JP3809196B2

JP3809196B2 - INKJET RECORDING METHOD, INKJET RECORDING DEVICE, AND INKJET RECORDED IMAGE FIXING IMPROVEMENT METHOD

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Publication number: JP3809196B2
Application number: JP5376594A
Authority: JP
Inventors: 豊倉林
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1994-03-24
Filing date: 1994-03-24
Publication date: 2006-08-16
Anticipated expiration: 2021-08-16
Also published as: JPH07258590A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインクジェット記録画像の定着性向上方法に関し、更に詳しくはインクジェット用に特別に調整された塗工紙は勿論、一般にオフィスや家庭で使用されている電子写真用紙、レポート用紙、ノート、便箋、ボンド紙、連続伝票用紙等の非塗工紙である所謂普通紙に対しても高速かつ高精細、高画質フルカラー記録が可能なインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置、更には上記したような普通紙に形成したインクジェット記録画像の定着性向上方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
インクジェット方式による画像形成方法として近年重要さを増しつつある技術の一つとして、一般にオフィスや家庭で使用されている電子写真用紙、レポート用紙、ノート、便箋、ボンド紙、連続伝票用紙等の非塗工紙、以下本発明ではこれらを総称して普通紙と呼ぶ事にするが、上記普通紙に対しても発色が良好で、かつ滲みのない高精細なフルカラー記録が可能な画像記録用インク及び画像形成方法が求められており、この様な目的を達成するために多数の提案がなされている。
【０００３】
例えば、特開昭５５−２９５４６号公報には、インク中に特定の界面活性剤を添加し表面張力を下げて紙内部へのインク浸透性を高める方法が開示されている。また特開昭５５−５７８６２号公報には、インクに強塩基性物質を添加し紙のサイズ剤やパルプ材を化学的に溶解し、ドットの広がりと吸収性を制御する方法が開示されている。さらには、特開昭５８−１３６７５号公報には、インク中に分子量４万以上のポリビニルピロリドンを添加したり、あるいは、特開平３−１７２３６２号公報には、インク中に特定のマイクロエマルジョンを添加することによりドットの広がりと吸収性を制御する方法が開示されている。
【０００４】
また、米国特許第３，６５３，９３２号、第３，７１５，２１９号、第４，３９０，３６９号、第４，４９０，７３１号には固体一液体相変化インク、すなわち、室温では固体であるが、ある特定温度以上では液体になるインクが開示されている。このタイプの相変化インクは、液体として射出された後、被記録材に衝突して直ちにその被記録材表面で凝固するものである。
【０００５】
さらには、ゲルーゾル転移インクを用いる例として、室温ではゲル状態であるが、加熱することによりゾル状態へ転移するインクが特開昭６２−１８１３７２号公報、特開平１−２７２６２３号公報等に開示されている。これらはいずれも固体−液体相変化インクと同様に被記録材にインク滴が着弾後にゲル状態へ戻りインクのにじみを抑えようとしたものである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術は以下に述べるような問題点があった。
【０００７】
界面活性剤の添加により紙内部へのインクの浸透性を高める方法では、定着性は向上するが、記録剤も紙内部へ深く浸透してしまうために発色性が低下する問題点がある。インクに強塩基物質を添加する方法では、ある種のサイズ剤を用いた紙、例えば中性紙に対してはにじみ、定着性ともに充分ではなくなる上に、人体に対する安全性の点でも問題がある。また、インク中にポリマーやある種のエマルジョンを添加するだけではフルカラー記録時のようにインクの記録密度が大きくなるような領域では充分な効果が得られない。また固体−液体相変化タイプのインクでは、動作時にインクを液体化しなければならないためにインク供給系の温度制御等の装置上の負担が重くなるばかりでなく、印字物が保存中に極端な高温下にさらされるような場合には、インクの再溶解が起こり印字物が崩れる問題が発生する。ゾルーゲルタイプのインクも固体−液体相変化タイプのインク同様に取り扱いが容易でなく、印字物の保存性にも問題点がある。
【０００８】
上述したように普通紙に対するインクジェット記録特性を改善するための数々の提案がなされているが、いまだ普通紙に対して発色性が良好で２色以上のインクが打込まれてもにじみ、フェザリングが発生せず、かつ定着性にも優れ、装置構成上の負担も軽いインク及び記録方法は知られていない。
【０００９】
そこで本発明の目的は、普通紙に記録した場合でも、良好な発色性を有しかつ複数色のインクが打込まれたとしても、定着性に優れ、インクの滲みのない記録画像を与えることが可能であるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。また本発明の他の目的は、インクジェット記録画像の定着性を向上させる方法を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下に述べる本発明によって達成される。
【００１１】
すなわち本発明は、記録剤及びこれを溶解又は分散する水を含む液媒体及び熱可逆的ゲル化特性を有する化合物を少なくとも含有し、２５℃においては均一溶解系であり、かつ３０℃〜６５℃の間の温度範囲においては、熱可逆的ゲル化特性を有する化合物が析出して分散状態となるインクを使用して、該インクを分散状態で記録ヘッドから吐出させ、かつ記録媒体を該インクが分散状態となる温度以上に加熱保持しながら記録することを特徴とするインクジェット記録方法である。
【００１２】
本発明は、記録ヘッドをインクが分散状態になる温度以上に加熱保持しながら記録を行い、前記可逆的熱ゲル化特性を有する化合物のインク中の含有量が０．０１〜２０重量％の範囲であり、インクの２５℃における表面張力が１０ｄｙｎｅ／ｃｍ以上４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下であり、前記可逆的熱ゲル化特性を有する化合物が水溶性ポリビニルアセタールであり、前記可逆的熱ゲル化特性を有する化合物が水溶性メチルセルロースであり、前記可逆的熱ゲル化特性を有する化合物が水溶性ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、前記記録媒体が非塗工紙であり、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させ、記録媒体へのインク付与量が１平方ミリメートルあたり３０ｎｌ以下であることを含む。
又本発明は、インクジェット用インクを記録媒体にインクジェット法で付与することによって形成されたインクジェット記録画像の定着性向上方法であって、該インクジェット用インクとして、記録剤及びこれを溶解又は分散する水を含む液媒体及び熱可逆的ゲル化特性を有する化合物を少なくとも含有し、２５℃においては均一溶解系であり、且つ３０℃〜６５℃の間の温度範囲においては、熱可逆的ゲル化特性を有する化合物が析出して分散状態となるインクジェット用インクを用いると共に、該インクを分散状態で記録ヘッドから吐出させ、かつ該記録媒体を、該インクジェット用インクの滴が着弾したときに分散状態にあるように加熱しておくことを特徴とするインクジェット記録画像の定着性向上方法である。
【００１３】
又本発明は、インクを収容したインク収容部と、該インクをインク滴として吐出させるためのヘッド部を有する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置において、インクとして記録剤及びこれを溶解又は分散する水を含み液媒体及び熱可逆的ゲル化特性を有する化合物を少なくとも含有し、２５℃においては均一溶解系であり、かつ３０℃〜６５℃の間の温度範囲においては、熱可逆的ゲル化特性を有する化合物が析出して分散状態となるインクを使用し、該ヘッド部が該インクを分散状態で吐出するヘッド部であり、かつ該インクを用いて記録される記録媒体を前記インクが分散状態になる温度以上に加熱保持するための手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置であり、ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含み、前記ヘッド部に、前記インクが分散状態になる温度以上にインクを加熱保持する手段を備えたことを含む。
【００１４】
【作用】
本発明の記録方法を実施する際に以下に述べる熱可逆的ゲル化特性を有する化合物が本質的作用を及ぼすので、まずこれについて説明する。
【００１５】
本発明で述べる可逆的熱ゲル化特性を有する化合物としては例えば、高分子論文集、Ｖｏｌ．３８、ｐ１３３（１９８１）に記載されている水溶性セルロースエーテルが例示可能である。これら水溶性セルロースエーテルの水溶液の特徴は、水溶性セルロースエーテルの溶解度の温度係数が負であるために、昇温及び降温に伴って高分子ミクロゲルが可逆的に水相からの分離、水相への溶解を繰り返すことにある。このミクロゲルの水相からの分離が起こると水溶液の粘度は、急激に低下する。すなわち、低温の溶液では分子は水和しており、単純な絡み合い以外のポリマー同士の相互作用はなく、温度上昇に伴い水和した水をポリマーが放出する脱水過程が起こり、溶液物性の変化として粘度低下が起こる。熱ゲル化化合物の種類によっては、この溶液を冷却した場合、粘度変化の過程がヒステリシスを持つものもある。これらの物質を本発明の記録方法に応用した場合の作用について詳細なことは明らかではないが、水相からこれらの物質が分離したときに記録剤を同時に取り込んでしまう作用によるものと考えられる。
【００１６】
またインク中における熱可逆的ゲル化特性を有する化合物の前述した作用を更に詳細に説明すると、水相からの固形分の分離はインクが紙に着弾した後に溶剤成分が速やかに記録媒体中に浸透することを助けるものであり、高速定着性に寄与する。同時に可逆的熱ゲル化特性を示す化合物の凝集作用により記録剤の大きなフロックが形成され染料等の記録剤の浸透速度を抑制する効果が発生し、インクが紙中に深く浸透しすぎることなく色材が紙表面近傍に残り発色性が損なわれない。また、インクの深さ方向の浸透が抑制されるだけでなく同時に横方向の広がりも抑制されるので、フェザリング、文字太り等の印字品位が低下せず、エッジのシャープな印字が実現される。同様の理由から、フルカラー画像を形成した場合にもカラーインク同士の混色によるにじみ（以下ブリーディングと呼ぶ）を抑制することが可能であり、しかも定着性の良好なカラーインクジェット記録が可能となる。
【００１７】
本発明のインクを用いてインクジェット記録を行う場合、上述した紙等の記録媒体を加熱するだけでなく記録ヘッドの温度をインクが分散状態になる温度以上に設定して分散化したインク滴を飛翔させて上記の記録媒体上での固液分離がより効率的に起こるようにすることも可能である。
【００１８】
【好ましい実施態様】
次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【００１９】
本発明で使用される可逆的熱ゲル化特性を有する化合物としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシブトキシル変性メチルセルロース／ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロースエーテル、水溶性ポリビニルアセタール等が挙げられるが、特にこれらに限定されるわけではない。
【００２０】
上記化合物の分子量として好ましくは、２％水溶液の２５℃における粘度に換算した場合、５ｃｐｓ以上１００００ｃｐｓ以下が適当である。分子量が極端に大きいとゲル化して凝集した粒子の粒子径を精密に制御することが難しい。
【００２１】
以上のごとき可逆的熱ゲル化特性を有する化合物は、単独でも混合物としても使用できる。インク中の含有量としては、使用する染料あるいは顔料、そのほかの添加剤や溶剤の種類等によっても異なるが、インク中の重量百分率として０．０１〜２０重量％、好適には、０．０５〜１０重量％、更に好適には、０．１〜５重量％である。
【００２２】
本発明に用いるインクにおいて、上述した可逆的熱ゲル化特性を有する化合物と併用すると更に効果的である成分として、界面活性剤あるいは浸透性溶剤が挙げられる。これらは、インクの定着性を向上させる目的で使用される。
【００２３】
また本発明に使用する界面活性剤の化学構造上の限定は特になく、好ましくはＣＭＣ（臨界ミセル濃度）における水溶性の表面張力が１０ｄｙｎｅ／ｃｍ以上４０ｄｙｎｅ／ｃｍ以下であることが好ましい。上記界面活性剤のインク中の含有量としては、０．０２ｗｔ％以上１０ｗｔ％以下の量で用いるが定着性と発色性のバランスをとる上で好適な範囲である。
【００２４】
