JP3789699B2 - Lignan antioxidant and method for producing the same - Google Patents

Lignan antioxidant and method for producing the same Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、抗酸化剤およびその製造方法に関するものである。さらに詳細には、超臨界水分解法を用いることにより、セサミンなどのリグナン化合物の分子内に存在するメチレンジオキシフェニル基をカテコール基に変換し、原料のリグナン化合物よりも抗酸化活性が増強されたリグナン化合物およびその製造方法に関する。本発明の方法により得られた抗酸化活性を有するリグナン化合物は、食品、化粧品および医薬品に配合し、抗酸化活性を付与することができる。
【0002】
【従来技術】
生体にとって酸素は必要不可欠なものであるが、酸素が生体内で還元されて活性酸素と呼ばれる一群の反応性の高い分子種になると、生体内でタンパク質、核酸、脂質などの標的分子を酸化し、障害を与えることが知られている。生物はこの酸素による障害を防ぐため、活性酸素の生成量を低く保ち、さらに生成した活性酸素を消去することによって標的分子の酸化を防いでいる。
【0003】
活性酸素としては、還元分子種であるスーパーオキシドアニオンラジカル(O2 -)、過酸化水素(H2O2)、ヒドロキシラジカル(・OH)および励起分子種である一重項酸素(1O2)などが知られている。また、細胞成分、例えば不飽和脂肪酸の酸化物である不飽和脂肪酸ペルオキシラジカル(LOO・)、不飽和脂肪酸ラジカル(L・)、不飽和脂肪酸ヒドロペルオキシド(LOOH)、不飽和脂肪酸アルコキシラジカル(LO・)なども同じ酸化障害作用を示す物質として知られている。
【0004】
生体内におけるこれら活性酸素の生成抑制や消去が十分に機能しない場合や、また活性酸素の生成が増加する物理的あるいは化学的な環境条件下では、活性酸素がタンパク質、核酸、脂質などの標的分子を酸化する。その結果、例えば老化、発癌、炎症、虚血性臓器障害、動脈硬化などの種々の障害や疾患が引き起こされる。生体内におけるこれらの活性酸素を消去する機構として、比較的寿命の長いO2 -、H2O2、LOOHは酵素により、その他の寿命の短い活性酸素はアスコルビン酸などの低分子化合物により消去される機構が考えられている。
【0005】
例えば赤血球内で生成したO2 -はほとんどすべてスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)で消去され、H2O2はカタラーゼやペルオキシダーゼによって消去される。一方、1O2はβ−カロチンやトコフェロールによって消去される。また消去作用を有する低分子化合物には、活性酸素のみならず脂質ラジカルを含め有機ラジカルの消去にも作用するものもあり、したがって活性酸素の生成抑制にも作用する場合も多い。
【0006】
活性酸素のうち、反応性が高く、生物に対する障害作用が最も大きいものは・OHである。・OHはほとんど細胞成分と拡散律速に近い速度で反応するため寿命が短く、これを消去する特別の機構を生物は持つことができないと考えられている。標的分子に接近して存在する成分でその損傷が生物に障害を与えないものは、ある程度・OHの消去作用を持つが、生物はむしろO2 -やH2O2をできるだけ完全に消去し、さらに遷移金属イオンを・OH生成を触媒しない形で存在させることにより、・OHの生成を抑制し酸化障害を防いでいると考えられている。
【0007】
これらの知見をもとにして、これまでに各種の抗酸化剤が開発されてきた。しかしながら実用化されているのは化学合成により工業的に製造されているものがほとんどである。例えば、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)やブチルヒドロキシトルエン(BHT)などの合成抗酸化剤が一般に用いられている。しかし、これらの合成抗酸化剤は安全性に問題があるとされている(特開平7-82554)。
【0008】
一方、天然物からも様々な抗酸化成分が見出されている。特に植物に広く含まれているフラボノイド類、例えば茶葉などに含まれているカテキンの抗酸化活性に関しては多くの報告がある(Chem. Pharm. Bull., 47, p.279−283 (1999);Biochimica et Biophysica Acta, 1427, p.13−23 (1999);および特開昭59-45385)。天然物由来の抗酸化剤は、野菜、果実、海藻、ハーブ、香辛料などから抗酸化成分を抽出し、これらに安定剤、賦形剤を混合して粉粒状、錠剤または液体状の形態にして用いられている。しかしながら、これらの天然物を原料にした抗酸化剤は、水またはアルコールなどの有機溶剤などを用いて天然物素材より抽出した抽出物そのものを抗酸化剤として用いることが多く、活性物質が特定されていないものが多かった。
【0009】
植物体に広く存在するカテキン、ケルセチン、エラグ酸のようなポリフェノール化合物は分子内にカテコール基を有しているため、一般的に抗酸化活性があるとされている。しかしながら、C6-C3化合物(フェニルプロパノイド)を1単位として、これが2分子で酸化重合しているリグナン化合物に分類されるセサミン、ピノレジノール、オイデスミン、ポドフィロトキシンなどといった化合物は、それらの化学構造中に存在するフェニル基がメチレンジオキシ基やメトキシ基で置換されているものが多く、抗酸化活性が弱い。したがって、これらリグナン化合物に抗酸化性を示すカテコール基を導入することができれば抗酸化活性を増強したリグナン化合物が得られることが期待できた。
【0010】
カテコール基は臭化アルミニウム(AlBr3)とエタンチオール(CH3CH2SH)を用いた分解反応によりメチレンジオキシフェニル基から変換できることが知られている(Chem. Lett., 97、1979)。しかしながら、メチレンジオキシフェニル基を有しかつベンジルエーテル基を有するようなリグナン化合物、例えばセサミンなどに対して上記分解反応を適用すると、ベンジル位が優先的に反応しカテコール基を得られないことが判明した(図1)。すなわち従来の有機合成反応で用いられてきた手法では1つの反応工程でメチレンジオキシフェニル基をカテコール基に変換することは不可能とみられている。
【0011】
また、セサミンやエピセサミンはBerozaらの方法(J. Am. Chem. Soc.、8, p.1242、1955)、Takanoらの方法(J. Chem. Soc.. Chem. Commun.、p.189、1988)あるいはSuginomeらの方法(J. Org. Chem.、60、p.3052、1995)により合成できることが知られている。よって、これらの方法を参考にしてメチレンジオキシフェニル基をカテコール基に置換したリグナン化合物の合成方法を考えられる。しかし、これらの合成方法では、多段階の反応工程で行うことが避けられない。
【0012】
超臨界流体に関しては、抽出、精製、合成、分解と様々な応用研究がなされている。超臨界水に関しては、PCBやダイオキシンの無害化などの研究(特開平9-327678)がなされている。また、バイオマスの分解反応についても研究され、超臨界水を溶媒として用い、天然または合成高分子化合物を選択的に加水分解または熱分解してポリマー類を構成単位もしくはそれらのオリゴマー程度の結合体まで分解する方法が報告されている(特開平5-31000)。具体的には紙、木材、わらなどのポリマー資源中に大量に含まれているセルロースからのグルコース生成、あるいはリグニン系材料の低分子化が報告されている(特開平5-31000)。タンパク質を超臨界状態の水で加水分解して種々のアミノ酸を製造することもできる(特開平9-268166)。
【0013】
しかしながら、リグナン化合物を超臨界状態の水と反応させることにより、分子内にカテコール基を有する化合物が得られることはこれまで知られていなかった。
【0014】
【発明により解決しようとする課題】
従来の方法により分子内にカテコール基を導入し抗酸化性を付与した化合物を得るためには、有機合成化学で知られる手法のエタンチオールと臭化アルミニウムを用いてメチレンジオキシベンゼンをカテコールに変換する方法を適応することが考えられる。しかし、リグナン化合物のように分子内にベンジルエーテル部位を持つ化合物に対してこの方法を用いると、ベンジルエーテル部位が優先的に反応して開環し、目的とするカテコール基を持ったリグナン化合物を得ることができない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として、メチレンジオキシフェニル基を有するリグナン化合物を超臨界状態の水と反応させることにより、1つの工程でメチレンジオキシフェニル基をカテコール基に変換できることを見出し、本発明を完成した。本発明の方法では前述したベンジルエーテル部位を開裂させずにメチレンジオキシフェニル基のみに反応を起こさせることができる。この方法により得られたカテコール基を有する化合物は原材料よりも強い抗酸化性を示すものであり、抗酸化剤として産業的利用が期待できる。
【0016】
【発明の実施の態様】
抗酸化剤は生体内で発生した活性酸素消去のためにも、また飲食物や医薬品などの安定化のためにも欠かせないものである。従来から安全性の高い天然素材由来の有効な抗酸化剤が望まれている。抗酸化活性の弱いリグナン化合物についても、分子内にカテコール基を導入することができれば良好な抗酸化活性を有するリグナン化合物となることが期待できた。
【0017】
カテコール基の導入は、臭化アルミニウム(AlBr3)とエタンチオール(CH3CH2SH)を用いてメチレンジオキシフェニル基をカテコール基に変換することにより可能であると考えられている。しかしながら、メチレンジオキシフェニル基を有しかつベンジルエーテル基を有するようなリグナン化合物、例えばセサミンやエピセサミンなどに対してこの分解反応を適用するとベンジル位が優先的に反応し、カテコール基の導入ができなかった。
【0018】
また、セサミンやエピセサミンについての有機合成方法は知られていることから、これらの方法を参考にしてカテコール基を有するリグナン化合物の合成方法も考えられるが、多段階の複雑な反応工程を経なければならない。したがって、従来の有機合成反応で用いられてきた手法ではリグナン化合物中の2つのメチレンジオキシフェニル基をカテコール基に1工程で変換することは困難と考えられていた。そこで、近年広い分野でその応用が研究されている超臨界水をカテコール基導入の反応に用いることを試みた。
【0019】
使用する材料
