JP3784752B2 - 密閉形電動圧縮機の保護装置 - Google Patents

密閉形電動圧縮機の保護装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉形電動圧縮機の保護装置に係り、特に空気調和機や電気冷蔵庫等の冷凍装置に使用される三相誘導電動機を備えた密閉形電動圧縮機の保護装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術1の密閉形電動圧縮機の保護装置としては、図14に示すように、三相誘導電動機3を用いた密閉形電動圧縮機と、三相誘導電動機3の三相電源の全ラインR、S、Tに主接点1R、1S、1Tを接続した電磁接触装置1と、この接点1R、1Tより電源側の二つの電源ラインR、Tに接続した過負荷保護装置2R、2Tと、抵抗器5R、コンデンサ5C及び継電器コイル5Lを各電源ラインR、S、T間にスター結線で接続した逆転防止装置5とを備えるものがある。
【0003】
そして、電磁接触装置1の操作コイル1Lは、過負荷保護装置2R、2Tを接続した電源ラインR、T間に、開閉装置4及び継電器コイル5Lの接点5Aを直列に介して接続されている。そして、操作コイル1Lの一側は一方の過負荷保護装置2Rの中性点端子2Nに接続されると共に、操作コイル1Lの他側は他方の過負荷保護装置2Tのモータ側の電源ラインTに接続されている。
【0004】
逆転防止装置5の電源ラインR、S、Tへの接続を具体的に説明する。抵抗器5Rは一方の過負荷保護装置2Rより電動機側の電源ラインRに接続されている。継電器コイル5Lは他方の過負荷保護装置2Tの電源ラインTに接続されている。コンデンサ5Cは残りの電源ラインSに接続されている。
【0005】
過負荷保護装置2R、2Tは、バイメタル2Bを有するプロテクタ部を備えて構成されている。過負荷保護装置2R、2Tのバイメタル2Bは、それぞれの電源ラインR、Tを開閉するように設けられている。
【0006】
一方、従来技術2の密閉形電動圧縮機の保護装置としては、特開平7−262895号公報に開示されたものがある。この従来技術2を図1に示し、図1を参照しながら説明する。ただし、図1中の符号は従来技術1と同一物または相当物には同一符号を付してある。
【0007】
この従来技術2の密閉形電動圧縮機の保護装置は、三相誘導電動機3と、その三相電源の全ラインR、S、Tに主接点1R、1S、1Tを接続した電磁接触装置1と、この接点1R、1Tより電源側の二つの電源ラインR、Tに接続した過負荷保護装置2R、2Tと、過負荷保護継電器2R、2Tの電動機側の電源ラインR、Tと電源ラインSとの間に接続した抵抗器2H及びサーモ接点21Sとを備えて構成されている。
【0008】
そして、電磁接触装置1の操作コイル1Lは、過負荷保護装置2R、2Tを接続した電源ラインR、T間に、継電器コイル5Lの接点5Aを直列に介して接続されている。そして、操作コイル1Lの一側は一方の過負荷保護装置2Rの中性点端子2Nに接続されると共に、操作コイル1Lの他側は他方の過負荷保護装置2Tの中性点端子2Nに接続されている。
【0009】
過負荷保護装置2R、2Tは、バイメタル2B及びヒータとなる抵抗器2Hを有するプロテクタ部と、接点21Sを有するサーモスイッチ部とを備えて構成されている。過負荷保護装置2R、2Tのバイメタル2Bは、それぞれの電源ラインR、Tを開閉するように設けられている。過負荷保護装置2R、2Tの抵抗器2Hは、一側がプロテクタ部の固定接点2Dの電動機側に接続されると共に、他側がサーモスタット部の接点21Sを介して電源ラインSに接続されている。サーモスタット部の接点21Sは、常温で開路状態となるように設定されている。
【0010】
そして、一対の過負荷保護継電器2R、2Tは、密閉形電動圧縮機の外殻の上面に熱的に接続されて並置されている。密閉形電動圧縮機の外殻温度が上昇すれば、いずれか一方の過負荷保護継電器2Rまたは2Tの動作温度の低いサーモスタット部の接点21Sが閉路動作する。これによって、抵抗器2Hが通電されて発熱し、この発熱によってバイメタル2Bが加熱されて反転動作温度に達すると、過負荷保護装置のいずれか一方2Rまたは2Tが開路動作するように構成されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1では、過負荷保護装置2R、2Tが接続されていない電源ラインSが途中欠相した場合に、過負荷保護装置2Rまたは2Tの開閉により三相誘導電動機3のR−T相単相通電運転とその停止が繰り返しされ、過負荷保護装置2Rまたは2Tの寿命が短くなってしまうという課題がある。
【0012】
この点を具体的に説明する。三相誘導電動機3が通常運転中にS相の電源側が途中欠相すると、R相−抵抗器5R−継電器コイル5L−T相の回路の通電が継続されて継電器コイル5Lによる接点5Aの閉路動作が継続されるので、R相−過負荷保護装置2R−開閉装置4−操作コイル1L−接点5A−過負荷保護装置2T−T相の回路の通電が継続される。これによって、操作コイル1Lによる主接点1R、1S、1Tの閉路動作が継続され、三相誘導電動機3はR−T単相通電で回転運動が継続される。この状態で、過負荷保護装置2Rまたは2Tのバイメタル2Bが開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Rまたは3Tの電路が遮断されることになり、三相誘導電動機3の回転運動が停止する。その後、過負荷保護装置2Rまたは2Tのバイメタル2Bが復帰して閉路動作すると、操作コイル1Lへの通電が復帰され主接点1R、1S、1Tが閉路することにより、三相誘導電動機3がR−T単相通電で運転が再開される。以下、過負荷保護装置2Rまたは2Tのバイメタル2Bの開閉動作により、三相誘導電動機3のR−T単相運転及び停止が繰り返されてしまうものである。
【0013】