本発明で使用する浸透性の溶剤とは、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ｎ−ペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の１価アルコールの他、多価アルコール及びそのアルキルエーテル等のことであり具体的には、１、７−ヘプタンジオール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が例示可能であるがこれらに限定されない。以上のような浸透性溶剤を多量に使用したとしても上述したように熱ゲル化化合物の作用により単ドット自体の形状が崩れず、エッジのシャープな印字物が得られる。
【００２５】
本発明で使用するインクは、記録剤とともに上記のごとき可逆的熱ゲル化特性を有する化合物と界面活性剤を少なくとも含有することを特徴とするが、その他の構成成分として水、有機溶剤の他、各種の分散剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、防かび剤、ｐＨ調製剤等の添加剤から構成される。
【００２６】
インクに使用可能な記録剤としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、油性染料、顔料が挙げられる。
【００２７】
これら記録剤の含有量は液媒体成分の種類、インクに要求される特性等に依存して決定されるが、一般的にはインク全重量に対して０．２〜２０重量％、好ましくは０．５〜１０重量％、より好ましくは１〜５重量％を占める割合である。
【００２８】
本発明で使用可能な有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ｎ−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール、ｓｅｃ−ブチルアルコール、ｔｅｒｔ−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ｎ−ペンタノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレングリコール、１，２，６−ヘキサントリオール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類、チオジグリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチル（又はエチル）エーテル、ジエチレングリコールモノメチル（又はエチル）エーテル、トリエチレングリコールモノメチル（又はエチル）エーテル等の多価アルコール低級アルキルエーテル類、トリエチレングリコールジメチル（又はジメチル）エーテル、テトラエチレングリコールジメチル（又はジエチル）エーテル等の多価アルコール類の低級ジアルキルエーテル類、スルホラン、Ｎ−メチル−２−ピロリドン、１，３−ジメチル−２−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【００２９】
上記有機溶剤の含有量は、一般にはインクの全重量に対して１〜５０重量％、好ましくは２〜３０％の範囲である。
【００３０】
上記のごとき有機溶剤は単独でも混合物としても使用できるが、最も好ましい液媒体組成は、水と１種以上の有機溶剤からなり、該溶剤が少なくとも１種以上の水溶性高沸点溶剤、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールを含有するものである。
【００３１】
本発明で使用するインクを構成する主成分は上記の通りであるが、その他各種の分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、蛍光増白剤、酸化防止剤、防かび剤、ｐＨ調整剤等を本発明の目的の達成を妨げない範囲において必要に応じて添加することが出来る。
【００３２】
更に、本発明においては可逆的熱ゲル化特性を有する化合物の相分離が起こり、固液分離が起こる温度を調整する目的で各種の塩類等を添加することも可能である。なお、上記相分離が起こり、固液分離が起こる温度を知る方法としてインクを徐々に昇温しながら目視で曇点を決定してもよいし、分光器を利用して光の透過率の変化から求めてもよい。より正確な測定が必要である場合には、従来公知の界面活性剤の曇点を光学的手法で測定する方法をそのまま適用することができる。
【００３３】
本発明で使用するインクは、一般のインクジェット記録方式全般に好適に適用できるが、なかでも熱エネルギーによるインクの発泡現象によりインクを吐出させるタイプのインクジェット記録方法に適用する場合に特に好適である。
【００３４】
本発明では上述したインクを使用してインクジェット記録を行うのであるが、このとき同時に記録媒体の温度を上記インクが分散状態になり固液分離が起こる温度に加熱保持されていることが必要である。記録媒体の温度とは、最小限インクジェット記録が行われる記録媒体の表面温度のことを指す。
【００３５】
記録媒体をインクが分散状態となり固液分離が起こる温度以上に加熱保持するには、（１）図７−（Ａ）に示すように、赤外線ヒーター１０及び送風ファン１１を記録媒体の搬送経路の上面あるいは下面に配置し輻射熱で加熱する、（２）図７−（Ｂ）に示すように、面状発熱体１２を搬送経路中に置き直接加熱する、（３）図７−（Ｃ）に示すように紙送りローラー中にヒーターを内蔵させ（３ａもしくは３ｂ）紙の下部から熱伝導で加熱する、などの方法をとることが可能である。
【００３６】
また、本発明では前述したように記録媒体上におけるインクの固液分離をより効率的に起こさせる目的で記録ヘッドの温度をインクが分散状態になる温度以上に加熱保持してもよい。
【００３７】
この場合、本発明のインクの非動作時と動作時（吐出時）の物性を調整する際には、本発明の主目的である普通紙に対する印字適性とともに使用するインクジェット記録用ヘッドに対するマッチング（吐出特性、信頼性等）も考慮することが好ましい。
【００３８】
インクが分散状態になる温度は、使用する可逆熱ゲル特性を有するポリマーの種類、分子量、添加量により調整可能である。また、使用する溶剤及び溶剤量あるいは、適当な無機塩の添加によっても調整可能である。
【００３９】
好適な動作時のインク物性は、粘度が０．５〜５ｃｐｓ、より好ましくは０．５〜３ｃｐｓ、表面張力が１０〜６８ｄｙｎｅ／ｃｍの範囲、より好ましくは１０〜４０ｄｙｎｅ／ｃｍの範囲にあることが好ましい。
【００４０】
次に本発明のインクジェット記録を行うのに好適なインクジェット記録装置の一例を以下に説明する。その装置の主要部であるヘッド構成例を図１、図２及び図３に示す。
【００４１】
ヘッド１３はインクを通す溝１４を有するガラス、セラミック又はプラスチック板等と、感熱記録に用いられる発熱ヘッド１５（図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない）とを接着して得られる。発熱ヘッド１５は酸化シリコン等で形成される保護膜１６、アルミニウム電極１７−１、１７−２、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層１８、蓄熱層１９、アルミナ等の放熱性の良い基板２０より成っている。
【００４２】
インク２１は吐出オリフィス（微細孔）２２まで来ており、圧力Ｐによりメニスカス２３を形成している。
【００４３】
今、電極１７−１、１７−２に電気信号情報が加わると、発熱ヘッド１５のｎで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク２１に気泡が発生し、その圧力でメニスカス２３が突出し、インク２１が吐出し、オリフィス２２より記録小滴２４となり、被記録材２３に向かって飛翔する。図３には図１に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝２６を有するガラス板２７と、図１に説明したものと同様の発熱ヘッド１６を密着して制作されている。尚、図２はインク流路に沿ったヘッド１３の断面図であり、図３は図２のＡ−Ｂ線での断面図である。
【００４４】
本発明のインクをその動作温度（記録時ヘッド温調温度）に保持するには、基板２０を加熱してヘッド全体を一定温度に調整する等の方法で実施すればよい。このようにして動作温度に保持された本発明のインクの粘度は、可逆的熱ゲル化特性を有する化合物の作用により、非動作時よりも低下し、ヘッドの吐出特性が充分良好になる。
【００４５】
図４に、上記ヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。
【００４６】
図４において、６１はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード６１は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。６２はキャップであり、ブレード６１に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に６３はブレード６１に隣接して設けられる吸収体であり、ブレード６１と同様、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード６１、キャップ６２、吸収体６３によって吐出回復部６４が構成され、ブレード６１及び吸収体６３によってインク吐出口面に水分、塵挨等６４の除去が行われる。６５は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、６６は記録ヘッド６５を搭載して記録ヘッド６５の移動を行うためのキャリッジである。キャリッジ６６はガイド軸６７と摺動可能に係合し、キャリッジ６６の一部はモータ６８によって駆動されるベルト６９と接続（不図示）している。これによりキャリッジ６６はガイド軸６７に沿った移動が可能となり、記録ヘッド６５による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能と成る。
【００４７】
５１は被記録材を挿入するための給紙部、５２は不図示のモータにより駆動する紙送りローラである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラ５３を配した排紙部へ排紙される。
【００４８】
上記構成において記録ヘッド６５が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部６４のキャップ６２は記録ヘッド６５の移動経路から退避しているが、ブレード６１は移動経路中に突出している。この結果、記録ヘッド６５の吐出口面がワイピングされる。なお、キャップ６２が記録ヘッド６５の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ６２は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【００４９】
記録ヘッド６５がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ６２、及びブレード６１は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド６５の吐出口面はワイピングされる。
【００５０】
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【００５１】
図５は、ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで、４０は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓４２が設けられている。この栓４２に針（不図示）を挿入することにより、インク袋４０中のインクをヘッドに供給可能ならしめる。４４は廃インクを受容する吸収体である。インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本発明にとって好ましい。本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記のごときヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図６に示すごときそれらが一体になったものにも好適に用いられる。
【００５２】
図６において、７０は記録ユニットであり、この中のインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリフィスを有するヘッド部７１からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロースまたはポリビニルアセタールを用いることが本発明にとって好ましい。７２は記録ユニット内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット７０は、図４で示す記録ヘッドに代えて用いられるものであって、キャリッジ６６に対し着脱自在になっている。
【００５３】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【００５４】
（実施例１〜５及び比較例１〜５）
可逆的熱ゲル化特性を有する化合物として表１に記載した水溶性セルロースエーテルを用意した。表２には、各化合物の分子量あるいは重合度、あるいは２％水溶液の２０℃での粘度、−ＯＣＨ₃ 基置換度Ｍ（％）、−ＯＣ₃ Ｈ₅ ＯＨ基置換度ＨＰ（％）及び熱ゲル化による水溶液粘度低下温度Ｔ（Ｇ）を合わせて記載してある。
【００５５】
【表１】

