JP3803106B2 - Papermaking belt and method for producing papermaking belt - Google Patents
Papermaking belt and method for producing papermaking belt Download PDFInfo
- Publication number
- JP3803106B2 JP3803106B2 JP2004341688A JP2004341688A JP3803106B2 JP 3803106 B2 JP3803106 B2 JP 3803106B2 JP 2004341688 A JP2004341688 A JP 2004341688A JP 2004341688 A JP2004341688 A JP 2004341688A JP 3803106 B2 JP3803106 B2 JP 3803106B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyurethane
- nco
- curing agent
- urethane prepolymer
- peripheral surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Paper (AREA)
Description
本発明は、製紙用ベルトに関する。さらに詳しくは、補強基材と熱硬化性ポリウレタンとが一体化してなる製紙用ベルトにおける、ポリウレタンの改良に関する。また、補強基材と熱硬化性ポリウレタンとが一体化してなる製紙用ベルトの製造方法の改良に関する。特に本発明は、製紙工業に使用されるシュープレス用ベルト、カレンダー用ベルトおよびシートトランスファー用ベルトに使用される。 The present invention relates to a papermaking belt. More specifically, the present invention relates to an improvement in polyurethane in a papermaking belt in which a reinforcing substrate and a thermosetting polyurethane are integrated. The present invention also relates to an improvement in a method for manufacturing a papermaking belt in which a reinforcing base material and a thermosetting polyurethane are integrated. In particular, the present invention is used for shoe press belts, calender belts and sheet transfer belts used in the paper industry.
近年、抄紙工程のプレスパートにおいて、湿紙の脱水効果を高めるために、高速で走行するフェルトに載置された湿紙の一方の面をプレスロールで押さえ、他方の面をエンドレスベルトを介して加圧シューで加圧して湿紙の脱水を行なう、いわゆるシュープレスが普及している。シュープレスにおいては、補強基材と熱硬化性ポリウレタンとを一体化し、エンドレスに形成したベルトが従来から使用されている。また、近年、紙の表面を平滑化し、光沢を付与するカレンダー工程でも、上述したような弾性ベルトを使用することが検討されている。さらには、特に高速で抄紙する場合、紙切れを防止し、安定して湿紙を搬送するためのシートトランスファー用としても、上述したような弾性ベルトを使用することが検討されている。このような製紙用ベルトの典型的な構造としては、基布の両面を弾性材料で被覆したものが、実開昭59−54598号、特許第2889341号、特許第3045975号などに開示されている。また、もう一つの典型的な構造としては、補強糸を弾性材料中に埋設したものが特許第2542250号などに開示されている。 In recent years, in the press part of the papermaking process, in order to enhance the dewatering effect of wet paper, one side of the wet paper placed on the felt running at high speed is pressed with a press roll, and the other side is passed through an endless belt. A so-called shoe press that dehydrates wet paper by pressurizing with a pressure shoe has become widespread. In shoe presses, a belt formed by integrating a reinforcing base material and a thermosetting polyurethane into an endless structure has been conventionally used. In recent years, the use of an elastic belt as described above has also been studied in a calendar process for smoothing the surface of paper and imparting gloss. Furthermore, in the case of making paper at high speed, it has been studied to use the elastic belt as described above for sheet transfer for preventing paper breakage and stably transporting wet paper. As a typical structure of such a papermaking belt, those in which both sides of a base fabric are covered with an elastic material are disclosed in Japanese Utility Model Laid-Open No. 59-54598, Japanese Patent No. 2889341, Japanese Patent No. 3045975, and the like. . Another typical structure is disclosed in Japanese Patent No. 2542250 and the like in which a reinforcing yarn is embedded in an elastic material.
製紙用ベルトの弾性材料としては、ウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合し、硬化させてなる熱硬化性ポリウレタンが、特許第2889341号、特開平6−287885号、特許第3045975号、特許第3053374号、特開平11−247086号などに開示されているように一般的に使用されており、製紙用ベルトに使用されていた熱硬化性ポリウレタンは、いずれも硬化剤として、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(以下、「MOCA」という。)を用いたものであった。 As an elastic material for a papermaking belt, thermosetting polyurethane obtained by mixing and curing a urethane prepolymer and a curing agent is disclosed in Japanese Patent No. 2889341, Japanese Patent Laid-Open No. 6-287885, Japanese Patent No. 3045975, and Japanese Patent No. 3053374. No. 1, JP-A-11-247086 and the like, and the thermosetting polyurethane used for papermaking belts is 4,4′-methylene as a curing agent. -Bis- (2-chloroaniline) (hereinafter referred to as “MOCA”) was used.
従来、シュープレスにおいては、プレスロールと加圧シューとの間でベルトに対して苛酷な屈曲および加圧が繰り返されるため、ベルトを構成するポリウレタンにクラックが発生することが大きな問題となっていた。このクラックは、フェルトあるいは紙と接するベルトの外周面に主として発生する。また、プレスパートで使用される脱水プレス用ベルトにおいては、脱水効率を上げるために、一般にその外周面に排水溝が形成されるが、前記クラックは、特にこの排水溝の底部エッジおよび上部エッジから発生しやすかった。一端発生したクラックは、ベルトの使用とともに大きなクラックへと進展していく傾向がある。クラックが進展した場合にあっては、ベルトの内周面と加圧シューとの間の潤滑油が外部へ漏れて紙に悪影響を与えたり、ベルトの層間剥離を引き起こしたりする原因となる。このように、クラックの発生および進展は、ベルトの寿命低下の原因となる。このため、シュープレスなどで使用される製紙用ベルトにおいては、クラックの発生およびクラックの進展を抑えることが強く要望されていた。さらには、クラックの発生とは別に、基布とポリウレタンとの接着力の弱さが原因で層間剥離が起こる場合もあり、基布とポリウレタンとの層間剥離を防止することが切望されていた。
本発明は上述した問題を解決するものであり、補強基材と熱硬化性ポリウレタンとが一体化してなる製紙用ベルトにおいて、クラックの発生を防止できる製紙用ベルトを提供することにある。また、本発明の他の課題は、補強基材と熱硬化性ポリウレタンとが一体化してなる製紙用ベルトにおいて、クラックが製紙用ベルトにたとえ発生したとしても、発生したクラックが進展することを抑制することができる製紙用ベルトを提供することにある。また、本発明の他の課題は、補強基材と熱硬化性ポリウレタンとが一体化してなる製紙用ベルトにおいて、補強基材とポリウレタンとの間における層間剥離の発生を抑制することができる製紙用ベルトを提供することにある。また、本発明の他の課題は、上述した製紙用ベルトの製造方法を提供するものである。 The present invention solves the above-described problems, and provides a papermaking belt that can prevent the occurrence of cracks in a papermaking belt in which a reinforcing base and a thermosetting polyurethane are integrated. Another object of the present invention is to suppress the development of a crack in a papermaking belt in which a reinforcing base material and a thermosetting polyurethane are integrated, even if a crack occurs in the papermaking belt. It is to provide a papermaking belt that can be used. Another object of the present invention is to make a papermaking belt in which a reinforcing base material and a thermosetting polyurethane are integrated, and for papermaking which can suppress the occurrence of delamination between the reinforcing base material and the polyurethane. To provide a belt. Another object of the present invention is to provide a method for producing the papermaking belt described above.
本発明に係る製紙用ベルトは、請求項1に記載のように、補強基材と熱硬化性ポリウレタンとが一体化してなり、前記補強基材が前記ポリウレタン中に埋設され、前記ポリウレタンは、内側のポリウレタンと、この内側のポリウレタンの外周面に接着した外側のポリウレタンとを含む製紙用ベルトにおいて、前記内側のポリウレタンおよび前記外側のポリウレタンは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含む組成物からそれぞれ形成され、前記内側のポリウレタンを形成する組成物は、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)が0.85≦H/NCO<1となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されたものであり、前記外側のポリウレタンを形成する組成物は、前記当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されたものである、製紙用ベルトである。なお、本発明において、当量比というのは化学量論的な当量比のことである。 The papermaking belt according to the present invention comprises a reinforcing base material and a thermosetting polyurethane integrated together as described in
また、本発明に係る製紙用ベルトは、請求項2に記載のように、請求項1記載の発明において、前記内側のポリウレタンと前記外側のポリウレタンとの接着面は、前記補強基材の内部にあり、前記内側のポリウレタンのウレタンプレポリマーは、ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを反応させて得られたウレタンプレポリマーを含有するとともに、前記外側のポリウレタンのウレタンプレポリマーは、ポリオールとトリレンジイソシアネート(TDI)とを反応させて得られたウレタンプレポリマーを含有する、製紙用ベルトである。 The papermaking belt according to the present invention, as described in claim 2, in the invention according to the first aspect, the adhesive surface of the polyurethane of the outer polyurethane of the inner, inside the reinforcing substrate The urethane prepolymer of the inner polyurethane contains a urethane prepolymer obtained by reacting a polyol and diphenylmethane diisocyanate (MDI), and the urethane prepolymer of the outer polyurethane is composed of a polyol and tolylene diisocyanate. It is a papermaking belt containing a urethane prepolymer obtained by reacting with (TDI).
