JP3788982B2 - フォトマスクの設計方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造用フォトマスクの設計方法に係わり、特にレベンソン型位相シフトマスク等のように隣接パターンの一方に位相シフタを配置したフォトマスクの設計方法に関する。また本発明は、上記のフォトマスクの設計を行うためのフォトマスク設計装置と、フォトマスクの設計をコンピュータで実現するためのプログラムを格納した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
レベンソン型位相シフトマスクの設計方法として、従来次のような技術が知られている。
【0003】
第1の従来技術として、(Symposium on VLSI Technology,pp.95-96,JSAPCAT,No.AP911210(1991) )における(Automatic Pattern Ceneration System for Phase Shifting Mask )と題する論文においては、DRAMをレベンソン型位相シフトマスク自動設計装置を用いて設計している。そして、図形を通過する光の位相を自動的に決定する際に、一番最初に任意の図形を選んでその位相を0°とし、それ以降の任意の図形の位相は、その図形の周囲にある位相決定済みの図形のうち、今位相を決定しようとしている図形と一番長い辺が向き合っている図形と逆の位相とし、一番長い辺で向かい合う図形が複数存在し、それらの位相が互いに異なっていた場合は警告を出して処理を中断するというシフタ自動配置方法が論じられている。
【0004】
第2の従来技術として、(IEDM Tech.Digest,pp705-708,1991 )における(Andrew.R.Neureuther )らによる(Investigating Phase-shifting Mask Layout Using a CAD Toolkit)と題する論文において、与えられた設計パターンに対して設計者が縮小率を決定し、縮小されたパターンに対してシフタの自動配置を行い、シフタ自動配置に矛盾を生ずる箇所があればその箇所を表示するという装置について論じられている。
【0005】
第3の従来技術として、特開平5−341498号公報では、透明領域間の距離がしきい値未満である場合、該透明領域の片方にシフタを配置し、シフタ配置に矛盾が生じた箇所については設計者にその箇所を提示するという方法が述べられている。さらに、シフタ自動配置、シフタ検証、一部シフタ配置済みのレイアウトに対するシフタ配置・検証の機能を持つ装置について述べられている。
【0006】
第4の従来技術として、特開平7−13326号公報では、閉ループを構成する辺に対して種々の条件で重み付けを行い、重みの大きい辺から順に、各々の閉ループの一辺以上の辺の両端のノードに相当する図形パターンに修正を行う技術について述べられている。
【0007】
第5の従来技術として、(Jpn.J.Phys.Vol.32(1993)pp.5874-5879 )における(Algorithm for Phase Shift Mask Design with Priority on Shifter Placement)と題する論文及び特開平6−308714号公報において、入力されたレイアウトに対し、指定した値よりも接近して配置されている2つのパターンの組み合わせを抽出し、この組み合わせの内他のパターンと隣接している辺長の長いものほど位相シフタ配置の優先順位を高くし、シフタ配置優先順位順に位相シフタを交互に配置する方法及び装置について述べられている。
【0008】
第6の従来技術として、特開平8−328237号公報において、透明領域であるパターンで構成される設計データにおいて、しきい値S2以内で隣接するパターンの隣接関係を求め、該隣接関係で繋がる1つのまとまりである隣接グループ毎に隣接するパターンの組み合わせを全て抽出し、修正の難しい順に組み合わせをソートし、該ソートに基づき反転関係を作成し、該作成した反転関係に基づいて位相を決定する方法について述べられている。
【0009】
第7の従来技術として、JPN.J.Appl.Phys.Vol.32(1993)pp.5887-5891における"Computer Aided Design Software for Design Phase-Shifting Masks"と題する論文において、設計者が予め位相決定しておいたパターンから、隣接関係を辿って位相決定する方法について述べられている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の従来技術には次のような問題があった。即ち、第1〜第3の従来技術は、位相矛盾が発生した場合、特定の図形を初期図形としたときの位相決定結果を述べているに過ぎず、この結果が分っても有効なシフタ配置を見出すことはできない。従ってこれらの従来技術では、解像性の高いシフタ配置を実現することはできない。
【0011】
また、第4〜第6の従来技術では、隣接する面の長さや隣接間の距離等を考慮して重み付けをし位相を決定しているため、修正のし易い矛盾箇所を得ることができる。しかし、解像性の観点が含まれないため、例えば修正の容易さは同程度であるが解像性は明らかに優劣のあるパターンペアに対して、解像性の劣るパターンペアを救済するべく逆位相とするといった考慮ができない。さらに、解像性の尺度も明確ではない。従ってこれらの従来技術でも、解像性の高いシフタ配置を実現することはできない。
【0012】
また、例えばDRAMでは、メモリセル部は人手で位相を決定することがあるため、その位相情報を変更することなく、センスアンプ部やローデコーダ部の未だ位相が決まっていないパターンの位相を決定する必要がある。既に位相が決まっている図形(固定位相)を基に位相を決定することを考えると、第1〜第3の従来技術では、特定の図形を初期図形としたときの位相決定方法を述べているに過ぎず、固定位相を考慮して位相決定することはできない。
【0013】
第4の従来技術では、矛盾箇所を最小にする方法で、固定位相を考慮して位相決定することはできない。第5,第6の従来技術では、解像性或いは修正容易性等により優先度を付けて位相決定を行うことができるが、固定位相を考慮して位相差を与えることはできない。また、第7の従来技術では、固定位相を考慮しているが、隣接関係を辿る位相決定方法のため、解像性や位相矛盾箇所修正の容易性等を考慮した位相決定ができない。
【0014】
本発明は、上記の事情を考慮して成されたもので、その目的とするところは、露光条件に合った解像容易度をシンプルな方法で求めることができ、レベンソン型位相シフトマスク等において解像性の高いシフタ配置を実現し得るフォトマスクの設計方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の別の目的は、固定位相は一切変えず、優先度付けされた隣接パターンペアを考慮して位相の決まっていない部分の位相決定を行うことのできるフォトマスクの設計方法を提供することにある。
【0016】
また、本発明の更に別の目的は、上記方法を実現するためのフォトマスク設計装置、更には上記方法を実現するためのプログラムを格納した記録媒体を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(構成)
上記課題を解決するために本発明は、次のような構成を採用している。
【0018】
(1)入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けたフォトマスクを設計する方法において、パターンを線分に分解した線分毎に、距離R以内で隣接する異なるパターンに属する線分とのペアを抽出し、各々の線分ペア毎に線分が対向する対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを得、得られたパターンに対しプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、隣合うパターンの解像の容易さである解像容易度を求め、線分ペアについて求めた解像容易度を基に、隣接パターンのペアに対し解像の難しい順から優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置することを特徴とする。
【0019】
