JP3784313B2 - 携帯用釣針交換補助具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、フライフィッシングのフライ等の釣針を交換する際に用いられるもので、薄暗い場所でも鮮明かつ快適に小さな釣針の交換作業が行える携帯用釣針交換補助具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フライフィッシングは、水棲昆虫のほか、陸棲昆虫や小魚などを擬したフライと称されている毛針を用いて岩魚などの渓流魚を釣る方法をいう。
この場合に用いられるフライには、通常、その基端部分に糸結び用の円孔が設けられており、この円孔にティペットと称される先糸が挿通され、これに結びつけられる。
【0003】
フライフィッシングにおいては、その季節、時間に羽化したり、発生する水棲昆虫、陸棲昆虫や小魚に対応して比較的頻繁にフライの交換を行う。
そして、このようなフライの交換は、その都度、円孔に結びつけてある先糸を外し、新たなフライの円孔に結び変える必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フライが比較的大きな円孔を備えているものであれば、円孔への先糸の挿通操作も容易であり、フライを円滑に交換することができる。
しかし、季節や時間によっては小さいフライを用いることもあり、このような小さなフライの円孔は、その口径も小さなものとなるため、先糸を挿通することが容易でなく、フライの交換作業が煩雑になる不具合があった。
特に、比較的高齢な年齢層に属する釣り人の場合には、小さなフライの交換作業が至難を極め、その時々の釣り状況の変化に迅速に対応できない不都合もあった。
【0005】
また、フライフィッシングの場合、水棲昆虫や陸棲昆虫の羽化が行われる朝方または夕方の時間帯に多くヒットする。そのため、薄暗い中での迅速なフライの交換作業が要求されるが、薄暗い中での細かい作業は非常に困難であり、一番釣れる時間帯でのフライフィッシングを十分に楽しむことがでない不都合があった。
【0006】
また、上述の不都合を解消するために、懐中電灯等の光を照らして作業することが考えられるが、この場合、光が直接目に入り作業がしづらいことは勿論のこと、作業背景が草むら等の場合、フライと草むらとが背景で同一化してしまいフライを的確に視認できない問題点が派生する。
【0007】
本発明は、このような事情に対処するために提案されたもので、朝方、夕方のような薄暗い中でも、フライ等の交換作業を迅速かつ快適に行うことができる携帯用釣針交換補助具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、釣針の糸結び用円孔に釣糸を通す際に用いる携帯用釣針交換補助具であって、上記補助具は、片側表面より光を面発光するように光源が内蔵された長方形板状の発光部材と、該発光部材の片側表面に対面する反射面を有した長方形板状の反射部材とからなり、上記発光部材と反射部材は一側端部で蝶番結合されて、前記反射部材の反射面を、前記発行部材の光源面に対して角度調整可能にし、前記発光部材と前記反射部材との間に配置する釣針及び釣糸を、光源からの直接光と反射面より反射する反射光の双方より照らすことで、前記糸結び用円孔に釣糸を挿通操作できるようにしてなることを特徴とするものである。
【0009】
上記請求項1記載の発明によると、釣針の交換作業を行う際に、上記反射部材を角度調整し、上記発光部材と該反射部材とをV字状にし、その間に釣針及び釣糸を配置して作業を行う。
すると、釣針が光源からの直接光と、光源から反射面を介して反射する反射光との双方で照らし出されるため、釣針の影ができることなく、小さな釣針の円孔を鮮明に視認することができる。
また、上記発光部材と該反射部材とをV字状にしていることから、直接光、反射光のいずれも直接目に入ることなく、快適に作業を行うことができる。
その結果、薄暗い中でも釣針の交換作業が迅速かつ円滑に行うことができ、快適な釣りを楽しむ事が出来るようになる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯用釣針交換補助具において、上記補助具は、片側表面より光を面発光するように光源が内蔵された長方形板状の発光部材と、該発光部材の片側表面に対面する反射面を有した長方形板状の反射部材と、板状のレンズ部材とからなり、上記発光部材の一側端部には上記反射部材が蝶番結合されて、前記反射部材の反射面を、前記発光部材の光源面に対して角度調整可能にし、上記発光部材の他側端部には上記レンズ部材が回動自在に連結されて、前記レンズ部材が前記発光部材の発光面に対して略垂直状態になるように調整し、前記発光部材と前記反射部材との間に配置する釣針及び釣糸を、光源からの直接光と反射面より反射する反射光の双方より照らし、かつレンズ部材より拡大視認することで、前記糸結び用円孔に釣糸を挿通操作できるようにしてなることを特徴とするものである。
【0011】
上記請求項2記載の発明によると、釣針の交換作業を行う際に、上記反射部材を角度調整し、上記発光部材と該反射部材とをV字状にし、かつ上記レンズ部材を前記発光部材に対して略垂直になるように回動する。
そして、前記発光部材と反射部材との間に釣針及び釣糸を配置し、前記レンズ部材を通して釣針及び釣糸を視認して作業を行う。
すると、明るく鮮明に照らし出された釣針を、レンズを通して拡大して見ることができるため、視力の弱い釣人にでも小さな釣針の円孔を鮮明に視認することができる。
その結果、先糸の挿通性が向上し、釣針の交換作業がより迅速になり、快適な釣りを楽しむ事が出来るようになる。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記光源を淡い白色光が発光する面発光体とし、上記反射部材の反射面全体に白色光が均一に反射するようにしたことを特徴とするものでる。
【0013】
上記請求項3記載の発明によると、上記光源を淡い白色光が発光する面発光体とすることで、反射面全体に均一な白色光が映し出される。
このような背面は、例えばレントゲン写真を見る装置等に採用されているもので、非常に見やすく、また、物をまるで浮き上がらせるように鮮明に見る事が出来る。
そして、この反射面を釣針交換の作業背面にすることで、釣針の円孔をより鮮明に見ることができるため、先糸の挿通性がより向上し、釣針の交換作業がより迅速になり、快適な釣りを楽しむ事が出来るようになる
【0014】
請求項4記載の発明は、上記光源のオン・オフスイッチを上記発光部材に設け、上記反射部材を回動して、該反射部材が前記発光部材の光源面より離間した際に光源が発光するように構成したことを特徴とするものである。
【0015】
上記請求項4記載の発明によると、釣針の交換作業を行う時のみ、光源が発光するようになっているため、電源の消耗を抑えることができるようになる。そのため、装置の延命化が実現できる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の携帯用釣針交換補助具1の全体斜視図で、図2はその分解上面図で、図3は側面図である。
図に示すように、釣針交換補助具1は、発光部材2と反射部材3とレンズ部材4とで構成されている。
【0017】
前記発光部材2は、外観形状は板状で略直方体形状をしており、内部に面発光体21を配しており、片側表面より白色光を放射するようになっている。
詳しくは、該発光部材2は、外部からの衝撃を考慮して外側に位置する金属製のプレート23をプラスチックカバー24で気密に覆うように構成されている。これにより該発光部材2は生活防水機能を有することができる。また、内部には面発光体21、LEDランプ22、電池25、電気回路に接続されるマグネットスイッチ26が収納されている。
【0018】
前記面発光体21はプラスチック製の導光板の表面に白色のドットをシルク印刷したもので、小型のLEDランプ22から発光する光が前記面発光体21に拡散して全体から白色光を発光するようになっている。そしてプラスチックカバー24に設けられた透明の窓板24aを通して外部へ白色光が放射されるようになっている。
前記プラスチックカバー24の表面色は黒または青のように比較的暗い色使いになっており、窓板24aより光る白色光が、より引き立つように工夫されている。
【0019】
前記発光部材2の一側端部には、後述する反射部材3と蝶番結合するための連結片27が一体形成されている。前記連結片27は2組一対で2カ所にあり、後方に突出するように設けられている。そして前記連結片27にはピン孔27aが形成されており、反射部材3と互いに回動自在に蝶番結合されるようになる。
【0020】
前記反射部材3は、金属プレートに反射板としてミラー31を貼接して構成されている。そして該反射部材3を前記発光部材2に対して略V字状になるように角度調整した際に、面発光体21から発光する白色光をミラー31で反射できるようになっている。
また、前記反射部材3の一端部には前記発光部材2と同様に連結片32が設けられており、この連結片32と前記連結片27とをピン結合することで互いに回動するように蝶番結合されている。
そして使用時には反射部材3を回動させて装置を開状態とし、不使用時には閉じた状態となる。
【0021】
また、前記反射部材3には、前記発光部材2に設けられたマグネットスイッチ26に対向する位置にマグネット33が設けられている。
これにより、不使用時には補助具1が閉状態になっていることから、前記マグネットスイッチ26がマグネット33に反応して回路が遮断され、電池25からの電気供給がストップするようになっている。また、使用時には補助具1が開状態になることから、前記マグネットスイッチ26がマグネット33から離れることで回路がオンになり電池25より電気供給されてLEDランプ22が発光するようになる。
【0022】
前記レンズ部材4はプラスチック製のフレネルレンズである。このレンズ部材4は、前記発光部材2の他端端部にピンにて回動自在に連結されている。そして補助具1の不使用時には、該レンズ部材4は前記発光部材2と反射部材3との間に収納され、また、補助具1を使用する際には、図1に示すように、前記発光部材2に対して略垂直になるように回動展開する。
【0023】
次に、上述したように構成される本発明の釣針交換補助具1の具体的な使用方法を説明する。
薄暗い中でフライ等に釣針の交換作業をする場合に、まず、釣針交換補助具1の反射部材3を回動させる。この時、マグネット33がマグネットスイッチ26より離間するため、LEDランプ22が発光して面発光体21が白色発光する。そして、面発光体21の光が前記反射部材3のミラー31全体に反射するように反射部材3を角度調整する。
【0024】
次に先糸とフライとを前記発光部材2と反射部材3との間に配置して交換作業を行う。この際フライは、面発光体21からの直接光と、面発光体21からミラー31を介して反射する反射光との双方で明るく照らし出されるため、釣針の影ができることなく、フライの小さな円孔を鮮明に視認することができる。
【0025】
また図3に示すように、上記発光部材2と反射部材3とをV字状にしていることから、面発光体21からの光A及びミラー31からの反射光Bは作業者の目に直接入ることがないため、逆行によりフライが見え辛くなることなく快適に作業することができる。
【0026】
さらに、作業する際の視線は図1の示す矢印のようになるため、交換作業背景はミラー31となる。
前記ミラー31には前記面発光体21からの白色光が全体に均一映し出されている。そのため、フライがまるで浮き上がるように見ることができ、フライの円孔をより鮮明に見ることができるため、先糸の挿通性がより向上し、フライの交換作業がより迅速になる。
【0027】
次に、フライの円孔が見にくい場合には、レンズ部材4を回動展開する。この際前記レンズ部材4は前記発光部材2に対して略垂直になるように保持される。そしてレンズ部材4の上方より見ることで、明るく鮮明に照らされているフライを拡大して見ることが出来る。
そのため、小さなフライで円孔が小さい場合、あるいは、視力の弱い釣人にでも小さな釣針の円孔を鮮明に視認することができ、フライの交換作業を敏速に行うことができる。
【0028】
以上説明したように、本発明の釣針交換補助具1を用いることにより、糸先とフライとを明るく鮮明に、かつ拡大してはっきり見ることが出来るため、薄暗い中でもフライの交換作業は勿論のこと、高齢者等の視力が弱い釣人でも快適かつ迅速にフライの交換作業が行うことができ、快適なフライフィッシングを楽しむ事が出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣針交換補助具の斜視図である。
【図2】本発明の釣針交換補助具の分解上面図である。
【図3】本発明の釣針交換補助具の側面図である。
【符号の説明】
1 携帯用釣針交換補助具
2 液晶発光部材
21 面発光体
22 LEDランプ
23 金属プレート
24 プラスチックカバー
25 電池
26 マグネットスイッチ
27 連結片
3 反射部材
31 ミラー
32 連結片
4 レンズ部材
Claims (4)
- 釣針の糸結び用円孔に釣糸を通す際に用いる携帯用釣針交換補助具であって、
上記補助具は、片側表面より光を面発光するように光源が内蔵された長方形板状の発光部材と、該発光部材の片側表面に対面する反射面を有した長方形板状の反射部材とからなり、
上記発光部材と反射部材は一側端部で蝶番結合されて、前記反射部材の反射面を、前記発行部材の光源面に対して角度調整可能にし、
前記発光部材と前記反射部材との間に配置する釣針及び釣糸を、光源からの直接光と反射面より反射する反射光の双方より照らすことで、前記糸結び用円孔に釣糸を挿通操作できるようにしてなることを特徴とする携帯用釣針交換補助具。 - 請求項1記載の携帯用釣針交換補助具において、
上記補助具は、片側表面より光を面発光するように光源が内蔵された長方形板状の発光部材と、該発光部材の片側表面に対面する反射面を有した長方形板状の反射部材と、板状のレンズ部材とからなり、
上記発光部材の一側端部には上記反射部材が蝶番結合されて、前記反射部材の反射面を、前記発光部材の光源面に対して角度調整可能にし、
上記発光部材の他側端部には上記レンズ部材が回動自在に連結されて、前記レンズ部材が前記発光部材の発光面に対して略垂直状態になるように調整し、
前記発光部材と前記反射部材との間に配置する釣針及び釣糸を、光源からの直接光と反射面より反射する反射光の双方より照らし、かつレンズ部材より拡大視認することで、前記糸結び用円孔に釣糸を挿通操作できるようにしてなることを特徴とする携帯用釣針交換補助具。 - 上記光源を淡い白色光が発光する面発光体とし、上記反射部材の反射面全体に白色光が均一に反射するようにしたことを特徴とする請求項1,2記載の携帯用釣針交換補助具。
- 上記光源のオン・オフスイッチを上記発光部材に設け、上記反射部材を回動して、該反射部材が前記発光部材の光源面より離間した際に光源が発光するように構成したことを特徴とする請求項1、2記載の携帯用釣針交換補助具。
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