JP3800088B2 - Photonic crystal waveguide - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報処理、光伝送等に用いられるレーザ、光集積回路等の様々な光デバイス等を構成する基本構造及び光学部品に用いられ得るフォトニック結晶導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の光デバイスは光の閉じ込めを屈折率差で行っているため、光の閉じ込め領域を小さくできないことから、素子を小さく構成する事ができない。更に、素子の集積度を上げるために急峻な曲げ導波路を構成すると散乱損失が生じるため、光回路の小型・集積化が行えずその大きさは電子デバイスに比べ非常に大きい。そのため、従来とは全く異なる概念で光の閉じ込めを行うことができるフォトニック結晶は、上述の問題を解決することができる光の新素材として期待されている。
【0003】
フォトニック結晶とは、屈折率の異なる2種類以上の媒質によって光の波長と同程度の周期性を形成した人工的な多次元周期構造体であり、電子のバンド構造に似た光のバンド構造を有する。そのため、特定の構造には光の禁制帯(フォトニックバンドギャップ)が表れ、これを有するフォトニック結晶は光の絶縁体として機能する。
【0004】
フォトニックバンドギャップを有するフォトニック結晶に周期性を乱す線欠陥を導入すると、バンドギャップの周波数領域内に導波モードが形成され完全に光を閉じ込める光導波路を実現できることが理論的に指摘されている(J. D. Joannopoulos, P.R.Villeneuve, and S.Fan, Photonic Crystal: putting a new twist on light, Nature 386,143(1997))。J. D. Joannopoulosらは、光の波長程度の格子定数aの四角格子上に半導体程度の大きな屈折率をもつ半径a/5の円柱を配置した2次元フォトニック結晶中に、円柱を1列配置しない線欠陥を導入し、急角度に曲げた場合でも原理的に散乱損失が生じない光導波路を構成可能なことを理論的に示した。このような導波路は超小型光集積回路を構成する上で非常に重要な導波路となり得る。
【0005】
このような超小型光集積回路を構成するための光導波路を実現するには、フォトニックバンドギャップ周波数内に単一の導波モードを実現することが必要である。これは、性質の異なるモードを複数もつマルチモード導波路を用いると、例えば曲げ導波路を作製した場合、曲げ部で伝搬しているモードの一部が異なるモードに変換されてしまい、超小型光集積回路で必要な高効率の曲げ導波路を実現できないなどの不都合があるからである。また、マルチモード導波路は高速通信には適さないからである。
【0006】
現在のところ、導波路としていくつかのタイプのものが作製されているが、フルバンドギャップを有する3次元フォトニック結晶中に導波路を作り込むことは技術的に非常に困難なため、2次元フォトニック結晶を用いて導波路を作る方法が有望である。
【0007】
2次元フォトニック結晶を導波路として用いる場合、2次元面に垂直な方向の光の閉じ込めが必要になり、その方法としていくつかの方法が提案されている。その中で低屈折率の誘電体(多くの場合酸化物又はポリマー、屈折率1.5程度)の上に高屈折率の半導体(屈折率3から3.5程度)の薄膜を付けた構造に2次元フォトニック結晶を作り込んだ構造(酸化物クラッド2次元スラブ型フォトニック結晶)は、最も容易に大面積のものが作製可能であり、また同じ構造に様々な機能素子を付加しやすい。
【0008】
また、近年Silicon-On-Insulator(SOI)と呼ばれる二酸化珪素(SiO2)上に珪素(Si)薄膜がついた基板がLSIに応用されるようになり非常に高品質のものが得られるようになっているが、この基板を用いることにより容易に高品質の酸化物クラッド型2次元スラブフォトニック結晶を作製することができるという利点もある。このような利点は他の構造(例えばフォトニック結晶の上下のクラッドを空気にしたエアブリッジ型2次元スラブフォトニック結晶)では得られない。
【0009】
このように作製の面で酸化物クラッド型2次元スラブフォトニック結晶はエアブリッジ型2次元スラブフォトニック結晶等に比べると有利であるが、この構造には次に述べるような問題点があり、フォトニックバンドギャップ周波数内に単一の導波モードを実現する導波路構造は実現できていない。
【0010】
2次元スラブフォトニック結晶を用いた光導波路において欠陥によって生じる導波モードでは、上述のように2次元面内に関してはフォトニックバンドギャップの存在により光が強く閉じ込められているため、面内の散乱損失は無いが、一般的にクラッドのライトラインより高周波数領域はモードがリーキーである、すなわち、光がクラッド層に漏れやすい。(ライトラインとはその媒質中で光が伝搬できる最低周波数を伝搬定数に対して表示したものであり、w=ck/n(w:角周波数、c:光速、n:屈折率、k:波数)で定まる直線で示すことができる)。従って、上下のクラッド層へ導波光が漏洩しないように、ライトラインより低周波数の領域を利用することが通例となっている。
【0011】
図1(a)、(b)は、従来例における典型的な空気穴型の1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路の構造模式図である。図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)におけるB−B'断面図を示す。図1(a)、(b)において、5は光導波路、2はSi層、3はクラッド層であるSiO2層、4は空気穴三角格子であり、格子定数はaで表している。空気孔は図1(b)に示すSi層2を貫通する円柱又は多角柱であり、穴直径はこの例の場合は0.215μmである。空気穴三角格子とは空気穴が三角格子の各格子点に配置された構造であり、三角格子とは格子点が2次元面を埋め尽くすように配列された正三角形の頂点に配置された規則格子のことである。
【0012】
さて、代表的なフォトニックバンドギャップを持つ2次元フォトニック結晶には、空気中に高屈折率の柱を配置した構造と、上記のように高屈折率板内に空気孔(低屈折率柱もしくは低屈折率円柱と呼ぶこともできる)をあけた構造がある。前者はJ. D. Joannopoulosらが使用した構造であるが、この構造では柱が自立できないため柱を支えるためのクラッド層が必要になる。この層は線欠陥導波路のコアとなる空気よりも屈折率が大きくなるため、導波路の上下に光が漏れないようにするためには、非常に長い柱を必要とし作製が非常に困難となる。一方後者の空気孔は自立できるため、クラッド層の選択は自由であり、コアの屈折率をクラッド層のそれより大きくすることは容易であるため作製上の制限が小さく、上下に光が漏れにくい構造条件を選択しやすい。
【0013】
また、高屈折率板を用いたフォトニック結晶の孔の2次元配置には様々なパターンがあるが、図1(a)に示したような三角格子状に孔(円柱又は多角柱)を配置した構造は、広い周波数帯域のフォトニックバンドギャップを有するパターンとして知られている。これは、この構造が光に対する絶縁体として機能する周波数帯域が広いことを意味しており、導波路設計の際の周波数選択範囲を広く取れるため有利である。
【0014】
図2は、従来例における典型的な1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路の導波モード分散を示す図である。酸化物クラッド型フォトニック結晶でこのような導波路を構成しようとした場合、形成される導波モードはこの図2のようなものになる。ここで角周波数は(格子定数/波長)で表現される無次元の規格化周波数を用いており、伝搬定数は(波数・格子定数/2π)で表現される無次元の規格化伝搬定数を用いている。図2にはこの場合のクラッド(SiO2、屈折率1.46)のライトラインも示されている。
【0015】
しかし、従来例として示した構造において、クラッド層に光が漏洩しないという条件を満たす導波モードは、図2においてライトラインの下部の楕円で囲まれた領域のみである。ところがこの領域では、導波モードの傾きが非常に小さく、この傾きで大きさが決まる導波モードの群速度(エネルギー伝搬速度)が非常に小さい。このような極端に群速度の小さいモードでは伝搬時間が長くなるため、導波路として用いる場合には問題が多く使いにくい。さらに、現実的な構造では若干の構造の不均一性があるため、極端に群速度の小さいモードはわずかな不均一性の影響を受けて、伝搬しなくなってしまう。また、ライトラインの上(高周波数領域側)のモードはフォトニック結晶による回折損が大きすぎて光は伝搬できない。すなわち、フォトニック結晶導波路内の光は結晶の周期構造から摂動を受けながら伝搬しており、ライトラインの上のモードでは光が回折損としてクラッド層に漏れてしまうのである。
【0016】
実際に本発明者によって1列抜き線欠陥導波路を作製したところ、この導波路では伝搬は全く観測されなかった。この問題の原因はクラッドが決めるライトラインよりも下に現実的に使いやすいある程度の大きさの群速度を持った導波モードが存在しないことと、ライトラインよりも上では回折損が非常に大きいことにある。
【0017】
ライトラインよりも下のモードを利用するためには図2のグラフにおいてライトラインを上げるか又は導波モードを動かす必要があるが、酸化物クラッド構造をとる限り、ライトラインの位置はクラッドの屈折率で制限されるため、大きく変えることができない。
【0018】
また導波モードに関しては、バンドギャップ内で単一の導波モードを得るという条件を課す限り、図1の構造ではライトラインの下にある程度大きな群速度を持たせることは困難である。ここでは三角格子の場合について説明したが、正方格子など他の結晶構造の場合には状況はさらに困難になり、要請をみたす導波モードはやはり存在しない。このようにライトラインの下のモードを利用することは非常に難しい。
【0019】
上記の従来の技術を更に別の観点から説明する。
【0020】
図3は、従来型の1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路を説明する図である。(a)は光導波路の上面図、(b)はAA’断面図、(c)はBB’断面図である。
【0021】
図3において、光導波路30は、上部クラッド層36と下部クラッド層37に挟まれた誘電体薄膜スラブ31(上記の高屈折率板に相当する)から構成されている。誘電体薄膜スラブ31は、三角格子状に誘電体薄膜スラブ31よりも低い屈折率を持つ低屈折率円柱35を設けることによりフォトニック結晶を構成し、これら低屈折率円柱35のうち一列を光導波部32とするために再び誘電体薄膜スラブ31と等しい屈折率の誘電体に置き換えている。光導波部32における矢印←→は光導波方向を示している。なお、図1に示した導波路は、図3に示す構造において上部クラッド層及36び低屈折率円柱35が空気であり、下部クラッド層37がSiO2であり、誘電体薄膜スラブ31がSiである場合の例である。
【0022】
ここでは例として、誘電体薄膜スラブ31、低屈折率円柱35、上部クラッド層36および下部クラッド層37の屈折率をn1=3.5、n2=1.0、n3=n4=1.46とし、低屈折率円柱35の半径を0.275a、誘電体薄膜スラブ31の厚さを0.50aとして光導波路30の特性を述べる。なお、屈折率が1.0の低屈折率円柱35は空気穴と同じである。aはフォトニック結晶の格子定数である(ここでは三角格子)。
【0023】
なお、比誘電率は屈折率の2乗に相当するので、本明細書における説明において、屈折率の代わりに比誘電率もしくは誘電率を使用することもできる。
【0024】
また、これらの屈折率は、1.55μm程度の波長の通信用赤外線を対象としたこの種の導波路を形成する際によく用いられるSi、空気(真空)及びSiO2の屈折率に対応する。
【0025】
図4は、上記の光導波路における導波モードを説明する図である。(a)は光導波部を通過することができる導波モードの分散関係を周期的境界条件を課した平面波展開法(R.D.Meade et al.,Physical Review B 48,8434(1993))で計算した結果を示す図であり、図2と同様の図である。(b)はモード1の誘電体薄膜スラブに垂直な磁場成分を示す図であり、(c)はモード2の誘電体薄膜スラブに垂直な磁場成分を示す図である。
【0026】
図4(a)中の各量は格子定数aや光速cで規格化されている。斜線部分は、フォトニックバンドギャップ(J D. JoannoPoulos, R D. Meade,J N.Winn, “Photonic Crystals”, Princeton University Press, Princeton (1995))の外側に対応し、その結果として光が光導波部32に閉じ込められない領域(A.Mekis et al.,Physical Review B 58,4809(1998))を示す。
【0027】
縦線ハッチ部分は、誘電体薄膜スラブ31と誘電体薄膜スラブ31を上下で挟んでいる上部クラッド層36および下部クラッド層37との屈折率差による光の閉じこめの力がなくなり、その結果として光が光導波部32に閉じ込められない領域(S G. Johnson et al., Physical Review B 60,5751 (1999))である。なお、この領域は前述したライトラインの上側に相当する。すなわち、図において導波路として検討すべき領域は白抜きされた領域のみである。
【0028】
図からもわかるように、従来型の光導波路30では検討すべき領域において2本の導波モード1,2が存在する。バンドギャップが広い場合さらに多くの導波モードも存在し得るが、ここでは簡単のためこれら2個のモード1,2のみを考える。なお、モード1が図2において楕円で囲んだ部分のモードに相当し、モード2が上の点線のモードに相当する。
【0029】
これらの2モード1,2のうち、低周波側のモード1は一般に(b)に示すような電磁界分布をしている。高周波側のモード2は一般に(c)に示すような電磁界分布をしている。