(2)入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けたフォトマスクを設計する方法において、距離R以内で隣接するパターンのペアを抽出し、各々のパターンを線分に分解後、パターン間で最も解像しにくいと予想される対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを得、得られたパターンをプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、隣合うパターンの解像の容易さである解像容易度を求め、距離R以内で隣接するパターンのペアについて求めた解像容易度を基に、解像の難しいペアから優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置することを特徴とする。
【0020】
(3)前記(1)又は(2)において、線分を分解する工程として、着目線分から垂直方向に所定の距離を見て、該着目線分を含むパターンに対向する隣接パターンの頂点から着目線分に下ろした垂線の交点又はその近傍を目安として分割後の線分の長さが指定の長さよりも短くならないように着目線分を分割することを特徴とする。
【0021】
(4)前記(1)又は(2)において、線分を分解する工程として、着目線分から垂直方向に所定距離以内にあるパターンを見て、パターンの頂点から着目線分に下ろした垂線の交点又はその近傍を目安として分割後の線分の長さが指定の長さよりも短くならないように着目線分を分割することを特徴とする。
【0022】
(5)前記(1)又は(2)において、対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを抽出する際、着目している線分が属するパターンペアのみ対象として抽出することを特徴とする。
【0023】
(6)前記(1)又は(2)において、対向領域の中間位置から距離Sの垂直方向及び平行方向で構成される矩形領域と重なるパターンを2次元的に抽出し、抽出されたパターンを2次元プロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて解像容易度を求めることを特徴とする。
【0024】
(7)前記(1)又は(2)において、着目線分から垂直方向に所定距離以内の隣接線分が着目線分と垂直でも平行でもない方向に配置されている場合、着目線分を含むパターンを2次元的に抽出し、抽出されたパターンを2次元プロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて解像容易度を求めることを特徴とする。
【0025】
(8)前記(1)又は(2)において、着目線分がマスクデータ設計座標軸から見て垂直でも平行でもない方向に配置されている場合、着目線分を含むパターンを2次元的に抽出し、抽出されたパターンを2次元プロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて解像容易度を求めることを特徴とする。
【0026】
(9)前記(6)〜(8)において、2次元プロセスシミュレーションを行った後に、対向領域の中間位置での着目線分と平行方向において、垂直方向でパターンの配置環境が変わる所でそれぞれ解像容易度を求めることを特徴とする。
(10)前記(1)又は(2)において、着目線分ペアの対向する領域の長さが所定の距離T以下の場合は前記(6)〜(8)の方法で解像容易度を求めることを特徴とする。
【0027】
(11)前記(1)又は(2)において、プロセスシミュレーションが行われる度に、そのとき使用されたパターン情報とプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせにより得られた解像容易度の値をテーブルに格納しておき、パターンが抽出される度にテーブルを参照して、パターンと一致する場合そのテーブルに格納されている解像容易度値を得、一致しない場合はプロセスシミュレーション,実験、又はこれらの組み合わせを行って解像容易度を得ることを特徴とする。
【0028】
(12)前記(1)又は(2)において、プロセスシミュレーションは、露光シミュレーション,現像シミュレーション,エッチングシミュレーションの単数又は複数の組み合わせであることを特徴とする。
【0029】
(13)前記(1)又は(2)において、解像容易度を求める方法として、各々のパターン部の中間位置での光強度値の小さい方の値から、着目する線分ペアの対向する領域の中間位置での光強度値を引いた値を求め、その差が大きいほど解像が容易なものとして位相を決定することを特徴とする。
【0030】
(14)前記(1)又は(2)において、解像容易度を求める方法として、各々のパターン部の中間位置での光強度値の平均値から、着目する線分ペアの対向する領域の中間位置での光強度値を引いた値を求め、その差が大きいほど解像が容易なものとして位相を決定することを特徴とする。
【0031】
(15)前記(1)又は(2)において、解像容易度を求める方法として、レジストを解像させる光強度をスライスレベルとして設定し、このスライスレベル値から着目する線分ペアの対向する領域の中間位置での光強度値を引いた値を求め、その差が大きいほど解像が容易なものとして位相を決定することを特徴とする。
【0032】
(16)前記(1)又は(2)において、1次元の強度分布において解像容易度を求める方法として、各々のパターン部の中間位置と対向領域の中心位置との中間位置、或いはパターンエッジ位置における光強度の分布の接線の傾き角が大きいほど解像が容易であるとして位相を決定することを特徴とする。
【0033】
(17)前記(1)又は(2)において、解像容易度を求める方法として、着目位置でフォーカスと露光量の組み合わせと所望寸法からの寸法差との依存性をプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて求め、露光量裕度,デフォーカス裕度,又はその両方考慮して露光量余度とデフォーカス裕度で構成されるウインドウのサイズを調べ、裕度又はウインドウサイズが大きいものほど解像が容易であるとして位相を決定することを特徴とする。
【0034】
(18)前記(1)又は(2)において、解像容易度を求める方法として、プロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、着目位置でのプロセスの裕度のウインドウを求め、ウインドウサイズの大きいものほど解像が容易であるとして位相を決定することを特徴とする。
【0035】
(19)前記(1)又は(2)において、解像容易度を求める方法として、プロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、複数の着目位置でのプロセスの裕度のウインドウが共通するウインドウサイズを求め、その共通のウインドウサイズの大きいものほど解像が容易であるとして位相を決定することを特徴とする。
(20)前記(1)又は(2)において、解像容易度を求める方法として、着目する線分ペアの対向領域の中間位置での光強度が小さいほど解像が容易なものとして位相を決定することを特徴とする。
【0036】
(21)前記(1)又は(2)において、解像容易度を求める際、前記(13)〜(20)の方法を2つ以上の組み合わせて用いることを特徴とする。
【0037】
(22)前記(2)において、着目するパターンペアにおいて距離V以内で対向する領域の長さが最も長い線分ペアをその着目パターンペア中で最も解像しにくい箇所とし、その箇所を解像度評価の対象とすることを特徴とする。
【0038】
また本発明は、次のような構成を採用している。
【0039】
〈1〉入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けるフォトマスクの設計方法において、既に位相が決まっている固定位相のパターンが存在する設計パターンに対し、所定の範囲内で隣接するパターンのペアを抽出する工程と、抽出された隣接パターンペアに対し優先度付けを行う工程と、設計パターンをノード化し、固定位相を持つパターンのノードには該パターンの位相情報に対応した位相値を与える工程と、前記隣接パターンペアの優先度の順に、隣接パターンペアのノードの両方に位相情報が存在しない場合には、奇数の閉ループにならないように隣接パターンペアのノードを繋いぎ、隣接パターンペアの片方のノードのみに位相情報が存在する場合には、該片方の位相情報と逆の位相値を初期位相とし、位相が決定されていない方のノードの繋がりを辿って位相を決定する工程と、前記隣接パターンペアのノードを繋いで得られた位相決定していない繋がりに対し初期図形を決め、その初期図形からノードの繋ぎを辿り位相を決定する工程とを含むことを特徴とする。
【0040】
