JP3746034B2 - スノーボードブーツ及びスノーボードビンディングシステム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、スノーボードブーツをスノーボードに解放可能に結合するスノーボードビンディングシステムに関する。より具体的には、本発明は、ブーツをビンディング装置に対して定位置に保持するために比較的長い前方係止舌を備えたスノーボードビンディングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スノーボードは非常にポピュラーなウィンタースポーツになっている。実際に、スノーボードは日本の長野で冬季オリンピックのイベントであった。スノーボードは、雪に覆われた丘を乗り手が滑り降りる点でスキーに類似している。スノーボードは、一般的に、小さなサーフボード又は車輪のない大きなスケートボードのような形状をしている。スノーボードの乗り手は、スノーボードの縦軸と交差するように足をスノーボードの上に置いて立つ。スキーと同じく、スノーボードの乗り手は特別の靴を履き、その靴はビンディング機構によって、しっかりとスノーボードに固定される。換言すれば、スキーとは異なり、乗り手は、一方の足を他方の足の前に置き、両方の足を1つのスノーボード上にしっかりと取り付ける。乗り手は、スノーボードの縦軸と交差する方向に両足を向けて、スノーボード上に立つ。さらに、スキーとは異なり、乗り手はストックを使用しない。
【0003】
スノーボードは、バランスと移動のコントロールを伴うスポーツである。丘の斜面を下る時、乗り手は、スノーボードの移動方向をコントロールするため、様々な方向へ体を傾ける。具体的には、スノーボードをコントロールするためには、乗り手が体を傾けた際に、その動きが、乗り手が履いている靴からスノーボードへと伝達されなければならない。例えば、乗り手が後方へ体を傾けると、その動きによってスノーボードが傾き、傾きの方向へ転向する。同様に、前方に傾けると、これに対応してボードが傾き、その方向へ転向する。
【0004】
一般的に、スノーボード競技は、アルペンスノーボードとフリースタイルスノーボードに分類される。アルペンスノーボードでは、通常、アルペンスキーで使用されるハードブーツと類似したブーツを使用し、これを、いわゆるハードビンディング装置に嵌め込む。ハードビンディング装置は、スノーボードに取り付けられており、アルペンスキーのブーツビンディング装置に類似している。フリースタイルスノーボードでは、典型的には、普通のブーツに類似したソフトブーツを使用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ステップイン、ステップアウトが比較的容易に行え、また、ブーツの前方係止部分を介して、ブーツをビンディング装置に対して縦方向に固定するスノーボードビンディングシステムを提供することである。
本発明の他の目的は、スノーボードビンディング装置とスノーボードブーツの靴底との間に雪を収容するために、少なくとも2つの高さ調整位置を有するスノーボードビンディング装置を提供することである。
【0006】
本発明のさらに他の目的は、スノーボードブーツの靴底下の後方ビンディング装置を排除するスノーボードビンディング装置を提供することである。
本発明の他の目的は、比較的で単純であり、製造及び組み立てが安価に行えるスノーボードビンディング装置を提供することである。
本発明の他の目的は、比較的軽量なスノーボードビンディング装置を提供することである。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、衝撃を軽減し、スノーボードブーツとスノーボードビンディング装置の間で力の伝達を改善するスノーボードビンディング装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの態様に従えば、上方部分、靴底部分、少なくとも1つの後方係止部分及び前方係止部分を備えたスノーボードブーツが得られる。上方部分は、足部分と、足部分から上方に伸びた脚部分とを有している。靴底部分は、上方部分の足部分に強固に結合されており、トウ部分と、中間部分と、ヒール部分とを有し、トウ部分とヒール部分の間に前方から後方へ伸びる縦軸を有している。靴底部分のヒール部分には後方係止部分が配置されている。靴底部分のトウ部分には前方係止部分が設けられている。前方係止部分は、靴底部分のトウ部分から下方へ伸びた一対の脚部分と、一対の脚部分間で側方に伸びた舌部分とを備えている。前方係止部分の舌部分は、前方から後方までの寸法が、前方係止部分の脚部分の前方から後方までの寸法よりも長い。
【0009】
本発明の他の態様に従えば、スノーボードブーツとスノーボードビンディング装置とを備えたスノーボードビンディングシステムが得られる。スノーボードビンディング装置は、ベース部材と、ベース部材の前方部分に設けられた後方ビンディング機構とを備えている。スノーボードブーツは、スノーボードブーツビンディング装置と解放可能に結合するように構成されている。スノーボードブーツは、上方部分、靴底部分、少なくとも1つの後方係止部分及び前方係止部分を含む。上方部分は、足部分と、足部分から上方に伸びた脚部分とを備えている。靴底部分は、上方部分の脚部分と強固に結合している。靴底部分は、トウ部分、中間部分、ヒール部分を備えており、トウ部分とヒール部分との間に前方から後方まで伸びた縦軸を有している。後方係止部分は靴底部分のヒール部分に配置されている。前方係止部分は靴底部分のトウ部分に設けられている。前方係止部分は、靴底部分のトウ部分から下方に伸びた一対の脚部分と、一対の脚部分間で側方に伸びた舌部分とを備えている。前方係止部分の舌部分は、前方から後方までの寸法が、前方係止部分の脚部分間の前方から後方までの寸法よりも長い。
【0010】
本発明のこれらの、またその他の目的、特徴、態様、利点は、添付の図面と共に、本発明の好ましい実施形態を開示する以下の詳細な説明から当業者に明白になるであろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1及び図2は、本発明の好ましい実施形態によるスノーボードビンディングシステム10を示している。スノーボードビンディングシステム10は、基本的にはスノーボードビンディング装置12とスノーボードブーツ14とを含む。スノーボードビンディング装置12は、4つの締め具又はネジ18を介して、従来の方法でスノーボード16の頂面又は上面へ取り付けられる。スノーボード16の縦軸は、図1の中心線Aで示されている。当業者はこの開示から、乗り手が両足をスノーボード16にしっかりと固定するために、一対のスノーボードビンディングシステム10をスノーボード16と組み合わせて使用していることを理解するであろう。2つの調整円盤20を使用して、ネジ18を介して一対のスノーボードビンディングシステム10をスノーボード16に対して調整可能に結合することが好ましい。なおここでは、1つのスノーボードビンディングシステム10のみについて説明及び/又は図示する。
【0012】
本発明のスノーボードブーツ14は、比較的柔軟な又は可撓性のスノーボードブーツであることが好ましい。柔軟なスノーボードブーツは当技術分野で周知であるため、ここでは説明又は図示を省略する。スノーボードブーツ14については、本発明のスノーボードビンディングシステム10に関連したスノーボードブーツ14として以外の説明又は図示は省く。基本的には、柔軟なスノーボードブーツは、硬質ゴム状の材料から成る靴底部分と、プラスチック材料、革及び/又は合成皮革材料のような様々な材料から成る可撓性の上方部分とを備えている。そのため、柔軟なスノーボードブーツの上部はいくらか可撓性を備えていなければならない。
【0013】
本発明のスノーボードブーツ14は、図3、図4に示すように、基本的に靴底部分22と上方部分24とを備えている。本発明にとって上方部分24は重要ではなく、従って、ここでは詳細な説明又は図示を省く。靴底部分22は、靴底部分22底面の前方部分に配置された前方係止部分26を供えている。第1後方係止部分28aは靴底部分22の第1側面に設けられ、第2後方係止部分28bは靴底部分22の第2側面に設けられている。前方係止部分26は、スノーボードブーツ14の靴底22の底部に強固に固定されている。後方係止部分28a、28bは靴底部分22の側面に成形することが好ましい。
【0014】
より具体的には、前方係止部分26は、スノーボードブーツ14の靴底部分22に成形されるか、又は、締め具(図示せず)を介して取り付けられることが好ましい。再び図1、図3、そして図4を参照すると、前方係止部分26は基本的に、舌部分36と、舌部分36から伸びた脚部分38とを備えるU字型の部材である。本開示から理解されるように、本発明は、前方係止部分26の厳密な構造に限定されるものではない。むしろ、前方係止部分26は多数の方法で具現化することが可能であり、また、本発明は、単に例示の目的で提供された図面に示す特定の実施形態に限定されるものではない。いずれにしても、前方係止部分26は、鋼鉄又は他の適切な材料といった堅く硬質の材料から構成され、スノーボードブーツ14に強固に固定されることが好ましい。後に更に詳細に説明するが、前方係止部分26は、スノーボードビンディング装置12の一部分と係合するように構成されている。
【0015】
上述したように、後方係止部分28a、28bは、スノーボードブーツ14の靴底部分22に成形されることが好ましい。あるいは、後方係止部分28a、28bを取り外し可能にし、締め具(図示せず)を用いてスノーボード14に取り付けることもできる。いずれの場合も、後方係止部分28a、又は28bの各々は、スノーボードビンディング装置12と、スノーボードビンディング装置12に対して異なった高さを有する複数の係合位置又はロック位置にて係合するように設計される。より具体的には、後方係止部分28aは、複数の(2つのみを図示)V字型溝又はノッチ29aを、スノーボードブーツ14の靴底部分22の(第1)側面に成形することによって形成される。後方係止部分28bは、複数の(2つのみを図示)V字型溝を、スノーボードブーツ14の靴底部分22の反対の(第2)側面に成形することによって形成される。
【0016】
ノッチ29aの各々は靴底部分22の底面に対してある角度で設けられた隣接面30aを備え、一方で、ノッチ29bの各々は靴底部分22の底面に対してある角度で設けられた隣接面30bを備えていることが好ましい。隣接面30a又は30bの各々は、靴底部分22の底面と共に約30°の角度を形成することが好ましい。換言すれば、隣接面30a、30bは、スノーボードブーツ14の中心面から下方へ先細りになっており、スノーボードブーツ14がスノーボードビンディング装置12に対して上方へ移動するのを防止するために、スノーボードビンディング装置12と係合するように構成されている。さらに、ノッチ29a、29bは、スノーボードブーツ14の、スノーボードビンディング装置12に対する上方への移動を防止するのに十分な深さを有し、スノーボードビンディング装置12と合致する構成/形状を有することが好ましい。
【0017】
当然ながら、当業者には、所望又は必要であれば、異なった高さに追加の係合位置又はロック位置を有するようにスノーボードブーツ14を設計できることが本開示から明らかであろう。例えば、スノーボードブーツ14を、それぞれ3つの異なる高さを有する3つの異なる係合位置(即ち、3つのV字型溝)を有するように設計できる。しかし、この開示から、本発明は後方係止部分28a、28bの構造に厳密に限定されるものでないことが明らかになるはずである。むしろ、後方係止部分28a、28bは多数の態様で実現することができ、本発明は、単に例示の目的で提供された図面に示す特定の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
再び図1、図2を参照すると、スノーボードビンディング装置12は、スノーボードブーツ14に前方傾斜力を付加するハイバックビンディング装置であることが好ましい。スノーボードビンディング装置12は、基本的にはベース部材40、前方ビンディング部材42、一対の(第1及び第2)後方ビンディング部材44a、44bを備えていることが好ましい。前方ビンディング部材42は、解放位置とラッチされた位置との間で移動可能にベース部材40に結合されている。この一対の(第1及び第2)後方ビンディング部材44a、44bは、後に詳細に説明するように、ベース部材40の対向する側面に結合される。
【0019】
ベース部材40は、基本的に、調整円盤20を介してスノーボード16に調整可能に結合されたベースプレート46と、ベースプレート46に調整可能に結合されたヒールカップ48と、ヒールカップ48に調整可能に結合されたハイバック50とを備えている。スノーボードビンディング装置12は、調整円盤20を介してスノーボード16に調整可能に結合されることが好ましい。後方ビンディング部材44a、44bは、スノーボードブーツ14を選択的に保持するために、ベース部材40に対して移動可能に設けられている。後方ビンディング部材44a、44bは、実質的にベース部材40の方向へ力が付加されると、初期休止位置(図9)から案内位置(図10)へ相互に向かって横方向に離れるように配置されている。さらに、後方ビンディング部材44a、44bは、この力が除去されると、相互に向かって横方向に、又はロック位置(図11又は図12)の1つへと共に移動するように配置されている。このように、後方ビンディング部材44a、44bは、ベース部材40よりも上の異なる高さに位置する複数の係合又はロックされた位置にスノーボードブーツ14を選択的に保持するべく配置されている。
【0020】
調整円盤20は、図1に示すように、ベース部材40のベースプレート46をスノーボード16の頂面にクランプ留めする締め具又はネジ18を介して、スノーボード16に取り付けられている。したがって、締め具又はネジ18を緩めることで、ベース部材40を調整円盤20とスノーボード16に対して角度調整できる。当然ながら、必要及び/又は所望であれば、ベース部材40のベースプレート46をスノーボード16に直接取り付けることもできる。当業者には、ベース部材40のスノーボード16への取り付けを様々な方法で行えることがこの開示からわかるはずである。さらに、本発明はいかなる特定の実施形態にも限定されるものではない。
【0021】
図1、図2からわかるように、ベース部材40のベースプレート46は、取り付け部分52と、一対の(第1及び第2)側面取り付け部分54a、54bとを備えていることが好ましい。ベースプレート46は堅い硬質の材料で構成されることが好ましい。ベースプレート46に適した堅い硬質の材料の例は、様々な金属並びにカーボン及び/又は金属/カーボンの組み合わせを含む。好ましい実施形態では、取り付け部分52と側面取り付け部分54a、54bは、金属シート材料を折り曲げて形成されている。そのため、ベースプレート46は一体型の単一部材である。図17に示すように、側面取り付け部分54a、54bは、実質的に相互に平行であり、取り付け部分52に対して垂直である。あるいは、側面取り付け部分54a、54bを、後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、スノーボードビンディング装置12の後方部分からスノーボードビンディング装置12の前方部分へ向かって若干外側へ先細りする(つまり、離れる)ように設けることもできる。取り付け部分52は、調整円盤20を内部に受容するための中央開口部56を備えている。開口部56は傾斜縁を備えており、この傾斜縁は、対応する調整円盤20の合致歯を備えた傾斜縁と係合することが好ましい。
【0022】
図2、図13に示すように、ベースプレート46の取り付け部分52は、これにしっかりと結合した前方結合プレート60を備えることで、ベースプレート46の前方部分を形成している。前方ビンディング部材42は結合プレート60と移動可能に結合する。したがって、結合プレート60が取り付け部分52にしっかりと結合している場合、前方ビンディング部材42がベース部材40のベースプレート46と移動可能に結合する。ベース部材40は、ベース部材40の前方部分(つまり、結合プレート60)とベース部材40の後方部分(つまり、ヒールカップ48とハイバック50)の間に伸びた長手方向中心軸Bを備えている。前方ビンディング部材42は、前方ビンディング部材42用の前方旋回ピンとして機能する前方解放レバー64を介して、結合プレート60と回動自在に結合していることが好ましい。前方ビンディング部材42を後に説明する係合位置又はラッチされた位置へと付勢するために、前方解放レバー64の上には付勢部材62が配置されている。付勢部材又はスプリング62の付勢力あるいは強制力に対抗して、ラッチされた位置から解放位置へと前方ビンディング部材42を移動するために、制御又は解放レバー64が前方ビンディング部材42に回転不可能に結合されていることが好ましい。
【0023】
解放レバー64は、基本的に旋回ピン部分65、ハンドル又は制御部分66を備えている。換言すれば、解放レバー64の一部分(旋回ピン部分65)は、前方ビンディング部材42の前方旋回ピンを形成する。したがって、解放レバー64は、一体型の単一部材として一体形成されている。旋回ピン部分65は、その自由端部に形成された環状溝65aを備えていることが好ましい。これ以外の適切な保持部材又はCクリップ66が環状溝65a内に受容され、間にスプリング62を配置した形で解放レバー64と前方ビンディング部材42が結合プレート60に対して固定される。
【0024】
さらに、結合プレート60は、ベースプレート46の取り付け部分52に対して(縦軸Bに沿って)調整可能であることが好ましい。より具体的には、取り付け部分52は複数(3つ)のスロット68を備え、結合プレート60は複数(3つ)の貫通孔69を備えている。ベース部材40の縦軸Bに沿った調整可能な方法で、結合プレート60を取り付け位置に強固に結合させるために、複数(3つ)の締め具又は取り付けネジ70が貫通孔69及びスロット68を通して挿入され、ナット71へ取り付けられる。そのため、前方ビンディング部材42を、ベース部材40に対して異なる長手方向位置で選択的に結合することができる。当然ながら、これ以外の様々な構造を用いて、前方ビンディング部材42の長手方向位置を調整できることが当業者には明白であろう。さらに、必要及び/又は所望であれば、結合プレート60をベースプレート46と一体に形成できることも当業者には明白になるであろう。
【0025】
結合プレート60は、その上面から伸びた一対の(第1及び第2)案内フランジ72a、72bを含むことが好ましく、この案内フランジは、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12に結合する上で補助となるものである。案内フランジ72a、72bは、前方係止部分26を縦軸Bへ、そして前方ビンディング部材を42へと案内するべく、スノーボードビンディング装置12の縦軸Bに対して角度付けされている。スノーボードブーツ14とスノーボードビンディング装置12との間の係合については、後により詳細に説明する。さらに、制御又は解放レバー64を介したスノーボードビンディング装置12からのスノーボード14の解放についても後により詳細に説明する。
【0026】
図13において明らかなように、前方ビンディング部材42は、基本的に取り付け部分74、結合フランジ又は前方歯止め76、接続部分78、付勢部材62、解放レバー64を含む。取り付け部分74は、ラッチされた位置と解放位置の間の、前方旋回軸周囲で回転するために、解放レバー64の旋回ピン部分65上に回転不可能に取り付けられている。前方旋回軸は結合プレート60の下に配置されているため、前方歯止め又は結合フランジ76が、前方係止部分材26との係合から外れて(つまり、解放位置へと)移動できる。付勢部材又はスプリング62が前方歯止め76をラッチされた位置へと強制移動する。前方歯止め76は、スノーボードブーツ14の前方係止部分26の舌部分36上面と係合するように構成された下面を備えている。前方歯止め76と取り付け部分74の間には接続部分78が伸びている。
【0027】
より具体的には、取り付け部分74が、一対(第1及び第2)の取り付けフランジ75a、75bから形成されることが好ましい。取り付けフランジ75aは、そこから伸びた突出部75cを備えている。突出部75cは、スプリング62の第1端部62aと係合するように設計されている。スプリング62の他端(第2端部)62bは、取り付けプレート60に形成された横断孔(図示せず)を受容するように設計されている。したがって、スノーボードブーツ14の前方係止部分26を選択的に保持するべく前方ビンディング部材42をラッチされた位置へと強制的に移動するために、スプリング62がプレローディングされる。さらに、取り付けフランジ75a、75bの少なくとも1つが、解放レバー64の非円形部分65bを回転不可能に受容するために、非円形(正方形)の開口部75dを備えていることが好ましい。例示した実施形態では、結合プレート60のいずれの側からも解放レバー64を取り付けてのばすことができるように、両方の取り付けフランジが非円形の孔75dを備えている。
【0028】
結合プレート60には実質的にU字形の開口部60aが形成されており、この開口部は、前方ビンディング部材42を部分的に受容するように構成されている。U字型開口部60aの脚の最後縁には一対の停止面60bが形成されている。通常、停止面60bは、前方ビンディング部材42をラッチされた位置に保持する。さらに、前方ビンディング部材42の旋回軸が結合プレート60の底面よりも下に位置しているため、前方ビンディング部材42は前方係止部分26との接触から外れて回転することができる。前方ビンディング部材42が解放位置にある際に、ベース部材の底面(つまり結合プレート60)が追加の停止面を形成する。この方法で、前方歯止め76が、結合フランジ76が実質的に水平であるラッチされた位置から結合フランジ76が実質的に垂直である解放位置へと約90°回転することができる。
【0029】
図14、図15で明らかなように、後方ビンディング部材(第1、第2)44a、44bは、ベース部材40のヒールカップ48に移動可能に結合されていることが好ましい。後により詳細に説明するように、ヒールカップ48は、一対の(第1、第2)側面取り付け部分を形成するために、ベースプレート46の取り付け部分54a、54bに調整可能に結合されている。そのため、後方ビンディング部材44a、44bがベースプレート46に移動可能に結合される。取り付け部分54a、54bの各々は、切欠き55a又は55bをそれぞれ備えている。切欠き55a、55bにより、後方ビンディング部材44a、44bが結合した状態のヒールカップ48をベースプレート46に調整可能に取り付けられるようになる。そのため、後方ビンディング部材44a、44bが、調整可能且つ移動可能にベース部材40に結合される。
【0030】
より具体的には、後方ビンディング部材44a、44bが、一対(第1、第2)の旋回軸P1、P2のそれぞれの周囲でベース部材40に旋回可能に結合されている。第1、第2旋回軸P1、P2は、図17に示すように、相互に対して実質的に平行であり、さらに、スノーボードビンディング装置12の縦軸Bに対して実質的に平行であることが好ましい。後により詳細に説明するように、この配置により、スノーボードビンディング装置12からのスノーボードブーツ14の解放が補助される。当然ながら、後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、これらの中心軸を縦軸Bに対して角度付けすることも可能である。
【0031】
後方ビンディング部材44a、44bは、相互に対して実質的に鏡像であることが好ましい。後方ビンディング部材44aは基本的に、(第1)旋回ピン82a、(第1)本体部分84a、(第1)ラッチ部材86a、(第1)停止部材88a、(第1)付勢部材90aを備えている。後方ビンディング部材44bは基本的に、後により詳細に説明するように、(第2)旋回ピン82b、(第2)本体部分84b、(第2)ラッチ部材86b、(第2)停止部材88b、(第2)付勢部材90bを備えている。後により詳細に説明するように、付勢部材又はスプリング90a、90bは、通常、ラッチ部材86a、86bの各々を案内位置からロックされた位置へと付勢する。
【0032】
ラッチ部材86a、86bは、縦軸Bと、旋回軸P1、P2と実質的に平行であることが好ましい。いずれの場合にも、ラッチ部材86a、86bは、スノーボードブーツ14のノッチ29a、29bの各々と合致するように構成されている。あるいは、後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、ラッチ部材86a、86bを、縦軸Bと、旋回軸P1、P2とに対して角度付けするように構成することもできる。さらに、やはり後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、後方ビンディング部材44a、44bを、角度付けした側面取り付け部分にラッチ部材86a、86bが縦軸Bに対して角度付けするように取り付けることもできる。いずれの場合にも、スノーボードブーツ14のノッチ29a、29bは、ラッチ部材86a、86bと合致するように構成されている。換言すれば、後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、ラッチ部材86a、86bが縦軸Bに対して角度付けされている場合、ノッチ29a、29bはこれに対応する角度を備えているべきである。
【0033】
ビンディング部材44aの本体部分84aは、旋回ピン82a上に旋回可能に取り付けられている。旋回ピン82aは、自由端部に環状溝が形成された頭付き旋回ピンであることが好ましい。後方ビンディング部材44aをヒールカップ48の一対のフランジ92a、93aの間に保持するために、別の適切な保持部材又はCクリップが環状溝内に受容される。付勢部材90aはコイルスプリングであり、その一端がヒールカップ48の外後方側面と係合し、他端がビンディング部材44a(つまり、ラッチ部材86aの底面)と係合し、後方ビンディング部材44aをロックされた位置へと付勢することが好ましい。ラッチ部材86aは、本体部分84aから伸びており、スノーボード14の溝又はノッチ29aと係合するように構成されていることが好ましい。ラッチ部材86aは、後方ビンディング部材44aの第1歯止めを形成することが好ましい。さらに停止部材88aも本体部分84aから伸びているが、ラッチ部材86aから実質的に反対方向に延びている。
【0034】
さらに具体的には、停止部材88aは、ビンディング部材44aが初期休止位置にある際に、ヒールカップ48の内面又は後方側面と接触するように構成された接合面を備えている。ロックされた位置において、ラッチ部材86aは、スノーボードブーツ14の溝又はノッチ29aの1つに受容され、停止面がヒールカップ48の後方側面から若干離間する。図11、図12に示すように(ラッチ部材86bを図示している)、ラッチ部材86bは、横方向の溝又はノッチ29aのいずれかに受容されるため、スノーボードツーツ14の高さをベース部材40(つまり、ベースプレート46の取り付け部分52)に対して変更することができる。図9、図10(ラッチ部材86bを示す)、図14に示すように、ラッチ部材86aはロック面87aと案内面89aを備えている。スノーボードブーツ14がロックされた位置にある際に、ロック面87aが接合面30aと係合する。
【0035】
上述したように、後方ビンディング部材44bは、実質的には後方ビンディング部材44aの鏡像であることが好ましい。ビンディング部材44bの本体部分84bは旋回ピン82b上に旋回可能に取り付けられている。旋回ピン82bは、自由端部に環状溝が形成された頭付きの旋回ピンであることが好ましい。後方ビンディング部材44bをヒールカップ48の一対のフランジ92b、93b間に保持するために、Cクリップ(又は他の適切な保持部材)が環状溝内に受容される。ビンディング部材90bはコイルスプリングであり、その一端がヒールカップ48の外後方側面と係合し、他端がビンディング部材44a(つまり、ラッチ部材86bの底面)と係合して、後方ビンディング部材44bをロックされた位置へと付勢することが好ましい。ラッチ部材86bは、本体部分84bから伸びており、スノーボードブーツ14の溝又はノッチ29bと係合するように構成されている。ラッチ部材86bは、(第2)後方ビンディング部材44bの第2歯止めを形成することが好ましい。さらに停止部材88bも、本体部分84bから伸びているが、ラッチ部材86bとは実質的に反対方向に向かっている。
【0036】
より具体的には、停止部材88bは、ビンディング部材44bが初期休止位置(図9)にある際に、ヒールカップ48の内面又は後方側面と接触するべく構成された接合面を備えている。ロックされた位置において、ラッチ部材86bがスノーボードブーツ14の溝又はノッチ29bの1つに受容され、停止面がヒールカップ48の側面から若干離間する。ラッチ部材86bはいずれの側面溝又はノッチ29bにも受容されるため、スノーボードブーツ14の高さをベース部材40(つまり、ベースプレート46の取り付け部分52)に対して変更することができる。図9、図10、図14に示すように、ラッチ部材86bは、ロック面87bと案内面89bとを設けている。ロック面87bは、スノーボードブーツ14がロック位置の1つにある際に、接合面30bと係合する。
【0037】
ヒールカップ48は、堅い硬質の材料で構成されていることが好ましい。ヒールカップ48に適した堅い硬質の材料の例としては、様々な金属、並びにカーボン及び/又は金属/カーボンの組み合わせがある。ヒールカップ48は弓状部材であり、ベースプレート46の側面取り付け部分54a、54bにそれぞれ取り付けられたその下方自由端の各々に、一対のスロット94aと一対のスロット94bを備えている。ヒールカップ48をベースプレート46に調整可能に結合するために、スロット94a、94bが締め具96を受容する。また、締め具100を介してハイバック50をヒールカップ48に取り付けるために、ヒールカップ48には追加のスロット98a、98bが設けられている。そのため、ヒールカップ48がベースプレート46と調整可能に結合し、ハイバック50がヒールカップ48と調整可能に結合してベース部材40が形成される。これにより、後方ビンディング部材44a、44bを、ベース部材40に対して異なる縦位置において選択的に結合することが可能になる。
【0038】
ハイバック50は、堅い硬質の材料で構成された硬質部材である。ハイバック50に適した堅く硬質の材料の例には、堅く硬質なプラスチック材料又は様々な合成タイプの材料が含まれる。当然ながら、ハイバック50も様々な材料で構成することが可能である。ハイバック50は、締め具100を受容するための一対の孔を備えた実質的にU字形の底部を具備している。締め具100は、ヒールカップ48のスロット98a、98b内で調整可能に結合されており、これにより、垂直軸周囲でのハイバック50の調整が可能になる。ハイバック50は、締め具100によってヒールカップ48と旋回可能に結合されている。ハイバック50、ヒールカップ48、ベースプレート46間の接続は比較的普通のものである。従って、これらの部材は多様な方法で取り付けることが可能であり、また、本発明はこれらの接続のいかなる特定の実施形態にも限定されるべきではないことが当業者には明らかになるであろう。
【0039】
ハイバック50はさらに、ヒールカップ48と係合して、ハイバック50をベース部材40に対して前方に傾斜させる従来の前方傾き又は傾斜調整手段102を備えていることが好ましい。前方傾斜調整手段102の厳密な構造は、本発明にとって問題ではない。さらに、前方傾斜調整手段102は当技術分野で周知であるため、ここでの説明又は図示を省略する。当然ながら、当業者には、前方傾斜調整手段を多様な方法で実現することが可能であり、また、本発明が前方傾斜調整手段のいかなる特定な実現にも限定されるべきでないことが本開示から明白になるであろう。
【0040】
本発明によるスノーボードビンディングシステム10によって、ハイバック46が最前傾斜位置にある際に、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12に取り付けることが可能になる。具体的には、前方及び後方ビンディング部材42、44a、44bは、乗り手がビンディング装置12に踏み込んだ際、スノーボードブーツ14が、係合工程中にハイバック50に対抗して後方へ移動するように配置される。換言すれば、前方係止部分26のビンディング装置12との係合中に、スノーボードブーツ14の上部がハイバック50と接触するため、ハイバック50がスノーボードブーツ14の上部をビンディング装置12に対して前方へと曲げる。
【0041】
次に、図5〜図8、図9〜図12を参照しながら、スノーボードビンディング装置12にスノーボードブーツ14を取り付ける方法、及び取り外す方法についてより詳細に説明する。乗り手がスノーボードビンディング装置12にセットしたい場合には、図5、図9に示すように、ブーツ14が若干傾斜していなければならない。そして、まず前方係止部分26が前方ビンディング部材42と係合する。具体的には、前方係止部分26が前方結合フランジ又は歯止め76の下に配置される。次に、乗り手がスノーボードブーツ14のヒール又は後方部分を、実質的にベース部材40へ向かう方向(つまり、ベースプレート46の方向)へ移動する。換言すれば、スノーボード14が前方係止部分26の周囲で後方へ旋回するため、スノーボードブーツ14の後方部分が実質的にベース部材40へと移動する。
【0042】
図10に示すように、このスノーボードブーツ14の移動により、後方ビンディング部材44a、44bが、スプリング90a、90bの付勢力にそれぞれ対抗して旋回する。そのため、後方ラッチ部材86a、86bが、縦軸Bから離れて、案内位置(それぞれ第1、第2案内位置)へと横方向に移動するため、スノーボードブーツ14が下方へ移動できる。図6、図11に明らかなように、後方係止部分28a、28bが所定の距離だけ移動すると、後方ラッチ部材86a、86bが(第1、第2)案内位置から(第1、第2)ロック位置へと移動する。これにより、スノーボードブーツ14が第1ロック位置にセットされる。この第1ロック位置において、靴底部分22の後方がベースプレート46の取り付け部分52から若干離間する。そのため、図11に示すように、必要であれば雪、泥又は砂のような障害物Oが収容される。図12に示すように、移動が妨害されるような障害物Oがない場合には、スノーボードブーツ14を第2ロック位置へとさらに移動することができる。この第2ロック位置において、後方ラッチ部材86a、86bが中間(第1、第2)案内位置(図示せず)から、追加の(第1、第2)ロック位置へとそれぞれ移動する。これにより、スノーボードブーツ14が第2ロック位置に置かれる。
【0043】
次に、スノーボードビンディング装置12からのスノーボードブーツ14の取り外しについて説明する。スノーボードブーツ14がいずれかのロック位置(図6、図11、図12)にある場合には、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12から容易に解放することができる。具体的には、図7に示すように、解放レバー64を旋回させて、前方ビンディング部材42をラッチされた位置(図6)から解放位置へと移動する。これにより、スノーボードブーツ14の前方係止部分26がスノーボードビンディング装置12から解放される。しかし、後方ビンディング部材44a、44bは係合状態又はロック位置に残される。次に、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12から完全に取り外すために、スノーボードブーツ14が縦方向に(つまり、縦軸Bに沿って)移動され、これにより、後方歯止め86a、86bがそれぞれノッチ29a、29b内に滑り込む。ブーツ14が十分な距離だけ移動すると、後方歯止め86a、86bはノッチ29a、29bと係合又はロックしなくなる。そのため、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12から完全に取り外すことができるようになる。
【0044】
[第2実施形態]
次に図18を参照すると、本発明の第2実施形態によるスノーボードビンディング装置212の一部分を示している。第2実施形態のスノーボードビンディング装置212は、スノーボードビンディング装置212が、第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bの改良バ−ジョンである一対の(第1、第2)後方ビンディング部材244a、244bを備えているという部分を除いて、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と同一である。スノーボードビンディング装置212は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と同一又は実質的に同一のスノーボードブーツと共に使用するように設計されている。第2実施形態のスノーボードビンディング装置212は第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一であるため、ここではスノーボードビンディング装置212についての説明を省く。むしろ、以下の説明は、主に両装置の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10、スノーボードビンディング装置12、スノーボードブーツ14の説明の大部分は、この第2実施形態のスノーボードビンディング装置212に適用されることが当業者には明らかであろう。
【0045】
スノーボードビンディング212は基本的に、ベース部材240、前方ビンディング部材(図示せず)、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材244a、244bを備えている。この第2実施形態のベース部材240は、基本的にベースプレート246、ヒールカップ248、ハイバック(図示せず)を備えている。ベース部材240は、第1実施形態のベース部材40と同一である。そのため、ここではベース部材240についての説明又は図示を省く。さらに、スノーボードビンディング装置212の前方ビンディング部材(図示せず)は第1実施形態の前方ビンディング部材42と同一である。したがって、ここではこの第2実施形態の前方ビンディング部材についての説明又は図示を省く。上述したように、後方ビンディング部材244a、244bは第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bの改良バージョンである。より具体的には、後方ビンディング部材44aは、基本的に(第1)旋回ピン282a、(第1)本体部分284a、(第1)ラッチ部材286a、(第1)停止部材288a、(第1)付勢部材290aを備えている。後方ビンディング部材244bは、基本的に(第2)旋回ピン282b、(第2)本体部分284b、(第2)ラッチ部材286b、(第2)停止部材288b、(第2)付勢部材290bを備えている。後方ビンディング部材244a、244bは、第1実施形態と同一の方法で、一対の(第1、第2)旋回軸2P1、2P2の周囲で、ベース部材240と旋回可能に結合される。換言すれば、本体部分284aは旋回ピン282a上に旋回可能に取り付けられ、一方で、本体部分284bは旋回ピン282b上に旋回可能に取り付けられている。その一方で、ラッチ部材286a、286bは、第1実施形態のラッチ部材86a、86bを若干変更したものである。具体的には、ラッチ部材286aはロック面(図示せず)と案内面289aとを備え、ラッチ部材286bはロック面(図示せず)と案内面289bとを備えている。ラッチ部材286a、286b(つまり、ロック面と案内面289a、289b)は、ラッチ部材286a、286bがベース部材240の中心縦軸2Bに対して角度付けされている点を除いて、ラッチ部材86a、86bと同一である。換言すれば、細長いロック面がベース部材240の後方部分から前方部分(図示せず)へと伸びるに従って、(第1、第2)細長いロック面(図示せず)は、ベース部材240の縦軸2Bに対して逸れてゆく。さらに、ラッチ部材286a、286bは旋回軸2P1、2P2に対して角度付けされている。換言すれば、スノーボードビンディング装置212は、ラッチ部材286a、286bと形状が一致する、角度付けされたノッチを具備したスノーボードブーツと共に使用されるように設計されている。
【0046】
[第3実施形態]
次に図19を参照すると、本発明の第3実施形態によるスノーボードビンディング装置312を示している。この第3実施形態のスノーボードビンディング装置312は、スノーボードビンディング装置312が、第1実施形態のベース部材40を改良したものであるベース部材340を使用する点を除いて第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一である。スノーボードビンディング装置312は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と同一又は実質的に同一なスノーボードブーツと共に使用するように設計されている。この第3実施形態のスノーボードビンディング装置312は、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一であるため、ここではスノーボードビンディング装置312についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、以下の説明はこれら装置の間の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10、スノーボードビンディング装置12、スノーボードブーツ14の説明の大部分は、この第3実施形態のスノーボードビンディング312に適用される。
【0047】
スノーボードビンディング装置312は、基本的に、改良されたベース部材340、前方ビンディング部材(図示せず)、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材344a、344bを含む。スノーボードビンディング装置312の前方ビンディング部材(図示せず)は、第1実施形態の前方ビンディング部材42と同一である。さらに、後方ビンディング部材344a、344bは、第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bと同一である。そのため、ここでは前方ビンディング部材(図示せず)と後方ビンディング部材344a、344bについての詳細な説明又は図示を省く。改良されたベース部材340は、形状が若干改良されているために、後方ビンディング部材344a、344bがベース部材340の中心縦軸3Bに対して若干角度付けされる点を除いて、第1実施形態のベース部材40と同一である。ベース部材340は基本的に、ベースプレート346、ヒールカップ348、ハイバック(図示せず)を含む。ベースプレート346は、取り付け部分352、一対の(第1、第2)側面取り付け部分354a、354bを備えている。ベースプレート346は、取り付け部分354a、354bが中心縦軸3Bに対して若干角度付けされている点を除いて、第1実施形態のベースプレート46と同一である。さらに、ヒールカップ348は、ヒールカップ348の形状が、改良されたベースプレート346と共に使用するように改良されている点を除いて、第1実施形態のヒールカップ48と同一である。換言すれば、ヒールカップ348の自由端も、中心縦軸3Bに対して若干角度付けされていることが好ましい。さらに、スノーボードビンディング装置312のハイバック(図示せず)を、ベースプレート346及びヒールカップ348と共に使用するように若干改良することができる。しかし、第1実施形態のハイバック50もベースプレート346及びヒールカップ348と共に使用できるようにするために、ハイバックを、可撓性が制限された材料で形成されることが好ましい。ベースプレート346とヒールカップ348の形状のために、後方取り付け部材344a、344bが中心軸3Bに対して角度付けされる。さらに具体的には、後方ビンディング部材344a、344bは、一対の(第1、第2)旋回軸3P1、3P2の周囲でそれぞれベース部材340と旋回可能に結合される。旋回軸3P1、3P2は、縦軸3Bに対して角度付けされる(つまり、軸3Bから逸れて、ベース部材340の前方部分へと向かう)。さらに、後方ビンディング部材344aはラッチ部材386aを備え、後方ビンディング部材344bはラッチ部材386bを備えている。そのため、ラッチ部材386a、386bは中心縦軸3Bに対して角度付けされる。換言すれば、後方ビンディング部材344a、344bは、後方ビンディング部材344aの方位と後方ビンディング部材344bの方位がベース部材340の形状のために改良されている点を除いて、第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bと同一である。換言すれば、細長いロック面がベース部材340の後方部分から前方部分(図示せず)へと向けて伸びるに従って、(第1、第2)細長いロック面(図示せず)が、ベース部材340の縦軸3Bに対して逸れてゆく。したがって、スノーボードビンディング装置312は、形状がラッチ部材386a、386bに対応した、角度付けされたノッチを具備するスノーボードブーツと共に使用するように設計されている。
【0048】
[第4実施形態]
次に図20を参照すると、本発明の第4実施形態によるスノーボードビンディングシステム410の一部分を示している。この第4実施形態のスノーボードビンディングシステム410は、スノーボードビンディングシステム410が第1実施形態のベース部材40の改良バージョンであるベース部材440を備えている点を除いて、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10と実質的に同一である。スノーボードビンディングシステム410は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と実質的に同一のスノーボードブーツと共に使用するように設計されたスノーボードビンディング装置412を備えている。スノーボードビンディングシステム410は第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10と実質的に同一であるため、ここではスノーボードビンディングシステム410についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、後述の説明は、主に両システム間の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10の説明の大部分が、この第4実施形態のスノーボードビンディングシステム410にも適用されることが当業者には明白であろう。
【0049】
スノーボードビンディングシステム410は、基本的にスノーボードビンディング装置412とスノーボードブーツ414とを備えている。スノーボードブーツ414は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と同一のものである。そのため、ここではスノーボードブーツ414についての詳細な説明又は図示を省略する。スノーボードビンディング装置412は、基本的にベース部材440、前方ビンディング部材(図示せず)、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材(1つのみを図示)を備えている。スノーボードビンディング装置412の前方ビンディング部材部材(図示せず)は、第1実施形態の前方ビンディング部材42と同一である。さらに、後方ビンディング部材(一方の後方ビンディング部材444bのみを示す)も、第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bと同一である。その一方で、ベース部材440は、第1実施形態のベース部材40を改良したものである。より具体的には、ベース部材440はベースプレート446、ヒールカップ448、ハイバック(図示せず)を備えている。ベース部材440のベースプレート446とハイバック(図示せず)は、第1実施形態のベースプレート46とハイバック50と同一である。しかし、ヒールカップ448は、第1実施形態のヒールカップ48を改良したものである。詳細には、ヒールカップ448は、スノーボードブーツ414のスノーボードビンディング装置412内への案内を補助するために、ヒールカップ448の自由端に形成された、一対のフレア部分又は支持部材(1つのみを図示)449を備えている。支持部材449は、ベースプレート446から上方及び外方へ傾斜している。必要及び/又は所望であれば、支持部材449を若干湾曲させてもよい。
【0050】
[第5実施形態]
次に図21〜45を参照すると、本発明の第5実施形態による、改良されたスノーボードビンディング装置512と、改良されたスノーボードブーツ514とを示している。この第5実施形態のスノーボードビンディング装置512は、後述するように、スノーボードビンディング装置512の前方ビンディング機構が、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12の前方ビンディング機構を改良したものである点を除いて、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と同一である。そのため、スノーボードビンディング装置512のこれ以外の部分は第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一であり、したがって、ここではスノーボードビンディング装置512についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、後述の説明は主に、スノーボードビンディング装置512とスノーボードビンディング装置12の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10、スノーボードビンディング装置12、スノーボードブーツ14の説明の大部分がこの第5実施形態に適用されることが当業者には明白であろう。
【0051】
次に図21、図31〜図45を参照し、本発明のスノーボード514についてより詳細に説明する。図21に示すように、スノーボードブーツ514は、スノーボードビンディング装置512と共に使用するように設計されている。本発明のスノーボードブーツ514は基本的に、靴底部分522と上方部分524とを備えている。上方部分524は、靴底部分522に強固に結合されている脚部分524aと、脚部分524aから上方へと伸びている脚部分524bを備えている。上方部分524は基本的に、可撓性材料で構成されており、接着成形及び/又は縫合(図示せず)を介して靴底部分522に強固に取り付けられている。上方部分524は本発明にとって重要ではないため、ここではその詳細な説明及び/又は図示を省略する。
【0052】
図34〜図45に示すように、靴底部分522は基本的に3つの部分で構成されている。より具体的には、靴底部分522は、図34〜図38に示すように外方靴底522bが成形された中央靴底522aと、図34、図39、図40に示すように中央靴底522aの前方部分に配置された前方係止部分526とを備えている。さらに、外方靴底522bは上方部分524の下方外周縁上に成形されているため、外方靴底522bは上方部分524を中央靴底522aに強固に確実に取り付ける。外方靴底522bは、スノーボードブーツ514の踏み付け部分の形成に適した弾性ゴム材料で構成されていることが好ましい。上述したように、縫合を用いて、上方部分524を外方靴底522bにさらに強固に固定することができる。
【0053】
図39〜図43に明らかなように、中央靴底522aは基本的に、ベース部分527、一対の(第1、第2)後方係止部分528a、528b、一対の(第1、第2)ストラップ取り付け部材529a、529bを備えている。最も好ましい実施形態では、第1、第2後方係止部分528a、528bと、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bとが、中央靴底522aのベース部分527に一体型の単一部材として一体形成されている。換言すれば、中央靴底522aは、第1、第2後方係止部分528a、528bと、同一の材料で形成されている第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bと共に一体型の単一部材として成形されることが好ましい。中央靴底522aは、可撓性であるがいくらか硬質の材料で構成されることが好ましい。例えば、中央靴底522aに適した材料の1例は、35%のガラス繊維を分散させたポリアミド(PA)ゴムである。
【0054】
中央靴底522のベース部分527は、前方係止部分受容溝527bを備えた前方トウ部分527aと後方ヒール部分527cとを設けている。そのため、前方係止部分526はベース部分527の前方係止部分受容溝527b内に配置され、前方及び後方係止部分528a、528bはベース部分527のヒール部分527cの第1及び第2側面に配置されている。同様に、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bは、ベース部分527のヒール部分527cから上方に伸びている。さらに、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bは、第1、に後方係止部分528a、528bを形成する部分の上縁から上方へと伸びていることが好ましい。
【0055】
前方係止部分526は、中央靴底522aに形成されるか、又は締め具(図示せず)を介してこれに取り付けられることが好ましい。あるいは、前方係止部分526を前方係止部分受容溝527b内に単純に配置し、内底又はライナー、そして使用者の足によって定位置に保持することもできる。
図31〜図34に示すように、前方係止部分526は基本的にU字型部材であり、この部材は舌部分536と、舌部分536から上方に伸びた一対の脚部分538とを備えている。脚部分538どうしは、取り付けプレート539によって結合されている。取り付けプレート539は、前方係止部分受容溝527bの上方を向いた面の上に配置されており、一方で、下部分536と脚部分538は、前方係止部分受容溝527bに形成された開口部527dを通って伸びている。前方係止部分526は、舌部分536と、図33、図34において示すように断面が矩形である脚部分538と共に一体型の単一部材として形成されることが好ましい。最も好ましい実施形態では、前方係止部分526は、鋼鉄又は他の適当な材料のような、堅い硬質の材料で構成されることが好ましい。本開示から、前方係止部分526は多様な方法で実現することができ、また、本発明は、単に例示の目的で提供された図面に示した特定の実施形態に限定されるものではないことが当業者には明白であろう。当然ながら、前方係止部分526の構造は、使用する特定のビンディング装置に依存することが当業者には明らかになるであろう。
【0056】
上述したように、また、図38、図41、図42に示すように、後方係止部分528a、528bは、靴底部分522の中央靴底522aと共に成形されている。後方係止部分528a、528bは、スノーボードビンディング装置512に対して高さの異なる複数の係合位置又はロック位置において、スノーボードブーツビンディング装置512と係合するように設計されている。更に具体的には、第1後方係止部分528aは、複数の(2つのみを図示)V字型溝又はノッチ530aを、靴底部分522の中央靴底522aの第1側面に成形することで形成されている。同様に、第2後方係止部分528bも、複数の(2つのみを図示)V字型溝530bが、靴底部分522の中央靴底522の反対の第2側面に成形によって形成されている。ノッチ530aの各々は、ベース部分527の底面に対して角度付けされた接合面531aを備えていることが好ましい。同様に、ノッチ530bも、ベース部分527の底面に対して角度付けされた接合面531bを備えている。接合面531a又は531bの各々が、ベース部分527の底面と共に約30°の角度を形成することが好ましい。換言すれば、接合面531a、531bは、スノーボード514の中心面から下方に向かって先細りしており、また、スノーボードブーツ514がスノーボードブーツビンディング装置512に対して上方へ移動することを防止するべく、スノーボードビンディング装置512と係合するように構成されている。さらにノッチ530a、530bも、スノーボードブーツ514のスノーボードブーツビンディング装置512に対する上方への移動を防止するのに十分な深さを有しており、また、後述するように、スノーボードブーツビンディング装置512と合致するように構成/成形されていることが好ましい。
【0057】
V字型溝又はノッチ530a、530bの各々の前方縁には、スノーボードブーツがスノーボードブーツビンディング装置512に対して後方へ移動することを制限する停止面532a、532bが設けられている。
当然ながら、当業者には、必要及び/又は所望であれば、スノーボードブーツ514に高さの異なる追加の係合位置又はロック位置を設けて設計できることが本開示から明白であろう。例えば、スノーボードブーツ514を、高さの異なる3つの係合位置(つまり、V字型溝)をそれぞれ設けて設計することができる。しかし、本発明は後方係止部分528a、528bの厳密な構造に限定されないことが、この開示から明白であるはずである。むしろ、後方係止部分528a、528bは多様な方法で実現することができ、また、本発明は、単に例示の目的で提供された図面に示す特定の実施形態に限定されるものではない。
【0058】
第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bは、第1、第2可撓性接続部分533a、533bと、第1、第2可撓性接続部分533a、533bの自由端にそれぞれ配置された第1、第2取り付け部分534a、534bとを備えている。第1、第2取り付け部分534a、534bは、複数(2つ)の取り付け孔535a、535bをそれぞれ備えている。
【0059】
図21に示すように、後方ブーツストラップ537は、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bの第1、第2取り付け部分534a、534b間で接続している。後方ブーツストラップ537は、スノーボードブーツ514の上方部分524の前方足首部分にかけて伸びている。後方ブーツストラップ537は、バックル537cにより結合された2つのブーツストラップ部分537a、537bで構成されていることが好ましく、バックル537cは、第1、第2取り付け位置534a、534b間で後方ブーツストラップ537の縦方向長さを調整するためのものである。より具体的には、第1、第2ブーツストラップ部分537a、537bは、締め具539(1つのみ図示)を介して第1、第2取り付け部分534a、534bに強固に結合した第1端部と、バックル537cを介して相互に対して強固に結合した第2端部とを具備する。
【0060】
外方靴底522bは、中央靴底522aのベース部分527の外周縁周囲に成形され、ベース部分527の外周縁から上方へと伸び、上方部分524の脚部分524aと強固に結合している。さらに、外方靴底522bは、第1、第2後方係止部分528a、528bを包囲するべく、また、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bの第1、第2可撓性接続部分533a、533bの上に配置されるべく成形されている。そのため、外方靴底522bは、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bのためのさらなる支持に並び、第1、第2後方係止部分528a、528bへのさらなる支持を提供する。
【0061】
再び図21、図22を参照すると、スノーボードビンディング装置512は、スノーボードブーツ514に前方傾斜力を付加するハイバックビンディング装置であることが好ましい。スノーボードビンディング装置512は、第1実施形態と同一の部品を多く使用する。そのため、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12の部品と同一のスノーボードビンディング512の部品には、同一の参照符号を付している。さらに、第1実施形態への改良(第2、第3、第4実施形態)を、スノーボードビンディング装置512にも適用することができる。
【0062】
スノーボードビンディング装置512は、従来の方法で、4つの締め具又はネジ18を介して、スノーボード16の頂面又は上面に取り付けられている。スノーボード16の縦軸は、図21の中心線Aによって示されている。スノーボードビンディング装置512は、基本的にベース部材40、前方ビンディング部材542、後方ビンディング機構を形成する一対の(第1、第2)後方ビンディング部材44a、44bとを備えている。ベース部材40は前方部分、後方部分、前方部分と後方部分の間に伸びている縦軸Bを設けている。前方ビンディング部材542は、解放位置とラッチされた位置の間で、ベース部材40と移動可能に結合している。後により詳細に説明するように、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材44a、44は、ベース部材40の反対側の側面と結合している
前述の第1実施形態と同様に、第5実施形態のベース部材40は、基本的に、調整円盤20を介してスノーボード16と調整可能に結合したベースプレート46、ベースプレート46と調整可能に結合したヒールカップ48、ヒールカップ48と調整可能に結合したハイバック50を備えている。スノーボードビンディング装置512は、調整円盤20を介してスノーボード16と調整可能に結合していることが好ましい。後方ビンディング部材44a、44bは、スノーボードブーツ514をこれに選択的に保持するために、ベース部材40に対して移動可能である。後方ビンディング部材44a、44bは、前述した第1実施形態と同様の方法で、実質的にベース部材40の方向へ向かう力が付加されると、初期休止位置から案内位置へと相互に向かって横方向に移動するように配置されている。後方ビンディング部材44a、44bはさらに、前述の第1実施形態と同様の方法でこの力が除去されると、相互に向かって、又はロックされた位置の1つへと共に横方向に移動するように配置されている。そのため、後方ビンディング部材44a、44bは、前述の第1実施形態と同様の方法で、ベース部材40よりも上の異なる高さを有する複数の係合位置又はロックされた位置にスノーボードブーツ514を選択的に保持するように配置されている。
【0063】
図22に最良に示すように、前方ビンディング部材542は、基本的に前方結合プレート560、前方歯止め561、前方付勢部材562、前方停止部材563、解放レバー564を備えている。前方歯止め561は、前方結合プレート560により、解放位置とラッチされた位置間でベース部材40の前方部分と移動可能に結合している。前方停止部材563は、前方結合プレート560により、前方歯止め561に隣接したベース部材40の前方部分に強固に結合している。
【0064】
図21に示すように、ベースプレート46の取り付け部分52は、ベースプレート46の前方部分を形成するべくこれに強固に結合した前方結合プレート560を具備している。前方歯止め561は、結合プレート560と移動可能に結合している。そのため、前方結合プレート560が取り付け部分52に強固に結合し、前方歯止め561がベース部材40のベースプレート46と移動可能(旋回可能)に結合する。前方歯止め561は、前方歯止め561用の前方旋回ピンとして機能する前方解放レバー564を介して、前方結合プレート560と旋回可能に結合していることが好ましい。前方歯止め561を係合位置又はラッチされた位置へと付勢するために、付勢部材562が前方解放レバー564上に配置されている。制御又は解放レバー564は、付勢部材又はスプリング562の付勢力あるいは強制力に対抗して、前方歯止め561をラッチされた位置から解放位置へと移動するために、前方歯止め561と回転不可能に結合していることが好ましい。
【0065】
図22〜図25に示すように、結合プレート560には、前方歯止め561を部分的に受容するように構成された一対の開口部又はスロット560aが形成されている。スロット560aは、スロット560aの最後縁に一対の停止面560bを形成する。通常、停止面560bは、前方歯止め561をラッチされた位置に保持する。さらに、前方歯止め561の旋回軸は結合プレート560の底面よりも下にあるため、前方歯止め561が前方歯止め526と接触せずに回転できる。ベース部材40の底面は、前方歯止め561が解放位置にある際に、追加の停止面を形成する。この方法で、前方歯止め561は、前方結合フランジ576が実質的に水平であるラッチされた位置から、前方結合フランジ576が実質的に垂直である解放位置へと約90°の角度で回転できる。
【0066】
前方結合プレート560は傾斜上面560cを備えており、傾斜上面560cは、ベース部材40の前方端部へと伸びるに従って、ベース部材40の縦軸Bに沿って上方に向かってのびている。
さらに、図21、図22に示すように、前方結合プレート560は、ベースプレート46の取り付け部分52に対して(縦軸Bに沿って)調整可能であることが好ましい。さらに具体的には、取り付け部分52は複数(3つ)のスロット68を備え、結合プレート560は複数(3つ)の貫通孔569を備える。締め具又は取り付けネジ570が貫通孔569及びスロット680を通って挿入され、ナット571に取り付けられることで、前方結合プレート560が、ベース部材40の縦軸Bに沿った調整可能な方法で取り付け部分52に強固に結合される。これにより、前方ビンディング部材542を、ベース部材40に対する異なる縦方向位置にて選択的に結合することができる。当然ながら、これ以外の様々な構造を用いて前方ビンディング部材の縦方向位置を調整できることが当業者には明白であろう。さらに、当業者には、必要及び/又は所望であれば、結合プレート560をベースプレート46と一体に形成できることも明らかであろう。
【0067】
図21、図22、図26、図27に示すように、前方歯止め561は上下を逆にしたU字型部材であり、取り付け部分574、結合フランジ576、接続部分578を具備している。結合フランジ576を前方停止部材563の傾斜面よりも上に位置付けするために、前方歯止め561が、付勢部材又はスプリング562によって、ラッチされた位置へと強制移動される。結合フランジ576、傾斜面563c、タブ又は停止部分563bは、その間に、前方クリート受容範囲を形成する。前方付勢部材又はスプリング562の強制力よりも大きな力が解放レバー564に付加されると、前方歯止め561をラッチされた位置から解放位置へと移動するために、解放レバー564が前方歯止め561に固定的に結合される。
【0068】
図28〜図30に示すように、前方停止部材563は、取り付けプレート563aを形成するべく折り曲げられ、一対のタブ又は停止部分563bと傾斜面563cを備えた金属プレート部材であることが好ましい。前方停止部材563の取り付けプレート563aは、締め具又は取り付けネジ570の1つによって、前方結合プレート560と、ベースプレート46の取り付け部分52とに強固に結合される。タブ又は停止部分563bは、その間に前方クリート受容範囲の一部分を形成するために、前方歯止め561のラッチ面から後方に向かって離間した、前方を向いた停止面を形成する。傾斜面563cは、取り付けプレート563aから鋭角にて上方へと伸びている。前方停止部材563がベース部材40上に取り付けられている場合には、前方係止部分526を前方歯止め561から解放する補助となるべく、傾斜面563cがベース部材40に対して上方に傾斜する。
【0069】
図22に示すように、解放レバー564は、基本的に、穴560d内で旋回可能に支持された旋回ピン部分565と、旋回ピン部分565から垂直に伸びたハンドル又は制御部分566とを備える。換言すれば、解放レバー564の旋回ピン部分565は、前方歯止め561の前方旋回ピンを形成する。そのため、解放レバー564は一体型の単一部材として一体形成される。旋回ピン部分565の自由端部には環状溝65aが形成されることが好ましい。スプリング562を間に配置して、解放レバー564と前方歯止め561を結合プレート560に固定するために、この環状溝565a内に適当な保持部材又はCクリップが受容される。
【0070】
図21、図22、図26、図27に最良に示すように、前方歯止め561の取り付け部分574は、ラッチされた位置と解放位置間の前方旋回軸周囲で回転するために、解放レバー564の旋回ピン部分565に回転不可能に取り付けられている。前方旋回軸は、結合プレート560の下に配置されているため、前方歯止め561が前方係止部分526と係合しない位置へと(つまり、解放位置へと)移動される。付勢部材又はスプリング562は、前方歯止め561に強制力を付加して、前方歯止め561をラッチされた位置へと強制移動する。前方歯止め561は、スノーボードブーツ514の前方係止部分526の舌部分536の上面と係合するように構成された下方ラッチ面を含む。結合プレート576と取り付け部分574の間には接続部分578が伸びている。
【0071】
さらに具体的には、取り付け部分574は一対の(第1、第2)取り付けフランジ575a、575bを形成することが好ましい。取り付けフランジ575aはスプリング562の第1端部562aと係合するように設計されている。スプリング562のもう一方の端部(第2端部)562bは、取り付けプレート560に形成された横断孔(図示せず)内に受容されるように設計されている。そのため、スプリング562は、スノーボードブーツ514の前方係止部分526を選択的に保持するために、前方ビンディング部材542をラッチされた位置へと強制移動するべくプレロードされる。さらに、取り付けフランジ575a、575bの少なくとも1つは、解放レバー564の非円形部分565bを回転不可能に受容するべく、非円形(正方形)の開口部575dを含むことが好ましい。
【0072】
次に、スノーボードビンディング装置512に対するスノーボードブーツ514への取り付け及び取り外しについてさらに詳細に説明する。乗り手がスノーボードビンディング装置512に踏み込みたい場合には、ブーツ514は若干傾斜していなければならない。前方係止部分526が、まず前方歯止め561と係合する。具体的には、前方係止部分526が前方結合フランジ576の下に配置される。次に、乗り手は、スノーボードブーツ514の後方部分を実質的にベースプレート46へと向かう方向に動かす。換言すれば、スノーボードブーツ514が、前方係止部分26の周囲で後方へ旋回するため、ブーツ514の後方が実質的にベース部材40へ向かって移動できる。
【0073】
このスノーボードブーツ514の移動により、後方ビンディング部材44a、44bがスプリング90a、90bの付勢力にそれぞれ対抗して旋回する。そのため、後方ラッチ部材86a、86bが、縦軸Bから離れて案内位置(第1案内位置、第2案内位置のぞれぞれ)へと横方向に移動するためスノーボードブーツ514が下方へ移動することができる。一度後方係止部分528a、528bが所定の距離だけ移動すると、後方ラッチ部材86a、86bが(第1、第2)案内位置から(第1、第2)ロック位置へと移動する。そのため、スノーボードブーツ514が第1ロック位置にくる。この第1ロック位置では、靴底部分522の後方がベースプレート46の取り付け部分52から若干離間する。そのため、必要であれば、雪、泥、砂のような障害物を収容することができるようになる。障害物によって妨害されなければ、スノーボードブーツ14はさらに第2ロック位置へと移動する。この第2ロック位置では、後方ラッチ部材86a、86bが中間(第1、第2)案内位置(図示せず)から追加の(第1、第2)ロック位置へとそれぞれ移動する。これにより、スノーボードブーツ514が第2ロック位置に入る。
【0074】
次に、スノーボードブーツ514をスノーボードビンディング装置512から解放する方法についてより詳細に説明する。スノーボードブーツ514がいずれかのロック位置にある場合、スノーボードビンディング装置512はスノーボードブーツ514を容易に解放することができる。具体的には、解放レバー564を旋回させて、前方歯止め561をラッチされた位置から解放位置へと移動する。これにより、スノーボードブーツ514の前方係止部分526がスノーボードビンディング装置512から解放される。しかし、後方ビンディング部材44a、44bは係合した状態、あるいはロック位置のまま残る。そこで、スノーボードブーツ514を縦方向に(つまり、縦軸Bに沿って)移動し、後方歯止め86a、86bをノッチ530a、530b内にそれぞれ滑り込ませることで、スノーボードブーツ514をスノーボードビンディング装置512から完全に取り外す。スノーボードブーツ514が十分な距離を移動した後はラッチ部材86aと86bはノッチ530aと530bを係合又はロックしない。これにより、スノーボードブーツ514をスノーボードビンディング装置512から完全に取り外すことができる。
【0075】
[第6実施形態]
次に、図46〜図96を参照すると、本発明の第6実施形態によるスノーボードビンディングシステム610を示している。スノーボードビンディングシステム610は、基本的に改良型のスノーボードビンディング装置612と改良型のスノーボードブーツ614を含む。
【0076】
この第6実施形態のスノーボードビンディング装置612は、後に詳細に示すようにスノーボードビンディング装置612の前方ビンディング機構が第1実施形態のスノーボードビンディング装置12の前方ビンディング機構から改良されており、また、スノーボードビンディング装置612からのスノーボードブーツ614の取り外しを補助するために案内特徴が追加されている点を除いて、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一である。そのため、スノーボードビンディング装置612のこれ以外の部分は、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一である。したがって、第6実施形態のスノーボードビンディング装置612は第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一であるため、ここではスノーボードビンディング装置612についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、以降の説明は主に、スノーボードビンディング装置612とスノーボードビンディング装置12の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12の説明の大部分が、この第6実施形態のスノーボードビンディング装置612に適用できることが当業者には明白になるであろう。
【0077】
この第6実施形態のスノーボードブーツ614は、後に説明するようにスノーボードブーツ614の前方ビンディング機構が第1実施形態のスノーボードブーツ14の前方ビンディング機構の改良型であり、また、スノーボードブーツ614とスノーボードビンディング装置612間の係合及び解放を補助するべくガイド部分の特徴が追加されている点を除いて、第1実施形態のスノーボードブーツ14と実質的に同一である。従って、スノーボードブーツ614のこれ以外の部分は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と実質的に同一である。第6実施形態のスノーボードブーツ614は第1実施形態のスノーボードブーツ14と実質的に同一であるため、ここではスノーボードブーツ614についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、以下の説明は、スノーボードブーツ614とスノーボードブーツ14の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードブーツ14の説明の大部分が、この第6実施形態のスノーボードブーツ614に適用できることが当業者には明白になるであろう。
【0078】
スノーボードビンディング装置12と同じように、スノーボードビンディング装置612も、4つの締め具又はネジ18を介して、従来の方法で、スノーボード16の頂面又は上面に取り付けられている(図1)。この開示から、一対のスノーボードビンディングシステム610をスノーボード16と共に使用して、乗り手が両足をスノーボード16に強固に取り付けることができるようにしていることが当業者には明らかであろう。2つの調整円盤620を用い、ネジ18を介して、一対のスノーボードビンディングシステム610をスノーボード16に調整可能に結合することが好ましい。ここでは、1つのスノーボードビンディングシステム610のみについて説明及び/又は図示する。
【0079】
スノーボードブーツ614は比較的柔軟な、又は可撓性のスノーボードブーツであることが好ましい。柔軟なスノーボードブーツは当技術範囲では周知であるため、ここではその説明又は図示を省略する。スノーボードブーツ614についても、本発明のスノーボードビンディングシステム610に関連したスノーボードブーツ614の新規の特徴を除いて、詳細な説明又は図示を省く。基本的に、柔軟なスノーボードブーツは、堅いゴム状材料から成る靴底部分622と、プラスチック材料、皮革及び/又は合成皮革材料のような様々な材料で構成された可撓性の上方部分624とを含む。上方部分624は、基本的に、可撓性材料で構成され、接着成形及び/又は縫合(図示せず)を介して靴底部分622に強固に取り付けられている。そのため、柔軟なスノーボードブーツ614の上方部分624はいくらか可撓性でなければならない。上方部分624は、靴底部分622に強固に結合された足部分624aと、足部分624aから上方に伸びた脚部分624bとを備えている。本発明にとって上方部分624は重要ではないため、ここではそのさらなる詳細な説明又は図示を省く。
【0080】
図46〜図48、図56〜図62に示すように、靴底部分622は基本的に3つの部分で構成されている。より具体的には、靴底部分622は、外方靴底622bを上に成形した中央靴底622aと、中央靴底622aの前方部分又はトウ部分に配置された前方係止部分626とを備える。外方靴底622bはさらに、上方部分624の下方外周縁上にも成形されているため、外方靴底622bにより上方部分624を中央靴底622aに固定的に強固に取り付けることができる。外方靴底622bは、スノーボードブーツ614の踏み付け部分の形成に適した弾性ゴム材料から成ることが好ましい。上述したように、縫合により、上方部分624を外方靴底622bにより強固に固定することができる。
【0081】
図56〜図62に示すように、中央靴底622aは基本的に、ベース又は足部分627と、第1、第2後方係止部分628a、628bを含む第1、第2側面部分と、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bとを備えている。最も好ましい実施形態では、第1、第2後方係止部分628a、628bと、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bとが、中央靴底622aのベース部分627と共に、一体型の単一部材として一体形成されている。換言すれば、中央靴底622aは、同素材で形成されている第1、第2後方係止部分628a、628b、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bと共に一体型の単一部材として成形されることが好ましい。中央靴底622aは、可撓性の、しかしいくらか硬質な材料で構成することが好ましい。例えば、中央靴底622aに適した材料の1例として、ガラス繊維を35%分散させたポリアミド(PA)ゴムが挙げられる。
【0082】
中央靴底622aのベース又は足部分627は、前方係止部分受容溝627bと後方ヒール部分627cとを備えた前方トウ部分627aを設けている。従って、前方係止部分626がベース部分627の前方係止部分受容溝627b内に配置され、その一方で、前方及び後方係止部分628a、628bがベース部分627のヒール部分627cの第1、第2側面に配置される。同様に、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bが、足部分627のヒール部分627cから上方へ伸びている。さらに、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bが、第1、第2後方係止部分628a、628bを形成する部分の上方縁から上方に向かって伸びていることが好ましい。
【0083】
中央靴底622aはさらに、スノーボードブーツビンディング装置612へ踏み込むための、また、この装置612から足を取り出すためのガイド部の特徴をいくつか備えている。中央靴底622aの第1の特徴は、一対の前方係止部分案内フランジ630を含む。具体的には、中央靴底622aの底面から、前方係止部分案内フランジ630が外方に向かって伸びている。前方係止部分案内フランジ630は、中央靴底622aと結合している前方係止部分626に対して前方及び側方に配置されている。前方係止部分案内フランジ630は、一体型の単一部材として、中央靴底622aの残りの部分と共に一体形成されることが好ましい。前方係止部分案内フランジ630は、外方靴底622bを通って伸びている。前方係止部分案内フランジ630は、後方に向かって集中するように角度付けされているため、前方係止部分案内フランジ630の後方端部が前方係止部分626のすぐ前方に配置される。前方係止部分案内フランジ630の前方係止部分案内面が、縦軸Bに対して約45°で角度付けされることが好ましい。換言すれば、前方係止部分案内フランジ630は、スノーボードブーツ614をスノーボードブーツビンディング装置612と係合させるべく補助するために、両者間に案内スロットを形成する一対の集中型の前方係止部分案内面を備える。これらの前方係止部分案内フランジ630の前方係止部分案内面は、前方係止部分626の側部長さよりも若干長い距離で横方向に離間した後方端部を備えている。
【0084】
中央靴底622aによって提供される第2の特徴は、中央靴底622aの底面の第1、第2側縁に配置された、一対の後方案内範囲631a、631bを備える。さらに具体的には、案内範囲631a、631bは、後方係止部分628a、628bとそれぞれ整列している。中央靴底622aは、外方靴底622bよりもさらに硬質な材料で構成され、中央靴底622aは、外方靴底622bの材料よりも摩擦係数が低い。換言すれば、外方靴底622bは、中央靴底622aの外部に面した表面上に部分的に配置されたゴム材料で構成されているため、案内範囲631a、631bが、第1、第2側面部分と隣接した範囲(後方係止部分628a、628b)に露出する。後に説明するように、スノーボードブーツ614のスノーボードビンディング装置612からの解放を補助するために、案内範囲631a、631bがスノーボードブーツビンディング装置612と係合する。より具体的には、スノーボードブーツ614をスノーボードビンディング装置612から解放するために、スノーボードブーツ614が概して前方に受かって移動されることで、スノーボードブーツ614がスノーボードビンディング装置612上で前方に滑動する。換言すれば、スノーボードビンディング装置612上でのスノーボードブーツ614のより滑らかな前方移動を提供するために、案内範囲631a、631bがスノーボードビンディング装置612と係合する。したがって、案内範囲631a、631bの縦長さは、スノーボードブーツ614をスノーボードビンディング装置612から解放する間に、外方靴底622bがスノーボードビンディング装置612と限定的に接触できるように十分長くなくてはならない。
【0085】
中央靴底622aの第3の特徴は、中央靴底622aのトウ部分627aから下方に突出した前方案内要素632を備えている。この前方案内要素632は、前方係止部分626の後方に配置されている。前方案内要素632は、前方案内要素632が後方ヒール部分627cに接近するに従って、前方トウ部分627aから下方に向かって段階的に突出する楔形部材であることが好ましい。案内面631a、631bと類似して、前方案内要素632は、スノーボードビンディング装置612からのスノーボードブーツ614の解放を補助する。具体的には、スノーボードブーツ14を前方に移動するべく、前方案内要素632がスノーボードブーツビンディング装置612と接触することにより、スノーボードブーツ614がスノーボードビンディング装置612から離れて上方へ移動する。
【0086】
図58、図62に示すように、後方係止部分628a、628bは、靴底部分622の中央靴底622aに成形されている。後方係止部分628a、628bは、スノーボードビンディング装置612に関連して高さの異なる複数の係合位置又はロック位置において、スノーボードブーツビンディング装置612と係合するように設計されている。さらに具体的には、第1後方係止部分628aは、靴底部分622の中央靴底622aの第1側面に複数のV字型溝又はノッチを成形して形成される。同様に、第2後方係止部分628bは、靴底部分622の中央靴底622aの反対側の側面に複数のV字型溝を成形することで形成される。後方係止部分628a、628bは、第1実施形態と同様に、スノーボードブーツ614がスノーボードブーツビンディング装置612に対して上方に移動することを防止するべく、スノーボードビンディング装置612と係合するように構成されている。そのため、後方係止部分628a、628bのノッチは、スノーボードブーツ614がスノーボードブーツビンディング装置612に対して上方に移動することを防止するのに十分な深さを備え、また、以降に説明するようにスノーボードブーツビンディング装置612と合致するように形成されている。
【0087】
この実施形態は、高さの異なる2つの異なる係合位置(つまり、2つのV字型溝)でそれぞれ図示されている。当然ながら、この開示から、必要及び/又は所望であれば、高さの異なる追加の係合位置又はロック位置を設けてスノーボードブーツ614を設計できることが当業者には明白であろう。したがって、この開示からは、本発明が後方係止部分628a、628bの厳密な構造に限定されないことが明白である。むしろ、後方係止部分628a、628bは多様な方法で実現することができ、また、本発明は、単純に例示の目的で提供した図面に示す特定の実施形態に限定されることはない。
【0088】
図58、図62に示すように、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bは、第1、第2可撓性接続部分633a、633bと、第1、第2可撓性接続部分633a、633bの自由端部にそれぞれ配置された第1、第2取り付け部分634a、634bとを含む。第1、第2取り付け部分634a、634bの各々は、複数(2つ)の取り付け穴635a、635bをそれぞれ備えている。図46に示すように、後方ブーツストラップ637は、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bの第1、第2取り付け部分634a、634b間で接続している。後方ブーツストラップ637は、スノーボードブーツ614の上方部分624の前方足首部分にかけて伸びている。後方ブーツストラップ637は、バックルによって結合した2つのブーツストラップ部分で構成されていることが好ましく、バックルは、後方ブーツストラップ637の縦長さを、第1、第2取り付け部分634a、634b間で調整するためのものである。より具体的には、後方ブーツストラップ637は、前述したブーツストラップ537と同一である。
【0089】
外方靴底622bは、中央靴底622aのベース部分627の外周縁周囲に成形され、ベース部分627の外周縁から上方に伸びて、上方部分624の足部分624aとしっかりと結合している。さらに、外方靴底622bは、第1、第2後方係止部分628a、628bを包囲するように、また、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bの第1、第2可撓性接続部分633a、633bの一部分の上に位置するように成形されている。さらに、前述したように、外方靴底622bが中央靴底622aの周囲に成形されているため、中央靴底622aの足部分627の案内範囲631a、631bが露出する。したがって、外方靴底622bは、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bの追加の支持と同様に、第1、第2後方係止部分628a、628bに追加の支持を提供する。
【0090】
前方係止部分626は、中央靴底622aに成形するか、又は締め具(図示せず)によってこれに取り付けることが好ましい。あるいは、前方係止部分626は、前方係止部分受容溝627b内に単に配置し、内底又はライナー及び使用者の足によって定位置に保持することもできる。後により詳細に説明するように、前方係止部分626は、スノーボードビンディング装置612の一部分と係合するように構成されている。
【0091】
図50〜図55に示すように、前方係止部分626は基本的にU字型部材であり、U字型部材は、舌部分636と、舌部分636から上方に伸びた一対の脚部分638とを備える。脚部分638どうしは、取り付けプレート639によって結合されている。取り付けプレート639は前方係止部分受容溝627bの上方を向いた面上に配置され、一方で、舌部分636と脚部分638は、前方係止部分受容溝627bに形成された開口部627dを通って伸びている。前方係止部分626は、図54、図56に最良に示すように断面が矩形の舌部分636及び脚部分638と共に、一体型の単一部材として形成されることが好ましい。最も好ましい実施形態では、前方係止部分626は、鋼鉄又は他の適切な材料のような堅く硬質の材料で構成されることが好ましい。この開示から、前方係合部分626は多様な方法で実現することができ、また、本発明は、単純に例示の目的で提供された図面に示す特定の実施形態に限定されないことが当業者には明白であろう。当然ながら、当業者には、前方係止部分626の構造は、使用する特定のビンディング装置に依存することが明らかであろう。
【0092】
図52に示すように、舌部分636は前方から後方までの寸法D1を備え、この寸法D1は、脚部分638の前方から後方までの寸法D2よりも長い。後述するように、細長い舌部分636を設けることで、前方係止部分626をスノーボードブーツビンディング装置612とさらに容易に係合することが可能である。一般に、縦軸Bと平行する断面線に沿って見た場合、舌部分636と一対の脚部分638の断面は矩形であることが好ましい。舌部分636は、スノーボードブーツ614の前方部分をスノーボードブーツビンディング装置612に固定するだけでなく、さらに、後述するように、スノーボードブーツビンディング装置612と係合して、前方及び/又は後方への移動を阻止する。
【0093】
再び図46〜図49を参照すると、スノーボードビンディング装置612はベース部材640、前方ビンディング部材642、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材644a、644bを備えることが好ましい。前方ビンディング部材642は、解放位置とラッチされた位置の間で、ベース部材640と移動可能に結合している。第1、第2後方ビンディング部材644a、644bは後方ビンディング機構を形成する。後により詳細に説明するように、第1、第2後方ビンディング部材644a、644bは、ベース部材640の反対の側面と結合している。
【0094】
ベース部材640は基本的に、調整円盤620を介してスノーボード16と調整可能に結合したベースプレート646、ベースプレート646と調整可能に結合したヒールカップ648、ヒールカップ648と調整可能に接続したハイバック650を備える。スノーボードビンディング装置612は、調整円盤620を介してスノーボード16と調整可能に結合していることが好ましい。後方ビンディング部材644a、644bは、これにスノーボードブーツ614を選択的に保持するために、ベース部材640に対して移動可能である。後方ビンディング部材644a、644bは、実質的にベース部材640の方向へ向かう力が付加されると、各々から離れ、初期休止位置から案内位置へと、相互に対して横方向に移動するように配置されている。後方ビンディング部材644a、644bはさらに、力が除去されると、相互に向かって、又は共にロック位置の1つへと横方向に移動するように配置されている。そのため、後方ビンディング部材644a、644bは、スノーボードブーツ614を、ベース部材640よりも上の異なる高さを有する複数の係合位置又はロック位置に選択的に保持するように配置されている。後方ビンディング部材644a、644bは、前出の実施形態と同様の方法で動作する。さらに、後方ビンディング部材644a、644bの部品も、前出の実施形態と機能的に同一である。
【0095】
ベースプレート646は、さらに、スノーボードブーツビンディング装置612からのスノーボードブーツ614の解放を補助するために、ガイド部の特徴を設けている。具体的には、第1、第2後方ビンディング部材644a、644bとそれぞれ隣接したベースプレート646の側縁に、一対の案内突出部又は部材645a、645bを具備している。第1、第2案内突出部645a、656bは、その自由端部に第1、第2ブーツ支持面を備えている。換言すれば、案内突出部645a、645bの上面は、スノーボードブーツ614の靴底部分622をベースプレート646よりも上に保持する上方ブーツ支持面を形成する。案内突出部645a、645bは、スノーボードブーツ614がスノーボードブーツビンディング装置612に対して係合位置にある際に、中央靴底622aの案内範囲631a、631bの前方端部と接触するように配置されている。換言すれば、スノーボードブーツ614が、スノーボードブーツビンディング装置612に対して通常の乗り位置にある場合、案内範囲631a、631bが、ベースプレート646の案内突出部645a、645bのブーツ支持面頂部に位置する。スノーボードブーツ614がスノーボードブーツビンディング装置612に対して前方に移動されると(つまり、解放中に)、案内範囲631a、631bが、それぞれ案内突出部645a、645bのブーツ支持面に沿って滑動する。前述したように、中央靴底622aは摩擦係数が比較的低い材料で構成されているため、スノーボードブーツ614がベースプレート646に沿って前方に滑り易い。好ましい実施形態では、案内突出部645a、645bがベース部材646と共に、一体型の単一部材として一体形成されている。例えば、案内突出部645a、645bをベースプレート646に型鍛造することができる。好ましい実施形態では、案内突出部645a、645bのブーツ支持面は、縦軸Bに対して垂直に配した幅と、縦軸Bと平行に配した長さとを有する細長い面である。さらに、案内突出部645a、645bは、形状が実質的に同一である(正面図で細長い形状)ことが好ましい。通常、案内突出部645a、645bは案内範囲631a、631bと接触し、案内突出部645a、645bは、最も好ましくは、実質的に後方ビンディング部材644a、644bの前方端部の下に配置される。
【0096】
図63、図64に示すように、ベース部材640のベースプレート646は、取り付け部分652と、一対の(第1、第2)側面取り付け部654a、654bとを備えることが好ましい。ベースプレート646は、堅く硬質の材料から成ることが好ましい。ベースプレート646に適した堅く硬質の材料の例には、様々な金属並びにカーボン及び/又は金属/カーボンの組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態では、取り付け部分652、側面取り付け部分654a、654bは、金属シート材料を曲げて形成されている。そのため、ベースプレート646(取り付け部分652、側面取り付け部分654a、654b)は、一体型の単一部材である。当然ながら、必要及び/又は所望であれば、側面取り付け部分654a、654bは、646(取り付け部分652)に取り付けた一体型の単一部材として構成することができる。側面取り付け部分654a、654bは、相互に対して実質的に平行し、取り付け部分652に対して垂直であることが好ましい。あるいは、以降に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、側面取り付け部654a、654bを、スノーボードビンディング装置612の後方部分からスノーボードビンディング装置612の前方部分へと、相互から外方へ向けて(つまり、相互から離れて)若干先細りさせることができる。取り付け部分652は、調整円盤620を受容するための中央開口部656を備えている。この開口部656は、鋸歯状にされた傾斜縁を備えることが好ましく、鋸歯状にしているのは、調整円盤620の対応する合致歯を備えた傾斜縁と係合する歯を形成するためである。
【0097】
図46、図47、図49に示すように、ベースプレート646の取り付け部分652は、これにしっかりと結合し、ベースプレート646の前方部分を形成する前方結合プレート660を備えている。前方ビンディング部材642は、結合プレート660と移動可能に結合している。そのため、結合プレート660が取り付け部分652に強固に結合していれば、前方ビンディング部材642がベース部材640のベースプレート646と移動可能に結合する。ベース部材640は、ベース部材640の前方部分(つまり、結合プレート660)とベース部材640の後方部分(つまり、ヒールカップ648及びハイバック650)の間に伸びた縦中心軸Bを備えている。前方ビンディング部材642は、前方解放レバー664を介して、結合プレート660と旋回可能に結合していることが好ましく、解放レバー664は、前方ビンディング部材642の前方旋回ピンとして機能する。
【0098】
結合プレート660は、ベースプレート646の前方部分上面に対して上方に伸びた前方案内部材又は傾斜面662を備える。前方案内部材662は、前方ビンディング部材642のすぐ後方に配置されている。前方案内部材662は、スノーボードビンディング装置612からのスノーボードブーツ614の解放中に、スノーボードブーツ614の前方案内要素632と係合するように設計されている。換言すれば、スノーボード614が前方に移動することで、靴底部分622の前方案内要素632がスノーボードビンディング装置612の前方案内部材662と係合する。これにより、前方案内部材662が前方案内要素632と協働して、スノーボードブーツ614を上方へ移動するため、前方係止部分626が前方ビンディング部材642との係合から外れて移動することができる。
【0099】
次に図49、図79〜図92を参照すると、解放レバー664は基本的に、旋回ピン部分665(図85)と、ハンドル又は制御部分666(図79〜図81)を備えている。換言すれば、解放レバー664の一部分(旋回ピン部分665)が、前方ビンディング部材642の前方旋回ピンを形成する。したがって、この実施形態では、解放レバー664は2つの部品で形成される。
【0100】
図85に示すように、旋回ピン部分665は、断面が六角形の第1非円形部分665aと、断面が円形の第2円形部分665bとを備える。第1部分665aと第2部分665bの間には、断面が正方形の中間部分が配置されている。第1非円形部分665aの自由端部には、ボルト665dが螺合するネジ山付き内径665cが設けられている。円形部分665bの自由端部にも、ボルト665fが螺合するネジ山付き内径665eが設けられている。ボルト665dは、ハンドル部分666を旋回ピン部分665に固定する。ボルト665fが解放レバー664を結合プレート660に旋回可能に固定するので、解放レバー664は解放位置とラッチされた位置の間で移動することができる。
【0101】
この実施形態では、リターンスプリングは使用していない。むしろこの実施形態では、インデックス機構670を用いて、解放レバー664を少なくとも解放位置とラッチ位置の両方に保持している。インデックス機構670は基本的に、第1インデックス部分又は部材671、第2インデックス部分又は部材672、圧縮スプリング又は付勢部材673を備える。インデックス機構670は、解放レバー664の旋回部分665の非円形部分665a上に取り付けられている。
【0102】
図86〜図89に示すように、第1インデックス部分671は、取り付けプレート660と移動不可能に係合し、中央開口部671aを備え、中央開口部671aの内部では、旋回部分665の非円形部分665aが自由に回転することができる。第1インデックス部分671は、第2インデックス部分672と係合する爪歯を形成する、複数の放射状に形成された突出部671bを備えている。
【0103】
図90〜図92に示すように、第2インデックス部分672は、解放レバー664の旋回部分665の非円形部分665aに回転不可能に固定されている。そのため、第2インデックス部分672が解放レバー664と共に回転する一方で、第1インデックス部分671は静止したままである。第2インデックス部分672は、旋回ピン部分665の非円形部分665a上の第2インデックス部分672を保持するサイズに寸法された非円形状の開口部672aを備える。第2インデックス部分672は、爪歯を形成する、複数の放射状に伸びた突出部672bを備えている。第2インデックス部分672の突出部又は爪歯672bは、第1インデックス部分の突出部又は爪歯671bと係合し、解放レバー664を解放位置とラッチ位置にロックする。
【0104】
図83、図84に示すように、圧縮スプリング673は、第1、第2インデックス部分671、672を共に付勢するために、旋回部分665の非円形部分665a周囲に配置されている。より具体的には、圧縮スプリング673の一端が解放レバー664の制御部分666と係合する一方で、他端が第2インデックス部分672と接触する。そのため、解放レバー664の制御部分666が解放一とラッチ位置の間で回転すると、第2インデックス部分672が、圧縮スプリング673の力に対抗して軸方向に移動し、解放レバー664の制御部分666の移動が許容される。
【0105】
さらに、結合プレート660は、第1実施形態と同一の方法で、ベースプレート646の取り付け部分652に対して(縦軸Bに沿って)調整可能であることが好ましい。そのため、前方ビンディング部材642を、ベース部材640に対して、異なる縦位置で選択的に結合することができる。当然ながら、これ以外の多様な構造を用いて、前方ビンディング部材642の縦位置を調整できることが当業者には明白であろう。さらに当業者には、必要及び/又は所望であれば、結合プレート660をベースプレート646と一体に形成できることも明らかであろう。
【0106】
図73〜図76に示すように、前方ビンディング部材642は、基本的に、取り付けフランジ又は前方爪部676が一体形成された取り付け部分674を含む。取り付け部分674は、ラッチ位置と解放位置の間において、旋回軸周囲で回転するために、解放レバー664の旋回ピン部分665上に回転不可能に取り付けられる。前方旋回軸は結合プレート660の下に配置されているため、爪部676が前方係止部分材626との係合から外れて(つまり、解放位置へと)移動することができる。前方爪部676は、スノーボードブーツ614の前方係止部分626の舌部分636上面と係合するように構成された下面を備えている。接続部分678は、前方爪部676と取り付け部分674の間に伸びている。
【0107】
図74、図76に示すように、前方爪部676は概してV字型の自由端部677を備え、この自由端部677は、先端部分677cから伸びた第1、第2部分677a、677bを設けている。V字型自由端部677の第1部分677aは、取り付け部分674と先端部分677cの間に位置する係止部分係合面を形成している。V字型自由端部677の第2部分677bは、V字型自由端部677の先端部分677cと自由縁677dの間に位置する案内面を形成している。第1部分677aの係止部分係合面は、概してベースプレート646に面している。第2部分677bの案内面は、概してベースプレート646の反対側に面している。V字型自由端部677は、第2部分677bの案内面が、前方係止部分626と前方爪部676の係合を補助するように設計されている。換言すれば、前方係止部分626が前方爪部676の下に容易に入ることができるようにするために、前方係止部分626の舌部分636は第2部分677bの案内面に沿って容易に滑動する。前方係止部分626が前方爪部676の下の範囲内に配置されている場合、解放レバー664を手動で回転して、前方爪部676を図95に示すラッチ位置から、図96に示す解放位置へと移動することができる。ラッチされた位置において、舌部分636が停止プレート678の前方に向いた面と係合し、前方係止部分626が前方爪部676に対して後方へ移動することを防止する。停止プレート678を図77、図78に示す。
【0108】
取り付け部分674は、一対の(第1、第2)取り付けフランジ675a、675bで形成されていることが好ましい。さらに、取り付けフランジ675aは、解放レバー664の旋回ピン部分665の正方形部分を回転不可能に受容するための非円形(正方形)開口部675cを備え、その一方で、取り付けフランジ675bは、円形部分665bを受容するための円形開口部675dを備えることが好ましい。
【0109】
図65〜図72に示すように、結合プレート660には、前方爪部676を部分的に受容するように構成された、一対の開口部又はスロット660aが形成されていることが好ましい。スロット660aは、スロット660aの最後縁に位置する一対の停止面を形成する。前方結合プレート660はさらに、旋回ピン部分665から実質的に垂直に伸びたハンドル又は制御部分666を具備した旋回ピン部分665を旋回可能に支持する旋回穴660bを設けていることが好ましい。結合プレート660はさらに、前方結合プレート660をベースプレート646に固定する締め具を受容するための3つの取り付け穴660cを備えることが好ましい。停止プレート678は、前方案内要素662に隣接した中央締め具上に取り付けられている。
【0110】
図46、図47に示すように、第1、第2後方ビンディング部材644a、644bは、ベース部材640のヒールカップ648に移動可能に結合されていることが好ましい。ヒールカップ648は、ベースプレート646の取り付け部分654a、654bに調整可能に結合され、第1、第2側面取り付け部分を形成している。したがって、後方ビンディング部材644a、644bは、ベース部材640に調整可能且つ移動可能に結合している。
【0111】
後方ビンディング部材644a、644bは、相互に対して実質的に鏡像であることが好ましい。後方ビンディング部材644aは、基本的に第1ラッチ又は歯止め部材686aを備え、この部材686aは、旋回ピン上に取り付けられており、第1付勢部材又はねじれスプリングによって案内位置からロック位置に向かって付勢される。後方ビンディング部材644bは、基本的に第2ラッチ又は歯止め部材686bを備え、この部材は、旋回ピン上に取り付けられ、第2付勢部材又はねじれスプリングによって案内位置からロック位置へと付勢される。
【0112】
ヒールカップ648は、堅く硬質の材料で構成されることが好ましい。ヒールカップ648に適した堅く硬質の材料の例には、様々な金属並びにカーボン及び/又は金属/カーボンの組み合わせが挙げられる。ヒールカップ648は、ベースプレート646の側面取り付け部分654a、654bにそれぞれ取り付けられた弓状部材である。
【0113】
ハイバック650は、堅く硬質な材料で構成された硬質部材である。ハイバック650に適した堅く硬質な材料の例には、堅く硬質なプラスチック材料、又は様々な合成タイプの材料が挙げられる。当然ながら、ハイバック650は様々な金属で構成することができる。ハイバック650は実質的にU字形の底部を備え、該底部には、縦軸周囲でのハイバック650の調整を可能にするべく締め具を受容するための一対の穴が設けられている。ハイバック650は、締め具によりヒールカップ648と旋回可能に結合している。ハイバック650、ヒールカップ648、ベースプレート646間の接続は比較的従来タイプのものである。そのため、これらの部材を様々な方法で取り付けることが可能であり、また、本発明は、これら接続の特定の実現に限定されるべきでないことが当業者には明白であろう。
【0114】
本願明細書で使用した、程度を表す用語、例えば「実質的に」、「約」、「ほぼ」などは、最終結果が顕著には変化しないように幾分変更された用語の合理的な逸脱の程度を意味する。これらの用語は、幾分変更された用語の少なくとも±5%の逸脱を含むものとして解釈されるべきであるが、この逸脱が幾分変更される用語の意味を否定しないことを条件とする。
【0115】
本発明を説明するために、限られた数の実施形態を選択したが、特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が可能であることは、この開示から当業者に明白であろう。さらに、前出の本発明による実施形態の説明は、単に例証のために提供されたものであり、特許請求の範囲によって定義された本発明及びその同等物を限定するためのものではない。
【0116】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、前方ビンディング機構に係止する前方係止部分を前述のように構成したので、ステップイン、ステップアウトをスムーズにかつ容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による、スノーボードビンディング装置がスノーボード及びスノーボードブーツに固定されたスノーボードビンディングシステムの斜視図である。
【図2】図1のスノーボードビンディング装置の拡大斜視図であり、スノーボードビンディング装置をスノーボードから取り外した状態を示す。
【図3】図1のスノーボードブーツ全体を示す拡大平面斜視図である。
【図4】図3のスノーボードブーツ全体を示す底面斜視図である。
【図5】図1〜図4のスノーボードビンディングシステムの拡大斜視図であり、スノーボードビンディング装置と部分的に係合した第1位置にあるスノーボードブーツを示す。
【図6】図1〜図5のスノーボードビンディングシステムの拡大斜視図であり、スノーボードビンディング装置と完全に係合した第2位置にあるスノーボードブーツを示す。
【図7】図1〜図6のスノーボードビンディングシステムの拡大斜視図であり、スノーボードブーツの前方をスノーボードビンディング装置から解放するべく制御レバーを移動した後の(これ以前の制御レバーの位置を破線で示す)、第2位置にあるスノーボードブーツを示す。
【図8】図1〜図7のスノーボードビンディングシステムの拡大斜視図であり、スノーボードブーツの前方を解放するべく制御レバーを移動した後の、また、スノーボードブーツをスノーボードビンディング装置から完全に解放するべくスノーボードブーツを前方に滑らせた後の、第3位置にあるスノーボードブーツを示す。
【図9】スノーボードブーツをスノーボードビンディング装置に結合する前の状態にある(すなわち、ビンディング部材が初期位置にある)、図1〜図8に示したスノーボードビンディング装置の後方ビンディング部材の1つと、スノーボードブーツとを示す部分断面線図である。
【図10】図9の後方ビンディング部材とスノーボードブーツを示す部分断面線図であり、スノーボードブーツと後方ビンディング部材が中間又は案内位置にある状態を示している。
【図11】図9、図10に示した後方ビンディング部材とスノーボードブーツを示す部分断面線図であり、スノーボードブーツと後方ビンディング部材が第1ロック位置にある状態を示している。
【図12】図9〜図11に示した後方ビンディング部材とスノーボードブーツを示す部分断面線図であり、スノーボードブーツと後方ビンディング部材が第2ロック位置にある状態を示している。
【図13】図1、図2、図5〜図8に示したスノーボードビンディング装置の部分組み立て分解斜視図である。
【図14】図1、図2、図5〜図8に示したスノーボードビンディング装置の部分組み立て分解斜視図であり、例証の目的から、後方ビンディング部材を取り外した状態を示す。
【図15】図1、図2、図5〜図8に示したスノーボードビンディング装置の後方ビンディング部材の1つを示す拡大組み立て分解斜視図である。
【図16】図1〜図15に示したスノーボードビンディングシステムを、図2の切断線16−16に沿って切った縦断面図である。
【図17】図1、図2、図5〜図16に示したスノーボードビンディング装置の一部分を示す平面線図である。
【図18】本発明の第2実施形態によるスノーボードビンディング装置の一部分を示す平面線図である。
【図19】本発明の第3実施形態によるスノーボードビンディング装置の平面線図である。
【図20】本発明の第4実施形態によるスノーボードビンディングシステムの一部分を示す部分断面線図である。
【図21】本発明の第5実施形態によるスノーボード及びスノーボードブーツに固定されたスノーボードビンディング装置を備えるスノーボードビンディングシステムの斜視図である。
【図22】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材を示す部分組み立て分解斜視図である。
【図23】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材の前方ビンディングプレートを示す平面図である。
【図24】図21に示したスノーボードビンディング装置用の、図23に示した前方ビンディングプレートの側面図である。
【図25】図21に示したスノーボードビンディング装置用の、図23、図24に示した前方ビンディングプレートを、図23の切断線25−25に沿って切った断面図である。
【図26】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材の前方爪部の平面図である。
【図27】図21に示したスノーボードビンディング装置用の、図26に示した前方爪部部の側面図である。
【図28】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材の前方停止部材を示す平面図である。
【図29】図21に示したスノーボードビンディング装置用の、図28に示した前方停止部材を、図28の切断線29−29に沿って切った断面図である。
【図30】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材を、図21の切断線30−30に沿って切った断面図である。
【図31】図21に示したスノーボードブーツ用の前方係止部分を示す平面図である。
【図32】図21に示したスノーボードブーツ用の、図31に示した前方係止部分を示す側面図である。
【図33】図21に示したスノーボードブーツ用の、図31、図32に示した前方係止部分を示す正面図である。
【図34】図21に示したスノーボードブーツの前方係止部分を備えた靴底部分を示す部分底面斜視図である。
【図35】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分から前方係止部分を取り除いた状態を示す中央縦断面図である。
【図36】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分から前方係止部分を取り除いた状態の平面図である。
【図37】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分から前方係止部分を取り除いた状態を、図36の断面線37−37に沿って切った横断面図である。
【図38】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分を、図35の断面線38−38に沿って切った横断面図である。
【図39】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分の中間靴底を示す平面図である。
【図40】図39に示した靴底部分の中間靴底を、図39の切断線40−40に沿って切った中央縦断面図である。
【図41】図39、図40に示した靴底部分の中間靴底を示す部分側面図である。
【図42】図39〜図41に示した靴底部分の中間靴底を、図41の切断線42‐42に沿って切った横断面図である。
【図43】図39に示した靴底部分の中間部分を、図41の切断線43−43に沿って切った横断面図である。
【図44】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分の外方靴底を示す平面図である。
【図45】図44に示した靴底部分の外方靴底を、図44の切断線45−45に沿って切った中央縦断面図である。
【図46】本発明の第6実施形態に従ってスノーボード及びスノーボードブーツに固定するべく設けられたスノーボードビンディング装置を備えたスノーボードビンディングシステムの平面斜視図であり、図中の矢印は、前方及び後方係止部分のステップイン動作を示す。
【図47】図46に示したスノーボードビンディングシステムの正面斜視図であり、図中の矢印は、前方及び後方係止部分のステップアウト動作と、前方ビンディング機構の回転とを示している。
【図48】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの底面斜視図であり、図中の矢印は、一対の後方案内部材に対する後方係止部分のステップアウト滑動動作を示す。
【図49】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの前方ビンディング機構の拡大部分組み立て分解正面斜視図である。
【図50】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードブーツの)前方係止部分の拡大正面図である。
【図51】図50に示した前方係止部分の前方立面図である。
【図52】図50、図51に示した前方係止部分の側面図である。
【図53】図50〜図52に示した前方係止部分の底面図である。
【図54】図50〜図53に示した前方係止部分を、図50の断面線54−54に沿って切った断面図である。
【図55】図50〜図54に示した前方係止部分を、図50の断面線55−55に沿って切った断面図である。
【図56】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードブーツの)中間靴底の正面図である。
【図57】図56に示した中間靴底の底面図である。
【図58】図56、図57に示した中間靴底を、図56の切断線58−58に沿って切った断面図である。
【図59】図56〜図58に示した中間靴底を、図56の断面線59−59に沿って切った断面図である。
【図60】図56〜図59に示した中間靴底を、図56の切断線60−60に沿って切った断面図である。
【図61】図56〜図60に示した中間靴底を、図56の切断線61−61に沿って切った断面図である。
【図62】図56〜図61に示した中間靴底を、図56の切断線62‐62に沿って切った断面図であり、例示の目的でこれに外方靴底を結合させた状態を示す。
【図63】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の)ベース部材の正面図である。
【図64】図63に示したベース部材の背面図である。
【図65】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構の)前方結合プレートの平面図である。
【図66】図65に示した前方結合プレートの第1側面図である。
【図67】図65、図66に示した前方結合プレートを、図65の切断線67−67に沿って切った断面図である。
【図68】図65〜図67に示した前方結合プレートを、図65の切断線68−68に沿って切った断面図である。
【図69】図65〜図68に示した前方結合プレートを、図65の切断線69−69に沿って切った断面図である。
【図70】図65〜図69に示した前方結合プレートを、図65の切断線70−70に沿って切った断面図である。
【図71】図65〜図70に示した前方結合プレートを、図65の切断線71−71に沿って切った断面図である。
【図72】図65〜図71に示した前方結合プレートの第2(反対)側面図である。
【図73】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構の)前方爪部を示す正面図である。
【図74】図73に示した前方爪部の側面図である。
【図75】図73、図74に示した前方爪部の正面図である。
【図76】図73〜図75に示した前方爪部を、図73の切断線76−76に沿って切った断面図である。
【図77】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構の)前方停止プレートの正面図である。
【図78】図77に示した前方停止プレートを、図77の切断線78−78に沿って切った断面図である。
【図79】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構及びインデックス機構の)解放レバーを示す外部立面図である。
【図80】図79に示した解放レバーの正面図であり、例証の目的で各部分を断面図にて示している。
【図81】図79、図80に示した解放レバーの内部立面図である。
【図82】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構の)インデックス機構を示す拡大部分組み立て分解図である。
【図83】図82に示したインデックス機構の拡大部分断面図であり、インデックス機構が組み立てられ、爪歯が「合致」(つまり、回転不可能で、軸方向に転移されない)配置にある状態を示す。
【図84】図82に示したインデックス機構の拡大部分断面図であり、インデックス機構が組み立てられ、爪歯が「非合致」(つまり、回転され、軸方向に転移された)配置にある状態を示す。
【図85】図46、図47、図49、図82〜図84に示したスノーボードビンディング装置の(前方ビンディング機構及びインデックス機構の)シャフトの立面図を示す。
【図86】図46、図47、図49、図82〜図84に示したスノーボードビンディング装置の(前方ビンディング機構及びインデックス機構の)第1インデックス部分を示す平面図である。
【図87】図86に示した第1インデックス部分の内部立面図である。
【図88】図86、図87に示した第1インデックス部分の外部立面図である。
【図89】図86〜図88に示した第1インデックス部分を、図86の断面線89−89に沿って切った断面図である。
【図90】図46、図47、図49、図82〜図84に示したスノーボードビンディング装置の(前方ビンディング機構及びインデックス機構の)第2インデックス部分を示す内部立面図である。
【図91】図90に示した第2インデックス部分の正面図である。
【図92】図90、図91に示した第2インデックス部分の外部立面図である。
【図93】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの前方爪部及び前方係止部分の係合以前の拡大部分断面図である。
【図94】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの前方爪部及び前方係止部分の拡大部分断面図であり、前方爪部と前方係止部分が中間位置にある状態を示す。
【図95】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(中間靴底と結合した)前方爪部及び前方係止部分の拡大部分断面図であり、前方係止部分が、前方係止部分と係合したラッチ位置にある状態を示す。
【図96】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(中間靴底と結合した)前方爪部及び前方係止部分の拡大部分断面図であり、前方爪部が解放位置にあり、靴底が中間解放位置にある状態を示す。
【符号の説明】
610 スノーボードビンディングシステム
612 スノーボードビンディング装置
614 スノーボードブーツ
622 靴底部分
622a 中央靴底
622b 外方靴底
624 上方部分
624a 足部分
624b 脚部分
626 前方係止部分
627 足部分
627a 前方トウ部分
627b 前方係止部分受容溝
627c ヒール部分
628a,628b 第1、第2後方係止部分
629a,629b 第1、第2ストラップ取り付け部材
634a,634b 第1、第2取り付け部分
636 舌部分
637 後方ブーツストラップ
638 一対の脚部分
639 取り付けプレート
640 ベース部材
642 前方ビンディング部材
644a,644b 後方ビンディング部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、スノーボードブーツをスノーボードに解放可能に結合するスノーボードビンディングシステムに関する。より具体的には、本発明は、ブーツをビンディング装置に対して定位置に保持するために比較的長い前方係止舌を備えたスノーボードビンディングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スノーボードは非常にポピュラーなウィンタースポーツになっている。実際に、スノーボードは日本の長野で冬季オリンピックのイベントであった。スノーボードは、雪に覆われた丘を乗り手が滑り降りる点でスキーに類似している。スノーボードは、一般的に、小さなサーフボード又は車輪のない大きなスケートボードのような形状をしている。スノーボードの乗り手は、スノーボードの縦軸と交差するように足をスノーボードの上に置いて立つ。スキーと同じく、スノーボードの乗り手は特別の靴を履き、その靴はビンディング機構によって、しっかりとスノーボードに固定される。換言すれば、スキーとは異なり、乗り手は、一方の足を他方の足の前に置き、両方の足を1つのスノーボード上にしっかりと取り付ける。乗り手は、スノーボードの縦軸と交差する方向に両足を向けて、スノーボード上に立つ。さらに、スキーとは異なり、乗り手はストックを使用しない。
【0003】
スノーボードは、バランスと移動のコントロールを伴うスポーツである。丘の斜面を下る時、乗り手は、スノーボードの移動方向をコントロールするため、様々な方向へ体を傾ける。具体的には、スノーボードをコントロールするためには、乗り手が体を傾けた際に、その動きが、乗り手が履いている靴からスノーボードへと伝達されなければならない。例えば、乗り手が後方へ体を傾けると、その動きによってスノーボードが傾き、傾きの方向へ転向する。同様に、前方に傾けると、これに対応してボードが傾き、その方向へ転向する。
【0004】
一般的に、スノーボード競技は、アルペンスノーボードとフリースタイルスノーボードに分類される。アルペンスノーボードでは、通常、アルペンスキーで使用されるハードブーツと類似したブーツを使用し、これを、いわゆるハードビンディング装置に嵌め込む。ハードビンディング装置は、スノーボードに取り付けられており、アルペンスキーのブーツビンディング装置に類似している。フリースタイルスノーボードでは、典型的には、普通のブーツに類似したソフトブーツを使用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ステップイン、ステップアウトが比較的容易に行え、また、ブーツの前方係止部分を介して、ブーツをビンディング装置に対して縦方向に固定するスノーボードビンディングシステムを提供することである。
本発明の他の目的は、スノーボードビンディング装置とスノーボードブーツの靴底との間に雪を収容するために、少なくとも2つの高さ調整位置を有するスノーボードビンディング装置を提供することである。
【0006】
本発明のさらに他の目的は、スノーボードブーツの靴底下の後方ビンディング装置を排除するスノーボードビンディング装置を提供することである。
本発明の他の目的は、比較的で単純であり、製造及び組み立てが安価に行えるスノーボードビンディング装置を提供することである。
本発明の他の目的は、比較的軽量なスノーボードビンディング装置を提供することである。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、衝撃を軽減し、スノーボードブーツとスノーボードビンディング装置の間で力の伝達を改善するスノーボードビンディング装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの態様に従えば、上方部分、靴底部分、少なくとも1つの後方係止部分及び前方係止部分を備えたスノーボードブーツが得られる。上方部分は、足部分と、足部分から上方に伸びた脚部分とを有している。靴底部分は、上方部分の足部分に強固に結合されており、トウ部分と、中間部分と、ヒール部分とを有し、トウ部分とヒール部分の間に前方から後方へ伸びる縦軸を有している。靴底部分のヒール部分には後方係止部分が配置されている。靴底部分のトウ部分には前方係止部分が設けられている。前方係止部分は、靴底部分のトウ部分から下方へ伸びた一対の脚部分と、一対の脚部分間で側方に伸びた舌部分とを備えている。前方係止部分の舌部分は、前方から後方までの寸法が、前方係止部分の脚部分の前方から後方までの寸法よりも長い。
【0009】
本発明の他の態様に従えば、スノーボードブーツとスノーボードビンディング装置とを備えたスノーボードビンディングシステムが得られる。スノーボードビンディング装置は、ベース部材と、ベース部材の前方部分に設けられた後方ビンディング機構とを備えている。スノーボードブーツは、スノーボードブーツビンディング装置と解放可能に結合するように構成されている。スノーボードブーツは、上方部分、靴底部分、少なくとも1つの後方係止部分及び前方係止部分を含む。上方部分は、足部分と、足部分から上方に伸びた脚部分とを備えている。靴底部分は、上方部分の脚部分と強固に結合している。靴底部分は、トウ部分、中間部分、ヒール部分を備えており、トウ部分とヒール部分との間に前方から後方まで伸びた縦軸を有している。後方係止部分は靴底部分のヒール部分に配置されている。前方係止部分は靴底部分のトウ部分に設けられている。前方係止部分は、靴底部分のトウ部分から下方に伸びた一対の脚部分と、一対の脚部分間で側方に伸びた舌部分とを備えている。前方係止部分の舌部分は、前方から後方までの寸法が、前方係止部分の脚部分間の前方から後方までの寸法よりも長い。
【0010】
本発明のこれらの、またその他の目的、特徴、態様、利点は、添付の図面と共に、本発明の好ましい実施形態を開示する以下の詳細な説明から当業者に明白になるであろう。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1及び図2は、本発明の好ましい実施形態によるスノーボードビンディングシステム10を示している。スノーボードビンディングシステム10は、基本的にはスノーボードビンディング装置12とスノーボードブーツ14とを含む。スノーボードビンディング装置12は、4つの締め具又はネジ18を介して、従来の方法でスノーボード16の頂面又は上面へ取り付けられる。スノーボード16の縦軸は、図1の中心線Aで示されている。当業者はこの開示から、乗り手が両足をスノーボード16にしっかりと固定するために、一対のスノーボードビンディングシステム10をスノーボード16と組み合わせて使用していることを理解するであろう。2つの調整円盤20を使用して、ネジ18を介して一対のスノーボードビンディングシステム10をスノーボード16に対して調整可能に結合することが好ましい。なおここでは、1つのスノーボードビンディングシステム10のみについて説明及び/又は図示する。
【0012】
本発明のスノーボードブーツ14は、比較的柔軟な又は可撓性のスノーボードブーツであることが好ましい。柔軟なスノーボードブーツは当技術分野で周知であるため、ここでは説明又は図示を省略する。スノーボードブーツ14については、本発明のスノーボードビンディングシステム10に関連したスノーボードブーツ14として以外の説明又は図示は省く。基本的には、柔軟なスノーボードブーツは、硬質ゴム状の材料から成る靴底部分と、プラスチック材料、革及び/又は合成皮革材料のような様々な材料から成る可撓性の上方部分とを備えている。そのため、柔軟なスノーボードブーツの上部はいくらか可撓性を備えていなければならない。
【0013】
本発明のスノーボードブーツ14は、図3、図4に示すように、基本的に靴底部分22と上方部分24とを備えている。本発明にとって上方部分24は重要ではなく、従って、ここでは詳細な説明又は図示を省く。靴底部分22は、靴底部分22底面の前方部分に配置された前方係止部分26を供えている。第1後方係止部分28aは靴底部分22の第1側面に設けられ、第2後方係止部分28bは靴底部分22の第2側面に設けられている。前方係止部分26は、スノーボードブーツ14の靴底22の底部に強固に固定されている。後方係止部分28a、28bは靴底部分22の側面に成形することが好ましい。
【0014】
より具体的には、前方係止部分26は、スノーボードブーツ14の靴底部分22に成形されるか、又は、締め具(図示せず)を介して取り付けられることが好ましい。再び図1、図3、そして図4を参照すると、前方係止部分26は基本的に、舌部分36と、舌部分36から伸びた脚部分38とを備えるU字型の部材である。本開示から理解されるように、本発明は、前方係止部分26の厳密な構造に限定されるものではない。むしろ、前方係止部分26は多数の方法で具現化することが可能であり、また、本発明は、単に例示の目的で提供された図面に示す特定の実施形態に限定されるものではない。いずれにしても、前方係止部分26は、鋼鉄又は他の適切な材料といった堅く硬質の材料から構成され、スノーボードブーツ14に強固に固定されることが好ましい。後に更に詳細に説明するが、前方係止部分26は、スノーボードビンディング装置12の一部分と係合するように構成されている。
【0015】
上述したように、後方係止部分28a、28bは、スノーボードブーツ14の靴底部分22に成形されることが好ましい。あるいは、後方係止部分28a、28bを取り外し可能にし、締め具(図示せず)を用いてスノーボード14に取り付けることもできる。いずれの場合も、後方係止部分28a、又は28bの各々は、スノーボードビンディング装置12と、スノーボードビンディング装置12に対して異なった高さを有する複数の係合位置又はロック位置にて係合するように設計される。より具体的には、後方係止部分28aは、複数の(2つのみを図示)V字型溝又はノッチ29aを、スノーボードブーツ14の靴底部分22の(第1)側面に成形することによって形成される。後方係止部分28bは、複数の(2つのみを図示)V字型溝を、スノーボードブーツ14の靴底部分22の反対の(第2)側面に成形することによって形成される。
【0016】
ノッチ29aの各々は靴底部分22の底面に対してある角度で設けられた隣接面30aを備え、一方で、ノッチ29bの各々は靴底部分22の底面に対してある角度で設けられた隣接面30bを備えていることが好ましい。隣接面30a又は30bの各々は、靴底部分22の底面と共に約30°の角度を形成することが好ましい。換言すれば、隣接面30a、30bは、スノーボードブーツ14の中心面から下方へ先細りになっており、スノーボードブーツ14がスノーボードビンディング装置12に対して上方へ移動するのを防止するために、スノーボードビンディング装置12と係合するように構成されている。さらに、ノッチ29a、29bは、スノーボードブーツ14の、スノーボードビンディング装置12に対する上方への移動を防止するのに十分な深さを有し、スノーボードビンディング装置12と合致する構成/形状を有することが好ましい。
【0017】
当然ながら、当業者には、所望又は必要であれば、異なった高さに追加の係合位置又はロック位置を有するようにスノーボードブーツ14を設計できることが本開示から明らかであろう。例えば、スノーボードブーツ14を、それぞれ3つの異なる高さを有する3つの異なる係合位置(即ち、3つのV字型溝)を有するように設計できる。しかし、この開示から、本発明は後方係止部分28a、28bの構造に厳密に限定されるものでないことが明らかになるはずである。むしろ、後方係止部分28a、28bは多数の態様で実現することができ、本発明は、単に例示の目的で提供された図面に示す特定の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
再び図1、図2を参照すると、スノーボードビンディング装置12は、スノーボードブーツ14に前方傾斜力を付加するハイバックビンディング装置であることが好ましい。スノーボードビンディング装置12は、基本的にはベース部材40、前方ビンディング部材42、一対の(第1及び第2)後方ビンディング部材44a、44bを備えていることが好ましい。前方ビンディング部材42は、解放位置とラッチされた位置との間で移動可能にベース部材40に結合されている。この一対の(第1及び第2)後方ビンディング部材44a、44bは、後に詳細に説明するように、ベース部材40の対向する側面に結合される。
【0019】
ベース部材40は、基本的に、調整円盤20を介してスノーボード16に調整可能に結合されたベースプレート46と、ベースプレート46に調整可能に結合されたヒールカップ48と、ヒールカップ48に調整可能に結合されたハイバック50とを備えている。スノーボードビンディング装置12は、調整円盤20を介してスノーボード16に調整可能に結合されることが好ましい。後方ビンディング部材44a、44bは、スノーボードブーツ14を選択的に保持するために、ベース部材40に対して移動可能に設けられている。後方ビンディング部材44a、44bは、実質的にベース部材40の方向へ力が付加されると、初期休止位置(図9)から案内位置(図10)へ相互に向かって横方向に離れるように配置されている。さらに、後方ビンディング部材44a、44bは、この力が除去されると、相互に向かって横方向に、又はロック位置(図11又は図12)の1つへと共に移動するように配置されている。このように、後方ビンディング部材44a、44bは、ベース部材40よりも上の異なる高さに位置する複数の係合又はロックされた位置にスノーボードブーツ14を選択的に保持するべく配置されている。
【0020】
調整円盤20は、図1に示すように、ベース部材40のベースプレート46をスノーボード16の頂面にクランプ留めする締め具又はネジ18を介して、スノーボード16に取り付けられている。したがって、締め具又はネジ18を緩めることで、ベース部材40を調整円盤20とスノーボード16に対して角度調整できる。当然ながら、必要及び/又は所望であれば、ベース部材40のベースプレート46をスノーボード16に直接取り付けることもできる。当業者には、ベース部材40のスノーボード16への取り付けを様々な方法で行えることがこの開示からわかるはずである。さらに、本発明はいかなる特定の実施形態にも限定されるものではない。
【0021】
図1、図2からわかるように、ベース部材40のベースプレート46は、取り付け部分52と、一対の(第1及び第2)側面取り付け部分54a、54bとを備えていることが好ましい。ベースプレート46は堅い硬質の材料で構成されることが好ましい。ベースプレート46に適した堅い硬質の材料の例は、様々な金属並びにカーボン及び/又は金属/カーボンの組み合わせを含む。好ましい実施形態では、取り付け部分52と側面取り付け部分54a、54bは、金属シート材料を折り曲げて形成されている。そのため、ベースプレート46は一体型の単一部材である。図17に示すように、側面取り付け部分54a、54bは、実質的に相互に平行であり、取り付け部分52に対して垂直である。あるいは、側面取り付け部分54a、54bを、後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、スノーボードビンディング装置12の後方部分からスノーボードビンディング装置12の前方部分へ向かって若干外側へ先細りする(つまり、離れる)ように設けることもできる。取り付け部分52は、調整円盤20を内部に受容するための中央開口部56を備えている。開口部56は傾斜縁を備えており、この傾斜縁は、対応する調整円盤20の合致歯を備えた傾斜縁と係合することが好ましい。
【0022】
図2、図13に示すように、ベースプレート46の取り付け部分52は、これにしっかりと結合した前方結合プレート60を備えることで、ベースプレート46の前方部分を形成している。前方ビンディング部材42は結合プレート60と移動可能に結合する。したがって、結合プレート60が取り付け部分52にしっかりと結合している場合、前方ビンディング部材42がベース部材40のベースプレート46と移動可能に結合する。ベース部材40は、ベース部材40の前方部分(つまり、結合プレート60)とベース部材40の後方部分(つまり、ヒールカップ48とハイバック50)の間に伸びた長手方向中心軸Bを備えている。前方ビンディング部材42は、前方ビンディング部材42用の前方旋回ピンとして機能する前方解放レバー64を介して、結合プレート60と回動自在に結合していることが好ましい。前方ビンディング部材42を後に説明する係合位置又はラッチされた位置へと付勢するために、前方解放レバー64の上には付勢部材62が配置されている。付勢部材又はスプリング62の付勢力あるいは強制力に対抗して、ラッチされた位置から解放位置へと前方ビンディング部材42を移動するために、制御又は解放レバー64が前方ビンディング部材42に回転不可能に結合されていることが好ましい。
【0023】
解放レバー64は、基本的に旋回ピン部分65、ハンドル又は制御部分66を備えている。換言すれば、解放レバー64の一部分(旋回ピン部分65)は、前方ビンディング部材42の前方旋回ピンを形成する。したがって、解放レバー64は、一体型の単一部材として一体形成されている。旋回ピン部分65は、その自由端部に形成された環状溝65aを備えていることが好ましい。これ以外の適切な保持部材又はCクリップ66が環状溝65a内に受容され、間にスプリング62を配置した形で解放レバー64と前方ビンディング部材42が結合プレート60に対して固定される。
【0024】
さらに、結合プレート60は、ベースプレート46の取り付け部分52に対して(縦軸Bに沿って)調整可能であることが好ましい。より具体的には、取り付け部分52は複数(3つ)のスロット68を備え、結合プレート60は複数(3つ)の貫通孔69を備えている。ベース部材40の縦軸Bに沿った調整可能な方法で、結合プレート60を取り付け位置に強固に結合させるために、複数(3つ)の締め具又は取り付けネジ70が貫通孔69及びスロット68を通して挿入され、ナット71へ取り付けられる。そのため、前方ビンディング部材42を、ベース部材40に対して異なる長手方向位置で選択的に結合することができる。当然ながら、これ以外の様々な構造を用いて、前方ビンディング部材42の長手方向位置を調整できることが当業者には明白であろう。さらに、必要及び/又は所望であれば、結合プレート60をベースプレート46と一体に形成できることも当業者には明白になるであろう。
【0025】
結合プレート60は、その上面から伸びた一対の(第1及び第2)案内フランジ72a、72bを含むことが好ましく、この案内フランジは、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12に結合する上で補助となるものである。案内フランジ72a、72bは、前方係止部分26を縦軸Bへ、そして前方ビンディング部材を42へと案内するべく、スノーボードビンディング装置12の縦軸Bに対して角度付けされている。スノーボードブーツ14とスノーボードビンディング装置12との間の係合については、後により詳細に説明する。さらに、制御又は解放レバー64を介したスノーボードビンディング装置12からのスノーボード14の解放についても後により詳細に説明する。
【0026】
図13において明らかなように、前方ビンディング部材42は、基本的に取り付け部分74、結合フランジ又は前方歯止め76、接続部分78、付勢部材62、解放レバー64を含む。取り付け部分74は、ラッチされた位置と解放位置の間の、前方旋回軸周囲で回転するために、解放レバー64の旋回ピン部分65上に回転不可能に取り付けられている。前方旋回軸は結合プレート60の下に配置されているため、前方歯止め又は結合フランジ76が、前方係止部分材26との係合から外れて(つまり、解放位置へと)移動できる。付勢部材又はスプリング62が前方歯止め76をラッチされた位置へと強制移動する。前方歯止め76は、スノーボードブーツ14の前方係止部分26の舌部分36上面と係合するように構成された下面を備えている。前方歯止め76と取り付け部分74の間には接続部分78が伸びている。
【0027】
より具体的には、取り付け部分74が、一対(第1及び第2)の取り付けフランジ75a、75bから形成されることが好ましい。取り付けフランジ75aは、そこから伸びた突出部75cを備えている。突出部75cは、スプリング62の第1端部62aと係合するように設計されている。スプリング62の他端(第2端部)62bは、取り付けプレート60に形成された横断孔(図示せず)を受容するように設計されている。したがって、スノーボードブーツ14の前方係止部分26を選択的に保持するべく前方ビンディング部材42をラッチされた位置へと強制的に移動するために、スプリング62がプレローディングされる。さらに、取り付けフランジ75a、75bの少なくとも1つが、解放レバー64の非円形部分65bを回転不可能に受容するために、非円形(正方形)の開口部75dを備えていることが好ましい。例示した実施形態では、結合プレート60のいずれの側からも解放レバー64を取り付けてのばすことができるように、両方の取り付けフランジが非円形の孔75dを備えている。
【0028】
結合プレート60には実質的にU字形の開口部60aが形成されており、この開口部は、前方ビンディング部材42を部分的に受容するように構成されている。U字型開口部60aの脚の最後縁には一対の停止面60bが形成されている。通常、停止面60bは、前方ビンディング部材42をラッチされた位置に保持する。さらに、前方ビンディング部材42の旋回軸が結合プレート60の底面よりも下に位置しているため、前方ビンディング部材42は前方係止部分26との接触から外れて回転することができる。前方ビンディング部材42が解放位置にある際に、ベース部材の底面(つまり結合プレート60)が追加の停止面を形成する。この方法で、前方歯止め76が、結合フランジ76が実質的に水平であるラッチされた位置から結合フランジ76が実質的に垂直である解放位置へと約90°回転することができる。
【0029】
図14、図15で明らかなように、後方ビンディング部材(第1、第2)44a、44bは、ベース部材40のヒールカップ48に移動可能に結合されていることが好ましい。後により詳細に説明するように、ヒールカップ48は、一対の(第1、第2)側面取り付け部分を形成するために、ベースプレート46の取り付け部分54a、54bに調整可能に結合されている。そのため、後方ビンディング部材44a、44bがベースプレート46に移動可能に結合される。取り付け部分54a、54bの各々は、切欠き55a又は55bをそれぞれ備えている。切欠き55a、55bにより、後方ビンディング部材44a、44bが結合した状態のヒールカップ48をベースプレート46に調整可能に取り付けられるようになる。そのため、後方ビンディング部材44a、44bが、調整可能且つ移動可能にベース部材40に結合される。
【0030】
より具体的には、後方ビンディング部材44a、44bが、一対(第1、第2)の旋回軸P1、P2のそれぞれの周囲でベース部材40に旋回可能に結合されている。第1、第2旋回軸P1、P2は、図17に示すように、相互に対して実質的に平行であり、さらに、スノーボードビンディング装置12の縦軸Bに対して実質的に平行であることが好ましい。後により詳細に説明するように、この配置により、スノーボードビンディング装置12からのスノーボードブーツ14の解放が補助される。当然ながら、後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、これらの中心軸を縦軸Bに対して角度付けすることも可能である。
【0031】
後方ビンディング部材44a、44bは、相互に対して実質的に鏡像であることが好ましい。後方ビンディング部材44aは基本的に、(第1)旋回ピン82a、(第1)本体部分84a、(第1)ラッチ部材86a、(第1)停止部材88a、(第1)付勢部材90aを備えている。後方ビンディング部材44bは基本的に、後により詳細に説明するように、(第2)旋回ピン82b、(第2)本体部分84b、(第2)ラッチ部材86b、(第2)停止部材88b、(第2)付勢部材90bを備えている。後により詳細に説明するように、付勢部材又はスプリング90a、90bは、通常、ラッチ部材86a、86bの各々を案内位置からロックされた位置へと付勢する。
【0032】
ラッチ部材86a、86bは、縦軸Bと、旋回軸P1、P2と実質的に平行であることが好ましい。いずれの場合にも、ラッチ部材86a、86bは、スノーボードブーツ14のノッチ29a、29bの各々と合致するように構成されている。あるいは、後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、ラッチ部材86a、86bを、縦軸Bと、旋回軸P1、P2とに対して角度付けするように構成することもできる。さらに、やはり後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、後方ビンディング部材44a、44bを、角度付けした側面取り付け部分にラッチ部材86a、86bが縦軸Bに対して角度付けするように取り付けることもできる。いずれの場合にも、スノーボードブーツ14のノッチ29a、29bは、ラッチ部材86a、86bと合致するように構成されている。換言すれば、後に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、ラッチ部材86a、86bが縦軸Bに対して角度付けされている場合、ノッチ29a、29bはこれに対応する角度を備えているべきである。
【0033】
ビンディング部材44aの本体部分84aは、旋回ピン82a上に旋回可能に取り付けられている。旋回ピン82aは、自由端部に環状溝が形成された頭付き旋回ピンであることが好ましい。後方ビンディング部材44aをヒールカップ48の一対のフランジ92a、93aの間に保持するために、別の適切な保持部材又はCクリップが環状溝内に受容される。付勢部材90aはコイルスプリングであり、その一端がヒールカップ48の外後方側面と係合し、他端がビンディング部材44a(つまり、ラッチ部材86aの底面)と係合し、後方ビンディング部材44aをロックされた位置へと付勢することが好ましい。ラッチ部材86aは、本体部分84aから伸びており、スノーボード14の溝又はノッチ29aと係合するように構成されていることが好ましい。ラッチ部材86aは、後方ビンディング部材44aの第1歯止めを形成することが好ましい。さらに停止部材88aも本体部分84aから伸びているが、ラッチ部材86aから実質的に反対方向に延びている。
【0034】
さらに具体的には、停止部材88aは、ビンディング部材44aが初期休止位置にある際に、ヒールカップ48の内面又は後方側面と接触するように構成された接合面を備えている。ロックされた位置において、ラッチ部材86aは、スノーボードブーツ14の溝又はノッチ29aの1つに受容され、停止面がヒールカップ48の後方側面から若干離間する。図11、図12に示すように(ラッチ部材86bを図示している)、ラッチ部材86bは、横方向の溝又はノッチ29aのいずれかに受容されるため、スノーボードツーツ14の高さをベース部材40(つまり、ベースプレート46の取り付け部分52)に対して変更することができる。図9、図10(ラッチ部材86bを示す)、図14に示すように、ラッチ部材86aはロック面87aと案内面89aを備えている。スノーボードブーツ14がロックされた位置にある際に、ロック面87aが接合面30aと係合する。
【0035】
上述したように、後方ビンディング部材44bは、実質的には後方ビンディング部材44aの鏡像であることが好ましい。ビンディング部材44bの本体部分84bは旋回ピン82b上に旋回可能に取り付けられている。旋回ピン82bは、自由端部に環状溝が形成された頭付きの旋回ピンであることが好ましい。後方ビンディング部材44bをヒールカップ48の一対のフランジ92b、93b間に保持するために、Cクリップ(又は他の適切な保持部材)が環状溝内に受容される。ビンディング部材90bはコイルスプリングであり、その一端がヒールカップ48の外後方側面と係合し、他端がビンディング部材44a(つまり、ラッチ部材86bの底面)と係合して、後方ビンディング部材44bをロックされた位置へと付勢することが好ましい。ラッチ部材86bは、本体部分84bから伸びており、スノーボードブーツ14の溝又はノッチ29bと係合するように構成されている。ラッチ部材86bは、(第2)後方ビンディング部材44bの第2歯止めを形成することが好ましい。さらに停止部材88bも、本体部分84bから伸びているが、ラッチ部材86bとは実質的に反対方向に向かっている。
【0036】
より具体的には、停止部材88bは、ビンディング部材44bが初期休止位置(図9)にある際に、ヒールカップ48の内面又は後方側面と接触するべく構成された接合面を備えている。ロックされた位置において、ラッチ部材86bがスノーボードブーツ14の溝又はノッチ29bの1つに受容され、停止面がヒールカップ48の側面から若干離間する。ラッチ部材86bはいずれの側面溝又はノッチ29bにも受容されるため、スノーボードブーツ14の高さをベース部材40(つまり、ベースプレート46の取り付け部分52)に対して変更することができる。図9、図10、図14に示すように、ラッチ部材86bは、ロック面87bと案内面89bとを設けている。ロック面87bは、スノーボードブーツ14がロック位置の1つにある際に、接合面30bと係合する。
【0037】
ヒールカップ48は、堅い硬質の材料で構成されていることが好ましい。ヒールカップ48に適した堅い硬質の材料の例としては、様々な金属、並びにカーボン及び/又は金属/カーボンの組み合わせがある。ヒールカップ48は弓状部材であり、ベースプレート46の側面取り付け部分54a、54bにそれぞれ取り付けられたその下方自由端の各々に、一対のスロット94aと一対のスロット94bを備えている。ヒールカップ48をベースプレート46に調整可能に結合するために、スロット94a、94bが締め具96を受容する。また、締め具100を介してハイバック50をヒールカップ48に取り付けるために、ヒールカップ48には追加のスロット98a、98bが設けられている。そのため、ヒールカップ48がベースプレート46と調整可能に結合し、ハイバック50がヒールカップ48と調整可能に結合してベース部材40が形成される。これにより、後方ビンディング部材44a、44bを、ベース部材40に対して異なる縦位置において選択的に結合することが可能になる。
【0038】
ハイバック50は、堅い硬質の材料で構成された硬質部材である。ハイバック50に適した堅く硬質の材料の例には、堅く硬質なプラスチック材料又は様々な合成タイプの材料が含まれる。当然ながら、ハイバック50も様々な材料で構成することが可能である。ハイバック50は、締め具100を受容するための一対の孔を備えた実質的にU字形の底部を具備している。締め具100は、ヒールカップ48のスロット98a、98b内で調整可能に結合されており、これにより、垂直軸周囲でのハイバック50の調整が可能になる。ハイバック50は、締め具100によってヒールカップ48と旋回可能に結合されている。ハイバック50、ヒールカップ48、ベースプレート46間の接続は比較的普通のものである。従って、これらの部材は多様な方法で取り付けることが可能であり、また、本発明はこれらの接続のいかなる特定の実施形態にも限定されるべきではないことが当業者には明らかになるであろう。
【0039】
ハイバック50はさらに、ヒールカップ48と係合して、ハイバック50をベース部材40に対して前方に傾斜させる従来の前方傾き又は傾斜調整手段102を備えていることが好ましい。前方傾斜調整手段102の厳密な構造は、本発明にとって問題ではない。さらに、前方傾斜調整手段102は当技術分野で周知であるため、ここでの説明又は図示を省略する。当然ながら、当業者には、前方傾斜調整手段を多様な方法で実現することが可能であり、また、本発明が前方傾斜調整手段のいかなる特定な実現にも限定されるべきでないことが本開示から明白になるであろう。
【0040】
本発明によるスノーボードビンディングシステム10によって、ハイバック46が最前傾斜位置にある際に、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12に取り付けることが可能になる。具体的には、前方及び後方ビンディング部材42、44a、44bは、乗り手がビンディング装置12に踏み込んだ際、スノーボードブーツ14が、係合工程中にハイバック50に対抗して後方へ移動するように配置される。換言すれば、前方係止部分26のビンディング装置12との係合中に、スノーボードブーツ14の上部がハイバック50と接触するため、ハイバック50がスノーボードブーツ14の上部をビンディング装置12に対して前方へと曲げる。
【0041】
次に、図5〜図8、図9〜図12を参照しながら、スノーボードビンディング装置12にスノーボードブーツ14を取り付ける方法、及び取り外す方法についてより詳細に説明する。乗り手がスノーボードビンディング装置12にセットしたい場合には、図5、図9に示すように、ブーツ14が若干傾斜していなければならない。そして、まず前方係止部分26が前方ビンディング部材42と係合する。具体的には、前方係止部分26が前方結合フランジ又は歯止め76の下に配置される。次に、乗り手がスノーボードブーツ14のヒール又は後方部分を、実質的にベース部材40へ向かう方向(つまり、ベースプレート46の方向)へ移動する。換言すれば、スノーボード14が前方係止部分26の周囲で後方へ旋回するため、スノーボードブーツ14の後方部分が実質的にベース部材40へと移動する。
【0042】
図10に示すように、このスノーボードブーツ14の移動により、後方ビンディング部材44a、44bが、スプリング90a、90bの付勢力にそれぞれ対抗して旋回する。そのため、後方ラッチ部材86a、86bが、縦軸Bから離れて、案内位置(それぞれ第1、第2案内位置)へと横方向に移動するため、スノーボードブーツ14が下方へ移動できる。図6、図11に明らかなように、後方係止部分28a、28bが所定の距離だけ移動すると、後方ラッチ部材86a、86bが(第1、第2)案内位置から(第1、第2)ロック位置へと移動する。これにより、スノーボードブーツ14が第1ロック位置にセットされる。この第1ロック位置において、靴底部分22の後方がベースプレート46の取り付け部分52から若干離間する。そのため、図11に示すように、必要であれば雪、泥又は砂のような障害物Oが収容される。図12に示すように、移動が妨害されるような障害物Oがない場合には、スノーボードブーツ14を第2ロック位置へとさらに移動することができる。この第2ロック位置において、後方ラッチ部材86a、86bが中間(第1、第2)案内位置(図示せず)から、追加の(第1、第2)ロック位置へとそれぞれ移動する。これにより、スノーボードブーツ14が第2ロック位置に置かれる。
【0043】
次に、スノーボードビンディング装置12からのスノーボードブーツ14の取り外しについて説明する。スノーボードブーツ14がいずれかのロック位置(図6、図11、図12)にある場合には、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12から容易に解放することができる。具体的には、図7に示すように、解放レバー64を旋回させて、前方ビンディング部材42をラッチされた位置(図6)から解放位置へと移動する。これにより、スノーボードブーツ14の前方係止部分26がスノーボードビンディング装置12から解放される。しかし、後方ビンディング部材44a、44bは係合状態又はロック位置に残される。次に、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12から完全に取り外すために、スノーボードブーツ14が縦方向に(つまり、縦軸Bに沿って)移動され、これにより、後方歯止め86a、86bがそれぞれノッチ29a、29b内に滑り込む。ブーツ14が十分な距離だけ移動すると、後方歯止め86a、86bはノッチ29a、29bと係合又はロックしなくなる。そのため、スノーボードブーツ14をスノーボードビンディング装置12から完全に取り外すことができるようになる。
【0044】
[第2実施形態]
次に図18を参照すると、本発明の第2実施形態によるスノーボードビンディング装置212の一部分を示している。第2実施形態のスノーボードビンディング装置212は、スノーボードビンディング装置212が、第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bの改良バ−ジョンである一対の(第1、第2)後方ビンディング部材244a、244bを備えているという部分を除いて、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と同一である。スノーボードビンディング装置212は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と同一又は実質的に同一のスノーボードブーツと共に使用するように設計されている。第2実施形態のスノーボードビンディング装置212は第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一であるため、ここではスノーボードビンディング装置212についての説明を省く。むしろ、以下の説明は、主に両装置の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10、スノーボードビンディング装置12、スノーボードブーツ14の説明の大部分は、この第2実施形態のスノーボードビンディング装置212に適用されることが当業者には明らかであろう。
【0045】
スノーボードビンディング212は基本的に、ベース部材240、前方ビンディング部材(図示せず)、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材244a、244bを備えている。この第2実施形態のベース部材240は、基本的にベースプレート246、ヒールカップ248、ハイバック(図示せず)を備えている。ベース部材240は、第1実施形態のベース部材40と同一である。そのため、ここではベース部材240についての説明又は図示を省く。さらに、スノーボードビンディング装置212の前方ビンディング部材(図示せず)は第1実施形態の前方ビンディング部材42と同一である。したがって、ここではこの第2実施形態の前方ビンディング部材についての説明又は図示を省く。上述したように、後方ビンディング部材244a、244bは第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bの改良バージョンである。より具体的には、後方ビンディング部材44aは、基本的に(第1)旋回ピン282a、(第1)本体部分284a、(第1)ラッチ部材286a、(第1)停止部材288a、(第1)付勢部材290aを備えている。後方ビンディング部材244bは、基本的に(第2)旋回ピン282b、(第2)本体部分284b、(第2)ラッチ部材286b、(第2)停止部材288b、(第2)付勢部材290bを備えている。後方ビンディング部材244a、244bは、第1実施形態と同一の方法で、一対の(第1、第2)旋回軸2P1、2P2の周囲で、ベース部材240と旋回可能に結合される。換言すれば、本体部分284aは旋回ピン282a上に旋回可能に取り付けられ、一方で、本体部分284bは旋回ピン282b上に旋回可能に取り付けられている。その一方で、ラッチ部材286a、286bは、第1実施形態のラッチ部材86a、86bを若干変更したものである。具体的には、ラッチ部材286aはロック面(図示せず)と案内面289aとを備え、ラッチ部材286bはロック面(図示せず)と案内面289bとを備えている。ラッチ部材286a、286b(つまり、ロック面と案内面289a、289b)は、ラッチ部材286a、286bがベース部材240の中心縦軸2Bに対して角度付けされている点を除いて、ラッチ部材86a、86bと同一である。換言すれば、細長いロック面がベース部材240の後方部分から前方部分(図示せず)へと伸びるに従って、(第1、第2)細長いロック面(図示せず)は、ベース部材240の縦軸2Bに対して逸れてゆく。さらに、ラッチ部材286a、286bは旋回軸2P1、2P2に対して角度付けされている。換言すれば、スノーボードビンディング装置212は、ラッチ部材286a、286bと形状が一致する、角度付けされたノッチを具備したスノーボードブーツと共に使用されるように設計されている。
【0046】
[第3実施形態]
次に図19を参照すると、本発明の第3実施形態によるスノーボードビンディング装置312を示している。この第3実施形態のスノーボードビンディング装置312は、スノーボードビンディング装置312が、第1実施形態のベース部材40を改良したものであるベース部材340を使用する点を除いて第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一である。スノーボードビンディング装置312は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と同一又は実質的に同一なスノーボードブーツと共に使用するように設計されている。この第3実施形態のスノーボードビンディング装置312は、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一であるため、ここではスノーボードビンディング装置312についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、以下の説明はこれら装置の間の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10、スノーボードビンディング装置12、スノーボードブーツ14の説明の大部分は、この第3実施形態のスノーボードビンディング312に適用される。
【0047】
スノーボードビンディング装置312は、基本的に、改良されたベース部材340、前方ビンディング部材(図示せず)、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材344a、344bを含む。スノーボードビンディング装置312の前方ビンディング部材(図示せず)は、第1実施形態の前方ビンディング部材42と同一である。さらに、後方ビンディング部材344a、344bは、第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bと同一である。そのため、ここでは前方ビンディング部材(図示せず)と後方ビンディング部材344a、344bについての詳細な説明又は図示を省く。改良されたベース部材340は、形状が若干改良されているために、後方ビンディング部材344a、344bがベース部材340の中心縦軸3Bに対して若干角度付けされる点を除いて、第1実施形態のベース部材40と同一である。ベース部材340は基本的に、ベースプレート346、ヒールカップ348、ハイバック(図示せず)を含む。ベースプレート346は、取り付け部分352、一対の(第1、第2)側面取り付け部分354a、354bを備えている。ベースプレート346は、取り付け部分354a、354bが中心縦軸3Bに対して若干角度付けされている点を除いて、第1実施形態のベースプレート46と同一である。さらに、ヒールカップ348は、ヒールカップ348の形状が、改良されたベースプレート346と共に使用するように改良されている点を除いて、第1実施形態のヒールカップ48と同一である。換言すれば、ヒールカップ348の自由端も、中心縦軸3Bに対して若干角度付けされていることが好ましい。さらに、スノーボードビンディング装置312のハイバック(図示せず)を、ベースプレート346及びヒールカップ348と共に使用するように若干改良することができる。しかし、第1実施形態のハイバック50もベースプレート346及びヒールカップ348と共に使用できるようにするために、ハイバックを、可撓性が制限された材料で形成されることが好ましい。ベースプレート346とヒールカップ348の形状のために、後方取り付け部材344a、344bが中心軸3Bに対して角度付けされる。さらに具体的には、後方ビンディング部材344a、344bは、一対の(第1、第2)旋回軸3P1、3P2の周囲でそれぞれベース部材340と旋回可能に結合される。旋回軸3P1、3P2は、縦軸3Bに対して角度付けされる(つまり、軸3Bから逸れて、ベース部材340の前方部分へと向かう)。さらに、後方ビンディング部材344aはラッチ部材386aを備え、後方ビンディング部材344bはラッチ部材386bを備えている。そのため、ラッチ部材386a、386bは中心縦軸3Bに対して角度付けされる。換言すれば、後方ビンディング部材344a、344bは、後方ビンディング部材344aの方位と後方ビンディング部材344bの方位がベース部材340の形状のために改良されている点を除いて、第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bと同一である。換言すれば、細長いロック面がベース部材340の後方部分から前方部分(図示せず)へと向けて伸びるに従って、(第1、第2)細長いロック面(図示せず)が、ベース部材340の縦軸3Bに対して逸れてゆく。したがって、スノーボードビンディング装置312は、形状がラッチ部材386a、386bに対応した、角度付けされたノッチを具備するスノーボードブーツと共に使用するように設計されている。
【0048】
[第4実施形態]
次に図20を参照すると、本発明の第4実施形態によるスノーボードビンディングシステム410の一部分を示している。この第4実施形態のスノーボードビンディングシステム410は、スノーボードビンディングシステム410が第1実施形態のベース部材40の改良バージョンであるベース部材440を備えている点を除いて、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10と実質的に同一である。スノーボードビンディングシステム410は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と実質的に同一のスノーボードブーツと共に使用するように設計されたスノーボードビンディング装置412を備えている。スノーボードビンディングシステム410は第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10と実質的に同一であるため、ここではスノーボードビンディングシステム410についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、後述の説明は、主に両システム間の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10の説明の大部分が、この第4実施形態のスノーボードビンディングシステム410にも適用されることが当業者には明白であろう。
【0049】
スノーボードビンディングシステム410は、基本的にスノーボードビンディング装置412とスノーボードブーツ414とを備えている。スノーボードブーツ414は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と同一のものである。そのため、ここではスノーボードブーツ414についての詳細な説明又は図示を省略する。スノーボードビンディング装置412は、基本的にベース部材440、前方ビンディング部材(図示せず)、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材(1つのみを図示)を備えている。スノーボードビンディング装置412の前方ビンディング部材部材(図示せず)は、第1実施形態の前方ビンディング部材42と同一である。さらに、後方ビンディング部材(一方の後方ビンディング部材444bのみを示す)も、第1実施形態の後方ビンディング部材44a、44bと同一である。その一方で、ベース部材440は、第1実施形態のベース部材40を改良したものである。より具体的には、ベース部材440はベースプレート446、ヒールカップ448、ハイバック(図示せず)を備えている。ベース部材440のベースプレート446とハイバック(図示せず)は、第1実施形態のベースプレート46とハイバック50と同一である。しかし、ヒールカップ448は、第1実施形態のヒールカップ48を改良したものである。詳細には、ヒールカップ448は、スノーボードブーツ414のスノーボードビンディング装置412内への案内を補助するために、ヒールカップ448の自由端に形成された、一対のフレア部分又は支持部材(1つのみを図示)449を備えている。支持部材449は、ベースプレート446から上方及び外方へ傾斜している。必要及び/又は所望であれば、支持部材449を若干湾曲させてもよい。
【0050】
[第5実施形態]
次に図21〜45を参照すると、本発明の第5実施形態による、改良されたスノーボードビンディング装置512と、改良されたスノーボードブーツ514とを示している。この第5実施形態のスノーボードビンディング装置512は、後述するように、スノーボードビンディング装置512の前方ビンディング機構が、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12の前方ビンディング機構を改良したものである点を除いて、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と同一である。そのため、スノーボードビンディング装置512のこれ以外の部分は第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一であり、したがって、ここではスノーボードビンディング装置512についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、後述の説明は主に、スノーボードビンディング装置512とスノーボードビンディング装置12の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディングシステム10、スノーボードビンディング装置12、スノーボードブーツ14の説明の大部分がこの第5実施形態に適用されることが当業者には明白であろう。
【0051】
次に図21、図31〜図45を参照し、本発明のスノーボード514についてより詳細に説明する。図21に示すように、スノーボードブーツ514は、スノーボードビンディング装置512と共に使用するように設計されている。本発明のスノーボードブーツ514は基本的に、靴底部分522と上方部分524とを備えている。上方部分524は、靴底部分522に強固に結合されている脚部分524aと、脚部分524aから上方へと伸びている脚部分524bを備えている。上方部分524は基本的に、可撓性材料で構成されており、接着成形及び/又は縫合(図示せず)を介して靴底部分522に強固に取り付けられている。上方部分524は本発明にとって重要ではないため、ここではその詳細な説明及び/又は図示を省略する。
【0052】
図34〜図45に示すように、靴底部分522は基本的に3つの部分で構成されている。より具体的には、靴底部分522は、図34〜図38に示すように外方靴底522bが成形された中央靴底522aと、図34、図39、図40に示すように中央靴底522aの前方部分に配置された前方係止部分526とを備えている。さらに、外方靴底522bは上方部分524の下方外周縁上に成形されているため、外方靴底522bは上方部分524を中央靴底522aに強固に確実に取り付ける。外方靴底522bは、スノーボードブーツ514の踏み付け部分の形成に適した弾性ゴム材料で構成されていることが好ましい。上述したように、縫合を用いて、上方部分524を外方靴底522bにさらに強固に固定することができる。
【0053】
図39〜図43に明らかなように、中央靴底522aは基本的に、ベース部分527、一対の(第1、第2)後方係止部分528a、528b、一対の(第1、第2)ストラップ取り付け部材529a、529bを備えている。最も好ましい実施形態では、第1、第2後方係止部分528a、528bと、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bとが、中央靴底522aのベース部分527に一体型の単一部材として一体形成されている。換言すれば、中央靴底522aは、第1、第2後方係止部分528a、528bと、同一の材料で形成されている第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bと共に一体型の単一部材として成形されることが好ましい。中央靴底522aは、可撓性であるがいくらか硬質の材料で構成されることが好ましい。例えば、中央靴底522aに適した材料の1例は、35%のガラス繊維を分散させたポリアミド(PA)ゴムである。
【0054】
中央靴底522のベース部分527は、前方係止部分受容溝527bを備えた前方トウ部分527aと後方ヒール部分527cとを設けている。そのため、前方係止部分526はベース部分527の前方係止部分受容溝527b内に配置され、前方及び後方係止部分528a、528bはベース部分527のヒール部分527cの第1及び第2側面に配置されている。同様に、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bは、ベース部分527のヒール部分527cから上方に伸びている。さらに、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bは、第1、に後方係止部分528a、528bを形成する部分の上縁から上方へと伸びていることが好ましい。
【0055】
前方係止部分526は、中央靴底522aに形成されるか、又は締め具(図示せず)を介してこれに取り付けられることが好ましい。あるいは、前方係止部分526を前方係止部分受容溝527b内に単純に配置し、内底又はライナー、そして使用者の足によって定位置に保持することもできる。
図31〜図34に示すように、前方係止部分526は基本的にU字型部材であり、この部材は舌部分536と、舌部分536から上方に伸びた一対の脚部分538とを備えている。脚部分538どうしは、取り付けプレート539によって結合されている。取り付けプレート539は、前方係止部分受容溝527bの上方を向いた面の上に配置されており、一方で、下部分536と脚部分538は、前方係止部分受容溝527bに形成された開口部527dを通って伸びている。前方係止部分526は、舌部分536と、図33、図34において示すように断面が矩形である脚部分538と共に一体型の単一部材として形成されることが好ましい。最も好ましい実施形態では、前方係止部分526は、鋼鉄又は他の適当な材料のような、堅い硬質の材料で構成されることが好ましい。本開示から、前方係止部分526は多様な方法で実現することができ、また、本発明は、単に例示の目的で提供された図面に示した特定の実施形態に限定されるものではないことが当業者には明白であろう。当然ながら、前方係止部分526の構造は、使用する特定のビンディング装置に依存することが当業者には明らかになるであろう。
【0056】
上述したように、また、図38、図41、図42に示すように、後方係止部分528a、528bは、靴底部分522の中央靴底522aと共に成形されている。後方係止部分528a、528bは、スノーボードビンディング装置512に対して高さの異なる複数の係合位置又はロック位置において、スノーボードブーツビンディング装置512と係合するように設計されている。更に具体的には、第1後方係止部分528aは、複数の(2つのみを図示)V字型溝又はノッチ530aを、靴底部分522の中央靴底522aの第1側面に成形することで形成されている。同様に、第2後方係止部分528bも、複数の(2つのみを図示)V字型溝530bが、靴底部分522の中央靴底522の反対の第2側面に成形によって形成されている。ノッチ530aの各々は、ベース部分527の底面に対して角度付けされた接合面531aを備えていることが好ましい。同様に、ノッチ530bも、ベース部分527の底面に対して角度付けされた接合面531bを備えている。接合面531a又は531bの各々が、ベース部分527の底面と共に約30°の角度を形成することが好ましい。換言すれば、接合面531a、531bは、スノーボード514の中心面から下方に向かって先細りしており、また、スノーボードブーツ514がスノーボードブーツビンディング装置512に対して上方へ移動することを防止するべく、スノーボードビンディング装置512と係合するように構成されている。さらにノッチ530a、530bも、スノーボードブーツ514のスノーボードブーツビンディング装置512に対する上方への移動を防止するのに十分な深さを有しており、また、後述するように、スノーボードブーツビンディング装置512と合致するように構成/成形されていることが好ましい。
【0057】
V字型溝又はノッチ530a、530bの各々の前方縁には、スノーボードブーツがスノーボードブーツビンディング装置512に対して後方へ移動することを制限する停止面532a、532bが設けられている。
当然ながら、当業者には、必要及び/又は所望であれば、スノーボードブーツ514に高さの異なる追加の係合位置又はロック位置を設けて設計できることが本開示から明白であろう。例えば、スノーボードブーツ514を、高さの異なる3つの係合位置(つまり、V字型溝)をそれぞれ設けて設計することができる。しかし、本発明は後方係止部分528a、528bの厳密な構造に限定されないことが、この開示から明白であるはずである。むしろ、後方係止部分528a、528bは多様な方法で実現することができ、また、本発明は、単に例示の目的で提供された図面に示す特定の実施形態に限定されるものではない。
【0058】
第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bは、第1、第2可撓性接続部分533a、533bと、第1、第2可撓性接続部分533a、533bの自由端にそれぞれ配置された第1、第2取り付け部分534a、534bとを備えている。第1、第2取り付け部分534a、534bは、複数(2つ)の取り付け孔535a、535bをそれぞれ備えている。
【0059】
図21に示すように、後方ブーツストラップ537は、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bの第1、第2取り付け部分534a、534b間で接続している。後方ブーツストラップ537は、スノーボードブーツ514の上方部分524の前方足首部分にかけて伸びている。後方ブーツストラップ537は、バックル537cにより結合された2つのブーツストラップ部分537a、537bで構成されていることが好ましく、バックル537cは、第1、第2取り付け位置534a、534b間で後方ブーツストラップ537の縦方向長さを調整するためのものである。より具体的には、第1、第2ブーツストラップ部分537a、537bは、締め具539(1つのみ図示)を介して第1、第2取り付け部分534a、534bに強固に結合した第1端部と、バックル537cを介して相互に対して強固に結合した第2端部とを具備する。
【0060】
外方靴底522bは、中央靴底522aのベース部分527の外周縁周囲に成形され、ベース部分527の外周縁から上方へと伸び、上方部分524の脚部分524aと強固に結合している。さらに、外方靴底522bは、第1、第2後方係止部分528a、528bを包囲するべく、また、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bの第1、第2可撓性接続部分533a、533bの上に配置されるべく成形されている。そのため、外方靴底522bは、第1、第2ストラップ取り付け部材529a、529bのためのさらなる支持に並び、第1、第2後方係止部分528a、528bへのさらなる支持を提供する。
【0061】
再び図21、図22を参照すると、スノーボードビンディング装置512は、スノーボードブーツ514に前方傾斜力を付加するハイバックビンディング装置であることが好ましい。スノーボードビンディング装置512は、第1実施形態と同一の部品を多く使用する。そのため、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12の部品と同一のスノーボードビンディング512の部品には、同一の参照符号を付している。さらに、第1実施形態への改良(第2、第3、第4実施形態)を、スノーボードビンディング装置512にも適用することができる。
【0062】
スノーボードビンディング装置512は、従来の方法で、4つの締め具又はネジ18を介して、スノーボード16の頂面又は上面に取り付けられている。スノーボード16の縦軸は、図21の中心線Aによって示されている。スノーボードビンディング装置512は、基本的にベース部材40、前方ビンディング部材542、後方ビンディング機構を形成する一対の(第1、第2)後方ビンディング部材44a、44bとを備えている。ベース部材40は前方部分、後方部分、前方部分と後方部分の間に伸びている縦軸Bを設けている。前方ビンディング部材542は、解放位置とラッチされた位置の間で、ベース部材40と移動可能に結合している。後により詳細に説明するように、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材44a、44は、ベース部材40の反対側の側面と結合している
前述の第1実施形態と同様に、第5実施形態のベース部材40は、基本的に、調整円盤20を介してスノーボード16と調整可能に結合したベースプレート46、ベースプレート46と調整可能に結合したヒールカップ48、ヒールカップ48と調整可能に結合したハイバック50を備えている。スノーボードビンディング装置512は、調整円盤20を介してスノーボード16と調整可能に結合していることが好ましい。後方ビンディング部材44a、44bは、スノーボードブーツ514をこれに選択的に保持するために、ベース部材40に対して移動可能である。後方ビンディング部材44a、44bは、前述した第1実施形態と同様の方法で、実質的にベース部材40の方向へ向かう力が付加されると、初期休止位置から案内位置へと相互に向かって横方向に移動するように配置されている。後方ビンディング部材44a、44bはさらに、前述の第1実施形態と同様の方法でこの力が除去されると、相互に向かって、又はロックされた位置の1つへと共に横方向に移動するように配置されている。そのため、後方ビンディング部材44a、44bは、前述の第1実施形態と同様の方法で、ベース部材40よりも上の異なる高さを有する複数の係合位置又はロックされた位置にスノーボードブーツ514を選択的に保持するように配置されている。
【0063】
図22に最良に示すように、前方ビンディング部材542は、基本的に前方結合プレート560、前方歯止め561、前方付勢部材562、前方停止部材563、解放レバー564を備えている。前方歯止め561は、前方結合プレート560により、解放位置とラッチされた位置間でベース部材40の前方部分と移動可能に結合している。前方停止部材563は、前方結合プレート560により、前方歯止め561に隣接したベース部材40の前方部分に強固に結合している。
【0064】
図21に示すように、ベースプレート46の取り付け部分52は、ベースプレート46の前方部分を形成するべくこれに強固に結合した前方結合プレート560を具備している。前方歯止め561は、結合プレート560と移動可能に結合している。そのため、前方結合プレート560が取り付け部分52に強固に結合し、前方歯止め561がベース部材40のベースプレート46と移動可能(旋回可能)に結合する。前方歯止め561は、前方歯止め561用の前方旋回ピンとして機能する前方解放レバー564を介して、前方結合プレート560と旋回可能に結合していることが好ましい。前方歯止め561を係合位置又はラッチされた位置へと付勢するために、付勢部材562が前方解放レバー564上に配置されている。制御又は解放レバー564は、付勢部材又はスプリング562の付勢力あるいは強制力に対抗して、前方歯止め561をラッチされた位置から解放位置へと移動するために、前方歯止め561と回転不可能に結合していることが好ましい。
【0065】
図22〜図25に示すように、結合プレート560には、前方歯止め561を部分的に受容するように構成された一対の開口部又はスロット560aが形成されている。スロット560aは、スロット560aの最後縁に一対の停止面560bを形成する。通常、停止面560bは、前方歯止め561をラッチされた位置に保持する。さらに、前方歯止め561の旋回軸は結合プレート560の底面よりも下にあるため、前方歯止め561が前方歯止め526と接触せずに回転できる。ベース部材40の底面は、前方歯止め561が解放位置にある際に、追加の停止面を形成する。この方法で、前方歯止め561は、前方結合フランジ576が実質的に水平であるラッチされた位置から、前方結合フランジ576が実質的に垂直である解放位置へと約90°の角度で回転できる。
【0066】
前方結合プレート560は傾斜上面560cを備えており、傾斜上面560cは、ベース部材40の前方端部へと伸びるに従って、ベース部材40の縦軸Bに沿って上方に向かってのびている。
さらに、図21、図22に示すように、前方結合プレート560は、ベースプレート46の取り付け部分52に対して(縦軸Bに沿って)調整可能であることが好ましい。さらに具体的には、取り付け部分52は複数(3つ)のスロット68を備え、結合プレート560は複数(3つ)の貫通孔569を備える。締め具又は取り付けネジ570が貫通孔569及びスロット680を通って挿入され、ナット571に取り付けられることで、前方結合プレート560が、ベース部材40の縦軸Bに沿った調整可能な方法で取り付け部分52に強固に結合される。これにより、前方ビンディング部材542を、ベース部材40に対する異なる縦方向位置にて選択的に結合することができる。当然ながら、これ以外の様々な構造を用いて前方ビンディング部材の縦方向位置を調整できることが当業者には明白であろう。さらに、当業者には、必要及び/又は所望であれば、結合プレート560をベースプレート46と一体に形成できることも明らかであろう。
【0067】
図21、図22、図26、図27に示すように、前方歯止め561は上下を逆にしたU字型部材であり、取り付け部分574、結合フランジ576、接続部分578を具備している。結合フランジ576を前方停止部材563の傾斜面よりも上に位置付けするために、前方歯止め561が、付勢部材又はスプリング562によって、ラッチされた位置へと強制移動される。結合フランジ576、傾斜面563c、タブ又は停止部分563bは、その間に、前方クリート受容範囲を形成する。前方付勢部材又はスプリング562の強制力よりも大きな力が解放レバー564に付加されると、前方歯止め561をラッチされた位置から解放位置へと移動するために、解放レバー564が前方歯止め561に固定的に結合される。
【0068】
図28〜図30に示すように、前方停止部材563は、取り付けプレート563aを形成するべく折り曲げられ、一対のタブ又は停止部分563bと傾斜面563cを備えた金属プレート部材であることが好ましい。前方停止部材563の取り付けプレート563aは、締め具又は取り付けネジ570の1つによって、前方結合プレート560と、ベースプレート46の取り付け部分52とに強固に結合される。タブ又は停止部分563bは、その間に前方クリート受容範囲の一部分を形成するために、前方歯止め561のラッチ面から後方に向かって離間した、前方を向いた停止面を形成する。傾斜面563cは、取り付けプレート563aから鋭角にて上方へと伸びている。前方停止部材563がベース部材40上に取り付けられている場合には、前方係止部分526を前方歯止め561から解放する補助となるべく、傾斜面563cがベース部材40に対して上方に傾斜する。
【0069】
図22に示すように、解放レバー564は、基本的に、穴560d内で旋回可能に支持された旋回ピン部分565と、旋回ピン部分565から垂直に伸びたハンドル又は制御部分566とを備える。換言すれば、解放レバー564の旋回ピン部分565は、前方歯止め561の前方旋回ピンを形成する。そのため、解放レバー564は一体型の単一部材として一体形成される。旋回ピン部分565の自由端部には環状溝65aが形成されることが好ましい。スプリング562を間に配置して、解放レバー564と前方歯止め561を結合プレート560に固定するために、この環状溝565a内に適当な保持部材又はCクリップが受容される。
【0070】
図21、図22、図26、図27に最良に示すように、前方歯止め561の取り付け部分574は、ラッチされた位置と解放位置間の前方旋回軸周囲で回転するために、解放レバー564の旋回ピン部分565に回転不可能に取り付けられている。前方旋回軸は、結合プレート560の下に配置されているため、前方歯止め561が前方係止部分526と係合しない位置へと(つまり、解放位置へと)移動される。付勢部材又はスプリング562は、前方歯止め561に強制力を付加して、前方歯止め561をラッチされた位置へと強制移動する。前方歯止め561は、スノーボードブーツ514の前方係止部分526の舌部分536の上面と係合するように構成された下方ラッチ面を含む。結合プレート576と取り付け部分574の間には接続部分578が伸びている。
【0071】
さらに具体的には、取り付け部分574は一対の(第1、第2)取り付けフランジ575a、575bを形成することが好ましい。取り付けフランジ575aはスプリング562の第1端部562aと係合するように設計されている。スプリング562のもう一方の端部(第2端部)562bは、取り付けプレート560に形成された横断孔(図示せず)内に受容されるように設計されている。そのため、スプリング562は、スノーボードブーツ514の前方係止部分526を選択的に保持するために、前方ビンディング部材542をラッチされた位置へと強制移動するべくプレロードされる。さらに、取り付けフランジ575a、575bの少なくとも1つは、解放レバー564の非円形部分565bを回転不可能に受容するべく、非円形(正方形)の開口部575dを含むことが好ましい。
【0072】
次に、スノーボードビンディング装置512に対するスノーボードブーツ514への取り付け及び取り外しについてさらに詳細に説明する。乗り手がスノーボードビンディング装置512に踏み込みたい場合には、ブーツ514は若干傾斜していなければならない。前方係止部分526が、まず前方歯止め561と係合する。具体的には、前方係止部分526が前方結合フランジ576の下に配置される。次に、乗り手は、スノーボードブーツ514の後方部分を実質的にベースプレート46へと向かう方向に動かす。換言すれば、スノーボードブーツ514が、前方係止部分26の周囲で後方へ旋回するため、ブーツ514の後方が実質的にベース部材40へ向かって移動できる。
【0073】
このスノーボードブーツ514の移動により、後方ビンディング部材44a、44bがスプリング90a、90bの付勢力にそれぞれ対抗して旋回する。そのため、後方ラッチ部材86a、86bが、縦軸Bから離れて案内位置(第1案内位置、第2案内位置のぞれぞれ)へと横方向に移動するためスノーボードブーツ514が下方へ移動することができる。一度後方係止部分528a、528bが所定の距離だけ移動すると、後方ラッチ部材86a、86bが(第1、第2)案内位置から(第1、第2)ロック位置へと移動する。そのため、スノーボードブーツ514が第1ロック位置にくる。この第1ロック位置では、靴底部分522の後方がベースプレート46の取り付け部分52から若干離間する。そのため、必要であれば、雪、泥、砂のような障害物を収容することができるようになる。障害物によって妨害されなければ、スノーボードブーツ14はさらに第2ロック位置へと移動する。この第2ロック位置では、後方ラッチ部材86a、86bが中間(第1、第2)案内位置(図示せず)から追加の(第1、第2)ロック位置へとそれぞれ移動する。これにより、スノーボードブーツ514が第2ロック位置に入る。
【0074】
次に、スノーボードブーツ514をスノーボードビンディング装置512から解放する方法についてより詳細に説明する。スノーボードブーツ514がいずれかのロック位置にある場合、スノーボードビンディング装置512はスノーボードブーツ514を容易に解放することができる。具体的には、解放レバー564を旋回させて、前方歯止め561をラッチされた位置から解放位置へと移動する。これにより、スノーボードブーツ514の前方係止部分526がスノーボードビンディング装置512から解放される。しかし、後方ビンディング部材44a、44bは係合した状態、あるいはロック位置のまま残る。そこで、スノーボードブーツ514を縦方向に(つまり、縦軸Bに沿って)移動し、後方歯止め86a、86bをノッチ530a、530b内にそれぞれ滑り込ませることで、スノーボードブーツ514をスノーボードビンディング装置512から完全に取り外す。スノーボードブーツ514が十分な距離を移動した後はラッチ部材86aと86bはノッチ530aと530bを係合又はロックしない。これにより、スノーボードブーツ514をスノーボードビンディング装置512から完全に取り外すことができる。
【0075】
[第6実施形態]
次に、図46〜図96を参照すると、本発明の第6実施形態によるスノーボードビンディングシステム610を示している。スノーボードビンディングシステム610は、基本的に改良型のスノーボードビンディング装置612と改良型のスノーボードブーツ614を含む。
【0076】
この第6実施形態のスノーボードビンディング装置612は、後に詳細に示すようにスノーボードビンディング装置612の前方ビンディング機構が第1実施形態のスノーボードビンディング装置12の前方ビンディング機構から改良されており、また、スノーボードビンディング装置612からのスノーボードブーツ614の取り外しを補助するために案内特徴が追加されている点を除いて、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一である。そのため、スノーボードビンディング装置612のこれ以外の部分は、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一である。したがって、第6実施形態のスノーボードビンディング装置612は第1実施形態のスノーボードビンディング装置12と実質的に同一であるため、ここではスノーボードビンディング装置612についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、以降の説明は主に、スノーボードビンディング装置612とスノーボードビンディング装置12の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードビンディング装置12の説明の大部分が、この第6実施形態のスノーボードビンディング装置612に適用できることが当業者には明白になるであろう。
【0077】
この第6実施形態のスノーボードブーツ614は、後に説明するようにスノーボードブーツ614の前方ビンディング機構が第1実施形態のスノーボードブーツ14の前方ビンディング機構の改良型であり、また、スノーボードブーツ614とスノーボードビンディング装置612間の係合及び解放を補助するべくガイド部分の特徴が追加されている点を除いて、第1実施形態のスノーボードブーツ14と実質的に同一である。従って、スノーボードブーツ614のこれ以外の部分は、第1実施形態のスノーボードブーツ14と実質的に同一である。第6実施形態のスノーボードブーツ614は第1実施形態のスノーボードブーツ14と実質的に同一であるため、ここではスノーボードブーツ614についての詳細な説明又は図示を省く。むしろ、以下の説明は、スノーボードブーツ614とスノーボードブーツ14の違いに注目している。さらに、第1実施形態のスノーボードブーツ14の説明の大部分が、この第6実施形態のスノーボードブーツ614に適用できることが当業者には明白になるであろう。
【0078】
スノーボードビンディング装置12と同じように、スノーボードビンディング装置612も、4つの締め具又はネジ18を介して、従来の方法で、スノーボード16の頂面又は上面に取り付けられている(図1)。この開示から、一対のスノーボードビンディングシステム610をスノーボード16と共に使用して、乗り手が両足をスノーボード16に強固に取り付けることができるようにしていることが当業者には明らかであろう。2つの調整円盤620を用い、ネジ18を介して、一対のスノーボードビンディングシステム610をスノーボード16に調整可能に結合することが好ましい。ここでは、1つのスノーボードビンディングシステム610のみについて説明及び/又は図示する。
【0079】
スノーボードブーツ614は比較的柔軟な、又は可撓性のスノーボードブーツであることが好ましい。柔軟なスノーボードブーツは当技術範囲では周知であるため、ここではその説明又は図示を省略する。スノーボードブーツ614についても、本発明のスノーボードビンディングシステム610に関連したスノーボードブーツ614の新規の特徴を除いて、詳細な説明又は図示を省く。基本的に、柔軟なスノーボードブーツは、堅いゴム状材料から成る靴底部分622と、プラスチック材料、皮革及び/又は合成皮革材料のような様々な材料で構成された可撓性の上方部分624とを含む。上方部分624は、基本的に、可撓性材料で構成され、接着成形及び/又は縫合(図示せず)を介して靴底部分622に強固に取り付けられている。そのため、柔軟なスノーボードブーツ614の上方部分624はいくらか可撓性でなければならない。上方部分624は、靴底部分622に強固に結合された足部分624aと、足部分624aから上方に伸びた脚部分624bとを備えている。本発明にとって上方部分624は重要ではないため、ここではそのさらなる詳細な説明又は図示を省く。
【0080】
図46〜図48、図56〜図62に示すように、靴底部分622は基本的に3つの部分で構成されている。より具体的には、靴底部分622は、外方靴底622bを上に成形した中央靴底622aと、中央靴底622aの前方部分又はトウ部分に配置された前方係止部分626とを備える。外方靴底622bはさらに、上方部分624の下方外周縁上にも成形されているため、外方靴底622bにより上方部分624を中央靴底622aに固定的に強固に取り付けることができる。外方靴底622bは、スノーボードブーツ614の踏み付け部分の形成に適した弾性ゴム材料から成ることが好ましい。上述したように、縫合により、上方部分624を外方靴底622bにより強固に固定することができる。
【0081】
図56〜図62に示すように、中央靴底622aは基本的に、ベース又は足部分627と、第1、第2後方係止部分628a、628bを含む第1、第2側面部分と、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bとを備えている。最も好ましい実施形態では、第1、第2後方係止部分628a、628bと、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bとが、中央靴底622aのベース部分627と共に、一体型の単一部材として一体形成されている。換言すれば、中央靴底622aは、同素材で形成されている第1、第2後方係止部分628a、628b、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bと共に一体型の単一部材として成形されることが好ましい。中央靴底622aは、可撓性の、しかしいくらか硬質な材料で構成することが好ましい。例えば、中央靴底622aに適した材料の1例として、ガラス繊維を35%分散させたポリアミド(PA)ゴムが挙げられる。
【0082】
中央靴底622aのベース又は足部分627は、前方係止部分受容溝627bと後方ヒール部分627cとを備えた前方トウ部分627aを設けている。従って、前方係止部分626がベース部分627の前方係止部分受容溝627b内に配置され、その一方で、前方及び後方係止部分628a、628bがベース部分627のヒール部分627cの第1、第2側面に配置される。同様に、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bが、足部分627のヒール部分627cから上方へ伸びている。さらに、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bが、第1、第2後方係止部分628a、628bを形成する部分の上方縁から上方に向かって伸びていることが好ましい。
【0083】
中央靴底622aはさらに、スノーボードブーツビンディング装置612へ踏み込むための、また、この装置612から足を取り出すためのガイド部の特徴をいくつか備えている。中央靴底622aの第1の特徴は、一対の前方係止部分案内フランジ630を含む。具体的には、中央靴底622aの底面から、前方係止部分案内フランジ630が外方に向かって伸びている。前方係止部分案内フランジ630は、中央靴底622aと結合している前方係止部分626に対して前方及び側方に配置されている。前方係止部分案内フランジ630は、一体型の単一部材として、中央靴底622aの残りの部分と共に一体形成されることが好ましい。前方係止部分案内フランジ630は、外方靴底622bを通って伸びている。前方係止部分案内フランジ630は、後方に向かって集中するように角度付けされているため、前方係止部分案内フランジ630の後方端部が前方係止部分626のすぐ前方に配置される。前方係止部分案内フランジ630の前方係止部分案内面が、縦軸Bに対して約45°で角度付けされることが好ましい。換言すれば、前方係止部分案内フランジ630は、スノーボードブーツ614をスノーボードブーツビンディング装置612と係合させるべく補助するために、両者間に案内スロットを形成する一対の集中型の前方係止部分案内面を備える。これらの前方係止部分案内フランジ630の前方係止部分案内面は、前方係止部分626の側部長さよりも若干長い距離で横方向に離間した後方端部を備えている。
【0084】
中央靴底622aによって提供される第2の特徴は、中央靴底622aの底面の第1、第2側縁に配置された、一対の後方案内範囲631a、631bを備える。さらに具体的には、案内範囲631a、631bは、後方係止部分628a、628bとそれぞれ整列している。中央靴底622aは、外方靴底622bよりもさらに硬質な材料で構成され、中央靴底622aは、外方靴底622bの材料よりも摩擦係数が低い。換言すれば、外方靴底622bは、中央靴底622aの外部に面した表面上に部分的に配置されたゴム材料で構成されているため、案内範囲631a、631bが、第1、第2側面部分と隣接した範囲(後方係止部分628a、628b)に露出する。後に説明するように、スノーボードブーツ614のスノーボードビンディング装置612からの解放を補助するために、案内範囲631a、631bがスノーボードブーツビンディング装置612と係合する。より具体的には、スノーボードブーツ614をスノーボードビンディング装置612から解放するために、スノーボードブーツ614が概して前方に受かって移動されることで、スノーボードブーツ614がスノーボードビンディング装置612上で前方に滑動する。換言すれば、スノーボードビンディング装置612上でのスノーボードブーツ614のより滑らかな前方移動を提供するために、案内範囲631a、631bがスノーボードビンディング装置612と係合する。したがって、案内範囲631a、631bの縦長さは、スノーボードブーツ614をスノーボードビンディング装置612から解放する間に、外方靴底622bがスノーボードビンディング装置612と限定的に接触できるように十分長くなくてはならない。
【0085】
中央靴底622aの第3の特徴は、中央靴底622aのトウ部分627aから下方に突出した前方案内要素632を備えている。この前方案内要素632は、前方係止部分626の後方に配置されている。前方案内要素632は、前方案内要素632が後方ヒール部分627cに接近するに従って、前方トウ部分627aから下方に向かって段階的に突出する楔形部材であることが好ましい。案内面631a、631bと類似して、前方案内要素632は、スノーボードビンディング装置612からのスノーボードブーツ614の解放を補助する。具体的には、スノーボードブーツ14を前方に移動するべく、前方案内要素632がスノーボードブーツビンディング装置612と接触することにより、スノーボードブーツ614がスノーボードビンディング装置612から離れて上方へ移動する。
【0086】
図58、図62に示すように、後方係止部分628a、628bは、靴底部分622の中央靴底622aに成形されている。後方係止部分628a、628bは、スノーボードビンディング装置612に関連して高さの異なる複数の係合位置又はロック位置において、スノーボードブーツビンディング装置612と係合するように設計されている。さらに具体的には、第1後方係止部分628aは、靴底部分622の中央靴底622aの第1側面に複数のV字型溝又はノッチを成形して形成される。同様に、第2後方係止部分628bは、靴底部分622の中央靴底622aの反対側の側面に複数のV字型溝を成形することで形成される。後方係止部分628a、628bは、第1実施形態と同様に、スノーボードブーツ614がスノーボードブーツビンディング装置612に対して上方に移動することを防止するべく、スノーボードビンディング装置612と係合するように構成されている。そのため、後方係止部分628a、628bのノッチは、スノーボードブーツ614がスノーボードブーツビンディング装置612に対して上方に移動することを防止するのに十分な深さを備え、また、以降に説明するようにスノーボードブーツビンディング装置612と合致するように形成されている。
【0087】
この実施形態は、高さの異なる2つの異なる係合位置(つまり、2つのV字型溝)でそれぞれ図示されている。当然ながら、この開示から、必要及び/又は所望であれば、高さの異なる追加の係合位置又はロック位置を設けてスノーボードブーツ614を設計できることが当業者には明白であろう。したがって、この開示からは、本発明が後方係止部分628a、628bの厳密な構造に限定されないことが明白である。むしろ、後方係止部分628a、628bは多様な方法で実現することができ、また、本発明は、単純に例示の目的で提供した図面に示す特定の実施形態に限定されることはない。
【0088】
図58、図62に示すように、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bは、第1、第2可撓性接続部分633a、633bと、第1、第2可撓性接続部分633a、633bの自由端部にそれぞれ配置された第1、第2取り付け部分634a、634bとを含む。第1、第2取り付け部分634a、634bの各々は、複数(2つ)の取り付け穴635a、635bをそれぞれ備えている。図46に示すように、後方ブーツストラップ637は、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bの第1、第2取り付け部分634a、634b間で接続している。後方ブーツストラップ637は、スノーボードブーツ614の上方部分624の前方足首部分にかけて伸びている。後方ブーツストラップ637は、バックルによって結合した2つのブーツストラップ部分で構成されていることが好ましく、バックルは、後方ブーツストラップ637の縦長さを、第1、第2取り付け部分634a、634b間で調整するためのものである。より具体的には、後方ブーツストラップ637は、前述したブーツストラップ537と同一である。
【0089】
外方靴底622bは、中央靴底622aのベース部分627の外周縁周囲に成形され、ベース部分627の外周縁から上方に伸びて、上方部分624の足部分624aとしっかりと結合している。さらに、外方靴底622bは、第1、第2後方係止部分628a、628bを包囲するように、また、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bの第1、第2可撓性接続部分633a、633bの一部分の上に位置するように成形されている。さらに、前述したように、外方靴底622bが中央靴底622aの周囲に成形されているため、中央靴底622aの足部分627の案内範囲631a、631bが露出する。したがって、外方靴底622bは、第1、第2ストラップ取り付け部材629a、629bの追加の支持と同様に、第1、第2後方係止部分628a、628bに追加の支持を提供する。
【0090】
前方係止部分626は、中央靴底622aに成形するか、又は締め具(図示せず)によってこれに取り付けることが好ましい。あるいは、前方係止部分626は、前方係止部分受容溝627b内に単に配置し、内底又はライナー及び使用者の足によって定位置に保持することもできる。後により詳細に説明するように、前方係止部分626は、スノーボードビンディング装置612の一部分と係合するように構成されている。
【0091】
図50〜図55に示すように、前方係止部分626は基本的にU字型部材であり、U字型部材は、舌部分636と、舌部分636から上方に伸びた一対の脚部分638とを備える。脚部分638どうしは、取り付けプレート639によって結合されている。取り付けプレート639は前方係止部分受容溝627bの上方を向いた面上に配置され、一方で、舌部分636と脚部分638は、前方係止部分受容溝627bに形成された開口部627dを通って伸びている。前方係止部分626は、図54、図56に最良に示すように断面が矩形の舌部分636及び脚部分638と共に、一体型の単一部材として形成されることが好ましい。最も好ましい実施形態では、前方係止部分626は、鋼鉄又は他の適切な材料のような堅く硬質の材料で構成されることが好ましい。この開示から、前方係合部分626は多様な方法で実現することができ、また、本発明は、単純に例示の目的で提供された図面に示す特定の実施形態に限定されないことが当業者には明白であろう。当然ながら、当業者には、前方係止部分626の構造は、使用する特定のビンディング装置に依存することが明らかであろう。
【0092】
図52に示すように、舌部分636は前方から後方までの寸法D1を備え、この寸法D1は、脚部分638の前方から後方までの寸法D2よりも長い。後述するように、細長い舌部分636を設けることで、前方係止部分626をスノーボードブーツビンディング装置612とさらに容易に係合することが可能である。一般に、縦軸Bと平行する断面線に沿って見た場合、舌部分636と一対の脚部分638の断面は矩形であることが好ましい。舌部分636は、スノーボードブーツ614の前方部分をスノーボードブーツビンディング装置612に固定するだけでなく、さらに、後述するように、スノーボードブーツビンディング装置612と係合して、前方及び/又は後方への移動を阻止する。
【0093】
再び図46〜図49を参照すると、スノーボードビンディング装置612はベース部材640、前方ビンディング部材642、一対の(第1、第2)後方ビンディング部材644a、644bを備えることが好ましい。前方ビンディング部材642は、解放位置とラッチされた位置の間で、ベース部材640と移動可能に結合している。第1、第2後方ビンディング部材644a、644bは後方ビンディング機構を形成する。後により詳細に説明するように、第1、第2後方ビンディング部材644a、644bは、ベース部材640の反対の側面と結合している。
【0094】
ベース部材640は基本的に、調整円盤620を介してスノーボード16と調整可能に結合したベースプレート646、ベースプレート646と調整可能に結合したヒールカップ648、ヒールカップ648と調整可能に接続したハイバック650を備える。スノーボードビンディング装置612は、調整円盤620を介してスノーボード16と調整可能に結合していることが好ましい。後方ビンディング部材644a、644bは、これにスノーボードブーツ614を選択的に保持するために、ベース部材640に対して移動可能である。後方ビンディング部材644a、644bは、実質的にベース部材640の方向へ向かう力が付加されると、各々から離れ、初期休止位置から案内位置へと、相互に対して横方向に移動するように配置されている。後方ビンディング部材644a、644bはさらに、力が除去されると、相互に向かって、又は共にロック位置の1つへと横方向に移動するように配置されている。そのため、後方ビンディング部材644a、644bは、スノーボードブーツ614を、ベース部材640よりも上の異なる高さを有する複数の係合位置又はロック位置に選択的に保持するように配置されている。後方ビンディング部材644a、644bは、前出の実施形態と同様の方法で動作する。さらに、後方ビンディング部材644a、644bの部品も、前出の実施形態と機能的に同一である。
【0095】
ベースプレート646は、さらに、スノーボードブーツビンディング装置612からのスノーボードブーツ614の解放を補助するために、ガイド部の特徴を設けている。具体的には、第1、第2後方ビンディング部材644a、644bとそれぞれ隣接したベースプレート646の側縁に、一対の案内突出部又は部材645a、645bを具備している。第1、第2案内突出部645a、656bは、その自由端部に第1、第2ブーツ支持面を備えている。換言すれば、案内突出部645a、645bの上面は、スノーボードブーツ614の靴底部分622をベースプレート646よりも上に保持する上方ブーツ支持面を形成する。案内突出部645a、645bは、スノーボードブーツ614がスノーボードブーツビンディング装置612に対して係合位置にある際に、中央靴底622aの案内範囲631a、631bの前方端部と接触するように配置されている。換言すれば、スノーボードブーツ614が、スノーボードブーツビンディング装置612に対して通常の乗り位置にある場合、案内範囲631a、631bが、ベースプレート646の案内突出部645a、645bのブーツ支持面頂部に位置する。スノーボードブーツ614がスノーボードブーツビンディング装置612に対して前方に移動されると(つまり、解放中に)、案内範囲631a、631bが、それぞれ案内突出部645a、645bのブーツ支持面に沿って滑動する。前述したように、中央靴底622aは摩擦係数が比較的低い材料で構成されているため、スノーボードブーツ614がベースプレート646に沿って前方に滑り易い。好ましい実施形態では、案内突出部645a、645bがベース部材646と共に、一体型の単一部材として一体形成されている。例えば、案内突出部645a、645bをベースプレート646に型鍛造することができる。好ましい実施形態では、案内突出部645a、645bのブーツ支持面は、縦軸Bに対して垂直に配した幅と、縦軸Bと平行に配した長さとを有する細長い面である。さらに、案内突出部645a、645bは、形状が実質的に同一である(正面図で細長い形状)ことが好ましい。通常、案内突出部645a、645bは案内範囲631a、631bと接触し、案内突出部645a、645bは、最も好ましくは、実質的に後方ビンディング部材644a、644bの前方端部の下に配置される。
【0096】
図63、図64に示すように、ベース部材640のベースプレート646は、取り付け部分652と、一対の(第1、第2)側面取り付け部654a、654bとを備えることが好ましい。ベースプレート646は、堅く硬質の材料から成ることが好ましい。ベースプレート646に適した堅く硬質の材料の例には、様々な金属並びにカーボン及び/又は金属/カーボンの組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態では、取り付け部分652、側面取り付け部分654a、654bは、金属シート材料を曲げて形成されている。そのため、ベースプレート646(取り付け部分652、側面取り付け部分654a、654b)は、一体型の単一部材である。当然ながら、必要及び/又は所望であれば、側面取り付け部分654a、654bは、646(取り付け部分652)に取り付けた一体型の単一部材として構成することができる。側面取り付け部分654a、654bは、相互に対して実質的に平行し、取り付け部分652に対して垂直であることが好ましい。あるいは、以降に本発明の別の実施形態を参照して説明するように、側面取り付け部654a、654bを、スノーボードビンディング装置612の後方部分からスノーボードビンディング装置612の前方部分へと、相互から外方へ向けて(つまり、相互から離れて)若干先細りさせることができる。取り付け部分652は、調整円盤620を受容するための中央開口部656を備えている。この開口部656は、鋸歯状にされた傾斜縁を備えることが好ましく、鋸歯状にしているのは、調整円盤620の対応する合致歯を備えた傾斜縁と係合する歯を形成するためである。
【0097】
図46、図47、図49に示すように、ベースプレート646の取り付け部分652は、これにしっかりと結合し、ベースプレート646の前方部分を形成する前方結合プレート660を備えている。前方ビンディング部材642は、結合プレート660と移動可能に結合している。そのため、結合プレート660が取り付け部分652に強固に結合していれば、前方ビンディング部材642がベース部材640のベースプレート646と移動可能に結合する。ベース部材640は、ベース部材640の前方部分(つまり、結合プレート660)とベース部材640の後方部分(つまり、ヒールカップ648及びハイバック650)の間に伸びた縦中心軸Bを備えている。前方ビンディング部材642は、前方解放レバー664を介して、結合プレート660と旋回可能に結合していることが好ましく、解放レバー664は、前方ビンディング部材642の前方旋回ピンとして機能する。
【0098】
結合プレート660は、ベースプレート646の前方部分上面に対して上方に伸びた前方案内部材又は傾斜面662を備える。前方案内部材662は、前方ビンディング部材642のすぐ後方に配置されている。前方案内部材662は、スノーボードビンディング装置612からのスノーボードブーツ614の解放中に、スノーボードブーツ614の前方案内要素632と係合するように設計されている。換言すれば、スノーボード614が前方に移動することで、靴底部分622の前方案内要素632がスノーボードビンディング装置612の前方案内部材662と係合する。これにより、前方案内部材662が前方案内要素632と協働して、スノーボードブーツ614を上方へ移動するため、前方係止部分626が前方ビンディング部材642との係合から外れて移動することができる。
【0099】
次に図49、図79〜図92を参照すると、解放レバー664は基本的に、旋回ピン部分665(図85)と、ハンドル又は制御部分666(図79〜図81)を備えている。換言すれば、解放レバー664の一部分(旋回ピン部分665)が、前方ビンディング部材642の前方旋回ピンを形成する。したがって、この実施形態では、解放レバー664は2つの部品で形成される。
【0100】
図85に示すように、旋回ピン部分665は、断面が六角形の第1非円形部分665aと、断面が円形の第2円形部分665bとを備える。第1部分665aと第2部分665bの間には、断面が正方形の中間部分が配置されている。第1非円形部分665aの自由端部には、ボルト665dが螺合するネジ山付き内径665cが設けられている。円形部分665bの自由端部にも、ボルト665fが螺合するネジ山付き内径665eが設けられている。ボルト665dは、ハンドル部分666を旋回ピン部分665に固定する。ボルト665fが解放レバー664を結合プレート660に旋回可能に固定するので、解放レバー664は解放位置とラッチされた位置の間で移動することができる。
【0101】
この実施形態では、リターンスプリングは使用していない。むしろこの実施形態では、インデックス機構670を用いて、解放レバー664を少なくとも解放位置とラッチ位置の両方に保持している。インデックス機構670は基本的に、第1インデックス部分又は部材671、第2インデックス部分又は部材672、圧縮スプリング又は付勢部材673を備える。インデックス機構670は、解放レバー664の旋回部分665の非円形部分665a上に取り付けられている。
【0102】
図86〜図89に示すように、第1インデックス部分671は、取り付けプレート660と移動不可能に係合し、中央開口部671aを備え、中央開口部671aの内部では、旋回部分665の非円形部分665aが自由に回転することができる。第1インデックス部分671は、第2インデックス部分672と係合する爪歯を形成する、複数の放射状に形成された突出部671bを備えている。
【0103】
図90〜図92に示すように、第2インデックス部分672は、解放レバー664の旋回部分665の非円形部分665aに回転不可能に固定されている。そのため、第2インデックス部分672が解放レバー664と共に回転する一方で、第1インデックス部分671は静止したままである。第2インデックス部分672は、旋回ピン部分665の非円形部分665a上の第2インデックス部分672を保持するサイズに寸法された非円形状の開口部672aを備える。第2インデックス部分672は、爪歯を形成する、複数の放射状に伸びた突出部672bを備えている。第2インデックス部分672の突出部又は爪歯672bは、第1インデックス部分の突出部又は爪歯671bと係合し、解放レバー664を解放位置とラッチ位置にロックする。
【0104】
図83、図84に示すように、圧縮スプリング673は、第1、第2インデックス部分671、672を共に付勢するために、旋回部分665の非円形部分665a周囲に配置されている。より具体的には、圧縮スプリング673の一端が解放レバー664の制御部分666と係合する一方で、他端が第2インデックス部分672と接触する。そのため、解放レバー664の制御部分666が解放一とラッチ位置の間で回転すると、第2インデックス部分672が、圧縮スプリング673の力に対抗して軸方向に移動し、解放レバー664の制御部分666の移動が許容される。
【0105】
さらに、結合プレート660は、第1実施形態と同一の方法で、ベースプレート646の取り付け部分652に対して(縦軸Bに沿って)調整可能であることが好ましい。そのため、前方ビンディング部材642を、ベース部材640に対して、異なる縦位置で選択的に結合することができる。当然ながら、これ以外の多様な構造を用いて、前方ビンディング部材642の縦位置を調整できることが当業者には明白であろう。さらに当業者には、必要及び/又は所望であれば、結合プレート660をベースプレート646と一体に形成できることも明らかであろう。
【0106】
図73〜図76に示すように、前方ビンディング部材642は、基本的に、取り付けフランジ又は前方爪部676が一体形成された取り付け部分674を含む。取り付け部分674は、ラッチ位置と解放位置の間において、旋回軸周囲で回転するために、解放レバー664の旋回ピン部分665上に回転不可能に取り付けられる。前方旋回軸は結合プレート660の下に配置されているため、爪部676が前方係止部分材626との係合から外れて(つまり、解放位置へと)移動することができる。前方爪部676は、スノーボードブーツ614の前方係止部分626の舌部分636上面と係合するように構成された下面を備えている。接続部分678は、前方爪部676と取り付け部分674の間に伸びている。
【0107】
図74、図76に示すように、前方爪部676は概してV字型の自由端部677を備え、この自由端部677は、先端部分677cから伸びた第1、第2部分677a、677bを設けている。V字型自由端部677の第1部分677aは、取り付け部分674と先端部分677cの間に位置する係止部分係合面を形成している。V字型自由端部677の第2部分677bは、V字型自由端部677の先端部分677cと自由縁677dの間に位置する案内面を形成している。第1部分677aの係止部分係合面は、概してベースプレート646に面している。第2部分677bの案内面は、概してベースプレート646の反対側に面している。V字型自由端部677は、第2部分677bの案内面が、前方係止部分626と前方爪部676の係合を補助するように設計されている。換言すれば、前方係止部分626が前方爪部676の下に容易に入ることができるようにするために、前方係止部分626の舌部分636は第2部分677bの案内面に沿って容易に滑動する。前方係止部分626が前方爪部676の下の範囲内に配置されている場合、解放レバー664を手動で回転して、前方爪部676を図95に示すラッチ位置から、図96に示す解放位置へと移動することができる。ラッチされた位置において、舌部分636が停止プレート678の前方に向いた面と係合し、前方係止部分626が前方爪部676に対して後方へ移動することを防止する。停止プレート678を図77、図78に示す。
【0108】
取り付け部分674は、一対の(第1、第2)取り付けフランジ675a、675bで形成されていることが好ましい。さらに、取り付けフランジ675aは、解放レバー664の旋回ピン部分665の正方形部分を回転不可能に受容するための非円形(正方形)開口部675cを備え、その一方で、取り付けフランジ675bは、円形部分665bを受容するための円形開口部675dを備えることが好ましい。
【0109】
図65〜図72に示すように、結合プレート660には、前方爪部676を部分的に受容するように構成された、一対の開口部又はスロット660aが形成されていることが好ましい。スロット660aは、スロット660aの最後縁に位置する一対の停止面を形成する。前方結合プレート660はさらに、旋回ピン部分665から実質的に垂直に伸びたハンドル又は制御部分666を具備した旋回ピン部分665を旋回可能に支持する旋回穴660bを設けていることが好ましい。結合プレート660はさらに、前方結合プレート660をベースプレート646に固定する締め具を受容するための3つの取り付け穴660cを備えることが好ましい。停止プレート678は、前方案内要素662に隣接した中央締め具上に取り付けられている。
【0110】
図46、図47に示すように、第1、第2後方ビンディング部材644a、644bは、ベース部材640のヒールカップ648に移動可能に結合されていることが好ましい。ヒールカップ648は、ベースプレート646の取り付け部分654a、654bに調整可能に結合され、第1、第2側面取り付け部分を形成している。したがって、後方ビンディング部材644a、644bは、ベース部材640に調整可能且つ移動可能に結合している。
【0111】
後方ビンディング部材644a、644bは、相互に対して実質的に鏡像であることが好ましい。後方ビンディング部材644aは、基本的に第1ラッチ又は歯止め部材686aを備え、この部材686aは、旋回ピン上に取り付けられており、第1付勢部材又はねじれスプリングによって案内位置からロック位置に向かって付勢される。後方ビンディング部材644bは、基本的に第2ラッチ又は歯止め部材686bを備え、この部材は、旋回ピン上に取り付けられ、第2付勢部材又はねじれスプリングによって案内位置からロック位置へと付勢される。
【0112】
ヒールカップ648は、堅く硬質の材料で構成されることが好ましい。ヒールカップ648に適した堅く硬質の材料の例には、様々な金属並びにカーボン及び/又は金属/カーボンの組み合わせが挙げられる。ヒールカップ648は、ベースプレート646の側面取り付け部分654a、654bにそれぞれ取り付けられた弓状部材である。
【0113】
ハイバック650は、堅く硬質な材料で構成された硬質部材である。ハイバック650に適した堅く硬質な材料の例には、堅く硬質なプラスチック材料、又は様々な合成タイプの材料が挙げられる。当然ながら、ハイバック650は様々な金属で構成することができる。ハイバック650は実質的にU字形の底部を備え、該底部には、縦軸周囲でのハイバック650の調整を可能にするべく締め具を受容するための一対の穴が設けられている。ハイバック650は、締め具によりヒールカップ648と旋回可能に結合している。ハイバック650、ヒールカップ648、ベースプレート646間の接続は比較的従来タイプのものである。そのため、これらの部材を様々な方法で取り付けることが可能であり、また、本発明は、これら接続の特定の実現に限定されるべきでないことが当業者には明白であろう。
【0114】
本願明細書で使用した、程度を表す用語、例えば「実質的に」、「約」、「ほぼ」などは、最終結果が顕著には変化しないように幾分変更された用語の合理的な逸脱の程度を意味する。これらの用語は、幾分変更された用語の少なくとも±5%の逸脱を含むものとして解釈されるべきであるが、この逸脱が幾分変更される用語の意味を否定しないことを条件とする。
【0115】
本発明を説明するために、限られた数の実施形態を選択したが、特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が可能であることは、この開示から当業者に明白であろう。さらに、前出の本発明による実施形態の説明は、単に例証のために提供されたものであり、特許請求の範囲によって定義された本発明及びその同等物を限定するためのものではない。
【0116】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、前方ビンディング機構に係止する前方係止部分を前述のように構成したので、ステップイン、ステップアウトをスムーズにかつ容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による、スノーボードビンディング装置がスノーボード及びスノーボードブーツに固定されたスノーボードビンディングシステムの斜視図である。
【図2】図1のスノーボードビンディング装置の拡大斜視図であり、スノーボードビンディング装置をスノーボードから取り外した状態を示す。
【図3】図1のスノーボードブーツ全体を示す拡大平面斜視図である。
【図4】図3のスノーボードブーツ全体を示す底面斜視図である。
【図5】図1〜図4のスノーボードビンディングシステムの拡大斜視図であり、スノーボードビンディング装置と部分的に係合した第1位置にあるスノーボードブーツを示す。
【図6】図1〜図5のスノーボードビンディングシステムの拡大斜視図であり、スノーボードビンディング装置と完全に係合した第2位置にあるスノーボードブーツを示す。
【図7】図1〜図6のスノーボードビンディングシステムの拡大斜視図であり、スノーボードブーツの前方をスノーボードビンディング装置から解放するべく制御レバーを移動した後の(これ以前の制御レバーの位置を破線で示す)、第2位置にあるスノーボードブーツを示す。
【図8】図1〜図7のスノーボードビンディングシステムの拡大斜視図であり、スノーボードブーツの前方を解放するべく制御レバーを移動した後の、また、スノーボードブーツをスノーボードビンディング装置から完全に解放するべくスノーボードブーツを前方に滑らせた後の、第3位置にあるスノーボードブーツを示す。
【図9】スノーボードブーツをスノーボードビンディング装置に結合する前の状態にある(すなわち、ビンディング部材が初期位置にある)、図1〜図8に示したスノーボードビンディング装置の後方ビンディング部材の1つと、スノーボードブーツとを示す部分断面線図である。
【図10】図9の後方ビンディング部材とスノーボードブーツを示す部分断面線図であり、スノーボードブーツと後方ビンディング部材が中間又は案内位置にある状態を示している。
【図11】図9、図10に示した後方ビンディング部材とスノーボードブーツを示す部分断面線図であり、スノーボードブーツと後方ビンディング部材が第1ロック位置にある状態を示している。
【図12】図9〜図11に示した後方ビンディング部材とスノーボードブーツを示す部分断面線図であり、スノーボードブーツと後方ビンディング部材が第2ロック位置にある状態を示している。
【図13】図1、図2、図5〜図8に示したスノーボードビンディング装置の部分組み立て分解斜視図である。
【図14】図1、図2、図5〜図8に示したスノーボードビンディング装置の部分組み立て分解斜視図であり、例証の目的から、後方ビンディング部材を取り外した状態を示す。
【図15】図1、図2、図5〜図8に示したスノーボードビンディング装置の後方ビンディング部材の1つを示す拡大組み立て分解斜視図である。
【図16】図1〜図15に示したスノーボードビンディングシステムを、図2の切断線16−16に沿って切った縦断面図である。
【図17】図1、図2、図5〜図16に示したスノーボードビンディング装置の一部分を示す平面線図である。
【図18】本発明の第2実施形態によるスノーボードビンディング装置の一部分を示す平面線図である。
【図19】本発明の第3実施形態によるスノーボードビンディング装置の平面線図である。
【図20】本発明の第4実施形態によるスノーボードビンディングシステムの一部分を示す部分断面線図である。
【図21】本発明の第5実施形態によるスノーボード及びスノーボードブーツに固定されたスノーボードビンディング装置を備えるスノーボードビンディングシステムの斜視図である。
【図22】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材を示す部分組み立て分解斜視図である。
【図23】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材の前方ビンディングプレートを示す平面図である。
【図24】図21に示したスノーボードビンディング装置用の、図23に示した前方ビンディングプレートの側面図である。
【図25】図21に示したスノーボードビンディング装置用の、図23、図24に示した前方ビンディングプレートを、図23の切断線25−25に沿って切った断面図である。
【図26】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材の前方爪部の平面図である。
【図27】図21に示したスノーボードビンディング装置用の、図26に示した前方爪部部の側面図である。
【図28】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材の前方停止部材を示す平面図である。
【図29】図21に示したスノーボードビンディング装置用の、図28に示した前方停止部材を、図28の切断線29−29に沿って切った断面図である。
【図30】図21に示したスノーボードビンディング装置用の前方ビンディング部材を、図21の切断線30−30に沿って切った断面図である。
【図31】図21に示したスノーボードブーツ用の前方係止部分を示す平面図である。
【図32】図21に示したスノーボードブーツ用の、図31に示した前方係止部分を示す側面図である。
【図33】図21に示したスノーボードブーツ用の、図31、図32に示した前方係止部分を示す正面図である。
【図34】図21に示したスノーボードブーツの前方係止部分を備えた靴底部分を示す部分底面斜視図である。
【図35】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分から前方係止部分を取り除いた状態を示す中央縦断面図である。
【図36】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分から前方係止部分を取り除いた状態の平面図である。
【図37】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分から前方係止部分を取り除いた状態を、図36の断面線37−37に沿って切った横断面図である。
【図38】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分を、図35の断面線38−38に沿って切った横断面図である。
【図39】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分の中間靴底を示す平面図である。
【図40】図39に示した靴底部分の中間靴底を、図39の切断線40−40に沿って切った中央縦断面図である。
【図41】図39、図40に示した靴底部分の中間靴底を示す部分側面図である。
【図42】図39〜図41に示した靴底部分の中間靴底を、図41の切断線42‐42に沿って切った横断面図である。
【図43】図39に示した靴底部分の中間部分を、図41の切断線43−43に沿って切った横断面図である。
【図44】図21に示したスノーボードブーツの靴底部分の外方靴底を示す平面図である。
【図45】図44に示した靴底部分の外方靴底を、図44の切断線45−45に沿って切った中央縦断面図である。
【図46】本発明の第6実施形態に従ってスノーボード及びスノーボードブーツに固定するべく設けられたスノーボードビンディング装置を備えたスノーボードビンディングシステムの平面斜視図であり、図中の矢印は、前方及び後方係止部分のステップイン動作を示す。
【図47】図46に示したスノーボードビンディングシステムの正面斜視図であり、図中の矢印は、前方及び後方係止部分のステップアウト動作と、前方ビンディング機構の回転とを示している。
【図48】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの底面斜視図であり、図中の矢印は、一対の後方案内部材に対する後方係止部分のステップアウト滑動動作を示す。
【図49】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの前方ビンディング機構の拡大部分組み立て分解正面斜視図である。
【図50】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードブーツの)前方係止部分の拡大正面図である。
【図51】図50に示した前方係止部分の前方立面図である。
【図52】図50、図51に示した前方係止部分の側面図である。
【図53】図50〜図52に示した前方係止部分の底面図である。
【図54】図50〜図53に示した前方係止部分を、図50の断面線54−54に沿って切った断面図である。
【図55】図50〜図54に示した前方係止部分を、図50の断面線55−55に沿って切った断面図である。
【図56】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードブーツの)中間靴底の正面図である。
【図57】図56に示した中間靴底の底面図である。
【図58】図56、図57に示した中間靴底を、図56の切断線58−58に沿って切った断面図である。
【図59】図56〜図58に示した中間靴底を、図56の断面線59−59に沿って切った断面図である。
【図60】図56〜図59に示した中間靴底を、図56の切断線60−60に沿って切った断面図である。
【図61】図56〜図60に示した中間靴底を、図56の切断線61−61に沿って切った断面図である。
【図62】図56〜図61に示した中間靴底を、図56の切断線62‐62に沿って切った断面図であり、例示の目的でこれに外方靴底を結合させた状態を示す。
【図63】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の)ベース部材の正面図である。
【図64】図63に示したベース部材の背面図である。
【図65】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構の)前方結合プレートの平面図である。
【図66】図65に示した前方結合プレートの第1側面図である。
【図67】図65、図66に示した前方結合プレートを、図65の切断線67−67に沿って切った断面図である。
【図68】図65〜図67に示した前方結合プレートを、図65の切断線68−68に沿って切った断面図である。
【図69】図65〜図68に示した前方結合プレートを、図65の切断線69−69に沿って切った断面図である。
【図70】図65〜図69に示した前方結合プレートを、図65の切断線70−70に沿って切った断面図である。
【図71】図65〜図70に示した前方結合プレートを、図65の切断線71−71に沿って切った断面図である。
【図72】図65〜図71に示した前方結合プレートの第2(反対)側面図である。
【図73】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構の)前方爪部を示す正面図である。
【図74】図73に示した前方爪部の側面図である。
【図75】図73、図74に示した前方爪部の正面図である。
【図76】図73〜図75に示した前方爪部を、図73の切断線76−76に沿って切った断面図である。
【図77】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構の)前方停止プレートの正面図である。
【図78】図77に示した前方停止プレートを、図77の切断線78−78に沿って切った断面図である。
【図79】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構及びインデックス機構の)解放レバーを示す外部立面図である。
【図80】図79に示した解放レバーの正面図であり、例証の目的で各部分を断面図にて示している。
【図81】図79、図80に示した解放レバーの内部立面図である。
【図82】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(スノーボードビンディング装置の前方ビンディング機構の)インデックス機構を示す拡大部分組み立て分解図である。
【図83】図82に示したインデックス機構の拡大部分断面図であり、インデックス機構が組み立てられ、爪歯が「合致」(つまり、回転不可能で、軸方向に転移されない)配置にある状態を示す。
【図84】図82に示したインデックス機構の拡大部分断面図であり、インデックス機構が組み立てられ、爪歯が「非合致」(つまり、回転され、軸方向に転移された)配置にある状態を示す。
【図85】図46、図47、図49、図82〜図84に示したスノーボードビンディング装置の(前方ビンディング機構及びインデックス機構の)シャフトの立面図を示す。
【図86】図46、図47、図49、図82〜図84に示したスノーボードビンディング装置の(前方ビンディング機構及びインデックス機構の)第1インデックス部分を示す平面図である。
【図87】図86に示した第1インデックス部分の内部立面図である。
【図88】図86、図87に示した第1インデックス部分の外部立面図である。
【図89】図86〜図88に示した第1インデックス部分を、図86の断面線89−89に沿って切った断面図である。
【図90】図46、図47、図49、図82〜図84に示したスノーボードビンディング装置の(前方ビンディング機構及びインデックス機構の)第2インデックス部分を示す内部立面図である。
【図91】図90に示した第2インデックス部分の正面図である。
【図92】図90、図91に示した第2インデックス部分の外部立面図である。
【図93】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの前方爪部及び前方係止部分の係合以前の拡大部分断面図である。
【図94】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの前方爪部及び前方係止部分の拡大部分断面図であり、前方爪部と前方係止部分が中間位置にある状態を示す。
【図95】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(中間靴底と結合した)前方爪部及び前方係止部分の拡大部分断面図であり、前方係止部分が、前方係止部分と係合したラッチ位置にある状態を示す。
【図96】図46、図47に示したスノーボードビンディングシステムの(中間靴底と結合した)前方爪部及び前方係止部分の拡大部分断面図であり、前方爪部が解放位置にあり、靴底が中間解放位置にある状態を示す。
【符号の説明】
610 スノーボードビンディングシステム
612 スノーボードビンディング装置
614 スノーボードブーツ
622 靴底部分
622a 中央靴底
622b 外方靴底
624 上方部分
624a 足部分
624b 脚部分
626 前方係止部分
627 足部分
627a 前方トウ部分
627b 前方係止部分受容溝
627c ヒール部分
628a,628b 第1、第2後方係止部分
629a,629b 第1、第2ストラップ取り付け部材
634a,634b 第1、第2取り付け部分
636 舌部分
637 後方ブーツストラップ
638 一対の脚部分
639 取り付けプレート
640 ベース部材
642 前方ビンディング部材
644a,644b 後方ビンディング部材
Claims (18)
- スノーボードブーツであって、
足部分、及び前記足部分から上方へ伸びた脚部分を含む上方部分と、
前記上方部分の前記足部分に結合して設けられ、トウ部分と、中間部分と、ヒール部分とを有し、前記トウ部分とヒール部分との間に前方から後方までの縦軸が伸びている靴底部分と、
前記靴底部分の前記ヒール部分に位置する少なくとも1つの後方係止部分と、
前記靴底部分の前記トウ部分に設けられた前方係止部分とを備え、
前記前方係止部分が、前記靴底部分のトウ部分から下方に伸びた一対の脚部分と、前記一対の脚部分間で側方へ伸びる舌部分とを有し、前記舌部分の前方から後方までの寸法が前記脚部分の前方から後方までの寸法よりも長い、
スノーボードブーツ。 - 前記前方係止部分の舌部分が、前記縦軸と実質的に平行な切断線に沿って切った矩形断面を有する、請求項1に記載のスノーボードブーツ。
- 前記前方係止部分がさらに、前記前方係止部分の脚部分間に伸びた取り付けプレートを備え、前記取り付けプレートが前記靴底部分の内面と接触している、請求項1に記載のスノーボードブーツ。
- 前記靴底部分が、中間靴底と、前記中間靴底及び前記上方部分の外方に向いた表面の上に少なくとも部分的に配置された外方靴底とを備えている、請求項3に記載のスノーボードブーツ。
- 前記少なくとも1つの後方係止部分が、前記靴底部分のヒール部分の第1、第2側面に配置された第1、第2後方係止部分を含む、請求項1又は4に記載のスノーボードブーツ。
- 前記中間靴底が、足部分と、前記足部分から第1、第2取り付け部分へと上方に伸びた一対のストラップ取り付け部材とを備え、
前記第1、第2取り付け部分が前記ストラップ取り付け部材の自由端に配置されており、
前記ストラップ取り付け部材が前記第1、第2後方係止部分上に形成されている、
請求項5に記載のスノーボードブーツ。 - 前記第1、第2取り付け部分が、その間で結合した調整可能ブーツストラップを備えている、請求項6に記載のスノーボードブーツ。
- 前記第1、第2後方係止部分が、前記中間靴底と一体型の単一部材として一体形成されている、請求項5に記載のスノーボードブーツ。
- 前記第1、第2後方係止部分が、前記靴底部分の縦方向に伸びた複数の第1、第2ノッチを含む、請求項8に記載のスノーボードブーツ。
- スノーボードビンディングシステムであって、
ベース部材と、前記ベース部材の後方部分に設けられた後方ビンディング機構と、前記ベース部材の前方部分に設けられた前方ビンディング機構とを有するスノーボードビンディング装置と、
前記スノーボードビンディング装置と解放可能に結合するように構成されたスノーボードブーツとを備え、
前記スノーボードブーツは、
足部分、及び前記足部分から上方へ伸びた脚部分を有する上方部分と、
前記上方部分の前記足部分に結合して設けられ、トウ部分と、中間部分と、ヒール部分とを含み、前記トウ部分とヒール部分との間に前方から後方までの縦軸が伸びている靴底部分と、
前記靴底部分の前記ヒール部分に位置し、前記後方ビンディング機構と選択的に係合するように配置された少なくとも1つの後方係止部分と、
前記靴底部分の前記トウ部分に設けられた前方係止部分とを備え、
前記前方係止部分が、前記靴底部分のトウ部分から下方に伸びた一対の脚部分と、前記一対の脚部分間で側方へ伸び前記前方ビンディング機構と選択的に係合する舌部分とを備え、
前記前方係止部分の舌部分の前方から後方までの寸法が、前記前方係止部分の脚部分の前方から後方までの寸法よりも長い、
スノーボードビンディングシステム。 - 前記前方係止部分の舌部分が、前記縦軸と平行な切断線に沿って切った矩形断面を有する、請求項10に記載のスノーボードビンディングシステム。
- 前記前方係止部分がさらに、前記前方係止部分の脚部分間に伸びた取り付けプレートを備え、前記取り付けプレートが前記靴底部分の内面と接触する、請求項10に記載のスノーボードビンディングシステム。
- 前記靴底部分は中間靴底と外方靴底とを有し、
前記外方靴底は前記中間靴底及び前記上方部分の外方に向いた表面の上に少なくとも部分的に配置されており、
前記取り付けプレートが前記中間靴底と接触している、
請求項12に記載のスノーボードビンディングシステム。 - 前記少なくとも1つの後方係止部分が、前記靴底部分のヒール部分の第1、第2側面に配置された第1、第2後方係止部分を備えている、請求項10又は13に記載のスノーボードビンディングシステム。
- 前記中間靴底は足部分と一対のストラップ取り付け部材とを備え、
前記ストラップ取り付け部材は、前記足部分から前記ストラップ取り付け部材の自由端に配置された第1、第2取り付け部分へと上方に伸びており、
前記第1、第2後方係止部分が前記ストラップ取り付け部材上に形成されている、
請求項14に記載のスノーボードビンディングシステム。 - 前記第1、第2取り付け部分の間に、調整可能なブーツストラップが結合して設けられている、請求項15に記載のスノーボードビンディングシステム。
- 前記第1、第2後方係止部分が、前記中間靴底と一体型の単体部材として一体形成されている、請求項14に記載のスノーボードビンディングシステム。
- 前記第1、第2後方係止部分が、前記靴底部分の縦方向に伸びた複数の第1、第2ノッチを備える、請求項17に記載のスノーボードビンディングシステム。
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