【００５６】
【表２】

【００５７】
次に表３〜表６に示す成分を混合してインクを作成した。インクの作成手順は、適当な濃度（２０重量％以下）の水溶性セルロースエーテルの水溶液を調製する。この水溶液に水、有機溶剤、染料、必要に応じて界面活性剤の順に所定量添加し、所定の水溶性セルロースエーテルの濃度に調整し、５時間攪拌後、ポアサイズ０．２２μｍのメンブランフィルター（商品名：フロロポアフィルター、住友電工（株）製）にて加圧濾過し、本発明の各実施例につきブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの４色のインク１〜５を得た。各表中の数字は、各成分の添加量（インク中の重量百分率）を表す。
【００５８】
【表３】

【００５９】
【表４】

【００６０】
【表５】

【００６１】
【表６】

【００６２】
次に実施例１、２と同じヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有し、かつ表７に記載した無機塩を含むインクを作成し実施例６、７のインクとした。
【００６３】
【表７】

【００６４】
更に比較例として、上記水溶性セルロースエーテルを使用しなかった他は、各実施例と同様の組成インクを作成し比較例１〜５のインクとした。ただし、水溶性セルロースエーテルの分は、水で置き換えてある。
【００６５】
表８に各インクの２５℃におけるインク粘度と記録ヘッドの動作温度Ｔ（Ｈ）、動作温度における粘度η（ＴＨ）を記載した。
【００６６】
【表８】

【００６７】
次に、４００ｄｐｉで２５６本のノズルを有するバブルジェットインクジェット記録ヘッド４個をヘッドの主走査方向に１列に並べてなるインクジェット印字装置を用意し、各記録ヘッドにインク供給系チューブを介して上記の様に調製したインクを充填した。さらに、各実施例のインクに対し、記録ヘッドを対応するインクの動作温度Ｔ（Ｈ）に加熱保持して、市販の電子写真用紙に対してインクジェット記録を行った。各色のフルベタ印字部のインク打込み密度は１０ｎ１／ｍｍ² である。
【００６８】
得られた印字物の発色性、定着性、インクにじみを各々以下の方法で行った。なお、実施例１から７において紙の温度は、図７−（Ｃ）に示した方法で表８に示したＴ（Ｈ）よりも１５℃だけ高く設定してある。
【００６９】
１定着性評価
市販の電子写真用紙にブルーベタ印字（シアンインクとマゼンタインクを各々１００％デューティのベタで重ね印字）して１０秒後及び３０秒後に印字部を濾紙（商品名：Ｎｏ．５Ｃ、東洋濾紙（株）製）にて擦り、以下の様に評価した。
【００７０】
◎…１０秒で擦れ無し。
【００７１】
○…１０秒で擦れややあり、２０秒で擦れ無し。
【００７２】
△…２０秒で擦れややあり、３０秒で擦れ無し。
【００７３】
×…３０秒で擦れあり。
２発色性評価
各色の１００％ベタ印字部の反射濃度をマクベスＲＤ−９１８反射濃度計を用いて測定し、発色性の評価とした。
３印字にじみ
ブラックインクでキャラクター印字を行った上に、イエローインク１００％デューティベタ印字を行いキャラクターの印字品位を評価し以下の様にランク付けた。
【００７４】
◎…にじみまったく無し。
【００７５】
○…にじみは無いが、文字にややフェザリングが発生。
【００７６】
△…にじみが発生し、文字の輪郭がやや崩れる。
【００７７】
×…にじみがひどく、文字が全く判読できないレベル。
【００７８】
（○以上が、実使用上問題無いレベル。）
【００７９】
以上３項目の評価を行った結果を表９に記載する。
【００８０】
【表９】

