JP3733745B2 - Active vibration damper - Google Patents
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Description
【0001】
【技術分野】
本発明は、制振対象における振動を低減する制振器に係り、特に加振力の発生機構を備え、制振対象や該制振対象への振動伝達部材等の振動部材に加振力を及ぼすことによって振動を能動的乃至は相殺的に抑制する能動型制振器に関するものである。
【0002】
【背景技術】
自動車の車体等のように振動が問題となる制振対象において、その振動を低減するための手段の一つとして、例えば特開平3−292219号公報や特開平6−235438号公報等に記載されているように、制振対象やその振動伝達部材等の振動部材に対して、防振すべき振動に対応した加振力を及ぼすことにより、振動を能動的に抑制する制振器が提案されている。
【0003】
このような従来の制振器では、上記公報にも記載されているように、一般に、永久磁石で構成された閉磁路を分断して磁気ギャップを形成すると共に、この磁気ギャップにコイルを収容配置し、永久磁石による磁界とコイル電流の間に作用する電磁力乃至はローレンツ力に基づいて、永久磁石とコイルを相対的に変位させるボイスコイルタイプの電磁駆動手段が採用されている。そして、永久磁石とコイルのいずれか一方を振動部材に固定すると共に、他方を弾性支持せしめて一振動系を構成し、かかる振動系の共振作用を利用して、永久磁石とコイルの間に生ぜしめられる電磁力による反力を、振動部材に対して、加振力として効率的に及ぼすようになっている。
【0004】
しかしながら、このような従来構造の制振器では、コイルの配設領域の磁束密度を増大させて加振力を効率的に得るために、磁気ギャップ対向面とコイルの間隙を十分に狭くする必要があることから、加振時にコイルが磁気ギャップ対向面に接触し易く、接触による異音や作動不良の発生、エネルギの損失、部品の劣化等が問題となり易く、作動の安定性と耐久性を確保し難いという問題があった。加えて、大きな加振力を得るためにコイルの巻数を多くすると、コイルの径方向厚さ寸法が大きくなって、磁気ギャップの対向面間距離(磁気ギャップの大きさ)も大きくする必要があり、それによって、コイルの配設領域の磁束密度の低下が避けられないために、大きな加振力を効率的に得ることが難しいという問題もあった。
【0005】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、部材間の接触が回避されることにより、異音等を伴うことなく、安定した加振力を効率的に得ることが出来ると共に、優れた耐久性が発揮される、新規な構造の加振力発生機構を備えた能動型制振器を提供することにある。
【0006】
【解決手段】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その特徴とするところは、(a)振動部材に対して固定的に取り付けられる固定部材と、(b)該固定部材に対して一方向に離間して対向配置されたマス部材と、(c)マス部材を振動部材に対して弾性的に変位可能に支持せしめる弾性支持手段と、(d)固定部材とマス部材の何れか一方の側に設けられた、磁界によって変位力が及ぼされる磁気作用部と、(e)固定部材とマス部材の何れか他方の側に設けられた、磁気作用部に及ぼされる磁界を変化させる電磁石手段とを、含んで構成し、電磁石手段への通電によりマス部材を固定部材への接近/離隔方向に加振駆動せしめるようにする一方、前記振動部材に取り付けられるブラケットを設け、該ブラケットに対して前記固定部材を固着すると共に、該ブラケットにより、前記弾性支持手段を介して、前記マス部材を支持せしめた能動型制振器にして、前記弾性支持手段を厚肉円環板形状のゴム弾性体にて構成すると共に、該ゴム弾性体の内周面に支持筒金具を加硫接着せしめて、該支持筒金具を前記マス部材に固定手段にて固定せしめることにより、該マス部材が支持されるようにした能動型制振器にある。
【0007】
このような本発明に従う構造とされた能動型制振器においては、電磁石手段と磁気作用部の間に作用せしめられる磁力(磁気的な吸引力乃至は反発力)が、そのまま、固定部材とマス部材に対して、それら両部材を接近/離隔方向に変位せしめる駆動力として及ぼされる。そして、電磁石手段への通電によって磁気作用部に及ぼされる磁界、即ち極性や磁気強度を変化させると、固定部材とマス部材の間に作用せしめられる駆動力(相対変位力)が変化せしめられる。それにより、固定部材とマス部材に対して、対向方向における相対的な繰返し変位力が及ぼされるのであり、また、マス部材が弾性支持手段で弾性支持されることによって一振動系が構成されていることから、かかる振動系の共振特性に基づいて、固定部材とマス部材の間の繰返し変位力の反力として、振動部材に対して加振力が有効に及ぼされることとなる。
【0008】
そこにおいて、かかる能動型制振器では、互いに離間して対向配置された固定部材とマス部材における磁気作用部と電磁石手段の間での磁力の吸引や反発作用に基づいて、固定部材とマス部材が接近/離隔方向に相対変位せしめられることから、その作動に際しての各部材の相互摺接等が回避される。それ故、摺接等に起因する出力ロスや作動の不安定化等が回避されると共に、優れた耐久性が発揮されるのである。
