JP3806348B2 - Friction material mounting structure and friction material mounting method - Google Patents
Friction material mounting structure and friction material mounting method Download PDFInfo
- Publication number
- JP3806348B2 JP3806348B2 JP2001390270A JP2001390270A JP3806348B2 JP 3806348 B2 JP3806348 B2 JP 3806348B2 JP 2001390270 A JP2001390270 A JP 2001390270A JP 2001390270 A JP2001390270 A JP 2001390270A JP 3806348 B2 JP3806348 B2 JP 3806348B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- friction material
- friction
- cylindrical
- thin steel
- back plate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Braking Arrangements (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製のバックプレートに、結着材としての熱硬化性樹脂等の有機物を含有する摩擦形成材から成る摩擦材を接合させて一体とする摩擦材の取り付け構造及び摩擦材の取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両に使用されるディスクブレーキは、摩擦パッドを車輪と同一速度で回転するディスクロータの面に押接することによって車輪の回転速度を制御する。かかるディスクブレーキに用いられる摩擦パッドの一例を図7(a)(b)に示す。この図7(a)は摩擦パッドの正面図であり、図7(b)は図7(a)に示すX−Xにおける縦断面図である。
図7(a)(b)に示す摩擦パッド100は、金属製のバックプレート102と、結着材としての熱硬化性樹脂等の有機物を含有する摩擦形成材から成る摩擦材108とで構成され、通常、バックプレート102と摩擦材108は熱硬化性の接着剤で接着されて一体化されているものである。
【0003】
図7に示す摩擦パッド100のバックプレート102に穿設された二個の貫通孔104,104の各々には、図7(b)に示すように摩擦材108の一部が進入して成る凸部110が形成されている。
このため、図7(a)(b)に示す摩擦パッド100では、摩擦材108とバックプレート102とは、接着剤による接着と、摩擦材108に形成された凸部110,110とバックプレート102の貫通孔104,104との凹凸嵌合とにより接合されている。
かかる図7(a)(b)に示す摩擦パッド100は、二個の貫通孔104,104が形成されたバックプレート102の接着面に熱硬化性の接着剤(図示せず)を塗布した後、バックプレート102と摩擦形成材の予備成形物を加熱・圧着処理することによって得ることができる。この加熱・圧着処理の際に、バックプレート102の貫通孔104,104内に入りこんだ摩擦材108の一部が凸部110,110を形成し、二個の貫通孔104,104と凹凸嵌合する。
【0004】
ところで、図7(a)(b)に示す摩擦パッド100について、摩擦材108に対して、その摩擦面と平行な方向から力を加え、摩擦材108が剥離したときの応力(剥離せん断力)と温度との関係を測定し、その結果を図8に示す。図8から明らかなように、図7(a)(b)に示す摩擦パッド100の剥離せん断力は、温度上昇に伴って低下し、600℃においては常温時の1/10以下にまで低下している。
この様に、摩擦パッド100の温度上昇に伴う剥離せん断力の低下は、摩擦材108とバックプレート102との接着剤による接着力の低下に因るものであり、600℃では接着剤による接着力は略零となる。
したがって、600℃に加熱された摩擦パッド100の呈する若干の剥離せん断力は、バックプレート102の貫通孔104,104内に入りこんだ摩擦材108の一部で形成された凸部110,110のアンカー効果によるものである。
なお、図7に示す摩擦パッド100を装着した車両が、一般道路を通常に走行する際には、摩擦パッド100の温度は高々450℃程度であるため、摩擦材108の剥離強度は問題ない。
【0005】
この様な図7に示す摩擦パッド100の剥離せん断力の温度依存性を緩和すべく、特開平11-247912号公報には、図9(a)(b)に示す摩擦パッド200が提案されている。この図9(a)は摩擦パッド200の正面図であり、図9(b)は図9(a)に示すY−Yにおける縦断面図である。
図9(a)(b)に示す摩擦パッド200は、バックプレート202に、摩擦材側に突出する筒状突起212を設けたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図9(a)(b)に示す摩擦パッド200によれば、摩擦材208がバックプレート202の筒状突起212内に充填され、摩擦材208とバックプレート202の筒状突起212との嵌合面積を拡大し、両者の接合力を増大できるため、摩擦材208の剥離せん断力の温度依存性を緩和できる。
しかしながら、図9(a)(b)に示す摩擦パッド200は、バックプレート202に筒状突起212を一体成形することを要し、その製造が容易ではなく、工業生産上困難であるのではないかと考えられる。
つまり、摩擦パッド200に用いるバックプレート202の筒状突起212を成形するには、通常、所定厚さの金属板にプレス加工を施して筒状突起212を成形するため、プレス力の大きな大型のプレス加工機を必要とし、プレス力が大きくなると、金型寿命も短くなる。
更に、摩擦パッド200は、車種に応じた種々の大きさのものを供給する必要があるが、バックプレート202をプレス加工により成形する場合、その筒状突起212の大きさも変更しなければならず、金型もその都度変更することを要する。
唯、図9(a)(b)に示す摩擦パッド200は、従来の図7(a)(b)に示す摩擦パッド100に比較して、摩擦材208の剥離せん断力の温度依存性を緩和できるため、その工業的生産性が要請されている。
