JP3744385B2 - Pipe fitting - Google Patents

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JP3744385B2 JP2001175859A JP2001175859A JP3744385B2 JP 3744385 B2 JP3744385 B2 JP 3744385B2 JP 2001175859 A JP2001175859 A JP 2001175859A JP 2001175859 A JP2001175859 A JP 2001175859A JP 3744385 B2 JP3744385 B2 JP 3744385B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然ガスや原油の探査、生産に使用される油井管用の管継手に係り、特にねじ部に関しての焼き付きを低減し、締め付け作業性が良好で、その後に発生することがあるねじの損傷レベルを低減する管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
天然ガスや原油の探査、生産に使用される油井管を接続する技術として、ねじ継手が広く採用されている。このねじ継手には、管の一端にピン部を、他端にボックス部を形成して管同士を直接結合するインテグラル方式と、両端にボックス部を形成した短管を介して、端部にピン部を形成した二つの管を接続するカップリング方式とがある。以下、カップリング方式の継手を例にとって説明するが、インテグラル方式の継手についても同様である。
【0003】
多くのガス田、油田の現場では、継手の締め付け作業は、図7に示すようにして行われる。
すなわち、予め工場において端部に短管1が締め付け装着された油井管2を、その短管1を上方に向けて支持し、この短管1に、接続しようとする別の油井管2のピン部2bを締め付ける。その場合に、接続しようとする油井管2のピン部2bを短管1のボックス部1a内に挿入する際に、予め短管1の周囲に設けた嵌め込み時の損傷予防治具である、例えばプラスチック製スタビングガイド(図示せず)を介して油井管2を短管1内に鉛直に落とし込んでいる。
【0004】
落とし込みが完了した後、スタビングガイドを取り外し、接続しようとする油井管2をストラップレンチ又はオペレータの人力によって2〜3ターン回転させることで、接続しようとする油井管2のピン部2bと短管1のボックス部1aのねじが噛み合った状態にし、その後、パワートング、つまり、トルク付加装置(図示せず)にて所定のトルクを付与して締め込みを実施する。
【0005】
ところで、オペレータの実施していたハンドタイトは、まさしく人間の力程度の小さなトルク(19.6〜576N・m程度)で回転するものである。しかし、ピン部とボックス部のねじの噛み合いが不完全な場合は、576N・m程度のトルクでは廻らず、回転させるためにはそれ以上のトルクを要する。これは、ピン部とボックス部のねじの噛み合い状態の不備を意味するので、このような場合、オペレータは接続しようとする油井管を少し吊り上げたり、逆方向に少し廻したりして芯出しをやり直すといった微調整を行っていた。なお、微調整が完了した後は、576N・m以下の僅かなトルクにてねじが噛み合いながら回転可能となるので、接続しようとする油井管を2〜3ターン締め付け方向に回転させる。
【0006】
しかしながら、最近、オフショア(海上油田)などでは、スタビングガイドを用いた油井管の落とし込みの後、オペレータの介在したハンドタイトによる2〜3ターンの油井管の回転を必要としない締め付けが要望されてきている。つまり、図8に示すように、自動式のパワートング3が接続しようとする油井管2を掴み、このまゝの状態で、これまでのハンドタイト及びパワータイトに相当する締め付けを連続して実施しようとするものである。
【0007】
このようなハンドフリーのパワートングは油圧による駆動装置(トルク発生装置)を備えており、例えば外径が178mm程度の油井管に対して33810N・mのトルクを簡単に付加することができる。
【0008】
しかし、これらのパワートングでは576N・mレベルの微小なトルクでトングの動きを制御することは難しく、これまでオペレータの実施してきた576N・mレベルのきめ細かなハンドタイト作業を行うことは困難であった。つまり、力に任せた締め付け作業になるため、落とし込み時にねじの噛み合いが不完全な場合にはねじの損傷につながる場合が発生する。
【0009】
ここに、従来技術において、例えば特開平11−223284号公報では、接続しようとする油井管のピン部を短管のボックス部に落とし込んだ後に、できるだけ速く、また、少ないターン数にてねじ込むことができる管継手が提案されているが、この管継手では、油井管のピン部がスタビングガイド等によって鉛直方向に確実に短管のボックス部に落とし込まれていることが前提である。
【0010】
また、上記公報では、油井管のピン部におけるねじのスタビング逃げ角βを3°傾斜させている。しかし、本来このスタビング逃げ角βは、油井管用API規格のねじにおけるバットレスねじ(16インチ(406.4mm)以上)のねじ形状の場合、ねじの噛み合いを改善するため、昔から鉛直に平行、すなわち、スタビング逃げ角β=0°として規定されており、この考え方によれば理論的には油井管のピン部と短管のボックス部におけるねじの噛み合いは保証される。したがって、スタビング逃げ角βに敢えて角度を付けるならば、ねじ高さが小さくなって軸力を受け持つ部分の減少につながる。
【0011】
さらに、上記公報では、落とし込み時におけるねじの噛み合い性を改善するため、油井管のピン部と短管のボックス部のねじに対して最も噛み合い易い位置をマーキングすることが提案されており、オペレータがそのマークを合わせて締め付けることは不可能ではないものの、夜などの暗いところでは、マークの確認がしづらいので、必ずしも適切な技術的手段とはいえない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最新の技術の導入により、油井管を井戸に降下させてゆく場合、地下の諸データ(温度、圧力、深さなど)を調査する必要があり、そのためにワイヤライン(センサーの接続線)を取り付けることがある。その場合、図9(a)に示したように、鉛直方向に井戸掘りを実施する従来方法では、油井管2が中心近傍で揺れるとワイヤライン4を切断する危険性が大きくなる。
【0013】
そこで、このワイヤライン4を破壊することなく地中に降下させるため、図9(b)に示したように、鉛直に対して1〜 1.5°傾けて井戸掘りを実施する技術が発達しつつある。
【0014】
しかしながら、このような技術を採用する場合、周辺装置も傾斜させた状態でハンドタイトを行ない、次いでパワータイトを実施することが要求される。全ての装置が鉛直に対して1〜 1.5°傾斜した状態に保持されていればハンドタイトもパワータイトも何ら問題はないが、パワートングは水平に設置される可能性が高いので、ハンドタイト、パワータイト時にあたかも曲げを負荷しながらの締め付け作業となり得ることから、管継手に対しては厳しい締め付け条件が発生することになる。
【0015】
しかしながら、従来、このような問題についての改善の提案はない。
本発明の課題は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、例えば1〜2°傾けて井戸掘りを実施する場合のように、ボックス部に接続しようとするピン部が確実に落とし込まれていなかったり、落とし込みが不十分な場合であっても、ねじ部に関しての焼き付きを低減し、締め付け作業性を良好ならしめて、その後に発生することがあるねじの損傷のレベルを低減する管継手を提供することである。
【0016】
さらに本発明の課題は、ボックス部に接続しようとするピン部が確実に落とし込まれていなかったり、落とし込みが不十分な場合であってもパワートングを用いてハンドタイトおよびパワータイトに相当する締め付けを連続して行なってもねじの損傷のレベルを低減する管継手を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
従来にあっては、ボックス部に接続しようとするピン部が確実に落とし込まれていなかったり、落とし込みが不十分な場合に、この落とし込み後にオペレータによる微小な噛み合わせ作業を行っていた。しかしながら、そのようなオペレータによるハンドタイトが行われないという前提では、ねじ部の焼き付きを低減して締め付け作業性を良好とするには、継手そのものの形状を工夫することで、ハンドタイトによる微小な噛み合わせ作業を不要とすることが必要になる。
【0018】
ところで、ピン部をボックス部に対して鉛直方向に落とし込んだ場合には、ピン部のテーパ雄ねじとボックス部のテーパ雌ねじの噛み合いの組合わせは、例えば図10(a)〜(c)に示したような状態に大別される。このうち図10(c)の場合には、ピン部2bのテーパ雄ねじとボックス部1aのテーパ雌ねじは完全に噛み合っていることになるので、ハンドタイトを確実とするためには更に1〜2ターン回転させることが必要ではあるものの、両者を噛み合わせるための回転は不要である。
【0019】
一方、図10(a)および(b)の場合には、それらの噛み合わせ状態から図10(c)の状態に噛み合わせるためには、1ターン又は0.5ターンの回転が必要になる。
【0020】
図10(c)の噛み合わせ状態に落とし込むことは通常は、容易ではないので、図10(a)〜(c)に示したどのような噛み合わせ状態であっても、ハンドタイトレベル(約576N・m程度)の僅かな回転力にて、少ない抵抗でピン部が回転可能になるようにすることが必要となる。
【0021】
ここに、本発明は、ねじ形状が落とし込み時の締め込み易さ及びねじの損傷程度にどのような影響を及ぼすかについて各種検証を行った結果に基づいてなされたものである。すなわち、本発明によれば、管の端部外周面にテーパ雄ねじを形成したピン部と、管又は短管の端部内周面に前記テーパ雄ねじに螺合するテーパ雌ねじを形成したボックス部とのねじ込みによる管継手において、スタブ側のクリアランスCを0.5〜1.0mmとし、スタブ側のねじ山角度θを15〜60°とし、螺合するテーパ雄ねじ及びテーパ雌ねじのねじ山頂面とねじ谷底面が軸心と平行となるようにし、雄ねじスタブ側コーナの丸みを有する部分(以下、「雄ねじスタブ側コーナ部」とも称する)の曲率半径Rを1.0〜1.25mmとし、そして好ましくはピン部における不完全ねじ部のテーパを完全ねじ部の基準テーパの0.96〜0.90倍とする。
【0022】
かくして、本発明によれば、ボックス部にピン部が確実に落とし込まれていなかったり、落とし込みが不十分な場合であっても、ハンドタイトによる回転を行なってからパワートングによる締付けを行っても、あるいはそのまゝハンドフリーのパワートングによる回転を与えてねじの締付けを行なってもよく、いずれの場合も、ねじ部に関しての焼き付きを低減し、締め付け作業性を良好ならしめて、その後に発生することがあるねじの損傷のレベルを低減することができる。
【0023】
本発明によれば芯出しを行なう微調整およびそれに続く1〜0.5ターンの回転により行なう噛み合わせ調整は不用である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる管継手について図面を参照しつつ説明する。
スタブ側のクリアランスCについて
図1において、ピン部2bとボックス部1aにおけるスタブ側のクリアランスは図示の符号「C」にて規定できる。すなわち、本発明においてクリアランスCは、ねじ締め付け完了時点における両スタブ側面の間の軸方向距離と定義される。
【0025】
このクリアランスCがゼロ (0) の場合は、丁寧に落とし込みを行ってハンドタイトすれば、ねじの締め込みは可能であるものの、本発明で対象としている傾斜した油井管のねじ継手では、ねじ同士の接触面積が多く、疵が発生し易い。
【0026】
一方、クリアランスCを大きくすればするほど、ねじ同士のガタが大きくなり、落とし込み時の自由度は大きくなる。但し、本発明者らの実験によれば、クリアランスCが1.0 mmを超えると、元来、軸力を受けるねじのねじ幅bが小さくなって所要の引張負荷に耐えられなくなり、ねじそのものが変形することになる。
【0027】
これに対して、クリアランスCが非常に小さい場合には、ねじの締め付け時の弾性変形により、ピン部のスタブ側面とボックス部のスタブ側面とが接触し、焼き付きをおこすことがある。しかし、本発明者らは、クリアランスCがそのような値よりも大きな場合であっても、ピン部をボックス部に傾斜させて落とし込むことも含めた落とし込み性能の面からは制約があることを見い出した。
【0028】
本発明者らの落とし込み試験結果によれば、クリアランスCが小さくなると、落とし込み性能は悪化し、クリアランスCがねじ加工時の公差も考慮して0.5mm 未満となると、落とし込み性能は悪化し、焼き付きが発生する場合がある。そこで、クリアランスCの下限を0.5mm とした。
【0029】
したがって、スタブ側のクリアランスCは、ねじ加工時の公差も考慮して0.5 〜1.0mm とした。
【0030】
スタブ側のねじ山角度θについて:
ピン部2bとボックス部1aにおけるスタブ側のねじ山角度θは図1のθにて規定できる。この角度θが大きくなるほど、ピン部2bとボックス部1aにおけるねじスタブ面での擦り合わせにより芯出し効果が期待でき、落とし込み後にねじ同士が芯を出す方向で締め込まれるので、ねじの損傷程度が少なくなる。但し、この角度が60°を超えると、ピン部2bのねじ山がなくなるほどねじ幅bが小さくなってしまう。つまり、実際のネジ形状として、ネジ山の平行部が規定できなく、BTCタイプのネジ形状とは、認められなくなる。
【0031】
一方、スタブ側のねじ山角度θは小さいほど軸方向に対する耐力が大きくなるものの、斜めにスタビングした場合は、15°未満ではスタブ接触部にスジ疵や焼き付きが発生する。
【0032】
そこで、本発明ではスタブ側のねじ山角度θを15〜60°の範囲とした。
序いでながら、通常のBTCの場合はこのねじ山角度は10度である。
【0033】
テーパ雄ねじ及びテーパ雌ねじのねじ山頂面とねじ谷底面が軸心となす角度について:
油井管の外径が大きくなるのに従って重量も増加し、各々のねじに付与される荷重も増加して、ハンドタイトに要するトルクも増加するので、総合的には落とし込みやハンドタイトがより困難となる傾向にある。従って、その対策として、API規格による油井管用のバットレスねじでは、外径が16インチ(406.4mm) 以上の場合にはねじ山を軸芯に平行と規定することで、落とし込み後のピン部とボックス部のねじ山の接触面を軸芯に平行となし、ハンドタイト時の矯正効果を狙っている。
【0034】
一方、外径が13・3/8インチ(339.7mm) 以下の油井管の場合、API規格では長年16インチ(406.4mm) 以上の場合の考え方を規格に反映していないので、そのねじ山はテーパ(1/16)に平行と規定されている。
【0035】
しかしながら、ボックス部に接続しようとするピン部が確実に落とし込まれていなかったり、落とし込みが不十分な場合に、この落とし込み後にオペレータによる微小な噛み合わせ作業を許されない前提において、ねじ部に関しての焼き付きを低減して締め付け作業性を良好ならしめるためには、13・3/8インチ(339.7mm) 以下の油井管であっても16インチ(406.4mm) 以上の場合と同様の考え方を採用することが望ましい。
【0036】
そこで、本発明では、外径の大小を問わず、テーパ雄ねじ及びテーパ雌ねじのねじ山頂面とねじ谷底面を、図1に示したように、軸芯、つまり軸中心5と基準値にて平行になるように規定した。当然ながら、公差が規定されるわけで、本発明では、テーパとしては0±0.2%と規定する。
【0037】
雄ねじスタブ側コーナ部の曲率半径Rについて
API規格による油井管用のバットレスねじでは、ボックス部1aにおけるスタブ受部のコーナ部1aaの半径は0.2mmと規定されている。ピン部2bのボックス部1aへの落とし込みが傾斜して行われた場合には、ボックス部1aにおけるスタブ受部のコーナ部1aaと、ピン部2bにおけるスタブ側のコーナ部2baが最初に接触する。この接触時、本発明者らの実験によればピン部2bにおけるスタブ側のコーナ部2baの曲率半径R(以下「半径R」ともいう)が1.0mm未満の場合には、局部応力が大きくなり、スジ疵や焼き付きの原因となった。
【0038】
一方、ピン部2bにおけるスタブ側のコーナ部2baの半径Rを大きくすれば、ボックス部1aにおけるスタブ受部とのクリアランスCaを大きくすることができる。そして、このクリアランスCaが大きいほど、ピン部2bとボックス部1aの落とし込み時における自由度は高くなる。しかしながら、ピン部2bにおけるスタブ側のコーナ部2baの半径Rが1.25mmを超えると、ピン部2bにおけるスタブ面の平行部がなくなって、ねじと認められなくなる。そこで、本発明では、ピン部2bにおける雄ねじスタブ側コーナ部2baの半径Rを1.0〜1.25mmとした。
【0039】
API規格のBTCのネジは、ピンのコーナ部半径Rは0.76mmであるが,本発明者らのテストによれば斜めのスタビング時に、コーナ部に疵が発生した。よって公差を0.25mm持たせることを踏まえ、1.0mmとした。
【0040】
なお、ボックス部におけるスタブ受部のコーナ部の半径を大きくすることは、スタブ面積が減少してスタブ面の焼き付きの原因になること、及び、ねじの噛み合いのためのハンドタイトの安定性を低下させることから望ましくない。
【0041】
次に、本発明におけるより好ましい態様について説明する。
ピン部における不完全ねじ部のテーパについて:
図2は、ピン部に形成したねじ部の説明図である。
【0042】
図3(a)〜(c)は、ピン部の不完全ねじ部とボックス部の完全ねじ部のテーパの違いによってピン部の不完全ねじ部に発生する干渉面圧についての相違を説明する図である。
【0043】
図2に示すように、ピン部2bにおける不完全ねじ部2bbは、継手の締め付け時はボックス部の完全ねじ部と干渉して締め付けられることになる。
この際、図3(a) に示すように、ピン部2bにおける不完全ねじ部2bbとボックス部1aにおける完全ねじ部のテーパが同一であれば、ピン部2bのねじ底とボックス部1aのねじ山に設計通りの干渉が発生して、締め付け時、不完全ねじ部2bbにおけるピン部2bのねじ底とボックス部1aのねじ山の干渉により発生する面圧b0 は、完全ねじ部におけるピン部2bのねじ底とボックス部1aのねじ山の干渉により発生する面圧aと等しくなる。
【0044】
また、図3(b)に示すように、ピン部2bにおける不完全ねじ部2bbのテーパがボックス部1aにおける完全ねじ部のテーパより大きい場合には、ピン部2bのねじ底とボックス部1aのねじ山が設計値以上に高い干渉を発生させ、締め付け時、不完全ねじ部2bbにおけるピン部2bのねじ底とボックス部1aのねじ山の干渉により発生する面圧b1 が完全ねじ部における面圧aよりも大きくなって、不完全ねじ部2bbにおいてピン部2bのねじ底とボックス部1aのねじ山間で焼き付きを発生させる。
【0045】
これに対して、図3(c)に示すようにピン部2bにおける不完全ねじ部2bbのテーパがボックス部1aにおける完全ねじ部のテーパより小さい場合には、ピン部2bのねじ底とボックス部1aのねじ山が設計値より低い干渉となり、締め付け時、不完全ねじ部2bbにおけるピン部2bのねじ底とボックス部1aのねじ山の干渉により発生する面圧b2 が完全ねじ部における面圧aよりも小さくなって、締め付け時においても不完全ねじ部2bbにおいてピン部2bのねじ底とボックス部1aのねじ山間で焼き付きを発生させることはない。
【0046】
一方、1〜2°傾けて井戸掘りを実施する場合には、常に曲げが負荷された状態となることから、ピン部における不完全ねじ部のテーパとボックス部における完全ねじ部のテーパとの関係が上記したどのようなものであっても、ピン部の不完全ねじ部では、曲げの内側部 (圧縮状態) に相当する片面は、上記したねじ干渉面圧が高い反面、曲げの外側部 (引張状態) に相当する180°反対側の面は、ねじ干渉面圧が低く負荷されることになる。
【0047】
鉛直に井戸掘りを実施する場合の締め付け時におけるねじ部での干渉面圧を表したのが図4であり、1〜2°傾けて井戸掘りを実施する場合の締め付け時におけるねじ部での干渉面圧を表したのが図5である。
【0048】
この図4及び図5中の〇印はピン部における不完全ねじ部のテーパとボックス部における完全ねじ部のテーパとが同じである場合の不完全ねじ部における干渉面圧、△印はピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパより大きい場合における不完全ねじ部の干渉面圧、□印はピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパより小さい場合における不完全ねじ部の干渉面圧であり、それぞれ図3(a) 、図3(b) 、図3(c) に相当する。
【0049】
図4の結果から以下のことが明らかである。
ピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパより大きい場合 (△印) には、不完全ねじ部の干渉面圧が高いのに対して、ピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパよりも小さい場合 (□印) は、不完全ねじ部の干渉面圧は低くなる。
【0050】
また、ピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパと等しい場合 (○印) は、不完全ねじ部の干渉面圧は前記の両場合の中間に位置する。
【0051】
図5(a) および(b) 中のそれぞれ○印、△印および、□印により表される合計9本のグラフのうちで、同種の印にて表される各3本のグラフなかの上方に位置するものは、管継手の曲げの内側部に相当する面における干渉面圧を表し、中間に位置するグラフは、曲げの中立部に相当する面における干渉面圧を表し、そして、下方に位置するグラフは、曲げの外側部に相当する面における干渉面圧を表す。
【0052】
同図(a) 中の△印にて示されるグラフのとおり、ピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパよりも大きい場合に、傾斜した状態で管継手を締め付けると、管継手の軸に対する左右の面 (曲げの外側部の面および曲げの内側部の面) におけるねじ干渉部の面圧には大きな差異が生じ、しかも干渉面圧の絶対値も高くなる。
【0053】
これに対して、□印にて示されるグラフのとおり、ピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパよりも小さい場合には、傾斜した状態で管継手を締め付けても、管継手の軸に対する左右の面におけるねじ干渉部の面圧の差異は小さく、また、面圧の絶対値も低くなる。
【0054】
また、同図(b) 中の○印にて示されるグラフのとおり、ピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパと等しい場合には、不完全ねじ部の干渉面圧は前記の両場合の中間の値となる。
【0055】
すなわちテーパ雄ねじの不完全ねじ部のテーパを調整することにより、斜めに締付けてもねじの面圧分布を、通常の垂直に締付ける場合と同等にさせることが可能となる。
【0056】
以上の観点から、本発明では、テーパ雄ねじにおける不完全ねじ部のテーパを完全ねじ部の基準テーパよりも小さくすることが好ましい。本発明者らの実験によれば、1〜2°傾けて井戸掘りを実施する場合において、不完全ねじ部のテーパを完全ねじ部の基準テーパの0.96〜0.90倍とした場合には、不完全ねじ部において焼き付きやスジ疵が発生しなかった。そこで、本発明では、ピン部における不完全ねじ部のテーパを完全ねじ部の基準テーパの0.96〜0.90倍を好ましい範囲とした。
【0057】
API規格のBTCのねじは、ピン部のねじテーパは基準値が6.25%で、公差が+0.35%−0.25%(「6.25%+0.35%−0.25%」と記す)であり、またボックス部のねじテーパは6.25%±0.25%である。よってピンのねじテーパがボックス部の最小のねじテーパを下回るためには、ピン部は6.0%以下であることが好ましい。つまり、6.0/6.25を計算して、0.96倍以下とのテーパ比を算出した。また、ねじのかみ合いを確実にするためピン部のねじテーパを大幅に低減することは出来ず、発明者の引っ張り破断試験の結果から、ボックス部の最大ねじテーパ:6.5%に対して組み合わせられるピン部のねじテーパは5.8%以上であることが好ましいことがわかった。つまり0.9倍以上の比率とすることが好ましい。
【0058】
0.9倍未満では引張り破断強度の劣化が見られる。
上記の関係を満足させるためにはボックス部のねじテーパに関しては、製造公差の制約が必要であり通常0.3%である。
【0059】
よって、ボックス部は6.0%〜6.30%とすることが好ましい。
実施例
以下、本発明の管継手の効果を確認するために行った実験結果について説明する。
【0060】
本発明者らは、外径が177.8mmで肉厚が11.51mmの油井管を用いて、ねじの形状の影響が落とし込み後の締め付けやすさ及びねじの損傷にどのように影響するのかを検証した。
【0061】
使用したねじ形状を表1に、実験結果を表2に示した。表1の各記号は図1に示すそれに同じである。ただし「R」は雄ねじスタブ側コーナ部2baの曲率半径である。
【0062】
落とし込み性能の評価として、図6(a)に示したように、油井管2を鉛直に嵌め込んだ場合と、図6(b)に示したように、強制的に油井管2を0.4°、0.8°、1.2°、1.6°、及び、2.5°傾けて芯出しができていない状態で落とし込みを実施した場合における、その際のハンドタイトのしやすさとねじの損傷レベルを、各種寸法の油井管用API規格ねじにおけるバットレスねじ(ピッチ5山/インチ)のねじ形状のものについて各々実験した。
【0063】
【表1】

Figure 0003744385
【0064】
【表2】
Figure 0003744385
【0065】
初めに、上記表1のNo.1〜No.3について確認した。
表2の結果より、確実な芯出しを実施できれば従来のねじ形状でも何ら問題はないものの、0.4°から0.8°へと少しずつ傾斜してゆくと雄ねじと雌ねじの非定常な接触(部分的に曲げが負荷された状態)によりねじ表面は損傷してゆくことが判明した。そして、傾斜角度が1.2°を超えると落とし込みが不可能であった。
【0066】
なお、「○」印はハンドタイトが可能で、ねじ部の損傷がないもの、「△」印はハンドタイトは可能であるものの、部分的に手入れが可能なねじクレスト損傷があるもの、「×」印はハンドタイトは可能であるものの、手入れが不可能な多数のねじ損傷があるもの、「−」印は落とし込みが不可能なものを示す。
【0067】
次に、スタブ側の角度θの影響をNo.4〜6 、12および23について調査し、また、スタブ側のクリアランスCの影響をNo.7〜9 、15および21について調査した。また、テーパ雄ねじ及びテーパ雌ねじのねじ山頂面とねじ谷底面が軸心となす角度の影響をNo.8、10、20および24について調査し、雄ねじスタブ側コーナ部の半径Rの影響をNo.10 、11、12、13、17および22について調査し、ピン部における不完全ねじ部のテーパの影響をNo.12 〜20および25について調査した。
【0068】
表2の結果より、以下に列挙したことが判明した。
▲1▼スタブ側の角度θは大きいほうが良好な結果が得られており、適正な範囲は15度〜60度である。
【0069】
▲2▼スタブ側のクリアランスCは大きいほうが良好な結果が得られており,適正な範囲は0.5〜1.0mmである。
▲3▼テーパ雄ねじ及びテーパ雌ねじのねじ山頂面とねじ谷底面は軸心と平行なほうが良好である。
【0070】
なお, 平行とは軸心に対して、テーパで表せば、0 ±0.2%の範囲を言う。 (No.8、10、20、24の比較)
▲4▼雄ねじスタブ側コーナ部の半径Rは大きいほうが良好な結果が得られ、適正な範囲は1.0〜1.25mmである。
【0071】
▲5▼ピン部における不完全ねじ部のテーパは完全ねじ部のテーパより小さいほうが良好な結果が得られており、好ましい範囲は0.90〜0.96倍である。 (No.12 、13、16、18〜20、25の比較)
表2の結果より、本発明の範囲を全て充足するNo.14 、16〜20、25では、1.5°以上傾けて井戸掘りを実施する場合においても、十分な締め込み性能及びねじの損傷防止が図れることが確認できた。
【0072】
さらに、ピン部の不完全ねじ部のテーパが好ましい範囲を満たすNo.17 〜20については、一層優れた締め込み性能および損傷防止が図られた。
本明細書ではカップリング方式の管継手について説明したが、本発明の管継手はインテグラル方式の管継手にも適用が可能であることは言うまでもない。また、本発明の管継手はメタルシール部を有するものにも適用可能であることも言うまでもない。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の管継手によれば、ボックス部にピン部が確実に落とし込まれていなかったり、落とし込みが不十分な場合であっても、ねじ部に関しての焼き付きを低減し、締め付け作業性を良好ならしめて、その後に発生しえるねじの損傷レベルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管継手のねじ形状の説明図である。
【図2】ピン部に形成したねじ部の説明図である。
【図3】図3(a)〜(c)は、ピン部の不完全ねじ部とボックス部の完全ねじ部のテーパの違いによってピン部の不完全ねじ部に発生する干渉面圧についての相違を説明する模式図である。
【図4】曲げ負荷がない場合の締め付け時におけるピン部の不完全ねじ部に発生する干渉面圧を示したグラフである。
【図5】曲げ負荷が作用した場合の締め付け時におけるピン部の不完全ねじ部に発生する干渉面圧を示したグラフで、図5(a) は、ピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパよりも大きい場合および小さい場合、図5(b) は、ピン部における不完全ねじ部のテーパがボックス部における完全ねじ部のテーパと等しい場合である。
【図6】落とし込みテストの方法の説明図で、図6(a) は鉛直に落とし込む場合、図6(b)は傾斜させて落とし込む場合である。
【図7】カップリング方式の管継手の締め付け作業の説明図である。
【図8】パワートングを使用した場合の締め付け作業の説明図である。
【図9】ワイヤラインを取り付ける場合の説明図で、図9(a) は鉛直タイプ、図9(b)は傾斜タイプである。
【図10】図10(a)〜(c)は、落とし込み時におけるねじの噛み合い状態をそれぞれ説明した模式図である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pipe joint for oil well pipes used for exploration and production of natural gas and crude oil. Particularly, the seizure of a threaded portion is reduced, and tightening workability is good. The present invention relates to a pipe joint that reduces a damage level.
