JP3803118B2 - Anti-skid control device - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両の制動時の車輪ロックを防止するアンチスキッド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアンチスキッド制御装置としては、例えば、特開平2−3564号公報(以下、第1従来例と称す)及び本出願人が先に提案した特開平5─24528号公報(以下、第2従来例と称す)に記載されているものが知られている。
第1従来例は、車輪の速度を検出する車輪速度センサと、マスタシリンダと前記車輪のホイールシリンダとの間に設けられ、前記ホイールシリンダのブレーキ圧力を制御する圧力制御手段と、マスタシリンダのブレーキ圧力のみを検出する圧力検出手段と、車輪にスリップが発生したことを判断すると共に、車輪にスリップが発生したと判断すると圧力制御手段に対して前記ホイールシリンダのブレーキ圧力の制御を指令するスリップ制御手段と、このスリップ制御手段によって指令され、前記圧力制御手段によって前記ホイールシリンダのブレーキ圧力の制御が行われたとき、前記ホイールシリンダのブレーキ圧力の変化量を演算して、その変化量から前記ホイールシリンダのブレーキ圧力を推定する圧力推定手段と、この圧力推定手段によって推定される前記ホイールシリンダのブレーキ圧力と前記圧力検出手段によって検出されるマスタシリンダのブレーキ圧力とを比較する比較手段と、この比較手段によって行われる比較の結果、マスタシリンダのブレーキ圧力がホイールシリンダのブレーキ圧力より小さくなったときに、前記圧力制御手段手段によるホイールシリンダのブレーキ圧力の制御を終了させる終了手段とを備えた簡易型アンチスキッド制御装置であって、この構成を採用することにより、必要最小限の圧力センサ数でアンチスキッド制御を行うことができる。
【0003】
第2従来例は、マスタシリンダの圧力を検出する圧力センサと、制御対象車輪に設けられた制動用シリンダの圧力を直接検出する複数の圧力センサと、制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速度センサとを設け、これら圧力センサの圧力検出値と車輪速度センサの車輪速度検出値及びその微分値と車体速度とに基づいて制動用シリンダの目標制御圧をPD制御する目標ホイールシリンダ圧を算出し、この目標ホイールシリンダ圧と実際のホイールシリンダ圧とが一致するようにアクチュエータを制御するようにした制動力制御装置であって、正確なアンチスキッド制御を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1従来例のアンチスキッド制御装置にあっては、圧力センサ数を必要最小限に抑えてアンチスキッド制御システム全体を簡易小型化することができる反面、ホイールシリンダ圧をアクチュエータ作動開始以後の駆動信号と予め設定された増減圧特性関数を用いて推定するようにしているので、増減圧特性は、ブレーキ液の温度や粘性、バッテリ電圧等の変動によって変動することになり、ホイールシリンダ圧推定値が実際のホイールシリンダ圧に対してずれる可能性があり、とくに実際の増圧量が増圧関数の増圧量より小さい量となった場合には、ホイールシリンダ圧推定値がマスタシリンダ圧検出値を上回ってアンチスキッド制御が終了してしまい、良好なアンチスキッド制御を行うことができないという未解決の課題がある。
【0005】
また、第2従来例のアンチスキッド制御装置にあっては、ホイールシリンダ圧を直接検出しているので、第1従来例の未解決の課題を解決することができるが、圧力センサ数が増加して、製造コストが嵩むという新たな課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、必要最小限の圧力検出手段で、正確なアンチスキッド制御を行うことができるアンチスキッド制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係るアンチスキッド制御装置は、図1の基本構成図に示すように、マスタシリンダからのマスタシリンダ圧をもとに制御対象車輪に配設された制動用シリンダの流体圧を制御するアクチュエータと、前記マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段と、前記制御対象車輪の車輪速度を検出する車輪速度検出手段と、少なくとも前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて車体速度勾配を算出する車体速度勾配算出手段と、該車体速度勾配算出手段の車体速度勾配及び前記車輪速度検出手段の車輪速度検出値に基づいて車体速度を推定する車体速度推定手段と、前記アクチュエータに対する制御信号と前記マスタシリンダ圧検出手段のマスタシリンダ圧とに基づいて前記制動用シリンダの圧力を推定する制動用シリンダ圧推定手段と、該制動用シリンダ圧推定手段で推定した制動用シリンダ圧推定値に変化量を加算して算出される目標シリンダ圧がマスタシリンダ圧未満であるときに、前記マスタシリンダ圧検出手段のマスタシリンダ圧、制動用シリンダ圧推定手段の推定シリンダ圧及び前記目標シリンダ圧に基づいて前記アクチュエータを増圧状態、保持状態、減圧状態の何れかの状態に駆動する制御信号を形成し、目標シリンダ圧がマスタシリンダ圧に一致したときに前記アクチュエータを増圧状態に駆動する制御信号を形成するアクチュエータ制御手段と、前記制動用シリンダ圧推定手段の制動用シリンダ圧推定値の上限値を前記車体速度勾配に基づいて設定し、当該制動用シリンダ圧推定値を前記上限値で制限する車体速度勾配規制手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に係るアンチスキッド制御装置は、請求項1において前記車体速度勾配検出手段が、車輪速度検出手段の車輪速度検出値の最大値を選択する最大値選択手段と、該最大値選択手段で選択した最大車輪速度の減速度を算出する減速度算出手段と、該減速度算出手段の減速度検出値が所定値以上となったときの最大値選択手段で選択した最大車輪速度と前回の最大車輪速度とから車体速度勾配を算出する演算手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
さらにまた、請求項3に係るアンチスキッド制御装置は、請求項1又は2において、前記車体速度勾配検出手段及び車体速度推定手段が、車輪速度検出手段手段の車輪速度検出値のみに基づいて車体速度勾配及び車体速度を算出するように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項4に係るアンチスキッド制御装置は、請求項1乃至3において、前記制動用シリンダ圧推定値に加算する変化量は、目標車輪速度及び実際の車輪速度の偏差と目標車輪加減速度及び車輪加減速度の偏差との和で算出される目標増減圧量であることを特徴としている。
【0009】
【作用】
請求項1に係るアンチスキッド制御装置においては、制動用シリンダ圧推定手段で、制御手段の制御信号と前記マスタシリンダ圧検出手段のマスタシリンダ圧とに基づいて前記制動用シリンダの圧力を推定するが、車体速度勾配規制手段で、車体速度勾配検出手段の車体速度勾配に基づいて制動用シリンダ圧力推定値の上限値を算出し、算出した上限値で制動用シリンダ圧力推定値を制限することにより、制動用シリンダ圧推定値が実際の制動用シリンダ圧より高くなってマスタシリンダ圧と一致することによる増圧状態即ちアンチスキッド制御の一時中断を確実に抑制して正確なアンチスキッド制御を行う。
【0010】
また、請求項2に係るアンチスキッド制御装置においては、最大値選択手段で選択した車輪速度検出手段の車輪速度検出値の最大値から減速度算出手段で減速度を算出し、この減速度が所定値以上となったときの車輪速度最大値と前回の車輪速度最大値とから車体速度勾配を算出することにより、正確な車体速度勾配を算出することができる。
【0011】
さらに、請求項3に係るアンチスキッド制御装置においては、車体速度勾配検出手段及び車体速度推定手段を、車輪速度検出手段の車輪速度検出値のみに基づいて車体速度勾配及び車体速度を算出するように構成したので、車両の前後方向加速度センサ等の高価なセンサを使用することなく、車体速度勾配及び車体速度を算出する。
【0012】
さらにまた、請求項4に係るアンチスキッド制御装置においては、目標シリンダ圧を目標車輪速度及び実際の車輪速度の偏差と目標車輪加減速度及び車輪加減速度の偏差との和でなる目標増減圧量に基づいて算出することにより、比例・微分制御を行う。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図2は本発明の一実施例を示すブロック図である。
図中、1FL,1FRは前輪、1RL,1RRは後輪であって、後輪1RL,1RRにエンジンEGからの回転駆動力が変速機T、プロペラシャフトPS及びディファレンシャルギヤDGを介して伝達され、各車輪1FL〜1RRには、それぞれ制動用シリンダとしてのホイールシリンダ2FL〜2RRが取付けられ、さらに前輪1FL,1FRにこれらの車輪回転数に応じたパルス信号PFL,PFRを出力する車輪速度検出手段としての車輪速センサ3FL,3FRが取付けられ、プロペラシャフトPSに後輪の平均回転数に応じたパルス信号PR を出力する車輪速度検出手段としての車輪速センサ3Rが取付けられている。
【0014】
各前輪側ホイールシリンダ2FL,2FRには、ブレーキペダル4の踏込みに応じて前輪側及び後輪側の2系統のマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ5からのマスタシリンダ圧が前輪側アクチュエータ6FL,6FRを介して個別に供給されると共に、後輪側ホイールシリンダ2RL,2RRには、マスタシリンダ5からのマスタシリンダ圧が共通の後輪側アクチュエータ6Rを介して供給され、全体として3センサ3チャンネルシステムに構成されている。
【0015】
アクチュエータ6FL〜6Rのそれぞれは、図3に示すように、マスタシリンダ5に接続される油圧配管7とホイールシリンダ2FL〜2RRとの間に介装された電磁流入弁8と、この電磁流入弁8と並列に接続された電磁流出弁9、油圧ポンプ10及び逆止弁11の直列回路と、流出弁9及び油圧ポンプ10間の油圧配管に接続されたアキュムレータ12とを備えている。
【0016】
そして、各アクチュエータ6FL〜6Rの電磁流入弁8、電磁流出弁9及び油圧ポンプ10は、車輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速パルス信号PFL〜PR と、各マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧検出手段としての圧力センサ13F及び13Rのマスタシリンダ圧検出値PMCF 及びPMCR と、ブレーキペダル4の踏込みを検出するブレーキスイッチ14からのブレーキペダル踏込時にオン状態となるブレーキスイッチ信号BSとが入力されるコントローラCRからの液圧制御信号EV、AV及びMRによって制御される。
【0017】
コントローラCRは、車輪速センサ3FL〜3Rからの車輪速パルス信号PFL〜PR が入力され、これらと各車輪1FL〜1RRの回転半径とから車輪の周速度でなる車輪速度VwFL〜VwR を演算する車輪速演算回路15FL〜15Rと、これら車輪速演算回路15FL〜15Rの車輪速度VwFL〜VwR が入力され、これらに対して時間制限フィルタ処理を行う車輪速フィルタ18FL〜18Rと、車輪速演算回路15FL〜15Rの車輪速度VwFL〜VwR 、車輪速フィルタ18FL〜18Rのフィルタ出力VfFL〜VfR 及び圧力センサ13A,13Bのマスタシリンダ圧検出値PMCF,PMCR が入力され、これらに基づいて推定車体速度VX 及び車体速度勾配VXKを算出し、且つ目標ホイールシリンダ圧P* FL〜P* R を算出すると共に、推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR を算出し、両者が一致するようにアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号EV,AV,MRを出力するマイクロコンピュータ20とを備えており、マイクロコンピュータ20から出力される制御信号が駆動回路22aFL〜22aR 、22bFL〜22bR 、22cFL〜22cR を介してアクチュエータ6FL〜6Rに供給される。
【0018】
ここで、車輪速フィルタ18FL〜18Rの夫々は、図4に示すように、車輪速演算回路15i(i=FL,FR,R)からの車輪速度Vwi を車輪速サンプリング値VS として保持するサンプルホールド回路181と、オペアンプで構成され入力電圧Eを積分する積分回路182と、この積分回路182の積分出力Ve とサンプルホールド回路181の車輪速サンプリング値VS とを加算してフィルタ出力Vfi を算出する加算回路183と、車輪速度Vwi がフィルタ出力Vfi に対して予め設定した所定の不感帯幅内即ちVfi −1km/h<Vwi <Vfi +1km/hであるか否かを検出し、Vfi −1km/h<Vwi <Vfi +1km/hであるときに出力C1 及びC2 を共に低レベルとし、Vwi ≧Vfi +1km/hであるときに、出力C1 を高レベルとし、Vwi ≦Vfi −1km/hであるときに出力C2 を高レベルとする不感帯検出回路184と、この不感帯検出回路184で車輪速度Vwi が不感帯内となったとき及びイグニッションスイッチのオン信号IGが入力されたときに、前記サンプルホールド回路181で車輪速度Vwi を保持させると共に、積分回路182をリセットするリセット信号SRを出力するリセット回路185と、車体速度Vwi が不感帯幅内にあるとき及び不感帯幅外となってからオフディレータイマ186で設定された所定時間T3 の間積分入力電圧Eとして零電圧を積分回路182に供給し、Vwi >Vfi +1km/hとなってから所定時間T3 経過後に非アンチスキッド制御中は+0.4Gに対応する負の電圧を、アンチスキッド制御中は+10Gに対応する負の電圧をそれぞれ積分入力電圧Eとして積分回路182に供給し、さらにVwi <Vfi −1km/hとなってから所定時間T3 経過後に−1.2Gに対応する正の電圧を積分入力電圧Eとして積分回路182に供給する選択回路187とを備えている。
【0019】
また、マイクロコンピュータ20は、図2に示すように、例えばA/D変換機能を有する入力インタフェース回路20a、出力インタフェース回路20d、演算処理装置20b及び記憶装置20cを少なくとも有し、演算処理装置20bでフィルタ出力Vfi に基づいて車体速度勾配VXk及び推定車体速度VX を算出し、推定車体速度VX をもとに目標車輪速度Vw* を算出すると共に、車輪速度VwFL〜VwR を微分して車輪加速度VwFL′〜VwR ′を算出し、車輪速度VwFL〜VwR 、車輪加速度VwFL′〜VwR ′及び目標車輪速度Vw* に基づいて目標ホイールシリンダ圧P* FL〜P* R を算出し、且つマスタシリンダ圧検出値PMCF,PMCR 、車体速度勾配VXk及びアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号AV,EVをもとに推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR を算出し、これら推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR と目標シリンダ圧P* FL〜P* R とが一致するようにアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号AVFL〜AVR ,EVFL〜EVR ,MRFL〜MRR を出力する。
【0020】
次に、上記実施例の動作をマイクロコンピュータ20の制御処理を示す図5〜図9を伴って説明する。
図5の制御処理は所定時間(例えば10msec) 毎のメインプログラムに対するタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS1で、圧力センサ13F及び13Rのマスタシリンダ圧検出値PMCF 及びPMCR と、各車輪速演算回路15FL〜15Rの車輪速度VwFL〜VwR と、各車輪速フィルタ18FL〜18Rのフィルタ出力VfFL〜VfR とを読込むと共に、車輪速度VwFL〜VwR を微分して車輪加速度VwFL′〜VwR ′を算出し、これらを記憶装置20cの所定記憶領域に更新記憶する。
【0021】
次いで、ステップS2に移行して、フィルタ出力VfFL〜VfR をもとに車体速度勾配VXk及び推定車体速度VX を算出する車体速度演算処理を実行し、次いでステップS3に移行して、マスタシリンダ圧検出値PMCF,PMCR と前回のアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号EVFL〜EVE ,AVFL〜AVR とをもとに各ホイールシリンダ2FL〜2RRの現在のホイールシリンダ圧を推定する推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR を算出する推定ホイールシリンダ圧演算処理を実行する。
【0022】
次いで、ステップS4に移行して、下記(1)式の演算を行って目標車輪速度Vw* を算出してこれを記憶装置20cに形成した目標車輪速度記憶領域に更新記憶する。
Vw* =0.8VX …………(1)
次いで、ステップS4aに移行して、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi より小さいか否かを判定し、Vw* <Vwi であるときには、ステップS4bに移行して目標車輪減速度Vw* ′を“0”に設定してこれを記憶装置20cに形成した目標車輪減速度記憶領域に更新記憶し、Vw* ≧Vwi であるときには、ステップS4cに移行して下記(2)式の演算を行って目標車輪減速度Vw* ′を算出する。
【0023】
Vw* ′=−Vw0 ′ …………(2)
ここで、Vw0 ′は予め設定された設定値である。
次いで、ステップS5に移行して、各ホイールシリンダ2FL〜2Rに対する目標ホイールシリンダ圧P* FL〜P* R を算出する目標ホイールシリンダ圧演算処理を実行する。
【0024】
次いで、ステップS6に移行して、推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR と目標ホイールシリンダ圧P* FL〜P* R との偏差に応じたアクチュエータ6FL〜6Rに対する制御信号EV,AV,MRを決定し、これを出力するアクチュエータ制御処理を実行してからタイマ割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0025】
ここで、ステップS2の車体速度演算処理は、図6に示すように、先ず、ステップS7で、ブレーキスイッチ14のブレーキスイッチ信号BSがオフ状態であるか否かを判定し、これがオフ状態であるときには非制動状態であると判断してステップS8に移行し、下記(3)式に示すように、フィルタ出力VfFL, VfFR及びVfR のうち最も小さい値をセレクトロー車輪速度VwL として算出する。
【0026】
次いで、ステップS9に移行して、算出したセレクトロー車輪速度VwL を推定車体速度VX として設定しこれを記憶装置20cに形成した推定車体速度記憶領域に更新記憶し、次いでステップS10に移行して、車体速度勾配VXKとして予め設定された後述する推定ホイールシリンダ圧演算処理における上限値制御マップの設定勾配VXK2 以上の値でなる設定値VXK0 を設定し、これを記憶装置20cに形成した車体速度勾配記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して、図5におけるステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行する。
【0027】
VX =MIN(VfFL, VfFR,VfR ) …………(3)
一方、ステップS7の判定結果が、ブレーキスイッチ信号BSがオン状態であるときには、制動状態であると判断してステップS11に移行し、下記(4)式に示すように、フィルタ出力VfFL, VfFR及びVfR の何れか大きい値をセレクトハイ車輪速度VwH として選択し、これを記憶装置20cに形成したセレクトハイ車輪速度記憶領域に更新記憶する。
【0028】
VX =MAX(VfFL, VfFR,VfR ) …………(4)
次いで、ステップS12に移行して、セレクトハイ車輪速度VwH を微分してセレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′を算出する。
