JP3773066B2

JP3773066B2 - High strength nylon rope

Info

Publication number: JP3773066B2
Application number: JP25486095A
Authority: JP
Inventors: 繁之甲斐; 今川　　博; 三石川
Original assignee: Unitika Ltd
Current assignee: Unitika Ltd
Priority date: 1995-10-02
Filing date: 1995-10-02
Publication date: 2006-05-10
Anticipated expiration: 2015-10-02
Also published as: JPH0995877A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産業資材分野、特に船舶の係留用として好適な高強力ナイロンロープに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
産業資材分野、特に船舶の係留用のロープとしては、強力の高いロープを使用することが必要であり、船舶が大型化するほどより強力の高いロープが必要となる。このようなロープは、直径が大きくなるほど強力も高くなり、通常、大型の船舶には、直径が50ｍｍ以上、強力が40ｔｏｎ以上のナイロンロープが用いられている。
【０００３】
しかしながら、直径が大きいロープは、船舶を係留したり、収納する際の作業が困難になり、収納スペースも大きなものが必要となる。そこで、より強度の高い糸条を使用し、直径が小さくても強力の高いロープが求められている。
【０００４】
例えば、使用する糸条の強力を10％高くすれば、この糸条の集合体であるロープの強力も10％高くなることが期待されるが、実際には、ロープの強力は５％程度しか高くならない。
すなわち、このようなロープは数千本の糸条の集合体であるが、糸条間や単糸間での滑りが悪いと、ロープに力が加わった際に糸条間や単糸間で力が均一に分散されず、一部の糸条や単糸に応力が集中して破断してしまうため、糸条の強力がそのままロープの強力に反映されない。
【０００５】
糸条の強力が糸条の集合体であるロープの強力にどの程度有効に生かされるかは次式で示す強力利用率で評価することができるが、従来のロープは、この強力利用率がせいぜい50〜55％であり、糸条の強力がロープの強力に有効に生かされていなかった。
強力利用率（％）＝〔ロープの強力／（ロープを構成する糸条の総本数×糸条の強力）〕×100
【０００６】
また、ロープが水に濡れると、糸条間や単糸間での滑りがさらに悪くなるため、水に濡れたり、繰り返し使用しても十分な強力を有するロープを得ることは困難であるという問題があった。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決し、糸条の強力が糸条の集合体であるロープに有効に反映され、かつ水に濡れたり、繰り返し使用しても高強力を維持できるナイロンロープを提供することを技術的な課題とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、静摩擦係数の低いナイロン６又はナイロン６６糸を用いることによって、糸条の強力を糸条の集合体であるロープに有効に反映させることができることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、強度9.5 ｇ／ｄ以上、繊維間の静摩擦係数が0.1 〜0.2であるナイロン６又はナイロン６６糸からなるロープであって、強力利用率が60％以上、乾・湿強力比が90％以上であることを特徴とする高強力ナイロンロープを要旨とするものである。
【０００９】
なお、本発明において、ロープの強力利用率とは、糸条の強力がその集合体であるロープの強力にどの程度有効に生かされているのかを示すものであり、前記の式に従って算出するものである。
このとき、ロープの強力は、ＪＩＳＬ−２７０４に従って測定する。測定条件は次のとおりである。
フルスケール：150 ｔｏｎ
初期引っ張り速度：300 ｍｍ／分
20ｔｏｎ以上の荷重時の引っ張り速度：90ｍｍ／分
試料長：160 ｃｍ（両端はさつま編みのアイ加工を施す)
また、糸条の強力、強度は、ＪＩＳＬ−１０１７に従って測定する。
【００１０】
ロープの乾・湿強力比とは、上記のようにして、乾燥時（浸漬処理前）と湿潤時（常温水中に30分間浸漬し、直ちに測定する）のロープの強力を測定し、次式にしたがって算出する。
乾・湿強力比（％）
＝（湿潤時のロープの強力／乾燥時のロープの強力）×100
【００１１】
糸条の水中浸漬処理による油剤の脱落率は、浸漬処理前後の糸条の油剤付着量をＪＩＳＬ−１０１３の四塩化炭素抽出法に従って測定し、次式を用いて算出する。
なお、浸漬処理後の油剤付着量は、30℃の温水に浴比１／10で30分間浸漬した後、25±３℃の室内で濾紙上に24時間放置して自然乾燥させた糸条を用いて測定する。
油剤の脱落率（％）
