JP3805533B2 - Isotope separation method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同位体分離方法に関し、より詳しくはクラスレートを利用し、その中の特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子を励起する波長の光を照射して脱離させることにより、所定同位体を多量に含むガス分子として濃縮する同位体分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
安定同位体を分離する方法としては、これまで遠心分離法、ガス拡散法、熱拡散法、蒸留法、分離ノズル法、レーザー法などが知られている。これらは目的とする元素、分離量、同位体濃度などによって使い分けられているが、例えば遠心分離法では高速回転機器を必要とするため保守管理に手間がかかり、ガス拡散法は分離効率が低く、熱拡散法は大量のエネルギーを必要とするなど、何れも一長一短がある。
【0003】
分子には、それぞれ固有の光吸収波長があるが、同位体の違いによってその波長は僅かながら異なっている。レーザー法では、特定の同位体を含む分子だけが吸収するような波長のレーザー光を選び出して照射することにより、同位体を分離することができる。すなわちA、A’を同位体原子とすると、A、A’が混在している中にレーザーを照射し、A’のみを励起する。そこに別の分子Bを作用させると、例えばA’+B=A’Bというような化学反応が生じてA’Bという第三の物質が生じるが、ABは生じない。これは、同位体の違いを化学物質の違いに変換できることを示している。あとは、通常の化学分離法によって容易にA’BとAとを分離することができる。
【0004】
ところが、実用上、A、A’が混在している中にレーザーを照射し、高濃度の同位体A’を得ようとする場合、多段化(カスケード化)して段階的に所要の同位体A’の濃度を高めて行く方法をとる。しかし、そのためにはA’Bをもう一度A’に戻す化学操作が必要である。これには大変な手間、労力、エネルギーが必要である。さらにA’Bが難分解性の化学物質であった場合には、カスケード化は事実上不可能ということになってしまう。また、難分解性物質の形では、せっかく分離、取得した同位体が産業的に使いにくい事態になってしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、クラスレート(clathrate)に対し、そのゲスト分子の吸収波長に相当する光を照射すると、吸収したエネルギーによりその分子を励起し、クラスレートの構成を阻害及び/又はクラスレートを選択的に分解することを見い出した。本発明は、クラスレートを介したこの現象を利用することにより新規且つ有用な同位体分離方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、クラスレートに対し、その中の特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子を励起する波長の光を照射して、当該特定同位体原子で構成されたゲスト分子を選択的に励起して離脱させることにより、気相中に当該特定同位体原子で構成されたゲスト分子を濃縮することを特徴とする同位体分離方法を提供する。
【0007】
また本発明は、クラスレートに対し、その中の特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子を励起する波長の光を照射して、当該特定同位体原子で構成されたゲスト分子を選択的に励起して離脱させることにより、クラスレート中に当該特定同位体原子で構成された分子以外の分子を濃縮することを特徴とする同位体分離方法を提供する。
【0008】
さらに本発明は、水をホスト分子とするクラスレートに対し、その中の特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子を励起する波長の光を照射して、当該特定同位体原子で構成されたゲスト分子を選択的に励起して離脱させることにより、水相中に当該特定同位体原子で構成されたゲスト分子を濃縮することを特徴とする同位体分離方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
例えば炭酸ガスには炭素同位体的に12CO2と13CO2が含まれているが、12CO2と13CO2とでは励起される光の波長が異なっている。図1は、波長域4.15〜4.65μmの範囲での両者の吸光度を実測した図である。ここで、炭酸ガスには上記波長域以外の波長域にも吸光域があるが、図1においては、そのうちの一部の波長域での実測値である。
【0010】
図1(a)は12CO2の吸光度、図1(b)は13CO2の吸光度である。図1(a)のとおり、12CO2 は波長4.18〜4.38μmの範囲の光を吸収する。これに対して、図1(b)のとおり13CO2 による吸収波長は幾分長波長側へシフトし、波長4.19〜4.52μmの範囲の光を吸収する。
【0011】
一方、クラスレートは2種の分子が適当な条件下で組み合わさって結晶ができるとき、一方の分子(ホスト分子)がトンネル形、層状、或いは網状構造をつくり、その隙間に他の分子(ゲスト分子)が入りこんだ構造の化合物であり、例えば十数個程度の分子(H2Oなどのホスト分子)で構成される篭(かご)状の結晶構造の中に別種の分子(CO2、CH4などのゲスト分子)が包摂されてなる化合物である。
【0012】
ここで例えば炭酸ガス中の12CO2と13CO2の量的比率はゲスト分子としてクラスレートを構成した場合も同じであり、この点他のクラスレートの場合も同じである。クラスレートの生成条件は、ホスト分子とゲスト分子の種類、組み合せによって変わるが、一般にある所定の温度、圧力の範囲でクラスレートが生成することが知られている。本発明で利用する各種クラスレートはそのような生成条件で生成させることができる。
【0013】
