JP3769924B2 - Transparent coated molded product - Google Patents

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JP3769924B2 JP05150098A JP5150098A JP3769924B2 JP 3769924 B2 JP3769924 B2 JP 3769924B2 JP 05150098 A JP05150098 A JP 05150098A JP 5150098 A JP5150098 A JP 5150098A JP 3769924 B2 JP3769924 B2 JP 3769924B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明合成樹脂基材上に、ラジカル捕捉剤を含む活性エネルギー線硬化性被覆組成物に由来する硬化物層と、シリカを形成しうる被覆組成物に由来するシリカ層の少なくとも2層を有する透明被覆成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガラスに代わる透明材料として、透明合成樹脂材料が使用されてきている。とりわけ芳香族ポリカーボネート系樹脂は耐破砕性、透明性、軽量性、易加工性などに優れ、その特徴を生かして、外壁、アーケード等の大面積の透明部材として各方面で使用されている。また、自動車等の車両用にも一部ガラス(無機ガラスをいう、以下同様)の代わりにこうした透明合成樹脂材料が使われる例がみられる。しかし、ガラスの代替として使用するには表面の硬度が充分ではなく、傷つきやすく摩耗しやすいことから透明性が損なわれやすいといった問題があった。
【0003】
そこで、従来より芳香族ポリカーボネート系樹脂の耐擦傷性や耐摩耗性を改良するために多くの試みがなされている。最も一般的な方法の一つに分子中にアクリロイル基等の重合性官能基を2個以上有する重合硬化性化合物を基材に塗布し、熱または紫外線等の活性エネルギー線により硬化させ、耐擦傷性に優れた透明硬化物層を有する成形品を得る方法がある。この方法は、被覆用の組成物も比較的安定で、特に紫外線硬化が可能であるため生産性に優れ、成形品に曲げ加工を施した場合でも硬化被膜にクラックが発生することがなく表面の耐擦傷性や耐摩耗性を改善できる。しかし、硬化被膜が有機物のみからなることから表面の耐擦傷性の発現レベルには限界があった。
【0004】
一方、より高い表面硬度を透明合成樹脂基材(以下、単に基材という)に付与させるための方法として、金属アルコキシド化合物を基材に塗布し熱により硬化させる方法がある。金属アルコキシドとしてはケイ素系の化合物が広く用いられており、耐摩耗性にきわめて優れた硬化被膜を形成できる。しかし、硬化被膜と基材との密着性に乏しいため、硬化被膜の剥離やクラックを生じやすい等の問題があった。
【0005】
これらの技術の問題点を改善する方法として、特開昭61−181809に示されるように、アクリロイル基を有する化合物とコロイド状シリカの混合物を基材に塗布し、紫外線等の活性エネルギー線により硬化させ、耐擦傷性に優れた透明硬化物層を形成する方法がある。コロイド状シリカを重合硬化性化合物と併用することにより、かなり高い表面硬度と生産性を両立させることができる。しかし、まだその表面耐擦傷性の発現レベルにおいて、上記金属アルコキシド化合物を基材に塗布し熱により硬化させる方法には劣っていた。
【0006】
また、前記ケイ素系金属アルコキシド化合物の代わりに、ポリシラザンを基材に塗布し熱等により硬化させる方法も知られている(特開平8−143689)。ポリシラザンは酸素の存在下で縮合反応や酸化反応が起こり、窒素原子を含むこともあるシリカ(二酸化ケイ素の高次架橋体)に変化すると考えられており、最終的には実質的に窒素原子を含まないシリカの被膜が形成される。ポリシラザンに由来するシリカの被膜は高い表面硬度を有する。しかし、この被膜は金属アルコキシド化合物の場合と同様に被膜と基材との密着性に乏しいため、被膜の剥離やクラックを生じやすい等の問題があった。
【0007】
更に、特開平9−39161にはプラスチックフィルム上に保護被膜を形成し、その表面にポリシラザン溶液を塗工してシリカの表面層を形成する方法が記載されている。保護被膜はプラスチックフィルムがポリシラザン溶液の溶媒に侵されることを防ぐために設けられている。また、特開平6−212004において紫外線硬化型化合物の未硬化物および部分硬化物上にシリコーン系熱重合硬化物を塗工し、紫外線を照射し、更に加熱重合させる方法が提案されている。しかし、これらも組成によっては耐候性が十分でなく一層の向上が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐擦傷性、耐摩耗性、耐候性などの表面特性のうち、特に耐候性に優れた透明被覆成形品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記目的を達成するため鋭意研究した結果、ポリシラザンや熱硬化性シリコーン樹脂等から形成されるシリカの層の表面特性が、シリカ層に接する内層の材質に影響することを突き止め、この内層にラジカル捕捉剤を添加することにより耐候性が向上することを見いだし本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の透明被覆成形品は、透明合成樹脂基材と、前記透明合成樹脂基材表面の少なくとも一部に形成された少なくとも2層の透明硬化物層とからなる透明被覆成形品において、前記透明硬化物層のうち最外層に接する内層が、活性エネルギー線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a−1)およびラジカル捕捉剤(a−2)を含む被覆組成物(A)の第1硬化物層であり、前記最外層が、ポリシラザンを含む被覆組成物(B)の第2硬化物層であることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、透明硬化物層は少なくとも2層の構成からなり、最外層であるポリシラザンを含む被覆組成物(B)の第2硬化物層が、相対的に柔らかい透明合成樹脂基材に直接積層されるのではなく、多官能性化合物(a−1)を添加して密着性と耐摩耗性を向上させた被覆組成物(A)の第1硬化物層上に積層されているため、透明被覆成型品に対して傷を付けようとして加えられた外力による最外層の変位が小さくなることで、通常の無機質被膜が与える表面特性以上の表面特性が得られる。特に、ポリシラザンは、より緻密なシリカを形成することができるため、表面特性のより優れた最外層を得ることができる。
【0012】
また、被覆組成物(A)はラジカル捕捉剤も含んでいるため、第1、第2の両硬化物層の界面付近の化学結合や、第1、第2の両硬化物層間において形成された共有結合が、耐候劣化要因により被覆組成物中に発生するオキシラジカルによって切断され無くなり、耐候性が著しく向上する。
【0013】
本発明において、前記被覆組成物(A)が、平均粒径200nm以下のコロイド状シリカを含有することが好ましい。これにより、より高い耐摩耗性や硬度を有する硬化物を形成することができる。
【0014】
また、前記ラジカル捕捉剤が、ヒンダードアミン系光安定剤であることが好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤を用いることにより、より耐候性に優れた透明被覆成形品を得ることができる。
【0015】
更に、前記ヒンダードアミン系光安定剤は、分子内に光重合性の官能基を有するものが好ましい。
【0016】
更にまた、前記透明合成樹脂基材に、前記被覆組成物(B)の未硬化物層または部分硬化物層を形成した後曲げ加工され、次いで未硬化物層および部分硬化物層を硬化して得られた透明被覆成形品であれば、透明部材としてより多くの方面での使用が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明における透明硬化物層は、最外層に直接接する透明硬化物層と最外層を形成する透明硬化物層との少なくとも2層構成からなる。透明硬化物層のうち最外層に接する内層が活性エネルギー線硬化性被覆組成物(A)の硬化物の層は最外層と高い密着性を有する。また、透明合成樹脂基材とも高い密着性を有する。基材と透明硬化物層との間には他の合成樹脂からなる第3の層が存在していてもよい。この場合、第3の層は、最外層に直接接する透明硬化物層と最外層の両層に対し、充分な密着性を有することが好ましい。また第3の層としては、例えば、熱可塑性アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂の層や接着剤層などが挙げられる。
【0018】
密着性と耐摩耗性の高い内層を得るために、活性エネルギー線硬化性の被覆組成物(A)として多官能性化合物(a−1)を用いる。また、同様に高い耐摩耗性の硬化物を形成するために、被覆組成物(A)に平均粒径200nm以下のコロイド状シリカを配合してコロイド状シリカを含む硬化物を形成することも好ましい。なお、多官能性化合物(a−1)を活性エネルギー線(特に紫外線)で効率よく硬化させるために、通常、被覆組成物(A)には光重合開始剤が添加されている。
【0019】
被覆組成物(A)における活性エネルギー線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a−1)は、1種類の多官能性化合物であってもよく、また複数の種類の化合物を用いてもよい。複数の場合、同一範疇の異なる化合物であってもよく、範疇の異なる化合物であってもよい。例えば、それぞれがアクリルウレタンである異なる化合物の組み合わせであってもよく、一方が後述のアクリルウレタン、他方がウレタン結合を有しないアクリル酸エステル化合物である組み合わせであってもよい。
【0020】
ここで、本明細書中、アクリロイル基およびメタクリロイル基を総称して(メタ)アクリロイル基という。(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート等も表現も同様とする。なお、本発明においては、これらの基や化合物のうちでアクリロイル基を有するものがより好ましく、例えばアクリロイルオキシ基、アクリル酸、アクリレート等である。
【0021】
また、多官能性化合物(a−1)における活性エネルギー線硬化性の重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのα,β−不飽和基やそれを有する基であり、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。すなわち、多官能性化合物としては、(メタ)アクリロイル基から選ばれる1種以上の重合性官能基を2個以上有する化合物であることが好ましく、そのうちでも紫外線によってより重合しやすいアクリロイル基を2個以上有する化合物であることが更に好ましい。
【0022】
なお、この多官能性化合物(a−1)は1分子中に2種以上の重合性官能基を合計2個以上有する化合物であってもよく、また同じ重合性官能基を合計2個以上有する化合物であってもよい。多官能性化合物(a−1)1分子中における重合性官能基の数は2個以上であり、その上限は特に限定されないが、2〜50個が好ましく、また3〜30個がより好ましい。
【0023】
多官能性化合物(a−1)として好ましい化合物は(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物である。そのうちでも(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上有する化合物、すなわち多価アルコールなどの2個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステルがより好ましい。
【0024】
被覆組成物(A)において、多官能性化合物(a−1)として2種以上の多官能性化合物が含まれていてもよい。また、多官能性化合物とともに、活性エネルギー線によって重合しうる重合性官能基を1個有する単官能性化合物が含まれていてもよい。この単官能性化合物としては(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、特にアクリロイル基を有する化合物が好ましい。
【0025】
被覆組成物(A)においてこの単官能性化合物を使用する場合、多官能性化合物(a−1)とこの単官能性化合物との合計に対するこの単官能性化合物の割合は、特に限定されないが0〜60重量%が好ましく、0〜30重量%がより好ましい。単官能性化合物の割合が60重量%を超えると、硬化塗膜の硬さが低下し耐摩耗性が不充分となるおそれがあるため好ましくない。
【0026】
多官能性化合物(a−1)としては、重合性官能基以外に種々の官能基や結合を有する化合物であってもよい。例えば、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、ウレタン結合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、アミド結合、ジオルガノシロキサン結合などを有していてもよい。特に、ウレタン結合を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(いわゆるアクリルウレタン)とウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
【0027】
以下、上記した2種の多官能性化合物について説明する。
ウレタン結合を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(以下アクリルウレタンという)としては、例えば次のようなものが挙げられる。
▲1▼(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物(X1)と2個以上のイソシアネート基を有する化合物(以下ポリイソシアネートという)との反応生成物。
▲2▼化合物(X1)と2個以上の水酸基を有する化合物(X2)とポリイソシアネートとの反応生成物。
▲3▼(メタ)アクリロイル基とイソシアネートを有する化合物(X3)と化合物(X2)との反応生成物。
【0028】
これらの反応生成物においては、イソシアネート基が存在しないことが好ましい。しかし、水酸基は存在してもよい。したがって、これらの反応生成物の製造においては、全反応原料の水酸基の合計モル数はイソシアネート基の合計モル数と等しいか、またはそれより多いことがより好ましい。
【0029】
(メタ)アクリロイル基と水酸基とを有する化合物(X1)としては、(メタ)アクリロイル基と水酸基をそれぞれ1個ずつ有する化合物であってもよく、(メタ)アクリロイル基2個以上と水酸基1個を有する化合物、(メタ)アクリロイル基1個と水酸基2個以上を有する化合物、(メタ)アクリロイル基と水酸基をそれぞれ2個以上有する化合物であってもよい。
【0030】
具体例として、上記順に、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなどがある。これらは2個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのモノエステルまたは1個以上の水酸基を残したポリエステルである。
【0031】
更に化合物(X1)としては、エポキシ基を1個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との開環反応生成物であってもよい。エポキシ基と(メタ)アクリル酸との反応によりエポキシ基が開環してエステル結合が生じるとともに水酸基が生じ、(メタ)アクリロイル基と水酸基を有する化合物となる。またエポキシ基を1個以上有する化合物のエポキシ基を開環させて水酸基含有化合物としそれを(メタ)アクリル酸エステルに変換することもできる。
【0032】
エポキシ基を1個以上有する化合物としては、いわゆるエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシドが好ましい。ポリエポキシドとしては、例えば多価フェノール類−ポリグリシジルエーテル(例えばビスフェノールA−ジグリシジルエーテル)などのグリシジル基を2個以上有する化合物や脂環族エポキシ化合物が好ましい。更に、エポキシ基を有する(メタ)アクリレートと水酸基やカルボキシル基を有する化合物との反応生成物も化合物(X1)として使用できる。エポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレートがある。
【0033】
ポリイソシアネートとしては、通常の単量体状のポリイソシアネートでもよく、ポリイソシアネートの多量体や変性体またはイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーなどのプレポリマー状の化合物であってもよい。
【0034】
多量体としては3量体(イソシアヌレート変性体)、2量体、カルボジイミド変性体などがあり、変性体としてはトリメチロールプロパン等の多価アルコールで変性して得られるウレタン変性体、ビュレット変性体、アロハネート変性体、ウレア変性体などがある。プレポリマー状のものの例としては、後述ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールなどのポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーなどがある。これらポリイソシアネートは2種以上併用して使用できる。
【0035】
具体的な単量体状のポリイソシアネートとしては、例えば、以下のポリイソシアネートがある([ ]内は略称)。
2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルイソシアネート)[MDI]、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート[XDI]、水添XDI、水添MDI。
【0036】
ポリイソシアネートとしては、特に無黄変性ポリイソシアネート(芳香核に直接結合したイソシアネート基を有しないポリイソシアネート)が好ましい。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートがある。上記のようにこれらポリイソシアネートの多量体や変性体等も好ましい。
【0037】
2個以上の水酸基を有する化合物(X2)としては、多価アルコールや多価アルコールに比較して高分子量のポリオールなどがある。
【0038】
多価アルコールとしては、2〜20個の水酸基を有する多価アルコールが好ましく、特に2〜15個の水酸基を有する多価アルコールが好ましい。多価アルコールは脂肪族の多価アルコールであってもよく、脂環族多価アルコールや芳香核を有する多価アルコールであってもよい。
【0039】
芳香核を有する多価アルコールとしては、例えば多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物や多価フェノール類−ポリグリシジルエーテルなどの芳香核を有するポリエポキシドの開環物などがある。
【0040】
高分子量のポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどがある。また、ポリオールとして水酸基含有ビニルポリマーも使用できる。これら多価アルコールやポリオールは2種以上併用できる。
【0041】
多価アルコールの具体例としては、例えば以下の多価アルコールがある。
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルの開環物、ビニルシクロヘキセンジオキシドの開環物。
【0042】
ポリオールの具体例としては、例えば以下のポリオールがある。
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA−アルキレンオキシド付加物、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール。ポリε−カプロラクトンポリオール等の環状エステルを開環重合して得られるポリエステルポリオール。アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、マレイン酸、フマル酸、アゼライン酸、グルタル酸等の多塩基酸と上記多価アルコールとの反応で得られるポリエステルポリオール。1,6−ヘキサンジオールとホスゲンの反応で得られるポリカーボネートジオール。
【0043】
水酸基含有ビニルポリマーとしては、例えばアリルアルコール、ビニルアルコール、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体とオレフィンなどの水酸基不含単量体との共重合体がある。
【0044】
(メタ)アクリロイル基とイソシアネートを有する化合物(X3)としては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネートが挙げられる。
【0045】
次に、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化合物について説明する。
多官能性化合物(a−1)において好ましい化合物である、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、前記化合物(X2)と同様の2個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのポリエステルが好ましい。2個以上の水酸基を有する化合物としては、前記多価アルコールやポリオールが好ましい。更に、2個以上のエポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物である(メタ)アクリル酸エステル化合物も好ましい。
【0046】
2個以上のエポキシ基を有する化合物としては、エポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシドがある。例えば、グリシジルエーテル型ポリエポキシド、脂環型ポリエポキシドなどのエポキシ樹脂として市販されているものを使用できる。
【0047】
ウレタン結合を含まない多官能性化合物の具体例としては、例えば以下のような化合物がある。
▲1▼以下の脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリレート。
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート。
【0048】
▲2▼以下の芳香核またはトリアジン環を有する多価アルコールや多価フェノールの(メタ)アクリレート。
トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ビスフェノールA、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ビスフェノールS、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ビスフェノールF、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ビスフェノールAジメタクリレート。
【0049】
▲3▼以下の水酸基含有化合物−アルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、水酸基含有化合物−カプロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンポリオールの(メタ)アクリレート。ただし、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシドを表す。
【0050】
トリメチロールプロパン−EO付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−PO付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール−カプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレート
【0051】
多官能性化合物(a−1)としては、被覆組成物(A)の硬化物が充分な耐摩耗性を発揮し得るために、多官能性化合物(a−1)の30重量%以上が、3官能以上の多官能性化合物からなることが好ましく、50重量%以上が3官能以上の多官能性化合物からなることがより好ましい。また、多官能性化合物(a−1)の好ましい具体例は、下記のアクリルウレタンとウレタン結合を有しない多官能性化合物である。
【0052】
