JP3813683B2

JP3813683B2 - Intaglio for printing

Info

Publication number: JP3813683B2
Application number: JP04097297A
Authority: JP
Inventors: 武彦松山; 康彦近藤; 正典吉田
Original assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date: 1997-02-25
Filing date: 1997-02-25
Publication date: 2006-08-23
Anticipated expiration: 2017-02-25
Also published as: JPH10236009A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷用凹版に関し、より詳しくは、液晶ディスプレイ用カラーフィルタ、高密度の電子回路基板等の製造に適した印刷用凹版に関する。
【０００２】
【従来の技術】
上記カラーフィルタや電子回路基板等においては、線幅が１０〜１５０μｍ程度の微細なパターンを極めて高い精度でもって形成する必要がある。そこで従来より、その製造にはフォトリソ法が用いられてきたが、製造コストが高いという問題があるため、近年、工程が簡単で量産性を有する印刷法を用いることによって低コスト化が試みられている。
【０００３】
印刷法にて微細パターンを高い精度で形成するには、印刷形状が優れていること、すなわちパターンの線幅や厚さを忠実に再現することや、パターンのエッジの形状がシャープであることなどが要求される。
凹版オフセット印刷法は、種々の印刷法の中でも、微細パターンを高い精度で形成するという用途に最も適した印刷法であって、とりわけ表面ゴム層がシリコーンゴムからなるブランケットを用いた場合には、ブランケットから被印刷物へのインキの転移が極めて優れており、印刷形状が良好なものとなることが知られている。
【０００４】
しかしながら、凹版オフセット印刷法に用いられる凹版が通常ガラス製または金属製であって、インキの離型性が低いものであるために、凹版凹部のインキがブランケットに完全に転移されず、その一部が凹部の内部に残存する現象（パイリング）が生じてしまう。
その結果、例えばカラーフィルタの製造において、レッド(R) 、グリーン(G) およびブルー(B) からなるカラーフィルタ層を形成する場合には大きな影響は生じないものの、カラーフィルタ層よりもパターンの線幅が細く、より高い精度が要求されるブラックマトリックス層を形成する場合には、パイリングの発生によって線幅や厚さが不均一になったり、パターンのエッジが丸くなるなど、印刷形状に劣化が生じ、ひいては、コントラストの低下や色ムラの発生など、液晶ディスプレイの画像品質に悪影響を及ぼすという問題が生じる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、特開平５−１３９０６５号公報では、パイリングを抑制することを目的として、凹版凹部の表面にシリコーンゴムを被覆してインキ離型性を高めた印刷用凹版が開示されている。しかしながら、シリコーンゴムはインキの溶剤で膨潤するという問題があるため、凹版との接着性や、シリコーンゴム自体の機械的強度が低下してしまい、長期にわたってパイリングを抑制することができない。
【０００６】
また、上記公報には、凹版凹部にホットメルト系接着剤の層を形成した上で印刷する方法が開示されており、この方法によれば凹版からブランケットへのインキが転移されやすくなるものの、印刷工程が極めて複雑になるため実用的ではない。
特開平２−１３５３４８号公報では、インキ離型性を高めるために、表面にポリテトラフロロエチレン樹脂（四フッ化エチレン樹脂）の塗膜を形成した印刷用凹版が開示されている。しかしながら、当該塗膜はプラズマＣＶＤ法にて形成されるものであって、コストがかかるといった問題があり、その他にも、形成される塗膜の厚さが通常０．０５μｍ程度と極めて薄く、塗膜強度が弱いことから、インキ離型性が長期間持続せず、印刷を繰り返すとインキ離型性が低下するといった問題もある。
【０００７】
一方、本発明者らは、凹版のインキ離型性を向上させるには凹版表面に撥水処理を施すのが好ましく、その撥水処理にはシリコーン系の材料を用いるのが最も有効であることを見出した。
