JP3798172B2 - Variable displacement vane pump - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両のパワーステアリング装置に用いられる、可変容量型ベーンポンプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のパワーステアリング装置等に用いられる可変容量型ベーンポンプにおいて、ポンプ吐出流量に適切な特性を与えうるものが、本出願人による特願平10−248286号に提案がなされている。
【0003】
図4には、この特願平10−248286号の可変容量型ベーンポンプを示す。図示されるように、ベーンポンプは、アダプタリング103内にカムリング105を揺動自在に収容し、このカムリング105内に、複数のベーン111を備えたロータ106を回転自在に配設して構成される。カムリング105の両側には、第1の流体圧力室131と第2の流体圧力室132が画成され、これらの流体圧力室131、132の相反的な拡縮によりカムリング105の偏心量が決定される。
【0004】
ベーンポンプが作動すると、ベーン111により画成された吐出側圧力室の油圧は、可変オリフィス125を通って減圧されて、カムリング105の第2の流体圧力室132側に配設された制御プランジャ121内部に導入され、さらに吐出ポート118に導かれて、外部の油圧機器(例えばパワーステアリング装置)に供給される。また、この制御プランジャ121の先端部は、アダプタリング103の貫通穴103aを貫通して第2の流体圧力室132に達し、さらに制御プランジャ121内部に収容されたスプリング122によりカムリング105側面に押しつけられた状態となっている。
【0005】
ベーンポンプの回転数が上昇し、可変オリフィス125の上流圧と下流圧の差圧が大きくなると、この差圧により弁ポジションが変動する制御バルブ140が作動し、第1の流体圧力室131に、前記吐出側圧力室の油圧(可変オリフィス125の上流圧)が導入される。一方、第2の流体圧力室には、制御プランジャ121と貫通穴103aの間の隙間からなる絞り129Aまたは制御プランジャ121先端に設けられた絞り129Bを介して、可変オリフィス125の下流圧が導入されている。このため、可変オリフィス125の上流と下流の差圧が大きくなると、カムリング105は第2の流体圧力室132側に押し戻されて偏心量が小さくなるので、ポンプ吐出流量が減少していく。
【0006】
さらに、このカムリング105の動作により、カムリング105側面に当接する制御プランジャ121は後退し、制御プランジャ121の基端側が、可変オリフィス125の開口面積を狭めていく。
【0007】
このように、ポンプの高速回転領域では、カムリング105の偏心量の減少と可変オリフィス125の開口面積の縮小の効果が相まって、ポンプ吐出流量が小さな値で安定するような流量特性が得られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特願平10−248286号の可変容量型ベーンポンプは、第2の流体圧力室132の圧力に可変オリフィス125下流の油圧のみに依存するようになっているので、負荷圧(吐出ポート118の圧力)が変動すると、この圧力変動が第2の流体圧力室132の圧力に大きく影響してしまう。このため、カムリング105の動作が不安定となり、結果としてポンプの流量特性が安定しない問題点があった。
【0009】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、負荷圧が変動した場合でも安定した流量特性を得ることができる可変容量型ベーンポンプを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、駆動軸に対して偏心可能なカムリングと、このカムリングの内側に収容され前記駆動軸を中心に回転するロータと、このロータ外周に伸縮自在に備えられた複数のベーンと、これらのベーンの間に画成された吐出側ポンプ室からの作動流体を外部の油圧機器へ供給する吐出ポートと、前記カムリングの両側に形成された第1と第2の流体圧力室と、前記吐出側ポンプ室と前記吐出ポートとの間に設けられた可変オリフィスと、前記第1の流体圧力室に前記可変オリフィス上流圧を導入する第1の圧力導入手段と、前記第2の流体圧力室に前記ロータ回転数に応じた圧力を導入する第2の圧力導入手段と、前記カムリングの前記第2の流体圧力室側への動作に追従して収縮して前記可変オリフィスの開口面積を狭める制御プランジャと、この制御プランジャを前記カムリング側に付勢する付勢手段とを備えた可変容量型ベーンポンプにおいて、前記第2の圧力導入手段を、前記可変オリフィス上流圧を前記第2の流体圧力室に導入する第1の絞り手段と、前記可変オリフィス下流圧を前記第2の流体圧力室に導入する第2の絞り手段とから構成した。
【0011】
第2の発明では、前記第1と第2の流体圧力室は前記カムリング外周とアダプタリングとの間に画成され、前記制御プランジャと略同軸上にフィードバックピンを備え、このフィードバックピンを前記アダプタリングに形成した貫通穴に貫通させ、前記フィードバックピンの一端を前記制御プランジャに当接させ、他端を前記カムリングに前記第2の流体圧力室側から当接させるとともに、前記第の絞り手段を前記フィードバックピン外周と前記貫通穴の間に形成された環状隙間から構成した。
【0012】
【発明の作用および効果】
第1の発明では、第1の圧力導入手段により第1の流体圧力室に可変オリフィス上流圧が導入される一方、第2の流体圧力室には、第2の圧力導入手段を構成する第1と第2の絞り手段により、可変オリフィス上流圧と可変オリフィス下流圧が導入される。これにより、ポンプが高速回転領域に入って可変オリフィスの上流と下流の圧力差が大きくなると、第2の流体圧力室が縮小し、カムリングの偏心量が小さくなり、また可変オリフィスの開口面積が狭められるので、ポンプ高速化移転領域ではポンプ吐出流量が減少していく流量特性が得られる。この場合、第2の流体圧力室には、可変オリフィスの上流圧と下流圧の中間圧が導入されるようになっているので、第2の流体圧力室の圧力は、可変オリフィスの下流圧のみが導入される場合と比較して、負荷圧(吐出ポート)が変動した場合でも、この圧力変動の影響を受ける割合は少ない。したがって、カムリングの動作は安定したものとなり、安定したポンプ流量特性を得ることができる。
【0013】
また、第2の発明では、第2の流体圧力室へ可変オリフィス流圧を導入する環状隙間は、制御プランジャとは分離されたフィードバックピンと貫通穴の間に形成されるものであるので、環状隙間の開口面積は、制御プランジャの組み立て誤差による制約を受けることはなく設定できる。したがって、環状隙間によるダンピング効果を適切に設定でき、カムリングの動作を適切に安定化させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1、図2には、本実施の形態の可変容量型ベーンポンプを示す。
【0016】
図示されるように、ハウジング1の略円形の収容凹部1aには、その底面(最奥部の側面)側から、サイドプレート2、アダプタリング3が積層状態で収容される。アダプタリング3の内側には、円環状のカムリング5が、ピン4を回動支点として後述の駆動軸8の左右に揺動可能に支持されている。このカムリング5の内側には、ロータ6が収容される。また、収容凹部1aの開口端は、カバー7により封鎖され、アダプタリング3、カムリング5、ロータ6の側面(サイドプレート2と反対側の側面)は、カバー7に当接してシールされる。
【0017】
収容凹部1aの底面には貫通穴1bが形成され、この貫通穴1bには、駆動軸8がメタル軸受9を介して回転自在に支持される。また、この駆動軸8の先端側は、サイドプレート2、ロータ6を貫通して、カバー7に形成された支持穴7aに達し、この支持穴7aにメタル軸受10を介して回転自在に支持されている。また、ロータ6は、この駆動軸8とスプライン結合し、駆動軸8と一体に回転するようになっている。なお、駆動軸8は図示されない動力機関により回転駆動される。