アクリルウレタンの場合、ペンタエリスリトールやその多量体であるポリペンタエリスリトールとポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)の反応生成物であるアクリルウレタン、またはペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールの水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートとポリイソシアネートとの反応生成物であるアクリルウレタンであって3官能以上の化合物が好ましく、4〜20官能の化合物がより好ましい。
【0053】
ウレタン結合を有しない多官能性化合物としては、ペンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレートとイソシアヌレート系ポリ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0054】
上記ペンタエリスリトール系ポリ(メタ)アクリレートとは、ペンタエリスリトールやポリペンタエリスリトールと(メタ)アクリル酸とのポリエステル(好ましくは4〜20官能のもの)をいう。
【0055】
上記イソシアヌレート系ポリ(メタ)アクリレートとは、トリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート、またはその1モルに1〜6モルのカプロラクトンやアルキレンオキシドを付加して得られる付加物と(メタ)アクリル酸とのポリエステル(2〜3官能のもの)をいう。
【0056】
これらの好ましい多官能性化合物と他の2官能以上の多官能性化合物(特に多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート)とを併用することも好ましい。なお、これらの好ましい多官能性化合物は、全多官能性化合物(a−1)に対して30重量%以上が好ましく、特に50重量%以上が好ましい。
【0057】
多官能性化合物(a−1)とともに使用できる単官能性化合物としては、例えば分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。そのような単官能性化合物は、水酸基、エポキシ基などの官能基を有していてもよい。好ましい単官能性化合物は、(メタ)アクリル酸エステル、すなわち(メタ)アクリレートである。
【0058】
具体的な単官能性化合物としては、例えば以下の化合物がある。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート。
【0059】
最外層に直接接する第1硬化物層の耐摩耗性や硬度を高める意味で被覆組成物(A)は、有効量の平均粒径200nm以下のコロイド状シリカを含むことができる。コロイド状シリカの平均粒径は1〜100nmであることが好ましく、特に1〜50nmが好ましい。更にコロイド状シリカは、下記表面修飾されたコロイド状シリカであることが、コロイド状シリカの分散安定性およびコロイド状シリカと多官能性化合物との密着性向上の面で好ましい。
【0060】
このようなコロイド状シリカを使用する場合、その使用する効果を充分発揮するためにはコロイド状シリカの量は、透明硬化物層の硬化性成分(多官能性化合物と単多官能性化合物との合計)100重量部に対して5〜300重量部が好ましく、10〜250重量部がより好ましく、10〜50重量部が更により好ましい。コロイド状シリカの量が5重量部未満だと、充分な耐摩耗性が得られ難い。また、コロイド状シリカの量が300重量部を超えると、被膜に曇り(ヘーズ)が発生しやすくなり、また得られた透明被覆成形品を、後記する熱曲げ加工などの2次加工を行う場合には、クラックが生じやすくなるなどの問題を生じやすくなる。
【0061】
コロイド状シリカとしては、表面未修飾のコロイド状シリカを使用できるが、好ましくは表面修飾されたコロイド状シリカを使用する。表面修飾されたコロイド状シリカの使用は、組成物中のコロイド状シリカの分散安定性を向上させる。修飾によってコロイド状シリカ微粒子の平均粒径は、実質的に変化しないか、または多少大きくなると考えられるが、得られる修飾コロイド状シリカの平均粒径は、上記範囲のものであると考えられる。
【0062】
以下に表面修飾されたコロイド状シリカ(以下単に修飾コロイド状シリカという)について説明する。
コロイド状シリカの分散媒としては種々の分散媒が知られており、原料コロイド状シリカの分散媒は特に限定されない。必要により分散媒を変えて修飾を行うことができ、また修飾後に分散媒を変えることもできる。修飾コロイド状シリカの分散媒はそのまま基材に直接接する第1透明硬化物層の硬化組成物の媒体(溶媒)とすることが好ましい。
【0063】
被覆組成物(A)の媒体としては、乾燥性などの面から比較的低沸点の溶媒、すなわち通常の塗料用溶媒であることが好ましい。製造の容易さなどの理由により、原料コロイド状シリカの分散媒、修飾コロイド状シリカの分散媒および透明硬化物層の硬化組成物の媒体はすべて同一の媒体(溶媒)であることが好ましい。このような媒体としては、塗料用溶媒として広く使用されているような有機媒体が好ましい。
【0064】
分散媒としては、例えば以下のような分散媒を使用できる。
水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−メチルプロパノール、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールのような低級アルコール類。メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類。ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトンなど。
【0065】
前記のように、分散媒としては特に有機分散媒が好ましく、上記有機分散媒のうちでは、更にアルコール類およびセロソルブ類が好ましい。なお、コロイド状シリカとそれを分散させている分散媒との一体物を、コロイド状シリカ分散液という。
【0066】
コロイド状シリカの修飾は加水分解性ケイ素基、または水酸基が結合したケイ素基を有する化合物(以下これらを修飾剤という)を用いて行うことが好ましい。加水分解性ケイ素基の加水分解によってシラノール基が生じ、これらシラノール基が、コロイド状シリカ表面に存在すると考えられるシラノール基と反応して結合し、修飾剤がコロイド状シリカ表面に結合すると考えられる。修飾剤は2種以上を併用してもよい。また後述のように互いに反応性の反応性官能基を有する修飾剤2種を、あらかじめ反応させて得られる反応生成物を、修飾剤として用いることもできる。
【0067】
修飾剤は、2個以上の加水分解性ケイ素基やシラノール基を有していてもよく、また加水分解性ケイ素基を有する化合物の部分加水分解縮合物や、シラノール基を有する化合物の部分縮合物であってもよい。好ましくは1個の加水分解性ケイ素基を有する化合物を修飾剤として使用する(修飾処理過程で部分加水分解縮合物が生じてもよい)。また、修飾剤はケイ素原子に結合した有機基を有し、その有機基の1個以上は反応性官能基を有する有機基であることが好ましい。
【0068】
好ましい反応性官能基は、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基および(メタ)アクリロイルオキシ基である。反応性官能基が結合する有機基としては、反応性官能基を除いて炭素数8以下のアルキレン基やフェニレン基が好ましく、特に炭素数2〜4のアルキレン基(とりわけポリメチレン基)が好ましい。
【0069】
具体的な修飾剤としては、反応性官能基の種類によって分けると、例えば以下のような化合物がある。
▲1▼(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなど。
【0070】
▲2▼アミノ基含有シラン類
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(N−ビニルベンジル−2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなど。
【0071】
▲3▼メルカプト基含有シラン類
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなど。
【0072】
▲4▼エポキシ基含有シラン類
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなど。
【0073】
▲5▼イソシアネート基含有シラン類
3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシランなど。
【0074】
上記反応性官能基を有する修飾剤2種を、あらかじめ反応させて得られる反応生成物としては、例えば、アミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類との反応生成物、アミノ基含有シラン類と(メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類との反応生成物、エポキシ基含有シラン類とメルカプト基含有シラン類との反応生成物、メルカプト基含有シラン類同士2分子の反応生成物などがある。
【0075】
コロイド状シリカの修飾は通常、加水分解性基を有する修飾剤を、触媒存在下でコロイド状シリカに接触させて加水分解することにより行う。例えば、コロイド状シリカ分散液に修飾剤と触媒を添加し、コロイド状シリカ分散液中で修飾剤を加水分解することによって修飾できる。
【0076】
触媒としては、酸やアルカリがある。好ましくは無機酸および有機酸から選ばれる酸を使用する。無機酸としては、例えば塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸等のハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸、リン酸等が使用できる。また有機酸としては、ギ酸、酢酸、シュウ酸、アクリル酸、メタクリル酸等が使用できる。
反応温度としては、室温から、用いる溶媒の沸点までが好ましく、反応時間は温度にもよるが0.5〜24時間の範囲が好ましい。
【0077】
コロイド状シリカの修飾において、修飾剤の使用量は特に限定されないが、コロイド状シリカ(分散液中の固形分)100重量部に対し、修飾剤1〜100重量部が好ましい。修飾剤の量が1重量部未満では、表面修飾の効果が得られにくい。また、100重量部を超えると、未反応の修飾剤やコロイド状シリカ表面に担持されていない修飾剤の加水分解物、縮合物などが多量に生じ、透明被覆層の硬化組成物の硬化の際、それらが連鎖移動剤として働いたり、硬化後の被膜の可塑剤として働き、硬化被膜の硬度を低下させるおそれがある。
【0078】
多官能性化合物(a−1)を硬化させるために、通常、被覆組成物(A)は光重合開始剤を含む。光重合開始剤としては、公知のものを使用できる。特に入手容易な市販のものが好ましい。第1透明硬化物層において複数の光重合開始剤を使用してもよい。
【0079】
光重合開始剤としては、アリールケトン系光重合開始剤(例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類など)、含イオウ系光重合開始剤(例えば、スルフィド類、チオキサントン類など)、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始剤が使用できる。
【0080】
特に、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤の使用が好ましい。また、光重合開始剤は、アミン類などの光増感剤と組み合わせて使用することもできる。
【0081】
具体的な光重合開始剤としては、例えば以下のような化合物がある。
4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4”−ジエチルイソフタロフェノン、α−アシロキシムエステル、メチルフェニルグリオキシレート。
【0082】
4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド。
【0083】
被覆組成物(A)における光重合開始剤の添加量は、硬化性成分(多官能性化合物(a−1)と単官能性化合物の合計)100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、特に0.1〜10重量部が好ましい。
【0084】
被覆組成物(A)は、上記基本的成分以外に溶剤や種々の配合剤を含有させることができる。溶剤は通常必須の成分であり、多官能性化合物が特に低粘度の液体でない限り溶剤が使用される。溶剤としては、多官能性化合物(a−1)を硬化成分とする被覆用組成物に通常使用される溶剤を使用できる。また原料コロイド状シリカの分散媒をそのまま溶剤として使用することもできる。更に、基材の種類により適切な溶剤を選択して用いることが好ましい。
【0085】
溶剤の量は、必要とする組成物の粘度、目的とする硬化被膜の厚さ、乾燥温度条件などにより適宜変更でき、組成物中の硬化性成分に対して100倍重量以下が好ましく、0.1〜50倍重量がより好ましい。溶剤としては、例えば前記コロイド状シリカを修飾するための加水分解に用いる溶媒として挙げた、低級アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類などの溶剤がある。そのほか、酢酸n−ブチル、ジエチレングリコールモノアセテートなどのエステル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などがある。耐溶剤性の低い芳香族ポリカーボネート樹脂の被覆には、低級アルコール類、セロソルブ類、エステル類、それらの混合物などが適当である。
【0086】
被覆組成物(A)は、ラジカル補足剤(a−2)を必須成分として含有する。ラジカル補足剤(a−2)は、実用上において耐候劣化要因(UV、水、オゾン等)により被覆組成物中にオキシラジカルが発生し、ポリマー鎖を切断してしまうのを防ぐために重要な役割を果たす。特に本発明においては、最外層とその下層の界面付近の化学結合の劣化防止に、ラジカル補足剤(a−2)の添加は有効である。下層が未硬化、または部分硬化した状態で最外層を形成した場合、それぞれの層を硬化させる工程を経る間に、両層の界面において共有結合が形成されることを確認している。このため、高い層間密着力が確保される。この層間に形成される共有結合の保護にラジカル補足剤(a−2)の添加は有効である。
【0087】
具体的なラジカル補足剤(a−2)としては、一般のヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。これは、ピぺリジンの2位および6位の炭素上のすべての水素がメチル基で置換された構造をしたものであり、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−t−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等が挙げられる。
【0088】
中でも被覆組成物(A)は、活性エネルギー線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a−1)を中心とする組成物であることから、N−メチル−4−メタクリロイロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンや、4−メタクリロイロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど分子内に光重合性の官能基を持つものが特に好ましい。
【0089】
被覆組成物(A)中におけるラジカル補足剤(a−2)の量は、硬化性成分(多官能性化合物(a−1)と単官能性化合物との合計)100重量部に対して0.01〜20重量部が好ましく、特に0.1〜10重量部が好ましい。
【0090】
被覆組成物(A)には、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱重合防止剤などの安定剤や、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、分散剤、帯電防止剤、防曇剤などの界面活性剤類、酸や、アルカリおよび塩類などから選ばれる硬化触媒等を適宜配合して用いてもよい。
【0091】
このような被覆組成物(A)を硬化させる活性エネルギー線としては、特に紫外線が好ましい。しかし、紫外線に限定されず、電子線やその他の活性エネルギー線を使用できる。紫外線源としては、キセノンランプ、パルスキセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等が使用できる。
【0092】
被覆組成物(A)を用いて形成される硬化物層の厚さは、1〜50μmであることが好ましく、2〜30μmであることがより好ましい。厚が50μmを超えると、活性エネルギー線による硬化が不充分になり、基材との密着性が損なわれやすく好ましくない。また、1μm未満では、この層の耐摩耗性が不充分となるおそれがあり、また最外層の耐摩耗性や耐擦傷性が充分発現できないおそれがある。
【0093】
次に、最外層である第2硬化物層にシリカ層を形成する被覆組成物(B)は、シリカを形成する可溶性化合物と溶剤を含有している。シリカを形成する可溶性化合物としては、4官能性の加水分解性シラン化合物やその部分加水分解縮合物、シリコーン系熱硬化性化合物およびポリシラザンなどがある。4官能性の加水分解性シラン化合物やその部分加水分解縮合物としては、例えばテトラアルコキシシランやその部分加水分解縮合物がある。しかし、本発明では、シリカを形成する可溶性化合物としてポリシラザンを含むものを用いることを特徴とする。ポリシラザンはより緻密な構造のシリカを形成するため、表面特性のより優れた最外層が得られる。
【0094】
ポリシラザンとしては、実質的に有機基を含まないポリシラザン(ペルヒドロポリシラザン)、アルコキシ基などの加水分解性基がケイ素原子に結合したポリシラザン、ケイ素原子にアルキル基などの有機基が結合しているポリシラザンなどがある。特にペルヒドロポリシラザンは、その焼成温度の低さおよび焼成後の硬化被膜の緻密さの点で好ましい。なお、ポリシラザンが充分に硬化した硬化物は、窒素原子をほとんど含まないシリカとなる。
【0095】
ポリシラザンとしては、鎖状、環状もしくは架橋構造を有する重合体、または分子内にこれらの複数の構造の混合物からなる。ポリシラザンの分子量としては数平均分子量で200〜50000であるものが好ましい。数平均分子量が200未満では、焼成しても均一な硬化被膜が得られにくい。また、数平均分子量が50000を超えると、溶剤に溶解しにくくなり、また被覆組成物(B)が粘調になるおそれがあるため好ましくない。
【0096】
ポリシラザンを溶解する溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用でき、具体的には以下のものが使用できる。
【0097】
ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、メチルペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジメチルジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類など。
【0098】
これらの溶剤を使用する場合、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために、複数の種類の溶剤を混合してもよい。溶剤の使用量は、採用される塗工方法およびポリシラザンの構造や平均分子量などによって異なるが、固形分濃度で0.5〜80重量%の範囲で調製することが好ましい。
【0099】
ポリシラザンを硬化させてシリカとするためには、通常、焼成と呼ばれる加熱が必要である。しかし本発明においては、基材が合成樹脂であるため、その焼成温度は制限される。すなわち、基材の耐熱温度以上に加熱して硬化させることは困難である。一般的に被覆組成物(A)の硬化物の耐熱性は、基材の耐熱性よりも高い。しかし場合によっては、この硬化物の耐熱性が基材の耐熱性よりも低い場合があり、その場合はこの硬化物の耐熱温度よりも低い温度で、ポリシラザンを硬化させる必要が生じることもある。したがって、本発明においてポリシラザンの焼成生温度は、芳香族ポリカーボネート樹脂などの合成樹脂を基材とする場合は180℃以下とすることが好ましい。
【0100】
ポリシラザンを低温で硬化させるには、触媒が使用され、その種類や量により室温での硬化が可能となる。また、硬化を行う雰囲気としては、空気中などの酸素の存在する雰囲気が好ましい。
【0101】
触媒としては、より低温でポリシラザンを硬化させる触媒を用いることが好ましい。そのような触媒としては、例えば、特開平7−196986に提案されている金、銀、パラジウム、白金、ニッケルなどの金属の微粒子、および特開平5−93275に提案されている上記金属のカルボン酸錯体の使用が挙げられる。
【0102】
また、触媒をポリシラザン溶液に添加しておくのではなく、特開平9−31333に提案されているように、触媒溶液、具体的にはアミン水溶液等に直接被覆成型物を接触させる、もしくはその蒸気に一定時間さらすといった方法が挙げられる。
【0103】
また、被覆組成物(B)には、必要に応じて紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤などの安定剤や、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、分散剤、帯電防止剤、防曇剤などの界面活性剤類を適宜配合して用いてもよい。
【0104】
以下でポリシラザンとは特に言及しない限りペルヒドロポリシラザンをいう。なお、ペルヒドロポリシラザンとアクリル系モノマーを混合し、光開始剤存在下で活性エネルギー線照射により硬化させ、硬化物をケイ素と炭素の固体NMRにより分析すると、Si−Cの結合由来のピークが観測されることが本発明者らによって確認されている。このため、本発明の被覆組成物(A)、(B)の間の界面では両層の物理的混じり合い以外に、共有結合によっても結合していると考えられる。
【0105】
被覆組成物(B)を用いて形成される第2硬化物層の厚さは0.05〜10μmであることが好ましく、0.1〜3μmであることがより好ましい。厚が10μm超えると、耐擦傷性などの表面特性の更なる向上が期待できないうえ、層が脆くなり被覆成形品のわずかな変形によってもこの層にクラックなどが生じやすくなる。また、0.05μm未満では、最外層の耐摩耗性や耐擦傷性が充分発現できないおそれがある。
【0106】
本発明において、上記のような2種類の被覆組成物(A)、(B)を用いて形成される2層の透明硬化物層を形成する方法としては、通常の被覆手法が採用できる。例えば、基材上にまず被覆組成物(A)を塗工して硬化させ、次にその硬化物の表面に被覆組成物(B)を塗工して硬化させることにより目的とする透明被覆成形品が得られる。
これら被覆組成物を塗工する手段としては特に制限されず、公知の方法が採用できる。例えば、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、スリットコート法、マイクログラビアコート法等の方法が採用できる。
【0107】
塗工後、被覆組成物が溶剤を含んでいる場合は乾燥して溶剤を除き、次いで、被覆組成物(A)からなる層の場合は、紫外線等を照射して硬化させる。被覆組成物(B)からなる層の場合は、加熱してまたは室温に放置もしくは被覆組成物(B)の硬化触媒溶液の蒸気にさらすことで硬化させる。
【0108】
被覆組成物(A)の硬化と、被覆組成物(B)の塗工から硬化までの組み合わせ(タイミング)としては以下の4つ方法が挙げられる。
▲1▼被覆組成物(A)を塗工した後に充分な量の活性エネルギー線を照射して充分に硬化を終了させた後、組成物(B)をその上に塗工する方法(前記した方法)。
【0109】
▲2▼被覆組成物(A)を塗工して被覆組成物(A)の未硬化物層を形成した後、その未硬化物層の上に被覆組成物(B)を塗工して被覆組成物(B)の未硬化物層を形成し、その後に充分な量の活性エネルギー線を照射して被覆組成物(A)の未硬化物の硬化を終了させる方法。この場合被覆組成物(B)の未硬化物は被覆組成物(A)の未硬化物とほぼ同時に硬化するか、被覆組成物(A)の未硬化物の硬化後、加熱または室温に放置もしくは被覆組成物(B)の硬化触媒溶液の蒸気にさらすことで硬化させる。
【0110】
▲3▼被覆組成物(A)を塗工した後に指触乾燥状態になる最低限の活性エネルギー線(通常約300mJ/cm2 までの照射量)を一旦照射して被覆組成物(A)の部分硬化物層を形成した後、その部分硬化物層の上に被覆組成物(B)を塗工して被覆組成物(B)の未硬化物層を形成し、その後に充分な量の活性エネルギー線を照射して被覆組成物(A)の未硬化物の硬化を終了させる方法。被覆組成物(B)の未硬化物の硬化は上記▲2▼の場合と同様である。