しかし、シリコーン系材料のなかでも特にインキの離型性に優れているシリコーンゴムを用いても、前述のように、凹版との接着性や機械的強度が経時的に低下するという問題がある。また、ジメチルシリコーンオイルを凹版表面に塗布して加熱すると、凹版表面に撥水性の高い塗膜が形成されるものの、塗膜の耐久性が低いために、印刷を繰り返すとインキ離型性が大きく低下するという問題が生じる。
【０００８】
そこで本発明の目的は、インキの離型性が高く、かつ印刷を繰り返してもインキの離型性が低下することのない印刷用凹版を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、種々のシリコーン系材料について研究を重ねた結果、ガラス基板の表面を特定のオルガノクロロシランで処理したときは、インキの離型性が高く、かつ印刷を繰り返してもインキの離型性が低下することのない印刷用凹版が得られるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【００１０】
すなわち、本発明の印刷用凹版は、ガラスからなり、その表面が、下記一般式（１）〜（６）のいずれかで示されるオルガノクロロシランで処理されていることを特徴とする。
ＲＳｉＨ _２Ｘ（１）
ＲＳｉＨＸ _２（２ )
ＲＳｉＸ _３（３）
Ｒ _２ＳｉＨＸ（４）
Ｒ _２ＳｉＸ _２（５）
Ｒ _３ＳｉＸ（６）
（式（１）〜（６）中、Ｘは塩素原子を示し、Ｒはアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。）
本発明の印刷用凹版おいて、ガラス基板の表面の処理は、上記一般式（１）〜（６）のいずれかで示されるオルガノクロロシランを塗布すること、または上記一般式（１）〜（６）のいずれかで示されるオルガノクロロシランを塗布して、加熱することによって行われる。
上記一般式（１）〜（６）のいずれかで示されるオルガノクロロシランをガラス基板の表面に塗布すると、当該オルガノクロロシランとガラスとが常温で速やかに反応して、式：−Ｓｉ−Ｏ−Ｓｉ−で表される強固な結合を形成すると考えられる。こうして処理された基板の表面は撥水性が高く、インキの離型性が優れているとともに、耐久性にも優れている。その結果、優れたインキの転移性を長期にわたって維持することができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷用凹版について詳細に説明する。
本発明の印刷用凹版は、前述のように、ガラス製の基板の表面が下記一般式（１）〜（６）のいずれかで示されるオルガノクロロシランで処理されたものであって、より詳しくは、凹部内部の表面（内表面）を含むガラス基板の表面全体が、下記一般式（１）〜（６）のいずれかで示されるオルガノクロロシランで処理されたものである。
【００１３】
オルガノクロロシランは、下記一般式（１）〜（６）で示されるものが挙げられる。
ＲＳｉＨ_２Ｘ（１）
ＲＳｉＨＸ_２（２）
ＲＳｉＸ_３（３）
Ｒ_２ＳｉＨＸ（４）
Ｒ_２ＳｉＸ_２（５）
Ｒ_３ＳｉＸ（６）
（式中、Ｘは塩素原子を示し、Ｒはアルキル基、アリール基またはアラルキル基を示す。）
【００１４】
Ｒに相当するアルキル基としては、例えばメチル、エチル、ｎ−プロピル、ｉ−プロピル、ｎ−ブチル、ｔ−ブチル、ｎ−ペンチル、ｎ−ヘキシル等の炭素数１〜６の基があげられる。アリール基としては、例えばフェニル、ナフチル等の基があげられる。アラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル等の基があげられる。
【００１５】
本発明においては、沸点が常温（２０℃）以上であれば、上記例示のいずれのオルガノクロロシランも使用可能である。また、上記一般式（１）〜（６）の中では、水素原子を有しない一般式（３），（５）または（６）のオルガノクロロシランを用いるのが好ましい。
【００１６】
上記例示のオルガノクロロシランの中で、最も好適に用いられるものとしては、ジクロロジメチルシランとトリクロロメチルシランとがあげられる。特に、ジクロロジメチルシランを用いた場合は、凹版の表面にメチル基が２つ配置されることになるため、より優れた撥水性を示す。
本発明におけるガラス基板としては、例えばソーダライムガラス、ノンアルカリガラス、石英ガラス、低アルカリガラス、低膨張ガラス等が使用可能である。なかでも、ソーダライムガラス等の軟質ガラスは、微細なパターンを高精度で再現できることから好適に用いられる。
【００１７】
ガラス基板の表面に形成される凹部の深さは特に限定されないが、被印刷物上に形成されるインキ層の厚さに応じて、通常２〜１０μｍ、好ましくは３〜６μｍの範囲で設定される。凹部のパターンは、所望の印刷画像に応じて適宜設定すればよく、例えばストライプパターン、ドットパターン等があげられる。また、パターンの線幅も所望の印刷画像に応じて適宜設定すればよいが、通常、１０〜１００μｍの範囲で設定される。