【0009】
しかも、かかる能動型制振器では、電磁石手段においてコイル巻線数を増加すること等により、磁気作用部に及ぼされる磁界を強くして、磁気作用部と電磁石手段の間に及ぼされる磁力、ひいては固定部材とマス部材の間に及ぼされる相対的変位力を効率的に増大させることが出来るのであり、以て、大きな加振力を容易に得ることも可能である。
【0010】
なお、本発明において、固定部材やマス部材の材質や形状等は特に限定されるものでないが、固定部材としては、それに磁気作用部と電磁石手段の何れかが設けられる場合であっても、磁気作用部と電磁石手段の間での磁力が効率的に得られるように、少なくともマス部材に対する対向部位が、強磁性材や永久磁石で形成されることが望ましい。また、マス部材としては、それに磁気作用部と電磁石手段の何れが設けられる場合であっても、磁気作用部と電磁石手段の間での磁力が効率的に得られるように、少なくとも固定部材に対する対向部位が、強磁性材や永久磁石で形成されることが望ましく、更に、コンパクトなサイズでマス質量が確保されるように、低価な高比重材、例えば鉄系金属製のもの等が好適に採用される。更にまた、本発明において、磁気作用部は、電磁石手段によって及ぼされる磁界の作用により、吸引や反発の磁力が及ぼされるように、強磁性材や永久磁石で形成され得る。また、電磁石手段は、例えば、中空コイル構造を採用することも可能であるが、効率的な磁界を得るために、周方向に多数巻線されたコイルと、該コイルの中空孔に挿通配置された鉄心等の強磁性材を含んで構成されて、コイルへの通電により鉄心の軸方向端面に磁極が付与せしめられるようにすることが望ましい。或いは、かかる電磁石手段として、コイルの中空孔に永久磁石を配設し、コイルへの通電によって、該永久磁石による発生磁界を増減乃至は変化させること等も可能である。更に、より効率的な磁力を得るためには、固定部材とマス部材の対向面において、磁気作用部と電磁石手段の磁極面を、直接的に対向位置せしめることが望ましい。また、本発明において、弾性支持手段は、ゴム弾性体やコイル形や板形等の金属ばねの如き弾性部材を、単独で若しくは組合せて用いることで構成され得るが、その他、そのような弾性部材にて壁部の一部が構成されて内部に非圧縮性流体が封入された流体室を構成し、この流体室の壁ばね弾性や、流体室内での流体流動に基づくばね特性を利用して、マス部材を振動部材に対して変位可能に支持せしめることにより、弾性支持手段を構成することも可能である。
【0011】
また、本発明においては、固定部材とマス部材を、振動部材に対して、各別に形成されたブラケット等を用いて独立的に取り付けても良いが、例えば、振動部材に取り付けられるブラケットを設け、該ブラケットに対して固定部材を固着すると共に、該ブラケットにより、弾性支持手段を介して、マス部材を支持せしめた構成が、好適に採用される。このようなブラケットを採用すれば、固定部材とマス部材を、一つのブラケットにより、振動部材に対して容易に装着することが出来る。また、固定部材とマス部材がブラケットで一体化されてることから、製品である制振器の輸送やストック等が容易となるといった利点もある。
【0012】
なお、ブラケットは、十分な剛性を有する金属製のものが望ましく、その具体的形状等は限定されるものでないが、例えば、筒状部を設け、該筒状部の軸方向一方の端部に固定部材を固着する一方、該筒状部の軸方向他方の端部にゴム弾性体を挿入配置し、該ゴム弾性体の外周縁部を筒状部に固着すると共に、かかるブラケットの中空内部にマス部材を収容配置し、このマス部材をゴム弾性体の略中央部分に固定して弾性支持せしめた構成が、好適に採用される。このような構成を採用すれば、コンパクトなサイズで、固定部材やマス部材、弾性支持手段としてのゴム弾性体の配設スペースが有利に確保されると共に、ゴム弾性体の容積も有利に確保され得る。しかも、マス部材の変位領域が、ブラケットで覆われることから、異物の侵入や他部材の干渉等が有利に回避される。また、ゴム弾性体が、マス部材の固定部材に対する接近/離隔方向では主に剪断変形せしめられる一方、それに直交するマス部材の変位方向では圧縮/引張変形となることから、ばね特性のチューニングが容易であると共に、マス部材のブレ等の不安定な変位も抑えられて作動の更なる安定化が図られ得る。
【0013】
また、本発明に従う構造とされた能動型制振器においては、マス部材と固定部材の対抗面の少なくとも一方の側に、それらマス部材と固定部材の当接を緩衝的に防止するストッパ手段を設けることが望ましい。このようなストッパ手段を採用すれば、マス部材と固定部材の磁力による当接や吸着が有効に防止されることとなり、それによって、両部材の当接に起因する異音の発生や部材の損傷等が有利に回避される。なお、かかるストッパ手段は、例えば、マス部材や固定部材の対向面上において、連続して若しくは不連続に環状に延び、対向方向に突出して当接によって圧縮変形せしめられる緩衝ゴムを固設すること等によって、有利に構成され得る。
【0014】
さらに、本発明に従う構造とされた能動型制振器にあっては、例えば、固定部材とマス部材の対向面の少なくとも何れか一方において、磁気作用部または電磁石手段で構成されて相互に磁力を及ぼす磁力作用面を、マス部材の変位方向に延びる中心軸の回りに広がるリング形状としたり、或いは、マス部材の変位方向に延びる中心軸の周りに独立的に位置するように複数設定した構成等も、有利に採用され得る。そして、このようなリング形状の磁力作用面や複数の磁力作用面を採用することにより、部材間の摺接を回避しつつ、マス部材の変位の安定化を図ることも可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳述する。
【0016】
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての制振器10が、示されている。この制振器10は、互いに離間して対向配置された固定部材としてのヨーク12と、マス部材としてのマス金具14を備えていると共に、弾性支持手段としてのゴム弾性体16によってマス金具14が弾性支持されており、ヨーク12に装着されて電磁石手段を構成するコイル18への通電を制御することにより、ヨーク12とマス金具14の間に磁力が及ぼされて、マス金具14がヨーク12に対して接近/離隔方向に往復変位されるようになっている。
【0017】
より詳細には、ヨーク12は、鉄等の強磁性体で形成されており、薄肉円板形状の基板部20に対して、その中心部分から軸方向上方に突出する円形断面の鉄心部22が一体形成された形状を有している。そして、この鉄心部22に対して、合成樹脂等の絶縁材からなるボビン24a,bに巻回されて被覆されたコイル18が、外挿状態で組み付けられている。また、ヨーク12の基板部20には、軸方向上方に向かって延びる円筒形状のかしめ金具26が外嵌固定されている。そして、このかしめ金具26にて、コイル18の外周面が覆われていると共に、かしめ金具26の上側開口部が内方に屈曲されてコイル18の上端面に重ね合わされることにより、コイル18が、ヨーク12に対して固定されている。なお、かしめ金具26は、非磁性体であることが望ましい。
【0018】
また、ヨーク12の鉄心部22は、コイル18よりも軸方向上方に突出せしめられており、その上端面29が、軸直角方向に広がる略平坦面とされている。また、鉄心部22の上端部外周面は、かしめ金具26の内方屈曲部28の内周面に対して、コイル18の軸方向端面上で径方向に離間して対向位置せしめられている。そして、これら鉄心部22とかしめ金具26(内方屈曲部28)の径方向対向面間に、円環板形状をもって周方向に連続して延びるストッパ手段としての緩衝ゴム30が嵌め込まれ、必要に応じてコイル18(ボビン24)に接着されることにより、ヨーク12の鉄心部22よりも軸方向上方に突出する状態で、固定的に取り付けられている。
【0019】
さらに、ヨーク12の下端面には、取付板金具32が重ね合わされ、溶接等で固着されている。そして、この取付板金具32が、制振対象である振動部材34に対して、固定手段であるボルト36で取り付けられることにより、ヨーク12が、振動部材32に対して固設されている。なお、取付板金具32は、中央部分が盛り上がった略逆向きの皿形状を有しており、外周縁部が振動部材34に重ね合わされてボルト固定されていると共に、中央部分と振動部材34の間に形成される隙間を利用して、コイル18への給電用リード線38が引き出されている。
【0020】
また、ヨーク12に固着されたかしめ金具26には、大径円筒形状の取付筒金具40が外挿され、圧入や溶着等で固着されている。この取付筒金具40は、軸方向中間部分に設けられた段差部42を挟んで、軸方向下側が小径部44、軸方向上側が大径部46とされた段付円筒形状を有している。そして、小径部44がかしめ金具26に外挿固定されることにより、大径部46が、ヨーク12から軸方向上方に向かって大きく突出し、開口せしめられている。
【0021】
そして、この取付筒金具40の大径部46側の開口部に、ゴム弾性体16が取り付けられている。かかるゴム弾性体16は、略厚肉の円環板形状を有しており、応力分布等を考慮して、径方向内方に行くに従って次第に肉厚が大きくされている。ゴム弾性体16の外周面には、円筒形状の嵌着金具48が加硫接着されていると共に、ゴム弾性体16の内周面には、円筒形状の支持筒金具50が加硫接着されている。要するに、本実施形態では、小径円筒形状の支持筒金具50の径方向外方に離間して、大径円筒形状の嵌着金具48が、互いに同軸上に配されており、それら支持筒金具50と嵌着金具48の径方向対向面間に、厚肉の略円環板形状を有するゴム弾性体16が介在せしめられ、かかるゴム弾性体16が、支持筒金具50と嵌着金具48を含む一体加硫成形品として形成されているのである。そして、嵌着金具48が、取付筒金具40の大径部46側の開口部に圧入等で固着されることにより、ゴム弾性体16が、取付筒金具40の軸方向上側開口を覆蓋するようにして、取付筒金具40に組み付けられている。
【0022】
さらに、取付筒金具40の中空内部には、軸方向上下各端部に固着されたヨーク12とゴム弾性体16の対向面間に位置して、マス金具14が収容配置されている。また、支持筒金具50の軸方向下端部は、ゴム弾性体16よりも軸方向下方に突出せしめられており、この支持筒金具50の下端部にマス金具14が重ね合わされている。そして、支持筒金具50の中心孔52に挿通された固定手段である連結ボルト54によって、マス金具14が、支持筒金具50に対して固着されている。
【0023】
