【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結合材と体質材と着色材と滑材を主材とする非焼成タイプの色鉛筆芯の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
これまで、シャ−プペンシル用色芯や軸木を用いた色鉛筆芯などの非焼成タイプの色芯は、ポリ塩化ビニル、硝化綿、カルボキシメチルセルロ−ス、アクリルスチレン等の結合材と、無機系、有機系の染料や顔料などの着色材と、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の体質材と、ステアリン酸などの滑材と、カルナバワックス等の天然系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の合成系ワックスを少なくとも主材として使用し、必要に応じて補強剤や可塑剤、溶剤などと混練成形し製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これまでの色鉛筆芯やシャ−プペンシル用色芯の発色性を向上させようとする場合には、着色材の粒径の小さいものを使用したり、使用量を多くするなどして対応してきたが、粒径の小さいものを使用すると、色によっては、例えば青味系側、もしくは赤味系側に色調が変化して目的の色が得られ難く、また、使用する側での着色材の粒径のロット管理も困難である。また、着色材の使用量を単純に多くした場合は、結合材の相対的な使用量が低下するので折れやすい傾向にあり、特に、直径が3mm以上の太径の色鉛筆芯においては、着色材の使用量を多くすることはコストアップにつながる等の問題を抱えていた。
【0004】
この課題を克服するため、強度を損なわずに、芯の単一面積当たりの摩耗量を増やす手段としては、低融点のステアリン酸やワックス類を使用したり、単一摩耗粉の見た目の発色性を向上させるために、配合中に顔料分散材を使用するなど種々検討されてきたが、ワックス類の使用においては、特にシャ−プペンシル用の色芯において強度低下は抑えられず、低融点のステアリン酸及び顔料分散材の使用においては、細径、太径の芯に関わらず強度低下を小さくして発色性は向上するが、経時的な品質の安定性を失う傾向が大きくなる。すなわち、芯の表面が白化する現象が生じ易くなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、これまでの色鉛筆芯の強度を損なわずに、特に、発色性の優れた色鉛筆芯の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
これまでの非焼成タイプの色芯の発色性は、使用する着色材の粒径や種類と、その芯の配合組成中に占める使用割合でほぼ決定されていた。本発明者は、色芯の発色性は、着色材と共にタルクやマイカ等の体質材をいかに効率良く、紙面上に付着もしくは定着させるかにあることに主眼を置き、色鉛筆芯の摩耗のメカニズムを鋭意研究した結果、芯体中に強度低下を起こさせない程度の気孔を形成させ、更には、その気孔に潤滑効果を持たせる物質を介在させれば良いことを見い出し本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、結合材と体質材と着色材と滑材とを少なくとも使用する非焼成タイプの色鉛筆芯において、前記結合材を複数種使用し、これら配合組成物を混練、成形し、適宜乾燥させた後、前記結合材の少なくとも1種を残し、他の結合材を除去して気孔を形成してなる色鉛筆芯の製造方法を第1の要旨とし、第1の要旨において結合材が水溶性樹脂と非水溶性樹脂との組み合わせであることを特徴とする色鉛筆芯の製造方法を第2の要旨とし、第2の要旨において水溶性樹脂が熱可塑性を有する樹脂であることを特徴とする色鉛筆芯の製造方法を第3の要旨とし、第1の要旨において結合材が非水溶性樹脂同士の組み合わせであることを特徴とする色鉛筆芯の製造方法を第4の要旨とし、第1の要旨において結合材が水溶性樹脂同士の組み合わせであることを特徴とする色鉛筆芯の製造方法を第5の要旨とし、第1の要旨乃至第5の要旨の何れかの色鉛筆芯において、気孔中に、油脂類を含浸することを特徴とする色鉛筆芯の製造方法を第6の要旨とする。
【0008】
以下、詳述する。