【００１８】
次に、本発明にかかる印刷用凹版の製造方法について説明する。
本発明の印刷用凹版は、表面に凹部が形成されたガラス基板の表面に、上記一般式（１）〜（６）のいずれかで示されるオルガノクロロシランを塗布して、常温で乾燥させるか、あるいは加熱することによって得られる。
上記オルガノクロロシランの塗布方法としては、例えばディッピング、スピンコータ、バーコータ等による塗布があげられるが、上記オルガノクロロシランは空気中の水分とも反応するため、短時間で塗布することのできるバーコータによる塗布（バーコート法）を用いるのが好ましい。
【００１９】
前記例示のオルガノクロロシランはガラス表面と常温で速やかに反応するため、塗布後に加熱処理を行う必要はないが、加熱処理を行ったときには、表面処理による効果が印刷を繰り返しても低減しにくくなるために好ましい。
この加熱処理は、１５０〜３５０℃、好ましくは２００〜３００℃の温度範囲で、０．１〜２時間、好ましくは０．５〜１時間行うのが適当である。加熱処理の温度が前記範囲を超えると、凹版自体に割れ、歪みが生じる等の悪影響が生じるおそれがある。
【００２０】
本発明の印刷用凹版において、上記一般式（１）〜（６）のいずれかで示されるオルガノクロロシランの塗布量は、ガラス基板の表面１００ｃｍ^２当たり０．５〜２ｍｌであるのが適当である。上記オルガノクロロシランは反応性が高いため、塗布量が前記範囲を超えたときには、余分なオルガノクロロシランを除去するのが困難になるといった問題が生じるおそれがある。一方、塗布量が前記範囲を下回ると、インキ離型性を高めるという本発明の効果が得られなくなるおそれがある。
【００２１】
次に、本発明の印刷用凹版の使用方法について説明する。
本発明の印刷用凹版は、前述のように、インキ離型性を高めることにより、インキが凹版からブランケットへ転移されやすくすること、すなわち凹版からブランケットへのインキの転移性を向上させることを目的としてものであって、ひいては、微細パターンからなる所望の印刷画像を高い精度でもって被印刷物の表面に再現することを目的としている。
【００２２】
このため、本発明の印刷用凹版を用いて凹版オフセット印刷を行う場合には、ブランケットとして、凹版からのインキの受理性に優れ、かつブランケットから被印刷物へのインキの転移性も優れたものを使用するのが、微細パターンを高い精度で再現するという観点から好ましい。
かかるブランケットとしては、例えば表面ゴム層がシリコーンゴムからなるものが好適に用いられる。このシリコーンゴムとしては、ミラブル型、室温硬化（ＲＴＶ）型、電子線硬化型等の種々のシリコーンゴムが使用可能である。
【００２３】
このシリコーンゴムからなる表面ゴム層は、表面が平滑であるのが好ましく、具体的には、表面粗さが１０点平均粗さで０．５μｍ以下であるのが好ましく、より好ましくは０．３μｍ以下である。また、シリコーンゴムの硬度（ＪＩＳＡ）で２０〜８０度であるのが好ましく、より好ましくは４０〜６０度である。シリコーンゴムの硬度を調整するために、シリコーンオイルやシリコーンゲル等を適宜配合してもよい。
【００２４】
上記ブランケットの支持体としては、表面が平坦なものであれば、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリエーテルスルホン（ＰＥＳ）、ポリエステル、ポリカーボネート（ＰＣ）等のプラスチックやアルミニウム、ステンレス等の金属板等を使用することができる。
上記ブランケットは、表面ゴム層と支持体との間に、または支持体の裏面に多孔質の発泡層を設けてもよい。発泡層の厚さや発泡倍率等については、ブランケットの印刷適性を考慮して適宜設定すればよい。
【００２５】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を説明する。
（印刷用凹版の製造）
実施例１
ガラス基板には、表面に深さ４μｍ、線幅５０μｍのストライプパターンからなる凹部が形成されたソーダライムガラス製のものを用いた。
【００２６】
このガラス基板の表面に、ジクロロジメチルシラン（信越化学工業（株）製のＫＡ−２２）をバーコート法にて塗布した。この塗布においては、３００ｍｍ×３７０ｍｍの範囲でのパターンに対してジクロロメチルシランを約１ｍｌ使用し、余分なジクロロジメチルシランは除去した。
塗布後、ガラス基板を室温で放置することにより、ジクロロジメチルシランと基板表面とを反応させて印刷用凹版を得た。この印刷用凹版には、基板の表面と凹部の内表面とのいずれにおいても、均一に処理が施されていた。