【0030】
これらの導波モード1,2のうち実用的な導波モードは一般的な単一モード導波路における電磁界とほぼ同様な電磁界分布をもつモード1である。モード2は電磁界分布が一般的な単一モード導波路における電磁界とは大幅に異なり、従って外部回路から光を導入することは困難である。すなわち、モード2は実用的な導波モードではない。また、バンドギャップが広い場合に現れる、より高周波側のモードも同様に一般的な単一モード導波路における電磁界とは電磁界分布が大幅に異なり、実用的でないことは導波路の一般的議論から明らかである。
【0031】
そこで、従来型の導波路ではモード1が用いられるのであるが、このモード1は図4(a)からも分かるように、伝搬定数が変化しても殆ど導波周波数が変化しないため、使用可能な周波数帯域が極めて狭いという欠点がある。この場合の周波数帯域は約1%である。
【0032】
また伝搬定数が変化しても殆ど周波数が変化しないということは物理的には電磁場の群速度が非常に遅いことを意味する。従って、伝搬時間が非常に長時間となり、導波路の構成物質の誘電損失などに起因する伝搬損失が大きくなるという欠点がある。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、上述したフォトニック結晶導波路の問題点を解決し、群速度を向上させ、伝搬損失を少なくした単一モード伝搬を可能とするスラブ型2次元フォトニック結晶導波路を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は次のように構成することができる。
【0035】
本発明は、スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の一部を導波方向に直線状に除き欠陥構造としたスラブ型2次元フォトニック結晶導波路において、
前記欠陥構造における欠陥部分の両側の格子間の幅である第1の幅を、前記スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の1列を除いただけの通常の欠陥構造における欠陥部分の両側の格子間の幅である第2の幅と異なるようにした構造とする。
【0036】
上記の構造において、前記欠陥部分の第1の幅は前記第2の幅の0.50倍から0.85倍の間のいずれかの値であるとする。
【0037】
本発明によれば、ライトラインよりも下に大きな群速度を持った単一導波モードが形成可能な構造の光導波路を提供することができる。
【0038】
また、前記格子は空気穴型三角格子とすることができ、前記スラブ型2次元フォトニック結晶が、酸化物クラッド又はポリマークラッドを有するように構成できる。更に、前記スラブ型2次元フォトニック結晶は、Silicon-On-Insulator(SOI)基板を用いて製造することもできる。
【0039】
また、上記の構造において、前記欠陥部分の第1の幅は、前記第2の幅より広く、前記光導波路がクラッドのライトラインより高周波側で単一モードを有する幅であるような構造とすることができる。また、そのような幅として、前記欠陥部分の第1の幅が前記第2の幅の1.3倍から1.6倍の間のいずれかの値であるとすることができる。
【0040】
本発明によれば、ライトラインよりも上に低損失の単一導波モードが形成可能な構造の光導波路を提供することができる。
【0041】
また、本発明は次のように構成することもできる。
【0042】
本発明は、誘電体薄膜スラブに誘電体薄膜スラブよりも低い屈折率の円柱状又は多角柱状の誘電体柱を適当な2次元周期間隔で設け、さらに誘電体薄膜スラブの上下を誘電体薄膜スラブよりも低い屈折率を持つ上部クラッド層と下部クラッド層とで挟んだスラブ型2次元フォトニック結晶導波路において、
光導波部となるべき部分に存在する誘電体柱を、通常のスラブ型2次元フォトニック結晶において配置されるべき2次元周期配置の位置から光導波方向に移動して配置する。
【0043】
本発明によっても、ライトラインよりも下に大きな群速度を持った単一導波モードが形成可能な構造の光導波路を提供することができる。なお、誘電体柱とは、誘電体薄膜スラブよりも低い屈折率を持つ低屈折率柱である。
【0044】
上記の構造において、前記光導波部に配置した誘電体柱の径は光導波部以外の誘電体柱の径と異なる値で、かつ前記光導波部に配置しない他の誘電体柱と互いに接することのない範囲の値であるように構成できる。
【0045】
また、前記光導波部に配置する誘電体柱の前記移動位置は、位置をずらす前の前記2次元周期間隔の位置から光導波方向に前記2次元周期間隔の半分の距離だけ移動した位置であるように構成してもよい。
【0046】
また、前記フォトニック結晶は、格子定数aの三角格子状に配置された誘電体柱を有する構造であり、それらの半径又は半幅が0.2aから0.45aであり、かつ、前記光導波部に配置した誘電体柱が、互いに接することのない範囲の径であるように構成することができる。
【0047】
また、誘電体薄膜スラブ材料の屈折率が3.0から4.5の間にあり、かつ誘電体薄膜スラブ以外の部分の材料の屈折率が1.0から1.7の間にあるように材料を構成する。
【0048】
更に、上記の構造において、前記フォトニック結晶は、格子定数aの正方格子状に配置された誘電体柱であり、それらの半径又は半幅が0.35aから0.45aであり、かつ、前記光導波部に配置した誘電体柱が、互いに接することのない範囲の径であるような構造とすることもできる。
【0049】
更に、前記誘電体薄膜スラブ材料に珪素、ゲルマニウム、ガリウム・砒素系化合物、インジウム・燐系化合物、又は、インジウム・アンチモン系化合物を用い、かつ誘電体薄膜スラブ以外の部分の材料に、二酸化珪素、ポリイミド系有機化合物、エポキシ系有機化合物、アクリル系有機化合物、空気、又は、真空を用いることができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態及び第2の実施の形態における光導波路は、スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の一部を直線状に除き欠陥構造とした光導波路において、その欠陥構造の幅を格子の配列の1列分の幅より狭くしたり(第1の実施の形態)、あるいは広くなるように(第2の実施の形態)、欠陥を挟んだ両側の格子の配列をずらした構造としたものである。このような構造とすることにより、従来技術で説明したようなフォトニックバンドギャップ及び屈折率差による光閉じ込め法を用いながら、低損失で群速度の大きな単一モードを持つ構造を実現する。
【0051】
また、スラブ型2次元フォトニック結晶における1列分の低屈折率柱(空気穴等)の位置を光導波方向にずらしたり、更に穴径を変化させる構造とすることによっても同様の効果を得ることができる(第3の実施の形態)。
【0052】
なお、スラブ型2次元フォトニック結晶とは、誘電体薄膜スラブに誘電体薄膜スラブよりも低い屈折率の円柱状又は多角柱状の低屈折率柱を適当な2次元周期間隔で設け、さらに誘電体薄膜スラブの上下を誘電体薄膜スラブよりも低い屈折率を持つ上部クラッド層と下部クラッド層とで挟んだフォトニック結晶のことである。
【0053】
また、上記の格子の配列の1列分の幅とは、スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の1列を除いただけの通常の欠陥構造における欠陥部分の両側の格子間の幅である。
【0054】
以下、各実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0055】
図5は、本発明の第1実施例における1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路1の模式図であり、(a)はその上面図、(b)はB−B'断面図である。なお、本発明は酸化物クラッド型2次元スラブフォトニック結晶に単一線欠陥を形成する場合に、その線欠陥の両側の結晶格子全体をずらした配置として欠陥幅を調整することによって、クラッドのライトラインよりも下に大きな群速度を持った単一導波モードを形成することを特徴とする。
【0056】
すなわち、0.2μm厚のSi層2,3μm厚のSiO23のSOI基板上に電子線露光とドライエッチングによって格子定数a=0.39μmの空気穴三角格子フォトニック結晶を作製し、その際に様々な幅の1列抜き欠陥を導入した。欠陥導波路の幅調整法は、1列分の穴を抜いた後の構造において、この列をはさんだ両側の結晶格子を一定長さ列と垂直方向にずらすことによって行っている。
【0057】
通常の1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路における欠陥の幅は単純に格子1列抜いた場合の欠陥をはさんだ両側の最近接格子4の中心間の距離として定義され、本実施の形態における欠陥の幅は、通常の場合の欠陥の幅をWとし、その定数倍で表現される。このフォトニック結晶自体は、波長1.35μmから1.57μmの間にフォトニックバンドギャップを持ち、この波長範囲内では無欠陥部分の結晶には光透過は観測されなかった。次に各欠陥導波路の光透過スペクトルを測定した。単純な格子1列抜き(幅1.0Wのもの)ではバンドギャップの波長領域内で光の透過が全く観測されなかった。一方、幅を0.7Wにしたものではバンドギャップ内のある波長領域で明確な光透過が観測された。
【0058】
図6は、本発明の第1の実施の形態における1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路の導波モード分散である。この図6に対応させて図2を示すと図7のようになる。図7は図6と同じようにクラッド(この場合SiO2)のライトラインを重ねて示したものである。図7に示す従来のものではライトラインより下側の伝搬モード(図4のモード1に対応する伝搬モード)の傾きが小さいのに対し、図6に示す本発明では、ライトラインよりも下側に大きな傾きを持った、即ち大きな群速度を持った導波モードが存在している。またその領域では単一モード条件を満たしていることも図より明らかである。
【0059】
実験で光透過が観測された波長領域は、この導波モードの存在している領域と一致しており、幅を減少させたことによりライトラインよりも下に群速度の大きな単一モードが形成されたために光透過が実現したことを示している。様々な構造パラメータについて、時間領域有限差分法及び平面波展開法によって導波モード分散を計算した結果、導波路幅を0.50Wから0.85Wの間に設定した場合にライトラインの下に大きな群速度を持つ導波モードが形成されることがことがわかった。また、実験においても、この導波路幅範囲で光伝搬が観測された。
【0060】
図8(a)、(b)に導波路幅が0.85Wと0.50Wの場合の導波モード分散の理論計算結果を示す。図8(a)が0.85Wの場合を示し、図8(b)が0.50Wの場合を示す。導波路幅が0.85Wと0.50Wの間では、例えば図6(0.7Wの場合)に示すように、導波路の透過帯域幅は図8(a)、(b)の結果よりも広くなるので、この範囲で実用的な導波路として機能することがわかる。
【0061】
幅を狭くすることにより上記の効果が得られる理由は次の通りである。
【0062】
従来の技術で説明したように、図2に示される典型的な1列抜き線欠陥の状態では、フォトニックバンドギャップ内でかつライトラインより低周波数領域(以下、この領域をα領域と称する)のモード(図中丸部)は群速度が非常に小さなものであり、実用的ではない。そこでバンドギャップの外にある一番下の群速度の大きなモードに注目する。
【0063】
導波路幅を狭くすると等価的に屈折率が下がり、この一番下のモードを高周波数側にシフトさせることができる。これにより、このモードをα領域で利用することができる。従って、群速度の大きなモードをバンドギャップ内かつライトラインの下で実現することが可能となる。
【0064】
なお、導波路部の屈折率を下げる方法として、導波路部に屈折率の小さな媒質を利用する方法や、導波路部に孔をあけ等価的に屈折率を下げる方法もある。なお、導波路部に孔を空けることに相当する方法は、第3の実施の形態において説明する。
【0065】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0066】
図9は、本発明の第2の実施の形態における1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路1Aの模式図である。なお、この第2の実施の形態は酸化物クラッド型2次元スラブフォトニック結晶に単一線欠陥を形成する場合に、その線欠陥の両側の結晶格子全体をずらして欠陥幅を広げることによって、クラッドのライトラインよりも上に伝搬損失の小さな単一導波モードを形成することを特徴とする。
【0067】
すなわち、0.2μm厚のSi層2,3μm厚のSiO23のSOI基板上に電子線露光とドライエッチングによって格子定数a=0.39μmの空気穴三角格子フォトニック結晶を作製し、その際に様々な幅の1列抜き欠陥を導入した。欠陥導波路の幅調整は、1列分の穴を抜いた後の構造において、この列を挟んだ両側の結晶格子を引き離す方向にずらす構造とすることによって行っている。
【0068】
この第2の実施の形態の欠陥幅は格子1列分の1.5倍となっている。この場合も、幅の定義は図に示すように単純に格子1列抜いた場合の欠陥を挟んだ両側の最近接格子4の中心間の距離をWとし、その定倍数で表現している。このフォトニック結晶自体は、波長1.35μmから1.57μmの間にフォトニックバンドギャップを持ち、この波長範囲内では無欠陥部分の結晶には光透過は観測されなかった。
【0069】
次に各欠陥導波路の光透過スペクトルを測定した。単純な格子1列抜き(幅1.0Wのもの)ではバンドギャップの波長領域内で光の透過が全く観測されなかった。一方、幅を1.5Wにした本実施の形態の光導波路1Aではバンドギャップ内のある波長域で明確な透過光が観測された。
【0070】