＝〔（処理前の糸条の油剤付着量−処理後の糸条の油剤付着量）／処理前の糸条の油剤付着量〕×100
【００１２】
また、静摩擦係数は、図１に示す簡易型摩擦測定器を使用し、次のようにして測定し、算出する。糸条の水中浸漬処理後の静摩擦係数を測定する際には、上記と同様な浸漬処理を施し、自然乾燥させた糸条を用いる。
まず、原糸チーズより50ｃｍの糸条を採取し、摩擦測定器の水平な把持部３の一端に結び付け、糸条の他端に糸条の繊度×１／３（ｇ）に相当する荷重１をかけ、ローラ４を介して、吊り下げる。次に、同一原糸チーズより５ｃｍの糸条を採取し、把持部３に設置した糸条に、この５ｃｍの糸条をループ状に引っかけ、その両端をクリップ型の荷重２（糸条の繊度×１／15（ｇ）に相当する荷重）で留める。
そして、この水平な把持部３を定速度で時計回りに回転させ、ループ状の糸条が滑り落ちた角度θを角度計５から読み取り、ｔａｎθの値を算出し、静摩擦係数とする。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。まず、本発明のナイロンロープは、強度9.5 ｇ／ｄ以上、静摩擦係数が0.1 〜0.2 であるナイロン６又はナイロン６６糸条からなる必要がある。糸条の強度が9.5 ｇ／ｄ未満であると、ロープの強力を上げるために多くの糸条を必要とするため、このような糸条からなるロープは直径の大きなものとなり、作業性が悪くなる。糸条の強度の好ましい範囲としては、9.5 〜11.0ｇ／ｄであり、糸条の繊度としては、好ましくは1260〜2520デニール、単糸数としては、好ましくは210 〜420ｆである。
【００１４】
糸条の静摩擦係数は、0.1 〜0.2 とする必要がある。前記したように、船舶を係留する際に使用するロープは、数千本の糸条の集合体であるため、糸条間や単糸間の滑りが悪いと、ロープに力が加わった際に力が均一に分散されず、一部の糸条に応力が集中し、その糸条が破断してしまう。すなわち、糸条の静摩擦係数が0.2 を超えると、糸条間や単糸間の滑りが悪くなり、糸条の破断が生じ、得られるロープの強力利用率が低くなる。
【００１５】
したがって、本発明においては、糸条の静摩擦係数は、水中浸漬処理前後ともに0.1 〜0.2 とする必要があり、浸漬処理前には静摩擦係数が0.1 〜0.2 であっても、浸漬処理後に静摩擦係数が0.2 を超える糸条であると、この糸条からなるロープは、浸漬処理前には十分な強力を有していても、処理後の強力が低下するため、乾・湿強力比が低くなり、また、繰り返し使用すると強力が低下する。
【００１６】
一方、糸条の静摩擦係数が0.1 未満であると、この糸条を得る際、巻き取り時に糸はずれが生じて、良好に巻き取ることができなくなる。
【００１７】
また、糸条の水中浸漬処理による油剤の脱落率を40％以下とすることが好ましい。ロープを船舶の係留に使用する際には、ロープは水に濡れたり、乾燥を繰り返すため、ロープを構成する糸条の油剤の脱落率が40％を超えると、ロープを構成する糸条間及び単糸間の滑りが悪くなるため、糸条の静摩擦係数が0.2 を超えて大きくなりやすい。
【００１８】
水中浸漬処理による脱落率を40％以下するためには製糸時に延伸時の耐熱性や平滑性を高めるために脂肪酸エステルを主成分とするストレート油剤を付与した後、シリコーン系又はワックス系の油剤を付与することが好ましく、これらの油剤としてはアミノ変性シリコーン、ジメチルシリコーン、ポリエチレンワックス等のエマルジョン油剤が挙げられる。これらの油剤を付与することによって、ストレート油剤も脱落しにくくなり、ストレート油剤も含めた総油剤の脱落率を40％以下とすることができる。
シリコーン系又はワックス系の油剤の付着量は、0.1 〜0.4 重量％とすることが好ましく、ストレート油剤を含めた油剤の総付着量は 0.8 〜1.0 重量％とすることが好ましい。
【００１９】
このような糸条から構成された本発明のロープは、強力利用率が60％以上、乾・湿強力比が90％以上の物性を有している。
強力利用率が60％未満であると、糸条の強力を十分にロープの強力に生かすことができず、十分な強力のロープとするためには、必要以上に多くの糸条を使用する必要があるため、直径が大きくなり、作業性が悪化し、コストも高くなる。
【００２０】
さらに、ロープの乾・湿強力比を90％以上とする必要がある。乾・湿強力比が90％未満であると、乾燥時に十分な強力を有していたとしても、水に濡れると強力が低くなるため、船舶の係留用としては好適に用いることができない。
【００２１】
本発明のナイロンロープは、撚り合わせたもの、編組されたもの等が挙げられるが、編組されたロープは、撚り合わせたロープよりも端末がばらけにくく、船舶の係留用に適している。
また、本発明のナイロンロープは、乾燥時の強力が40〜80ｔｏｎ、直径が30〜70ｍｍのものとすることが好ましい。
【００２２】
次に、本発明のロープの製法例を説明する。
ナイロン６、ナイロン６６のようなナイロンを溶融紡糸して得られた未延伸糸にストレート油剤を付与し、一旦巻き取ることなく、180 〜205 ℃の温度で熱処理しながら、5.0 〜 5.5倍に延伸し、冷却後、シリコーン系油剤を付与して巻き取り、1260ｄ／210 ｆ〜2520ｄ／420 ｆの糸条を得る。
この糸条に撚りをかけて撚糸とし、まず、５〜10本撚り合わせ、次にこの撚り合わせた糸を３〜10本撚り合わせ、続いてこの糸を20〜50本撚り合わせる。そして、このようにして得られたストランドを撚り合わせたり、編組して３つ打ちロープや８つ打ちロープを作成する。
【００２３】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例１〜３
相対粘度（96％硫酸を溶媒とし、濃度１ｇ／ｄｌ、温度25℃で測定した）3.45のナイロン６を紡糸温度275 ℃で紡糸口金より紡糸した。紡出糸条を冷却した後、脂肪酸エステルを主成分とする紡糸油剤を付与し、600 ｍ／分の速度の引き取りローラで引き取り、この引き取りローラと120 ℃の第２ローラ、第２ローラと195 ℃の第３ローラの間で延伸し、第３ローラと180 ℃の第４ローラの間でリラックス処理を行い、続いてアミノ変性シリコーンよりなるエマルジョン系油剤（三洋化成社製サンシリコンPS-126) をその付着量が表１の値になるよう付与し、2750ｍ／分の速度で巻き取り、1680ｄ／280 ｆの糸条を得た。
延伸倍率、リラックス率及び得られた糸条の油剤付着量、強度、強力、静摩擦係数、油剤の脱落率を表１に示す。
これらの糸条を６本引き揃えてＳ方向に130TPMの撚数を持つ下撚コードを作成し、続いてこの下撚コードを４本を引き揃え、Ｚ方向に130TPMの撚数を与えた引き揃えコードを作成した。さらにこのコードを29本引き揃えて撚糸し、ストランドを作成した。このストランド８本を編組して８打ちロープとし、直径50ｍｍのロープを得た。
得られたロープの乾燥時及び湿潤時の強力、強力利用率、乾・湿強力比を表１に示す。
【００２４】
比較例１〜３
延伸倍率を種々変更し、延伸後の糸条にアミノ変性シリコーンよりなるエマルジョン系油剤を付与しなかった以外は実施例１と同様に行った。
得られた糸条の強度、静摩擦係数、油剤の脱落率、得られたロープの乾燥時及び湿潤時の強力、強力利用率、乾・湿強力比を表１に示す。
【００２５】
【表１】

【００２６】
表１より明らかなように、実施例１〜３で得られたロープは、糸条の強度が高く、静摩擦係数、油剤の脱落率ともに低く、これらの糸条の集合体であるロープの強力、強力利用率、乾・湿強力比ともに高く、船舶を係留する際に好適に使用できるものであった。
一方、比較例で得られたロープは、ロープを構成する糸条の強力は実施例と同等、又はやや高いにもかかわらず、静摩擦係数、油剤の脱落率が高いため乾燥時の強力が低く、更に乾・湿強力比が低いために船舶を係留する際に使用するには、十分な強力を有するものではなかった。
【００２７】
【発明の効果】
本発明の高強力ナイロンロープは、構成する糸条の静摩擦係数が低いため、糸条の強力が糸条の集合体であるロープに有効に反映され、かつ水に濡れたり、繰り返し使用しても強力の低下が少なく、産業資材用途、特に大型の船舶を係留する際に好適に使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の高強力ナイロンロープを構成するナイロン糸の静摩擦係数を測定するための簡易型摩擦測定器の正面図である。
【符号の説明】
１荷重
２荷重
３把持部
４ローラ
５角度計[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a high-strength nylon rope suitable for the field of industrial materials, particularly for mooring ships.
[0002]
[Prior art]
In the industrial material field, in particular, as a rope for mooring a ship, it is necessary to use a high-strength rope, and as the ship becomes larger, a higher-strength rope is required. Such ropes have higher strength as the diameter increases, and generally, large ships use nylon ropes having a diameter of 50 mm or more and a strength of 40 tons or more.
[0003]
However, a rope having a large diameter makes it difficult to moor or store a ship, and requires a large storage space. Therefore, there is a demand for a rope that uses a higher strength yarn and has a high strength even if the diameter is small.
[0004]
For example, if the strength of the yarn used is increased by 10%, it is expected that the strength of the rope that is the aggregate of this yarn will also increase by 10%, but in reality the strength of the rope is only about 5%. It will not be high.
That is, such a rope is an aggregate of thousands of yarns, but if the slip between yarns or single yarns is poor, when a force is applied to the rope, Since the force is not evenly distributed and stress concentrates on some yarns or single yarns and breaks, the strength of the yarn is not directly reflected in the strength of the rope.
[0005]
How effectively the strength of the yarn is utilized for the strength of the rope that is the aggregate of yarns can be evaluated by the strength utilization rate shown in the following formula, but conventional ropes have this strength utilization rate at most. It was 50 to 55%, and the strength of the yarn was not effectively utilized in the strength of the rope.
Power utilization rate (%) = [Strength of rope / (Total number of yarns constituting the rope x Strength of yarn)] x 100
[0006]
In addition, when the rope gets wet with water, the slip between yarns and single yarns becomes worse, so it is difficult to obtain a rope having sufficient strength even when it gets wet or repeatedly used. was there.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention solves the problems as described above, and the strength of the yarn is effectively reflected in the rope that is an aggregate of the yarn, and nylon that can maintain high strength even when wet or repeatedly used Providing a rope is a technical challenge.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors effectively reflected the strength of the yarn on the rope that is an assembly of the yarn by using nylon 6 or nylon 66 yarn having a low coefficient of static friction. The present invention has been found. That is, the present invention is a rope made of nylon 6 or nylon 66 yarn having a strength of 9.5 g / d or more and a coefficient of static friction between fibers of 0.1 to 0.2, and has a strength utilization ratio of 60% or more and a dry / wet strength ratio. The gist of the present invention is a high-strength nylon rope characterized by having a N of 90% or more.
[0009]
In the present invention, the strength utilization rate of the rope indicates how effectively the strength of the yarn is utilized for the strength of the rope that is the aggregate, and is calculated according to the above formula. It is.
At this time, the strength of the rope is measured according to JIS L-2704. The measurement conditions are as follows.
Full scale: 150 ton
Initial pulling speed: 300 mm / min
Pulling speed at load of 20 tons or more: 90 mm / min Sample length: 160 cm (both ends are subjected to eye sword knitting)
The strength and strength of the yarn are measured according to JIS L-1017.
[0010]
The dry / wet strength ratio of the rope is measured as described above by measuring the strength of the rope when dry (before immersion) and when wet (immerse it in room temperature water for 30 minutes and measure immediately). Therefore, calculate.
Dry-humid strength ratio (%)
= (Strength of rope when wet / Strength of rope when dry) x 100
[0011]
The drop rate of the oil agent by the water immersion treatment of the yarn is calculated using the following formula after measuring the amount of oil adhesion of the yarn before and after the immersion treatment according to the carbon tetrachloride extraction method of JIS L-1013.
In addition, the amount of the oil agent after the immersion treatment was determined by using a yarn that had been naturally dried by being immersed in warm water at 30 ° C for 30 minutes at a bath ratio of 1/10 and then left on a filter paper for 24 hours in a room at 25 ± 3 ° C. Use to measure.
Dropping rate of oil (%)
= [(Oil agent adhesion amount of yarn before treatment-Amount of oil agent adhesion of yarn after treatment) / Amount of oil agent adhesion of yarn before treatment] × 100
[0012]
Further, the static friction coefficient is measured and calculated as follows using a simple friction measuring instrument shown in FIG. When measuring the coefficient of static friction of the yarn after being immersed in water, the yarn subjected to the same immersion treatment as described above and naturally dried is used.
First, a 50 cm yarn is collected from the raw cheese, tied to one end of the horizontal gripping portion 3 of the friction measuring device, and a load 1 corresponding to the fineness of the yarn × 1/3 (g) at the other end of the yarn. And hung through the roller 4. Next, a 5 cm yarn is collected from the same raw cheese, and the 5 cm yarn is hooked on the yarn installed on the gripping portion 3, and both ends thereof are clip-type loads 2 (fineness of the yarn). × A load corresponding to 1/15 (g)).
Then, the horizontal gripping portion 3 is rotated clockwise at a constant speed, the angle θ at which the loop-shaped yarn slips is read from the goniometer 5, the value of tan θ is calculated, and the static friction coefficient is obtained.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail. First, the nylon rope of the present invention needs to be made of nylon 6 or nylon 66 yarn having a strength of 9.5 g / d or more and a static friction coefficient of 0.1 to 0.2. When the strength of the yarn is less than 9.5 g / d, a lot of yarn is required to increase the strength of the rope. Therefore, the rope made of such a yarn has a large diameter and the workability is poor. Become. The preferred range of the strength of the yarn is 9.5 to 11.0 g / d, the fineness of the yarn is preferably 1260 to 2520 denier, and the number of single yarns is preferably 210 to 420 f.
[0014]
The static friction coefficient of the yarn must be 0.1 to 0.2. As mentioned above, the rope used when mooring a ship is an aggregate of thousands of yarns, so if the slip between yarns or single yarns is bad, when the force is applied to the ropes The force is not uniformly distributed, stress concentrates on some yarns, and the yarns break. That is, when the static friction coefficient of the yarn exceeds 0.2, slippage between yarns or single yarns is deteriorated, the yarns are broken, and the strength utilization rate of the obtained rope is lowered.
[0015]
Therefore, in the present invention, the static friction coefficient of the yarn needs to be 0.1 to 0.2 before and after the immersion treatment in water. Even if the static friction coefficient is 0.1 to 0.2 before the immersion treatment, the static friction coefficient after the immersion treatment is If the yarn exceeds 0.2, the rope made of this yarn has sufficient strength before dipping treatment, but the strength after treatment decreases, so the dry / wet strength ratio becomes low. In addition, the strength decreases with repeated use.
[0016]
On the other hand, if the static friction coefficient of the yarn is less than 0.1, when this yarn is obtained, the yarn is displaced at the time of winding and cannot be wound well.
[0017]
Moreover, it is preferable that the drop-off rate of the oil agent by the water immersion treatment of the yarn is 40% or less. When a rope is used for mooring a ship, the rope repeatedly gets wet with water or dries, so if the dropout rate of the oil constituting the rope exceeds 40%, the distance between the yarns constituting the rope and Since the slippage between single yarns becomes worse, the static friction coefficient of the yarn tends to increase beyond 0.2.
[0018]
In order to reduce the drop-off rate by immersion treatment in water to 40% or less, after adding a straight oil agent mainly composed of fatty acid ester to improve heat resistance and smoothness during drawing, a silicone-based or wax-based oil agent is added. Preferably, these oil agents include emulsion oil agents such as amino-modified silicone, dimethyl silicone, and polyethylene wax. By adding these oil agents, straight oil agents are also less likely to drop off, and the dropout rate of the total oil agent including straight oil agents can be 40% or less.
The adhesion amount of the silicone-based or wax-based oil agent is preferably 0.1 to 0.4% by weight, and the total adhesion amount of the oil agent including the straight oil agent is preferably 0.8 to 1.0% by weight.
[0019]
The rope of the present invention composed of such yarns has physical properties such that the strength utilization rate is 60% or more and the dry / wet strength ratio is 90% or more.
If the strength utilization rate is less than 60%, the strength of the yarn cannot be fully utilized in the strength of the rope, and in order to obtain a sufficiently strong rope, it is necessary to use more yarn than necessary. Therefore, the diameter is increased, workability is deteriorated, and the cost is increased.
[0020]
Furthermore, the dry / wet strength ratio of the rope needs to be 90% or more. If the dry / wet strength ratio is less than 90%, even if it has sufficient strength at the time of drying, the strength becomes low when it gets wet with water, so it cannot be suitably used for mooring a ship.
[0021]
Examples of the nylon rope of the present invention include twisted ones, braided ones, and the like, but the braided ropes are less likely to end up than twisted ropes and are suitable for mooring ships.
The nylon rope of the present invention preferably has a strength of 40 to 80 ton when dried and a diameter of 30 to 70 mm.
[0022]
Next, the example of the manufacturing method of the rope of this invention is demonstrated.
Apply straight oil to unstretched yarns obtained by melt spinning nylons such as nylon 6 and nylon 66, and stretch them 5.0 to 5.5 times while heat-treating them at a temperature of 180 to 205 ° C without winding them. Then, after cooling, a silicone-based oil agent is applied and wound up to obtain yarns of 1260d / 210f to 2520d / 420f.
The yarn is twisted to form a twisted yarn. First, 5 to 10 strands are twisted, then 3 to 10 twisted yarns are twisted, and then 20 to 50 twisted yarns are twisted. Then, the strands thus obtained are twisted or braided to create a 3-strand rope or 8-strand rope.
[0023]
【Example】
Next, the present invention will be described specifically by way of examples.
Examples 1-3
Nylon 6 having a relative viscosity (measured at 96% sulfuric acid as a solvent, concentration 1 g / dl, temperature 25 ° C.) 3.45 was spun from a spinneret at a spinning temperature 275 ° C. After the spinning yarn is cooled, a spinning oil agent mainly composed of fatty acid ester is applied and taken up by a take-up roller having a speed of 600 m / min. This take-up roller and the second roller at 120 ° C., the second roller and 195 Stretched between the third roller at ℃, relaxed between the third roller and the fourth roller at 180 ℃, followed by an emulsion-based oil consisting of amino-modified silicone (Sansilicon PS-126 manufactured by Sanyo Kasei Co., Ltd.) Was applied so that the adhesion amount was the value shown in Table 1, and wound at a speed of 2750 m / min to obtain a yarn of 1680 d / 280 f.
Table 1 shows the draw ratio, the relaxation rate, the amount of oil agent adhered to the obtained yarn, the strength, the strength, the coefficient of static friction, and the oil agent dropping rate.
6 of these yarns are aligned to create a lower twisted cord with 130TPM twist in the S direction, and then 4 lower twisted cords are aligned to give 130TPM twist in the Z direction. An alignment code was created. Furthermore, 29 strands of this cord were drawn and twisted to create a strand. The eight strands were braided into an 8-strike rope to obtain a rope with a diameter of 50 mm.
Table 1 shows the strength, strength utilization ratio, and dry / wet strength ratio of the obtained rope when dried and wet.
[0024]
Comparative Examples 1-3
This was carried out in the same manner as in Example 1 except that the draw ratio was changed variously and the emulsion-based oil composed of amino-modified silicone was not applied to the stretched yarn.
Table 1 shows the strength of the obtained yarn, the coefficient of static friction, the drop-off rate of the oil agent, the strength of the obtained rope during drying and wetting, the strength utilization rate, and the dry / wet strength ratio.
[0025]
[Table 1]

[0026]
As is clear from Table 1, the ropes obtained in Examples 1 to 3 have high yarn strength, a low coefficient of static friction and a low dropout rate of the oil, and the strength of the rope that is an aggregate of these yarns. Both the strong utilization rate and the dry / wet strength ratio were high and could be used suitably when mooring a ship.
On the other hand, the rope obtained in the comparative example, although the strength of the yarn constituting the rope is equal to or slightly higher than the example, the static friction coefficient, the dropout rate of the oil agent is high, so the strength at the time of drying is low, Furthermore, because of its low dry / wet strength ratio, it was not strong enough to be used when mooring ships.
[0027]
【The invention's effect】
Since the high-strength nylon rope of the present invention has a low coefficient of static friction of the constituent yarn, the strength of the yarn is effectively reflected in the rope that is the aggregate of the yarn, and even if it gets wet with water or is used repeatedly. There is little drop in strength, and it can be used suitably for industrial material applications, particularly when mooring large ships.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a simplified friction measuring instrument for measuring the static friction coefficient of a nylon yarn constituting a high strength nylon rope of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Load 2 Load 3 Gripping part 4 Roller 5 Angle meter

Claims

A rope made of nylon 6 or nylon 66 yarn having a strength of 9.5 g / d or more and a coefficient of static friction between fibers of 0.1 to 0.2, having a strength utilization rate of 60% or more and a dry / wet strength ratio of 90% or more. A high-strength nylon rope characterized by that.

A rope composed of nylon 6 or nylon 66 yarn having a strength of 9.5 g / d or more, a coefficient of static friction between fibers of 0.1 to 0.2, and an oil agent mainly composed of a fatty acid ester and a silicone or wax oil . A high-strength nylon rope characterized by a strength utilization rate of 60% or more and a dry / wet strength ratio of 90% or more.

The high-strength nylon rope according to any one of claims 1 and 2, wherein the high-strength nylon rope is made of nylon 6 or nylon 66 yarn having an oil agent drop-off rate of 40% or less by immersion in water.