次いで、ステップS13に移行して、セレクトハイ車輪加減速度VwH ′が予め設定した設定減速度−DS に達する制動状態となったか否かを表す制動状態フラグF1が“1”であるか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときには非制動状態である判断してステップS14に移行する。
【0029】
このステップS14では、セレクトハイ車輪加減速度VwH ′が設定減速度−DS 以下であるか否かを判定し、設定減速度−DS より大きいときには制動初期状態であると判断してそのままS15に移行して、セレクトハイ車輪速度VwH を推定車体速度VX として記憶装置20cの所定記憶領域に更新記憶してから車体速度演算処理を終了してステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行し、設定減速度−DS 以下となったときにはステップS16に移行する。
【0030】
このステップS16では、現在のセレクトハイ車輪速度VwH を初期サンプリング車輪速度Vs0 として記憶装置20cに形成した初期値記憶領域に更新記憶し、次いでステップS17に移行して経過時間を計数するタイマTを“0”にクリアし、次いでステップS18に移行して制動状態フラグFを“1”にセットしてから前記ステップS15に移行する。
【0031】
一方、前記ステップS13の判定結果が、制動状態フラグFが“1”にセットされているものであるときには、ステップS18aに移行して、車体速度勾配演算のための経過時間を計数するタイマのカウント値Tを“1”だけインクリメントしてからステップS19に移行する。
このステップS19では、後述するアクチュエータ制御処理においてアンチスキッド制御中を表す制御フラグASが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“1”にセットされているときには、ステップS20に移行する。
【0032】
このステップS20では、アンチスキッド制御処理を開始した後の処理状態を表す制御フラグF2を“1”にセットし、次いでステップS21に移行して、減速開始状態を表す制御フラグF3が“1”にセットされているか否かを判定し、制御フラグF3が“0”にリセットされているときには、ステップS21aに移行して、制御フラグF4が“1”にセットされているか否かを判定し、F4=1であるときにはそのままステップS22に移行し、F4=0であるときにはステップS21bに移行して、セレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′が正であるか否かを判定し、VwH ′≦0であるときにはそのまま後述するステップS29に移行し、VwH ′>0であるときにはステップS21cに移行して制御フラグF4を“1”にセットしてから後述するステップS29に移行する。
【0033】
ステップS22では、前述したステップS14と同様にセレクト車輪減速度VwH ′が設定減速度−DS 以下であるか否かを判定し、VwH ′>−DS であるときにはそのまま後述するステップS29に移行し、VwH ′≦−DS であるときには、ステップS23に移行して、現在のセレクトハイ車輪速度VwH を現在サンプリング車輪速度Vs(n) として記憶装置20cの現在値記憶領域に更新記憶する。
【0034】
次いで、ステップS24に移行して、現在サンプリング車輪速度Vs(n) 及び初期サンプリング車輪速度Vs0 に基づいて下記(5)式の演算を行って車体速度勾配VXkP を算出する。
VXkP =(Vs0 −Vs(n) )/T+VXOF …………(5)
ここで、Tは前回のサンプリング時からの経過時間、VXOF は車体速度勾配不足による推定車体速度のずれを補償するオフセット値である。
【0035】
次いで、ステップS25に移行して、算出した車体速度勾配VXKP を車体速度勾配VXKとして設定し、これを記憶装置20cに形成した車体速度勾配記憶領域に更新記憶し、次いでステップS26に移行して減速開始状態を表す制御フラグF3を“1”にセットすると共に、制御フラグF4を“0”にリセットしてから前述したステップS15に移行する。
【0036】
一方、ステップS19での判定で、アンチスキッド制御中フラグASが“0”にリセットされているときには、ステップS27に移行して、制御フラグF2が“1”にセットされているか否かを判定する。この判定は、アンチスキッド制御を開始した後であるか否かを判定するものであり、制御フラグF2が“0”にリセットされているときには、アンチスキッド制御を開始する直前であると判断してステップS29に移行する。
【0037】
このステップS29では、セレクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX より小さいか否かを判定し、VwH <VX であるときには、ステップS30に移行して現在の推定車体速度VX から記憶装置20cの所定記憶領域に更新記憶されている車体速度勾配VXkにサンプリング時間Δtを乗じた値を減算した値を新たな推定車体速度VX として記憶装置20cの所定記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図5のステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行し、VwH ≧VX であるときにはステップS31に移行して、制御フラグF3を“0”にリセットしてから前記ステップS15に移行する。
【0038】
さらに、前記ステップS21の判定結果が制御フラグF3が“1”にセットされているときには前記ステップS29に移行し、前記ステップS27の判定結果が、制御フラグF2が“1”にセットされているときには、ステップS33に移行して、各制御フラグF1,F2,F3及びF4を夫々“0”にリセットし、次いでステップS34に移行して、現在のセレクトハイ車輪速度VwH を推定車体速度VX として設定してから車体速度演算処理を終了してステップS3の推定ホイールシリンダ圧演算処理に移行する。
【0039】
また、前記ステップS29の判定結果がVwH ≧VX であるときには前記ステップS31に移行する。
この図6の処理において、ステップS15,S30,S34の処理が推定車体速度算出手段に対応し、ステップS14,S16〜S27の処理が車体速度勾配算出手段に対応している。
【0040】
さらに、ステップS3のホイールシリンダ圧推定値演算処理は、図7に示すように、先ずステップS41で、後述するアクチュエータ制御処理における前回のアクチュエータ制御信号を読込み、次いでステップS42に移行して、読込んだアクチュエータ制御信号の状態からホイールシリンダ2j(j=FL,FR,RL,RR)が増圧状態、減圧状態、保持状態の何れであるかを判定し、増圧状態であるときには、ステップS43に移行し、記憶装置20cに形成された推定ホイールシリンダ圧記憶領域に記憶されている前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) を読出し、これと今回マスタシリンダ圧PMCとをもとに記憶装置20cに予め記憶されたこのステップS43内に図示した推定増圧量算出制御マップを参照して推定増圧量ΔPiAを算出する。ここで、推定増圧量算出制御マップは、マスタシリンダ圧PMCを一定としたときに前回ホイールシリンダ圧Pi (n-1) の増加によって推定増圧量ΔPiAが増加し、且つマスタシリンダ圧PMCの増加によって推定増加量ΔPiAの最大値が増加するように設定されている。
【0041】
次いで、ステップS44に移行して、下記(6)式に示すように、推定ホイールシリンダ圧記憶領域に記憶されている前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) と推定増圧量ΔPiAとを加算して今回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) を算出する。
Pi (n) =Pi (n-1) +ΔPiA …………(6)
次いで、ステップS45に移行して、下記(7)式に示すように、算出した今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) と現在のマスタシリンダ圧PMCとを比較し、何れか小さい値を今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) として前記推定ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶してからステップS46に移行する。
【0042】
Pi (n) =min{Pi (n) ,PMC} …………(7)
このステップS46では、前述した図6の車体速度演算処理で算出した車体速度勾配VXkを読込み、これをもとに、予め記憶装置20cに記憶されたステップS46内に図示の車体速度勾配VXkと推定ホイールシリンダ圧上限値PMAX との関係を表す上限値算出制御マップを参照して推定ホイールシリンダ圧上限値PMAX を算出する。ここで、上限値算出制御マップは、車体速度勾配VXkが零のときに比較的小さい推定ホイールシリンダ圧上限値PMAX1に設定し、これより車体速度勾配VXkが設定値VXk1Uに達するまでの間は車体速度勾配の増加に応じて上限値PMAX が 比較的緩やかな勾配で増加し、車体速度勾配VXkが設定値VXk1 及びこれより大きな設定値VXk2 までの間は比較的急峻な勾配で増加し、設定値VXk2 以上では、最大値PMAX2に固定されるように設定されている。
【0043】
次いで、ステップS47に移行して、下記(8)式に示すように、今回推定値記憶領域に更新記憶されている今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) とステップS46で算出した推定ホイールシリンダ圧上限値PMAX とを比較して、何れか小さい値を今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) として決定し、これを今回推定値記憶領域に再度更新記憶してからサブルーチン処理を終了してステップS6のアクチュエータ制御処理に移行する。
【0044】
Pi (n) =min{Pi (n) ,PMAX } …………(8)
また、ステップS42の判定結果が、ホイールシリンダ2j(j=FL,FR,RL,RR)が保持状態であるときには直接前記ステップS46に移行し、減圧状態であるときにはステップS48に移行して推定ホイールシリンダ圧記憶領域に記憶されている前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) を読出し、これをもとに記憶装置20cに予め記憶された前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) と推定減圧量ΔPiDとの関係を表す図7のステップS48内に図示の制御マップを参照して推定減圧量ΔPiDを算出してからステップS49に移行する。ここで、推定減圧量算出制御マップは、前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) の増加に比例して推定減圧量ΔPiDが増加するように設定されている。
【0045】
ステップS49では、下記(9)式に示すように、推定ホイールシリンダ圧記憶領域に記憶されている前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) から推定減圧量ΔPiDを減算して今回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) を算出する。
Pi (n) =Pi (n-1) −ΔPiD …………(9)
次いで、ステップS50に移行して、下記(10)式に示すように、算出した今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) と“0”とを比較し、何れか大きい値を今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) として前記推定ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶してから前記ステップS46に移行する。
【0046】
Pi (n) =max{Pi (n) ,0} …………(10)
この図7の処理において、ステップS41〜ステップS45の処理が制動用シリンダ圧推定手段に対応し、ステップS46及びS47の処理が車体速度勾配規制手段に対応している。
さらに、ステップS5の目標ホイールシリンダ圧演算処理は、図8に示すように、先ず、ステップS51で、車輪速度Vwi 、目標車輪速度Vw* 、車輪加減速度Vwi ′及び目標車輪加減速度Vw* ′に基づいて下記(11)式の演算を行うことにより、比例・微分制御(PD制御)による目標増減圧量ΔPi を算出し、これを記憶装置20cの目標増減圧量記憶領域に更新記憶する。
【0047】
ΔPi =K1 (Vwi −Vw* )+K2 (Vwi ′−Vw* ′)……(11)
この(11)式において、右辺第1項が比例制御項であり、右辺第2項が微分制御項であり、K1 は比例ゲイン、K2 は微分ゲインである。
次いで、ステップS52に移行して、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi より大きく且つ目標増減圧量ΔPi が正であるか否かを判定し、Vw* >Vwi 且つΔPi >0であるときには、ステップS53に移行して、目標増減圧量ΔPi を“0”として目標増減圧量記憶領域に更新記憶してからステップS55に移行し、そうでないときにはステップS54に移行する。
【0048】
このステップS54では、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi 以上で且つ目標増減圧量ΔPi が負であるか否かを判定し、Vw* ≦Vwi 且つΔPi <0であるときには前記ステップS53に移行し、そうでないときにはステップS55に移行する。
ステップS55では、後述アクチュエータ制御処理における目標シリンダ圧P* i と実際のシリンダ圧Pi との誤差を監視する周期を表す変数mが“1”であるか否かを判定し、m≠1であるときにはそのままサブルーチン処理を終了して図5のステップS6のアクチュエータ制御処理に移行し、m=1であるときにはステップS56に移行する。
【0049】
このステップS56では、下記(12)式に示すように、“0”と推定ホイールシリンダ圧Pi に目標増減圧量ΔPi を加算した加算値(Pi +ΔPi )とを比較し、何れか大きい値を目標ホイールシリンダ圧P* i として算出し、次いでステップS57に移行して、下記(13)式に示すように、マスタシリンダ圧PMCと目標ホイールシリンダ圧P* i とを比較して、何れか小さい値を目標ホイールシリンダ圧P* i として決定し、これを記憶装置20cの目標ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶してからサブルーチン処理を終了して図6におけるステップS6のアクチュエータ制御処理に移行する。
【0050】
P* i =MAX(0,Pi +ΔPi ) …………(12)
P* i =MIN(PMC,P* i ) …………(13)
さらにまた、ステップS6のアクチュエータ制御処理は、図9に示すように、先ず、ステップS61で前述した目標シリンダ圧演算処理で算出された目標シリンダ圧P* FLがマスタシリンダ圧PMCと一致しているか否かを判定し、両者が一致しているときには、ステップS62に移行して、アンチスキッド制御中を表すアンチスキッド制御フラグASを“0”にリセットし、次いでステップS63に移行して、出力する制御信号の保持時間を表す増減圧時間TP を“1”に設定し、次いでステップS64に移行して目標シリンダ圧P* FLと実際のシリンダ圧PFLとの誤差を監視する周期を表す緩増減圧周期mを“1”に設定してからステップS65に移行する。
【0051】
このステップS65では、増減圧時間TP が正であるか、“0”であるか、さらには負であるかを判定し、TP >0であるときには、ステップS66に移行して増減圧時間TP から“1”を減算した値を新たな増減圧時間TP とし、これを記憶装置20cに形成した増減圧時間記憶領域に更新記憶し、次いでステップS67に移行して共に論理値“0”の制御信号EVi 及びAVi を増圧信号として駆動回路22ai 及び22bi に出力してからサブルーチン処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0052】
また、ステップS65の判定結果がTP =0であるときには、ステップS68に移行して論理値“1”の制御信号EVi 及び論理値“0”の制御信号AVi を保持信号として駆動回路22ai 及び22bi に出力してからサブルーチン処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
さらに、ステップS65の判定結果がTP <0であるときには、ステップS69に移行してアンチスキッド制御フラグASを“1”にセットし、次いでステップS70に移行して、増減圧時間TP に“1”を加算した値を新たな増減圧時間TP としてこれを増減圧時間記憶領域に更新記憶し、次いでステップS71に移行して、共に論理値“1”の制御信号EVi 及びAVi を駆動回路22ai 及び22bi に出力してからサブルーチン処理を終了して所定のメインプログラムに復帰する。
【0053】
また、前記ステップS61の判定結果が目標シリンダ圧P* FLとマスタシリンダ圧PMCとが不一致であるときには、ステップS72に移行し、緩増減圧周期mから“1”を減算した値を新たな緩増減圧周期mとして緩増減圧周期記憶領域に更新記憶してからステップS73に移行する。
このステップS73では、変数mが正であるか否かを判定し、m>0であるときには直接前記ステップS65に移行し、m≦0であるときには、ステップS74に移行する。
【0054】
このステップS74では、目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧検出値Pi との誤差Perr (=P* i −Pi )を算出してからステップS75に移行する。
このステップS75では、誤差Perr が零を含む正であるか負であるかを判定し、Per≧0であるときにはステップS76に移行して誤差Perr を基準値P0 で除算した値を四捨五入する下記(14)式に従って増減圧時間TP を算出してからステップS78に移行する。
【0055】
TP =INT(Perr /P0 ) …………(14)
また、ステップS75の判定結果がPerr <0であるときには、ステップS77に移行して、誤差Perr に定数K乗じた値を推定ホイールシリンダ圧Pi と基準値P0 との和で除算した値を四捨五入する下記(15)式に従って増減圧時間TP を算出してからステップS78に移行する。
【0056】
TP =INT{K・Perr /(Pi +P0 )} …………(15)
ステップS78では、増減圧時間TP が“0”であるか否かを判定し、TP =0であるときには、ステップS79に移行して緩増減圧周期mを“1”に設定しこれを緩増減圧周期記憶領域に更新記憶してから前記ステップS65に移行し、TP ≠0であるときにはステップS80に移行して緩増減圧周期mを所定値m0 に設定しこれを緩増減圧周期記憶領域に更新記憶してから前記ステップS65に移行する。
【0057】
ここで、第9図の処理がアクチュエータ制御手段に対応している。
したがって、車両が非制動状態で定速走行している状態では、ブレーキスイッチ14がオフ状態であるので、図6の車体速度演算処理が実行されたときに、ステップS7からステップS8〜S10に移行することにより、車輪速度VwFL〜VwR のフィルタ出力VfFL〜VfR のうちの最も小さい値をセレクトロー車輪速度VwL として選択し、選択されたセレクトロー車輪速度VwL を推定車体速度VX として推定車体速度記憶領域に更新記憶すると共に、車体速度勾配VXKとして設定値VXK0 を設定し、これを車体速度勾配記憶領域に更新記憶する。このように、セレクトロー車輪速度VwL を推定車体速度VX として設定することにより、駆動輪となる後輪1RL及び1RRでスリップを生じて車輪速度VwR が増加した場合でも、車体速度に対応している非駆動輪となる前輪1FL及び1FRの車輪速度VwFL及びVwFRの何れか小さい方が選択され、駆動輪でのスリップの影響を受けない正確な推定車体速度VX を算出することができる。