そこで、本発明の課題は、摩擦材の剥離せん断力の温度依存性を緩和でき、且つ工業的生産に適した摩擦材の取り付け構造及び摩擦材の取り付け方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく検討を重ねた結果、金属製のバックプレートの一面側に、複数個の筒状突起をプレス加工で形成した薄鋼板を、スポット溶接で一体化した後、複数個の筒状突起が突出する面側に、摩擦材を加熱・圧着して接合することによって、摩擦材の剥離せん断力の温度依存性を緩和できる摩擦パッドを容易に得られることを知り、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、金属製のバックプレートの一面側に、結着材としての熱硬化性樹脂を含有する摩擦形成材から成る摩擦材を取り付けた摩擦材の取り付け構造において、前記バックプレートとして、貫通孔が形成されおらず且つ両面が平坦なバックレートが用いられており、前記バックプレートの摩擦材側の面に、前記バックプレートよりも薄く且つ一面側に筒状突起が突出する薄鋼板が、前記筒状突起が形成されていない部分の他面側に施されたスポット溶接により接合されて一体化され、前記薄鋼板の筒状突起が突出する一面側に、前記摩擦材が接合されていると共に、前記摩擦材の一部が筒状突起内に充填されていることを特徴とする摩擦材の取り付け構造にある。
【0008】
また、本発明は、金属製のバックプレートの一面側に、結着材としての熱硬化性樹脂を含有する摩擦形成材から成る摩擦材を取り付ける際に、前記バックプレートとして、貫通孔が形成されおらず且つ両面が平坦なバックレートを用い、前記バックプレートの摩擦材側の面に、前記バックプレートよりも薄く且つ一面側に筒状突起が突出する薄鋼板を、前記筒状突起が形成されていない部分の他面側に施したスポット溶接により接合して一体化した後、前記薄鋼板の筒状突起が突出する一面側に、前記摩擦材の一部が筒状突起内に充填されるように、前記摩擦材を加熱・圧着して接合することを特徴とする摩擦材の取り付け方法でもある。
かかる本発明において、薄鋼板として、複数個の筒状突起を形成した薄鋼板を用いることにより、摩擦材の剥離せん断力の温度依存性を更に緩和できる。
また、薄鋼板に形成する筒状突起として、突出長が3.4〜1.3mmの筒状突起を形成し、有効摩擦代が4mm以上の摩擦材を形成することが好ましい。
更に、薄鋼板に複数個の筒状突起を形成し、その際に、隣接する筒状突起との外周間距離をスポット溶接の径よりも広くなるように前記筒状突起の各々を形成することによって、バックプレートと薄鋼板とを十分に接合できる。
【0009】
本発明に係る摩擦材の取り付け構造によれば、摩擦材の一部は、バックプレートに一体化された薄鋼板に形成された筒状突起に充填されている。このため、バックプレートに一体化された筒状突起は摩擦材内に食い込み、そのアンカー効果によって摩擦材の剥離せん断力の温度依存性を緩和できる。
また、予め筒状突起が形成されたバックプレートよりも薄い薄鋼板をバックプレートにスポット溶接等で一体化することにより、バックプレートの一面側に筒状突起を形成できる。このため、バックプレートに直接筒状突起を形成した従来の摩擦パッドに比較して、摩擦パッドを容易に製造できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る摩擦材の取り付け構造の一例を図1(a)(b)を用いて説明する。図1(a)は、摩擦パッドに用いるバックプレート12の一面側に薄鋼板16,16が接合された状態を示す正面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すA−Aにおける縦断面図である。
図1(a)(b)に示す薄鋼板16,16の一面側には、図1(b)に示す様に、摩擦材18(通常、厚さが8〜10mm程度)が圧着されて摩擦パッド10が形成されている。
かかる摩擦材18には、図1(b)に示す様に、その中央部に溝19が形成されている。この溝19は、摩擦パッド10を用いたブレーキのブレーキ操作の際に、摩擦材18から発生する粉状物を、摩擦パッド10の外方に排出する排出溝として使用される。
【0011】
この図1(a)(b)に示すバックプレート12は、厚さが5mm程度であり、摩擦パッド10を車両に装着したとき、キャリパのピストンに押圧されても撓み等が発生しないように硬質の金属板から成る。
かかるバックプレート12は、その正面形状が略長方形となるように形成され、長軸方向の一辺が外方向に突出するように湾曲されていると共に、短辺部分には、外方に突出する耳片13が形成されている。この耳片13は、摩擦パッド10を車両に装着する際に用いられるものである。
かかるバックプレート12の一面側にスポット溶接により接合されている薄鋼板16,16は、厚さがバックプレート12よりも薄く、その厚さが0.4〜1.2mm程度である。この薄鋼板16,16の摩擦材18が圧着される一面側には、複数個の筒状突起20,20・・が形成されている。
かかる筒状突起20の形状を図2に示す。図2は筒状突起20の部分切欠斜視図であり、筒状突起20は、薄鋼板16の一面側に略垂直に起立して形成され、その上面及び下面が開放されている。
【0012】
薄鋼板16に形成された筒状突起20,20・・は、後述する様に、先端部が曲率Rで丸く形成されたパンチにより、薄鋼板16を突き破り加工して形成できる。このため、同一厚さの薄鋼板16では、筒状突起20の径dを大きくすると、筒状突起20の突出長hは低くなる傾向がある。
この様にして形成された筒状突起20の突出長h及び径dは、薄鋼板16の一面側に圧着される摩擦材18の厚さとの関係でも決定される。一般的に市販されている形状の摩擦パッド10においては、筒状突起20の上方に厚さ8〜10mmの摩擦材1を有効摩擦代とすることが好ましい。ところで、レース等に使用される特殊な摩擦パッドでは、摩擦材18の厚さが20mm程度に設けられている場合があり、この場合には、筒状突起20の突出長hが1.5mm以上であることが好ましい。このため、筒状突起20の突出長を、摩擦材18の厚さの8〜34%、特に13〜34%とすることが好ましい。
一般的に市販されている形状の摩擦パッド10におけて、薄鋼板16に形成された筒状突起20の突出長hと径dの関係を具体的に示すと、筒状突起20の径dが5〜8mmで突出長hが3.4〜1.3mm、特に径dが5〜7mmで突出長hが3.4〜1.7mmのものが好ましい。
かかる筒状突起20の形成密度は、筒状突起20,20・・の隣接する筒状突起20との外周間距離であるピッチP(図1)が6〜14mm、特に8〜12mmとすることが好ましい。
【0013】
ここで、筒状突起20の径dが8mmを超える場合には、薄鋼板16に形成し得る筒状突起20の突出長hが1.3mm未満となり、摩擦材18の食い込みが不十分となる傾向にある。他方、筒状突起20の径dが5mm未満の場合、筒状突起20の突出長hが3.4mmを超え、筒状突起20の上方に厚さ8〜10mmの摩擦材18を有効摩耗代として取り難くなる傾向にある。