本発明では、原料としてリグナン化合物を使用する。リグナン化合物には、セサミン、エピセサミン、ピノレジノール、オイデスミンなどの化合物が知られている。本発明の方法では、リグナン化合物のうちでも特に、分子内にメチレンジオキシフェニル基を有する化合物、例えばセサミン、エピセサミンなどを原料として使用することが好ましい。本発明において使用するリグナン化合物は、例えば特開平3-27319に記載の方法により抽出することができる。本発明の方法では、これらリグナン化合物を超臨界水分解処理の原料として使用し、目的とする抗酸化剤を探索することができる。あるいは、ゴマ油の製造工程で生じる脱臭スカムを直接超臨界水分解処理の原料として用いて、目的とする抗酸化剤を探索することもできる
超臨界水分解反応の条件
本発明で用いることのできる超臨界水分解反応は、酸触媒を用いずに加水分解反応を行うことができる超臨界状態の水の性質を利用したものである。物質には固体、液体、気体の3つの状態がある。気体と液体が混じり合っている状態で徐々に温度を上げ、ある特定の温度と圧力(臨界点)を超えると、気体と液体の境界面が消失して両者が渾然一体となった流体の状態となる。こうした流体は超臨界流体といわれ、気体と液体の中間の性質を持つ高密度の流体である。すなわち液体のように種々の物質を溶解する性質とともに気体のように高い流動性を持っている。
【0020】
水の臨界点は温度374℃及び圧力221気圧であり、超臨界水とは、この臨界点を超えた特定の範囲の温度および圧力状態での水を意味する。超臨界水は温度、圧力に依存して密度、粘度、誘電率、イオン積および拡散係数等の値が連続的に変化する。反応溶媒として重要な指標である超臨界水への溶質の溶解度は密度の増大とともに大きくなることが知られている。溶解性にかかわるもう一つの重要な要素は誘電率である。誘電率は密度の増大とともに大きくなり、温度の上昇につれて減少することが知られている。
【0021】
超臨界状態のように温度が充分に高ければ誘電率は非常に小さくなり、超臨界水はイオン間の静電気力を遮蔽することがほとんどできなくなる。この条件下では溶解しているイオン種の多くはイオン対として存在することになり、したがって超臨界水は極性物質というよりも非極性物質として挙動する。超臨界状態の水のpHは約4であり、水素イオン濃度は1/10000となるが、同時に水酸イオン濃度も1/10000である。このように超臨界水は常温の液体での水と全く異なる性状であることがわかる。
【0022】
超臨界水分解反応に際して、分解反応させる化合物と水は、例えば化合物1に対して水を約1から1000の割合、好ましくは水約5から200の割合で混合する。反応容器は超臨界水反応を行うために適する任意のものでよく、製造規模に応じて適宜選択できる。例えば容量が約1 mlから10 L、好ましくは約10 mlから1 Lの密閉容器(好ましくはSUS合金等の金属製)を使用する。
【0023】
この容器中におおよそ30から40%(V/V)、好ましくは32から35%(V/V)の水を充填し、これに上記の割合で反応させる化合物を添加する。また、超臨界水分解反応は嫌気状態で行うことが好ましく、そのために容器内を脱気するか、窒素あるいはアルゴン等の不活性ガスで充分に容器内部及び水中の溶存酸素を置換して密閉する。反応は約374℃の温度(このときの圧力は約221気圧以上とする)から約500℃の温度(約300気圧以上)下において、水がいわゆる超臨界状態にある条件下で、あるいは約300℃(約150〜200気圧)を超えるいわゆる亜臨界状態の条件下で行うことができる。処理時間は、亜臨界状態または超臨界状態に達した後10分以内、好ましくは亜臨界状態または超臨界状態に達した後60秒以内である。処理の時間及び温度の条件は反応させる化合物の種類及び目的とする構造体により、あるいは製造規模などの各種条件によって、上記範囲から適宜選択することができる。
【0024】
抗酸化剤
本発明の一態様では、リグナン化合物を超臨界水分解反応することにより、リグナン化合物中のメチレンジオキシフェニル基のうち一方または両方をカテコール基に変換した抗酸化剤を製造した。具体的には、リグナン化合物の一つであるセサミンを超臨界水分解反応することにより、式(I):
【0025】
【化8】

Figure 0003789699
【0026】
および、式(II):
【0027】
【化9】
Figure 0003789699
【0028】
で示される化合物を得ることができ、リグナン化合物の一つであるエピセサミンを超臨界水分解反応することにより、式(III):
【0029】
【化10】
Figure 0003789699
【0030】
式(IV):
【0031】
【化11】
Figure 0003789699
【0032】
および式(V):
【0033】
【化12】
Figure 0003789699
【0034】
で示される化合物を得ることができた。
本発明の方法で得られる抗酸化組成物は、超臨界水により加水分解されて得られたものであるため、酸またはアルカリ等の加水分解触媒物質を全く含まないことを特徴としている。したがって、得られた抗酸化組成物は、医薬品、化粧品、食品等のいずれの分野においても安全に使用することができる。
【0035】
特に、本発明のセサミンまたはエピセサミンのジカテコール体化合物(式(II)および式(V)の化合物)は、抗酸化活性の評価の結果から、O2 -のみならず、・OHに対しても消去活性を示すことが明らかになった。これらの化合物が分子内にカテコール基を2つ持っているために、・OHに対しても消去活性が獲得できたと考えられる。
【0036】
本発明の方法で得られる抗酸化組成物は、活性酸素の影響により体内で生じる発癌、炎症、虚血性臓器障害、動脈硬化などの種々の障害や疾患、老化に対する治療用および/または予防用組成物として使用することができる。抗酸化組成物の投与経路は、経口投与が最も好ましいが、静脈内投与、腹腔内投与、皮下投与、筋肉内投与などであってもよい。経口投与に適した製剤には、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、溶液剤、シロップ剤などが含まれるが、これに限定されない。治療用および/または予防用組成物には、薬剤的に許容できる担体として、当該技術分野で公知の適当な賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着香料、着色剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などを含んでもよい。
【0037】
本発明の方法で得られた抗酸化組成物は、皮膚または粘膜の老化、発癌または炎症、もしくは皮膚の日焼けなどの皮膚または粘膜に関する種々の症状を治療しまたは改善するための経皮投与用外用医薬品または化粧品として使用することもできる。外用医薬品または化粧品として適した財形としては溶液剤、パップ剤、貼布剤などが含まれる。外用医薬品には、薬剤的に許容できる担体として、賦形剤、着香料、着色剤、溶解補助剤、懸濁剤などを含んでもよい。
【0038】
本発明の超臨界水分解反応により得られた抗酸化組成物は、食品の形で提供することもできる。好ましい食品の形態としては粉末、顆粒、ペースト状、ゼリー状などが挙げられる。さらに顆粒等にする場合は、甘味を加えるために乳糖などの糖類を加えることもできる。また、本発明の超臨界水分解反応で得られた抗酸化剤は、飲料の形で提供することもできる。このような食品または飲料には、リグナン化合物の他に、ビタミン剤、カルシウムなどの無機成分、アルコール類などを追加してもよい。この食品または飲料には、特定保健用食品、病者用食品等の範疇にあるものも含まれる。
【0039】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明するが、これにより本発明の範囲を限定するものではない。本発明の方法を種々変更、修飾して使用することが当業者には可能であり、これらも本発明の範囲に含まれる。
【0040】
実施例1 セサミン/エピセサミンからの抗酸化剤の製造
方法
セサミンとエピセサミンの混合物(6:4)200 mgをSUS合金製の反応容器(内容量10 ml)に入れ、窒素置換した蒸留水3.2 mlを添加し、反応容器内を窒素封入した後、熱電対を取り付けたネジ蓋にて密封した。400℃に保温中の樹脂製バスに反応容器を入れ、反応液の温度が水の臨界点である374℃に到達してから45秒後に反応容器を取り出し氷冷した。反応生成物はエタノールを用いて回収し、次の条件でHPLCを用い、分取、精製を行った後、凍結乾燥した;カラム:ODS−UG−5(20φ×250 mm、野村化学社製)、流速:5 ml/min、検出:280 nm、20%から80%アセトニトリルのグラジェント溶出(100分間)。超臨界水分解反応を行うことにより、セサミン(化合物A)はピークB及びピークCの生成物に、またエピセサミン(化合物D)はピークE及びピークFの生成物になることが判った(図2;図2の結果は、カラム:ODS−UG−5(4.6φ×150 mm、野村化学社製)、流速:1 ml/min、検出:280 nm、20%から80%アセトニトリルのグラジェント溶出(40分間)の条件下で得られた)。精製した生成物は質量と核磁気共鳴を測定し、構造分析および同定を行なった。
【0041】
化合物の分析結果
化合物 B (式( I )の化合物)
ピークBの質量分析 (M−H)-=341
ピークBの核磁気共鳴スペクトル
1H NMR(DMSO-d6中, TMS標準);8.84 ppm(brs, 2H), 6.90 ppm(d, J=1.4 Hz, 1H), 6.85 ppm(d, J=8.0 Hz, 1H), 6.82 ppm(dd, J=1.4, 8.0 Hz, 1H), 6.71 ppm(d, J=2.0 Hz, 1H), 6.66 ppm(d, J=8.0 Hz, 1H), 6.57 ppm(dd, J=2.0, 8.0 Hz, 1H), 5.97 ppm(s, 2H), 4.61 ppm(d, J=4.3 Hz, 1H), 4.52 ppm(d, J=4.3 Hz, 1H), 4.10 ppm(dd J=6.8, 8.9 Hz, 1H), 4.06 ppm(dd, J=6.8, 8.9 Hz, 1H), 3.71 ppm(dd, J=3.6, 9.1 Hz, 1H), 3.69 ppm(dd, J=3.6, 9.1 Hz, 1H), 2.95 ppm(m, 2H)
13C NMR(DMSO-d6中, TMS標準);147.5 ppm, 146.5 ppm, 145.1 ppm, 144.7 ppm, 135.6 ppm, 132.3 ppm, 119.4 ppm, 117.1 ppm, 113.6 ppm, 106.6 ppm, 100.9 ppm, 84.99 ppm, 84.97 ppm, 71.1 ppm, 70.8 ppm, 53.9 ppm, 53.6 ppm
