JP3815991B2 - おむつの収納形態 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッケージの内部に多数の使い捨ておむつを前後方向へ重ね合わせて収納するおむつの収納形態に関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平２０００−４２０２８号公報は、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収体が介在するパンツ型の使い捨ておむつを包装材で包装し、隣り合うおむつどうしの前身頃と後身頃とが互いに対向するように、多数のおむつを前後方向へ重ね合わせた状態でパッケージの内部に収納したおむつの収納形態を開示している。この収納形態では、それらおむつの股間部が後身頃の外面へ向かって折り曲げられている。パッケージの内部では、それらおむつの前後身頃の胴周り端部がパッケージの上方に位置し、胴周り端部を除くおむつの残余の部位が胴周り端部の下方に位置している。
【０００３】
一般に使い捨ておむつは、吸収体が前後身頃の胴周り端部にまで達することはなく、胴周り端部を除く残余の部位の厚み寸法が胴周り端部のそれよりも大きい。特に、この収納形態では、おむつの股間部が後身頃の側へ折り曲げられているので、前記部位の厚み寸法が胴周り端部のそれよりも一層大きくなっており、パッケージの上方におけるおむつの厚み寸法とパッケージの下方におけるおむつの厚み寸法との差が大きい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に開示の収納形態では、前後方向へ重なる多数のおむつを一纏めにしたグループの前後方向における厚み寸法がパッケージの上方よりもパッケージの下方において大きく、パッケージの底部における前後方向長さの限度までおむつを詰めたとしても、パッケージの上方においておむつの胴周り端部どうしの間に隙間が生じ、パッケージにおけるおむつの収納効率が悪い。この収納形態では、パッケージの上方に位置するおむつの胴周り端部が容易に折れ曲がるので、多数のパッケージを上下方向へ積み重ねたときの安定性が悪く、積み重ねた状態にあるパッケージが不用意に崩れてしまう場合がある。また、この収納形態では、おむつのグループを上下方向へ重ね合わせた状態でパッケージの内部に収納すると、上方に位置するおむつのグループが下方に位置するおむつの胴周り端部を押し潰し、下方に位置するおむつの胴周り端部に不規則な多数の皺が形成されてしまう場合がある。
【０００５】
本発明の課題は、パッケージにおける使い捨ておむつの収納効率を向上させることができ、パッケージを上下方向へ積み重ねたとしてもそれが不用意に崩れてしまうことがないおむつの収納形態を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の前提は、可撓性を有するシートから形成され、互いに対向する第１、第２側面を含む六面体からなるパッケージの内部に、フラッフパルプを含む吸収体が配置された本体と、吸収体が配置されていない前後身頃の胴周り端部とを含む多数の使い捨ておむつを、前記第１、第２側面間に重ね合わせて収納するおむつの収納形態である。
【０００７】
前記前提における本発明の特徴として、前記パッケージの内部には、前記胴周り端部が前記おむつ本体よりも上方向に位置する第１のおむつと、前記第１のおむつとは逆に前記胴周り端部が前記おむつ本体よりも下方向に位置する第２のおむつとが交互に収納され、前記第１、第２側面間で重ね合わせられた多数の前記おむつから構成されたグループでは、前記第１のおむつの個数と前記第２のおむつの個数とが略同数であって、前記グループが上下方向へ重なっていることにある。
【０００８】
本発明の実施の態様の一例として、前記グループでは、前記第１のおむつの個数に対する前記第２のおむつの個数の差分が０〜±３個である。
【０００９】
本発明の実施の態様の他の一例として、前記パッケージの内部には、少なくとも２つの前記グループが上下方向へ重なり合った状態で収納されている。
【００１０】
本発明の実施の態様の他の一例として、前記パッケージの内部には、少なくとも２つの前記グループが横方向へ並んだ状態で収納されている。
【００１１】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明にかかるおむつの収納形態の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１２】
図１，２は、パッケージ１Ａの部分破断斜視図と、パッケージ１Ａの第３側面６を破断し、おむつ１３を露出させた状態で示すパッケージ１Ａの側面図とであり、図３は、パッケージ１Ａから取り出したおむつ１３の部分破断斜視図である。図１，２では、横方向を矢印Ｘ、前後方向前方を矢印Ｙ１、前後方向後方を矢印Ｙ２で示し、上下方向を矢印Ｚで示す。なお、表面シート１４と裏面シート１５との内面とは、吸液性コア１６（吸収体）に対向する面をいい、それらシート１４，１５の外面とは、コア１６に非対向の面をいう。
【００１３】
この収納形態は、パッケージ１Ａと、パッケージ１Ａの内部に収納されたパンツ型の使い捨ておむつ１３とから形成され、おむつ１３をパッケージ１Ａに効率よく収納するためのパッケージ１Ａの内部におけるおむつ１３の配列を示すものである。この収納形態では、多数のおむつ１３が前後方向へ重なり合った状態でパッケージ１Ａの内部に収納されている。パッケージ１Ａの内部では、それらおむつ１３が前後方向へ圧縮された状態にある。
【００１４】
この収納形態では、図２に示すように、前後方向へ重なる１０個のおむつ１３からグループＧが構成されている。収納形態では、グループＧが上下方向へ２つ重なり、さらに、グループＧが横方向へ２つ並んでおり、合計４つのおむつ１３のグループＧがパッケージ１Ａの内部に収納されている。
【００１５】
パッケージ１Ａは、可撓性を有するシートから形成され、隣接する面が略直角に交差する六面体のものであり、前後方向へ長い略直方体を呈する。パッケージ１Ａは、互いに対向する略矩形の頂面２および底面３と、頂底面２，３の両端縁の間を上下方向へ延びる略矩形の第１および第２側面４，５と、頂底面２，３の両側縁の間を上下方向へ延びる略矩形の第３および第４側面６，７とから形成されている。それら側面４，５，６，７は、頂面２の両端縁と両側縁とから上方へ延びる延出面８を有する。第３および第４側面６，７の延出面８には、パッケージ１Ａの上方へ向かって弧を画く一対の取っ手９が取り付けられている。
【００１６】
第２側面５と第３側面６とが交差するコーナー１０には、上下方向へ延びるミシン目１１が形成されている。パッケージ１Ａでは、図１に仮想線で示すように、ミシン目１１に囲繞された第２側面５と第３側面６との部位１２を破ると、コーナー１０におむつ１３の取り出し口が形成される。
【００１７】
おむつ１３は、図３に示すように、肌当接側に位置する透液性表面シート１４と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート１５と、それらシート１４，１５の間に介在する吸液性コア１６とから形成されている。コア１６は、表面シート１４と裏面シート１５との少なくとも一方の内面に固着されている。
【００１８】
コア１６は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所要の厚みに圧縮されている。ゆえに、コア１６は、その厚み寸法が表面シートや裏面シートのそれよりも大きい。コア１６は、その型崩れやポリマー粒子の脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シートに被覆されていることが好ましい。
【００１９】
おむつ１３は、互いに対向する前身頃１７と後身頃１８とを有する。おむつ１３では、縦方向へ延びる胴周り側部２０が合掌状に重なり合い、胴周り側部２０の側縁近傍が縦方向へ間欠的に並ぶ熱融着線２４を介して固着されている。おむつ１３には、胴周り開口２２とその下方に一対の脚周り開口２３とが形成されている。
【００２０】
おむつ１３では、コア１６の両端部１６ａが前後身頃１７，１８の胴周り端部１９の内側に位置し、コア１６の両側部１６ｂが胴周り側部２０と脚周り側部２１との内側に位置している。おむつ１３では、胴周り端部１９と胴周り側部２０と脚周り側部２１とにコア１６が配置されておらず、胴周り端部１９と胴周り側部２０と脚周り側部２１とを除く残余の部位２５の厚み寸法がそれら部１９，２０，２１の厚み寸法よりも大きい。パッケージ１Ａに収納された個々のおむつ１３は、前身頃１７と後身頃１８とが互いに当接するように畳まれている。
【００２１】
グループＧでは、胴周り端部１９が端部１９を除く残余の部位２５の上方に位置する第１のおむつ１３ａと、胴周り端部１９が部位２５の下方に位置する第２のおむつ１３ｂとが前後方向に交互に重なり合っている。グループＧでは、第１のおむつ１３ａの個数が５個、第２のおむつ１３ｂの個数が５個であり、第１のおむつ１３ａの個数と第２のおむつ１３ｂの個数とが等しい。グループＧでは、前後方向前方から前後方向後方へ向かって、第１のおむつ１３ａの後身頃１８にその直後に位置する第２のおむつ１３ｂの前身頃１８が重なり、さらに、第２のおむつ１３ｂの後身頃１８にその直後に位置する第１のおむつ１３ａの前身頃１７が重なっている。
【００２２】
この収納形態では、グループＧにおいて第１のおむつ１３ａと第２のおむつ１３ｂとが前後方向へ交互に重なり合うとともに、グループＧにおける第１のおむつ１３ａの個数と第２のおむつ１３ｂの個数とが等しいので、それらおむつ１３ａ，１３ｂの部位２５の厚み寸法が胴周り端部１９の厚み寸法より大きくても、グループＧの上方と下方とにおける前後方向の厚み寸法に差が生じることはない。収納形態では、パッケージ１Ａの前後方向長さの限度までおむつ１３を詰めたとしても、グループＧの上方と下方とにおいておむつ１３どうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージ１Ａにおけるおむつ１３の収納効率を向上させることができる。
【００２３】
この収納形態では、グループＧの上方と下方とにおいておむつ１３どうしの間に隙間が生じることがないので、多数のパッケージ１Ａを上下方向に積み重ねたときの安定性が良く、下方に位置するパッケージ１Ａが上方に位置するパッケージ１Ａを確実に支えることができ、重ねられた状態にあるパッケージ１Ａが不用意に崩れてしまうことがない。
【００２４】
この収納形態では、グループＧにおいて第１のおむつ１３ａと第２のおむつ１３ｂとが前後方向へ隙間なく重なっているので、おむつ１３の胴周り端部１９が折れ曲がり難い。ゆえに、この収納形態では、おむつ１３のグループＧを上下方向へ２段に重ねた状態でパッケージ１Ａの内部に収納したとしても、上方に位置するおむつ１３のグループＧが下方に位置するおむつ１３の胴周り端部１９を押し潰してしまうことはなく、不規則な多数の皺がおむつ１３の胴周り端部１９に形成されることを防ぐことができる。
【００２５】
おむつ１３の胴周り端部１９では、コア１６の両端部１６ａから外方へ延びる表裏面シート１４，１５の端部１４ａ，１５ａが重なり合い、端部１４ａ，１５ａにおいてそれらシート１４，１５の内面どうしが固着されている。おむつ１３の胴周り端部１９には、胴周り用弾性部材２６が伸長状態で取り付けられている。胴周り用弾性部材２６は、表面シート１４と裏面シート１５との間に介在し、それらシート１４，１５の端部１４ａ，１５ａ内面に固着されている。
【００２６】
おむつ１３の胴周り側部２０と脚周り側部２１とでは、コア１６の両側部１６ｂから外方へ延びる表裏面シート１４，１５の側部１４ｂ，１５ｂが重なり合い、側部１４ｂ，１５ｂにおいてそれらシート１４，１５の内面どうしが固着されている。おむつ１３の脚周り側部２１には、脚周り用弾性部材２７が伸長状態で取り付けられている。脚周り用弾性部材２７は、表面シート１４と裏面シート１５との間に介在し、それらシート１４，１５の側部１４ｂ，１５ｂ内面に固着されている。