〈2〉隣接パターンペアを抽出する工程において、隣接し合うパターンの両方に固定位相が与えられている隣接パターンペアの抽出を行わないことを特徴とする。
【0041】
〈3〉優先度付けを行う工程において、隣接し合うパターンの片方に固定位相が与えられている隣接パターンペアの優先度を、固定位相を有しない隣接パターンペアの優先度よりも高くすることを特徴とする。
【0042】
また本発明は、次のような構成を採用している。
【0043】
[1]入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けたフォトマスクを設計するためのフォトマスクの設計装置において、パターンを線分に分解した線分毎に、距離R以内で隣接する異なるパターンに属する線分との線分ペアを抽出する手段と、前記抽出された各々の線分ペア毎に線分が対向する対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを得る手段と、前記得られたパターンに対しプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、隣合うパターンの解像の容易さである解像容易度を求める手段と、前記線分ペアについて求めた解像容易度を基に、隣接するパターンのペアに対して解像の難しい順から優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置する手段とを具備してなることを特徴とする。
【0044】
[2]入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けたフォトマスクを設計するためのフォトマスクの設計装置において、距離R以内で隣接するパターンのペアを抽出する手段と、前記抽出された各々のパターンを線分に分解し、パターン間で最も解像しにくいと予想される対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを得る手段と、前記得られたパターンをプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、隣合うパターンの解像の容易さである解像容易度を求める手段と、前記距離R以内で隣接するパターンのペアについて求めた解像容易度を基に、解像の難しいペアから優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置する手段とを具備してなることを特徴とする。
【0045】
[3]入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けるフォトマスクの設計装置において、既に位相が決まっている固定位相のパターンが存在する設計パターンに対し、所定の範囲内で隣接するパターンのペアを抽出する手段と、前記抽出された隣接パターンペアに対し優先度付けを行う手段と、前記設計パターンをノード化し、固定位相を持つパターンのノードには該パターンの位相情報に対応した位相値を与える手段と、前記隣接パターンペアの優先度の順に、隣接パターンペアのノードの両方に位相情報が存在しない場合には、奇数の閉ループにならないように隣接パターンペアのノードを繋ぎ、隣接パターンペアの片方のノードのみに位相情報が存在する場合には、該片方の位相情報と逆の位相値を初期位相とし、位相が決定されていない方のノードの繋がりを辿って位相を決定する手段と、前記隣接パターンペアのノードを繋いで得られた位相決定していない繋がりに対し初期図形を決め、その初期図形からノードの繋ぎを辿り位相を決定する手段とを具備してなることを特徴とする。
【0046】
[4]入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けてフォトマスクを設計するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、パターンを線分に分解した線分毎に、距離R以内で隣接する異なるパターンに属する線分との線分ペアを抽出する手順と、各々の線分ペア毎に線分が対向する対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを得る手順と、得られたパターンに対しプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、隣合うパターンの解像の容易さである解像容易度を求める手順と、線分ペアについて求めた解像容易度を基に、隣接するパターンのペアに対して解像の難しい順から優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置する手順とを行わせるようにコンピュータを制御することを特徴とする。
【0047】
[5]入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けてフォトマスクを設計するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、距離R以内で隣接するパターンのペアを抽出する手順と、各々のパターンを線分に分解後、パターン間で最も解像しにくいと予想される対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを得る手順と、得られたパターンをプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、隣合うパターンの解像の容易さである解像容易度を求める手順と、距離R以内で隣接するパターンのペアについて求めた解像容易度を基に、解像の難しいペアから優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置する手順とを行わせるようにコンピュータを制御することを特徴とする。
【0048】
[6]入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けてフォトマスクを設計するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、既に位相が決まっている固定位相のパターンが存在する設計パターンに対し、所定の範囲内で隣接するパターンのペアを抽出する手順と、抽出された隣接パターンペアに対し優先度付けを行う手順と、設計パターンをノード化し、固定位相を持つパターンのノードには該パターンの位相情報に対応した位相値を与える手順と、前記隣接パターンペアの優先度の順に、隣接パターンペアのノードの両方に位相情報が存在しない場合には、奇数の閉ループにならないように隣接パターンペアのノードを繋ぎ、隣接パターンペアの片方のノードのみに位相情報が存在する場合には、該片方の位相情報と逆の位相値を初期位相とし、位相が決定されていない方のノードの繋がりを辿って位相を決定する手順と、前記隣接パターンペアのノードを繋いで得られた位相決定していない繋がりに対し初期図形を決め、その初期図形からノードの繋ぎを辿り位相を決定する手順とを行わせるようにコンピュータを制御することを特徴とする。
【0049】
(作用)
前記(1)においては、設計パターンに対して、しきい値R以内で隣接する線分の組み合せを抽出した後、それぞれの線分ペア毎に線分の対向領域の中間位置より、着目線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを1次元的に得、その得られたパターンに対しプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせのいずれかを行い、隣合うパターンの解像の容易さを求める。これにより、解像し難い隣接パターンから優先的に位相差を与えることができ、より解像性の高いシフタ配置を実現することが可能となる。
【0050】
前記(2)においては、設計パターンに対し、しきい値R以内で隣接するパターンの組み合わせを抽出した後、それぞれのパターンペア毎に、最も解像しにくいと思われる対向領域を選び、対向領域の中間位置より着目線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを1次元的に得、その得られたパターンに対しプロセスシミュレーション,実験,またはこれらの組み合わせのいずれかを行い、隣合うパターンの解像容易度を求める。これにより、(1)と同様に、解像のし難い隣接パターンから優先的に位相差を与えることができ、より解像性の高いシフタ配置を実現することが可能となる。
【0051】
前記(3)においては、着目線分から垂直方向に所定の距離を見て、着目線分を含むパターンに対向する隣接パターンの頂点から着目線分に下ろした垂線の交点で着目線分を分割することにより、より的確な対向領域を抽出できる。