図10は、本発明の第2の実施の形態の1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路1Aの導波モード分散である。図2と同じようにクラッド(この場合SiO2)のライトラインを重ねて示した。実験で光透過が観測された波長領域は、図の単一モード領域における偶モードが存在する領域と一致する。この場合、ライトラインよりも上側のフォトニックバンドギャップ内に単一モード領域が存在しているが、幅を広げたことにより回折損が減少し漏洩の問題を解消している。すなわち、ライトラインより上にもかかわらず低損失の導波モードが形成されたこととなる。
【0071】
図11は、本発明の第2の実施の形態における1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路のライトラインより上側における単一モード帯域幅(点線で示す)と伝搬損失の導波路幅依存性(実線で示す)を示す図である。帯域幅は単一モード帯域の中心周波数で規格化されている。図11に示すように、導波路幅を1Wから広げると、単一モード帯域幅が増加した後、減少し、1.6Wを越えると単一モード帯域が得られなくなる。これは、幅を広くすることにより、図10中のフォトニックバンドギャップ内のモードが低周波側にシフトするためにおこる。また、伝搬損失は、幅を広げることにより減少する。
【0072】
様々な構造パラメータについて、時間領域有限差分法によって導波モード分散及び伝搬損失を計算した結果、導波路幅を1.6W以下に設定した場合にライトラインの上に単一モード条件を満たす伝搬モードが形成され、1.3W以上で伝搬損失が実用的損失値20dB/mm以下となることがわかった。また、実験においても、この導波路幅範囲で光伝搬が観測された。すなわち、導波路幅を1.6W以下で1.3W以上とすることにより、伝搬損失が実用的損失値以下でかつ単一モード条件を満たす伝搬モードが得られることとなる。
【0073】
すなわち、幅を広げた導波路ではクラッドのライトラインより低周波数側に群速度の大きなモードを有する構造を実現することが難しい一方で、導波路の幅を広げることにより結晶から受ける摂動が小さくなるため、群速度が速くなる・回折されにくくなるなどの効果が表れ、その結果、図10に示されるようにクラッドのライトラインより高周波数領域であるにもかかわらず、伝搬損失を効果的に低減することができるようになる。ただし、幅を広げるに伴い導波路の実効的な屈折率が大きくなるので、上述したように図10に示される単一モード帯域が低周波数側にシフトし、単一モード帯域が次第に狭くなる。従って、単一モードを実現するには導波路幅を1.6W以下とする必要がある。
【0074】
さて、次に本発明の説明に用いている導波モード分散曲線(図6、7、10等)の計算方法についてここで説明する。
【0075】
この分散曲線はFDTD法(Finite Difference TimeDomain method、時間領域有限差分法)と呼ばれる計算方法でマックスウェル方程式を解析することにより得られるものであり、以下、その解析法について説明する。
【0076】
最初に、結晶工学などで行われる結晶のバンド解析について簡単に説明する。結晶のような周期的構造体は、あるユニットセルの繰り返しで表現することができる。このような構造中のフィールドはブロッホ波となることはよく知られた事実である。バンド解析とは、ユニットセルが触れ合う境界にブロッホ条件が満たされる周期的境界条件を適用し、この条件を満たすフィールドを固有モードとして抜き出す作業である。このとき解析の対象となるのがシュレディンガー方程式であり、その中に含まれる空間的なポテンシャルの分布が物質によって異なるため、様々なバンド構造が存在する。この考え方を周期構造体であるフォトニック結晶について適用する。ただし、対象が電子ではなく光であるため取り扱う方程式はマックスウェル方程式となり、ポテンシャルの分布の代わりに屈折率(誘電率)分布が計算にもちいられる。
【0077】
次に、FDTD法を用いて固有モードを抜き出す作業について説明する。FDTD法とは、マックスウェル方程式を時間と空間で差分化し、与えられた構造(屈折率(誘電率)の空間分布)内を伝搬する光の電磁界を時間に対する逐次計算で求める方法であり、本来固有値を直接求める計算手法ではない。しかし、以下の方法により与えられた構造に適合するモードを求めることが可能である。
【0078】
まず、与えられた構造内に適当な初期フィールドを与える。逐次計算を行うと、与えられた構造に適合するフィールドが生き残り、その他は淘汰されていく。このフィールドの時間変化をフーリエ変換することにより周波数スペクトルを得ることができる。もし、与えられた構造に適したフィールドが存在すれば、周波数スペクトルにピークが現れる。このとき計算に用いられるブロッホ条件は波数の関数であるため、ピークの現れる周波数は波数の関数となる。これを図示したものがフォトニック結晶のバンド図である。
【0079】
次に、2次元フォトニック結晶導波路のモード計算について述べる。基本的には上述の計算方法と同様のことを行う。ただし、本発明で使用するフォトニック結晶では、線欠陥が結晶内部に導入されており、線欠陥に直交する方向には周期性が崩れている。そのため図12(a)〜(c)に示す構造をユニットセルとする。つまり、光の伝搬方向にはブロッホ条件を満足する周期的境界条件を適用し、直交方向にはお互いに大きく干渉しない距離に導波路を配置した周期構造を鏡面境界で実現し、厚み方向にはモードになれず漏れてくる光を吸収するための領域を設定する。
【0080】
図12(a)は図1に示される導波路構造である。図12(b)は(a)に示される点線部を抜き出した構造、図12(c)は(b)の立体図であり、これがフォトニック結晶導波路のユニットセルである。このユニットセルに対してマックスウェル方程式をFDTD法で解くことにより、上述の波数−周波数のグラフを描くことができる。これが本発明の説明において示される分散曲線である。
【0081】
この計算では、導波路内に長時間滞在するモードであれば、固有モード以外のモードもスペクトルのピークとして拾い上げることができる。そのため、クラッド層のライトラインより高周波数側のリーキーモードに対する解析も可能となり、この特徴は他の固有値解析法では得られない優位点である。この優位性は本発明においても生かされている。加えて、この計算方法は導波路への光の閉じ込め時間を計算できるため、分散曲線から得られる群速度(エネルギー伝搬速度)を用い、理論的な伝搬損失を示せる特徴がある。
【0082】
幅を狭くする導波路においては、クラッド層のライトラインより低周波数側だけでなくこのラインより高周波数側の領域も含めて単一モード領域が存在することを確認している。
【0083】
上記第1、第2の実施の形態では、媒質としてSiおよびSiO2を用い、例えばSilicon-On-Insulator(SOI)を用いて製造を行うことができるが、本発明の効果はこの材料に限定されないことは明らかである。一般的に高屈折率の媒質の薄膜の下に低屈折率の誘電体を配置したスラブ型のフォトニック結晶を用いて欠陥導波路を構成する際に、上の実施例と同様に導波路幅を調整することによりライトラインよりも下、又は上に単一モード条件を満たす導波モードを形成することが一般的に可能である。
【0084】
例えばSiの代わりにガリウム砒素系化合物(GaAs,InGaAs,InGaAsP等)、インジウム・燐系化合物(InP等)等の半導体を用いた構造、又は、SiO2の代わりにポリマー、アルミナ等の物質を用いた構造でも全く同じ効果が期待されることは明らかである。また、ここでは下部クラッドにSiO2を配置し、上部は空気とした場合についてのみ述べたが、上下共にSiO2等の誘電体クラッドを配置した構造でも、同様の効果が期待できるのは明らかである。
【0085】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について、実施例3−1〜実施例3−2として説明する。
【0086】
本実施の形態では図3、図4を用いて説明した従来型の光導波路の光導波部に誘電体薄膜スラブよりも低い屈折率を持つ低屈折率円柱又は低屈折率多角柱列を光導波方向に平行に設けることにより、導波モードの周波数や群速度等を改善する。
(実施例3−1)
図13は、実施例3−1におけるスラブ型2次元フォトニック結晶導波路を説明する図である。(a)は光導波路の上面図、(b)はAA’断面図であり、三角格子フォトニック結晶を持つ誘電体薄膜スラブに、本発明の特徴である円柱等の位置の移動を実施した導波構造を説明する図である。
【0087】
すなわち、三角格子状に誘電体薄膜スラブより低い屈折率を持つ誘電体からなる円柱を配置し、さらに光導波部に存在するこれら円柱の一列を、光導波方向に、上記三角格子の周期(格子定数)の半分の距離だけ移動して配置した構造である。さらに必要であれば光導波特性に応じて、この移動位置に配置した柱体の径を変更している。
【0088】
ここでは例として、誘電体薄膜スラブ11、低屈折率柱15、上部クラッド層16、下部クラッド層17および低屈折率柱A13の屈折率をn1=3.5、n2=1.0、n3=n4=1.46、n5=1.0とし、光導波部12以外の低屈折率柱15の半径を0.275a、誘電体薄膜スラブ11の厚さを0.50a、光導波部12に設置する低屈折率柱A13の半径を0.225aとして本導波構造の特性を述べる。
【0089】
図14は、本発明の実施例3−1におけるフォトニック結晶導波路における導波モードを説明する図である。(a)は導波電磁界モードの分散関係を示す図であり、(b)はモード1,2の誘電体薄膜スラブに垂直な磁場成分を示す図であり、(c)はモード3の誘電体薄膜スラブに垂直な磁場成分を示す図である。
【0090】
この場合、導波路を通過することができる導波電磁界モードの分散関係は図14(a)のようになる。この場合は導波モードは3個存在し、その低周波側から1番目及び2番目のモード1,2の電磁界分布は図14(b)に示すような、一般的な単一モード導波路における電磁界分布に近いものとなっている。そして特に、この低周波側から2番目のモード(モード2)では有効な伝搬定数領域全域にて伝搬定数に対する周波数変化が大きくなる。その結果、有効周波数帯域は約4.7%にまで拡大し、群速度も向上する。
【0091】
また、この例を導波光を波長1.55μm近傍の通信用赤外線に適用した場合、誘電体薄膜スラブ11にSiを、低屈折率柱15、低屈折率柱A13に空気(又は真空)を、それら以外の部分にSiO2を用いると、三角格子の周期は約0.42μm,光導波部12以外の低屈折率柱15の半径は約0.115μm,光導波部12に設置された低屈折率柱A13の半径は0.094μmとなり、従来の半導体加工技術等を用いて製作可能な値となっている。
【0092】
また、この例では光導波部12の移動位置に配置された低屈折率柱A13の半径を0.225aとして説明を行っているが、この半径を変化させることにより、導波モードの周波数や群速度等を変化できることは明らかである。導波路の構造を考慮すると、すなわち、光導波部に配置しない他の低屈折率柱と互いに接することのない範囲を考慮すると、この低屈折率柱A13の半径は光導波部12の最小幅の0.1倍から0.4倍程度が現実的である。
【0093】
また、以上の例では光導波部12外にてフォトニック結晶を与えるため三角格子周期で円柱形の低屈折率領域を与えているが、これらは四角形、六角形等の多角柱を用いても同様な効果を期待できる。またこれら円柱や多角柱の径の範囲としては、フォトニックバンドギャップの存在を許容する範囲内にて、上述した例と同様な効果が期待できる。誘電体薄膜スラブの屈折率が3.0から4.5程度でかつそれ以外の低屈折率部の屈折率が1から1.7程度とした場合、前述した平面波展開法による理論計算によると、これらの径はほぼ0.2aから0.45aまでの範囲であり、好ましくは0.275aから0.375aが現実的で効果が高い。
【0094】
また、以上の例では光導波部12の移動位置に配置された低屈折率柱A13に円柱を用いているが、これを楕円柱や多角柱にしても、同様な効果を期待できる。
【0095】
また、フォトニック結晶を与えるための円柱等の屈折率、誘電体薄膜スラブを上下に挟んでいるクラッドの屈折率、及び導波路部に設けた円柱等の屈折率は、誘電体薄膜スラブの屈折率よりも低ければ、同じ値であっても、異なった値であっても同様な効果を期待できる。
【0096】
また、材料に関しては、導波光を波長1.55μm近傍の通信用赤外線領域とした場合、誘電体薄膜スラブには高屈折率で、赤外線を透過でき、かつ加工性、安定性に問題が少ない材料として、珪素,ゲルマニウム,ガリウム・砒素系化合物,インジウム・燐系化合物,インジウム・アンチモン系化合物等を材料として用いることができる。これらの材料の屈折率は、ほぼ3.0から4.5の間にある。またこの場合の誘電体薄膜スラブ以外の部分には、低屈折率で、赤外線を透過でき、かつ加工性、安定性に問題が少ない材料として、二酸化珪素,ポリイミド系有機化合物,エポキシ系有機化合物,アクリル系有機化合物,空気,真空等が材料として用いることができる。これらの材料の屈折率はほぼ1.0から1.7の間にある。
【0097】
なお、これらの材料は、第1の実施の形態及び第2の実施の形態においても同様に使用できる。また、第3の実施の形態においても、スラブ型2次元フォトニック結晶導波路をSilicon-On-Insulator(SOI)基板を用いて製造することが可能である。
【0098】
(実施例3−2)
図15は、本発明の実施例3−2におけるスラブ型2次元フォトニック結晶導波路を説明する図である。(a)は光導波路の上面図、(b)はAA’断面図である。
【0099】
先の実施例3−1では光導波部12外にフォトニック結晶を与えるため三角格子周期で円柱形や多角柱の低屈折率領域を与えているが、これらの周期構造に図に示すような正方格子を用いても同様な効果を期待できる。すなわち、誘電体薄膜スラブ21よりも低い屈折率の低屈折率柱25を正方格子状に設け、さらに誘電体薄膜スラブ21の上下を誘電体薄膜スラブ21よりも低い屈折率を持つ上部クラッド層26、下部クラッド層27で挟んだ構造物において、光導波部22となるべき部分に存在する光導波方向に並んだ低屈折率柱25の1列を、光導波方向に、上記正方格子の格子定数の半分の距離だけ移動し、さらに必要であれば光導波特性に応じて、この移動位置に配置した低屈折率柱25の径を変更している。
【0100】
この場合のフォトニック結晶を与える低屈折率柱の径の範囲としては、フォトニックバンドギャップの存在を許容する範囲を取り得る。平面波展開法による理論計算によると、具体的には、誘電体薄膜スラブ21の屈折率が3から4.5程度でかつそれ以外の低屈折率部の屈折率が1から1.7程度とした場合、これら低屈折率柱25の径はほぼ0.35aから0.45aまでの範囲にある。
また、実施例3−1にて述べた、光導波特性の改善、低屈折率柱Aの形状、各部の屈折率、各部の材料に関する補足事項は、動作原理が実施例3−1と同じである本実施例においても成り立つ。
【0101】
本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内で種々変更・応用が可能である。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光導波路は、スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の一部を直線状に除き欠陥構造とした光導波路において、その欠陥構造の幅が格子の配列の1列分の幅より狭くなるように、欠陥を挟んだ両側の格子の配列をずらした構造としたので、ライトラインよりも下に大きな群速度を持った単一導波モードが形成可能な構造の光導波路を提供することができる。
【0103】
また、スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の一部を直線状に除き欠陥構造とした光導波路において、その欠陥構造の幅が格子の配列の1列分の幅より広くなるように、欠陥を挟んだ両側の格子の配列をずらした構造としたので、ライトラインよりも上に低損失の単一導波モードが形成可能な構造の光導波路を提供することができる。
【0104】
更に、スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の1列分を構成する低屈折率柱部の位置を導波方向に位相させ、更に格子穴径を変化させることによってもライトラインよりも下に大きな群速度を持った単一導波モードが形成可能な構造の光導波路を提供することができる。
【0105】
従って、本発明によれば、群速度が向上し、損失の少ない超小型光導波構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来列における典型的な1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路の構造模式図で、(a)はその上面図、(b)はBB'断面図である。
【図2】従来例における典型的な1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路の導波モード分散を説明する図である。
【図3】従来列における典型的な1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路の構造模式図であり、(a)は光導波路の上面図、(b)はAA'断面図、(c)はBB'断面図である。
【図4】従来列における典型的な1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路における導波モードを説明する図であり、(a)は導波電磁界モードの分散関係を示す図であり、(b)はモード1の誘電体薄膜スラブに垂直な磁場成分を示す図であり、(c)はモード2の誘電体薄膜スラブに垂直な磁場成分を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路の模式図で、(a)はその上面図、(b)はBB'断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路の導波モード分散を説明する図である。
【図7】従来例における典型的な1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路の導波モード分散を説明する図である。
【図8】導波路幅が0.85W(a)と0.50W(b)の場合の導波モード分散の理論計算結果を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態における1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路の模式図で、(a)はその上面図、(b)はBB'断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態における1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路の導波モード分散を説明する図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における1列抜き線欠陥フォトニック結晶導波路からなる光導波路のクラッドライトラインより上における伝搬損失と単一モード帯域の導波路幅依存性を説明する図である。
【図12】2次元フォトニック結晶導波路のモード計算を説明するための図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるフォトニック結晶導波路を説明する図である。(a)は光導波路の上面図、(b)はAA'断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態におけるフォトニック結晶導波路における導波モードを説明する図である。(a)は導波電磁界モードの分散関係を示す図であり、(b)はモード1,2の誘電体薄膜スラブに垂直な磁場成分を示す図であり、(c)はモード3の誘電体薄膜スラブに垂直な磁場成分を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態におけるフォトニック結晶導波路の他の例を説明する図である。(a)は光導波路の上面図、(b)はAA'断面図である。
【符号の説明】
1、1A、5 光導波路
4 格子
2 Si層
3 SiO2層
10、20、30 光導波路
12、22、32 光導波部
11、21、31 誘電体薄膜スラブ
15、25 低屈折率柱
35 低屈折率円柱
16、26、36 上部クラッド層
17、27、37 下部クラッド層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a basic structure constituting various optical devices such as lasers and optical integrated circuits used for optical information processing, optical transmission, and the like, and a photonic crystal waveguide that can be used for optical components.
[0002]
[Prior art]
Since current optical devices perform light confinement with a difference in refractive index, the light confinement region cannot be reduced, and the element cannot be made small. Further, if a steep bent waveguide is formed in order to increase the degree of integration of elements, scattering loss occurs, so that the optical circuit cannot be miniaturized and integrated, and its size is much larger than that of an electronic device. Therefore, a photonic crystal capable of confining light with a completely different concept from the conventional one is expected as a new light material that can solve the above-mentioned problems.
[0003]
A photonic crystal is an artificial multidimensional periodic structure in which a periodicity equivalent to the wavelength of light is formed by two or more types of media having different refractive indexes, and is a light band structure similar to the electronic band structure. Have Therefore, a forbidden band of light (photonic band gap) appears in a specific structure, and a photonic crystal having the band functions as an insulator of light.
[0004]
It is theoretically pointed out that if a line defect that disturbs periodicity is introduced into a photonic crystal having a photonic band gap, a waveguide mode is formed in the frequency region of the band gap and an optical waveguide that completely confines light can be realized. (JD Joannopoulos, PRVilleneuve, and S. Fan, Photonic Crystal: putting a new twist on light, Nature 386, 143 (1997)). JD Joannopoulos et al. Show a line in which a column is not arranged in a two-dimensional photonic crystal in which a cylinder with a radius a / 5 having a refractive index as large as a semiconductor is arranged on a square lattice with a lattice constant a of the wavelength of light. Theoretically, it was shown that an optical waveguide can be constructed in which no scattering loss occurs in principle even when defects are introduced and bent at a steep angle. Such a waveguide can be a very important waveguide for constructing an ultra-small optical integrated circuit.
[0005]
In order to realize an optical waveguide for constructing such an ultra-small optical integrated circuit, it is necessary to realize a single waveguide mode within the photonic band gap frequency. This is because, when a multimode waveguide having a plurality of modes with different properties is used, for example, when a bending waveguide is manufactured, a part of the mode propagating in the bending portion is converted into a different mode, and the ultra-compact light This is because there is a disadvantage that a highly efficient bending waveguide required for an integrated circuit cannot be realized. In addition, the multimode waveguide is not suitable for high-speed communication.
[0006]
At present, several types of waveguides have been fabricated. However, it is technically very difficult to fabricate a waveguide in a three-dimensional photonic crystal having a full band gap. A method of making a waveguide using a photonic crystal is promising.
[0007]
When a two-dimensional photonic crystal is used as a waveguide, it is necessary to confine light in a direction perpendicular to the two-dimensional plane, and several methods have been proposed. Among them, a structure in which a thin film of a high refractive index semiconductor (refractive index of about 3 to 3.5) is attached on a low refractive index dielectric (often an oxide or polymer, a refractive index of about 1.5). A structure in which a two-dimensional photonic crystal is formed (oxide clad two-dimensional slab type photonic crystal) can be most easily manufactured in a large area, and various functional elements can be easily added to the same structure.
[0008]
In recent years, silicon dioxide (SiOI) called silicon-on-insulator (SOI) 2 ) Substrate with a silicon (Si) thin film on it has been applied to LSI, so that a very high quality one can be obtained. By using this substrate, a high quality oxide can be easily obtained. There is also an advantage that a clad type two-dimensional slab photonic crystal can be produced. Such an advantage cannot be obtained with other structures (for example, an air bridge type two-dimensional slab photonic crystal in which the upper and lower clads of the photonic crystal are air).
[0009]
As described above, the oxide clad type two-dimensional slab photonic crystal is advantageous in comparison with the air bridge type two-dimensional slab photonic crystal, etc., but this structure has the following problems. A waveguide structure that realizes a single waveguide mode within the photonic bandgap frequency has not been realized.
[0010]
In the waveguide mode caused by defects in an optical waveguide using a two-dimensional slab photonic crystal, light is strongly confined in the two-dimensional plane due to the presence of the photonic band gap as described above, and therefore, in-plane scattering is performed. Although there is no loss, in general, the mode is leaky in a higher frequency region than the light line of the clad, that is, light is likely to leak into the clad layer. (The light line is the minimum frequency at which light can propagate in the medium with respect to the propagation constant, w = ck / n (w: angular frequency, c: speed of light, n: refractive index, k: wave number) ). Therefore, it is customary to use a lower frequency region than the light line so that the guided light does not leak to the upper and lower cladding layers.
[0011]
FIGS. 1A and 1B are structural schematic diagrams of a typical air hole type single-line defect photonic crystal waveguide in a conventional example. 1A is a top view, and FIG. 1B is a cross-sectional view taken along the line BB ′ in FIG. In FIGS. 1A and 1B, 5 is an optical waveguide, 2 is a Si layer, and 3 is a cladding layer. 2
[0012]
Now, a typical two-dimensional photonic crystal having a photonic band gap has a structure in which columns with a high refractive index are arranged in the air, and air holes (low refractive index columns in the high refractive index plate as described above. Alternatively, it can be called a low refractive index cylinder). The former is a structure used by JD Joannopoulos et al., But this structure requires a cladding layer to support the column because the column cannot stand on its own. Since this layer has a higher refractive index than the air that forms the core of the line defect waveguide, it requires very long pillars to prevent light from leaking up and down the waveguide and is extremely difficult to fabricate. Become. On the other hand, since the latter air holes can be self-supporting, the selection of the cladding layer is free, and it is easy to make the refractive index of the core larger than that of the cladding layer, so there are less restrictions on fabrication, and light does not easily leak up and down Easy to select structural conditions.
[0013]
In addition, there are various patterns in the two-dimensional arrangement of photonic crystal holes using a high refractive index plate, but holes (cylinders or polygonal columns) are arranged in a triangular lattice pattern as shown in FIG. This structure is known as a pattern having a photonic band gap in a wide frequency band. This means that the frequency band in which this structure functions as an insulator with respect to light is wide, which is advantageous because a wide frequency selection range can be obtained when designing a waveguide.
[0014]
FIG. 2 is a diagram showing the waveguide mode dispersion of a typical single-line-drawn defect photonic crystal waveguide in the conventional example. When an oxide clad photonic crystal is used to form such a waveguide, the waveguide mode formed is as shown in FIG. Here, the angular frequency uses a dimensionless normalized frequency expressed by (lattice constant / wavelength), and the propagation constant uses a dimensionless normalized propagation constant expressed by (wave number / lattice constant / 2π). ing. FIG. 2 shows the clad (
[0015]
However, in the structure shown as the conventional example, the waveguide mode that satisfies the condition that light does not leak into the cladding layer is only the region surrounded by the ellipse below the light line in FIG. However, in this region, the gradient of the waveguide mode is very small, and the group velocity (energy propagation velocity) of the waveguide mode whose size is determined by this gradient is very small. In such an extremely small group velocity mode, the propagation time becomes long, so there are many problems when used as a waveguide and it is difficult to use. Furthermore, since there is some structural non-uniformity in a realistic structure, a mode with an extremely small group velocity is affected by slight non-uniformity and cannot propagate. In addition, the mode above the light line (on the high frequency region side) has too much diffraction loss due to the photonic crystal, and light cannot propagate. That is, light in the photonic crystal waveguide propagates while being perturbed by the periodic structure of the crystal, and light leaks to the cladding layer as a diffraction loss in the mode above the light line.
[0016]
When the inventor actually manufactured a single-row line defect waveguide, no propagation was observed in this waveguide. The cause of this problem is that there is no waveguide mode with a group velocity of a certain size that is practically easy to use below the light line determined by the cladding, and the diffraction loss is very large above the light line. There is.
[0017]
In order to use the mode below the light line, it is necessary to raise the light line or move the guided mode in the graph of FIG. 2, but as long as an oxide clad structure is employed, the position of the light line depends on the refractive index of the clad. Because it is limited by rate, it cannot be changed greatly.
[0018]
As for the guided mode, as long as the condition that a single guided mode is obtained within the band gap is imposed, it is difficult to give a certain large group velocity under the light line in the structure of FIG. Although the case of a triangular lattice has been described here, the situation becomes more difficult in the case of other crystal structures such as a tetragonal lattice, and there is no waveguide mode that meets the requirements. Thus, it is very difficult to use the mode below the light line.
[0019]
The above conventional technique will be described from another viewpoint.
[0020]
FIG. 3 is a diagram for explaining a conventional single-drawn line defect photonic crystal waveguide. (A) is a top view of an optical waveguide, (b) is an AA ′ sectional view, and (c) is a BB ′ sectional view.
[0021]
In FIG. 3, the optical waveguide 30 is composed of a dielectric thin film slab 31 (corresponding to the high refractive index plate) sandwiched between an upper clad
[0022]
Here, as an example, the refractive indexes of the dielectric
[0023]
Since the relative dielectric constant corresponds to the square of the refractive index, the relative dielectric constant or the dielectric constant may be used instead of the refractive index in the description in this specification.
[0024]
In addition, these refractive indexes are Si, air (vacuum), and SiO often used for forming this kind of waveguide for communication infrared rays having a wavelength of about 1.55 μm. 2 Corresponds to the refractive index of.
[0025]
FIG. 4 is a diagram for explaining a waveguide mode in the optical waveguide. (A) is the result of calculating the dispersion relation of guided modes that can pass through the optical waveguide by the plane wave expansion method with periodic boundary conditions (RDMeade et al., Physical Review B 48, 8434 (1993)). FIG. 3 is a diagram similar to FIG. 2. (B) is a figure which shows a magnetic field component perpendicular | vertical to the dielectric thin film slab of
[0026]
Each quantity in FIG. 4A is normalized by the lattice constant a and the speed of light c. The shaded area corresponds to the outside of the photonic band gap (J D. JoannoPoulos, R D. Meade, J N. Winn, “Photonic Crystals”, Princeton University Press, Princeton (1995)), and as a result, light is transmitted. A region (A. Mekis et al., Physical Review B 58, 4809 (1998)) that is not confined in the
[0027]
In the vertical hatched portion, there is no light confinement force due to the difference in refractive index between the dielectric
[0028]
As can be seen from the figure, the conventional optical waveguide 30 has two
[0029]
Of these two
[0030]
Of these guided
[0031]
Therefore,
[0032]
In addition, the fact that the frequency hardly changes even if the propagation constant changes means that the group velocity of the electromagnetic field is physically very slow. Therefore, there is a drawback that the propagation time becomes very long and the propagation loss due to the dielectric loss of the constituent material of the waveguide becomes large.
[0033]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above points, and is a slab that solves the problems of the photonic crystal waveguide described above, improves group velocity, and enables single mode propagation with reduced propagation loss. An object of the present invention is to provide a type two-dimensional photonic crystal waveguide.
[0034]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention can be configured as follows.
[0035]
The present invention relates to a slab type two-dimensional photonic crystal waveguide having a defect structure in which a part of a lattice of a slab type two-dimensional photonic crystal is removed in a straight line in the waveguide direction.
The first width, which is the width between the lattices on both sides of the defect portion in the defect structure, is defined as the space between the lattices on both sides of the defect portion in the normal defect structure except for one row of the lattice of the slab type two-dimensional photonic crystal. The second width is different from the second width.
[0036]
In the above structure, the first width of the defect portion is any value between 0.50 times and 0.85 times the second width.
[0037]
According to the present invention, an optical waveguide having a structure capable of forming a single waveguide mode having a large group velocity below the light line can be provided.
[0038]
The lattice may be an air hole type triangular lattice, and the slab type two-dimensional photonic crystal may have an oxide clad or a polymer clad. Furthermore, the slab type two-dimensional photonic crystal can be manufactured using a silicon-on-insulator (SOI) substrate.
[0039]
Further, in the above structure, the first width of the defect portion is wider than the second width, and the optical waveguide has a width having a single mode on a higher frequency side than the light line of the clad. be able to. Moreover, as such a width | variety, the 1st width | variety of the said defect part can be taken as the value in any one between 1.3 times and 1.6 times of the said 2nd width | variety.
[0040]
According to the present invention, it is possible to provide an optical waveguide having a structure capable of forming a low-loss single waveguide mode above a light line.
[0041]
The present invention can also be configured as follows.
[0042]
In the present invention, a dielectric thin film slab is provided with cylindrical or polygonal pillars having a lower refractive index than the dielectric thin film slab at appropriate two-dimensional periodic intervals, and the dielectric thin film slab is placed above and below the dielectric thin film slab. In a slab type two-dimensional photonic crystal waveguide sandwiched between an upper cladding layer and a lower cladding layer having a lower refractive index,
A dielectric column existing in a portion to be an optical waveguide is moved and arranged in the optical waveguide direction from a position of a two-dimensional periodic arrangement to be arranged in a normal slab type two-dimensional photonic crystal.
[0043]
The present invention can also provide an optical waveguide having a structure capable of forming a single waveguide mode having a large group velocity below the light line. The dielectric column is a low refractive index column having a refractive index lower than that of the dielectric thin film slab.
[0044]
In the above structure, the diameter of the dielectric column disposed in the optical waveguide unit is different from the diameter of the dielectric column other than the optical waveguide unit, and is in contact with other dielectric columns not disposed in the optical waveguide unit. It can be configured to be a value in the range without
[0045]
Further, the movement position of the dielectric pillar arranged in the optical waveguide portion is a position moved from the position of the two-dimensional periodic interval before shifting the position by a half distance of the two-dimensional periodic interval in the optical waveguide direction. You may comprise as follows.
[0046]
The photonic crystal has a structure having dielectric pillars arranged in a triangular lattice shape having a lattice constant a, the radius or half width of which is 0.2a to 0.45a, and the optical waveguide section The dielectric pillars arranged in the above can be configured to have a diameter that does not contact each other.
[0047]
The refractive index of the dielectric thin film slab material is between 3.0 and 4.5, and the refractive index of the material other than the dielectric thin film slab is between 1.0 and 1.7. Construct material.
[0048]
Further, in the above structure, the photonic crystal is a dielectric column arranged in a square lattice shape having a lattice constant a, a radius or a half width thereof is 0.35a to 0.45a, and the light guide A structure in which the dielectric pillars arranged in the wave portion have a diameter in a range not in contact with each other may be employed.
[0049]
Furthermore, silicon, germanium, a gallium / arsenic compound, an indium / phosphorus compound, or an indium / antimony compound is used for the dielectric thin film slab material, and silicon dioxide, A polyimide organic compound, an epoxy organic compound, an acrylic organic compound, air, or vacuum can be used.
[0050]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The optical waveguide according to the first and second embodiments of the present invention is an optical waveguide having a defect structure in which a part of the lattice of the slab type two-dimensional photonic crystal is removed in a straight line. The grid arrangement on both sides sandwiching the defect is shifted so that the width is narrower than the width of one row of the grid arrangement (first embodiment) or wider (second embodiment). It is structured. With such a structure, a structure having a single mode with a low loss and a large group velocity can be realized while using the optical confinement method based on the photonic band gap and the refractive index difference as described in the prior art.
[0051]
Further, the same effect can be obtained by shifting the position of one column of low refractive index columns (air holes, etc.) in the slab type two-dimensional photonic crystal in the optical waveguide direction or changing the hole diameter. (Third Embodiment)
[0052]
The slab type two-dimensional photonic crystal is a dielectric thin film slab provided with a low refractive index column having a lower refractive index than that of the dielectric thin film slab at an appropriate two-dimensional periodic interval. It is a photonic crystal in which the upper and lower sides of a thin film slab are sandwiched between an upper cladding layer and a lower cladding layer having a refractive index lower than that of a dielectric thin film slab.
[0053]
In addition, the width of one row of the above-described lattice arrangement is a width between lattices on both sides of a defect portion in a normal defect structure except for one row of lattices of the slab type two-dimensional photonic crystal.
[0054]
Each embodiment will be described below.
<First Embodiment>
First, a first embodiment of the present invention will be described.
[0055]
5A and 5B are schematic views of an
[0056]
That is, 0.2 μm
[0057]
The width of the defect in a normal single-line defect photonic crystal waveguide is simply defined as the distance between the centers of the
[0058]
FIG. 6 shows waveguide mode dispersion of an optical waveguide composed of a single-line-drawn defect photonic crystal waveguide according to the first embodiment of the present invention. FIG. 2 is shown in FIG. 7 corresponding to FIG. FIG. 7 shows the same as FIG. 2 ) Are overlaid with light lines. In the prior art shown in FIG. 7, the slope of the propagation mode below the light line (propagation mode corresponding to
[0059]
The wavelength region where light transmission was observed in the experiment coincided with the region where this guided mode exists, and by reducing the width, a single mode with a large group velocity was formed below the light line. Therefore, the light transmission is realized. As a result of calculating waveguide mode dispersion for various structural parameters by the time-domain finite difference method and the plane wave expansion method, a large group below the light line when the waveguide width is set between 0.50 W and 0.85 W. It was found that a guided mode with velocity was formed. Also in the experiment, light propagation was observed in this waveguide width range.
[0060]
8A and 8B show the theoretical calculation results of the waveguide mode dispersion when the waveguide widths are 0.85 W and 0.50 W. FIG. FIG. 8A shows the case of 0.85 W, and FIG. 8B shows the case of 0.50 W. When the waveguide width is between 0.85 W and 0.50 W, for example, as shown in FIG. 6 (in the case of 0.7 W), the transmission bandwidth of the waveguide is larger than the results of FIGS. 8A and 8B. Since it becomes wide, it turns out that it functions as a practical waveguide in this range.
[0061]
The reason why the above effect can be obtained by narrowing the width is as follows.
[0062]
As described in the prior art, in the typical single-line defect state shown in FIG. 2, the photonic band gap and a lower frequency region than the light line (hereinafter, this region is referred to as an α region). This mode (circled in the figure) has a very small group velocity and is not practical. Therefore, pay attention to the mode with the largest group velocity outside the band gap.
[0063]
When the waveguide width is narrowed, the refractive index is equivalently lowered, and this bottom mode can be shifted to the high frequency side. Thus, this mode can be used in the α region. Therefore, a mode with a large group velocity can be realized within the band gap and under the light line.
[0064]
As a method for lowering the refractive index of the waveguide portion, there are a method of using a medium having a small refractive index in the waveguide portion and a method of lowering the refractive index equivalently by making a hole in the waveguide portion. Note that a method corresponding to making a hole in the waveguide portion will be described in the third embodiment.
[0065]
<Second Embodiment>
Next, a second embodiment of the present invention will be described.
[0066]
FIG. 9 is a schematic diagram of an optical waveguide 1A made up of a single-line-drawn defect photonic crystal waveguide according to the second embodiment of the present invention. In the second embodiment, when a single line defect is formed in an oxide-clad type two-dimensional slab photonic crystal, the entire crystal lattice on both sides of the line defect is shifted to widen the defect width. A single waveguide mode having a small propagation loss is formed above the light line.
[0067]
That is, 0.2 μm
[0068]
The defect width of the second embodiment is 1.5 times that of one row of lattices. Also in this case, the definition of the width is expressed by a constant multiple, where W is the distance between the centers of the
[0069]
Next, the light transmission spectrum of each defect waveguide was measured. With one simple grating (with a width of 1.0 W), no light transmission was observed in the band gap wavelength region. On the other hand, in the optical waveguide 1A of the present embodiment having a width of 1.5 W, clear transmitted light was observed in a certain wavelength region within the band gap.
[0070]
FIG. 10 shows the waveguide mode dispersion of the optical waveguide 1A composed of the one-line-drawn defect photonic crystal waveguide according to the second embodiment of the present invention. As in FIG. 2, cladding (in this case SiO 2 ) Light lines are shown superimposed. The wavelength region in which light transmission was observed in the experiment coincides with the region where the even mode exists in the single mode region in the figure. In this case, a single mode region exists in the photonic band gap above the light line, but the diffraction loss is reduced and the leakage problem is solved by increasing the width. That is, a low-loss waveguide mode is formed despite being above the light line.
[0071]
FIG. 11 shows the single-mode bandwidth (indicated by the dotted line) above the light line of the single-line defect photonic crystal waveguide according to the second embodiment of the present invention and the waveguide width dependence of propagation loss ( FIG. The bandwidth is standardized at the center frequency of the single mode band. As shown in FIG. 11, when the waveguide width is increased from 1 W, the single mode bandwidth increases and then decreases. When the waveguide width exceeds 1.6 W, the single mode bandwidth cannot be obtained. This occurs because the mode within the photonic band gap in FIG. 10 shifts to the low frequency side by increasing the width. Propagation loss is reduced by increasing the width.
[0072]
As a result of calculating waveguide mode dispersion and propagation loss for various structural parameters by the time domain finite difference method, the propagation mode satisfying the single mode condition on the light line when the waveguide width is set to 1.6 W or less. It was found that the propagation loss becomes a practical loss value of 20 dB / mm or less at 1.3 W or more. Also in the experiment, light propagation was observed in this waveguide width range. That is, by setting the waveguide width to 1.6 W or less and 1.3 W or more, a propagation mode in which the propagation loss is less than the practical loss value and satisfies the single mode condition can be obtained.
[0073]
That is, it is difficult to realize a structure having a mode with a large group velocity on the lower frequency side than the light line of the clad in the wide waveguide, but the perturbation received from the crystal becomes small by widening the waveguide. As a result, the effect of increasing the group velocity and making it difficult to be diffracted appears. As a result, the propagation loss is effectively reduced despite the fact that it is in a higher frequency region than the light line of the cladding as shown in FIG. Will be able to. However, since the effective refractive index of the waveguide increases as the width increases, the single mode band shown in FIG. 10 shifts to the low frequency side as described above, and the single mode band gradually narrows. Therefore, to realize a single mode, the waveguide width needs to be 1.6 W or less.
[0074]
Now, a method for calculating a waveguide mode dispersion curve (FIGS. 6, 7, 10 and the like) used for explaining the present invention will be described here.
[0075]
This dispersion curve is obtained by analyzing the Maxwell equation by a calculation method called the FDTD method (Finite Difference Time Domain method), and the analysis method will be described below.
[0076]
First, the crystal band analysis performed in crystal engineering or the like will be briefly described. A periodic structure such as a crystal can be expressed by repeating a unit cell. It is a well-known fact that a field in such a structure is a Bloch wave. The band analysis is an operation of applying a periodic boundary condition that satisfies the Bloch condition to the boundary where the unit cells touch and extracting a field satisfying this condition as an eigenmode. At this time, the subject of analysis is the Schrödinger equation, and since the spatial potential distribution included in the equation varies depending on the material, various band structures exist. This concept is applied to a photonic crystal that is a periodic structure. However, since the object is light, not electrons, the equation handled is the Maxwell equation, and the refractive index (dielectric constant) distribution is used for calculation instead of the potential distribution.
[0077]
Next, an operation for extracting the eigenmode using the FDTD method will be described. The FDTD method is a method in which the Maxwell equation is differentiated between time and space, and an electromagnetic field of light propagating in a given structure (a spatial distribution of refractive index (dielectric constant)) is obtained by sequential calculation with respect to time. This is not a calculation method for directly obtaining eigenvalues. However, it is possible to obtain a mode suitable for a given structure by the following method.
[0078]
First, an appropriate initial field is given within a given structure. When performing sequential calculations, fields that fit the given structure survive and others are deceived. A frequency spectrum can be obtained by Fourier transforming the time change of this field. If a field suitable for a given structure exists, a peak appears in the frequency spectrum. At this time, the Bloch condition used for the calculation is a function of the wave number, so the frequency at which the peak appears is a function of the wave number. This is a band diagram of a photonic crystal.
[0079]
Next, mode calculation of a two-dimensional photonic crystal waveguide will be described. Basically, the same calculation method as described above is performed. However, in the photonic crystal used in the present invention, line defects are introduced inside the crystal, and the periodicity is broken in the direction perpendicular to the line defects. Therefore, the structure shown in FIGS. 12A to 12C is a unit cell. In other words, a periodic boundary condition that satisfies the Bloch condition is applied in the light propagation direction, and a periodic structure in which the waveguides are arranged at a distance that does not significantly interfere with each other in the orthogonal direction is realized at the mirror surface boundary. Set an area to absorb light leaking without being in mode.
[0080]
FIG. 12A shows the waveguide structure shown in FIG. 12B is a structure in which the dotted line portion shown in FIG. 12A is extracted, and FIG. 12C is a three-dimensional view of FIG. 12B, which is a unit cell of a photonic crystal waveguide. The wavenumber-frequency graph described above can be drawn by solving the Maxwell equation for this unit cell by the FDTD method. This is the dispersion curve shown in the description of the present invention.
[0081]
In this calculation, if the mode stays in the waveguide for a long time, modes other than the eigenmode can be picked up as a spectrum peak. Therefore, it is possible to analyze the leaky mode on the higher frequency side than the light line of the cladding layer, and this feature is an advantage that cannot be obtained by other eigenvalue analysis methods. This advantage is also utilized in the present invention. In addition, since this calculation method can calculate the confinement time of light in the waveguide, it has a feature that a theoretical propagation loss can be shown using a group velocity (energy propagation velocity) obtained from a dispersion curve.
[0082]
In the waveguide whose width is narrowed, it has been confirmed that there is a single mode region including not only the low frequency side of the light line of the cladding layer but also the high frequency side of the line.
[0083]
In the first and second embodiments, Si and SiO are used as the medium. 2 For example, silicon-on-insulator (SOI) can be used for manufacturing, but it is clear that the effects of the present invention are not limited to this material. When constructing a defect waveguide using a slab-type photonic crystal in which a low-refractive-index dielectric is generally disposed under a thin film of a high-refractive-index medium, the waveguide width is the same as in the above embodiment. It is generally possible to form a waveguide mode that satisfies the single mode condition below or above the light line by adjusting the.
[0084]
For example, a structure using a semiconductor such as gallium arsenide compound (GaAs, InGaAs, InGaAsP, etc.), indium / phosphorus compound (InP, etc.) instead of Si, or SiO 2 It is clear that the same effect can be expected even in a structure using a material such as polymer or alumina instead of. In addition, here, the lower cladding is made of SiO. 2 Although only the case where the upper part is air is described, the upper and lower sides are both SiO. 2 It is clear that the same effect can be expected even in a structure in which a dielectric cladding such as is arranged.
[0085]
<Third Embodiment>
Next, a third embodiment of the present invention will be described as Example 3-1 to Example 3-2.
[0086]
In this embodiment, a low-refractive index cylinder or a low-refractive index polygonal column having a refractive index lower than that of the dielectric thin film slab is optically guided to the optical waveguide portion of the conventional optical waveguide described with reference to FIGS. By providing it parallel to the direction, the frequency of the waveguide mode, the group velocity, etc. are improved.
(Example 3-1)
FIG. 13 is a diagram illustrating a slab type two-dimensional photonic crystal waveguide in Example 3-1. (A) is a top view of the optical waveguide, and (b) is a cross-sectional view taken along line AA ′. It is a figure explaining a wave structure.
[0087]
That is, cylinders made of a dielectric material having a refractive index lower than that of the dielectric thin film slab are arranged in a triangular lattice shape, and one column of these cylinders existing in the optical waveguide portion is arranged in the optical waveguide direction in the period of the triangular lattice (lattice It is a structure that is moved by a half distance of (constant). Further, if necessary, the diameter of the column arranged at this moving position is changed according to the optical waveguide characteristics.
[0088]
Here, as an example, the refractive index of the dielectric thin film slab 11, the low
[0089]
FIG. 14 is a diagram illustrating a waveguide mode in the photonic crystal waveguide according to Example 3-1 of the present invention. (A) is a figure which shows the dispersion | distribution relationship of a waveguide electromagnetic field mode, (b) is a figure which shows a magnetic field component perpendicular | vertical to the dielectric thin film slab of
[0090]
In this case, the dispersion relation of the waveguide electromagnetic field mode that can pass through the waveguide is as shown in FIG. In this case, there are three waveguide modes, and the electromagnetic field distribution of the first and
[0091]
Further, when this example is applied to a communication infrared light having a wavelength of about 1.55 μm, Si is applied to the dielectric thin film slab 11, air (or vacuum) is applied to the low
[0092]
In this example, the description is given assuming that the radius of the low refractive index column A13 disposed at the moving position of the
[0093]
In the above example, a cylindrical low-refractive index region is provided with a triangular lattice period in order to provide a photonic crystal outside the
[0094]
Further, in the above example, a cylinder is used for the low refractive index column A13 disposed at the movement position of the
[0095]
In addition, the refractive index of a cylinder or the like for providing a photonic crystal, the refractive index of a cladding sandwiching the dielectric thin film slab up and down, and the refractive index of a cylinder or the like provided in the waveguide section are the refractive If it is lower than the rate, the same effect can be expected even if the value is the same or different.
[0096]
In addition, regarding the material, when the guided light is in the infrared region for communication near the wavelength of 1.55 μm, the dielectric thin film slab has a high refractive index and can transmit infrared rays, and has few problems in workability and stability. As materials, silicon, germanium, gallium / arsenic compounds, indium / phosphorus compounds, indium / antimony compounds, and the like can be used. The refractive index of these materials is approximately between 3.0 and 4.5. In addition to the dielectric thin film slab in this case, silicon dioxide, polyimide organic compounds, epoxy organic compounds, materials with low refractive index, which can transmit infrared rays, and have few problems in workability and stability, Acrylic organic compounds, air, vacuum, etc. can be used as the material. The refractive index of these materials is approximately between 1.0 and 1.7.
[0097]
These materials can be used similarly in the first embodiment and the second embodiment. Also in the third embodiment, a slab type two-dimensional photonic crystal waveguide can be manufactured using a silicon-on-insulator (SOI) substrate.
[0098]
(Example 3-2)
FIG. 15 is a diagram illustrating a slab type two-dimensional photonic crystal waveguide according to Example 3-2 of the present invention. (A) is a top view of an optical waveguide, (b) is AA 'sectional drawing.
[0099]
In the previous Example 3-1, in order to provide a photonic crystal outside the
[0100]
In this case, the range of the diameter of the low refractive index column that gives the photonic crystal can be a range that allows the existence of the photonic band gap. According to the theoretical calculation by the plane wave expansion method, specifically, the refractive index of the dielectric thin film slab 21 is about 3 to 4.5, and the refractive index of the other low refractive index portions is about 1 to 1.7. In this case, the diameters of these low
In addition, the operating principle is the same as that of Example 3-1 for the supplemental matters regarding the improvement of the optical waveguide characteristics, the shape of the low refractive index column A, the refractive index of each part, and the material of each part described in Example 3-1. This is also true in the present embodiment.
[0101]
The present invention is not limited to the above-described embodiments, and various modifications and applications can be made within the scope of the claims.
[0102]
【The invention's effect】
As described above, the optical waveguide of the present invention is an optical waveguide having a defect structure in which a part of the lattice of the slab type two-dimensional photonic crystal is removed in a straight line, and the width of the defect structure is one row of the lattice arrangement. Because the structure of the lattices on both sides of the defect is shifted so that it is narrower than the width of the minute, the light of the structure that can form a single guided mode with a large group velocity below the light line A waveguide can be provided.
[0103]
Further, in the optical waveguide having a defect structure in which a part of the lattice of the slab type two-dimensional photonic crystal is removed in a straight line, the defect is formed so that the width of the defect structure is wider than the width of one column of the lattice arrangement. Since the arrangement of the grids on both sides of the sandwiched structure is shifted, it is possible to provide an optical waveguide having a structure capable of forming a single waveguide mode with a low loss above the light line.
[0104]
Furthermore, the position of the low-refractive-index column part constituting one row of the lattice of the slab type two-dimensional photonic crystal is made to be phased in the waveguide direction, and further, the lattice hole diameter is changed to be larger below the light line. An optical waveguide having a structure capable of forming a single waveguide mode having a group velocity can be provided.
[0105]
Therefore, according to the present invention, it is possible to provide an ultra-compact optical waveguide structure with improved group velocity and low loss.
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1A and 1B are structural schematic views of a typical single-line defect photonic crystal waveguide in a conventional row, in which FIG. 1A is a top view and FIG. 1B is a cross-sectional view along BB ′;
FIG. 2 is a diagram for explaining waveguide mode dispersion of a typical single-line-drawn defect photonic crystal waveguide in a conventional example.
FIGS. 3A and 3B are structural schematic diagrams of a typical single-line defect photonic crystal waveguide in a conventional row, where FIG. 3A is a top view of an optical waveguide, FIG. 3B is a cross-sectional view along AA ′, and FIG. It is BB 'sectional drawing.
4A and 4B are diagrams for explaining a waveguide mode in a typical single-line-drawn defect photonic crystal waveguide in a conventional row, and FIG. 4A is a diagram showing a dispersion relation of a waveguide electromagnetic field mode; (b) is a figure which shows a magnetic field component perpendicular | vertical to the dielectric thin film slab of
FIGS. 5A and 5B are schematic views of an optical waveguide composed of a single-line-drawn defect photonic crystal waveguide according to the first embodiment of the present invention, where FIG. 5A is a top view thereof, and FIG. 5B is a cross-sectional view along BB ′. is there.
FIG. 6 is a diagram for explaining waveguide mode dispersion of an optical waveguide composed of a single-line-drawn defect photonic crystal waveguide according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a diagram for explaining waveguide mode dispersion of a typical single-line-drawn defect photonic crystal waveguide in a conventional example.
FIG. 8 is a diagram showing a theoretical calculation result of waveguide mode dispersion when the waveguide width is 0.85 W (a) and 0.50 W (b).
FIGS. 9A and 9B are schematic views of an optical waveguide composed of a single-line-drawn defect photonic crystal waveguide according to a second embodiment of the present invention, where FIG. 9A is a top view and FIG. 9B is a cross-sectional view along BB ′; is there.
FIG. 10 is a diagram for explaining waveguide mode dispersion of an optical waveguide composed of a single-line-drawn defect photonic crystal waveguide according to the second embodiment of the present invention.
FIG. 11 illustrates propagation loss above the cladding light line of an optical waveguide composed of a single-line defect photonic crystal waveguide according to the second embodiment of the present invention and the dependence of the single mode bandwidth on the waveguide width. It is a figure to do.
FIG. 12 is a diagram for explaining mode calculation of a two-dimensional photonic crystal waveguide.
FIG. 13 is a diagram illustrating a photonic crystal waveguide according to a third embodiment of the present invention. (A) is a top view of an optical waveguide, (b) is AA 'sectional drawing.
FIG. 14 is a diagram illustrating a waveguide mode in a photonic crystal waveguide according to a third embodiment of the present invention. (A) is a figure which shows the dispersion | distribution relationship of a waveguide electromagnetic field mode, (b) is a figure which shows a magnetic field component perpendicular | vertical to the dielectric thin film slab of
FIG. 15 is a diagram illustrating another example of the photonic crystal waveguide according to the third embodiment of the present invention. (A) is a top view of an optical waveguide, (b) is AA 'sectional drawing.
[Explanation of symbols]
1, 1A, 5 Optical waveguide
4 lattice
2 Si layer
3 SiO 2 layer
10, 20, 30 Optical waveguide
12, 22, 32 Optical waveguide section
11, 21, 31 Dielectric thin film slab
15, 25 Low refractive index column
35 Low refractive index cylinder
16, 26, 36 Upper cladding layer
17, 27, 37 Lower cladding layer
Claims (6)
前記欠陥構造における欠陥部分の両側の格子間の幅である第1の幅を、前記スラブ型2次元フォトニック結晶の格子の1列を除いただけの通常の欠陥構造における欠陥部分の両側の格子間の幅である第2の幅より狭くした構造であって、
前記第1の幅が、前記スラブ型2次元フォトニック結晶導波路を透過する光に対し、クラッドのライトラインより低周波側でかつフォトニックバンドギャップ内において、当該第1の幅と第2の幅とが等しい導波路を透過する光の群速度よりも大きい群速度を有する単一モードを形成する幅であることを特徴とするスラブ型2次元フォトニック結晶導波路。In a slab type two-dimensional photonic crystal waveguide in which a part of the lattice of the slab type two-dimensional photonic crystal is linearly removed in the waveguide direction to form a defect structure,
The first width, which is the width between the lattices on both sides of the defect portion in the defect structure, is defined as the space between the lattices on both sides of the defect portion in the normal defect structure except for one row of the lattice of the slab type two-dimensional photonic crystal. A structure that is narrower than the second width,
When the first width is lower than the light line of the cladding and within the photonic band gap with respect to the light transmitted through the slab type two-dimensional photonic crystal waveguide, the first width and the second width A slab type two-dimensional photonic crystal waveguide characterized by having a width that forms a single mode having a group velocity larger than the group velocity of light passing through a waveguide having the same width.
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