【００２７】
図４，５は、他の収納形態を示すパッケージ１Ｂ，１Ｃの側面図である。図４，５では、パッケージ１Ｂ，１Ｃの第３側面６を破断し、おむつ１３を露出させた状態で示す。それら図では、前後方向前方を矢印Ｙ１、前後方向後方を矢印Ｙ２で示し、上下方向を矢印Ｚで示す。
【００２８】
パッケージ１Ｂ，１Ｃは、図１のそれと同様に、可撓性を有するシートから形成され、隣接する面が略直角に交差する六面体のものであり、前後方向へ長い略直方体を呈する。おむつ１３は、図１のそれと同様のパンツ型の使い捨ておむつ１３であり、胴周り端部１９と胴周り側部２０と脚周り側部２１とを除く残余の部位２５の厚み寸法がそれら部１９，２０，２１の厚み寸法よりも大きい。パッケージ１Ｂ，１Ｃに収納された個々のおむつ１３は、前身頃１７と後身頃１８とが互いに当接するように畳まれている。
【００２９】
図４，５に示す収納形態が図１のそれと異なる点は、以下のとおりである。図４の収納形態では、前後方向へ重なる１１個のおむつ１３から構成された１つのグループＧがパッケージ１Ｂの内部に収納されている。図５の収納形態では、前後方向へ重なる１２個のおむつ１３から構成された１つのグループＧがパッケージ１Ｃの内部に収納されている。それらパッケージ１Ｂ，１Ｃの内部では、それらおむつ１３が前後方向に圧縮された状態にある。
【００３０】
図４では、グループＧが５個の第１のおむつ１３ａと６個の第２のおむつ１３ｂとから構成されている。グループＧでは、パッケージ１Ｂの第１側面４から前後方向中央に向かって第２のおむつ１３ｂが前後方向へ重なり合い、パッケージ１Ｂの前後方向中央から第２側面５に向かって第１のおむつ１３ａが前後方向へ重なり合っている。
【００３１】
第１のおむつ１３ａは、胴周り端部１９が端部１９を除く残余の部位２５の上方に位置している。第２のおむつ１３ｂは、胴周り端部１９が部位２５の下方に位置している。第１のおむつ１３ａどうしは、パッケージ１Ｂの前後方向中央から第２側面５に向かって、おむつ１３ａの後身頃１８にその直後に位置するおむつ１３ａの前身頃１７が重なり、さらに、おむつ１３ａの後身頃１８にその直後に位置するおむつ１３ａの前身頃１７が重なっている。第２のおむつ１３ｂどうしは、パッケージ１Ｂの第１側面３から前後方向中央に向かって、おむつ１３ｂの後身頃１８にその直後に位置するおむつ１３ｂの前身頃１７が重なり、さらに、おむつ１３ｂの後身頃１８にその直後に位置するおむつ１３ｂの前身頃１７が重なっている。
【００３２】
図４の収納形態は、グループＧにおける第２のおむつ１３ｂの個数が第１のおむつ１３ａの個数よりも１つ多い。しかし、この収納形態では、パッケージ１Ｂの頂面２の側におけるグループＧの前後方向の厚み寸法とパッケージ１Ｂの底面３の側におけるグループＧの前後方向の厚み寸法とが略同一になり、パッケージＧの上方と下方とでおむつ１３どうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージＧにおけるおむつ１３の収納効率を向上させることができる。また、この収納形態では、グループＧの上方と下方とにおいておむつ１３どうしの間に隙間が生じることがないので、多数のパッケージ１Ｂを上下方向に積み重ねたときの安定性が良く、重ねられた状態にあるパッケージ１Ｂが不用意に崩れてしまうことがない。
【００３３】
図５では、グループＧが６個の第１のおむつ１３ａと６個の第２のおむつ１３ｂとから構成されている。グループＧでは、第１のおむつ１３ａが前後方向に２個づつ重なり合い、第２のおむつ１３ｂが前後方向に２個づつ重なり合っている。この収納形態では、２個一組の第１のおむつ１３ａと２個一組の第２のおむつ１３ｂとが前後方向へ交互に重なり合っている。
【００３４】
第１のおむつ１３ａは、股間部２８が後身頃１８に延びる裏面シート１５の外面へ向かって折り曲げられており、胴周り端部１９が端部１９を除く残余の部位２５の上方に位置している。第２のおむつ１３ｂは、股間部２８が後身頃１８に延びる裏面シート１５の外面へ向かって折り曲げられており、胴周り端部１９が部位２５の下方に位置している。２個一組の第１のおむつ１３ａどうしは、前方に位置するおむつ１３ａの後身頃１８にその後方に位置するおむつ１３ａの前身頃１８が重なっている。２個一組の第２のおむつ１３ｂどうしは、前方に位置するおむつ１３ｂの前身頃１７にその後方に位置するおむつ１３ｂの後身頃１８が重なっている。第１のおむつ１３ａと第２のおむつ１３ｂとは、第１のおむつ１３ａの後身頃１８と第２のおむつ１３ｂの後身頃１８とが重なっている。
【００３５】
図５の収納形態では、第１のおむつ１３ａの個数と第２のおむつ１３ｂの個数とが等しいので、パッケージ１Ｃの頂面２の側におけるグループＧの前後方向の厚み寸法とパッケージ１Ｃの底面３の側におけるグループＧの前後方向の厚み寸法とに差が生じることはない。この収納形態では、パッケージ１Ｃの上方と下方とでおむつ１３どうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージ１Ｃにおけるおむつ１３の収納効率を向上させることができる。また、この収納形態では、グループＧの上方と下方とにおいておむつ１３どうしの間に隙間が生じることがないので、多数のパッケージ１Ｃを上下方向に積み重ねたときの安定性が良く、重ねられた状態にあるパッケージ１Ｃが不用意に崩れてしまうことがない。
【００３６】
図５の収納形態では、３個以上の第１のおむつ１３ａが一組となるとともに、３個以上の第２のおむつ１３ｂが一組となった状態で、第１のおむつ１３ａの組と第２のおむつ１３ｂの組とが前後方向へ交互に重なり合っていてもよい。図５の収納形態では、おむつ１３の股間部２８が折り曲げられていなくてもよい。
【００３７】
それら収納形態では、グループＧにおける第１のおむつ１３ａの個数に対する第２のおむつ１３ｂの個数の差分が０〜±３個の範囲にあることが好ましい。それら収納形態では、おむつ１３のグループＧが上下方向へ３つ以上重なるとともに、グループＧが横方向へ３つ以上並んだ状態でパッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に収納されていてもよい。また、それら収納形態では、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に収納されるおむつが着用時に前後身頃の胴周り側部を連結するオープン型のものであってもよい。なお、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に収納されるおむつ１３の個数に特に限定はなく、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に１３個以上のおむつ１３が収納されていてもよく、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に９個以下のおむつ１３が収納されていてもよい。
【００３８】
それら収納形態では、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの第１側面４を正面として第１側面４から第２側面５へ向かう方向を前後方向としているが、第３側面６を正面として第３側面６から第４側面７へ向かう方向を前後方向とし、第１側面４から第２側面５へ向かう方向を横方向とすることもできる。この場合は、おむつ１３が第３側面６から第４側面７へ向かって重なり合い、第３側面６と第４側面７との間に重なるおむつ１３からグループＧが構成される。
【００３９】
パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃには、通気不透液性のプラスチックフィルム、通気不透液性の繊維不織布のいずれかを使用することができる。おむつ１３の表面シート１４には、親水性繊維不織布、多数の開孔を有する疎水性繊維不織布、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムのいずれかを使用することができる。おむつ１３の裏面シート１５には、疎水性繊維不織布、通気不透液性のプラスチックフィルム、疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布、疎水性繊維不織布と通気不透液性のプラスチックフィルムとを重ね合わせた複合シートのいずれかを使用することができる。
【００４０】
プラスチックフィルムは、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系の熱可塑性合成樹脂から形成されていることが好ましい。
【００４１】
繊維不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン／ポリプロピレンまたはポリエチレン／ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【００４２】
【発明の効果】
本発明にかかるおむつの収納形態によれば、胴周り端部が端部を除く残余の部位の上方に位置する第１のおむつと、胴周り端部が部位の下方に位置する第２のおむつとがパッケージの内部に収納され、かつ、おむつのグループが前後方向へ重なる略同数の第１のおむつと第２のおむつとから構成されているので、胴周り端部と部位との厚み寸法が異なる多数のおむつをパッケージの前後方向長さの限度まで詰めたとしても、グループの上方と下方とでおむつどうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージにおけるおむつの収納効率を向上させることができる。
【００４３】
この収納形態では、グループの上方と下方とにおいておむつどうしの間に隙間が生じることがないので、多数のパッケージを上下方向に積み重ねたときの安定性が良く、重ねられた状態にあるパッケージが不用意に崩れてしまうことがない。
【００４４】
この収納形態では、第１のおむつと第２のおむつとが前後方向へ隙間なく重なっているので、おむつの胴周り端部が折れ曲がり難く、パッケージの内部においておむつのグループを上下方向へ２つ以上に重ねたとしても、上方に位置するおむつのグループが下方に位置するおむつの胴周り端部を押し潰してしまうことはなく、不規則な多数の皺がおむつの胴周り端部に形成されることを防ぐことができる。
【００４５】
また、この収納形態では、グループにおける第１のおむつと第２のおむつとの個数が異なっていたとしても、第１のおむつの個数に対する第２のおむつの個数の差分が±３個以内にあるので、第１および第２のおむつの個数が等しい場合と同様に、グループの上方と下方とでおむつどうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージにおけるおむつの収納効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 パッケージの部分破断斜視図。
【図２】 おむつを露出させた状態で示すパッケージの側面図。
【図３】 おむつの部分破断斜視図。
【図４】 他の収納形態を示すパッケージの側面図。
【図５】 他の収納形態を示すパッケージの側面図。
【符号の説明】
１Ａ パッケージ
１Ｂ パッケージ
１Ｃ パッケージ
１３ 使い捨ておむつ
１３ａ 第１のおむつ
１３ｂ 第２のおむつ
１６ 吸液性コア（吸収体）
１７ 前身頃
１８ 後身頃
１９ 胴周り端部
２５ 部位
Ｇ グループ
【発明の属する技術分野】
本発明は、パッケージの内部に多数の使い捨ておむつを前後方向へ重ね合わせて収納するおむつの収納形態に関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平２０００−４２０２８号公報は、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸収体が介在するパンツ型の使い捨ておむつを包装材で包装し、隣り合うおむつどうしの前身頃と後身頃とが互いに対向するように、多数のおむつを前後方向へ重ね合わせた状態でパッケージの内部に収納したおむつの収納形態を開示している。この収納形態では、それらおむつの股間部が後身頃の外面へ向かって折り曲げられている。パッケージの内部では、それらおむつの前後身頃の胴周り端部がパッケージの上方に位置し、胴周り端部を除くおむつの残余の部位が胴周り端部の下方に位置している。
【０００３】
一般に使い捨ておむつは、吸収体が前後身頃の胴周り端部にまで達することはなく、胴周り端部を除く残余の部位の厚み寸法が胴周り端部のそれよりも大きい。特に、この収納形態では、おむつの股間部が後身頃の側へ折り曲げられているので、前記部位の厚み寸法が胴周り端部のそれよりも一層大きくなっており、パッケージの上方におけるおむつの厚み寸法とパッケージの下方におけるおむつの厚み寸法との差が大きい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に開示の収納形態では、前後方向へ重なる多数のおむつを一纏めにしたグループの前後方向における厚み寸法がパッケージの上方よりもパッケージの下方において大きく、パッケージの底部における前後方向長さの限度までおむつを詰めたとしても、パッケージの上方においておむつの胴周り端部どうしの間に隙間が生じ、パッケージにおけるおむつの収納効率が悪い。この収納形態では、パッケージの上方に位置するおむつの胴周り端部が容易に折れ曲がるので、多数のパッケージを上下方向へ積み重ねたときの安定性が悪く、積み重ねた状態にあるパッケージが不用意に崩れてしまう場合がある。また、この収納形態では、おむつのグループを上下方向へ重ね合わせた状態でパッケージの内部に収納すると、上方に位置するおむつのグループが下方に位置するおむつの胴周り端部を押し潰し、下方に位置するおむつの胴周り端部に不規則な多数の皺が形成されてしまう場合がある。
【０００５】
本発明の課題は、パッケージにおける使い捨ておむつの収納効率を向上させることができ、パッケージを上下方向へ積み重ねたとしてもそれが不用意に崩れてしまうことがないおむつの収納形態を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の前提は、可撓性を有するシートから形成され、互いに対向する第１、第２側面を含む六面体からなるパッケージの内部に、フラッフパルプを含む吸収体が配置された本体と、吸収体が配置されていない前後身頃の胴周り端部とを含む多数の使い捨ておむつを、前記第１、第２側面間に重ね合わせて収納するおむつの収納形態である。
【０００７】
前記前提における本発明の特徴として、前記パッケージの内部には、前記胴周り端部が前記おむつ本体よりも上方向に位置する第１のおむつと、前記第１のおむつとは逆に前記胴周り端部が前記おむつ本体よりも下方向に位置する第２のおむつとが交互に収納され、前記第１、第２側面間で重ね合わせられた多数の前記おむつから構成されたグループでは、前記第１のおむつの個数と前記第２のおむつの個数とが略同数であって、前記グループが上下方向へ重なっていることにある。
【０００８】
本発明の実施の態様の一例として、前記グループでは、前記第１のおむつの個数に対する前記第２のおむつの個数の差分が０〜±３個である。
【０００９】
本発明の実施の態様の他の一例として、前記パッケージの内部には、少なくとも２つの前記グループが上下方向へ重なり合った状態で収納されている。
【００１０】
本発明の実施の態様の他の一例として、前記パッケージの内部には、少なくとも２つの前記グループが横方向へ並んだ状態で収納されている。
【００１１】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明にかかるおむつの収納形態の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１２】
図１，２は、パッケージ１Ａの部分破断斜視図と、パッケージ１Ａの第３側面６を破断し、おむつ１３を露出させた状態で示すパッケージ１Ａの側面図とであり、図３は、パッケージ１Ａから取り出したおむつ１３の部分破断斜視図である。図１，２では、横方向を矢印Ｘ、前後方向前方を矢印Ｙ１、前後方向後方を矢印Ｙ２で示し、上下方向を矢印Ｚで示す。なお、表面シート１４と裏面シート１５との内面とは、吸液性コア１６（吸収体）に対向する面をいい、それらシート１４，１５の外面とは、コア１６に非対向の面をいう。
【００１３】
この収納形態は、パッケージ１Ａと、パッケージ１Ａの内部に収納されたパンツ型の使い捨ておむつ１３とから形成され、おむつ１３をパッケージ１Ａに効率よく収納するためのパッケージ１Ａの内部におけるおむつ１３の配列を示すものである。この収納形態では、多数のおむつ１３が前後方向へ重なり合った状態でパッケージ１Ａの内部に収納されている。パッケージ１Ａの内部では、それらおむつ１３が前後方向へ圧縮された状態にある。
【００１４】
この収納形態では、図２に示すように、前後方向へ重なる１０個のおむつ１３からグループＧが構成されている。収納形態では、グループＧが上下方向へ２つ重なり、さらに、グループＧが横方向へ２つ並んでおり、合計４つのおむつ１３のグループＧがパッケージ１Ａの内部に収納されている。
【００１５】
パッケージ１Ａは、可撓性を有するシートから形成され、隣接する面が略直角に交差する六面体のものであり、前後方向へ長い略直方体を呈する。パッケージ１Ａは、互いに対向する略矩形の頂面２および底面３と、頂底面２，３の両端縁の間を上下方向へ延びる略矩形の第１および第２側面４，５と、頂底面２，３の両側縁の間を上下方向へ延びる略矩形の第３および第４側面６，７とから形成されている。それら側面４，５，６，７は、頂面２の両端縁と両側縁とから上方へ延びる延出面８を有する。第３および第４側面６，７の延出面８には、パッケージ１Ａの上方へ向かって弧を画く一対の取っ手９が取り付けられている。
【００１６】
第２側面５と第３側面６とが交差するコーナー１０には、上下方向へ延びるミシン目１１が形成されている。パッケージ１Ａでは、図１に仮想線で示すように、ミシン目１１に囲繞された第２側面５と第３側面６との部位１２を破ると、コーナー１０におむつ１３の取り出し口が形成される。
【００１７】
おむつ１３は、図３に示すように、肌当接側に位置する透液性表面シート１４と、肌非当接側に位置する不透液性裏面シート１５と、それらシート１４，１５の間に介在する吸液性コア１６とから形成されている。コア１６は、表面シート１４と裏面シート１５との少なくとも一方の内面に固着されている。
【００１８】
コア１６は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物、または、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子と熱可塑性合成樹脂繊維との混合物であり、所要の厚みに圧縮されている。ゆえに、コア１６は、その厚み寸法が表面シートや裏面シートのそれよりも大きい。コア１６は、その型崩れやポリマー粒子の脱落を防止するため、全体がティッシュペーパーや親水性繊維不織布等の透液性シートに被覆されていることが好ましい。
【００１９】
おむつ１３は、互いに対向する前身頃１７と後身頃１８とを有する。おむつ１３では、縦方向へ延びる胴周り側部２０が合掌状に重なり合い、胴周り側部２０の側縁近傍が縦方向へ間欠的に並ぶ熱融着線２４を介して固着されている。おむつ１３には、胴周り開口２２とその下方に一対の脚周り開口２３とが形成されている。
【００２０】
おむつ１３では、コア１６の両端部１６ａが前後身頃１７，１８の胴周り端部１９の内側に位置し、コア１６の両側部１６ｂが胴周り側部２０と脚周り側部２１との内側に位置している。おむつ１３では、胴周り端部１９と胴周り側部２０と脚周り側部２１とにコア１６が配置されておらず、胴周り端部１９と胴周り側部２０と脚周り側部２１とを除く残余の部位２５の厚み寸法がそれら部１９，２０，２１の厚み寸法よりも大きい。パッケージ１Ａに収納された個々のおむつ１３は、前身頃１７と後身頃１８とが互いに当接するように畳まれている。
【００２１】
グループＧでは、胴周り端部１９が端部１９を除く残余の部位２５の上方に位置する第１のおむつ１３ａと、胴周り端部１９が部位２５の下方に位置する第２のおむつ１３ｂとが前後方向に交互に重なり合っている。グループＧでは、第１のおむつ１３ａの個数が５個、第２のおむつ１３ｂの個数が５個であり、第１のおむつ１３ａの個数と第２のおむつ１３ｂの個数とが等しい。グループＧでは、前後方向前方から前後方向後方へ向かって、第１のおむつ１３ａの後身頃１８にその直後に位置する第２のおむつ１３ｂの前身頃１８が重なり、さらに、第２のおむつ１３ｂの後身頃１８にその直後に位置する第１のおむつ１３ａの前身頃１７が重なっている。
【００２２】
この収納形態では、グループＧにおいて第１のおむつ１３ａと第２のおむつ１３ｂとが前後方向へ交互に重なり合うとともに、グループＧにおける第１のおむつ１３ａの個数と第２のおむつ１３ｂの個数とが等しいので、それらおむつ１３ａ，１３ｂの部位２５の厚み寸法が胴周り端部１９の厚み寸法より大きくても、グループＧの上方と下方とにおける前後方向の厚み寸法に差が生じることはない。収納形態では、パッケージ１Ａの前後方向長さの限度までおむつ１３を詰めたとしても、グループＧの上方と下方とにおいておむつ１３どうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージ１Ａにおけるおむつ１３の収納効率を向上させることができる。
【００２３】
この収納形態では、グループＧの上方と下方とにおいておむつ１３どうしの間に隙間が生じることがないので、多数のパッケージ１Ａを上下方向に積み重ねたときの安定性が良く、下方に位置するパッケージ１Ａが上方に位置するパッケージ１Ａを確実に支えることができ、重ねられた状態にあるパッケージ１Ａが不用意に崩れてしまうことがない。
【００２４】
この収納形態では、グループＧにおいて第１のおむつ１３ａと第２のおむつ１３ｂとが前後方向へ隙間なく重なっているので、おむつ１３の胴周り端部１９が折れ曲がり難い。ゆえに、この収納形態では、おむつ１３のグループＧを上下方向へ２段に重ねた状態でパッケージ１Ａの内部に収納したとしても、上方に位置するおむつ１３のグループＧが下方に位置するおむつ１３の胴周り端部１９を押し潰してしまうことはなく、不規則な多数の皺がおむつ１３の胴周り端部１９に形成されることを防ぐことができる。
【００２５】
おむつ１３の胴周り端部１９では、コア１６の両端部１６ａから外方へ延びる表裏面シート１４，１５の端部１４ａ，１５ａが重なり合い、端部１４ａ，１５ａにおいてそれらシート１４，１５の内面どうしが固着されている。おむつ１３の胴周り端部１９には、胴周り用弾性部材２６が伸長状態で取り付けられている。胴周り用弾性部材２６は、表面シート１４と裏面シート１５との間に介在し、それらシート１４，１５の端部１４ａ，１５ａ内面に固着されている。
【００２６】
おむつ１３の胴周り側部２０と脚周り側部２１とでは、コア１６の両側部１６ｂから外方へ延びる表裏面シート１４，１５の側部１４ｂ，１５ｂが重なり合い、側部１４ｂ，１５ｂにおいてそれらシート１４，１５の内面どうしが固着されている。おむつ１３の脚周り側部２１には、脚周り用弾性部材２７が伸長状態で取り付けられている。脚周り用弾性部材２７は、表面シート１４と裏面シート１５との間に介在し、それらシート１４，１５の側部１４ｂ，１５ｂ内面に固着されている。
【００２７】
図４，５は、他の収納形態を示すパッケージ１Ｂ，１Ｃの側面図である。図４，５では、パッケージ１Ｂ，１Ｃの第３側面６を破断し、おむつ１３を露出させた状態で示す。それら図では、前後方向前方を矢印Ｙ１、前後方向後方を矢印Ｙ２で示し、上下方向を矢印Ｚで示す。
【００２８】
パッケージ１Ｂ，１Ｃは、図１のそれと同様に、可撓性を有するシートから形成され、隣接する面が略直角に交差する六面体のものであり、前後方向へ長い略直方体を呈する。おむつ１３は、図１のそれと同様のパンツ型の使い捨ておむつ１３であり、胴周り端部１９と胴周り側部２０と脚周り側部２１とを除く残余の部位２５の厚み寸法がそれら部１９，２０，２１の厚み寸法よりも大きい。パッケージ１Ｂ，１Ｃに収納された個々のおむつ１３は、前身頃１７と後身頃１８とが互いに当接するように畳まれている。
【００２９】
図４，５に示す収納形態が図１のそれと異なる点は、以下のとおりである。図４の収納形態では、前後方向へ重なる１１個のおむつ１３から構成された１つのグループＧがパッケージ１Ｂの内部に収納されている。図５の収納形態では、前後方向へ重なる１２個のおむつ１３から構成された１つのグループＧがパッケージ１Ｃの内部に収納されている。それらパッケージ１Ｂ，１Ｃの内部では、それらおむつ１３が前後方向に圧縮された状態にある。
【００３０】
図４では、グループＧが５個の第１のおむつ１３ａと６個の第２のおむつ１３ｂとから構成されている。グループＧでは、パッケージ１Ｂの第１側面４から前後方向中央に向かって第２のおむつ１３ｂが前後方向へ重なり合い、パッケージ１Ｂの前後方向中央から第２側面５に向かって第１のおむつ１３ａが前後方向へ重なり合っている。
【００３１】
第１のおむつ１３ａは、胴周り端部１９が端部１９を除く残余の部位２５の上方に位置している。第２のおむつ１３ｂは、胴周り端部１９が部位２５の下方に位置している。第１のおむつ１３ａどうしは、パッケージ１Ｂの前後方向中央から第２側面５に向かって、おむつ１３ａの後身頃１８にその直後に位置するおむつ１３ａの前身頃１７が重なり、さらに、おむつ１３ａの後身頃１８にその直後に位置するおむつ１３ａの前身頃１７が重なっている。第２のおむつ１３ｂどうしは、パッケージ１Ｂの第１側面３から前後方向中央に向かって、おむつ１３ｂの後身頃１８にその直後に位置するおむつ１３ｂの前身頃１７が重なり、さらに、おむつ１３ｂの後身頃１８にその直後に位置するおむつ１３ｂの前身頃１７が重なっている。
【００３２】
図４の収納形態は、グループＧにおける第２のおむつ１３ｂの個数が第１のおむつ１３ａの個数よりも１つ多い。しかし、この収納形態では、パッケージ１Ｂの頂面２の側におけるグループＧの前後方向の厚み寸法とパッケージ１Ｂの底面３の側におけるグループＧの前後方向の厚み寸法とが略同一になり、パッケージＧの上方と下方とでおむつ１３どうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージＧにおけるおむつ１３の収納効率を向上させることができる。また、この収納形態では、グループＧの上方と下方とにおいておむつ１３どうしの間に隙間が生じることがないので、多数のパッケージ１Ｂを上下方向に積み重ねたときの安定性が良く、重ねられた状態にあるパッケージ１Ｂが不用意に崩れてしまうことがない。
【００３３】
図５では、グループＧが６個の第１のおむつ１３ａと６個の第２のおむつ１３ｂとから構成されている。グループＧでは、第１のおむつ１３ａが前後方向に２個づつ重なり合い、第２のおむつ１３ｂが前後方向に２個づつ重なり合っている。この収納形態では、２個一組の第１のおむつ１３ａと２個一組の第２のおむつ１３ｂとが前後方向へ交互に重なり合っている。
【００３４】
第１のおむつ１３ａは、股間部２８が後身頃１８に延びる裏面シート１５の外面へ向かって折り曲げられており、胴周り端部１９が端部１９を除く残余の部位２５の上方に位置している。第２のおむつ１３ｂは、股間部２８が後身頃１８に延びる裏面シート１５の外面へ向かって折り曲げられており、胴周り端部１９が部位２５の下方に位置している。２個一組の第１のおむつ１３ａどうしは、前方に位置するおむつ１３ａの後身頃１８にその後方に位置するおむつ１３ａの前身頃１８が重なっている。２個一組の第２のおむつ１３ｂどうしは、前方に位置するおむつ１３ｂの前身頃１７にその後方に位置するおむつ１３ｂの後身頃１８が重なっている。第１のおむつ１３ａと第２のおむつ１３ｂとは、第１のおむつ１３ａの後身頃１８と第２のおむつ１３ｂの後身頃１８とが重なっている。
【００３５】
図５の収納形態では、第１のおむつ１３ａの個数と第２のおむつ１３ｂの個数とが等しいので、パッケージ１Ｃの頂面２の側におけるグループＧの前後方向の厚み寸法とパッケージ１Ｃの底面３の側におけるグループＧの前後方向の厚み寸法とに差が生じることはない。この収納形態では、パッケージ１Ｃの上方と下方とでおむつ１３どうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージ１Ｃにおけるおむつ１３の収納効率を向上させることができる。また、この収納形態では、グループＧの上方と下方とにおいておむつ１３どうしの間に隙間が生じることがないので、多数のパッケージ１Ｃを上下方向に積み重ねたときの安定性が良く、重ねられた状態にあるパッケージ１Ｃが不用意に崩れてしまうことがない。
【００３６】
図５の収納形態では、３個以上の第１のおむつ１３ａが一組となるとともに、３個以上の第２のおむつ１３ｂが一組となった状態で、第１のおむつ１３ａの組と第２のおむつ１３ｂの組とが前後方向へ交互に重なり合っていてもよい。図５の収納形態では、おむつ１３の股間部２８が折り曲げられていなくてもよい。
【００３７】
それら収納形態では、グループＧにおける第１のおむつ１３ａの個数に対する第２のおむつ１３ｂの個数の差分が０〜±３個の範囲にあることが好ましい。それら収納形態では、おむつ１３のグループＧが上下方向へ３つ以上重なるとともに、グループＧが横方向へ３つ以上並んだ状態でパッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に収納されていてもよい。また、それら収納形態では、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に収納されるおむつが着用時に前後身頃の胴周り側部を連結するオープン型のものであってもよい。なお、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に収納されるおむつ１３の個数に特に限定はなく、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に１３個以上のおむつ１３が収納されていてもよく、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの内部に９個以下のおむつ１３が収納されていてもよい。
【００３８】
それら収納形態では、パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃの第１側面４を正面として第１側面４から第２側面５へ向かう方向を前後方向としているが、第３側面６を正面として第３側面６から第４側面７へ向かう方向を前後方向とし、第１側面４から第２側面５へ向かう方向を横方向とすることもできる。この場合は、おむつ１３が第３側面６から第４側面７へ向かって重なり合い、第３側面６と第４側面７との間に重なるおむつ１３からグループＧが構成される。
【００３９】
パッケージ１Ａ，１Ｂ，１Ｃには、通気不透液性のプラスチックフィルム、通気不透液性の繊維不織布のいずれかを使用することができる。おむつ１３の表面シート１４には、親水性繊維不織布、多数の開孔を有する疎水性繊維不織布、微細な多数の開孔を有するプラスチックフィルムのいずれかを使用することができる。おむつ１３の裏面シート１５には、疎水性繊維不織布、通気不透液性のプラスチックフィルム、疎水性繊維不織布を重ね合わせた複合不織布、疎水性繊維不織布と通気不透液性のプラスチックフィルムとを重ね合わせた複合シートのいずれかを使用することができる。
【００４０】
プラスチックフィルムは、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系の熱可塑性合成樹脂から形成されていることが好ましい。
【００４１】
繊維不織布としては、スパンレース、ニードルパンチ、メルトブローン、サーマルボンド、スパンポンド、ケミカルボンド、エアースルー、の各製法により製造されたものを使用することができる。不織布の構成繊維としては、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、の各繊維、ポリエチレン／ポリプロピレンまたはポリエチレン／ポリエステルからなる芯鞘型複合繊維または並列型複合繊維を使用することができる。
【００４２】
【発明の効果】
本発明にかかるおむつの収納形態によれば、胴周り端部が端部を除く残余の部位の上方に位置する第１のおむつと、胴周り端部が部位の下方に位置する第２のおむつとがパッケージの内部に収納され、かつ、おむつのグループが前後方向へ重なる略同数の第１のおむつと第２のおむつとから構成されているので、胴周り端部と部位との厚み寸法が異なる多数のおむつをパッケージの前後方向長さの限度まで詰めたとしても、グループの上方と下方とでおむつどうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージにおけるおむつの収納効率を向上させることができる。
【００４３】
この収納形態では、グループの上方と下方とにおいておむつどうしの間に隙間が生じることがないので、多数のパッケージを上下方向に積み重ねたときの安定性が良く、重ねられた状態にあるパッケージが不用意に崩れてしまうことがない。
【００４４】
この収納形態では、第１のおむつと第２のおむつとが前後方向へ隙間なく重なっているので、おむつの胴周り端部が折れ曲がり難く、パッケージの内部においておむつのグループを上下方向へ２つ以上に重ねたとしても、上方に位置するおむつのグループが下方に位置するおむつの胴周り端部を押し潰してしまうことはなく、不規則な多数の皺がおむつの胴周り端部に形成されることを防ぐことができる。
【００４５】
また、この収納形態では、グループにおける第１のおむつと第２のおむつとの個数が異なっていたとしても、第１のおむつの個数に対する第２のおむつの個数の差分が±３個以内にあるので、第１および第２のおむつの個数が等しい場合と同様に、グループの上方と下方とでおむつどうしの間に隙間が生じることはなく、パッケージにおけるおむつの収納効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 パッケージの部分破断斜視図。
【図２】 おむつを露出させた状態で示すパッケージの側面図。
【図３】 おむつの部分破断斜視図。
【図４】 他の収納形態を示すパッケージの側面図。
【図５】 他の収納形態を示すパッケージの側面図。
【符号の説明】
１Ａ パッケージ
１Ｂ パッケージ
１Ｃ パッケージ
１３ 使い捨ておむつ
１３ａ 第１のおむつ
１３ｂ 第２のおむつ
１６ 吸液性コア（吸収体）
１７ 前身頃
１８ 後身頃
１９ 胴周り端部
２５ 部位
Ｇ グループ
Claims (4)
- 可撓性を有するシートから形成され、互いに対向する第１、第２側面を含む六面体からなるパッケージの内部に、フラッフパルプを含む吸収体が配置された本体と、吸収体が配置されていない前後身頃の胴周り端部とを含む多数の使い捨ておむつを、前記第１、第２側面間に重ね合わせて収納するおむつの収納形態において、
前記パッケージの内部には、前記胴周り端部が前記おむつ本体よりも上方向に位置する第１のおむつと、前記第１のおむつとは逆に前記胴周り端部が前記おむつ本体よりも下方向に位置する第２のおむつとが交互に収納され、前記第１、第２側面間で重ね合わせられた多数の前記おむつから構成されたグループでは、前記第１のおむつの個数と前記第２のおむつの個数とが略同数であって、前記グループが上下方向へ重なっていることを特徴とする前記収納形態。 - 前記グループでは、前記第１のおむつの個数に対する前記第２のおむつの個数の差分が０〜±３個である請求項１記載の収納形態。
- 前記パッケージの内部には、少なくとも２つの前記グループが上下方向へ重なり合った状態で収納されている請求項１または請求項２に記載の収納形態。
- 前記パッケージの内部には、少なくとも２つの前記グループが横方向へ並んだ状態で収納されている請求項１ないし請求項３いずれかに記載の収納形態。
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