【００８１】
以上実施例１〜７、比較例１〜５で明らかなように、本発明のインクジェット記録方法によれば、普通紙に対する印字適性の良好な記録画像が得られるが、比較例では、発色性、印字にじみ、定着性のすべてを満足するものは無かった。
【００８２】
（実施例８〜１０、比較例６〜８）
表１０に実施例８〜１０に使用した可逆的熱ゲル化化合物ゲル化化合物を記載した。これらのポリマー物性を表１１に記載した。
【００８３】
【表１０】

【００８４】
【表１１】

【００８５】
実施例１〜７と同様に表１２に示す成分を混合し、実施例８〜１０のブラックインクを得た。表中の数字は、各成分のインク中における重量百分率を表す。
【００８６】
【表１２】

【００８７】
実施例８〜１０のインクにおいて、Ｃ．Ｉ．フードブラック２、３．０重量％に代えて、Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー８６を２重量％とした以外は上記表１２と同様の組成のイエローインクを調整した。
【００８８】
実施例８〜１０のインクにおいて、Ｃ．Ｉ．フードブラック２、３．０重量％に代えて、Ｃ．Ｉ．アシッドレッド３５を２．５重量％とした以外は上記表１２と同様の組成のマゼンタインクを調整した。
【００８９】
実施例８〜１０のインクにおいて、Ｃ．Ｉ．フードブラック２、３．０重量％に代えて、Ｃ．Ｉ．ダイレクトブルー１９９を３．０重量％とした以外は上記表１２と同様の組成のシアンインクを調整した。
【００９０】
更に、比較用のインクとして、上記実施例８〜１０のそれぞれのインクから、可逆的熱ゲル化化合物（表１０に記載の化合物）を除き、その分を水に置き換えたインクを調整し、それぞれ比較例６〜８に使用するインクとした。各実施例８〜１０のインクの２５℃におけるインクの粘度η１と記録媒体加熱温度Ｔを表１３に示した。
【００９１】
【表１３】

得られた印字物の発色性、定着性及びインクのにじみを、実施例１〜７と同様に評価した。
【００９２】
以上の３項目に対する評価結果を表１４に示す。
【００９３】
【表１４】

【００９４】
上記表の結果から明らかなように、比較例のインクを使用した場合に比較し、本発明のインクジェット記録方法によれば、普通紙に対する印字適性の良好な記録画像が得られる。特に、比較例のインクに比べて、定着性、滲み等の印字適性を損なうことなく、発色性をより向上させることができる。
【００９５】
（実施例１１〜１４）
表１０に示される可逆的熱ゲル化化合物を使用して、表１５に示される成分を混合して実施例１１〜１４のブラックインクを作成した。
【００９６】
【表１５】

【００９７】
実施例１１〜１４のインクにおいて、Ｃ．Ｉ．フードブラック２、３．０重量％に代えて、Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー８６を２重量％とした以外は上記表１５と同様の組成のイエローインクを調整した。
【００９８】
実施例１１〜１４のインクにおいて、Ｃ．Ｉ．フードブラック２、３．０重量％に代えて、Ｃ．Ｉ．アシッドレッド３５を２．５重量％とした以外は上記表１５と同様の組成のマゼンタインクを調整した。
【００９９】
実施例１１〜１４のインクにおいて、Ｃ．Ｉ．フードブラック２、３．０重量％に代えて、Ｃ．Ｉ．ダイレクトブルー１９９を３．０重量％とした以外は上記表１５と同様の組成のシアンインクを調整した。
【０１００】
以上のように調整した実施例１１〜１４のインクを実施例８〜１０と同様にして記録媒体の温度を６０℃に設定し、更に記録ヘッドの温度を５０℃に設定して同様に記録ヘッドの動作温度を５０℃に設定して実施例１〜７と同様のカラーインクジェット記録を行った。得られた印字物の発色性、定着性及びインクのにじみを、実施例１〜７と同様に評価した。
【０１０１】
以上の３項目に対する評価結果を表１６に示す。
【０１０２】
【表１６】

