JP3767535B2 - ボルト軸力計内蔵式ナットランナ - Google Patents

ボルト軸力計内蔵式ナットランナ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波の伝達時間を検出することによりボルトの軸力を算出・測定する超音波ボルト軸力計を内蔵したボルト軸力計内蔵式ナットランナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ボルトを締め付けると、その回転(締め付けトルク)の増加に伴って締付力が生じるが、このときボルトの軸部にはその反力としての軸力(引っ張り力)が発生する。従って、ボルトに発生した軸力を測定・評価することによってボルトの締付力を保証することができる。そこで従来から、ボルトの品質を保証するためにボルト軸力の測定を行っている。
【0003】
近年では、ボルトの軸力を測定する手段として「超音波ボルト軸力計」を使用することが注目されている。
【0004】
「超音波ボルト軸力計」とは、図4に示すように、超音波の発振及び受信を行う超音波センサ51をボルト52の頭部53の端面に密着させて、ボルト頭部53から超音波p1を発振(入射)すると共にボルト軸部54の先端部55で反射された超音波(エコー)p2を検出し、その検出結果に基づいてボルト52に発生した軸力を測定するものである。
【0005】
具体的には、ボルト52が締め付けられて軸力が発生するとボルト52の軸部54が伸びるため超音波p1,p2の伝達時間が長くなり、反射波p2が検出されるまでの時間が長くなる。この長くなった伝達時間(延長時間という)はボルト52に発生した軸力に比例するため、反射波検出の延長時間からボルト軸力を求めることができる。
【0006】
すなわち、ボルト52の締付前と締付後の超音波p1,p2の伝達時間を検出し、各伝達時間の時間差(これが延長時間である)を基に、ボルト軸部54の伸び長さが検出され、これによって、ボルト軸力が算出される。
【0007】
この超音波ボルト軸力計を用いて軸力測定を行うには、従来、図5に示すように、(a)ボルト52の締付前に超音波センサ51をボルト頭部53に接触させて、超音波伝達時間を計測した後に、(b)一旦、超音波センサ51をボルト頭部53から離反させて、ナットランナ56にてボルト52の締付を行った後に、(c)再度、超音波センサ51をボルト頭部53に接触させて、超音波伝達時間を計測して、その時間差よりボルト軸力を算出するようになっていた。
【0008】
しかしながら、上述の軸力測定では、超音波センサ51の着脱やナットランナ56の着脱工程が多いため、作業に手間がかかると共に、超音波センサ51の接触位置が変わり軸力測定誤差が発生してしまうことがあった。
【0009】
そこで、図6に示すような、ボルト52の締付を行うソケット61内に超音波ボルト軸力計の超音波センサ62が内蔵されたボルト軸力計内蔵式ナットランナ63が開発された。
【0010】
このボルト軸力計内蔵式ナットランナ63は、ソケット61を先端に備えたシャフト64内に、超音波センサ62から延びるケーブル65が挿通されるケーブル通路67が形成されている。
【0011】
ところで、シャフト64は、ボルト52の締付時に回転するので、ケーブル65は接触式のスリップリング68を介して超音波ボルト軸力計(図示せず)に接続されるようになっている。これによって、ケーブル65の捩れを防止するようになっていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のボルト軸力計内蔵式ナットランナ63では、スリップリング68を用いているため、スリップリング68によるノイズ、抵抗変化が発生し、超音波ボルト軸力計が誤作動するおそれがあるといった問題があった。
【0013】
また、接触式のスリップリング68は、耐用時間が短く、定期交換による費用・工数がかかり、ダウンタイムが多くなってしまう。さらに、超音波の発振には、比較的高電圧(100V以上)が必要であるため、耐電圧の高い高価なスリップリングが必要となり、コストアップを招いていた。
【0014】