【００２７】
実施例２
実施例１と同様にして、ガラス基板の表面にジクロロジメチルシラン（前出）をディップコート法にて塗布した後、ガラス基板を２９０℃で０．５時間加熱して印刷用凹版を得た。
実施例３
ジクロロジメチルシランに代えてトリクロロメチルシラン（同社製のＫＡ−１３）を用いたほかは、実施例１と同様にして印刷用凹版を得た。
【００２８】
実施例４
ジクロロジメチルシランに代えてトリクロロメチルシラン（前出）を用いたほかは、実施例２と同様にして印刷用凹版を得た。
比較例１
実施例１と同様なガラス基板にジメチルシリコーンオイル（同社製のＫＦ９６−３００ｃｓ）をディップコート法にて塗布し、２９０℃で０．５時間加熱して、ガラス基板の表面に厚さ約０．５μｍの塗膜が形成された印刷用凹版を得た。
【００２９】
（印刷試験）
上記実施例、比較例で得られた印刷用凹版を用いて、凹版からブランケットへのインキの転移性を評価した。
また、ガラス基板の表面に処理を施していない、ソーダライムガラス製の凹版（深さ５μｍ、線幅５０μｍのストライプパターンからなる凹部が形成されたもの）を用いて、上記実施例１〜４および比較例１と同様にして印刷試験を行い、ブランクとした。
【００３０】
印刷試験の方法は次のとおりである。
通常の平台オフセット印刷機に上記実施例、比較例またはブランクの印刷用凹版と、表面ゴム層がシリコーンゴム（硬度３２度）からなるブランケットを配置した。次いで、ポリエステル樹脂からなる黒インキ（粘度６００ポアズ）を凹版凹部に充填し、凹版からブランケットへインキを転移した。凹版からブランケットへのインキの転移速度（凹版とブランケットとの相対移動速度）は３０ｍｍ／ｓであった。
【００３１】
さらに、ブランケットに転移された黒インキを、被印刷物であるソーダライムガラス板の表面に転移した。ブランケットから被印刷物へのインキの転移速度（ブランケットと被印刷物との相対移動速度）は３００ｍｍ／ｓであった。
（インキの転移性評価）
上記印刷試験において、被印刷物への印刷を１０回行った後と１０，０００回行った後との２回にわたって、凹版からブランケットへ転移されたインキの割合（％）を測定した。転移されたインキの割合（％）が高いほどインキの転移性が良好であることを示す。
【００３２】
（印刷形状の評価）
上記印刷試験によって被印刷物上に形成されたストライプパターンの形状を電子顕微鏡にて観察し、印刷形状の良否を評価した。評価基準を以下に示す。
〇：印刷形状が極めて良好であった。
△：パターンの線幅や厚さに乱れが生じたり、エッジが丸くなるといった問題が生じた。
【００３３】
×：インキが転移性が極めて低いため、パターンがかすれるといった問題が生じた。
（凹版表面の疎水性の評価）
上記実施例、比較例またはブランクの印刷用凹版について、それぞれの表面に蒸留水約５μｌを垂らして、水滴を形成した後、その水滴と凹版表面との接触角（°）を測定した。
【００３４】
接触角（°）が大きいほど、印刷用凹版の表面の撥水性が高いことを示す。
以上の結果を表１に示す。
【００３５】
【表１】

【００３６】
表１から明らかなように、表面が、上記特定のオルガノクロロシランで処理された実施例１〜４の印刷用凹版では、インキの転移性が高く、かつ繰り返し印刷を行った後も接触角の低下が少ない。従って、長期にわたってインキの完全転移を実現でき、印刷形状が非常に優れたパターンが得られた。
一方、比較例１では、印刷初期には表面の撥水性が高く、インキの転移性が優れていたものの、印刷を繰り返すと撥水性が大幅に低下し、インキの転移性も大幅に低下した。
【００３７】
なお、ブランクでは印刷用凹版に撥水処理が施されていないため、印刷初期においてもインキの転移性が低かった。
【００３８】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の印刷用凹版によれば、印刷を繰り返しても、優れたインキの転移性を維持できる。
従って、本発明の印刷用凹版は、例えばカラーフィルタの製造等に好適に用いられる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an intaglio for printing, and more particularly to an intaglio for printing suitable for manufacturing color filters for liquid crystal displays, high-density electronic circuit boards, and the like.