【0052】
前記(4)においては、着目線分から垂直方向に所定距離以内にあるパターンを見て、パターンの頂点から着目線分に下ろした垂線の交点で着目線分を分割することにより、より的確な対向領域を抽出できる。
【0053】
前記(5)においては、(1)又は(2)において距離S以内で重なるパターンを抽出する際、着目している線分が属するパターンペアに限定してシミュレーションや実験に用いるパターンを抽出する。このようにパターンを限定することで、処理の高速化をはかることができる。
【0054】
前記(6)においては、(1)又は(2)のパターン抽出において2次元的に1辺が距離Sの2倍の矩形領域で2次元的にパターンを抽出し、2次元のプロセスシミュレーション若しくは実験、或いはそれらの組み合わせを適用する。これにより、より厳密な解像性の評価を行うことができる。
【0055】
前記(7)においては、分割線分の配置が1次元的ルールで近似できないと判定する条件として、着目線分から垂直方向に所定距離以内の隣接線分が着目線分と垂直でも平行でもない方向に配置されている場合とすることにより、1次元的でないパターン配置の場合に2次元的なシミュレーションを施すことができ、より厳密な解像性の評価を行うことができる。
【0056】
前記(8)においては、分割線分の配置が1次元的ルールで近似できないと判定する条件として、着目線分がマスクデータ設計座標軸から見て垂直でも平行でもない方向に配置されている場合とすることにより、1次元的でないパターン配置の場合に2次元的なシミュレーションを施すことができ、より厳密な解像性の評価を行うことができる。
【0057】
前記(9)においては、(6)〜(8)において2次元プロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを行い、解像性を求める際にパターン環境の変化する箇所で解像容易度を求める。これは、解像容易度を調べる箇所を増やして、より厳密な評価を行うためである。
【0058】
前記(10)においては、(1)及び(2)のパターン抽出及び解像容易度を求める際に、対向領域の長さがT以下の場合は(4)である2次元的手法を用い、Tより大きい場合は1次元的手法を適用することで、高速な処理を維持しながら厳密な評価も行うことを可能とする。
【0059】
前記(11)においては、(1)及び(2)において参照テーブルを用いるいわゆる学習機能を備え、同一パターンのプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを省く。これも高速な処理をはかるものである。
【0060】
前記(12)においては、(1)及び(2)においてプロセスシミュレーションを、露光シミュレーション,現像シミュレーション,エッチングシミュレーション、又はこれらの組み合わせの構成で行うもので、場合により使い分けることができる。
【0061】
前記(13)から(20)においては、解像容易度を求める方法を提供するものであり、プロセス及び実験条件にあった解像容易度の算出を簡易に行うことができ、その算出処理の高速化をはかるものである。
【0062】
前記(21)においては、(13)から(20)を2つ以上の組み合わせを用いるため、条件によって解像容易度を求める方法を使い分ける。また、1つの着目点で複数の解像容易度の求める手法を適用することで、より厳密な解像容易度を求められる。
【0063】
前記(22)においては、(2)において着目するパターンペアでの最も解像し難い対向領域を見つけ出す方法を提供するもので、パターンペア間のエッジ線分において距離V以内で隣接する部分の領域の長さが最も長いものを解像し難い箇所とするものである。
【0064】
前記〈1〉においては、ある所定の範囲内で隣接する隣接パターンペアを抽出し、その隣接パターンペアに対し優先度付けを行い、パターンをノードに置き換えた後、固定位相の位相値をノードの位相情報に格納し、該隣接パターンペアの優先度順に以下のルールを持って隣接パターンのノードを繋ぎ、位相決定及び位相未決定のグループ(反転グラフ)の作成を行う。その条件は、以下の3種類である。
【0065】
1.隣接パターンペアのノードの両方に位相情報が存在しない場合は、閉ループにならないように隣接パターンペアのノード間を繋ぐ。閉ループを形成する場合は繋がない。ここで、奇数の閉ループが生じると位相決定の際に矛盾が生じるが、偶数の閉ループが生じても任意の一つを選択して位相決定することができるので、偶数の閉ループが生じるのは許容してもよい。
【0066】
2.隣接パターンペアのノードの片方のみに位相情報が存在する場合は、該片方の位相情報と逆の位相値を初期位相とし、位相が決定されていない方のノードの繋がりを辿り位相を決定する。
【0067】
3.隣接パターンペアのノードの互いに位相情報が存在する場合には、位相決定及びノードを繋ぐ作業を行わない。
【0068】
但し、3番目のルールを適用しない方法も可能で、その場合でも同様の結果が得られるが、効率的ではない。
【0069】
最後に、位相が決まっていない反転グラフに対し、初期図形を選び、その図形より反転グラフを辿り、位相決定を行う。
【0070】
これにより、固定位相を変更することなく、優先度付けによる位相決定が可能となる。
【0071】
前記〈2〉においては、前記〈1〉の隣接パターンペアを抽出する段階で、隣接パターンペアの両方に固定位相が存在するものを排除する。これにより、反転グラフ作成時に位相決定されている隣接パターンペアを処理する無駄な作業が不要となるため、効率の良い位相決定を行うことが可能となる。
【0072】
前記〈3〉において、前記〈1〉の優先度付けを行う際に、隣接パターンペアの片方が固定位相が与えられている隣接パターンペアの優先度を、固定位相を有しない隣接パターンペアの優先度よりも高くする。これにより、固定位相と隣接するパターンの位相を優先的に反転させることができる。
【0073】
前記[1][4]においては、前記(1)と同様に、解像し難い隣接パターンから優先的に位相差を与えることができ、より解像性の高いシフタ配置を実現することが可能となる。
【0074】
前記[2][5]においては、前記(2)と同様に、解像のし難い隣接パターンから優先的に位相差を与えることができ、より解像性の高いシフタ配置を実現することが可能となる。
【0075】
前記[3][6]においては、前記〈1〉と同様に、固定位相を変更することなく、優先度付けによる位相決定が可能となる。
【0076】
【発明実施の形態】
以下、本発明の詳細を図示の実施形態によって説明する。
【0077】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係わるフォトマスクの設計方法を示すフローチャートであり、これは前記(1)に基づく実施形態である。このフローチャートに従って、図2のレイアウトを例に説明する。
【0078】
まず、図2に示すパターンA〜Iがレイアウトされた設計パターンを、図3に示すように線分に分解する。このとき、全ての線分に線分番号(1〜47)をそれぞれ割り当て、その属性に各々の線分が属するパターンの情報を与える(ステップ1)。続いて、隣接しているか否かを判断するしきい値Rを0.2μmとして、隣接しており互いに異なるパターンに属する線分ペアを全て抽出する(ステップ2)。その結果を、下記の(表1)に示す。
【0079】
【表1】
Figure 0003788982
【0080】
次に、抽出した線分ペア毎、距離Sを用いて近傍のパターンを取り出し、プロセスシミュレーションにより解像容易度を求める(ステップ3〜ステップ5)。プロセスシミュレーションにおいては、前記(12)に基づき露光シミュレーションを行うか、現像までをシミュレーションするか、エッチングまでをシミュレーションかを選択することができる。
【0081】
本実施形態では露光シミュレーションを適用する。勿論シミュレーションではなく実際に実験を行っても良いし、実験とシミュレーションを組み合わせても良い。
【0082】
シミュレータに入力するパターンの抽出方法はいくつか考えられる。最も基本的な方法としては図4に示すように、設計パターンから着目線分ペアと垂直方向に距離S以内で交わるパターンを1次元的に抽出し、1次元プロセスシミュレーションを行う。即ち、着目線分ペア11の対向領域12の中間ポイント13より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを得、得られたパターンに対し1次元プロセスシミュレーションを行う。
【0083】
なお、図4中の14は取り出されるエッジポイント、15はパターン1次元配置取得領域、20はマスク、21は透明基板、22は遮光部、23は透過部、30はウェハを示している。また、マスク20への入射光は部分的にコヒーレントな光である。
【0084】
前記(5)に基づけば図5に示すように、着目隣接ペアのパターンのみを1次元的に抽出し、プロセスシミュレーションを行う。或いは前記(6)によれば図6に示すように、1辺2×Sの矩形領域と重なるパターンを2次元的に抽出し、2次元プロセスシミュレーションを行うこともできる。ここで、図中の16,17はパターン抽出幅(2S)、18はパターン取り出し領域を示している。
【0085】
なお、2次元シミュレーションは1次元シミュレーションと比較して計算時間が長くなるため、2次元シミュレーションを行う箇所をなるべく少なくした方が好ましい。そこで前記(10)によれば、対向領域長さがT以下であるときに2次元シミュレーションを行い、それ以外は1次元シミュレーションを適用する。
【0086】
続いて、露光シミュレーション結果から解像性を求める。解像性の評価方法も幾つか考えられる。
【0087】
前記(13)に基づく方法を図7(a)に示す。抽出したパターンに対し露光シミュレーションを行い、対向領域の中心位置での光強度Cと着目線分が属するそれぞれのパターンの中心位置での光強度A,Bを求め、光強度Aと光強度Bの小さい方の値から光強度Cを引く。対向領域間の中心位置の光強度が光強度の極小値と一致しない場合は、中心位置での光強度の代わりに光強度の極小値を使用してもよい。同じく、パターン中心位置での光強度が光強度の極大値と一致しない場合は、極大値を使用してもよい。この求めた差の値が大きいほど解像性が良いことを意味する。
【0088】
前記(14)に基づく方法を図7(b)に示す。抽出したパターンに対し露光シミュレーションを行い、対向領域の中心位置での光強度Cと着目線分が属するそれぞれのパターンの中心位置での光強度A,Bを求め、光強度Aと光強度Bの平均値から光強度Cを引く。この値が大きいほど解像性が良いことを意味する。
【0089】
前記(15)に基づく方法を図7(c)に示す。抽出したパターンに対し露光シミュレーションを行い、対向領域の中心位置での光強度Cを求め、レジストを解像させる光強度値であるスライスレベルより光強度Cを引く。この値が大きいほど解像性が良いことを意味する。また、場合により、着目線分が属するそれぞれのパターン中心位置での光強度Aか光強度Bがスライスレベルよりも小さい場合は、その小さい値から光強度Cを引くか、或いはスライスレベル、光強度A,Bの内の小さい方から2つ若しくは3つの値を対象に平均値を求め、その平均値から光強度Cを引く場合などが考えられる。
【0090】
前記(16)に基づく方法を図7(d)に示す。抽出したパターンに対し露光シミュレーションを行い、光強度分布より対向領域の中心位置と着目線分が属するパターン中心位置との中心位置での接線の傾き角α1とα2を求め、αが大きいほど解像性が良いものとし、どちらか解像性の低いもの或いはα1,α2の平均値を解像容易度とする。
【0091】
前記(17)に基づく方法を図8に示す。抽出したパターンに対し、例えばデフォーカス値を変えて幾つか露光シミュレーションを行い、パターン間の寸法を測定しED−treeを作成する。この場合、所望寸法±10%でのED−treeである。そして、ED−treeから図に示すFOCUS裕度又はDOSE裕度を求め、その値を解像容易度とする。この値は大きいほど解像し易いものとする。また、図8に示すウインドウの大きさを解像容易度とすることもできる。この場合、ウインドウサイズが大きいほど解像し易いものとする。
【0092】
前記(18)では、露光時間やエッチングなどの様々な要因を考慮し、裕度をウインドウ化し、そのウインドウサイズが大きいほど解像しやすいものとする。前記(19)では、複数の条件で裕度をウインドウ化されたものが共通するウインドウサイズを求め、そのサイズが大きいものほど解像し易いものとする。また、前記(21)に示すように、以上の解像容易度の求める方法を組み合わせて行うことも考えられる。
【0093】
次に、図1のステップ3〜ステップ5までについて詳しく説明する。パターンを抽出するステップに関しては基本的な方法及び前記(10)、解像性を求める方法としては前記(15)を用いることにする。ステップ3〜5の詳しいフローを図9に示す。また、本実施形態では処理高速化のため、前記(11)に記載されている参照テーブルを用いて同一のパターンのプロセスシミュレーションを繰り返し行わない処理方法を適用する。
【0094】
その詳しい方法は、最初にパターンを抽出し、プロセスシミュレーション又は実験により解像容易度を求め、テーブルに追加する。それ以降は、パターンを抽出した後テーブルを参照し、そのパターン情報と一致する解像容易度を得る。もし一致しなかった場合は、最初と同様プロセスシミュレーションにより解像容易度を求め、テーブルに追加する。
【0095】
1次元的に行う場合のテーブル格納方法の例として、図10(a)に示すように、パターンエッジの並びを対向領域の中心位置からの相対的な位置で表現したものを索引部とし、そのときの解像容易度を対応させる。また、1次元配置が左右逆の場合も同様の評価結果になるため、逆の並びも追加しておく。テーブルを参照する場合は、図10(b)に示すように、索引部と一致する解像容易度を取り出す。
【0096】
また、2次元的に行う場合のテーブルへの格納方法の例として、図11に示すように抽出されたパターンを線分化して、それらを第1キーとして対向領域長さ方向と垂直方向に昇順、第2キーとして平行方向に昇順としてソートし、その線分情報列の並びをテーブルの索引部として、求めた解像容易度を格納する。パターン情報の形式以外は、テーブル格納方法及び参照方法共に1次元の場合と同様である。また、対向領域長さ方向を軸に関してミラー反転した場合も同様の解像容易度のため、その場合のパターンについてもテーブルに追加しておく。
【0097】
次に、パターンを抽出しプロセスシミュレーションを行い、解像性を評価するステップについて詳しく説明する。前記(表1)には図1中の線分ペアと対向領域の長さが示してある。
【0098】
本実施形態では距離Tは0.2μmとし、距離Sを0.6μm(これは、光学的に影響の及ぶ範囲の距離を指定することが望ましい)とする。また、露光条件は光源を通常照明、λ=0.248μm、σ=0.3、NA=0.55、デフォーカス値0.3μm、そしてスライスレベルは0.3とした。
【0099】
線分ペアを抽出した後、抽出された線分ペアを露光シミュレーションする。まず、着目線分ペアが2−15のときは対向領域長さが0.2で距離T以下であるので、図12(a)のように、対向領域中心位置より矩形領域2S×2S=1.2μm×1.2μmで重なるパターンを2次元的に抽出する。続いて、その抽出されたパターンに対し2次元露光シミュレーションを行い、図12(b)に示すように、着目線分の対向領域の中心から垂直方向(ラインA)の光強度分布を得る。その結果を、図12(c)に示す。
【0100】
このときの対向領域の中心位置の光強度は 0.091737 である。従って、解像容易度の値は 0.3-0.091737=0.208263となる。そして、2次元用テーブルに抽出されたパターンと解像容易度を追加する。ここで、前記(20)のように、パターン間の中心付近の光強度が小さいほど解像容易として解像容易度を決定するようにしてもよい。
【0101】
次に、着目線分ペアが3−5のときでは、対向領域長さは0.6μmとなる。これは距離T以上となるため、図13(a)に示すように距離S以内で重なるパターンを1次元的に取り出し、1次元露光シミュレーションを行う。その結果を、図13(b)に示す。
【0102】
対向領域の中心位置の光強度は 0.190970 で、解像容易度は 0.3-0.190970=0.10903 となる。そして、今回抽出されたパターン((-0.3 -0.1)(0.1 0.3))及びそれのパターン配置を左右反転したもの((-0.3 0.1)(0.1 0.3) )を1次元用テーブルに解像容易度と対応させて追加する。但し、この場合はパターンを反転しても同じパターンになるため、反転したパターンを追加しない。現時点での1次元用テーブルを(表2)に示す。
【0103】
【表2】
Figure 0003788982
【0104】
次に、着目線分ペアが4−18のときは、対向領域長さが0.5となる。これは距離T以上となるため、図14に示すように、距離S以内で重なるパターンを1次元的に取り出す。抽出されたパターン情報は((-0.3 -0.1)(0.1 0.3))である。そして、(表2)に示す1次元用テーブルを参照し、既に同様のパターンをシミュレーションしたかをチェックする。この場合、テーブル検索部に((-0.3 -0.1)(0.1 0.3))が見つかるため、その解像容易度 0.10903を得る。