【0058】
次いで、図7の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されると、車両が非制動状態であるので、後述するアクチュエータ制御処理でアクチュエータ6iに対する制御信号EVi,AVi,MRi を共に論理値“0”とする増圧信号を出力しているので、ステップS42からステップS43に移行し、定速走行状態を継続していることにより、前回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) が零であり、ブレーキペダル4を踏込んでいないので、今回のマスタシリンダ圧PMCF,PMCR も零であるので、推定増圧量ΔPiAも零となり、したがって、ステップS44,S45で算出される今回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) も零となる。
【0059】
さらに、図5のステップS4で算出される目標車輪速度Vw* は図10(a)に示すように推定車体速度VX の80%であるため、セレクトロー車輪速度VwS より低くなり、したがって、実際の車輪速度Vwi より低い値となるので、ステップS4aからステップS4cに移行して目標車輪減速度Vw* ′が図10(b)に示すように所定値−Vw0 ′に設定される。
【0060】
この結果、図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、ステップS51で算出される目標増減圧量ΔPi は、図10(c)に示すように、Vw* ≦Vwi であり、車輪加減速度Vwi ′が零、目標車輪減速度Vw* ′が負の所定値−Vw0 ′であることにより、正の値となる。このため、ステップS54からステップS55に移行し、後述するアクチュエータ制御処理で緩増減圧周期mが“1”にセットされていることにより、ステップS56に移行して、推定ホイールシリンダ圧Pi が零であるが目標増減圧量ΔPi が正の値であることにより、目標ホイールシリンダ圧P* i としてPi +ΔPi =ΔPi が選択されるが、ステップS57でマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が零であることにより、最終的に目標ホイールシリンダ圧P* i は零に設定され、これが目標ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶される。
【0061】
次いで、図9のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、目標ホイールシリンダ圧P* i 及びマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が共に零であることにより、両者が一致するため、ステップS61からステップS62に移行して、アンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされ、次いでステップS63及びS64で増減圧時間TP 及び緩増減圧周期mが共に“1”に設定される。
【0062】
そして、ステップS65でTP >0であるので、ステップS66に移行して、増減圧時間TP が零となり、次いでステップS67に移行して、共に論理値“0”の制御信号EVi 及びAVi を増圧信号としてアクチュエータ6iに出力することにより、前輪及び後輪側のホイールシリンダ2FL,2FR及び2RL,2RRがマスターシリンダ5と連通状態となっている。このとき、ブレーキペダル4を踏込んでいないので、マスターシリンダ5から出力されるシリンダ圧力は零となっているので、各ホイールシリンダ2FL〜2RRのシリンダ圧力も零となっており、制動力を発生することはなく、非制動状態を継続する。
【0063】
この定速走行状態から、時点t1 でブレーキペダル4を踏込んで制動状態とすると、図6の車体速度演算処理が実行されたときに、ステップS7からステップS11に移行することにより、セレクトハイ車輪速度VwH が算出され、これに基づいて車体速度勾配VXK及び推定車体速度VX の算出が行われることになり、制動時の車体速度勾配VXK及び推定車体速度VX の算出を正確に行うことができる。
【0064】
すなわち、制動直後では制御フラグF1が“0”にリセットされていることにより、ステップS13からステップS14に移行し、セレクトハイ車輪速度VwH の減速度VwH ′が設定減速度−DS に達していないので、ステップS15に移行して、車体速度勾配VXKとして予め設定された設定値VXK2 より大きな値の所定値VXK0 を設定し、次いでステップS15に移行してセレクトハイ車輪速度VwH をそのまま推定車体速度VX として設定し、これを推定車体速度記憶領域に更新記憶する。
【0065】
一方、図7の推定ホイールシリンダ圧演算処理においては、マスタシリンダ圧PMCF,PMCR が急増することにより、これと前回推定ホイールシリンダ圧Pi とによって推定増圧量ΔPiAが決定されるが、前回の推定ホイールシリンダ圧Pi が零であるので、推定増圧量ΔPiAはマスタシリンダ圧PMCF,PMCR のみに依存する値となると共に、車体速度勾配VXKが比較的大きな値の設定値VXK0 に設定されているので、推定ホイールシリンダ圧上限値PMAX が最大値PH に設定されてこれによる制限がないので、今回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) がマスタシリンダ圧PMCF,PMCR に一致することになる。
【0066】
このため、図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、車輪加減速度Vwi ′が負方向に増加するが、目標増減圧量ΔPi は図10(c)に示すように依然として正の値を継続し、且つ推定ホイールシリンダ圧Pi が増加したことにより、ステップS56で算出される目標ホイールシリンダ圧P* i がマスタシリンダ圧PMCF,PMCR より大きな値となるが、ステップS57でマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が目標ホイールシリンダ圧P* i として決定され、これが目標ホイールシリンダ圧記憶領域に更新記憶される。
【0067】
したがって、図9のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、目標ホイールシリンダ圧P* i とマスタシリンダ圧PMCF,PMCR とが一致するので、アクチュエータ6iに対する増圧状態を継続する。このため、各車輪1iの車輪速度Vwi が図10(a)に示すように、時点t1 から減少し始める。なお、図10では、説明を簡単にするために、各車輪1iが同時に減速を開始し、それらの車輪速度Vwi が互いに等しく、したがってセレクトハイ車輪速度VwH と車輪速度VwFL, VwFR及びVwR とが一致しているものとして表されている。
【0068】
その後、時点t2 でセレクトハイ車輪速度VwH の減速度VwH ′が設定減速度−DS に達すると、図6の車体速度演算処理が実行されたときに、ステップS14からステップS16〜S18に移行して、この時点でのセレクトハイ車輪速度VwH が初期サンプリング車輪速度Vs0 として初期値記憶領域に更新記憶され、且つ経過時間Tが“0”にクリアされると共に、制御フラグF1が“1”にセットされ、次いでステップS15に移行して、推定車体速度VX をセレクトハイ車輪速度VwH に維持する。
【0069】
このため、次に図6の車体速度演算処理が実行されたときに、制御フラグF1が“1”にセットされていることにより、ステップS13からステップS18aに移行して、カウント値Tが“1”だけインクリメントされ、次いでステップS19に移行し、図9のアクチュエータ制御処理においてアンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされた状態が維持されていることにより、ステップS27に移行し、制御フラグF2が“0”にリセットされているので、ステップS29に移行し、セレクトハイ車輪速VwH が推定車体速度VX から“1”を減算した値より小さいので、ステップS30に移行して、現在の推定車体速度VX (=VwH )から設定値VXK0 に設定された車体速度勾配VXKにサンプリング時間Δtを乗じた値を減算した値を新たな推定車体速度VX として更新記憶する。したがって、推定車体速度VX は図10(a)で破線図示のように、設定値VXK0 の勾配で順次減少することになり、これに応じて目標車輪速度Vw* も減少し、さらに車輪加減速度Vwi ′も図10(b)に示すように負方向に増加する。
【0070】
したがって、図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、そのステップS51で算出される目標増減圧量ΔPi が、図10(c)に示すように、減少し始め時点t3 で零となり、その後負方向に増加する。
この間、図6の車体速度演算処理が実行される毎に、ステップS13,S19,S27〜S31の処理を行うので、推定車体速度VX が車体速度勾配VXK0 分づつ減少される状態を継続する。
【0071】
そして、時点t3 で、図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、目標増減圧量ΔPi が零となることにより、目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧Pi とが等しい値となって、目標ホイールシリンダ圧P* i の増加が停止される。
このように、目標ホイールシリンダ圧P* i の増加が停止されるが、マスタシリンダ圧PMCF,PMCR は、図10(e)で破線図示のように増加を継続するので、図9のアンチスキッド制御処理が実行されたときに、目標ホイールシリンダ圧P* i とマスタシリンダ圧PMCF,PMCR とが不一致となり、このためステップS61からステップS72に移行し、前回の処理時に増減圧周期mが“1”に設定されているので、この増減圧周期mから“1”を減算するので、増減圧周期mが“0”となる。このため、ステップS73からステップS74に移行して、目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧Pi との誤差Perr を算出したときに、目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧Pi とが等しいので、誤差Perr は“0”となるため、ステップS75からステップS76に移行して、前記(14)式の演算を行うことにより、増減圧時間TP が“0”に設定され、これに応じてステップS78からステップS79に移行して、増減圧周期mが“1”にセットされてからステップS65を経てステップS68に移行する。この結果、論理値“1”の制御信号EVi 及び論理値“0”の制御信号AVi が保持信号としてアクチュエータ6iに出力され、これに応じて流入弁8が閉状態となると共に、流出弁9は閉状態を維持するので、ホイールシリンダ2iとマスターシリンダ5との間が遮断されて、ホイールシリンダ2iのシリンダ圧が一定値に維持される保持モードとなる。
【0072】
このように、ホイールシリンダ2iのシリンダ圧が一定値に保持される保持モードとなると、図7の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、ステップS42から直接ステップS46に移行することになり、全体の推定ホイールシリンダ圧Pi が保持される。一方、図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、そのステップS51で算出される目標増減圧量ΔPi が図10(c)に示すように、負方向に増加することになるが、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi 以下の状態を継続しているので、ステップS54からステップS53に移行して、目標増減圧量ΔPi が“0”に制限され、前回の図9のアクチュエータ制御処理において、緩増減圧周期mが“1”にセットされているので、ステップS55からステップS56に移行して、前回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) を保持する現在の推定ホイールシリンダ圧Pi (n) をそのまま目標ホイールシリンダ圧P* i として設定し、且つマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が増加状態を継続していることから設定された目標ホイールシリンダ圧P* i がそのまま更新記憶される。
【0073】
このため、図9のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、前回の処理時と同様に、ステップS68に移行して、アクチュエータ6iの保持モードが継続される。
その後、車輪速度Vwi が減少して、時点t4 で目標車輪速度Vw* より小さい値となると、図5の処理が実行されたときには、そのステップS4aからステップS4bに移行して、目標車輪減速度Vw* ′が“0”に設定される。この状態で、図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されると、そのステップS51で算出される目標増減圧量ΔPi は、図10(c)に示すように、負方向への増加を継続しており、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi より大きくなるので、ステップS52,S53,S55を経てステップS56に移行し、目標ホイールシリンダ圧P* i が推定ホイールシリンダ圧Pi から目標増減圧量ΔPi を減算した値に設定される。
【0074】
このため、図9のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、ステップS74で算出する誤差Perr が負の値となるため、ステップS75からステップS77に移行して、前記(15)式の演算を行って減圧を表す負の増減圧時間TP が設定され、次いでステップS78からステップS80に移行して、緩増減圧周期mが所定値m0 に設定してからステップS65を経てステップS69に移行し、アンチスキッド制御フラグASを“1”にセットし、ついでステップS70に移行して、増減圧時間TP に“1”を加算した値を新たな増減圧時間TP として更新記憶し、次いでステップS71に移行して共に論理値“1”の制御信号EVi 、AVi 及びMRi を減圧信号としてアクチュエータ6iに出力する。このため、アクチュエータ6iの流入弁8が閉状態を維持するが、流出弁9が開状態となると共に、ポンプ10が回転駆動されて、ホイールシリンダ2i内の作動油がマスタシリンダ5側に排出され、これによってホイールシリンダ2iのシリンダ圧が図10(e)に示すように減圧開始される。
【0075】
このように減圧状態となると、図7の処理が実行されたときに、ステップS42からステップS48に移行して、前回の推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) に基づいて推定減圧量ΔPiDが算出され、次いでステップS49で前回推定ホイールシリンダ圧Pi (n-1) から推定減圧量ΔPiDを減算した値が今回推定ホイールシリンダ圧Pi (n) として設定され、これが更新記憶される。
【0076】
一方、アンチスキッド制御フラグASが“1”にセットされたことにより、図6の車体速度演算処理が実行されたときに、ステップS18aで経過時間Tをインクリメントし、ステップS19からステップS20に移行して制御フラグF2が“1”にセットされ、次いでステップS21に移行して、制御フラグF3が“0”にリセットされていることにより、ステップS21aに移行し、制御フラグF4が“0”にリセットされているので、ステップS21bに移行し、セレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′が負であるのでステップS29に移行して、セレクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX より小さいので、ステップS30に移行して、推定車体速度VX から車体速度勾配VXKを減算した値を新たな推定車体速度VX として更新記憶する。
【0077】
この減圧状態を継続することにより、図10(a)に示すように、車輪速度Vwi が回復することになり、時点t5 で、図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、目標増減圧量ΔPi が図10(c)に示すように、再度“0”となり、これに応じて目標ホイールシリンダ圧P* i と推定ホイールシリンダ圧Pi とが一致することになるため、図9のアンチスキッド制御処理が実行されたときにステップS74で算出される誤差Perr が“0”となるため、ステップS75からステップS76に移行して増減圧時間TP が“0”に設定され、これによってステップS65からステップS68に移行して、アクチュエータ6iが減圧モードから保持モードに転換し、これによってホイールシリンダ2iのシリンダ圧が図10(e)に示すように、一定値に保持される。
【0078】
この保持モードとなると、前述したように図7の推定ホイールシリンダ圧演算処理で推定ホイールシリンダ圧Pi が保持され、且つ図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理では、目標増減圧量ΔPi が図10(c)に示すように、正方向に増加しているが、目標車輪速度Vw* が車輪速度Vwi より大きいので、ステップS52からステップS53に移行して、目標増減圧量ΔPi が“0”に制限され、これによって目標ホイールシリンダ圧P* i が前回値に保持される。
【0079】
その後、時点t6 で、目標車輪速度Vw* と車輪速度Vwi とが一致すると、図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときにステップS52からステップS54,S55を経てステップS56に移行し、このとの目標増減圧量ΔPi が図10(c)で正方向の大きな値となっているので、目標ホイールシリンダ圧P* i が推定ホイールシリンダ圧Pi より大きな値に設定され、これが更新記憶される。
【0080】
したがって、図9のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、そのステップS74で算出される誤差Perr が正の値となることにより、前述した時点t1 〜t3 間の増圧状態と同様に推定ホイールシリンダ圧Pi が増加する。
そして、車輪速度Vwi の回復により、車輪速フィルタ18iから出力されるフィルタ出力Vfi が車輪速度Vwi と略一致すると、この状態では制御信号MRi が論理値“1”であることにより、選択回路187でオフディレータイマ186で設定された遅延時間が経過した後に「+10g」に対応する電圧が選択され、これが積分回路182に供給されることにより、フィルタ出力Vfi は図10(a)で一点鎖線図示のように、急峻に増加し、これがセレクトハイ車輪速度VwH として選択されているので、図6の車体速度演算処理が実行されたときに、ステップS21bからステップS21cに移行して制御フラグF4が“1”にセットされる。このため、次に図6の車体速度演算処理が実行されたときに、ステップS21aからステップS22に移行し、セレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′が設定減速度−DS 以下となったか否かを判定し、VwH ′>−DS であるので、ステップS29に移行して、前述した推定車体速度VX の減算処理を継続する。
【0081】
その後、時点t7 でセレクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX 以上となると、図6の車体速度演算処理が実行されたときに、ステップS21a,S22を経てステップS29に移行し、VwH ≧VX であるので、ステップS31に移行して、制御フラグF3を“0”にリセットしてからステップS15に移行して、このときのセレクトハイ車輪速度VwH が推定車体速度VX として設定され、これによって推定車体速度VX が増加する。
【0082】