【0018】
ロータ6の外周に形成された複数の切り欠きには、それぞれ、ベーン11がロータ6の半径方向に出没自在に収容される。これにより、駆動軸8の回転によりロータ6が回転すると、切り欠きから伸び出したベーン11の先端が、カムリング5の内周面に当接し、これらの各ベーン11の間に複数のポンプ室12が画成される。
【0019】
サイドプレート2には、キドニー型の高圧凹溝13Aと低圧凹溝14Aが形成される。高圧凹溝13Aと低圧凹溝14Aは、駆動軸8を挟んで対称な位置に形成され、それぞれ吐出側と吸込側のポンプ室12に臨むようになっている。また、カバー7には、ロータ6を挟んでサイドプレート2側の高圧凹溝13Aおよび低圧凹溝14Aと相対する位置に、キドニー型の高圧凹溝13Bと低圧凹溝14Bが形成され、それぞれ吐出側と吸込側のポンプ室12に臨んでいる。
【0020】
高圧凹溝13Aは、サイドプレート2を貫通する高圧通路15を介して、収容凹部1a底部(最奥部)に形成された高圧室16に連通する。この高圧室16は、後述するように可変オリフィス25を介して吐出ポート18と連通する。また、低圧凹溝14Bは、カバー7に形成された低圧通路17を介して、吸込ポート19(さらにはタンクT)と連通する。
【0021】
カムリング5は、前述したようにピン4を回動支点として駆動軸8の左右に揺動可能であり、図1に示すように駆動軸8に対して偏心した位置をとり得る。これにより、駆動軸8の回転とともにロータ6が図1の反時計回転方向に回転すると、この回転に伴って各ポンプ室12の容積が変わって行く。そして、この回転とともに拡大する吸込側(低圧凹溝14A、14B側)のポンプ室12には吸込ポート19からの作動油が吸い込まれる一方、この回転とともに縮小する吐出側(高圧凹溝13A、13B側)のポンプ室12からは吐出ポート18に向けて作動油が吐出される。
【0022】
ハウジング1の側部には、収容凹部1aに開口する(詳しくは、後述する第2の流体圧力室32に開口する)プラグ穴1cが形成される。このプラグ穴1cは、プラグ20が螺合状態で取り付けられることにより閉止される。
【0023】
このプラグ20の収容凹部1a側に延びる先端側にはシリンダ穴20aが開口し、このシリンダ穴20aには制御プランジャ21が摺動自在に収容される。この制御プランジャ21には、基端側に開口するプランジャ中空部21aが形成されている。このプランジャ中空部21a内にはスプリング22が収容される。このスプリング22は、シリンダ穴20aの底面とプランジャ中空部21aの底面との間に介装されており、制御プランジャ21をアダプタリング3側に付勢している。
【0024】
このように制御プランジャ21の中空部21a内にスプリング22を収容する構成を採ることにより、可変容量ポンプの小型化を図ることができる。なお、スプリング22をプランジャ中空部21aに収容できるほど小型化したとしても、後述するように、第1の流体圧力室31の反力F1には、スプリング22のバネ力FSとともに第2の流体圧力室32の反力F2が対抗するようになっているので、問題は生じない。
【0025】
制御プランジャ21の先端側(アダプタリング3側)には、フィードバックピン60が備えられ、制御プランジャ21と略同軸上に配設される。このフィードバックピン60は、基端が制御プランジャ21の先端に当接するとともに、アダプタリング3に形成された貫通穴3aを貫通して、先端がカムリング5の側面に当接する。
【0026】
このような構成により、制御プランジャ21の動作は、フィードバックピン60を介してカムリング5に伝達され、制御プランジャ21内のスプリング22のバネ力は、カムリング5をその最大吐出位置に付勢するように作用する。
【0027】
また、フィードバックピン60の外径と貫通穴3aの内径との間には、環状隙間61が形成され、第2の流体圧力室32は、流体室27(可変オリフィス25の下流側)と、この環状隙間61を介して連通する。この場合、制御プランジャ21をアダプタリング3の貫通穴3aに貫通させた場合と異なり、貫通穴3aに貫通するフィードバックピン60は制御プランジャ21と分離されているので、フィードバックピン60の外径と貫通穴3aの内径の設定には、制御プランジャ21をベーンポンプに組み込むときの組み立て誤差分を考慮する必要はない。したがって、環状隙間61の大きさは、第2の流体圧力室32と流体室27との間の絞り特性のみを考慮して設定することができ、第2の流体圧力室32の圧力制御の精度が高まる。
【0028】
プラグ20の外周の所定の位置には凹部20bが形成される。この凹部20bとプラグ穴1cの間に囲まれる領域に、環状の流体室23が形成される。また、凹部20bには、プラグ20の側面を貫通してプラグ20の外周側とシリンダ穴20aとを連通する可変オリフィス25が開口する。高圧室16からの作動油は、ハウジング1に形成された流体通路36を介して流体室23に導入され、さらに可変オリフィス25を介してシリンダ穴20aおよびプランジャ中空部21aに導入される。プラグ穴1cの開口端部にはOリング24が備えられ、流体室23のシールは確実になされるようになっている。
【0029】
可変オリフィス25の開口面積は、シリンダ穴20a内で摺動する制御プランジャ21の基端側エッジ21bにより調節される。すなわち、可変オリフィス25は、制御プランジャ21がシリンダ穴20a内に後退して来るにしたがって基端側エッジ21bと重なって、その開口面積が狭められるようになっている。
【0030】
制御プランジャ21の側面には、複数の貫通孔26が形成される。プランジャ中空部21aは、これらの貫通孔26を介して、ハウジング1の収容凹部1aとアダプタリング3の間に形成された流体室27に常時連通する。この流体室27は、連通路28を介して吐出ポート18に連通する。これにより、プランジャ中空部21aは、貫通穴26、流体室27および連通路28を介して、常時、吐出ポート18と連通している。
【0031】
アダプタリング3とカムリング5との間の隙間からなる空間は、ピン4およびアダプタリング3に固定されたシール30により、制御プランジャ21側の第2の流体圧力室32と、制御プランジャ21と反対側の第1の流体圧力室31とに画成される。これらの流体圧力室31、32は、ピン4を支点としたカムリング5の揺動により、相反的に拡大または縮小する。
【0032】
第2の流体圧力室32にはオリフィス62が開口し、第2の流体圧力室32はオリフィス62を介して高圧室16側(可変オリフィス25の上流側)と連通する。また、前述したように、第2の流体圧力室32は、フィードバックピン60と貫通穴3aの間に形成された環状隙間61(絞り)を介して、流体室27(可変オリフィス25の下流側)とも連通している。これにより、第2の流体圧力室32に導入される油圧は、可変オリフィス25の上流圧と下流圧の中間圧となる。
【0033】
可変容量型ベーンポンプには、制御バルブ40が一体に備えられる。
【0034】
この制御バルブ40のスプール41は、ハウジング1に形成されたシリンダ42に、基端側から摺動自在に収容される。シリンダ42の開口端はプラグ43により閉鎖される。スプール41の基端とシリンダ42の底部の間には、リターンスプリング44が介装され、スプール41はこのリターンスプリング44によりプラグ43側に付勢される。
【0035】
スプール41は、基端にランド部41aを備え、また軸方向の中央付近にランド部41bを備える。これらのランド部41a、41bにより、シリンダ42は、シリンダ42底面とランド部41a(スプール41基端)との間の低圧流体室45と、ランド部41a、41bの間のドレン流体室46と、ランド部41bとプラグ43との間の高圧流体室47とに画成される。
【0036】
低圧流体室45は、オリフィス48、流体圧力通路49を介して、可変オリフィス25下流の吐出ポート18と連通する。また、ドレン流体室46は、ドレンポート50からドレン通路57に接続され、タンクTに連通する。また、高圧流体室47は、流体圧力通路58に接続され、流体通路36から分岐する流体圧力通路59を介して高圧室16と連通する。