また、筒状突起20のピッチPが14mmを超える場合には、十分なアンカー効果が得られにくくなる傾向にある。他方、筒状突起20のピッチPが6mm未満の場合、バックプレート12と薄鋼板16をスポット溶接する際に、スポット溶接の径が3〜5mmであるため、バックプレート12と薄鋼板16の接合を十分に行えない傾向にある。
この様な寸法の筒状突起20,20・・であっても、筒状突起20を薄鋼板16の面積に対して0.3〜1.0個/cm2となるように形成すると共に、形成した筒状突起20の各開口面積の合計が、薄鋼板16の面積に対して10〜40%程度となるように形成することにより、薄鋼板16のスポット溶接性及びアンカー効果を更に向上でき好ましい。
【0014】
図1(b)に示す摩擦パッド10を製造するには、先ず、複数個の筒状突起20,20・・が形成され、厚さがバックプレート12よりも薄い薄鋼板16を形成する。
かかる筒状突起20は、図3(a)〜(d)に示す様に、プレス加工によって形成できる。図3(a)〜(d)に示すプレス加工では、形成する筒状突起20の外径と等しい径の凹部25が開口された雌型26の開口面に、薄鋼板16よりも長尺な薄鋼板6を載置した後[図3(a)]、先端が曲率Rで丸形状に形成されたパンチ29が設けられた雄型と雌型26とを型閉じすることによって、パンチ29の丸形状の先端は雌型26の凹部25内に進入しつつ、薄鋼板6に突き破り加工を施す[図3(b)(c)]。かかる突き破り加工では、薄鋼板6の突き破り片は、パンチ29の先端の凹部25への進入に伴なって、凹部25の内壁面に押し付けられて突出長hで径dの筒状突起20が形成される[図3(d)]。
この様にして薄鋼板6の一面側に所定数の筒状突起20を形成した後、所定サイズに切断することによって、所定数の筒状突起20が一面側に形成された薄鋼板16を得ることができる。
なお、薄鋼板16としては、所定長さに切断された短冊状の薄鋼板であってもよく、ロール状に巻かれた帯状の薄鋼板であってもよい。
【0015】
得られた薄鋼板16は、予め所定形状に形成されたバックプレート12に、スポット溶接によって接合する。かかるスポット溶接は、バックプレート12の一面側に薄鋼板16の平坦面を重ねた後、バックプレート12の他面側と薄鋼板16の一面側とを挟む二本の電極に電流を流すことによって、電極で挟んだ部分が抵抗となって発熱し、両者が溶接される。このスポット溶接は、他の個所をスポット溶接する際に、既にスポット溶接した個所の温度上昇による接合力の低下が殆どなく、安定した接合力を得ることができる。
この様に、一面側に複数個の筒状突起20,20・・が形成された薄鋼板16をバックプレート12の一面側にスポット溶接により接合することによって、図9に示す如く、バックプレート102の一面側に筒状突起212を一体成形する場合に比較して、バックプレート12の一面側に複数個の筒状突起20,20・・を容易に形成できる。
なお、図1(a)(b)に示す摩擦パッド10では、二枚の薄鋼板16の各々を4箇所でスポット溶接した。
【0016】
次いで、薄鋼板16がスポット溶接で接合されたバックプレート12には、摩擦材18を接合する。この摩擦材18の接合には、図4に示す様に、上熱金型28と下熱金型30とが設けられている成形機を用いる。この上熱金型28と下熱金型30とが型開きした際に、図4に示す様に、バックプレート12に接合された薄鋼板16の筒状突起20,20・・が形成された側に、結着材としての熱硬化性樹脂等の有機物を含有する摩擦形成材で予め常温成形された予備成形物18aを配置する。
その後、上熱金型28と下熱金型30とを型閉じすることによって、予備成形物18aと薄鋼板16とを加熱・圧着して一体化できる。
【0017】
かかる薄鋼板16と摩擦材18との接合は、摩擦材18に配合されている結着材等の接着剤によるものと、加熱・圧着の際に、摩擦材18に食い込む薄鋼板16に形成された筒状突起20,20・・によるアンカー効果とによる接合力である。
このため、図1(b)に示す摩擦パッド10では、図7に示す従来の摩擦パッド100の如く、バックプレート12の摩擦材18との接合面に接着剤を塗布することを要しないため、摩擦パッド10の工程を簡素化できる。
【0018】
バックプレート12に接合された薄鋼板16と摩擦材18とが一体化されて形成された摩擦パッド10は、図5に示す様に、車両に配設できる。図5は、車両の車軸と一体に回転するディスクロータ32を挟むように配設された摩擦パッド10,10がキャリパ(図示せず)に保持されている状態を示す。
かかるキャリパに配設された摩擦パッド10,10は、ブレーキ操作の際に、そのバックプレート12の各他面側に配設されたピストン34,34によって押圧され、摩擦材18,18の表面がディスクロータ32に押し付けられる。この様に、摩擦材18,18の表面がディスクロータ32に押しつけられたとき、摩擦熱により摩擦材18の温度が上昇する。
従来の図7(a)(b)に示す摩擦パッド100では、摩擦材108の温度が上昇すると、図8に示す如く、摩擦材100がバックプレート102から剥離される剥離せん断力が急激に低下する。
この点、図1(b)及び図5に示す摩擦パッド10では、バックプレート12の一面側に接合された薄鋼板16に形成された複数個の筒状突起20,20・・が摩擦材18に食い込むアンカー効果により、摩擦材18の剥離せん断力の温度依存性を緩和できる。
【0019】
更に、従来の図7(a)(b)に示す摩擦パッド100では、バックプレート102に形成している貫通孔104,104によって剛性が低下しており、ピストン34による押圧を繰り返すと、バックプレート102に塑性変形が発生し易い。かかる塑性変形がバックプレート102に発生すると、ディスクロータ32に摩擦材100の全面が当接しなくなるため、鳴きが発生し易くなる。
これに対し、図1(b)及び図5に示す摩擦パッド10では、バックプレート12に貫通孔を形成することを要しないため、バックプレート12の剛性を向上でき、ピストン34による押圧を繰り返し受けても、バックプレート12の塑性変形に因る鳴きを防止できる。
【0020】
また、図1に示す摩擦パッド10は、筒状突起20,20・・が形成された薄鋼板16を一面側に一体化したバックプレート12を用い、バックプレート12の一面側に摩擦材18を接合させることによって得られたものである。
したがって、図1に示す摩擦パッド10は、図9に示す摩擦パッド200の如く、バックプレート202の摩擦材18を接合する一面側に直接筒状突起212を形成することを要しない。
このため、小型のプレス機で薄鋼板16に筒状突起20を成形できる。さらに、長尺な薄鋼板6に筒状突起20を成形して、バックプレート12のサイズにあった大きさにカットすることで、種々のサイズの摩擦パッド10に適応した薄鋼板16を容易に成形できる。
【0021】