【０１０３】
上記表の結果から、本発明のインクジェット記録方法によれば、普通紙に対する印字適性の良好な記録画像が得られる。すなわち、定着性、カラーインク間の混色滲み等の印字適性を損なうことなく、発色性をより向上させることができる。
【０１０４】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のインクジェット記録方法によれば、普通紙に対してマルチカラーあるいは、フルカラー記録を行った場合でも、にじみ、フェザリングの発生が無く、定着性に優れ、かつ発色性の良好な印字物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図１】インクジェット記録ヘッドの横断面図。
【図２】図１のＡ−Ｂ線での断面図。
【図３】図１に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図。
【図４】本発明のヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の斜視図。
【図５】ヘッドにインク供給チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す断面図。
【図６】ヘッドとインクカートリッジが一体となったインクジェット記録ユニットの斜視図。
【図７】加熱手段を具えたプリンタの構造を示す概略図。
（Ａ）加熱手段が赤外線ヒーター
（Ｂ）加熱手段が面状発熱体
（Ｃ）加熱手段が加熱ローラー
【符号の説明】
１インクジェット記録ヘッド
１用紙
３ａ、３ｂ加熱ローラー
４ａ、４ｂ搬送ローラー
４ｃ、４ｄ排出ローラー
５ブラテン
６キャリッジ
７押圧部
８主走査レール
９押圧ローラー
１０ヒーター
１１ファン
１２面状発熱体
１３ヘッド
１４溝
１５発熱ヘッド
１６保護膜
１７−１、１７−２アルミニウム電極
１８発熱抵抗体層
１９畜熱層
２０基板
２１インク
２２吐出オリフィス
２３メニスカス
２４記録小滴
２５被記録体
２６マルチ溝
２７ガラス板
２８発熱ヘッド
４０インク袋
４２栓
４４インク吸収体
４５インクカートリッジ
５１給紙部
５２紙送りローラ
５３排紙ローラ
６１ブレード
６２キャップ
６３インク吸収体
６４吐出回復部
６５記録ヘッド
６６キャリッジ
６７ガイド軸
６８モータ
６９ベルト
７０記録ユニット
７１ヘッド部
７２大気連通口[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to an ink jet recording method.,Inkjet recording deviceAnd fixing method for inkjet recording imageMore specifically, in addition to coated paper specially prepared for inkjet, non-coated such as electrophotographic paper, report paper, notebook, notepaper, bond paper, continuous slip paper, etc. that are generally used in offices and homes Inkjet recording method and inkjet recording apparatus capable of high-speed, high-definition, high-quality full-color recording even for so-called plain paper, which is paperFurthermore, a method for improving the fixability of an ink jet recorded image formed on plain paper as described aboveAbout.
[0002]
[Prior art]
One of the technologies that has become increasingly important in recent years as an inkjet image forming method is the non-coating of electrophotographic paper, report paper, notebooks, notepaper, bond paper, continuous slip paper, etc., which are generally used in offices and homes. In the present invention, these are collectively referred to as plain paper in the present invention. Image recording inks that are well-colored on the plain paper and capable of high-definition full-color recording without bleeding, and There is a need for an image forming method, and many proposals have been made in order to achieve such an object.
[0003]
For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 55-29546 discloses a method in which a specific surfactant is added to the ink to lower the surface tension to increase the ink permeability into the paper. Japanese Patent Application Laid-Open No. 55-57862 discloses a method of controlling the spread and absorption of dots by adding a strongly basic substance to ink and chemically dissolving paper sizing agent and pulp material. . Further, JP-A-58-13675 adds polyvinylpyrrolidone having a molecular weight of 40,000 or more to the ink, or JP-A-3-172362 adds a specific microemulsion to the ink. A method for controlling the spread and absorbency of dots by doing so is disclosed.
[0004]
Also, US Pat. Nos. 3,653,932, 3,715,219, 4,390,369, and 4,490,731 describe solid one-liquid phase change inks, that is, solids at room temperature. There are disclosed inks that become liquid above a certain temperature. This type of phase change ink is ejected as a liquid, then collides with a recording material and immediately solidifies on the surface of the recording material.
[0005]
Further, as an example of using a gel-sol transition ink, an ink that is in a gel state at room temperature but transitions to a sol state by heating is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 62-181372 and 1-272623. ing. In any case, as in the case of the solid-liquid phase change ink, ink droplets are returned to the gel state after landing on the recording material to try to suppress ink bleeding.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above prior art has the following problems.
[0007]
In the method of increasing the penetrability of the ink into the paper by adding a surfactant, the fixability is improved, but the recording agent also penetrates deeply into the paper, so that there is a problem that the color developability is lowered. In the method of adding a strong base substance to the ink, paper that uses a certain sizing agent, such as neutral paper, does not have sufficient bleeding and fixing properties, and there is also a problem in terms of safety to the human body. . Further, a sufficient effect cannot be obtained in a region where the recording density of the ink is increased as in full color recording only by adding a polymer or a certain type of emulsion to the ink. Also, with solid-liquid phase change type inks, the ink must be liquefied during operation, which not only increases the burden on the device such as temperature control of the ink supply system, but also causes extremely high temperatures during printing. When exposed underneath, there is a problem that the ink is redissolved and the printed matter is broken. Sol-gel type inks are not as easy to handle as solid-liquid phase change type inks, and there is a problem in the storability of printed matter.
[0008]
As described above, many proposals have been made to improve the ink jet recording characteristics for plain paper, but the color development is still good with respect to plain paper, and even if two or more colors of ink are applied, feathering and feathering occur. Ink and a recording method are not known in which no occurrence occurs, the fixing property is excellent, and the burden on the apparatus configuration is light.
[0009]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a recorded image that has excellent fixability and no ink bleeding even when recorded on plain paper, even when multiple colors of ink are applied. An ink jet recording method and an ink jet recording apparatus are provided.Another object of the present invention is to provide a method for improving the fixability of an inkjet recorded image.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The above object is achieved by the present invention described below.
[0011]
  That is, the present invention relates to a recording agent and a solution or dispersion thereof.Including waterA compound having at least a liquid medium and a compound having thermoreversible gelation properties, having a homogeneous dissolution system at 25 ° C, and having a thermoreversible gelation property in a temperature range between 30 ° C and 65 ° C Using ink that precipitates and becomes dispersed,Discharging the ink from the recording head in a dispersed state; andRecording mediaTheAn ink jet recording method, wherein recording is performed while heating and holding at a temperature higher than a temperature at which the ink is dispersed.
[0012]
  In the present invention, recording is performed while the recording head is heated and held at a temperature higher than the temperature at which the ink is dispersed. The surface tension of the ink at 25 ° C. is 10 dyne / cm or more and 40 dyne / cm or less, the compound having the reversible thermal gelation property is water-soluble polyvinyl acetal, and the compound having the reversible thermal gelation property Is water-soluble methylcellulose, the compound having the reversible thermal gelation property is water-soluble hydroxypropylmethylcellulose, the recording medium is non-coated paper, and ink is ejected by applying thermal energy to the ink. The amount of ink applied to the recording medium is 30 nl or less per square millimeter.
  orThe present invention relates to a method for improving the fixability of an ink jet recording image formed by applying ink jet ink to a recording medium by an ink jet method.orIs dispersedIncluding waterA compound having at least a liquid medium and a compound having thermoreversible gelling properties, having a homogeneous dissolution system at 25 ° C, and having a thermoreversible gelling property in a temperature range between 30 ° C and 65 ° C And using an inkjet ink that precipitates into a dispersed state,Discharging the ink from the recording head in a dispersed state; andA method for improving the fixability of an inkjet recording image, wherein the recording medium is heated so that the recording medium is in a dispersed state when droplets of the inkjet ink land.
[0013]
  According to another aspect of the present invention, there is provided an ink jet recording apparatus having an ink containing portion containing ink and a recording unit having a head portion for ejecting the ink as ink droplets.Including waterA compound having at least a liquid medium and a compound having thermoreversible gelation properties, having a homogeneous dissolution system at 25 ° C, and having a thermoreversible gelation property in a temperature range between 30 ° C and 65 ° C Using ink that precipitates into a dispersed state,The head portion is a head portion that discharges the ink in a dispersed state; andA recording medium recorded using the ink is heated and held at a temperature higher than the temperature at which the ink is dispersed.forAn ink jet recording apparatus comprising: a head portion including a head that causes thermal energy to act on ink to eject ink droplets, and the head portion has a temperature equal to or higher than a temperature at which the ink is dispersed. Including means for heating and holding the ink.
[0014]
[Action]
Since the compound having the thermoreversible gelation property described below exerts an essential action when the recording method of the present invention is carried out, this will be described first.
[0015]
Examples of the compound having reversible thermal gelation characteristics described in the present invention include, for example, Polymer Journal, Vol. 38, p133 (1981). The characteristics of these water-soluble cellulose ether aqueous solutions are that the temperature coefficient of solubility of the water-soluble cellulose ether is negative, so that the polymer microgel reversibly separates from the water phase and goes into the water phase as the temperature rises and falls. It is to repeat dissolution. When separation of the microgel from the aqueous phase occurs, the viscosity of the aqueous solution rapidly decreases. In other words, molecules are hydrated in a low temperature solution, there is no interaction between polymers other than simple entanglement, and a dehydration process occurs in which the polymer releases hydrated water as the temperature rises. A viscosity drop occurs. Depending on the type of thermal gelation compound, when this solution is cooled, the viscosity change process has hysteresis. Although it is not clear in detail about the action when these substances are applied to the recording method of the present invention, it is thought to be due to the action of simultaneously taking in the recording agent when these substances are separated from the aqueous phase.
[0016]
Further, the above-described action of the compound having thermoreversible gelation characteristics in the ink will be described in more detail. The separation of the solid content from the aqueous phase allows the solvent component to quickly penetrate into the recording medium after the ink has landed on the paper. It helps to do it, and contributes to fast fixability. At the same time, a large floc of the recording agent is formed by the aggregating action of the compound exhibiting reversible thermal gelation characteristics, and the effect of suppressing the penetration rate of the recording agent such as dye is generated, so that the color does not penetrate the ink too deeply into the paper. The material remains in the vicinity of the paper surface and the color developability is not impaired. In addition, not only the penetration of the ink in the depth direction is suppressed, but also the spread in the lateral direction is suppressed at the same time, so that the print quality such as feathering and character thickening is not deteriorated, and the printing with sharp edges is realized. . For the same reason, even when a full-color image is formed, it is possible to suppress bleeding (hereinafter referred to as bleeding) due to the color mixture of the color inks, and it is possible to perform color ink jet recording with good fixability.
[0017]
When ink jet recording is performed using the ink of the present invention, not only the above-described recording medium such as paper is heated, but also the temperature of the recording head is set to a temperature higher than the temperature at which the ink is dispersed to fly the dispersed ink droplets. Thus, it is possible to make the solid-liquid separation on the recording medium more efficient.
[0018]
[Preferred embodiment]
Next, the present invention will be described in more detail with reference to preferred embodiments.
[0019]
Examples of the compound having reversible thermal gelation properties used in the present invention include water-soluble cellulose ethers such as hydroxypropylcellulose, hydroxypropylmethylcellulose, methylcellulose, hydroxybutoxyl-modified methylcellulose / hydroxypropylmethylcellulose, and water-soluble polyvinyl acetal. Although it is mentioned, it is not necessarily limited to these.
[0020]
The molecular weight of the above compound is preferably 5 cps or more and 10,000 cps or less when converted to the viscosity of a 2% aqueous solution at 25 ° C. When the molecular weight is extremely large, it is difficult to precisely control the particle size of the gelled and aggregated particles.
[0021]
The compounds having reversible thermal gelation properties as described above can be used alone or as a mixture. The content in the ink varies depending on the type of the dye or pigment used, other additives and solvents, etc., but the weight percentage in the ink is 0.01 to 20% by weight, preferably 0.05 to It is 10% by weight, more preferably 0.1 to 5% by weight.
[0022]
In the ink used in the present invention, surfactants or penetrating solvents may be mentioned as components that are more effective when used in combination with the above-described compounds having reversible thermal gelation properties. These are used for the purpose of improving the fixing property of the ink.
[0023]
There is no particular limitation on the chemical structure of the surfactant used in the present invention, and it is preferable that the water-soluble surface tension at CMC (critical micelle concentration) is 10 dyne / cm or more and 40 dyne / cm or less. The surfactant content in the ink is 0.02 wt% or more and 10 wt% or less, but it is a preferable range for balancing the fixing property and the color developing property.
