JP3796543B2 - プラズマ対流予測装置、プラズマ対流予測方法 - Google Patents

プラズマ対流予測装置、プラズマ対流予測方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気圏電離圏におけるプラズマ対流の予測を行うプラズマ対流予測装置に関するものである。
太陽フレアに起因する宇宙環境の擾乱は、放射線による衛星障害のほかに電離層異常電離(デリンジャー現象)による船舶航空無線や海外放送の途絶、地磁気嵐による電力送電線や海底ケーブル電源線誘導電流障害、電離層嵐による衛星測位誤差や衛星画像劣化などを引き起こし、また、電離層嵐時には超高層大気が加熱され衛星軌道に影響を及ぼすドラッグを発生させる。そして、これらの影響により、衛星の落下や落下にいたらないまでも、太陽電池の劣化や衛星軌道を維持するための燃料消費が増えるなど、衛星打ち上げ当初の予想を超える事態が発生する恐れがある。また、近年のように、GPSを利用した精密な地形情報や航空機の着陸誘導などハイテク度を増す衛星時代には、宇宙環境の擾乱が深刻な障害をもたらす可能性がある。現在建設が進行している宇宙ステーションでは、宇宙飛行士が宇宙に滞在して仕事をし、将来は観光目的に一般の人々が宇宙に滞在することも当たり前になることが予想される。
このように、さまざまな影響を引き起こす太陽フレアに起因する宇宙環境の擾乱を予測するシステムとして、経験則に基づく予測モデルやこれを自動化したニューラルネットによる予測装置が考えられている(例えば、非特許文献1参照。)。
秋岡 眞樹、"宇宙天気予報からの期待"、[online]、[平成14年9月20日検索]、インターネット<URL:http://stesun8.stelab.nagoya−U.ac.jp/〜masuda/Solar−B/akioka.ppt>
しかしながら、上述のような予測装置では、磁気圏電離圏内のエネルギー伝送を考慮していないために、通常時の平均から大きく外れる地磁気嵐のような現象に対応することが困難であった。
そこで、本発明は、上述する問題を解決することを主たる課題とするものである。
すなわち、本発明は、太陽風や太陽の活動度を示す太陽パラメータを受け付ける太陽パラメータ受付部と、前記太陽パラメータ受付部で受け付けた太陽パラメータに基づき磁気圏及び電離圏におけるプラズマ対流を予測する予測部とを具備するプラズマ対流予測装置であって、前記予測部を、前記太陽パラメータに基づき昼間側磁気圏で発生する昼間側磁気圏電場を求める昼間側磁気圏電場演算部と、前記昼間側磁気圏電場演算部で求めた昼間側磁気圏電場を磁気圏から電離圏にポテンシャル電場を伝送させる磁気圏伝送線によって伝送させることにより昼間側電離圏における昼間側電離圏電場を求める昼間側電離圏電場演算部と、前記昼間側電離圏電場演算部で求めた昼間側電離圏電場を昼間側電離圏から夜側電離圏にポテンシャル電場を伝送させる地球電離圏間伝送線によって伝送させることにより夜側電離圏における夜側電離圏電場を求める電離圏伝送電場演算部と、前記電離圏伝送電場演算部で求めた夜側電離圏電場を電離圏から磁気圏にポテンシャル電場を伝送させる第2の磁気圏伝送線によって伝送させることにより夜側磁気圏における対流電場を求める対流電場演算部とを備えるように構成し、前記対流電場演算部で求めた対流電場を用いてプラズマ対流の予測を行うことを特徴とする。
ここで、本発明において、前記昼間側磁気圏電場演算部で求める「昼間側磁気圏電場」、前記昼間側電離圏電場演算部で求める「昼間側電離圏電場」、前記電離圏伝送電場演算部で求める「夜側電離圏電場」及び前記対流電場演算部で求める「対流電場」は、いずれも各部の演算によって求められる予測値と定義する。なお、「昼間側磁気圏電場」、「昼間側電離圏電場」又は「夜側電離圏電場」を各部の演算によって得られる予測値とせず、所定の観測手段によって観測した実測値とする態様も考えられる。
このような構成によれば、昼間側磁気圏で発生した昼間側磁気圏電場が、磁気圏伝送線によって昼間側電離圏へと伝送されて昼間側電離圏電場となり、そしてこの昼間側電離圏電場が、地球電離圏間伝送線によって夜側電離圏へと伝送されて夜側電離圏電場となり、さらにこの夜側電離圏電場が、第2の磁気圏伝送線によって磁気圏へと伝送されて対流電場となるといった演算が、昼間側磁気圏電場演算部、昼間側電離圏電場演算部、電離圏伝送電場演算部及び対流電場演算部において、いずれも電場エネルギーの伝播として扱われて行われるため、例えば、通常時の平均から大きく外れる地磁気嵐のような現象にも対応可能となり、電離圏の昼間側と夜側とで同時に発達するプラズマ対流を好適に予測することができる。