一方、ホイールシリンダ2iの増圧によって車輪速度Vwi は、図10(a)に示すように、再度減少し始め、時点t8 でセレクトハイ車輪速度VwH の加減速度VwH ′が設定減速度−DS 以下となると、図6の車体速度演算処理が実行されたときに、ステップS22からステップS23に移行して、現在値記憶領域に現在のセレクトハイ車輪速度VwH が今回サンプリング車輪速度Vs(n) として更新記憶される。そして、ステップS24で前記(5)式の演算を行って車体速度勾配VXKP が算出され、これがステップS25で車体速度勾配VXKとして車体速度勾配記憶領域に更新記憶され、次いでステップS26で制御フラグF3が“1”にセットされ且つ制御フラグF4が“0”にリセットされる。
【0083】
このとき、ステップS24で算出される車体速度勾配VXKP は、図10(d)に示すように、実際の車体速度の減少度に応じて値となるので、設定値VXK0 より小さい値となる。このため、図7の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、ステップS46で算出される推定ホイールシリンダ圧上限値PMAX が図10(e)で破線図示のように、車体速度勾配VXKに応じた小さい値に変更される。
【0084】
この状態では、図7の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、前回の制御信号が増圧状態であり、しかも前回の推定ホイールシリンダ圧Pi が比較的大きな値であり、且つマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が大きな値を継続しているので、推定増圧量ΔPiAも所定値となるため、図10(e)に示すように、推定ホイールシリンダ圧Pi が保持と増圧を繰り返す緩増圧状態となる。
【0085】
この緩増圧状態を繰り返して、時点t9 で図7の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、算出される推定ホイールシリンダ圧Pi がステップS46で算出される推定ホイールシリンダ圧上限値PMAX を越える状態となると、推定ホイールシリンダ圧Pi が上限値PMAX で制限されるので、図10(e)に示すように、推定ホイールシリンダ圧Pi の増加が停止されて上限値PMAX に保持される。
【0086】
その後、時点t10で、図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、そのステップS51で算出される目標増減圧量ΔPi が“0”となることにより、前述した時点t3 と同様に保持状態となり、時点t11で目標車輪速度Vw* より車輪速度Vwi が小さくなることにより、前述した時点t4 と同様に減圧状態となる。
【0087】
その後、時点t12で保持状態、時点t13で緩増圧状態、時点t14で車体速度勾配VXKを再度算出してこれを更新記憶し、次いで時点t15で推定ホイールシリンダ圧Pi が上限値PMAX に制限され、次いで時点t16で保持状態、時点t17で減圧状態を順次繰り返して、推定車体速度VX が減少する。
その後、ブレーキペダル4の踏込みを解除して、非制動状態とすると、これによってマスタシリンダ圧PMCF,PMCR が“0”となる。このため、図7の推定ホイールシリンダ圧演算処理が実行されたときに、ステップS45又はS50で推定ホイールシリンダ圧Pi がマスタシリンダ圧PMCF,PMCR に設定される。これと同時に図8の目標ホイールシリンダ圧演算処理でも、ステップS57で目標ホイールシリンダ圧P* i がマスタシリンダ圧PMCF,PMCR に設定される。
【0088】
このため、図9のアクチュエータ制御処理が実行されたときに、目標ホイールシリンダ圧P* i とマスタシリンダ圧PMCF,PMCR とが一致することにより、ステップS61からステップS62に移行して、アンチスキッド制御フラグASが“0”にリセットされ、且つ増減圧時間TP が“1”にセットされると共に、緩増減圧時間mが“1”にセットされ、ステップS65からステップS66,S67に移行して、アクチュエータ6iに対して増圧信号が出力され、ホイールシリンダ2iとマスタシリンダ5とが常に連通状態となる通常状態に復帰する。
【0089】
このように、上記実施例によると、各アクチュエータ6FL〜6RRのホイールシリンダ2FL〜2RRの推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR が車体速度勾配VXK に応じて算出される推定ホイールシリンダ圧上限値P MAX によって制限されるので、この推定ホイールシリンダ圧PFL〜PR が図10(e)で一点鎖線図示の実際のホイールシリンダ圧に対して大きくかけ離れることが抑制され、これによってアンチスキッド制御中にもかかわらず、目標ホイールシリンダ圧P* i とマスタシリンダ圧PMCF,PMCR とが一致して、アンチスキッド制御が終了することによる車輪スリップ率が急増する不具合を確実に阻止することができる。また、ホイールシリンダ2iの減圧制御時の減圧時間TP を減圧開始前の推定ホイールシリンダ圧Pi に基づいて(15)式の演算を行って決定するようにしているので、適切な減圧時間TP を設定することができ、不必要に車輪がロック傾向となることを確実に防止することができる。さらに、目標ホイールシリンダ圧P* i を目標車輪速度Vw* 及び車輪速度Vwi の偏差と目標車輪加減速度Vw* ′及び車輪加減速度Vwi ′の偏差との和でなる目標増減圧量ΔPi に基づいて算出するようにしているので、比例・微分制御(PD制御)を行ってアンチスキッド制御の応答性を向上させることができる。
【0090】
因みに、従来のアンチスキッド制御装置では、図11に示すように、推定ホイールシリンダ圧Pi が実際のホイールシリンダ圧PRiに対して高めに算出されることから、両者の偏差が累積されて、推定ホイールシリンダ圧Pi が徐々に増加することになり、この推定ホイールシリンダ圧Pi がマスタシリンダ圧PMCに一致すると、目標ホイールシリンダ圧P* i もマスタシリンダ圧PMCに一致することから、アンチスキッド制御が一旦終了され、これによってマスタシリンダ5とホイールシリンダ2iとが連通状態となる急増圧状態となるため、実際のホイールシリンダ圧PRiが急増して、車輪スリップ率が急増し、車輪がロック状態に向かうことにより、乗員に違和感を与える。
【0091】
なお、上記実施例では、車輪速演算回路15FL〜15Rの出力側に車輪速フィルタ18FL〜18Rを接続し、これらのフィルタ出力に基づいて車体速度勾配VXK及び推定車体速度VX を算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車輪速フィルタ18FL〜18Rを省略して、車輪速演算回路15FL〜15Rから出力される車輪速度VwFL〜VwR に基づいて車体速度勾配VXK及び推定車体速度VX を算出するようにしてもよい。
【0092】
また、上記実施例では、後輪側の車輪速度を共通の車輪速センサ3Rで検出するようにした3チャンネルアンチスキッド制御装置について説明したが、これに限らず後輪側の左右輪についても個別に車輪速センサを設け、これに応じて左右のホイールシリンダに対して個別のアクチュエータを設ける所謂4チャンネルのアンチスキッド制御装置にも本発明を適用し得ることは言うまでもない。
【0093】
さらに、上記実施例では、コントローラCRとしてマイクロコンピュータ20を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、比較回路、演算回路、論理回路、関数発生器等の電子回路を組み合わせて構成することもできる。
さらにまた、上記実施例では、後輪駆動車に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず前輪駆動車や4輪駆動車にも適用することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、制動用シリンダ圧推定手段で、制御手段の制御信号とマスタシリンダ圧検出手段のマスタシリンダ圧とに基づいて前記制動用シリンダの圧力を推定するが、車体速度勾配規制手段で、車体速度勾配検出手段の車体速度勾配に基づいて制動用シリンダ圧推定値の上限値を算出し、算出した上限値で制動用シリンダ圧推定値を制限するようにしたので、少ない圧力センサ数で、制動用シリンダ圧推定値が実際の制動用シリンダ圧から大きくかけ離れて高くなることを確実に阻止することができ、制動用シリンダ圧推定値が実際の制動用シリンダ圧より大きくなりすぎて、マスタシリンダ圧と一致することにより、アンチスキッド制御が一時中断されることによる車輪スリップ率の急増を防止して正確なアンチスキッド制御を行うことができるという効果が得られる。
【0095】
また、請求項2に係る発明によれば、最大値選択手段で選択した車輪速度検出手段の車輪速度検出値の最大値から減速度算出手段で減速度を算出し、この減速度が所定値以上となったときの車輪速度最大値と前回の車輪速度最大値とから車体速度勾配を算出することにより、正確な車体速度勾配を算出することができるという効果が得られる。
【0096】
さらに、請求項3に係る発明によれば、車体速度勾配検出手段及び車体速度推定手段を、車輪速度検出手段の車輪速度検出値のみに基づいて車体速度勾配及び車体速度を算出するように構成したので、車両の前後方向加速度センサ等の高価なセンサを使用することなく、車体速度勾配及び車体速度を算出することができるという効果が得られる。
【0097】
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、前記目標シリンダ圧は、目標車輪速度及び実際の車輪速度の偏差と目標車輪加減速度及び車輪加減速度の偏差との和でなる目標増減圧量に基づいて算出するので、比例・微分制御を行って応答性を向上させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンチスキッド制御装置の概略構成を示す基本構成図である。
【図2】本発明のアンチスキッド制御装置の一実施例を示すブロック図である。
【図3】図2のアンチスキッド制御装置に適用し得るアクチュエータの一例を示す構成図である。
【図4】図2のアクチュエータ制御装置に適用し得る車輪速フィルタの一例を示すブロック図である。
【図5】図2に示すアンチスキッド制御装置で実行されるアンチスキッド制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】図5の車体速度演算処理のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図7】図5の推定ホイールシリンダ圧演算処理のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図8】図5の目標ホイールシリンダ圧演算処理のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図9】図5のアクチュエータ制御処理のサブルーチン処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明のアンチスキッド制御動作の説明に供するタイムチャートである。
【図11】従来例のアンチスキッド制御動作の説明に供するタイムチャートである。
【符号の説明】
1FL〜1RR 車輪
2FL〜2RR ホイールシリンダ
3FL〜3R 車輪速センサ
4 ブレーキペダル
5 マスタシリンダ
6FL〜6R アクチュエータ
CR コントローラ
15FL〜15R 車輪速演算回路
18FL〜18R 車輪速フィルタ
20 マイクロコンピュータ[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to an anti-skid control device for preventing wheel lock during braking of a vehicle.
[0002]
[Prior art]
As a conventional anti-skid control device, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 2-3564 (hereinafter referred to as “first conventional example”) and Japanese Patent Laid-Open No. 5-24528 previously proposed by the present applicant (hereinafter referred to as “second conventional example”). What is described in (referred to as an example) is known.
The first conventional example includes a wheel speed sensor that detects a wheel speed, a pressure control unit that is provided between the master cylinder and the wheel cylinder of the wheel, and controls a brake pressure of the wheel cylinder, and a brake of the master cylinder. A pressure detection means for detecting only the pressure, and a slip control for determining that a slip has occurred in the wheel and for instructing the pressure control means to control a brake pressure of the wheel cylinder when it is determined that a slip has occurred in the wheel; And when the brake control of the wheel cylinder is controlled by the pressure control means, the change amount of the brake pressure of the wheel cylinder is calculated and the wheel is calculated from the change amount. Pressure estimation means for estimating the brake pressure of the cylinder, and this pressure estimation means The comparison means for comparing the brake pressure of the wheel cylinder estimated by the above and the brake pressure of the master cylinder detected by the pressure detection means, and the result of the comparison performed by this comparison means, the brake pressure of the master cylinder is A simple anti-skid control device having an end means for ending the control of the brake pressure of the wheel cylinder by the pressure control means when the pressure becomes lower than the brake pressure of the cylinder. Antiskid control can be performed with the minimum number of pressure sensors.
[0003]
The second conventional example includes a pressure sensor that detects the pressure of the master cylinder, a plurality of pressure sensors that directly detect the pressure of the brake cylinder provided on the wheel to be controlled, and a wheel speed that detects the wheel speed of the wheel to be controlled. Sensors, and the target wheel cylinder pressure for PD control of the target control pressure of the brake cylinder is calculated based on the pressure detection values of these pressure sensors, the wheel speed detection value of the wheel speed sensor and its differential value and the vehicle body speed. The braking force control device controls the actuator so that the target wheel cylinder pressure and the actual wheel cylinder pressure coincide with each other, and can perform accurate anti-skid control.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the anti-skid control device of the first conventional example, the entire anti-skid control system can be reduced in size simply by minimizing the number of pressure sensors. Since the drive signal and the preset pressure increase / decrease characteristic function are used for the estimation, the pressure increase / decrease characteristic fluctuates due to fluctuations in brake fluid temperature, viscosity, battery voltage, etc., and wheel cylinder pressure estimation is performed. The value may deviate from the actual wheel cylinder pressure. When the actual pressure increase amount is smaller than the pressure increase amount of the pressure increase function, the estimated wheel cylinder pressure is detected by the master cylinder pressure. There is an unresolved problem that anti-skid control will be terminated due to exceeding the value, and good anti-skid control cannot be performed. That.
[0005]
In the anti-skid control device of the second conventional example, since the wheel cylinder pressure is directly detected, the unsolved problems of the first conventional example can be solved, but the number of pressure sensors increases. Therefore, there is a new problem that the manufacturing cost increases.