[0002]
[Prior art]
In the color filter, the electronic circuit board, and the like, it is necessary to form a fine pattern having a line width of about 10 to 150 μm with extremely high accuracy. Therefore, photolithographic methods have been conventionally used for the production thereof, but due to the problem of high production costs, attempts have been made in recent years to reduce costs by using printing methods that are simple in process and mass-productive. Yes.
[0003]
In order to form a fine pattern with high accuracy by the printing method, the printed shape must be excellent, that is, the line width and thickness of the pattern must be faithfully reproduced, and the edge shape of the pattern must be sharp. Is required.
The intaglio offset printing method is the most suitable printing method for use in forming a fine pattern with high accuracy among various printing methods, and particularly when a blanket made of silicone rubber is used for the surface rubber layer, It is known that the transfer of ink from the blanket to the substrate is extremely excellent, and the printed shape is good.
[0004]
However, since the intaglio used in the intaglio offset printing method is usually made of glass or metal and has a low ink releasability, the ink in the intaglio depression is not completely transferred to the blanket, and part of it Will remain inside the recess (pyring).
As a result, for example, when a color filter layer made of red (R), green (G), and blue (B) is formed in the production of a color filter, there is no significant effect, but the pattern line is larger than the color filter layer. When forming a black matrix layer with a narrow width and higher accuracy, the printed shape may be deteriorated, such as non-uniform line width or thickness due to the occurrence of pile, or rounded pattern edges. As a result, there arises a problem that the image quality of the liquid crystal display is adversely affected, such as a decrease in contrast and occurrence of color unevenness.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-139065 discloses a printing intaglio in which the surface of the intaglio recess is covered with silicone rubber to improve the ink release property for the purpose of suppressing piling. However, since silicone rubber has a problem that it swells with the solvent of the ink, the adhesiveness with the intaglio and the mechanical strength of the silicone rubber itself are lowered, and thus it is not possible to suppress the piling for a long time.
[0006]
In addition, the above publication discloses a method of printing after forming a layer of a hot melt adhesive in the intaglio recess. According to this method, the ink from the intaglio to the blanket is easily transferred. Since the process becomes extremely complicated, it is not practical.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 2-135348 discloses a printing intaglio in which a polytetrafluoroethylene resin (tetrafluoroethylene resin) coating film is formed on the surface in order to improve ink releasability. However, the coating film is formed by the plasma CVD method, and there is a problem that the cost is high. In addition, the thickness of the coating film to be formed is usually extremely thin, about 0.05 μm. Since the film strength is weak, the ink releasability does not last for a long period of time, and there is a problem that the ink releasability decreases when printing is repeated.
[0007]
On the other hand, the present inventors preferably apply a water repellent treatment to the surface of the intaglio to improve the ink releasability of the intaglio, and it is most effective to use a silicone-based material for the water repellent treatment. I found.
However, even when silicone rubber, which is particularly excellent in ink releasability, is used among the silicone-based materials, there is a problem that the adhesiveness to the intaglio and the mechanical strength are lowered with time. When dimethyl silicone oil is applied to the surface of the intaglio plate and heated, a highly water-repellent coating film is formed on the surface of the intaglio plate, but the durability of the coating film is low. The problem of deteriorating arises.
[0008]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an intaglio for printing which has a high ink releasability and does not deteriorate the releasability of the ink even when printing is repeated.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors have conducted research on various silicone-based materials. As a result, when the surface of the glass substrate is treated with a specific organochlorosilane, the ink releasability is high, and The present inventors have found a new fact that an intaglio for printing that does not deteriorate the releasability of ink even when printing is repeated, and has completed the present invention.
