JP3779755B2 - Alcohol oxidation reagent and oxidation method using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液相酸化反応において、アルコールからエステル、ケトン、ラクトン又はジカルボン酸などを生成させる上で有用なアルコールの酸化反応剤およびこの触媒を用いたアルコールの酸化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン酸及びその塩(以下、ハロゲン酸類と称する場合がある)は、工業的に利用価値の高い酸化物として古くから活用されており、アルコール類の酸化のみならず、アルデヒド類の酸化、オレフィン類やパラフィン類の酸化、酸化脱水素、酸化開裂などの反応において高い活性を示すことが知られている。酸化剤としてのハロゲン類としては、前記ハロゲン酸の他、ハロゲン、次亜ハロゲン酸塩、過ハロゲン酸、ハロゲン酸フッ化物、N−ハロゲン酸アミド、次亜ハロゲン酸エステル、ヨードシル化合物などがよく利用されている。ハロゲン酸類は、酸化反応全般に利用できる比較的安価な酸化物であるとともに、ハンドリングが容易であり、代表的な空気酸化や過酸化物を用いた酸化反応などに比べても非常に安全であり、かつコントロールしやすいという利点がある。また、化学量論的に反応が進行するため、使用量により反応を制御することが可能であり、他の一般的な酸化反応では困難な高い酸化選択性が得られる利点もある。従って、前記ハロゲン酸類を用いる酸化方法は、工業的には付加価値の高い化合物(例えば、医薬、農薬などの原体など)を少量バッチ生産する上で有効な手段として活用されている。
【0003】
ハロゲン酸類を酸化剤として利用する方法は、主に、3種類、すなわち、(1)ハロゲンを単独又は有機溶媒中で用いる方法、(2)酸性溶液中、次亜ハロゲン酸を用いる方法、(3)アルカリまたは炭酸塩とともハロゲンを次亜ハロゲン酸塩として用いる方法に大別される。これらの方法のうち、(1)の方法は、ハロゲンガスを大量に使用するため、環境上の問題から大規模な除害設備が必要となるだけでなく、将来的には法的規制を受ける可能性が強い。また、(2)の方法は、反応系を酸性にする必要があるため、副反応が生じる場合が多く、酸化反応生成物の選択性が低下する。さらに酸性下において酸化活性種たる次亜ハロゲン酸への分解効率で小さいため、通常、被酸化物(基質)に対して3〜10倍モル量以上の過剰なハロゲン酸類が必要となり、経済的に不利である。これに対して、(3)の方法は、酸化活性種が比較的安定な塩の形態で存在するため、取り扱い性が容易であり、基質に対して若干過剰量の次亜ハロゲン酸塩を使用すればよいという利点がある。
【0004】
そこで、前記(3)の方法に関して、いくつかの酸化技術の改良が提案されている。例えば、特開昭62−155225には、アルカリ性媒体中、亜臭素酸又はその塩に対して、活性化剤として、マグネシウム、アルミニウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウムの単体、又はこれらの金属の塩(硫酸塩、炭酸塩、硝酸塩、塩酸塩、燐酸塩)を添加し、炭化水素類やアルコール類を液相で酸化する方法が開示されている。この文献には、ジオールからジケトン、ラクトンなどを生成させる例が記載されている。また、特開平1−151532号公報および特開平1−151534号公報には、アルミナ又はシリカゲルの存在下、水に不溶な不活性有機溶媒中、固体の亜臭素酸塩とアルコールとを反応させ、ケトンやアルデヒドを生成させる方法が開示されている。
【0005】
しかし、これらの方法は、一部のアルコール基質を除いて酸化収率が50%〜80%程度と低く、反応後の精製処理が必要となる。また、各種の金属や重金属化合物を添加するため、反応後の廃棄物処理に特殊な設備などを必要とする。
【0006】
一方、ジオール類の酸化反応では、ジケトン、ジアルデヒド、ジカルボン酸、ケトアルデヒド、ケト酸、ラクトン、ケトルアルコール、ヒドロキシアルデヒドなどの工業的に極めて利用価値の高い化合物が得られる。そのため、ジオール類についても様々な酸化手法が検討され、前記酸化反応生成物を選択的に製造する方法が試みられている。例えば、ハロゲン又は含ハロゲン化合物を用いる手法以外にも、一般的なアルコール化合物の酸化方法として、(1)分子状酸素を酸化剤として用いるラジカル的な手法、(2)クロム酸やマンガン酸などの金属酸化物を用いる手法、(3)複合金属種である固体酸触媒を用いる手法、(4)有機又は無機の過酸化物を用いる手法、(5)カルボニル化合物などを水素受容体とした金属錯体を用い、錯体上での配位子交換による手法などが検討されている。しかし、ジオール類の酸化では、反応を制御する必要性などから、前記の一般的な手法が広く適用できず、しかも、これらの手法が適用できる場合でも反応条件が厳しく限定される。また、ジオール類の酸化方法では、様々な組み合わせの酸化生成物が得られるため、反応後の処理・精製の煩雑さを避けるためには、酸化反応において高い転化率および反応選択性が求められている。
【0007】
このような点から、ジオール類は、非常に特殊な酸化系で酸化する場合が多い。例えば、ジオール類から対応するジケトンを生成させる酸化方法として、酸化クロム(VI)−ピリジン錯体による酸化[Sarett法、Cornforth法]、DMSO酸化法、NaIO3 やKIO3 を用いる酸化方法、Pt/O2 空気酸化法などが知られている。また、ジオール類から対応するケトアルコールを生成させる酸化方法としては、四酢酸鉛/ピリジンを用いる方法や次亜ハロゲン酸/硝酸アンモニウム塩を用いる方法も知られている。これらの方法では、いずれも比較的高い反応効率および選択率で目的化合物を生成させることができ、有効な酸化方法である。一方、隣接する炭素原子にヒドロキシル基が結合したビシナルなジオール類の酸化反応では、酸化過程で炭素−炭素間結合の開裂(グリコール開裂)が生じやすいので、対応する1,2−ジケトンやアシロインを選択的に生成させることが特に困難である。そこで、選択性を高めるためには、過剰量の炭酸銀/セライト試薬を用いるFetizon法などの限られた方法しか採用できない。
【0008】
このように、各種アルコール類に対して汎用の酸化方法は極めて例が少なく、とりわけ工業的に有利な酸化剤であるハロゲン酸類を利用した汎用性のある酸化方法は確立されていない。
【0009】
ハロゲン酸類を用いた化学量論的な反応に関し、H5 IO6 又はNaBrO3 とNaHSO3 とを用いることにより、オレフィン類などの不飽和炭化水素から対応するハロヒドリン誘導体が高い収率で生成する(J. Org. Chem., 59, 5550-5555(1994))。この方法では、例えば、オレフィンから対応するハロヒドリンが生成し、α,β−不飽和カルボニル化合物から対応するα−ハロアルドールが生成し、アリルアルコールから対応する2−ハロ−1,3−ジオールが生成し、アルキンから対応するケトン,ジケトン又はα,α−ジハロケトンを高い収率で生成させることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ハロゲン酸類を用い、高い反応性および選択性で、アルコール類を酸化できる反応剤およびそれを用いた酸化方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、温和な条件下であっても、化学量論的に高い転化率および選択率でアルコール類を酸化できる反応剤およびそれを用いた酸化方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、各種アルコール類に対して汎用性のある酸化反応剤およびそれを用いた酸化方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、NaBrO3 /NaHSO3 酸化系を、一級アルコールやα,ω−ジオールなどのアルコール類の酸化反応に適用したところ、一級アルコールからは酸化的エステル化によりエステルが生成し、α,ω−ジオールからは対応する環状エステルがそれぞれ高い収率で生成することを見いだし、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明のアルコールの酸化反応剤は、下記式
M(XO3)n
(式中、Mは水素原子又は金属、Xはハロゲン原子を示し、nは1又は前記金属Mの価数を示す)で表されるハロゲン酸又はその塩と、還元性無機化合物とで構成されており、前記還元性無機化合物は、 (1) アルカリ金属と無機酸との塩、 (2) アルカリ土類金属と無機酸との塩、および (3) アンモニアと無機酸との塩から選択された少なくとも一種である。前記ハロゲン酸又はその塩は、Mが水素原子又は1〜3価金属、Xが塩素、臭素又はヨウ素原子、nが1〜3の整数のハロゲン酸又はその塩、例えば、塩素酸、臭素酸又はヨウ素酸あるいはこれらの塩であってもよい。前記還元性無機化合物には、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ピロ亜硫酸塩などが含まれる。ハロゲン酸又はその塩1当量に対する還元性無機化合物の割合は、例えば、0.1〜5当量程度の範囲から選択してもよい。
【0013】
本発明の方法では、前記酸化反応剤により、一級又は二級アルコールを酸化させる。この方法では、一価又は多価アルコールを液相で酸化させることができる。前記酸化反応を利用すると、アルコール類の種類、ヒドロキシル基の置換部位に応じて、種々の対応するカルボニル化合物を生成させることができる。例えば、一級アルコールから対応するエステル又はカルボン酸を生成させることができ、二級アルコールから対応するケトンを、一級ヒドロキシル基を有するジオールから対応するラクトン又はジカルボン酸を生成させることができる。
さらに、本発明の方法では、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸又はこれらの塩と、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩又はピロ亜硫酸塩とで構成された反応剤により、アルコール類を液相で酸化する方法、ハロゲン酸又はその塩に、活性化剤として前記還元性無機化合物を添加してアルコール類の酸化を促進する方法などが含まれる。
なお、本明細書において、ヒドロキシル基が一級アルコール基又は二級アルコール基である化合物(例えば、一価アルコール、ジオールおよびポリオール)のみならず、ヒドロキシル基が低級アルコキシ基に転換されたアルコール、アセタールやヘミアセタールなどの誘導体も、「アルコール類」と総称する。また、特に言及しない限り、ハロゲン酸又はその塩を総称して「ハロゲン酸類」という場合がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるハロゲン酸又はその塩は、式 M(XO3 )n で表される。 (式中、Mは水素原子又は金属、Xはハロゲン原子を示し、nは1又は前記金属の価数を示す)
Mで表される金属の種類は、ハロゲン酸の活性を損わない限り特に制限されず、例えば、Na,K,Liなどのアルカリ金属(周期表1A族金属)、Mg,Ca,Sr,Baなどのアルカリ土類金属(周期表2A族金属)、Sc,Yなどの周期表3A族金属、Ti,Zrなどの周期表4A族金属、V、Nbなどの周期表5A族金属、Cr,Mo,Wなどの周期表6A族金属、Mn,Tcなどの周期表7A族金属、Fe,Ru,Co,Rh,Ni,Pd,Ptなどの遷移金属(周期表8族金属)、Cu,Ag,Auなどの周期表1B族金属、Zn,Cdなどの周期表2B族金属、Al,Gaなどの周期表3B族金属、Sn,Pbなどの周期表4B族金属、Sb,Biなどの周期表5B族金属などが含まれる。好ましい金属Mは、水溶性ハロゲン酸塩を形成する場合が多い。
【0015】
好ましいMには、水素原子又は1〜3価金属、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムなど)、アルミニウムなどが含まれる。経済性および安全性などを考慮すると、前記Mはナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属である場合が多い。
【0016】
Xで表されるハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子が含まれる。好ましいハロゲン原子は、塩素、臭素およびヨウ素原子、特に臭素原子である。なお、次亜ハロゲン酸を用いる酸化反応において、酸化力はCl>Br>Iの順序で低下することが知られているが、ハロゲン酸又はその塩では、むしろXが臭素原子およびヨウ素原子である化合物が高い酸化活性を示す。
nは1又は前記金属Mの価数であり、1〜3程度である場合が多い。
【0017】
好ましいハロゲン酸又はその塩の具体例としては、例えば、臭素酸、臭素酸アルカリ金属塩(臭素酸ナトリウムNaBrO3 、臭素酸カリウムKBrO3 、臭素酸リチウムなど)、臭素酸アルカリ土類金属塩(臭素酸マグネシウム、臭素酸カルシウムなど)、臭素酸亜鉛、臭素酸アルミニウム、これらの臭素酸又はその塩に対応する塩素酸又はヨウ素酸若しくはこれらの塩(例えば、塩素酸ナトリウム、ヨウ素酸ナトリウムなど)などが挙げられる。これらのハロゲン酸又はその塩は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのハロゲン酸又はその塩のうち、臭素酸、臭素酸アルカリ金属塩(臭素酸ナトリウムNaBrO3 、臭素酸カリウムKBrO3 、臭素酸リチウムなど)、塩素酸又は塩素酸アルカリ金属塩、ヨウ素酸又はヨウ素酸アルカリ金属塩、特に臭素酸アルカリ金属塩を用いる場合が多い。
【0018】
なお、前記ハロゲン酸類は、反応系中で生成すればよく、例えば、臭素酸アルカリ金属塩は、対応するアルカリ金属水酸化物を含む水溶液に臭素を吹き込むことにより生成させてもよい。前記ハロゲン酸類は、結晶などの固体、水溶液、又は適当な有機溶媒溶液として使用でき、水溶液として使用するばいが多い。
【0019】
本発明の特色は、前記ハロゲン酸類と、還元性無機化合物とを組み合わせている点にある。このような組み合わせにより構成される酸化反応剤(反応系)は、アルコール類に対して高い酸化能を有するだけでなく、選択的に酸化する能力が高い。特に、還元性無機化合物の添加により、酸化反応が大きく促進される。そのため、還元性無機化合物は、ハロゲン酸類の活性化剤として機能するようである。
【0020】
前記還元性無機化合物には、種々の無機化合物、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウムなど)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムなど)、アルミニウム、クロム、マンガン、遷移金属(鉄、ニッケルなど)、銅、亜鉛などの金属単体、又はこれらの金属又はアンモニアと無機酸との塩(例えば、硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、ピロ亜硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、リン酸塩、炭酸塩など)などが含まれる。これらの無機化合物のうち、▲1▼アルカリ金属、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩は、ハロゲン酸類の活性を高める上で極めて有用である。なお、▲2▼アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウムなど)、アルミニウム、クロム、マンガン又はこれらの塩は、▲3▼遷移金属(鉄、ニッケルなど)、銅、亜鉛又はこれらの塩に比べて、比較的高い反応活性を示す。
【0021】
好ましい還元性無機化合物には、前記のようにアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、特に、亜硫酸金属塩(例えば、亜硫酸ナトリウムNa2 SO3 、亜硫酸カリウムの亜硫酸アルカリ金属塩、亜硫酸アンモニウムなど)、亜硫酸水素金属塩(例えば、亜硫酸水素ナトリウムNaHSO3 ,亜硫酸水素カリウムなどの亜硫酸水素アルカリ金属塩、亜硫酸アンモニウム塩など)、チオ硫酸金属塩(例えば、チオ硫酸ナトリウムNa2 S2 O3 、チオ硫酸カリウムなどのチオ硫酸アルカリ金属塩、チオ硫酸アンモニウムなど)、ピロ亜硫酸塩(ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムなどのピロ亜硫酸アルカリ金属塩、ピロ亜硫酸アンモニウムなど)などが含まれる。これらの還元性無機化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。還元性化合物としては、亜硫酸金属塩、亜硫酸水素金属塩、チオ硫酸金属塩などを用いる場合が多い。
【0022】
還元性無機化合物の使用量は、ハロゲン酸類の活性および選択的酸化能を損わない範囲で選択でき、例えば、ハロゲン酸換算で、ハロゲン酸類1当量に対して、0.1〜5当量、好ましくは0.25〜2.5当量、さらに好ましくは0.5〜1.5当量程度である。還元性無機化合物は、ハロゲン酸類1当量に対して0.7〜1.3当量、特に0.9〜1.1当量程度の割合で使用する場合が多い。
【0023】
このような酸化反応剤(酸化系)は、アルコール類から選択的にカルボニル化化合物を生成させる上で有用であり、ハロゲン酸類や還元性無機化合物の種類又は添加量を選択することにより、各種アルコール類を選択的に酸化でき、汎用性が高い。そのため、本発明の方法では、前記酸化反応剤を用いて、アルコール類を酸化する。
【0024】
アルコール類としては、一級アルコール基を有する一級アルコール、二級アルコール基を有する二級アルコールが使用でき、アルコール類は、一価又は多価アルコールであってもよい。
アルコール類のうち一価アルコール類には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、s−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、2−ペンタノール、イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、イソヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、2−ヘプタノール、オクチルアルコール、2−オクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパルギルアルコール、ゲラニオール、フィトールなどの炭素数1〜20程度の直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族アルコール(飽和又は不飽和脂肪族アルコール);シクロペンタノール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、4−t−ブチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノールなどの置換基(アルキル基など)を有していてもよい炭素数3〜12程度の脂環族アルコール;ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、シンナミルアルコール、サリチルアルコール、1,1−ジフェニルメタノール、2−フェニル−2−エタノール、1,1−ジフェニルエタノールなどの芳香族アルコール;フルフリルアルコールなどの複素環式アルコールなどが含まれる。
【0025】
多価アルコール類には、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,2−オクタンジオール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、1,2−ジフェニルエタンジオールなどの置換基を有していてもよいアルキレングリコール(例えば、炭素数2〜20程度のアルキレングリコール);ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのオキシエチレン単位の繰返し数2〜20程度のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのオキシプロピレン単位の繰返し数2〜20程度のポリプロピレングリコール、オキシテトラメチレン単位の繰返し数2〜20程度のポリテトラメチレングリコールなどのオキシアルキレングリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどの3以上のヒドロキシル基を有する脂肪族多価アルコール;1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘプタンジオール、1,3−シクロヘプタンジオール、1,4−シクロヘプタンジオール、1,2−シクロオクタンジオール、1,3−シクロオクタンジオール、1,4−シクロオクタンジオール、1,5−シクロオクタンジオール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、メントール、ボルネオールなどの環状多価アルコール;単糖類(例えば、トレオース、アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトースなど)、2〜10の単糖単位を含むオリゴ糖類(例えば、スクロース、マルトース、ラクトースなどの2糖類;ラフィノースなどの3糖類など)、11以上の単糖単位を含む多糖類(デンプン、可溶性デンプンなど)などの糖類;ペンタエリトリット、エリトリット、アラビット、キシリット、ソルビット、マンニット、イノシットなどの糖アルコール;ソルビットの分子内脱水縮合物(1,4−ソルビタン、3,6−ソルビタン、1,5−ソルビタン、1,4,3,6−ソルビドなど)、マンニットの分子内脱水縮合物(マンニタンなど)などの鎖状糖アルコールの分子内脱水縮合生成物;およびコレステロール、テストステロールなどのステロイド化合物などが含まれる。
【0026】
これらのアルコール類は、前記のようにヒドロキシル基が脱離可能な保護基(例えば、C1-2アルコキシ基などの低級アルコキシ基)に転換されたアルコール、アセタールやヘミアセタールなどの誘導体であってもよく、二重結合などの不飽和結合を有していてもよく、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば、C1-6 低級アルコキシ基)、カルボニル基、アシル基(例えば、C1-7 低級アシル基)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(例えば、C1-6 低級アルコキシ−カルボニル基)、アミノ基、アルキルアミノ基(例えば、モノ−又はジ−C1-4 アルキルアミノ基)などの官能基を有するアルコール類であってもよい。
【0027】
前記酸化反応を利用すると、アルコール類の種類、ヒドロキシル基の置換部位に応じて、種々の対応するカルボニル化合物を高い転化率で選択的に生成させることができる。例えば、基質ジオールのヒドロキシル基を選択的に酸化し、化学量論的な収率および高い選択率で対応するカルボニル化合物を生成させることができる。また、従来では達成することが困難であった多価アルコールの選択的な酸化、例えば、ジオール、グリセリン類、糖類やステロイドなどの天然化合物をヒドロキシル基の部位で選択的に酸化することもできる。特に、一級ヒドロキシル基と二級ヒドロキシル基とを有する多価アルコール類の酸化では、ハロゲン酸類の添加量を制御することにより、二級ヒドロキシル基の酸化を優先的に進行させ、高い選択率でヒドロキシケトン化合物を優先的に生成させることができる。さらに、複数の二級ヒドロキシル基を有する多価アルコールに対するハロゲン酸類の量を増加させるにつれて、複数のヒドロキシル基を順次オキソ基に変換できる。例えば、2個の二級ヒドロキシル基を有するジオールに対して、ハロゲン酸又は過ヨウ素酸換算で、ハロゲン酸類を1〜1.5モル程度用いると、一方のヒドロキシル基をオキソ基に変換でき、ハロゲン酸類を2〜2.5モル程度用いると、双方のヒドロキシル基をオキソ基に変換できる。
【0028】
より詳細には、例えば、下記式(1)で表される一級アルコールから下記式(2a)で表されるエステルを、酸化的エステル化反応により、選択的に生成させることができるとともに、前記一級アルコール(1)から対応するカルボン酸(2b)を選択的に生成させることもできる。
【0029】
【化3】
(式中、R1 は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アラルキル基を示す)
前記式において、R1 で表されるアルキル基には、前記アルコール類に対応する直鎖状又は分枝鎖状C1-20アルキル基(好ましくはC2-10アルキル基)が含まれ、アルケニル基には、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル基などのC2-10アルケニル基が含まれ、アルキニル基には、例えば、エチニル、プロピニル基などのC2-10アルキニル基が含まれる。
R1 で表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのC3-20シクロアルキル基(好ましくはC4-10シクロアルキル基)が含まれ、アラルキル基には、例えば、ベンジル、フェネチル基などのC6-12アリール−C1-4アルキル基などが含まれる。
【0030】
前記エステル(2a)とカルボン酸(2b)は、アルコール(1)に対するハロゲン酸類および還元性無機化合物の量を調整することにより効率よく生成させることができる。例えば、前記エステル(2a)は、一級アルコール(1)のヒドロキシル基に対してハロゲン酸類を2.5当量未満(例えば、1〜2.3当量、好ましくは1〜2当量程度)、還元性無機化合物を2.5当量未満(例えば、1〜2.3当量、好ましくは1〜2当量程度)使用することにより、効率よく生成させることができ、カルボン酸(2b)は、一級アルコール(1)のヒドロキシル基に対してハロゲン酸類2.5当量以上(例えば、2.5〜5当量、好ましくは2.7〜4当量程度)、還元性無機化合物2.5当量以上(例えば、2.5〜5当量、好ましくは2.7〜4当量程度)を使用することにより、効率よく生成させることができ
さらに、カルボン酸(2b)は、酸の存在下又は酸性条件下、特に前記一級アルコール(1)に対するハロゲン酸類および還元性無機化合物の量が多い系で反応させることによっても高い収率で得ることができる。前記酸としては、種々のプロトン酸(無機酸、有機カルボン酸)が使用できる。無機酸には、例えば、フッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸などが含まれる。有機カルボン酸には、例えば、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸などの飽和カルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸などの飽和ジカルボン酸、マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸などのなどのオキシカルボン酸などが含まれる。有機カルボン酸としては、水溶性有機カルボン酸を用いる場合が多い。これらの酸成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、前記無機酸と有機カルボン酸とを組み合わせて使用してもよい。
【0031】
前記プロトン酸で調整される反応系は、酸性であればよく、pH5以下(例えば、0.1〜5程度)、好ましくはpH3以下(例えば、0.5〜3程度)である。
前記プロトン酸の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択でき、例えば、ハロゲン酸類1当量に対して、0.1〜5当量、好ましくは0.3〜3当量、さらに好ましくは0.5〜2.5当量程度である場合が多い。
【0032】
また、本発明の酸化方法では、下記反応式で表されるように、二級アルコール(3)から対応するケトン(4)を選択的に生成させることもできる。
【0033】
【化4】
(式中、R2 及びR3 は、同一又は異なって、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アラルキル基を示し、R2 とR3 は互いに結合して非芳香族環を形成してもよい)
この反応において、過剰量のハロゲン酸類び還元性無機化合物を用い、脂環族アルコールを酸化すると、α−ハロゲノケトンの生成量が増加する。そのため、ハロゲン酸類と還元性無機化合物の使用量をコントロールすることにより、アルコールからケトン及びα−ハロゲノケトンを選択的に合成できる。例えば、基質アルコール類に対して、ハロゲン酸類を2.5当量以下(例えば、1.2当量程度)、還元性無機化合物を2.5当量以下(例えば、1.2当量程度)用いると、対応するケトンが高い収率で得られ、ハロゲン酸類を3当量以上(例えば、3〜5当量程度)、還元性無機化合物を3当量以上(例えば、3〜4当量程度)用いると、α−ハロゲノケトンを高い収率で得ることができる。
【0034】
R2 及びR3 で表されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アラルキル基としては、前記R1 の項で説明したのと同様の基が挙げられる。非芳香族環には、前記シクロアルキル基に対応する環、例えば、C4-10シクロアルカン環などが含まれる。
ケトンの生成反応において、二級アルコールとしては、二級ヒドロキシル基を有する一価又は多価の脂肪族アルコール(例えば、C3-10アルコール又はC3-10ジオールなど)、脂環族アルコール(例えば、C4-10シクロアルカン環を有する脂環族アルコールなど)を用いる場合が多い。
【0035】
さらに、下記反応式で表されるように、一級アルコール基を有するジオール(5)から対応するラクトン(6a)又はジカルボン酸(6b)を生成させることもできる。
【0036】
【化5】
(式中、R4 は水素原子又はメチル基を示し、nは3以上の整数を示す、R4 は繰返し数nにより異なっていてもよい)
この反応式において、前記酸化反応剤の種類や量などにもよるが、n=3〜5程度のジオールを酸化すると、対応するラクトンが生成しやすく、nが5以上(特にnが6以上、例えば、n=7〜20、好ましくはn=8〜16程度)の炭素鎖の長いジオールを酸化すると、対応するジカルボン酸が生成しやすい。
【0037】
なお、芳香族アルコールを基質として用いると、対応する芳香族アルデヒドを効率よく生成させることもできる。
【0038】
酸化反応において、ハロゲン酸類の使用量は、例えば、基質アルコール類の水酸基に対して0.5〜5モル、好ましくは0.7〜2.5モル、さらに好ましくは0.8〜1.5モル程度であり、還元性無機化合物の使用量は、ハロゲン酸類に対して0.5〜2モル、好ましくは0.7〜1.7モル、さらに好ましくは0.8〜1.5モル程度である。ハロゲン酸類及び還元性無機化合物の使用量は、基質アルコール類の水酸基に対して、それぞれ、0.9〜3モル、好ましくは1〜2.5モル(例えば、1.1〜2.5モル)程度である場合が多い。ハロゲン酸類の使用量が少な過ぎると、反応効率が低下し、過剰であるとさらに酸化反応が進行した化合物やハロゲン化された化合物が生成しやすくなる。また、還元性無機化合物の添加量が少な過ぎると、反応速度が低下しやすい。
【0039】
アルコール類の酸化反応は、通常、液相で行なう場合が多い。アルコール類の液相酸化は、ハロゲン酸類が通常水溶性であるため、少なくとも水を含む均一系で行なう場合が多く、水に対して混和性又は相溶性を有し、反応に不活性な有機溶媒、例えば、アセトニトリル、ホルムミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ケトン類(アセトンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、低級カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸など)、三級アルコール(t−ブタノールなど)またはこれらの混合溶媒を使用してもよい。
また、水に対して非混和性の有機溶媒、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類又はこれらの混合溶媒を用い、水相と有機溶媒相との二相系(不均一系)で反応させてもよい。また、二相系で反応させる場合、基質アルコール類の溶解性などを考慮して、相間移動触媒(例えば、四級アンモニウム塩など)、界面活性剤などを併用してもよい。さらには、基質アルコール類を溶媒として利用することもできる。
【0040】
酸化反応において、基質アルコール類や各成分の添加順序などは特に制限されず、操作性などの点から適当に設定できる。反応操作性の観点からは、基質アルコールとハロゲン酸類とを含む所定温度の混合液に、還元性無機化合物を添加するのが有利である。
【0041】
ハロゲン酸類を酸化剤として用いてアルコール類を酸化する際、反応系に活性化剤として還元性無機化合物を添加すると、常温常圧下であっても、アルコール類を化学量論的に、しかも高選択率で酸化し、対応するカルボニル化合物を高い収率で得ることができる。そのため、酸化反応は、比較的温和な条件であっても円滑に進行する。反応温度は、例えば、0℃〜150℃(例えば、0℃〜100℃)、好ましくは10〜70℃、さらに好ましくは20〜50℃程度である。また、反応は、常圧又は加圧(例えば、1〜10atm程度)下で行なうことができる。なお、反応温度及び/又は反応圧力が高いと、さらに酸化が進行し、低分子カルボン酸類などが副生する虞がある。
【0042】
反応終了後、慣用の分離精製手段、例えば、蒸留、濃縮、溶媒抽出、再結晶、クロマトグラフィーなどにより、目的酸化生成物を容易に分離精製できる。なお、酸化反応による生成物が水に対して不溶性又は難溶性である場合、溶媒によっては、反応終了後に、相分離や沈殿物が生成する場合もあるが、本発明の酸化方法では、転化率及び選択率が高いので、殆どの場合、簡単な抽出操作であっても目的生成物を高い純度で得ることができる。しかも、ハロゲン酸類、還元性無機化合物の未反応物やこれらの分解物は、極めて高い水溶性を示すため、水洗などにより未反応物や不純物を簡単に除去できる。そのため、本発明の方法では、反応終了後、簡単な有機溶剤抽出と水洗浄とを組み合わせるだけで、目的とする生成物を高い収率及び高い純度で得ることができる。
このように、本発明の方法では、温和な条件で反応を促進できるとともに、従来法に比べて非常に安全である。しかも、高い転化率及び選択率でアルコール類を酸化できるとともに、分離精製を含む後処理工程を極めて簡素化でき、簡単な操作で目的生成物を高い収率で得ることができる。そのため、工業的及び経済的に極めて有利にアルコール類を酸化できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明の酸化反応剤は、ハロゲン酸類と還元性無機化合物とを組み合わせているため、高い反応性および選択性で、アルコール類を酸化できる。また、温和な条件下であっても、化学量論的に高い転化率および選択率で基質アルコール類を効率よく酸化できる。そのため、各種の基質アルコール類に対して適用でき、汎用性が高い。
本発明の酸化方法では、前記酸化反応剤を用いるので、アルコール類を簡便かつ効率よく酸化でき、高い収率で目的化合物を得ることができる。しかも、目的化合物の分離精製も容易であり、工業的及び経済的に有利に目的化合物を得ることができる。
【0044】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
シクロヘキサノール100g(1モル)、NaBrO3 181g(1.2モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液に、25℃で、NaHSO3 125g(1.2モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して1時間撹拌し反応させた。反応混合液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後、乾燥させ、濃縮することにより、シクロヘキサノンが転化率99%、選択率100%で得られた。
【0045】
実施例2
シクロヘキサノール100g(1モル)、NaClO3 128g(1.2モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合溶液を40℃に加熱し、NaHSO3 125g(1.2モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して2時間撹拌し反応させた。反応混合液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後、乾燥させ、濃縮することにより、シクロヘキサノンが転化率80%、選択率80%で得られた。
【0046】
実施例3
シクロヘキサノール100g(1モル)、NaBrO3 181g(1.2モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液を40℃に加熱し、Na2 SO3 151g(1.2モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して2時間撹拌して反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後、乾燥させ、濃縮することにより、シクロヘキサノンが転化率80%、選択率80%で得られた。
【0047】
実施例4
シクロヘキサノール100g(1モル)、NaBrO3 181g(1.2モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液を40℃に加熱し、Na2 S2 O3 190g(1.2モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して2時間撹拌しながら反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後、乾燥させ、濃縮することにより、シクロヘキサノンが転化率70%、選択率80%で得られた。
【0048】
実施例5
シクロヘキサノール100g(1モル)、NaBrO3 211g(1.4モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液を40℃に加熱し、Na2 S2 O3 222g(1.4モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して2時間撹拌しながら反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後、乾燥させ、濃縮することにより、シクロヘキサノンが転化率95%、選択率100%で得られた。
【0049】
実施例6
1,2−シクロヘキサンジオール116g(1モル)、NaBrO3 362g(2.4モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液に、25℃で、NaHSO3 250g(2.4モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して1時間撹拌反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後乾燥させ、濃縮すると,1,2−シクロヘキサンジノンが転化率99%、選択率100%で得られた。
【0050】
実施例7
2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン226g(1モル)、NaBrO3 362g(2.4モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液に、25℃で、NaHSO3 250g(2.4モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して1時間撹拌反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後乾燥させ、濃縮すると、2,2−ビス(4−オキシシクロヘキシル)プロパンが転化率99%、選択率100%で得られた。
【0051】
実施例8
1,2−シクロヘキサンジオール116g(1モル)、NaBrO3 181g(1.2モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液に、25℃で、NaHSO3 125g(1.2モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して1時間撹拌反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後乾燥させ、濃縮すると、α−ヒドロキシシクロヘキサノンが転化率99%、選択率100%で得られた。
【0052】
実施例9
1,2−プロパンジオール76g(1モル)、NaBrO3 181g(1.2モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液に、25℃で、NaHSO3 125g(1.2モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して1時間撹拌反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後乾燥させ、濃縮すると、ヒドロキシアセトンに1,2−プロパンジオールが付加したケタール化合物が、転化率99%、選択率100%で得られた。
【0053】
実施例10
シクロヘキサノールに代えて、下表の基質アルコールを用いる以外、実施例1と同様にして反応させたところ、下表に示す化合物が得られた。なお、基質アルコールの使用量は5ミリモルであり、NaBrO3 は6ミリモルの水溶液3mlとして用い、前記基質アルコールとNaBrO3 水溶液およびアセトニトリル10mlの混合液に、25℃で、NaHSO3 は6ミリモルの水溶液6mlを徐々に滴下し、表に示す時間撹拌することにより反応させた。
【0054】
【表1】
表1より明らかなように、二級アルコールから対応するケトンが高収率で得られる。
【0055】
実施例11
2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンに代えて、下表の基質アルコールを用い、NaBrO3 /NaHSO3 の割合及び反応時間を変化させる以外、実施例7と同様にして反応させたところ、下表に示す化合物が得られた。なお、基質アルコールの使用量は5ミリモル、アセトニトリルの使用量は10mlであり、NaBrO3 及びNaHSO3 はそれぞれ水溶液として用いた。また、基質2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンについてはアセとニトリルに代えて溶媒としてt−ブタノールを用いた。
【0056】
【表2】
表2より明らかなように、ジオール類においても二級アルコールと同様に、ヒドロキシケトン及びジケトンが高い収率で得られる。また、1,2−シクロオクタンジオールにおいては、反応時間が短い段階では、対応するヒドロキシケトンが生成していた。
【0057】
実施例12
シクロヘキサノール100g(1モル)、NaBrO3 382g(2.4モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液に、25℃で、Na2 HSO3 250g(2.4モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して1時間撹拌反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗の後乾燥させ、濃縮するとα−ブロモシクロヘキサノンが転化率99%、選択率100%で得られた。
【0058】
実施例13
NaBrO3 3モルおよびNa2 HSO3 4モルを用い、室温(約25℃)で24時間反応させる以外、実施例12と同様にして反応させたところ、α−ブロモシクロヘキサノンが転化率74%、選択率100%で得られた。
【0059】
実施例14
1,2−シクロヘキサンジオール116g(1モル)、NaBrO3 563g(3.6モル)の水溶液600mlおよびアセトニトリル200mlの混合液に、25℃で、Na2 HSO3 250g(2.4モル)の200ml水溶液を徐々に滴下して1時間撹拌反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後乾燥させ、濃縮すると、6−ブロモ−1,2−シクロヘキサンジオンが転化率99%、選択率100%で得られた。
【0060】
比較例1
シクロヘキサノール100g(1モル)、NaBrO3 181g(1.2モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液を25℃で1時間撹拌反応させた。反応混合液を分析したところ、未反応シクロヘキサノール85%が残存していた。
【0061】
比較例2
1,2−シクロヘキサンジオール116g(1モル)、NaBrO3 181g(1.2モル)の400ml水溶液およびアセトニトリル400mlの混合液を25℃で1時間撹拌反応させた。反応液を分析したところ未反応1,2−シクロヘキサンジオール85%が残存していた。
【0062】
実施例15
下表の一級アルコール1モル、NaBrO3 2モルの水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液に、25℃で、Na2 HSO3 2モルの水溶液200mlを徐々に滴下して2時間撹拌反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後、乾燥させ、濃縮すると、下表のエステルが得られた。
【0063】
【表3】
なお、基質アルコールとしてベンジルアルコールを用いる以外、上記と同様にして反応させたところ、ベンズアルデヒドが収率51%、安息香酸が収率17%で得られた。
【0064】
実施例16
NaBrO3 、Na2 HSO3 、アセトニトリルおよび水を表に示す割合で用い、1−オクタノール5ミリモルを、室温で2時間撹拌反応させる以外、実施例15と同様にして反応させたところ、下表のエステルまたはカルボン酸が得られた。なお、No.2においては、2M−硫酸を用いて反応系の液性をpH1に調整して反応させた。また、No.5では、基質である1−オクタノールを10ミリモルを用いた。
【0065】
【表4】
実施例17
1,1−ジメトキシオクタン10ミリモル、NaBrO3 12ミリモル、Na2 HSO3 12ミリモル、および水8mlを用いる以外、実施例15と同様にして反応させたところ、1−メトキシ−1−オクタノンが収率54%で得られた。
【0066】
実施例18
1,1−ジメトキシオクタン5ミリモル、n−ブタノール5ミリモル、NaBrO3 12ミリモル、Na2 HSO3 12ミリモル、および水8mlを用いる以外、実施例15と同様にして反応させたところ、ブトキシカルボニルヘプタンが収率61%、1−メトキシ−1−オクタノンが収率25%で得られた。
【0067】
実施例19
1,4−ブタンジオール1モル、NaBrO3 382g(2.4モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液に、25℃で、Na2 HSO3 250g(2.4モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して2時間撹拌反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後乾燥させ、濃縮すると、γ−ブチロラクトンが転化率60%、選択率100%で得られた。
【0068】
実施例20
1,4−ブタンジオールに代えて、1,5−ペンタンジオールを用いる以外、実施例19と同様にして反応させたところ、δ−バレロラクトンが転化率60%、選択率100%で得られた。
【0069】
実施例21
1,4−ブタンジオール5ミリモル、NaBrO3 15ミリモル、Na2 HSO3 15ミリモル、アセトニトリル10mlおよび水20mlを用いる以外、実施例19と同様にして、25℃で2時間撹拌反応させたところ、γ−ブチロラクトンが収率62%で得られた。
【0070】
実施例22
1,6−ヘキサンジオール1モル、NaBrO3 382g(2.4モル)の水溶液400mlおよびアセトニトリル400mlの混合液に、25℃で、Na2 HSO3 250g(2.4モル)の水溶液200mlを徐々に滴下して2時間撹拌反応させた。反応液をジエチルエーテルで抽出し、抽出液を水洗した後乾燥させ、濃縮すると、アジピン酸が転化率71%、選択率100%で得られた。
【0071】
実施例23
1,6−ヘキサンジオールに代えて、1,5−ペンタンジオールを用いる以外、実施例22と同様にして反応させたところ、グルタル酸が収率68%で得られた。
【0072】
実施例24
1,6−ヘキサンジオールに代えて、1,10−デカンジオールを用いる以外、実施例22と同様にして反応させたところ、セバシン酸が収率91%で得られた。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an alcohol oxidation reaction agent useful for producing an ester, ketone, lactone, dicarboxylic acid or the like from an alcohol in a liquid phase oxidation reaction, and an alcohol oxidation method using the catalyst.
[0002]
[Prior art]
Halogen acids and their salts (hereinafter sometimes referred to as “halogen acids”) have long been used as industrially valuable oxides. Not only oxidation of alcohols, oxidation of aldehydes, olefins It is known to exhibit high activity in reactions such as oxidation, oxidative dehydrogenation and oxidative cleavage of paraffins. As halogens as oxidizing agents, in addition to the above halogen acids, halogens, hypohalites, perhalogen acids, halogen acid fluorides, N-halogen amides, hypohalite esters, iodosyl compounds, etc. are often used. Has been. Halogen acids are relatively inexpensive oxides that can be used in all oxidation reactions, are easy to handle, and are very safe compared to typical air oxidation and oxidation reactions using peroxides. And has the advantage of being easy to control. In addition, since the reaction proceeds stoichiometrically, it is possible to control the reaction depending on the amount used, and there is an advantage that high oxidation selectivity difficult to obtain by other general oxidation reactions can be obtained. Therefore, the oxidation method using the halogen acids is industrially utilized as an effective means for batch production of high value-added compounds (for example, drug substances, agricultural chemicals, etc.).
[0003]
There are mainly three types of methods using halogen acids as oxidizing agents: (1) a method using halogen alone or in an organic solvent, (2) a method using hypohalous acid in an acidic solution, (3 ) Broadly divided into methods using halogen as hypohalite together with alkali or carbonate. Among these methods, the method (1) uses a large amount of halogen gas, so it requires not only a large scale abatement facility due to environmental problems but also is subject to legal regulations in the future. The possibility is strong. In the method (2), since the reaction system needs to be acidic, a side reaction often occurs, and the selectivity of the oxidation reaction product is lowered. Furthermore, since the decomposition efficiency into hypohalous acid, which is an oxidatively active species under acidic conditions, is small, usually an excess of halogen acids of 3 to 10 times the molar amount relative to the oxide (substrate) is required. It is disadvantageous. On the other hand, the method (3) is easy to handle because the oxidation active species exists in a relatively stable salt form, and uses a slight excess of hypohalite with respect to the substrate. There is an advantage to do.
[0004]
Therefore, several improvements of oxidation technology have been proposed for the method (3). For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-155225 discloses magnesium, aluminum, chromium, manganese, iron, nickel, copper, zinc, ruthenium alone as an activator for bromine acid or a salt thereof in an alkaline medium. Alternatively, a method of adding a salt of these metals (sulfate, carbonate, nitrate, hydrochloride, phosphate) to oxidize hydrocarbons and alcohols in a liquid phase is disclosed. This document describes an example in which diketones, lactones and the like are produced from diols. Further, in JP-A-1-151532 and JP-A-1-151534, in the presence of alumina or silica gel, a solid bromite and alcohol are reacted in an inert organic solvent insoluble in water, Methods for producing ketones and aldehydes are disclosed.
[0005]
However, these methods have a low oxidation yield of about 50% to 80%, excluding some alcohol substrates, and require purification after the reaction. In addition, since various metals and heavy metal compounds are added, special facilities are required for waste treatment after the reaction.
[0006]
On the other hand, in the oxidation reaction of diols, industrially extremely useful compounds such as diketones, dialdehydes, dicarboxylic acids, ketoaldehydes, keto acids, lactones, kettle alcohols, and hydroxy aldehydes are obtained. For this reason, various oxidation methods for diols have been studied, and methods for selectively producing the oxidation reaction product have been attempted. For example, in addition to a method using halogen or a halogen-containing compound, as a general alcohol compound oxidation method, (1) a radical method using molecular oxygen as an oxidizing agent, (2) chromic acid, manganic acid, etc. Techniques using metal oxides, (3) Techniques using solid acid catalysts that are composite metal species, (4) Techniques using organic or inorganic peroxides, (5) Metal complexes using carbonyl compounds and the like as hydrogen acceptors A method using ligand exchange on a complex has been studied. However, in the oxidation of diols, the above general methods cannot be widely applied due to the necessity of controlling the reaction, and the reaction conditions are severely limited even when these methods can be applied. In addition, in the diol oxidation method, various combinations of oxidation products can be obtained. Therefore, in order to avoid complicated treatment and purification after the reaction, a high conversion rate and reaction selectivity are required in the oxidation reaction. Yes.
[0007]
In this respect, diols are often oxidized in a very special oxidation system. For example, as an oxidation method for generating a corresponding diketone from a diol, oxidation with a chromium (VI) oxide-pyridine complex [Sarett method, Cornforth method], DMSO oxidation method, NaIOThreeAnd KIOThreeOxidation method using Pt / O2The air oxidation method is known. Further, as an oxidation method for producing a corresponding keto alcohol from diols, a method using lead tetraacetate / pyridine and a method using hypohalous acid / ammonium nitrate are also known. In any of these methods, the target compound can be produced with a relatively high reaction efficiency and selectivity, and is an effective oxidation method. On the other hand, in the oxidation reaction of vicinal diols in which a hydroxyl group is bonded to an adjacent carbon atom, the carbon-carbon bond cleavage (glycol cleavage) is likely to occur during the oxidation process, so the corresponding 1,2-diketone or acyloin can be removed. It is particularly difficult to generate selectively. Therefore, in order to increase the selectivity, only a limited method such as the Fetizon method using an excessive amount of silver carbonate / celite reagent can be employed.
[0008]
Thus, there are very few examples of general-purpose oxidation methods for various alcohols, and a versatile oxidation method using halogen acids, which are industrially advantageous oxidizing agents, has not been established.
[0009]
For stoichiometric reactions using halogen acids, HFiveIO6Or NaBrOThreeAnd NaHSOThreeTo produce the corresponding halohydrin derivative from unsaturated hydrocarbons such as olefins in a high yield (J. Org. Chem., 59, 5550-5555 (1994)). In this method, for example, a corresponding halohydrin is generated from an olefin, a corresponding α-haloaldol is generated from an α, β-unsaturated carbonyl compound, and a corresponding 2-halo-1,3-diol is generated from allyl alcohol. In addition, the corresponding ketone, diketone or α, α-dihaloketone can be produced from the alkyne in high yield.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a reactive agent that can oxidize alcohols using halogen acids with high reactivity and selectivity, and an oxidation method using the same. Another object of the present invention is to provide a reactive agent capable of oxidizing alcohols at a high stoichiometric conversion and selectivity even under mild conditions, and an oxidation method using the same.
Still another object of the present invention is to provide an oxidation reaction agent that is versatile for various alcohols and an oxidation method using the same.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventors have determined that NaBrO.Three/ NaHSOThreeWhen the oxidation system was applied to the oxidation reaction of alcohols such as primary alcohols and α, ω-diols, esters were formed from primary alcohols by oxidative esterification, and the corresponding cyclic esters were formed from α, ω-diols. As a result of further finding out that they were produced in high yields, the present invention was completed.
[0012]
That is, the alcohol oxidation reaction agent of the present invention has the following formula:
M (XOThree)n
(Wherein M represents a hydrogen atom or a metal, X represents a halogen atom, and n represents 1 or the valence of the metal M) and a reducing inorganic compound. TheAnd the reducing inorganic compound is (1) A salt of an alkali metal and an inorganic acid, (2) A salt of an alkaline earth metal and an inorganic acid, and (3) It is at least one selected from a salt of ammonia and an inorganic acid.In the halogen acid or a salt thereof, M is a hydrogen atom or a 1-3 valent metal, X is a chlorine, bromine or iodine atom, n is an integer of 1 to 3 halogen acid or a salt thereof, for example, chloric acid, bromic acid or Iodic acid or a salt thereof may be used. Examples of the reducing inorganic compound include sulfite, bisulfite, thiosulfate, pyrosulfite and the like. The ratio of the reducing inorganic compound to 1 equivalent of the halogen acid or salt thereof may be selected from the range of about 0.1 to 5 equivalents, for example.
[0013]
In the method of the present invention, the primary or secondary alcohol is oxidized by the oxidation reaction agent. In this method, mono- or polyhydric alcohols can be oxidized in the liquid phase. By utilizing the oxidation reaction, various corresponding carbonyl compounds can be generated depending on the type of alcohol and the substitution site of the hydroxyl group. For example, the corresponding ester or carboxylic acid can be generated from a primary alcohol, and the corresponding ketone from a secondary alcoholHas a primary hydroxyl groupThe corresponding lactone or dicarboxylic acid can be produced from the diol.
Further, in the method of the present invention, alcohols are converted into a liquid phase by using a reagent composed of chloric acid, bromic acid, iodic acid or a salt thereof and sulfite, bisulfite, thiosulfate or pyrosulfite. As an activator, in a method of oxidizing with, halogen acid or its saltsSaidExamples include a method of promoting the oxidation of alcohols by adding a reducing inorganic compound.
In the present specification, not only compounds in which the hydroxyl group is a primary alcohol group or a secondary alcohol group (for example, monohydric alcohols, diols and polyols), but also alcohols, acetals, Derivatives such as hemiacetal are also collectively referred to as “alcohols”. In addition, unless otherwise specified, halogen acids or salts thereof may be collectively referred to as “halogen acids”.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The halogen acid or salt thereof used in the present invention has the formula M (XOThree)nIt is represented by (In the formula, M represents a hydrogen atom or a metal, X represents a halogen atom, and n represents 1 or the valence of the metal)
The type of metal represented by M is not particularly limited as long as it does not impair the activity of the halogen acid. For example, alkali metals such as Na, K and Li (Group 1A metal of the periodic table), Mg, Ca, Sr and Ba Alkaline earth metals (Group 2A metals) such as Sc, Y, Group 3A metals such as Sc and Y, Group 4A metals such as Ti and Zr, Group 5A metals such as V and Nb, Cr, Mo , W, periodic table group 6A metals, Mn, Tc, etc. periodic table group 7A metals, Fe, Ru, Co, Rh, Ni, Pd, Pt transition metals (periodic group 8 metals), Cu, Ag, Periodic table 1B metal such as Au, periodic table 2B metal such as Zn and Cd, periodic table 3B metal such as Al and Ga, periodic table 4B metal such as Sn and Pb, periodic table 5B such as Sb and Bi Group metals and the like are included. A preferred metal M often forms a water-soluble halogenate.
[0015]
Preferable M includes a hydrogen atom or a 1-3 valent metal such as an alkali metal (sodium, potassium, etc.), an alkaline earth metal (magnesium, calcium, etc.), aluminum and the like. In consideration of economy and safety, M is often an alkali metal such as sodium or potassium.
[0016]
The halogen atom represented by X includes fluorine, chlorine, bromine and iodine atoms. Preferred halogen atoms are chlorine, bromine and iodine atoms, especially bromine atoms. In the oxidation reaction using hypohalous acid, it is known that the oxidizing power decreases in the order of Cl> Br> I. However, in the halogen acid or its salt, X is rather a bromine atom and an iodine atom. The compound exhibits high oxidative activity.
n is 1 or the valence of the metal M, and is often about 1 to 3.
[0017]
Specific examples of preferred halogen acids or salts thereof include, for example, bromic acid, alkali metal bromate (sodium bromate NaBrOThree, Potassium bromate KBrOThree, Lithium bromate, etc.), alkaline earth metal bromates (magnesium bromate, calcium bromate, etc.), zinc bromate, aluminum bromate, chloric acid or iodic acid corresponding to these bromic acids or salts thereof, or these (For example, sodium chlorate, sodium iodate, etc.). These halogen acids or salts thereof can be used alone or in combination of two or more.
Of these halogen acids or salts thereof, bromic acid, alkali metal bromate (sodium bromate NaBrOThree, Potassium bromate KBrOThree, Lithium bromate, etc.), chloric acid or alkali metal chlorate, iodic acid or alkali metal iodate, especially alkali metal bromate.
[0018]
The halogen acids may be generated in the reaction system. For example, the alkali metal bromate may be generated by blowing bromine into an aqueous solution containing a corresponding alkali metal hydroxide. The halogen acids can be used as solids such as crystals, aqueous solutions, or suitable organic solvent solutions, and are often used as aqueous solutions.
[0019]
The feature of the present invention resides in that the halogen acids are combined with a reducing inorganic compound. The oxidation reaction agent (reaction system) constituted by such a combination not only has a high oxidation ability with respect to alcohols, but also has a high ability to selectively oxidize. In particular, the oxidation reaction is greatly accelerated by the addition of the reducing inorganic compound. Therefore, the reducing inorganic compound seems to function as an activator for halogen acids.
[0020]
Examples of the reducing inorganic compound include various inorganic compounds such as alkali metals (sodium, potassium, lithium, etc.), alkaline earth metals (magnesium, calcium, etc.), aluminum, chromium, manganese, transition metals (iron, nickel, etc.). ), Simple metals such as copper and zinc, or salts of these metals or ammonia and inorganic acids (for example, sulfate, sulfite, bisulfite, thiosulfate, pyrosulfite, nitrate, hydrochloride, phosphoric acid) Salt, carbonate, etc.). Of these inorganic compounds, (1) alkali metals, alkali metal salts and ammonium salts are extremely useful for enhancing the activity of halogen acids. (2) Alkaline earth metals (magnesium, calcium, etc.), aluminum, chromium, manganese or their salts are compared to (3) transition metals (iron, nickel, etc.), copper, zinc or their salts, Shows relatively high reaction activity.
[0021]
Preferred reducing inorganic compounds include alkali metal salts or ammonium salts as described above, particularly metal sulfites (for example, sodium sulfite Na2SOThree, Alkali metal sulfite of potassium sulfite, ammonium sulfite, etc.), metal hydrogen sulfite (eg, sodium hydrogen sulfite NaHSOThree, Alkali metal hydrogen sulfites such as potassium hydrogen sulfite, ammonium sulfite, etc.), metal thiosulfate (for example, sodium thiosulfate Na2S2OThree, Alkali metal thiosulfate such as potassium thiosulfate, ammonium thiosulfate and the like), pyrosulfite (alkali metal pyrosulfite such as sodium pyrosulfite and potassium pyrosulfite, ammonium pyrosulfite and the like). These reducing inorganic compounds can be used alone or in combination of two or more. As a reducing compound, a metal sulfite, a metal hydrogen sulfite, a metal thiosulfate, etc. are used in many cases.
[0022]
The amount of the reducing inorganic compound used can be selected within a range that does not impair the activity and selective oxidation ability of the halogen acids. For example, in terms of halogen acid, 0.1 to 5 equivalents, preferably 1 equivalent to 1 equivalent of halogen acids Is about 0.25 to 2.5 equivalents, more preferably about 0.5 to 1.5 equivalents. The reducing inorganic compound is often used in a proportion of about 0.7 to 1.3 equivalents, particularly about 0.9 to 1.1 equivalents per 1 equivalent of the halogen acid.
[0023]
Such an oxidation reactant (oxidation system) is useful for selectively producing a carbonylated compound from alcohols, and various alcohols can be selected by selecting the type or addition amount of halogen acids and reducing inorganic compounds. Can be selectively oxidized and is highly versatile. Therefore, in the method of the present invention, alcohols are oxidized using the oxidation reactant.
[0024]
As the alcohol, a primary alcohol having a primary alcohol group or a secondary alcohol having a secondary alcohol group can be used, and the alcohol may be a monohydric or polyhydric alcohol.
Among the alcohols, examples of the monohydric alcohol include methyl alcohol, ethyl alcohol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, butyl alcohol, isobutyl alcohol, s-butyl alcohol, pentyl alcohol, 2-pentanol, isopentyl alcohol, and neopentyl. Alcohol, hexyl alcohol, 2-hexanol, 3-hexanol, isohexyl alcohol, heptyl alcohol, 2-heptanol, octyl alcohol, 2-octanol, 2-ethylhexyl alcohol, nonyl alcohol, decyl alcohol, allyl alcohol, crotyl alcohol, propargyl C1-C20 linear or branched aliphatic alcohols (saturated or unsaturated fats) such as alcohol, geraniol and phytol Alcohol); substituents such as cyclopentanol, cyclohexanol, 2-methylcyclohexanol, 3-methylcyclohexanol, 4-methylcyclohexanol, 4-t-butylcyclohexanol, cycloheptanol, cyclooctanol, etc. (alkyl groups, etc.) ) Alicyclic alcohols having about 3 to 12 carbon atoms which may have benzyl alcohol, phenethyl alcohol, cinnamyl alcohol, salicyl alcohol, 1,1-diphenylmethanol, 2-phenyl-2-ethanol, 1, Aromatic alcohols such as 1-diphenylethanol; heterocyclic alcohols such as furfuryl alcohol and the like are included.
[0025]
Polyhydric alcohols include, for example, ethylene glycol, 1,2-propanediol, 1,3-propanediol, 1,2-butanediol, 1,3-butanediol, 1,4-butanediol, 2,3 -Butanediol, 1,2-pentanediol, 1,3-pentanediol, 2,3-pentanediol, 1,5-pentanediol, neopentyl glycol, 1,2-hexanediol, 1,3-hexanediol, 1,4-hexanediol, 2,3-hexanediol, 2,4-hexanediol, 1,6-hexanediol, 1,8-octanediol, 1,2-octanediol, 1-phenyl-1,2- An alkylene glycol (for example, charcoal) which may have a substituent such as ethanediol and 1,2-diphenylethanediol A number of about 2 to 20 alkylene glycols); a number of repeating oxyethylene units such as diethylene glycol and triethylene glycol, and a number of repeating oxypropylene units such as polyethylene glycol, dipropylene glycol and tripropylene glycol. Oxyalkylene glycols such as polypropylene glycol, polytetramethylene glycol having a number of repeating oxytetramethylene units of about 2 to 20; aliphatic poly having three or more hydroxyl groups such as glycerin, trimethylolpropane, trimethylolethane, pentaerythritol Monohydric alcohol; 1,2-cyclopentanediol, 1,3-cyclopentanediol, 1,2-cyclohexanediol, 1,3-cyclohexanediol, 1,4-cyclo Lohexanediol, 1,2-cycloheptanediol, 1,3-cycloheptanediol, 1,4-cycloheptanediol, 1,2-cyclooctanediol, 1,3-cyclooctanediol, 1,4-cyclooctane Diol, 1,5-cyclooctanediol, bis (4-hydroxycyclohexyl) methane, 1,1-bis (4-hydroxycyclohexyl) ethane, 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, menthol, borneol, etc. Cyclic polyhydric alcohols; monosaccharides (eg, threose, arabinose, ribose, xylose, glucose, galactose, mannose, fructose, etc.), oligosaccharides containing 2-10 monosaccharide units (eg, sucrose, maltose, lactose, etc. 2) Sugars; rafino Sugars such as pentaerythritol, erythrite, arabit, xylit, sorbit, mannitol, inosit, etc .; sugars such as polysaccharides (starch, soluble starch, etc.) containing 11 or more monosaccharide units; Sorbitol intramolecular dehydration condensates (1,4-sorbitan, 3,6-sorbitan, 1,5-sorbitan, 1,4,3,6-sorbide, etc.), mannitol intramolecular dehydration condensates (mannitan, etc.) ) And other steroidal compounds such as cholesterol and testosterol.
[0026]
These alcohols have protective groups (for example, C1-2A lower alkoxy group such as an alkoxy group) or a derivative such as an acetal or hemiacetal, which may have an unsaturated bond such as a double bond, a halogen atom, an alkoxy group (for example, , C1-6Lower alkoxy group), carbonyl group, acyl group (for example, C1-7Lower acyl group), carboxyl group, alkoxycarbonyl group (for example, C1-6Lower alkoxy-carbonyl group), amino group, alkylamino group (eg mono- or di-C)1-4Alcohols having a functional group such as an alkylamino group may also be used.
[0027]
By utilizing the oxidation reaction, various corresponding carbonyl compounds can be selectively produced at a high conversion rate depending on the type of alcohol and the substitution site of the hydroxyl group. For example, the hydroxyl group of the substrate diol can be selectively oxidized to produce the corresponding carbonyl compound in stoichiometric yield and high selectivity. In addition, it is also possible to selectively oxidize polyhydric alcohols that have been difficult to achieve conventionally, for example, to selectively oxidize natural compounds such as diols, glycerols, saccharides and steroids at the hydroxyl group sites. In particular, in the oxidation of polyhydric alcohols having a primary hydroxyl group and a secondary hydroxyl group, by controlling the addition amount of halogen acids, the oxidation of the secondary hydroxyl group proceeds preferentially, and the hydroxy group is highly selective. A ketone compound can be produced preferentially. Furthermore, as the amount of halogen acids relative to the polyhydric alcohol having a plurality of secondary hydroxyl groups is increased, the plurality of hydroxyl groups can be sequentially converted into oxo groups. For example, when about 1 to 1.5 moles of a halogen acid is used in terms of halogen acid or periodic acid with respect to a diol having two secondary hydroxyl groups, one of the hydroxyl groups can be converted to an oxo group. When about 2 to 2.5 moles of acids are used, both hydroxyl groups can be converted to oxo groups.
[0028]
More specifically, for example, an ester represented by the following formula (2a) can be selectively produced from a primary alcohol represented by the following formula (1) by an oxidative esterification reaction. It is also possible to selectively produce the corresponding carboxylic acid (2b) from the alcohol (1).
[0029]
[Chemical Formula 3]
(Wherein R1Represents an alkyl group, an alkenyl group, an alkynyl group, a cycloalkyl group or an aralkyl group)
In the above formula, R1In the alkyl group represented by the formula, linear or branched C corresponding to the alcohols1-20An alkyl group (preferably C2-10Alkyl group), and alkenyl groups include, for example, vinyl, 1-propenyl, 2-propenyl, isopropenyl, butenyl, pentenyl groups, and the like.2-10Alkenyl groups are included, and alkynyl groups include, for example, C such as ethynyl and propynyl groups.2-10Alkynyl groups are included.
R1As the cycloalkyl group represented by, for example, C such as cyclopropyl, cyclobutyl, cyclopentyl, cyclohexyl, cycloheptyl, cyclooctyl and the like.3-20A cycloalkyl group (preferably C4-10Cycloalkyl group), and aralkyl groups include, for example, C such as benzyl and phenethyl groups.6-12Aryl-C1-4Alkyl groups and the like are included.
[0030]
The ester (2a) and the carboxylic acid (2b) can be efficiently generated by adjusting the amount of the halogen acid and the reducing inorganic compound with respect to the alcohol (1). For example, the ester (2a) is less than 2.5 equivalents (for example, about 1 to 2.3 equivalents, preferably about 1 to 2 equivalents) of halogen acids with respect to the hydroxyl group of the primary alcohol (1). By using less than 2.5 equivalents (for example, about 1 to 2.3 equivalents, preferably about 1 to 2 equivalents) of the compound, the compound can be efficiently generated. The carboxylic acid (2b) is a primary alcohol (1). 2.5 equivalents or more (for example, 2.5 to 5 equivalents, preferably about 2.7 to 4 equivalents) of halogen acids, and 2.5 equivalents or more of the reducing inorganic compound (for example, 2.5 to 5 equivalents) 5 equivalents, preferably about 2.7 to 4 equivalents) can be efficiently produced.
Furthermore, the carboxylic acid (2b) can be obtained in a high yield by reacting in the presence of an acid or under acidic conditions, particularly in a system having a large amount of halogen acid and reducing inorganic compound relative to the primary alcohol (1). Can do. As the acid, various proton acids (inorganic acids, organic carboxylic acids) can be used. Inorganic acids include, for example, hydrohalic acids such as hydrofluoric acid, hydrochloric acid, hydrobromic acid and hydroiodic acid, sulfuric acid, nitric acid and phosphoric acid. Examples of organic carboxylic acids include saturated carboxylic acids such as formic acid, acetic acid, trichloroacetic acid, trifluoroacetic acid and propionic acid, unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid and methacrylic acid, saturated oxalic acid, malonic acid and succinic acid. Examples thereof include unsaturated dicarboxylic acids such as dicarboxylic acid and maleic acid, oxycarboxylic acids such as glycolic acid, lactic acid, malic acid, tartaric acid and citric acid. As the organic carboxylic acid, a water-soluble organic carboxylic acid is often used. These acid components can be used alone or in combination of two or more thereof, and the inorganic acid and the organic carboxylic acid may be used in combination.
[0031]
The reaction system adjusted with the proton acid may be acidic and has a pH of 5 or less (for example, about 0.1 to 5), preferably a pH of 3 or less (for example, about 0.5 to 3).
The amount of the protonic acid used can be selected within a range that can promote the oxidation reaction. For example, 0.1 to 5 equivalents, preferably 0.3 to 3 equivalents, and more preferably 0.5 to 1 equivalent of halogen acids. Often about 2.5 equivalents.
[0032]
In the oxidation method of the present invention, the corresponding ketone (4) can be selectively produced from the secondary alcohol (3) as represented by the following reaction formula.
[0033]
[Formula 4]
(Wherein R2And RThreeAre the same or different and each represents an alkyl group, an alkenyl group, an alkynyl group, a cycloalkyl group or an aralkyl group, and R2And RThreeMay combine with each other to form a non-aromatic ring)
In this reaction, when an excess amount of halogen acid and reducing inorganic compound is used to oxidize the alicyclic alcohol, the amount of α-halogenoketone produced increases. Therefore, it is possible to selectively synthesize ketones and α-halogenoketones from alcohols by controlling the amounts of halogen acids and reducing inorganic compounds used. For example, when a halogen acid is used in an amount of 2.5 equivalents or less (for example, about 1.2 equivalents) and a reducible inorganic compound is used in an amount of 2.5 equivalents or less (for example, about 1.2 equivalents) relative to substrate alcohol When a halogen acid is used in an amount of 3 equivalents or more (for example, about 3 to 5 equivalents) and a reducing inorganic compound is used in an amount of 3 equivalents or more (for example, about 3 to 4 equivalents), α-halogenoketone is obtained. Can be obtained in high yield.
[0034]
R2And RThreeAs the alkyl group, alkenyl group, alkynyl group, cycloalkyl group and aralkyl group represented by1Examples thereof include the same groups as described in the section. Non-aromatic rings include rings corresponding to the cycloalkyl group, for example, C4-10Cycloalkane rings and the like are included.
In the ketone formation reaction, the secondary alcohol may be a monohydric or polyhydric aliphatic alcohol having a secondary hydroxyl group (for example, C3-10Alcohol or C3-10Diols), alicyclic alcohols (eg C4-10In many cases, an alicyclic alcohol having a cycloalkane ring is used.
[0035]
Furthermore, as represented by the following reaction formula, the corresponding lactone (6a) or dicarboxylic acid (6b) can be produced from the diol (5) having a primary alcohol group.
[0036]
[Chemical formula 5]
(Wherein RFourRepresents a hydrogen atom or a methyl group, n represents an integer of 3 or more, RFourMay vary depending on the number of repetitions n)
In this reaction formula, although depending on the kind and amount of the oxidation reactant, when a diol having n = 3 to 5 is oxidized, a corresponding lactone is easily generated, and n is 5 or more (particularly, n is 6 or more, For example, when a diol having a long carbon chain (n = 7 to 20, preferably about n = 8 to 16) is oxidized, a corresponding dicarboxylic acid is easily generated.
[0037]
In addition, when an aromatic alcohol is used as a substrate, a corresponding aromatic aldehyde can be efficiently generated.
[0038]
In the oxidation reaction, the amount of the halogen acid used is, for example, 0.5 to 5 mol, preferably 0.7 to 2.5 mol, more preferably 0.8 to 1.5 mol, relative to the hydroxyl group of the substrate alcohol. The amount of the reducing inorganic compound used is 0.5 to 2 mol, preferably 0.7 to 1.7 mol, more preferably about 0.8 to 1.5 mol, based on the halogen acid. . The amount of the halogen acid and the reducing inorganic compound used is 0.9 to 3 mol, preferably 1 to 2.5 mol (for example, 1.1 to 2.5 mol), respectively, with respect to the hydroxyl group of the substrate alcohol. In many cases. If the amount of the halogen acid used is too small, the reaction efficiency is lowered, and if it is excessive, a compound in which the oxidation reaction has progressed or a halogenated compound tends to be generated. Moreover, when there is too little addition amount of a reducing inorganic compound, reaction rate will fall easily.
[0039]
Usually, the oxidation reaction of alcohols is often performed in a liquid phase. Liquid phase oxidation of alcohols is usually carried out in a homogeneous system containing at least water because halogen acids are usually water-soluble, and is an organic solvent that is miscible or compatible with water and inert to the reaction. For example, acetonitrile, formamide, dimethylformamide, dimethyl sulfoxide, ketones (acetone, etc.), ethers (dioxane, tetrahydrofuran, etc.), lower carboxylic acids (eg, formic acid, acetic acid, etc.), tertiary alcohols (t-butanol, etc.) Alternatively, a mixed solvent thereof may be used.
In addition, an organic solvent immiscible with water, for example, hydrocarbons such as hexane, cyclohexane, benzene, toluene, xylene, ethers such as diethyl ether, ketones such as methyl ethyl ketone and methyl isobutyl ketone, methyl acetate, You may make it react by the two-phase system (heterogeneous system) of an aqueous phase and an organic-solvent phase using ester, such as ethyl acetate, or these mixed solvents. In the case of reacting in a two-phase system, a phase transfer catalyst (for example, a quaternary ammonium salt), a surfactant, or the like may be used in combination in consideration of the solubility of substrate alcohols. Furthermore, substrate alcohols can also be used as a solvent.
[0040]
In the oxidation reaction, the order of addition of the substrate alcohols and each component is not particularly limited, and can be appropriately set from the viewpoint of operability. From the viewpoint of reaction operability, it is advantageous to add a reducing inorganic compound to a mixed solution containing a substrate alcohol and a halogen acid at a predetermined temperature.
[0041]
When oxidizing alcohols using halogen acids as oxidizing agents, adding a reducing inorganic compound as an activator to the reaction system makes the alcohols stoichiometric and highly selectable even at room temperature and normal pressure. The corresponding carbonyl compound can be obtained in high yield. Therefore, the oxidation reaction proceeds smoothly even under relatively mild conditions. The reaction temperature is, for example, 0 ° C. to 150 ° C. (for example, 0 ° C. to 100 ° C.), preferably 10 to 70 ° C., more preferably about 20 to 50 ° C. In addition, the reaction can be performed under normal pressure or pressure (for example, about 1 to 10 atm). In addition, when reaction temperature and / or reaction pressure are high, oxidation will progress further and there exists a possibility that low molecular weight carboxylic acid etc. may byproduce.
[0042]
After completion of the reaction, the target oxidation product can be easily separated and purified by conventional separation and purification means such as distillation, concentration, solvent extraction, recrystallization, chromatography and the like. In addition, when the product of the oxidation reaction is insoluble or hardly soluble in water, depending on the solvent, phase separation or precipitate may be generated after the reaction is completed, but in the oxidation method of the present invention, the conversion rate In most cases, the target product can be obtained with high purity even by a simple extraction operation. In addition, unreacted substances of halogen acids and reducing inorganic compounds and their decomposition products exhibit extremely high water solubility, so that unreacted substances and impurities can be easily removed by washing or the like. Therefore, in the method of the present invention, the target product can be obtained with high yield and high purity by combining simple organic solvent extraction and water washing after the reaction is completed.
Thus, in the method of the present invention, the reaction can be promoted under mild conditions and is very safe compared to the conventional method. In addition, alcohols can be oxidized with high conversion and selectivity, and post-treatment steps including separation and purification can be greatly simplified, and the target product can be obtained in a high yield by a simple operation. Therefore, alcohols can be oxidized very advantageously industrially and economically.
[0043]
【The invention's effect】
Since the oxidation reaction agent of the present invention combines a halogen acid and a reducing inorganic compound, it can oxidize alcohols with high reactivity and selectivity. Further, even under mild conditions, substrate alcohols can be efficiently oxidized with a high stoichiometric conversion and selectivity. Therefore, it can be applied to various substrate alcohols and is highly versatile.
In the oxidation method of the present invention, since the oxidation reagent is used, alcohols can be oxidized easily and efficiently, and the target compound can be obtained in high yield. Moreover, separation and purification of the target compound is easy, and the target compound can be obtained industrially and economically advantageously.
[0044]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples, but the present invention is not limited to these examples.
Example 1
100 g (1 mole) of cyclohexanol, NaBrOThreeTo a mixture of 181 g (1.2 mol) of an aqueous solution of 400 ml and acetonitrile of 400 ml at 25 ° C., NaHSOThree200 ml of 125 g (1.2 mol) aqueous solution was gradually added dropwise and stirred for 1 hour to react. The reaction mixture was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain cyclohexanone with a conversion of 99% and a selectivity of 100%.
[0045]
Example 2
100 g (1 mol) of cyclohexanol, NaClOThreeA mixed solution of 400 g of 128 g (1.2 mol) of aqueous solution and 400 ml of acetonitrile was heated to 40 ° C., and NaHSOThree200 ml of 125 g (1.2 mol) aqueous solution was gradually added dropwise and stirred for 2 hours to react. The reaction mixture was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain cyclohexanone with a conversion of 80% and a selectivity of 80%.
[0046]
Example 3
100 g (1 mole) of cyclohexanol, NaBrOThreeA mixture of 400 ml of an aqueous solution of 181 g (1.2 mol) and 400 ml of acetonitrile is heated to 40 ° C. and Na2SOThree200 ml of an aqueous solution of 151 g (1.2 mol) was gradually added dropwise and stirred for 2 hours to react. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain cyclohexanone at a conversion rate of 80% and a selectivity of 80%.
[0047]
Example 4
100 g (1 mole) of cyclohexanol, NaBrOThreeA mixture of 400 ml of an aqueous solution of 181 g (1.2 mol) and 400 ml of acetonitrile is heated to 40 ° C. and Na2S2OThree200 ml of an aqueous solution of 190 g (1.2 mol) was gradually added dropwise and reacted with stirring for 2 hours. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried, and concentrated to obtain cyclohexanone with a conversion of 70% and a selectivity of 80%.
[0048]
Example 5
100 g (1 mole) of cyclohexanol, NaBrOThreeA mixture of 400 g of 211 g (1.4 mol) of aqueous solution and 400 ml of acetonitrile was heated to 40 ° C., and Na2S2OThree200 ml of an aqueous solution of 222 g (1.4 mol) was gradually added dropwise and reacted with stirring for 2 hours. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain cyclohexanone at a conversion rate of 95% and a selectivity of 100%.
[0049]
Example 6
116 g (1 mol) of 1,2-cyclohexanediol, NaBrOThreeTo a mixture of 400 ml of an aqueous solution of 362 g (2.4 mol) and 400 ml of acetonitrile at 25 ° C., NaHSOThree200 ml of an aqueous solution of 250 g (2.4 mol) was gradually added dropwise and reacted with stirring for 1 hour. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain 1,2-cyclohexanedinone at a conversion rate of 99% and a selectivity of 100%.
[0050]
Example 7
226 g (1 mol) of 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, NaBrOThreeTo a mixture of 400 ml of an aqueous solution of 362 g (2.4 mol) and 400 ml of acetonitrile at 25 ° C., NaHSOThree200 ml of an aqueous solution of 250 g (2.4 mol) was gradually added dropwise and reacted with stirring for 1 hour. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain 2,2-bis (4-oxycyclohexyl) propane at a conversion rate of 99% and a selectivity of 100%.
[0051]
Example 8
116 g (1 mol) of 1,2-cyclohexanediol, NaBrOThreeTo a mixture of 181 g (1.2 mol) of an aqueous solution of 400 ml and acetonitrile of 400 ml at 25 ° C., NaHSOThree200 ml of an aqueous solution of 125 g (1.2 mol) was gradually added dropwise and reacted with stirring for 1 hour. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain α-hydroxycyclohexanone with a conversion of 99% and a selectivity of 100%.
[0052]
Example 9
1,2-propanediol 76 g (1 mol), NaBrOThreeTo a mixture of 181 g (1.2 mol) of an aqueous solution of 400 ml and acetonitrile of 400 ml at 25 ° C., NaHSOThree200 ml of an aqueous solution of 125 g (1.2 mol) was gradually added dropwise and reacted with stirring for 1 hour. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain a ketal compound in which 1,2-propanediol was added to hydroxyacetone with a conversion rate of 99% and a selectivity of 100%. .
[0053]
Example 10
When the reaction was carried out in the same manner as in Example 1 except that the substrate alcohol shown in the table below was used instead of the cyclohexanol, the compounds shown in the table below were obtained. The amount of substrate alcohol used is 5 mmol, and NaBrO.ThreeIs used as 3 ml of a 6 mmol aqueous solution, and the substrate alcohol and NaBrO are used.ThreeTo a mixture of an aqueous solution and 10 ml of acetonitrile at 25 ° C., NaHSOThree6 ml of a 6 mmol aqueous solution was gradually added dropwise, and the reaction was carried out by stirring for the time shown in the table.
[0054]
[Table 1]
As is apparent from Table 1, the corresponding ketone is obtained in high yield from the secondary alcohol.
[0055]
Example 11
Instead of 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane, the substrate alcohol shown in the table below was used, and NaBrO was used.Three/ NaHSOThreeWhen the reaction was carried out in the same manner as in Example 7 except that the ratio and the reaction time were changed, the compounds shown in the following table were obtained. The amount of substrate alcohol used is 5 mmol, and the amount of acetonitrile used is 10 ml. NaBrOThreeAnd NaHSOThreeWere used as aqueous solutions. In addition, t-butanol was used as a solvent for the substrate 2,2-bis (4-hydroxycyclohexyl) propane instead of ace and nitrile.
[0056]
[Table 2]
As can be seen from Table 2, also in the diols, hydroxyketones and diketones can be obtained in high yields as in the case of secondary alcohols. In addition, in 1,2-cyclooctanediol, the corresponding hydroxyketone was produced at the stage where the reaction time was short.
[0057]
Example 12
100 g (1 mole) of cyclohexanol, NaBrOThreeTo a mixture of 400 ml of an aqueous solution of 382 g (2.4 mol) and 400 ml of acetonitrile at 25 ° C., Na2HSOThree200 ml of an aqueous solution of 250 g (2.4 mol) was gradually added dropwise and reacted with stirring for 1 hour. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain α-bromocyclohexanone with a conversion of 99% and a selectivity of 100%.
[0058]
Example 13
NaBrOThree 3 moles and Na2HSOThree A reaction was carried out in the same manner as in Example 12 except that the reaction was carried out at room temperature (about 25 ° C.) for 24 hours using 4 mol. As a result, α-bromocyclohexanone was obtained with a conversion of 74% and a selectivity of 100%.
[0059]
Example 14
116 g (1 mol) of 1,2-cyclohexanediol, NaBrOThreeTo a mixture of 600 ml of an aqueous solution of 563 g (3.6 mol) and 200 ml of acetonitrile, at 25 ° C., Na2HSOThree250 g (2.4 mol) of 200 ml aqueous solution was gradually added dropwise and reacted with stirring for 1 hour. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to give 6-bromo-1,2-cyclohexanedione at a conversion rate of 99% and a selectivity of 100%.
[0060]
Comparative Example 1
100 g (1 mole) of cyclohexanol, NaBrOThreeA mixed solution of 400 ml of an aqueous solution of 181 g (1.2 mol) and 400 ml of acetonitrile was stirred and reacted at 25 ° C. for 1 hour. When the reaction mixture was analyzed, 85% of unreacted cyclohexanol remained.
[0061]
Comparative Example 2
116 g (1 mol) of 1,2-cyclohexanediol, NaBrOThreeA mixture of 181 g (1.2 mol) of a 400 ml aqueous solution and 400 ml of acetonitrile was stirred and reacted at 25 ° C. for 1 hour. When the reaction solution was analyzed, 85% of unreacted 1,2-cyclohexanediol remained.
[0062]
Example 15
1 mol of primary alcohol in the table below, NaBrOThree To a mixture of 400 ml of 2 molar aqueous solution and 400 ml of acetonitrile at 25 ° C., Na2HSOThree 200 ml of a 2 molar aqueous solution was gradually added dropwise and allowed to react with stirring for 2 hours. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to give the esters shown in the table below.
[0063]
[Table 3]
The reaction was carried out in the same manner as above except that benzyl alcohol was used as the substrate alcohol. As a result, benzaldehyde was obtained in a yield of 51% and benzoic acid in a yield of 17%.
[0064]
Example 16
NaBrOThree, Na2HSOThreeWhen the reaction was carried out in the same manner as in Example 15 except that 1 mmol of 1-octanol was stirred at room temperature for 2 hours using acetonitrile and water in the proportions shown in the table, the ester or carboxylic acid shown in the table below was obtained. It was. In addition, No. In No. 2, 2M-sulfuric acid was used to adjust the liquidity of the reaction system to pH 1 for reaction. No. In No. 5, 10 mmol of 1-octanol as a substrate was used.
[0065]
[Table 4]
Example 17
1,1-dimethoxyoctane 10 mmol, NaBrOThree 12 mmol, Na2HSOThree A reaction was carried out in the same manner as in Example 15 except that 12 mmol and 8 ml of water were used. As a result, 1-methoxy-1-octanone was obtained in a yield of 54%.
[0066]
Example 18
1,1-dimethoxyoctane 5 mmol, n-butanol 5 mmol, NaBrOThree 12 mmol, Na2HSOThree A reaction was carried out in the same manner as in Example 15 except that 12 mmol and 8 ml of water were used. As a result, butoxycarbonylheptane was obtained in a yield of 61% and 1-methoxy-1-octanone was obtained in a yield of 25%.
[0067]
Example 19
1 mol of 1,4-butanediol, NaBrOThreeTo a mixture of 400 ml of an aqueous solution of 382 g (2.4 mol) and 400 ml of acetonitrile at 25 ° C., Na2HSOThree200 ml of an aqueous solution of 250 g (2.4 mol) was gradually added dropwise and reacted with stirring for 2 hours. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain γ-butyrolactone at a conversion rate of 60% and a selectivity of 100%.
[0068]
Example 20
When reacted in the same manner as in Example 19 except that 1,5-pentanediol was used instead of 1,4-butanediol, δ-valerolactone was obtained with a conversion of 60% and a selectivity of 100%. .
[0069]
Example 21
1,4-butanediol 5 mmol, NaBrOThree 15 mmol, Na2HSOThree A stirring reaction was carried out at 25 ° C. for 2 hours in the same manner as in Example 19 except that 15 mmol, 10 ml of acetonitrile and 20 ml of water were used. As a result, γ-butyrolactone was obtained in a yield of 62%.
[0070]
Example 22
1,6-hexanediol 1 mol, NaBrOThreeTo a mixture of 400 ml of an aqueous solution of 382 g (2.4 mol) and 400 ml of acetonitrile at 25 ° C., Na2HSOThree200 ml of an aqueous solution of 250 g (2.4 mol) was gradually added dropwise and reacted with stirring for 2 hours. The reaction solution was extracted with diethyl ether, and the extract was washed with water, dried and concentrated to obtain adipic acid at a conversion rate of 71% and a selectivity of 100%.
[0071]
Example 23
When reacted in the same manner as in Example 22 except that 1,5-pentanediol was used instead of 1,6-hexanediol, glutaric acid was obtained in a yield of 68%.
[0072]
Example 24
When reacted in the same manner as in Example 22 except that 1,10-decanediol was used instead of 1,6-hexanediol, sebacic acid was obtained in a yield of 91%.
Claims (11)
M(XO3)n
(式中、Mは水素原子又は金属、Xはハロゲン原子を示し、nは1又は前記金属Mの価数を示す)で表されるハロゲン酸又はその塩と、還元性無機化合物とで構成されているアルコールの酸化反応剤であって、前記還元性無機化合物が、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩又はピロ亜硫酸塩である酸化反応剤。Following formula
M (XO 3 ) n
(Wherein M represents a hydrogen atom or a metal, X represents a halogen atom, and n represents 1 or the valence of the metal M) and a reducing inorganic compound. An oxidation reaction agent for alcohol, wherein the reducing inorganic compound is sulfite, bisulfite, thiosulfate, or pyrosulfite .
で表される一級アルコールから下記式
で表されるエステル又は一級アルコールに対応するカルボン酸を生成させる請求項5記載の酸化方法。Following formula
From the primary alcohol represented by the following formula
The oxidation method of Claim 5 which produces | generates the carboxylic acid corresponding to ester or primary alcohol represented by these.
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