以上、説明してきた図1〜5に示す摩擦パッド10は、二枚の薄鋼板16,16を用いてきたが、二枚の薄鋼板16,16の合計面積と等しい薄鋼板に、筒状突起20,20・・を形成したものを使用できる。
また、薄鋼板16に形成する筒状突起20の形状も円形でなくてもよく、三角形、四角形、六角形等の多角形状であってもよい。
更に、バックプレート12に一体化された薄鋼板16の筒状突起20の形成面に、摩擦材18を接合する際に、接着剤を用いてもよい。
【0022】
【実施例】
実施例1
厚さが1mmの帯状薄鋼板の一面側に、図3に示すプレス加工によって、径dが6mmで突出長hが2.3〜2.5mmの筒状突起20,20・・を形成した後、帯状薄鋼板を切断して図1に示す矩形状の2枚の薄鋼板16,16を得た。この薄鋼板16には、16個の筒状突起20,20・・が形成されている。
更に、別工程で形成した図1に示す略長方形状の厚さ5mmのバックプレート12を形成し、このバックプレート12の一面側に、2枚の薄鋼板16,16を各角部(4箇所)をスポット溶接により接合した。この様に、薄鋼板16,16がスポット溶接されて一体化されたバックプレート12の一面側には、32個の筒状突起20が形成されている。
また、摩擦材18を形成する材料として、結着材としてのフェノール樹脂8重量%と、金属繊維である鋼ファイバ48重量%、銅ファイバ5重量%と、有機繊維であるアラミドファイバ3重量%と、充填剤としての硫酸バリウム5重量%、三硫化アンチモン5重量%、固形潤滑材としての黒鉛20重量%、及び研磨剤としてのアルミナ5重量%とを混合した混合物を、厚さ10mmの正面形状がバックプレート12の外周に沿った形状に成形した。
次いで、図4に示す様に、バックプレート12に接合された薄鋼板16の筒状突起20,20・・を上にして成形機の下熱金型30に載置し、薄鋼板16の上面に所定形状に成形した予備成形物18aを重ねた後、上熱金型28と下熱金型30とを型閉じして圧着処理を施した。その後、上熱金型28と下熱金型30とを型開きし、バックプレート12、薄鋼板16,16及び摩擦材18とが一体化された摩擦パッド10を取出した。
かかる加熱・圧着処理は、175℃の温度で、4.9×107Paの加圧力を加え、型閉じ−型開き−取出しの1サイクルを300秒で行った。得られた摩擦パッド10は、筒状突起20内に摩擦材18が充填されたものであり、その表面積は52cm2である。
【0023】
得られた摩擦パッド10について、株式会社島津製作所製のアムスラー試験機を使用して、加熱された摩擦材18の剥離せん断力の測定を行った。この剥離せん断力の測定は、摩擦パッド10を400℃の状態で1時間加熱した後に、摩擦材18の面に平行な方向に力を加えた際の、摩擦材18の定位置からの移動量を測定したものである。結果を図6(a)のチャートに示す。
ここで、図6(a)に示すチャートの横軸は、摩擦材18の移動量を示し、1目盛り(実線間)が0.2mmを表している。また、このチャートの縦軸は、せん断力を示し、1目盛り(実線間)が4.9×103Nを示している。
図6(a)に示すチャートから判るように、本実施例で得られた摩擦パッド10では、400℃で加熱された後における最大せん断力は16×103Nで、最大せん断力を示すまでの摩擦材18の移動量は0.65mmであった。
【0024】
比較例1
図7に示す厚さ5mmのバックプレート102を成形した。このバックプレート102の外周形状は実施例1と同様に形成されており、厚さ方向において径が18mmの円形の貫通孔104が2個穿設されている。また、摩擦材108も実施例1と同様に成形した。
次いで、実施例1と同様に、下熱金型30にバックプレート102を載置し、バックプレート102の貫通孔104に予備成形物108aの凸部110が嵌入する様に摩擦材108を重ねた後、上熱金型28と下熱金型30とを型閉じして圧着処理を施した。その後、上熱金型28と下熱金型30とを型開きし、バックプレート102と摩擦材108とが一体化された摩擦パッド100を取出した。
得られた摩擦パッド100は、貫通孔104内に摩擦材108が充填されたものであり、その表面積は52cm2である。
【0025】
得られた摩擦パッド100について、実施例1と同様に、加熱した摩擦材108の剥離せん断力を測定し、得られた結果を図6(b)のチャートに示す。図6(b)に示すチャートは、図6(a)と同様に、チャートの横軸が摩擦材108の移動量で1目盛り(実線間)が0.2mmであり、チャートの縦軸がせん断力で1目盛り(実線間)が4.9×103Nである。
図6(b)に示すチャートから判るように、比較例1の摩擦パッド100では、400℃で加熱された後における最大せん断力は11×103Nで、最大せん断力を示すまでの摩擦材108の移動量は0.65mmであった。
【0026】
ここで、摩擦材の剥離せん断力を測定して得られた図6(a)(b)のチャートに示される挙動線を積分した値は、それぞれの摩擦パッドにおいてバックプレートから摩擦材を剥離するために必要としたエネルギー(接着破断エネルギー)と考えられる。
そこで、図6(a)(b)のそれぞれにおいて積分計算を行ったところ、実施例1の摩擦パッド10における接着破断エネルギーは、比較例1におけるエネルギーの2倍以上であった。このことからも、実施例1で示す摩擦パッド10は、比較例1の摩擦パッド100よりも剥離しにくいことが判る。
【0027】
実施例2
厚さが1mmの帯状薄鋼板の一面側に、図3で示すプレス加工によって、下記表1に示す径dの筒状突起を形成した後、実施例1と同様にして摩擦パッドを成形した。成形された各々の摩擦パッドにおいて、薄鋼板に設けた筒状突起の外周間ピッチは常に6mmにし、加熱・圧着処理により成形した摩擦パッドの摩擦材の表面積を52cm2に形成した。
ここで、筒状突起の形成は、パンチによる突き破りによって行っているため、筒状突起の形状は、径dを決めるとその径dに対して突出長hが略一義的に決定されるものである。
次いで、各々の摩擦パッドにおいて、常温時でのバックプレートと摩擦材との剥離せん断力を測定した。この測定は、JISD4422に準拠して行ったものである。測定結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
表1から判るように、筒状突起の径dが4〜8mmで、突出長hが1.3〜4.5mm(No.2〜No.6)の場合、径dが10mmで、突出長hが1.0mm以下の筒状突起(No.1)と比較して、剥離せん断力が高い。
しかし、筒状突起の径dが4mm(No.6)の場合、厚さが8〜10mmの摩擦材に食い込む筒状突起の突出長hが3.8〜4.5mmであるため、摩擦材の有効摩耗代が少なくなる傾向にある。