化合物 C (式( II )の化合物)
ピークCの質量分析 (M−H)-=329
ピークCの核磁気共鳴スペクトル
1H NMR(DMSO-d6中, TMS標準);6.72 ppm(d, J=1.9 Hz, 2H)、6.66 ppm(d, J=8.1 Hz, 2H), 6.58 ppm(dd, J=1.9, 8.1 Hz, 2H), 4.51 ppm(d, J=4.2 Hz, 2H), 4.06 ppm(dd, J=6.8, 8.9 Hz, 2H), 3.67 ppm(dd J=3.4, 8.9 Hz, 2H), 2.92 ppm(m, 2H)
13C NMR(DMSO-d6中, TMS標準);145.0 ppm, 144.5 ppm, 132.3 ppm, 116.9 ppm, 115.2 ppm, 113.5 ppm, 84.9 ppm, 70.7 ppm, 53.6 ppm
化合物 E (式( III )および式( IV )の化合物)
ピークEの質量分析 (M−H)-=341
化合物 F (式( V )の化合物)
ピークFの質量分析 (M−H)-=329
抗酸化活性の評価
セサミンの超臨界水分解反応で得られたピークB及びCは、上に示したNMRスペクトルの解析からそれぞれ式(I):(1R,2S,5R,6S)−6−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3,7−ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン:
【0042】
【化13】
Figure 0003789699
【0043】
および式(II):(1R,2S,5R,6S)−2,6−ビス−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,7−ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン:
【0044】
【化14】
Figure 0003789699
【0045】
の化合物であると同定した。
一方、エピセサミンの超臨界水分解反応で得られた化合物も分子量342及び330の化合物であった。ピークEの化合物は、1H NMRを測定した結果、メチレンジオキシフェニル基由来のシグナルが2H分しか観測されず、その他のピークに関してはエピセサミンの1H NMRスペクトルに類似しており、エピセサミンの1ヶ所のメチレンジオキシフェニル基がカテコール基に変換された化合物であると同定できた。また、ピークFの化合物は、1H NMRを測定した結果、メチレンジオキシフェニル基由来のシグナルが全く観測されず、その他のピークに関してはエピセサミンの1H NMRスペクトルに類似しており、エピセサミンの2ヶ所のメチレンジオキシフェニル基が両方ともカテコール基に変換された化合物であると同定できた。
【0046】
これらのことから、ピークEの化合物は式(III):(1R,2S,5R,6R)−6−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3,7−ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン
【0047】
【化15】
Figure 0003789699
【0048】
および式(IV):(1R,2R,5R,6S)−6−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−3,7−ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン:
【0049】
【化16】
Figure 0003789699
【0050】
そしてピークFの化合物は式(V):(2R,6S)−2,6−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,7−ジオキサビシクロ[3,3,0]オクタン:
【0051】
【化17】
Figure 0003789699
【0052】
であると同定した。今回得られた分子内にカテコール基を2つ有する化合物、すなわち式(II)および式(V)で示される化合物は新規物質である。なお、HPLCのクロマトグラムのピークEには2つの化合物が混ざっており、式(III)および式(IV)で示される立体異性体の混合物であった。
【0053】
次に、これら超臨界水分解反応により得られた各化合物の収率を下に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0003789699
【0055】
実施例 2 ゴマ脱臭スカムからの抗酸化剤の製造
方法
ゴマ油製造過程の脱臭、脱色過程で生じる脱臭スカムはリグナン化合物を含有している。この脱臭スカムに対して超臨界水分解反応を行うことにより、抗酸化性を有する化合物を次のように得た。脱臭スカム1 gをSUS合金製の反応容器(内容量10 ml)に入れ、窒素置換した蒸留水3.2 mlを添加し、反応容器内を窒素封入した後、熱電対を取り付けたネジ蓋にて密封した。400℃に保温中の樹脂製バスに反応容器を入れ、反応液の温度が水の臨界点である374℃に到達してから45秒後に反応容器を取り出し氷冷した。反応物はエタノールを用いて回収した後、実施例1と同様の手法によりHPLCを用いて分取および生成物の分析を行った。この結果、式(I)〜(V)の化合物が主な生成物として生成していた。各化合物の収量は、式(I):4.5 mg、式(II):2.7 mg、式(III)及び(IV)の混合物:5.3 mg、式(V):2.5 mgであった。
【0056】
抗酸化活性の評価
セサミン及びエピセサミンの混合物(6:4)、式(I)で示される化合物(セサミンのモノカテコール体)、式(II)で示される化合物(セサミンのジカテコール体)、式(III)及び式(IV)で示される化合物の混合物(エピセサミンのモノカテコール体の異性体混合物)、式(V)で示される化合物(エピセサミンのジカテコール体)及びα−トコフェロールの抗酸化活性を下記に記載のようにして測定した。
【0057】
スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性の測定方法
スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性を以下に示した方法で調べた。2 mMのヒポキサンチン(0.1 M リン酸緩衝液、pH 7.4に溶解)50μl、5.5 mM のジエチレントリアミン五酢酸(同0.1 M リン酸緩衝液に溶解)35μl、200μMのサンプル(アセトニトリルに溶解)50μl、8.97 Mの5,5−ジメチル−1−ピロリン−N−オキシド(DMPO)15μlをマイクロチューブに添加して攪拌後、0.4 unit/mlのキサンチンオキシダーゼ(XOD)を50μl加えて更に10秒間攪拌する。反応液をフラットセルに入れ、ESR装置にセットし、キサンチンオキシダーゼを添加した時点から60秒後に磁場掃引を開始した。ESR測定条件は次のとおりである。Power:4 mW、C.Field:335.5 mT、SwWid(±):5 mT、SwTime :2 min、ModWid:0.1 mT、Amp:160、TimeC:0.1 sec、Temperature:20℃。
DMPO−OOHの4組のESRシグナルのうち最も定磁場側のシグナルの、内部標準のMn2+のシグナルの高さに対する比(S/M)をO2 -量とし、次式で表すように消去活性を算出した。
【0058】
O2 -消去活性(%)
=100−{100×(サンプル存在下のS/M)/(サンプル非存在下のS/M)}
ヒドロキシラジカル消去活性の測定方法
ヒドロキシラジカル消去活性を以下に示した方法で調べた。0.2 mM FeSO4、0.2 mMジエチレントリアミン五酢酸(0.1 Mリン酸緩衝液、pH 7.4に溶解)75μl、1 mMのサンプル(アセトニトリルに溶解) 50μl 、0.897 MのDMPO(0.1 M リン酸緩衝液、pH 7.4に溶解)20μlをマイクロチューブに入れて攪拌後、10mMのH2O2(0.1 Mリン酸緩衝液、pH 7.4に溶解)75μlを加えて更に10秒間攪拌した。反応液をフラットセルに入れ、ESR装置にセットし、H2O2を添加してから60秒後に磁場掃引を開始した。ESR測定条件は次のとおりである。Power:4 mW、C.Field:335.5 mT、SwWid(±):5 mT、SwTime:2 min、ModWid:0.1 T、Amp:160、TimeC:0.1 sec、Temperature:20℃。DMPO−OHの4本のESRシグナルのうち最も定磁場側のシグナルの、内部標準のMn2+のシグナルの高さに対する比(S/M)で・OH量とし、次式で表すように活性の強さを算出した。
【0059】
OH消去活性(%)
=100−{100×(サンプル存在下のS/M)/(サンプル非存在下のS/M)}
1,1 −ジフェニル− 2 −ピクリルヒドラジン( DPPH )消去活性の測定方法
1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジン(DPPH)消去活性を以下に示した方法で調べた。10μMのサンプル(50%アセトニトリルに溶解)100μl、60μMのDPPH100μlをテストチューブに入れ10秒間撹拌した。反応液をフラットセルに入れ、ESR装置にセットし、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジンを添加してから60秒後に磁場掃引を開始した。ESR測定条件は次のとおりである。Power:4 mW、C.Field:335.5 mT、SwWid(±):5 mT、SwTime:0.5 min、ModWid:0.2 mT、Amp:500、TimeC:0.3 sec、Temperature:20℃。DPPHの5本のESRシグナルのうち定磁場側から2本目のシグナルの、内部標準のMn2+のシグナルの高さに対する比(S/M)でDPPH量とし、次式で表すように活性の強さを算出した。
【0060】
DPPH消去活性(%)
=100−{100×(サンプル存在下のS/M)/(サンプル非存在下のS/M)}
脂質過酸化抑制活性の測定方法
脂質過酸化抑制活性を以下に示した方法で調べた。第1段階目の脂質過酸化反応を、10 mg/mlのホスファチジルコリンを100μl、200μMのサンプル(アセトニトリルに溶解)を50μl、510 mM 2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアビジン)塩酸塩を20μlのそれぞれをマイクロチューブに入れて攪拌し、37℃で1時間インキュベートして行なった。第2段階のチオバルビツール酸反応生成物(TBARS)の定量は、上記の第1段階目の脂質過酸化反応液100μl、120 mMDPTBA(アセトニトリルに溶解)50μl、200 mM 酢酸ナトリウム緩衝液(pH 2.0)250μl をテストチューブに入れて攪拌し、100℃で30分間反応させた。反応液に1 mlのn−ブタノールを加えてよく攪拌し、3,000 rpmで10分間遠心処理した後、上層のブタノール層を石英セルに移し、蛍光光度計にて蛍光強度を読み取った(Ex. 532 nm、Em. 553 nm)。検量線は第1段階目の脂質過酸化反応液の代わりに0、1、2.5、5、10、15および20μMの1,1,3,3−テトラメトキシプロパン(TEP)溶液100μlを用いて第2段階の反応を行ない、TEP溶液の濃度と蛍光強度との間で得られる一次回帰直線を求めて作成した。
【0061】
この評価方法は、脂質の過酸化度を間接的に推定する方法である。不飽和脂肪酸が活性酸素やフリーラジカルによる脂質過酸化連鎖反応とそれに続く分解によって生成するマロンジアルデヒド(MDA)を、チオバルビツール酸(TBA)などのアミノ化合物と縮合反応させ、赤色反応物質(TBARS)を生成させる。この赤色反応物質の蛍光度を測定することにより、過酸化脂質の分解に伴う二次的生産物であるMDAの定量を行い、間接的に脂質の過酸化の程度を推定する方法である。サンプルを添加していないコントロールよりも低濃度のTBARSしか生じていなければ抑制活性があるとする。
【0062】
各化合物の抗酸化活性の測定結果は次のようであった(図3〜図6)。
スーパーオキシドアニオンラジカル消去活性(サンプル濃度50μM)を評価した結果、セサミン/エピセサミン混合物とα−トコフェロールには活性が認められなかった。セサミン及びエピセサミンのモノカテコール体及びジカテコール体は50%以上のO2 -を消去させる活性を示した(図3)。
【0063】
ヒドロキシラジカル消去活性(サンプル濃度227μM)を評価した結果、セサミン及びエピセサミンのジカテコール体に消去活性が認められた(図4)。
DPPH消去活性(サンプル濃度5μM)を評価した結果、セサミン及びエピセサミンそれぞれのカテコール体、ジカテコール体とα−トコフェロールに消去活性が認められた。特にセサミン及びエピセサミンのジカテコール体では50%以上の消去活性が認められた(図5)。
【0064】
脂質過酸化抑制活性(サンプル濃度58.8μM)を評価した結果、セサミン及びエピセサミンのモノカテコール体及びジカテコール体に50%以上の抑制活性が認められた。セサミン/エピセサミン混合物には活性が見られなかった。(図6)。
【0065】
【発明の効果】
メチレンジオキシフェニル基を有する有機化合物に超臨界水分解反応を用いることで、一般的な有機合成法では合成が困難な化合物の製造ができる。セサミンのような2つのメチレンジオキシフェニル基を有するリグナン化合物について超臨界水分解反応を行えば、1工程でメチレンジオキシフェニル基がカテコール基に変換された化合物の合成ができる。
【0066】
セサミンまたはエピセサミンに対して超臨界水分解反応を行うことにより得られた式(I)〜式(V)で表される化合物はセサミンまたはエピセサミンと比較して抗酸化作用が優れており、医薬品や食品への応用ができる。特に、本発明のセサミンまたはエピセサミンのジカテコール体化合物は、抗酸化活性の評価の結果から、O2 -のみならず、・OHに対しても消去活性を示すことが確認された。リグナン化合物を原料としたジカテコール体化合物で・OH消去作用を有する抗酸化剤が得られることは、本発明において初めて明らかになったものである。
【0067】
また、超臨界水分解反応は、溶媒として水のみを用いるので、従来の合成法で生じる廃溶媒が全く生じず、環境にやさしい製造法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、リグナン化合物のメチレンジオキシフェニル基を、臭化アルミニウム(AlBr3)とエタンチオール(CH3CH2SH)を使用する分解反応により、カテコール基に変換するための従来技術における方法を示す図である。従来の一般的な有機化学合成の手法である臭化アルミニウムとエタンチオールとを用いて−78℃から室温までの種々の温度でセサミンのメチレンジオキシフェニル基をカテコール基に変換させようとすると、ベンジルエーテル部位が優先的に反応してしまい、目的とするカテコール化合物が得られなかった。
【図2】 図2は、セサミンとエピセサミンとの混合物(6:4)に対して超臨界水分解反応を行った時の反応前後におけるHPLCクロマトグラム(左が反応前、右が反応後)を示す。超臨界水分解反応を行うことにより、セサミン(ピークA)から2種類の化合物(ピークB及びピークC)が生成した。またエピセサミン(ピークD)からは同様に2種類(立体異性体を含めると3種類)の化合物が生成した(ピークE、F)。
【図3】 図3は、セサミン、エピセサミン及びそれらの超臨界水分解反応物のスーパーオキシドアニオンラジカル消去活性を%表示で示す。比較対照としてα−トコフェロールを用いた。
【図4】 図4は、セサミン、エピセサミン及びそれらの超臨界水分解反応物のヒドロキシラジカル消去活性を%表示で示す。比較対照としてはα−トコフェロールを用いた。
【図5】 図5は、セサミン、エピセサミン及びそれらの超臨界水分解反応物のDPPH消去活性を%表示で示す。比較対照としてはα−トコフェロールを用いた。
【図6】 図6は、セサミン、エピセサミン及びそれらの超臨界水分解反応物の脂質過酸化抑制活性を%表示で示す。比較対照としてはα−トコフェロールを用いた。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to an antioxidant and a method for producing the same. More specifically, by using a supercritical water decomposition method, methylenedioxyphenyl group present in the molecule of lignan compound such as sesamin was converted to catechol group, and the antioxidant activity was enhanced compared to the raw material lignan compound. The present invention relates to a lignan compound and a method for producing the same. The lignan compound having antioxidant activity obtained by the method of the present invention can be blended in foods, cosmetics and pharmaceuticals to impart antioxidant activity.
[0002]
[Prior art]
Oxygen is indispensable for the living body, but when oxygen is reduced in vivo to a group of highly reactive molecular species called active oxygen, it oxidizes target molecules such as proteins, nucleic acids, and lipids in vivo. It is known to hurt. In order to prevent this damage caused by oxygen, living organisms prevent the oxidation of target molecules by keeping the amount of active oxygen generated low and further eliminating the generated active oxygen.
[0003]
As active oxygen, a superoxide anion radical (O2 -), Hydrogen peroxide (H2O2), Hydroxy radical (.OH) and singlet oxygen (excited species) (1O2) Etc. are known. In addition, cellular components such as unsaturated fatty acid peroxy radicals (LOO.), Unsaturated fatty acid radicals (L.), unsaturated fatty acid hydroperoxides (LOOH), unsaturated fatty acid alkoxy radicals (LO. ) And the like are also known as substances exhibiting the same oxidative damage.
[0004]
In the case where suppression and elimination of these active oxygens in vivo do not function sufficiently, or under physical or chemical environmental conditions that increase the production of active oxygen, the active oxygen is a target molecule such as a protein, nucleic acid, or lipid. Oxidize. As a result, various disorders and diseases such as aging, carcinogenesis, inflammation, ischemic organ damage, arteriosclerosis are caused. As a mechanism to eliminate these active oxygen in the living body, O has a relatively long life.2 -, H2O2It is considered that LOOH is eliminated by enzymes and other short-lived active oxygen is eliminated by low molecular weight compounds such as ascorbic acid.
[0005]
For example, O produced in red blood cells2 -Are almost all erased with superoxide dismutase (SOD) and H2O2Is erased by catalase and peroxidase. on the other hand,1O2Is erased by β-carotene and tocopherol. Some low molecular weight compounds having an erasing action also act on the elimination of not only active oxygen but also organic radicals including lipid radicals, and therefore often act on the suppression of the production of active oxygen.
[0006]
Among active oxygens, .OH is the most reactive and has the greatest damage to living organisms. -OH reacts with cellular components almost at a rate close to diffusion rate, so it has a short life span, and it is thought that organisms cannot have a special mechanism to eliminate this. Components close to the target molecule that do not damage the organism are damaged to some extent.2 -Or H2O2It is thought that the generation of .OH is suppressed and oxidation disorder is prevented by eliminating transition metal ions as completely as possible and allowing transition metal ions to exist in a form that does not catalyze the formation of .OH.
[0007]
Based on these findings, various antioxidants have been developed so far. However, most of them are industrially produced by chemical synthesis. For example, synthetic antioxidants such as butylhydroxyanisole (BHA) and butylhydroxytoluene (BHT) are generally used. However, these synthetic antioxidants are said to have safety problems (JP-A-7-82554).
[0008]
On the other hand, various antioxidant components have been found from natural products. In particular, there are many reports regarding the antioxidant activity of flavonoids widely contained in plants, such as catechins contained in tea leaves (Chem. Pharm. Bull., 47, p.279-283 (1999); Biochimica et Biophysica Acta, 1427, p. 13-23 (1999); and JP-A-59-45385). Antioxidants derived from natural products extract antioxidant components from vegetables, fruits, seaweeds, herbs, spices, etc., and mix them with stabilizers and excipients to form powders, tablets or liquids. It is used. However, antioxidants made from these natural products are often used as antioxidants, which are extracted from natural products using water or an organic solvent such as alcohol. There were many things that were not.
[0009]
Polyphenolic compounds such as catechin, quercetin, and ellagic acid that are widely present in plants have a catechol group in the molecule and are generally considered to have antioxidant activity. However, C6-CThreeCompounds such as sesamin, pinoresinol, eudesmin, podophyllotoxin, etc., which are classified as lignan compounds in which one compound (phenylpropanoid) is oxidatively polymerized with two molecules, are present in their chemical structures. In many cases, the group is substituted with a methylenedioxy group or a methoxy group, and its antioxidant activity is weak. Therefore, it was expected that a lignan compound with enhanced antioxidant activity could be obtained if a catechol group exhibiting antioxidant properties could be introduced into these lignan compounds.
[0010]
The catechol group is aluminum bromide (AlBrThree) And ethanethiol (CHThreeCH2It is known that a methylenedioxyphenyl group can be converted by a decomposition reaction using SH) (Chem. Lett., 97, 1979). However, when the above decomposition reaction is applied to a lignan compound having a methylenedioxyphenyl group and a benzyl ether group, for example, sesamin, the benzyl position reacts preferentially and a catechol group cannot be obtained. (Figure 1). In other words, it is considered impossible to convert a methylenedioxyphenyl group into a catechol group in one reaction step by the method used in the conventional organic synthesis reaction.
[0011]
In addition, sesamin and episesamin are obtained by the method of Beroza et al. (J. Am. Chem. Soc., 8, p.1242, 1955), the method of Takano et al. (J. Chem. Soc .. Chem. Commun., P.189, 1988) or Suginome et al. (J. Org. Chem., 60, p. 3052, 1995). Therefore, a method for synthesizing a lignan compound in which a methylenedioxyphenyl group is substituted with a catechol group can be considered with reference to these methods. However, in these synthesis methods, it is inevitable to carry out by a multistage reaction process.
[0012]
For supercritical fluids, various applied researches such as extraction, purification, synthesis, and decomposition have been conducted. With regard to supercritical water, researches such as detoxification of PCBs and dioxins have been conducted (Japanese Patent Laid-Open No. 9-327678). Biomass decomposition reactions have also been studied, and supercritical water is used as a solvent, and natural or synthetic polymer compounds are selectively hydrolyzed or pyrolyzed to convert polymers into structural units or conjugates of their level. A method of decomposing has been reported (JP-A-5-31000). Specifically, it has been reported that glucose is produced from cellulose contained in a large amount in polymer resources such as paper, wood and straw, or that the lignin-based material has a low molecular weight (JP-A-5-31000). Various amino acids can also be produced by hydrolyzing proteins with water in a supercritical state (Japanese Patent Laid-Open No. 9-268166).
[0013]
However, it has not been known so far that a compound having a catechol group in a molecule can be obtained by reacting a lignan compound with water in a supercritical state.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
In order to obtain a compound with antioxidant properties by introducing a catechol group into the molecule by conventional methods, methylenedioxybenzene is converted to catechol using ethanethiol and aluminum bromide, a technique known in organic synthetic chemistry. It is conceivable to adapt the method to do. However, when this method is used for a compound having a benzyl ether moiety in the molecule such as a lignan compound, the benzyl ether moiety reacts preferentially to open a ring, and the lignan compound having the desired catechol group is obtained. Can't get.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
As a means for solving the above problems, it has been found that a methylenedioxyphenyl group can be converted to a catechol group in one step by reacting a lignan compound having a methylenedioxyphenyl group with water in a supercritical state. completed. In the method of the present invention, the reaction can be caused only to the methylenedioxyphenyl group without cleaving the above-mentioned benzyl ether moiety. The compound having a catechol group obtained by this method exhibits stronger antioxidant properties than the raw materials, and can be expected to be industrially used as an antioxidant.
[0016]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Antioxidants are indispensable for eliminating active oxygen generated in the living body and stabilizing foods and drinks and pharmaceuticals. Conventionally, an effective antioxidant derived from a natural material with high safety is desired. A lignan compound having a weak antioxidant activity could be expected to be a lignan compound having a good antioxidant activity if a catechol group can be introduced into the molecule.
[0017]
The introduction of catechol group is aluminum bromide (AlBrThree) And ethanethiol (CHThreeCH2It is considered possible by converting a methylenedioxyphenyl group into a catechol group using SH). However, when this decomposition reaction is applied to a lignan compound having a methylenedioxyphenyl group and a benzyl ether group, such as sesamin or episesamin, the benzyl position reacts preferentially, and a catechol group can be introduced. There wasn't.
[0018]
In addition, since organic synthesis methods for sesamin and episesamin are known, a method for synthesizing a lignan compound having a catechol group can be considered with reference to these methods. Don't be. Therefore, it has been considered difficult to convert two methylenedioxyphenyl groups in a lignan compound into catechol groups in one step by the methods used in conventional organic synthesis reactions. Therefore, we tried to use supercritical water, whose application has been studied in a wide range of fields in recent years, for the reaction of catechol group introduction.
[0019]
Materials used
In the present invention, a lignan compound is used as a raw material. As lignan compounds, compounds such as sesamin, episesamin, pinoresinol, and eudesmin are known. In the method of the present invention, among lignan compounds, it is particularly preferable to use a compound having a methylenedioxyphenyl group in the molecule, for example, sesamin, episesamin or the like as a raw material. The lignan compound used in the present invention can be extracted, for example, by the method described in JP-A-3-27319. In the method of the present invention, these lignan compounds can be used as raw materials for the supercritical water decomposition treatment to search for the target antioxidant. Alternatively, the deodorizing scum generated in the sesame oil production process can be directly used as a raw material for supercritical water decomposition treatment to search for a target antioxidant.
Conditions for supercritical water splitting reaction
The supercritical water decomposition reaction that can be used in the present invention utilizes the property of water in a supercritical state in which a hydrolysis reaction can be performed without using an acid catalyst. There are three states of matter: solid, liquid, and gas. When the temperature is gradually raised in a mixed state of gas and liquid, and the temperature exceeds a certain temperature and pressure (critical point), the interface between the gas and liquid disappears, and the fluid is in a state of unifying It becomes. Such a fluid is called a supercritical fluid and is a high-density fluid having properties intermediate between gas and liquid. That is, it has a high fluidity like a gas as well as the property of dissolving various substances like a liquid.
[0020]
The critical point of water is a temperature of 374 ° C. and a pressure of 221 atm. Supercritical water means water in a specific range of temperature and pressure beyond this critical point. Supercritical water continuously changes in values such as density, viscosity, dielectric constant, ion product, and diffusion coefficient depending on temperature and pressure. It is known that the solubility of a solute in supercritical water, which is an important index as a reaction solvent, increases with an increase in density. Another important factor related to solubility is the dielectric constant. It is known that the dielectric constant increases with increasing density and decreases with increasing temperature.
[0021]
If the temperature is sufficiently high as in the supercritical state, the dielectric constant becomes very small, and supercritical water can hardly shield the electrostatic force between ions. Under these conditions, many of the dissolved ionic species will exist as ion pairs, so supercritical water behaves as a nonpolar material rather than a polar material. The pH of supercritical water is about 4 and the hydrogen ion concentration is 1/10000, but at the same time the hydroxide ion concentration is 1/10000. Thus, it can be seen that supercritical water has completely different properties from water at room temperature.
[0022]
In the supercritical water decomposition reaction, the compound to be subjected to the decomposition reaction and water are, for example, mixed with Compound 1 in a ratio of about 1 to 1000, preferably about 5 to 200, of water. The reaction vessel may be any suitable vessel for performing a supercritical water reaction, and can be appropriately selected depending on the production scale. For example, a closed container (preferably made of metal such as SUS alloy) having a capacity of about 1 ml to 10 L, preferably about 10 ml to 1 L is used.
[0023]
The container is filled with approximately 30 to 40% (V / V), preferably 32 to 35% (V / V) water, and the compound to be reacted in the above proportion is added thereto. The supercritical water decomposition reaction is preferably carried out in an anaerobic state. For this purpose, the inside of the container is degassed, or the inside of the container and the dissolved oxygen in the water are sufficiently replaced with an inert gas such as nitrogen or argon and sealed. . The reaction is performed at a temperature of about 374 ° C. (the pressure is about 221 atm or higher) to about 500 ° C. (about 300 atm or higher) under a condition where water is in a so-called supercritical state, or about 300 The reaction can be carried out under so-called subcritical conditions exceeding 150 ° C. (about 150 to 200 atm). The treatment time is within 10 minutes after reaching the subcritical or supercritical state, preferably within 60 seconds after reaching the subcritical or supercritical state. Treatment time and temperature conditions can be appropriately selected from the above ranges depending on the type of compound to be reacted and the target structure, or various conditions such as production scale.
[0024]
Antioxidant
In one embodiment of the present invention, an antioxidant having one or both of methylenedioxyphenyl groups in a lignan compound converted to a catechol group was produced by subjecting the lignan compound to a supercritical water decomposition reaction. Specifically, a supercritical water decomposition reaction of sesamin, which is one of lignan compounds, yields the formula (I):
[0025]
[Chemical 8]
Figure 0003789699
[0026]
And formula (II):
[0027]
[Chemical 9]
Figure 0003789699
[0028]
A compound represented by formula (III) can be obtained by subjecting episesamin, which is one of lignan compounds, to supercritical water decomposition reaction:
[0029]
[Chemical Formula 10]
Figure 0003789699
[0030]
Formula (IV):
[0031]
Embedded image
Figure 0003789699
[0032]
And the formula (V):
[0033]
Embedded image
Figure 0003789699
[0034]
The compound shown by this was able to be obtained.
Since the antioxidant composition obtained by the method of the present invention is obtained by hydrolysis with supercritical water, it is characterized by not containing any hydrolysis catalyst substance such as acid or alkali. Therefore, the obtained antioxidant composition can be safely used in any field such as pharmaceuticals, cosmetics, and foods.
[0035]
In particular, the dicatechol body compound (the compounds of the formula (II) and the formula (V)) of sesamin or episesamin of the present invention is obtained from the results of the evaluation of the antioxidant activity.2 -In addition, it became clear that it showed erasing activity against OH. Since these compounds have two catechol groups in the molecule, it is considered that the scavenging activity was also obtained for .OH.
[0036]
The antioxidant composition obtained by the method of the present invention is a therapeutic and / or prophylactic composition for various disorders and diseases such as carcinogenesis, inflammation, ischemic organ damage, arteriosclerosis and the like that occur in the body due to the influence of active oxygen. Can be used as a thing. The administration route of the antioxidant composition is most preferably oral administration, but may be intravenous administration, intraperitoneal administration, subcutaneous administration, intramuscular administration, or the like. Formulations suitable for oral administration include, but are not limited to, tablets, capsules, powders, granules, solutions, syrups and the like. For therapeutic and / or prophylactic compositions, as a pharmaceutically acceptable carrier, suitable excipients, binders, disintegrants, lubricants, flavoring agents, coloring agents, solubilizing aids known in the art. Agents, suspension agents, coating agents and the like may be included.
[0037]
Antioxidant composition obtained by the method of the present invention is for external use for transdermal administration for treating or ameliorating various symptoms related to skin or mucous membrane such as skin aging or mucosal aging, carcinogenesis or inflammation, or skin tanning. It can also be used as a medicine or cosmetic. Good forms suitable for topical medicine or cosmetics include solutions, poultices, patching agents and the like. External preparations may contain excipients, flavoring agents, coloring agents, solubilizing agents, suspending agents and the like as pharmaceutically acceptable carriers.
[0038]
The antioxidant composition obtained by the supercritical water decomposition reaction of the present invention can also be provided in the form of food. Preferred food forms include powders, granules, pastes, jellies and the like. Furthermore, in the case of granules, sugars such as lactose can be added to add sweetness. Moreover, the antioxidant obtained by the supercritical water decomposition reaction of the present invention can also be provided in the form of a beverage. In addition to lignan compounds, such foods or beverages may contain vitamins, inorganic components such as calcium, alcohols and the like. This food or beverage includes those in the category of food for specified health use, food for the sick and the like.
[0039]
【Example】
The present invention is further illustrated by the following examples, which are not intended to limit the scope of the invention. It is possible for those skilled in the art to use the method of the present invention with various changes and modifications, and these are also included in the scope of the present invention.
[0040]
Example 1 Production of antioxidants from sesamin / episesamin
Method
Add 200 mg of a mixture of sesamin and episesamin (6: 4) into a SUS alloy reaction vessel (internal volume 10 ml), add 3.2 ml of distilled water purged with nitrogen, fill the reaction vessel with nitrogen, and then thermocouple It was sealed with a screw cap attached. The reaction vessel was placed in a resin bath kept at 400 ° C., and the reaction vessel was taken out and cooled on ice 45 seconds after the temperature of the reaction solution reached 374 ° C., which is the critical point of water. The reaction product was recovered using ethanol, subjected to HPLC under the following conditions, separated, purified, and lyophilized; Column: ODS-UG-5 (20φ × 250 mm, manufactured by Nomura Chemical Co., Ltd.) , Flow rate: 5 ml / min, detection: 280 nm, gradient elution from 20% to 80% acetonitrile (100 minutes). By conducting the supercritical water decomposition reaction, it was found that sesamin (compound A) became the product of peak B and peak C, and episesamin (compound D) became the product of peak E and peak F (FIG. 2). The results of FIG. 2 are as follows: Column: ODS-UG-5 (4.6φ × 150 mm, Nomura Chemical Co., Ltd.), flow rate: 1 ml / min, detection: 280 nm, gradient elution from 20% to 80% acetonitrile ( For 40 minutes)). The purified product was measured for mass and nuclear magnetic resonance for structural analysis and identification.
[0041]
Compound analysis results
Compound B (formula( I ) Compounds)
Mass analysis of peak B (M−H)-= 341
Nuclear magnetic resonance spectrum of peak B
1H NMR (in DMSO-d6, TMS standard); 8.84 ppm (brs, 2H), 6.90 ppm (d, J = 1.4 Hz, 1H), 6.85 ppm (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.82 ppm (dd , J = 1.4, 8.0 Hz, 1H), 6.71 ppm (d, J = 2.0 Hz, 1H), 6.66 ppm (d, J = 8.0 Hz, 1H), 6.57 ppm (dd, J = 2.0, 8.0 Hz, 1H) ), 5.97 ppm (s, 2H), 4.61 ppm (d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.52 ppm (d, J = 4.3 Hz, 1H), 4.10 ppm (dd J = 6.8, 8.9 Hz, 1H), 4.06 ppm (dd, J = 6.8, 8.9 Hz, 1H), 3.71 ppm (dd, J = 3.6, 9.1 Hz, 1H), 3.69 ppm (dd, J = 3.6, 9.1 Hz, 1H), 2.95 ppm (m, 2H)
13C NMR (in DMSO-d6, TMS standard); 147.5 ppm, 146.5 ppm, 145.1 ppm, 144.7 ppm, 135.6 ppm, 132.3 ppm, 119.4 ppm, 117.1 ppm, 113.6 ppm, 106.6 ppm, 100.9 ppm, 84.99 ppm, 84.97 ppm , 71.1 ppm, 70.8 ppm, 53.9 ppm, 53.6 ppm
Compound C (formula( II ) Compounds)
Mass analysis of peak C (M−H)-= 329
Nuclear magnetic resonance spectrum of peak C
11 H NMR (in DMSO-d6, TMS standard); 6.72 ppm (d, J = 1.9 Hz, 2H), 6.66 ppm (d, J = 8.1 Hz, 2H), 6.58 ppm (dd, J = 1.9, 8.1 Hz, 2H), 4.51 ppm (d, J = 4.2 Hz, 2H), 4.06 ppm (dd, J = 6.8, 8.9 Hz, 2H), 3.67 ppm (dd J = 3.4, 8.9 Hz, 2H), 2.92 ppm (m, 2H)
13C NMR (in DMSO-d6, TMS standard); 145.0 ppm, 144.5 ppm, 132.3 ppm, 116.9 ppm, 115.2 ppm, 113.5 ppm, 84.9 ppm, 70.7 ppm, 53.6 ppm
Compound E (formula( III ) And formula ( IV ) Compounds)
Mass analysis of peak E (M−H)-= 341
Compound F (formula( V ) Compounds)
Mass analysis of peak F (M−H)-= 329
Evaluation of antioxidant activity
The peaks B and C obtained by the supercritical water decomposition reaction of sesamin are respectively represented by the formula (I): (1R, 2S, 5R, 6S) -6- (3,4-dihydroxy) from the analysis of the NMR spectrum shown above. Phenyl) -2- (3,4-methylenedioxyphenyl) -3,7-dioxabicyclo [3,3,0] octane:
[0042]
Embedded image
Figure 0003789699
[0043]
And formula (II): (1R, 2S, 5R, 6S) -2,6-bis- (3,4-dihydroxyphenyl) -3,7-dioxabicyclo [3,3,0] octane:
[0044]
Embedded image
Figure 0003789699
[0045]
The compound was identified as
On the other hand, the compounds obtained by supercritical water decomposition reaction of episesamin were also compounds having molecular weights of 342 and 330. The compound of peak E is1As a result of H NMR measurement, a signal derived from a methylenedioxyphenyl group was observed only for 2H, and other peaks were observed for episesamin.1It was similar to the 1 H NMR spectrum and could be identified as a compound in which one methylenedioxyphenyl group of episesamin was converted to a catechol group. The compound of peak F is1As a result of H NMR measurement, no signal derived from the methylenedioxyphenyl group was observed, and other peaks were observed for episesamin.1It was similar to the 1 H NMR spectrum and could be identified as a compound in which both methylenedioxyphenyl groups of episesamin were converted to catechol groups.