また、本発明に係る製紙用ベルトは、請求項3に記載のように、請求項2記載の発明において、前記内側のポリウレタンは、硬化剤の50wt%以上がポリオールである製紙用ベルトである。
The papermaking belt according to the present invention, as described in
また、本発明に係る製紙用ベルトは、請求項4に記載のように、請求項2または3記載の発明において、前記補強基材は、多重織された織布を含有するものである製紙用ベルトである。
The papermaking belt according to the present invention, as described in claim 4, in the invention of
また、本発明に係る製紙用ベルトは、請求項5に記載のように、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記外側のポリウレタンは、前記内側のポリウレタンの外周面に接着するとともに製紙用ベルトの外周面を構成し、かつ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、ジメチルチオトルエンジアミンを含有する硬化剤と、を含む組成物から形成されている、製紙用ベルトである。
Moreover, the papermaking belt according to the present invention is as described in
また、本発明に係る製紙用ベルトは、請求項6に記載のように、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記ポリウレタンは、内側のポリウレタンと、この内側のポリウレタンの外周面に接着した外側のポリウレタンと、この外側のポリウレタンのさらに外側に位置し製紙用ベルトの外周面を構成するポリウレタンとを含み、前記外周面を構成するポリウレタンは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、ジメチルチオトルエンジアミンを含有する硬化剤と、を含む組成物から形成されている、製紙用ベルトである。
The papermaking belt according to the present invention, as described in
また、本発明に係る製紙用ベルトは、請求項7に記載のように、請求項6記載の発明において、前記外周面を構成するポリウレタンの組成物は、前記硬化剤の活性水素基(H)と前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合で前記ウレタンプレポリマーと前記硬化剤とが混合されたものである、製紙用ベルトである。
Further, the papermaking belt according to the present invention is as described in
また、本発明に係る製紙用ベルトは、請求項8に記載のように、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記ポリウレタンは、120℃〜140℃の温度で硬化されたものである製紙用ベルトである。
The papermaking belt according to the present invention, as described in
また、本発明に係る製紙用ベルトは、請求項9に記載のように、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、外周表面に排水溝が形成されている製紙用ベルトである。
The papermaking belt according to the present invention, as described in
また、本発明に係る製紙用ベルトの製造方法は、請求項10に記載のように、補強基材を熱硬化性ポリウレタン中に埋設させることにより、前記補強基材と前記熱硬化性ポリウレタンとを一体化させ、内側のポリウレタンと、この内側のポリウレタンの外周面に接着した外側のポリウレタンと、を含む製紙用ベルトを製造する方法において、前記内側のポリウレタンは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含み、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が0.85≦H/NCO<1となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液を、70℃〜100℃の温度で硬化させて、成形させる第1工程と、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含み、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液を、前記内側のポリウレタンの外周面上に適用する第2工程と、全体を120℃〜140℃の温度に加熱して、内側のポリウレタンの外周面上に適用した混合液を硬化させて外側のポリウレタンを成形するとともに内側のポリウレタンと外側のポリウレタンとを接着一体化する第3工程とを含む、製紙用ベルトの製造方法である。
Further, according to the method for manufacturing a papermaking belt according to the present invention, the reinforcing substrate and the thermosetting polyurethane are embedded by embedding the reinforcing substrate in the thermosetting polyurethane as described in
また、本発明に係る製紙用ベルトの製造方法は、請求項11に記載のように、請求項10記載の発明において、前記内側のポリウレタンは、前記補強基材に、前記補強基材の一
面側から、前記補強基材の厚みの途中まで含浸するとともに、前記外側のポリウレタンは、前記補強基材に、前記補強基材の他面側から、前記内側のポリウレタンが前記補強基材に含浸された位置まで含浸する、製紙用ベルトの製造方法である。
The paper manufacturing belt manufacturing method according to the present invention is as described in claim 11 , wherein in the invention according to
また、本発明に係る製紙用ベルトの製造方法は、請求項12に記載のように、請求項11記載の発明において、前記補強基材は、多重織された織布を含有するものである製紙用ベルトの製造方法である。
In the papermaking belt manufacturing method according to the present invention, as described in
また、本発明に係る製紙用ベルトの製造方法は、請求項13に記載のように、請求項10記載の発明において、前記内側のポリウレタンの硬化前もしくは硬化後に、前記内側のポリウレタンの外周面上に前記補強基材を巻き付ける工程を含む、製紙用ベルトの製造方法である。
A papermaking belt manufacturing method according to the present invention, as described in claim 13 , is the invention according to
本発明に係る製紙用ベルトは、外周面を構成するポリウレタンにおいて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、ジメチルチオトルエンジアミンを含有する硬化剤と、を含む組成物から形成されているから、クラックの発生を防止できた。また、本発明に係る製紙用ベルトは、外周面を構成するポリウレタンにおいて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤と、を含む組成物から形成され、前記組成物は、前記硬化剤の活性水素基(H)と前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が、1<H/NCO<1.15となる割合で前記ウレタンプレポリマーと前記硬化剤とが混合されたものであるから、クラックが製紙用ベルトにたとえ発生したとしても、発生したクラックが進展することを抑制することができた。また、本発明に係る製紙用ベルトは、内側のポリウレタンを形成する組成物は、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)が0.85≦H/NCO<1となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されたものであり、かつ、外側のポリウレタンを形成する組成物は、当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されたものであるから、補強基材とポリウレタンとの間における層間剥離の発生を抑制することができた。 The papermaking belt according to the present invention is formed of a composition comprising a urethane prepolymer having an isocyanate group at the terminal and a curing agent containing dimethylthiotoluenediamine in the polyurethane constituting the outer peripheral surface, The generation of cracks could be prevented. Further, the papermaking belt according to the present invention is formed of a composition comprising a urethane prepolymer having an isocyanate group at a terminal and a curing agent having an active hydrogen group at a terminal in the polyurethane constituting the outer peripheral surface, In the composition, the ratio of the equivalent ratio (H / NCO) of the active hydrogen group (H) of the curing agent to the isocyanate group (NCO) of the urethane prepolymer is 1 <H / NCO <1.15. Since the urethane prepolymer and the curing agent are mixed, it is possible to prevent the generated crack from progressing even if the crack occurs in the papermaking belt. In the papermaking belt according to the present invention, the composition forming the inner polyurethane has an equivalent ratio (H / NCO) of the active hydrogen group (H) of the curing agent and the isocyanate group (NCO) of the urethane prepolymer. The composition in which the urethane prepolymer and the curing agent are mixed at a ratio of 0.85 ≦ H / NCO <1, and the composition forming the outer polyurethane has an equivalent ratio (H / NCO) value. Since the urethane prepolymer and the curing agent were mixed at a ratio of 1 <H / NCO <1.15, it was possible to suppress the occurrence of delamination between the reinforcing base material and the polyurethane.