かかるマス金具14は、鉄等の強磁性体で形成されて、円形ブロック形状を有しており、取付筒金具40の中空内部において、取付筒金具40と略同一中心軸上に配されて、その中心軸上で、支持筒金具50に対してボルト固定されている。また、マス金具14の外径寸法は、取付筒金具40の内径寸法よりも小さくされていると共に、マス金具14の軸方向寸法が、ヨーク12とゴム弾性体16の軸方向対向面間距離、即ち本実施形態ではヨーク12側に設けられた緩衝ゴム30の上端面とゴム弾性体16に固着された支持筒金具50の下端面との間の距離よりも小さくされている。
【0024】
これにより、マス金具14は、上述の如き取付状態下において、ゴム弾性体16の弾性変形に基づき、軸方向の往復変位が許容されると共に、取付筒金具40への干渉が回避されるようになっている。また、マス金具14の軸方向下端面56は、取付筒金具40の略軸直角方向に広がる平坦面とされており、このマス下端面56が、ヨーク12における鉄心部22の上端面29に対して平行な面とされて、該鉄心上端面29に対して、軸方向に離間して対向位置せしめられている。要するに、マス金具14は、ゴム弾性体16と取付筒金具40および取付板金具32を介して、振動部材34に取り付けられることとなり、それによって、ゴム弾性体16の弾性に基づいて、振動部材34に対して弾性支持されるようになっているのである。また、このことから明らかなように、本実施形態では、取付板金具32と取付筒金具40によって、ヨーク12と振動部材34に固着すると共に、マス金具14をゴム弾性体16を介して振動部材34に支持せしめるブラケットが構成されている。
【0025】
そして、このような構造とされた制振器10は、その中心軸(ヨーク12やマス金具14の中心軸)が、振動部材34において防振すべき振動の振動方向となり、かかる方向でヨーク12とマス金具14が対向位置せしめられるようにして、振動部材34に取り付けられる。また、望ましくは、重力による悪影響を軽減乃至は回避するために、制振器10の中心軸が、略鉛直方向となるように取り付けられる。
【0026】
かくの如き装着状態下、コイル18に通電すると、ヨーク12の軸方向上下端面に両磁極が形成されることにより、ヨーク12の鉄心部22の上端面29に磁極が与えられる。そして、この磁極による磁界がマス金具14に及ぼされることにより、ヨーク12の上端面29とマス金具14の下端面56の間に磁力が作用し、ヨーク12とマス金具14の間に相対的な磁気吸引力が及ぼされる。その結果、マス金具14が、ゴム弾性体16の弾性変形を伴って、ヨーク12側に向かって軸方向に相対変位せしめられることとなる。また、ヨーク12とマス金具14の間に及ぼされる磁気吸引力(相対変位力)は、ヨーク12に生ぜしめられる磁極の強さ(磁力)によって、即ちコイル18における電流の大きさに応じて変化せしめられる。
【0027】
それ故、コイル18に脈波電流やパルス状電流、交番電流等を給電することなどによって、コイル18の通電電流を変化させれば、マス金具14を、ヨーク12に対して、接近/離隔方向に往復変位(振動)させることが出来る。しかも、振動の大きさ(振幅)や周波数、位相角は、何れも、コイル18への通電電流の大きさや周波数、位相角によって、調節することが出来る。特に、マス金具14は、ゴム弾性体16を介し、振動部材34に対して弾性支持されて一つの振動系を構成していることから、かかる振動系の共振作用を利用することによって、マス金具14のヨーク12による変位駆動の反力を、振動部材34に対する加振力として、振動部材34に対して有効に及ぼすことが出来るのである。
【0028】
従って、振動部材34の防振すべき振動に対応した電流をコイル18に給電し、発生加振力を振動部材34に及ぼすことにより、振動部材34における振動を能動的乃至は相殺的に抑制することが出来るのである。なお、コイル18への給電制御は、例えば、振動部材34において防振すべき振動と同一周波数の加振力を、位相をコントロールして振動部材34に及ぼし得るように調節する制御装置によって行われる。より具体的には、かかる制御装置としては、例えば、自動車のボデーを振動部材34とする場合に、振動部材34の振動を加速度センサ等を用いて直接に検出した信号や、或いは振動部材34の振動に相関するエンジン回転信号等を基準信号として採用し、振動部材34の振動が小さくなるように、PI制御等の一般的なフィードバック制御や適応制御等を用いて、コイル18への通電を制御するもの等が、採用され得る。
【0029】
なお、本実施形態では、ヨーク12側の磁極がN極とS極の何れになっても、マス金具14に対して磁気吸引力が及ぼされることから、コイル18へ交番電流を通電する場合には、通電周波数の倍の周波数の加振力が生ぜしめられることとなる。それ故、交番電流を給電する場合には、必要とされる加振力の1/2の周波数でコイル18に通電制御される。
【0030】
ここにおいて、上述の如き構造とされた制振器10においては、コイル18とヨーク12を含んで構成された電磁石の磁力で、マス金具14がヨーク12に対して接近/離隔方向に加振変位せしめられることから、その作動に際して、各部材の相互摺接等が、有利に回避され得る。従って、部材間の摺接等に起因する出力効率の低下や不安定な作動が問題となるようなこともなく、目的とする加振力を効率的に得ることが出来、優れた防振効果が安定して発揮されると共に、部材の摩耗等が回避されることにより、優れた耐久性も発揮されるのである。
【0031】
また、本実施形態では、マス金具14がヨーク12とゴム弾性体16の対向面間に配設されて、マス金具14の中央部分がゴム弾性体16の中央部分で支持されており、ゴム弾性体16の内径寸法がマス金具14の外径寸法より小さく設定されていることから、ゴム弾性体16の外径寸法をマス金具14に対して其ほど大きくしなくても、ゴム弾性体16のボリュームを有利に確保することが可能であり、マス金具14の支持ばね特性のチューニング範囲やゴム弾性体16の耐久性等を十分に確保しつつ、制振器10のコンパクト化が図られ得るといった利点がある。
【0032】
しかも、本実施形態では、マス金具14とヨーク12の磁力作用面間を含むマス金具14の変位領域が、取付筒金具40とゴム弾性体16により、外部空間から仕切られていることから、異物の侵入等による作動不良や損傷等も防止され得るのである。
【0033】
次に、図2には、本発明の第二の実施形態としての制振器60が、示されている。なお、かかる制振器60は、ヨーク12側の磁極部の別の構成例を示すものであって、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0034】
すなわち、本実施形態の制振器60において、強磁性体で形成されたヨーク12における鉄心部22の突出端部分が、永久磁石62によって構成されている。この永久磁石62は、アルニコやフェライト,希土類磁石等の公知の磁石素材で形成された永久磁石であって、鉄心部22の軸方向両側に両磁極(N極とS極)が設定されている。
【0035】
このような構造とされた制振器60にあっては、コイル18への非通電状態下でも、永久磁石62で生ぜしめられる磁界により、マス金具14に対して、ヨーク12側への磁気吸引力が及ぼされて、マス金具14が、ゴム弾性体16の弾性力に抗して、所定量だけマス金具14側に接近した位置に位置決め保持されることとなるが、コイル18への通電電流を変化させることにより、ヨーク12側に装着された永久磁石62によってマス金具14に及ぼされる磁力が変化せしめられて、マス金具14がヨーク12に対して接近/離隔方向に加振変位せしめられる。それ故、第一の実施形態と同様な効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0036】
また、そこにおいて、特に本実施形態では、コイル18への通電によりヨーク12の先端部に与えられる磁極が、永久磁石62との相互作用により、一方の磁極(図2に示された構造では、N極)側にバイアスされた状態となる。それ故、ゴム弾性体16による弾性力をより有効に利用することが出来ると共に、例えば、永久磁石62の磁極を反転させない程度の磁気強度がコイル18で生ぜしめられるように電流の大きさ(振幅)を調節すれば、コイル18に交番電流を通電した場合でも、交番電流の周波数と同じ周波数で、マス金具14が加振変位せしめられることから、コイル18に給電される交番電流と同じ周波数の加振力を振動部材34に及ぼすことが可能となる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、かかる実施形態に関する具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0038】
例えば、マス金具12やゴム弾性体16等の形状や大きさ等は、防振すべき振動の周波数や大きさ等に応じて適宜に変更されるものであって、決して、限定されるものでない。
【0039】
また、マス金具14を弾性支持するゴム弾性体16に代えて、或いは該ゴム弾性体16に加えて、マス金具14の外周面と取付筒金具40の内周面の径方向対向面間に跨がって、マス金具14と取付筒金具40を径方向に弾性連結する第二のゴム弾性体を設けること等も可能である。そして、このような第二のゴム弾性体を設ければ、マス金具14の軸直角方向へのブレや変位等を一層有利に防止することも出来る。
【0040】
更にまた、マス金具14は、ヨーク12の磁極面(上端面)29に対する対向部分が強磁性材で形成されていれば良く、マス金具14の全体を強磁性体で形成する必要はない。また、第二の実施形態としての制振器60等の如く、ヨーク12側におけるコイル18によって生ぜしめられる磁路上に永久磁石62を配する代わりに、或いはかかる永久磁石62に加えて、マス金具14側に永久磁石を装着し、ヨーク12の磁極面(上端面)29に対向して位置するマス金具14の下端面56に磁極を設定することも可能である。
【0041】
さらに、マス金具14側にコイル等を装着して電磁石手段を設けることも可能である。なお、マス金具14側に電磁石手段を設けた場合には、ヨーク12側に電磁石手段を設ける必要はなく、ヨーク12におけるマス金具14への対向面は、強磁性体や永久磁石等によって構成することが可能である。
【0042】
また、ヨーク12に固着された取付板金具32と、マス金具14を支持する取付筒金具40を、相互に固着することなく別体構造とし、それら取付板金具32と取付筒金具40を、それぞれ、振動部材34における同一箇所若しくは互いに異なる箇所に、独立して取り付けるようにしても良い。
【0043】
更にまた、上述の如き制振器10,60は、マス金具14とゴム弾性体16をマス系およびバネ系とする一振動系を備えていることから、コイル18への非通電状態下において、かかる振動系の共振現象を利用した動的吸振器(ダイナミック・ダンパ)として利用することも、勿論、可能である。
【0044】
さらに、前記実施形態では、マス金具14とヨーク12の間で相互に磁力を及ぼす磁力作用面が、何れも、マス金具14の中心軸の周りに広がる平坦な円形面とされていたが、例えば、図3に示されているように、マス金具14に対向位置して磁力作用面を構成するヨーク12の鉄心部22を十分に大径とすると共に、その軸方向上端面70を、外周部分だけを軸方向上方に向かって突出させることにより、マス金具14の中心軸回りに円環形状をもって広がる平坦なリング形状とすることも可能である。なお、鉄心部22の上端面の中央部分に形成された円形の凹所には、図示されている如く、円形ブロック形状の緩衝ゴム30が嵌め込まれ、マス金具14側に突設されている。また、図4に示されているように、ヨーク12において、それぞれマス金具14に向かって突設された複数本の鉄心部72を、マス金具14の中心軸を中心とした円周上に配設すると共に、それら各鉄心部72にコイル74を装着することにより、マス金具14の中心軸を中心とした円周上において、複数個(例えば、2個、或いはそれ以上)の磁力作用面76を形成するようにしても良い。このような図3又は4に示された構成を採用すれば、部材間の摺動を伴うことなく、マス金具14に及ぼされる磁力の安定性、ひいてはマス金具14の変位安定性を向上させることが可能となるのである。なお、図3及び図4に示された、上述の如き第三および第四の実施形態としての制振器においては、その理解を容易とするために、前記第一の実施形態の制振器と同様な構造とされた部材および部位に対して、各図中、それぞれ、第一の実施形態と同じ符号を付しておく。
【0045】
加えて、本発明は、自動車のボデーやマフラ等の各種部材、或いは自動車以外の各種装置における制振対象において、その振動を低減せしめる制振器に対して、何れも、有利に適用され得る。
【0046】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた能動型制振器においては、電磁石手段と磁気作用部の間に生ぜしめられる磁気的な吸引力や反発力で、マス部材が固定部材に対して接近/離隔方向に相対変位せしめられ、その反力としての加振力が振動部材に及ぼされることから、作動に際しての各部材の相互摺接等が有利に回避され得る。それ故、部材間の摺接等に起因する出力ロスや作動の不安定化等が防止されて、安定した加振力を効率的に得ることが出来、制振効果の向上および安定化と、耐久性の向上が、何れも、有利に達成されるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての加振器を示す縦断面説明図である。
【図2】本発明の第二の実施形態としての加振器を示す縦断面説明図である。
【図3】本発明の第三の実施形態としての加振器を示す縦断面説明図である。
【図4】本発明の第四の実施形態としての加振器を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10,60 制振器
12 ヨーク
14 マス金具
16 ゴム弾性体
18 コイル
34 振動部材[0001]
【Technical field】
The present invention relates to a vibration damper that reduces vibrations in a vibration suppression target, and in particular, includes a mechanism for generating a vibration force, and applies vibration force to a vibration member such as a vibration transmission target or a vibration transmission member to the vibration suppression object. The present invention relates to an active vibration damper that suppresses vibrations in an active or canceling manner.
[0002]
[Background]
As one of means for reducing vibration in a vibration control object in which vibration is a problem such as an automobile body, it is described in, for example, Japanese Patent Laid-Open Nos. 3-292219 and 6-235438. As described above, there has been proposed a vibration damper that actively suppresses vibration by applying an excitation force corresponding to the vibration to be damped to a vibration target such as a vibration transmission member or the vibration transmission member. ing.
[0003]
In such a conventional vibration damper, as described in the above publication, generally, a closed magnetic path composed of permanent magnets is divided to form a magnetic gap, and a coil is accommodated in the magnetic gap. In addition, a voice coil type electromagnetic driving means is employed that relatively displaces the permanent magnet and the coil based on the electromagnetic force or the Lorentz force acting between the magnetic field generated by the permanent magnet and the coil current. Then, either one of the permanent magnet and the coil is fixed to the vibration member, and the other is elastically supported to constitute one vibration system, and the resonance action of the vibration system is used to generate between the permanent magnet and the coil. The reaction force caused by the electromagnetic force to be tightened is efficiently exerted on the vibrating member as an excitation force.
[0004]
However, in such a conventional structure damper, it is necessary to sufficiently narrow the gap between the facing surface of the magnetic gap and the coil in order to increase the magnetic flux density in the coil arrangement region and efficiently obtain the excitation force. Therefore, it is easy for the coil to come into contact with the magnetic gap facing surface during vibration, causing abnormal noise or malfunction due to contact, energy loss, component deterioration, etc., and improving the stability and durability of the operation. There was a problem that it was difficult to secure. In addition, if the number of turns of the coil is increased in order to obtain a large excitation force, the thickness of the coil in the radial direction must be increased, and the distance between the opposing surfaces of the magnetic gap (the size of the magnetic gap) must be increased. As a result, there is a problem that it is difficult to efficiently obtain a large excitation force because a decrease in the magnetic flux density in the coil arrangement region is unavoidable.
[0005]
[Solution]
Here, the present invention has been made in the background as described above, and the problem to be solved is to avoid contact noise between the members without causing abnormal noise or the like. It is an object of the present invention to provide an active vibration damper having a novel structure of a vibration force generation mechanism that can efficiently obtain the vibration force generated and exhibits excellent durability.
[0006]
[Solution]
Here, the present invention has been made in the background as described above, and the feature thereof is (a) a fixing member fixedly attached to the vibration member, and (b) the A mass member that is disposed opposite to the fixed member in one direction; (c) elastic support means for supporting the mass member so as to be elastically displaceable with respect to the vibration member; and (d) a fixed member and a mass. A magnetic action portion that is provided on any one side of the member and exerts a displacement force by the magnetic field; and (e) a magnetic field that is provided on the other side of the fixed member and the mass member and that is exerted on the magnetic action portion. And an electromagnet means for changing the mass, so that the mass member is driven to vibrate in the direction of approaching / separating the fixed member by energizing the electromagnet means. On the other hand, an active vibration damper is provided in which a bracket attached to the vibration member is provided, the fixing member is fixed to the bracket, and the mass member is supported by the bracket via the elastic support means. The elastic support means is formed of a thick-walled annular rubber elastic body, and a support cylinder fitting is vulcanized and bonded to the inner peripheral surface of the rubber elastic body so that the support cylinder fitting is attached to the mass. The mass member is supported by fixing the member with a fixing means. Active vibration damper.
[0007]
In such an active vibration damper having a structure according to the present invention, the magnetic force (magnetic attractive force or repulsive force) applied between the electromagnet means and the magnetic action portion remains as it is. It is exerted on the members as a driving force for displacing both members in the approach / separation direction. Then, when the magnetic field exerted on the magnetic action portion by energization of the electromagnet means, that is, the polarity and magnetic strength is changed, the driving force (relative displacement force) applied between the fixed member and the mass member is changed. Thereby, a relative repetitive displacement force in the opposing direction is exerted on the fixing member and the mass member, and the mass member is elastically supported by the elastic support means to constitute one vibration system. Therefore, based on the resonance characteristics of the vibration system, an excitation force is effectively exerted on the vibration member as a reaction force of the repetitive displacement force between the fixed member and the mass member.
[0008]
Therefore, in such an active vibration damper, the fixing member and the mass member are arranged on the basis of the attraction and repulsion of the magnetic force between the magnetic action portion and the electromagnet means in the fixing member and the mass member that are arranged opposite to each other. Is relatively displaced in the approach / separation direction, so that mutual sliding contact of the members during the operation is avoided. Therefore, output loss and unstable operation caused by sliding contact are avoided, and excellent durability is exhibited.
[0009]
Moreover, in such an active vibration damper, the magnetic force exerted on the magnetic action part is increased by increasing the number of coil windings in the electromagnet means, and the magnetic force exerted between the magnetic action part and the electromagnet means, and thus The relative displacement force exerted between the fixed member and the mass member can be efficiently increased, and thus a large excitation force can be easily obtained.