また、筒状突起の径dが10mm(No.1)の場合は、他の水準と比較して剥離せん断力が低下している。これは、筒状突起の突出長hが1.0mm以下となっていることから、摩擦材の食い込みが不十分となり易い傾向があるためである。
以上のことより、筒状突起の形状は、径dが5〜8mmで突出長hが3.4〜1.3mmのものが好ましい、特に径dが5〜7mmで突出長hが3.4〜1.7mmのものが好ましい。
【0029】
実施例3
実施例2で得られた3種の摩擦パッド(No.3,No.4,No.5)と、比較例1で得られた摩擦パッドについて、高温状態における剥離せん断力の測定を行った。この測定は、600℃に加熱された熱処理炉にそれぞれの摩擦パッドを1時間投入した後に冷却し、冷却された摩擦パッドの剥離せん断力を、10mm/分のせん断速度で測定を行う島津万能試験機(AG500E)を使用して行ったものである。測定結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
表2より、高温時において、比較例1の摩擦パッドよりも実施例2(No.3,No.4,No.5)の摩擦パッドの方が剥離せん断力が大きく、剥離せん断力の温度依存性が緩和されている。
また、表1及び表2において、No.4の摩擦パッドにおける剥離せん断力が最大であることから、薄鋼板に設ける筒状突起の形状は、径dが6mmで突出長hが2.2〜2.5mmのものが最適である。
【0031】
実施例4
実施例1で得られた摩擦パッド10,10を、ブレーキ試験機もしくはブレーキ・ダイナモ(以下、単にダイナモと呼ぶことがある)を用いて負荷をかけ、高温熱履歴を与えた摩擦パッド10,10の剥離せん断力を測定した。この実験方法を以下に示す。
先ず、速度150km/hで走行する車両のディスクロータと同等の回転速度で回転するように、ダイナモによりディスクロータを高速回転させた(慣性は73.5N・m・s2)。この状態で、キャリパに保持されている摩擦パッド10,10を高速回転するディスクロータに当接させるスナップブレーキ動作を行った。この動作によって、高速回転するディスクロータは、0.45g(4.4m/s2)の減速度で、速度75km/hで走行する車両のディスクロータの回転速度まで減速させるものとした。減速後、インターバルを30秒間とり、この一連の動作を300回行った。
300回のスナップブレーキ動作の終了後、摩擦パッド10,10の有効摩耗代は約4mmとなり、摩擦材とバックプレートの間の接着面近傍での温度は約600〜660℃となっていた。このダイナモにより熱処理を加えた摩擦パッド10,10について、実施例2と同様にして剥離せん断力を測定した。この結果を表3に示す。
同様に、比較例1で得た摩擦パッド100についても、ダイナモにより熱処理を与えた摩擦パッド100,100について、実施例2と同様にして剥離せん断力を測定した。この結果を表3に併せて示す。
【0032】
【表3】
表3から明らかなように、実施例1の摩擦パッド10は、比較例1の摩擦パッド100に比較して、摩擦材の剥離せん断力の温度依存性が緩和されている。
【0033】
実施例5
実施例1で得られた摩擦パッド10,10の性能を、実車に装着させて走行した後の剥離せん断力を測定した。
測定は、摩擦パッド10,10を取りつけたレース車両でサーキットを走行し、摩擦材の有効摩耗代が約4mmになるまで走り込み、走行終了後、車両から摩擦パッド10,10を取り外して実施例2と同様にして剥離せん断力の測定を行った。測定結果を表4に示す。
なお、走行終了後の摩擦材とバックプレートの接合面近傍での温度は、約660〜700℃であった。
同様に、比較例1で得られた摩擦パッド100,100の性能を、実車に装着させて走行した後の剥離せん断力を測定し、その結果を表4に併せて示す。
【0034】
【表4】
実車に使用した摩擦パッドにおいても、実施例1の摩擦パッド10は、比較例1の摩擦パッド100に比較して、摩擦材の剥離せん断力の温度依存性が緩和されている。
【0035】
また、実施例1の摩擦パッド10,10を車両に装着して走行した際には、走行終了までブレーキ時のペダルフィーリングに変化はなく良好であった。これに対し、比較例1の摩擦パッド100,100を装着した際には、徐々にペダルフィーリングが柔らかくなった。更に、実施例1の摩擦パッド10では、比較例1の摩擦パッド100に比較して、ブレーキ操作の際の鳴きは少なかった。
【0036】
【発明の効果】
本発明による摩擦材の取り付け構造及び摩擦材の取り付け方法によれば、摩擦材側に突出する筒状突起内に摩擦材が充填されるため、そのアンカー効果によって摩擦材の剥離せん断力の温度依存性が緩和できる。
また、予め筒状突起を形成したバックプレートよりも、バックプレートより薄い薄鋼板をバックプレートに接合して筒状突起を形成することにより、種々の大きさのバックプレートに筒状突起を容易に形成できるため、種々のサイズの摩擦パッドの製造に対応でき、優れた工業的生産性を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る摩擦パッドの一実施例を示す摩擦パッドの一部分を示す正面図と、正面図のA−Aにおける縦断面図である。
【図2】 図1の筒状突起の部分切欠斜視図である。
【図3】 図1の筒状突起の成形方法を示す説明図である。
【図4】 図1に示す摩擦パッドの製造方法を説明するための説明図である。
【図5】 本発明に係る摩擦パッドを車両に配設した際の概略図である。
【図6】 アムスラー試験機により、本発明の摩擦パッドと従来の摩擦パッドの剥離せん断力を測定した結果を示すチャートである。
【図7】 従来の摩擦パッドを示す正面図と、正面図のX−Xにおける縦断面図である。
【図8】 図7に示す従来の摩擦パッドの温度と剥離せん断力の関係を示すグラフである。
【図9】 図7に示す従来の摩擦パッドを改良した摩擦パッドの正面図と、正面図のY−Yにおける縦断面図である。
【符号の説明】
10 摩擦パッド
12 バックプレート
16 薄鋼板
18 摩擦材
18a 予備成形物
20 筒状突起
25 凹部
28 上熱金型
30 下熱金型
32 ディスクロータ
34 ピストン[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a friction material mounting structure in which a friction material made of a friction forming material containing an organic substance such as a thermosetting resin as a binder is joined to a metal back plate, and a friction material mounting structure. Regarding the method.