図1に、抄紙工程のプレスパートに使用されるシュープレス装置の一例を示す。図1において、プレスロール1の下方には、可撓性のある円筒状の脱水プレス用ベルト2が設けられている。ベルト2とプレスロール1との間には、フェルト3および湿紙4が通されている。ベルト2の外周面とフェルト3とは直接接触している。ベルト2の内周面には、プレスロール側に向けて加圧シュー5が押し付けられている。加圧シュー5とベルト2との間には、ベルト2を滑らかに走行させるために潤滑油が供給されている。ベルト2は、フェルト3との摩擦によって加圧シュー5の上を滑りながら走行する。加圧シュー5の表面は、プレスロール1の表面に対応した凹状となっている。プレスロール1と加圧シュー5との間には、広い幅の加圧脱水部Pが形成されている。この加圧脱水部で、湿紙4が脱水される。
FIG. 1 shows an example of a shoe press apparatus used in a press part of a paper making process. In FIG. 1, a flexible cylindrical dehydrating press belt 2 is provided below the
図2は、ベルト2の一例を示す部分断面図である。このベルトは、エンドレスであり、補強基材となる基布6と熱硬化性ポリウレタン7とが一体化してなる。基布6は、ポリアミド、ポリエステルなどの有機繊維で構成されている。基布6は、単一層からなるポリウレタン7によって含浸および被覆されている。ベルトの外周面および内周面は、ポリウレタン7で構成されている。
FIG. 2 is a partial cross-sectional view showing an example of the belt 2. This belt is endless, and is formed by integrating a
図2に示したベルトを製造するには、補強基材として、液状のポリウレタンが通過しうるような比較的に目の粗いエンドレスの基布6を使用する。ここで、目の粗い基布としては、10〜100メッシュの平織り基布を使用することができる。なお、メッシュとは1インチ幅あたりの糸本数である。そして、マンドレル上にマンドレルとの間に隙間を持たせて前記基布6を配置し、上からポリウレタン7を流し込むことによって、基布6とポリウレタン7とが一体化してなり、基布6がポリウレタン7中に埋設された製紙用ベルトを製造することができる。
In order to manufacture the belt shown in FIG. 2, an
図3は、図2に示したベルトの基布6に代えて、補強基材として補強糸8、9を用いた例を示す。図3に示したベルトでは、補強糸8、9が単一層からなる熱硬化性ポリウレタン7中に埋設されている。補強基材は、ベルト走行方向(以下、「MD方向」という)の糸8とこれに直角な方向(以下、「CMD方向」という)の糸9とから構成されている。MD方向の糸8およびCMD方向の糸9は、それぞれ多数本、ほぼ等間隔に配置されている。糸の材質としては、たとえばポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリエステルなどを使用することができる。図3に示したベルトは、マンドレル上にマンドレルとの間に隙間を持たせて糸8、9を縦および横方向に張り巡らしておき、上からポリウレタン7を流し込むことによって製造することができる。すなわち、補強糸8、9を用いた補強基材とポリウレタン7とが一体化してなり、補強糸8、9を用いた補強基材がポリウレタン7中に埋設された製紙用ベルトを製造することができる。
FIG. 3 shows an example in which reinforcing
図4〜図6は、図2に示したベルトのポリウレタン7を、2層で構成した構造を示すものである。
4 to 6 show a structure in which the
図4は、内周面を構成するポリウレタン層10の中に基布6が埋設され、さらにその上に、外周面を構成するポリウレタン層11が被覆されて、一体化している。図4に示したベルトを製造するには、図2のベルトの製造方法に倣ってマンドレル上にマンドレルとの間に隙間を持たせて比較的に目の粗い基布6を配置し、上からポリウレタン10を流し込む。上からポリウレタン10を流し込むことによって、基布6とポリウレタン10とが一体化してなり、基布6がポリウレタン10中に埋設されたポリウレタン層が形成される。そして、さらにその上から外周面を構成するポリウレタン層11をコーティングすることによって製造することができる。
In FIG. 4, a
図5に示したベルトは、基布6の両面から2層のポリウレタン12、13を含浸および被覆することにより、基布6とポリウレタン12、13とが一体化してなり、基布6がポリウレタン12、13中に埋設された製紙用ベルトが得られる。このベルトを製造する場合、裏表を反転しておいた基布6の上から内周面を構成するポリウレタン層12をコーティングし、次いで基布の裏表を反転させ、さらに外周面を構成するポリウレタン層13をコーティングする。この場合、補強基材としての基布6は、液状のポリウレタンが通過してしまわない程度に目の細かいものを使用する。なお、目の細かい基布は、多重織り基布にて通気度が200〜20cm3/sec/cm2のものを使用することができる。
The belt shown in FIG. 5 is formed by impregnating and covering two layers of
別の製造方法として、マンドレルの上に内周面を構成するポリウレタン層12を成形した後、表面に基布6を巻き付け、さらにその上から外周面を構成するポリウレタン層13をコーティングすることにより、基布6とポリウレタン12、13とが一体化してなり、基布6がポリウレタン12、13中に埋設された製紙用ベルトが得られる。
As another manufacturing method, after molding the
図6は、基布6を埋設した、外周面を構成するポリウレタン層15の下に、内周面を構成するポリウレタン層14が被覆され、一体化している。このベルトを製造するには、図2のベルトの製造方法に倣って基布を埋設した外周面を構成するポリウレタン層15を成形し、その内周面上に、後から内周面を構成するポリウレタン層14をコーティングする。別の方法としては、予めマンドレルの上に内周面を構成するポリウレタン層14を成形し、その上から図2のベルトの製造方法に倣って基布を埋設した外周面を構成するポリウレタン層15を成形する。
In FIG. 6, the
図7〜図9は、それぞれ図4〜図6に示した例に対応し、基布6に代えて、補強基材として補強糸8、9を用いた例を示している。
FIGS. 7 to 9 correspond to the examples shown in FIGS. 4 to 6, respectively, and show examples in which the reinforcing
図7に示したベルトを製造するには、図3のベルトの製造方法に倣って補強糸8、9を埋設した内周面を構成するポリウレタン層16を成形し、さらにその上から外周面を構成するポリウレタン層17をコーティングすればよい。
In order to manufacture the belt shown in FIG. 7, the
図8に示したベルトを製造するには、マンドレルの上に内周面を構成するポリウレタン層18を成形した後、表面に糸8、9を縦および横方向に巻き付け、さらにその上から外周面を構成するポリウレタン層19をコーティングすればよい。
In order to manufacture the belt shown in FIG. 8, after forming the
図9に示したベルトを製造するには、図3のベルトの製造方法に倣って補強糸8、9を埋設した外周面を構成するポリウレタン層21を成形し、さらにその内周面上に、後から内周面を構成するポリウレタン層20をコーティングする。別の方法としては、予めマンドレルの上に内周面を構成するポリウレタン層20を成形した後、その上から、図3のベルトの製造方法に倣って補強糸8、9を埋設した外周面を構成するポリウレタン層21を成形する。
To manufacture the belt shown in FIG. 9, the
図2〜図9に示した各ベルトの外周面は、ポリウレタンで形成されている。外周面を構成するポリウレタン層7、11、13、15、17、19、21は、末端にイソシアネート基(NCO)を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基(H)を有する硬化剤とを含む組成物から形成される。ウレタンプレポリマーは、ポリオールとフェニレンイソシアネート誘導体とを反応させることによって得られる。 The outer peripheral surface of each belt shown in FIGS. 2 to 9 is made of polyurethane. The polyurethane layers 7, 11, 13, 15, 17, 19, and 21 constituting the outer peripheral surface include a urethane prepolymer having an isocyanate group (NCO) at the terminal and a curing agent having an active hydrogen group (H) at the terminal. Formed from the containing composition. A urethane prepolymer is obtained by reacting a polyol and a phenylene isocyanate derivative.
外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21のウレタンプレポリマーを得るためのポリオールは、ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールの中から選択される。ポリエーテルポリオールとしては、たとえばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)などが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、ポリカプロラクトンエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキセンアジペートなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合もしくは重合させて用いることができ、さらにこれらの変性体も用いることができる。
The polyol for obtaining the urethane prepolymer of
外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21のウレタンプレポリマーを得るためのフェニレンイソシアネート誘導体としては、たとえばトリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−キシレンジイソシアネート(m−XDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
Examples of phenylene isocyanate derivatives for obtaining urethane prepolymers of
外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21の硬化剤としては、一般的にはポリオール系、芳香族ジオール系、芳香族ジアミン系などの硬化剤が使用される。ポリオール系の硬化剤としては、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)などを使用することが可能である。また、芳香族ジオール系の硬化剤としては、ヒドロキノンジ(ベーターヒドロキシエチル)エーテル(HQEE)などを使用することができる。また、芳香族ジアミン系の硬化剤としては、4,4’−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(MOCA)、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾアート)(CUA−4)、ジエチルトルエンジアミン(DETDA)、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA)などを使用することができる。中でも、本発明の一つの特徴として、芳香族ジアミン系硬化剤の一種であるジメチルチオトルエンジアミンを含有する硬化剤を使用するのが好ましい。ジメチルチオトルエンジアミンは、式1で表される3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンを使用することができる。
As a curing agent for the
また、ジメチルチオトルエンジアミンは、式2で表される3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンを使用することができる。 Further, 3,5-dimethylthio-2,6-toluenediamine represented by Formula 2 can be used as dimethylthiotoluenediamine.
また、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンもしくは3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンは、それぞれ単独でまたは混合物として用いることができる。特に好ましい硬化材として、アルベマール社より「ETHACURE 300」として市販されている、3,5−ジメチルチオ−2,4−トルエンジアミンと3,5−ジメチルチオ−2,6−トルエンジアミンとの混合物が挙げられる。 Moreover, 3,5-dimethylthio-2,4-toluenediamine or 3,5-dimethylthio-2,6-toluenediamine can be used alone or as a mixture. A particularly preferred curing material is a mixture of 3,5-dimethylthio-2,4-toluenediamine and 3,5-dimethylthio-2,6-toluenediamine, which is commercially available as “ETHACURE 300” from Albemarle. .
外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21の硬化剤は、上記ジメチルチオトルエンジアミンを含有する場合、これにポリオール系、芳香族ジオール系、芳香族ジアミン系などの1種類または2種類以上の硬化剤を混合しても構わない。外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21の硬化剤における、上記ジメチルチオトルエンジアミンの含有量は、硬化剤の活性水素基(H)の数の50%以上を占めることが好適である。外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21の硬化剤がジメチルチオトルエンジアミンを含有することにより、ベルトの外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21にクラックが発生するのを抑えることができる。
When the curing agent for
また、別の観点から、外周面を構成するポリウレタン層7、11、13、15、17、19、21は、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合される。このような構成とすることで、ベルトの外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21に小さなクラックが発生したとしても、発生したクラックが大きなクラックに進展するのを抑えることができる。なお、外周面を構成するポリウレタン層7、11、13、15、17、19、21は、当量比(H/NCO)の値が1.01≦H/NCO≦1.14となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されることも可能であり、係る場合においては、小さなクラックが発生したとしても、より的確に発生したクラックが大きなクラックに進展するのを抑えることができるのである。外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21のH/NCOの値が1以下であると、クラックが発生した場合に大きなクラックに進展しやすい。一方、外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21のH/NCOの値が1.15以上であると、ポリウレタンが脆くなり、クラックが発生しやすくなる。
From another point of view, the polyurethane layers 7, 11, 13, 15, 17, 19, and 21 constituting the outer peripheral surface are formed by the active hydrogen group (H) of the curing agent and the isocyanate group (NCO) of the urethane prepolymer. The urethane prepolymer and the curing agent are mixed in such a ratio that the value of the equivalent ratio (H / NCO) is 1 <H / NCO <1.15. By adopting such a configuration, even if a small crack occurs in the
外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21は、硬化剤としてジメチルチオトルエンジアミンを含有する硬化剤を用い、なおかつ硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合することにより、ベルトの外周面を構成するポリウレタン7、11、13、15、17、19、21にクラックが発生するのを抑えることができ、もし小さなクラックが発生したとしても、発生したクラックが大きなクラックに進展するのを抑えることができる。なお、硬化剤におけるジメチルチオトルエンジアミンの含有量は、硬化剤の活性水素基(H)の数の50%以上を占めることが好適である。また、当量比(H/NCO)の値は、1.01≦H/NCO≦1.14となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されることが好適である。
図2〜図9に示したベルトは、脱水効率を上げるためには、図10に示すように、外周面にベルトの走行方向に沿って多数の排水溝22が形成される事が好ましい。本発明によれば、上記構成によって製紙用ベルトへのクラックの発生およびクラックの進展を抑えることができるので、ベルトの外周表面に排水溝22を形成したとしても、排水溝22の底部エッジおよび上部エッジからクラックが発生するの抑えることができる。なお、排水溝22に代えて、あるいは排水溝22とともに多数の盲孔をベルトの外周面に設けても良い。
In order to increase the dewatering efficiency, the belt shown in FIGS. 2 to 9 is preferably formed with a large number of
なお、図4〜図9において、外周面を構成するポリウレタン層7、11、13、15、17、19、21を除くポリウレタン層は、1層のみとなっているが、この外周面を構成するポリウレタン層を除くポリウレタン層10、12、14、16、18、20は、複数の層に分割しても構わない。 4 to 9, the polyurethane layer excluding the polyurethane layers 7, 11, 13, 15, 17, 19, and 21 constituting the outer peripheral surface is only one layer, but this outer peripheral surface is configured. The polyurethane layers 10, 12, 14, 16, 18, 20 excluding the polyurethane layer may be divided into a plurality of layers.
また、各ベルトは全体としてエンドレスな形状であるが、各個別の層は、必ずしも層の形をとる必要はない。たとえば、あるポリウレタンは、ベルトの幅方向の一部分にのみ存在しても構わない。 Each belt has an endless shape as a whole, but each individual layer is not necessarily in the form of a layer. For example, a certain polyurethane may exist only in a part of the width direction of the belt.
補強基材6、8、9の位置は、いずれかの単一のポリウレタン層に埋設される形でもよいし、任意の複数のポリウレタン層にまたがる形でもよい。
The positions of the reinforcing
図4〜図9に示したベルトは、内側のポリウレタン層10、12、14、16、18、20と外側のポリウレタン層11、13、15、17、19、21とを含んでいる。 The belt shown in FIGS. 4 to 9 includes inner polyurethane layers 10, 12, 14, 16, 18, 20 and outer polyurethane layers 11, 13, 15, 17, 19, 21.
内側のポリウレタン層10、12、14、16、18、20は、外側のポリウレタン層(前記外周面を構成するポリウレタン層)11、13、15、17、19、21と同様、末端にイソシアネート基(NCO)を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基(H)を有する硬化剤とを含む組成物から形成されている。ウレタンプレポリマーは、ポリオールとフェニレンイソシアネート誘導体とを反応させることによって得られる。 The inner polyurethane layers 10, 12, 14, 16, 18, and 20 are terminated with an isocyanate group (terminal) like the outer polyurethane layer (polyurethane layer constituting the outer peripheral surface) 11, 13, 15, 17, 19, and 21. NCO) is formed from a composition comprising a urethane prepolymer having NCO) and a curing agent having an active hydrogen group (H) at the terminal. A urethane prepolymer is obtained by reacting a polyol and a phenylene isocyanate derivative.
内側のポリウレタン層10、12、14、16、18、20のウレタンプレポリマーを得るためのポリオールおよびフェニレンイソシアネート誘導体は、外側のポリウレタン層(前記外周面を構成するポリウレタン層)11、13、15、17、19、21の場合に説明したのと同様である。内側のポリウレタン層10、12、14、16、18、20の硬化剤は、ポリウレタンの硬化剤として一般的に使用しうるポリオール系、芳香族ジオール系、芳香族ジアミン系などの硬化剤の中から、1種類または2種類以上の混合物として用いることができる。 The polyol and phenylene isocyanate derivative for obtaining the urethane prepolymer of the inner polyurethane layers 10, 12, 14, 16, 18, 20 are the outer polyurethane layers (polyurethane layers constituting the outer peripheral surface) 11, 13, 15, This is the same as described in the case of 17, 19, and 21. Curing agents for the inner polyurethane layers 10, 12, 14, 16, 18, and 20 can be selected from among curing agents such as polyols, aromatic diols, and aromatic diamines that can be generally used as curing agents for polyurethane. It can be used as one kind or a mixture of two or more kinds.
内側のポリウレタン層10、12、14、16、18、20を形成する組成物は、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が0.85≦H/NCO<1となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されている。なお、内側のポリウレタン層10、12、14、16、18、20を形成する組成物は、当量比(H/NCO)の値が0.85≦H/NCO≦0.99となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されていることも可能である。
The composition that forms the
一方、外側のポリウレタン層11、13、15、17、19、21を形成する組成物は、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されている。なお、当量比(H/NCO)の値は、1.01≦H/NCO≦1.14となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されることが好適である。
On the other hand, the composition forming the
硬化剤とウレタンプレポリマーとの混合割合を、内側のポリウレタン層10、12、14、16、18、20は0.85≦H/NCO<1とし、外側のポリウレタン層11、13、15、17、19、21は1<H/NCO<1.15とすることにより、内側のポリウレタン10、12、14、16、18、20と外側のポリウレタン11、13、15、17、19、21との接着力が向上し、層間剥離の発生を抑えることができる。その理由は、内側のポリウレタン10、12、14、16、18、20は、0.85≦H/NCO<1としているために科学量論的にNCO基が残存する配合であり、この残存するイソシアネート基(NCO)が、1<H/NCO<1.15とした外側のポリウレタン11、13、15、17、19、21の余剰の活性水素基(H)と反応して強固に接着一体化していると考えられる。なお、硬化剤とウレタンプレポリマーとの混合割合を、内側のポリウレタン層10、12、14、16、18、20は0.85≦H/NCO≦0.99とし、外側のポリウレタン層11、13、15、17、19、21は1.01≦H/NCO≦1.14とした場合にあっては、より好適に層間剥離の発生を抑えることができる。
The mixing ratio of the curing agent and the urethane prepolymer is 0.85 ≦ H / NCO <1 for the inner polyurethane layers 10, 12, 14, 16, 18, 20 and the outer polyurethane layers 11, 13, 15, 17 , 19 and 21 are set such that 1 <H / NCO <1.15, so that the
図5に示したベルトは、基布6の両面から2層のポリウレタンが含浸および被覆され、一体化している。内側のポリウレタン層12と外側のポリウレタン層13との接着面は、基布6の内部にある。このため、接着力に加えて、基布6と両ポリウレタン層12、13との間でアンカー効果が得られるため、強固な接着力が得られ、ベルトに層間剥離が発生するのを防ぐことができる。
The belt shown in FIG. 5 is integrated by impregnating and covering two layers of polyurethane from both sides of the
図5に示したベルトの好ましい態様として、内側のポリウレタン12のウレタンプレポリマーは、ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを反応させて得られたMDI系のウレタンプレポリマーを含有するとともに、外側のポリウレタン13のウレタンプレポリマーは、ポリオールとトリレンジイソシアネート(TDI)とを反応させて得られたTDI系のウレタンプレポリマーを含有することが挙げられる。
As a preferred embodiment of the belt shown in FIG. 5, the urethane prepolymer of the
MDI系のプレポリマーを使用したポリウレタンは、比較的に反応が速く進み、硬化時間が短い。このため、内側のポリウレタン12のプレポリマーとして、MDI系のプレポリマーを主成分とすることにより、ベルトを製造する段階で、まず、基布6に対して内側のポリウレタン12をコーティングしたとき、ポリウレタン12が基布6の反対側の面まで通りぬけてしまうのを防ぐことができ、含浸の位置を基布6の内部で止めることができる。一方、TDI系のプレポリマーを使用したポリウレタンは、比較的に反応が遅く進み、硬化時間が長い。このため、外側のポリウレタン13のプレポリマーとして、TDI系のプレポリマーを主成分とすることにより、内側のポリウレタン12が含浸された位置まで、外側のポリウレタン13を十分に浸透させることができる。したがって、内側のポリウレタン層12と外側のポリウレタン層13との接着面を基布6の内部に形成することができる。
Polyurethanes using MDI-based prepolymers have a relatively fast reaction and a short curing time. For this reason, when the
さらに、内側のポリウレタン12は、MDI系のウレタンプレポリマーに対して、硬化剤の50wt%以上をポリオールとすることが好ましい。このようにすることで、ポリウレタンの硬化時間を調節しやすくなり、基布6への含浸位置を調整できる。ポリオール系の硬化剤は、ポリエーテルポリオールおよびポリエステルポリオールの中から選択される。ポリエーテルポリオールとしては、たとえばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)などが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、ポリカプロラクトンエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキセンアジペートなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合もしくは重合させて用いることができ、さらにこれらの変性体も用いることができる。内側のポリウレタン12の硬化剤は、硬化剤の50wt%以上をポリオールとし、これに芳香族ジオール系もしくは芳香族ジアミン系の1種類または2種類以上の硬化剤を混合しても構わない。
Further, the
図5に示したベルトのさらに好ましい態様を、図11に示す。図11に示すベルトは、図5に示したベルトにおいて、多重織された織布からなる基布23を用いている。この基布23は、ポリウレタンの含浸度合を高めるために、空隙を多く含んでいる方が好ましい。多重織された基布23を用いることは、基布23自体の強度が優れているだけでなく、次のような効果を得ることができる。すなわち、多重織された織布からなる基布23を使用することにより、基布23の内部にポリウレタンを十分に浸透させることができ、内側のポリウレタン層24と外側のポリウレタン層25との接着面を基布23の内部に形成することができる。また、両方のポリウレタン層24、25と基布23との間で十分なアンカー効果が得られる。したがって、内側のポリウレタン層24と外側のポリウレタン層25との間で強固な接着力が得られ、ベルトに層間剥離が発生するのを防ぐことができる。多重織の例としては、たて4重織、たて3重織りなどが挙げられる。図11に示したベルトに使用するポリウレタンは、図5に示したものと同様である。図11に示したベルトの外周表面には、脱水効率を上げるために、走行方向に沿って多数の排水溝26が形成されている。
A further preferred embodiment of the belt shown in FIG. 5 is shown in FIG. The belt shown in FIG. 11 uses the
図4〜図9および図11に示したベルトは、いずれも、外側のポリウレタン層11、13、15、17、19、21、25は、内側のポリウレタン層10、12、14、16、18、20、24の外周面に接着し、かつ製紙用ベルトの外周面を構成している。これらのベルトにおいて、外側のポリウレタン11、13、15、17、19、21、25は、前述のように末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、ジメチルチオトルエンジアミンを主成分とする硬化剤とを含む組成物から形成されていることが好ましい。外周面を含む外側のポリウレタン層11、13、15、17、19、21、25の硬化剤の主成分をジメチルチオトルエンジアミンとすることにより、前述のとおり、ベルトの外周面にクラックが発生するのを抑えることができる。
4 to 9 and 11, the outer polyurethane layers 11, 13, 15, 17, 19, 21, 25 are all the inner polyurethane layers 10, 12, 14, 16, 18, It adheres to the outer
また、前述のとおり、図4〜図9および図11に示したベルトは、いずれも、外周面を含む外側のポリウレタン層11、13、15、17、19、21、25を形成する組成物が、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されたものとしている。このため、ベルトの外周面を構成するポリウレタン11、13、15、17、19、21、25に小さなクラックが発生したとしても、発生したクラックが大きなクラックに進展するのを抑えることができる。なお、当量比(H/NCO)の値が1.01≦H/NCO≦1.14となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されたものとすることにより、小さなクラックが発生したとしても、より的確に、発生したクラックが大きなクラックに進展するのを防止可能である。
Further, as described above, the belts shown in FIGS. 4 to 9 and 11 each have a composition for forming the outer polyurethane layers 11, 13, 15, 17, 19, 21, 25 including the outer peripheral surface. The urethane prepolymer and the curing agent at a ratio such that the equivalent ratio (H / NCO) of the active hydrogen group (H) of the curing agent to the isocyanate group (NCO) of the urethane prepolymer is 1 <H / NCO <1.15. It is assumed that the agent is mixed. For this reason, even if a small crack occurs in the
さらに、他の実施形態を図12に示す。図12に示したベルトは、多重織された織布からなる基布の両面から、内側のポリウレタン層27および外側のポリウレタン層28が含浸および被覆され、外側のポリウレタン層28のさらに外側に、外周面を構成するポリウレタン層29が被覆一体化されている。内側のポリウレタン層27と外側のポリウレタン層28との接着面は、基布23の内部にある。外側のポリウレタン層28と外周面を構成するポリウレタン層29との間に、さらに1層または複数層のポリウレタン層を形成しても構わない。図12の例では、外側のポリウレタン層28と外周面を構成するポリウレタン層29との界面の位置は、基布23の表面と一致している。しかし、外側のポリウレタン層28と外周面を構成するポリウレタン層29との界面の位置は、これに限定されず、基布23の表面から上下にずれていても構わない。図12に示したベルトの外周表面にも、脱水効率を上げるために、走行方向に沿って多数の排水溝26が形成されている。
Furthermore, another embodiment is shown in FIG. The belt shown in FIG. 12 is impregnated and coated with an
図12に示したベルトにおいて、外周面を構成するポリウレタン層29は、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、ジメチルチオトルエンジアミンを主成分とする硬化剤とを含む組成物から形成されている。この例においても、外周面を構成するポリウレタン層29の硬化剤の主成分をジメチルチオトルエンジアミンとすることにより、前述のとおり、ベルトの外周面にクラックが発生するのを抑えることができる。
In the belt shown in FIG. 12, the
図12に示したベルトにおいて、外周面を構成するポリウレタン29は、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合したものとするのが好ましい。このような構成とすることで、ベルトの外周面を構成するポリウレタン29に小さなクラックが発生したとしても、発生したクラックが大きなクラックに進展するのを抑えることができる。なお、当量比(H/NCO)の値が1.01≦H/NCO≦1.14となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合したものとするのがより好適である。
In the belt shown in FIG. 12, the
図12に示したベルトは、内側のポリウレタン層27と外周面を構成するポリウレタン層29との間に外側のポリウレタン層28が存在するため、破損や層間剥離の原因となる気泡を含まないベルトとすることができる。
The belt shown in FIG. 12 has an
ベルトを製造する際、まず基布23の裏表を反転させておく。そして、基布23の裏面となる面から内側のポリウレタン層27をコーティングして基布23の途中までポリウレタンを浸透させる。次いで基布23を反転させ、表面から基布23の残りの部分を満たすように外側のポリウレタン層28をコーティングする。さらにその上から外周面を構成するポリウレタン層29をコーティングする。このようにすれば、外側のポリウレタン28をコーティングした際に基布23の内部に残っている空気を追い出すことが出来る。したがって、内部に気泡を含まないベルトを得ることができる。
When manufacturing a belt, first, the front and back of the
図12に示したベルトの場合、外側のポリウレタン28は、内側のポリウレタン27または外周面を構成するポリウレタン29と同じ組成物で形成してもよいし、別の組成物で形成してもよい。
In the case of the belt shown in FIG. 12, the
図12の例では、ポリウレタンが内側のポリウレタン層27、外側のポリウレタン層28および外周面を構成するポリウレタン層29の3層であったが、ポリウレタンの層数は、1層のみ、2層あるいは4層以上であっても構わない。たとえば、外側のポリウレタン層28を薄い複数の層に分けてコーティングすれば、基布23内部の空気をより効果的に追い出すことができる。また、内側のポリウレタン層27も、複数回に分けてコーティングすることができる。
In the example of FIG. 12, the polyurethane has three layers of an
この発明全体を通じて、ポリウレタンの硬化温度は、120℃〜140℃の温度で行なうのが好ましい。このようにすることで、ベルトの耐亀裂性、耐亀裂進展性ともに向上する。 Throughout the present invention, the polyurethane is preferably cured at a temperature of 120 ° C to 140 ° C. By doing in this way, both the crack resistance of a belt and crack progress property improve.
次に、図11に示したベルトの製造方法を説明する。第1工程として、多重織されたエンドレスの織布からなる基布23の裏表を反転させておく。そして、基布の裏面となる面から内側のポリウレタン層24をコーティングして基布23の途中までポリウレタンを浸透させる。このポリウレタンは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含み、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が0.85≦H/NCO<1となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液である。なお、当量比(H/NCO)の値が0.85≦H/NCO≦0.99となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液とすることが好適である。コーティングしたポリウレタンは、70℃〜100℃の温度で硬化させる。
Next, a method for manufacturing the belt shown in FIG. 11 will be described. As the first step, the front and back sides of the
次いで、第2工程として、基布23を反転させ、表面側から基布23の残りの部分を満たすように外側のポリウレタン層25をコーティングする。このポリウレタンは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含み、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液である。なお、当量比(H/NCO)の値が1.01≦H/NCO≦1.14となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液とすることが好適である。
Next, as a second step, the
次いで、第3工程として、全体を120℃〜140℃の温度に加熱して、内側のポリウレタン層24の外周面上に適用した混合液を硬化させて外側のポリウレタン層25を成形するとともに内側のポリウレタン層24と外側のポリウレタン層25とを接着一体化する。
Next, as a third step, the whole is heated to a temperature of 120 ° C. to 140 ° C., the mixed liquid applied on the outer peripheral surface of the
その後、ベルトの外周表面に、走行方向に沿って多数の排水溝26を形成することにより、図11に示すベルトを得ることができる。
Then, the belt shown in FIG. 11 can be obtained by forming a large number of
この方法によれば、第1工程で、0.85≦H/NCO<1という化学量論的にNCO基が残存する配合のポリウレタンを70℃〜100℃という比較的低い温度で半硬化状態にする。そして、第2工程で、半硬化状態の内側のポリウレタン24の上から、1<H/NCO<1.15という硬化剤を多く含んだ配合の外側のポリウレタン25をコーティングする。そして、第3工程で、120℃〜140℃という比較的高い温度に加熱して全体を硬化させる。このため、内側のポリウレタン層24と外側のポリウレタン層25との接着力が向上し、層間剥離の発生を抑えることができる。
According to this method, in the first step, a polyurethane having a stoichiometric amount of NCO groups of 0.85 ≦ H / NCO <1 is brought into a semi-cured state at a relatively low temperature of 70 ° C. to 100 ° C. To do. Then, in the second step, the
さらに、補強基材が多重織された織布からなる基布23であるため、内側のポリウレタン層24と外側のポリウレタン層25との接着面を、基布23の内部に位置させることが容易となる。接着面が基布23の内部にあることにより、接着力に加えて、基布23と両ポリウレタン層24、25との間でアンカー効果が得られる。したがって、強固な接着力が得られ、ベルトに層間剥離が発生するのを防ぐことができる。
Furthermore, since the reinforcing base material is a
上記製造方法の変形例として、補強基材に、多重織された基布23に代えて液状のポリウレタンを十分に通過させうる目の粗い基布や、図8に示したような糸8、9を用いる場合は、次のようにして製造することができる。図8に示したベルトを例にとって製造方法を説明すると、第1工程として、マンドレルの上に、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含み、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が0.85≦H/NCO<1となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液をコーティングし、70℃〜100℃の温度で硬化させて内側のポリウレタン層18を形成する。なお、当量比(H/NCO)の値が0.85≦H/NCO≦0.99となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合すればより好適である。次いで、内側のポリウレタンの外周面上に補強基材としてCMD方向の糸9およびMD方向の糸8を巻き付ける。第2工程として、補強基材8、9の上から、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含み、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液をコーティングする。なお、当量比(H/NCO)の値が1.01≦H/NCO≦1.14となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液を用いればより好ましい。次いで、第3工程として、全体を120℃〜140℃の温度に加熱して、内側のポリウレタン層18の外周面上に適用した混合液を硬化させて外側のポリウレタン層19を成形するとともに内側のポリウレタン層18と外側のポリウレタン層19とを接着一体化する。
As a modification of the above manufacturing method, the reinforcing base material is replaced with a
図12に示したベルトを製造する場合には、上記図11に示したベルトの製造方法における第2工程と第3工程との間に、外側のポリウレタン層28の上からさらに外周面を構成するポリウレタン層29をコーティングする工程を追加すればよい。
When the belt shown in FIG. 12 is manufactured, an outer peripheral surface is further formed on the
以上、シュープレス用のベルトを例にとって説明したが、本発明は、カレンダー用ベルト、シートトランスファー用ベルトにも適用することができる。なお、カレンダー用ベルトおよびシートトランスファー用ベルトの場合は、一般的に表面に排水溝は形成されない。 The shoe press belt has been described above as an example, but the present invention can also be applied to a calender belt and a seat transfer belt. In the case of a calender belt and a seat transfer belt, generally no drainage groove is formed on the surface.
実施例として、図12に示した製紙用ベルトを以下の手順で製造した。補強基材として、たて4重織の織布からなるエンドレスの基布23を準備する。この基布は、厚みが2.3mmであり、内部に空隙を有している。基布の構造は、図13に示すように、MD方向のたて糸が、表面側から順に直径0.35mmのポリエステルモノフィラメント30、3000dのポリエステルマルチフィラメント31、直径0.35mmのポリエステルモノフィラメント32、直径0.35mmのナイロンモノフィラメント33の4層からなり、CMD方向のよこ糸が、直径0.40mmのポリエステルモノフィラメント34からなっている。たて糸の本数は68本/インチであり、よこ糸の本数は56本/インチである。
As an example, the papermaking belt shown in FIG. 12 was manufactured by the following procedure. As a reinforcing base material, an
内側のポリウレタン層27となる材料として、ウレタンプレポリマー(PTMG系MDIプレポリマー:NCO%=5%)100重量部と硬化剤(PTMGとETHACURE 300とを65/35の割合でブレンド:当量値=250)27.4重量部とを個別に脱泡した後、混合した(H/NCO=0.92)。なお、NCO%とは、ウレタンプレポリマー中に含まれるイソシアネート基の重量含有率である。これを表裏を反転させておいた基布23の表面にコーティングし、80℃の温度条件下で10時間の加熱を行なった。内側のポリウレタン層27は、基布23の厚みの50%まで含浸していた。
As a material for the
次いで、基布23にコーティングしたポリウレタン27を、基布23の表面からの厚みが1.0mmになるように切削・研磨を行なった。その後、コーティングした面が内側となるように基布23の表裏を反転させた。
Next, the
次に、外側のポリウレタン層28となる材料として、ウレタンプレポリマー(PTMG系TDIプレポリマー:NCO%=5%)100重量部と硬化剤(ETHACURE 300:当量値=107)13.8重量部とを個別に脱泡した後、混合(H/NCO=1.08)し、これを基布23のもう一方の面から、内側のポリウレタン層27の含浸面まで含浸させながらコーティングした。コーティングした表面は、ドクターブレードを使用して基布23の表面の位置とほぼ一致するように平滑にした。
Next, 100 parts by weight of urethane prepolymer (PTMG-based TDI prepolymer: NCO% = 5%) and 13.8 parts by weight of a curing agent (ETHACURE 300: equivalent value = 107) are used as materials for forming the
さらに、外周面を構成するポリウレタン層29として、前記外側のポリウレタン層28と同じ材料を外側のポリウレタン層28の上にコーティングした。その後、内側のポリウレタン層27、外側のポリウレタン層28、外周面を構成するポリウレタン層29および基布23が接着一体化するように、120℃の温度条件下にて16時間の加熱を行なった。
Further, as the
さらに、外周面を構成するポリウレタン層29の厚みが1.5mmとなるように、ベルトの表面を切削・研磨した。さらに、ベルトの外表面に、走行方向に沿って溝幅0.8mm、深さ0.8mm、ピッチ2.54mmで多数の排水溝26を形成した。得られたベルトは、全体の厚みが4.8mm、表面の硬さが90°(JIS A)であった。
Further, the surface of the belt was cut and polished so that the
次に、下記に示すように、図14に示す構造のサンプル1〜6を作成した。すなわち、補強基材として、上述の基布に用いたのと同じたて4重織の織布からなる基布23を準備する。内面を構成するポリウレタン層35として、ウレタンプレポリマー(PTMG系MDIプレポリマー:NCO%=5%)100重量部と硬化剤(PTMGとETHACURE 300とを65/35の割合でブレンド:当量値=250)27.4重量部とを個別に脱泡した後、混合した(H/NCO=0.92)。これを基布23の裏面側にコーティングし、80℃の温度条件下にて10時間の加熱を行なった。内面を構成するポリウレタン35は、基布23の厚みの50%まで含浸していた。次いで、基布23にコーティングしたポリウレタン35を、基布23の表面からの厚みが1.0mmになるように切削・研磨を行なった。
Next,
次に、外面を構成するポリウレタン層36を形成する材料として、ウレタンプレポリマーは、ハイプレンL−100およびL−167(いずれもPTMG系TDIプレポリマー:三井化学社製)を使用し、硬化剤は、ETHACURE 300およびMOCAを使用した。これらの材料を使用し、表1に示す各配合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを個別に脱泡した後混合し、これを基布23の外側となる面から、内面を構成するポリウレタン層35の含浸面まで含浸させながらコーティングした。
Next, as a material for forming the
その後、120℃の温度条件下にて16時間の加熱を行ない、内面を構成するポリウレタン層35、外面を構成するポリウレタン層36、および基布23を接着一体化させた。さらに、外面を構成するポリウレタン層36の、基布23の表面からの厚みが1.5mmとなるように、ベルトの表面を切削・研磨し、サンプル1〜サンプル6を得た。
Thereafter, heating was performed for 16 hours under a temperature condition of 120 ° C., and the
各サンプル1〜6につき、幅20mm、長さ420mmの試験片をとる。図15に示すように、試験片37の長さ方向両端部を把持部材38で把持しながら、中間部内側に直径25mmの表面が滑らかな金属製丸棒39を当てて張力Tをかける。張力Tは9.8kN/mとした。張力Tを保ったままで、試験片37の内面と丸棒39との間にノズル40から潤滑油を供給しながら、試験片37を10cmの幅で繰り返し往復運動させる。このような方法で、試験片37に張力Tをかけながら、内面と丸棒39との間で摺動を繰り返した。試験片37の表面にクラックが発生するまでの往復回数を測定し、耐久回数とした。結果を、表1に示す。また、各サンプル1〜6についての硬さも表1に示す。なお、表中における硬化剤の配合量とは、プレポリマー100重量部に対する硬化剤の重量部数である。
For each sample 1-6, a test piece having a width of 20 mm and a length of 420 mm is taken. As shown in FIG. 15, while holding both ends in the length direction of the
次に下記に示すように、サンプル7〜30を作成した。補強基材23および内面を構成するポリウレタン層35は、上述したサンプル1〜6と同様とする。外面を構成するポリウレタン層36を形成する材料として、ウレタンプレポリマーは、L−100およびL−167を使用し、硬化剤は、ETHACURE 300を使用した。これらの材料を使用し、表2に示すようなH/NCO当量比を変化させた各配合で、ウレタンプレポリマーと硬化剤とを個別に脱泡した後混合し、これを基布23の外側となる面から、内面を構成するポリウレタン層35の含浸面まで含浸させながらコーティングした。
Next,
その後、120℃の温度条件下にて16時間の加熱を行ない、内面を構成するポリウレタン層35、外面を構成するポリウレタン層36、および基布23を接着一体化させた。さらに、外面を構成するポリウレタン層36の、基布23の表面からの厚みが1.5mmとなるように、ベルトの表面を切削・研磨し、サンプル7〜サンプル30を得た。
Thereafter, heating was performed for 16 hours under a temperature condition of 120 ° C., and the
各サンプル7〜30につき、JIS K6260に定義されるデマッチャ式屈曲試験機を用いて、次の条件でクラック進展性の試験を行なった。試験片のサイズは、幅20mm、長さ150mmとした。往復運動は、最大距離80.5mm、最小距離38.5mm、運動距離42.0mmとした。切り込みは、試験片の長さ方向中央、幅方向一端部外面に、長さ3mm、深さ1.5mmとして入れた。この条件で、1000回屈曲させた後、亀裂の大きさを測定した。結果を、表2中の亀裂進展長さの項目に示す。さらに、各7〜30サンプルについて、図15に示す試験装置を用い、100万回往復運動させた後、試験片にクラックが発生しているかどうかをその目視により確認した。その結果を、表2中のクラック有無の項目に示す。なお、表中における硬化剤の配合量とは、プレポリマー100重量部に対する硬化剤の重量部数である。 Each sample 7-30 was subjected to a crack progress test under the following conditions using a dematcher type bending tester defined in JIS K6260. The size of the test piece was 20 mm wide and 150 mm long. The reciprocating motion was a maximum distance of 80.5 mm, a minimum distance of 38.5 mm, and a motion distance of 42.0 mm. The cut was made at the center in the length direction of the test piece and at the outer surface of one end in the width direction with a length of 3 mm and a depth of 1.5 mm. Under this condition, after bending 1000 times, the size of the crack was measured. The results are shown in the item of crack growth length in Table 2. Furthermore, about each 7-30 samples, after making it reciprocate 1 million times using the test apparatus shown in FIG. 15, it was confirmed by the visual observation whether the test piece was cracked. The result is shown in the item of presence / absence of cracks in Table 2. In addition, the compounding quantity of the hardening | curing agent in a table | surface is the weight part number of the hardening | curing agent with respect to 100 weight part of prepolymers.
表2からわかるように、外面を構成するポリウレタンの(H/NCO)当量比が1より大きいサンプルでは、亀裂進展長さが1mmよりも小さく抑えることができている。(H/NCO)当量比が大きい程、亀裂進展長さは小さく抑えることができる。ただし、(H/NCO)当量比を1.15まで大きくすると、100万回往復試験でクラックの発生が見られた。 As can be seen from Table 2, in the sample in which the (H / NCO) equivalent ratio of the polyurethane constituting the outer surface is larger than 1, the crack growth length can be suppressed to be smaller than 1 mm. The larger the (H / NCO) equivalent ratio, the smaller the crack growth length. However, when the (H / NCO) equivalent ratio was increased to 1.15, generation of cracks was observed in the 1,000,000 round-trip test.
次に、内面を構成するポリウレタンの(H/NCO)当量比を変化させて、下記に示すとおり図14に示す構造のサンプル31〜36を作成した。補強基材23は、サンプル1〜30と同じものを用いた。外面を構成するポリウレタン層36は、ウレタンプレポリマーとしてL−167を、硬化剤としてETHACURE 300を用い、上記サンプル27と同じ配合割合のものとした。内面を構成するポリウレタン層35は、上記サンプル27で用いたのと同じ材料、すなわちウレタンプレポリマー(PTMG系MDIプレポリマー:NCO%=5%)と、硬化剤(PTMGとETHACURE 300とを65/35の割合でブレンド:当量値=250)とを用いた。ただし、内面を構成するポリウレタン層35は、ウレタンプレポリマーと硬化剤との配合割合を変化させて、サンプル31〜36とした。その他の製造条件および各層の厚みは、サンプル1〜30と同じとした。
Next, samples (31 to 36) having the structure shown in FIG. 14 were prepared as shown below by changing the (H / NCO) equivalent ratio of the polyurethane constituting the inner surface. The same reinforcing
サンプル31〜36について、幅20mm、長さ420mmの試験片をとり、サンプル1〜6に対して行ったと同様に、図15に示す試験装置を用いて耐久性の試験を行った。なお、評価は、各サンプルにつき、250万回往復運動させた後の状態を確認することにより行った。この結果を表3に示す。なお、表3において、プレポリマーおよび硬化剤の数値は、重量部数を示している。 About the samples 31-36, the test piece of width 20mm and length 420mm was taken, and the durability test was done using the test apparatus shown in FIG. 15 similarly to having done with respect to the samples 1-6. In addition, evaluation was performed by confirming the state after reciprocating 2.5 million times for each sample. The results are shown in Table 3. In Table 3, the numerical values of the prepolymer and the curing agent indicate the number of parts by weight.
内面を構成するポリウレタンのH/NCOが0.85よりも小さいと、内面を構成するポリウレタンの強度が低下し、微クラックとなって現れた。内面を構成するポリウレタンのH/NCOが1以上になると、層間剥離が発生した。 When the H / NCO of the polyurethane constituting the inner surface was smaller than 0.85, the strength of the polyurethane constituting the inner surface was lowered and appeared as fine cracks. When the H / NCO of the polyurethane constituting the inner surface was 1 or more, delamination occurred.
一方、外面を構成するポリウレタンのH/NCOは、1<H/NCO<1.15であることが好ましい。表2に示されるサンプル7〜30によれば、外面を構成するポリウレタンのH/NCOが、1以下であるとクラックが広がり易くなり、1.15以上であるとクラックが発生し易くなるからである。
On the other hand, the H / NCO of the polyurethane constituting the outer surface is preferably 1 <H / NCO <1.15. According to
なお、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。 The embodiments and examples disclosed this time should be considered as illustrative in all points and not restrictive. The scope of the present invention is defined by the terms of the claims, rather than the description above, and is intended to include any modifications within the scope and meaning equivalent to the terms of the claims.
2 ベルト、6、23 基布、7 ポリウレタン、8 MD方向の糸、9 CMD方向の糸、10、12、14、16、18、20、24 内周面を構成する(内側の)ポリウレタン層、11、13、15、17、19、21、25 外周面を構成する(外側の)ポリウレタン層、22、26 排水溝、27 内側のポリウレタン層、28 外側のポリウレタン層、29 外周面を構成するポリウレタン層、35 内面を構成するポリウレタン層、36 外面を構成するポリウレタン層。 2 Belt, 6, 23 Base fabric, 7 Polyurethane, 8 MD direction thread, 9 CMD direction thread, 10, 12, 14, 16, 18, 20, 24 Polyurethane layer constituting the inner peripheral surface (inner side), 11, 13, 15, 17, 19, 21, 25 (outer) polyurethane layer constituting the outer peripheral surface, 22, 26 drainage groove, 27 inner polyurethane layer, 28 outer polyurethane layer, 29 polyurethane constituting the outer peripheral surface Layer, 35 polyurethane layer constituting the inner surface, 36 polyurethane layer constituting the outer surface.