Therefore, the present invention has been made paying attention to the unsolved problems of the above-described conventional example, and provides an anti-skid control device capable of performing accurate anti-skid control with the minimum necessary pressure detection means. The purpose is that.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, an anti-skid control device according to a first aspect of the present invention includes a brake disposed on a wheel to be controlled based on a master cylinder pressure from a master cylinder, as shown in a basic configuration diagram of FIG. An actuator for controlling the fluid pressure of the cylinder for use,Master cylinder pressure detecting means for detecting the master cylinder pressure;A wheel speed detecting means for detecting a wheel speed of the wheel to be controlled, a vehicle speed gradient calculating means for calculating a vehicle speed gradient based on at least a detected wheel speed value of the wheel speed detecting means, and a vehicle speed gradient calculating means. The vehicle body speed estimation means for estimating the vehicle body speed based on the vehicle body speed gradient and the wheel speed detection value of the wheel speed detection means, the brake based on the control signal for the actuator and the master cylinder pressure of the master cylinder pressure detection means. Braking cylinder pressure estimating means for estimating the pressure of the cylinder for use;When the target cylinder pressure calculated by adding the amount of change to the brake cylinder pressure estimated value estimated by the brake cylinder pressure estimating means is less than the master cylinder pressure,Based on the master cylinder pressure of the master cylinder pressure detecting means, the estimated cylinder pressure of the braking cylinder pressure estimating means, and the target cylinder pressure,Increased pressure, holding state, reduced pressure stateForming control signals to driveAnd generating a control signal for driving the actuator to an increased pressure state when the target cylinder pressure matches the master cylinder pressure.Actuator control means and brake cylinder pressure of the brake cylinder pressure estimating meansUpper limit of estimated valueBased on the vehicle body speed gradientSet and limit the estimated cylinder pressure for braking with the upper limit valueVehicle body speed gradient regulating means.
[0007]
According to a second aspect of the present invention, there is provided the anti-skid control device according to the first aspect, wherein the vehicle body speed gradient detecting means selects the maximum value of the wheel speed detection value of the wheel speed detecting means, and the maximum value selection. The deceleration calculation means for calculating the deceleration of the maximum wheel speed selected by the means, the maximum wheel speed selected by the maximum value selection means when the deceleration detection value of the deceleration calculation means exceeds a predetermined value, and the previous time And a calculating means for calculating a vehicle body speed gradient from the maximum wheel speed.
[0008]
Furthermore, the anti-skid control device according to claim 3 is characterized in that, in
Still further, an anti-skid control device according to a fourth aspect is the method according to the first to third aspects.The amount of change added to the estimated cylinder pressure for brakingIs the sum of the deviation of the target wheel speed and actual wheel speed and the deviation of the target wheel acceleration / deceleration and wheel acceleration / deceleration.CalculatedIt is characterized by a target pressure increase / decrease amount.
[0009]
[Action]
In the anti-skid control device according to the first aspect, the brake cylinder pressure estimating means estimates the brake cylinder pressure based on the control signal of the control means and the master cylinder pressure of the master cylinder pressure detecting means. The vehicle body speed gradient regulating means calculates the upper limit value of the brake cylinder pressure estimated value based on the vehicle body speed gradient of the vehicle body speed gradient detecting means, and calculates the calculated upper limit.By valueBy limiting the brake cylinder pressure estimate, the brake cylinder pressure estimate will be higher than the actual brake cylinder pressure and match the master cylinder pressure.Pressure increase by anti-skid controlTo accurately control anti-skid control.
[0010]
In the anti-skid control device according to
[0011]
Furthermore, in the anti-skid control device according to claim 3, the vehicle body speed gradient detecting means and the vehicle body speed estimating means calculate the vehicle body speed gradient and the vehicle body speed based only on the wheel speed detection value of the wheel speed detecting means. Since it comprised, the vehicle body speed gradient and vehicle body speed are calculated, without using expensive sensors, such as a longitudinal acceleration sensor of a vehicle.
[0012]
Furthermore, in the anti-skid control device according to
[0013]
【Example】
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
FIG. 2 is a block diagram showing an embodiment of the present invention.
In the figure, 1FL and 1FR are front wheels, 1RL and 1RR are rear wheels, and the rotational driving force from the engine EG is transmitted to the rear wheels 1RL and 1RR via the transmission T, the propeller shaft PS and the differential gear DG. Wheel cylinders 2FL to 2RR as brake cylinders are respectively attached to the wheels 1FL to 1RR, and a pulse signal P corresponding to the rotational speed of these wheels is applied to the front wheels 1FL and 1FR.FL, PFRThe wheel speed sensors 3FL and 3FR are mounted as wheel speed detecting means for outputting the pulse signal P corresponding to the average rotational speed of the rear wheels to the propeller shaft PS.RA
[0014]
In each front wheel side wheel cylinder 2FL, 2FR, the master cylinder pressure from the
[0015]
As shown in FIG. 3, each of the actuators 6FL to 6R includes an
[0016]
And the
[0017]
The controller CR generates a wheel speed pulse signal P from the wheel speed sensors 3FL to 3R.FL~ PRIs input, and the wheel speed Vw which is the peripheral speed of the wheel from these and the rotation radius of each wheel 1FL to 1RRFL~ VwRWheel speed calculation circuits 15FL to 15R for calculating the wheel speed Vw of these wheel speed calculation circuits 15FL to 15RFL~ VwRAre input, and wheel speed filters 18FL to 18R for performing time limit filter processing on these, and wheel speed Vw of the wheel speed calculation circuits 15FL to 15R.FL~ VwR, Filter output Vf of wheel speed filter 18FL-18RFL~ VfRAnd master cylinder pressure detection value P of pressure sensors 13A and 13BMCF,PMCRIs input based on the estimated vehicle speed VXAnd body speed gradient VXKAnd the target wheel cylinder pressure P* FL~ P* RAnd the estimated wheel cylinder pressure PFL~ PRAnd a
[0018]
Here, as shown in FIG. 4, each of the wheel speed filters 18FL to 18R has a wheel speed Vw from a wheel speed calculation circuit 15i (i = FL, FR, R).iWheel speed sampling value VSA sample-and-hold circuit 181 that holds the input voltage E, an integration circuit 182 that is composed of an operational amplifier and integrates the input voltage E, and an integration output V of the integration circuit 182eAnd the wheel speed sampling value V of the sample hold circuit 181SAnd the filter output VfiAdding circuit 183 for calculating the wheel speed VwiIs the filter output VfiWithin a predetermined dead band width that is set in advance, that is, Vfi-1km / h <Vwi<Vfi+1 km / h is detected and Vfi-1km / h <Vwi<VfiOutput C when + 1km / h1And C2Are both low and Vwi≧ VfiOutput C when + 1km / h1Is a high level and Vwi≦ VfiOutput C when -1km / h2The dead zone detection circuit 184 that sets the vehicle speed to a high level, and the dead zone detection circuit 184 determines the wheel speed Vw.iIs in the dead zone and when the ignition switch ON signal IG is input, the sample hold circuit 181 causes the wheel speed VwiAnd a reset circuit 185 for outputting a reset signal SR for resetting the integration circuit 182 and a vehicle body speed VwiIs set to the predetermined time T set by the off-delay timer 186 when the value is within the dead band width and after the dead band width is exceeded.ThreeSupply zero voltage to the integration circuit 182 as the integration input voltage E duringi> VfiSpecified time T after + 1km / hThreeAfter the elapse of time, a negative voltage corresponding to + 0.4G is supplied to the integration circuit 182 as the integration input voltage E during negative anti-skid control and a negative voltage corresponding to + 10G during anti-skid control.i<VfiSpecified time T after -1km / hThreeAnd a selection circuit 187 that supplies a positive voltage corresponding to −1.2 G to the integration circuit 182 as the integration input voltage E after the elapse of time.