[0002]
[Prior art]
A disc brake used in a vehicle such as an automobile controls the rotational speed of a wheel by pressing a friction pad against a surface of a disc rotor that rotates at the same speed as the wheel. An example of a friction pad used for such a disc brake is shown in FIGS. FIG. 7A is a front view of the friction pad, and FIG. 7B is a longitudinal sectional view taken along line XX shown in FIG. 7A.
A
[0003]
As shown in FIG. 7 (b), each of the two through
For this reason, in the
In the
[0004]
By the way, with respect to the
As described above, the decrease in the peeling shear force due to the temperature increase of the
Accordingly, the slight peeling shear force exhibited by the
Note that when a vehicle equipped with the
[0005]
In order to alleviate the temperature dependency of the peeling shear force of the
The
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
According to the
However, the
That is, in order to form the
Furthermore, the
However, the
Therefore, an object of the present invention is to provide a friction material mounting structure and a friction material mounting method that can alleviate the temperature dependence of the peeling shear force of the friction material and are suitable for industrial production.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of repeated studies to solve the above problems, the inventor has integrated a thin steel plate formed by pressing a plurality of cylindrical protrusions on one surface side of a metal back plate by spot welding. Knowing that a friction pad that can ease the temperature dependence of the peeling shear force of a friction material can be easily obtained by joining the friction material to the surface where multiple cylindrical projections protrude by heating and pressure bonding. The present invention has been reached.
That is, the present invention provides a thermosetting resin as a binder on one side of a metal back plate.FatIn the structure for attaching a friction material to which a friction material comprising a friction forming material is attached,As the back plate, a through rate is used in which through holes are not formed and both sides are flat,A thin steel plate on the friction material side surface of the back plate that is thinner than the back plate and has a cylindrical projection protruding on one surface sideIs applied to the other side of the portion where the cylindrical protrusion is not formedSpot meltingImmediatelyThe friction material is joined to one surface side where the cylindrical projection of the thin steel plate protrudes, and the friction material is partially filled in the cylindrical projection. The friction material mounting structure is characteristic.
[0008]
The present invention also provides a thermosetting resin as a binder on one side of a metal back plate.FatWhen attaching a friction material comprising a friction forming material,As the back plate, using a back rate in which no through hole is formed and both surfaces are flat,A thin steel plate on the friction material side surface of the back plate that is thinner than the back plate and has a cylindrical projection protruding on one surface sideOn the other side of the portion where the cylindrical protrusion is not formedSpot meltingImmediatelyAfter being joined and integrated, the friction material is heated and pressure-bonded so that a part of the friction material is filled in the cylindrical protrusion on one surface side where the cylindrical protrusion of the thin steel plate protrudes. Friction material mounting method characterized by joiningBut also.
In this invention, the temperature dependence of the peeling shear force of a friction material can further be relieved by using the thin steel plate in which the some cylindrical protrusion was formed as a thin steel plate.
Also,As the cylindrical protrusion formed on the thin steel plate, it is preferable to form a cylindrical protrusion having a protrusion length of 3.4 to 1.3 mm and to form a friction material having an effective friction margin of 4 mm or more.
Furthermore,By forming a plurality of cylindrical protrusions on the thin steel plate, and forming each of the cylindrical protrusions so that the distance between the outer periphery of the adjacent cylindrical protrusions is larger than the diameter of spot welding, The back plate and the thin steel plate can be sufficiently joined.
[0009]
According to the attachment structure of the friction material according to the present invention, a part of the friction material is filled in the cylindrical protrusion formed on the thin steel plate integrated with the back plate. For this reason, the cylindrical protrusion integrated with the back plate bites into the friction material, and the anchoring effect can relieve the temperature dependence of the peeling shear force of the friction material.
Further, by integrating a thin steel plate thinner than the back plate on which the cylindrical protrusion is formed in advance with the back plate by spot welding or the like, the cylindrical protrusion can be formed on one surface side of the back plate. For this reason, a friction pad can be easily manufactured compared with the conventional friction pad which formed the cylindrical protrusion directly in the backplate.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An example of the attachment structure of the friction material according to the present invention will be described with reference to FIGS. Fig.1 (a) is a front view which shows the state by which the
As shown in FIG. 1B, a friction material 18 (usually about 8 to 10 mm in thickness) is pressure-bonded to one side of the
As shown in FIG. 1B, a
[0011]
The
The
The
The shape of the
[0012]
The
The protruding length h and the diameter d of the
In the
The formation density of the
[0013]
Here, when the diameter d of the
Further, when the pitch P of the
Even in the case of the
[0014]
In order to manufacture the
The
In this way, after a predetermined number of
The
[0015]
The obtained
In this way, by joining the
In addition, in the
[0016]
Next, the
Thereafter, by closing the
[0017]
The
For this reason, in the
[0018]
The
The
In the
In this respect, in the
[0019]
Further, in the
On the other hand, in the
[0020]
Further, the
Therefore, unlike the
For this reason, the
[0021]
As described above, the
Further, the shape of the
Furthermore, an adhesive may be used when the
[0022]
【Example】
Example 1
After forming the
Further, the substantially
Further, as a material for forming the
Next, as shown in FIG. 4, the
Such heating / compression treatment is performed at a temperature of 175 ° C. and 4.9 × 10 6.7A pressure of Pa was applied, and one cycle of mold closing, mold opening, and taking out was performed in 300 seconds. The obtained
[0023]
About the obtained
Here, the horizontal axis of the chart shown in FIG. 6A represents the amount of movement of the
As can be seen from the chart shown in FIG. 6A, in the
[0024]
Comparative Example 1
A
Next, as in Example 1, the
The obtained
[0025]
About the obtained
As can be seen from the chart shown in FIG. 6B, in the
[0026]
Here, the value obtained by integrating the behavior lines shown in the charts of FIGS. 6A and 6B obtained by measuring the peeling shear force of the friction material peels the friction material from the back plate in each friction pad. It is considered that the energy required for this purpose (adhesion breaking energy).
Therefore, when integral calculation was performed in each of FIGS. 6A and 6B, the adhesive fracture energy in the
[0027]
Example 2
A cylindrical protrusion having a diameter d shown in Table 1 below was formed on one side of a strip-shaped thin steel plate having a thickness of 1 mm by pressing shown in FIG. 3, and then a friction pad was formed in the same manner as in Example 1. In each molded friction pad, the pitch between the outer circumferences of the cylindrical protrusions provided on the thin steel plate is always 6 mm, and the surface area of the friction material of the friction pad formed by heating / compression treatment is 52 cm.2Formed.
Here, since the cylindrical protrusion is formed by piercing with a punch, the shape of the cylindrical protrusion is such that when the diameter d is determined, the protrusion length h is substantially uniquely determined with respect to the diameter d. is there.
Next, in each friction pad, the peeling shear force between the back plate and the friction material at normal temperature was measured. This measurement was performed in accordance with JIS D4422. The measurement results are shown in Table 1.
[0028]
[Table 1]
As can be seen from Table 1, when the diameter d of the cylindrical protrusion is 4 to 8 mm and the protrusion length h is 1.3 to 4.5 mm (No. 2 to No. 6), the diameter d is 10 mm and the protrusion length Compared with the cylindrical protrusion (No. 1) whose h is 1.0 mm or less, the peeling shear force is high.
However, when the diameter d of the cylindrical projection is 4 mm (No. 6), the protruding length h of the cylindrical projection that bites into the friction material having a thickness of 8 to 10 mm is 3.8 to 4.5 mm. There is a tendency that the effective wear allowance of is less.
Moreover, when the diameter d of the cylindrical projection is 10 mm (No. 1), the peeling shear force is reduced as compared with other levels. This is because the protruding length h of the cylindrical projection is 1.0 mm or less, and therefore the biting of the friction material tends to be insufficient.
In view of the above, the cylindrical protrusion preferably has a diameter d of 5 to 8 mm and a protrusion length h of 3.4 to 1.3 mm, particularly a diameter d of 5 to 7 mm and a protrusion length h of 3.4. The thing of -1.7mm is preferable.
[0029]
Example 3
With respect to the three types of friction pads (No. 3, No. 4, No. 5) obtained in Example 2 and the friction pad obtained in Comparative Example 1, the peeling shear force in a high temperature state was measured. In this measurement, each friction pad is put into a heat treatment furnace heated to 600 ° C. for 1 hour and then cooled, and the peeling shear force of the cooled friction pad is measured at a shear rate of 10 mm / min. Machine (AG500E). The measurement results are shown in Table 2.
[0030]
[Table 2]
From Table 2, the friction pad of Example 2 (No. 3, No. 4, No. 5) has a larger peeling shear force than the friction pad of Comparative Example 1 at high temperatures, and the temperature dependence of the peeling shear force. Sex has been relaxed.
In Tables 1 and 2, no. Since the peeling shear force in the friction pad No. 4 is the maximum, the cylindrical projection provided on the thin steel plate is optimally shaped with a diameter d of 6 mm and a projection length h of 2.2 to 2.5 mm.
[0031]
Example 4
The
First, the disk rotor was rotated at a high speed by a dynamo so as to rotate at the same rotational speed as the disk rotor of a vehicle traveling at a speed of 150 km / h (inertia is 73.5 N · m · s).2). In this state, a snap brake operation was performed in which the
After 300 snap brake operations were completed, the effective wear allowance of the
Similarly, for the
[0032]
[Table 3]
As can be seen from Table 3, the
[0033]
Example 5
The peel shear force after running with the performance of the
In the measurement, a race vehicle equipped with the
In additionThe temperature in the vicinity of the joint surface between the friction material and the back plate after running was about 660 to 700 ° C.
Similarly, the performance of the
[0034]
[Table 4]
Also in the friction pad used in the actual vehicle, the
[0035]
Further, when running with the
[0036]
【The invention's effect】
According to the friction material mounting structure and the friction material mounting method of the present invention, since the friction material is filled into the cylindrical projection protruding to the friction material side, the anchor effect causes the temperature dependence of the peeling shear force of the friction material. Sexuality can be relaxed.
In addition, a cylindrical projection can be easily formed on back plates of various sizes by forming a cylindrical projection by joining a thin steel plate thinner than the back plate to the back plate, rather than a back plate having a cylindrical projection formed in advance. Since it can be formed, it can cope with the production of friction pads of various sizes and exhibits excellent industrial productivity.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing a part of a friction pad showing an embodiment of a friction pad according to the present invention, and a longitudinal sectional view taken along a line AA of the front view.
FIG. 2 is a partially cutaway perspective view of the cylindrical protrusion of FIG.
3 is an explanatory view showing a method for forming the cylindrical protrusion of FIG. 1. FIG.
4 is an explanatory diagram for explaining a manufacturing method of the friction pad shown in FIG. 1; FIG.
FIG. 5 is a schematic view when a friction pad according to the present invention is disposed in a vehicle.
FIG. 6 is a chart showing the results of measuring the peeling shear force between the friction pad of the present invention and a conventional friction pad using an Amsler tester.
FIG. 7 is a front view showing a conventional friction pad and a longitudinal sectional view taken along line XX of the front view.
8 is a graph showing the relationship between the temperature and peel shear force of the conventional friction pad shown in FIG.
9 is a front view of a friction pad obtained by improving the conventional friction pad shown in FIG. 7, and a longitudinal sectional view taken along YY of the front view.