【0037】
さらに、ドレン流体室46および高圧流体室47は、スプール41の摺動位置にしたがって、ハウジング1に形成されシリンダ42に開口する流体圧力通路51およびアダプタリング3に形成されたオリフィス52を介して、第1の流体圧力室31に連通する。
【0038】
詳しく説明すると、図3に詳細に示すように、ランド部41bのスプール軸方向の略中央には、ランド部41b外周を1周する環状溝53が形成される。さらに、ランド部41bには、この環状溝53をドレン流体室46に連通させるように、スプール軸方向に沿ってスリット54が切り欠かれる。環状溝53と高圧流体室47とは、ランド部41bの切り欠かれていないシール部55でシールされる。このような構成により、ポンプ作動の初期においては、流体圧力通路51の開口は環状溝53およびスリット54を介してドレン流体室46にのみ連通しているが、ポンプ回転数(高圧流体室47に導入されるポンプ室圧)が上昇してスプール41(ランド部41b)が図の右方向に移動すると、流体圧力通路51は高圧流体室47と連通し始める。これにより、高圧流体室47から流体圧力通路51を介してドレン流体室46に向かう作動油の流れが生じ、流体圧力通路51と連通する第1の流体圧力室31の圧力は、高圧流体室47と流体圧力通路51との間の開度に応じて、メータイン制御されることになる。
【0039】
なお、このようなベーンポンプにおいて、ポンプ吐出流量特性は、制御バルブ40の形状、スプリング22のバネ特性、可変オリフィス25の形状や開口位置、環状隙間61の開口面積、オリフィス62の形状等により決まるので、制御バルブ40の変更、スプリング22の変更、および可変オリフィス25の形状や開口位置等の変更によって、自由に調整することができる。この場合、上述のようにスプリング22は制御プランジャ21のプランジャ中空部21a内部に収容され、スプリング22および可変オリフィス25はプラグ20のユニット(プラグ20、制御プランジャ21、スプリング22等からなるユニット)内に一体に含まれる構成となっているので、ポンプ回転数に対するポンプ吐出流量の特性変更は、このユニット交換によって、他のポンプ部品の変更を伴うことなく、極めて容易かつ低コストで行い得る。
【0040】
つぎに全体的な作用を説明する。
【0041】
可変容量型ベーンポンプの停止状態では、カムリング5は、図1に示すように、制御プランジャ21(スプリング22)に付勢されて、第1の流体圧力室31側に最大に偏心した位置にある。この状態からベーンポンプを作動させると、ロータ6の回転に伴い、ポンプ室12から高圧室16に作動油が吐出される。この高圧室16の作動油は、可変オリフィス25により減圧されて流体室27に導かれ、流体室27および連通路28を経て吐出ポート18から外部の油圧機器(例えばパワーステアリング装置)へと供給される。
【0042】
また、高圧室16の油圧は、流体圧力通路59を介して、制御バルブ40の高圧流体室47にも導入される。この場合、制御バルブ40のスプール41は、ポンプ作動の初期(ポンプ回転数が小さい低速回転領域)においては、リターンスプリング44のバネ力および低圧流体室45の油圧(高圧室16の油圧が可変オリフィス25および固定オリフィス61で減圧された圧力)に基づく反力により、プラグ43側に押し戻されている。このため、ランド部41bの環状溝53は、流体通路51の開口と重なる位置にあり、第1の流体圧力室31の圧力は流体通路51を介してドレンされており、カムリング5は第1の流体圧力室31側に最大に偏心した位置に保持されたままである。これにより、ポンプの低速回転領域においては、吐出ポート18からのポンプ吐出流量は、ポンプ回転数に比例して速やかに上昇していく。
【0043】
なお、このようなポンプ作動において、第2の流体圧力室32には、流体室27の圧力(可変オリフィス25の下流圧)は環状隙間61を介して導かれるとともに、高圧室16の油圧(可変オリフィスの上流圧)もオリフィス62を介して導入されている。
【0044】
このようにポンプ回転数が上昇して高速回転領域に至ると、可変オリフィス25を通過する流量が増大する。これにしたがって可変オリフィス25前後の差圧が増大し、制御バルブ40の高圧流体室47の圧力と低圧流体室45の圧力の差圧が大きくなって行く。この結果、制御バルブ40のスプール41は、リターンスプリング44のバネ力および低圧流体室45からの反力に抗して、高圧流体室47を拡大する方向(図1の右方向)に押し戻される。この結果、ランド部41bの環状溝53は、流体通路51の開口より図1の右側にまで移動し、流体通路51は高圧流体室47に連通する。
【0045】
この制御バルブ40の切り換えにより、それまでドレンされていた第1の流体圧力室31は、高圧流体室47に連通し、油圧が上昇する。これにより、カムリング5は、この第1の流体圧力室31の油圧(可変オリフィス25の上流圧)に基づく反力F1が、第2の流体圧力室32の油圧(可変オリフィス25の上流圧と下流圧の中間圧)に基づくF2と、スプリング22によるバネ力Fsとの和(F2+Fs)と釣り合うところまで、制御プランジャ21側に押し戻され、偏心量が小さくなって行く。
【0046】
カムリング5の偏心量が小さくなると、ポンプ回転に伴うポンプ室12の容積の変化量が小さくなり、これにしたがって、このポンプ室12の容積の変化量に比例する、ポンプの1回転に対するポンプ吐出流量(単位吐出流量)は小さくなる。さらに、このようにカムリング5の偏心量が小さくなると、カムリング5の動作に追従する制御プランジャ21の基端側エッジ21bにより、可変オリフィス25が次第に閉じられて行く。これにより、可変オリフィス25を介しての供給作動油流量が減少するとともに、この可変オリフィス25の開口面積の減少に伴って、可変オリフィス25による減圧が大きくなり、第2の流体圧力室32の油圧が下降するので、カムリング5の偏心量がさらに小さくなる。このようなカムリング5の偏心量の減少および可変オリフィス25の開口面積の減少の効果が相まって、ポンプの中速回転領域におけるポンプ吐出流量(単位吐出流量×ポンプ回転数)は、ポンプ回転数の上昇に対して減少して行く。
【0047】
このように本実施の形態の可変容量型ベーンポンプでは、ポンプの高速回転領域ではポンプ吐出流量が小さな値で安定するような特性を容易に得ることができるので、例えば可変容量型ベーンポンプをパワーステアリング装置に適用したときには、ポンプ回転数(エンジン回転数)が高くなる車両の高速走行時には、ポンプ吐出流量を減少させた状態で一定流量に(フラットに)安定させることができ、パワーステアリング装置からの油圧アシスト力を適切に制御できる。したがって、車両の高速走行時において、ステアリングが安定し、また不必要な作動油の供給によるエネルギーロスや作動油温度の上昇も併せて防止できる。
【0048】
そして、このようなポンプ流量制御において、カムリング5の偏心量は第1の流体圧力室31と第2の流体圧力室32の圧力バランスにより変動するが、本発明では特に特徴となる構成として、第2の流体圧力室32に可変オリフィス25の上流圧と下流圧の中間圧が導入されるようになっている。したがって、第2の流体圧力室32の圧力は、可変オリフィス25上流圧にも直接的に依存するので、第2の流体圧力室32に流体室27の圧力(可変オリフィス25の下流圧)のみを導入した場合と比較して、負荷圧変動による流体室27の圧力変動の影響を受ける割合は少ない。よって、カムリング5の動作は安定し、安定したポンプ流量特性を得ることができる。
【0049】
また、この場合、第2の流体圧力室32へ可変オリフィス25流の圧力を導入する環状隙間61は、制御プランジャ21とは分離されたフィードバックピン61と貫通穴3aの間に形成されるものであるので、環状隙間61の開口面積は、制御プランジャ21の組み立て誤差による制約を受けることはなく設定できる。したがって、環状隙間61によるダンピング効果を適切に設定でき、カムリング5の動作を適切に安定化させることができる。
【0050】
なお、上記の実施の形態では、可変オリフィス25を制御プランジャ21の基端側エッジ21bで開閉するようにしたが、本発明はこのような形態に限られるものではなく、例えば、制御プランジャ21の側面に可変オリフィス25と重なり得るように穿孔を形成し、可変オリフィス25がこの穿孔と重なる部分を、可変オリフィス25の開口面積とするような形態を採ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図2】同じく断面図である。
【図3】同じく制御バルブの一部を示す断面図である。
【図4】従来の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
4 ピン
5 カムリング
6 ロータ
8 駆動軸
11 ベーン
12 ポンプ室
18 吐出ポート
19 吸込ポート
20 プラグ
20a シリンダ穴
21 制御プランジャ
21a プランジャ中空部
21b プランジャ基端側エッジ
22 スプリング
25 可変オリフィス
31 第1の流体圧力室
32 第2の流体圧力室
40 制御バルブ
41 スプール
42 シリンダ
44 リターンスプリング
45 低圧流体室
46 ドレン流体室
47 高圧流体室
60 フィードバックピン
61 環状隙間
62 オリフィス
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an improvement of a variable displacement vane pump used for, for example, a power steering device of a vehicle.
[0002]
[Prior art]
Japanese Patent Application No. 10-248286 proposed by the present applicant has proposed a variable displacement vane pump used in a power steering device of a vehicle and the like that can give an appropriate characteristic to the pump discharge flow rate.
[0003]
FIG. 4 shows a variable displacement vane pump disclosed in Japanese Patent Application No. 10-248286. As illustrated, the vane pump is configured such that a cam ring 105 is swingably accommodated in an adapter ring 103, and a rotor 106 including a plurality of vanes 111 is rotatably disposed in the cam ring 105. . A first fluid pressure chamber 131 and a second fluid pressure chamber 132 are defined on both sides of the cam ring 105, and the eccentric amount of the cam ring 105 is determined by reciprocal expansion and contraction of the fluid pressure chambers 131 and 132. .
[0004]
When the vane pump is actuated, the hydraulic pressure in the discharge side pressure chamber defined by the vane 111 is reduced through the variable orifice 125 and inside the control plunger 121 disposed on the second fluid pressure chamber 132 side of the cam ring 105. Is further introduced into the discharge port 118 and supplied to an external hydraulic device (for example, a power steering device). The tip of the control plunger 121 passes through the through hole 103a of the adapter ring 103 and reaches the second fluid pressure chamber 132, and is further pressed against the side surface of the cam ring 105 by a spring 122 accommodated inside the control plunger 121. It is in the state.
[0005]
When the rotational speed of the vane pump increases and the differential pressure between the upstream pressure and the downstream pressure of the variable orifice 125 increases, the control valve 140 whose valve position fluctuates due to this differential pressure is operated, and the first fluid pressure chamber 131 is The hydraulic pressure in the discharge side pressure chamber (upstream pressure of the variable orifice 125) is introduced. On the other hand, the downstream pressure of the variable orifice 125 is introduced into the second fluid pressure chamber via a restriction 129A formed by a gap between the control plunger 121 and the through hole 103a or a restriction 129B provided at the tip of the control plunger 121. ing. For this reason, when the differential pressure upstream and downstream of the variable orifice 125 increases, the cam ring 105 is pushed back to the second fluid pressure chamber 132 side and the eccentric amount decreases, so that the pump discharge flow rate decreases.
[0006]
Further, the operation of the cam ring 105 causes the control plunger 121 that contacts the side surface of the cam ring 105 to retreat, and the proximal end side of the control plunger 121 narrows the opening area of the variable orifice 125.
[0007]
As described above, in the high-speed rotation region of the pump, a flow rate characteristic in which the pump discharge flow rate is stabilized at a small value can be obtained by combining the effect of reducing the eccentric amount of the cam ring 105 and the reduction of the opening area of the variable orifice 125.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, the variable displacement vane pump disclosed in Japanese Patent Application No. 10-248286 is dependent on only the hydraulic pressure downstream of the variable orifice 125 for the pressure in the second fluid pressure chamber 132. If the pressure of the second fluid pressure chamber fluctuates, this pressure fluctuation greatly affects the pressure of the second fluid pressure chamber 132. For this reason, the operation of the cam ring 105 becomes unstable, and as a result, there is a problem that the flow rate characteristic of the pump is not stable.
[0009]
The present invention has been made paying attention to such problems, and an object of the present invention is to provide a variable displacement vane pump that can obtain a stable flow rate characteristic even when the load pressure fluctuates.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In the first invention, a cam ring that can be eccentric with respect to the drive shaft, a rotor that is housed inside the cam ring and rotates around the drive shaft, and a plurality of vanes that are provided on the outer periphery of the rotor so as to be extendable and retractable. a discharge port for supplying working fluid to an external hydraulic device from the discharge-side pump chamber defined between these vanes, the first and second fluid pressure chambers formed on both sides of the cam ring, the A variable orifice provided between a discharge-side pump chamber and the discharge port; first pressure introducing means for introducing the variable orifice upstream pressure into the first fluid pressure chamber; and the second fluid pressure chamber. And a second pressure introduction means for introducing a pressure corresponding to the number of rotations of the rotor, and a control for shrinking the cam ring following the operation of the cam ring toward the second fluid pressure chamber to narrow the opening area of the variable orifice. Plastic And a biasing means for biasing the control plunger toward the cam ring side, the second pressure introducing means, the variable orifice upstream pressure being applied to the second fluid pressure chamber. The first throttle means to be introduced and the second throttle means to introduce the variable orifice downstream pressure into the second fluid pressure chamber.
[0011]
In the second invention, the first and second fluid pressure chambers are defined between an outer periphery of the cam ring and an adapter ring, and are provided with a feedback pin substantially coaxially with the control plunger, and the feedback pin is connected to the adapter. A through hole formed in the ring; one end of the feedback pin is brought into contact with the control plunger; the other end is brought into contact with the cam ring from the second fluid pressure chamber side; and the second throttle means Is formed from an annular gap formed between the outer periphery of the feedback pin and the through hole.
[0012]
Operation and effect of the invention
In the first invention, the variable orifice upstream pressure is introduced into the first fluid pressure chamber by the first pressure introducing means, while the second fluid pressure chamber includes the first pressure constituting the second pressure introducing means. The second orifice means introduces a variable orifice upstream pressure and a variable orifice downstream pressure. As a result, when the pump enters the high-speed rotation region and the pressure difference between the upstream and downstream of the variable orifice increases, the second fluid pressure chamber shrinks, the eccentric amount of the cam ring decreases, and the opening area of the variable orifice decreases. Therefore, a flow rate characteristic in which the pump discharge flow rate decreases can be obtained in the pump high-speed transfer region. In this case, since the intermediate pressure between the upstream pressure and the downstream pressure of the variable orifice is introduced into the second fluid pressure chamber, the pressure in the second fluid pressure chamber is limited to the downstream pressure of the variable orifice. Compared with the case where the pressure is introduced, even when the load pressure (discharge port) fluctuates, the proportion affected by this pressure fluctuation is small. Therefore, the operation of the cam ring becomes stable, and a stable pump flow rate characteristic can be obtained.
[0013]
Further, since the second aspect of the invention, the annular gap for introducing a variable orifice under fluid pressure to the second fluid pressure chamber, the control plunger is that formed between the through hole and separated feedback pin, cyclic The opening area of the gap can be set without being restricted by an assembly error of the control plunger. Therefore, the damping effect by the annular gap can be set appropriately, and the operation of the cam ring can be appropriately stabilized.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings.
[0015]
1 and 2 show a variable displacement vane pump according to the present embodiment.
[0016]
As shown in the drawing, the side plate 2 and the adapter ring 3 are accommodated in a laminated state in the substantially circular accommodating recess 1a of the housing 1 from the bottom surface (side surface of the innermost portion). An annular cam ring 5 is supported on the inner side of the adapter ring 3 so as to be swingable to the left and right of a drive shaft 8 to be described later with the pin 4 as a pivot. A rotor 6 is accommodated inside the cam ring 5. The opening end of the housing recess 1a is sealed by the cover 7, and the side surfaces (side surfaces opposite to the side plate 2) of the adapter ring 3, the cam ring 5, and the rotor 6 are in contact with the cover 7 and sealed.
[0017]
A through hole 1 b is formed in the bottom surface of the housing recess 1 a, and the drive shaft 8 is rotatably supported via the metal bearing 9 in the through hole 1 b. Further, the front end side of the drive shaft 8 passes through the side plate 2 and the rotor 6 and reaches a support hole 7 a formed in the cover 7, and is rotatably supported by the support hole 7 a via the metal bearing 10. ing. The rotor 6 is spline-coupled to the drive shaft 8 and rotates integrally with the drive shaft 8. The drive shaft 8 is rotationally driven by a power engine (not shown).
[0018]
The vanes 11 are accommodated in the plurality of notches formed on the outer periphery of the rotor 6 so as to be able to protrude and retract in the radial direction of the rotor 6. As a result, when the rotor 6 is rotated by the rotation of the drive shaft 8, the tip of the vane 11 extending from the notch comes into contact with the inner peripheral surface of the cam ring 5, and a plurality of pump chambers 12 are interposed between the vanes 11. Is defined.
[0019]
The side plate 2 is formed with a kidney type high-pressure groove 13A and a low-pressure groove 14A. The high-pressure groove 13A and the low-pressure groove 14A are formed at symmetrical positions with the drive shaft 8 in between so as to face the pump chambers 12 on the discharge side and the suction side, respectively. The cover 7 is provided with a Kidney-type high-pressure groove 13B and a low-pressure groove 14B at positions facing the high-pressure groove 13A and the low-pressure groove 14A on the side plate 2 with the rotor 6 interposed therebetween. It faces the pump chamber 12 on the side and the suction side.
[0020]
The high-pressure groove 13 </ b> A communicates with a high-pressure chamber 16 formed at the bottom (most innermost portion) of the housing recess 1 a through a high-pressure passage 15 that penetrates the side plate 2. The high pressure chamber 16 communicates with the discharge port 18 via a variable orifice 25 as will be described later. Further, the low pressure concave groove 14 </ b> B communicates with the suction port 19 (and further the tank T) via the low pressure passage 17 formed in the cover 7.
[0021]
As described above, the cam ring 5 can swing to the left and right of the drive shaft 8 with the pin 4 as a rotation fulcrum, and can take an eccentric position with respect to the drive shaft 8 as shown in FIG. As a result, when the rotor 6 rotates counterclockwise in FIG. 1 along with the rotation of the drive shaft 8, the volume of each pump chamber 12 changes with this rotation. Then, the hydraulic fluid from the suction port 19 is sucked into the pump chamber 12 on the suction side (low pressure concave grooves 14A and 14B side) that expands with this rotation, while the discharge side (high pressure concave grooves 13A and 13B) shrinks with this rotation. The hydraulic fluid is discharged from the pump chamber 12 on the side toward the discharge port 18.
[0022]
A plug hole 1c is formed in a side portion of the housing 1 so as to open into the housing recess 1a (specifically, open into a second fluid pressure chamber 32 described later). The plug hole 1c is closed when the plug 20 is attached in a screwed state.
[0023]
A cylinder hole 20a is opened at the distal end side of the plug 20 extending toward the accommodation recess 1a, and the control plunger 21 is slidably accommodated in the cylinder hole 20a. The control plunger 21 is formed with a plunger hollow portion 21a that opens to the proximal end side. A spring 22 is accommodated in the plunger hollow portion 21a. The spring 22 is interposed between the bottom surface of the cylinder hole 20a and the bottom surface of the plunger hollow portion 21a, and biases the control plunger 21 toward the adapter ring 3 side.
[0024]
By adopting a configuration in which the spring 22 is accommodated in the hollow portion 21a of the control plunger 21 as described above, the variable displacement pump can be reduced in size. Even if the spring 22 is reduced in size so as to be accommodated in the plunger hollow portion 21a, the reaction force F1 of the first fluid pressure chamber 31 includes the second fluid together with the spring force F S of the spring 22 as will be described later. Since the reaction force F2 of the pressure chamber 32 opposes, no problem occurs.
[0025]
A feedback pin 60 is provided on the distal end side (adapter ring 3 side) of the control plunger 21 and is disposed substantially coaxially with the control plunger 21. The feedback pin 60 comes into contact with the distal end of the control plunger 21 at the base end, passes through the through hole 3 a formed in the adapter ring 3, and comes into contact with the side surface of the cam ring 5.
[0026]
With such a configuration, the operation of the control plunger 21 is transmitted to the cam ring 5 via the feedback pin 60, and the spring force of the spring 22 in the control plunger 21 urges the cam ring 5 to its maximum discharge position. Works.
[0027]
Further, an annular gap 61 is formed between the outer diameter of the feedback pin 60 and the inner diameter of the through hole 3a, and the second fluid pressure chamber 32 is connected to the fluid chamber 27 (downstream of the variable orifice 25), It communicates via the annular gap 61. In this case, unlike the case where the control plunger 21 is passed through the through hole 3 a of the adapter ring 3, the feedback pin 60 passing through the through hole 3 a is separated from the control plunger 21. When setting the inner diameter of the hole 3a, it is not necessary to consider the assembly error when the control plunger 21 is incorporated into the vane pump. Accordingly, the size of the annular gap 61 can be set in consideration of only the throttling characteristics between the second fluid pressure chamber 32 and the fluid chamber 27, and the pressure control accuracy of the second fluid pressure chamber 32 can be set. Will increase.
[0028]
A recess 20 b is formed at a predetermined position on the outer periphery of the plug 20. An annular fluid chamber 23 is formed in a region surrounded by the recess 20b and the plug hole 1c. In addition, a variable orifice 25 that opens through the side surface of the plug 20 and communicates with the outer peripheral side of the plug 20 and the cylinder hole 20a opens in the recess 20b. The hydraulic oil from the high pressure chamber 16 is introduced into the fluid chamber 23 through the fluid passage 36 formed in the housing 1, and further introduced into the cylinder hole 20 a and the plunger hollow portion 21 a through the variable orifice 25. An O-ring 24 is provided at the opening end of the plug hole 1c so that the fluid chamber 23 is securely sealed.
[0029]
The opening area of the variable orifice 25 is adjusted by the proximal end edge 21b of the control plunger 21 that slides in the cylinder hole 20a. In other words, the variable orifice 25 overlaps with the proximal edge 21b as the control plunger 21 is retracted into the cylinder hole 20a, and the opening area thereof is narrowed.
[0030]
A plurality of through holes 26 are formed on the side surface of the control plunger 21. The plunger hollow portion 21 a always communicates with a fluid chamber 27 formed between the housing recess 1 a of the housing 1 and the adapter ring 3 through these through holes 26. The fluid chamber 27 communicates with the discharge port 18 via the communication path 28. Thus, the plunger hollow portion 21 a is always in communication with the discharge port 18 through the through hole 26, the fluid chamber 27 and the communication passage 28.
[0031]
A space formed by a gap between the adapter ring 3 and the cam ring 5 is separated from the second fluid pressure chamber 32 on the control plunger 21 side by the seal 30 fixed to the pin 4 and the adapter ring 3, and on the side opposite to the control plunger 21. The first fluid pressure chamber 31 is defined. These fluid pressure chambers 31 and 32 are reciprocally expanded or contracted by the swing of the cam ring 5 with the pin 4 as a fulcrum.
[0032]
An orifice 62 is opened in the second fluid pressure chamber 32, and the second fluid pressure chamber 32 communicates with the high pressure chamber 16 side (upstream side of the variable orifice 25) through the orifice 62. Further, as described above, the second fluid pressure chamber 32 is connected to the fluid chamber 27 (downstream of the variable orifice 25) via the annular gap 61 (throttle) formed between the feedback pin 60 and the through hole 3a. It communicates with. As a result, the hydraulic pressure introduced into the second fluid pressure chamber 32 becomes an intermediate pressure between the upstream pressure and the downstream pressure of the variable orifice 25.
[0033]
The variable displacement vane pump is integrally provided with a control valve 40.
[0034]
The spool 41 of the control valve 40 is accommodated in a cylinder 42 formed in the housing 1 so as to be slidable from the base end side. The open end of the cylinder 42 is closed by a plug 43. A return spring 44 is interposed between the base end of the spool 41 and the bottom of the cylinder 42, and the spool 41 is urged toward the plug 43 by the return spring 44.
[0035]
The spool 41 includes a land portion 41a at the base end and a land portion 41b near the center in the axial direction. With these land portions 41a and 41b, the cylinder 42 has a low-pressure fluid chamber 45 between the bottom surface of the cylinder 42 and the land portion 41a (spool 41 base end), a drain fluid chamber 46 between the land portions 41a and 41b, A high pressure fluid chamber 47 between the land portion 41 b and the plug 43 is defined.
[0036]
The low pressure fluid chamber 45 communicates with the discharge port 18 downstream of the variable orifice 25 through an orifice 48 and a fluid pressure passage 49. Further, the drain fluid chamber 46 is connected to the drain passage 57 from the drain port 50 and communicates with the tank T. The high pressure fluid chamber 47 is connected to the fluid pressure passage 58 and communicates with the high pressure chamber 16 via a fluid pressure passage 59 branched from the fluid passage 36.
[0037]
Furthermore, the drain fluid chamber 46 and the high pressure fluid chamber 47 are connected to each other through a fluid pressure passage 51 formed in the housing 1 and opened to the cylinder 42 and an orifice 52 formed in the adapter ring 3 according to the sliding position of the spool 41. The first fluid pressure chamber 31 communicates with the first fluid pressure chamber 31.
[0038]
More specifically, as shown in detail in FIG. 3, an annular groove 53 that makes one round of the outer periphery of the land portion 41b is formed at the approximate center in the spool axis direction of the land portion 41b. Further, a slit 54 is cut out in the land portion 41b along the spool axial direction so that the annular groove 53 communicates with the drain fluid chamber 46. The annular groove 53 and the high-pressure fluid chamber 47 are sealed by a seal part 55 that is not cut out of the land part 41b. With such a configuration, at the initial stage of pump operation, the opening of the fluid pressure passage 51 communicates only with the drain fluid chamber 46 via the annular groove 53 and the slit 54. When the spool pressure (introduced pump chamber pressure) rises and the spool 41 (land portion 41b) moves to the right in the figure, the fluid pressure passage 51 begins to communicate with the high pressure fluid chamber 47. As a result, a flow of hydraulic oil from the high pressure fluid chamber 47 to the drain fluid chamber 46 is generated via the fluid pressure passage 51, and the pressure of the first fluid pressure chamber 31 communicating with the fluid pressure passage 51 is increased. Meter-in control is performed in accordance with the opening between the fluid pressure passage 51 and the fluid pressure passage 51.
[0039]
In such a vane pump, the pump discharge flow characteristics are determined by the shape of the control valve 40, the spring characteristics of the spring 22, the shape and opening position of the variable orifice 25, the opening area of the annular gap 61, the shape of the orifice 62, and the like. It can be freely adjusted by changing the control valve 40, changing the spring 22, and changing the shape or opening position of the variable orifice 25. In this case, as described above, the spring 22 is accommodated in the plunger hollow portion 21a of the control plunger 21, and the spring 22 and the variable orifice 25 are in the unit of the plug 20 (unit comprising the plug 20, the control plunger 21, the spring 22 and the like). Therefore, the characteristic change of the pump discharge flow rate with respect to the pump rotational speed can be performed very easily and at a low cost without changing other pump parts by replacing the unit.
[0040]
Next, the overall operation will be described.
[0041]
In the stopped state of the variable displacement vane pump, the cam ring 5 is biased by the control plunger 21 (spring 22) and is at a position eccentric to the maximum at the first fluid pressure chamber 31 side, as shown in FIG. When the vane pump is operated from this state, hydraulic oil is discharged from the pump chamber 12 to the high pressure chamber 16 as the rotor 6 rotates. The hydraulic oil in the high pressure chamber 16 is depressurized by the variable orifice 25 and guided to the fluid chamber 27, and is supplied from the discharge port 18 to an external hydraulic device (for example, a power steering device) through the fluid chamber 27 and the communication path 28. The
[0042]
The hydraulic pressure in the high pressure chamber 16 is also introduced into the high pressure fluid chamber 47 of the control valve 40 through the fluid pressure passage 59. In this case, the spool 41 of the control valve 40 is configured so that the spring force of the return spring 44 and the hydraulic pressure of the low-pressure fluid chamber 45 (the hydraulic pressure of the high-pressure chamber 16 are variable orifices) at the initial stage of pump operation (low-speed rotation region where the pump speed is small). 25 and the pressure reduced by the fixed orifice 61). For this reason, the annular groove 53 of the land portion 41b is positioned so as to overlap with the opening of the fluid passage 51, the pressure of the first fluid pressure chamber 31 is drained through the fluid passage 51, and the cam ring 5 is The fluid pressure chamber 31 is held at the position eccentrically maximally. As a result, in the low-speed rotation region of the pump, the pump discharge flow rate from the discharge port 18 increases rapidly in proportion to the pump rotation speed.
[0043]
In such a pump operation, the pressure of the fluid chamber 27 (downstream pressure of the variable orifice 25) is guided to the second fluid pressure chamber 32 through the annular gap 61 and the hydraulic pressure of the high-pressure chamber 16 (variable). The upstream pressure of the orifice) is also introduced through the orifice 62.
[0044]
Thus, when the pump rotation speed increases and reaches the high speed rotation region, the flow rate passing through the variable orifice 25 increases. Accordingly, the differential pressure across the variable orifice 25 increases, and the differential pressure between the pressure in the high-pressure fluid chamber 47 and the pressure in the low-pressure fluid chamber 45 of the control valve 40 increases. As a result, the spool 41 of the control valve 40 is pushed back in the direction of expanding the high-pressure fluid chamber 47 (the right direction in FIG. 1) against the spring force of the return spring 44 and the reaction force from the low-pressure fluid chamber 45. As a result, the annular groove 53 of the land portion 41 b moves from the opening of the fluid passage 51 to the right side in FIG. 1, and the fluid passage 51 communicates with the high-pressure fluid chamber 47.
[0045]
By switching the control valve 40, the first fluid pressure chamber 31 that has been drained until then communicates with the high-pressure fluid chamber 47, and the hydraulic pressure increases. As a result, the cam ring 5 has a reaction force F1 based on the hydraulic pressure of the first fluid pressure chamber 31 (upstream pressure of the variable orifice 25), and the hydraulic pressure of the second fluid pressure chamber 32 (upstream pressure and downstream of the variable orifice 25). The pressure is pushed back to the control plunger 21 until the balance (F2 + Fs) of F2 based on the intermediate pressure) and the spring force Fs by the spring 22 (F2 + Fs) is balanced.
[0046]
When the amount of eccentricity of the cam ring 5 decreases, the amount of change in the volume of the pump chamber 12 accompanying the pump rotation decreases, and accordingly, the pump discharge flow rate for one rotation of the pump proportional to the amount of change in the volume of the pump chamber 12 (Unit discharge flow rate) becomes smaller. Further, when the eccentric amount of the cam ring 5 is reduced in this way, the variable orifice 25 is gradually closed by the proximal end edge 21b of the control plunger 21 following the operation of the cam ring 5. As a result, the flow rate of the supply hydraulic oil through the variable orifice 25 is reduced, and the pressure reduction by the variable orifice 25 is increased as the opening area of the variable orifice 25 is reduced. Is lowered, the amount of eccentricity of the cam ring 5 is further reduced. Such effect of reducing the opening area of the eccentric amount of reduced and variable orifice 25 of the cam ring 5 is waiting phase, the pump discharge flow rate in the middle speed rotation region of the pump (unit discharge flow rate × pump speed), the pump speed Goes down against the rise.
[0047]
As described above, in the variable displacement vane pump of the present embodiment, it is possible to easily obtain a characteristic that the pump discharge flow rate is stabilized at a small value in the high-speed rotation region of the pump. When applied to, the pump discharge flow rate can be stabilized at a constant flow (flat) while the pump discharge flow rate is reduced when the vehicle is running at high speed where the pump rotation speed (engine rotation speed) is high. The assist force can be controlled appropriately. Therefore, when the vehicle is traveling at high speed, the steering is stable, and energy loss and an increase in the operating oil temperature due to unnecessary supply of operating oil can be prevented.
[0048]
In such a pump flow rate control, the eccentric amount of the cam ring 5 varies depending on the pressure balance between the first fluid pressure chamber 31 and the second fluid pressure chamber 32. As a particularly characteristic configuration in the present invention, An intermediate pressure between the upstream pressure and the downstream pressure of the variable orifice 25 is introduced into the second fluid pressure chamber 32. Accordingly, since the pressure in the second fluid pressure chamber 32 also directly depends on the upstream pressure of the variable orifice 25, only the pressure of the fluid chamber 27 (downstream pressure of the variable orifice 25) is applied to the second fluid pressure chamber 32. Compared with the case where it introduces, the ratio which receives the influence of the pressure fluctuation of the fluid chamber 27 by a load pressure fluctuation is small. Therefore, the operation of the cam ring 5 is stable, and a stable pump flow rate characteristic can be obtained.
[0049]
Further, those in this case, the annular gap 61 into the second fluid pressure chamber 32 to introduce the pressure of the variable orifice 25 under flow, the control plunger 21 is formed between the feedback pin 61 which is separated through hole 3a Therefore, the opening area of the annular gap 61 can be set without being restricted by an assembly error of the control plunger 21. Therefore, the damping effect by the annular gap 61 can be set appropriately, and the operation of the cam ring 5 can be stabilized appropriately.
[0050]
Incidentally, in the above embodiment has been configured to open and close the variable orifice 25 at the base end side edge 21b of the control plunger 21, the present invention is not limited to such an embodiment, for example, the control plunger 21 A perforation may be formed on the side surface so as to overlap the variable orifice 25, and a portion where the variable orifice 25 overlaps the perforation may be an opening area of the variable orifice 25.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view of the same.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a part of the control valve.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a conventional variable displacement vane pump.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Housing 4 Pin 5 Cam ring 6 Rotor 8 Drive shaft 11 Vane 12 Pump chamber 18 Discharge port 19 Suction port 20 Plug 20a Cylinder hole 21 Control plunger 21a Plunger hollow part 21b Plunger proximal end edge 22 Spring 25 Variable orifice 31 First fluid Pressure chamber 32 Second fluid pressure chamber 40 Control valve 41 Spool 42 Cylinder 44 Return spring 45 Low pressure fluid chamber 46 Drain fluid chamber 47 High pressure fluid chamber 60 Feedback pin 61 Annular gap 62 Orifice

Claims (2)

駆動軸に対して偏心可能なカムリングと、
このカムリングの内側に収容され前記駆動軸を中心に回転するロータと、
このロータ外周に伸縮自在に備えられた複数のベーンと、
これらのベーンの間に画成された吐出側ポンプ室からの作動流体を外部の油圧機器へ供給する吐出ポートと、
前記カムリングの両側に形成された第1と第2の流体圧力室と、
前記吐出側ポンプ室と前記吐出ポートとの間に設けられた可変オリフィスと、
前記第1の流体圧力室に前記可変オリフィス上流圧を導入する第1の圧力導入手段と、
前記第2の流体圧力室に前記ロータ回転数に応じた圧力を導入する第2の圧力導入手段と、
前記カムリングの前記第2の流体圧力室側への動作に追従して収縮して前記可変オリフィスの開口面積を狭める制御プランジャと、
この制御プランジャを前記カムリング側に付勢する付勢手段と、
を備えた可変容量型ベーンポンプにおいて、
前記第2の圧力導入手段を、前記可変オリフィス上流圧を前記第2の流体圧力室に導入する第1の絞り手段と、前記可変オリフィス下流圧を前記第2の流体圧力室に導入する第2の絞り手段とから構成したことを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
A cam ring that can be eccentric with respect to the drive shaft;
A rotor housed inside the cam ring and rotating around the drive shaft;
A plurality of vanes provided on the outer periphery of the rotor to be extendable and retractable;
A discharge port for supplying a working fluid from a discharge-side pump chamber defined between these vanes to an external hydraulic device;
First and second fluid pressure chambers formed on both sides of the cam ring;
A variable orifice provided between the discharge side pump chamber and the discharge port;
First pressure introducing means for introducing the variable orifice upstream pressure into the first fluid pressure chamber;
Second pressure introducing means for introducing a pressure corresponding to the number of rotations of the rotor into the second fluid pressure chamber;
A control plunger that contracts following the operation of the cam ring toward the second fluid pressure chamber to narrow the opening area of the variable orifice;
Biasing means for biasing the control plunger toward the cam ring;
In variable displacement vane pump with
The second pressure introducing means includes a first throttle means for introducing the variable orifice upstream pressure into the second fluid pressure chamber, and a second for introducing the variable orifice downstream pressure into the second fluid pressure chamber. A variable displacement vane pump characterized by comprising a throttle means.
前記第1と第2の流体圧力室は前記カムリング外周とアダプタリングとの間に画成され、前記制御プランジャと略同軸上にフィードバックピンを備え、このフィードバックピンを前記アダプタリングに形成した貫通穴に貫通させ、前記フィードバックピンの一端を前記制御プランジャに当接させ、他端を前記カムリングに前記第2の流体圧力室側から当接させるとともに、前記第の絞り手段を前記フィードバックピン外周と前記貫通穴の間に形成された環状隙間から構成したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプ。The first and second fluid pressure chambers are defined between the outer periphery of the cam ring and an adapter ring, and are provided with a feedback pin substantially coaxially with the control plunger, and a through hole in which the feedback pin is formed in the adapter ring And the one end of the feedback pin is brought into contact with the control plunger, the other end is brought into contact with the cam ring from the second fluid pressure chamber side, and the second restricting means is connected to the outer periphery of the feedback pin. 2. The variable displacement vane pump according to claim 1, wherein the variable displacement vane pump is configured by an annular gap formed between the through holes.
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