[0024]
The permeable solvent used in the present invention includes polyhydric alcohols in addition to monohydric alcohols such as ethyl alcohol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, isobutyl alcohol, n-pentanol, cyclohexanol and benzyl alcohol. Specific examples thereof include 1,7-heptanediol, tripropylene glycol, hexylene glycol, dipropylene glycol monomethyl ether, tripropylene glycol monomethyl ether, and triethylene glycol monobutyl ether. However, it is not limited to these. Even when a large amount of the permeable solvent as described above is used, as described above, the shape of the single dot itself does not collapse due to the action of the thermal gelling compound, and a printed matter with sharp edges can be obtained.
[0025]
The ink used in the present invention is characterized by containing at least a compound having a reversible thermal gelation property as described above and a surfactant together with a recording agent. In addition to water and an organic solvent, It is composed of various dispersants, viscosity modifiers, surface tension modifiers, fluorescent brighteners, antioxidants, fungicides, pH adjusters and other additives.
[0026]
Examples of recording agents that can be used in inks include direct dyes, acid dyes, food dyes, basic dyes, reactive dyes, disperse dyes, vat dyes, soluble vat dyes, reactive disperse dyes, oil dyes, and pigments. .
[0027]
The content of these recording agents is determined depending on the type of liquid medium component, characteristics required for the ink, and the like, but is generally 0.2 to 20% by weight, preferably 0, based on the total weight of the ink. .5 to 10% by weight, more preferably 1 to 5% by weight.
[0028]
Examples of the organic solvent that can be used in the present invention include methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, isopropyl alcohol, n-butyl alcohol, sec-butyl alcohol, tert-butyl alcohol, isobutyl alcohol, n-pentanol, and cyclohexanol. Alcohols such as dimethylformamide, dimethylacetamide, ketones or ketoalcohols such as acetone and diacetone alcohol, ethers such as tetrahydrofuran and dioxane, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, dipropylene glycol, Oxyethylene or oxypropylene addition polymers such as tripropylene glycol, polyethylene glycol and polypropylene glycol, ethylene glycol Cole, propylene glycol, trimethylene glycol, butylene glycol, 1,2,6-hexanetriol, alkylene glycols such as hexylene glycol, thiodiglycol, glycerin, ethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, diethylene glycol monomethyl (or ethyl) ) Polyhydric alcohol lower alkyl ethers such as ether, triethylene glycol monomethyl (or ethyl) ether, lower dialkyl of polyhydric alcohols such as triethylene glycol dimethyl (or dimethyl) ether, tetraethylene glycol dimethyl (or diethyl) ether And ethers, sulfolane, N-methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone and the like.
[0029]
The content of the organic solvent is generally in the range of 1 to 50% by weight, preferably 2 to 30% by weight with respect to the total weight of the ink.
[0030]
Although the above organic solvents can be used alone or as a mixture, the most preferable liquid medium composition is composed of water and one or more organic solvents, and the solvent is at least one water-soluble high-boiling solvent such as diethylene glycol. , Containing polyhydric alcohols such as triethylene glycol and glycerin.
[0031]
The main components constituting the ink used in the present invention are as described above, but various other dispersants, surfactants, viscosity modifiers, surface tension modifiers, fluorescent brighteners, antioxidants, fungicides Further, a pH adjuster or the like can be added as necessary within a range not impeding the achievement of the object of the present invention.
[0032]
Furthermore, in the present invention, various salts and the like can be added for the purpose of adjusting the temperature at which solid-liquid separation occurs due to phase separation of compounds having reversible thermal gelation characteristics. As a method of knowing the temperature at which the above-mentioned phase separation occurs and solid-liquid separation occurs, the cloud point may be determined visually while gradually raising the ink, or the change in light transmittance using a spectroscope You may ask for. When more accurate measurement is required, a conventionally known method of measuring the cloud point of a surfactant by an optical method can be applied as it is.
[0033]
The ink used in the present invention can be suitably applied to all general ink jet recording methods, but is particularly suitable when applied to an ink jet recording method in which ink is ejected by the phenomenon of thermal ink bubbling.
[0034]
In the present invention, ink jet recording is performed using the above-described ink. At this time, it is necessary that the temperature of the recording medium is heated and maintained at a temperature at which the ink is dispersed and solid-liquid separation occurs. . The temperature of the recording medium refers to the surface temperature of the recording medium on which inkjet recording is performed at a minimum.
[0035]
In order to heat and maintain the recording medium at a temperature higher than the temperature at which the ink is dispersed and solid-liquid separation occurs, (1) as shown in FIG. 7- (A), the infrared heater 10 and the blower fan 11 are moved along the conveyance path of the recording medium. It is arranged on the upper surface or the lower surface and heated by radiant heat. (2) As shown in FIG. 7- (B), the sheet heating element 12 is placed in the conveyance path and heated directly. (3) In FIG. 7- (C) As shown, a heater can be incorporated in the paper feed roller (3a or 3b) and heated by heat conduction from the bottom of the paper.
[0036]
In the present invention, as described above, the temperature of the recording head may be heated and maintained at a temperature higher than the temperature at which the ink is dispersed in order to cause solid-liquid separation of the ink on the recording medium more efficiently.
[0037]
In this case, when adjusting the physical properties of the ink of the present invention when it is not operating and when it is operating (discharging), matching (discharging) to the inkjet recording head used together with the printability of plain paper, which is the main purpose of the present invention. Characteristics, reliability, etc.) are also considered.
[0038]
The temperature at which the ink is dispersed can be adjusted by the type, molecular weight, and addition amount of the polymer having reversible thermal gel characteristics to be used. Moreover, it can adjust also by addition of the solvent to be used, the amount of solvent, or a suitable inorganic salt.
[0039]
The preferred ink physical properties during operation are a viscosity of 0.5 to 5 cps, more preferably 0.5 to 3 cps, and a surface tension of 10 to 68 dyne / cm, more preferably 10 to 40 dyne / cm. Is preferred.
[0040]
Next, an example of an ink jet recording apparatus suitable for performing the ink jet recording of the present invention will be described below. An example of a head configuration which is a main part of the apparatus is shown in FIGS.
[0041]
  head13 is a groove through which ink passes.14 having a glass, ceramic or plastic plate, and a heat generating head used for thermal recording15 (the head is shown in the figure, but is not limited to this). Heating head15 is a protective film formed of silicon oxide or the like16. Aluminum electrode17-1,17-2, heating resistor layer formed of nichrome, etc.18, heat storage layer19. Substrate with good heat dissipation such as alumina2It consists of zero.
[0042]
  ink21 is the discharge orifice (fine hole)22 and meniscus by pressure P23 is formed.
[0043]
  Now electrode17-1,1When electrical signal information is added to 7-2, the heating head1The area indicated by n in 5 suddenly generates heat, and the ink in contact therewith2Bubbles are generated in 1 and the meniscus23 protrudes and ink21 discharges, orifice2Recording droplet from 224 and recording material2Fly towards 3 FIG. 3 shows an external view of a multi-head in which a large number of heads shown in FIG. 1 are arranged. The multi-head is multi-groove2Glass plate with 627 and a heating head similar to that described in FIG.16 is produced in close contact. FIG. 2 shows the head along the ink flow path.13 is a cross-sectional view taken along line AB of FIG.
[0044]
  In order to maintain the ink of the present invention at its operating temperature (head temperature control temperature during recording), the substrate2What is necessary is just to implement by the method of heating 0 and adjusting the whole head to a fixed temperature. The viscosity of the ink of the present invention maintained at the operating temperature in this way is lower than that in the non-operating state due to the action of the compound having reversible thermal gelation characteristics, and the ejection characteristics of the head become sufficiently good.
[0045]
FIG. 4 shows an example of an ink jet recording apparatus incorporating the head.
[0046]
In FIG. 4, reference numeral 61 denotes a blade as a wiping member. One end of the blade 61 is held by a blade holding member to become a fixed end, and forms a cantilever. The blade 61 is disposed at a position adjacent to the recording area by the recording head, and in this example, is held in a form protruding in the moving path of the recording head. Reference numeral 62 denotes a cap, which is disposed at a home position adjacent to the blade 61 and has a configuration in which it moves in a direction perpendicular to the moving direction of the recording head and comes into contact with the ejection port surface to perform capping. Further, reference numeral 63 denotes an absorber provided adjacent to the blade 61 and, like the blade 61, is held in a form protruding in the moving path of the recording head. The blade 61, the cap 62, and the absorber 63 constitute a discharge recovery portion 64, and the blade 61 and the absorber 63 remove moisture, dust, and the like 64 from the ink discharge port surface. Reference numeral 65 denotes a recording head which has discharge energy generating means and performs recording by discharging ink onto a recording material facing the discharge port surface on which the discharge port is arranged. Reference numeral 66 denotes a movement of the recording head 65 by mounting the recording head 65. It is a carriage for performing. The carriage 66 is slidably engaged with the guide shaft 67, and a part of the carriage 66 is connected to a belt 69 (not shown) driven by a motor 68. As a result, the carriage 66 can move along the guide shaft 67, and the recording area and its adjacent area can be moved by the recording head 65.
[0047]
Reference numeral 51 denotes a paper feed unit for inserting a recording material, and 52 denotes a paper feed roller driven by a motor (not shown). With these configurations, the recording material is fed to a position facing the ejection port surface of the recording head, and is discharged to a paper discharge portion provided with a paper discharge roller 53 as recording progresses.
[0048]
In the above configuration, when the recording head 65 returns to the home position due to the end of recording or the like, the cap 62 of the head recovery unit 64 is retracted from the moving path of the recording head 65, but the blade 61 protrudes into the moving path. As a result, the ejection port surface of the recording head 65 is wiped. When the cap 62 is in contact with the ejection surface of the recording head 65 to perform capping, the cap 62 moves so as to protrude into the moving path of the recording head.
[0049]
When the recording head 65 moves from the home position to the recording start position, the cap 62 and the blade 61 are at the same position as the above-described wiping position. As a result, the ejection port surface of the recording head 65 is wiped even during this movement.
[0050]
The above-mentioned movement of the recording head to the home position is not only at the end of recording or at the time of ejection recovery, but also to the home position adjacent to the recording area at a predetermined interval while the recording head moves the recording area for recording. Then, the wiping is performed with this movement.
[0051]
FIG. 5 is a diagram illustrating an example of an ink cartridge that stores ink supplied to the head via an ink supply member, for example, a tube. Here, reference numeral 40 denotes an ink containing portion containing supply ink, for example, an ink bag, and a rubber plug 42 is provided at the tip thereof. By inserting a needle (not shown) into the stopper 42, the ink in the ink bag 40 can be supplied to the head. Reference numeral 44 denotes an absorber that receives waste ink. The ink container preferably has an ink contact surface made of polyolefin, particularly polyethylene. The ink jet recording apparatus used in the present invention is not limited to the one in which the head and the ink cartridge are separate from each other as described above, but is preferably used in an apparatus in which they are integrated as shown in FIG.
[0052]
In FIG. 6, reference numeral 70 denotes a recording unit, in which an ink storage portion that stores ink therein, for example, an ink absorber is stored, and the ink in the ink absorber from a head portion 71 having a plurality of orifices. It is configured to be ejected as ink droplets. As the material of the ink absorber, it is preferable for the present invention to use polyurethane, cellulose, or polyvinyl acetal. Reference numeral 72 denotes an atmosphere communication port for communicating the inside of the recording unit with the atmosphere. The recording unit 70 is used in place of the recording head shown in FIG. 4 and is detachable from the carriage 66.
[0053]
【Example】
Next, the present invention will be specifically described with reference to examples and comparative examples.
[0054]
(Examples 1-5 and Comparative Examples 1-5)
The water-soluble cellulose ether described in Table 1 was prepared as a compound having reversible thermal gelation characteristics. Table 2 shows the molecular weight or degree of polymerization of each compound, the viscosity of a 2% aqueous solution at 20 ° C., and —OCH._Three Group substitution degree M (%), -OC_Three H_Five The OH group substitution degree HP (%) and the aqueous solution viscosity lowering temperature T (G) due to thermal gelation are described together.
[0055]
[Table 1]