本発明で使用する結合材は、複数種使用する。その組合せ例としては、非水溶性樹脂と水溶性樹脂、非水溶性樹脂同士、水溶性樹脂同士が挙げられる。非水溶性樹脂と水溶性樹脂の組合せ例において、非水溶性樹脂の具体例としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、硝化綿、酢酸セルロ−ス、酪酢酸セルロ−ス、アクリルースチレン共重合体、アクリルーブタジエンスチレン共重合体、ポリカ−ボネ−ト、ポリアセタ−ル、ポリエチレン、フェノ−ル樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシ樹脂等、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など汎用的に使用されている樹脂を挙げることができる。
【0009】
一方、水溶性樹脂としては、例えば、コ−ンスタ−チやアラビアゴム等の天然高分子、デキストリン、カルボキシメチルセルロ−ス、エチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス等の半合成高分子、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコ−ル、ポリエステルポリオ−ル樹脂、ポリエ−テルポリオ−ル樹脂などの合成高分子やポリリン酸ソ−ダ、水ガラス等の無機高分子などを挙することができるが、芯に加工、乾燥する際の温度で分解したり揮散してしまわない樹脂が好ましいので、熱可塑性を有する樹脂の使用はより好ましい。
【0010】
非水溶性樹脂同士の組み合わせとしては、各種有機溶剤をはじめとした溶解性の違いを利用して、一方の非水溶性樹脂が溶出してしまう樹脂の組み合わせを考慮すれば良く、溶解性の高い樹脂としては、重合度が低く一次元的な構造を有する熱可塑性樹脂などが挙げられ、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、酢酸セルロ−ス、ポリメタクリル酸メチル等を挙げることができる。そして溶解性の低い樹脂としては分子構造が結晶質で重合度が高いもの、また三次元的な立体構造を有する樹脂などが挙げられ、例えばポリエチレン、ナイロン、フェノ−ル樹脂、ポリアクリルニトリル等が挙げられる。
【0011】
水溶性樹脂同士の組み合わせとしては、前述した非水溶性樹脂同士の組み合わせと同様にして水溶性樹脂の中でも溶解性の違う樹脂の組み合わせを考慮するればよく、具体的には、水溶性樹脂でありながら、非極性結合を有する官能基をその分子構造中に含む為、アルコ−ルやアセトンやトリクロルエチレン等の一部有機溶剤と溶解してしまう樹脂で、例えば、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド等を挙げることができる。
【0012】
以上記述した水溶性樹脂、非水溶性樹脂中のどちらか一方を色鉛筆芯の結合材として、他方が気孔を形成するための樹脂となる。気孔形成材としての樹脂の使用量は水溶性、非水溶性樹脂の各々の組み合わせにもよるが、特に、樹脂の結合材としての賦形効果を損ねない使用量が好ましく、揮発溶剤分を除く全量に対して、5重量%も使用すれば十分であるが、より好ましくは0.5から3重量%の範囲が良い。気孔形成材としての樹脂の使用量が5重量%を超えた場合には、後述する水や有機溶剤による溶出時にできる気孔の占める割合が大きくなり過ぎて発色性の効果は見られるが、逆に芯の強度低下が生じることがあるからである。
【0013】
他の材料である体質材としては、ポリエチレンワックス、ジステアリルケトン、ケトンワックス、パラフィンワックスなどの合成系ワックス、密ろう、木ろう、カルナバワックス等の天然系ワックス、タルク、マイカ、窒化硼素、フッ化黒鉛、Nε−ラウロイルリジン等が挙げられ、着色材としては、天然、合成染料や無機、有機系顔料を任意に使用することができ、更に、滑材としては、各種金属ステアリン酸、アミノ酸系ステアリン酸などが挙げられる。その他必要に応じてチタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、石膏などの繊維状補強材、リン酸トリクレジル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジアリル、ジブチルフタレ−ト、ジオクチルフタレ−ト等の可塑剤、メチルエチルケトン等の溶剤といったものを適宜配合材料として前記材料に加え、3本ロ−ルやニ−ダ、ヘンシルミキサ−で分散混練をし、溶剤使用時には溶剤分を調整しながら押出機などで成形し、乾燥処理などを施し芯体を得る。