すなわち、クラスレートにおいてホストとなる分子は、ある範囲の大きさをもつガス分子と共存したときにクラスレートを形成することにより、ガス分子同士が非常に近い位置で結晶化する。この現象はホストとなる分子とゲストとなるガス分子とがある圧力、温度条件において共存すると、ホストとなる分子が例えば水素結合を介してゲストとなるガス分子とともに或る一定の立体構造、たとえばホストがゲストを取り囲むような篭状の構造などを構成する現象である。この現象はホスト分子とゲスト分子の種類如何により所定の温度、圧力で生起するが、本発明において所定クラスレートを生成する温度、圧力条件はホスト分子とゲスト分子との種類すなわち組み合せ如何により適宜選定される。
【0014】
本発明によれば、例えば炭酸ガスをゲスト分子とするクラスレートからのゲスト分子の分解・離脱に際して、上記12CO2と13CO2における光吸収域の差が利用できることが分かった。すなわち、クラスレートに対して、そのゲスト分子の特定同位体原子で構成されたゲスト分子の吸収波長に相当する波長の光を照射すると、吸収したエネルギーにより当該特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子が選択的に励起され、当該特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子で構成されるクラスレートの分解を促進させることができる。
【0015】
本発明においては、分離しようとする分子をゲスト分子としてクラスレートをつくり、得られたクラスレートに対して光を照射する。そしてその際、特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子だけが選択的に吸収するような波長を選ぶことにより、当該特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子のクラスレートの分解速度を選択的に増加させることができる。
【0016】
クラスレートは固体であり、クラスレートから分解、離脱した分子は気体である。このため分解速度を選択的に増加させた同位体原子をもつ分子は上記操作により気相中で増加する。本発明では、これによって当該同位体原子をもつ分子の気相中の平衡濃度を増加させて濃縮する。これとは逆に、上記のような操作により分解速度が遅い他の同位体をもつ分子は、クラスレート中に相対的に多量に残ることになるので、クラスレート中に濃縮することができる。
【0017】
すなわち、当該同位体原子をもつ分子以外の分子は固体であるクラスレートとしてより多く残り、当該同位体原子をもつ分子は選択的に分解して気相中により多く移行しているので、両者は容易に濃縮・分離することができる。しかもこの場合、一方はクラスレートとして残り、他方は気相中へ移行するというように両者は単純に分離されるので、カスケード化がきわめて容易であり、これにより同位体原子を高濃度に濃縮することができる。
【0018】
この点、前述レーザー法の例では、同位体原子A、A’にレーザーを照射してA’のみを励起するが、そこに別の分子Bを作用させてA’Bというような第三の物質を生じさせる。そしてA’BからA’を得るにはA’Bを分解させる必要があるが、その分解操作自体大変な手間、労力、エネルギーが必要であり、特にA’Bが難分解性の化学物質であった場合には、カスケード化は事実上不可能ということになってしまう。これに対して、本発明においては、一方はクラスレートとして残り、他方は気相中へ移行するというように、難分解性の物質の形になることなく、元の分子と同じ物質として単純に分離されるため、取り扱いがきわめて容易であり、したがって産業上も非常に有利である。
【0019】
他の例として、CH4 分子を構成する炭素には同位体12Cと13Cとが含まれているが、そのうち13Cは天然存在比で約1.1%であり、したがって13CH4は全CH4中に約1.1%しか含まれていない。図2は波長域1.65〜1.70μmでの両者の吸光度を実測した図である。図2(a)は12CH4 の吸光度、図2(b)は13CH4 の吸光度である。ここで、メタンには上記波長域以外の波長域にも吸光域があるが、図2にはその一部の波長域での実測値を示している。
【0020】
図2のとおり、例えば12CH4 は波長1.665〜1.668μm程度の光を吸収し、13CH4 の吸収波長は幾分シフトし、波長1.67〜1.673μm程度の光を吸収する。本発明によれば、例えばホスト分子が水で、ゲスト分子が天然同位体比のCH4 で構成されたクラスレートに対して、例えば特定波長1.67〜1.673μm程度の光を照射することにより13CH4を選択的に励起して13CH4を選択的に分解、離脱させることにより、気相中に13CH4が濃縮されたCH4が得られる。
【0021】
このように、本発明においては、固体であるクラスレートを利用し、これに特定波長ないしは特定波長範囲の光を照射することにより、クラスレートの分解という変化のみで同位体を分離することができる。この点、前述レーザー法では同位体を含む分子に波長を特定したレーザーを当てるが、前述のレーザー法では必然的に化学反応を伴うものであるので、この点で本発明とは基本的に異なるものである。
【0022】
本発明において、クラスレートに対して照射する光としては、クラスレートを構成するゲスト分子中の特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子を選択的に励起し得る波長の光であれば何れも使用される。上記選択的に励起し得る波長の光は、特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子以外のゲスト分子を励起する場合もあり得る。この場合にも、両ゲスト分子に対する励起作用に有意の差異があれば適用することができるが、好ましくは特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子を選択的に励起し、それ以外のゲスト分子は励起しないか実質上励起しない波長ないしは波長範囲の光が用いられる。
