JP3758474B2 - Musical sound synthesizer, musical sound synthesis method and recording medium - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器、アミューズメント機器(カラオケ、ゲーム機器等)、およびパーソナルコンピュータ等におけるアプリケーションプログラムに用いて好適な楽音合成装置、楽音合成方法および記録媒体に関し、特にバイオリン、ビオラ等の擦弦楽器のシミュレーションに用いて好適な楽音合成装置、楽音合成方法および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
弦楽器にはバイオリン、ビオラ等の擦弦楽器、ピアノ等の打弦楽器、ギター等の撥弦楽器等の種類がある。そのうち擦弦楽器音を自動的に合成するために、弦および弓の挙動をシミュレートする物理モデル音源が知られている(特許公報2719655号、特公平7−21715号等)。これらの物理モデル音源においては、弦の挙動をシミュレートする閉ループ回路と、この弦を弓で擦弦する動作をシミュレートするために該閉ループ回路に対して励振信号を供給する励振部とが設けられている。
【0003】
実在の弦楽器の弦振動をより精密にシミュレートするには、弦振動を例えばブリッジの突出方向に沿った縦振動成分と、これに直行する横振動成分とに分けて、各々考慮すべきである。縦振動においてブリッジを押圧する方向(以下、下方向という)に弦が加勢される(擦弦楽器の場合は、弓の圧力も弦を介したブリッジ押圧力として作用する)と、弦は実質的に堅くなる。換言すれば、弦の張力が増し、実効的な遅延長が短くなる。逆に、ブリッジから離れる方向(以下、上方向という)に弦が加勢されると、ブリッジによる束縛が小さくなるから、実効的な遅延長が長くなる。
【0004】
そこで、ピアノ等の打弦楽器のシミュレーションにおいて弦振動の方向に応じて実効遅延長を制御する技術が提案されている(特許第2643717号)。また、上述した縦振動および横振動に対応する2個の閉ループ回路を設け、これらの振動による挙動を忠実にシミュレートする電子楽器も提案されている(特開平6−83363)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来技術においても縦振動による挙動をシミュレートする点は開示されているが、何れもピアノ等の打弦楽器において弦が自由振動している状態を想定したものであった。一方、擦弦楽器の演奏態様においては、弦が自由振動している期間は比較的短く、大部分は弦と弓とが接触している状態にある。従って、縦振動と弓の動きとの相互作用を加味しなければ、擦弦楽器の挙動を正確にシミュレートすることができず、擦弦楽器の微妙なニュアンスを再現することは困難である。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で擦弦楽器等の精密なモデリングを行うことができる楽音合成装置、楽音合成方法および記録媒体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の楽音合成装置は、波形信号を遅延させつつ循環させる循環手段と、演奏操作情報に基づいて励振信号を生成し前記循環手段に供給する励振手段と、前記波形信号を用いて楽音信号を生成する楽音信号生成手段と、前記波形信号の極性と前記演奏操作情報の極性とに基づいて前記循環手段における遅延量を設定する遅延量設定手段とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の楽音合成装置において、前記循環手段は、前記波形信号の極性と前記演奏操作情報の極性とに基づいて前記波形信号を遅延させるためのフィルタ特性を決定するフィルタ手段を有することを特徴とする。
また、請求項3記載の楽音合成方法は、循環手段内において波形信号を遅延させつつ循環させる過程と、演奏操作情報に基づいて励振信号を生成し前記循環手段に供給する過程と、前記波形信号を用いて楽音信号を生成する過程と、前記波形信号の極性と前記演奏操作情報の極性とに基づいて前記循環手段における遅延量を設定する過程とを有することを特徴とする。
また、請求項4記載の記録媒体は、請求項3記載の方法を実行するプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
1.実施形態の構成
1.1.演奏操作情報発生部100
次に、本発明の一実施形態の構成を図を参照しつつ説明する。
図1において100は演奏操作情報発生部であり、擦弦楽器および弓をあしらった形態を有し、ユーザの操作に応じて演奏操作情報を出力する。かかる演奏操作情報には、弓圧Pb、弓速度Vb、音色TC、および音高PITCHが含まれる。なお、このような演奏操作子は、例えば特開平5−006169号公報、あるいは特開平10−078778号公報等に開示されている。弓速度Vbは、弓を所定方向に動かすと正値になり、逆方向に動かすと負値になる。