【0014】
次いで、芯体中に含まれる結合材の少なくとも1種を残し、他の結合材を除去して気孔を形成する訳だが、結合材の除去方法としては、結合材として非水溶性樹脂を用いた場合には、芯体を水などに浸漬し気孔形成材としての水溶性樹脂を溶出させれば良く、逆に水溶性樹脂を結合材とした場合には、気孔形成材としての非水溶性樹脂を有機溶剤などに浸漬させ溶出させれば良い。また非水溶性樹脂同士の場合と水溶性樹脂同士の場合は、各々基本的には前述したように、それぞれ結合材となる樹脂に対して溶解しない溶剤を用いてもう一方の樹脂を溶出させれば良い。
【0015】
以上、気孔形成材としての樹脂を効率的に溶出させるために、例えば加温、加圧減圧などを施してもよいが、焼成芯とは異なり生芯(非焼成芯)であるので、乾燥上がりの芯が外観的に曲がりなどを起こさない程度の温度や圧力下で処理することが望ましい。また、短時間で気孔形成材としての樹脂を溶出させるには、超音波洗浄などが特に効果的である。
【0016】
前述するように、本発明は溶媒の水もしくは有機溶剤で一方の樹脂を溶出させるので、結合材としての樹脂の選定においては、どちらの溶媒にも相溶してしまう樹脂は勿論のこと、加温、加圧、減圧下で溶解性が変化する樹脂の使用は、著しい強度低下を起こすので注意が必要である。
【0017】
以上得られた芯体のみでも、筆記時の亀裂作用が働いて、着色体質材の崩れによる摩耗により発色性を得ることができるが、その芯体中の気孔中に油脂類を含浸させることで更なる発色性の向上が実現する。使用する油脂類としては、気孔中に容易に含浸されるものなら従来より公知のシリコンオイル、鉱物油、マシン油、流動パラフィン、フタル酸エステル等の各種エステル化合物、α−オレフィンオリゴマ−、パ−ム油、オレイン酸、オリ−ブ油、スクワラン等天然、合成系の油脂で、常温で固体や液体の数種類の油脂類を単独もしくは併用して使用することができる。
【0018】
【作用】
本発明による発色性の向上の理由は、非焼成色鉛筆芯中に気孔を形成するため、筆記時の亀裂作用が働いて、着色体質材の崩れによる摩耗により発色性を向上させることができるが、特に、その気孔に潤滑効果を有する油脂類を含浸させた場合には、その油が体質材を紙面に効率良く定着させより一層発色性を向上させることができる。より具体的には、恐らく紙面の凸部と気孔部が当たると同時に、気孔部に楔を打ち込んだように連続的にミクロンオ−ダ−の亀裂が入ることにより、芯体からのワックス、滑材、体質材などと結合材からの剥がれが起こり、次いで、油脂類が、タルクやマイカ等の体質材が摩耗する助剤として作用しているものと思われる。特に、油脂類がタルクやマイカなどに与える効果としては、例えば、黒鉛粒子が劈開するような剥離効果に近い摩耗を体質材に与えているのではないかと推察できる。
【0019】
【実施例】
<実施例1>
硝化綿(非水溶性樹脂) 21重量部
ポリビニルアルコ−ル(水溶性樹脂) 2重量部
ステアリン酸 7重量部
ワックス 7重量部
タルク 45重量部
ポリカ−ボネ−ト 5重量部
銅フタロシアニンブル− 13重量部
メチルエチルケトン(溶剤) 100重量部
【0020】
上記材料を3本ロ−ルで溶剤量を調整しながら混練後、細線状に押出成形し乾燥機にて80℃で約8時間乾燥して溶剤を除去し、呼び径0.9のシャ−プペンシル用の青色の芯体を得た。
【0021】
<実施例2>
実施例1において得られた芯体を水中に浸し、37KHZの周波数で40分間程超音波洗浄後、40℃のスピンドル油中に20分間程度含浸させ、遠心分離器でよく油きりをして青色の芯を得た。
【0022】
<実施例3〜7>
実施例1においてポリビニルアルコ−ルの使用量を0.3、0.5、3、5、6重量部に変えた以外は全て実施例1と同様にして青色の芯を得た。
【0023】
<比較例1>
実施例1においてポリビニルアルコ−ルを使用しなかった以外は全て実施例1と同様にして青色の芯を得た。
【0024】
上記材料をヘンシルミキサ−で分散し次いで、熱ロ−ルで混練後、細線状に押出成形し150℃で約8時間乾燥して、可塑剤を除去し呼び直径0.9のシャ−プペンシル用の青色の芯体を得た。
【0025】
<実施例9>