なお、予測精度を向上させるためには、前記電離圏伝送電場演算部を、夜側電離圏電場を求める際に、電離圏における電気伝導度を緯度情報、経度情報及び高度情報でモデル化した電離圏電気伝導度モデルを演算に用いるように構成することにより、昼間側電離圏電場から夜側に伝送した際に生じる電場の減衰を補正して夜側電離圏電場を求めることが望ましい。
また、予測部における演算負荷を軽減するためには、前記地球電離圏間伝送線が、昼間側電離圏及び夜側電離圏において2次元的あるいは3次元的に伝送する対流電場を1次元的にモデル化したものであることが好ましい。
さらに、より精度よくプラズマ対流を予測するためには、磁気圏における磁場をモデル化した磁気圏磁場モデルに基づき、前記対流電場演算部が対流電場を求めるように構成するとともに、この磁気圏磁場モデルを、磁気圏各部における刻々の電磁気的擾乱を定量的に示すパラメータを有するようにすればよい。
ところで、前記太陽パラメータの本発明における望ましい態様としては、太陽風磁場の方向、強度、太陽風速度及びイオン密度の各パラメータを含むものが挙げられる。
また、前記太陽パラメータを、所定の観測手段によって略リアルタイムに観測し、さらに、前記予測部で予測した予測結果を出力する予測結果出力部を設け、前記予測結果出力部が、前記予測部で求めた対流電場の影響を受け得ると推定される対象に対して予測結果を出力すれば、宇宙環境の現況や予報を報知する宇宙天気予報として利用することもできる。
ところで、プラズマ対流予測装置が、前記対流電場演算部で求めた対流電場に基づき、所定領域におけるプラズマ圧状態を求めるプラズマ圧状態演算部と、前記プラズマ圧状態演算部で求めたプラズマ圧状態に基づき、赤道面に発生する赤道環電流を求める赤道環電流演算部と、前記赤道環電流演算部で求めた赤道環電流が作り出すポテンシャル電場を、第2の伝送線上を伝送させることにより遮蔽電場を求める遮蔽電場演算部と、この遮蔽電場演算部で求めた遮蔽電場と前記対流電場とを比較する比較部と、前記比較部での比較結果に基づき、赤道面に生じる赤道逆向きジェット電流系の発生の予測を行う赤道逆向きジェット電流系発生予測部とを備えているものであれば、観測ポイントの少ない赤道面に、赤道逆向きジェット電流系が発生することを好適に予測することができる。
以上に詳述した本発明によれば、昼間側磁気圏電場演算部、昼間側電離圏電場演算部、電離圏伝送電場演算部及び対流電場演算部によって構成される予測部に、昼間側磁気圏から夜昼の電離圏のプラズマ対流さらに内部磁気圏、または夜側磁気圏尾部のプラズマ対流の間における電場エネルギーの伝播を記述可能な磁気圏伝送線、第2の磁気圏伝送線、地球電離圏間伝送線を具備させた構成とすることにより、磁気圏尾部まで伝搬する電磁エネルギーの量を定量的に演算することができ、太陽風磁場の変動にともなって変化する磁気圏、電離圏の各領域におけるポテンシャル電場の大きさや発達の遅延も得ることができるといった電離圏の昼間側と夜側とで同時に発達するプラズマ対流を好適に精度よく予測可能なプラズマ対流予測装置を提供することができる。
また、このようなプラズマ対流予測装置を用いれば、太陽面から放射されるプラズマ流である太陽風の変動による影響を予測することができるため、宇宙の放射線粒子による衛星機器障害や宇宙飛行士人体被爆が問題になる宇宙開発分野、放送・通信衛星を運用して一般のサービスをおこなう宇宙利用分野、地磁気嵐による送電線誘導電流障害が問題になる電力分野や海底ケーブル等の通信分野等で好適に利用することができる。すなわち、宇宙環境の現況や予報を報知する宇宙天気予報として利用することができる。
<第1実施形態>
以下、図1〜図12を用いて本発明の一実施形態について説明する。
本発明のプラズマ対流予測装置Pは、図1に示すように、太陽風や太陽の活動度を示す太陽パラメータを観測する所定の観測手段たる人工衛星Sから略リアルタイムにその太陽パラメータを受信する受信アンテナC1と、プラズマ対流の影響を受け得るとされる対象に所定の情報を送信する送信アンテナC2とを備える地上の観測センタC内に設けられるものであって、前記受信アンテナC1で受信した太陽パラメータに基づき磁気圏及び電離圏におけるプラズマ対流の予測を行いその予測結果を前記送信アンテナC2を介して前記対象に出力するように構成している。なお、本実施形態では、予測結果を送信する対象を航空機APとして説明するが、予測結果を送信する対象は、航空機APに限らず、船舶や宇宙ステーションに報知したりあるいは電力送電線や海底ケーブルといった通信回線などを管理する管理者に報知したりする実施態様も考えられる。また、テレビ放送やインターネット等の各種媒体を利用して不特定多数または特定した対象に報知しても構わない。
前記プラズマ対流予測装置Pは、一般的な情報処理機能を有した汎用コンピュータであり、図2に示すように、CPU101、内部メモリ102、HDD等の外部記憶装置103、前記受信アンテナC1及び送信アンテナC2と接続される通信インタフェース104、ディスプレイ105、マウスやキーボードといった入力手段106等を具備している。そして、このプラズマ対流予測装置Pに所定のプログラムをインストールし、そのプログラムに基づいてCPU101や周辺機器を共働させることにより、図3に示すように、太陽パラメータ受付部11、予測部12、予測結果出力部13等としての機能を具備させるように構成している。
以下、各部を詳述する。
太陽パラメータ受付部11は、前記受信アンテナC1で受信する太陽風や太陽の活動度を示す太陽パラメータを受け付けるものであって、前記通信インタフェース104等を利用して構成している。なお、本実施形態では、太陽風磁場の方向、強度、太陽風速度及びイオン密度を太陽パラメータとして受け付けるように設定している。
予測部12は、昼間側磁気圏電場演算部12a、昼間側電離圏電場演算部12b、電離圏電気伝導度モデル格納部12c、電離圏伝送電場演算部12d、磁気圏磁場モデル格納部12e、対流電場演算部12fの各部を備えるものである。
以下、これら各部をさらに詳述する。
昼間側磁気圏電場演算部12aは、前記太陽パラメータ受付部11で受け付けた太陽パラメータに基づき、昼間側磁気圏で発生する昼間側磁気圏電場を求めるものである。なお、この昼間側磁気圏電場を求める方法としては、例えば、Boyleの経験式を用いて求める方法を挙げることができる。
昼間側電離圏電場演算部12bは、前記昼間側磁気圏電場演算部12aで求めた昼間側磁気圏電場を磁気圏から電離圏にポテンシャル電場を伝送させる磁気圏伝送線T1によって伝送させることにより昼間側電離圏における昼間側電離圏電場を求めるものである。
この磁気圏伝送線T1は、図4に示すように、磁気圏Mから電離圏Iに向かって沿磁力線電流(Field−aligned currents、以下、「FACs」とする。)を伝送する伝送線T11と、電離圏Iから磁気圏Mに向かってFACsを伝送する伝送線T12とを有する環状の電離圏磁気圏電流回路によって模式的に示されるものであって、図4中の式(4.1)〜(4.4)によって、昼間側電離圏における昼間側電離圏電場を求めることができる。このときのより具体的な昼間側電離圏電場を求める演算方法としては、例えば、図5に示す等価回路T1Xを構成する各素子RΔx/2、CΔx等に適宜値を与えこれをシミュレートすることにより昼間側電離圏電場を求める方法が挙げられる。
電離圏電気伝導度モデル格納部12cは、電離圏における電気伝導度を緯度情報、経度情報及び高度情報でモデル化した電離圏電気伝導度モデルを格納するものであって、前記内部メモリ102や外部記憶装置103の所定領域に形成している。
電離圏伝送電場演算部12dは、前記昼間側電離圏電場演算部12bで求めた昼間側電離圏電場を昼間側電離圏から夜側電離圏にポテンシャル電場を伝送させる地球電離圏間伝送線によって伝送させることにより夜側電離圏における夜側電離圏電場を求めるものである。より具体的には、図6、図7に示すように、前記昼間側磁気圏電場演算部12aでもとめた昼間側電離圏電場によって生じるPoynting Fluxが磁気圏Mから電離圏Iへと伝送された際にこのPoynting Fluxが電離圏I及び地表面Gに沿って伝送される現象を、地球電離圏間伝送線によってモデル化し、このモデル化した地球電離圏間伝送線にPoynting Fluxを伝送させることによって夜側電離圏電場を求めるようにしたものである。このときの地球電離圏間伝送線T3は、昼間側電離圏及び夜側電離圏において3次元的に伝送するPoynting Fluxを、図8に模式的に示すように、電離圏の地表側面近傍ISと地表近傍GSとの間を伝送するように1次元的にモデル化したものを用いるように構成している。このようにして、1次元的にモデル化した地球電離圏間伝送線T3を用いることによって、図9中の式(9.1)によって、夜側電離圏における夜側電離圏電場を求めることができる。なお、本実施形態では、この式(9.1)によって夜側電離圏電場を求める際に、前記電離圏電気伝導度モデル格納部12cに格納している電離圏電気伝導度モデルを参照して、i0やVa等のパラメータ設定を適宜行うことにより、昼間側電離圏電場から夜側に伝送した際に生じる電場の減衰を補正した夜側電離圏電場を求めるように構成している。
磁気圏磁場モデル格納部12eは、刻々の電磁気的擾乱を定量的に示すパラメータによって磁気圏各部における磁場をモデル化した磁気圏磁場モデルを格納するものであって、前記内部メモリ102や外部記憶装置103の所定領域に形成している。
対流電場演算部12fは、前記電離圏伝送電場演算部12dで求めた夜側電離圏電場を電離圏Iから磁気圏Mにポテンシャル電場を伝送させる第2の磁気圏伝送線T2によって伝送させることにより夜側磁気圏における対流電場を求めるものである。より具体的には、この第2の磁気圏伝送線T2は、図10に示すように、電離圏Iに位置付けた一端(x=0)及び磁気圏Mに開放するように位置付けた他端(x=d)間の抵抗がx=0及びx=d間の伝送特性インピーダンスを示す抵抗R0となるように、前記磁気圏磁場モデル格納部12eに格納している磁気圏磁場モデルに基づきモデル化したものであって、この第2の磁気圏伝送線T2に速度cのPoynting Fluxを伝送させることにより、前記夜側電離圏電場から夜側磁気圏における対流電場を求め得るようにしている。なお、この抵抗R0は、x=0及びx=d間に与える入力電場を、x=0及びx=d間に流れる電流で割り算して求められる。
予測結果出力部13は、前記予測部12で予測した予測結果を、前記送信アンテナC2に出力することにより、前記予測部12で求めた対流電場の影響を受け得ると推定される対象に対して報知するように設定している。
次に、以上のように構成されるプラズマ対流予測装置Pを用いたシステムの動作について図11に示すフロー図等を用いて説明する。
図11は、プラズマ対流予測装置Pにおける、人工衛星Sから太陽風や太陽の活動度を示す太陽パラメータを略リアルタイムに受信した太陽パラメータに基づき、磁気圏及び電離圏におけるプラズマ対流の予測を行い、さらにその予測結果を、前記送信アンテナC2を介して航空機APに対して送信するまでの過程をフロー図で示したものである。
まず、前記太陽パラメータ受付部11が太陽パラメータを受け付けると(ステップS101)、昼間側磁気圏電場演算部12aがその太陽パラメータにBoyleの経験式を適用させ昼間側磁気圏で発生する昼間側磁気圏電場を計算する(ステップS102)。なお、このステップS102が、昼間側磁気圏電場演算ステップに相当する。
次に、この昼間側磁気圏電場演算部12aで求めた昼間側磁気圏電場を、昼間側電離圏電場演算部12bが、磁気圏から電離圏にポテンシャル電場を伝送させる磁気圏伝送線T1によって伝送させることにより昼間側電離圏における昼間側電離圏電場を求める(ステップS103)。なお、このステップS103が、昼間側電離圏電場演算ステップに相当する。
そして、電離圏伝送電場演算部12dが、昼間側電離圏電場演算部12bでもとめた昼間側電離圏電場を昼間側電離圏から夜側電離圏にポテンシャル電場を伝送させる地球電離圏間伝送線によって伝送させることにより夜側電離圏における夜側電離圏電場を求めるが、本実施形態では、この夜側電離圏電場を求める際に、前記電離圏電気伝導度モデル格納部12cに格納している電離圏電気伝導度モデルを参照し(ステップS104)、緯度情報、経度情報及び高度情報やi0やVa等のパラメータ設定を前記入力手段106を利用して適宜設定する(ステップS105)ことにより、昼間側電離圏電場から夜側に伝送した際に生じる電場の減衰を補正して(ステップS106)夜側電離圏電場を求める(ステップS107)ように構成している。なお、このステップS104からS107が、電離圏伝送電場演算ステップに相当する。また、このときのパラメータ設定は、入力手段106を用いずにコンピュータに自動的に行わせてもよい。
さらに、この電離圏伝送電場演算部12dで求めた夜側電離圏電場を、電離圏から磁気圏にポテンシャル電場を伝送させる第2の磁気圏伝送線T2によって伝送させることにより夜側磁気圏における対流電場を求める(ステップS108)。なお、このステップS108が、対流電場演算ステップに相当する。
ところで、これらステップS102からS108において、例えば、昼間側磁気圏から磁気圏伝送線T1を伝わり昼間側電離圏へポテンシャル電場を伝わる際には、10分程度の遅延時間が生じる。また、極域電離圏のポテンシャル電場は地球電離圏間伝送線を光速で伝わるが、夜側電離圏へ伝わる際に若干の時間遅れと振幅の減少が発生する。これらの総和を取る総合的な補正をさらに行うことにより(ステップS109)、図12に示すような太陽風パラメータによる電離圏磁気圏におけるプラズマ対流PTを定量的に予測して(ステップS110)、予測した結果を、例えば、ディスプレイ105に表示し(ステップS111)、さらに、予測した予測結果を前記送信アンテナC2を介して航空機APに対して送信する(ステップS112)。
以上に詳述したように、本実施形態のプラズマ対流予測装置Pは、予測部12を構成する昼間側磁気圏電場演算部12a、昼間側電離圏電場演算部12b、電離圏伝送電場演算部12d及び対流電場演算部12fの各部を、昼間側磁気圏から夜昼の電離圏のプラズマ対流さらに内部磁気圏、または夜側磁気圏尾部のプラズマ対流の間における電場エネルギーの伝播を記述可能な磁気圏伝送線T1、第2の磁気圏伝送線T2、地球電離圏間伝送線T3で構成することにより、磁気圏尾部まで伝搬する電磁エネルギーの量を定量的に求めることができ、太陽風磁場の変動にともなって変化する磁気圏、電離圏の各領域におけるポテンシャル電場の大きさや発達の遅延も精度よく得ることができる。
また、このようなプラズマ対流予測装置Pを用いれば、太陽面から放射されるプラズマ流である太陽風の変動による影響を予測することができるため、宇宙の放射線粒子による衛星機器障害や宇宙飛行士人体被爆が問題になる宇宙開発分野、放送・通信衛星を運用して一般のサービスをおこなう宇宙利用分野、地磁気嵐による送電線誘導電流障害が問題になる電力分野や海底ケーブル等の通信分野等で好適に利用することができる。
また、前記地球電離圏間伝送線を、昼間側電離圏及び夜側電離圏において2次元的あるいは3次元的に伝送する対流電場を1次元的にモデル化したものとしたため、予測部における演算負荷を軽減でき、好適に演算結果を得られる。
なお、本実施形態では、プラズマ対流予測装置Pを地上の観測センタC内に設けるように構成したが、設置する場所は宇宙ステーション内に設置するなど、地上だけに限られるものではない。
また、太陽パラメータ受け付ける太陽パラメータ受付部11は、人工衛星Sから略リアルタイムに受信したものを受け付けるように構成していたが、所定の記憶装置に格納している過去に観測した太陽パラメータを呼び出して受け付けるように構成しても構わない。さらに、シミュレーション的な値を太陽パラメータに用いるといった実施態様も考えられる。
<第2実施形態>
以下、図13〜図15等を用いて本発明の他の実施形態について説明する。
なお、第1実施形態と同一の名称及び符号を有するもので、且つ、特に説明なきものは、第1実施形態と同様の構成及び作用効果などを奏するものとして説明を省略する。
本発明のプラズマ対流予測装置Pは、第1実施形態と同様に、観測センタC内に設けられるものである(図1参照)。そして、受信アンテナC1で受信した太陽パラメータに基づき磁気圏及び電離圏におけるプラズマ対流および赤道逆向きジェット電流系の発生の予測を行い、その予測結果を前記送信アンテナC2を介してプラズマ対流または赤道逆向きジェット電流系のうち少なくとも一方の影響を受け得ると推定される対象に出力するように構成している。なお、予測結果を送信する対象は、所定のデータベースに予め登録管理される対象からプラズマ対流等の影響を受け得ると推定されるもの(例えば、図1の航空機AP)を選択して出力するようにしているが、登録管理されていないものであってもよい。登録管理されていないものに出力する方法としては、例えば、探知機などで探知して出力するものが挙げられる。また、プラズマ対流の影響を受け得ると推定する方法としては、例えば、プラズマ対流や赤道逆向きジェット電流系のエネルギーレベルが、対象の存在位置またはその近傍で、所定のレベル以上であれば、対象がその影響を受け得ると推定する方法が挙げられる。
プラズマ対流予測装置Pは、一般的な情報処理機能を有した汎用コンピュータである。そして、第1実施形態と同様のハードウエア構成を有している(図2参照)ので、その説明を省略する。また、このプラズマ対流予測装置Pに所定のプログラムをインストールし、そのプログラムに基づいてCPU101や周辺機器を共働させることにより、図13に示すように、太陽パラメータ受付部11、予測部12、予測結果出力部13等としての第1実施形態と同様の機能に加え、第2予測部2を備えてなる。
第2予測部2について説明をする。
第2予測部2は、プラズマ圧状態演算部2a、赤道環電流演算部2b、遮蔽電場演算部2c、比較部2d、赤道逆向きジェット電流系発生予測部2eの各部を具備するものである。
以下、これら各部を詳述する。
プラズマ圧状態演算部2aは、前記対流電場演算部12fで求めた対流電場に基づき、所定領域におけるプラズマ圧状態を求めるものである。なお、本実施形態では、この所定領域を赤道面としているが、これに限らず、例えば、所定領域を、赤道面を少なくとも含む領域或いは赤道面を含まない領域とすることもできる。
より具体的に、プラズマ圧状態演算部2aについて説明すると、プラズマ圧状態を示すプラズマ圧勾配∇Pは、下式(数1)および下式(数2)から求めることができる。
Figure 0003796543
ここで、Nは、プラズマ圧を決定するプラズマ圧分布におけるプラズマ密度である。また、VBは、プラズマ圧を決定するイオンの磁場内での運動速度である。また、Vdは、前記対流電場を速度で表現したものである。
Figure 0003796543
ここで、cは光速である。Jはプラズマ中のイオン運動が作り出す電流であって、前記VBより求められる。Bは地球磁場の磁束密度であって、第1実施形態で説明した磁気圏磁場モデル格納部12eに格納される磁気圏磁場モデルより与えられる。
赤道環電流演算部2bは、前記プラズマ圧状態演算部2aで求めたプラズマ圧状態を示すプラズマ圧勾配∇Pに基づき、赤道面に発生する赤道環電流J(図14、X1)を求めるものである。
より具体的に、赤道環電流演算部2bについて説明すると、赤道環電流Jは、下式(数3)から求めることができる。
Figure 0003796543
遮蔽電場演算部2cは、前記赤道環電流演算部2bで求めた赤道環電流が作り出すポテンシャル電場を、第2の伝送線たるR2FACs(Region−2 field−aligned currents)(図14、U2)上を伝送させることにより、遮蔽電場(図14、Ex)を求めるものである。
ここで、R2FACs(J||)は、下式(数4)により定義されるものである。
Figure 0003796543
より具体的に、遮蔽電場演算部2cについて説明すると、遮蔽電場Exは、下式(数5)と下式(数6)とから求めることができる。
式(数5)は、前記R2FACs(J||)から電離層電流Iを求めるためのものである。そして式(数5)で求めた電離層電流Iを式(数6)に代入して電離層での遮蔽電場Exを求めることができる。
Figure 0003796543
なお、χは、磁力線が電離層と成す角度であって、本実施形態では、略90度の値を与えるようにしている。
Figure 0003796543
なお、Exは、求める遮蔽電場である。また、VNは、電離層中の中性大気の速度であって、本実施形態では、0を値として与えるようにしている。
比較部2dは、前記遮蔽電場演算部2cで求めた遮蔽電場および前記対流電場のエネルギーの大きさを比較するものである。
赤道逆向きジェット電流系発生予測部2eは、前記比較部2dでの比較結果に基づき、赤道面に生じる赤道逆向きジェット電流系(図14、W1)の発生の有無の予測を行うものである。
より具体的に、この赤道逆向きジェット電流系発生予測部2eは、前記比較部2dが、前記遮蔽電場のエネルギーが前記対流電場のエネルギーよりも大きいと判断した際に、前記赤道逆向きジェット電流系が発生したと判断する一方、小さいと判断し際には前記赤道逆向きジェット電流系が発生しないと判断するものである。なお、この赤道逆向きジェット電流系発生予測部2eは、前述の判断する時に、赤道逆向きジェット電流系が既に発生していると判断することもできるし、将来、赤道逆向きジェット電流系が発生するであろうと判断をすることもできる。
予測結果出力部13は、前記予測部12で予測した予測結果を、前記送信アンテナC2を介して、前記対象に出力するものである。
次に、以上のように構成されるプラズマ対流予測装置Pの動作について図15に示すフロー図等を用いて説明する。
まず、第1実施形態で説明したようにして求めた対流電場に基づき、プラズマ圧状態演算部2aが、所定領域におけるプラズマ圧状態を求める(ステップS201)。このステップS201がプラズマ圧状態演算ステップに相当する。
そして、赤道環電流演算部2bが、プラズマ圧状態演算部2aで求めたプラズマ圧状態を示すプラズマ圧勾配∇Pに基づき、赤道面に発生する赤道環電流を求める(ステップS202)。このステップS202が赤道環電流演算ステップに相当する。
さらに、遮蔽電場演算部2cが、前記赤道環電流演算部2bで求めた赤道環電流が作り出すポテンシャル電場をR2FACs上を伝送させることにより、遮蔽電場Exを求める(ステップS203)。このステップS203が、遮蔽電場演算ステップに相当する。
つぎに、比較部2dが、遮蔽電場のエネルギーと対流電場のエネルギーとを比較して、遮蔽電場のエネルギーが対流電場のエネルギーよりも大きいと判断した際に(ステップS204)、赤道逆向きジェット電流系発生予測部2eが、赤道逆向きジェット電流系が発生していると判断する(ステップS205)。このステップS204が比較ステップに相当し、ステップS205が赤道逆向きジェット電流系発生予測ステップに相当する。
そして、予測結果出力部205が、赤道逆向きジェット電流系発生予測部2eの判断結果を前記対象に対して出力する(ステップS206)。
以上に詳述したように、本実施形態のプラズマ対流予測装置Pは、前記対流電場演算部12fで求めた対流電場に基づき、所定領域におけるプラズマ圧状態を求めるプラズマ圧状態演算部2aと、前記プラズマ圧状態演算部2aで求めたプラズマ圧状態に基づき、赤道面に発生する赤道環電流を求める赤道環電流演算部2bと、前記赤道環電流演算部2bで求めた赤道環電流が作り出すポテンシャル電場を、第2の伝送線上を伝送させることにより遮蔽電場を求める遮蔽電場演算部2cと、この遮蔽電場演算部2cで求めた遮蔽電場と前記対流電場とを比較する比較部2dと、前記比較部2dでの比較結果に基づき、赤道面に生じる赤道逆向きジェット電流系の発生の予測を行う赤道逆向きジェット電流系発生予測部2eとを備えているので、観測ポイントの少ない赤道面において発生する赤道逆向きジェット電流系のその発生を好適に予測することができる。
また、前記比較部2dが、前記遮蔽電場のエネルギーが前記対流電場のエネルギーよりも大きいと判断した際に、前記赤道逆向きジェット電流系発生予測部2eが、前記赤道逆向きジェット電流系が発生したと判断するように構成しているので、判断アルゴリズムが簡単且つ明瞭で、機器への組み込みが容易である。
また、前記赤道逆向きジェット電流系発生予測部2eでの予測結果を、該赤道逆向きジェット電流系の影響を受け得ると推定される対象に対して出力するため、例えば、赤道面上にある衛星であっても、プラズマ対流や赤道逆向きジェット電流系の発生を知ることができる。
なお、図13の破線(x)に示すように、遮蔽電場演算部での演算結果を、対流電場演算部12fにフィードバックさせてもよい。このようにすれば、遮蔽電場を考慮した精度の高い対流電場を求めることができる。
その他、本発明は以上に詳述した図示例に限られず、種々の変形が可能である。
本発明の実施形態における全体機器構成を模式的に示す全体機器構成図 同実施形態におけるプラズマ対流予測装置の内部機器構成図。 同実施形態におけるプラズマ対流予測装置の機能を示す機能構成図。 同実施形態における磁気圏伝送線を模式的に示す図。 同実施形態における磁気圏伝送線の等価回路を示す図。 同実施形態における磁気圏伝送線の磁気圏及び電離圏における結合状態を示す図。 同実施形態における磁気圏伝送線の電場分布を示す平面図。 同実施形態における地球電離圏間伝送線を模式的に示す図。 同実施形態における地球電離圏間伝送線の磁気圏及び電離圏における結合状態を示す図。 同実施形態における磁気圏伝送線を模式的に示す図。 同実施形態におけるプラズマ対流予測装置の動作を示すフロー図。 同実施形態における予測したプラズマ対流を示す図。 本発明の他の実施形態におけるプラズマ対流予測装置の機能を示す機能構成図。 同実施形態における赤道逆向きジェット電流系などを示す図。 同実施形態におけるプラズマ対流予測装置の動作を示すフロー図。
符号の説明
11・・・・太陽パラメータ受付部
12・・・・予測部
12a・・・昼間側磁気圏電場演算部
12b・・・昼間側電離圏電場演算部
12d・・・電離圏伝送電場演算部
12f・・・対流電場演算部
13・・・・予測結果出力部
2・・・・・第2予測部
2a・・・・プラズマ圧状態演算部
2b・・・・赤道環電流演算部
2c・・・・遮蔽電場演算部
2d・・・・比較部
2e・・・・赤道逆向きジェット電流系発生予測部
AP・・・・対象(航空機)
I・・・・・電離圏
M・・・・・磁気圏
P・・・・・プラズマ対流予測装置
PT・・・・プラズマ対流
S・・・・・所定の観測手段(人工衛星)
T1・・・・磁気圏伝送線
T2・・・・第2の磁気圏伝送線
T3・・・・地球電離圏間伝送線
X1・・・・赤道環電流
U1・・・・第2の伝送線(R2FACs)
Ex・・・・遮蔽電場
W1・・・・赤道逆向きジェット電流系

Claims (15)

  1. 太陽風や太陽の活動度を示す太陽パラメータを受け付ける太陽パラメータ受付部と、前記太陽パラメータ受付部で受け付けた太陽パラメータに基づき磁気圏及び電離圏におけるプラズマ対流を予測する予測部とを具備するプラズマ対流予測装置であって、
    前記予測部を、前記太陽パラメータに基づき昼間側磁気圏で発生する昼間側磁気圏電場を求める昼間側磁気圏電場演算部と、前記昼間側磁気圏電場演算部で求めた昼間側磁気圏電場を磁気圏から電離圏にポテンシャル電場を伝送させる磁気圏伝送線によって伝送させることにより昼間側電離圏における昼間側電離圏電場を求める昼間側電離圏電場演算部と、前記昼間側電離圏電場演算部で求めた昼間側電離圏電場を昼間側電離圏から夜側電離圏にポテンシャル電場を伝送させる地球電離圏間伝送線によって伝送させることにより夜側電離圏における夜側電離圏電場を求める電離圏伝送電場演算部と、前記電離圏伝送電場演算部で求めた夜側電離圏電場を電離圏から磁気圏にポテンシャル電場を伝送させる第2の磁気圏伝送線によって伝送させることにより夜側磁気圏における対流電場を求める対流電場演算部とを備えるように構成し、前記対流電場演算部で求めた対流電場を用いてプラズマ対流の予測を行うことを特徴とするプラズマ対流予測装置。
  2. 前記電離圏伝送電場演算部を、夜側電離圏電場を求める際に、電離圏における電気伝導度を緯度情報、経度情報及び高度情報でモデル化した電離圏電気伝導度モデルを演算に用いるように構成することにより、昼間側電離圏電場から夜側に伝送した際に生じる電場の減衰を補正して夜側電離圏電場を求めていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ対流予測装置。
  3. 前記地球電離圏間伝送線が、昼間側電離圏及び夜側電離圏において2次元的あるいは3次元的に伝送する対流電場を1次元的にモデル化したものであることを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ対流予測装置。
  4. 磁気圏における磁場をモデル化した磁気圏磁場モデルに基づき、前記対流電場演算部が、対流電場を求めることを特徴とする請求項1、2又は3記載のプラズマ対流予測装置。
  5. 前記磁気圏磁場モデルが、磁気圏各部における刻々の電磁気的擾乱を定量的に示すパラメータを有するものであることを特徴とする請求項4記載のプラズマ対流予測装置。
  6. 前記太陽パラメータが、太陽風磁場の方向、強度、太陽風速度及びイオン密度の各パラメータを含むものであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のプラズマ対流予測装置。
  7. 前記太陽パラメータが、所定の観測手段によって略リアルタイムに観測されるものであることを特徴とする請求項6記載のプラズマ対流予測装置。
  8. 前記予測部で予測した予測結果を出力する予測結果出力部を設け、前記予測結果出力部が、前記予測部で求めた対流電場の影響を受け得ると推定される対象に対して予測結果を出力するように構成していることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のプラズマ対流予測装置。
  9. 太陽風や太陽の活動度を示す太陽パラメータに基づき磁気圏及び電離圏におけるプラズマ対流を予測するプラズマ対流予測装置で用いるプラズマ対流予測方法であって、
    前記プラズマ対流予測装置が、前記太陽パラメータに基づき昼間側磁気圏で発生する昼間側磁気圏電場を求める昼間側磁気圏電場演算ステップと、前記昼間側磁気圏電場演算ステップで求めた昼間側磁気圏電場を磁気圏から電離圏にポテンシャル電場を伝送させる磁気圏伝送線によって伝送させることにより昼間側電離圏における昼間側電離圏電場を求める昼間側電離圏電場演算ステップと、前記昼間側電離圏電場演算ステップで求めた昼間側電離圏電場を昼間側電離圏から夜側電離圏にポテンシャル電場を伝送させる地球電離圏間伝送線によって伝送させることにより夜側電離圏における夜側電離圏電場を求める電離圏伝送電場演算ステップと、前記電離圏伝送電場演算部で求めた夜側電離圏電場を電離圏から磁気圏にポテンシャル電場を伝送させる第2の磁気圏伝送線によって伝送させることにより夜側磁気圏における対流電場を求める対流電場演算ステップとからなり、前記対流電場演算ステップで求めた対流電場を用いてプラズマ対流の予測を行うことを特徴とするプラズマ対流予測方法。
  10. 前記対流電場演算部で求めた対流電場に基づき、所定領域におけるプラズマ圧状態を求めるプラズマ圧状態演算部と、
    前記プラズマ圧状態演算部で求めたプラズマ圧状態に基づき、赤道面に発生する赤道環電流を求める赤道環電流演算部と、
    前記赤道環電流演算部で求めた赤道環電流が作り出すポテンシャル電場を、第2の伝送線上を伝送させることにより遮蔽電場を求める遮蔽電場演算部と、
    この遮蔽電場演算部で求めた遮蔽電場と前記対流電場とを比較する比較部と、
    前記比較部での比較結果に基づき、赤道面に生じる赤道逆向きジェット電流系の発生の予測を行う赤道逆向きジェット電流系発生予測部とを備えていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のプラズマ対流予測装置。
  11. 前記比較部が、前記遮蔽電場のエネルギーが前記対流電場のエネルギーよりも大きいと判断した際に、
    前記赤道逆向きジェット電流系発生予測部が、前記赤道逆向きジェット電流系が発生したと判断することを特徴とする請求項10記載のプラズマ対流予測装置。
  12. 前記プラズマ圧状態が、前記所定領域におけるプラズマ圧分布を示すものであることを特徴とする請求項10または11記載のプラズマ対流予測装置。
  13. 前記プラズマ圧分布が、前記所定領域におけるプラズマ圧勾配を示すものであることを特徴とする請求項12記載のプラズマ対流予測装置。
  14. 前記赤道逆向きジェット電流系発生予測部での予測結果を、該赤道逆向きジェット電流系の影響を受け得ると推定される対象に対して出力することを特徴とする請求項10、11、12又は13記載のプラズマ対流予測装置。
  15. 前記対流電場演算ステップで求めた対流電場に基づき、所定領域におけるプラズマ圧状態を求めるプラズマ圧状態演算ステップと、
    前記プラズマ圧状態演算ステップで求めたプラズマ圧状態に基づき、赤道面に発生する赤道環電流を求める赤道環電流演算ステップと、
    前記赤道環電流演算ステップで求めた赤道環電流が作り出すポテンシャル電場を、第2の伝送線上を伝送させることにより遮蔽電場を求める遮蔽電場演算ステップと、
    この遮蔽電場演算ステップで求めた遮蔽電場と前記対流電場とを比較する比較ステップと、
    前記比較ステップでの比較結果に基づき、赤道面に生じる赤道逆向きジェット電流系の予測を行う赤道逆向きジェット電流系発生予測ステップとからなることを特徴とする請求項9記載のプラズマ対流予測方法。
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