【0008】
1.2.楽器モデル部300
1.2.1.線形部320
次に、300は楽器モデル部であり、図3に示すように励振部310と線形部320とから構成されている。線形部320においては、遅延回路12,13,15,16、終端フィルタ11,14、ブリッジフィルタ22、および加算器17,19によって擦弦楽器の弦の挙動をシミュレートする閉ループ回路が形成されている。閉ループ回路内には弦速度を示す速度信号が伝搬される。
【0009】
実際の擦弦楽器においては、弓と弦との接触点において振動が生じると、弦の支持点(2点)に向かって進行波が発生する。遅延回路13,16は、この進行波が両支持点に達するまでの遅延時間に対応する遅延時間を各々有している。また、該擦弦楽器においては、弦の両支持点に達した進行波は、極性が反転されつつ反射され、弓と弦との接触点に向かって伝搬する。遅延回路12,15は、この両反射波が弓と弦との接触点に到達するまでの遅延時間に対応する遅延時間を各々有している。
【0010】
また、擦弦楽器における進行波および反射波は弦内で伝搬され支持点で反射される過程で減衰される。終端フィルタ11,14は、上述したように進行波の極性を反転させるとともに、弦内および支持点における減衰およびその周波数特性をシミュレートするような通過特性を有している。ブリッジフィルタ22は、縦振動の振動方向に応じて、進行波に対して異なるフィルタリング特性を施す。なお、その詳細については後述する。
【0011】
加算器18は、遅延回路12,15から出力される速度信号を加算し、これによって弦の両端からの反射波を合成した弦の速度信号RETURNを出力する。また、励振部310から出力される励振信号DRIVE(詳細は後述する)は、加算器17,19に印加される。これにより、弓から弦に印加される速度がシミュレートされる。23はミキサーであり、混合比制御信号MIXERVLに基づいて加算器17の出力信号、遅延回路15の出力信号および励振信号DRIVEをミキシングし、その結果を楽音信号VTONEOUTとして出力する。
【0012】
1.2.2.励振部310
次に、励振部310の内部において312は減算器であり、加算器18から出力される速度信号RETURNから弓速度Vbを減算し、弓と弦との相対速度RVを出力する。311は非線形変換部であり、相対速度RV、弓圧Pb、その他パラメータに基づいて、線形部320に付与すべき励振信号DRIVEを出力する。すなわち、現実の擦弦楽器においては、弓と弦との相対速度と、弓圧Pbとによって弓に加わる力が決定される。そして、これらの関係は非線形である。非線形変換部311はかかる弦の挙動をシミュレートするものである。
【0013】
1.3.制御部200
次に、200は制御部であり、演奏操作情報発生部100から演奏操作情報が供給されると、これに応じて線形部320の各種パラメータを設定する。すなわち、制御部200は、音高PITCHに基づいて遅延回路12,13,15,16における遅延時間DL1,DL2,DR1,DR2を設定し、音色TCに基づいて終端フィルタ11,14におけるフィルタ特性TFL、ブリッジフィルタ22における各種定数、および遅延時間DL1,DL2,DR1,DR2の配分比を設定する。
【0014】
1.4.ブリッジフィルタ22
次に、図4を参照し線形部320に設けられたブリッジフィルタ22の詳細を説明する。図において34は加算器、35,36はDフリップフロップ、37は乗算器、38は減算器であり、これらによって可変遅延回路43(オールパス型のデジタルフィルタ)が構成されている。可変遅延回路43は、遅延回路13から出力された波形信号を、係数COEFに応じた時間だけ遅延させる。
【0015】
31はセレクタであり、弓速度Vbが正値である場合は「0.5」、負値である場合は「−0.5」の値を出力する。32は乗算器であり、セレクタ31の出力信号と、信号BRDGとの乗算結果を出力する。ここで、信号BRDGは、可変遅延回路43を構成する加算器34の出力信号であり、遅延回路13から出力された波形信号の高域成分をカットしたものになる。
【0016】
次に、33はセレクタであり、乗算器32の出力信号が正値であれば上記係数COEFを「APUP」に設定する一方、負値であれば係数COEFを「APDOWN」に設定する。ここで、係数COEFに応じて設定される可変遅延回路43の遅延時間をDELAY[COEF]とすると、DELAY[APDOWN]≦DELAY[APUP]になるように設定される。
【0017】
従って、係数COEFは、信号BRDGと弓速度Vbの正負の極性に応じて選択されることになる。すなわち、信号BRDGと弓速度Vbの極性が等しい場合は乗算器32における乗算結果が正値になるから係数COEFとしてAPUPが選択され、極性が異なる場合には該乗算結果が負値になるから係数COEFとしてAPDOWNが選択される。上述したように、信号BRDGは遅延回路13から出力された波形信号の高域成分をカットしたものに等しいから、結局、波形信号の低周波成分と弓速度Vbの極性が一致する場合は係数COEFとしてAPUPが選択され、一致しない場合はAPDOWNが選択されることになる。
【0018】
39は乗算器であり、可変遅延回路43を介して遅延された波形信号に係数BFMIXを乗算する。40は乗算器であり、遅延される前の波形信号に係数「1-BFMIX」を乗算する。41は加算器であり、乗算器39,40の出力信号を加算する。42は乗算器であり、加算器41から出力された波形信号に「−1」を乗算する。
【0019】
1.5.共鳴効果付与部400
次に、400は共鳴効果付与部であり、楽器モデル部300から楽音信号VTONEOUTを受信するとともに、弓速度Vb、弓圧Pbおよび音高Pitchを制御部200から受信し、楽音信号VTONEOUTに共鳴効果を付与する。
【0020】
共鳴効果付与部400の詳細を図2に示す。図において402は乗算器であり、楽音信号VTONEOUTに音量制御係数を乗算して出力する。401は音量制御係数供給部であり、弓速度Vb、弓圧Pbおよび音高Pitchに基づいて該音量制御係数を算出する。403は共鳴信号発生部であり、擦弦楽器の共鳴部をシミュレートし、乗算器402の出力信号に共鳴効果を付与する。
【0021】
次に、404は出力ミキサーであり、共鳴信号発生部403から供給された共鳴信号と、共鳴効果が付与される前の楽音信号VTONEOUTとを混合し、その結果を最終的な楽音信号TONEOUTとして出力する。この楽音信号TONEOUTは、図示せぬサウンドシステム等を介して発音される。
【0022】
2.実施形態の動作
2.1.全般動作
次に、本実施形態の動作を説明する。
ユーザが演奏操作情報発生部100を操作すると、音色TCおよび音高PITCHが制御部200に供給されるとともに、弓圧Pbが非線形変換部311に供給され、弓速度Vbが減算器312に供給される。そして、音色TCおよび音高PITCHに基づいて、線形部320内における遅延時間DL1,DL2,DR1,DR2およびフィルタ特性TFL,TFRが決定される。
【0023】
また、減算器312に対して弓速度Vbが供給されると、速度信号RETURNからこの弓速度Vbを減算した結果が相対速度RVとして非線形変換部311に供給される。ここで、初期状態においては速度信号RETURNは「0」であるから、弓速度Vbの反転信号がそのまま非線形変換部311に供給されることになる。
【0024】
非線形変換部311においては、弓圧Pbおよび相対速度RV等に基づいて、弓に加わる力に対応する励振信号DRIVEが出力される。初期状態においては、閉ループ回路内の遅延回路12,15から出力される速度信号は「0」である。このため、上記励振信号DRIVEがそのまま進行波を成す速度信号として遅延回路13,16に供給されることになる。これら速度信号は、遅延回路13,16を介して遅延され、終端フィルタ11,14およびブリッジフィルタ22を介してフィルタリング処理が施された後、遅延回路12,15を介して、反射波を成す速度信号として加算器17,19に供給される。
【0025】
また、これら速度信号は加算器18において合成された後、速度信号RETURNとして減算器312に帰還される。従って、該速度信号RETURNから帰還された時点における弓速度Vbが減算され、この結果が新たな相対速度RVとして非線形変換部311に供給され、この相対速度RVに基づく励振信号DRIVEが加算器17,19を介して再び閉ループ回路に供給される。
【0026】
弓速度Vb等のパラメータが一定である状態で以上の処理が繰返されると、やがて閉ループ回路内の各速度信号、速度信号RETURNおよび励振信号DRIVEは、一定の安定したピッチを有する定在波になる。そして、閉ループ回路内の速度信号がミキサー23、共鳴効果付与部400を介してサウンドシステムに供給されると、このピッチを有する楽音が発音されることになる。
【0027】
2.2.ブリッジフィルタ22における動作
ブリッジフィルタ22においては、信号BRDGの一方の極性に対して比較的短い遅延時間DELAY[APDOWN]が、また他方の極性に対して比較的長い遅延時間DELAY[APUP]が可変遅延回路43に付与される。従って、線形部320内で伝搬される波形信号は、極性毎の遅延時間の差異に基づく歪みが付与されることになる。
【0028】
上述したように、実在の弦楽器の縦振動においては下方向に弦が加勢されると、弦は堅くなり、実効的な遅延長が短くなる。逆に、上方向に弦が加勢されると、実効的な遅延長が長くなる。本実施形態のブリッジフィルタ22によって波形信号に付与される歪みは、このような実在の弦楽器において発生する歪みに対応するため、より自然楽器に近い忠実な楽音生成を行うことが可能になる。
【0029】
さらに、本実施形態においては、セレクタ31および乗算器32によって、弓速度Vbの極性に応じてセレクタ33の選択状態が切り換えられる。ここでその理由について説明しておく。実在の弦楽器の縦振動による挙動をシミュレートするためには、理論的には信号BRDGのみに基づいて係数COEFを切り換えれば充分である。しかし、演奏操作情報発生部100において弓の返しがなされると、弓と弦との相対的な速度(運動)方向が逆転する。その場合に不連続なノイズあるいは無用な音色変化が発生することを防止するために、係数COEFの選択に際して弓速度Vbの極性も加味したものである。
【0030】
3.実施形態の効果
以上のように、本実施形態によれば、線形部320内の波形信号の極性および弓速度Vbの極性に応じて可変遅延回路43における遅延時間DELAYを切り換えるため、実在の弦楽器の縦振動の挙動がシミュレートされ、簡単な構成で擦弦楽器の精密なモデリングを行うことができる。
【0031】
4.変形例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記実施形態においては、終端フィルタ11,14によって弦の周波数特性をシミュレートしたが、遅延回路12,13,15,16を分布定数回路(弦の立体性、即ち弦の太さや断面形状等を考慮した遅延ネットワーク)としたり、各遅延をFIRフィルタ構造にすることなどによって構成し、弦の遅延と周波数特性とをシミュレートすることにより、一層正確なシミュレーションを行ってもよい。
【0032】
(2)上記実施形態においては、遅延回路、演算回路等の要素をハードウエアで構成したが、これら要素の一部または全部をソフトウエアで実現してもよい。また、ハードウエアブロック図で示された全ての構成をプログラムによって実現すれば、汎用パーソナルコンピュータ等によって本発明を実現できることは勿論である。かかる場合、本発明は、各要素の動作を記述したプログラムを記憶した記録媒体としても実現できる。
【0033】
(3)上記実施形態においては、擦弦楽器の挙動をシミュレートするために遅延時間DELAYについて「DELAY[APDOWN]≦DELAY[APUP]」なる関係を付与したが、特殊な音色変化効果を発揮させるにはかかる大小関係を保持する必要はない。
【0034】
(4)図4の構成においては、弓速度Vbに基づくセレクタ31の選択結果と信号BRDGの乗算を行ってセレクタ33の選択状態を決定した。しかし、デジタルデータである弓速度Vbおよび信号BRDGの最上位ビット(正の場合は“0”、負の場合は“1”になる)の排他的論理和に基づいてセレクタ33の選択状態を決定してもよい。
【0035】
(5)図4の構成においては係数COEFは瞬時に切り換えられるが、切換時のノイズを削減するために、補間処理等を行って係数COEFを徐々に変化させてもよい。
【0036】
(6)上記実施形態において、APUPおよびAPDOWNを音高Pitchまたは弓圧Pbに基づいて決定するようにしてもよい。また、可変遅延回路43の寄与度を決定する係数BFMIXも音高Pitchまたは弓圧Pbに基づいて決定するようにしてもよい。
【0037】
(7)上記実施形態においては、弓速度Vbの極性が変化すると、直ちにセレクタ31の選択状態が切り替わり、セレクタ33の選択状態が切り替わる。しかし、実在の擦弦楽器においては、弓の返しによる弦の挙動変化は、ある程度の時間をかけて擦弦点からブリッジまで伝搬した後に楽音に反映される。この伝搬時間は、図3においては遅延時間DR1に対応する。従って、セレクタ31の選択入力端に遅延時間DR1を有する遅延回路を介挿し、この遅延回路を介してセレクタ31に弓速度Vbを供給するようにしてもよい。
【0038】
(8)上記実施形態例では、擦弦楽器の弦振動シミュレーション(物理モデル)を主題としたが、弦の振動で楽音を発生するという点では共通する撥弦楽器や打弦楽器等の弦振動シミュレーションにおいても適用可能である。例えば、撥弦楽器シミュレーションの場合は、本願実施例における擦弦楽器の弓速度Vbや弓圧Pbを、撥弦する指やピックの移動速度や加える力などと置き換えて考えればよい。また、打弦楽器、例えばピアノのシミュレーションならば、VbやPbを打弦ハンマーの速度やその作用力と置き換えて考えればよい。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、波形信号と演奏操作情報との関係に基づいて循環手段における遅延量を設定することができるから、例えば擦弦楽器における弦の縦振動と弓の動きとの相互作用をシミュレートすることができ、簡単な構成で擦弦楽器等の精密なモデリングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 共鳴効果付与部400のブロック図である。
【図3】 楽器モデル部300のブロック図である。
【図4】 ブリッジフィルタ22のブロック図である。
【符号の説明】
11,14 終端フィルタ(循環手段)
12,13,15,16 遅延回路(循環手段)
17,19 加算器(循環手段)
22 ブリッジフィルタ
23 ミキサー(楽音信号生成手段)
31,33 セレクタ(遅延量設定手段)
32 乗算器(遅延量設定手段)
43 可変遅延回路(遅延量設定手段)
310 励振部(励振手段)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a musical sound synthesizer, a musical sound synthesis method, and a recording medium suitable for use in application programs in electronic musical instruments, amusement devices (karaoke, game devices, etc.), personal computers, and the like, and in particular, stringed musical instruments such as violins and violas. The present invention relates to a musical tone synthesizer suitable for use in simulation, a musical tone synthesis method, and a recording medium.
[0002]
[Prior art]
There are various types of stringed instruments such as stringed instruments such as violins and violas, percussion instruments such as pianos, and plucked instruments such as guitars. Among them, a physical model sound source that simulates the behavior of strings and bows in order to automatically synthesize a stringed instrument sound is known (Japanese Patent Publication No. 2719655, Japanese Patent Publication No. 7-21715, etc.). In these physical model sound sources, a closed loop circuit that simulates the behavior of a string and an excitation unit that supplies an excitation signal to the closed loop circuit to simulate the operation of rubbing the string with a bow are provided. It has been.
[0003]
In order to simulate the string vibration of an actual stringed instrument more precisely, the string vibration should be divided into, for example, a longitudinal vibration component along the protruding direction of the bridge and a transverse vibration component perpendicular to this. . When the string is energized in the direction of pressing the bridge in the longitudinal vibration (hereinafter referred to as the downward direction) (in the case of a bowed instrument, the bow pressure also acts as a bridge pressing force through the string), the string is substantially Become stiff. In other words, the string tension increases and the effective delay length decreases. On the contrary, when a string is energized in a direction away from the bridge (hereinafter referred to as an upward direction), since the restriction by the bridge is reduced, the effective delay length is increased.
[0004]
Thus, a technique for controlling the effective delay length in accordance with the direction of string vibration in simulation of a stringed musical instrument such as a piano has been proposed (Japanese Patent No. 2643717). There has also been proposed an electronic musical instrument that is provided with two closed-loop circuits corresponding to the above-described longitudinal vibration and lateral vibration and faithfully simulates the behavior caused by these vibrations (Japanese Patent Laid-Open No. 6-83363).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in the prior art, the point of simulating the behavior due to the longitudinal vibration is disclosed, but all of them assume a state in which the string freely vibrates in a stringed musical instrument such as a piano. On the other hand, in the performance mode of a bowed instrument, the period during which the string freely vibrates is relatively short, and most of the strings are in contact with the bow. Therefore, unless the interaction between the longitudinal vibration and the bow motion is taken into consideration, the behavior of the bowed instrument cannot be accurately simulated, and it is difficult to reproduce the delicate nuances of the bowed instrument.
The present invention has been made in view of the above-described circumstances, and an object thereof is to provide a musical tone synthesis apparatus, a musical tone synthesis method, and a recording medium that can perform precise modeling of a bowed instrument or the like with a simple configuration.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the musical tone synthesizer according to
Et al is, in the configuration of claim 2, wherein, in the musical tone synthesizing apparatus according to
According to a third aspect of the present invention , there is provided a musical sound synthesizing method in which a waveform signal is circulated while being delayed in the circulation means, an excitation signal is generated based on performance operation information and supplied to the circulation means, and the waveform signal And a step of setting a delay amount in the circulating means based on the polarity of the waveform signal and the polarity of the performance operation information.
A recording medium according to claim 4 stores a program for executing the method according to claim 3 .
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1. Configuration of Embodiment 1.1. Performance
Next, the configuration of an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
In FIG. 1,
[0008]
1.2. Musical
1.2.1.
Next,
[0009]
In an actual bowed instrument, when vibration occurs at the contact point between the bow and the string, a traveling wave is generated toward the support points (two points) of the string. Each of the
[0010]
Further, the traveling wave and the reflected wave in the bowed instrument are attenuated in the process of propagating in the string and being reflected at the support point. The end filters 11 and 14 invert the polarity of the traveling wave as described above, and have pass characteristics that simulate attenuation in the strings and at the support points and their frequency characteristics. The
[0011]
The
[0012]
1.2.2.
Next, 312 is a subtracter inside the
[0013]
1.3.
Next,
[0014]
1.4.
Next, the details of the
[0015]
[0016]
Next, 33 is a selector, which sets the coefficient COEF to “APUP” if the output signal of the
[0017]
Therefore, the coefficient COEF is selected according to the positive and negative polarities of the signal BRDG and the bow speed Vb. That is, when the polarity of the signal BRDG and the bow speed Vb are equal, the multiplication result in the
[0018]
A
[0019]
1.5. Resonance
Next,
[0020]
Details of the resonance
[0021]
Next, 404 is an output mixer, which mixes the resonance signal supplied from the
[0022]
2. Operation of Embodiment 2.1. General Operation Next, the operation of this embodiment will be described.
When the user operates the performance operation
[0023]
When the bow speed Vb is supplied to the
[0024]
In the
[0025]
These speed signals are combined in the
[0026]
When the above processing is repeated with the parameters such as the bow speed Vb being constant, each speed signal, speed signal RETURN and excitation signal DRIVE in the closed loop circuit will eventually become standing waves having a constant and stable pitch. . When the speed signal in the closed loop circuit is supplied to the sound system via the
[0027]
2.2. Operation in the
[0028]
As described above, in the longitudinal vibration of an actual stringed instrument, when the string is energized downward, the string becomes stiff and the effective delay length is shortened. Conversely, when the string is energized upward, the effective delay length increases. Since the distortion imparted to the waveform signal by the
[0029]
Further, in the present embodiment, the
[0030]
3. As described above, according to the present embodiment, the delay time DELAY in the
[0031]
4). Modifications The present invention is not limited to the above embodiment, and various modifications are possible as follows, for example.
(1) In the above embodiment, the frequency characteristics of the strings are simulated by the end filters 11, 14, but the
[0032]
(2) In the above embodiment, the elements such as the delay circuit and the arithmetic circuit are configured by hardware. However, some or all of these elements may be realized by software. Of course, if all the configurations shown in the hardware block diagram are realized by a program, the present invention can be realized by a general-purpose personal computer or the like. In such a case, the present invention can also be realized as a recording medium storing a program describing the operation of each element.
[0033]
(3) In the above embodiment, in order to simulate the behavior of a bowed instrument, the delay time DELAY is given the relationship “DELAY [APDOWN] ≦ DELAY [APUP]”. There is no need to maintain such a magnitude relationship.
[0034]
(4) In the configuration of FIG. 4, the selection result of the
[0035]
(5) In the configuration of FIG. 4, the coefficient COEF is switched instantaneously. However, in order to reduce noise at the time of switching, the coefficient COEF may be gradually changed by performing interpolation processing or the like.
[0036]
(6) In the above embodiment, APUP and APDOWN may be determined based on the pitch Pitch or the bow pressure Pb. The coefficient BFMIX that determines the contribution of the
[0037]
(7) In the above embodiment, when the polarity of the bow speed Vb changes, the selection state of the
[0038]
(8) In the above embodiment example, the subject is string vibration simulation (physical model) of a bowed instrument, but in the case of string vibration simulation of a plucked string instrument or a stringed instrument that is common in that musical sound is generated by the vibration of the string. Applicable. For example, in the case of a plucked string instrument simulation, the bow speed Vb and the bow pressure Pb of the bowed string instrument in the embodiment of the present application may be replaced with the moving speed of the finger or pick to pluck or the force applied. In the case of a simulation of a stringed instrument such as a piano, Vb and Pb may be replaced with the speed of the string hammer and its acting force.
[0039]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since the delay amount in the circulation means can be set based on the relationship between the waveform signal and the performance operation information, for example, the mutual relationship between the vertical vibration of the string and the movement of the bow in the bowed instrument. The operation can be simulated, and precise modeling of a bowed instrument or the like can be performed with a simple configuration.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing an overall configuration of an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram of a resonance
3 is a block diagram of a musical
4 is a block diagram of a
[Explanation of symbols]
11, 14 Terminal filter (circulation means)
12, 13, 15, 16 Delay circuit (circulation means)
17, 19 Adder (circulation means)
22
31, 33 selector (delay amount setting means)
32 multiplier (delay amount setting means)
43 Variable delay circuit (delay amount setting means)
310 Excitation unit (excitation means)
Claims (4)
演奏操作情報に基づいて励振信号を生成し前記循環手段に供給する励振手段と、
前記波形信号を用いて楽音信号を生成する楽音信号生成手段と、
前記波形信号の極性と前記演奏操作情報の極性とに基づいて前記循環手段における遅延量を設定する遅延量設定手段と
を有することを特徴とする楽音合成装置。A circulation means for circulating the waveform signal while delaying,
Excitation means for generating an excitation signal based on the performance operation information and supplying it to the circulation means;
A musical sound signal generating means for generating a musical sound signal using the waveform signal;
Musical tone synthesizing apparatus characterized by having a delay amount setting means for setting a delay amount in the circulation means based on the polarity of the polarity and the performance operation information of the waveform signal.
演奏操作情報に基づいて励振信号を生成し前記循環手段に供給する過程と、
前記波形信号を用いて楽音信号を生成する過程と、
前記波形信号の極性と前記演奏操作情報の極性とに基づいて前記循環手段における遅延量を設定する過程と
を有することを特徴とする楽音合成方法。A process of circulating the waveform signal while delaying in the circulation means;
A process of generating an excitation signal based on performance operation information and supplying it to the circulating means;
Generating a musical sound signal using the waveform signal;
Tone synthesis method characterized by having the steps of the setting the delay amount in the circulation means based on the polarity of the polarity and the performance operation information of the waveform signal.
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