[Explanation of symbols]
10 Friction pad
12 Back plate
16 Thin steel plate
18 Friction material
18a preform
20 Cylindrical protrusion
25 recess
28 Heating mold
30 Lower heat mold
32 disc rotor
34 piston
Claims (8)
前記バックプレートとして、貫通孔が形成されおらず且つ両面が平坦なバックレートが用いられており、前記バックプレートの摩擦材側の面に、前記バックプレートよりも薄く且つ一面側に筒状突起が突出する薄鋼板が、前記筒状突起が形成されていない部分の他面側に施されたスポット溶接により接合されて一体化され、
前記薄鋼板の筒状突起が突出する一面側に、前記摩擦材が接合されていると共に、前記摩擦材の一部が筒状突起内に充填されていることを特徴とする摩擦材の取り付け構造。On one side of the metal back plate, the mounting structure of the friction material fitted with a friction material made of friction forming material containing thermosetting resins as binder,
As the back plate, a back rate in which no through-hole is formed and both surfaces are flat is used, and a cylindrical protrusion is formed on the friction plate side surface of the back plate that is thinner than the back plate and on one surface side. thin steel sheet for projecting, the tubular projecting are integrated is more joined to the spot welding was applied to the other surface side of the portion not formed,
The friction material mounting structure, wherein the friction material is joined to one side of the thin steel plate from which the cylindrical protrusion protrudes, and a part of the friction material is filled in the cylindrical protrusion. .
前記バックプレートとして、貫通孔が形成されおらず且つ両面が平坦なバックレートを用い、前記バックプレートの摩擦材側の面に、前記バックプレートよりも薄く且つ一面側に筒状突起が突出する薄鋼板を、前記筒状突起が形成されていない部分の他面側に施したスポット溶接により接合して一体化した後、
前記薄鋼板の筒状突起が突出する一面側に、前記摩擦材の一部が筒状突起内に充填されるように、前記摩擦材を加熱・圧着して接合することを特徴とする摩擦材の取り付け方法。On one side of the metal back plate, when mounting the friction member made of a friction forming material containing thermosetting resins as binder,
As the back plate, a back rate in which no through-hole is formed and both surfaces are flat is used, and the back plate is thin on the friction material side surface and is thin with a cylindrical protrusion protruding on one surface side. after the steel sheet was integrated more joined to the spot welding was performed on the other surface of the portion where the tubular projection is not formed,
Friction material characterized in that the friction material is joined by heating and pressure bonding on one side of the thin steel plate from which the cylindrical projection protrudes so that a part of the friction material is filled in the cylindrical projection. How to install.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001390270A JP3806348B2 (en) | 2001-12-21 | 2001-12-21 | Friction material mounting structure and friction material mounting method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001390270A JP3806348B2 (en) | 2001-12-21 | 2001-12-21 | Friction material mounting structure and friction material mounting method |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003184922A JP2003184922A (en) | 2003-07-03 |
JP3806348B2 true JP3806348B2 (en) | 2006-08-09 |
Family
ID=27598246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001390270A Expired - Lifetime JP3806348B2 (en) | 2001-12-21 | 2001-12-21 | Friction material mounting structure and friction material mounting method |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3806348B2 (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180131692A (en) | 2017-05-31 | 2018-12-11 | 주식회사 프릭사 | Back plate structure for automobile brake pad |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4728771B2 (en) * | 2005-10-24 | 2011-07-20 | サンアロー株式会社 | Key sheet |
JP3857300B1 (en) * | 2006-01-26 | 2006-12-13 | 勝弘 山本 | Disc brake pad, pad back metal, and method for manufacturing pad back metal |
KR100784333B1 (en) * | 2006-07-06 | 2007-12-13 | 주식회사 프릭사 | A disk brake pad for vehicle |
WO2008068846A1 (en) * | 2006-12-05 | 2008-06-12 | Yamamoto Seisakusho Co., Ltd. | Disk brake pad, backing metal for pad, and method of manufacturing backing metal for pad |
JP5328609B2 (en) * | 2009-10-28 | 2013-10-30 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | Brake pads |
CN102588473B (en) * | 2011-04-02 | 2015-03-25 | 北京天宜上佳新材料有限公司 | Installation steel backing for powder metallurgy brake pad of rapid train |
US20130175127A1 (en) * | 2011-12-19 | 2013-07-11 | Winston MacKelvie | Friction plate |
JP5049410B1 (en) * | 2012-03-28 | 2012-10-17 | 株式会社タケヒロ | Package tray and package tray manufacturing method |
PL3265689T3 (en) * | 2015-03-04 | 2021-10-25 | Brembo S.P.A. | Multilayer pad for a disc brake |
JP7220077B2 (en) * | 2018-12-27 | 2023-02-09 | 曙ブレーキ工業株式会社 | Brake members and brake parts |
-
2001
- 2001-12-21 JP JP2001390270A patent/JP3806348B2/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180131692A (en) | 2017-05-31 | 2018-12-11 | 주식회사 프릭사 | Back plate structure for automobile brake pad |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003184922A (en) | 2003-07-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3806348B2 (en) | Friction material mounting structure and friction material mounting method | |
JP3857300B1 (en) | Disc brake pad, pad back metal, and method for manufacturing pad back metal | |
JP6285456B2 (en) | Composite disc brake backing plate | |
US20130175127A1 (en) | Friction plate | |
US3913716A (en) | Welded friction article and method of assembly | |
JP2013139880A (en) | Friction material having oil localization slots | |
JPH0571816B2 (en) | ||
US5520265A (en) | Friction pad for disk brake with wear sensor | |
EP0709592A2 (en) | Disc brake | |
KR20180009203A (en) | Automoble brake pad and manufacturing method of the same | |
JPH0989016A (en) | Disk brake pad | |
JP2006275089A (en) | Clutch drum and its manufacture | |
CN105229327A (en) | Friction plate comprising connected core plates | |
CN211737840U (en) | Improved brake pad for high-speed train | |
CN210859628U (en) | Multi-element alloy co-infiltrated steel backing for automobile brake pad | |
JP2563778Y2 (en) | Back of pad for disc brake | |
CA2721166A1 (en) | Improvement to a disc brake pad | |
JPH11247912A (en) | Pad for disc brake | |
WO2008097025A1 (en) | Damping shim for disc-type brake system | |
JP2007198588A (en) | Pad for disc brake, pad back plate, and manufacturing method of pad back plate | |
JPS63654B2 (en) | ||
JPH0723633Y2 (en) | Friction pad for disc brake | |
JPH09242794A (en) | Back metal of pad for disk brake and pad using the same | |
JPS58174734A (en) | Brake disc and method of manufacturing the disc | |
WO2008068846A1 (en) | Disk brake pad, backing metal for pad, and method of manufacturing backing metal for pad |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050705 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050712 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050909 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060418 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060512 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3806348 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090519 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |