JP3768714B2 - 複数衛星対応受信アンテナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、静止軌道上の静止衛星からの衛星放送(BSおよびCS)の受信アンテナに係り、多数の衛星からの電波を1つの受信アンテナで同時に受信可能とする複数衛星対応受信アンテナに関するもので、フェーズドアレイアンテナの技術分野である。
【0002】
【従来の技術】
現行の衛星放送(BS,CS)の受信はパラボラアンテナが主流である。しかし、今後の時代推移を考えると静止軌道の有効利用および周波数資源の有効利用の観点等から、将来は現在よりも多くの衛星から放送が行われる可能性があると考えられる。現行のパラボラアンテナでは反射鏡は共通とし、給電点をマルチ化してマルチビーム化している。民生用のアンテナでは現状では直径が45cmクラスのアンテナが一般的であり、我が国においても、現行4衛星からさらに衛星数が増えたときには給電点を増やすことが物理的、技術的に困難になってくる。また、給電点の位置も焦点からさらに離れる方向となるためアンテナ効率の点でも不利となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
パラボラアンテナに対し平面アンテナでは、アンテナ面を分割してサブアレイ化し複数の受信系として構成することが可能で、各受信系の位相を調整することにより合成指向性が任意の方向に形成可能である。低雑音ブロックコンバータ(LNB)の中間周波数(IF)出力を分配した後では、ビーム形成が個々にできるため多くのビームを同時に形成できる。そこで本発明の目的は、この平面アンテナの特徴を利用してマルチビーム化受信アンテナを実現し、民生用の受信アンテナとして低廉化を図る構成を具体化した複数衛星対応受信アンテナを提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明複数衛星対応受信アンテナは、静止軌道上の複数の静止衛星からの12GHz帯衛星放送を受信可能な、平面アンテナによるアレイアンテナとして構成した複数衛星対応受信アンテナにおいて、前記平面アンテナによるアレイアンテナの前記静止軌道に沿った横方向の辺の幅が、静止軌道上6度間隔の放送衛星および4度間隔の通信衛星それぞれの隣接衛星に対する干渉を共に低くするため、各衛星に対応する地上における平面アンテナの6.6度および4.4度の角度での各方向のサイドローブ相対利得がほぼ同等となる指向性を実現する長さまたはその整数倍の長さとなるよう構成したことを特徴とするものである。
【0005】
また、好適な実施態様は、静止軌道上の前記複数の静止衛星からの衛星放送を受信可能とするため、前記アンテナのチルト角度が、アンテナの法線方向のチルト角中心を任意の経度に取った時、±20度の範囲の軌道にほぼ沿った1軸のビームチルトで実現されるよう構成したことを特徴とするものである。
【0006】
さらにまた、好適な実施態様は、アンテナの前記軌道に沿った辺の幅が37.1±0.5cmで、前記チルト角度が±20度の範囲であってもグレーティングローブが発生しないよう、前記アレイアンテナのサブアレイ間隔が0.745λに等しいかそれ以下であり、軌道方向が1素子で縦方向がn素子で構成されるサブアレイ毎に位相制御して前記アレイアンテナが構成され、ここでλは受信可能な12GHz帯衛星放送の最高周波数に対する波長であり、nは複数の正の整数であることを特徴とするものである。
さらにまた、好適な実施態様は、前記サブアレイ間隔を0.745λ以上とした時、そのサブアレイの数を15とし、アンテナの縦方向の長さを、縦方向の指向性で−11.5dBの相対利得が得られる長さとしてアレイアンテナを構成したことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照し、発明の実施の形態について順次項目別に詳細に説明し、その後本発明の具体的構成例のいくつかについて説明する。
▲1▼ 受信アンテナのビーム制御について
将来どのような衛星配置になるかは予測がつかないため、受信アンテナのビーム制御の範囲を決める要因としては、我が国の現行4衛星を受信可能にする範囲とすることが基本条件として挙げられる。図1は、受信点(東京)から見た静止軌道と現行4衛星の位置関係を示したもので、図の横軸は静止軌道の東経127度付近を中心にした時の静止軌道と接線になる関係である。縦軸は横軸に直交する軸でほぼ仰角の差をあらわしている。このような空間的な関係を考慮すると、受信アンテナのビームチルトの範囲は、横軸(ほぼ方位角方向)の角度として外側の衛星間で約40度、縦軸(ほぼ仰角方向)の角度範囲は0.3度をカバーすれば良いといえる。
