JP3807413B2 - 殺菌処理方法および殺菌処理装置 - Google Patents
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Description
装置に関し、更に詳しくは上水道に利用して好適で殻を有する病原原虫やその他
の細菌等を安全に殺菌あるいは除去することが可能な殺菌処理方法および装置に
関する。
素による消毒によれば、例えばクリプトスポリジウム等の病原原虫には殻を有す
るため殺菌としては効果がない。
殺菌効果が得られたとしても環境を汚染する問題があり、人体に悪影響を及ぼす
問題があり、安易に使用できない。
ように殻を有する病原原虫あるいはそれ以外の細菌等を簡便に消毒・殺菌するこ
よる殺菌作用があることについては多くの報告がる。しかし、本発明者の知る限
りではクリプトポリジウム等のように殻を有する病原原虫の殺菌についての報告
は見受けられない。超音波による殺菌作用はキャビテーションによる機械的破壊
による場合と、超音波加熱による熱的効果による場合と、酸化作用等による化学
効果による場合があり、殺菌対象の細菌によりどの方法を取るか決め、最適設計
を行っているのが現状である。ここで、本発明者はクリプトポリジウム等のよう
に殻を有する病原体(病原原虫)の殺菌においては、殻を破壊することができれ
ば、水道水における残留塩素により菌を死滅することから、まず、機械的破壊に
よる処理を基本として考え、キャビテーションが重要な要素であることに気づい
た。このキャビテーションは、ポンプの回転翼により簡単に発生させることがで
きる。しかし、このようなキャビテーションによる効果的な殺菌は現実問題とし
て不可能である。その理由は、キャビテーションによる殺菌作用のメカニズムに
よる。つまりキャビテーションによる殺菌作用は、キャビテーション気泡の表面
に存在する細菌が、気泡が収縮消滅する時に、反対側から突進してきた液体分子
と激突することにより破壊されると考えられる。従って、この破壊メカニズムか
ら、気泡の面積が大きいほど殺菌効果が大きいことになる。ここで、通常のポン
プの回転翼等によるキャビテーションにより発生する気泡の大きさは半径10セ
ンチメートル程度であり、面積は1000立法センチメートル、体積は4000
立法センチメートル程度である。ところで、同一の体積で、半径が1ミリメート
ルとなると、一個の面積が1/10000となり、個数が1000000倍とな
るため、面積は100倍となる。このように、微小なキャビテーション気泡を発
生する技術が、効率的な殺菌のためには必須となる。
波長以下の気泡直径となる。7.5kHzの超音波は、波長が20cmであるこ
とから、通常のポンプの回転翼等によるキャビテーションにより発生する半径1
0cmよりも小さな気泡を発生することになる。従って、これ以上の周波数の超
音波によりキャビテーション気泡を発生させると、効率の良い殺菌が可能となる
。
とが知られている「超音波技術便覧:日刊工業新聞社(新訂版)858頁」。従
って、周波数が20kHz以上の超音波を照射しキャビテーションを発生させる
と、キャビテーションによる細菌殻の機械的破壊と同時に、細菌内容物の酸化作
用による分解無毒化、溶存色素の脱色あるいは無臭化が可能となる。超音波の酸
化作用は、500kHz以上の周波数において、特に強力であることが知られて
いる。従って、500kHz以上の周波数の超音波を利用することが、脱色ある
いは脱臭等の付随的な目的において特に顕著な効果を示すことになる。
斯る基本構成においては、超音波音場が干渉し、超音波波面8に示すように音圧の節が発生する。従って、この部分を通過する細菌は破壊されないで出力されることになる。