実施例8において得られた芯体を水中に浸し、37KHZの周波数で40分間程超音波洗浄後、60℃のスピンドル油中に20分間程度含浸させ、遠心分離器でよく油きりをして青色の芯体を得た。
【0026】
<実施例10〜14>
実施例8においてポリエステルポリオ−ル樹脂の使用量を各々0.3、0.5、3、5、6重量部に変えた以外は全て実施例8と同様にして青色の鉛筆芯を得た。
【0027】
<比較例2>
実施例8においてポリエステルポリオ−ル樹脂を使用しなかった以外は実施例8と同様にして青色の芯体を得た。
【0028】
<実施例15>
カルボキシメチルセルロ−ス(水溶性樹脂) 14重量部
硝化綿(非水溶性樹脂) 2重量部
ステアリン酸 15重量部
タルク 57重量部
ワックス 5重量部
赤色系有機顔料 7重量部
水 100重量部
上記材料をヘンシルミキサ−で分散し、3本ロ−ルで混練、押出機で成形後、50℃で約70時間乾燥し、3mmの鉛筆用の赤色の芯体を得た。
【0029】
<実施例16>
実施例15において得られた芯体をメチルエチルケトン中に浸し、37KHZの周波数で10分間程超音波洗浄後、40℃のスピンドル油中に20分間程度浸漬させ、遠心分離器でよ油切りをして赤色の芯体を得た。
【0030】
<実施例17〜21>
実施例15において硝化綿の使用量を0.3、0.5、3、5、6重量部に変えた以外は全て実施例15と同様にして赤色の芯体を得た。
【0031】
<比較例3>
実施例15において硝化綿を使用しなかった以外は全て実施例15と同様にして赤色の芯体を得た。
【0032】
<実施例22>
エポキシ樹脂(非水溶性樹脂) 30重量部
酢酸セルロ−ス(非水溶性樹脂) 2重量部
ステアリン酸 5重量部
タルク 40重量部
ワックス 15重量部
有機系赤色顔料 8重量部
メチルエチルケトン 50重量部
上記材料をヘンシルミキサ−を用いて分散造粒してペレット化し、連続押出成型機機にて細線状に成形した芯を、100℃で乾燥し、エポキシ樹脂の硬化を終了させ3mmの赤色の芯体を得た。
【0033】
<実施例23>
実施例22において得られた芯体をメチルエチルケトン中に浸し、37KHZの周波数で30分間程度洗浄後、60℃のスピンドル油中に20分間程度浸漬させ、遠心分離器でよく油切りをして赤色の芯体を得た。
【0034】
<実施例24〜28>
実施例22において酢酸セルロ−スの使用量を0.3、0.5、3、5、6重量部に変えた以外は全て実施例22と同様にして赤芯を得た。
【0035】
<比較例4>
実施例22において酢酸セルロ−スを使用しなかった以外は全て実施例22と同様にして赤色の芯体を得た
【0036】
<実施例29>
カルボキシメチルセルロ−ス(水溶性樹脂) 14重量部
ポリビニルピロリドン(水溶性樹脂) 2重量部
ステアリン酸 5重量部
タルク 56重量部
ワックス 10重量部
赤色系有機顔料 8重量部
水 100重量部
上記材料をヘンシルミキサ−で分散し、3本ロ−ルで混練し、押出成型機で成形後50℃で約70時間乾燥し、3mmの鉛筆用の赤色の芯体を得た。
【0037】
<実施例30>
実施例29において得られた芯体をアセトン中に浸し、37KHZの周波数で10分間程超音波洗浄後、40℃のスピンドル油中に20分間程度浸漬させ、遠心分離器でよ油切りをして赤色の芯体を得た。
【0038】
<実施例31〜35>
実施例29においてポリビニルピロリドンの使用量を0.3、0.5、3、5、6重量部に変えた以外は全て実施例29と同様にして赤色の芯体を得た。
【0039】
<比較例5>
実施例29においてポリビニルピロリドンを使用しなかった以外は全て実施例29と同様にして赤色の芯体を得た。
【0040】
以上各例で得られた色鉛筆芯の曲げ強さと発色性の代用特性としての濃度をJIS S6005の測定方法に準じて測定した結果を表1、2、3に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、表1乃至3に示すように、芯体の強度を低下させることなく、発色性を向上した色鉛筆芯を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a non-fired type colored pencil lead mainly composed of a binder, an extender, a colorant, and a lubricant.