[0056]
[Table 2]

[0057]
Next, inks were prepared by mixing the components shown in Tables 3 to 6. The ink preparation procedure is to prepare an aqueous solution of water-soluble cellulose ether having an appropriate concentration (20% by weight or less). A predetermined amount of water, an organic solvent, a dye, and a surfactant as necessary are added to this aqueous solution in order, adjusted to a predetermined concentration of water-soluble cellulose ether, stirred for 5 hours, and then a membrane filter having a pore size of 0.22 μm (product) Name: Fluoropore filter (manufactured by Sumitomo Electric Co., Ltd.) and filtered under pressure to obtain inks 1 to 5 of four colors of black, yellow, magenta and cyan for each example of the present invention. The numbers in each table represent the amount of each component added (weight percentage in the ink).
[0058]
[Table 3]

[0059]
[Table 4]

[0060]
[Table 5]

[0061]
[Table 6]

[0062]
Next, inks containing the same hydroxypropyl methylcellulose as in Examples 1 and 2 and containing the inorganic salts described in Table 7 were prepared and used as the inks in Examples 6 and 7.
[0063]
[Table 7]

[0064]
Further, as comparative examples, the same composition inks as those of the examples were prepared except that the water-soluble cellulose ether was not used, and the inks of Comparative Examples 1 to 5 were used. However, the water-soluble cellulose ether is replaced with water.
[0065]
Table 8 shows the ink viscosity of each ink at 25 ° C., the operating temperature T (H) of the recording head, and the viscosity η (TH) at the operating temperature.
[0066]
[Table 8]

[0067]
Next, an ink jet printing apparatus in which four bubble jet ink jet recording heads having 256 nozzles at 400 dpi are arranged in a line in the main scanning direction of the head is prepared. The ink prepared in this manner was filled. Further, with respect to the ink of each example, the recording head was heated and held at the corresponding ink operating temperature T (H), and ink jet recording was performed on commercially available electrophotographic paper. Ink density of full-color printing part of each color is 10n1 / mm² It is.
[0068]
The resulting printed matter was colored and fixed, and the ink was blotted by the following methods. In Examples 1 to 7, the paper temperature was set higher by 15 ° C. than T (H) shown in Table 8 by the method shown in FIG. 7- (C).
[0069]
1 Fixability evaluation
Blue solid printing (printing cyan ink and magenta ink with 100% duty solid each) on commercially available electrophotographic paper, and after 10 seconds and 30 seconds, the printed part is filtered (trade name: No. 5C, Toyo Filter Paper Co., Ltd.) )), And evaluated as follows.
[0070]
◎… No rubbing in 10 seconds.
[0071]
○: Some rubbing in 10 seconds, no rubbing in 20 seconds.
[0072]
Δ: Some rubbing in 20 seconds, no rubbing in 30 seconds.
[0073]
X: Rubbing in 30 seconds.
2 Color development evaluation
The reflection density of the 100% solid print portion of each color was measured using a Macbeth RD-918 reflection densitometer to evaluate the color developability.
3 Print blur
After character printing with black ink, yellow ink 100% duty solid printing was performed to evaluate the character printing quality and ranked as follows.
[0074]
◎… Blaze Nothing at all.
[0075]
○: There is no blur, but some feathering occurs in the characters.
[0076]
Δ: Bleeding occurs and the outline of the character is slightly broken.
[0077]
×… The level of blurring is so severe that the characters cannot be read at all.
[0078]
(○ or higher is a level where there is no problem in actual use)
[0079]
The results of the evaluation of the above three items are shown in Table 9.
[0080]
[Table 9]

[0081]
As apparent from Examples 1 to 7 and Comparative Examples 1 to 5, according to the ink jet recording method of the present invention, a recorded image having good printability on plain paper can be obtained. There was nothing that satisfied all of the printing bleeding and fixing properties.
[0082]
(Examples 8 to 10, Comparative Examples 6 to 8)
Table 10 lists the reversible thermogelling compounds used in Examples 8-10. These polymer physical properties are shown in Table 11.
[0083]
[Table 10]

[0084]
[Table 11]

[0085]
The components shown in Table 12 were mixed in the same manner as in Examples 1 to 7 to obtain black inks of Examples 8 to 10. The numbers in the table represent the weight percentage of each component in the ink.
[0086]
[Table 12]