【0111】
▲4▼上記▲2▼〜▲3▼のように被覆組成物(A)の未硬化物または部分硬物層と被覆組成物(B)の未硬化物層とを形成した後、被覆組成物(B)の未硬化物を先に部分硬化、または完全硬化させてその後に被覆組成物(A)の未硬化物または部分硬化物を完全硬化させる方法。この場合、被覆組成物(B)の未硬化物を硬化させる時点で被覆組成物(A)は、未硬化物よりも部分硬化物であることが好ましい。
【0112】
2つの硬化物層の層間密着力を上げるためには、上記▲2▼または▲3▼の方法がより好ましい。ただし、▲2▼の方法の場合は、被覆組成物(B)を塗工する方法としてディッピング法を用いると、被覆組成物(A)の未硬化物の成分が被覆組成物(B)のディッピング液を汚染するおそれがあるため、このようなディッピング法による塗工は適さないなどの制約がある。また、上記▲4▼の方法は、被覆組成物(A)を完全に硬化させる際に硬化阻害要因となり易い酸素の浸透に対して、被覆組成物(B)の部分硬化物や完全硬化物層がバリアー層として作用し、被覆組成物(A)の硬化物が硬化不十分となるおそれを低減する。
【0113】
更に、本発明の透明被覆成形品の特徴として、耐摩耗性や耐擦傷性などの表面特性が、ガラスとほぼ同等のレベルを有するため、従来、ガラスが用いられていた各種用途に使用できることが挙げられる。しかし、各種用途のうち、車両用窓材としての用途の場合、曲げ加工した成形品が必要となることが多い。
【0114】
そこで、本発明においては、こうした用途にも対応できるように、透明被覆成形品に曲げ加工を施すことが好ましい。曲げ加工された透明被覆成形品を製造する場合、曲げ加工された基材を用いて本発明の透明被覆成形品となしうる。しかし、曲げ加工された基材を用いる場合は、被覆組成物の塗工および硬化による各層の形成が困難となることが少なくない。
【0115】
一方、本発明者らによる従来からの検討によれば、被覆組成物(A)の硬化物層が形成された基材は、熱曲げ加工等により曲げ加工ができる。しかし、被覆組成物(B)の硬化物層が形成された場合は、その硬化物が硬いため曲げ加工は困難である。
【0116】
本発明者は、被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物の層であれば、被覆組成物(A)の第1透明硬化物層を有する基材を曲げ加工できることを見いだした。また、上記▲2▼〜▲4▼の方法のように、被覆組成物(A)の未硬化物や部分硬化物層の上に、被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物層を形成した状態で曲げ加工することもできる。曲げ加工した後、または曲げ加工とほぼ同時に被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物を硬化させることにより、目的とする曲げ加工された被覆成形品が得られる。曲げ加工は加熱状態で加工を行う。
【0117】
したがって、曲げ加工のための加熱によって被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物が硬化するが、通常は曲げ加工に要する時間に比べて、被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物の硬化に要する時間の方が長いため、被覆組成物(B)の硬化によって曲げ加工が困難になるおそれは少ない。また、曲げ加工後の被覆組成物(B)の硬化は▲4▼の方法の採用に有利な条件となる。
【0118】
したがって、基材上に被覆組成物(A)の未硬化物、または部分硬化物層、およびその層の表面に被覆組成物(B)の未硬化物、または部分硬化物層を形成した後、曲げ加工し、次いで、被覆組成物(B)の未硬化物、または部分硬化物、および被覆組成物(A)の未硬化物や部分硬化物が存在する場合は、それを硬化させることにより本発明の曲げ加工された被覆成形品を製造することができる。
【0119】
具体的には、例えば、被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物層を形成した後、基材の熱軟化温度下で約5分間加熱した後、曲げ加工を施す。その後、被覆組成物(B)の未硬化物や部分硬化物が硬化する温度下、または室温下で放置するか、あるいは被覆組成物(B)の硬化触媒溶液の蒸気にさらして硬化させ、本発明の曲げ加工された被覆成形品を得ることができる。このような方法によれば、被覆組成物(B)が充分に硬化する前に曲げ加工した後に、硬いシリカの層が形成されるため、このシリカ層にクラック等の不具合が生じることはない。
【0120】
本発明において、透明合成樹脂基材の材料としては、各種透明合成樹脂を使用することができる。例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂(アクリル樹脂)、ポリスチレン樹脂などの透明合成樹脂を使用することができ、特に芳香族ポリカーボネート樹脂からなる基材が好ましい。この透明合成樹脂基材は成形されたものであり、例えば平板や波板などのシート状基材、フィルム状基材、各種形状に成形された基材、少なくとも表面層が各種透明合成樹脂からなる積層体等がある。特に、曲げ加工されていない平板状の基材が好ましい。
【0121】
本発明において、基材としては特に芳香族ポリカーボネート樹脂からなる平板状のシートが好ましい。このシートの厚さは1〜100mmであることが窓材などの用途に好ましい。このシートの両面または片面に前記した少なくとも2層の透明硬化物層が形成される。
【0122】
【実施例】
以下、本発明を合成例1〜5、実施例1〜13、比較例2〜5に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例1〜12、比較例2〜5についての各種物性の測定および評価は以下に示す方法で行い、その結果を表1に示した。なお、表1には比較のため、通常の建築用ガラスシートを使用した物性の測定および評価の結果も示す。
【0123】
[初期曇価、耐磨耗性]
JIS−R3212における耐磨耗試験法により、2つのCS−10F磨耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ500回転と1000回転させたときの曇価をヘーズメータにて測定した。曇価(ヘーズ)の測定は、磨耗サイクル軌道の4カ所で行い、平均値を算出した。初期曇価は耐磨耗試験前の曇価の値(%)を、耐磨耗性は(磨耗試験後曇価)−(磨耗試験前曇価)の値(%)を示す。
【0124】
また、最外層を形成する前の内層の耐磨耗試験は、基材に硬化性被覆組成物(A)を塗工し充分硬化させたサンプルを用いて、上記と同じ方法で耐磨耗試験前曇価と100回転させた後の曇価を測定して耐磨耗性を評価した。
【0125】
[密着性]
サンプルを剃刀の刃で1mm間隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の碁盤目を作る。そして、市販のセロハンテープをよく密着 させた後、90度手前方向に急激にはがした際の、被膜が剥離せずに残存した碁盤目の数(m)をm/100で表す。
【0126】
[耐候性]
サンシャインウエザーメータを用いてブラックパネル温度63℃で、降雨12分、乾燥48分のサイクルで3000時間暴露後、外観の評価を行った。
【0127】
合成例1
エチルセロソルブ分散型コロイド状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)100重量部に3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン5重量部と0.1N塩酸3.0重量部を加え、100℃にて6時間加熱攪拌した後12時間室温下で熟成することにより、メルカプトシラン修飾コロイド状シリカ分散液を得た。
【0128】
合成例2
エチルセロソルブ分散型コロイド状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)100重量部に3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン5重量部と0.1N塩酸3.0重量部を加え、100℃にて6時間加熱攪拌した後12時間室温下で熟成することにより、アクリルシラン修飾コロイド状シリカ分散液を得た。
【0129】
合成例3
エチルセロソルブ分散型コロイド状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)100重量部にN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン5重量部と0.1N塩酸3.0重量部を加え、100℃にて6時間加熱攪拌した後12時間室温下で熟成することにより、アミノシラン修飾コロイド状シリカ分散液を得た。
【0130】
合成例4
エチルセロソルブ分散型コロイド状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)100重量部に3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5重量部と0.1N塩酸3.0重量部を加え、100℃にて6時間加熱攪拌した後12時間室温下で熟成することにより、エポキシシラン修飾コロイド状シリカ分散液を得た。
【0131】
合成例5
エチルセロソルブ分散型コロイド状シリカのかわりにイソプロパノール分散型コロイド状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)100重量部を用いて、反応温度を83℃にした他は例1と同じにして、メルカプトシラン修飾コロイド状シリカ分散液を得た。
【0132】
実施例1
攪拌機および冷却管を装着した100mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール15g、酢酸ブチル15g、エチルセロソルブ7.5g、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド150mg、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール1000mg、およびN−メチル−4−メタクリロイロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン200mgを加え溶解させ、続いて水酸基を有するジペンタエリスリトールポリアクリレートと部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシアネートの反応生成物であるウレタンアクリレート(1分子あたり平均15個のアクリロイル基を含有)10.0gを加え常温で1時間攪拌して被覆用組成物(以下、塗工液1という)を得た。
【0133】
厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネート樹脂板(150mm×300mm)にバーコータを用いてこの塗工液1を塗工(ウエット厚み30μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、膜厚7μmの透明硬化物層を形成した。
【0134】
次に、この上に更に低温硬化性のペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形10重量%、東燃株式会社製 商品名「L110」)(以下、塗工液2という)をもう一度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し溶剤を除去した後、続いて100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持することで最外層を充分に硬化させた。そして、IR分析により最外層が完全なシリカ被膜になっていることを確認した。こうして芳香族ポリカーボネート樹脂板上に総膜厚7.6μmの透明硬化物層を形成した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0135】
一方、上記塗工液1を用いて充分硬化させた透明硬化物層を形成した芳香族ポリカーボネート樹脂板の別のサンプルについて、その透明硬化物層表面の耐磨耗性を評価した。100回転後の耐磨耗性は2.8%であった。
【0136】
実施例2
実施例1におけるサンプル調整方法を以下のように変更した。
塗工液1を塗工後、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持し、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。そして、この上に塗工液2をもう一度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し溶媒を除去した後、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射した。最後に本サンプルを100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持した後に、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0137】
実施例3
実施例2におけるサンプル調整方法を以下のように変更した。
最後に100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持する代わりに、23℃、相対湿度55%の環境下で1日養生し、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0138】
実施例4
実施例1におけるサンプル調整方法を以下のように変更した。
塗工液1を塗工後、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持し、続いて、この上に塗工液2をもう一度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し溶媒を除去した後、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射した。最後に本サンプルを100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持した後に、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0139】
実施例5
実施例3におけるサンプル調整方法を以下のように変更した。
塗工液2を触媒未添加のペルヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形10重量%、東燃株式会社製 商品名「V110」)(以下、塗工液3という)に変更し、最後に23℃、相対湿度55%の環境下で1日放置する代わりに、25℃に保たれた3%トリエチルアミン水溶液の浴の上に3分保持することで硬化させ、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0140】
実施例6
攪拌機および冷却管を装着した100mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール15g、酢酸ブチル15g、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド150mg、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール1000mg、およびN−メチル−4−メタクリロイロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン200mgを加えて溶解させ、続いてトリス(2−アクリロイルオシエチル)イソシアヌレート10.0gを加え常温で1時間攪拌した。続いて、合成例1で合成したメルカプトシラン修飾コロイド状シリカ分散液を30.3g加え更に室温で15分攪拌して被覆用組成物(以下、塗工液4という)を得た。
【0141】
次に、厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネート樹脂板(150mm×300mm)にバーコータを用いてこの塗工液を塗工(ウエット厚み30μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。そして、この上に塗工液2をもう一度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し溶媒を除去した後、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射した。最後に本サンプルを100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持した後に、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0142】
一方、上記塗工液4を用いて充分に硬化させた透明硬化物層を形成した芳香族ポリカーボネート樹脂板のサンプルについて、その透明硬化物層表面の耐磨耗性を評価した。100回転後の耐磨耗性は0.9%であった。
【0143】
実施例7
実施例6におけるサンプル調整方法を以下のように変更した。
最後に100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持する代わりに、23℃、相対湿度55%の環境下で1日放置し、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0144】
実施例8
実施例6において用いた修飾コロイド状シリカ分散液を同量の、合成例2で合成したアクリルシラン修飾コロイド状シリカ分散液に変えた他はすべて同じ条件にて、このサンプルを用いてこのサンプルを用いて前記測定を行った。なお、このアクリルシラン修飾コロイド状シリカ分散液を用いた塗工液を用いて充分に硬化させた透明硬化物層の100回転後の耐磨耗性は1.1%であった。
【0145】
実施例9
実施例6において用いた修飾コロイド状シリカ分散液を同量の、合成例3で合成したアミノシラン修飾コロイド状シリカ分散液に変えた他はすべて同じ条件にて、このサンプルを用いて前記測定を行った。なお、このアミノシラン修飾コロイド状シリカ分散液を用いた塗工液を用いて充分に硬化させた透明硬化物層の100回転後の耐磨耗性は1.3%であった。
【0146】
実施例10
実施例6において用いた修飾コロイド状シリカ分散液を同量の、合成例4で合成したエポキシシラン修飾コロイド状シリカ分散液に変えた他はすべて同じ条件にて、このサンプルを用いて前記測定を行った。なお、このエポキシシラン修飾コロイド状シリカ分散液を用いた塗工液を用いて充分に硬化させた透明硬化物層の100回転後の耐磨耗性は1.2%であった。
【0147】
実施例11
実施例6において用いた修飾コロイド状シリカ分散液を同量の、合成例5で合成したイソプロパノール分散のメルカプトシラン修飾コロイド状シリカ分散液に変えた他はすべて同じ条件にて、このサンプルを用いて前記測定を行った。なお、このメルカプトシラン修飾コロイド状シリカ分散液を用いた塗工液を用いて充分に硬化させた透明硬化物層の100回転後の耐磨耗性は1.4%であった。
【0148】
実施例12
実施例3におけるサンプル調整方法を以下のように変更した。
塗工液2をケイ素原子上の水素の一部がメチル基で置換されたポリシラザンのキシレン溶液(固形10重量%、東燃株式会社製 商品名「NL710」)(以下、塗工液6という)に変更し、最後に23℃、相対湿度55%の環境下で1日放置する代わりに、25℃に保たれた3%トリエチルアミン水溶液の浴の上に3分保持することで硬化させ、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0149】
実施例13
実施例6におけるサンプル調整方法を以下のように変更した。塗工液4を厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネート樹脂板(150mm×300mm)にバーコータを用いて塗工(ウエット厚み30μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、膜厚7μmの部分硬化物層を形成した。そして、この上に塗工液2をもう一度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持し溶媒を除去した後、これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、引き続いて170℃の熱風循環オーブン中で5分間保持し、取り出し直後に透明硬化物層塗工面が凸側になるように、64mmRの曲率を持つ型に押しつけ、曲げ加工を施した。そして、室温下で1日養生した物の外観を観察した結果、クラックやしわがない良好な硬化物層を有していた。
【0150】
一方、実施例6で最終的に得られた充分硬化した2層の硬化物層を有するサンプルを170℃の熱風循環オーブン中で5分間保持し、取り出し直後に透明硬化物層塗工面が凸側になるように、64mmRの曲率を持つ型に押しつけ、曲げ加工を施した。得られたサンプルの外観を観察した結果、硬化物層にクラックとしわが発生していた。
【0151】
比較例2
実施例1におけるN−メチル−4−メタクリロイロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン200mgを添加しないこと以外は同じ組成の塗工液(以下、塗工液5という)を製造し、この塗工液5と塗工液2を用いて実施例1と同じ条件と方法を用いて2層の硬化物層を有するサンプルを製造した。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0152】
また、上記塗工液5の透明硬化物層を形成した芳香族ポリカーボネート樹脂板のサンプルについて、その透明硬化物層表面の耐磨耗性を評価した。100回転後の耐磨耗性は2.8%であった。
【0153】
比較例3
塗工液1を厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネート樹脂板(150mm×300mm)にバーコータを用いて塗工(ウエット厚み20μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、膜厚6μmの透明硬化物層を硬化させ、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0154】
比較例4
塗工液2を厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネート樹脂板(150mm×300mm)にバーコータを用いて塗工(ウエット厚み10μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持した。続いて100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持し、膜厚6μmの透明硬化物層を硬化させ、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0155】
比較例5
塗工液4を厚さ3mmの透明な芳香族ポリカーボネート樹脂板(150mm×300mm)にバーコータを用いて塗工(ウエット厚み20μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 (波長300〜390nm領域の紫外線積算エネルギー量)の紫外線を照射し、膜厚5μmの透明硬化物層を硬化させ、このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0156】
【表1】

Figure 0003769924
【0157】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、最外層がシリカの被膜であり、この層が相対的に柔らかい透明合成樹脂基材に直接積層されるのではなく、多官能性化合物を添加して密着性と耐摩耗性を向上させた内層上に積層されているため、通常の無機質被膜が与える表面特性以上の表面特性を有する透明被覆成形品を得ることができる。また、最外層に接する内層がラジカル捕捉剤も含んでいるため、耐候性が著しく向上した透明被覆成形品を得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides at least two layers of a cured product layer derived from an active energy ray-curable coating composition containing a radical scavenger and a silica layer derived from a coating composition capable of forming silica on a transparent synthetic resin substrate. The present invention relates to a transparent coated molded article having
[0002]
[Prior art]
In recent years, transparent synthetic resin materials have been used as transparent materials to replace glass. In particular, the aromatic polycarbonate resin is excellent in crush resistance, transparency, lightness, easy processability, and the like, and is used in various fields as a transparent member having a large area such as an outer wall or an arcade by taking advantage of its characteristics. In addition, there is an example in which such a transparent synthetic resin material is used in place of glass (referred to as inorganic glass, hereinafter the same) for vehicles such as automobiles. However, the surface hardness is not sufficient for use as a substitute for glass, and there is a problem that transparency is easily impaired because it is easily damaged and easily worn.
[0003]
Thus, many attempts have been made to improve the scratch resistance and wear resistance of aromatic polycarbonate resins. One of the most common methods is to apply a polymerizing curable compound having two or more polymerizable functional groups such as acryloyl groups in the molecule to the substrate and cure it with active energy rays such as heat or ultraviolet rays. There is a method for obtaining a molded product having a transparent cured product layer excellent in properties. In this method, the coating composition is also relatively stable, and in particular, it can be cured with ultraviolet rays, so that it is excellent in productivity, and even when the molded product is bent, the cured coating does not crack and the surface is not damaged. Scratch resistance and wear resistance can be improved. However, since the cured film is composed only of organic substances, there is a limit to the level of surface scratch resistance.
[0004]
On the other hand, as a method for imparting higher surface hardness to a transparent synthetic resin substrate (hereinafter simply referred to as a substrate), there is a method in which a metal alkoxide compound is applied to a substrate and cured by heat. As the metal alkoxide, a silicon-based compound is widely used, and a cured film having extremely excellent wear resistance can be formed. However, since the adhesion between the cured film and the substrate is poor, there is a problem that the cured film tends to be peeled off or cracked.
[0005]
As a method for improving the problems of these techniques, as shown in JP-A-61-1181809, a mixture of a compound having an acryloyl group and colloidal silica is applied to a substrate and cured by active energy rays such as ultraviolet rays. There is a method of forming a transparent cured product layer having excellent scratch resistance. By using colloidal silica in combination with a polymerization curable compound, it is possible to achieve both a fairly high surface hardness and productivity. However, the level of surface scratch resistance is still inferior to the method in which the metal alkoxide compound is applied to a substrate and cured by heat.
[0006]
Also known is a method in which polysilazane is applied to a substrate instead of the silicon-based metal alkoxide compound and cured by heat or the like (Japanese Patent Laid-Open No. Hei 8-143687). Polysilazane undergoes a condensation reaction or oxidation reaction in the presence of oxygen, and is thought to change to silica (a high-order crosslinked product of silicon dioxide) that may contain nitrogen atoms. A coating of silica that does not contain is formed. The silica coating derived from polysilazane has a high surface hardness. However, since this film has poor adhesion between the film and the substrate as in the case of the metal alkoxide compound, there is a problem that the film is liable to be peeled off or cracked.
[0007]
Further, JP-A-9-39161 describes a method of forming a surface layer of silica by forming a protective film on a plastic film and coating a polysilazane solution on the surface thereof. The protective coating is provided to prevent the plastic film from being attacked by the solvent of the polysilazane solution. Japanese Patent Laid-Open No. 6-212004 proposes a method in which a silicone-based thermopolymerized cured product is coated on an uncured product and a partially cured product of an ultraviolet curable compound, irradiated with ultraviolet rays, and further heat polymerized. However, these also have insufficient weather resistance depending on the composition, and further improvement has been demanded.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the present invention has been made in view of the above-mentioned problems of the prior art, and its purpose is transparent coating molding that is particularly excellent in weather resistance among surface characteristics such as scratch resistance, abrasion resistance, and weather resistance. Is to provide goods.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent research to achieve the above object, the present inventor has found that the surface properties of the silica layer formed from polysilazane, thermosetting silicone resin, etc. affect the material of the inner layer in contact with the silica layer. It has been found that the weather resistance is improved by adding a radical scavenger to the inner layer, and the present invention has been completed.
[0010]
  That is, the transparent coated molded article of the present invention is a transparent coated molded article comprising a transparent synthetic resin base material and at least two transparent cured product layers formed on at least a part of the surface of the transparent synthetic resin base material. The inner layer in contact with the outermost layer of the transparent cured product layer includes a polyfunctional compound (a-1) having two or more active energy ray-curable polymerizable functional groups and a radical scavenger (a-2). It is the first cured product layer of the composition (A), and the outermost layer isContains polysilazaneIt is a 2nd hardened | cured material layer of coating composition (B), It is characterized by the above-mentioned.
[0011]
  According to the present invention, the transparent cured product layer is composed of at least two layers,Of the coating composition (B) containing polysilazane which is the outermost layerThe second cured product layer is not directly laminated on a relatively soft transparent synthetic resin base material, but a coating composition in which adhesion and wear resistance are improved by adding a polyfunctional compound (a-1). Since it is laminated | stacked on the 1st hardened | cured material layer of the thing (A), the displacement of the outermost layer by the external force applied in order to damage a transparent coating molded article becomes small, and a normal inorganic film becomes Surface characteristics that are greater than the surface characteristics to be provided can be obtained.In particular, since polysilazane can form denser silica, it is possible to obtain an outermost layer with better surface characteristics.
[0012]
Further, since the coating composition (A) also contains a radical scavenger, it was formed between the chemical bond near the interface between the first and second cured products layers and between the first and second cured product layers. The covalent bond is not broken by the oxy radical generated in the coating composition due to the weather deterioration factor, and the weather resistance is remarkably improved.
[0013]
In the present invention, the coating composition (A) preferably contains colloidal silica having an average particle size of 200 nm or less. Thereby, the hardened | cured material which has higher abrasion resistance and hardness can be formed.
[0014]
The radical scavenger is preferably a hindered amine light stabilizer. By using a hindered amine light stabilizer, a transparent coated molded article having more excellent weather resistance can be obtained.
[0015]
  Furthermore,The hindered amine light stabilizer preferably has a photopolymerizable functional group in the molecule.
[0016]
Furthermore, after forming the uncured material layer or the partially cured material layer of the coating composition (B) on the transparent synthetic resin substrate, it is bent, and then the uncured material layer and the partially cured material layer are cured. If it is the obtained transparent covering molded product, it can be used in more directions as a transparent member.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The transparent cured product layer in the present invention is composed of at least two layers of a transparent cured product layer that is in direct contact with the outermost layer and a transparent cured product layer that forms the outermost layer. The layer of the cured product of the active energy ray-curable coating composition (A) whose inner layer in contact with the outermost layer of the transparent cured product layer has high adhesion to the outermost layer. Moreover, it has high adhesiveness with a transparent synthetic resin base material. A third layer made of another synthetic resin may exist between the substrate and the transparent cured product layer. In this case, it is preferable that the third layer has sufficient adhesion to both the transparent cured product layer and the outermost layer that are in direct contact with the outermost layer. Examples of the third layer include a thermoplastic resin layer such as a thermoplastic acrylic resin and an adhesive layer.
[0018]
In order to obtain an inner layer having high adhesion and wear resistance, the polyfunctional compound (a-1) is used as the active energy ray-curable coating composition (A). Similarly, in order to form a cured product having high wear resistance, it is also preferable to form a cured product containing colloidal silica by blending the coating composition (A) with colloidal silica having an average particle size of 200 nm or less. . In order to efficiently cure the polyfunctional compound (a-1) with active energy rays (particularly ultraviolet rays), a photopolymerization initiator is usually added to the coating composition (A).
[0019]
The multifunctional compound (a-1) having two or more active energy ray-curable polymerizable functional groups in the coating composition (A) may be one kind of multifunctional compound or a plurality of kinds. These compounds may be used. In the case of a plurality of compounds, different compounds in the same category or different compounds in the category may be used. For example, a combination of different compounds each of which is acrylic urethane may be used, or one may be a combination of acrylic urethane described later and the other may be an acrylate compound having no urethane bond.
[0020]
Here, in the present specification, the acryloyl group and the methacryloyl group are collectively referred to as a (meth) acryloyl group. The expression of (meth) acryloyloxy group, (meth) acrylic acid, (meth) acrylate, and the like is also the same. In the present invention, among these groups and compounds, those having an acryloyl group are more preferable, for example, an acryloyloxy group, acrylic acid, acrylate and the like.
[0021]
The active energy ray-curable polymerizable functional group in the polyfunctional compound (a-1) is an α, β-unsaturated group such as a (meth) acryloyl group, a vinyl group, an allyl group, or a group having the same. And a (meth) acryloyl group is preferred. That is, the polyfunctional compound is preferably a compound having at least two polymerizable functional groups selected from (meth) acryloyl groups, and among them, two acryloyl groups that are more easily polymerized by ultraviolet rays. More preferably, it is a compound having the above.
[0022]
In addition, this polyfunctional compound (a-1) may be a compound having a total of two or more polymerizable functional groups in one molecule, and has a total of two or more of the same polymerizable functional groups. It may be a compound. The number of polymerizable functional groups in one molecule of the polyfunctional compound (a-1) is 2 or more, and the upper limit thereof is not particularly limited, but is preferably 2 to 50, and more preferably 3 to 30.
[0023]
A preferred compound as the polyfunctional compound (a-1) is a compound having two or more (meth) acryloyl groups. Among these, a compound having two or more (meth) acryloyloxy groups, that is, a polyester of (meth) acrylic acid and a compound having two or more hydroxyl groups such as a polyhydric alcohol is more preferable.
[0024]
In the coating composition (A), two or more kinds of polyfunctional compounds may be contained as the polyfunctional compound (a-1). Moreover, the monofunctional compound which has one polymerizable functional group which can superpose | polymerize with an active energy ray may be contained with the polyfunctional compound. As this monofunctional compound, a compound having a (meth) acryloyl group is preferable, and a compound having an acryloyl group is particularly preferable.
[0025]
When the monofunctional compound is used in the coating composition (A), the ratio of the monofunctional compound to the total of the polyfunctional compound (a-1) and the monofunctional compound is not particularly limited, but is 0. -60 wt% is preferable, and 0-30 wt% is more preferable. When the proportion of the monofunctional compound exceeds 60% by weight, the hardness of the cured coating film is lowered and the wear resistance may be insufficient, which is not preferable.
[0026]
The polyfunctional compound (a-1) may be a compound having various functional groups and bonds in addition to the polymerizable functional group. For example, it may have a hydroxyl group, a carboxyl group, a halogen atom, a urethane bond, an ether bond, an ester bond, a thioether bond, an amide bond, a diorganosiloxane bond, or the like. In particular, a (meth) acryloyl group-containing compound having a urethane bond (so-called acrylic urethane) and a (meth) acrylic acid ester compound having no urethane bond are preferable.
[0027]
Hereinafter, the two kinds of polyfunctional compounds described above will be described.
Examples of the (meth) acryloyl group-containing compound having a urethane bond (hereinafter referred to as “acrylic urethane”) include the following.
(1) A reaction product of a compound (X1) having a (meth) acryloyl group and a hydroxyl group and a compound having two or more isocyanate groups (hereinafter referred to as polyisocyanate).
(2) A reaction product of compound (X1), compound (X2) having two or more hydroxyl groups and polyisocyanate.
(3) A reaction product of the compound (X3) having a (meth) acryloyl group and an isocyanate and the compound (X2).
[0028]
In these reaction products, it is preferable that an isocyanate group does not exist. However, a hydroxyl group may be present. Therefore, in the production of these reaction products, it is more preferable that the total number of moles of hydroxyl groups in all reaction raw materials is equal to or greater than the total number of moles of isocyanate groups.
[0029]
The compound (X1) having a (meth) acryloyl group and a hydroxyl group may be a compound having one (meth) acryloyl group and one hydroxyl group, each having two or more (meth) acryloyl groups and one hydroxyl group. A compound having one (meth) acryloyl group and two or more hydroxyl groups, or a compound having two or more (meth) acryloyl groups and hydroxyl groups.
[0030]
Specific examples include 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, trimethylolpropane di (meth) acrylate, trimethylolpropane mono (meth) acrylate, pentaerythritol di (meth) acrylate, and the like in this order. These are monoesters of a compound having two or more hydroxyl groups and (meth) acrylic acid, or a polyester leaving one or more hydroxyl groups.
[0031]
Furthermore, the compound (X1) may be a ring-opening reaction product of a compound having one or more epoxy groups and (meth) acrylic acid. The reaction between the epoxy group and (meth) acrylic acid causes the epoxy group to ring open to form an ester bond and a hydroxyl group, resulting in a compound having a (meth) acryloyl group and a hydroxyl group. Moreover, the epoxy group of a compound having one or more epoxy groups can be opened to form a hydroxyl group-containing compound, which can be converted to a (meth) acrylic acid ester.
[0032]
As the compound having one or more epoxy groups, a polyepoxide called a so-called epoxy resin is preferable. The polyepoxide is preferably a compound having two or more glycidyl groups such as polyhydric phenols-polyglycidyl ether (for example, bisphenol A-diglycidyl ether) or an alicyclic epoxy compound. Furthermore, a reaction product of a (meth) acrylate having an epoxy group and a compound having a hydroxyl group or a carboxyl group can also be used as the compound (X1). Examples of the (meth) acrylate having an epoxy group include glycidyl (meth) acrylate.
[0033]
The polyisocyanate may be an ordinary monomeric polyisocyanate, or may be a polypolymer of polyisocyanate, a modified product, or a prepolymer compound such as an isocyanate group-containing urethane prepolymer.
[0034]
Multimers include trimers (isocyanurate-modified products), dimers, carbodiimide-modified products, etc. The modified products are urethane-modified products and burette-modified products obtained by modification with polyhydric alcohols such as trimethylolpropane. , Allophanate modified, urea modified. Examples of the prepolymer-like material include an isocyanate group-containing urethane prepolymer obtained by reacting a polyol such as a polyether polyol or a polyester polyol described later with a polyisocyanate. These polyisocyanates can be used in combination of two or more.
[0035]
Specific monomeric polyisocyanates include, for example, the following polyisocyanates (the abbreviations in []).
2,6-tolylene diisocyanate, 2,4-tolylene diisocyanate, methylene bis (4-phenyl isocyanate) [MDI], hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, transcyclohexane-1,4-diisocyanate, xylylene diisocyanate [XDI], Hydrogenated XDI, hydrogenated MDI.
[0036]
As the polyisocyanate, non-yellowing polyisocyanate (polyisocyanate having no isocyanate group directly bonded to an aromatic nucleus) is particularly preferable. Specific examples include aliphatic polyisocyanates such as hexamethylene diisocyanate, alicyclic polyisocyanates such as isophorone diisocyanate, and aromatic polyisocyanates such as xylylene diisocyanate. As described above, multimers and modified products of these polyisocyanates are also preferable.
[0037]
Examples of the compound (X2) having two or more hydroxyl groups include polyhydric alcohol and polyol having a higher molecular weight than polyhydric alcohol.
[0038]
The polyhydric alcohol is preferably a polyhydric alcohol having 2 to 20 hydroxyl groups, and particularly preferably a polyhydric alcohol having 2 to 15 hydroxyl groups. The polyhydric alcohol may be an aliphatic polyhydric alcohol, or may be an alicyclic polyhydric alcohol or a polyhydric alcohol having an aromatic nucleus.
[0039]
Examples of the polyhydric alcohol having an aromatic nucleus include polyepoxide ring-opened products having an aromatic nucleus such as an alkylene oxide adduct of polyhydric phenols and polyhydric phenols-polyglycidyl ether.
[0040]
Examples of the high molecular weight polyol include polyether polyol, polyester polyol, polyether ester polyol, and polycarbonate polyol. A hydroxyl group-containing vinyl polymer can also be used as the polyol. Two or more of these polyhydric alcohols and polyols can be used in combination.
[0041]
Specific examples of the polyhydric alcohol include the following polyhydric alcohols.
Ethylene glycol, 1,2-propylene glycol, 1,4-butanediol, 1,6-hexanediol, diethylene glycol, dipropylene glycol, neopentyl glycol, cyclohexanediol, dimethylolcyclohexane, trimethylolpropane, glycerin, pentaerythritol, Ditrimethylolpropane, dipentaerythritol, tris (2-hydroxyethyl) isocyanurate, tris (2-hydroxypropyl) isocyanurate, ring-opened product of bisphenol A-diglycidyl ether, ring-opened product of vinylcyclohexene dioxide.
[0042]
Specific examples of the polyol include, for example, the following polyols.
Polyether polyols such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, bisphenol A-alkylene oxide adduct, and polytetramethylene glycol. A polyester polyol obtained by ring-opening polymerization of a cyclic ester such as poly-ε-caprolactone polyol. A polyester polyol obtained by reacting a polybasic acid such as adipic acid, sebacic acid, phthalic acid, maleic acid, fumaric acid, azelaic acid or glutaric acid with the polyhydric alcohol. Polycarbonate diol obtained by reaction of 1,6-hexanediol and phosgene.
[0043]
Examples of the hydroxyl group-containing vinyl polymer include a copolymer of a hydroxyl group-containing monomer such as allyl alcohol, vinyl alcohol, hydroxyalkyl vinyl ether, and hydroxyalkyl (meth) acrylate and a hydroxyl group-free monomer such as olefin.
[0044]
Examples of the compound (X3) having a (meth) acryloyl group and an isocyanate include 2-isocyanatoethyl (meth) acrylate and methacryloyl isocyanate.
[0045]
Next, the (meth) acrylic acid ester compound which does not have a urethane bond is demonstrated.
As the (meth) acrylic acid ester compound having no urethane bond, which is a preferable compound in the polyfunctional compound (a-1), a compound having two or more hydroxyl groups similar to the compound (X2) and (meth) Polyester with acrylic acid is preferred. The compound having two or more hydroxyl groups is preferably the polyhydric alcohol or polyol. Furthermore, a (meth) acrylic acid ester compound which is a reaction product of a compound having two or more epoxy groups and (meth) acrylic acid is also preferable.
[0046]
As a compound having two or more epoxy groups, there is a polyepoxide called an epoxy resin. For example, what is marketed as epoxy resins, such as a glycidyl ether type polyepoxide and an alicyclic polyepoxide, can be used.
[0047]
Specific examples of the polyfunctional compound not containing a urethane bond include the following compounds.
(1) (Meth) acrylates of the following aliphatic polyhydric alcohols.
1,4-butanediol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, glycerol tri (meth) acrylate, glycerol di ( (Meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, ditrimethylolpropane tetra (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, pentaerythritol tetra (meth) acrylate, dipentaerythritol hexa (meth) acrylate, dipentaerythritol Penta (meth) acrylate.
[0048]
(2) (Meth) acrylates of polyhydric alcohols and polyhydric phenols having the following aromatic nuclei or triazine rings.
Tris (2- (meth) acryloyloxyethyl) isocyanurate, bis (2- (meth) acryloyloxyethyl) -2-hydroxyethyl isocyanurate, tris (2- (meth) acryloyloxypropyl) isocyanurate, bis (2 -(Meth) acryloyloxyethyl) bisphenol A, bis (2- (meth) acryloyloxyethyl) bisphenol S, bis (2- (meth) acryloyloxyethyl) bisphenol F, tris (2- (meth) acryloyloxyethyl) Isocyanurate, bisphenol A dimethacrylate.
[0049]
(3) The following hydroxyl group-containing compound- (meth) acrylate of an alkylene oxide adduct, (meth) acrylate of a hydroxyl group-containing compound-caprolactone adduct, and (meth) acrylate of a polyoxyalkylene polyol. However, EO represents ethylene oxide and PO represents propylene oxide.
[0050]
  Trimethylolpropane-EO adduct tri (meth) acrylate, trimethylolpropane-PO adduct tri (meth) acrylate, dipentaerythritol-caprolactone adduct hexa (meth) acrylate, tris (2-hydroxyethyl) isocyanate Tri (meth) acrylate of nurate-caprolactone adduct.
[0051]
As the polyfunctional compound (a-1), since the cured product of the coating composition (A) can exhibit sufficient wear resistance, 30% by weight or more of the polyfunctional compound (a-1) It is preferably composed of a trifunctional or higher polyfunctional compound, and more preferably 50% by weight or higher is composed of a trifunctional or higher functional compound. Moreover, the preferable specific example of a polyfunctional compound (a-1) is a polyfunctional compound which does not have the following acrylic urethane and a urethane bond.
[0052]
In the case of acrylic urethane, acrylic urethane which is the reaction product of pentaerythritol or its multimer polypentaerythritol, polyisocyanate and hydroxyalkyl (meth) acrylate), or hydroxyl-containing poly (meth) of pentaerythritol or polypentaerythritol Acrylic urethane, which is a reaction product of acrylate and polyisocyanate, is preferably a trifunctional or higher functional compound, and more preferably a 4-20 functional compound.
[0053]
As the polyfunctional compound having no urethane bond, pentaerythritol poly (meth) acrylate and isocyanurate poly (meth) acrylate are preferable.
[0054]
The said pentaerythritol type | system | group poly (meth) acrylate means polyester (preferably 4-20 functional thing) of pentaerythritol and polypentaerythritol, and (meth) acrylic acid.
[0055]
The isocyanurate-based poly (meth) acrylate is tris (hydroxyalkyl) isocyanurate, or an adduct obtained by adding 1 to 6 mol of caprolactone or alkylene oxide to 1 mol thereof and (meth) acrylic acid. Refers to polyester (2-3 functional).
[0056]
It is also preferable to use these preferred polyfunctional compounds in combination with other bifunctional or higher polyfunctional compounds (particularly poly (meth) acrylates of polyhydric alcohols). In addition, 30 weight% or more is preferable with respect to all the multifunctional compounds (a-1), and, as for these preferable polyfunctional compounds, 50 weight% or more is especially preferable.
[0057]
As the monofunctional compound that can be used together with the polyfunctional compound (a-1), for example, a compound having one (meth) acryloyl group in the molecule is preferable. Such a monofunctional compound may have a functional group such as a hydroxyl group or an epoxy group. Preferred monofunctional compounds are (meth) acrylic acid esters, ie (meth) acrylates.
[0058]
Specific examples of the monofunctional compound include the following compounds.
Methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, butyl (meth) acrylate, isobutyl (meth) acrylate, t-butyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, cyclohexyl (meth) Acrylate, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate.
[0059]
The coating composition (A) can contain an effective amount of colloidal silica having an average particle size of 200 nm or less in order to increase the wear resistance and hardness of the first cured product layer that is in direct contact with the outermost layer. The average particle diameter of the colloidal silica is preferably 1 to 100 nm, particularly preferably 1 to 50 nm. Further, the colloidal silica is preferably the following surface-modified colloidal silica in view of dispersion stability of the colloidal silica and improvement in adhesion between the colloidal silica and the polyfunctional compound.
[0060]
In the case of using such colloidal silica, the amount of colloidal silica is determined by the amount of the curable component of the transparent cured product layer (the polyfunctional compound and the monofunctional compound) in order to fully exert the effect to be used. The total) is preferably 5 to 300 parts by weight, more preferably 10 to 250 parts by weight, and still more preferably 10 to 50 parts by weight with respect to 100 parts by weight. When the amount of colloidal silica is less than 5 parts by weight, it is difficult to obtain sufficient wear resistance. In addition, when the amount of colloidal silica exceeds 300 parts by weight, clouding (haze) is likely to occur in the coating, and the obtained transparent coated molded product is subjected to secondary processing such as thermal bending described later. In such cases, problems such as cracks are likely to occur.
[0061]
As the colloidal silica, unmodified colloidal silica can be used, but surface-modified colloidal silica is preferably used. The use of surface-modified colloidal silica improves the dispersion stability of the colloidal silica in the composition. Although the average particle size of the colloidal silica fine particles is considered to be substantially unchanged or slightly increased by modification, the average particle size of the obtained modified colloidal silica is considered to be in the above range.
[0062]
The surface-modified colloidal silica (hereinafter simply referred to as modified colloidal silica) will be described below.
Various dispersion media are known as a dispersion medium for colloidal silica, and the dispersion medium for raw material colloidal silica is not particularly limited. If necessary, modification can be performed by changing the dispersion medium, and the dispersion medium can be changed after modification. The dispersion medium of the modified colloidal silica is preferably used as a medium (solvent) for the cured composition of the first transparent cured product layer that is in direct contact with the substrate.
[0063]
The medium of the coating composition (A) is preferably a solvent having a relatively low boiling point, that is, a usual paint solvent, from the viewpoint of drying properties. For reasons such as ease of production, the raw material colloidal silica dispersion medium, the modified colloidal silica dispersion medium, and the medium of the cured composition of the transparent cured product layer are all preferably the same medium (solvent). As such a medium, an organic medium widely used as a solvent for paint is preferable.
[0064]
As the dispersion medium, for example, the following dispersion medium can be used.
Lower alcohols such as water, methanol, ethanol, isopropanol, n-butanol, 2-methylpropanol, 4-hydroxy-4-methyl-2-pentanone, and ethylene glycol. Cellosolves such as methyl cellosolve, ethyl cellosolve, and butyl cellosolve. Dimethylacetamide, toluene, xylene, methyl acetate, ethyl acetate, butyl acetate, acetone, etc.
[0065]
As described above, an organic dispersion medium is particularly preferable as the dispersion medium, and alcohols and cellosolves are more preferable among the organic dispersion media. An integral body of colloidal silica and a dispersion medium in which it is dispersed is called a colloidal silica dispersion.
[0066]
The colloidal silica is preferably modified using a hydrolyzable silicon group or a compound having a silicon group to which a hydroxyl group is bonded (hereinafter referred to as a modifier). It is considered that silanol groups are generated by hydrolysis of hydrolyzable silicon groups, and these silanol groups react with and bind to silanol groups that are considered to be present on the colloidal silica surface, and the modifier is bound to the colloidal silica surface. Two or more modifiers may be used in combination. Further, as described later, a reaction product obtained by reacting two kinds of modifiers having reactive functional groups that are reactive with each other in advance can also be used as the modifier.
[0067]
The modifier may have two or more hydrolyzable silicon groups or silanol groups, and is a partially hydrolyzed condensate of a compound having a hydrolyzable silicon group, or a partial condensate of a compound having a silanol group It may be. Preferably, a compound having one hydrolyzable silicon group is used as a modifying agent (a partially hydrolyzed condensate may be formed during the modification process). The modifier has an organic group bonded to a silicon atom, and at least one of the organic groups is preferably an organic group having a reactive functional group.
[0068]
Preferred reactive functional groups are amino groups, mercapto groups, epoxy groups and (meth) acryloyloxy groups. The organic group to which the reactive functional group is bonded is preferably an alkylene group having 8 or less carbon atoms or a phenylene group, excluding the reactive functional group, and particularly preferably an alkylene group having 2 to 4 carbon atoms (particularly a polymethylene group).
[0069]
Specific modifiers include the following compounds, for example, depending on the type of reactive functional group.
(1) Silanes containing (meth) acryloyloxy groups
3- (meth) acryloyloxypropyltrimethoxysilane, 3- (meth) acryloyloxypropyltriethoxysilane, 3- (meth) acryloyloxypropylmethyldimethoxysilane, and the like.
[0070]
(2) Amino group-containing silanes
3-aminopropyltrimethoxysilane, 3-aminopropyltriethoxysilane, 3-aminopropylmethyldimethoxysilane, N- (2-aminoethyl) -3-aminopropyltrimethoxysilane, N- (2-aminoethyl)- 3-aminopropylmethyldimethoxysilane, N- (2-aminoethyl) -3-aminopropyltriethoxysilane, 3-ureidopropyltriethoxysilane, N- (N-vinylbenzyl-2-aminoethyl) -3-amino Propyltrimethoxysilane, 3-anilinopropyltrimethoxysilane, N-phenyl-3-aminopropyltrimethoxysilane and the like.
[0071]
(3) Mercapto group-containing silanes
3-mercaptopropyltrimethoxysilane, 3-mercaptopropyltriethoxysilane, 3-mercaptopropylmethyldimethoxysilane, 3-mercaptopropylmethyldiethoxysilane, and the like.
[0072]
(4) Epoxy group-containing silanes
3-glycidoxypropyltrimethoxysilane, 3-glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, 3-glycidoxypropyltriethoxysilane and the like.
[0073]
(5) Isocyanate group-containing silanes
3-isocyanatopropyltrimethoxysilane, 3-isocyanatopropyltriethoxysilane, 3-isocyanatopropylmethyldimethoxysilane, 3-isocyanatopropylmethyldiethoxysilane, and the like.
[0074]
Examples of the reaction product obtained by reacting the two modifiers having reactive functional groups in advance include, for example, a reaction product of an amino group-containing silane and an epoxy group-containing silane, an amino group-containing silane, Reaction products with (meth) acryloyloxy group-containing silanes, reaction products with epoxy group-containing silanes and mercapto group-containing silanes, reaction products with two molecules of mercapto group-containing silanes, and the like.
[0075]
The modification of the colloidal silica is usually performed by bringing a modifier having a hydrolyzable group into contact with the colloidal silica in the presence of a catalyst for hydrolysis. For example, the modification can be performed by adding a modifier and a catalyst to the colloidal silica dispersion and hydrolyzing the modifier in the colloidal silica dispersion.
[0076]
Examples of the catalyst include acids and alkalis. Preferably, an acid selected from inorganic acids and organic acids is used. As the inorganic acid, for example, hydrohalic acid such as hydrochloric acid, hydrofluoric acid, hydrobromic acid, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid and the like can be used. As the organic acid, formic acid, acetic acid, oxalic acid, acrylic acid, methacrylic acid and the like can be used.
The reaction temperature is preferably from room temperature to the boiling point of the solvent used, and the reaction time is preferably in the range of 0.5 to 24 hours depending on the temperature.
[0077]
In the modification of the colloidal silica, the amount of the modifier used is not particularly limited, but the modifier is preferably 1 to 100 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the colloidal silica (solid content in the dispersion). When the amount of the modifying agent is less than 1 part by weight, it is difficult to obtain the effect of surface modification. On the other hand, when the amount exceeds 100 parts by weight, a large amount of unreacted modifier or hydrolyzate or condensate of the modifier not supported on the colloidal silica surface is generated, and the curing composition of the transparent coating layer is cured. , They may function as a chain transfer agent or as a plasticizer for a film after curing, which may reduce the hardness of the cured film.
[0078]
In order to cure the polyfunctional compound (a-1), the coating composition (A) usually contains a photopolymerization initiator. Known photopolymerization initiators can be used. A commercially available product that is readily available is particularly preferred. A plurality of photopolymerization initiators may be used in the first transparent cured product layer.
[0079]
Examples of the photopolymerization initiator include aryl ketone photopolymerization initiators (for example, acetophenones, benzophenones, alkylaminobenzophenones, benzyls, benzoins, benzoin ethers, benzyl dimethyl ketals, benzoylbenzoates, α-acylose). Oxime esters, sulfur-containing photopolymerization initiators (eg, sulfides, thioxanthones, etc.), acylphosphine oxide photopolymerization initiators, and other photopolymerization initiators.
[0080]
In particular, the use of an acylphosphine oxide photopolymerization initiator is preferred. Moreover, a photoinitiator can also be used in combination with photosensitizers, such as amines.
[0081]
Specific examples of the photopolymerization initiator include the following compounds.
4-phenoxydichloroacetophenone, 4-t-butyl-dichloroacetophenone, 4-t-butyl-trichloroacetophenone, diethoxyacetophenone, 2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-1-one, 1- (4- Isopropylphenyl) -2-hydroxy-2-methylpropan-1-one, 1- (4-dodecylphenyl) -2-methylpropan-1-one, 4- (2-hill dimethyl ketal, benzophenone, benzoylbenzoic acid, Methyl benzoylbenzoate, 4-phenylbenzophenone, hydroxybenzophenone, acrylated benzophenone, 3,3′-dimethyl-4-methoxybenzophenone, 3,3 ′, 4,4′-tetrakis (t-butylperoxycarbonyl) benzophenone, 9 , 10-phenane Renkinon, camphorquinone, dibenzosuberone, 2-ethylanthraquinone, 4 ', 4 "- diethyl isophthalophenone phenone, alpha-acyloxime esters, methyl phenyl glyoxylate.
[0082]
4-benzoyl-4′-methyldiphenyl sulfide, thioxanthone, 2-chlorothioxanthone, 2-methylthioxanthone, 2,4-dimethylthioxanthone, isopropylthioxanthone, 2,4-dichlorothioxanthone, 2,4-diethylthioxanthone, 2,4 -Diisopropylthioxanthone, 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide, benzoyldiphenylphosphine oxide, 2,6-dimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide, bis (2,6-dimethoxybenzoyl) -2,4,4-trimethylpentylphosphine Oxide, bis (2,4,6-trimethylbenzoyl) phenylphosphine oxide.
[0083]
The addition amount of the photopolymerization initiator in the coating composition (A) is 0.01 to 20 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the curable component (the total of the polyfunctional compound (a-1) and the monofunctional compound). Is preferable, and 0.1 to 10 parts by weight is particularly preferable.
[0084]
The coating composition (A) can contain a solvent and various compounding agents in addition to the above basic components. The solvent is usually an essential component, and the solvent is used unless the polyfunctional compound is a particularly low-viscosity liquid. As a solvent, the solvent normally used for the coating composition which uses a polyfunctional compound (a-1) as a hardening component can be used. Further, the dispersion medium of the raw material colloidal silica can be used as a solvent as it is. Furthermore, it is preferable to select and use an appropriate solvent depending on the type of substrate.
[0085]
The amount of the solvent can be appropriately changed according to the required viscosity of the composition, the thickness of the desired cured film, the drying temperature condition, etc., and is preferably 100 times or less by weight with respect to the curable component in the composition. A weight of 1 to 50 times is more preferable. Examples of the solvent include solvents such as lower alcohols, ketones, ethers, cellosolves and the like mentioned as solvents used for hydrolysis for modifying the colloidal silica. In addition, there are esters such as n-butyl acetate and diethylene glycol monoacetate, halogenated hydrocarbons, and hydrocarbons. For coating with an aromatic polycarbonate resin having low solvent resistance, lower alcohols, cellosolves, esters, and mixtures thereof are suitable.
[0086]
The coating composition (A) contains the radical scavenger (a-2) as an essential component. The radical scavenger (a-2) plays an important role in practically preventing oxy radicals from being generated in the coating composition due to weather resistance deterioration factors (UV, water, ozone, etc.) and breaking the polymer chain. Fulfill. In particular, in the present invention, the addition of the radical scavenger (a-2) is effective in preventing chemical bond deterioration near the interface between the outermost layer and the lower layer. When the outermost layer is formed in a state where the lower layer is uncured or partially cured, it has been confirmed that a covalent bond is formed at the interface between both layers during the process of curing each layer. For this reason, a high interlayer adhesion is ensured. The addition of the radical scavenger (a-2) is effective for protecting the covalent bond formed between the layers.
[0087]
As a specific radical scavenger (a-2), a general hindered amine light stabilizer is preferable. This is a structure in which all hydrogens on the 2nd and 6th carbons of piperidine are substituted with methyl groups, for example, 2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidylbenzoate N- (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) dodecylsuccinimide, 1-[(3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionyloxyethyl] -2, 2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl- (3,5-di-t-butyl-4-hydroxyphenyl) propionate, bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) sebacate, Bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate, bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) -2-butyl-2- (3,5- J-t-Buchi -4-hydroxybenzyl) malonate, N, N'-bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) hexamethylenediamine, tetra (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) ) Butanetetracarboxylate, tetra (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) butanetetracarboxylate, bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) di (tridecyl) ) Butanetetracarboxylate, bis (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) di (tridecyl) butanetetracarboxylate, 3,9-bis [1,1-dimethyl-2- {tris (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyloxycarbonyloxy) butylcarbonyloxy} ethyl] -2,4,8,10 Tetraoxaspiro [5.5] undecane, 3,9-bis [1,1-dimethyl-2- {tris (1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyloxycarbonyloxy) butylcarbonyloxy} Ethyl] -2,4,8,10-tetraoxaspiro [5.5] undecane, 1,5,8,12-tetrakis [4,6-bis {N- (2,2,6,6-tetramethyl) -4-piperidyl) butylamino} -1,3,5-triazin-2-yl] -1,5,8,12-tetraazadodecane, 1- (2-hydroxyethyl) -2,2,6,6 -Tetramethyl-4-piperidinol / dimethyl succinate condensate, 2-t-octylamino-4,6-dichloro-s-triazine / N, N'-bis (2,2,6,6-tetramethyl-4 -Piperidyl) hexa Examples include a methylenediamine condensate and N, N′-bis (2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidyl) hexamethylenediamine / dibromoethane condensate.
[0088]
Among these, since the coating composition (A) is a composition mainly composed of a polyfunctional compound (a-1) having two or more active energy ray-curable polymerizable functional groups, N-methyl-4- Those having a photopolymerizable functional group in the molecule such as methacryloyloxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine and 4-methacryloyloxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine are particularly preferred. .
[0089]
The amount of the radical scavenger (a-2) in the coating composition (A) is 0.1% by weight with respect to 100 parts by weight of the curable component (the sum of the polyfunctional compound (a-1) and the monofunctional compound). 01-20 weight part is preferable, and 0.1-10 weight part is especially preferable.
[0090]
For the coating composition (A), stabilizers such as UV absorbers, antioxidants, thermal polymerization inhibitors, leveling agents, antifoaming agents, thickeners, anti-settling agents, pigments, and dispersing agents are optionally added. In addition, surfactants such as antistatic agents and antifogging agents, curing catalysts selected from acids, alkalis and salts, and the like may be appropriately blended and used.
[0091]
As the active energy ray for curing such a coating composition (A), ultraviolet rays are particularly preferable. However, it is not limited to ultraviolet rays, and an electron beam or other active energy rays can be used. As the ultraviolet ray source, a xenon lamp, a pulse xenon lamp, a low pressure mercury lamp, a high pressure mercury lamp, an ultrahigh pressure mercury lamp, a metal halide lamp, a carbon arc lamp, a tungsten lamp, or the like can be used.
[0092]
The thickness of the cured product layer formed using the coating composition (A) is preferably 1 to 50 μm, and more preferably 2 to 30 μm. When the thickness exceeds 50 μm, curing by active energy rays becomes insufficient, and the adhesion to the substrate is likely to be impaired, which is not preferable. If the thickness is less than 1 μm, the wear resistance of this layer may be insufficient, and the wear resistance and scratch resistance of the outermost layer may not be sufficiently exhibited.
[0093]
  Next, the coating composition (B) which forms a silica layer in the 2nd hardened | cured material layer which is the outermost layer contains the soluble compound and solvent which form a silica. Examples of the soluble compound that forms silica include a tetrafunctional hydrolyzable silane compound, a partially hydrolyzed condensate thereof, a silicone-based thermosetting compound, and polysilazane. Examples of the tetrafunctional hydrolyzable silane compound and its partial hydrolysis condensate include tetraalkoxysilane and its partial hydrolysis condensate.However, the present invention is characterized by using a compound containing polysilazane as a soluble compound that forms silica.Since polysilazane forms silica with a denser structure, an outermost layer with better surface characteristics can be obtained.