Claims (13)
前記ポリウレタンは、内側のポリウレタンと、この内側のポリウレタンの外周面に接着した外側のポリウレタンとを含む製紙用ベルトにおいて、
前記内側のポリウレタンおよび前記外側のポリウレタンは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含む組成物からそれぞれ形成され、
前記内側のポリウレタンを形成する組成物は、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)が0.85≦H/NCO<1となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されたものであり、
前記外側のポリウレタンを形成する組成物は、前記当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とが混合されたものである、
製紙用ベルト。 A reinforcing substrate and a thermosetting polyurethane are integrated, and the reinforcing substrate is embedded in the polyurethane,
The polyurethane is a papermaking belt including an inner polyurethane and an outer polyurethane bonded to the outer peripheral surface of the inner polyurethane.
The inner polyurethane and the outer polyurethane are each formed from a composition comprising a urethane prepolymer having an isocyanate group at a terminal and a curing agent having an active hydrogen group at a terminal,
The composition forming the inner polyurethane has an equivalent ratio (H / NCO) of active hydrogen groups (H) of the curing agent and isocyanate groups (NCO) of the urethane prepolymer of 0.85 ≦ H / NCO <1. The urethane prepolymer and the curing agent are mixed at a ratio of
The composition forming the outer polyurethane is a mixture of a urethane prepolymer and a curing agent at a ratio such that the value of the equivalent ratio (H / NCO) is 1 <H / NCO <1.15.
Papermaking belt.
前記内側のポリウレタンのウレタンプレポリマーは、ポリオールとジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とを反応させて得られたウレタンプレポリマーを含有するとともに、
前記外側のポリウレタンのウレタンプレポリマーは、ポリオールとトリレンジイソシアネート(TDI)とを反応させて得られたウレタンプレポリマーを含有する、
請求項1記載の製紙用ベルト。 The adhesive surface between the inner polyurethane and the outer polyurethane is inside the reinforcing substrate,
The urethane prepolymer of the inner polyurethane contains a urethane prepolymer obtained by reacting a polyol with diphenylmethane diisocyanate (MDI),
The outer polyurethane urethane prepolymer contains a urethane prepolymer obtained by reacting a polyol with tolylene diisocyanate (TDI).
The papermaking belt according to claim 1 .
かつ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、ジメチルチオトルエンジアミンを含有する硬化剤と、を含む組成物から形成されている、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製紙用ベルト。 The outer polyurethane adheres to the outer peripheral surface of the inner polyurethane and constitutes the outer peripheral surface of the papermaking belt,
And it is formed from a composition comprising a urethane prepolymer having an isocyanate group at the terminal, and a curing agent containing dimethylthiotoluenediamine.
The papermaking belt according to any one of claims 1 to 4 .
前記外周面を構成するポリウレタンは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、ジメチルチオトルエンジアミンを含有する硬化剤と、を含む組成物から形成されている、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の製紙用ベルト。 The polyurethane includes an inner polyurethane, an outer polyurethane bonded to the outer peripheral surface of the inner polyurethane, and a polyurethane that is positioned further outside the outer polyurethane and constitutes the outer peripheral surface of the papermaking belt,
The polyurethane constituting the outer peripheral surface is formed from a composition including a urethane prepolymer having an isocyanate group at a terminal and a curing agent containing dimethylthiotoluenediamine.
The papermaking belt according to any one of claims 1 to 4 .
内側のポリウレタンと、この内側のポリウレタンの外周面に接着した外側のポリウレタンと、を含む製紙用ベルトを製造する方法において、In a method for producing a papermaking belt comprising an inner polyurethane and an outer polyurethane bonded to the outer peripheral surface of the inner polyurethane,
前記内側のポリウレタンは、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含み、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が0.85≦H/NCO<1となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液を、70℃〜100℃の温度で硬化させて、成形させる第1工程と、The inner polyurethane includes a urethane prepolymer having an isocyanate group at the terminal and a curing agent having an active hydrogen group at the terminal, and an active hydrogen group (H) of the curing agent and an isocyanate group (NCO) of the urethane prepolymer, The liquid mixture in which the urethane prepolymer and the curing agent are mixed at a ratio such that the value of the equivalent ratio (H / NCO) of 0.85 ≦ H / NCO <1 is cured at a temperature of 70 ° C. to 100 ° C., A first step of molding;
末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーと、末端に活性水素基を有する硬化剤とを含み、硬化剤の活性水素基(H)とウレタンプレポリマーのイソシアネート基(NCO)との当量比(H/NCO)の値が1<H/NCO<1.15となる割合でウレタンプレポリマーと硬化剤とを混合した混合液を、前記内側のポリウレタンの外周面上に適用する第2工程と、A urethane prepolymer having an isocyanate group at the terminal and a curing agent having an active hydrogen group at the terminal, and an equivalent ratio of the active hydrogen group (H) of the curing agent to the isocyanate group (NCO) of the urethane prepolymer (H / A second step in which a mixed liquid in which a urethane prepolymer and a curing agent are mixed at a ratio of 1 <H / NCO <1.15 is applied on the outer peripheral surface of the inner polyurethane;
全体を120℃〜140℃の温度に加熱して、内側のポリウレタンの外周面上に適用した混合液を硬化させて外側のポリウレタンを成形するとともに内側のポリウレタンと外側のポリウレタンとを接着一体化する第3工程とを含む、The whole is heated to a temperature of 120 ° C. to 140 ° C., the mixed liquid applied on the outer peripheral surface of the inner polyurethane is cured to form the outer polyurethane, and the inner polyurethane and the outer polyurethane are bonded and integrated. Including the third step,
製紙用ベルトの製造方法。A method for manufacturing a papermaking belt.
前記外側のポリウレタンは、前記補強基材に、前記補強基材の他面側から、前記内側のポリウレタンが前記補強基材に含浸された位置まで含浸する、
請求項10記載の製紙用ベルトの製造方法。 The inner polyurethane impregnates the reinforcing base material from one side of the reinforcing base material to the middle of the thickness of the reinforcing base material,
The outer polyurethane impregnates the reinforcing base material from the other side of the reinforcing base material to a position where the inner polyurethane is impregnated with the reinforcing base material.
The method for producing a papermaking belt according to claim 10 .
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004341688A JP3803106B2 (en) | 2004-11-26 | 2004-11-26 | Papermaking belt and method for producing papermaking belt |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004341688A JP3803106B2 (en) | 2004-11-26 | 2004-11-26 | Papermaking belt and method for producing papermaking belt |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000343712A Division JP3698984B2 (en) | 2000-11-10 | 2000-11-10 | Shoe press belt |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006102223A Division JP2006225839A (en) | 2006-04-03 | 2006-04-03 | Shoe press belt |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005120571A JP2005120571A (en) | 2005-05-12 |
JP3803106B2 true JP3803106B2 (en) | 2006-08-02 |
Family
ID=34617062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004341688A Expired - Lifetime JP3803106B2 (en) | 2004-11-26 | 2004-11-26 | Papermaking belt and method for producing papermaking belt |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3803106B2 (en) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7955475B2 (en) | 2009-07-21 | 2011-06-07 | Ichikawa Co., Ltd. | Papermaking shoe press belt |
EP2623667A1 (en) | 2012-02-01 | 2013-08-07 | Ichikawa Co., Ltd. | Paper making shoe press belt |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1940179B (en) * | 2005-09-27 | 2010-05-26 | 市川株式会社 | Shoe press belt |
JP4516583B2 (en) | 2007-05-18 | 2010-08-04 | イチカワ株式会社 | Shoe press belt |
AU2008268204A1 (en) | 2007-06-25 | 2008-12-31 | Ichikawa Co., Ltd. | Shoe press belt for paper making |
JP4516610B2 (en) | 2008-02-08 | 2010-08-04 | イチカワ株式会社 | Shoe press belt |
US9732470B2 (en) | 2013-06-14 | 2017-08-15 | Ichikawa Co., Ltd. | Shoe press belt for papermaking |
-
2004
- 2004-11-26 JP JP2004341688A patent/JP3803106B2/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7955475B2 (en) | 2009-07-21 | 2011-06-07 | Ichikawa Co., Ltd. | Papermaking shoe press belt |
EP2623667A1 (en) | 2012-02-01 | 2013-08-07 | Ichikawa Co., Ltd. | Paper making shoe press belt |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005120571A (en) | 2005-05-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3698984B2 (en) | Shoe press belt | |
JP4516610B2 (en) | Shoe press belt | |
EP3009561B1 (en) | Shoe press belt for papermaking | |
JP2008285784A (en) | Belt for shoe press | |
KR100532551B1 (en) | Elastic belt for papermaking | |
JP2006225839A (en) | Shoe press belt | |
JP4516584B2 (en) | Shoe press belt for papermaking | |
JP2007119979A (en) | Shoe press belt | |
EP2623667B1 (en) | Paper making shoe press belt | |
EP2623668B1 (en) | Paper making shoe press belt | |
JP3803106B2 (en) | Papermaking belt and method for producing papermaking belt | |
JP7290128B2 (en) | Shoe press belt and method for manufacturing the shoe press belt | |
JP7290129B2 (en) | Shoe press belt and method for manufacturing the shoe press belt |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060403 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060425 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060501 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3803106 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090512 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100512 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100512 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110512 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120512 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130512 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130512 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140512 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |