JP3737347B2 - 光プローブ素子および光プローブ素子を用いた記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を回折限界以下に絞り込む光プローブ素子およびこの光プローブ素子を用いた記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、物質の表面状態を原子スケールで直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(STM)が開発されている。また、STMの原理を応用して、走査型原子間力顕微鏡(AFM)や走査型磁気力顕微鏡(MFM)が開発されている。これらの顕微鏡は、先端を鋭く尖らせたプローブと物質の表面とを近接して配置し、両者の間に流れるトンネル電流、または、両者の間に働く原子間力、磁気力を検出している。
【0003】
さらに、先端を鋭く尖らせた光プローブを用いるフォトンSTMも開発されている。フォトンSTMでは、試料の表面より光を入射させ、試料の表面に染み出すエバネッセント光を検出している。
【0004】
STMの原理を利用して、原子スケールの領域に対して情報の記録再生を行う装置が種々提案されている。また、フォトンSTMの原理を利用して、光を回折限界以下に絞り込み、この絞り込んだ光を用いて情報の記録再生を行う試みもなされている(例えば、Appl. Phys. Lett. 61(2), 13 July 1992 P.142)。
【0005】
図27に、光プローブを用いた記録再生装置を示す。
【0006】
光プローブ803は、光ファイバー800の先端に形成されている。光ファイバー800は、移動可能な支持部822に取り付けられている。支持部822を移動させる駆動部821は、ベース820の上に固定されている。記録媒体810も、ベース820の上に固定されている。駆動部821で支持部822を移動させることにより、光プローブ803を記録媒体810上の所望の位置に移動させることができる。
【0007】
記録媒体810は、透明基板811と、透明基板811の上に形成された記録層812から構成されている。光プローブ803は、その先端が記録層812に近接するように配置されている。
【0008】
情報を記録する場合、情報に応じて強度変調した光を光ファイバー800に導入し、光プローブ803で回折限界以下に絞り込む。これにより、記録層812に情報を高密度記録できる。
【0009】
上記の光プローブ803の製造方法を図28に示す。
【0010】
まず、同図(a)に示すように、光ファイバー800の一部をほぼ溶融するまで加熱する。この状態で、同図(b)に示すように、光ファイバー800を左右に引っ張る。光ファイバー800の赤熱部801は左右に伸び、同図(c)に示すように、切断される。これにより、先端が鋭く尖った光プローブ803が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、光プローブ803の先端径を一定にすることが困難であり、したがって、規格の揃った光プローブ803を量産できないという問題点を有している。
【0012】
さらに、複数の光プローブ803…を束ねて用いて、複数の情報を同時に記録再生する場合、上記従来の構成では、各光プローブ803と記録媒体810との間の距離を同一距離に保つことは困難であるという問題点を有している。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光プローブ素子は、上記の課題を解決するために、透光性材料からなるほぼ円錐形の突起と、突起の先端部分を除いて突起の円錐面に形成された反射膜からなる光プローブが、透光性材料からなる平面基板の片面に形成され、且つ、該平面基板の他方の面が平面状であるとともに、上記光プローブの突起は上記平面基板の片面がエッチングされることにより形成されたものであり、集光レンズで収斂された収斂光が、上記光プローブの突起と対向する平面状の部位から上記平面基板に入射し、該平面基板を透過して上記突起に入射することを特徴としている。
【0014】
本発明に係る光プローブ素子は、上記の課題を解決するために、上記の光プローブ素子であって、複数の光プローブが平面基板の片面に形成されていることを特徴としている。
【0015】
本発明に係る光プローブ素子は、上記の課題を解決するために、上記の光プローブ素子であって、各光プローブにそれぞれ焦点を結ぶ、光プローブと同数の集光手段が、光プローブが形成されていない側の平面基板面に形成されていることを特徴としている。
【0016】
本発明に係る記録再生装置は、上記の課題を解決するために、光源と、光源からの光を回折限界以下の径の微小光に絞り込む光プローブ素子とを備え、記録媒体に微小光を照射することにより情報の記録再生を行う記録再生装置において、上記の光プローブ素子は、透光性材料からなるほぼ円錐形の突起と、突起の先端部分を除いて突起の円錐面に形成された反射膜からなる光プローブが、透光性材料からなる平面基板の片面に形成され、且つ、該平面基板の他方の面が平面状であるとともに、上記光プローブの突起は上記平面基板の片面がエッチングされることにより形成されたものであり、集光レンズで収斂された収斂光が、上記光プローブの突起と対向する平面状の部位から上記平面基板に入射し、該平面基板を透過して上記突起に入射することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施例について図1ないし図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0018】
本実施例の記録再生装置は、図1に示すように、光源402と、光源402からの光を平行ビーム5にするコリメーターレンズ401と、光プローブ3を有する光プローブ素子20と、光プローブ3に平行ビーム5を収斂させる集光レンズ4と、集光レンズ4および光プローブ素子20を取り付けた支持部202を備えている。
【0019】
記録再生装置は、さらに、支持部202を移動させる駆動部201と、駆動部201および記録媒体300を固定するベース200と、コリメーターレンズ401と集光レンズ4との間の光路上に配置され、コリメーターレンズ401からの平行ビーム5を透過し、記録媒体300からの戻り光を反射するビームスプリッター400と、ビームスプリッター400で反射された戻り光を検出する光検出器403を備えている。
【0020】
記録媒体300は、透明基板301と、透明基板301の上に形成された記録層302から構成されており、記録層302を上にして、ベース200上に固定されている。光プローブ3は、その先端が記録層302に近接するように配置されている。
【0021】
上記の光プローブ素子20は、図2に示すように、透光性の平面基板1と、平面基板1の片面に突出するように形成された透光性のほぼ円錐形の光プローブ3と、平面基板1の、光プローブ3が設けられている面に、光プローブ3の先端を除いて形成された反射膜2から構成されている。光プローブ3の先端の反射膜2が形成されていない部分の大きさはnmオーダーである。
【0022】
上記の構成において、記録媒体300に情報を記録する場合、光源402からの光を情報に応じて強度変調する。変調光はコリメーターレンズ401で平行ビーム5に変換され、ビームスプリッター400を透過し、集光レンズ4で光プローブ3に収斂される。
【0023】
収斂光は、光プローブ素子20の平面基板1を透過して光プローブ3に入射し、回折限界以下の径に絞り込まれる。つまり、光プローブ3の先端の反射膜2が形成されていない開口部の大きさ程度(nmオーダー)にまで絞り込まれる。
【0024】
光プローブ3で得られた微小光6は、記録媒体300の記録層302に照射される。照射された部分は、微小光6の強度に応じ温度上昇する。
【0025】
記録層302が相変化型の材料で作られておれば、情報に応じて構造が変化する。記録層302が、磁性材料で作られておれば、情報に応じて磁化状態が変化する。このようにして、記録層302に情報が記録される。
【0026】
記録媒体300から情報を再生する場合、情報を記録する場合よりも強度が弱く、かつ、一定の光を光源402から出射させる。上記と同様にして、光プローブ3で得られた微小光6は、記録媒体300の記録層302に照射される。
【0027】
記録層302からの戻り光は、光プローブ3で取り込まれて発散光になり、集光レンズ4で集光される。集光された光は、ビームスプリッター400で反射され、光検出器403に導かれる。光検出器403は、記録層302からの戻り光の強度あるいは偏光面の回転を検出し、電気信号に変換する。この電気信号に基づいて情報が再生される。
【0028】
以上のように、本実施例の記録再生装置では、光プローブ3からの微小光6を用いているので、nmオーダーの領域に対して情報の記録再生を行うことができる。
【0029】
次に、上記の記録再生装置(A1)のバリエーションについて説明する。なお、添字付きの英文字で各バリエーションを区別する。
【0030】
記録再生装置(A2)は、図3に示すように、光検出器403を記録媒体300の平面基板1側に配置した構成になっており、記録媒体300を透過した光に基づいて情報を再生する。これによれば、記録再生装置(A1)では必要なビームスプリッター400を省略できるので、構成が簡素化する。
【0031】
記録再生装置(A3)は、図4に示すように、光源402からの光の代わりに、光ファイバー404からの光を集光レンズ4に直接導く構成になっている。これによれば、記録再生装置(A2)で必要なコリメーターレンズ401を省略できるので、構成がさらに簡素化する。
【0032】
本発明に対する参考例としての記録再生装置(A4)は、図5に示すように、ベース200を透光性の材料で作り、ベース200側から記録媒体300の全面に均一な光405を照射する構成になっている。光検出器403は集光レンズ4の光プローブ素子20側とは反対側に配置されており、記録媒体300の透過光を光プローブ3でピックアップすることにより情報を再生する。これによれば、記録媒体300に微小光6を入射させる記録再生装置(A1)〜(A3)と比較して、簡素な構成の再生装置を実現できる。
【0033】
本発明に対する参考例としての記録再生装置(A5)は、図6に示すように、記録媒体300に入射する均一な光405が記録媒体300で全反射するように入射角度を設定し、記録媒体300から漏れ出すエバネッセント光を検出することにより、情報を再生する構成になっている。これにより、再生装置(A4)と同様に、簡素な構成の再生装置を実現できる。
【0034】
本発明に対する参考例としての記録再生装置(A6)は、図7に示すように、記録再生装置(A4、A5)に複数の光プローブ3…を有する光プローブ素子20を設けた構成になっている。この光プローブ素子20には、図8に示すように、光プローブ3…が2次元配置されている。これによれば、記録媒体300上のアクセスしたい部分に最も近い光プローブ3…を用いて情報の記録再生を行うことが可能になるので、高速記録再生を行うことができる。また、記録媒体300上の複数の部分に対して同時記録、同時再生あるいは、同時記録および同時再生を行うことが可能になるので、さらに高速の記録再生を行うことができる。
【0035】
次に、上記の光プローブ素子20の製造方法について説明する。なお、製造方法にはバリエーションがあり、これらを添字付きの英文字で区別する。
【0036】
製造方法(P11)では、図9に示すように、まず、平面基板1上の光プローブ3を形成したい位置に、フォトレジストからなるマスク10を形成する(同図(a))。マスク10の径は、後述するように、4〜20μmである。次に、平面基板1を等方性エッチングする(同図(b)および(c))。マスク10の下の平面基板1がアンダーエッチングされ、マスク10が離脱する。これにより、先端が鋭く尖ったほぼ円錐形の突起21が平面基板1に形成される。
【0037】
次に、平面基板1の、突起21が形成された面に反射膜2を形成する(同図(d))。それから、突起21の先端部分の反射膜2を除去する(同図(e))。
【0038】
これにより、平面基板1に光プローブ3が形成される。
【0039】
突起21の先端部分の反射膜2の除去は、次の3つの方法のいずれか、あるいは、これらの組み合わせにより行うことができる。
【0040】
除去方法(E1)では、強い光を平面基板1側から突起21に照射する。これにより、突起21の先端部分の反射膜2を蒸発させる。
【0041】
除去方法(E2)では、突起21を導体に近接して配置する。それから、突起21と導体との間のトンネル電流を検出することにより突起21と導体との間の距離を制御しながら、一時的に電界放出が発生する程度の大電流を繰り返し流す。これにより、突起21の先端部分の反射膜2を蒸発させる。
【0042】
除去方法(E3)では、電界エッチングを行う。突起21の先端部分に電界が集中するので、ここでのみエッチングが行われる。
【0043】
上記の製造方法(P11)において、光プローブ3が光をより効率的に絞り込むようにするため、マスク10の形状は円形であることが好ましい。また、光プローブ3が集光レンズ4により絞り込まれた光を全て受け入れるようにするため、マスク10の径は4〜20μmであることが好ましい。
【0044】
平面基板1に石英ガラス、アルミノ珪酸ガラス等のガラスを用いた場合、フッ酸とフッ化アンモニウムを混合した緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングにより、等方性エッチングを行うことが好ましい。
【0045】
次に、上記の製造方法(P11)の具体例を示す。
【0046】
アルミノ珪酸ガラスからなる平面基板1の片面に、厚さが1μm、直径が10μmの円形のフォトレジストからなるマスク10を形成し、フッ酸とフッ化アンモニウムを混合した緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングにより、等方性エッチングを行って、突起21を形成した。それから、Wの反射膜2を形成し、KOH溶液中で反射膜2に電圧を印加して電界エッチングを行うことにより、突起21の先端部分の反射膜2を除去した。これにより、突起21の先端に直径が10nm程度の開口部を有する光プローブ3を形成できた。
【0047】
この光プローブ素子20を記録再生装置(図1)にセットして、記録再生テストを行った。
【0048】
記録媒体300の記録層302には、膜厚が40nmの非晶質のInSbTeを用いた。光プローブ3を駆動部201で移動させながら、半導体レーザーからなる光源402から、5mWのレーザー光のパルスを光プローブ3に導き、記録媒体300に照射した。これにより、記録層302には、結晶化した領域が飛び飛びに形成された。結晶化した各領域の大きさは10nm程度であった。つまり、各領域の大きさは光プローブ3の開口部の大きさにほぼ等しかった。この結果から、光プローブ3により情報を高密度記録できることが分かった。
【0049】
次に、1mWの一定のレーザー光を光プローブ3に導き、前記結晶化した領域に沿って走査した。これにより、光検出器403からパルス状の信号が得られた。つまり、非晶質領域と結晶領域とでは、反射率が異なるため、パルス状の信号が得られた。この結果から、光プローブ3により高密度記録された情報を再生できることが分かった。
【0050】
製造方法(P12)では、図10に示すように、平面基板1上の光プローブ3を形成したい位置に、フォトレジストからなるマスク10を形成した後、フォトレジストの変形温度以上の温度でポストベークする。フォトレジストと平面基板1との間に働く表面張力のため、マスク10は先端部分の尖ったほぼ円錐形のマスク11になる(同図(a))。
【0051】
それから、マスク11が無くなるまで、異方性エッチングを行う(同図(b)および(c))。これにより、マスク11と同様の、先端が尖ったほぼ円錐形の突起21が形成される。
【0052】
これに続くプロセス(同図(d)〜(e))は、製造方法(P11)のプロセス(図9(d)〜(e))と同じである。
【0053】
平面基板1に石英ガラス、アルミノ珪酸ガラス等のガラスを用いた場合、CF4、CHF3等のエッチングガスを用いたドライエッチングにより、異方性エッチングを行うことが好ましい。
【0054】
次に、上記の製造方法(P12)の具体例を示す。
【0055】
石英ガラスからなる平面基板1の片面に、厚さが5μm、直径が5μmの円形のフォトレジストからなるマスク10を形成し、フォトレジストの変形温度以上の温度である150℃まで昇温して30分間ベーキングを行った。これにより、マスク10は先端部分の尖ったほぼ円錐形のマスク11になった。CF4を用いたドライエッチングを、マスク11が無くなるまで行って、突起21を形成した。それから、Wの反射膜2を形成し、KOH溶液中で電界エッチングすることにより、突起21の先端に直径が20nm程度の開口部を有する光プローブ3を形成できた。
【0056】
この光プローブ素子20を記録再生装置(図3)にセットして、記録再生テストを行った。テスト条件は前記の通りである。その結果、20nm程度の結晶化した領域を形成でき、再生も良好にできた。
【0057】
製造方法(P13)では、図11に示すように、平面基板1上の光プローブ3を形成したい位置に、フォトレジストからなるマスク10を形成した(同図(a))後、まず、異方性エッチングを行う(同図(b))点で前記製造方法(P11)と異なっている。マスク10の下の平面基板1を除いて、平面基板1がエッチングされるため、平面基板1にステップ40が形成される。
【0058】
これに続くプロセス(同図(c)〜(f))は、製造方法(P11)のプロセス(図9(b)〜(e))と同じである。
【0059】
本製造方法(P13)では、ステップ40に突起21が形成されるので、製造方法(P11)と比較して、突起21が鋭くなる。これにより、光プローブ3の先端の開口部をより小さくすることができる。
【0060】
次に、上記の製造方法(P13)の具体例を示す。
【0061】
石英ガラスからなる平面基板1の片面に、厚さが5μm、直径が5μmの円形のフォトレジストからなるマスク10を形成し、露出した平面基板1をCF4を用いたドライエッチングを行って、段差が約4μmのステップ40を形成した。次に、緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングにより、等方性エッチングを行って、突起21を形成した。それから、Wの反射膜2を形成し、反射膜2に電圧を印加してKOH溶液中で電界エッチングすることにより、突起21の先端部分の反射膜2を除去した。これにより、突起21の先端に直径が5nm程度の開口部を有する光プローブ3を形成できた。
【0062】
この光プローブ素子20を記録再生装置(図1)にセットして、記録再生テストを行った。テスト条件は前記の通りである(ただし、記録層302の膜厚は20nm)。その結果、5nm程度の結晶化した領域を形成でき、再生も良好にできた。
【0063】
製造方法(P14)では、図12に示すように、前記製造方法(P12)と同様にして、平面基板1上の光プローブ3を形成したい位置に、先端部分の尖ったほぼ円錐形のマスク11を形成する(同図(a))。
【0064】
これに続くプロセス(同図(b)〜(e))は、製造方法(P13)のプロセス(図11(d)〜(f))と同じである。
【0065】
本製造方法(P14)では、ほぼ円錐台形のステップ41に突起21が形成されるので、前記製造方法(P13)と比較して、円錐面が滑らかな突起21が得られる。これにより、より効率的に光を光プローブ3の先端に導くことができる。
【0066】
次に、上記の製造方法(P14)の具体例を示す。
【0067】
石英ガラスからなる平面基板1の片面に、厚さが5μm、直径が5μmの円形のフォトレジストからなるマスク10を形成し、フォトレジストの変形温度以上の温度である150℃まで昇温して30分間ベーキングを行った。これにより、マスク10は先端部分の尖ったほぼ円錐形のマスク11になった。CF4を用いたドライエッチングを行って、段差が約4μmのステップ41を形成した。次に、緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングにより、等方性エッチングを行って、突起21を形成した。それから、Wの反射膜2を形成し、反射膜2に電圧を印加してKOH溶液中で電界エッチングすることにより、突起21の先端部分の反射膜2を除去した。これにより、突起21の先端に直径が5nm程度の開口部を有する光プローブ3を形成できた。
【0068】
この光プローブ素子20を記録再生装置(図3)にセットして、記録再生テストを行った。テスト条件は前記の通りである(ただし、記録層302の膜厚が20nm)。その結果、5nm程度の結晶化した領域を形成でき、再生も良好にできた。
【0069】
製造方法(P15)では、図13に示すように、まず、平面基板1上に密着性強化層7を形成してから、光プローブ3を形成したい位置に、フォトレジストからなるマスク10を形成する(同図(a))点で、前記製造方法(P11)と異なっている。
【0070】
この後、エッチングにより、露出した密着性強化層7を除去する(同図(b))。これに続くプロセス(同図(c)〜(f))は、製造方法(P11)のプロセス(図9(b)〜(e))と同じである。
【0071】
本製造方法(P15)では、平面基板1とマスク10との間に密着性強化層7を設けたので、マスク10が平面基板1から剥がれにくくなる。これにより、確実に突起21を形成できる。
【0072】
密着性強化層7には、平面基板1の等方性エッチングのプロセス(同図(c))において、エッチングされない材料を使用することが好ましい。例えば、平面基板1にガラスを採用して、緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングにより、等方性エッチングを行う場合、密着性強化層7には、緩衝フッ酸でエッチングされないTa、Au、Pt等の材料を用いることが好ましい。しかしながら、平面基板1よりエッチングされにくい材料であれば、特に限定されるものではない。
【0073】
次に、上記の製造方法(P15)の具体例を示す。
【0074】
アルミノ珪酸ガラスからなる平面基板1の片面に、厚さが50nmのTaからなる密着性強化層7を形成した後、厚さが1μm、直径が10μmの円形のフォトレジストからなるマスク10を形成し、露出した密着性強化層7をCF4 を用いたドライエッチングで除去した。次に、緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングにより、等方性エッチングを行って、突起21を形成した。それから、Wの反射膜2を形成し、反射膜2に電圧を印加してKOH溶液中で電界エッチングすることにより、突起21の先端部分の反射膜2を除去した。これにより、突起21の先端に直径が10nm程度の開口部を有する光プローブ3を形成できた。
【0075】
この光プローブ素子20を記録再生装置(図4)にセットして、記録再生テストを行った。テスト条件は前記の通りである。その結果、10nm程度の結晶化した領域を形成でき、再生も良好にできた。
【0076】
次に、光プローブ素子20のバリエーションについて説明する。
【0077】
光プローブ素子20(P2)は、図14に示すように、光プローブ3を平面基板1の凹部1aに形成した構成になっている。これに対し、前記の光プローブ素子20(P1)は、光プローブ3を平面基板1の片面に突出するように形成した構成になっている。
【0078】
以下、光プローブ素子20(P2)の製造方法について説明する。
【0079】
製造方法(P21)では、図15に示すように、まず、平面基板1上の光プローブ3を形成したい位置を除いて、フォトレジストからなるマスク12を形成する(同図(a))。マスク12のない平面基板1の部分60の径は、後述するように、1〜5μmである。次に、平面基板1を等方性エッチングすることにより、凹部1aを形成する(同図(b))。このとき、平面基板1の部分60がエッチングされるだけでなく、マスク10の下の平面基板1の、部分60の近傍もアンダーエッチングされる。
【0080】
次に、透明誘電体材料をスパッタリングする。これにより、マスク12の上に透明誘電体材料からなる透明膜8が形成されるとともに、凹部1aの中に、透明誘電体材料からなり先端の尖ったほぼ円錐形の突起21が形成される(同図(c))。つまり、凹部1aの中には、透明誘電体材料の粒子が種々な方向からデポジットされるため、突起21が形成される。
【0081】
次に、マスク12と共に透明膜8を除去した後、平面基板1の、突起21が形成された面に反射膜2を形成する(同図(d))。それから、突起21の先端部分の反射膜2を除去する(同図(e))。これにより、平面基板1に光プローブ3が形成される。
【0082】
上記の製造方法(P21)において、光プローブ3が光をより効率的に絞り込むため、部分60の形状は円形であることが好ましい。また、先端の尖ったほぼ円錐形の突起21を形成するために、部分60の径は1〜5μmであることが好ましい。
【0083】
透明誘電体材料は、平面基板1と同じ材料(例えば、SiO2 、SiO)であることが好ましい。しかしながら、AlN、Si3N4、TiO2等も用いることができる。
【0084】
次に、上記の製造方法(P21)の具体例を示す。
【0085】
石英ガラスからなる平面基板1の片面に、直径が2μmの円形の平面基板1の部分60を除いて、厚さが1μmのフォトレジストからなるマスク12を形成し、緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングにより、等方性エッチングを行って、凹部1aを形成した。次に、SiO2をスパッタリングし、マスク12の上に厚さが5μmの透明膜8を形成するとともに、凹部1aの中に突起21を形成した。それから、マスク12とともに透明膜8を除去し、Wの反射膜2を形成し、電界エッチングすることにより、突起21の先端部分の反射膜2を除去した。これにより、突起21の先端に直径が5nm程度の開口部を有する光プローブ3を形成できた。
【0086】
この光プローブ素子20を記録再生装置(図1)にセットして、記録再生テストを行った。テスト条件は前記の通りである(ただし、記録層302の膜厚は20nm)。その結果、5nm程度の結晶化した領域を形成でき、再生も良好にできた。
【0087】
製造方法(P22)では、図16に示すように、マスク12を形成した後(同図(a))、まず、異方性エッチングを行う(同図(b))点で、前記製造方法(P21)と異なっている。
【0088】
これに続くプロセス(同図(c)〜(f))は、製造方法(P21)のプロセス(図15(b)〜(e))と同じである。
【0089】
本製造方法(P22)では、異方性エッチングを行ってから、等方性エッチングを行うことにより、凹部1aを形成しているので、製造方法(P21)と比較して、凹部1aを精度良く形成できる。
【0090】
次に、上記の製造方法(P22)の具体例を示す。
【0091】
石英ガラスからなる平面基板1の片面に、直径が3μmの円形の平面基板1の部分60を除いて、厚さが4μmのフォトレジストからなるマスク12を形成し、CF4を用いたドライエッチングにより、3μmの深さまで異方性エッチングを行った後、緩衝フッ酸を用いたウエットエッチングにより、等方性エッチングを行って、深さが5μmの凹部1aを形成した。次に、SiO2をスパッタリングし、マスク12の上に厚さが5μmの透明膜8を形成するとともに、凹部1aの中に突起21を形成した。それから、マスク12とともに透明膜8を除去し、Wの反射膜2を形成し、電界エッチングすることにより、突起21の先端部分の反射膜2を除去した。これにより、突起21の先端に直径が5nm程度の開口部を有する光プローブ3を形成できた。
【0092】
この光プローブ素子20を記録再生装置(図3)にセットして、記録再生テストを行った。テスト条件は前記の通りである(ただし、記録層302の膜厚は20nm)。その結果、5nm程度の結晶化した領域を形成でき、再生も良好にできた。
【0093】
本発明の第2実施例について図17ないし図26に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記の実施例の図面に示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0094】
本実施例の記録再生装置は、図17に示すように、マイクロレンズ100を有する光プローブ素子20を備えている点で、前記実施例とは異なっている。比較のために、マイクロレンズ100がない光プローブ素子20に代えた記録再生装置を図18に示す。
【0095】
本実施例の記録再生装置では、マイクロレンズ100が集光レンズ4の役割を果たすので、外付けの集光レンズ4が不要になり、構成が簡素化する。
【0096】
光プローブ素子20は、図19に示すように、透光性の平面基板1と、平面基板1の片面に突出するように形成された透光性のほぼ円錐形の光プローブ3と、平面基板1の、光プローブ3が設けられている面に、光プローブ3の先端を除いて形成された反射膜2と、平面基板1の、光プローブ3が設けられている面とは反対側の面の、光プローブ3に対向する位置に形成されたマイクロレンズ100から構成されている。光プローブ3の先端の反射膜2が形成されていない部分の大きさはnmオーダーである。マイクロレンズ100は、光プローブ3からの光を効率良く集光できるように、その焦点に光プローブ3が位置するように形成されている。
【0097】
図20に示す記録再生装置は、上記の記録再生装置のバリエーションであり、複数の光プローブ3…および、これに対応する複数のマイクロレンズ100…を有する光プローブ素子20を備えている。この光プローブ素子20には、図21に示すように、光プローブ3…およびマイクロレンズ100…が2次元配置されている。これによれば、簡素な構成で高速の記録再生を行うことができる。
【0098】
上記の光プローブ素子20を製造する場合、図22に示すように、まず、平面基板1の片面にマイクロレンズ100を形成する(同図(a))。それから、平面基板1の、マイクロレンズ100が形成されていない側の面に光プローブ3を形成する。光プローブ3の形成プロセス(同図(b)〜(f))は、前記実施例の製造方法(P11)のプロセス(図9(a)〜(e))と同じである。
【0099】
図23に示す光プローブ素子20は、上記の光プローブ素子20のバリエーションであり、光プローブ3を平面基板1の凹部1aに形成した構成になっている。
【0100】
この光プローブ素子20を製造する場合、図24に示すように、まず、平面基板1の片面にマイクロレンズ100を形成する(同図(a))。それから、平面基板1の、マイクロレンズ100が形成されていない側の面に光プローブ3を形成する。光プローブ3の形成プロセス(同図(b)〜(f))は、前記実施例の製造方法(P21)のプロセス(図15(a)〜(e))と同じである。
【0101】
上記の光プローブ素子20のマイクロレンズ100を、図25および図26に示すように、フレネルレンズ110に代えてもよい。フレネルレンズ110は、マイクロレンズ100と同様に、光プローブ3からの光を効率良く集光できるように、その焦点に光プローブ3が位置するように形成されている。
【0102】
なお、本実施例の光プローブ素子20の製造方法において、平面基板1にマイクロレンズ100またはフレネルレンズ110を形成した後のプロセスは、前記実施例の製造方法と同じであるので、それらをすべて利用できる。
【0103】
上記の光プローブ素子20を記録再生装置(図17)にセットして、記録再生テストを行った。テスト条件は前記実施例と同じである。その結果、光プローブ3の開口部の大きさ(10nm程度)にほぼ等しい結晶化した領域を記録層302に形成でき、再生も良好にできた。
【0104】
また、上記の複数の光プローブ3…を有する光プローブ素子20を記録再生装置(図20)にセットして、記録再生テストを行った。テスト条件は前記実施例と同じである。その結果、光プローブ3の開口部の大きさ(10nm程度)にほぼ等しい結晶化した領域を記録層302に形成でき、再生も良好にできた。さらに、各光プローブ3に対応する光検出器403を設けることにより、情報を同時再生できた。
【0105】
以上の実施例において、光プローブ素子20よりも大きな平面基板1上に多数の光プローブ3を形成してから、必要な数の光プローブ3…を有する平面基板1を切り出すようにすれば、効率的に光プローブ素子20を製造できる。
【0106】
以上のように、第2実施例の光プローブ素子は、透光性材料からなるほぼ円錐形の突起と、突起の先端部分を除いて突起の円錐面に形成された反射膜からなる光プローブが、透光性材料からなる平面基板の片面に形成され、且つ、該平面基板の他方の面が平面状であり、光プローブに焦点を結ぶ集光手段が、光プローブが形成されていない側の平面基板面に形成されているので、外部に対物レンズ等の集光手段を設置しなくて済むという効果を奏する。
【0107】
さらに、第2実施例の光プローブ素子は、以上のように、上記の光プローブ素子であって、集光手段は、単レンズまたはフレネルレンズのいずれかであるので、上記の集光手段を備えた光プローブ素子を容易に実現できるという効果を奏する。
【0108】
また、第2実施例の記録再生装置は、以上のように、光源と、光源からの光を回折限界以下の径の微小光に絞り込む光プローブ素子とを備え、記録媒体に微小光を照射することにより情報の記録再生を行う記録再生装置において、上記の光プローブ素子は、透光性材料からなるほぼ円錐形の突起と、突起の先端部分を除いて突起の円錐面に形成された反射膜からなる光プローブが、透光性材料からなる平面基板の片面に形成され、且つ、該平面基板の他方の面が平面状であり、光プローブに焦点を結ぶ集光手段が、光プローブが形成されていない側の平面基板面に形成されているので、記録再生装置を効率よく量産することが可能となるという効果を奏する。
【0109】
さらに、第2実施例の記録再生装置は、以上のように、上記の記録再生装置であって、複数の光プローブが平面基板の片面に形成されており、各光プローブにそれぞれ焦点を結ぶ、光プローブと同数の集光手段が、光プローブが形成されていない側の平面基板面に形成されているので、複数の情報を同時に記録再生することが可能となり、しかも、光プローブ素子の外部に対物レンズ等の集光手段を設置しなくて済むという効果を奏する。
【0110】
【発明の効果】
本発明に係る光プローブ素子は、以上のように、透光性材料からなるほぼ円錐形の突起と、突起の先端部分を除いて突起の円錐面に形成された反射膜からなる光プローブが、透光性材料からなる平面基板の片面に形成され、且つ、該平面基板の他方の面が平面状であるとともに、上記光プローブの突起は上記平面基板の片面がエッチングされることにより形成されたものであり、集光レンズで収斂された収斂光が、上記光プローブの突起と対向する平面状の部位から上記平面基板に入射し、該平面基板を透過して上記突起に入射するので、半導体プロセス技術を利用して平面基板上に光プローブを形成することが可能となる。これにより、規格のそろった光プローブ素子を効率よく量産することが可能となるという効果を奏する。
【0111】
本発明に係る光プローブ素子は、以上のように、上記の光プローブ素子であって、複数の光プローブが平面基板の片面に形成されているので、上記の効果に加え、複数の情報を同時に記録再生することが可能となるという効果を奏する。
【0112】
本発明に係る光プローブ素子は、以上のように、上記の光プローブ素子であって、各光プローブにそれぞれ焦点を結ぶ、光プローブと同数の集光手段が、光プローブが形成されていない側の平面基板面に形成されているので、上記の効果に加え、外部に対物レンズ等の集光手段を設置しなくて済むという効果を奏する。
【0113】
本発明に係る記録再生装置は、以上のように、光源と、光源からの光を回折限界以下の径の微小光に絞り込む光プローブ素子とを備え、記録媒体に微小光を照射することにより情報の記録再生を行う記録再生装置において、上記の光プローブ素子は、透光性材料からなるほぼ円錐形の突起と、突起の先端部分を除いて突起の円錐面に形成された反射膜からなる光プローブが、透光性材料からなる平面基板の片面に形成され、且つ、該平面基板の他方の面が平面状であるとともに、上記光プローブの突起は上記平面基板の片面がエッチングされることにより形成されたものであり、集光レンズで収斂された収斂光が、上記光プローブの突起と対向する平面状の部位から上記平面基板に入射し、該平面基板を透過して上記突起に入射するので、記録再生装置を効率よく量産することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示すものであり、記録再生装置の概略の構成を示す説明図である。
【図2】 図1の記録再生装置における、光プローブ素子の概略の構成を示す説明図である。
【図3】 図1の記録再生装置のバリエーションを示す説明図である。
【図4】 図1の記録再生装置の他のバリエーションを示す説明図である。
【図5】 本発明に対する参考例としての記録再生装置を示す説明図である。
【図6】 本発明に対する参考例としての記録再生装置のその他のバリエーションを示す説明図である。
【図7】 本発明に対する参考例としての記録再生装置のその他のバリエーションを示す説明図であり、複数の光プローブからなる光プローブ素子を備えた記録再生装置を示している。