[0094]
Examples of polysilazanes include polysilazanes substantially free of organic groups (perhydropolysilazanes), polysilazanes in which hydrolyzable groups such as alkoxy groups are bonded to silicon atoms, and polysilazanes in which organic groups such as alkyl groups are bonded to silicon atoms. and so on. In particular, perhydropolysilazane is preferable in terms of its low firing temperature and the denseness of the cured film after firing. In addition, the hardened | cured material which polysilazane fully hardened becomes a silica which hardly contains a nitrogen atom.
[0095]
The polysilazane is composed of a polymer having a chain, a cyclic structure or a crosslinked structure, or a mixture of a plurality of these structures in the molecule. The molecular weight of polysilazane is preferably a number average molecular weight of 200 to 50,000. When the number average molecular weight is less than 200, it is difficult to obtain a uniform cured film even when baked. Moreover, when a number average molecular weight exceeds 50000, it becomes difficult to melt | dissolve in a solvent, and since there exists a possibility that coating composition (B) may become viscous, it is unpreferable.
[0096]
As the solvent for dissolving polysilazane, hydrocarbon solvents such as aliphatic hydrocarbons, alicyclic hydrocarbons, aromatic hydrocarbons, ethers such as halogenated hydrocarbon solvents, aliphatic ethers, alicyclic ethers, etc. can be used. Specifically, the following can be used.
[0097]
Pentane, hexane, isohexane, methylpentane, heptane, isoheptane, octane, isooctane, cyclopentane, methylcyclopentane, cyclohexane, methylcyclohexane, benzene, toluene, xylene, ethylbenzene hydrocarbons, methylene chloride, chloroform, carbon tetrachloride, Halogenated hydrocarbons such as bromoform, 1,2-dichloroethane, 1,1-dichloroethane, trichloroethane, tetrachloroethane, ethers such as ethyl ether, isopropyl ether, ethyl butyl ether, butyl ether, dioxane, dimethyl dioxane, tetrahydrofuran, tetrahydropyran, etc. .
[0098]
When these solvents are used, a plurality of types of solvents may be mixed in order to adjust the solubility of polysilazane and the evaporation rate of the solvent. The amount of the solvent used varies depending on the coating method employed and the structure and average molecular weight of the polysilazane, but it is preferably prepared in the range of 0.5 to 80% by weight in terms of solid content.
[0099]
In order to cure polysilazane into silica, heating called baking is usually required. However, in the present invention, since the base material is a synthetic resin, the firing temperature is limited. That is, it is difficult to cure by heating above the heat resistance temperature of the substrate. Generally, the heat resistance of the cured product of the coating composition (A) is higher than the heat resistance of the substrate. However, in some cases, the heat resistance of the cured product may be lower than the heat resistance of the substrate. In that case, it may be necessary to cure the polysilazane at a temperature lower than the heat resistance temperature of the cured product. Therefore, in the present invention, the firing temperature of polysilazane is preferably 180 ° C. or lower when a synthetic resin such as an aromatic polycarbonate resin is used as a base material.
[0100]
In order to cure polysilazane at a low temperature, a catalyst is used, and curing at room temperature is possible depending on the type and amount thereof. Further, the atmosphere for curing is preferably an atmosphere containing oxygen such as in the air.
[0101]
As the catalyst, it is preferable to use a catalyst that cures polysilazane at a lower temperature. Examples of such a catalyst include fine particles of metals such as gold, silver, palladium, platinum and nickel proposed in JP-A-7-196986, and carboxylic acids of the above metals proposed in JP-A-5-93275. The use of a complex is mentioned.
[0102]
In addition, the catalyst is not added to the polysilazane solution, but, as proposed in Japanese Patent Laid-Open No. 9-31333, the coating molded product is directly brought into contact with the catalyst solution, specifically an amine aqueous solution, or the vapor thereof. The method of exposing to a certain time is mentioned.
[0103]
In addition, the coating composition (B) is optionally provided with stabilizers such as ultraviolet absorbers, light stabilizers and antioxidants, leveling agents, antifoaming agents, thickeners, anti-settling agents, pigments, dispersions. Surfactants such as an agent, an antistatic agent and an antifogging agent may be appropriately blended and used.
[0104]
Hereinafter, polysilazane refers to perhydropolysilazane unless otherwise specified. When perhydropolysilazane and an acrylic monomer are mixed, cured by active energy ray irradiation in the presence of a photoinitiator, and the cured product is analyzed by solid-state NMR of silicon and carbon, a peak derived from the bond of Si-C is observed. This has been confirmed by the present inventors. For this reason, it is considered that the interface between the coating compositions (A) and (B) of the present invention is bonded not only by physical mixing of both layers but also by covalent bonds.
[0105]
The thickness of the second cured product layer formed using the coating composition (B) is preferably 0.05 to 10 μm, and more preferably 0.1 to 3 μm. When the thickness exceeds 10 μm, further improvement in surface properties such as scratch resistance cannot be expected, and the layer becomes brittle, and even a slight deformation of the coated molded product tends to cause cracks in this layer. On the other hand, when the thickness is less than 0.05 μm, there is a possibility that the wear resistance and scratch resistance of the outermost layer cannot be sufficiently exhibited.
[0106]
In the present invention, as a method for forming the two transparent cured product layers formed using the two types of coating compositions (A) and (B) as described above, a normal coating technique can be employed. For example, the coating composition (A) is first applied onto a substrate and cured, and then the coating composition (B) is applied to the surface of the cured product and cured to achieve the desired transparent coating molding. Goods are obtained.
The means for applying these coating compositions is not particularly limited, and known methods can be employed. For example, dipping method, flow coating method, spray method, bar coating method, gravure coating method, roll coating method, blade coating method, air knife coating method, spin coating method, slit coating method, micro gravure coating method, etc. are adopted. it can.
[0107]
After coating, when the coating composition contains a solvent, the coating composition is dried to remove the solvent. Then, in the case of a layer made of the coating composition (A), it is cured by irradiation with ultraviolet rays or the like. In the case of the layer comprising the coating composition (B), it is cured by heating or standing at room temperature or by exposing it to the vapor of the curing catalyst solution of the coating composition (B).
[0108]
The following four methods may be mentioned as the combination (timing) from the coating composition (A) curing to the coating composition (B) coating to curing.
(1) A method of coating the composition (B) on the coating composition (A) after coating the composition (A) by irradiating with a sufficient amount of active energy rays to complete the curing. Method).
[0109]
(2) After coating the coating composition (A) to form an uncured material layer of the coating composition (A), the coating composition (B) is coated on the uncured material layer and coated. A method of forming an uncured product layer of the composition (B) and then irradiating a sufficient amount of active energy rays to finish curing the uncured product of the coating composition (A). In this case, the uncured material of the coating composition (B) is cured almost simultaneously with the uncured material of the coating composition (A), or after curing of the uncured material of the coating composition (A), it is heated or left at room temperature or Curing is carried out by exposure to the vapor of the curing catalyst solution of the coating composition (B).
[0110]
(3) Minimum active energy ray (usually about 300 mJ / cm) that becomes dry to the touch after the coating composition (A) is applied2 Irradiation amount) is once irradiated to form a partially cured product layer of the coating composition (A), and then the coating composition (B) is coated on the partially cured product layer to form the coating composition (B ) And then irradiating with a sufficient amount of active energy rays to complete the curing of the uncured product of the coating composition (A). Curing of the uncured product of the coating composition (B) is the same as in the case of (2) above.
[0111]
(4) After forming the uncured or partially hard layer of the coating composition (A) and the uncured layer of the coating composition (B) as described in (2) to (3) above, the coating composition A method in which the uncured product of (B) is first partially cured or completely cured, and then the uncured product or partially cured product of the coating composition (A) is completely cured. In this case, it is preferable that the coating composition (A) is a partially cured product rather than the uncured product when the uncured product of the coating composition (B) is cured.
[0112]
In order to increase the interlayer adhesion between the two cured product layers, the above method (2) or (3) is more preferable. However, in the case of the method (2), when the dipping method is used as a method for coating the coating composition (B), the uncured component of the coating composition (A) is dipped in the coating composition (B). Since there is a possibility of contaminating the liquid, there is a restriction that coating by such a dipping method is not suitable. In addition, the method (4) described above is such that the partially cured product or the completely cured product layer of the coating composition (B) against oxygen permeation, which tends to become a curing inhibiting factor when the coating composition (A) is completely cured. Acts as a barrier layer, reducing the risk that the cured product of the coating composition (A) will be insufficiently cured.
[0113]
Furthermore, as a feature of the transparent coated molded article of the present invention, the surface properties such as abrasion resistance and scratch resistance have almost the same level as that of glass, so that it can be used for various applications in which glass has been conventionally used. Can be mentioned. However, among various uses, in the case of the use as a vehicle window material, a bent molded product is often required.
[0114]
Therefore, in the present invention, it is preferable to bend the transparent coated molded product so as to be compatible with such applications. In the case of producing a transparent coated molded product that is bent, the transparent coated molded product of the present invention can be formed using a bent substrate. However, when using a bent substrate, it is often difficult to form each layer by coating and curing the coating composition.
[0115]
On the other hand, according to conventional studies by the present inventors, the substrate on which the cured product layer of the coating composition (A) is formed can be bent by hot bending or the like. However, when a cured product layer of the coating composition (B) is formed, bending is difficult because the cured product is hard.
[0116]
The inventor has found that the base material having the first transparent cured product layer of the coating composition (A) can be bent as long as it is an uncured product or a partially cured product layer of the coating composition (B). Further, as in the above methods (2) to (4), the uncured product or partially cured product layer of the coating composition (B) is formed on the uncured product or partially cured product layer of the coating composition (A). Bending can also be performed in a state in which is formed. After the bending process or almost simultaneously with the bending process, the uncured or partially cured coating composition (B) is cured to obtain the intended bent molded article. Bending is performed in a heated state.
[0117]
Therefore, although the uncured product or partially cured product of the coating composition (B) is cured by heating for bending, the uncured product of the coating composition (B) is usually compared with the time required for bending. Since the time required for curing the partially cured product is longer, there is little possibility that bending will be difficult due to the curing of the coating composition (B). Further, the curing of the coating composition (B) after the bending process is an advantageous condition for adopting the method (4).
[0118]
Therefore, after forming the uncured product or partially cured product layer of the coating composition (A) on the substrate and the uncured product or partially cured product layer of the coating composition (B) on the surface of the layer, Bending and then curing the coating composition (B) uncured product or partially cured product, and the coating composition (A) uncured product or partially cured product, if present. It is possible to produce a coated molded article that is bent according to the invention.
[0119]
Specifically, for example, after forming an uncured product or a partially cured product layer of the coating composition (B), the substrate is heated for about 5 minutes at the thermal softening temperature of the substrate, and then subjected to bending. Thereafter, the coating composition (B) is allowed to stand at a temperature at which an uncured product or a partially cured product is cured or at room temperature, or is exposed to the vapor of a curing catalyst solution of the coating composition (B) to be cured. The bent molded article of the invention can be obtained. According to such a method, since a hard silica layer is formed after bending before the coating composition (B) is sufficiently cured, there is no problem such as cracks in the silica layer.
[0120]
In the present invention, various transparent synthetic resins can be used as the material for the transparent synthetic resin substrate. For example, a transparent synthetic resin such as an aromatic polycarbonate resin, a polymethyl methacrylate resin (acrylic resin), or a polystyrene resin can be used, and a substrate made of an aromatic polycarbonate resin is particularly preferable. This transparent synthetic resin substrate is molded, for example, a sheet-like substrate such as a flat plate or corrugated plate, a film-like substrate, a substrate molded into various shapes, and at least the surface layer is made of various transparent synthetic resins. There are laminates. In particular, a flat substrate that is not bent is preferable.
[0121]
In the present invention, the substrate is particularly preferably a flat sheet made of an aromatic polycarbonate resin. The thickness of the sheet is preferably 1 to 100 mm for applications such as window materials. The at least two transparent cured product layers described above are formed on both sides or one side of this sheet.
[0122]
【Example】
  Hereinafter, the present invention will be described in Synthesis Examples 1-5, Examples 1-5.13Comparative example2-5However, the present invention is not limited to these. The measurement and evaluation of various physical properties of Examples 1 to 12 and Comparative Examples 2 to 5 were performed by the methods shown below, and the results are shown in Table 1. For comparison, Table 1 also shows the results of measurement and evaluation of physical properties using ordinary architectural glass sheets.
[0123]
[Initial haze value, abrasion resistance]
According to the abrasion resistance test method in JIS-R3212, a haze meter was used to measure the haze value when a 500 g weight was combined with two CS-10F wear wheels and rotated at 500 and 1000 revolutions. The haze was measured at four locations on the wear cycle orbit, and the average value was calculated. The initial haze value indicates the haze value (%) before the abrasion resistance test, and the wear resistance indicates the value (%) of (haze value after the abrasion test) − (cloudiness value before the abrasion test).
[0124]
In addition, the abrasion resistance test of the inner layer before forming the outermost layer is performed by the same method as described above, using a sample obtained by coating the substrate with the curable coating composition (A) and sufficiently curing it. The anti-fogging value and the haze value after 100 rotations were measured to evaluate the wear resistance.
[0125]
[Adhesion]
The sample is made with 11 razor cuts at intervals of 1 mm with a razor blade to make 100 grids. The number (m) of the grids remaining without peeling off the coating when the commercially available cellophane tape is well adhered and then suddenly peeled 90 degrees forward is expressed as m / 100.
[0126]
[Weatherability]
Using a sunshine weather meter, the appearance was evaluated after 3000 hours exposure in a cycle of 12 minutes of rain and 48 minutes of drying at a black panel temperature of 63 ° C.
[0127]
Synthesis example 1
Add 5 parts by weight of 3-mercaptopropyltrimethoxysilane and 3.0 parts by weight of 0.1N hydrochloric acid to 100 parts by weight of ethyl cellosolve dispersion type colloidal silica (silica content 30% by weight, average particle size 11 nm) at 100 ° C. The mixture was heated and stirred for 6 hours and then aged at room temperature for 12 hours to obtain a mercaptosilane-modified colloidal silica dispersion.
[0128]
Synthesis example 2
5 parts by weight of 3-acryloyloxypropyltrimethoxysilane and 3.0 parts by weight of 0.1N hydrochloric acid are added to 100 parts by weight of ethyl cellosolve dispersion type colloidal silica (silica content: 30% by weight, average particle size: 11 nm). The mixture was heated and stirred for 6 hours and then aged at room temperature for 12 hours to obtain an acrylic silane-modified colloidal silica dispersion.
[0129]
Synthesis example 3
5 parts by weight of N-phenyl-3-aminopropyltrimethoxysilane and 3.0 parts by weight of 0.1N hydrochloric acid were added to 100 parts by weight of ethyl cellosolve dispersion type colloidal silica (silica content 30% by weight, average particle size 11 nm), After heating and stirring at 100 ° C. for 6 hours and aging at room temperature for 12 hours, an aminosilane-modified colloidal silica dispersion was obtained.
[0130]
Synthesis example 4
To 100 parts by weight of ethyl cellosolve dispersion type colloidal silica (silica content 30% by weight, average particle size 11 nm), 5 parts by weight of 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane and 3.0 parts by weight of 0.1N hydrochloric acid are added, and 100 ° C. And then aged at room temperature for 12 hours to obtain an epoxysilane-modified colloidal silica dispersion.
[0131]
Synthesis example 5
The same procedure as in Example 1 was conducted except that 100 parts by weight of isopropanol-dispersed colloidal silica (silica content 30% by weight, average particle size 11 nm) was used instead of ethyl cellosolve-dispersed colloidal silica and the reaction temperature was 83 ° C. A mercaptosilane-modified colloidal silica dispersion was obtained.
