JP3751612B2 - ジッタ測定装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジッタ測定装置において、特にジッタ伝達特性の測定ダイナミックレンジを拡大するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
SDHやSONET等の同期伝送システムの国際規格ITU−T G.783,Telcordia GR−253において、データ信号の位相揺らぎが回線に与える影響を制限するための信号品質の指標としてジッタ試験評価がある。
【0003】
ジッタ試験の評価項目には、試験対象の機器やシステム自身が発生するジッタ量を表すジッタ発生測定、試験対象がどの程度のジッタに耐えられるかを表すジッタ耐力の測定、試験対象のジッタに対するフィルタの帯域特性を表すジッタ伝達特性の測定があり、機器やシステムのジッタ品質をこれらの項目によって評価する必要がある。
【0004】
図5は、上記ジッタに関する測定のうち、ジッタ耐力やジッタ伝達特性の測定を行なうための従来のジッタ測定装置10の基本構成を有している。
【0005】
このジッタ測定装置10は、ジッタ発生部11、データ信号発生部12、クロック再生部13、誤り測定部14、ジッタ測定部15とを有し、これらは図示しないコンピュータ構成の制御部によって制御されている。
【0006】
ジッタ発生部11は、基準となるクロック信号を変調信号によって位相変調して、ジッタが付与されたジッタクロックCjを生成して、データ信号発生部12に出力する。
【0007】
データ信号発生部12は、入力されたジッタクロックCjに同期する所定パターンのデータ信号Dを生成して出力端子10aを介して測定対象1に与える。
【0008】
測定対象1は、中継機能あるいは折返機能を有するものであり、入力されたデータ信号Dからクロック成分を再生し、その再生されたクロックによってデータ信号の2値判定を行い、その判定結果をデータ信号D′として出力する。
【0009】
測定対象1から出力されるデータ信号D′は、入力端子10bを介してクロック再生部13に入力される。
【0010】
クロック再生部13は、入力されたデータ信号D′のクロック成分を再生して、その再生されたクロックC′を誤り測定部14およびジッタ測定部15に出力する。
【0011】
誤り測定部14は、入力端子10bを介して入力されたデータ信号D′とクロック再生部13によって再生されたクロックC′とを受けて、データ信号D′のの誤り率Eを測定する。
【0012】
また、ジッタ測定部15は、再生されたクロックC′の位相変動を検出し、その変動成分からジッタ発生部11の変調周波数fmに対応した成分を抽出し、抽出成分の振幅からデータ信号D′のジッタ量Jを求める。
【0013】
このような構成のジッタ測定装置10を用いて、測定対象1の例えばジッタ耐力の測定を行なう場合には、ジッタ耐力の規格特性で定義されている周波数範囲のジッタを測定対象1に与えて、誤り測定部14で測定される誤り率Eを監視し、ジッタクロックCjに付与するジッタ量を可変して、誤り率Eが所定値を越えない最大のジッタ量をジッタ耐力値として求める。
【0014】
そして、このジッタ耐力値の測定をジッタ耐力の規格特性で定義されている周波数範囲について行って、測定対象1のジッタ耐力値の周波数特性(ジッタ耐力特性)を求め、その特性と規格特性と比較する。
【0015】
また、ジッタ伝達特性の測定を行なう場合には、所定のジッタ量J1をもつデータ信号Dを測定対象1に与え、ジッタ測定部15によって測定されたジッタ量J2との比(ジッタ利得)を求める。
【0016】
そして、このジッタ利得の測定を所定のジッタ周波数範囲について行って、測定対象1のジッタ伝達特性を求め、その特性と所定の規格特性と比較する。
【0017】
なお、このジッタ伝達特性の評価において、付与するジッタの周波数帯域は、信号を伝送する上でジッタによる影響が少なくなる周波数(Telecodia12MHz)に設定されており、測定対象1に通常用いられるフィルタのカットオフは、帯域の0.01倍の周波数で−20dB/Decadeの傾きで減衰するマスクテーブルになっているため、上限周波数における減衰量は−40dBとなり、装置としての測定ダイナミックレンジは、この減衰量より十分大きい(50dB以上)必要となる。また、条件によっては、−56.4dBの要求に応える必要があり、その場合を考慮すると、さらに大きな測定ダイナミックレンジ(60dB以上)が求められる。
【0018】
上記したジッタ測定装置のうち、ジッタ耐力の測定を行なうための基本構成は、次の特許文献1に開示されている。
【0019】
【特許文献1】
特開平8−50156号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構成をもつジッタ測定装置に対し、近年では、低速から光の波長を含む高速のビットレートにそれぞれ対応するインタフェースの実装が望まれ、しかも、装置としての小型化も同時に要求されている。
【0021】
このために、装置内部の実装密度を高くしなければならず、装置内部での高周波信号の漏れや干渉が問題となってきている。
【0022】
特に、装置内で最も周波数が高いクロック成分の漏出によって、ジッタ伝達特性の測定に大きな影響がでている。
【0023】
即ち、上記基本構成を有する実際の測定装置について調べてみると、データ信号発生部12に入力されているジッタクロックCjが誤り測定部14のクロック入力ラインに漏出し、その漏出成分Cj′が、クロックC′の分岐ラインを介してジッタ測定部15に入力されていることが判明した。
【0024】
この現象は、データ信号発生部12と誤り測定部14とが近接配置されている(例えば共通のユニットに収容されている)場合に特に顕著であり、この漏出成分Cj′の影響によって、上記したジッタ伝達特性の測定に要求される測定ダイナミックレンジが不足し、測定対象のジッタ伝達特性を正しく測定できないという問題が生じている。
【0025】
これを解決するために、各部のシールドを厳重に行なうことが考えられるが、厳重なシールドは必然的に装置の大型化につながり、また、上記のような多ビットレートの要求に対してユニット交換可能な構造で対処しているものでは、シールドを厳重にすること自体が困難となる。
【0026】
本発明は、この問題を解決して、装置を小型化した場合でも、ジッタ伝達特性の測定ダイナミックレンジを広く確保でき、測定対象のジッタ伝達特性を正しく測定できるジッタ測定装置を提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のジッタ測定装置は、
位相が変調されたジッタクロックを出力するジッタ発生部(11)と、
前記ジッタクロックを受け、該ジッタクロックに同期した任意パターンのデータ信号を生成して測定対象に入力するデータ信号発生部(12)と、
測定対象から出力されたデータ信号からクロック成分を再生するクロック再生部(13)と、
測定対象から出力されたデータ信号と前記クロック再生部によって再生されたクロックとを受けて、該データ信号の誤り率を測定する誤り測定部(14)と、
前記クロック再生部によって再生されたクロックのジッタを測定するジッタ測定部(15)とを有するジッタ測定装置において、
前記クロック再生部と前記誤り測定部との間に、該誤り測定部側から前記ジッタ測定部側への信号伝達を阻止するアイソレータ(23、23′)を設けたことを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用したジッタ測定装置20の構成を示している。なお、図1において、ジッタ発生部11、データ信号発生部12、クロック再生部13、誤り測定部14、ジッタ測定部15は、前記図5と同等なので同一符号を付している。また、これらは図示しないコンピュータ構成の制御部によって制御されている。
【0029】
このジッタ測定装置20は、一つの筐体(図示せず)内に各部が収容された一体構造のものであり、ジッタ発生部11は、基準となるクロック信号を変調信号によって位相変調して、ジッタが付与されたジッタクロックCjを生成してデータ信号発生部12に出力し、データ信号発生部12は、所定パターンのデータ信号DをジッタクロックCjに同期して出力する。
【0030】
このデータ信号Dは、E/O変換器21によって光データ信号Pdに変換され、出力端子20aを介して、測定対象1に与えられる。
【0031】
この測定対象1は光電気インタフェースを有しており、入力された光データ信号Pdを内部で電気のデータ信号に変換し、これを2値化(波形整形)して、光データ信号Pd′に変換して出力する。
【0032】
また、測定対象1から出力される光データ信号Pd′は、入力端子20bを介してO/E変換器22に入力され、電気のデータ信号D′に変換される。
【0033】
このデータ信号D′はクロック再生部13に入力され、そのデータ信号C′からクロックC′が再生される。なお、このクロック再生部13は、O/E変換器22に含まれている場合もある。
【0034】
このクロックC′は、アイソレータ23を介して誤り測定部14およびジッタ測定部15に入力される。
【0035】
このアイソレータ23は、クロック再生部13と誤り測定部14およびジッタ測定部15の間に設けられ、クロック再生部13から誤り測定部14およびジッタ測定部15に向かう信号(この場合再生されたクロックC′)については、低損失で伝搬させ、誤り測定部14側からジッタ測定部15へ向かう信号に対しては高損失を示し、その信号伝達を阻止する。
【0036】
したがって、データ信号発生部12に入力されているジッタクロックCjのクロストークによって誤り測定部14の入力ラインに漏出した漏出成分Cj′のうち、アイソレータ23を介してジッタ測定部15へ向かう成分は、アイソレータ23によって大きく減衰してしまうため、ジッタ測定部15には再生されたクロックC′のみが入力される。
【0037】
ジッタ測定部15は、ジッタ伝達特性の測定の際に、アイソレータ23を介して入力されたクロックC′の位相変動を検出し、その変動成分からジッタ発生部11の変調周波数fmに対応した成分を抽出し、抽出成分の振幅からデータ信号D′のジッタ量Jを求める。この測定されるジッタ量Jは、前記したように、ジッタクロックCjの漏出成分Cj′の影響をほとんど受けないため、データ信号D′のジッタ量を正確に表している。
【0038】
図2は、同一の測定対象1に対して前記した従来のジッタ測定装置10によって得られたジッタ伝達特性Gと実施形態のジッタ測定装置20によって得られたジッタ伝達特性Fを示している。
【0039】
この図2から明らかなように、アイソレータ23を用いないときのジッタ伝達特性Gの高域側は、ジッタクロックCjの漏出成分Cj′の影響を受けて規格特性Rを越えているのに対し、アイソレータ23を用いたときのジッタ伝達特性Fの高域側は、ジッタクロックCjの漏出成分Cj′の影響が大きく抑制されるため、上限周波数まで規格特性Rを下回っている。
【0040】
つまり、従来のジッタ測定装置10の測定結果では測定対象1のジッタ伝達特性が規格特性Rを満たしていないと評価されてしまうが、この実施形態のジッタ測定装置20の測定結果からは、測定対象1のジッタ伝達特性が規格特性Rを満たしていると評価でき、測定対象1に対する誤った評価をしないで済む。
【0041】
なお、このジッタ測定装置20では、データ信号DをE/O変換器21によって光データ信号Pdに変換して測定対象1に与え、測定対象1から出力される光データ信号Pd′をO/E変換器22によって電気のデータ信号D′に変換していたが、図3に示すジッタ測定装置20′のように、E/O変換器21、O/E変換器22を省略して、電気のデータ信号Dを測定対象1に与え、測定対象1からの電気のデータ信号D′を受ける構成であってもよい。
【0042】
また、上記実施形態のジッタ測定装置20、20′では、3端子のアイソレータ23を用いていたが、アイソレータとしては、誤り測定部14側からジッタ測定部15側への信号伝達を阻止できればよく、例えば図4に示すジッタ測定装置20″のように2端子のアイソレータ23′を用いて、再生されたクロックC′を誤り測定部14に与え、そのアイソレータ23′の入力側の分岐ラインにより、ジッタ測定部15へクロックC′を与えてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のジッタ測定装置は、クロック再生部と誤り測定部との間に、誤り測定部側からジッタ測定部側への信号伝達を阻止するアイソレータを設けている。
【0044】
このため、小型な筐体に各部を高密度に実装した場合であっても、ジッタクロックの漏出成分が誤り測定部からジッタ測定部へ伝達されることがなくなり、漏出成分によるジッタ伝達特性の測定ダイナミックレンジの低下を防止でき、測定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図
【図2】ジッタ伝達特性の測定結果を示す図
【図3】本発明の変形例を示す図
【図4】本発明の変形例を示す図
【図5】従来装置の構成を示す図
【符号の説明】
1……測定対象、20、20′、20″……ジッタ測定装置、11……ジッタ発生部、12……データ信号発生部、13……クロック再生部、14……誤り測定部、15……ジッタ測定部、21……E/O変換器、22……O/E変換器、23、23′……アイソレータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジッタ測定装置において、特にジッタ伝達特性の測定ダイナミックレンジを拡大するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
SDHやSONET等の同期伝送システムの国際規格ITU−T G.783,Telcordia GR−253において、データ信号の位相揺らぎが回線に与える影響を制限するための信号品質の指標としてジッタ試験評価がある。
【0003】
ジッタ試験の評価項目には、試験対象の機器やシステム自身が発生するジッタ量を表すジッタ発生測定、試験対象がどの程度のジッタに耐えられるかを表すジッタ耐力の測定、試験対象のジッタに対するフィルタの帯域特性を表すジッタ伝達特性の測定があり、機器やシステムのジッタ品質をこれらの項目によって評価する必要がある。
【0004】
図5は、上記ジッタに関する測定のうち、ジッタ耐力やジッタ伝達特性の測定を行なうための従来のジッタ測定装置10の基本構成を有している。
【0005】
このジッタ測定装置10は、ジッタ発生部11、データ信号発生部12、クロック再生部13、誤り測定部14、ジッタ測定部15とを有し、これらは図示しないコンピュータ構成の制御部によって制御されている。
【0006】
ジッタ発生部11は、基準となるクロック信号を変調信号によって位相変調して、ジッタが付与されたジッタクロックCjを生成して、データ信号発生部12に出力する。
【0007】
データ信号発生部12は、入力されたジッタクロックCjに同期する所定パターンのデータ信号Dを生成して出力端子10aを介して測定対象1に与える。
【0008】
測定対象1は、中継機能あるいは折返機能を有するものであり、入力されたデータ信号Dからクロック成分を再生し、その再生されたクロックによってデータ信号の2値判定を行い、その判定結果をデータ信号D′として出力する。
【0009】
測定対象1から出力されるデータ信号D′は、入力端子10bを介してクロック再生部13に入力される。
【0010】
クロック再生部13は、入力されたデータ信号D′のクロック成分を再生して、その再生されたクロックC′を誤り測定部14およびジッタ測定部15に出力する。
【0011】
誤り測定部14は、入力端子10bを介して入力されたデータ信号D′とクロック再生部13によって再生されたクロックC′とを受けて、データ信号D′のの誤り率Eを測定する。
【0012】
また、ジッタ測定部15は、再生されたクロックC′の位相変動を検出し、その変動成分からジッタ発生部11の変調周波数fmに対応した成分を抽出し、抽出成分の振幅からデータ信号D′のジッタ量Jを求める。
【0013】
このような構成のジッタ測定装置10を用いて、測定対象1の例えばジッタ耐力の測定を行なう場合には、ジッタ耐力の規格特性で定義されている周波数範囲のジッタを測定対象1に与えて、誤り測定部14で測定される誤り率Eを監視し、ジッタクロックCjに付与するジッタ量を可変して、誤り率Eが所定値を越えない最大のジッタ量をジッタ耐力値として求める。
【0014】
そして、このジッタ耐力値の測定をジッタ耐力の規格特性で定義されている周波数範囲について行って、測定対象1のジッタ耐力値の周波数特性(ジッタ耐力特性)を求め、その特性と規格特性と比較する。
【0015】
また、ジッタ伝達特性の測定を行なう場合には、所定のジッタ量J1をもつデータ信号Dを測定対象1に与え、ジッタ測定部15によって測定されたジッタ量J2との比(ジッタ利得)を求める。
【0016】
そして、このジッタ利得の測定を所定のジッタ周波数範囲について行って、測定対象1のジッタ伝達特性を求め、その特性と所定の規格特性と比較する。
【0017】
なお、このジッタ伝達特性の評価において、付与するジッタの周波数帯域は、信号を伝送する上でジッタによる影響が少なくなる周波数(Telecodia12MHz)に設定されており、測定対象1に通常用いられるフィルタのカットオフは、帯域の0.01倍の周波数で−20dB/Decadeの傾きで減衰するマスクテーブルになっているため、上限周波数における減衰量は−40dBとなり、装置としての測定ダイナミックレンジは、この減衰量より十分大きい(50dB以上)必要となる。また、条件によっては、−56.4dBの要求に応える必要があり、その場合を考慮すると、さらに大きな測定ダイナミックレンジ(60dB以上)が求められる。
【0018】
上記したジッタ測定装置のうち、ジッタ耐力の測定を行なうための基本構成は、次の特許文献1に開示されている。
【0019】
【特許文献1】
特開平8−50156号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構成をもつジッタ測定装置に対し、近年では、低速から光の波長を含む高速のビットレートにそれぞれ対応するインタフェースの実装が望まれ、しかも、装置としての小型化も同時に要求されている。
【0021】
このために、装置内部の実装密度を高くしなければならず、装置内部での高周波信号の漏れや干渉が問題となってきている。
【0022】
特に、装置内で最も周波数が高いクロック成分の漏出によって、ジッタ伝達特性の測定に大きな影響がでている。
【0023】
即ち、上記基本構成を有する実際の測定装置について調べてみると、データ信号発生部12に入力されているジッタクロックCjが誤り測定部14のクロック入力ラインに漏出し、その漏出成分Cj′が、クロックC′の分岐ラインを介してジッタ測定部15に入力されていることが判明した。
【0024】
この現象は、データ信号発生部12と誤り測定部14とが近接配置されている(例えば共通のユニットに収容されている)場合に特に顕著であり、この漏出成分Cj′の影響によって、上記したジッタ伝達特性の測定に要求される測定ダイナミックレンジが不足し、測定対象のジッタ伝達特性を正しく測定できないという問題が生じている。
【0025】
これを解決するために、各部のシールドを厳重に行なうことが考えられるが、厳重なシールドは必然的に装置の大型化につながり、また、上記のような多ビットレートの要求に対してユニット交換可能な構造で対処しているものでは、シールドを厳重にすること自体が困難となる。
【0026】
本発明は、この問題を解決して、装置を小型化した場合でも、ジッタ伝達特性の測定ダイナミックレンジを広く確保でき、測定対象のジッタ伝達特性を正しく測定できるジッタ測定装置を提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明のジッタ測定装置は、
位相が変調されたジッタクロックを出力するジッタ発生部(11)と、
前記ジッタクロックを受け、該ジッタクロックに同期した任意パターンのデータ信号を生成して測定対象に入力するデータ信号発生部(12)と、
測定対象から出力されたデータ信号からクロック成分を再生するクロック再生部(13)と、
測定対象から出力されたデータ信号と前記クロック再生部によって再生されたクロックとを受けて、該データ信号の誤り率を測定する誤り測定部(14)と、
前記クロック再生部によって再生されたクロックのジッタを測定するジッタ測定部(15)とを有するジッタ測定装置において、
前記クロック再生部と前記誤り測定部との間に、該誤り測定部側から前記ジッタ測定部側への信号伝達を阻止するアイソレータ(23、23′)を設けたことを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用したジッタ測定装置20の構成を示している。なお、図1において、ジッタ発生部11、データ信号発生部12、クロック再生部13、誤り測定部14、ジッタ測定部15は、前記図5と同等なので同一符号を付している。また、これらは図示しないコンピュータ構成の制御部によって制御されている。
【0029】
このジッタ測定装置20は、一つの筐体(図示せず)内に各部が収容された一体構造のものであり、ジッタ発生部11は、基準となるクロック信号を変調信号によって位相変調して、ジッタが付与されたジッタクロックCjを生成してデータ信号発生部12に出力し、データ信号発生部12は、所定パターンのデータ信号DをジッタクロックCjに同期して出力する。
【0030】
このデータ信号Dは、E/O変換器21によって光データ信号Pdに変換され、出力端子20aを介して、測定対象1に与えられる。
【0031】
この測定対象1は光電気インタフェースを有しており、入力された光データ信号Pdを内部で電気のデータ信号に変換し、これを2値化(波形整形)して、光データ信号Pd′に変換して出力する。
【0032】
また、測定対象1から出力される光データ信号Pd′は、入力端子20bを介してO/E変換器22に入力され、電気のデータ信号D′に変換される。
【0033】
このデータ信号D′はクロック再生部13に入力され、そのデータ信号C′からクロックC′が再生される。なお、このクロック再生部13は、O/E変換器22に含まれている場合もある。
【0034】
このクロックC′は、アイソレータ23を介して誤り測定部14およびジッタ測定部15に入力される。
【0035】
このアイソレータ23は、クロック再生部13と誤り測定部14およびジッタ測定部15の間に設けられ、クロック再生部13から誤り測定部14およびジッタ測定部15に向かう信号(この場合再生されたクロックC′)については、低損失で伝搬させ、誤り測定部14側からジッタ測定部15へ向かう信号に対しては高損失を示し、その信号伝達を阻止する。
【0036】
したがって、データ信号発生部12に入力されているジッタクロックCjのクロストークによって誤り測定部14の入力ラインに漏出した漏出成分Cj′のうち、アイソレータ23を介してジッタ測定部15へ向かう成分は、アイソレータ23によって大きく減衰してしまうため、ジッタ測定部15には再生されたクロックC′のみが入力される。
【0037】
ジッタ測定部15は、ジッタ伝達特性の測定の際に、アイソレータ23を介して入力されたクロックC′の位相変動を検出し、その変動成分からジッタ発生部11の変調周波数fmに対応した成分を抽出し、抽出成分の振幅からデータ信号D′のジッタ量Jを求める。この測定されるジッタ量Jは、前記したように、ジッタクロックCjの漏出成分Cj′の影響をほとんど受けないため、データ信号D′のジッタ量を正確に表している。
【0038】
図2は、同一の測定対象1に対して前記した従来のジッタ測定装置10によって得られたジッタ伝達特性Gと実施形態のジッタ測定装置20によって得られたジッタ伝達特性Fを示している。
【0039】
この図2から明らかなように、アイソレータ23を用いないときのジッタ伝達特性Gの高域側は、ジッタクロックCjの漏出成分Cj′の影響を受けて規格特性Rを越えているのに対し、アイソレータ23を用いたときのジッタ伝達特性Fの高域側は、ジッタクロックCjの漏出成分Cj′の影響が大きく抑制されるため、上限周波数まで規格特性Rを下回っている。
【0040】
つまり、従来のジッタ測定装置10の測定結果では測定対象1のジッタ伝達特性が規格特性Rを満たしていないと評価されてしまうが、この実施形態のジッタ測定装置20の測定結果からは、測定対象1のジッタ伝達特性が規格特性Rを満たしていると評価でき、測定対象1に対する誤った評価をしないで済む。
【0041】
なお、このジッタ測定装置20では、データ信号DをE/O変換器21によって光データ信号Pdに変換して測定対象1に与え、測定対象1から出力される光データ信号Pd′をO/E変換器22によって電気のデータ信号D′に変換していたが、図3に示すジッタ測定装置20′のように、E/O変換器21、O/E変換器22を省略して、電気のデータ信号Dを測定対象1に与え、測定対象1からの電気のデータ信号D′を受ける構成であってもよい。
【0042】
また、上記実施形態のジッタ測定装置20、20′では、3端子のアイソレータ23を用いていたが、アイソレータとしては、誤り測定部14側からジッタ測定部15側への信号伝達を阻止できればよく、例えば図4に示すジッタ測定装置20″のように2端子のアイソレータ23′を用いて、再生されたクロックC′を誤り測定部14に与え、そのアイソレータ23′の入力側の分岐ラインにより、ジッタ測定部15へクロックC′を与えてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のジッタ測定装置は、クロック再生部と誤り測定部との間に、誤り測定部側からジッタ測定部側への信号伝達を阻止するアイソレータを設けている。
【0044】
このため、小型な筐体に各部を高密度に実装した場合であっても、ジッタクロックの漏出成分が誤り測定部からジッタ測定部へ伝達されることがなくなり、漏出成分によるジッタ伝達特性の測定ダイナミックレンジの低下を防止でき、測定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図
【図2】ジッタ伝達特性の測定結果を示す図
【図3】本発明の変形例を示す図
【図4】本発明の変形例を示す図
【図5】従来装置の構成を示す図
【符号の説明】
1……測定対象、20、20′、20″……ジッタ測定装置、11……ジッタ発生部、12……データ信号発生部、13……クロック再生部、14……誤り測定部、15……ジッタ測定部、21……E/O変換器、22……O/E変換器、23、23′……アイソレータ
Claims (1)
- 位相が変調されたジッタクロックを出力するジッタ発生部(11)と、
前記ジッタクロックを受け、該ジッタクロックに同期した任意パターンのデータ信号を生成して測定対象に入力するデータ信号発生部(12)と、
測定対象から出力されたデータ信号からクロック成分を再生するクロック再生部(13)と、
測定対象から出力されたデータ信号と前記クロック再生部によって再生されたクロックとを受けて、該データ信号の誤り率を測定する誤り測定部(14)と、
前記クロック再生部によって再生されたクロックのジッタを測定するジッタ測定部(15)とを有するジッタ測定装置において、
前記クロック再生部と前記誤り測定部との間に、該誤り測定部側から前記ジッタ測定部側への信号伝達を阻止するアイソレータ(23、23′)を設けたことを特徴とするジッタ測定装置。
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