[0010]
That is, the intaglio for printing of the present invention is made of glass, and its surface is treated with an organochlorosilane represented by any one of the following general formulas (1) to (6) .
RSiH ₂ X (1)
RSiHX ₂ (2 )
RSix ₃ (3)
R ₂ SiHX (4)
R ₂ SiX ₂ (5)
R ₃ SiX (6)
(In formulas (1) to (6), X represents a chlorine atom, and R represents an alkyl group, an aryl group, or an aralkyl group.)
In the printing intaglio of the present invention, the surface treatment of the glass substrate is performed by applying an organochlorosilane represented by any one of the above general formulas (1) to (6) or the above general formulas (1) to (6). ) Is applied by applying an organochlorosilane represented by any one of (1) and heating.
When the organochlorosilane represented by any one of the general formulas (1) to (6) is applied to the surface of the glass substrate, the organochlorosilane and the glass react quickly at room temperature, and the formula: -Si-O-Si It is considered that a strong bond represented by − is formed. The surface of the substrate thus treated has high water repellency, excellent ink releasability, and excellent durability. As a result, excellent ink transferability can be maintained over a long period of time.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the printing intaglio according to the present invention will be described in detail.
As described above, the printing intaglio of the present invention is obtained by treating the surface of a glass substrate with an organochlorosilane represented by any one of the following general formulas (1) to (6). The entire surface of the glass substrate including the surface (inner surface) inside the recess is treated with an organochlorosilane represented by any one of the following general formulas (1) to (6) .
[0013]
Organochlorosilanes include those represented by the following following general formula (1) to (6).
RSiH ₂ X (1)
RSiHX ₂ (2)
RSix ₃ (3)
R ₂ SiHX (4)
R ₂ SiX ₂ (5)
R ₃ SiX (6)
(In the formula, X represents a chlorine atom, and R represents an alkyl group, an aryl group or an aralkyl group.)
[0014]
Examples of the alkyl group corresponding to R include groups having 1 to 6 carbon atoms such as methyl, ethyl, n-propyl, i-propyl, n-butyl, t-butyl, n-pentyl and n-hexyl. Examples of the aryl group include groups such as phenyl and naphthyl. Examples of the aralkyl group include groups such as benzyl and phenethyl.
[0015]
In the present invention, any of the above exemplified organochlorosilanes can be used as long as the boiling point is normal temperature (20 ° C.) or higher . Further, in the above general formula (1) to (6) does not have the general formula a hydrogen atom (3), it is preferable to use a organochlorosilanes (5) or (6).
[0016]
Among organochlorosilane exemplified above, those which most preferably used, dichlorodimethylsilane and the trichloromethyl silane and the like. In particular, when dichlorodimethylsilane is used, two methyl groups are arranged on the surface of the intaglio plate, so that more excellent water repellency is exhibited.
As the glass substrate in the present invention, for example, soda lime glass, non-alkali glass, quartz glass, low alkali glass, low expansion glass and the like can be used. Among these, soft glass such as soda lime glass is preferably used because it can reproduce a fine pattern with high accuracy.
[0017]
Although the depth of the recessed part formed in the surface of a glass substrate is not specifically limited, According to the thickness of the ink layer formed on to-be-printed material, it is normally set in the range of 2-10 micrometers, Preferably it is 3-6 micrometers. . The pattern of the recesses may be appropriately set according to a desired print image, and examples thereof include a stripe pattern and a dot pattern. The line width of the pattern may be set as appropriate according to the desired print image, but is usually set in the range of 10 to 100 μm.
[0018]
Next, the manufacturing method of the intaglio for printing concerning this invention is demonstrated.
The intaglio plate for printing of the present invention is applied to the surface of a glass substrate having a concave portion formed on the surface thereof by applying the organochlorosilane represented by any one of the above general formulas (1) to (6) and drying at room temperature, Alternatively, it can be obtained by heating.
The organochlorosilane coating method includes, for example, coating with a dipping, spin coater, bar coater, etc. The organochlorosilane also reacts with moisture in the air, so the coating with a bar coater that can be coated in a short time (bar coating) Method).