[0002]
[Prior art]
Up to now, non-baked type color cores such as color pencil cores for sharp pencils and colored pencil cores have been made of binders such as polyvinyl chloride, nitrified cotton, carboxymethyl cellulose, acrylic styrene, and inorganic materials. Synthesis of coloring materials such as organic dyes and pigments, constitution materials such as talc, mica and calcium carbonate, lubricants such as stearic acid, natural waxes such as carnauba wax, paraffin wax, microcrystalline wax, etc. A system wax is used at least as a main material, and is kneaded and formed with a reinforcing agent, a plasticizer, a solvent and the like as necessary.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
When trying to improve the color developability of the color pencil lead and the color lead for the sharp pencil so far, we have responded by using a small colorant particle size or increasing the amount used. If a particle having a small particle size is used, depending on the color, for example, it is difficult to obtain the target color by changing the color tone to the bluish side or the reddish side. Diameter lot management is also difficult. In addition, when the amount of the colorant used is simply increased, the relative amount of the binder used tends to be broken, so that it tends to break. Particularly, in the case of a large-diameter colored pencil lead having a diameter of 3 mm or more, the colorant Increasing the amount of use had problems such as increased costs.
[0004]
To overcome this problem, low melting point stearic acid and waxes are used as a means of increasing the wear amount per single area of the core without losing strength, and the apparent color development of a single wear powder In order to improve the properties, various studies have been made such as using a pigment dispersing agent during compounding. However, in the use of waxes, particularly in the color core for sharp pencils, the decrease in strength cannot be suppressed, and the low melting point stearin. In the use of the acid and the pigment dispersion material, the color reduction is improved by reducing the strength reduction regardless of the cores of the small diameter and the large diameter, but the tendency to lose the stability of the quality over time increases. That is, the phenomenon that the surface of the core is whitened easily occurs.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, an object of the present invention is to provide a method for producing a colored pencil lead having particularly excellent color developability without impairing the strength of the conventional colored pencil lead.
[0006]
Until now, the color developability of the non-fired type color core has been almost determined by the particle size and type of the colorant to be used and the use ratio of the core in the blend composition. The inventor of the present invention focuses on how to efficiently attach a colorant, such as talc and mica, together with the colorant, to adhere to or fix on the paper surface. As a result of diligent research, it was found that pores that do not cause a decrease in strength were formed in the core, and further, a substance having a lubricating effect could be interposed in the pores, and the present invention was completed.
[0007]
That is, the present invention uses a plurality of the binders in a non-fired type color pencil core that uses at least a binder, an extender, a colorant, and a lubricant, and kneads and molds these blended compositions. After drying, at least one of the binders is left, and the manufacturing method of the colored pencil lead formed by removing the other binders to form pores is a first gist. In the first gist, the binder is water-soluble. A method for producing a colored pencil lead characterized in that it is a combination of a water-soluble resin and a water-insoluble resin. In the second aspect, the water-soluble resin is a resin having thermoplasticity. The method for producing a colored pencil lead is a third summary, and the method for producing a colored pencil lead characterized in that the binder is a combination of water-insoluble resins in the first summary. The binder is water-soluble resin A manufacturing method of a colored pencil lead characterized in that it is a combination. The colored pencil lead of any one of the first to fifth features is impregnated with fats and oils in the pores. The manufacturing method of the colored pencil lead is defined as the sixth gist.
[0008]
Details will be described below.