更に、従来技術1では、密閉形電動圧縮機を冷凍サイクルに用いた場合に、その冷凍サイクルから冷媒が漏れると、冷媒による三相誘導電動機3の冷却効果が減少して電動機巻線3R、3S、3Tの温度が上昇する。しかし、冷媒が漏れると、密閉形電動圧縮機を駆動する三相誘導電動機3の負荷が軽くなって電源ライン電流が減少するために、過負荷保護継電器2R、2Tが動作せず、電動機巻線3R、3S、3Tの温度上昇を防止することができないという課題がある。
【0014】
一方、従来技術2では、逆転防止装置を備えていないため、密閉形電動圧縮機を駆動する三相誘導電動機3を何等位相制御することなく電源に接続すると、その時の位相の関係で左回転となったり右回転となったりして所定の回転方向に制御できないという課題がある。即ち、密閉形電動圧縮機にはレシプロ方式、スクロール方式、スクリュー方式等の種々の形態があり、その回転方向に関係なく冷媒の圧縮が可能な方式はレシプロ方式のみで他の方式は全て圧縮不能になる。なお、レシプロ方式でも、圧縮機の給油構造が左右両方回転の耐えるものが必要となる。
【0015】
また、従来技術2では、バイメタル2Bの閉路動作温度がサーモスイッチ部の接点21Sの開路動作温度より高くなるように設定した場合に、これらの周囲温度が下がってくると、バイメタル2Bが先に閉路動作し、サーモスイッチ部の接点21Sが遅れて開路動作することになる。従って、過負荷保護装置2Rまたは2Tのバイメタル2Bが閉路動作した時に三相誘導電動機3が始動して運転するが、サーモスイッチ部の接点21Sが閉路動作状態にあるため、抵抗器2Hが即発熱して、再度バイメタル2Bを開路動作させ三相誘導電動機3の運転を停止するように作用し、以下、これを繰り返してしまう。このため、従来技術2では、バイメタル2Bの閉路動作温度よりサーモスイッチ部の接点21Sの開路動作温度の方が高くなるように設定することが不可欠となる。その結果、サーモスイッチ部の接点21Sの反転復帰温度のバラツキ最小値がバイメタル2Bの反転復帰温度のバラツキ最大値より高い温度にしなければならず、その管理のためにコスト高になるという課題がある。
【0016】
更に、従来技術2では、一対の過負荷保護装置2R、2Tの両方にサーモスイッチ部を備えているため、高コストになってしまうと共に、そのための電気的接続も面倒となるという課題がある。即ち、一方の過負荷保護装置2Rまたは2Tにサーモスイッチ部が備えられていれば、密閉形電動圧縮機の外殻に並置されている場合でも十分な保護機能を奏するはずであり、過負荷保護装置の一方2Rまたは2Tを電気品室等に取り付けられている場合には、そのサーモスイッチ部は機能せず無駄になってしまうものである。
【0017】
本発明の目的は、逆転防止機能を有しつつ、いずれの電源ラインに欠相が生じても単相拘束通電による運転を1回限りとすることができると共に、冷媒漏れ等に対して保護することができ、高信頼性、高安全性の保護装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、三相誘導電動機と、前記三相誘導電動機の三相電源の全ラインに接続した接点及びこの接点を開閉する操作コイルを有する電磁接触装置と、この電磁接触装置の接点より電源側の二つの電源ラインに接続したバイメタル式過負荷保護装置と、抵抗器、コンデンサ及び継電器コイルを前記各電源ライン間にスター結線で接続した逆転防止装置とを備え、前記過負荷保護装置を接続した電源ライン間に前記電磁接触装置の操作コイルを接した密閉形電動圧縮機の保護装置であって、前記一方の過負荷保護装置の中性点端子に前記操作コイルの一側を接続すると共に、前記他方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記操作コイルの他側を接続し、前記一方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記抵抗器を接続、前記他方の過負荷保護装置の中性点端子を含む電源側に前記継電器コイルを接続し、前記過負荷保護装置が接続されていない電源ラインに前記コンデンサを接続し、前記継電器コイルにより開閉される接点を前記操作コイルと直列に接続したことにある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の複数の実施例を図を用いて説明する。なお、各実施例の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
【0020】
まず、本発明の第1実施例を図1から図12を用いて説明する。
【0021】
本実施例の密閉形電動圧縮機を用いた冷凍装置の全体構成、機能及び動作を図2及び図3を参照しながら説明する。本実施例の冷凍装置は、冷凍サイクル及び送風装置11などで構成され、空気調和機や冷蔵庫などに適用される。
【0022】
冷凍サイクルは、密閉形電動圧縮機6、凝縮器8、減圧装置10及び蒸発器9を冷媒配管で順次接続して形成されている。また、送風装置11は、単相誘導電動機12、この単相誘導電動機12により回転されるファン13、ファン14を備えている。この冷凍サイクル中を冷媒が循環され、この冷媒が送風装置11により送られる空気と凝縮器8及び蒸発器9で熱交換することにより、冷却機能が発揮される。
【0023】
即ち、冷凍サイクル中で、冷媒は、密閉形電動圧縮機6で圧縮されて高温高圧になり、凝縮器8でファン13により通風される空気と熱交換して凝縮し、減圧装置10で減圧されて低圧となり、蒸発器9でファン14により通風される空気と熱交換して蒸発し、密閉形電動圧縮機6に戻ることにより、冷却機能が発揮される。減圧装置10はキャピラリチューブや膨張弁等で形成される。
【0024】
また、密閉形電動圧縮機6の外殻には、図3(a)に示すように一対の過負荷保護装置2R、2Tが設置されている。この過負荷保護装置2R、2Tは、密閉形電動圧縮機6の外殻の温度上昇と運転電流の増加の両者を感知して動作する。
【0025】
なお、密閉形電動圧縮機6に過負荷保護装置2R、2Tの両方を収納するスペースがない場合には、図3(b)に示すように、一方の過負荷保護装置2Tのみが密閉形電動圧縮機6に取り付けられ、他方の過負荷保護装置2Rが密閉形電動圧縮機6から離れた所、例えば電気品室等に取り付けられるようにしてもよい。この場合では、過負荷保護装置2Tは温度と電流の両者を感知し、過負荷保護装置2Rは電流を感知して開路動作をすることになる。
【0026】
過負荷保護装置2Tの構造を図4から図6を参照しながら説明する。
【0027】
過負荷保護装置2Tは、プロテクタ部20とサーモスイッチ部21とを上下に配置して構成されている。過負荷保護装置2Tは、下面を開口した絶縁性を有する筒状ケース2Fと、熱伝導が良好な絶縁性を有する蓋体2Gとを組み合わせて構成され、密閉された内部空間が形成されている。
【0028】
プロテクタ部20は、固定接点2Dと可動接点2Cとを内蔵して構成されている。即ち、一対の固定接点2Dは、筒状ケース2Fの底部(図6で上部)に植設された固定端子2Iの内部空間側に設けられている。一対の可動接点2Cは、一対の固定接点2Dに対向接離するように皿状のバイメタル2Bの上面に設けられている。
【0029】
調整ねじ2Jは、バイメタル2Bの中央部を下方から貫通し、さらに筒状ケース2Fの底部を貫通して外部に突出して設けられている。コイルバネ2Kは、調整ねじ2Jに巻かれ、バイメタル2Bを調整ねじ2Jの頭部に押し当てるように設けられている。調整ねじ2Jが貫通する筒状ケース2Fの底部は、固定端子2Iの上端より上方に高く形成されている。L字形の中性点端子2Nは、調整ねじ2Jの外部突出部にナット2Lで固定されている。
【0030】
外部接続端子2Mは、プロテクタ部20とサーモスイッチ部21の接続点にプロジェクション溶接等により設けられ、筒状ケース2Fの上面から上方に延びて設けられている。
【0031】
接点21Sに接離するサーモ端子2Eは、外部接続端子2Mの反対側に位置して筒状ケース2Fの上面から上方に延びて設けられている。
【0032】
二つの固定端子2I、外部接続端子2M及びサーモ端子2Eが筒状ケース2Fの上面外縁部に円形に配置されており、中性点端子2Nがその中央の突出底部に配置されている。これによって、各端子間の絶縁距離を確保することができ、信頼性の高いものとすることができる。
【0033】
上述した密閉形電動圧縮機6の保護装置の回路構成を図1を参照しながら説明する。
【0034】
三相誘導電動機3は、密閉形電動圧縮機6の外殻内に収納され、圧縮機構部を動作させるためのものである。三相誘導電動機3は、三相電源の各相のラインR、S、Tにスター結線された電動機巻線3R、3S、3Tを有している。
【0035】
全電源ラインR、S、Tの密閉形電動圧縮機6の外部に位置する部分には、電磁接触装置1の主接点1R、1S、1Tが接続されている。電磁接触装置1は操作コイル1Lと主接点1R、1S、1Tとから構成され、操作コイル1Lに所定電圧が通電された場合に主接点1R、1S、1Tが閉路される。
【0036】
二つの電源ライン(図示例では電源ラインR、T)における接点1R、1Tより電源側には、過負荷保護装置2R、2Tが接続されている。この過負荷保護装置2Rは、バイメタル2B、可動接点2C及び中性点端子2Nを有するプロテクタ部20を備えている。また、過負荷保護装置2Tは、バイメタル2B、可動接点2C、固定接点2D及び中性点端子2Nを有するプロテクタ部20と、接点21Sを有するサーモスイッチ部21とを備えている。なお、過負荷保護装置2Rはサーモスイッチ部を備えていない。バイメタル2Bは流れる電流による自己発熱及び周囲温度を感知して可動し、可動接点2Cが固定接点2Dと接離して電源ラインR、Tを開閉する。
【0037】
過負荷保護装置2Tは、プロテクタ部20とサーモスイッチ部21とが直列に接続され、且つプロテクタ部20とサーモスイッチ部21が上下に配置されている。プロテクタ部20とサーモスイッチ部21の接続点には外部接続端子2Mが設けられ、これに電磁接触装置1の接点1Tが接続されると共に、サーモスイッチ部21に逆転防止装置5の接点5Aと電磁接触装置1の操作コイル1Lとの直列回路が直列に接続されている。
【0038】
操作コイル1Lは、過負荷保護装置2Rの中性点端子2Nと、過負荷保護装置2Tの電動機側で且つ接点1Tの電源側(過負荷保護装置2Tと接点1Tとの間)の電源ラインRとの間に、開閉装置4、接点5A及び接点21Sを直列に介して接続されている。
【0039】
開閉装置4は三相誘導電動機3を始動するためのものであり、手動スイッチや温度調節器等で構成され、過負荷保護装置2Rの中性点端子2Nと操作コイル1Lとの間に接続されている。接点5Aは三相誘導電動機3を保護するためのものであり、電源ラインTと操作コイル1Lとの間に接続されている。また、接点5Aは継電器コイル5Lと共に電磁継電器5Yを構成し、継電器コイル5Lに所定電圧が通電された場合に閉路される。さらに、接点21Sは、三相誘導電動機3を保護するためのものであり、操作コイル1Lと直列に接続されている。具体的には、接点21sは、接点5Aと電源ラインTの過負荷保護装置2Tの三相誘導電動機側との間に接続されている。
【0040】
逆転防止装置5は、継電器コイル5L、コンデンサ5C及び抵抗器5Rがスター結線され、各電源ラインR、S、Tに接続されて構成されている。継電器コイル5Lは、一側が過負荷保護装置2Tの中性点端子2Nに接続され、他側がコンデンサ5Cを直列に介して電源ラインSに接続されると共に、抵抗器5Rを直列に介して過負荷保護装置2Rの電動機側で且つ接点1Rの電源側(過負荷保護装置2Rと接点1Rの間)の電源ラインRに接続されている。
【0041】
次に密閉形電動圧縮機6の逆転防止装置5の動作について説明する。
【0042】
密閉形電動圧縮機6には種々の形態があり、例えばレシプロ方式、ロータリ方式、スクロール方式、スクリュー方式等がある。これを駆動する三相誘導電動機3を位相制御することなく電源に接続すると、接続された時の位相が正相か逆相かで左回転になったり右回転になったりする。
【0043】
回転方向に関係なく冷媒の圧縮が可能な方式はレシプロ方式のみで、他の方式は全て圧縮不能になる。又、レシプロ方式の場合でも、圧縮機の給油構造が左右回転に耐えるものでないと、三相誘導電動機3が使用出来ないという問題がある。そこで、三相誘導電動機3の回転方向を一定方向に保持するため逆転防止装置5が用いられている。この逆転防止装置5は正相時に接点5Aが閉じ、逆相時にその接点5Aが閉じないように構成し、正相時になった時に三相誘導電動機3が正回転で始動されるようになっている。
【0044】
ここで、逆転防止装置5の動作原理について図及び図を参照しながら説明する。
【0045】
三相電源は各相間の位相が互いに2π/3ラジアンずつ異なる対称交流である。このずれを電気の三要素である抵抗器5R、コンデンサ5C、継電器コイル5Lから構成される位相回路の性質(即ち、抵抗器5Rは電圧に対して電流の遅れ進みに無関係、コンデンサ5Cは電圧に対して電流が進む、継電器コイル5Lは電圧に対して電流が遅れる性質)を利用し、夫々の抵抗器5R、コンデンサ5C、継電器コイル5Lを上述したように各相間に接続し、継電器コイル5Lに流れる電流の大小で逆転防止装置5の接点5Aを動作せしめる構成になっている。
【0046】
正相時の電圧と継電器コイル5Lに流れる電流とをベクトルで表すと図(a)〜(d)のようになる。図(a)は正相時の電圧位相を示し、VRは抵抗器5R、VCはコンデンサ5C、VTは継電器コイル5Lの電圧位相である。図(b)は正相時の電流位相を示し、IRは抵抗器5R、ICはコンデンサ5C、ILは継電器コイル5Lの電流位相である。図(c)はIRとICの合成電流IRC、IRとILの合成電流IRLを示す。図(d)はIRCとIRLの合成電流IRCLを示す。この図から明らかなように、正相時には継電器コイル5Lには大きな電流が流れるため、電磁継電器5Yが付勢されて接点5Aが閉じる。
【0047】
逆相時の電圧と継電器コイル5Lに流れる電流とをベクトルで表すと図(a)〜(c)
のようになる。図(a)は逆相時の電圧位相を示し、VRは抵抗器5R、VCはコンデンサ5C、VTは継電器コイル5Lを接続した電圧位相である。図(b)は逆相時の電流位相を示し、IRは抵抗器5R、ICはコンデンサ5C、ILは継電器コイル5Lの電流位相である。図(c)はICとILの合成電流ILCを示す。この図から明らかなように、逆相時には継電器コイル5Lに流れる電流はILCとIRが互いに逆方向の関係になることから互いにキャンセルされ、ごくわずかの励磁電流のみが流れるため、電磁継電器5Yが動作せず、結果として逆転防止装置5の接点5Aは閉じることが出来ず開いたままになる。そして、電圧位相が正相に変わると、上述したように正回転で運転が開始される。
【0048】
次に密閉形電動圧縮機6の保護装置の基本的な動作を図1を参照しながら説明する。
【0049】
開閉装置4が閉路されると、電磁接触機1の操作コイル1Lに通電されて付勢され、主接点1R、1S、1Tが閉じて三相誘導電動機3が通電状態になり、三相誘導電動機3の運転が開始される。これと逆に開閉装置4が開路されると、電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が断たれ、主接点1R、1S、1Tが開いて三相誘導電動機3の通電が断たれ、三相誘導電動機3の運転が停止される。
【0050】
ここで、開閉装置4が閉路中で、何等かの理由により三相誘導電動機3が始動出来ずに電源ラインR、S、Tに大きな拘束電流が流れ続けると、一対の過負荷保護装置2R、2Tのバイメタル2Bが発熱される。この発熱によって設定されたバイメタル2Bの反転動作温度に達すると、動作温度の低い方の過負荷保護装置2Rまたは2Tの可動接点2Cが開路動作する。
【0051】
この開路動作により三相誘導電動機3の一つの電源ラインRまたはTが遮断されると共に、電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電も遮断される。この操作コイル1Lの遮断から若干遅れて主接点1R、1S、1Tが開路動作し(この遅れ動作現象を電磁接触装置1の復帰時間と言う)、三相誘導電動機3の残りの電源ラインが遮断される。これによって、三相誘導電動機3は完全に電源ラインR、S、Tから切り離される。
【0052】
動作した過負荷保護装置2Rまたは2Tのバイメタル2Bが周囲の空気で冷却され、設定されたバイメタル2Bの反転復帰温度に達すると、再び可動接点2Cが閉路動作して、電磁接触装置1の操作コイル1Lに通電される。この操作コイル1Lへの通電より若干遅れて主接点1R、1S、1Tが閉路動作し、三相誘導電動機3が再び通電される。
【0053】
この時、三相誘導電動機3の拘束原因が排除されていれば三相誘導電動機3は正常に始動し運転する。しかしながら、拘束原因が排除されることなく継続している場合には、前述同様の拘束電流により過負荷保護装置2Rまたは2Tのいずれか一方が開路動作及び閉路動作を繰り返す。この繰り返し動作による拘束電流の通電では、電動機巻線3R、3S、3Tが温度上昇で過熱焼損しないように設定されている。
【0054】
次に、三相誘導電動機3が三相電源で正常に運転中にそのうち一相が欠相した場合の保護動作について図9から図12を参照しながら説明する。
【0055】
三相電源ラインR、S、Tは、配電盤内のヒューズ動作やコード接続取付部のネジの弛み等で一つの電源ラインが欠相することがある。R相が途中欠相した場合について図9及び図10を参照しながら説明する。
【0056】
R相が図9の×印で示すように途中欠相しても、S相−コンデンサ5C−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて継電器コイル5Lによる接点5Aの閉路動作が継続される。これによって、継電器コイル5Lには、図10(a)に示す2π/3ラジアン位相がずれた電圧VT、VSが印加され、図10(b)に示す合成電流ILCが流れる。電源電圧が定格に近い範囲では、この合成電流ILCで電磁継電器5Yの接点5Aの閉路が保持される。従って、S相−接点1S−電動機巻線3S−電動機巻線3R−接点1R−過負荷保護装置2R−開閉装置4−操作コイル1L−接点5A−接点21S−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて操作コイル1Lによる主接点1R、1S、1Tの閉路動作が継続される。その結果、S相−接点1S−電動機巻線3S−電動機巻線3T−接点1T−過負荷保護装置2T−T相のように通電され、三相誘導電動機3はS−T単相通電で回転を継続する。
【0057】
このように、三相誘導電動機3が途中欠相状態で単相通電されて運転が継続されていると、電密閉形電動圧縮機6は正常な三相運転と比べ過負荷状態になる。図3(a)に示す場合において、密閉形電動圧縮機6の外殻に取り付けられている一対の過負荷保護装置2R及び2Tは外殻の温度上昇と運転電流の増加の両者を感知して動作温度に達すると開路動作する。単相運転では、通常、三相正常運転時の電流の約15%増しの電流がこの二相間に流れるからである。
【0058】
上述した三相誘導電動機3のS−T単相通電の状態で、例えば過負荷保護装置2Tが図9の破線の如く開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Tの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び主接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0059】
その後、過負荷保護装置2Tが閉路動作すると、S相−コンデンサ5C−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて接点5Aが閉路され、S相−コンデンサ5C−抵抗器5R−過負荷保護装置2R−開閉装置4−操作コイル1L−接点5A−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されるが、この回路の夫々の分担電圧は抵抗器5Rがその大半を受け持つように設定してあるため、電磁接触装置1の操作コイル1Lは動作するに必要な電圧が得られず、電磁接触装置1の主接点1R、1S、1Tは開路状態が保持される。換言すれば、コンデンサ5C−抵抗器5R−操作コイル1Lの直列回路電流が流れるが、その電流が極めて小さく、電磁接触装置1の主接点1R、1S、1Tの閉路動作に必要な操作コイル1Lのアンペアターンが得られない。従って、三相誘導電動機3の停止が維持される。
【0060】
一方、上述した三相誘導電動機3がS−T単相通電されている状態で、過負荷保護装置2Rが開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Rの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び主接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0061】
そして、その後に過負荷保護装置2Rが閉路動作した場合は、上述した過負荷保護装置2Tが閉路動作した場合と同様に動作し、接点5A及び主接点1R、1S、1Tの開路状態が保持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0062】
このように、R相が途中欠相した場合には、三相誘導電動機3はまずS−T単相通電がなされて回転が継続され、過負荷保護装置2Tまたは過負荷保護装置2Rが一度開路動作することにより三相誘導電動機3への通電が断たれて回転が停止され、その後過負荷保護装置2Tまたは過負荷保護装置2Rが開閉動作しても三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0063】
S相が途中欠相した場合について図11を参照しながら説明する。
【0064】
S相が図11の×印で示すように途中欠相しても、R相−過負荷保護装置2R−抵抗器5R−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて継電器コイル5Lによる接点5Aの閉路動作が継続される。この回路は分担電圧の大半を抵抗器5Rが受け持つことにより継電器コイル5Lの分担電圧が小さく流れる電流が小さくなるが、接点5Aの閉路状態を継続するだけであれば継電器コイル5Lの分担電圧が小さくても接点5Aの閉路状態を継続することができる。これによって、R相−過負荷保護装置2R−開閉装置4−操作コイル1L−接点5A−接点21S−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電されて操作コイル1Lによる主接点1R、1S、1Tの閉路動作が継続される。その結果、R相−過負荷保護装置2R−接点1R−電動機巻線3R−電動機巻線3T−接点1T−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電される。三相誘導電動機3はR−T単相通電となるが、電動機巻線3Sと3Rに流れる電流で回転磁界が形成されているため、R−T単相通電であっても回転運動が継続される。
【0065】
この三相誘導電動機3のR−T単相通電の状態で、例えば過負荷保護装置2Rが図11の破線の如く開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Rの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び主接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0066】
その後、過負荷保護装置2Rが閉路動作すると、R相−過負荷保護装置2R−抵抗器5R−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−T相の回路に通電される。しかし、この回路の夫々の分担電圧は上述したように抵抗器5Rがその大半を受け持つように設定してあるため、継電器コイル5Lは接点5Aを閉路動作させるに必要な電圧が得られず、接点5Aは閉路されることなく開路したままとなる。換言すれば、接点5Aを閉路させる継電器コイル5Lの動作電圧は閉路した接点5Aの保持電圧よりはるかに大きいために、過負荷保護装置2Rの開路動作により継電器コイル5Lの通電が断たれて接点5Aが開路すると、抵抗器5Rを介した継電器コイル5Lの回路では接点5Aを閉路させる動作電圧が得られない。この接点5Aの回路状態これによって、操作コイル1Lに通電されない状態が維持され、主接点1R、1S、1Tの開路状態が維持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0067】
一方、三相誘導電動機3がR−T単相通電されている状態で、過負荷保護装置2Tが開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Tの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び主接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0068】
そして、その後に過負荷保護装置2Tが閉路動作した場合は、上述した過負荷保護装置2Rが閉路動作した場合と同様に動作し、接点5A及び主接点1R、1S、1Tの開路状態が維持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0069】
このように、S相が途中欠相した場合には、三相誘導電動機3はまずR−T単相通電がなされて回転が継続され、過負荷保護装置2Rまたは過負荷保護装置2Tが一度開路動作すると、三相誘導電動機3への通電が断たれて回転が停止され、その後過負荷保護装置2Rまたは過負荷保護装置2Tが開閉動作しても三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0070】
T相が途中欠相した場合について図12を参照しながら説明する。
【0071】
T相が図12の×印で示すように途中欠相しても、S相−コンデンサ5C−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−接点1T−電動機巻線3T−電動機巻線3R−接点1R−過負荷保護装置2R−R相の回路に通電されて継電器コイル5Lによる接点5Aの閉路動作が継続される。これによって、R相−過負荷保護装置2R−開閉装置4−操作コイル1L−接点5A−接点21S−過負荷保護装置2T−電動機巻線3T−電動機巻線3S−接点1S−S相の自己保持回路に通電されて操作コイル1Lによる主接点1R、1S、1Tの閉路状態が継続される。その結果、R相−過負荷保護装置2R−接点1R−電動機巻線3R−電動機巻線3S−接点1S−S相の回路に通電され、三相誘導電動機3はR−S単相通電で回転を継続する。
【0072】
この状態で、例えば過負荷保護装置2Rが図12の破線の如く開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Rの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び主接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0073】
その後、過負荷保護装置2Rが閉路動作すると、R相−過負荷保護装置2R−抵抗器5R−継電器コイル5L−過負荷保護装置2T−接点1T−電動機巻線3T−電動機巻線3S−接点1S−S相の回路に通電される。しかし、上述したように、この回路の夫々の分担電圧は抵抗器5Rがその大半を受け持つように設定してあるため、継電器コイル5Lは動作するに必要な電圧が得られず、接点5Aは閉路されることなく開路されたままとなる。これによって、操作コイル1Lに通電されない状態が維持され、主接点1R、1S、1Tの開路状態が維持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0074】
一方、三相誘導電動機3がR−S単相通電されている状態で、過負荷保護装置2Tが開路動作すると、三相誘導電動機3の巻線3Tの電路が遮断されて三相誘導電動機3が停止すると同時に、逆転防止装置5の継電器コイル5Lと電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が遮断され、接点5A及び主接点1R、1S、1Tが開路動作する。
【0075】
そして、その後に過負荷保護装置2Tが閉路動作した場合は、上述した過負荷保護装置2Rが閉路動作した場合と同様に動作し、接点5A及び主接点1R、1S、1Tの開路状態が維持される。従って、三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0076】
このように、T相が途中欠相した場合には、三相誘導電動機3はまずR−S単相通電がなされて回転が継続され、過負荷保護装置2Rまたは過負荷保護装置2Tが一度開路動作すると、三相誘導電動機3への通電が断たれて回転が停止され、その後過負荷保護装置2Rまたは過負荷保護装置2Tが開閉動作しても三相誘導電動機3の停止状態が維持される。