[0087]
In the inks of Examples 8 to 10, C.I. I. Instead of Food Black 2, 3.0% by weight, C.I. I. A yellow ink having the same composition as in Table 12 was prepared except that the direct yellow 86 was changed to 2% by weight.
[0088]
In the inks of Examples 8 to 10, C.I. I. Instead of Food Black 2, 3.0% by weight, C.I. I. A magenta ink having the same composition as in Table 12 except that Acid Red 35 was changed to 2.5% by weight was prepared.
[0089]
In the inks of Examples 8 to 10, C.I. I. Instead of Food Black 2, 3.0% by weight, C.I. I. A cyan ink having the same composition as in Table 12 was prepared except that Direct Blue 199 was changed to 3.0% by weight.
[0090]
Furthermore, as a comparative ink, an ink was prepared by removing the reversible thermal gelling compound (compound described in Table 10) from each of the inks of Examples 8 to 10, and replacing the water with water. Inks used in Comparative Examples 6 to 8 were used. Table 13 shows the ink viscosity η1 and the recording medium heating temperature T at 25 ° C. for each of the inks of Examples 8 to 10.
[0091]
[Table 13]

The resulting printed matter was evaluated for color developability, fixability and ink bleed in the same manner as in Examples 1-7.
[0092]
Table 14 shows the evaluation results for the above three items.
[0093]
[Table 14]

[0094]
As is apparent from the results in the above table, compared to the case where the ink of the comparative example is used, according to the ink jet recording method of the present invention, a recorded image with good printability on plain paper can be obtained. In particular, as compared with the ink of the comparative example, the color developability can be further improved without impairing the printability such as fixability and bleeding.
[0095]
(Examples 11-14)
Using the reversible thermal gelation compound shown in Table 10, the components shown in Table 15 were mixed to prepare the black inks of Examples 11-14.
[0096]
[Table 15]

[0097]
In the inks of Examples 11 to 14, C.I. I. Instead of Food Black 2, 3.0% by weight, C.I. I. A yellow ink having the same composition as in Table 15 was prepared except that the direct yellow 86 was changed to 2% by weight.
[0098]
In the inks of Examples 11 to 14, C.I. I. Instead of Food Black 2, 3.0% by weight, C.I. I. A magenta ink having the same composition as in Table 15 above was prepared except that Acid Red 35 was 2.5% by weight.
[0099]
In the inks of Examples 11 to 14, C.I. I. Instead of Food Black 2, 3.0% by weight, C.I. I. A cyan ink having the same composition as in Table 15 above was prepared except that Direct Blue 199 was changed to 3.0% by weight.
[0100]
In the inks of Examples 11 to 14 adjusted as described above, the temperature of the recording medium is set to 60 ° C., and the temperature of the recording head is set to 50 ° C. in the same manner as in Examples 8 to 10. Was set to 50 ° C., and the same color ink jet recording as in Examples 1 to 7 was performed. The resulting printed matter was evaluated for color developability, fixability and ink bleed in the same manner as in Examples 1-7.
[0101]
Table 16 shows the evaluation results for the above three items.
[0102]
[Table 16]

[0103]
From the results in the above table, according to the ink jet recording method of the present invention, a recorded image having good printability on plain paper can be obtained. That is, the color developability can be further improved without impairing the printability such as the fixability and color mixing blur between color inks.
[0104]
【The invention's effect】
As described above, according to the ink jet recording method of the present invention, even when multi-color or full-color recording is performed on plain paper, bleeding and feathering are not generated, fixing property is excellent, and color developability is achieved. Good printed matter can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an ink jet recording head.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along line AB in FIG.
FIG. 3 is an external perspective view of a head in which the head shown in FIG.
FIG. 4 is a perspective view of an ink jet recording apparatus incorporating the head of the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view illustrating an example of an ink cartridge that stores ink supplied to a head via an ink supply tube.
FIG. 6 is a perspective view of an ink jet recording unit in which a head and an ink cartridge are integrated.
FIG. 7 is a schematic diagram showing the structure of a printer having heating means.
(A) The heating means is an infrared heater
(B) The heating means is a planar heating element
(C) The heating means is a heating roller
[Explanation of symbols]
1 Inkjet recording head
1 paper
3a, 3b Heating roller
4a, 4b Transport roller
4c, 4d discharge roller
5 Braten
6 Carriage
7 Pressing part
8 Main scanning rail
9 Pressing roller
10 Heater
11 fans
12 Planar heating element
13 heads
14 Groove
15 Heat generation head
16 Protective film
17-1, 17-2 Aluminum electrode
18 Heating resistor layer
19 Animal heat layer
20 substrates
21 ink
22 Discharge orifice
23 Meniscus
24 recording droplets
25 Recorded material
26 Multi-slot
27 Glass plate
28 Heating head
40 ink bag
42 stoppers
44 Ink absorber
45 Ink cartridge
51 Paper feeder
52 Paper feed roller
53 Paper discharge roller
61 blade
62 cap
63 Ink absorber
64 Discharge recovery section
65 Recording head
66 Carriage
67 Guide shaft
68 motor
69 belt
70 recording units
71 Head
72 Air communication port

Claims

A liquid medium containing a recording agent and water that dissolves or disperses the recording agent and a compound having thermoreversible gelation properties, a homogeneous dissolution system at 25 ° C , and a temperature range between 30 ° C and 65 ° C The temperature at which the ink having a thermoreversible gelling property deposited and dispersed is used, the ink is ejected from the recording head in a dispersed state, and the ink is dispersed in the recording medium. An ink jet recording method, wherein recording is performed while heating and holding as described above.

2. The ink jet recording method according to claim 1, wherein recording is performed while the recording head is heated and held at a temperature higher than a temperature at which the ink is dispersed.

The ink jet recording method according to claim 1 or 2, wherein the content of the compound having reversible thermal gelation property in the ink is in the range of 0.01 to 20% by weight.

The ink jet recording method according to any one of claims 1 to 3, wherein the surface tension of the ink at 25 ° C is 10 dyne / cm or more and 40 dyne / cm or less.

The inkjet recording method according to claim 1, wherein the compound having reversible thermal gelation characteristics is water-soluble polyvinyl acetal.

The inkjet recording method according to claim 1, wherein the compound having reversible thermal gelation properties is water-soluble methylcellulose.

The ink jet recording method according to any one of claims 1 to 4, wherein the compound having reversible thermal gelation properties is water-soluble hydroxypropylmethylcellulose.

The ink jet recording method according to claim 1, wherein the recording medium is uncoated paper.

The ink jet recording method according to claim 1, wherein the ink droplets are ejected by applying thermal energy to the ink.

The ink jet recording method according to claim 1, wherein the amount of ink applied to the recording medium is 30 nl or less per square millimeter.

A method for improving the fixability of an inkjet recording image formed by applying an inkjet ink to a recording medium by an inkjet method,
As ink for the ink jet, also recording agent and dissolving the contains at least a compound having a liquid medium and thermal reversible gelation properties comprising a water dispersion, a uniform dissolution system at 25 ° C., and 30 ° C. ~ In the temperature range between 65 ° C., an inkjet ink in which a compound having a thermoreversible gelling property is deposited and dispersed is used,
Ink jet recording, wherein the ink is ejected from a recording head in a dispersed state, and the recording medium is heated so that the recording medium is in a dispersed state when droplets of the ink jet ink land on the recording medium A method for improving the fixability of an image.

In an ink jet recording apparatus comprising an ink containing portion containing ink, and a recording unit having a head unit for ejecting the ink as ink droplets , a liquid medium containing a recording agent and water for dissolving or dispersing the ink as ink It contains at least a compound having thermoreversible gelling properties, is a homogeneous dissolution system at 25 ° C , and precipitates a compound having thermoreversible gelling properties in a temperature range between 30 ° C and 65 ° C. The head is a head that discharges the ink in a dispersed state, and the recording medium that is recorded using the ink is heated to a temperature higher than the temperature at which the ink is dispersed. An inkjet recording apparatus comprising means for holding.

The inkjet recording apparatus according to claim 12, wherein the head unit includes a head that causes thermal energy to act on ink to eject ink droplets.

The inkjet recording apparatus according to claim 12, wherein the head unit includes means for heating and holding the ink at a temperature higher than a temperature at which the ink is dispersed.