A plurality of types of binders are used in the present invention. Examples of such combinations include water-insoluble resins and water-soluble resins, water-insoluble resins, and water-soluble resins. In the combination example of the water-insoluble resin and the water-soluble resin, specific examples of the water-insoluble resin include, for example, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, nitrified cotton, cellulose acetate, cellulose acetate butyrate, and acrylic styrene. Copolymer, acrylic-butadiene styrene copolymer, polycarbonate, polyacetal, polyethylene, phenolic resin, benzoguanamine resin, epoxy resin, thermoplastic resin, thermosetting resin, etc. Can be mentioned.
[0009]
On the other hand, as the water-soluble resin, for example, natural polymers such as corn starch and gum arabic, half-dextrin such as dextrin, carboxymethyl cellulose, ethyl cellulose, hydroxyethyl cellulose, hydroxypropyl cellulose, etc. Synthetic polymers such as synthetic polymers, polyethyleneimine, polyvinyl alcohol, polyester polyol resins, and polyether polyol resins, and inorganic polymers such as polyphosphate soda and water glass can be listed. However, since a resin that does not decompose or volatilize at the temperature at which the core is processed and dried is preferable, the use of a resin having thermoplasticity is more preferable.
[0010]
As a combination of water-insoluble resins, it is only necessary to consider a combination of resins from which one water-insoluble resin elutes using the difference in solubility including various organic solvents, and it has high solubility. Examples of the resin include thermoplastic resins having a low degree of polymerization and a one-dimensional structure, and examples thereof include polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, cellulose acetate, and polymethyl methacrylate. Low-solubility resins include those having a crystalline molecular structure and a high degree of polymerization, and resins having a three-dimensional structure, such as polyethylene, nylon, phenolic resin, and polyacrylonitrile. Can be mentioned.
[0011]
As a combination of water-soluble resins, it is only necessary to consider a combination of resins having different solubility among water-soluble resins in the same manner as the combination of water-insoluble resins described above. However, since it contains a functional group having a nonpolar bond in its molecular structure, it is a resin that dissolves in some organic solvents such as alcohol, acetone, and trichloroethylene. For example, polyvinylpyrrolidone, polyethylene oxide, etc. Can be mentioned.
[0012]
Either the water-soluble resin or the water-insoluble resin described above is used as a binder for the colored pencil lead, and the other is a resin for forming pores. The amount of resin used as a pore-forming material depends on the combination of water-soluble and water-insoluble resins, but in particular, the amount used does not impair the shaping effect as a resin binder, excluding volatile solvents It is sufficient to use 5% by weight based on the total amount, but a range of 0.5 to 3% by weight is more preferable. If the amount of resin used as the pore-forming material exceeds 5% by weight, the proportion of pores formed during elution with water or an organic solvent, which will be described later, becomes too large, and a color developing effect is seen. This is because the strength of the lead may be reduced.
[0013]
Examples of other constitutional materials include synthetic waxes such as polyethylene wax, distearyl ketone, ketone wax, and paraffin wax, natural waxes such as beeswax, wax, carnauba wax, talc, mica, boron nitride, fluorine. Graphite, Nε-lauroyl lysine, etc., natural, synthetic dyes, inorganic and organic pigments can be arbitrarily used as the colorant, and various metal stearic acids and amino acids can be used as the lubricant. And stearic acid. Other fiber reinforcing materials such as potassium titanate, magnesium sulfate, magnesium silicate, gypsum, plasticizers such as tricresyl phosphate, dimethyl phthalate, diallyl phthalate, dibutyl phthalate, dioctyl phthalate as required, A solvent such as methyl ethyl ketone is appropriately added to the above material as a blending material, and dispersed and kneaded with three rolls, a kneader, and a hensil mixer, and molded with an extruder or the like while adjusting the solvent content when using the solvent, A core is obtained by performing a drying process or the like.
[0014]
Next, the pores are formed by removing at least one of the binders contained in the core and removing the other binders. As a method for removing the binders, a water-insoluble resin was used as the binder. In this case, the core body may be immersed in water or the like to elute the water-soluble resin as the pore-forming material. Conversely, when the water-soluble resin is used as the binder, the water-insoluble resin as the pore-forming material is used. May be immersed in an organic solvent and eluted. In the case of water-insoluble resins and water-soluble resins, as described above, the other resin can be eluted using a solvent that does not dissolve in the resin as the binder. It ’s fine.
