with (SEPRACOR) to obtain a peroxidase enzyme-labeled mouse anti-β-hCG monoclonal antibody.
[0038]
[Example 1]
Measurement of β-hCG by simultaneous sandwich method CLEIA 兎 Purified β-hCG (standard substance) was added to white microplates immobilized with anti-β-hCG polyclonal antibody at 0, 0.01, 0.1, 1, 10 respectively. 2% BSA-containing PBS solution (pH 7.2) containing a concentration of 100 mIU / ml and a PBS solution containing 2% BSA containing a peroxidase enzyme-labeled mouse anti-β-hCG monoclonal antibody at a concentration of about 2 μg / ml (pH 7.2) pH 7.2) 100 μl was added and incubated at a temperature of 37 ° C. for 1 hour. Next, after removing the solution in the well by suction, the well was washed with physiological saline, and then 100 μl of 75 mM Tris-HCl buffer (pH 7.8) was added to each well. After sequentially injecting 100 μl of a chemiluminescent reagent solution and 50 μl of 75 mM Tris-HCl buffer (pH 7.8) containing 0.0017% hydrogen peroxide to emit light, this luminescence was measured using a luminometer (Luminous CT-manufactured by Diatron). 9000D) and integrated for 1 to 5 seconds, and by plotting this value against the standard substance concentration, a calibration curve with good concentration dependency shown in FIG. 1 was obtained. Using this calibration curve, it was possible to measure β-hCG in serum samples up to a concentration of 0.01 mIU / ml.
[0039]
[Reference Example 4]
Preparation of insoluble carrier-immobilized mouse anti-β-hCG monoclonal antibody A solution prepared by dissolving mouse anti-β-hCG monoclonal antibody having specific reactivity with β-hCG in 10 mM PBS (pH 7.2) at a concentration of 10 μg / ml Add 0.1 ml to each well of the microplate (Lab System), leave at 37 ° C. for 1 hour, wash with PBS, then add 0.4 ml of 1% bovine serum albumin (BSA) aqueous solution. The mixture was allowed to stand at a temperature of 37 ° C. for 1 hour and subjected to a post coating treatment to obtain a mouse anti-β-hCG monoclonal antibody-immobilized white microplate.
[0040]
[Example 2]
Measurement of β-hCG by simultaneous sandwich method CLEIA Purified β-hCG (standard substance) was added to white microplates immobilized with mouse anti-β-hCG monoclonal antibody at 0, 0.01, 0.1, 1, 10 respectively. 2% BSA-containing PBS solution (pH 7.2) containing a concentration of 100 mIU / ml and a PBS solution containing 2% BSA containing a peroxidase enzyme-labeled mouse anti-β-hCG monoclonal antibody at a concentration of about 2 μg / ml (pH 7.2) pH 7.2) 100 μl was added and incubated at a temperature of 37 ° C. for 1 hour. Next, after removing the solution in the well by suction, the well was washed with physiological saline, and then 100 μl of 75 mM Tris-HCl buffer (pH 7.8) was added to each well. After sequentially injecting 100 μl of chemiluminescent reagent solution and 50 μl of 75 mM Tris-HCl buffer (pH 7.8) containing 0.0017% hydrogen peroxide to emit light, this luminescence was measured using a luminometer (Luminous CT-9000D manufactured by Diatron). 1 to 5 seconds were integrated and measured, and this value was plotted against the standard substance concentration to obtain a calibration curve with good concentration dependency shown in FIG. Using this calibration curve, it was possible to measure β-hCG in serum samples up to a concentration of 0.01 mIU / ml.
[0041]
【The invention's effect】
The immunoassay method of β-hCG of the present invention by chemiluminescence method uses a peroxidase enzyme which is easy to obtain and relatively easy to handle as a labeling substance, and is inexpensive and easily available, such as lucigenin. And β-hCG in a sample such as serum can be measured immunologically with high sensitivity by a chemiluminescence method using a novel chemiluminescence reagent that can be easily produced.
[Brief description of the drawings]
1 is a polyclonal antibody-based calibration curve for β-hCG measurement prepared by plotting the amount of chemiluminescence chemiluminescent using the reaction system described in Example 1 as a function of the concentration of β-hCG (standard substance). It is.
FIG. 2 is a monoclonal antibody calibration curve for β-hCG measurement prepared by plotting chemiluminescence amount chemiluminescent using the reaction system described in Example 2 as a function of β-hCG (standard substance) concentration. It is.
Claims (10)
で表わされる化合物である請求項1に記載のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法。The N, N′-disubstituted-9,9′-bisacridinium salt is represented by the following general formula (1):
The immunological measurement method of β-hCG according to claim 1 by a chemiluminescence method.
で表わされる化合物である請求項1ないし3のいずれかの1項に記載のβ−hCGの化学発光による免疫学的測定方法。The N, N-disubstituted carboxylic acid amide compound is represented by the following general formula (2):
The immunological measurement method by chemiluminescence of β-hCG according to any one of claims 1 to 3, wherein the compound is represented by the formula:
で表される化合物である請求項1ないし6のいずれかの1項に記載のβ−hCGの化学発光法による免疫学的測定方法。The amino alcohol compound has the following general formula (3)
The method for immunological measurement of β-hCG by a chemiluminescence method according to any one of claims 1 to 6, which is a compound represented by the formula:
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