【0023】
すなわち、ゲスト分子中の特定同位体原子を含む分子を励起する波長とそれ以外の同位体原子を含む分子を励起する波長の差は通常僅かであるが、このような場合には、例えば特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子を励起する波長として線幅の狭いレーザー光を選ぶことにより、クラスレートからの当該特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子の分解・離脱速度をシャープに増強させ、有効に濃縮することができる。また波長が短いと1フォトン当りの照射エネルギーが大きいので、ゲスト分子の励起波長が複数箇所ある場合には、短波長域を選ぶことで分解・離脱効果を高めることができる。
【0024】
本発明における分離対象となるゲスト分子としては、2種以上の安定同位体原子からなる分子であれば何れも適用することができる。炭素を含むゲスト分子の例としては、炭酸ガス(CO2)やメタンのほか、一酸化炭素(CO)、エタン、エチレン、プロパン、シクロプロパン、ブタン(nーブタン、イソブタン)、シクロブタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、アダマンタン等が挙げられる。
【0025】
炭素を含むゲスト分子以外の2種以上の安定同位体原子からなるゲスト分子の例としてはAr、Kr、Xe、窒素(N2)、酸素(O2)、硫化水素(H2S)等が挙げられる。例えばArでは、安定同位体として▲1▼36Ar(存在比0.3365%)、▲2▼38Ar(存在比0.0632%)、▲3▼40Ar(存在比99.6003%)がある。この場合、Arをゲスト分子、水をホスト分子とするクラスレートをつくり、生成クラスレートに例えば▲1▼36Arを選択的に励起する波長の光を照射して気相中に▲1▼36Arを選択的に離脱させることで濃縮することができる。この点、Kr、Xe等についても同じである。
【0026】
また、N原子には、安定同位体として▲1▼14N(存在比99.634%)、▲2▼15N(存在比0.366%)があり、O原子には、安定同位体として▲1▼16O(存在比99.762%)、▲2▼17O(存在比0.038%)、▲3▼18O(存在比0.200%)があり、S原子には、安定同位体として▲1▼32S(存在比95.02%)、▲2▼33S(存在比0.75%)、▲3▼34S(存在比4.21%)、▲4▼36S(存在比0.02%)がある。本発明はこれら原子を含む分子について適用される。
【0027】
本発明において、クラスレートを形成するホスト化合物としては特に限定はなく、その例としては水、硫化水素、アルコール類、アミン類、有機酸類又はキノン類などが挙げられる。中でも特に水が好適に用いられる。上記のとおり、硫化水素はゲストともなり得る物質である。
【0028】
水をホスト分子とするクラスレートにおいて、そのクラスレートを構成するゲスト分子が水中に存在し得る場合には、当該クラスレート中の特定同位体原子を構成原子としてもつゲスト分子を励起する波長の光を照射して、当該特定同位体原子で構成されたゲスト分子を選択的に励起して離脱させることにより、水相中に当該特定同位体原子で構成されたゲスト分子を濃縮することができる。この場合、クラスレートは固体であり、クラスレートから分解、離脱した分子は水相中に存在するので、クラスレートとクラスレートから離脱した当該特定同位体原子で構成された分子を含む水相とを固液分離することにより分離される。
【0029】
上記水をホスト分子とするクラスレートにおいて、クラスレートを構成するゲスト分子が水相中に存在し得る当該ゲスト分子としては、2ーメチルー2ープロパノール、シクロペンタノール、2ーメチルー1ープロパノール、オキセタン、1,3ージオキソラン、フラン、テトラヒドロフラン、1,2ージオキサン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソプロピルアミン、イソブチルアミン等が挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例により限定されないことはもちろんである。まず実施例で使用した装置の概略を説明し、次いでこの装置を用いたクラスレートの生成、生成クラスレートの分解試験及び気相成分測定試験を記載している。
【0031】
図3は本実施例で使用した実験用装置の構成を模式的に示した図である。図3中、1はクラスレート生成ホルダー、2はホルダー回転用ローラー、3は回転力伝達機構、4は赤外線光源、5はフィルターであり、これらは冷凍庫6内に収容されている。クラスレートの生成操作は、まず生成ホルダー1中にホスト物質を収容するとともに、ゲスト物質としてのガスを導入、充填し、ホルダー回転用ローラー2により回転させながらクラスレートを生成させる。
【0032】
ホルダー回転用ローラー2により、回転力伝達機構3を介して、クラスレート生成ホルダー1を回転させることで、ホスト物質とゲストガスとを混合、攪拌して接触を促進させ、ハイドレートを効率よく生成させる。なお、クラスレート生成ホルダー1にはホスト物質、ゲスト物質の導入管、ガス取り出し管、生成クラスレートの取り出し管等を配置しているが、図3では記載を省略している。
【0033】
次に、赤外線光源4で赤外線を発生させ、ホルダー1中の生成クラスレートに対して照射する。図3中矢印(←)はその照射方向を示している。その際、赤外線はフィルター5に通され、特定波長の赤外線のみが選択されて照射される。ホルダーは赤外線を通す必要があるため、赤外線透過性の材料で構成されている。その後、ホルダー1内の気相を取り出し、その成分を分析する。
【0034】
赤外線光源として赤外線ビーム照射装置(ニコレー・ジャパン社製)を使用し、フィルター5として赤外線バンドパスフィルター(SPECTROGON社製、NBー4350ー020ーD)を使用した場合の赤外線の波長は図4に示すとおりである。図4のとおり本装置による赤外線波長は4.34〜4.39μmの範囲であるが、その波長域のピークは約4.37μmである。