[0019]
As shown in FIG. 2, the
[0020]
Next, the operation of the above embodiment will be described with reference to FIGS.
The control process of FIG. 5 is executed as a timer interrupt process for the main program every predetermined time (for example, 10 msec). First, in step S1, the master cylinder pressure detection value P of the
[0021]
Next, the process proceeds to step S2, and the filter output VfFL~ VfRBased on vehicle speed gradient VXkAnd estimated vehicle speed VXIs executed, and then the process proceeds to step S3 where the master cylinder pressure detection value PMCF,PMCRAnd the control signal EV for the previous actuators 6FL to 6RFL~ EVE, AVFL~ AVREstimated wheel cylinder pressure P to estimate the current wheel cylinder pressure of each wheel cylinder 2FL to 2RR based onFL~ PRAn estimated wheel cylinder pressure calculation process for calculating
[0022]
Next, the process proceeds to step S4, the following formula (1) is calculated, and the target wheel speed Vw is calculated.*Is updated and stored in the target wheel speed storage area formed in the
Vw*= 0.8VX ………… (1)
Next, the process proceeds to step S4a and the target wheel speed Vw*Is wheel speed VwiJudge whether or not smaller than Vw*<VwiWhen it is, the process proceeds to step S4b and the target wheel deceleration Vw*'Is set to "0" and this is updated and stored in the target wheel deceleration storage area formed in the storage device 20c.*≧ VwiIf it is, the process proceeds to step S4c and the following formula (2) is calculated to obtain the target wheel deceleration Vw.*'Is calculated.
[0023]
Vw*'= -Vw0′ ………… (2)
Where Vw0'Is a preset setting value.
Next, the process proceeds to step S5, and the target wheel cylinder pressure P for each of the wheel cylinders 2FL to 2R.* FL~ P* RThe target wheel cylinder pressure calculation process for calculating
[0024]
Next, the process proceeds to step S6, where the estimated wheel cylinder pressure PFL~ PRAnd target wheel cylinder pressure P* FL~ P* RThe control signals EV, AV and MR for the actuators 6FL to 6R corresponding to the deviations are determined, the actuator control process for outputting them is executed, the timer interrupt process is terminated, and the process returns to the predetermined main program.
[0025]
Here, in the vehicle body speed calculation process in step S2, as shown in FIG. 6, first, in step S7, it is determined whether or not the brake switch signal BS of the
[0026]
Next, the process proceeds to step S9, where the calculated select low wheel speed VwLEstimated vehicle speed VXIs updated and stored in the estimated vehicle body speed storage area formed in the
[0027]
VX= MIN (VfFL,VfFR, VfR) ………… (3)
On the other hand, if the result of determination in step S7 is that the brake switch signal BS is in the on state, it is determined that the vehicle is in the braking state, and the process proceeds to step S11. As shown in the following equation (4), the filter output VfFL,VfFRAnd VfRSelect one of the larger values of High Wheel Speed VwHIs updated and stored in the select high wheel speed storage area formed in the
[0028]
VX= MAX (VfFL,VfFR, VfR) (4)
Next, the process proceeds to step S12, and the select high wheel speed VwHAnd select high wheel speed VwHAcceleration / deceleration VwH'Is calculated.
Next, the process proceeds to step S13, and the select high wheel acceleration / deceleration VwH′ Is the preset deceleration -DSIt is determined whether or not the braking state flag F1 indicating whether or not the braking state has reached “1” is “1”, and when this is reset to “0”, it is determined that the braking state is not set, and the process proceeds to step S14. To do.
[0029]
In this step S14, select high wheel acceleration / deceleration VwH'Is the set deceleration -DSIt is determined whether or not it is below, and set deceleration -DSIf it is larger, it is determined that the brake is in an initial state, and the process proceeds to S15 as it is, and the select high wheel speed Vw.HEstimated vehicle speed VXAs a result, the vehicle body speed calculation process is terminated and the process proceeds to the estimated wheel cylinder pressure calculation process in step S3.SWhen it becomes below, it transfers to step S16.
[0030]
In this step S16, the current select high wheel speed VwHInitial sampling wheel speed Vs0Is updated and stored in the initial value storage area formed in the
[0031]
On the other hand, if the determination result in step S13 is that the braking state flag F is set to “1”, the process proceeds to step S18a to count the timer for counting the elapsed time for the vehicle body speed gradient calculation. After incrementing the value T by “1”, the process proceeds to step S19.
In step S19, it is determined whether or not a control flag AS indicating that anti-skid control is being performed is set to “1” in an actuator control process described later. If this flag is set to “1”, the process proceeds to step S20. To do.
[0032]
In this step S20, the control flag F2 indicating the processing state after the anti-skid control process is started is set to “1”, then the process proceeds to step S21, and the control flag F3 indicating the deceleration start state is set to “1”. It is determined whether or not the control flag F3 is reset to “0”. When the control flag F3 is reset to “0”, the process proceeds to step S21a to determine whether or not the control flag F4 is set to “1”. When = 1, the process proceeds to step S22 as it is, and when F4 = 0, the process proceeds to step S21b to select high wheel speed Vw.HAcceleration / deceleration VwHIt is determined whether ′ is positive and VwHWhen ′ ≦ 0, the process proceeds to step S29 to be described later, and VwHIf '> 0, the process proceeds to step S21c to set the control flag F4 to “1” and then proceeds to step S29 described later.
[0033]
In step S22, select wheel deceleration Vw is the same as in step S14 described above.H'Is the set deceleration -DSIt is determined whether or notH'> -DSIf it is, the process proceeds to step S29, which will be described later, and VwH′ ≦ −DSIf so, the process proceeds to step S23 to select the current select high wheel speed Vw.HIs updated and stored in the current value storage area of the
[0034]
Next, the process proceeds to step S24, where the current sampling wheel speed Vs (n) and the initial sampling wheel speed Vs.0 (5) is calculated based on the vehicle body speed gradient VXkPIs calculated.
VXkP= (Vs0-Vs (n)) / T + VXOF............ (5)
Where T is the time elapsed since the previous sampling, VXOFIs an offset value that compensates for deviations in estimated vehicle speed due to insufficient vehicle speed gradient.
[0035]
Next, the process proceeds to step S25, and the calculated vehicle body speed gradient VXKPThe vehicle speed gradient VXKThis is updated and stored in the vehicle body speed gradient storage area formed in the
[0036]
On the other hand, if it is determined in step S19 that the anti-skid control flag AS is reset to “0”, the process proceeds to step S27 to determine whether or not the control flag F2 is set to “1”. . This determination determines whether or not it is after the start of anti-skid control. When the control flag F2 is reset to “0”, it is determined that it is immediately before starting the anti-skid control. Control goes to step S29.
[0037]
In this step S29, the select high wheel speed VwHIs the estimated vehicle speed VXJudge whether or not smaller than VwH<VXIf it is, the process proceeds to step S30 and the current estimated vehicle speed VXVehicle body speed gradient V updated and stored in a predetermined storage area of
[0038]
Further, when the determination result of step S21 is that the control flag F3 is set to "1", the process proceeds to step S29, and when the determination result of step S27 is that the control flag F2 is set to "1" In step S33, the control flags F1, F2, F3, and F4 are reset to “0”, and then in step S34, the current select high wheel speed Vw is set.HEstimated vehicle speed VXThen, the vehicle body speed calculation process is terminated, and the process proceeds to the estimated wheel cylinder pressure calculation process in step S3.
[0039]
The determination result in step S29 is VwH≧ VXIf so, the process proceeds to step S31.
In the process of FIG. 6, the processes of steps S15, S30, and S34 correspond to the estimated vehicle body speed calculating means, and the processes of steps S14 and S16 to S27 correspond to the vehicle body speed gradient calculating means.
[0040]
Further, in the wheel cylinder pressure estimated value calculation process in step S3, as shown in FIG. 7, first, in step S41, the previous actuator control signal in the actuator control process described later is read, and then the process proceeds to step S42 and read. From the state of the actuator control signal, it is determined whether the wheel cylinder 2j (j = FL, FR, RL, RR) is in a pressure increasing state, a pressure decreasing state, or a holding state. The previous estimated wheel cylinder pressure P stored in the estimated wheel cylinder pressure storage area formed in the
[0041]
Next, the process proceeds to step S44, and the previous estimated wheel cylinder pressure P stored in the estimated wheel cylinder pressure storage area as shown in the following equation (6).i(n-1) and estimated pressure increase ΔPiAAnd this estimated wheel cylinder pressure Pi(n) is calculated.
Pi(n) = Pi(n-1) + ΔPiA ………… (6)
Next, the process proceeds to step S45, where the calculated current estimated wheel cylinder pressure P is calculated as shown in the following equation (7).i(n) and current master cylinder pressure PMCAnd the smaller value of this time is estimated wheel cylinder pressure PiAfter (n) is updated and stored in the estimated wheel cylinder pressure storage area, the process proceeds to step S46.
[0042]
Pi(n) = min {Pi(n), PMC} ………… (7)
In this step S46, the vehicle body speed gradient V calculated by the vehicle body speed calculation process of FIG.Xk, And based on this, the vehicle body speed gradient V shown in step S46 previously stored in the
[0043]
Next, the process proceeds to step S47, and the current estimated wheel cylinder pressure P updated and stored in the current estimated value storage area as shown in the following equation (8).i(n) and the estimated wheel cylinder pressure upper limit P calculated in step S46.MAXAnd the smaller one of these values is the estimated wheel cylinder pressure Pi(n) is determined, and this is updated and stored again in the current estimated value storage area. Then, the subroutine processing is terminated, and the process proceeds to the actuator control processing in step S6.
[0044]
Pi(n) = min {Pi(n), PMAX} ............ (8)
If the determination result in step S42 indicates that the wheel cylinder 2j (j = FL, FR, RL, RR) is in the holding state, the process directly proceeds to step S46, and if the wheel cylinder 2j is in the reduced pressure state, the process proceeds to step S48. Previously estimated wheel cylinder pressure P stored in the cylinder pressure storage areai(n-1) is read and based on this, the previous estimated wheel cylinder pressure P stored in advance in the
[0045]
In step S49, as shown in the following equation (9), the previous estimated wheel cylinder pressure P stored in the estimated wheel cylinder pressure storage area is shown.iEstimated pressure reduction ΔP from (n-1)iDThis is the estimated wheel cylinder pressure Pi(n) is calculated.
Pi(n) = Pi(n-1) -ΔPiD ............ (9)
Next, the process proceeds to step S50, and the calculated current estimated wheel cylinder pressure P is calculated as shown in the following equation (10).i(n) is compared with “0”, and the larger value is the estimated wheel cylinder pressure PiAfter (n) is updated and stored in the estimated wheel cylinder pressure storage area, the process proceeds to step S46.
[0046]
Pi(n) = max {Pi(n), 0} ......... (10)
In the process of FIG. 7, the processes of steps S41 to S45 correspond to the braking cylinder pressure estimating means, and the processes of steps S46 and S47 correspond to the vehicle body speed gradient regulating means.
Further, as shown in FIG. 8, the target wheel cylinder pressure calculation process in step S5 is first performed in step S51 in the wheel speed Vw.i, Target wheel speed Vw*, Wheel acceleration / deceleration Vwi′ And target wheel acceleration / deceleration Vw*The target pressure increase / decrease amount ΔP by proportional / differential control (PD control) is calculated by performing the following equation (11) based oniIs updated and stored in the target pressure increase / decrease amount storage area of the
[0047]
ΔPi= K1(Vwi-Vw*) + K2(Vwi'-Vw*′) …… (11)
In this equation (11), the first term on the right side is a proportional control term, the second term on the right side is a differential control term, and K1Is proportional gain, K2Is the differential gain.
Next, the process proceeds to step S52, and the target wheel speed Vw*Is wheel speed VwiLarger and target pressure increase / decrease amount ΔPiWhether or not is positive and Vw*> VwiAnd ΔPiWhen> 0, the routine proceeds to step S53, where the target pressure increase / decrease amount ΔPiIs updated and stored in the target pressure increase / decrease amount storage area as “0”, and the process proceeds to step S55. Otherwise, the process proceeds to step S54.
[0048]
In this step S54, the target wheel speed Vw*Is wheel speed VwiAbove and the target pressure increase / decrease amount ΔPiWhether or not is negative and Vw*≦ VwiAnd ΔPiIf <0, the process proceeds to step S53, and if not, the process proceeds to step S55.
In step S55, the target cylinder pressure P in the actuator control process to be described later.* iAnd actual cylinder pressure PiWhether or not the variable m representing the period for monitoring the error is “1”. If m ≠ 1, the subroutine process is terminated and the process proceeds to the actuator control process of step S6 in FIG. When m = 1, the process proceeds to step S56.
