JP3750074B2 - 全面可動防水ガラリ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風の力を利用して、風雨が強い時の防水ガラリに係わるものであり、詳しくは全面可動防水ガラリに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、防水ガラリとしては、複雑な形状の水返しを付けた羽根を縦横に２重、３重に固定したものと、固定羽根に弾性材料性弁を付けたもの（実公平７−２９１６５）や、固定羽根に可動シャッター片を取り付けたもの（特公昭４９−３５７８１）や、固定羽根に可動羽根を組み合わせた換気装置（実公昭５８−１３１３３２）が知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の防水ガラリで最初に述べたガラリにおいては、羽根の形状を工夫し複雑な水返しを付けたものを縦横に、２重、３重に固定してあるが、外部側と内部側との空間は遮断される事がない為に、台風などの強風雨時には霧状になった雨水は入ってくると言う問題点を有していた。
【０００４】
また、実公平７−２９１６５のガラリにおいては、固定した羽根に弾性材料性弁を取り付けてあるが、材料が劣化すると機能を維持できず、常に点検、取替えをする必要がある。また、外部側と内部側空間を遮断する所は１ヵ所である為、弾性材料性弁が破損した時は雨の入り込みを防げないと言う問題点を有していた。
【０００５】
また、特公昭４９−３５７８１通気窓は、固定されたスラットと、可動シャッター片が取り付けてあるが、吊り下がったシャッター片は微風でも振れて１日に何千回、何万回も作動する為に、シャッター片軸部の磨耗が大変早い。また、外部側と内部側を遮断する所は１ヵ所である為、破損した時は雨の入り込みを防げないと言う問題点を有していた。
【０００６】
また、実公昭５８−１３１３３２換気装置は、上下の固定羽根との間には可動羽根が１枚だけであり破損した時は、風雨を防げない。そして、風を受けやすい構造のため弱い風でも羽根が振れ、羽根軸部の磨耗が大変早い。また、可撓性シール片を使用しているので劣化と共に弾力性がなくなる。このため機能を維持するためには定期的な点検と、取り替えが必要になると言う問題点を有していた。
【０００７】
そして、上記したものはすべて、各部材を成型するのに精密な金型が必要で初期投資額がかなり大きくなり、一般的な製造方法ではないと言う問題点を有していた。
【０００８】
本発明は、従来の技術の有するような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、一般的なプレス機械、溶接機を用いて経済的に製作でき、通常の気象条件では一般的換気ガラリの働きをし、強風雨時には、内外２重に防水する全面可動防水ガラリを提供することを目的としている。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明における全面可動防水ガラリは、内外部に可動羽根を、羽根固定軸を介して相反する向きに取り付け、上下密着しないように何段にも重ねたもので、内部側、外部側羽根は風の力で一枚ずつ作動し重なり合うことで、外部側と内部側の空間部分を遮断してしまう。強風雨時、最初は外部側の羽根が作動し遮断するが、破損など不測の事態で遮断できなっかた場合は、内部側の羽根が作動して遮断する二重構造であるため防水ガラリとしての機能をより高められる。
【００１０】
そして、羽根に取付けた羽根固定軸の位置を変える事で羽根の重心が変わり、羽根が作動するための風速値を変える事ができるので、羽根の作動回数を制御でき羽根固定軸部分の耐久性が増す。
【００１１】
また、全面可動防水ガラリは簡単な金属曲げ、切り欠き加工と溶接機を使用して低コストで製作できる。
【００１２】
また、防水ガラリは建物の高所で使われることが多いので、耐候性、耐久性の点からステンレススチール材を使用するのが好ましい。
【００１３】
発明の実施の形態について図面を参照にして説明する。
図１〜図５において、外部羽根７は風の力を効果的に利用するために、羽根固定軸９取付け位置より下部分の面積を広く取る。そして羽根重心を羽根固定軸９より上に設定するために羽根上部先端を折り返し曲げにする。この結果、風雨を受けると外部羽根７は羽根固定軸９を支点に風の当たる有効面積が広いほうに強い力を受ける事で下方向に作動して折り重なり空間を遮断する。
【００１４】
内部羽根８は、外部羽根７部分の空間を通過した風が上向きに入ってくるので内部羽根８が作動しやすい様に、羽根固定軸９を中心にして下部分より上部分に風の当たる有効面積を広く取れる様に内部羽根８上部分の先端部は折り返し曲げにしない。そうする事で、内部羽根８に風が当たると上方向に力が働き折り重なる。
【００１５】
水受け下枠２は霧状になった雨水が羽根７、８をつたって入る為、部屋内部に入り込まない様に外部側曲げ寸法を小さく取り、立上りを低くする。また、内部側曲げ寸法を大きくして、立上りを高くする。そして、両竪枠３には水受け下枠２に溜まった雨水を外部に出すための水抜き穴１０を最下部に設ける。
【００１６】
上枠１と水受け下枠２に接する内外羽根７、８が作動時に最適位置で止まるように上部ストッパー４と下部ストッパー外５及び下部ストッパー内６を取り付ける。
【００１７】
防水ガラリは建物の高所に用いることが多いので、上枠１、水受け下枠２、両竪枠３と内外羽根７、８それに羽根固定軸９は耐候性および耐久性の有る材料を使用する。
【００１８】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおり構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【００１９】
請求項１の全面可動防水ガラリにおいては、強風雨時に、まず外部側の羽根が作動して内部と外部の空間を遮断し風雨を防ぐが、外部側羽根が破損等で作動しなくなった場合には、内部側羽根が作動して遮断して風雨を防ぐ事が出来る２重構造である。そして、風速が強まるほど羽根は強固に重なり合い、重なりあった部分は材料が二重になり強度が増す。
【００２０】
請求項２の全面可動防水ガラリにおいては、内部羽根及び外部羽根の形状を変える事で、風の力をより確実に捕えて利用できる様にし、風雨の入り込みを止める。
【図面の簡単な説明】
【図１】姿図である。
【図２】竪断面図である。
【図３】横断面図である。
【図４】風雨で外部羽根が作動した時の竪断面図である。
【図５】風雨で内部羽根が作動した時の竪断面図である。
【符号の説明】
１ 上枠
２ 水受け下枠
３ 両竪枠
４ 上部ストッパー
５ 下部ストッパー外
６ 下部ストッパー内
７ 外部羽根
８ 内部羽根
９ 羽根固定軸
１０ 水抜き穴

Claims (2)

1. 外部羽根（７）及び内部羽根（８）の重心を羽根固定軸（９）取付け位置より上に設定する。外部羽根（７）は外部側に向かって上部から下部方向に傾斜し、面積は羽根固定軸（９）より下部を広くするが、内部羽根（８）は内部側に向かって上部から下部方向に傾斜し、面積は羽根固定軸（９）より上部を広くする。上枠（１）水受け下枠（２）竪枠（３）で構成した枠に外部羽根（７）及び内部羽根（８）が個々に可動する状態で相反する向きに何段も組み込み、風力で外部羽根（７）と内部羽根（８）が羽根固定軸（９）を支点にして一定方向に振れるようにした全面可動防水ガラリ。
2. 外部羽根（７）と内部羽根（８）の形状を変えた請求項１記載の全面可動防水ガラリ。

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