【0035】
図1(a)のとおり、12CO2 は波長4.18〜4.38μmの範囲の赤外線を吸収するが、本装置による赤外線波長域では20%程度の吸光率である。これに対して、図1(b)のとおり13CO2 は波長4.19〜4.52μmの範囲の赤外線を吸収するが、本装置による赤外線波長域では80〜95%程度の吸光率であることを示している。
【0036】
クラスレート生成ホルダー1として左右両側にサファイヤ製の窓を付けたステンレス製の円筒状高圧容器を用い、その中に水を入れた。ガスボンベに収容された天然存在比の炭酸ガスを容器内圧が30kgf/cm2となるまでホルダー1に充填した。水の量はホスト成分としてゲストCO2ガス とのクラスレート生成量に与るのに十分な量とした(ホスト成分として与る水量は10ccであった)。冷凍庫6内の温度を−20℃とし、クラスレート生成ホルダー1をホルダー回転用ローラー2により回転させながらハイドレートを生成させ、この操作を容器内気相圧力が約10kgf/cm2となるまで継続した。容器内気相圧力の減少はホスト水とゲストCO2ガスとによるクラスレートの生成によるものである。
【0037】
〈分解試験〉
上記生成クラスレートに関する分解実験を実施した。赤外線光源4として赤外線ビーム照射装置(ニコレー・ジャパン社製)を使用し、フィルター5として赤外線バンドパスフィルター(SPECTROGON社製、NBー4350ー020ーD)を使用し、クラスレート生成ホルダー1のクラスレートに対して図3中矢印(←)の方向から赤外線を照射した。この間、冷凍庫6内の温度を−20℃から+20℃まで上昇させた。フィルター透過後の赤外線パワーをパワーモニター(OPHIR社製)でモニターしたところ約2mWであった。
【0038】
〈成分測定試験〉
上記分解操作を30分間継続した後、ホルダー1中のガスをガスサンプル採取用のサンプリングバッグに採取収容し、ガス中の13CO2 濃度とガスボンベ中の炭酸ガス中13CO2 濃度とを交互に測定した。測定間隔は約5分とした。このように交互に複数回測定したのは両者の差の有無、その差の程度をより厳密且つ正確に確認するためである。サンプリングバッグに収容したガスはサンプリングバッグから測定時毎にサンプリングして測定した。測定装置として株式会社島津製作所製のGCーMS(QPー500)を用いた。
【0039】
図5はその結果を示す図である。赤外線による分解を経た炭酸ガス中の13CO2濃度とガスボンベ中の炭酸ガス中13CO2濃度とでは明白な差異が認められる。図5には両者を5回測定した結果を示しているが、ガスボンベ中の炭酸ガス中13CO2濃度(図5中●印)の平均は1.09338%であったのに対して、赤外線による分解を経た炭酸ガス中の13CO2濃度(図5中■印)の平均は1.10166%であった。両者を対比すると、赤外線照射により13CO2濃度が約0.0083ポイント増加している。
【0040】
《比較例》
実施例の分解試験において、赤外線を照射せず、その他は実施例と同様にしてクラスレートを分解させ、実施例1の成分測定試験と同様にしてホルダー1中のガスをサンプリングバッグに採取収容し、ガス中の13CO2 濃度とガスボンベ中の炭酸ガス中13CO2 濃度とを交互に測定した。図6はその結果である。図6のとおり、ガス中の13CO2濃度(図6中■印)とガスボンベ中の炭酸ガス中13CO2濃度(図6中●印)はほぼ同じ値を示し、両者に有意の差異がないことが明らかである。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、一方はクラスレートとして残り、他方は気相中へ移行するというように、元の分子と同じ物質として単純に分離され、濃縮された同位体は化学形態が変化していないので、カスケード化がきわめて容易であり、容易に多段濃縮ができる。また前述レーザー法のように化学反応に束縛されることなく難分解性の物質の形になることがないので、産業上の取り扱いが非常に容易である。さらに、波長を特定した光は目的の同位体分子だけに選択的に作用するので、選択性が高く、分離係数が大きい。このように選択性が高いため、余分なエネルギーを使わなくてよく、ランニングコストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】12CO2及び13CO2の吸収スペクトルを示す図。
【図2】12CH4及び13CH4の吸収スペクトルを示す図。
【図3】本実施例で使用した実験用装置の構成の概略図。
【図4】本実施例で使用した実験用装置によるフィルターの透過率スペクトルを示す図。
【図5】クラスレートの赤外線照射で得られたガス相中の13CO2量 と天然同位体比の炭酸ガス中の13CO2量を示す図。
【図6】比較例で得られたガス相中の13CO2量と天然同位体比の炭酸ガス中の13CO2量を示す図。
【符号の説明】
1 クラスレート生成ホルダー
2 ホルダー回転用ローラー
3 回転力伝達機構
4 赤外線光源
5 フィルター
6 冷凍庫[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an isotope separation method, and more specifically, by using a clathrate and desorbing a guest molecule having a specific isotope atom as a constituent atom by irradiating with light having a wavelength that excites the molecule. The present invention relates to an isotope separation method that enriches gas molecules containing a large amount of isotopes.
[0002]
[Prior art]
Conventionally known methods for separating stable isotopes include a centrifugal separation method, a gas diffusion method, a thermal diffusion method, a distillation method, a separation nozzle method, and a laser method. These are properly used depending on the target element, separation amount, isotope concentration, etc.For example, the centrifugal method requires high-speed rotating equipment, so it takes time for maintenance management, and the gas diffusion method has low separation efficiency, Thermal diffusion methods have both advantages and disadvantages, such as requiring a large amount of energy.
[0003]
Each molecule has its own light absorption wavelength, but the wavelength varies slightly depending on the isotope. In the laser method, isotopes can be separated by selecting and irradiating laser light having a wavelength that only a molecule containing a specific isotope absorbs. That is, if A and A ′ are isotope atoms, a laser is irradiated while A and A ′ are mixed, and only A ′ is excited. When another molecule B is allowed to act there, a chemical reaction such as A ′ + B = A′B occurs to generate a third substance A′B, but AB does not occur. This indicates that isotope differences can be converted to chemical differences. After that, A′B and A can be easily separated by an ordinary chemical separation method.
[0004]
However, in practice, when a high concentration isotope A ′ is to be obtained by irradiating a laser while A and A ′ are mixed, the required isotopes are stepped in stages. A method of increasing the concentration of A ′ is taken. However, for this purpose, a chemical operation for returning A′B back to A ′ is necessary. This requires a lot of effort, labor and energy. Further, when A′B is a hardly decomposable chemical substance, cascading is virtually impossible. Moreover, in the form of a hardly decomposable substance, it is difficult to use the isotope separated and acquired industrially.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
When the present inventors irradiate the clathrate with light corresponding to the absorption wavelength of the guest molecule, the inventors excite the molecule by the absorbed energy, thereby inhibiting the structure of the clathrate and / or the clathrate. I found it to decompose selectively. An object of the present invention is to provide a new and useful isotope separation method by utilizing this phenomenon via clathrate.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention selectively irradiates a guest molecule composed of a specific isotope atom by irradiating the clathrate with light having a wavelength that excites a guest molecule having the specific isotope atom as a constituent atom. The isotope separation method is characterized in that the guest molecules composed of the specific isotope atoms are concentrated in the gas phase by being separated.
[0007]
In addition, the present invention selectively irradiates a guest molecule composed of the specific isotope atom by irradiating the clathrate with light having a wavelength that excites a guest molecule having the specific isotope atom as a constituent atom. Provided is an isotope separation method characterized in that a molecule other than a molecule composed of the specific isotope atom is concentrated in a clathrate by excitation and separation.
[0008]
Furthermore, the present invention is configured by irradiating a clathrate having water as a host molecule with light having a wavelength for exciting a guest molecule having a specific isotope atom as a constituent atom therein, and comprising the specific isotope atom. Provided is an isotope separation method characterized in that a guest molecule composed of the specific isotope atom is concentrated in an aqueous phase by selectively exciting and releasing the guest molecule.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
For example, carbon dioxide contains carbon dioxide isotopes of 12 CO 2 and 13 CO 2, but the wavelength of the excited light differs between 12 CO 2 and 13 CO 2 . FIG. 1 is a diagram in which the absorbance of both in the wavelength range of 4.15 to 4.65 μm was measured. Here, the carbon dioxide gas has a light absorption region in a wavelength region other than the above wavelength region, but in FIG. 1, it is an actually measured value in a part of the wavelength region.