そのため、スリップリング68を用いないために、超音波センサ62を回転させずにボルト軸力を計測することが考えられるが、これでは、超音波センサ62がボルト頭部53に対して摺動するので、超音波センサ62の先端が摩耗してしまうといった問題が生じてしまう。
【0015】
そこで、本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、その目的は、超音波センサが摩耗せず、低コストで作業手間がかからず、且つ精度の高い軸力測定を行うことができるボルト軸力計内蔵式ナットランナを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、ボルト頭部に係合するソケットと、このソケットに回転力を伝えるアウターシャフトと、このアウターシャフト内に軸方向に相対移動可能且つ周方向に相対回転可能に設けられたインナーシャフトと、このインナーシャフトの先端に上記ボルト頭部に対向して設けられた超音波センサと、この超音波センサを上記ボルト頭部に接触・離反させるべく上記インナーシャフトをアウターシャフトに対して軸方向に進退移動させる進退移動機構とを設けたものである。
【0017】
上記構成によれば、ソケットに回転力を伝えるアウターシャフトと、このアウターシャフト内に軸方向に相対移動可能且つ周方向に相対回転可能に設けられ、且つその先端に超音波センサが設けられたインナーシャフトと、この超音波センサを上記ボルト頭部に接触・離反させるべく上記インナーシャフトをアウターシャフトに対して軸方向に進退移動させる進退移動機構とを設けたことによって、ボルトの締付中は、超音波センサをボルト頭部から離反させることができる。これによって、超音波センサのケーブルが捩れて損傷することはないので、従来のようにスリップリングを設ける必要がなく、スリップリングに起因するボルト軸力計の誤作動、ダウンタイムの増加やコストアップが防止され、低コストで作業手間がかからず、且つ精度の高い軸力測定を行うことができる。また、超音波センサはボルト頭部と摺動することはないので摩耗しない。
【0018】
そして、上記アウターシャフトは、当該アウターシャフトの駆動機構に対してその軸方向に相対移動可能に連結され、上記アウターシャフトを上記ボルト頭部側に付勢する付勢手段が設けられたものが好ましい。
【0019】
また、上記超音波センサのボルト側端部に、当該超音波センサを上記ボルト頭部に磁着させるべく磁石を装着したものが好ましい。
【0020】
さらに、上記進退移動機構を作動させて上記インナーシャフトを進退移動させ上記超音波センサをボルト頭部に接触・離反させる制御装置であって、上記ボルトの目標軸力が予め入力されており、上記ボルトの締付前に上記超音波センサをボルト頭部に接触させて超音波伝達時間を測定した後に一旦上記超音波センサをボルト頭部から離反させた後、上記ボルトの締付中の締付角度が上記目標軸力より算出された上記ボルトの必要締付角度から上記超音波センサに接続されるケーブルの捩れ許容角度を引いた角度になったときに上記超音波センサをボルト頭部に接触させて超音波伝達時間を測定してボルト軸力を算出しながら上記ボルトの締付を行う制御装置をさらに備えたものが好ましい。
【0021】
また、上記制御装置が、上記超音波センサによって計測される超音波伝達時間が上記目標軸力に相当する時間となった時点で上記ボルトの締付を終了させるものが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】
図1は本発明に係るボルト軸力計内蔵式ナットランナの好適な実施の形態を示した断面図、図2は図1のII−II線断面図、図3は本発明に係るボルト軸力計内蔵式ナットランナの作動フローを示したチャート図である。
【0024】
まず、かかるボルト軸力計内蔵式ナットランナの構成を説明する。
【0025】
図1に示すように、上述のボルト軸力計内蔵式ナットランナ1は、ボルト2の頭部3に係合してボルト2を回転させるソケット4に回転駆動力を与えるナットランナ駆動機構5と、このナットランナ駆動機構5の回転軸6とオフセットして設けられ先端に上記ソケット4を有すると共に内部に超音波ボルト軸力計の超音波センサ7を内蔵したシャフト8と、ナットランナ駆動機構5の回転駆動力をシャフト8に伝達するオフセットギア機構9とを備えている。
【0026】