[0046]
From these, the compound of peak E is represented by the formula (III): (1R, 2S, 5R, 6R) -6- (3,4-dihydroxyphenyl) -2- (3,4-methylenedioxyphenyl) -3 , 7-Dioxabicyclo [3,3,0] octane
[0047]
Embedded image
Figure 0003789699
[0048]
And formula (IV): (1R, 2R, 5R, 6S) -6- (3,4-dihydroxyphenyl) -2- (3,4-methylenedioxyphenyl) -3,7-dioxabicyclo [3, 3,0] Octane:
[0049]
Embedded image
Figure 0003789699
[0050]
And the compound of peak F has the formula (V): (2R, 6S) -2,6-bis (3,4-dihydroxyphenyl) -3,7-dioxabicyclo [3,3,0] octane:
[0051]
Embedded image
Figure 0003789699
[0052]
Identified. The compounds having two catechol groups in the molecule thus obtained, that is, the compounds represented by the formulas (II) and (V) are novel substances. In addition, two compounds were mixed in the peak E of the chromatogram of HPLC, and it was a mixture of stereoisomers represented by the formulas (III) and (IV).
[0053]
Next, the yield of each compound obtained by these supercritical water decomposition reactions is shown below.
[0054]
[Table 1]
Figure 0003789699
[0055]
Example 2 Production of antioxidants from sesame deodorized scum
Method
The deodorizing scum generated in the deodorizing and decoloring processes in the sesame oil production process contains a lignan compound. By performing a supercritical water decomposition reaction on this deodorized scum, a compound having antioxidant properties was obtained as follows. Put 1 g of deodorized scum into a SUS alloy reaction vessel (content 10 ml), add 3.2 ml of nitrogen-substituted distilled water, fill the reaction vessel with nitrogen, and seal with a screw cap with a thermocouple attached. did. The reaction vessel was placed in a resin bath kept at 400 ° C., and the reaction vessel was taken out and cooled on ice 45 seconds after the temperature of the reaction solution reached 374 ° C., which is the critical point of water. The reaction product was recovered using ethanol, and fractionation and product analysis were performed using HPLC in the same manner as in Example 1. As a result, the compounds of formulas (I) to (V) were produced as main products. The yield of each compound was formula (I): 4.5 mg, formula (II): 2.7 mg, a mixture of formulas (III) and (IV): 5.3 mg, and formula (V): 2.5 mg.
[0056]
Evaluation of antioxidant activity
Mixture of sesamin and episesamin (6: 4), compound represented by formula (I) (monocatechol form of sesamin), compound represented by formula (II) (dicatechol form of sesamin), formula (III) and formula (IV) ) (The mixture of isomers of episesamin monocatechol), the compound represented by formula (V) (dicatechol of episesamin) and α-tocopherol were measured as described below. did.
[0057]
Method for measuring superoxide anion radical scavenging activity
The superoxide anion radical scavenging activity was examined by the following method. 2 mM hypoxanthine (dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.4) 50 μl, 5.5 mM diethylenetriaminepentaacetic acid (dissolved in 0.1 M phosphate buffer) 35 μl, 200 μM sample (dissolved in acetonitrile) 50 μl, 8.97 Add 15 μl of M 5,5-dimethyl-1-pyrroline-N-oxide (DMPO) to the microtube and stir, then add 50 μl of 0.4 unit / ml xanthine oxidase (XOD) and stir for another 10 seconds. The reaction solution was placed in a flat cell, set in an ESR apparatus, and a magnetic field sweep was started 60 seconds after the addition of xanthine oxidase. The ESR measurement conditions are as follows. Power: 4 mW, C. Field: 335.5 mT, SwWid (±): 5 mT, SwTime: 2 min, ModWid: 0.1 mT, Amp: 160, TimeC: 0.1 sec, Temperature: 20 ° C.
Of the four ESR signals of DMPO-OOH, the internal standard Mn of the signal on the most constant magnetic field side2+Ratio of signal to height (S / M)2 -The erasing activity was calculated as represented by the following formula.
[0058]
O2 -Erase activity (%)
= 100− {100 × (S / M in the presence of sample) / (S / M in the absence of sample)}
Method for measuring hydroxy radical scavenging activity
Hydroxy radical scavenging activity was examined by the method shown below. 0.2 mM FeSOFour, 0.2 mM diethylenetriaminepentaacetic acid (dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.4) 75 μl, 1 mM sample (dissolved in acetonitrile) 50 μl, 0.897 M DMPO (dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.4) 20 μl After stirring in a microtube, 10 mM H2O275 μl (dissolved in 0.1 M phosphate buffer, pH 7.4) was added, and the mixture was further stirred for 10 seconds. Put the reaction solution in the flat cell, set it in the ESR device,2O2The magnetic field sweep was started 60 seconds after the addition of. The ESR measurement conditions are as follows. Power: 4 mW, C. Field: 335.5 mT, SwWid (±): 5 mT, SwTime: 2 min, ModWid: 0.1 T, Amp: 160, TimeC: 0.1 sec, Temperature: 20 ° C. Of the four ESR signals of DMPO-OH, the internal standard Mn of the signal on the most constant magnetic field side2+The ratio of the signal to the signal height (S / M) was defined as .OH amount, and the activity intensity was calculated as shown in the following formula.
[0059]
OH erasing activity (%)
= 100− {100 × (S / M in the presence of sample) / (S / M in the absence of sample)}
1,1 -Diphenyl- 2 -Picrylhydrazine ( DPPH ) Measuring method of erasing activity
1,1-Diphenyl-2-picrylhydrazine (DPPH) scavenging activity was examined by the method shown below. 100 μl of a 10 μM sample (dissolved in 50% acetonitrile) and 100 μl of 60 μM DPPH were placed in a test tube and stirred for 10 seconds. The reaction solution was put in a flat cell, set in an ESR apparatus, and a magnetic field sweep was started 60 seconds after adding 1,1-diphenyl-2-picrylhydrazine. The ESR measurement conditions are as follows. Power: 4 mW, C. Field: 335.5 mT, SwWid (±): 5 mT, SwTime: 0.5 min, ModWid: 0.2 mT, Amp: 500, TimeC: 0.3 sec, Temperature: 20 ° C. The internal standard Mn of the second signal from the constant magnetic field side among the five ESR signals of DPPH2+The ratio of the signal to the signal height (S / M) was used as the DPPH amount, and the activity intensity was calculated as shown in the following equation.
[0060]
DPPH erasing activity (%)
= 100− {100 × (S / M in the presence of sample) / (S / M in the absence of sample)}
Method for measuring lipid peroxidation inhibitory activity
Lipid peroxidation inhibitory activity was examined by the method described below. Lipid peroxidation in the first stage was performed using 100 μl of 10 mg / ml phosphatidylcholine, 50 μl of 200 μM sample (dissolved in acetonitrile), and 20 μl of 510 mM 2,2′-azobis (2-methylpropionavidin) hydrochloride. Each was placed in a microtube, stirred, and incubated at 37 ° C. for 1 hour. The quantification of the second stage thiobarbituric acid reaction product (TBARS) was performed using the above-mentioned first stage lipid peroxidation reaction solution 100 μl, 120 mM DPTBA (dissolved in acetonitrile) 50 μl, 200 mM sodium acetate buffer (pH 2.0). ) 250 μl was placed in a test tube and stirred, and reacted at 100 ° C. for 30 minutes. 1 ml of n-butanol was added to the reaction solution, stirred well, and centrifuged at 3,000 rpm for 10 minutes. Then, the upper butanol layer was transferred to a quartz cell, and the fluorescence intensity was read with a fluorometer (Ex. 532). nm, Em. 553 nm). The calibration curve was obtained using 100 μl of 0, 1, 2.5, 5, 10, 15 and 20 μM 1,1,3,3-tetramethoxypropane (TEP) solution instead of the first stage lipid peroxidation reaction solution. A two-step reaction was performed, and a linear regression line obtained between the concentration of the TEP solution and the fluorescence intensity was obtained.