[0010]
FIG. 1A shows the absorbance of 12 CO 2 , and FIG. 1B shows the absorbance of 13 CO 2 . As shown in FIG. 1A, 12 CO 2 absorbs light in the wavelength range of 4.18 to 4.38 μm. On the other hand, as shown in FIG. 1B, the absorption wavelength by 13 CO 2 is somewhat shifted to the longer wavelength side and absorbs light in the wavelength range of 4.19 to 4.52 μm.
[0011]
On the other hand, when a clathrate forms a crystal by combining two kinds of molecules under appropriate conditions, one molecule (host molecule) forms a tunnel, layer, or network structure, and another molecule (guest A compound having a structure in which a molecule is embedded, for example, a different type of molecule (CO 2 , CH in a cage-like crystal structure composed of about a dozen molecules (a host molecule such as H 2 O). 4 or other guest molecules).
[0012]
Here, for example, the quantitative ratio of 12 CO 2 and 13 CO 2 in carbon dioxide is the same when a clathrate is formed as a guest molecule, and this is the same for other clathrates. The conditions for generating the clathrate vary depending on the type and combination of the host molecule and guest molecule, but it is generally known that the clathrate is generated within a certain predetermined temperature and pressure range. Various clathrates used in the present invention can be generated under such generation conditions.
[0013]
That is, molecules that are hosts in the clathrate form a clathrate when they coexist with gas molecules having a certain range of size, so that the gas molecules crystallize at very close positions. This phenomenon occurs when a host molecule and a guest gas molecule coexist in a certain pressure and temperature condition, and the host molecule and the gas molecule that becomes the guest via hydrogen bonds, for example, have a certain three-dimensional structure, for example, the host. Is a phenomenon that forms a bowl-like structure surrounding the guest. This phenomenon occurs at a predetermined temperature and pressure depending on the type of host molecule and guest molecule. In the present invention, the temperature and pressure conditions for generating a predetermined clathrate are appropriately selected depending on the type or combination of the host molecule and guest molecule. Is done.
[0014]
According to the present invention, it has been found that, for example, the difference in the light absorption range between 12 CO 2 and 13 CO 2 can be used when the guest molecules are decomposed and separated from the clathrate containing carbon dioxide as guest molecules. That is, when the clathrate is irradiated with light having a wavelength corresponding to the absorption wavelength of a guest molecule composed of a specific isotope atom of the guest molecule, the guest having the specific isotope atom as a constituent atom by the absorbed energy The molecule is selectively excited, and the decomposition of the clathrate composed of the guest molecule having the specific isotope atom as a constituent atom can be promoted.
[0015]
In the present invention, a clathrate is produced using the molecule to be separated as a guest molecule, and the resulting clathrate is irradiated with light. At that time, by selecting a wavelength that only the guest molecule having a specific isotope atom as a constituent atom selectively absorbs, the decomposition rate of the clathrate of the guest molecule having the specific isotope atom as a constituent atom is selected. Can be increased.
[0016]
The clathrate is a solid, and the molecules decomposed and separated from the clathrate are gases. For this reason, molecules having isotope atoms with selectively increased decomposition rates increase in the gas phase by the above operation. In the present invention, this increases the equilibrium concentration of the molecule having the isotope atom in the gas phase and concentrates it. On the other hand, molecules having other isotopes whose decomposition rates are slow by the above-described operation remain in a relatively large amount in the clathrate, and therefore can be concentrated in the clathrate.
[0017]
That is, more molecules than the molecule with the isotope atom remain as a clathrate that is a solid, and the molecule with the isotope atom selectively decomposes and migrates more in the gas phase. It can be easily concentrated and separated. Moreover, in this case, the two are simply separated as one remains as clathrate and the other moves into the gas phase, so that cascading is extremely easy, thereby concentrating the isotope atoms to a high concentration. be able to.
[0018]
In this regard, in the example of the laser method described above, the laser is irradiated to the isotope atoms A and A ′ to excite only A ′, but another molecule B is caused to act on the third molecule A′B. Give rise to substances. In order to obtain A ′ from A′B, it is necessary to decompose A′B. However, the decomposition operation itself requires a lot of labor, labor, and energy. In particular, A′B is a hardly decomposable chemical substance. If so, cascading is virtually impossible. On the other hand, in the present invention, one remains as a clathrate and the other moves into the gas phase, so that it does not take the form of a hardly decomposable substance and is simply the same substance as the original molecule. Since it is separated, it is very easy to handle and is therefore very advantageous from an industrial point of view.
[0019]
As another example, the carbon constituting the CH 4 molecule contains the isotopes 12 C and 13 C, of which 13 C is about 1.1% in natural abundance, so 13 CH 4 is Only about 1.1% is contained in the total CH 4 . FIG. 2 is a diagram in which the absorbances of both in the wavelength region of 1.65 to 1.70 μm are actually measured. 2A shows the absorbance of 12 CH 4 , and FIG. 2B shows the absorbance of 13 CH 4 . Here, methane has a light absorption region in a wavelength region other than the above wavelength region, and FIG. 2 shows actually measured values in a part of the wavelength region.
[0020]
As shown in FIG. 2, for example, 12 CH 4 absorbs light having a wavelength of about 1.665 to 1.668 μm, and the absorption wavelength of 13 CH 4 is somewhat shifted to absorb light having a wavelength of about 1.67 to 1.673 μm. To do. According to the present invention, for example, light having a specific wavelength of about 1.67 to 1.673 μm is irradiated to a clathrate in which a host molecule is water and a guest molecule is CH 4 having a natural isotope ratio, for example. selectively excited to selectively degrade 13 CH 4 to 13 CH 4 by, by leaving, CH 4 to 13 CH 4 is concentrated in the gas phase is obtained.
[0021]
As described above, in the present invention, by using a clathrate that is a solid and irradiating it with light having a specific wavelength or a specific wavelength range, it is possible to separate isotopes only by a change of decomposition of the clathrate. . In this regard, in the laser method described above, a laser whose wavelength is specified is applied to a molecule containing an isotope, but the above laser method inevitably involves a chemical reaction, so this point is fundamentally different from the present invention. Is.
[0022]
In the present invention, the light irradiated to the clathrate may be any light having a wavelength that can selectively excite a guest molecule having a specific isotope atom in the guest molecule constituting the clathrate as a constituent atom. used. The light having a wavelength that can be selectively excited may excite a guest molecule other than a guest molecule having a specific isotope atom as a constituent atom. Also in this case, if there is a significant difference in the excitation action for both guest molecules, it can be applied, but preferably a guest molecule having a specific isotope atom as a constituent atom is selectively excited, and the other guest molecules Is used in the wavelength or wavelength range that is not excited or substantially excited.
[0023]
That is, the difference between the wavelength for exciting a molecule containing a specific isotope atom in a guest molecule and the wavelength for exciting a molecule containing another isotope atom is usually small. By selecting a laser beam with a narrow line width as the wavelength for exciting a guest molecule having a body atom as a constituent atom, the decomposition and separation rate of the guest molecule having the specific isotope atom as a constituent atom from the clathrate is sharply enhanced. And can be concentrated effectively. In addition, since the irradiation energy per photon is large when the wavelength is short, when there are a plurality of excitation wavelengths of guest molecules, the decomposition and separation effect can be enhanced by selecting the short wavelength region.
[0024]
As the guest molecule to be separated in the present invention, any molecule can be applied as long as it is a molecule composed of two or more kinds of stable isotope atoms. Examples of guest molecules containing carbon include carbon dioxide (CO 2 ) and methane, carbon monoxide (CO), ethane, ethylene, propane, cyclopropane, butane (n-butane, isobutane), cyclobutane, neopentane, cyclohexane Examples include pentane, cyclohexane, cyclooctane, methylcyclohexane, benzene, and adamantane.
[0025]
Examples of guest molecules composed of two or more kinds of stable isotope atoms other than carbon-containing guest molecules include Ar, Kr, Xe, nitrogen (N 2 ), oxygen (O 2 ), hydrogen sulfide (H 2 S), etc. Can be mentioned. For example, in Ar, as stable isotopes, (1) 36 Ar (abundance ratio: 0.3365%), (2) 38 Ar (abundance ratio: 0.0632%), and (3) 40 Ar (abundance ratio: 99.6003%) is there. In this case, creating a clathrate of guest molecule and water as a host molecule Ar, to generate clathrate example ▲ 1 ▼ 36 Ar selectively with light having an excitation wavelength in the gas phase by irradiation with ▲ 1 ▼ 36 It can be concentrated by selectively releasing Ar. This also applies to Kr, Xe and the like.
[0026]
In addition, there are (1) 14 N (abundance ratio 99.634%) and (2) 15 N (absorption ratio 0.366%) as stable isotopes in N atoms, and O atoms as stable isotopes. (1) 16 O (abundance ratio: 99.762%), (2) 17 O (abundance ratio: 0.038%), (3) 18 O (abundance ratio: 0.200%), S atoms are stable As isotopes (1) 32 S (abundance ratio 95.02%), (2) 33 S (abundance ratio 0.75%), (3) 34 S (abundance ratio 4.21%), (4) 36 S (Existence ratio 0.02%). The present invention applies to molecules containing these atoms.
[0027]
In the present invention, the host compound that forms the clathrate is not particularly limited, and examples thereof include water, hydrogen sulfide, alcohols, amines, organic acids, and quinones. Of these, water is particularly preferably used. As described above, hydrogen sulfide is a substance that can also be a guest.
[0028]
In a clathrate with water as the host molecule, if the guest molecule that constitutes the clathrate can be present in water, light with a wavelength that excites the guest molecule having a specific isotope atom in the clathrate as a constituent atom. , The guest molecules composed of the specific isotope atoms can be selectively excited and separated to selectively concentrate the guest molecules composed of the specific isotope atoms in the aqueous phase. In this case, the clathrate is solid, and the molecules decomposed and separated from the clathrate are present in the aqueous phase. Therefore, the clathrate and the aqueous phase containing the molecule composed of the specific isotope atom separated from the clathrate Is separated by solid-liquid separation.
[0029]
In the clathrate using water as a host molecule, the guest molecules that can form the clathrate in the aqueous phase include 2-methyl-2-propanol, cyclopentanol, 2-methyl-1-propanol, oxetane, 1, Examples include 3-dioxolane, furan, tetrahydrofuran, 1,2-dioxane, cyclobutanone, cyclopentanone, cyclohexanone, isopropylamine, and isobutylamine.
[0030]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated further in detail based on an Example, of course, this invention is not limited by these Examples. First, an outline of the apparatus used in the examples is described, and then generation of a clathrate, decomposition test of the generated clathrate and gas phase component measurement test using this apparatus are described.
[0031]
FIG. 3 is a diagram schematically showing the configuration of the experimental apparatus used in this example. In FIG. 3, 1 is a clathrate generating holder, 2 is a roller for rotating the holder, 3 is a rotational force transmission mechanism, 4 is an infrared light source, and 5 is a filter, which are accommodated in the
[0032]
By rotating the
[0033]
Next, infrared light is generated by the infrared
[0034]
FIG. 4 shows the wavelength of infrared rays when an infrared beam irradiating device (Nikolay Japan Co., Ltd.) is used as the infrared light source, and an infrared bandpass filter (SPECTROGON, NB-4350-020-D) is used as the
[0035]
As shown in FIG. 1A, 12 CO 2 absorbs infrared rays having a wavelength ranging from 4.18 to 4.38 μm, but has an absorbance of about 20% in the infrared wavelength region of the present apparatus. On the other hand, as shown in FIG. 1B, 13 CO 2 absorbs infrared rays having a wavelength in the range of 4.19 to 4.52 μm, but has an absorptivity of about 80 to 95% in the infrared wavelength region of this apparatus. It is shown that.
[0036]
A stainless steel cylindrical high-pressure vessel with sapphire windows on both the left and right sides was used as the
[0037]
<Decomposition test>
A decomposition experiment on the generated clathrate was conducted. Using an infrared beam irradiation device (Nikolay Japan) as the infrared
[0038]
<Component measurement test>
After continuing the decomposition operation 30 minutes, the gas in the
[0039]
FIG. 5 is a diagram showing the results. It is observed obvious difference between 13 CO 2 concentration and carbon dioxide in 13 CO 2 concentration in the gas cylinder of carbon dioxide gas passed through the degradation by infrared. FIG. 5 shows the result of measuring both times, and the average of the 13 CO 2 concentration in the carbon dioxide gas in the gas cylinder (marked with ● in FIG. 5) was 1.09338%, whereas the infrared The average of the 13 CO 2 concentration (marked with ■ in FIG. 5) in the carbon dioxide gas that had undergone the decomposition was 1.110166%. In contrast, 13 CO 2 concentration is increased by about 0.0024 points by infrared irradiation.
[0040]
《Comparative example》
In the decomposition test of the example, the clathrate was decomposed in the same manner as in the example without irradiating infrared rays, and the gas in the
[0041]
【The invention's effect】
According to the present invention, the isolated isotope remains the same as the original molecule, one remains as a clathrate and the other moves into the gas phase, and the chemical form of the enriched isotope remains unchanged. Therefore, cascading is extremely easy and multi-stage concentration can be easily performed. Moreover, since it does not become a form of a hardly decomposable substance without being constrained by a chemical reaction unlike the laser method described above, the industrial handling is very easy. Furthermore, since the light whose wavelength is specified selectively acts only on the target isotope molecule, the selectivity is high and the separation factor is large. Because of this high selectivity, it is not necessary to use extra energy and the running cost can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing absorption spectra of 12 CO 2 and 13 CO 2 .
FIG. 2 is a graph showing absorption spectra of 12 CH 4 and 13 CH 4 .
FIG. 3 is a schematic diagram of the configuration of an experimental apparatus used in this example.
FIG. 4 is a diagram showing a transmittance spectrum of a filter by an experimental apparatus used in this example.
FIG. 5 is a diagram showing the amount of 13 CO 2 in the gas phase obtained by infrared irradiation with clathrate and the amount of 13 CO 2 in carbon dioxide with a natural isotope ratio.
FIG. 6 is a graph showing the amount of 13 CO 2 in the gas phase and the amount of 13 CO 2 in carbon dioxide having a natural isotope ratio obtained in the comparative example.
[Explanation of symbols]
1
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