ナットランナ駆動機構5は、モータ、トルク検出器(図示せず)及び締付回転角度検出器10を備えており、所定のトルクでボルト2を設定した回転角度分を回転させるようになっている。
【0027】
オフセットギア機構9は、ナットランナ駆動機構5の回転軸6に連結された第一ギア11と、この第一ギア11と並列に配置されて、シャフト8に連結された第二ギア12とを有している。第一ギア11と第二ギア12とは共にオフセットギアケーシング14内に設けられた複数の軸受け15を介して軸支されている。第一ギア11と第二ギア12とは互いに歯合して、ナットランナ駆動機構5の回転力をシャフト8に伝達するようになっている。なお、本実施の形態では、オフセットギア機構9のギアは2つであるが、さらに多数のギアで接続するようにしてもよい。
【0028】
ところで、本実施の形態は、上述のシャフト8を、先端にソケット4を有するアウターシャフト16と、このアウターシャフト16と同軸上に相対移動及び相対回転可能に形成され且つ先端に超音波センサ7を内蔵するインナーシャフト17とからなる二重管構造とし、インナーシャフト17に、超音波センサ7をボルト頭部3に接触・離反させるべく当該インナーシャフト17をその軸方向に進退移動させる進退移動機構18を設けたことを特徴とする。
【0029】
アウターシャフト16及びインナーシャフト17は、オフセットギア機構9の第二ギア12に、図1中、上下方向に貫通して設けられている。
【0030】
アウターシャフト16は、図2に示すように、その外形が断面矩形状に形成され、内部に断面円形の穴19が形成されている。アウターシャフト16の外周部には、第二ギア12の内周面に連結するための連結部材21が設けられている。連結部材21は、その外周部が第二ギア12の内周面に固定されている。連結部材21の内部には、アウターシャフト16の外周部の矩形形状と略同等の矩形断面の穴22が形成されており、この穴22内にアウターシャフト16が挿通されている。これによって、アウターシャフト16は、連結部材21の矩形断面の穴22によってその回転が規制され第二ギア12の回転が伝達されると共に、アウターシャフト16の駆動機構の一部である第二ギア12にその軸方向に相対移動可能に連結されるようになっている。
【0031】
インナーシャフト17は、アウターシャフト16の内径よりも若干小さい外径を有した円筒状に形成されており、ボルト2側先端部23に超音波センサ7が固定されている。インナーシャフト17の内部には超音波センサ7に繋がるケーブル24が挿通されている。インナーシャフト17とアウターシャフト16との間には、オイレスメタル25等の固体潤滑剤が設けられている。これによって、インナーシャフト17は、アウターシャフト16に対して軸方向に相対移動可能で且つ相対回転可能となる。
【0032】
進退移動機構18は、インナーシャフト17の反ボルト側端部に設けられており、その軸方向に伸縮するエアシリンダ26にて構成されている。インナーシャフト17とエアシリンダ26との間には、ケーブル24を外部に案内するための案内部材27が設けられている。ケーブル24は後述する制御装置33に接続されている。案内部材27は、内部にケーブル24の通路28を備えた中空状の筒体29にて構成されており、その一端(図1中、下端)にインナーシャフト17の上端が接続され、他端(図1中、上端)にエアシリンダ26のロッド31が接続されている。エアシリンダ26のロッド31は、筒体29の他端に回転可能に支持されており、超音波伝達時間の計測時のインナーシャフト17の回転を許容している。
【0033】
案内部材27の下部には、案内部材27を回転させる回転機構48が設けられており、超音波伝達時間の計測時に回転した角度を逆方向に回転させることによって、計測後のケーブル24の捩れを解除するようになっている。この回転機構48は、案内部材27の下端と固定側となるケーシング49との間に架け渡された捩りバネによって構成されている。この捩りバネはケーブル24が捩れてないときに自然状態となるように配置されている。
【0034】