【0077】
従って、本実施例によれば、いずれの相に欠相が生じても、三相誘導電動機3の単相拘束通電を1回限りとすることができると共に、過負荷保護装置2Rまたは2Tの寿命を損なうこともないので、高信頼性、高安全性の保護装置を提供することができる。
【0078】
次に、三相誘導電動機3が三相電源で正常に運転中に冷凍サイクルの冷媒漏れ等が発生した場合の保護動作について図1を主に参照しながら説明する。
【0079】
冷凍サイクルの冷媒が何らかの理由で漏れた状態で、密閉形電動圧縮機6が運転され続けると、密閉形電動圧縮機6の外殻の温度が上昇するが、電源電流は減少する。この様な状態で、密閉形電動圧縮機6の外殻に取り付けた過負荷保護装置2Tのサーモスイッチ部21が所定の定められた反転動作温度になると開路動作する。この開路動作により、電磁接触装置1の操作コイル1Lの通電が断たれ、主接点1R、1S、1Tが開き、三相誘導電動機3は通電が断たれ停止する。
【0080】
その後、サーモスイッチ部21が所定の定められた反転復帰温度になると閉路動作して電磁接触装置1の操作コイル1Lに通電し、主接点1R、1S、1Tが閉路動作して三相誘導電動機3は再び通電され始動し運転する。
【0081】
この冷媒漏れが装置の冷媒不足として発見され処置されない限り、サーモスイッチ部21がこの開路動作及び閉路動作を繰り返し、三相誘導電動機3が始動、運転、停止の繰り返し動作を行なう。
【0082】
しかしながら、本実施例のサーモスイッチ部21は、密閉形電動圧縮機6の過負荷運転を保証する外殻温度の上限を超える値以上に反転動作温度が設定できると共に、密閉形電動圧縮機6の運転を保証する周囲温度の上限を超えた値以上に反転復帰温度が設定でき、換言すれば、プロテクタ部20の反転動作温度及び反転復帰温度等の動作特性に無関係にその値が設定出来るので、冷媒漏れ発生時の三相誘導電動機3の運転時間と停止時間を比較的自由にコントロールすることが出来る。従って、運転時間を短くし停止時間を長くすることで、冷媒漏れによる冷力不足と、運転時間不足による冷力不足の両者からこの冷媒漏れを早期に発見することが出来る。
【0083】
その結果、冷媒漏れ時の三相誘導電動機3の電動機巻線3R、3S、3Tの温度上昇による絶縁劣化を防止することが可能になり、冷媒漏れ部を修理し冷媒を再封入して再使用した時の絶縁劣化や密閉形電動圧縮機6の摺動部の磨耗損傷等による寿命低下を防止出来る事から、密閉形電動圧縮機6の長寿命化にも寄与出来るものである。
【0084】
以上説明した本実施例によれば、過負荷保護装置2Tのプロテクタ部20が密閉形電動圧縮機6の電源電流と温度を検出して動作すると共に、そのサーモスイッチ部21が密閉形電動圧縮機6の温度を検出して動作する。このことは、三相誘導電動機6の過負荷運転や拘束通電が発生した時にはプロテクタ部20を、冷凍サイクルの冷媒漏れや送風装置のファンロック不良等が発生した時にはサーモスイッチ部21を、夫々互いに無関係に独立して動作させることが出来る。
【0085】
プロテクタ部6の動作では、三相誘導電動機の1回路遮断と、電磁接触装置1あるいは逆転防止装置5の開路動作による電磁接触装置1の主接点開路動作から三相誘導電動機6の残りの回路遮断とが出来る。
【0086】
又、サーモスイッチ部21の動作では、電磁接触装置1の主接点開路動作による三相誘導電動機6の全回路遮断が出来る。
【0087】
更に、いずれの相に途中欠相が発生しても、逆転防止装置5と電磁接触装置1の動作特性を活用して過負荷保護装置2R、2Tのプロテクタ部20が開路動作し、しかる後に閉路動作しても三相誘導電動機6に再通電される事がない。即ち、これは単相拘束通電による三相誘導電動機6の温度上昇ダメージはもちろんのこと、過負荷保護装置2R、2Tのプロテクタ部20の寿命劣化も防止することができるので、長期間の使用が可能になる。
【0088】
又、密閉形電動圧縮機6の外殻に一対の過負荷保護装置2R、2Tを取り付ける場合でも、一方が密閉形電動圧縮機6の外殻に取り付けられ、他方が電気品室等に取り付けられる場合でも、密閉形電動圧縮機6の外殻に取り付けられるものの一つにサーモスイッチ部21を備えていればよく、片方はサーモスイッチ部21を備えない安価な過負荷保護装置が使用出来る。尚、サーモスイッチ部21は三相拘束、単相拘束、過負荷、冷媒漏れ、ファンロック等の発生時に、密閉形電動圧縮機6の外殻温度が上昇しさえすれば全ての現象を保護し得るものであることは言うまでもない。
【0089】
更に、過負荷保護装置2Tにおけるプロテクタ部20とサーモスイッチ部21の反転動作温度と反転復帰温度は夫々が独立した動作をすると共に、いずれか一方が動作すれば保護すべき対象物の保護すべき現象を的確にとらえることが出来ると共に、一方の保護に何等かのトラブルが発生しても他方である程度の保護が出来るので、信頼性をより高いものとすることができる。しかも、過負荷保護装置2Tにおけるプロテクタ部20とサーモスイッチ部21の反転動作温度と反転復帰温度は、ほぼ互いに無関係に設定出来ることから保護特性を大幅に向上させることが出来る。
【0090】
しかも、電源の異常低電圧等のプロテクタ部20が動作せず温度のみ上昇するような場合でも、サーモスイッチ部21の動作により保護出来る等その保護守備範囲が拡大し、信頼性の高い密閉形電動圧縮機6を備えた装置が安価に提供出来るものである。
【0091】
次に、本発明の第2実施例を図13を用いて説明する。この第2実施例は、次に述べる通り第1実施例と相違するものであり、その他の点については第2実施例と基本的には同一である。
【0092】
この第実施例は、過負荷保護装置2Tのプロテクタ部20における固定接点2Dと外部接続端子2Mとの間にヒータを構成する抵抗器2Hを接続したものである。この抵抗器2Hは、電源ラインTの電源電流が流れてバイメタル2Bを加熱するように設けられている。これによって、電源電流の検出精度を高めることができる。
【0093】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、逆転防止機能を有しつつ、いずれの電源ラインに欠相が生じても単相拘束通電による運転を1回限りとすることができると共に、冷媒漏れ等に対して保護することができ、高信頼性、高安全性の保護装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における密閉形電動圧縮機の保護装置の回路図である。
【図2】本発明の第1実施例を適用した冷凍装置の構成図である。
【図3】図2の冷凍装置に用いる密閉形電動圧縮機における過負荷保護装置の据付例を示す図である。
【図4】図1に用いる過負荷保護装置の平面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】図1の逆転防止防止装置の原理説明図である。
【図8】図1の逆転防止防止装置の原理説明図である。
【図9】図1のR相欠相時の回路図である。
【図10】図6のR相欠相時の逆転防止装置の動作原理説明図である。
【図11】図1のS相欠相時の回路図である。
【図12】図1のT相欠相時の回路図である。
【図13】本発明の第2実施例における密閉形電動圧縮機の保護装置の回路図である。
【図14】従来技術1における密閉形電動圧縮機の保護装置の回路図である。
【図15】従来技術2における密閉形電動圧縮機の保護装置の回路図である。
【符号の説明】
1…電磁接触装置、1L…操作コイル、1R、1S、1T…接点、2B…バイメタル、2C…可動接点、2F…筒状ケース、2H…ヒータ、2N…中性点端子、2R、2T…過負荷保護装置、3…三相誘導電動機、3R、3S、3T…電動機巻線、4…開閉装置、5…逆転防止装置、5A…接点、5C…コンデンサ、5L…継電器コイル、5R…抵抗器、5Y…電磁継電器、6…密閉形電動圧縮機、7…電装品カバー、8…凝縮器、9…蒸発器、10…膨張機構、11…送風装置、12…単相誘導電動機、13、14…ファン、15…電磁弁、15L…電磁弁コイル、20…プロテクタ部、21…サーモスイッチ部、21S…サーモ接点。

Claims (5)

  1. 三相誘導電動機を用いた密閉形電動圧縮機と、
    前記三相誘導電動機の三相電源の全ラインに接続した接点及びこの接点を開閉する操作コイルを有する電磁接触装置と、
    この電磁接触装置の接点より電源側の二つの電源ラインに接続したバイメタル式過負荷保護装置と、
    抵抗器、コンデンサ及び継電器コイルを前記各電源ライン間にスター結線で接続した逆転防止装置とを備え
    前記一方の過負荷保護装置の中性点端子に前記操作コイルの一側を接続すると共に、前記他方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記操作コイルの他側を接続し、
    前記一方の過負荷保護装置と前記電磁接触装置の接点との間に前記抵抗器を接続
    前記他方の過負荷保護装置の中性点端子を含む電源側に前記継電器コイルを接続し、
    前記過負荷保護装置が接続されていない電源ラインに前記コンデンサを接続し、
    前記継電器コイルにより開閉される接点を前記操作コイルと直列に接続した密閉形電動圧縮機の保護装置において
    前記過負荷保護装置が接続された二つの電源ラインに接続される前記継電器コイルの電圧分担が、前記継電器コイルの接点の閉路状態を保持可能な電圧より高く、前記継電器コイルの接点の開路状態から閉路状態に動作させる電圧より低くなるように、前記抵抗器の抵抗値を設定した
    ことを特徴とする密閉形電動圧縮機の保護装置。
  2. 請求項1において、前記他方の過負荷保護装置の中性点端子に前記継電器コイルを接続したことを特徴とする密閉形電動圧縮機の保護装置。
  3. 請求項1または2において、前記一方の過負荷保護装置はサーモスイッチ部を備えずに前記密閉形電動圧縮機の外郭以外の場所に配置し、前記他方の過負荷保護装置に前記密閉形電動圧縮機の温度を検出するサーモスイッチ部を備えると共に、このサーモスイッチ部の接点を前記操作コイルと直列に接続して前記密閉形電動圧縮機の外殻に取り付けたことを特徴とする密閉形電動圧縮機の保護装置。
  4. 請求項1から3の何れかにおいて、前記バイメタル式接点を有するプロテクタ部と、温度を検出して開閉するサーモ接点を有するサーモスイッチ部と、を上下に並置して筒状ケース内に収納し、前記逆転防止装置に接続するための前記バイメタル式接点の中性点端子板を前記筒状ケースの上面中央部に設け、前記バイメタル式接点の固定接点を前記電源ラインに接続するための一対の固定端子と、前記操作コイルに接続するための前記サーモ接点のサーモ端子と、前記プロテクタ部とサーモスイッチ部との中間接続部を前記電源ラインに接続するための中間接続端子と、を前記筒状ケースの上面周縁部に円形に配置したことを特徴とする密閉形電動圧縮機の保護装置。
  5. 請求項1において、
    前記バイメタル式接点を有するプロテクタ部と、温度を検出して開閉するサーモ接点を有するサーモスイッチ部と、を上下に並置して筒状ケース内に収納し、前記逆転防止装置に接続するための前記バイメタル式接点の中性点端子板を前記筒状ケースの上面中央部に設け、
    前記バイメタル式接点の固定接点を前記電源ラインに接続するための一対の固定端子と、前記操作コイルに接続するための前記サーモ接点のサーモ端子と、前記プロテクタ部とサーモスイッチ部との中間接続部を前記電源ラインに接続するための中間接続端子と、を前記筒状ケースの上面周縁部に円形に配置した
    ことを特徴とする密閉形電動圧縮機保護装置。
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