[0015]
As described above, in order to efficiently elute the resin as the pore forming material, for example, heating, pressurization and decompression may be performed. However, unlike the fired core, it is a green core (non-fired core), so It is desirable to perform the treatment at a temperature and pressure that do not cause the core of the core to bend in appearance. In addition, ultrasonic cleaning or the like is particularly effective for eluting the resin as the pore forming material in a short time.
[0016]
As described above, since the present invention elutes one resin with the solvent water or the organic solvent, in selecting the resin as the binder, not only the resin that is compatible with either solvent, Use of a resin whose solubility changes under temperature, pressure, or reduced pressure causes a significant decrease in strength, so care must be taken.
[0017]
Even with only the core obtained above, the cracking effect at the time of writing works, and it is possible to obtain color development due to wear due to the collapse of the colored extender, but by impregnating the fats and oils in the pores in the core Further improvement in color developability is realized. As fats and oils to be used, various types of ester compounds such as silicon oil, mineral oil, machine oil, liquid paraffin, phthalate ester, α-olefin oligomer, Natural and synthetic oils and fats such as mu oil, oleic acid, olive oil, and squalane, and several kinds of oils that are solid or liquid at room temperature can be used alone or in combination.
[0018]
[Action]
The reason for the improvement of the color developability according to the present invention is to form pores in the non-fired colored pencil core, so that the cracking action at the time of writing works, and the color developability can be improved by wear due to the collapse of the colored extender, In particular, when the pores are impregnated with fats and oils having a lubricating effect, the oil can efficiently fix the extender on the paper surface and further improve the color developability. More specifically, the wax and the lubricant from the core body are likely to come into contact with the convex part and the pore part of the paper at the same time and the micron order cracks are continuously formed as if the wedge is driven into the pore part. It is considered that exfoliation occurs from the extender and the binding material, and then the fats and oils act as an auxiliary agent for wear of the extender such as talc and mica. In particular, as an effect of fats and oils on talc, mica and the like, it can be inferred that, for example, wear similar to a peeling effect that cleaves graphite particles is given to the extender.
[0019]
【Example】
<Example 1>
Nitrified cotton (water-insoluble resin) 21 parts by weight Polyvinyl alcohol (water-soluble resin) 2 parts by weight Stearic acid 7 parts by weight Wax 7 parts by weight Talc 45 parts by weight Polycarbonate 5 parts by weight Copper phthalocyanine 13 parts by weight Parts methyl ethyl ketone (solvent) 100 parts by weight
The above materials were kneaded while adjusting the amount of solvent with 3 rolls, then extruded into a thin line, dried at 80 ° C. for about 8 hours with a dryer to remove the solvent, and a shaft having a nominal diameter of 0.9 A blue core for pupencil was obtained.
[0021]
<Example 2>
The core obtained in Example 1 is immersed in water, subjected to ultrasonic cleaning at a frequency of 37 KHZ for about 40 minutes, then impregnated in spindle oil at 40 ° C. for about 20 minutes, and well-oiled with a centrifuge to remove blue color. Got the core.
[0022]
<Examples 3 to 7>
A blue core was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of polyvinyl alcohol used in Example 1 was changed to 0.3, 0.5, 3, 5, and 6 parts by weight.
[0023]
<Comparative Example 1>
A blue core was obtained in the same manner as in Example 1 except that polyvinyl alcohol was not used in Example 1.
[0024]
The above material is dispersed with a hensil mixer, then kneaded with a heat roll, extruded into a thin line and dried at 150 ° C. for about 8 hours to remove the plasticizer, and for a sharp pencil having a nominal diameter of 0.9. A blue core was obtained.
[0025]
<Example 9>
The core obtained in Example 8 is soaked in water, subjected to ultrasonic cleaning at a frequency of 37 KHZ for about 40 minutes, then impregnated in spindle oil at 60 ° C. for about 20 minutes, and well-oiled with a centrifuge to remove blue color. The core was obtained.
[0026]
<Examples 10 to 14>
A blue pencil lead was obtained in the same manner as in Example 8 except that the amount of the polyester polyol resin used in Example 8 was changed to 0.3, 0.5, 3, 5, and 6 parts by weight, respectively.
[0027]
<Comparative example 2>
A blue core was obtained in the same manner as in Example 8 except that the polyester polyol resin was not used in Example 8.
[0028]
<Example 15>
Carboxymethyl cellulose (water-soluble resin) 14 parts by weight nitrified cotton (water-insoluble resin) 2 parts by weight Stearic acid 15 parts by weight Talc 57 parts by weight Wax 5 parts by weight Red organic pigment 7 parts by weight Water 100 parts by weight Was dispersed with a hensil mixer, kneaded with three rolls, molded with an extruder, and then dried at 50 ° C. for about 70 hours to obtain a red core for a 3 mm pencil.
[0029]
<Example 16>
The core obtained in Example 15 is immersed in methyl ethyl ketone, subjected to ultrasonic cleaning at a frequency of 37 KHZ for about 10 minutes, then immersed in spindle oil at 40 ° C. for about 20 minutes, and oiled with a centrifuge. A red core was obtained.
[0030]
<Examples 17 to 21>
A red core was obtained in the same manner as in Example 15 except that the amount of nitrified cotton used in Example 15 was changed to 0.3, 0.5, 3, 5, and 6 parts by weight.
[0031]
<Comparative Example 3>
A red core was obtained in the same manner as in Example 15 except that nitrified cotton was not used in Example 15.
[0032]
<Example 22>
Epoxy resin (water-insoluble resin) 30 parts by weight Cellulose acetate (water-insoluble resin) 2 parts by weight Stearic acid 5 parts by weight Talc 40 parts by weight Wax 15 parts by weight Organic red pigment 8 parts by weight Methyl ethyl ketone 50 parts by weight Was dispersed and granulated using a Hensyl mixer, pelletized, and the core formed into a thin line with a continuous extrusion molding machine was dried at 100 ° C. to complete the curing of the epoxy resin, and a 3 mm red core was obtained. It was.
[0033]
<Example 23>
The core obtained in Example 22 was immersed in methyl ethyl ketone, washed for about 30 minutes at a frequency of 37 KHZ, then immersed in spindle oil at 60 ° C. for about 20 minutes, thoroughly drained with a centrifuge, and reddish. A core was obtained.
[0034]
<Examples 24-28>
A red core was obtained in the same manner as in Example 22 except that the amount of cellulose acetate used in Example 22 was changed to 0.3, 0.5, 3, 5, and 6 parts by weight.
[0035]
<Comparative Example 4>
A red core was obtained in the same manner as in Example 22 except that cellulose acetate was not used in Example 22.
<Example 29>
Carboxymethyl cellulose (water-soluble resin) 14 parts by weight Polyvinylpyrrolidone (water-soluble resin) 2 parts by weight Stearic acid 5 parts by weight Talc 56 parts by weight Wax 10 parts by weight Red organic pigment 8 parts by weight Water 100 parts by weight The mixture was dispersed with a hensil mixer, kneaded with three rolls, molded with an extruder and dried at 50 ° C. for about 70 hours to obtain a red core for a 3 mm pencil.
[0037]
<Example 30>
The core obtained in Example 29 is immersed in acetone, subjected to ultrasonic cleaning at a frequency of 37 KHZ for about 10 minutes, then immersed in spindle oil at 40 ° C. for about 20 minutes, and oiled with a centrifuge. A red core was obtained.
[0038]
<Examples 31-35>
A red core was obtained in the same manner as in Example 29 except that the amount of polyvinylpyrrolidone used in Example 29 was changed to 0.3, 0.5, 3, 5, and 6 parts by weight.
[0039]
<Comparative Example 5>
A red core was obtained in the same manner as in Example 29 except that polyvinylpyrrolidone was not used in Example 29.
[0040]
Tables 1, 2 and 3 show the results obtained by measuring the bending strength of the colored pencil lead obtained in each example and the density as a substitute characteristic of color development properties according to the measurement method of JIS S6005.
[0041]
[Table 1]
[0042]
[Table 2]
[0043]
[Table 3]
[0044]
【The invention's effect】
According to the present invention, as shown in Tables 1 to 3, it is possible to provide a colored pencil lead having improved color developability without reducing the strength of the core.