アウターシャフト16のオフセットギアケーシング14の上方に突出した部分には、アウターシャフト16のオフセットギア機構9からの離脱を防止するためのストッパ34が設けられている。ストッパ34は、アウターシャフト16の外形よりも大きい外径を有する2つの半円状の半リング部材35からなり、これら半リング部材35でアウターシャフト16を挟み込んでボルト36で固定するようになっている。この半リング部材35が、オフセットギアケーシング14の上面に当接することによって、アウターシャフト16の離脱を防止している。
【0035】
アウターシャフト16のオフセットギアケーシング14の下方に突出した部分には、当該アウターシャフト16をボルト頭部3側へ付勢する付勢手段37が設けられている。
【0036】
付勢手段37は、アウターシャフト16の先端部外周にソケット4を嵌合して取り付けることによって形成される段部38と、オフセットギアケーシング14の下面のアウターシャフト16の挿通端部39との間に圧縮状態で架け渡されたバネ部材41によって構成されている。
【0037】
この付勢手段37によれば、ボルト2の締付によって、ボルト穴(図示せず)に貫入していくボルト2の動きに、アウターシャフト16が追従していくことができる。
【0038】
インナーシャフト17の先端に取り付けられた超音波センサ7の先端外周には、当該超音波センサ7をボルト頭部3に磁着させるための永久磁石43が装着されている。永久磁石43はリング状に形成され、超音波センサ7の先端外周に面一で取り付けられている。なお、永久磁石43は、電磁石であってもよい。
【0039】
インナーシャフト17の先端と超音波センサ7との間には、筒状の連結部材44が設けられている。ソケット4の内側には、連結部材44の外周面に当接することによって、超音波センサ7のボルト頭部3への接触位置を決定するリング状のガイド部材45が形成されている。このガイド部材45の上端は、ボルト2側に向かうにつれて縮径するテーパ部46が形成されており、超音波センサ7の位置決めをスムーズに行うようになっている。
【0040】
進退移動機構18には、その進退移動機構18を構成するエアシリンダ26を伸縮作動させてインナーシャフト17を軸方向に進退移動させ、超音波センサ7をボルト頭部3に接触・離反させる制御装置33が接続されている。
【0041】
制御装置33には、ボルト軸力計(図示せず)と超音波センサ7に繋がるケーブル24とナットランナ駆動機構5の締付回転角度検出器10とエアシリンダ26とが接続されている。制御装置33には、ボルト2の目標軸力が予め入力されている。
【0042】
制御装置33は、ボルト2の締付前に超音波センサ7をボルト頭部3に接触させて超音波伝達時間を測定した後に一旦超音波センサ7をボルト頭部3から離反させる。その後、ナットランナ駆動機構5から送信されるボルト2の締付中の締付回転角度が目標軸力より算出されたボルト2の必要締付角度から超音波センサ7に接続されるケーブル24の捩れ許容角度(例えば180°)を引いた角度になったとき(これを締付末期という)に、超音波センサ7をボルト頭部3に接触させて超音波伝達時間を測定して、ボルト軸力を算出しながらながらボルト2の締付を行うようにエアシリンダ26を作動させる。
【0043】
詳しくは、上記締付末期になったときに、縮退しているエアシリンダ26を伸長させて、超音波センサ7をボルト頭部3に接触させて、ボルト2内の超音波伝達時間を測定しながら、締付を行い、その超音波伝達時間と締付前に計測した超音波伝達時間との差から算出されるボルト軸力が目標軸力に到達した時点でボルト2の締付を終了させるようになっている。
【0044】
次に、上記構成のボルト軸力計内蔵式ナットランナ1によるボルト2の締付工程を説明しながら、その作用を説明する。
【0045】
図3のチャート図に示すように、まず、制御装置33によって、進退移動機構18であるエアシリンダ26を伸長させて超音波センサ7をボルト頭部3に接触させて(step1)、締付前のボルト2の超音波伝達時間を計測する(step2)。その測定が終了したらエアシリンダ26を縮退させて超音波センサ7をボルト頭部3から離反させる(step3)。
【0046】
このとき、シャフト8を二重管構造としたことによって、インナーシャフト17が、アウターシャフト16に対して軸方向で反ボルト側へ相対移動して、超音波センサ7がボルト頭部3から離反することができる。
【0047】
その後、ナットランナ駆動機構5を作動させて、ボルト2の締付を開始する(step4)。このとき、アウターシャフト16は、ナットランナ駆動機構5からの回転力によって回転するが、インナーシャフト17はアウターシャフト16に対して相対回転可能となっているので、超音波センサ7に繋がるケーブル24が捩れることはない。
【0048】
制御装置33で、ナットランナ駆動機構5の締付回転角度を検出しながら締付を行う。このとき、ボルト2の締付によって、ボルト2がボルト穴(図示せず)に貫入していくが、付勢手段37によって、アウターシャフト16がボルト2側に押されるので、そのボルト2の動きに合わせてアウターシャフト16が下方へと追従していくことができる。
【0049】
ボルト2の締付時には、その締付回転角度が、目標軸力より算出されたボルト2の必要締付角度から超音波センサ7に接続されるケーブル24の捩れ許容角度(例えば180°)を引いた角度(これを所定角度という)になったかどうかを監視しておく(step5)。
【0050】
そして、締付回転角度が、所定角度になったならば、エアシリンダ26を伸長させて超音波センサ7をボルト頭部3に接触させる(step6)。
【0051】
このとき、超音波センサ7は、連結部材44の外周面がガイド部材45のテーパ部46によって案内され、その軸方向位置を正確に決定することができる。これによって、締付前の超音波伝達時間測定時の超音波センサ7の接触位置と同一位置に超音波センサ7を接触させることができ、接触位置のバラツキによる測定誤差を排除できる。また、超音波センサ7のボルト側端部には、永久磁石43が設けられているので、超音波センサ7をボルト頭部3に確実に密着させることができる。
【0052】
超音波センサ7にて超音波を発振・受信して超音波伝達時間を計測しながら、ボルト2の締付を行う。このとき、その超音波伝達時間と締付前に計測した超音波伝達時間との差から算出される軸力が、目標軸力に到達したかどうかを制御装置33で監視する(step7)。そして、算出される軸力が目標軸力に到達した時点でボルト2の締付を終了させる(step8)。
【0053】
案内部材27の下部に設けられた回転機構48で、超音波伝達時間の計測時に回転した角度分、案内部材27及びインナーシャフト17を逆方向に回転させることによって、計測後のケーブル24の捩れを解除するようになっている。
【0054】
以上の作動によれば、超音波センサ7をボルト頭部3に接触させて、ボルト2の軸力を算出しながら、そのボルト軸力をフィードバックさせながらボルト2の締付を行うことができるので、ボルト締付の全数チェックが可能となる。これによって、ボルト2の軸力が確実に目標軸力になるように締付を行うことができ、軸力値のバラツキを小さく抑制でき、信頼性及び製品の品質を向上させることができる。
【0055】
これによって、締付後にボルト軸力が不足しているといったケースが起こらないので、締付のやり直しを行う必要がなく、その分の余分な作業手間を省くことができる。
【0056】
また、超音波センサ7に繋がるケーブル24は、締付末期に超音波センサ7がアウターシャフト16と共に回転するため、若干捩れることとなるが、その捩れは許容範囲内となるように設定されているので、ケーブル24が損傷することはない。
【0057】
さらに、従来のようにスリップリングを設ける必要がなく、スリップリングに起因するノイズや抵抗変化等の悪影響を排除できるので、ボルト軸力計の誤作動やダウンタイムの増加が防止され、精度の高い軸力測定を行うことができる。これと共に、スリップリングのような摩耗による定期交換が必要な部品を削減できるので、メンテナンスコストの低減も図れる。
【0058】
また、超音波センサ7はボルト頭部3と接触している間は、磁着しておりボルト頭部3と共に回転するので、超音波センサ7の先端とボルト頭部3が摺動することはなく、超音波センサ7先端の摩耗を防止できる。
【0059】
さらに、本発明によれば、ナットランナ装置と軸力測定器とを一体化したことによって、装置の省スペース化及び低コスト化が達成できると共に、制御装置33によって、軸力測定の自動化を図ることができる。
【0060】