[0049]
In this step S56, as shown in the following equation (12), "0" and the estimated wheel cylinder pressure PiTarget pressure increase / decrease amount ΔPiThe added value (Pi+ ΔPi) And the larger value is the target wheel cylinder pressure P* iAs shown in the following equation (13), the master cylinder pressure P is then calculated.MCAnd target wheel cylinder pressure P* iTo the target wheel cylinder pressure P* iThis is updated and stored in the target wheel cylinder pressure storage area of the
[0050]
P* i= MAX (0, Pi+ ΔPi) ………… (12)
P* i= MIN (PMC, P* i) ………… (13)
Furthermore, as shown in FIG. 9, the actuator control process in step S6 is first performed with the target cylinder pressure P calculated by the target cylinder pressure calculation process described above in step S61.* FLIs the master cylinder pressure PMCIf the two match, the process proceeds to step S62, the anti-skid control flag AS indicating that the anti-skid control is being performed is reset to “0”, and then the process proceeds to step S63. The pressure increase / decrease time T indicating the holding time of the output control signalPIs set to “1”, then the routine proceeds to step S64 where the target cylinder pressure P* FLAnd actual cylinder pressure PFLAfter the slow increasing / decreasing cycle m representing the cycle for monitoring the error is set to “1”, the process proceeds to step S65.
[0051]
In this step S65, the pressure increasing / decreasing time TPIs positive, “0”, or even negative, and TPWhen> 0, the process proceeds to step S66 and the pressure increasing / decreasing time TPThe value obtained by subtracting “1” from the new pressure increase / decrease time TPThis is updated and stored in the pressure increase / decrease time storage area formed in the
[0052]
In addition, the determination result of step S65 is TPWhen = 0, the process proceeds to step S68 and the control signal EV having the logical value "1"iAnd a control signal AV of logical value “0”iAs a holding signal, the
Furthermore, the determination result of step S65 is TPWhen <0, the process proceeds to step S69 where the anti-skid control flag AS is set to "1", and then the process proceeds to step S70, where the pressure increasing / decreasing time TPThe value obtained by adding “1” to the new pressure increase / decrease time TPThis is updated and stored in the pressure increase / decrease time storage area, and then the process proceeds to step S71 where both control signals EV of logical value “1” are stored.iAnd AViDrive circuit 22aiAnd 22biThe subroutine processing is terminated after returning to the predetermined main program.
[0053]
The determination result in step S61 is that the target cylinder pressure P* FLAnd master cylinder pressure PMCIf not, the process proceeds to step S72, where a value obtained by subtracting "1" from the slowly increasing pressure reducing period m is updated and stored in the slowly increasing pressure reducing period storage area as a new slowly increasing pressure reducing period m, and then to step S73. Transition.
In this step S73, it is determined whether or not the variable m is positive. If m> 0, the process directly proceeds to step S65, and if m ≦ 0, the process proceeds to step S74.
[0054]
In this step S74, the target wheel cylinder pressure P* iAnd estimated wheel cylinder pressure detection value PiAnd error Perr(= P* i-Pi) And then the process proceeds to step S75.
In this step S75, the error PerrIs positive or negative including zero, and PerWhen ≧ 0, the process proceeds to step S76 and the error PerrIs the reference value P0The pressure increase / decrease time T is rounded off according to the following formula (14).PAfter calculating, the process proceeds to step S78.
[0055]
TP= INT (Perr/ P0) ………… (14)
The determination result in step S75 is P.errWhen <0, the process proceeds to step S77 and the error PerrIs the estimated wheel cylinder pressure PiAnd reference value P0The pressure increase / decrease time T is rounded off according to the following formula (15).PAfter calculating, the process proceeds to step S78.
[0056]
TP= INT {K ・ Perr/ (Pi+ P0)} ………… (15)
In step S78, the pressure increase / decrease time TPWhether or not is “0” and TPWhen = 0, the process proceeds to step S79, the slow increasing pressure reducing period m is set to "1", this is updated and stored in the slowly increasing pressure reducing period storage area, and then the process proceeds to step S65.PWhen ≠ 0, the routine proceeds to step S80, where the slowly increasing / decreasing cycle m is set to the predetermined value m.0After this is updated and stored in the slowly increasing and decreasing pressure period storage area, the process proceeds to step S65.
[0057]
Here, the processing of FIG. 9 corresponds to the actuator control means.
Therefore, when the vehicle is traveling at a constant speed in the non-braking state, the
[0058]
Next, when the estimated wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 7 is executed, the vehicle is in a non-braking state, and therefore, the control signal EV for the actuator 6i in the actuator control process to be described later.i,AVi,MRiAre both outputted as a logical value “0”, the process proceeds from step S42 to step S43, and the constant speed running state is continued, so that the previous estimated wheel cylinder pressure P is obtained.iSince (n-1) is zero and the
[0059]
Further, the target wheel speed Vw calculated in step S4 of FIG.*Is the estimated vehicle speed V as shown in FIG.XOf the low wheel speed VwSLower and therefore the actual wheel speed VwiSince it becomes a lower value, the process proceeds from step S4a to step S4c and the target wheel deceleration Vw.*′ Is a predetermined value −Vw as shown in FIG.0Set to '.
[0060]
As a result, when the target wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 8 is executed, the target pressure increase / decrease amount ΔP calculated in step S51.iIs Vw as shown in FIG.*≦ VwiAnd wheel acceleration / deceleration speed Vwi′ Is zero, target wheel deceleration Vw*′ Is a negative predetermined value −Vw0By being ′, it becomes a positive value. For this reason, the process proceeds from step S54 to step S55, and when the slow increase / decrease period m is set to “1” in the actuator control process described later, the process proceeds to step S56, where the estimated wheel cylinder pressure PiIs zero, but target pressure increase / decrease amount ΔPiIs a positive value, the target wheel cylinder pressure P* iAs Pi+ ΔPi= ΔPiIs selected, but in step S57, the master cylinder pressure PMCF,PMCRIs zero, the final target wheel cylinder pressure P* iIs set to zero, and this is updated and stored in the target wheel cylinder pressure storage area.
[0061]
Next, when the actuator control process of FIG. 9 is executed, the target wheel cylinder pressure P* iAnd master cylinder pressure PMCF,PMCRSince both are equal to each other, the process proceeds from step S61 to step S62, the anti-skid control flag AS is reset to “0”, and then the pressure increase / decrease time T is increased in steps S63 and S64.PThe slow increasing pressure reduction period m is both set to “1”.
[0062]
In step S65, TPSince> 0, the process proceeds to step S66, and the pressure increasing / decreasing time TPBecomes zero, and then the process proceeds to step S67, where both control signals EV of logical value "0"iAnd AViIs output to the actuator 6i as a pressure increase signal, so that the wheel cylinders 2FL, 2FR and 2RL, 2RR on the front and rear wheels are in communication with the
[0063]
From this constant speed running state, time t1When the
[0064]
That is, immediately after braking, since the control flag F1 is reset to “0”, the process proceeds from step S13 to step S14, and the select high wheel speed Vw.HDeceleration VwH'Is the set deceleration -DSIs not reached, the process proceeds to step S15 and the vehicle body speed gradient VXKAs a preset value VXK2Larger predetermined value VXK0Then, the process proceeds to step S15 to select high wheel speed VwHIs the estimated vehicle speed VXThis is updated and stored in the estimated vehicle speed storage area.
[0065]
On the other hand, in the estimated wheel cylinder pressure calculation process of FIG.MCF,PMCRThis increases with the previous estimated wheel cylinder pressure PiAnd estimated pressure increase ΔPiAIs determined, but the previous estimated wheel cylinder pressure PiIs zero, the estimated pressure increase amount ΔPiAIs the master cylinder pressure PMCF,PMCRThe vehicle speed gradient V.XKIs a relatively large setting value VXK0The estimated wheel cylinder pressure upper limit PMAXIs the maximum value PHSince there is no limit due to this, this estimated wheel cylinder pressure Pi(n) is the master cylinder pressure PMCF,PMCRWill match.
[0066]
For this reason, when the target wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 8 is executed, the wheel acceleration / deceleration Vwi′ Increases in the negative direction, but the target pressure increase / decrease amount ΔPiStill continues to be positive as shown in FIG. 10 (c) and the estimated wheel cylinder pressure PiIncreases, the target wheel cylinder pressure P calculated in step S56.* iIs the master cylinder pressure PMCF,PMCRAlthough it becomes a larger value, in step S57, the master cylinder pressure PMCF,PMCRIs the target wheel cylinder pressure P* iThis is updated and stored in the target wheel cylinder pressure storage area.
[0067]
Therefore, when the actuator control process of FIG. 9 is executed, the target wheel cylinder pressure P* iAnd master cylinder pressure PMCF,PMCRTherefore, the pressure increasing state for the actuator 6i is continued. For this reason, the wheel speed Vw of each wheel 1iiAs shown in FIG.1Starts to decrease from. In FIG. 10, for simplification of description, the wheels 1i start to decelerate simultaneously, and their wheel speeds VwiAre equal to each other, so select high wheel speed VwHAnd wheel speed VwFL,VwFRAnd VwRIs represented as a match.
[0068]
Then time t2Select high wheel speed VwHDeceleration VwH'Is the set deceleration -DSWhen the vehicle speed calculation processing of FIG. 6 is executed, the routine proceeds from step S14 to steps S16 to S18, and the select high wheel speed Vw at this time is reached.HIs the initial sampling wheel speed Vs0 And the elapsed time T is cleared to “0”, the control flag F1 is set to “1”, and then the process proceeds to step S15 to estimate the vehicle speed VXSelect high wheel speed VwHTo maintain.
[0069]
Therefore, when the vehicle body speed calculation process of FIG. 6 is executed next, the control flag F1 is set to “1”, so that the process proceeds from step S13 to step S18a and the count value T is set to “1”. Is incremented by "", and then the process proceeds to step S19. Since the anti-skid control flag AS is maintained reset to "0" in the actuator control process of FIG. 9, the process proceeds to step S27 and the control flag F2 Has been reset to "0", the process proceeds to step S29, and the select high wheel speed VwHIs the estimated vehicle speed VXSince the value is smaller than the value obtained by subtracting “1” from the current value, the process proceeds to step S30 and the current estimated vehicle speed VX(= VwH) To set value VXK0Body speed gradient V set toXKThe value obtained by subtracting the value obtained by multiplying the sampling time Δt by the new estimated vehicle speed VXAs update memory. Therefore, the estimated vehicle speed VXIs the set value V as shown by the broken line in FIG.XK0Will gradually decrease with the gradient of the target wheel speed Vw accordingly*And the wheel acceleration / deceleration speed Vwi'Also increases in the negative direction as shown in FIG.
[0070]
Accordingly, when the target wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 8 is executed, the target pressure increase / decrease amount ΔP calculated in step S51 is executed.iHowever, as shown in FIG.ThreeBecomes zero and then increases in the negative direction.
During this time, every time the vehicle body speed calculation process of FIG. 6 is executed, the processes of steps S13, S19, and S27 to S31 are performed.XIs the vehicle speed gradient VXK0Continue to be reduced by minutes.
[0071]
And time tThreeWhen the target wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 8 is executed, the target pressure increase / decrease amount ΔPiBecomes zero, the target wheel cylinder pressure P* iAnd estimated wheel cylinder pressure PiBecomes equal to the target wheel cylinder pressure P* iThe increase in is stopped.
Thus, the target wheel cylinder pressure P* iIs stopped, but the master cylinder pressure PMCF,PMCR10E continues to increase as shown by the broken line in FIG. 10 (e), so that when the anti-skid control process of FIG. 9 is executed, the target wheel cylinder pressure P* iAnd master cylinder pressure PMCF,PMCRTherefore, the process proceeds from step S61 to step S72, and since the pressure increasing / decreasing cycle m is set to “1” in the previous processing, “1” is subtracted from the pressure increasing / decreasing cycle m. The pressure period m is “0”. Therefore, the process proceeds from step S73 to step S74, and the target wheel cylinder pressure P* iAnd estimated wheel cylinder pressure PiAnd error PerrWhen calculating the target wheel cylinder pressure P* iAnd estimated wheel cylinder pressure PiIs equal to the error PerrIs "0", the process proceeds from step S75 to step S76, and the pressure increase / decrease time T is calculated by performing the calculation of equation (14).PIs set to “0”. Accordingly, the process proceeds from step S78 to step S79. After the pressure increasing / decreasing cycle m is set to “1”, the process proceeds to step S68 via step S65. As a result, the control signal EV having a logical value “1”iAnd a control signal AV of logical value “0”iIs output to the actuator 6i as a holding signal, and the
[0072]
As described above, when the holding mode in which the cylinder pressure of the wheel cylinder 2i is held at a constant value is entered, when the estimated wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 7 is executed, the process directly proceeds from step S42 to step S46. , Overall estimated wheel cylinder pressure PiIs retained. On the other hand, when the target wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 8 is executed, the target pressure increase / decrease amount ΔP calculated in step S51 is executed.iAs shown in FIG. 10 (c), the target wheel speed Vw increases in the negative direction.*Is wheel speed VwiSince the following state continues, the process proceeds from step S54 to step S53, and the target pressure increase / decrease amount ΔPiIs limited to “0”, and in the previous actuator control process of FIG. 9, the slowly increasing / decreasing pressure period m is set to “1”, the process proceeds from step S55 to step S56, and the previous estimated wheel cylinder pressure PiCurrent estimated wheel cylinder pressure P holding (n-1)i(n) is the target wheel cylinder pressure P as it is* iAnd the master cylinder pressure PMCF,PMCRIs set to the target wheel cylinder pressure P because it continues to increase* iIs updated and stored as it is.
[0073]
Therefore, when the actuator control process of FIG. 9 is executed, the process proceeds to step S68 and the holding mode of the actuator 6i is continued as in the previous process.