縦軸方向が0.3度と角度差が小さいため、2次元的なビーム制御は必要なく、図の横軸上を最大±20度ビームチルトする1軸の制御を実現すればよいことがわかる。
【0008】
▲2▼ 平面アンテナの制御軸方向の幅について
図1の横軸に沿って平面アンテナの1辺を合わせて配置する(アレイアンテナの幅と称す)として、横軸の幅を決める要素として、隣接衛星からの干渉の要素を導入する。単に現行4衛星を受けるだけならば、同一周波数帯と直線偏波を使用している東経124度(JCSAT−4)と128度(JCSAT−3)のCS衛星間の干渉が少なくなるようにアンテナの幅を決めればよい。図2(a)は、幅を32cmにしたときの指向性(励振分布は一般的な均一励振)で、アンテナから見た4度間隔の衛星角度約4.4度が指向性のヌル点に位置することができ干渉を生じにくくできる。
【0009】
一方、本複数衛星対応受信アンテナの場合、将来の衛星放送の受信を対象にするものの衛星配置は未定であるため、CS(通信衛星)だけでなくBS(放送衛星)も含めた状態で両者の干渉が少ない条件を満たす条件でアンテナの幅を選択することが適していると判断される。6度間隔のBS、4度間隔のCSの隣接衛星の両方に対して干渉を少なくするためには双方ともに隣接衛星に対する相対利得を低くする必要がある。図2(b)はこの条件を満たすアンテナ幅37.1cmの時の指向性であり、BSに対しては6.6度、CSに対しては4.4度の角度でのサイドローブ利得が共に−18dBとなっている。さらに相対利得を低くする必要がある場合は、37.1cmの整数倍の長さとすればよい。図2(c)は、12GHz帯におけるアンテナ幅と4.4度、6.6度各方向のサイドローブ相対利得との関係を示す計算結果である。この図から、アンテナ幅が37.1cmを中心にして、上、下各0.5cm(約0.2λ)の範囲内であれば、各方向共−17dB以下となりほぼ同等の相対利得値にできることがわかる。以下複数衛星対応受信アンテナでは最短の長さである37.1cmを採用して本発明のさらなる対策を説明する。
【0010】
▲3▼ ビーム制御軸のアンテナのアレイ化
項目▲2▼で採用した幅37.1cmのアンテナの素子配列と位相制御の単位についてビームチルト角をもとにして考察する。アンテナをアレイ化する場合、通常最大チルト角(θ)が決まると、このチルト角における指向性にグレーティングローブを発生しない素子間隔(サブアレイ間隔:d)が以下の計算式により求まる。
d<(1+ sin(θ))-1・λ(λは波長)
θ=20度の場合、d<0.745λで、λを対象としているCSの最高周波数である12.75GHzの波長とすれば、d<17.53mmとなる。この場合37.1cmのアンテナの分割数は21.1となるが整数値として22がアレイ化する単位数となり、この場合位相制御の単位は1素子毎になる。図3はアレイアンテナの配列のイメージで、図3(a)は軌道方向の素子数nが1で縦方向にk素子のサブアレイが22配列されたアンテナとなる。
【0011】
Figure 0003768714
サブアレイ数の削減
受信アンテナの簡素化を図ることはコスト軽減にもつながり重要である。前述の項目
Figure 0003768714
で求まったサブアレイ数を削減できる方法について考察する。項目
Figure 0003768714
では、グレーティングローブを発生させない場合であったが、グレーティングローブが発生しても、目的外の衛星からの干渉が低減できればサブアレイ数を削減できる。図4は、アンテナの分割数に対するメインローブ、グレーティングローブの相対利得のレベル関係を示した図で、軌道方向の素子数nを2とする場合には、分割数が小さくなるほどメインローブ(白ヌキ三角印)の利得損失が大きくなるとともに発生するグレーティングローブ(白ヌキ丸印)のレベルも大きくなり実用的でなくなる。この図からは、メインローブの利得低下が最も低く、グレーティングローブの発生量も小さい分割数15が最も実用的であると考えられる。ここで分割数15は、37.1cmの幅の放射素子数を30素子で構成し、軌道方向の素子数n=2をサブアレイの単位とする場合(図3(b)参照)で、この場合にはサブアレイ間隔はほぼ1波長に相当する長さとなる。この分割数15に対するグレーティングローブの発生レベルは−8.5dBであり、このままでは干渉を受ける可能性があるも、これには以下説明するようにアンテナの縦方向の長さ(垂直面の指向性)によって対処することができる。
【0012】
図5は、分割数が15でチルト角が20度のときのグレーティングローブの発生する角度(約−40度)とその角度における衛星軌道との角度差の関係を示している。図から分かるように衛星軌道は中心から離れる程ビーム制御軸(横軸)から離れていく。−40度のグレーティングローブの角度では、1.2度の角度差がある。この角度差はほぼ仰角方向の角度差であるので、仰角方向の指向性により衛星軌道におけるグレーテイングローブの相対利得をさらに下げることが可能になる。干渉に関して、軌道方向でのアンテナの相対利得を−20dBを目安として考えると、縦方向(仰角方向)の指向性で相対利得が−11.5dB得られるアンテナ長とすればよいことになる。図6は、アンテナの縦方向(仰角方向)の長さに対するグレーティングローブの指向性であり、1.2度でトータル−20dBの相対利得となる長さは120cmとなる。
【0013】
▲5▼ アンテナの縦方向の長さの短縮
項目▲4▼で求まった縦方向の辺の長さは横方向の辺の幅37.1cmに比べてアンバランスであり、これを短縮する方法について考察する。先の図6を見ると分かるように、指向性がシャープであるため角度差をわずかに増やしただけで、相対利得を大幅に低減できる。メインローブの利得低下がわずかな範囲で角度差を付けると相対利得を低下できる分をアンテナの縦方向の長さの短縮に使える。ビームチルトの軸を衛星軌道から離れる方向に0.5度オフセット(平行移動)すると長さは120cmから80数cmに短縮できることがわかる。さらに、実際の衛星軌道上の衛星配置を考慮するとグレーティングローブのピーク位置に衛星が無いためさらに干渉に対するマージンを見込むことができる。ちなみに−15dBのグレーティングローブ範囲を0.5度オフセットした状態(図5の斜線部分)での長さを試算すると70cmまで短縮することができる。
【0014】
▲6▼ 複数ビーム形成の構成について
項目▲1▼〜▲5▼までの検討によるアレイアンテナによる複数のビームの形成法として、各サブアレイ毎にLNBで周波数変換したIF帯(1〜2GHz帯)での位相制御によるビーム形成を行うことが回路的に容易である。各LNBからのIF出力をビーム数に応じて分配し、それぞれに所要の遅延量を遅延線で与えた後同相合成することにより目的の(衛星)方向にビームを形成することができる。アンテナの中心方向を東経127度方向にした場合、受信点から各衛星までのチルト角度が定まるため、各衛星毎に固定の遅延線で形成したビーム形成回路を用意することで、複数の衛星に対して受信が可能となる。遅延線によるビーム形成では全部の遅延線を同一のプリント基板上のストリップラインの長さで精度良く製作できるため、量産性が高く低廉化が図れる。各地毎に衛星の角度は異なるので色々な角度毎の基板を用意しておけば、必要な角度の基板を組み合わせることで対応させることができる。
【0015】
▲7▼ 偏波合わせについて
図7は日本各地の偏波角度と最大角度偏差を示した図で、直線偏波を用いているCSでは、目的の衛星の偏波に合わせないと直交偏波関係にある隣接チャンネルとの分離が十分に得られないため、マルチビームのパラボラアンテナでは一次放射器の偏波をそれぞれ機械的に合わして作られている。平面アンテナでは放射素子の配置で偏波面が定まるため、受信アンテナを一つの衛星の偏波に合わせたとしても他の衛星に対しては偏波がずれた状態で受信することになる。従って、電気的に偏波を合わせる機能が必要となる。しかし、直交する偏波での受信系の出力信号から偏波合わせを電気的に行うことは容易に実現できるので問題はない。
【0016】
図8は偏波の関係を示したベクトル図で、目的の衛星の偏波をH,Vとしたときに、受信アンテナの偏波面がθだけ傾いた状態で受信した時の直交偏波受信系の各出力をHr,Vrとすると、Hr,Vrの各出力は、
Hr= Hcos θ+Vsin θ
Vr=−Hsin θ+Vcos θ となる。
このHr,Vrの両出力は、受信系での非線形がなければ以下の線形の加減算の処理により、H,Vの出力として得ることができる。
H=Hrsin θ+Vrcos θ
V=Hrcos θ−Vrsin θ
従って、本発明複数衛星対応受信アンテナでは、各サブアレイアンテナを直交受信のアンテナとして構成する。円偏波については直交偏波関係受信系の信号間に90度の位相差を付けて合成することにより等価的に円偏波受信系で受信した信号を得ることができる。
【0017】
項目別の説明は以上で終了し、次に本発明の具体的構成例について順次説明する。
図9は、本発明による複数衛星対応受信アンテナの全体構成を示すブロック線図で、平面アンテナによるアレイアンテナ1の各サブアレイ毎にLNB(Low Noise Block Converter)2が接続されている。LNB2は共通のローカル信号発振器3で周波数変換を行い、IF(中間周波数)信号4を出力する。例えばアンテナが15個のサブアレイで構成されていれば15系統の受信系となる。IF信号4はビーム数に応じて次のビーム形成回路(この例ではブロック5,6,7)で目的方向(チルト角θ)で同相条件となるように各入力端子毎に遅延量が設定された後合成される。合成された信号は目的の方向からの信号は相関が1となり同相加算され振幅が大きくなり、それ以外は相関がほぼランダムとなり振幅はゼロに近ずく。従って、得られる信号は、目的の衛星方向にビームが形成されたのと等価な直交IF信号の対が出力される。直線偏波のCS信号では、ビーム形成回路5の直交偏波出力8,9を次の偏波合成回路10で信号間の加減算処理を偏波制御信号11により行い、お互いに混入している直交成分が低減された出力12(この図ではチャンネルに応じた水平もしくは垂直偏波成分の一方を出力としている)を得る。円偏波のBS受信では、ビーム形成回路内で、最初にハイブリッドで円偏波受信信号にしてからビーム形成回路でビームを形成するか、またはビーム形成後にハイブリッドで円偏波受信信号にすることにより直交偏波信号から円偏波受信出力13への変換を行う。出力12もしくは13の出力信号はそれぞれ対応するCS,BSチューナへのIF信号となる。
【0018】
図10は、より具体的な構成を示すブロック線図で、平面アンテナのビーム制御軸方向がn個のサブアレイに分割されたアレイアンテナで、m個のビームを形成して受信する場合を想定している構成ブロック線図である。符号の中のaとbは直交偏波関係であることを示す記号として付けられている。アンテナはn個のサブアイレアンテナ受信系21−1〜21−nで構成されている。各受信系は直交偏波受信のサブアレイアンテナと2個のLNBで受信しIF信号に変換する。サブアレイアンテナ受信系21−1は、アンテナ25−1とLNB26−1aと26−1bで構成されている。同様に、n番目のサブアレイアンテナ受信系21−nは、アンテナ25−nとLNB26−naと26−nbで構成されている。構成するLNBは全部、共通の発振器36の信号を分配器37で分配した信号で周波数変換を行う。サブアレイアンテナ受信系21−1の直交IF出力27−1aと27−1bからサブアレイアンテナ受信系21−nの直交IF出力27−naと27−nbは次のIF帯分配系22−1〜22−nでそれぞれビーム数に応じたm分配器29−1a/b〜29−na/bでm分配され、30−1a−1〜m/30−1b−1〜mが出力される。他の系も同様の構成である。各バイアスT28は、各LNB26に電源を供給する部分である。ビーム形成カードインターフェース23−1〜23−mは、ビーム形成カード24−1〜24−mへのIF信号を供給するためのマルチ信号コネクタに相当する部分で、偏波毎に対応した2つの集合部分からなっている。23−1を例にすると31−1aは各サブアレイ受信系のIF信号の内、30−1a−1〜30−na−1のn個を一列に集合させたものであり、31−1bは各サブアレイ受信系のIF信号の内、30−1b−1〜30−nb−1のn個を一列に集合させたものである。他の系も構成は同様である。ビーム形成カード24−1〜24−mは2つのビーム形成回路と1つの偏波合成回路から構成されている。24−1を例にして説明する。それぞれの偏波毎にビームを形成するビーム形成回路32−1aと32−1bでビーム形成を行い出力33−1aと33−1bを得る。この2出力はアンテナの偏波面が合っていないとすると、希望衛星からの直交偏波成分間が互いに漏れ込んだ状態の信号となっている。この2信号を次の偏波合成34−1で電気的に偏波合わせを行い、偏波間の分離度の高くなった垂直偏波出力信号35−1aと水平偏波出力35−1bを得る。24−2〜24−mも同様である。