【0105】
以上のような手順に従って、同様に全ての隣接線分ペアについて行うと、(表3)に示す結果となる。また、参考までに強度A及び強度Bについても記載している。
【0106】
【表3】
Figure 0003788982
【0107】
(表3)は線分のペアであるが、これを下記の(表4)に示すように隣接パターンペアに置き換える。
【0108】
【表4】
Figure 0003788982
【0109】
1つの隣接パターンペアに複数の隣接線分ペアが含まれる場合(表4、隣接パターンペアF−G)、解像容易度が難しい順にソートしておく。次いで、隣接パターンペアを線分ペアの先頭から比較して、解像容易度値が小さい順でソースする。但しこの場合、(表3)に示すF−GとG−Hとの比較の場合は、第1隣接線分ペアの解像容易度が同じであるがF−Gではもう一つ要素が多くある。これは、隣接線分ペアの多い方のF−Gを優先する。また、隣接線分ペア数と解像容易度が同じ場合、隣接する面の長さなどの要素で順序付けすることも考えられるが、本実施形態では省く。ソート結果を下記の(表5)に示す。
【0110】
【表5】
Figure 0003788982
【0111】
続いて、(表5)に示す順で優先的に位相差を与える(ステップ6)。順位付けされた隣接ペア順から優先的に位相差を与える方法は様々あるが、ここでは本発明者らが既に提案した方法(特開平8−328237号公報)に記載してある方法で位相を決定した。その位相決定結果を図15に示す。但しこの図は、位相差が与えられたペアの片方に位相差を与えるシフタを貼って示してある(ステップ7)。
【0112】
このように本実施形態によれば、露光条件に合った解像容易度をシンプルな方法で求めることができ、レベンソン型位相シフトマスクにおいて解像性の高いシフタ配置を実現することができる。このため、半導体の設計作業が効率化され生産コストを低減させることが可能となる。
【0113】
なお、線分の分割方法としては、次のような方法を採用することもできる。図29は、前記(3)に基づいた線分の分割方法を示す図である。即ち、線分を分割する工程として、着目線分から垂直方向にある特定の距離以内を見て、該着目線分を含むパターンに対向する隣接パターンの頂点から着目線分に下ろした垂線の交点又はその近傍を目安に、分割後の線分の長さが指定の長さよりも短くならないように着目線分を分割する。具体的に、図形B上の線分の分割について説明する。即ち、Bから垂直方向に距離R内で対向している隣接パターンA,Cの線分の配置環境が変わる点において線分を分割する。このような線分の分割方法を取ることにより配置環境に柔軟に対応できる。
【0114】
図30は前記(4)に基づいた線分の分割方法を示す図である。即ち、線分を分割する工程として、着目線分から垂直方向に特定の距離R以内にあるパターンを見て、パターンの頂点から着目線分に下ろした垂線の交点又はその近傍を目安に、分割後の線分の長さが指定の長さよりも短くならないように着目線分を分割する。具体的には、Bから垂直方向に距離R内で、対向辺に限らず、パターンの配置環境が変わる点において線分を分割する。このような線分の分割方法を取ることにより、複雑な配置環境に柔軟に対応できる。
【0115】
また、分割線分の配置が1次元的ルールで近似できないと判定する条件としては、次のような方法を採用することもできる。図31は、前記(7)に基づいて解像容易度を求める図形を示す図である。図31(a)に示すパターンでは、前記(7)に基づいて線分<2> が1次元に近似できないと判定する。このとき、図31(b)に示すように、線分<2> の左右両側及び両端から上下にそれぞれ距離S1,S2,S3,S4にわたる矩形領域を像計算領域として取出す。そして、図1(c)に示すように、この矩形領域を2次元プロセスシミュレーションにかける。
【0116】
図32は、前記(8)に基づいて解像容易度を求める図形を示す図である。図32(a)に示すレイアウトにおける対象線分 <1>〜<8> のうち、マスク座標軸に垂直でも平行でもない方向に配置されている線分は<5>,<6> である。ここでは特に、線分<6> について説明する。図32(a)のレイアウトより図32(b)に示すように、線分<6> の両端を含み距離Sの範囲のパターンを抽出する。この領域に関して2次元プロセスシミュレーションを行い、解像容易度を求める。プロセスシミュレーションを行う範囲として、図形抽出の利便性を鑑みて、図32(c)のように対象線分を含む矩形から距離S内の範囲としてもよい。
【0117】
なお、図1のフローチャートにおける各ステップを、各々のステップを行う機能ブロックに置き換え、これらの機能ブロックを接続することにより、フォトマスク設計装置を構成することができる。実際にはこの装置は、例えば磁気ディスク等の記録媒体に記録されたプラグラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって実現される。
【0118】
(第2の実施形態)
次に、前記(2)に基づく実施形態を説明する。その処理フローを、図16に示す。
【0119】
本実施形態は基本的に第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態と異なる点は、ステップ1から3において、パターン間で最も解像しにくい線分のみを抽出することである。また、パターン間で最も解像し難い線分ペアを判別する方法としては、前記(22)に示すように距離V以内で隣接する領域が最も長い隣接線分ペアが最も解像しにくいものとする。
【0120】
図2に示すパターンでは隣接パターンペアF−Gのみが線分ペア32−36及び33−39の2箇所のエッジで隣接している。これらの線分ペアのうちで距離V、V=0.2μmで隣接するエッジが最も長い線分ペア32−36が解像容易度を求める対象となる。実パターンでは、隣接ペア間で隣接するエッジが複数存在するのは当然のことで、この方法を適用することにより高速処理につながる。本実施形態に基づき、図2に示すパターンに対して抽出した隣接線分ペア(隣接パターンペア)を、下記の(表6)に示す。
【0121】
【表6】
Figure 0003788982
【0122】
以下ソート、位相決定を行う部分は第1の実施形態と同様であり、たまたま結果も同じである(表は省く)。従って、シフタ配置結果は前記図15に示すのと同様になる。
【0123】
なお、図16のフローチャートにおける各ステップを、各々のステップを行う機能ブロックに置き換え、これらの機能ブロックを接続することにより、フォトマスク設計装置を構成することができる。実際にはこの装置は、例えば磁気ディスク等の記録媒体に記録されたプラグラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって実現される。
【0124】
(第3の実施形態)
図17は、本発明の第3の実施形態に係わるフォトマスクの設計方法を示すフローチャートであり、これは前記〈1〉に基づく実施形態である。まず、図18の設計データを入力する。図中のA〜Tはクロムの開口部に相当し、以下これをパターンと呼ぶ。また、C,F,I,及びKには固定位相が与えられている。
【0125】
まず、距離0.2μm(しきい値)以内で隣接するパターンのペアを抽出し、それぞれ図19に示すように隣接パターンペア間の隣接する面の長さ(以下、隣接面長さと称する)を求める。その結果を、下記の(表7)に示す。
【0126】
【表7】
Figure 0003788982
【0127】
そして、隣接面長さが長い順にソートを行う。その結果を、下記の(表8)に示す。
【0128】
【表8】
Figure 0003788982
【0129】
ここでは、隣接面長さの長い順にソートを行ったが、先の第1の実施形態のように解像容易度の低い順にソートしても良いし、その他の重み付けの条件を用いても良い。
【0130】
次に、図20(a)に示すように、パターンをノード化し予め位相が与えられているノードC,F,K,Iに固定位相を位相情報として与え、ソートされた隣接パターンペア順に以下のルールで、位相決定と位相が決まっていない反転グラフの作成を行う。
【0131】
1.互いのノードに位相情報が存在しない場合は、閉ループにならないようにノードを繋ぐ。
【0132】
2.片方のみに位相情報が存在する場合は、その位相情報と逆の位相値を初期位相とし、もう片方のノードの繋がりに対し位相を決定する。
【0133】
3.互いに位相情報が存在する場合には、位相決定もノードの接続も行わない。
【0134】
以下、実際に隣接ペア毎にノードを繋いでみる。まず、隣接ペアM−Qでは、両方のノード共に位相情報が与えられておらず、かつ繋いだ場合にループが発生しないため図20(b)に示すように、そのペアを繋ぎ、グループ番号を与える。ここで、グループ番号を与える理由について説明すると、ノードを繋ごうとする際にループが発生するか否かを判定するためである。ループの判定の方法は、隣接パターンペアのノードの属するグループ番号が同じ番号であればループとなり、両方が違うグループ若しくは片方がグループに割り当てられていない場合はループを形成しない。
【0135】
次にI−Jでは、ノードIのみに位相情報が与えられているため、もう片方のJが繋がるグループに対して位相を決定する。この場合では、Jが繋がるグループが無いため、図20(c)のようにIの位相と逆位相をJに与える。
【0136】
続いてE−Jでは、Jのみに位相情報があるため、Eとその繋がるグループに対し位相を与える。これもEと繋がるノードが無いため、図21(d)に示すようにEに対してのみJの逆位相を与える。
【0137】
C−Eでは両方に位相情報があるため、図21(e)に示すように、ルール3に従ってノードパターンを接続しない。勿論、得られる結果は変わらないため、繋いでも構わない。F−IもC−Eのときと同様、両方に位相情報があるため、図21(f)に示すように、ルール3に従い繋がない。
【0138】
D−Hでは、両方とも位相情報を持っておらず、かつ繋いだ場合にループを形成しないため、図22(g)に示すようにD−Hを繋ぎ、グループ番号2を与える。
【0139】
F−Hでは、Fのみ位相情報が与えられている。従って、Hとそれに繋がるグループに対し位相を決定する。この場合、Hに繋がるグループ2があるため、図22(h)のようにHの位相情報にFの逆位相(初期位相)を与え、Hと繋がるDに対し、Hの逆位相を与える。本方法では、位相決定がなされたグループの繋がりを解除している。これは得られる結果は変わらないため、解除しなくても構わないが、これを行うことで、コンピュータ処理を行う上でメモリを削除することができる。
【0140】
以下同様に、全ての隣接パターンペアを処理すると、最終的に図23(i)に示すグラフ(反転グラフ)が得られる。そして、未だ位相の決まっていないグループ1とグループ3に対し、初期図形(ノード)をそれぞれLとMとし、位相を決定する。その結果を図23(j)に示し、対応する設計パターンを図24に示す。以上の方法によれば、固定位相を保持し、かつ優先度を考慮した位相決定が可能となる。
【0141】
なお、図17のフローチャートにおける各ステップを、各々のステップを行う機能ブロックに置き換え、これらの機能ブロックを接続することにより、フォトマスク設計装置を構成することができる。実際にはこの装置は、例えば磁気ディスク等の記録媒体に記録されたプラグラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されるコンピュータによって実現される。
【0142】
(第4の実施形態)
図25は、本発明の第4の実施形態に係わるフォトマスク設計方法を示すフローチャートであり、これは前記〈2〉に基づく実施形態である。第3の実施形態と同様に図18のレイアウトデータを例に説明する。固定位相も第3の実施形態と同様、C,F,I,及びKに与えられている。
【0143】
まず、距離0.2μm以内で隣接するパターンペアを抽出する。その際、隣接ペアの両方に固定位相が付いているものは抽出しない。そして、抽出した隣接ペアそれぞれの隣接面長さを求める。その結果を、下記の(表9)に示す。
【0144】
【表9】
Figure 0003788982
【0145】
ここで、第3の実施形態では隣接パターンペア数は29個得られたが、本実施形態では固定位相を両方に持つ隣接パターンペア4つが減り、25個となった。そして、隣接する面の長さが長い順になるようにソートを行う。その結果を、下記の(表10)に示す。
【0146】
【表10】
Figure 0003788982
【0147】
続いて、第3の実施形態のときと同様のルールで、ソートされた順に反転グラフを作成し、位相決定を行う。反転グラフ、位相決定結果、そしてシフタ配置結果は第3の実施形態の図23、図24と全く同じになる。
【0148】
本実施形態の方法では、隣接パターンペアを抽出する数が減るため、その分だけ隣接面長さを求める作業、及び反転グラフ作成の対象データが減り、処理の高速化が図れる。
【0149】
(第5の実施形態)
図26は、本発明の第5の実施形態に係わるフォトマスクの設計方法を示すフローチャートであり、これは前記〈3〉に基づく実施形態である。第3及び第4の実施形態と同様に、図18のレイアウトを例に説明する。これもまた、C,F,I,及びKに固定位相が与えられている。
【0150】
まず、距離0.2μm以内で隣接するパターンペアを抽出する。第3の実施形態と同様に全てのパターンペアを抽出してもかまわないが、本実施形態では前記〈2〉に基づいて固定位相を互いに持つ隣接パターンペアを抽出しないこととする。そして、抽出された隣接ペア毎に隣接面長さを求める。その結果が、下記の(表11)となる。
【0151】
【表11】
Figure 0003788982
【0152】
続いて、第1ソートキーにペアの片方に固定位相を持つもの、第2ソートキーに隣接面長さが長い順としてソートを行う。その結果を、下記の(表12)に示す。
【0153】
【表12】
Figure 0003788982
【0154】
続いて、第3の実施形態のときと同様のルールでソートされた順に反転グラフを作成すると、図27(a)に示す結果となり、それに対し位相を決定すると図27(b)となる。対応する設計パターンのシフタ配置結果は図28に示す通りとなる。
【0155】
本実施形態におけるシフタ配置結果を、第3及び第4の実施形態の配置結果と比較すると余り差が見られないが(実際のパターンに固定位相が存在する位相決定においては、この差が大きくなる)、図形Aの位相が違っている。これは、固定位相と隣接するパターンが特に優先的に位相差を与えられたからである。従って本実施形態方法により、固定位相と隣接するパターンペアの位相決定の優先度を上げることができ、固定位相端部の解像性を向上させることが可能となる。
【0156】
以上説明した第3〜第5の実施形態では、隣接ペアを求める際のしきい値を0.2μmとしたが、この値は何等限定されるものではない。通常は、対象デバイスのパターンの特徴を反映した値に設定される。また、これらの実施形態では、ノードを繋ぐ際に閉ループが生じないようにしたが、これは奇数の閉ループが生じると位相決定の際に矛盾が生じるためである。偶数の閉ループが生じても任意の一つを選択して位相決定することができるので、偶数の閉ループが生じるのは許容してもよい。つまり、奇数の閉ループが生じないようにノードを繋ぐようにすればよい。
【0157】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0158】
また、上述した各実施形態において記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピーディスク,ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM,DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に適用したり、通信媒体により伝送して各種装置に適用することも可能である。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【0159】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、設計パターンに対して、しきい値R以内で隣接する線分(又はパターン)の組み合わせを抽出した後、それぞれの線分ペア(パターンペア)毎に着目パターンを得、得られたパターンに対してプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせのいずれかを行い、隣り合うパターンの解像の容易さを求めることによって、露光条件に合った解像容易度をシンプルな方法で求めることができる。従って解像のし難い隣接パターンから優先的に位相差を与えることが可能となり、より解像性の高いシフタ配置結果を得ることができ、半導体の設計作業が効率化され生産コストを低減させることが可能となる。
【0160】