[0019]
Since the above-mentioned organochlorosilane reacts quickly with the glass surface at room temperature, it is not necessary to perform heat treatment after coating, but when heat treatment is performed, the effect of the surface treatment is difficult to reduce even after repeated printing. Is preferable.
This heat treatment is suitably performed at a temperature range of 150 to 350 ° C., preferably 200 to 300 ° C., for 0.1 to 2 hours, preferably 0.5 to 1 hour. If the temperature of the heat treatment exceeds the above range, adverse effects such as cracking and distortion in the intaglio plate itself may occur.
[0020]
In the printing intaglio of the present invention, the coating amount of the organochlorosilane represented by any one of the above general formulas (1) to (6) is suitably 0.5 to ² ml per 100 cm ² of the surface of the glass substrate. . Since the organochlorosilane has a high reactivity, when the coating amount exceeds the above range, there may be a problem that it is difficult to remove excess organochlorosilane. On the other hand, if the coating amount is less than the above range, the effect of the present invention of improving ink releasability may not be obtained.
[0021]
Next, the usage method of the printing intaglio of this invention is demonstrated.
The intaglio for printing according to the present invention has the purpose of making the ink easy to be transferred from the intaglio to the blanket, that is, improving the transferability of the ink from the intaglio to the blanket by increasing the ink releasability as described above. Therefore, the object is to reproduce a desired print image composed of a fine pattern on the surface of the printing object with high accuracy.
[0022]
For this reason, when performing intaglio offset printing using the intaglio plate for printing of the present invention, as a blanket, excellent in ink acceptability from the intaglio and excellent in ink transfer from the blanket to the printing material It is preferable to use from the viewpoint of reproducing a fine pattern with high accuracy.
As such a blanket, for example, a surface rubber layer made of silicone rubber is preferably used. As the silicone rubber, various silicone rubbers such as a millable type, a room temperature curing (RTV) type, and an electron beam curing type can be used.
[0023]
The surface rubber layer made of this silicone rubber preferably has a smooth surface. Specifically, the surface roughness is preferably 0.5 μm or less in terms of 10-point average roughness, more preferably 0.3 μm. It is as follows. The silicone rubber hardness (JIS A) is preferably 20 to 80 degrees, more preferably 40 to 60 degrees. In order to adjust the hardness of the silicone rubber, silicone oil, silicone gel, or the like may be appropriately blended.
[0024]
As the support for the blanket, plastics such as polyethylene terephthalate (PET), polyethersulfone (PES), polyester, polycarbonate (PC), and metal plates such as aluminum and stainless steel are used if the surface is flat. can do.
The blanket may be provided with a porous foam layer between the surface rubber layer and the support or on the back surface of the support. What is necessary is just to set suitably the thickness of a foaming layer, foaming magnification, etc. in consideration of the printability of a blanket.
[0025]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples and comparative examples.
(Manufacture of printing intaglio)
Example 1
As the glass substrate, a soda lime glass substrate having a concave portion formed of a stripe pattern having a depth of 4 μm and a line width of 50 μm was used.
[0026]
Dichlorodimethylsilane (KA-22 manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) was applied to the surface of this glass substrate by a bar coating method. In this coating, about 1 ml of dichloromethylsilane was used for a pattern in a range of 300 mm × 370 mm, and excess dichlorodimethylsilane was removed.
After coating, the glass substrate was allowed to stand at room temperature to react dichlorodimethylsilane with the substrate surface to obtain an intaglio for printing. This printing intaglio was uniformly treated on both the surface of the substrate and the inner surface of the recess.
[0027]
Example 2
In the same manner as in Example 1, dichlorodimethylsilane (described above) was applied to the surface of the glass substrate by the dip coating method, and then the glass substrate was heated at 290 ° C. for 0.5 hours to obtain a printing intaglio.
Example 3
An intaglio for printing was obtained in the same manner as in Example 1 except that trichloromethylsilane (KA-13 manufactured by the same company) was used instead of dichlorodimethylsilane.
[0028]
Example 4
An intaglio for printing was obtained in the same manner as in Example 2, except that trichloromethylsilane (supra) was used instead of dichlorodimethylsilane.