【図8】 図7の記録再生装置における、光プローブ素子の概略の構成を示す説明図であり、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図である。
【図9】 図2の光プローブ素子の製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(e)は各プロセスを示している。
【図10】 図2の光プローブ素子の他の製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(e)は各プロセスを示している。
【図11】 図2の光プローブ素子のその他の製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(f)は各プロセスを示している。
【図12】 図2の光プローブ素子のその他の製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(e)は各プロセスを示している。
【図13】 図2の光プローブ素子のその他の製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(f)は各プロセスを示している。
【図14】 図1の記録再生装置における、他の光プローブ素子の概略の構成を示す説明図である。
【図15】 図14の光プローブ素子の製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(e)は各プロセスを示している。
【図16】 図14の光プローブ素子の他の製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(f)は各プロセスを示している。
【図17】 本発明の第2実施例を示すものであり、記録再生装置の概略の構成を示す説明図である。
【図18】 図17の記録再生装置の比較例を示すものであり、記録再生装置の概略の構成を示す説明図である。
【図19】 図17の記録再生装置における、光プローブ素子の概略の構成を示す説明図である。
【図20】 図17の記録再生装置のバリエーションを示す説明図であり、複数の光プローブからなる光プローブ素子を備えた記録再生装置を示している。
【図21】 図20の記録再生装置における、光プローブ素子の概略の構成を示す正面図である。
【図22】 図19の光プローブ素子の製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(f)は各プロセスを示している。
【図23】 図17の記録再生装置における、他の光プローブ素子の概略の構成を示す説明図である。
【図24】 図23の光プローブ素子の製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(f)は各プロセスを示している。
【図25】 図17の記録再生装置における、他の光プローブ素子の概略の構成を示す説明図である。
【図26】 図17の記録再生装置における、その他の光プローブ素子の概略の構成を示す説明図である。
【図27】 従来の記録再生装置の概略の構成を示す説明図である。
【図28】 図27の光プローブの製造方法を示す説明図であり、同図(a)ないし(c)は各プロセスを示している。
【符号の説明】
1 平面基板
1a 凹部
2 反射膜
3 光プローブ
6 微小光
7 密着強化層
8 透明膜
10 マスク
11 マスク
12 マスク
20 光プローブ素子
21 突起
100 マイクロレンズ
110 フレネルレンズ
300 記録媒体
302 記録媒体層
402 光源
Claims (4)
- 透光性材料からなるほぼ円錐形の突起と、突起の先端部分を除いて突起の円錐面に形成された反射膜からなる光プローブが、透光性材料からなる平面基板の片面に形成され、且つ、該平面基板の他方の面が平面状であるとともに、
上記光プローブの突起は上記平面基板の片面がエッチングされることにより形成されたものであり、
集光レンズで収斂された収斂光が、上記光プローブの突起と対向する平面状の部位から上記平面基板に入射し、該平面基板を透過して上記突起に入射することを特徴とする光プローブ素子。 - 複数の光プローブが平面基板の片面に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光プローブ素子。
- 各光プローブにそれぞれ焦点を結ぶ、光プローブと同数の集光手段が、光プローブが形成されていない側の平面基板面に形成されていることを特徴とする請求項2記載の光プローブ素子。
- 光源と、光源からの光を回折限界以下の径の微小光に絞り込む光プローブ素子とを備え、記録媒体に微小光を照射することにより情報の記録再生を行う記録再生装置において、
上記の光プローブ素子は、透光性材料からなるほぼ円錐形の突起と、突起の先端部分を除いて突起の円錐面に形成された反射膜からなる光プローブが、透光性材料からなる平面基板の片面に形成され、且つ、該平面基板の他方の面が平面状であるとともに、
上記光プローブの突起は上記平面基板の片面がエッチングされることにより形成されたものであり、
集光レンズで収斂された収斂光が、上記光プローブの突起と対向する平面状の部位から上記平面基板に入射し、該平面基板を透過して上記突起に入射することを特徴とする記録再生装置。
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