また本発明によれば、固定位相が存在する設計パターンのシフタ配置において、固定位相を変更させることなく優先度を保った位相決定が可能となる。例えばDRAMのレベンソン型位相シフトマスク設計のように、特に解像が厳しい周期性をもつメモリセル部では人手で位相決定することが望ましく、残りの周辺パターンに対し本発明の方法を用いて位相を自動決定することで、メモリセル部の人手で配置した位相情報をそのまま保持して周辺パターンへシフタを配置することができる。また固定位相が与えられたパターンは、特に寸法精度が厳しかったり要求される解像度が高い場合が多いと想定されるため、それと隣接するパターンを優先的に逆位相とすることにより、固定位相端部の解像性を向上させることが可能となる。このように、人手の配置と自動は位置の組合わせにより、高品位なレベンソンタイプのフォトマスク設計が効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係わるフォトマスク設計方法の処理フローを示す図。
【図2】第1の実施形態で用いたパターンデータを示す図。
【図3】図2に示すパターンデータを線分に分解した図。
【図4】第1の実施形態におけるパターン抽出方法の例を示す図。
【図5】第1の実施形態におけるパターン抽出方法の別の例を示す図。
【図6】第1の実施形態におけるパターン抽出方法の更に別の例を示す図。
【図7】第1の実施形態における解像容易度を求める方法を示す図。
【図8】第1の実施形態における解像容易度を求める別の方法を示す図。
【図9】図1のステップ3からステップ5までの詳細な処理フローを示す図。
【図10】1次元用テーブルの追加及び参照方法を示す図。
【図11】2次元用テーブル検索部の作成方法を示す図。
【図12】隣接線分ペア2−15におけるパターン抽出とシミュレーションを示す図。
【図13】隣接線分ペア3−5におけるパターン抽出とシミュレーションを示す図。
【図14】隣接線分ペア3−18におけるパターン抽出を示す図。
【図15】位相シフタ配置結果を示す図。
【図16】第2の実施形態に係わるフォトマスク設計方法の処理フローを示す図。
【図17】第3の実施形態に係わるフォトマスク設計方法の処理フローを示す図。
【図18】第3の実施形態における入力設計データと固定位相を示す図。
【図19】隣接面長さを説明するための図。
【図20】初期段階のノード及び位相情報と、着目隣接パターンペアM−Q,I−Jの時のグラフを示す図。
【図21】着目隣接パターンペアE−J,C−E,F−Iの時のグラフを示す図。
【図22】着目隣接パターンペアD−H,F−Hの時のグラフを示す図。
【図23】第3の実施形態における位相情報及び反転グラフと、反転グラフに対する位相決定結果を示す図。
【図24】第3の実施形態における設計パターンから見た位相決定結果を示す図。
【図25】第4の実施形態に係わるフォトマスク設計方法の処理フローを示す図。
【図26】第5の実施形態に係わるフォトマスク設計方法の処理フローを示す図。
【図27】第5の実施形態における位相情報及び反転グラフと、反転グラフに対する位相決定結果を示す図。
【図28】第5の実施形態における設計パターンから見た位相決定結果を示す図。
【図29】線分の分割方法の一例を示す図。
【図30】線分の分割方法の他の例を示す図。
【図31】解像容易度を求める図形の一例を示す図。
【図32】解像容易度を求める図形の他の例を示す図。
【符号の説明】
11…着目線分ペア
12…対向領域
13…中間ポイント
14…エッジポイント
15…パターン1次元配置取得領域
16,17…パターン抽出幅
18…パターン取り出し領域
20…マスク
21…透明基板
22…遮光部
23…透過部
30…ウェハ

Claims (4)

  1. 入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けたフォトマスクを設計するためのフォトマスクの設計装置において、
    パターンを線分に分解した線分毎に、距離R以内で隣接する異なるパターンに属する線分との線分ペアを抽出する手段と、前記抽出された各々の線分ペア毎に線分が対向する対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを1次元的に得る手段と、前記得られた1次元パターンに対し1次元プロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、隣合うパターンの解像の容易さである解像容易度を求める手段と、前記線分ペアについて求めた解像容易度を基に、隣接するパターンのペアに対して解像の難しい順から優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置する手段とを具備してなることを特徴とするフォトマスクの設計装置。
  2. 入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けてフォトマスクを設計するためのプログラムを格納した記録媒体であって、
    パターンを線分に分解した線分毎に、距離R以内で隣接する異なるパターンに属する線分との線分ペアを抽出する手順と、各々の線分ペア毎に線分が対向する対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを1次元的に得る手順と、得られた1次元パターンに対し1次元プロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて、隣合うパターンの解像の容易さである解像容易度を求める手順と、線分ペアについて求めた解像容易度を基に、隣接するパターンのペアに対して解像の難しい順から優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置する手順とを行わせるようにコンピュータを制御するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  3. 入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けたフォトマスクを設計するためのフォトマスクの設計装置において、
    パターンを線分に分解した線分毎に、距離R以内で隣接する異なるパターンに属する線分との線分ペアを抽出する手段と、前記抽出された各々の線分ペア毎に線分が対向する対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを1次元的に得る手段と、前記得られた1次元パターンに対しフォーカスと露光量の組み合わせと所望寸法からの寸法差との依存性をプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて求め、露光量裕度,デフォーカス裕度,又はその両方考慮して露光量裕度とデフォーカス裕度で構成されるウインドウのサイズを調べ、裕度又はウインドウサイズが大きいものほど解像が容易であるとする解像容易度を求める手段と、前記線分ペアについて求めた解像容易度を基に、隣接するパターンのペアに対して解像の難しい順から優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置する手段とを具備してなることを特徴とするフォトマスクの設計装置。
  4. 入射光を遮る遮光膜の一部に入射光を透過させる複数の開口パターンを形成し、これらのパターンの一部に該パターンを透過する入射光に対して位相差を与える位相シフタを設けてフォトマスクを設計するためのプログラムを格納した記録媒体であって、
    パターンを線分に分解した線分毎に、距離R以内で隣接する異なるパターンに属する線分との線分ペアを抽出する手順と、各々の線分ペア毎に線分が対向する対向領域の中間位置より線分と垂直方向に距離S以内で交わるパターンを1次元的に得る手順と、得られた1次元パターンに対しフォーカスと露光量の組み合わせと所望寸法からの寸法差との依存性をプロセスシミュレーション,実験,又はこれらの組み合わせを用いて求め、露光量裕度,デフォーカス裕度,又はその両方考慮して露光量裕度とデフォーカス裕度で構成されるウインドウのサイズを調べ、裕度又はウインドウサイズが大きいものほど解像が容易であるとする解像容易度を求める手順と、線分ペアについて求めた解像容易度を基に、隣接するパターンのペアに対して解像の難しい順から優先的に位相差を与えるように位相シフタを配置する手順とを行わせるようにコンピュータを制御するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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