Then, wheel speed VwiDecreases at time tFourTarget wheel speed Vw*When the value becomes smaller, when the processing of FIG. 5 is executed, the routine proceeds from step S4a to step S4b, and the target wheel deceleration Vw.*'Is set to "0". In this state, when the target wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 8 is executed, the target pressure increase / decrease amount ΔP calculated in step S51 is executed.i10C continues to increase in the negative direction as shown in FIG. 10 (c), and the target wheel speed Vw*Is wheel speed VwiTherefore, the process proceeds to step S56 through steps S52, S53, S55, and the target wheel cylinder pressure P* iIs the estimated wheel cylinder pressure PiTo target pressure increase / decrease amount ΔPiSet to the value obtained by subtracting.
[0074]
For this reason, the error P calculated in step S74 when the actuator control process of FIG. 9 is executed.errIs a negative value, the process proceeds from step S75 to step S77, and the negative pressure increase / decrease time T representing the pressure reduction is calculated by performing the calculation of the equation (15).PThen, the process proceeds from step S78 to step S80, where the slowly increasing / decreasing period m is a predetermined value m.0Then, the process proceeds to step S69 through step S65, the anti-skid control flag AS is set to “1”, then the process proceeds to step S70, and the pressure increase / decrease time TPThe value obtained by adding “1” to the new pressure increase / decrease time TPThen, the process proceeds to step S71 where both control signals EV of logical value “1” are stored.i, AViAnd MRiIs output to the actuator 6i as a decompression signal. For this reason, the
[0075]
In this way, when the reduced pressure state is reached, when the processing of FIG.iEstimated decompression amount ΔP based on (n-1)iDNext, in step S49, the previously estimated wheel cylinder pressure P is calculated.iEstimated pressure reduction ΔP from (n-1)iDIs the estimated wheel cylinder pressure Pi(n) is set, and this is updated and stored.
[0076]
On the other hand, when the anti-skid control flag AS is set to “1”, when the vehicle body speed calculation process of FIG. 6 is executed, the elapsed time T is incremented in step S18a, and the process proceeds from step S19 to step S20. Then, the control flag F2 is set to “1”, and then the process proceeds to step S21, and the control flag F3 is reset to “0”, so that the process proceeds to step S21a and the control flag F4 is reset to “0”. Therefore, the process proceeds to step S21b and the select high wheel speed VwHAcceleration / deceleration VwHSince ′ is negative, the process proceeds to step S29 and the select high wheel speed VwHIs the estimated vehicle speed VXTherefore, the process proceeds to step S30 and the estimated vehicle speed VXFrom vehicle speed gradient VXKIs the new estimated vehicle speed VXAs update memory.
[0077]
By continuing this reduced pressure state, as shown in FIG.iWill be restored at time tFiveWhen the target wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 8 is executed, the target pressure increase / decrease amount ΔPiBecomes “0” again as shown in FIG. 10C, and the target wheel cylinder pressure P is changed accordingly.* iAnd estimated wheel cylinder pressure PiTherefore, the error P calculated in step S74 when the anti-skid control process of FIG. 9 is executed.errBecomes “0”, the process proceeds from step S75 to step S76, and the pressure increase / decrease time TPIs set to "0", thereby shifting from step S65 to step S68, the actuator 6i is switched from the pressure reduction mode to the holding mode, whereby the cylinder pressure of the wheel cylinder 2i is as shown in FIG. 10 (e). Is held at a constant value.
[0078]
In this holding mode, as described above, the estimated wheel cylinder pressure P is calculated by the estimated wheel cylinder pressure calculation process of FIG.iIn the target wheel cylinder pressure calculation process of FIG.iIs increasing in the positive direction as shown in FIG. 10C, but the target wheel speed Vw*Is wheel speed VwiTherefore, the process proceeds from step S52 to step S53, and the target pressure increase / decrease amount ΔPiIs limited to “0”, thereby the target wheel cylinder pressure P* iIs held at the previous value.
[0079]
Then time t6The target wheel speed Vw*And wheel speed VwiWhen the target wheel cylinder pressure calculation processing of FIG. 8 is executed, the process proceeds from step S52 to steps S54 and S55 to step S56.iIs a large value in the positive direction in FIG. 10C, the target wheel cylinder pressure P* iIs the estimated wheel cylinder pressure PiA larger value is set, and this is updated and stored.
[0080]
Therefore, when the actuator control process of FIG. 9 is executed, the error P calculated in step S74 is calculated.errBecomes a positive value, so that the above-mentioned time t1~ TThreeEstimated wheel cylinder pressure PiWill increase.
And wheel speed VwiFilter output Vf output from the wheel speed filter 18i due to recovery ofiIs wheel speed VwiIn this state, the control signal MRiIs a logical value “1”, the voltage corresponding to “+10 g” is selected after the delay time set by the off-
[0081]
Then time t7Select high wheel speed VwHIs the estimated vehicle speed VXWhen the vehicle speed calculation processing in FIG. 6 is executed, the process proceeds to steps S29 through steps S21a and S22, and VwH≧ VXTherefore, the process proceeds to step S31, the control flag F3 is reset to “0”, then the process proceeds to step S15, and the select high wheel speed Vw at this timeHIs the estimated vehicle speed VXAs a result, the estimated vehicle speed VXWill increase.
[0082]
On the other hand, the wheel speed Vw is increased by increasing the pressure of the wheel cylinder 2i.iBegins to decrease again as shown in FIG.8Select high wheel speed VwHAcceleration / deceleration VwH'Is the set deceleration -DSIn the following, when the vehicle body speed calculation process of FIG. 6 is executed, the process proceeds from step S22 to step S23, and the current select high wheel speed Vw is stored in the current value storage area.HIs updated and stored as the sampling wheel speed Vs (n). In step S24, the calculation of the equation (5) is performed to obtain the vehicle body speed gradient V.XKPIs calculated, and this is the vehicle body speed gradient V in step S25.XKIs updated and stored in the vehicle body speed gradient storage area, and then the control flag F3 is set to "1" and the control flag F4 is reset to "0" in step S26.
[0083]
At this time, the vehicle body speed gradient V calculated in step S24.XKPAs shown in FIG. 10 (d), the value becomes a value according to the actual decrease in the vehicle speed.XK0Smaller value. For this reason, when the estimated wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 7 is executed, the estimated wheel cylinder pressure upper limit value P calculated in step S46.MAXAs shown by the broken line in FIG.XKIt is changed to a small value according to
[0084]
In this state, when the estimated wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 7 is executed, the previous control signal is in a pressure increasing state, and the previous estimated wheel cylinder pressure PiIs a relatively large value and the master cylinder pressure PMCF,PMCRIs continuing a large value, the estimated pressure increase amount ΔPiAIs also a predetermined value, as shown in FIG. 10 (e), the estimated wheel cylinder pressure PiHowever, the pressure is gradually increased and maintained.
[0085]
By repeating this slow pressure increase state, time t9The estimated wheel cylinder pressure P calculated when the estimated wheel cylinder pressure calculation process of FIG.iIs the estimated wheel cylinder pressure upper limit P calculated in step S46.MAXThe estimated wheel cylinder pressure PiIs the upper limit PMAXTherefore, as shown in FIG. 10 (e), the estimated wheel cylinder pressure PiIncrease is stopped and the upper limit PMAXRetained.
[0086]
Then time tTenThus, when the target wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 8 is executed, the target pressure increase / decrease amount ΔP calculated in step S51 is executed.iBecomes “0”, so that the above-mentioned time tThreeIn the holding state in the same way as at time t11Target wheel speed Vw*Wheel speed VwiBecomes smaller, the above-mentioned time tFourThe pressure is reduced as in the case of.
[0087]
Then time t12Hold state at time t13Slowly increasing pressure at time t14Body speed gradient VXKIs again calculated and stored, and then the time t15Estimated wheel cylinder pressure PiIs the upper limit PMAXAnd then at time t16Hold state at time t17The pressure reduction state is repeated in sequence, and the estimated vehicle speed VXDecrease.
Thereafter, when the depression of the
[0088]
Therefore, when the actuator control process of FIG. 9 is executed, the target wheel cylinder pressure P* iAnd master cylinder pressure PMCF,PMCR, The process proceeds from step S61 to step S62, the anti-skid control flag AS is reset to “0”, and the pressure increase / decrease time TPIs set to “1”, and the slow pressure increase / decrease time m is set to “1”, the process proceeds from step S65 to steps S66 and S67, and a pressure increase signal is output to the actuator 6i. And the
[0089]
Thus, according to the above embodiment, the estimated wheel cylinder pressure P of the wheel cylinders 2FL to 2RR of the actuators 6FL to 6RR is as follows.FL~ PRIs the vehicle speed gradient VXK Estimated wheel cylinder pressure upper limit P calculated according to MAX Therefore, the estimated wheel cylinder pressures PFL to PR are suppressed from being greatly separated from the actual wheel cylinder pressure shown by the one-dot chain line in FIG. 10 (e). The target wheel cylinder pressure P* iAnd master cylinder pressure PMCF,PMCRTherefore, the problem that the wheel slip rate rapidly increases due to the end of the anti-skid control can be reliably prevented. Further, the pressure reduction time TP at the time of pressure reduction control of the wheel cylinder 2i is set to the estimated wheel cylinder pressure P before the pressure reduction starts.iIs determined by performing the calculation of the equation (15) based on thePIt is possible to reliably prevent the wheels from becoming unnecessarily locked. Furthermore, the target wheel cylinder pressure P* iThe target wheel speed Vw*And wheel speed VwiDeviation and target wheel acceleration / deceleration Vw*′ And wheel acceleration / deceleration VwiThe target pressure increase / decrease amount ΔP, which is the sum of the deviation of ′iTherefore, the responsiveness of anti-skid control can be improved by performing proportional / differential control (PD control).
[0090]
Incidentally, in the conventional anti-skid control device, as shown in FIG.iIs the actual wheel cylinder pressure PRiTherefore, the deviation between the two is accumulated, and the estimated wheel cylinder pressure P is calculated.iGradually increases, and this estimated wheel cylinder pressure PiIs the master cylinder pressure PMCThe target wheel cylinder pressure P* iMaster cylinder pressure PMCTherefore, the anti-skid control is temporarily terminated, and thus, the
[0091]
In the above embodiment, the wheel speed filters 18FL-18R are connected to the output sides of the wheel speed calculation circuits 15FL-15R, and the vehicle body speed gradient V is based on these filter outputs.XKAnd estimated vehicle speed VXHowever, the present invention is not limited to this, and the wheel speed filters 18FL to 18R are omitted, and the wheel speed Vw output from the wheel speed calculation circuits 15FL to 15R is described.FL~ VwRBased on vehicle speed gradient VXKAnd estimated vehicle speed VXMay be calculated.
[0092]
In the above-described embodiment, the three-channel anti-skid control device has been described in which the wheel speed on the rear wheel side is detected by the common
[0093]
Furthermore, in the above-described embodiment, the case where the
Furthermore, in the above-described embodiment, the case where the present invention is applied to the rear wheel drive vehicle has been described. However, the present invention is not limited to this and can be applied to a front wheel drive vehicle and a four wheel drive vehicle.
[0094]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, the brake cylinder pressure estimating means controls the control signal of the control means.And maThe brake cylinder pressure is estimated based on the master cylinder pressure of the star cylinder pressure detecting means.,carBody speed gradient regulating means based on the vehicle body speed gradient of the vehicle body speed gradient detecting meansCalculate the upper limit of the brake cylinder pressure estimate and limit the brake cylinder pressure estimate with the calculated upper limit.Therefore, with a small number of pressure sensors, it is possible to reliably prevent the brake cylinder pressure estimated value from increasing significantly away from the actual brake cylinder pressure. It becomes too much larger than the brake cylinder pressureBy matching with the master cylinder pressure,An effect is obtained that accurate anti-skid control can be performed by preventing a sudden increase in the wheel slip ratio due to temporary interruption of the anti-skid control.
[0095]
According to the second aspect of the present invention, the deceleration is calculated by the deceleration calculation means from the maximum value of the wheel speed detection value of the wheel speed detection means selected by the maximum value selection means, and this deceleration is a predetermined value or more. By calculating the vehicle body speed gradient from the maximum wheel speed value at that time and the previous maximum wheel speed value, it is possible to obtain an effect that an accurate vehicle body speed gradient can be calculated.
[0096]
Further, according to the invention of claim 3, the vehicle body speed gradient detection means and the vehicle body speed estimation means are configured to calculate the vehicle body speed gradient and the vehicle body speed based only on the wheel speed detection value of the wheel speed detection means. Therefore, there is an effect that the vehicle body speed gradient and the vehicle body speed can be calculated without using an expensive sensor such as a longitudinal acceleration sensor of the vehicle.
[0097]
Furthermore, according to the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a basic configuration diagram showing a schematic configuration of an anti-skid control device of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing an embodiment of the anti-skid control device of the present invention.
FIG. 3 is a configuration diagram showing an example of an actuator that can be applied to the anti-skid control device of FIG. 2;
4 is a block diagram showing an example of a wheel speed filter that can be applied to the actuator control device of FIG. 2;
FIG. 5 is a flowchart showing an example of an anti-skid control process executed by the anti-skid control device shown in FIG.
6 is a flowchart showing a subroutine process of the vehicle body speed calculation process of FIG. 5;
7 is a flowchart showing a subroutine process of an estimated wheel cylinder pressure calculation process of FIG. 5;
8 is a flowchart showing a subroutine process of a target wheel cylinder pressure calculation process of FIG.
FIG. 9 is a flowchart showing a subroutine process of the actuator control process of FIG. 5;
FIG. 10 is a time chart for explaining the anti-skid control operation of the present invention.
FIG. 11 is a time chart for explaining the conventional anti-skid control operation.
[Explanation of symbols]
1FL ~ 1RR wheel
2FL-2RR Wheel cylinder
3FL-3R Wheel speed sensor
4 Brake pedal
5 Master cylinder
6FL-6R Actuator
CR controller
15FL-15R Wheel speed calculation circuit
18FL-18R Wheel speed filter
20 Microcomputer
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