また、万一、ボルト頭部3と超音波センサ7との間に、異物が入り込んだ場合でも、超音波センサ7の進退移動を繰り返し行うことによって、異物を取り除くこともできる。なお、この場合、インナーシャフト17内にブロアを設けてエアブローするようにしてもよい。
【0061】
なお、本実施の形態においては、ボルト2の締付中の締付角度が目標軸力より算出されたボルト2の必要締付角度から超音波センサ7に接続されるケーブル24の捩れ許容角度を引いた角度になったときに、超音波センサ7をボルト頭部3に接触させて超音波伝達時間を測定しながらボルト2の締付を行うようにしているが、ボルト2の締付が終了した後に、超音波センサ7をボルト頭部3に接触させて、超音波伝達時間を計測して、ボルト軸力を算出するようにしてもよい。
【0062】
これによれば、ボルト2の軸力を監視しながら締付の終了期を決定することはできないが、超音波センサ7の先端の摩耗を防止したりケーブル24の捩れを防止できるといった作用効果を得ることはできる。
【0063】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、超音波センサが摩耗せず、低コストで作業手間がかからず、且つ精度の高い軸力測定を行うことができるといった優れた効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボルト軸力計内蔵式ナットランナの好適な実施の形態を示した断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明に係るボルト軸力計内蔵式ナットランナの作動フローを示したチャート図である。
【図4】ボルト軸力計での締付前のボルトの測定状態を示した概略図である。
【図5】従来のボルト締付及び軸力測定の工程を示した概略図である。
【図6】従来のスリップリング式のボルト軸力計内蔵式ナットランナを示した概略構成図である。
【符号の説明】
1 ボルト軸力計内蔵式ナットランナ
2 ボルト
3 ボルト頭部
4 ソケット
7 超音波センサ
16 アウターシャフト
17 インナーシャフト
18 進退移動機構
24 ケーブル
37 付勢手段
43 (永久)磁石

Claims (5)

  1. ボルト頭部に係合するソケットと、このソケットに回転力を伝えるアウターシャフトと、このアウターシャフト内に軸方向に相対移動可能且つ周方向に相対回転可能に設けられたインナーシャフトと、このインナーシャフトの先端に上記ボルト頭部に対向して設けられた超音波センサと、この超音波センサを上記ボルト頭部に接触・離反させるべく上記インナーシャフトをアウターシャフトに対して軸方向に進退移動させる進退移動機構とを設けたことを特徴とするボルト軸力計内蔵式ナットランナ。
  2. 上記アウターシャフトは、当該アウターシャフトの駆動機構に対してその軸方向に相対移動可能に連結され、上記アウターシャフトを上記ボルト頭部側に付勢する付勢手段が設けられた請求項1記載のボルト軸力計内蔵式ナットランナ。
  3. 上記超音波センサのボルト側端部に、当該超音波センサを上記ボルト頭部に磁着させるべく磁石を装着した請求項1または2いずれかに記載のボルト軸力計内蔵式ナットランナ。
  4. 上記進退移動機構を作動させて上記インナーシャフトを進退移動させ上記超音波センサをボルト頭部に接触・離反させる制御装置であって、上記ボルトの目標軸力が予め入力されており、上記ボルトの締付前に上記超音波センサをボルト頭部に接触させて超音波伝達時間を測定した後に一旦上記超音波センサをボルト頭部から離反させた後、上記ボルトの締付中の締付角度が上記目標軸力より算出された上記ボルトの必要締付角度から上記超音波センサに接続されるケーブルの捩れ許容角度を引いた角度になったときに上記超音波センサをボルト頭部に接触させて超音波伝達時間を測定してボルト軸力を算出しながら上記ボルトの締付を行う制御装置をさらに備えた請求項1から3いずれかに記載のボルト軸力計内蔵式ナットランナ。
  5. 上記制御装置が、上記超音波センサによって計測される超音波伝達時間から算出されるボルト軸力が上記目標軸力となった時点で上記ボルトの締付を終了させる請求項4記載のボルト軸力計内蔵式ナットランナ。
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