[0132]
Example 1
In a 100 mL four-necked flask equipped with a stirrer and a condenser, 15 g of isopropanol, 15 g of butyl acetate, 7.5 g of ethyl cellosolve, 150 mg of 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide, 2- (3,5-di- (t-amyl-2-hydroxyphenyl) benzotriazole (1000 mg) and N-methyl-4-methacryloyloxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine (200 mg) were added and dissolved, followed by dipentaerythritol poly having a hydroxyl group. 10.0 g of urethane acrylate (containing an average of 15 acryloyl groups per molecule), which is a reaction product of acrylate and partially nurated hexamethylene diisocyanate, is stirred at room temperature for 1 hour, and then a coating composition (hereinafter, coating) Liquid 1) was obtained.
[0133]
This coating liquid 1 was applied to a transparent aromatic polycarbonate resin plate (150 mm × 300 mm) having a thickness of 3 mm (150 mm × 300 mm) using a bar coater (wet thickness 30 μm), and held in a hot air circulating oven at 80 ° C. for 5 minutes. This is 3000 mJ / cm using a high-pressure mercury lamp in an air atmosphere.2 A transparent cured product layer having a film thickness of 7 μm was formed by irradiating with ultraviolet rays having a wavelength of 300 to 390 nm.
[0134]
Next, a further low temperature curable perhydropolysilazane xylene solution (10 wt% solid, trade name “L110” manufactured by Tonen Co., Ltd.) (hereinafter referred to as “coating solution 2”) is applied again using a bar coater. (Wet thickness 6 μm), held in a hot air circulating oven at 80 ° C. for 10 minutes to remove the solvent, and then held in a hot air circulating oven at 100 ° C. for 120 minutes to fully cure the outermost layer. . And it was confirmed by IR analysis that the outermost layer was a complete silica coating. Thus, a transparent cured product layer having a total film thickness of 7.6 μm was formed on the aromatic polycarbonate resin plate. The measurement was performed using this sample.
[0135]
On the other hand, the wear resistance of the surface of the transparent cured product layer was evaluated for another sample of the aromatic polycarbonate resin plate on which the transparent cured product layer sufficiently cured using the coating liquid 1 was formed. The wear resistance after 100 revolutions was 2.8%.
[0136]
Example 2
The sample adjustment method in Example 1 was changed as follows.
After coating the coating liquid 1, it is kept in a hot air circulating oven at 80 ° C. for 5 minutes, and this is 150 mJ / cm using a high pressure mercury lamp in an air atmosphere.2 A partially cured product layer having a film thickness of 7 μm was formed by irradiating with ultraviolet rays (ultraviolet integrated energy amount in a wavelength range of 300 to 390 nm). Then, the coating liquid 2 is again coated thereon using a bar coater (wet thickness: 6 μm), held in a hot air circulating oven at 80 ° C. for 10 minutes to remove the solvent, and then subjected to high pressure in an air atmosphere. 3000mJ / cm using mercury lamp2 Ultraviolet rays having a wavelength of 300 to 390 nm (integrated amount of ultraviolet rays) were irradiated. Finally, the sample was held in a hot air circulating oven at 100 ° C. for 120 minutes, and then the measurement was performed using the sample.
[0137]
Example 3
The sample adjustment method in Example 2 was changed as follows.
Finally, instead of holding in a hot air circulating oven at 100 ° C. for 120 minutes, the sample was cured for one day in an environment of 23 ° C. and relative humidity 55%, and the measurement was performed using this sample.
[0138]
Example 4
The sample adjustment method in Example 1 was changed as follows.
After coating the coating liquid 1, the coating liquid 2 is kept for 5 minutes in a hot air circulating oven at 80 ° C. Subsequently, the coating liquid 2 is coated again on this using a bar coater (wet thickness 6 μm), and 80 ° C. After removing the solvent by holding in a hot air circulating oven for 10 minutes, this was 3000 mJ / cm in an air atmosphere using a high pressure mercury lamp.2 Ultraviolet rays having a wavelength of 300 to 390 nm (integrated energy amount of ultraviolet rays) were irradiated. Finally, the sample was held in a hot air circulating oven at 100 ° C. for 120 minutes, and then the measurement was performed using the sample.
[0139]
Example 5
The sample adjustment method in Example 3 was changed as follows.
The coating solution 2 was changed to a xylene solution of perhydropolysilazane to which no catalyst was added (10 wt% solid, trade name “V110” manufactured by Tonen Corporation) (hereinafter referred to as coating solution 3). Instead of leaving it for one day in an environment of 55% humidity, it was cured by holding it on a bath of 3% triethylamine aqueous solution kept at 25 ° C. for 3 minutes, and the measurement was performed using this sample.
[0140]
Example 6
A 100 mL four-necked flask equipped with a stirrer and a condenser tube was charged with 15 g of isopropanol, 15 g of butyl acetate, 150 mg of 2,4,6-trimethylbenzoyldiphenylphosphine oxide, 2- (3,5-di-t-amyl-2- Hydroxyphenyl) benzotriazole 1000 mg and N-methyl-4-methacryloyloxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine 200 mg are added and dissolved, followed by tris (2-acryloyloxyethyl) isocyanurate 10. 0 g was added and stirred at room temperature for 1 hour. Subsequently, 30.3 g of the mercaptosilane-modified colloidal silica dispersion synthesized in Synthesis Example 1 was added and further stirred at room temperature for 15 minutes to obtain a coating composition (hereinafter referred to as coating solution 4).
[0141]
  Next, this coating solution is applied to a transparent aromatic polycarbonate resin plate (150 mm × 300 mm) having a thickness of 3 mm using a bar coater.4Was applied (wet thickness 30 μm) and held in a hot air circulating oven at 80 ° C. for 5 minutes. This is 150 mJ / cm in an air atmosphere using a high-pressure mercury lamp.2 A partially cured product layer having a film thickness of 7 μm was formed by irradiating with ultraviolet rays (ultraviolet integrated energy amount in a wavelength range of 300 to 390 nm). Then, the coating liquid 2 is again coated thereon using a bar coater (wet thickness: 6 μm), held in a hot air circulating oven at 80 ° C. for 10 minutes to remove the solvent, and then subjected to high pressure in an air atmosphere. 3000mJ / cm using mercury lamp2 Ultraviolet rays having a wavelength of 300 to 390 nm (integrated energy amount of ultraviolet rays) were irradiated. Finally, the sample was held in a hot air circulating oven at 100 ° C. for 120 minutes, and then the measurement was performed using the sample.
[0142]
On the other hand, about the sample of the aromatic polycarbonate resin board which formed the transparent hardened | cured material layer fully hardened using the said coating liquid 4, the abrasion resistance of the transparent hardened | cured material layer surface was evaluated. The abrasion resistance after 100 revolutions was 0.9%.
[0143]
Example 7
The sample adjustment method in Example 6 was changed as follows.
Finally, instead of holding in a hot air circulating oven at 100 ° C. for 120 minutes, the sample was left for 1 day in an environment of 23 ° C. and relative humidity 55%, and the measurement was performed using this sample.
[0144]
Example 8
This sample was used in the same conditions except that the modified colloidal silica dispersion used in Example 6 was replaced with the same amount of the acrylic silane modified colloidal silica dispersion synthesized in Synthesis Example 2. The measurement was performed using this method. In addition, the abrasion resistance after 100 rotations of the transparent cured product layer sufficiently cured using the coating solution using the acrylic silane-modified colloidal silica dispersion was 1.1%.
[0145]
Example 9
The measurement was performed using this sample under the same conditions except that the modified colloidal silica dispersion used in Example 6 was replaced with the same amount of the aminosilane-modified colloidal silica dispersion synthesized in Synthesis Example 3. It was. In addition, the abrasion resistance after 100 rotations of the transparent cured product layer sufficiently cured using the coating solution using the aminosilane-modified colloidal silica dispersion was 1.3%.
[0146]
Example 10
The measurement was performed using this sample under the same conditions except that the modified colloidal silica dispersion used in Example 6 was replaced with the same amount of the epoxysilane-modified colloidal silica dispersion synthesized in Synthesis Example 4. went. In addition, the abrasion resistance after 100 rotations of the transparent hardened | cured material layer fully hardened using the coating liquid using this epoxysilane modification colloidal silica dispersion was 1.2%.
[0147]
Example 11
The sample was used under the same conditions except that the modified colloidal silica dispersion used in Example 6 was replaced with the same amount of the isopropanol-dispersed mercaptosilane-modified colloidal silica dispersion synthesized in Synthesis Example 5. The measurement was performed. In addition, the abrasion resistance after 100 rotations of the transparent cured product layer sufficiently cured with the coating solution using the mercaptosilane-modified colloidal silica dispersion was 1.4%.
[0148]
Example 12
The sample adjustment method in Example 3 was changed as follows.
The coating liquid 2 was changed to a polysilazane xylene solution (10 wt% solid, trade name “NL710” manufactured by Tonen Co., Ltd.) in which part of the hydrogen on the silicon atom was replaced with a methyl group (hereinafter referred to as coating liquid 6). Finally, instead of leaving it for one day in an environment of 23 ° C. and 55% relative humidity, it was cured by holding for 3 minutes on a 3% triethylamine aqueous bath kept at 25 ° C. The measurement was performed using this method.
[0149]
  Example 13
  The sample adjustment method in Example 6 was changed as follows. The coating liquid 4 was coated on a transparent aromatic polycarbonate resin plate (150 mm × 300 mm) having a thickness of 3 mm using a bar coater (wet thickness 30 μm), and held in a hot air circulation oven at 80 ° C. for 5 minutes. This is 150 mJ / cm in an air atmosphere using a high-pressure mercury lamp.2 A partially cured product layer having a film thickness of 7 μm was formed by irradiating with ultraviolet rays (ultraviolet integrated energy amount in a wavelength range of 300 to 390 nm). Then, the coating liquid 2 is again coated thereon (wet thickness 6 μm) using a bar coater, and kept in a hot air circulating oven at 80 ° C. for 5 minutes to remove the solvent. 3000mJ / cm using mercury lamp2 Irradiate with ultraviolet rays (ultraviolet integrated energy amount in the wavelength range of 300 to 390 nm), and subsequently hold in a hot air circulating oven at 170 ° C. for 5 minutes, so that the transparent cured product layer coating surface becomes convex immediately after removal, It was pressed against a mold having a curvature of 64 mmR and subjected to bending. And as a result of observing the external appearance of the thing cured on the 1st under room temperature, it had the favorable hardened | cured material layer without a crack and a wrinkle.
[0150]
On the other hand, the sample having two cured layers fully cured finally obtained in Example 6 was held in a hot air circulating oven at 170 ° C. for 5 minutes, and the coated surface of the transparent cured product layer was convex immediately after removal. Then, it was pressed against a mold having a curvature of 64 mmR and bent. As a result of observing the appearance of the obtained sample, cracks and wrinkles were generated in the cured product layer.
[0151]
Comparative Example 2
A coating solution having the same composition (hereinafter referred to as coating solution 5) was prepared except that 200 mg of N-methyl-4-methacryloyloxy-2,2,6,6-tetramethylpiperidine in Example 1 was not added. Using this coating solution 5 and coating solution 2, a sample having two hardened product layers was produced using the same conditions and method as in Example 1. The measurement was performed using this sample.
[0152]
Moreover, about the sample of the aromatic polycarbonate resin board in which the transparent hardened | cured material layer of the said coating liquid 5 was formed, the abrasion resistance of the transparent hardened | cured material layer surface was evaluated. The wear resistance after 100 revolutions was 2.8%.
[0153]
Comparative Example 3
The coating liquid 1 was coated on a transparent aromatic polycarbonate resin plate (150 mm × 300 mm) having a thickness of 3 mm using a bar coater (wet thickness 20 μm), and held in a hot air circulation oven at 80 ° C. for 5 minutes. This was irradiated with ultraviolet rays of 3000 mJ / cm 2 (ultraviolet integrated energy amount in a wavelength range of 300 to 390 nm) using a high-pressure mercury lamp in an air atmosphere to cure a transparent cured product layer having a thickness of 6 μm. Measurements were made.
[0154]
Comparative Example 4
The coating liquid 2 was coated on a transparent aromatic polycarbonate resin plate (150 mm × 300 mm) having a thickness of 3 mm using a bar coater (wet thickness 10 μm), and held in a hot air circulating oven at 80 ° C. for 10 minutes. Then, it hold | maintained for 120 minutes in 100 degreeC hot-air circulation oven, the 6-micrometer-thick transparent hardened | cured material layer was hardened, and the said measurement was performed using this sample.
[0155]
Comparative Example 5
The coating liquid 4 was coated on a transparent aromatic polycarbonate resin plate (150 mm × 300 mm) having a thickness of 3 mm using a bar coater (wet thickness 20 μm), and held in a hot air circulation oven at 80 ° C. for 5 minutes. This is 3000 mJ / cm using a high-pressure mercury lamp in an air atmosphere.2 Ultraviolet rays having a wavelength of 300 to 390 nm (ultraviolet integrated energy amount) were irradiated to cure a 5 μm-thick transparent cured product layer, and the measurement was performed using this sample.
[0156]
[Table 1]
Figure 0003769924
[0157]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the outermost layer is a silica coating, and this layer is not directly laminated on a relatively soft transparent synthetic resin substrate, but a polyfunctional compound is added. Thus, a transparent coated molded article having surface characteristics higher than the surface characteristics provided by a normal inorganic coating film can be obtained because it is laminated on the inner layer with improved adhesion and wear resistance. Moreover, since the inner layer in contact with the outermost layer also contains a radical scavenger, it is possible to obtain a transparent coated molded article with significantly improved weather resistance.

Claims (5)

透明合成樹脂基材と、前記透明合成樹脂基材表面の少なくとも一部に形成された少なくとも2層の透明硬化物層を有する透明被覆成形品において、前記透明硬化物層のうち最外層に接する内層が、活性エネルギー線硬化性の重合性官能基を2個以上有する多官能性化合物(a−1)およびラジカル捕捉剤(a−2)を含む被覆組成物(A)の第1硬化物層であり、前記最外層がポリシラザンを含む被覆組成物(B)の第2硬化物層であることを特徴とする透明被覆成形品。In a transparent coated molded article having a transparent synthetic resin substrate and at least two transparent cured product layers formed on at least a part of the surface of the transparent synthetic resin substrate, an inner layer in contact with the outermost layer of the transparent cured product layer Is a first cured product layer of a coating composition (A) comprising a polyfunctional compound (a-1) having two or more active energy ray-curable polymerizable functional groups and a radical scavenger (a-2). A transparent coated molded product, wherein the outermost layer is a second cured product layer of a coating composition (B) containing polysilazane . 前記被覆組成物(A)が、平均粒径200nm以下のコロイド状シリカを含有する請求項1記載の透明被覆成形品。  The transparent coating molded article according to claim 1, wherein the coating composition (A) contains colloidal silica having an average particle size of 200 nm or less. 前記ラジカル捕捉剤が、ヒンダードアミン系光安定剤である請求項1または2記載の透明被覆成形品。  The transparent coating molded article according to claim 1, wherein the radical scavenger is a hindered amine light stabilizer. 前記ヒンダードアミン系光安定剤が、分子内に光重合性の官能基を持つ請求項3に記載の透明被覆成形品。The transparent coating molded article according to claim 3, wherein the hindered amine light stabilizer has a photopolymerizable functional group in the molecule. 前記透明合成樹脂基材に、前記被覆組成物(B)の未硬化物層または部分硬化物層を形成した後、かつ、その未硬化物層または部分硬化物層を硬化物層とする前に、曲げ加工された請求項1〜4のいずれか1つに記載の透明被覆成形品。  After forming the uncured product layer or the partially cured product layer of the coating composition (B) on the transparent synthetic resin substrate and before making the uncured product layer or the partially cured product layer a cured product layer The transparent covering molded product according to any one of claims 1 to 4, which has been bent.
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