図3は殺菌もれを更に改善した本発明の他の実施例を示す模式図である。図3において、水道管の水流路を2つの水流路1ー2、1ー3とし、それぞれの水流路の一部に水流路の径より大きい径を有する貯水槽6ー1、6ー2を設け、該貯水槽の側面にそれぞれ超音波送波器2、2を配置し、該送波器を切り替えて駆動する構成としている。18aは入路4からの水を水流路1ー2または1ー3のいずれか一方に導くための流路切り替え弁であり、また18bは貯水槽6ー1、6ー2のいずれか一方の水を出路5に導く流路切り替え弁である。弁18aにより例えば水流路1ー2が選択された場合には、弁18bは貯水槽6ー2を選択する方向に切り替えられる。またこのとき、水流路1ー2側の貯水槽6ー1に超音波を照射して殺菌処理を行い、その間は他方の殺菌済みの水流路1ー3側の貯水槽6ー2から飲用水を出路5に導かれる。
ー2で構成した場合の例である。図4において、貯水槽6ー1の水はポンプ20
により2つの容器7ー1、7ー2間に入れ替えられる。この入れ替え流路21の
部分(図では底面部に対向する部分)に照射領域3が生じるように超音波送波器
2を配置し、殺菌処理を行えるようにする。このようにすると、超音波照射後の
液体が照射前の液体から分離されるため、更に効率良い殺菌が可能となる。ポン
プ20は往復運動が可能である。
明するための構成図である。図5において、9ー1、9ー2は水道管の流路1の
外周部に配置された一対の電極を示し、該電極9ー1、9ー2は流路に電界を印
可するものである。ここで、交流電界を印可すると、生存細菌10は生理活性の
ため帯電していることから、図の矢印11に示すような蛇行運動を行う。一方超
音波で破壊された細菌の残骸12は生理活性が失われるために電気的に中性とな
り、図の矢印13で示すような直線運動を行う。このような印可電界に対する反
応の差を水路内に配置された監視装置14により観測することにより、生存細菌
の存在を確認することが可能である。
存細菌10は生理活性のため帯電していることから、矢印15に示すような軌道
変化が発生する。一方破壊された細菌の残骸12は電気的に中性であり、矢印1
6に示すような直線運動を行う。そこで図示のように水道管の流路に分取用の流
路17を設けた構成とすることにより、生存細菌のみを高濃度にて分取すること
が可能となる。このようにして分離した細菌を、培養部18において培養養殖し
てから、生存細菌の有無を判定部19により判定可能な構成とすることにより、
殺菌処理完了の判定精度を向上することが可能となる。このような生存細菌の消
滅を確認することにより、超音波照射を終了させるように構成とすると、エネル
ギーの有効利用が図れる。
わせた一例を示す図である。即ち、図7は流路1の一部にサイドにくぼんだよう
な空洞の突き出し部を設け、該空洞部に生存細菌が入り込むように流路17を設
け、その高濃度で生存細菌を含む部分の流路17に超音波送波器2を配置し、該
流路に超音波を照射させる構成としたものであり、斯る構成によれば、効率的な
エネルギー利用が期待できる。
入り口、5・・・流路出口、6・・・貯水槽、7・・・容器、9・・・電極、1
4・・・観察装置、17・・・分取用流路、18・・・弁、19・・・判定部、
21・・・入れ替え流路、
22・・・培養部。
Claims (4)
- 流体が通過する水路と、キャビテーションを発生する程度の強度を有する超音波を発生するように構成されている照射装置を備え該照射装置から超音波を照射し、前記流体に含まれる微生物を殺滅する処理部を有する超音波装置において、
前記処理部を、前記微生物が超音波波面の腹面を通過するようように構成することを特徴とする超音波装置。 - 前記処理部内の前記超音波波面の節面を、流体の流れ方向と直交するように構成することを特徴とする請求項1記載の超音波装置。
- 前記流体が、殺菌成分を含む液体であることを特徴とする請求項1記載の超音波装置。
- 請求項1に記載の超音波装置であって、超音波装置はさらに貯水槽を複数個有する構成とし、該複数の貯水槽を順次切り替えて使用するように構成することを特徴とする超音波装置。
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JP06973898A Division JP3641930B2 (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 殺菌処理方法および殺菌処理装置 |
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