Comparative Example 1
Dimethyl silicone oil (KF96-300cs manufactured by the same company) is applied to the same glass substrate as in Example 1 by dip coating, heated at 290 ° C. for 0.5 hours, and a thickness of about 0. An intaglio for printing on which a 5 μm coating film was formed was obtained.
[0029]
(Printing test)
Using the intaglio for printing obtained in the above Examples and Comparative Examples, the transfer property of the ink from the intaglio to the blanket was evaluated.
Moreover, the said Examples 1-4 and the intaglio plate made from soda-lime glass (the thing in which the recessed part which consists of a stripe pattern with a depth of 5 micrometers and a line width of 50 micrometers was formed) which has not performed the process on the surface of a glass substrate is used. A printing test was conducted in the same manner as in Comparative Example 1 to obtain a blank.
[0030]
The printing test method is as follows.
The above-mentioned Examples, Comparative Examples or blank printing intaglios and a blanket whose surface rubber layer is made of silicone rubber (hardness 32 degrees) were arranged on a normal flat table offset printing press. Next, black ink (viscosity 600 poise) made of a polyester resin was filled in the intaglio depression, and the ink was transferred from the intaglio to the blanket. The ink transfer speed from the intaglio to the blanket (relative movement speed between the intaglio and the blanket) was 30 mm / s.
[0031]
Further, the black ink transferred to the blanket was transferred to the surface of a soda lime glass plate as a printing material. The ink transfer speed from the blanket to the printing material (relative movement speed between the blanket and the printing material) was 300 mm / s.
(Evaluation of ink transferability)
In the printing test, the ratio (%) of the ink transferred from the intaglio to the blanket was measured twice after printing on the printing material 10 times and after 10,000 times. The higher the ratio (%) of the transferred ink, the better the transferability of the ink.
[0032]
(Evaluation of printing shape)
The shape of the stripe pattern formed on the substrate by the printing test was observed with an electron microscope, and the quality of the printed shape was evaluated. The evaluation criteria are shown below.
A: The printed shape was extremely good.
Δ: Problems such as disturbance in the line width and thickness of the pattern and rounded edges occurred.
[0033]
X: Since the ink has extremely low transferability, there is a problem that the pattern is faint.
(Evaluation of hydrophobicity of intaglio surface)
About the printing intaglio of the said Example, the comparative example, or a blank, about 5 microliters of distilled water was dripped on each surface, and after forming a water droplet, the contact angle (degree) of the water droplet and the intaglio surface was measured.
[0034]
The larger the contact angle (°), the higher the water repellency of the surface of the printing intaglio.
The results are shown in Table 1.
[0035]
[Table 1]

[0036]
As is apparent from Table 1, the intaglio printing plates of Examples 1 to 4 whose surfaces were treated with the above specific organochlorosilanes had high ink transferability and reduced contact angle even after repeated printing. Less is. Accordingly, a complete transfer of the ink can be realized over a long period of time, and a pattern with a very excellent printed shape was obtained.
On the other hand, in Comparative Example 1, the water repellency of the surface was high and the ink transferability was excellent in the initial stage of printing, but when the printing was repeated, the water repellency was greatly reduced and the ink transferability was also greatly reduced.
[0037]
In the blank, since the printing intaglio was not subjected to water repellent treatment, the ink transferability was low even in the initial printing stage.
[0038]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the printing intaglio of the present invention, excellent ink transferability can be maintained even when printing is repeated.
Therefore, the printing intaglio of the present invention is suitably used for the production of color filters, for example.

Claims

An intaglio for printing, comprising glass and having a surface treated with an organochlorosilane represented by any one of the following general formulas (1) to (6) .
RSiH ₂ X (1)
RSiHX ₂ (2 )
RSix ₃ (3)
R ₂ SiHX (4)
R ₂ SiX ₂ (5)
R ₃ SiX (6)
(In formulas (1) to (6), X represents a chlorine atom, and R represents an alkyl group, an aryl group, or an aralkyl group.)

The printing intaglio according to claim 1, wherein the treatment is performed by applying an organochlorosilane represented by any one of the general formulas (1) to (6) to the surface of the glass substrate and heating.

The printing intaglio according to claim 1 or 2, wherein the organochlorosilane is dichlorodimethylsilane or trichloromethylsilane.