【0019】
図11はビーム形成回路の構成図で、n個のIF信号41−1〜41−nに対して、遅延線42−1〜42−nを経由してn合成器43で同相合成する構成である。遅延線42−1〜42−nの各遅延量は、形成するビーム方向(アンテナの放線方向からのチルト角度)毎に定まる遅延量を与える遅延線で構成する。
【0020】
図12は偏波合成回路の具体例を示す図で、直交関係の2信号であるH′偏波成分51とV′偏波成分52を入力信号として、V偏波出力72について先に説明する。V偏波出力72は、H′偏波成分51の2分配器53の出力55を乗算器59でROMテーブル63の sinθ出力65と乗算を行った結果の出力66と、V′偏波成分52の2分配器54の出力57を乗算器61でROMテーブル63の cosθ出力64と乗算を行った結果の出力68とを同相加算器70で加算して得られる。
【0021】
H偏波出力73は、H′偏波成分51の2分配器53の出力56を乗算器60でROMテーブル63の cosθ出力64と乗算を行った結果の出力67と、V′偏波成分の2分配器54の出力58を乗算器62でROMテーブル63の sinθ出力65と乗算を行った結果の出力69との逆相加算器71で加算して得られる。ROMテーブル63の cosθ出力64と sinθ出力65は、アンテナの偏波面と希望衛星からの電波の偏波面との角度差θに対する係数であるため、乗算器59〜62での乗算は、等価的に減衰器(振幅調整器)として作用している。
【0022】
したがって、ビーム形成カードは、受信地点と目的の衛星が定まると遅延線量も偏波角θも定まり専用のカードとして製作することができる。
【0023】
以上いくつかの実施例および具体的構成例につき詳細に説明してきたが、本願発明はこれらに限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨内で各種の変形、変更の可能なことは当業者に自明であろう。
【0024】
【発明の効果】
本発明により、現行の4衛星が同時受信可能な平面アンテナによるマルチビームアンテナを実現できるとともに、将来衛星数が増えた場合にも1台のアンテナで全てのBS,CS放送を受信可能とすることができる。目的の衛星に対するビーム形成がIF帯の遅延線による位相制御方式のため、ビーム毎のカード(基板)を追加することで、途中から衛星が増えた場合にもビーム数を増やして受信可能とすることができる。また、一枚の基板上に遅延線を構成したカードは量産性に優れており、低廉化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 受信点(東京)から見た静止軌道と現行4衛星の位置関係を示す図である。
【図2】 アンテナの指向性を示す図で、(a)は幅(開口)を32cmにしたときの指向性を、(b)は幅(開口)を37.1cmにしたときの指向性を、また(c)はアンテナの幅と4.4度、6.6度の各方向のサイドローブ相対利得との関係を示す図である。
【図3】 アレイアンテナのイメージを示す図である。
【図4】 アンテナの分割数とメインローブ、グレーティングローブの相対利得の関係を示す図である。
【図5】 衛星軌道とビームチルト軸との角度差の関係を示す図である。
【図6】 アンテナの縦方向(仰角方向)の長さに対するグレーティングローブの指向性を示す図である。
【図7】 日本各地の偏波角度と最大角度偏差を示す図である。
【図8】 偏波の関係を示したベクトル図である。
【図9】 本発明による複数衛星対応受信アンテナの全体構成を示すブロック線図である。
【図10】 図9図示のより具体的な構成を示すブロック線図である。
【図11】 ビーム形成回路の構成例を示す図である。
【図12】 偏波合成の具体的構成例を示す図である。
【符号の説明】
1 アレイアンテナ
2 LNB (Low Noise Block Converter)
3 共通ローカル発振器
4 LNB出力IF信号
5、6、7 ビーム形成回路
8、9 ビーム形成回路5の直交偏波出力
10 偏波合成回路
11 偏波制御信号
12 直線偏波(水平・垂直)出力IF信号
13 円偏波出力IF信号
21−1〜21−n:サブアレイアンテナ受信系
22−1〜22−n:IF帯分配系
23−1〜23−m:ビーム形成カードインターフェース(最大ビーム数がm)
24−1〜24−m:ビーム形成カード
25−1〜25−n:サブアレイアンテナ
26−1a/b〜26−na/b:LNB
27−1a/b〜27−na/b:IF信号伝送線
28−1a/b〜28−na/b:バイアスT
29−1a/b〜29−na/b:m分配器
30−1a−1〜30−1a−m:m分配器29−1aの出力1〜m
30−1b−1〜30−1b−m:m分配器29−1bの出力1〜m
30−na−1〜30−na−m:m分配器29−naの出力1〜m
30−nb−1〜30−nb−m:m分配器29−nbの出力1〜m
31−1a:m分配器29−1a〜29−naの出力1の集合(端子)
31−1b:m分配器29−1b〜29−nbの出力1の集合(端子)
31−ma:m分配器29−1a〜29−naの出力mの集合(端子)
31−mb:m分配器29−1b〜29−nbの出力mの集合(端子)
32−1a/b〜32−ma/b:ビーム形成回路
33−1a:ビーム形成回路32−1aの出力
33−1b:ビーム形成回路32−1bの出力
33−ma:ビーム形成回路32−maの出力
33−mb:ビーム形成回路32−mbの出力
34−1〜34−m:偏波合成回路
35−1a:偏波合成回路34−1の垂直偏波出力
35−1b:偏波合成回路34−1の水平偏波出力
35−ma:偏波合成回路35−mの垂直偏波出力
35−mb:偏波合成回路35−mの水平偏波出力
36:LNBの共通ローカル発振器
37:2n分配器
38−1〜38−2n:分配器17の出力
39−1〜39−2n:LNBの外部ローカル入力端子
41−1〜41−n:IF入力端子
42−1〜42−n:遅延線
43 n合成器
44 出力端子
51 H′偏波入力端子
52 V′偏波入力端子
53、54 同相2分配器
55、56 同相2分配器3の分配出力
57、58 同相2分配器4の分配出力
59、60、61、62 乗算器
63 ROMテーブル
64 ROMテーブルのcosθの数値対応信号
65 ROMテーブルのsinθの数値対応信号
66、67、68、69 乗算器59、60、61、62の各出力
70 同相加算器
71 逆相加算器
72 V(垂直)偏波出力
73 H(水平)偏波出力

Claims (4)

  1. 静止軌道上の複数の静止衛星からの12GHz帯衛星放送を受信可能な、平面アンテナによるアレイアンテナとして構成した複数衛星対応受信アンテナにおいて、
    前記平面アンテナによるアレイアンテナの前記静止軌道に沿った横方向の辺の幅が、静止軌道上6度間隔の放送衛星および4度間隔の通信衛星それぞれの隣接衛星に対する干渉を共に低くするため、各衛星に対応する地上における平面アンテナの6.6度および4.4度の角度での各方向のサイドローブ相対利得がほぼ同等となる指向性を実現する長さまたはその整数倍の長さとなるよう構成したことを特徴とする複数衛星対応受信アンテナ。
  2. 請求項1記載の受信アンテナにおいて、静止軌道上の前記複数の静止衛星からの衛星放送を受信可能とするため、前記アンテナのチルト角度が、アンテナの法線方向のチルト角中心を任意の経度に取った時、±20度の範囲の軌道にほぼ沿った1軸のビームチルトで実現されるよう構成したことを特徴とする複数衛星対応受信アンテナ。
  3. 請求項2記載の受信アンテナにおいて、アンテナの前記軌道に沿った辺の幅が37.1±0.5cmで、前記チルト角度が±20度の範囲であってもグレーティングローブが発生しないよう、前記アレイアンテナのサブアレイ間隔が0.745λに等しいかそれ以下であり、軌道方向が1素子で縦方向がn素子で構成されるサブアレイ毎に位相制御して前記アレイアンテナが構成され、ここでλは受信可能な12GHz帯衛星放送の最高周波数に対する波長であり、nは複数の正の整数であることを特徴とする複数衛星対応受信アンテナ。
  4. 請求項2記載の受信アンテナにおいて、前記サブアレイ間隔を0.745λ以上とした時、そのサブアレイの数を15とし、アンテナの縦方向の長さを、縦方向の指向性で−11.5dBの相対利得が得られる長さとしてアレイアンテナを構成したことを特徴とする複数衛星対応受信アンテナ。
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