[0002]
[Prior art]
As a technology for connecting oil well pipes used for exploration and production of natural gas and crude oil, threaded joints are widely adopted. In this threaded joint, a pin part is formed at one end of the pipe and a box part is formed at the other end to directly connect the pipes, and a short pipe with box parts at both ends is connected to the end part. There is a coupling method in which two pipes having pin portions are connected. Hereinafter, a coupling type joint will be described as an example, but the same applies to an integral type joint.
[0003]
In many gas field and oil field sites, the joint tightening operation is performed as shown in FIG.
That is, an oil well pipe 2 having a short pipe 1 clamped and attached to the end in advance in a factory is supported with the short pipe 1 facing upward, and the pin of another oil well pipe 2 to be connected to the short pipe 1 Tighten part 2b. In that case, when inserting the pin part 2b of the oil well pipe 2 to be connected into the box part 1a of the short pipe 1, it is a damage prevention jig at the time of fitting provided in advance around the short pipe 1, The oil well pipe 2 is dropped vertically into the short pipe 1 through a plastic stub guide (not shown).
[0004]
After the dropping is completed, the stubbing guide is removed, and the oil well pipe 2 to be connected is rotated by two or three turns by a strap wrench or the operator's manual force, so that the pin portion 2b of the oil well pipe 2 to be connected and the short pipe The screws of the one box portion 1a are in mesh with each other, and then tightening is performed by applying a predetermined torque with a power tong, that is, a torque applying device (not shown).
[0005]
By the way, the hand tight performed by the operator rotates with a small torque (about 19.6 to 576 N · m) that is almost equal to human power. However, when the engagement of the screw of the pin portion and the box portion is incomplete, it does not rotate with a torque of about 576 N · m, and more torque is required for rotation. This means that the screw of the pin part and the box part is not properly meshed. In such a case, the operator lifts the oil well pipe to be connected a little or turns it a little in the opposite direction and redoes the centering. The fine adjustment was performed. After the fine adjustment is completed, the screw can be rotated while meshing with a slight torque of 576 N · m or less, so the oil well pipe to be connected is rotated in the tightening direction for 2 to 3 turns.
[0006]
Recently, however, in offshore (offshore oil fields) and the like, tightening that does not require rotation of the oil well pipe by 2-3 turns by the operator's intervening hand after dropping the oil well pipe using the stubbing guide has been demanded. ing. That is, as shown in FIG. 8, the automatic power tong 3 grasps the oil well pipe 2 to be connected, and in this state, the tightening corresponding to the hand tight and the power tight is performed continuously. It is something to try.
[0007]
Such a hand-free power tong includes a hydraulic drive device (torque generator). For example, a torque of 33810 N · m can be easily applied to an oil well pipe having an outer diameter of about 178 mm.
[0008]
However, with these power tongs, it is difficult to control the movement of the tongs with a minute torque of 576 N · m level, and it has been difficult to carry out fine hand tight work of the 576 N · m level that has been performed by the operator so far. It was. In other words, since the tightening operation depends on the force, if the screw engagement is incomplete at the time of dropping, the screw may be damaged.
[0009]
Here, in the prior art, for example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-223284, after dropping a pin portion of an oil well pipe to be connected into a box portion of a short pipe, it is possible to screw in as fast as possible and with a small number of turns. A pipe joint that can be used has been proposed. In this pipe joint, it is assumed that the pin part of the oil well pipe is surely dropped into the box part of the short pipe in the vertical direction by a stubbing guide or the like.
[0010]
In the above publication, the screw stub clearance angle β at the pin portion of the oil well pipe is inclined by 3 °. However, this stubbing clearance angle β is originally parallel to the vertical in order to improve the screw engagement in the case of a buttress screw (16 inches (406.4 mm) or more) in the API standard screw for oil well pipes, The stub clearance angle β is defined as 0 °. According to this concept, the screw engagement between the pin portion of the oil well pipe and the box portion of the short pipe is theoretically guaranteed. Therefore, if the stub clearance angle β is daringly set, the screw height is reduced, leading to a reduction in the portion responsible for the axial force.
[0011]
Further, in the above publication, in order to improve the meshing property of the screw at the time of dropping, it is proposed to mark the position that most easily meshes with the screw of the pin part of the oil well pipe and the box part of the short pipe, Although it is not impossible to tighten the marks together, it is not always an appropriate technical means because it is difficult to confirm the marks in dark places such as at night.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, when the oil well pipe is lowered to the well by introducing the latest technology, it is necessary to investigate various underground data (temperature, pressure, depth, etc.). For that purpose, wire line (sensor connection line) May be attached. In this case, as shown in FIG. 9 (a), in the conventional method in which the well is dug in the vertical direction, the risk of cutting the wire line 4 increases when the oil well pipe 2 swings near the center.
[0013]
Therefore, in order to lower the wire line 4 into the ground without destroying it, as shown in FIG. 9B, a technique for digging a well with an inclination of 1 to 1.5 ° with respect to the vertical is being developed. .
[0014]
However, when such a technique is adopted, it is required to perform hand tight with the peripheral device tilted, and then perform power tight. If all devices are held at an angle of 1 to 1.5 ° with respect to the vertical, there is no problem with either hand tight or power tight, but power tongs are likely to be installed horizontally, Tightening conditions are generated for pipe joints because it can be tightened with a bend while power is tight.
[0015]
However, there is no proposal for improvement on such a problem.
The object of the present invention has been made in view of the above-mentioned problems. For example, the pin portion to be connected to the box portion is surely dropped, as in the case where the well is dug at an angle of 1 to 2 °. Pipe fittings that reduce seizure on threads, improve tightening workability, and reduce the level of thread damage that may occur afterwards, even if they are not rare or insufficiently dropped Is to provide.
[0016]
Further, the problem of the present invention is that tightening equivalent to hand tight and power tight using power tongs even when the pin part to be connected to the box part is not securely dropped or the drop is insufficient It is to provide a pipe joint that reduces the level of thread damage even if it is continuously performed.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
Conventionally, when the pin portion to be connected to the box portion is not securely dropped or when the pin portion is insufficiently dropped, a minute meshing operation is performed by the operator after the dropping. However, on the premise that hand tight by such an operator is not performed, in order to reduce the seizure of the threaded portion and improve the tightening workability, the shape of the joint itself is devised, and the minuteness due to hand tight is reduced. It becomes necessary to make the meshing work unnecessary.
[0018]
By the way, when the pin portion is dropped in the vertical direction with respect to the box portion, the combination of the engagement of the taper male screw of the pin portion and the taper female screw of the box portion is shown, for example, in FIGS. It is roughly divided into such states. Of these, in the case of FIG. 10 (c), the taper male screw of the pin portion 2b and the taper female screw of the box portion 1a are completely meshed with each other. Although it is necessary to rotate, the rotation for meshing both is not necessary.
[0019]
On the other hand, in the case of FIGS. 10 (a) and 10 (b), one turn or 0.5 turn is required for meshing from the meshed state to the state of FIG. 10 (c).
[0020]
Since it is usually not easy to drop into the meshing state of FIG. 10 (c), the hand tight level (about 576 N) in any meshing state shown in FIGS. 10 (a) to (c). It is necessary to enable the pin portion to rotate with a small resistance with a slight rotational force (about m).
[0021]
Here, the present invention has been made based on the results of various verifications regarding the effect of the screw shape on the ease of tightening at the time of dropping and the degree of damage to the screw. That is, according to the present invention, a pin portion having a tapered male screw formed on the outer peripheral surface of the end portion of the tube, and a box portion having a tapered female screw threadedly engaged with the tapered male screw on the inner peripheral surface of the end portion of the tube or short tube. In threaded pipe joints, the clearance C on the stub side is set to 0.5 to 1.0 mm, the thread angle θ on the stub side is set to 15 to 60 degrees, and the thread top surface and the thread root of the taper male screw and taper female screw to be screwed The curvature radius R of the portion having the roundness of the male screw stub side corner (hereinafter also referred to as “male screw stub side corner portion”) is set to 1.0 to 1.25 mm, and the surface is parallel to the axis. The taper of the incomplete thread part in the pin part is set to 0.96 to 0.90 times the reference taper of the complete thread part.
[0022]
Thus, according to the present invention, even if the pin part is not securely dropped into the box part or the dropping is insufficient, even if tightening by power tong is performed after rotation by hand tight. Alternatively, the screw may be tightened by giving it a hand-free power tong. In either case, the seizure of the threaded portion will be reduced, the tightening workability will be improved, and it will occur after that. The level of screw damage that may occur can be reduced.
[0023]
According to the present invention, fine adjustment for centering and subsequent meshing adjustment by 1 to 0.5 turns are unnecessary.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A pipe joint according to the present invention will be described with reference to the drawings.
About clearance C on the stub side:
In FIG. 1, the clearance on the stub side in the pin portion 2b and the box portion 1a can be defined by the symbol “C” shown. That is, in the present invention, the clearance C is defined as an axial distance between both stub side surfaces at the time of completion of screw tightening.
[0025]
When the clearance C is zero (0), the screw can be tightened by carefully dropping it and hand-tightening. However, in the threaded joint of the inclined oil well pipe that is the subject of the present invention, The contact area is large and wrinkles are likely to occur.
[0026]
On the other hand, the larger the clearance C, the larger the backlash between the screws, and the greater the degree of freedom when dropping. However, according to the experiments by the present inventors, when the clearance C exceeds 1.0 mm, the screw width b of the screw receiving the axial force is originally reduced and cannot withstand the required tensile load, and the screw itself is deformed. Will do.
[0027]
On the other hand, when the clearance C is very small, the stub side surface of the pin portion and the stub side surface of the box portion may come into contact with each other due to elastic deformation when the screw is tightened. However, the present inventors have found that even if the clearance C is larger than such a value, there is a restriction in terms of dropping performance including dropping the pin portion into the box portion. It was.
[0028]
According to the drop test results of the present inventors, when the clearance C becomes smaller, the drop performance deteriorates. When the clearance C is less than 0.5 mm in consideration of the tolerance at the time of threading, the drop performance deteriorates and seizure occurs. May occur. Therefore, the lower limit of clearance C is set to 0.5 mm.
[0029]
Therefore, the clearance C on the stub side is set to 0.5 to 1.0 mm in consideration of a tolerance during screw machining.
[0030]
 About the thread angle θ on the stub side:
The thread angle θ on the stub side in the pin portion 2b and the box portion 1a can be defined by θ in FIG. As the angle θ increases, a centering effect can be expected by rubbing the pin portion 2b and the box portion 1a on the screw stub surface. After the screw is dropped, the screws are tightened in the direction of aligning the cores. Less. However, when this angle exceeds 60 °, the screw width b becomes smaller as the screw thread of the pin portion 2b disappears. That is, as an actual screw shape, the parallel part of the screw thread cannot be defined, and the BTC type screw shape cannot be recognized.
[0031]
On the other hand, the smaller the thread angle θ on the stub side, the greater the proof strength in the axial direction. However, when stubbed obliquely, streaks and seizures occur at the stub contact portion below 15 °.
[0032]
Therefore, in the present invention, the thread angle θ on the stub side is set in the range of 15 to 60 °.
In the meantime, in the case of normal BTC, this thread angle is 10 degrees.
[0033]
 About the angle between the screw thread top and the thread bottom of the taper male thread and taper female thread and the shaft center:
As the outer diameter of the oil well pipe increases, the weight increases, the load applied to each screw also increases, and the torque required for hand tightness also increases. Tend to be. Therefore, as a countermeasure, in the case of an oil well pipe buttress screw according to the API standard, if the outer diameter is 16 inches (406.4 mm) or more, the screw thread is defined to be parallel to the shaft core, and the pin part and box after dropping The contact surface of the thread of the part is parallel to the axis, aiming at the correction effect when hand tight.
[0034]
On the other hand, for oil well pipes with an outer diameter of 13.3 / 8 inch (339.7mm) or less, the API standard does not reflect the concept of 16 inches (406.4mm) or more for many years. It is defined as parallel to the taper (1/16).
[0035]
However, if the pin part to be connected to the box part is not securely dropped, or if the dropping is insufficient, the seizure of the threaded part will not be allowed on the premise that the operator will not be allowed to perform a minute engagement operation after the dropping. In order to reduce tightening and improve tightening workability, the same concept as in the case of 16 inches (406.4 mm) or more should be adopted even for oil well pipes of 13.3 / 8 inches (339.7 mm) or less. Is desirable.
[0036]
Therefore, in the present invention, regardless of the outer diameter, the thread top surface and the thread valley bottom surface of the taper male screw and the taper female screw are parallel to the shaft core, that is, the shaft center 5 at the reference value, as shown in FIG. It was stipulated that Of course, the tolerance is defined, and in the present invention, the taper is defined as 0 ± 0.2%.
[0037]
 About radius of curvature R of male thread stub side corner:
In the oil well pipe buttress screw according to the API standard, the radius of the corner portion 1aa of the stub receiving portion in the box portion 1a is defined as 0.2 mm. When the dropping of the pin portion 2b into the box portion 1a is performed at an inclination, the corner portion 1aa of the stub receiving portion in the box portion 1a and the corner portion 2ba on the stub side in the pin portion 2b first come into contact. At the time of this contact, according to experiments by the present inventors, when the radius of curvature R (hereinafter also referred to as “radius R”) of the corner portion 2ba on the stub side in the pin portion 2b is less than 1.0 mm, the local stress is large. It became a cause of streaks and burn-in.
[0038]
On the other hand, if the radius R of the corner portion 2ba on the stub side in the pin portion 2b is increased, the clearance Ca between the box portion 1a and the stub receiving portion can be increased. And the greater the clearance Ca, the higher the degree of freedom when the pin portion 2b and the box portion 1a are dropped. However, if the radius R of the corner portion 2ba on the stub side in the pin portion 2b exceeds 1.25 mm, the parallel portion of the stub surface in the pin portion 2b is lost, and it is not recognized as a screw. Therefore, in the present invention, the radius R of the male screw stub side corner portion 2ba in the pin portion 2b is set to 1.0 to 1.25 mm.
[0039]
The API standard BTC screw has a pin corner radius R of 0.76 mm. According to the test by the present inventors, wrinkles occurred in the corner portion during oblique stubbing. Therefore, the thickness is set to 1.0 mm considering that the tolerance is 0.25 mm.
[0040]
Increasing the corner radius of the stub receiving part in the box part reduces the stub area and causes seizure of the stub surface, and decreases the stability of the hand tight for screw engagement. This is undesirable.
[0041]
Next, a more preferable aspect in the present invention will be described.
About the taper of the incomplete thread at the pin:
FIG. 2 is an explanatory diagram of a screw portion formed in the pin portion.
[0042]
FIGS. 3A to 3C are views for explaining a difference in interference surface pressure generated in the incomplete thread portion of the pin portion due to a difference in taper between the incomplete thread portion of the pin portion and the complete thread portion of the box portion. It is.
[0043]
As shown in FIG. 2, the incomplete thread portion 2bb in the pin portion 2b is tightened by interference with the complete thread portion of the box portion when the joint is tightened.
At this time, as shown in FIG. 3 (a), if the incomplete thread 2bb in the pin 2b and the taper of the complete thread in the box 1a are the same, the screw bottom of the pin 2b and the screw of the box 1a Interference as designed occurs in the crest, and when tightening, the surface pressure b0 generated by the interference between the screw bottom of the pin portion 2b and the screw thread of the box portion 1a in the incomplete screw portion 2bb is the pin portion 2b in the complete screw portion. Is equal to the surface pressure a generated by the interference between the screw bottom of the screw and the screw thread of the box portion 1a.
[0044]
Further, as shown in FIG. 3B, when the taper of the incomplete screw portion 2bb in the pin portion 2b is larger than the taper of the complete screw portion in the box portion 1a, the screw bottom of the pin portion 2b and the box portion 1a When the screw thread generates an interference higher than the design value and tightening, the surface pressure b1 generated by the interference between the screw bottom of the pin portion 2b and the screw thread of the box portion 1a in the incomplete screw portion 2bb is the surface pressure in the complete screw portion. It becomes larger than a, and seizure occurs between the screw bottom of the pin portion 2b and the screw thread of the box portion 1a in the incomplete screw portion 2bb.
[0045]
On the other hand, as shown in FIG. 3C, when the taper of the incomplete screw portion 2bb in the pin portion 2b is smaller than the taper of the complete screw portion in the box portion 1a, the screw bottom and the box portion of the pin portion 2b. When the screw thread of 1a becomes an interference lower than the design value, the surface pressure b2 generated by the interference between the screw bottom of the pin part 2b and the screw thread of the box part 1a in the incomplete thread part 2bb is tightened. Therefore, even when tightening, the imperfect thread portion 2bb does not cause seizure between the screw bottom of the pin portion 2b and the screw thread of the box portion 1a.
[0046]
On the other hand, when well drilling is performed at an angle of 1 to 2 °, the bending is always loaded, so the relationship between the taper of the incomplete thread in the pin and the taper of the complete thread in the box Whatever the above, in the incomplete threaded part of the pin part, one side corresponding to the inner part of the bend (compressed state) has a high screw interference surface pressure, but the outer part of the bend ( The surface on the opposite side of 180 ° corresponding to the tensile state is loaded with a low screw interference surface pressure.
[0047]
FIG. 4 shows the interference surface pressure at the threaded portion when tightening when performing well digging vertically, and interference at the threaded portion during tightening when performing well digging at an angle of 1 to 2 °. FIG. 5 shows the surface pressure.
[0048]
In FIG. 4 and FIG. 5, the mark ◯ indicates the interference surface pressure at the incomplete thread when the taper of the incomplete thread at the pin and the taper of the complete thread at the box are the same, and Δ indicates the pin Interference surface pressure of the incomplete thread when the taper of the incomplete thread in the box is greater than the taper of the complete thread in the box, □ indicates the taper of the incomplete thread in the pin This is the interference surface pressure of the incomplete thread when it is smaller, corresponding to FIG. 3 (a), FIG. 3 (b), and FIG. 3 (c), respectively.
[0049]
The following is clear from the results of FIG.
When the taper of the incomplete thread in the pin part is larger than the taper of the complete thread in the box part (△ mark), the incomplete thread part in the pin part has a high interference surface pressure. When the taper is smaller than the taper of the complete thread in the box (marked with □), the interference surface pressure of the incomplete thread is low.
[0050]
In addition, when the taper of the incomplete threaded portion in the pin portion is equal to the taper of the complete threaded portion in the box portion (marked with a circle), the interference surface pressure of the incomplete threaded portion is located between the two cases.
[0051]
Of the total of nine graphs represented by ○ mark, △ mark, and □ mark in Fig. 5 (a) and (b), respectively, above the three graphs represented by the same kind of marks. Is located at the surface corresponding to the inner side of the bending of the pipe joint, the graph located in the middle represents the interference surface pressure at the surface corresponding to the neutral part of the bending, and below The graph located represents the interference surface pressure at the surface corresponding to the outer part of the bend.
[0052]
If the incomplete thread taper at the pin part is larger than the taper of the complete thread part at the box part as shown in the graph indicated by Δ in FIG. There is a large difference in the surface pressure of the screw interference portion on the left and right surfaces (surface of the outer side of the bending and surface of the inner side of the bending) with respect to the axis of the pipe joint, and the absolute value of the interference surface pressure also increases.
[0053]
On the other hand, if the taper of the incomplete thread part in the pin part is smaller than the taper of the complete thread part in the box part as shown in the graph indicated by □, the pipe joint may be tightened in an inclined state. The difference in the surface pressure of the screw interference portion on the left and right surfaces with respect to the axis of the pipe joint is small, and the absolute value of the surface pressure is also low.
[0054]
In addition, as shown in the graph indicated by a circle in Fig. 5 (b), if the taper of the incomplete thread in the pin is equal to the taper of the complete thread in the box, the interference surface of the incomplete thread The pressure is an intermediate value between the two cases.
[0055]
That is, by adjusting the taper of the incomplete thread portion of the taper male screw, the surface pressure distribution of the screw can be made equal to the case of normal tightening even when tightened obliquely.
[0056]
From the above viewpoint, in the present invention, it is preferable that the taper of the incomplete thread portion in the taper male screw is smaller than the reference taper of the complete thread portion. According to the experiments by the present inventors, in the case where the well is dug at an angle of 1 to 2 °, the taper of the incomplete screw portion is 0.96 to 0.90 times the reference taper of the complete screw portion. In the incomplete thread part, no seizure or streak occurred. Therefore, in the present invention, the taper of the incomplete screw portion in the pin portion is set to a preferable range of 0.96 to 0.90 times the reference taper of the complete screw portion.
[0057]
The API standard BTC screw has a pin taper taper with a reference value of 6.25% and a tolerance of + 0.35% -0.25% ("6.25% + 0.35% -0.25%"). The screw taper of the box portion is 6.25% ± 0.25%. Therefore, in order for the screw taper of the pin to fall below the minimum screw taper of the box portion, the pin portion is preferably 6.0% or less. That is, a taper ratio of 0.96 times or less was calculated by calculating 6.0 / 6.25. Also, the screw taper of the pin part cannot be greatly reduced to ensure screw engagement, and the combination of the maximum screw taper of the box part: 6.5% based on the results of the inventor's tensile fracture test. It was found that the thread taper of the pin portion to be used is preferably 5.8% or more. That is, the ratio is preferably 0.9 times or more.
[0058]
If it is less than 0.9 times, the tensile strength at break is deteriorated.
In order to satisfy the above relationship, the tolerance of the manufacturing tolerance is required for the screw taper of the box portion, which is usually 0.3%.
[0059]
Therefore, the box portion is preferably 6.0% to 6.30%.
Example
Hereinafter, the results of experiments conducted to confirm the effects of the pipe joint of the present invention will be described.
[0060]
The present inventors used an oil well pipe having an outer diameter of 177.8 mm and a wall thickness of 11.51 mm to determine how the influence of the screw shape affects the ease of tightening and screw damage after dropping. Verified.
[0061]
The screw shapes used are shown in Table 1, and the experimental results are shown in Table 2. Each symbol in Table 1 is the same as that shown in FIG. However, “R” is the radius of curvature of the male screw stub side corner portion 2ba.
[0062]
As shown in FIG. 6 (a), when the oil well pipe 2 is fitted vertically as shown in FIG. 6 (a), and the oil well pipe 2 is forcibly set to 0.4 as shown in FIG. 6 (b). Ease of hand-tightness and screw when dropping is performed in a state where it is not centered by tilting by °, 0.8 °, 1.2 °, 1.6 ° and 2.5 ° The damage level was tested for each of the thread-shaped buttress screws (pitch 5 threads / inch) of API standard screws for oil well pipes of various dimensions.
[0063]
[Table 1]
Figure 0003744385
[0064]
[Table 2]
Figure 0003744385
[0065]
First, No. 1 to No. 3 in Table 1 were confirmed.
From the results shown in Table 2, there is no problem with the conventional screw shape as long as reliable centering can be carried out. However, when it is gradually inclined from 0.4 ° to 0.8 °, the unsteady contact between the male screw and the female screw It was found that the screw surface was damaged by (a state in which bending was partially applied). And when the inclination angle exceeded 1.2 °, dropping was impossible.
[0066]
In addition, “○” mark indicates that hand tight is possible and there is no damage to the screw part, “△” mark indicates that hand tight is possible, but there is screw crest damage that can be partially maintained, “×” "" Indicates that the hand tight is possible, but there are many screw damages that cannot be maintained, and "-" indicates that it cannot be dropped.
[0067]
Next, the influence of the angle θ on the stub side was investigated for Nos. 4 to 6, 12 and 23, and the influence of the clearance C on the stub side was investigated for Nos. 7 to 9, 15 and 21. In addition, we investigated the effect of the angle between the screw thread top surface and the thread bottom surface of the taper male screw and taper female screw with respect to the shaft center for No. 8, 10, 20 and 24, and No. No. 10, No. 12, No. 12, No. 13, No. 17 and No. 22 were investigated.
[0068]
From the results in Table 2, it was found that they were listed below.
(1) A better result is obtained when the angle θ on the stub side is larger, and an appropriate range is 15 to 60 degrees.
[0069]
(2) Good results are obtained when the clearance C on the stub side is large, and the appropriate range is 0.5 to 1.0 mm.
(3) It is better that the top face of the thread and the bottom face of the thread root of the tapered male thread and the tapered female thread are parallel to the axis.
[0070]
Note that “parallel” means a range of 0 ± 0.2% in terms of a taper with respect to the axis. (Comparison of No.8, 10, 20, 24)
(4) A better result is obtained when the radius R of the male screw stub side corner is larger, and an appropriate range is 1.0 to 1.25 mm.
[0071]
(5) A better result is obtained when the taper of the incomplete screw portion in the pin portion is smaller than the taper of the complete screw portion, and the preferable range is 0.90 to 0.96 times. (Comparison of No.12, 13, 16, 18-20, 25)
From the results shown in Table 2, in No.14, 16-20, and 25, which satisfy the scope of the present invention, sufficient tightening performance and screw damage can be achieved even when drilling wells at an angle of 1.5 ° or more. It was confirmed that prevention could be achieved.
[0072]
Further, for Nos. 17 to 20 in which the taper of the incomplete thread portion of the pin portion satisfies the preferable range, further excellent tightening performance and damage prevention were achieved.
In the present specification, the coupling type pipe joint has been described, but it goes without saying that the pipe joint of the present invention can also be applied to an integral type pipe joint. Moreover, it cannot be overemphasized that the pipe joint of this invention is applicable also to what has a metal seal part.
[0073]
【The invention's effect】
As described above, according to the pipe joint of the present invention, even if the pin part is not reliably dropped into the box part or the dropping is insufficient, the seizure on the thread part is reduced, It is possible to improve the tightening workability and reduce the level of screw damage that may occur thereafter.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of a thread shape of a pipe joint of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram of a screw portion formed on a pin portion.
3 (a) to 3 (c) show differences in interference surface pressure generated in an incomplete screw portion of a pin portion due to a difference in taper between an incomplete screw portion of a pin portion and a complete screw portion of a box portion. FIG.
FIG. 4 is a graph showing an interference surface pressure generated in an incomplete thread portion of a pin portion during tightening when there is no bending load.
FIG. 5 is a graph showing the interference surface pressure generated in the incomplete thread portion of the pin portion during tightening when a bending load is applied. FIG. 5 (a) shows the taper of the incomplete thread portion in the pin portion. When the taper is larger and smaller than the taper of the complete thread part in the box part, FIG. 5B shows the case where the taper of the incomplete thread part in the pin part is equal to the taper of the complete thread part in the box part.
6A and 6B are explanatory diagrams of a drop test method, in which FIG. 6A shows a case of dropping vertically, and FIG. 6B shows a case of dropping by tilting.
FIG. 7 is an explanatory diagram of a tightening operation of a coupling type pipe joint.
FIG. 8 is an explanatory diagram of a tightening operation when a power tong is used.
9A and 9B are explanatory diagrams in the case of attaching a wire line, in which FIG. 9A is a vertical type and FIG. 9B is an inclined type.
FIGS. 10A to 10C are schematic views illustrating the meshing state of the screw when dropped. FIG.

Claims (5)

管の端部外周面にテーパ雄ねじを形成したピン部と、管又は短管の端部内周面に前記テーパ雄ねじに螺合するテーパ雌ねじを形成したボックス部とのねじ込みによる管継手において、スタブ側のクリアランスCを0.5〜1.0mmとし、スタブ側のねじ山角度θを15〜60°とし、螺合するテーパ雄ねじ及びテーパ雌ねじのねじ山頂面とねじ谷底面が軸心と平行となるようにし、雄ねじスタブ側コーナ部の半径Rを1.0〜1.25mmとしたことを特徴とする管継手。In a pipe joint by screwing a pin part formed with a taper male thread on the outer peripheral surface of the pipe end and a box part formed with a taper female screw threaded into the taper male screw on the inner peripheral surface of the pipe or short pipe, on the stub side The clearance C of the stub is set to 0.5 to 1.0 mm, the thread angle θ on the stub side is set to 15 to 60 °, and the thread top surface and the thread valley bottom surface of the taper male screw and taper female screw to be screwed are parallel to the shaft center. And a radius R of the corner portion of the male screw stub side is set to 1.0 to 1.25 mm. ピン部における不完全ねじ部のテーパを完全ねじ部の基準テーパの0.96〜0.90倍としたことを特徴とする請求項1記載の管継手。The pipe joint according to claim 1, wherein the taper of the incomplete thread portion in the pin portion is 0.96 to 0.90 times the reference taper of the complete thread portion. 前記継手がカップリング方式の継手であることを特徴とする請求項1または2記載の管継手。The pipe joint according to claim 1 or 2, wherein the joint is a coupling type joint. 前記継手がインテグラル方式の継手であることを特徴とする請求項1または2記載の管継手。The pipe joint according to claim 1 or 2, wherein the joint is an integral type joint. 前記継手が鉛直方向に1〜2°傾いた状態で管継手の締め付けが行われる請求項1ないし4のいずれかに記載の管継手。The pipe joint according to any one of claims 1 to 4, wherein the pipe joint is tightened in a state where the joint is inclined by 1 to 2 degrees in the vertical direction.
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