[0061]
This evaluation method is a method for indirectly estimating the degree of lipid peroxidation. Malondialdehyde (MDA) produced by unsaturated fatty acid through lipid peroxidation chain reaction with active oxygen or free radicals and subsequent decomposition is condensed with amino compounds such as thiobarbituric acid (TBA) to produce red reactants ( TBARS). By measuring the fluorescence of this red reactant, MDA, which is a secondary product accompanying lipid peroxide degradation, is quantified to indirectly estimate the degree of lipid peroxidation. If only a low concentration of TBARS is produced compared to a control to which no sample is added, the inhibitory activity is assumed.
[0062]
The measurement results of the antioxidant activity of each compound were as follows (FIGS. 3 to 6).
As a result of evaluating superoxide anion radical scavenging activity (sample concentration 50 μM), no activity was observed in the sesamin / episesamin mixture and α-tocopherol. The monocatechol and dicatechol forms of sesamin and episesamin are over 50% O.2 -The activity to erase was shown (Fig. 3).
[0063]
As a result of evaluating hydroxy radical scavenging activity (sample concentration: 227 μM), scavenging activity was observed in dicatechol bodies of sesamin and episesamin (FIG. 4).
As a result of evaluating the DPPH scavenging activity (sample concentration 5 μM), sesamin and episesamin catechol, dicatechol and α-tocopherol were found to have scavenging activity. In particular, the dicatechol form of sesamin and episesamin showed an erasing activity of 50% or more (FIG. 5).
[0064]
As a result of evaluating the lipid peroxidation inhibitory activity (sample concentration 58.8 μM), 50% or more inhibitory activity was observed in monocatechol and dicatechol bodies of sesamin and episesamin. There was no activity in the sesamin / episesamin mixture. (FIG. 6).
[0065]
【The invention's effect】
By using a supercritical water decomposition reaction for an organic compound having a methylenedioxyphenyl group, it is possible to produce a compound that is difficult to synthesize by a general organic synthesis method. If a lignan compound having two methylenedioxyphenyl groups such as sesamin is subjected to a supercritical water decomposition reaction, a compound in which the methylenedioxyphenyl group is converted to a catechol group in one step can be synthesized.
[0066]
The compounds represented by the formulas (I) to (V) obtained by performing a supercritical water decomposition reaction on sesamin or episesamin have superior antioxidant activity compared to sesamin or episesamin. Can be applied to food. In particular, the dicatechol body compound of sesamin or episesamin of the present invention is obtained from the results of evaluation of antioxidant activity.2 -In addition to OH, it was confirmed to show erasing activity. It was first demonstrated in the present invention that an anti-oxidant having an OH-eliminating action can be obtained with a dicatechol compound using a lignan compound as a raw material.
[0067]
In addition, the supercritical water splitting reaction uses only water as a solvent, so that no waste solvent is generated in the conventional synthesis method, and is an environmentally friendly manufacturing method.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the methylenedioxyphenyl group of a lignan compound with aluminum bromide (AlBrThree) And ethanethiol (CHThreeCH2It is a figure which shows the method in the prior art for converting into a catechol group by decomposition | disassembly reaction using SH). When trying to convert the methylenedioxyphenyl group of sesamin to a catechol group at various temperatures from −78 ° C. to room temperature using aluminum bromide and ethanethiol, which are conventional organic chemical synthesis methods, The benzyl ether moiety reacted preferentially, and the desired catechol compound was not obtained.
FIG. 2 shows HPLC chromatograms before and after the reaction when a supercritical water splitting reaction was performed on a mixture of sesamin and episesamin (6: 4) (left is before reaction, right is after reaction). Show. Two kinds of compounds (peak B and peak C) were produced from sesamin (peak A) by performing a supercritical water decomposition reaction. Similarly, episesamin (peak D) produced two types of compounds (peaks E and F) (three types including stereoisomers).
FIG. 3 shows the superoxide anion radical scavenging activity of sesamin, episesamin and their supercritical water decomposition reaction in%. Α-tocopherol was used as a comparative control.
FIG. 4 shows the hydroxy radical scavenging activity of sesamin, episesamin and their supercritical water decomposition products in%. Α-tocopherol was used as a comparative control.
FIG. 5 shows the DPPH scavenging activity of sesamin, episesamin and their supercritical water decomposition reaction in%. Α-tocopherol was used as a comparative control.
FIG. 6 shows the lipid peroxidation-inhibiting activity of sesamin, episesamin and their supercritical water decomposition reaction in%. Α-tocopherol was used as a comparative control.

Claims (13)

以下の式(II):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物。
The following formula (II):
Figure 0003789699
A lignan compound represented by:
以下の式(V):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物。
The following formula (V):
Figure 0003789699
A lignan compound represented by:
以下の式(II):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、または式(V):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、またはこれら化合物の組み合わせ、を含む組成物。
The following formula (II):
Figure 0003789699
Or a lignan compound represented by formula (V):
Figure 0003789699
The composition containing the lignan compound represented by these, or the combination of these compounds.
飲食品用、化粧品、または医薬品用である、請求項3に記載の組成物。  4. The composition according to claim 3, which is used for food and drink, cosmetics, or pharmaceuticals. 以下の式(I):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、または、式(II):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物を有効成分とする、抗酸化組成物。
The following formula (I):
Figure 0003789699
Or a lignan compound represented by formula (II):
Figure 0003789699
The antioxidant composition which uses the lignan compound represented by this as an active ingredient.
以下の式(III):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、式(IV):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、または、式(V):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、またはこれらの組み合わせ、を有効成分とする、抗酸化組成物。
The following formula (III):
Figure 0003789699
A lignan compound represented by formula (IV):
Figure 0003789699
Or a lignan compound represented by formula (V):
Figure 0003789699
The antioxidant composition which uses as an active ingredient the lignan compound represented by these, or these combination.
出発リグナン化合物を超臨界水と反応させることにより、メチレンジオキシフェニル基をカテコール基に変換することを特徴とする、リグナン化合物を製造する方法。  A method for producing a lignan compound, characterized in that a methylenedioxyphenyl group is converted to a catechol group by reacting the starting lignan compound with supercritical water. リグナン化合物が、分子内に2つまたはそれ以上の水酸基を有する、請求項7に記載のリグナン化合物を製造する方法。  8. The method for producing a lignan compound according to claim 7, wherein the lignan compound has two or more hydroxyl groups in the molecule. 出発リグナン化合物がゴマ由来のリグナン化合物である、請求項7または8に記載の方法。  The method according to claim 7 or 8, wherein the starting lignan compound is a sesame-derived lignan compound. 出発リグナン化合物がセサミンまたはエピセサミンである、請求項7〜9のいずれか1項に記載の方法。  10. The method according to any one of claims 7 to 9, wherein the starting lignan compound is sesamin or episesamin. 出発リグナン化合物としてのセサミンを超臨界水と反応させることにより、下記の式(I):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、または式(II):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物を製造する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
By reacting sesamin as a starting lignan compound with supercritical water, the following formula (I):
Figure 0003789699
Or a lignan compound represented by formula (II):
Figure 0003789699
The method of any one of Claims 7-10 which manufactures the lignan compound represented by these.
出発リグナン化合物としてのエピセサミンを超臨界水と反応させることにより、下記の式(III):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、式(IV):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、または式(V):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、を製造する、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。
By reacting episesamin as a starting lignan compound with supercritical water, the following formula (III):
Figure 0003789699
A lignan compound represented by formula (IV):
Figure 0003789699
Or a lignan compound represented by formula (V):
Figure 0003789699
The method of any one of Claims 7-10 which manufactures the lignan compound represented by these.
ゴマ脱臭スカムを超臨界水と反応させることにより、ゴマ脱臭スカム中の出発リグナン化合物のメチレンジオキシフェニル基をカテコール基に変換して、以下の式(I):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、式(II):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、式(III):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、式(IV):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、または、式(V):
Figure 0003789699
で表されるリグナン化合物、を製造することを特徴とする、リグナン化合物を製造する方法。
By reacting sesame deodorizing scum with supercritical water, the methylenedioxyphenyl group of the starting lignan compound in sesame deodorizing scum is converted to a catechol group, and the following formula (I):
Figure 0003789699
A lignan compound represented by formula (II):
Figure 0003789699
A lignan compound represented by formula (III):
Figure 0003789699
A lignan compound represented by formula (IV):
Figure 0003789699
Or a lignan compound represented by formula (V):
Figure 0003789699
A process for producing a lignan compound, which comprises producing a lignan compound represented by the formula:
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