[0010]
In the present invention, the material and shape of the fixing member and the mass member are not particularly limited, but the fixing member may be a magnetic member even if it is provided with either a magnetic action part or an electromagnet means. It is desirable that at least a portion facing the mass member is formed of a ferromagnetic material or a permanent magnet so that the magnetic force between the action portion and the electromagnet means can be efficiently obtained. In addition, as a mass member, regardless of whether the magnetic action part or the electromagnet means is provided on the mass member, at least facing the fixed member so that the magnetic force between the magnetic action part and the electromagnet means can be efficiently obtained. The part is preferably formed of a ferromagnetic material or a permanent magnet, and a low-priced high specific gravity material such as an iron-based metal is preferably used so as to secure a mass mass with a compact size. Adopted. Furthermore, in the present invention, the magnetic action portion may be formed of a ferromagnetic material or a permanent magnet so that a magnetic force of attraction or repulsion is exerted by the action of the magnetic field exerted by the electromagnet means. In addition, the electromagnet means may adopt, for example, a hollow coil structure. However, in order to obtain an efficient magnetic field, the electromagnet means is inserted and arranged in a coil wound in the circumferential direction and a hollow hole of the coil. It is desirable that the magnetic core is provided with a ferromagnetic material such as an iron core so that a magnetic pole is applied to the axial end surface of the iron core by energizing the coil. Alternatively, as such electromagnet means, a permanent magnet can be disposed in the hollow hole of the coil, and the magnetic field generated by the permanent magnet can be increased or decreased or changed by energizing the coil. Further, in order to obtain a more efficient magnetic force, it is desirable that the magnetic acting portion and the magnetic pole surface of the electromagnet means are directly opposed to each other on the opposed surfaces of the fixed member and the mass member. Further, in the present invention, the elastic support means can be configured by using an elastic member such as a rubber elastic body or a metal spring such as a coil shape or a plate shape alone or in combination. A fluid chamber in which a part of the wall portion is configured and an incompressible fluid is enclosed is formed, and the wall spring elasticity of the fluid chamber and the spring characteristics based on the fluid flow in the fluid chamber are utilized. It is also possible to configure the elastic support means by supporting the mass member so as to be displaceable with respect to the vibration member.
[0011]
Further, in the present invention, the fixing member and the mass member may be independently attached to the vibration member using brackets formed separately, for example, a bracket attached to the vibration member is provided, A structure in which the fixing member is fixed to the bracket and the mass member is supported by the bracket via the elastic support means is preferably employed. If such a bracket is employed, the fixing member and the mass member can be easily attached to the vibration member by one bracket. In addition, since the fixing member and the mass member are integrated by the bracket, there is an advantage that it is easy to transport and stock the vibration damper as a product.
[0012]
The bracket is preferably made of metal with sufficient rigidity, and the specific shape and the like are not limited. For example, a cylindrical portion is provided, and one end in the axial direction of the cylindrical portion is provided. While fixing the fixing member, the other end in the axial direction of the cylindrical portion To go Insert the elastic body, The The outer peripheral edge of the elastic body is fixed to the cylindrical part, and a mass member is accommodated in the hollow interior of the bracket. Go A configuration in which the elastic body is elastically supported by being fixed to a substantially central portion of the elastic body is preferably employed. If such a configuration is adopted, it can be used as a fixed member, mass member, or elastic support means in a compact size. The Go If space for the elastic body is advantageously secured, To The volume of the elastic body can be advantageously ensured. In addition, since the displacement region of the mass member is covered with the bracket, entry of foreign matter, interference with other members, and the like are advantageously avoided. Ma Go The elastic body is mainly shear-deformed in the approach / separation direction of the mass member with respect to the fixed member, but is compressed / tensile in the displacement direction of the mass member perpendicular to the mass member, so that the spring characteristics can be easily tuned. At the same time, unstable displacement such as blurring of the mass member can be suppressed, and the operation can be further stabilized.
[0013]
Further, in the active vibration damper constructed according to the present invention, a stopper means for bufferingly preventing the mass member and the fixing member from abutting is provided on at least one side of the facing surface of the mass member and the fixing member. It is desirable to provide it. If such a stopper means is adopted, contact and adsorption by the magnetic force between the mass member and the fixed member can be effectively prevented, thereby generating abnormal noise and damage to the member due to contact between both members. Etc. are advantageously avoided. The stopper means, for example, is provided with a shock absorbing rubber that extends continuously or discontinuously in an annular shape on the facing surface of the mass member or the fixing member and protrudes in the facing direction and is compressed and deformed by contact. Etc. may be advantageously configured.
[0014]
Further, in the active vibration damper having the structure according to the present invention, for example, at least one of the opposing surfaces of the fixed member and the mass member is configured by a magnetic action part or an electromagnet means to mutually generate magnetic force. The magnetic force acting surface exerted is a ring shape spreading around the central axis extending in the displacement direction of the mass member, or a configuration in which a plurality of magnetically acting surfaces are set so as to be independently positioned around the central axis extending in the displacement direction of the mass member, etc. Can also be advantageously employed. By adopting such a ring-shaped magnetic force acting surface or a plurality of magnetic force acting surfaces, it becomes possible to stabilize the displacement of the mass member while avoiding sliding contact between the members.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, in order to clarify the present invention more specifically, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0016]
First, FIG. 1 shows a
[0017]
More specifically, the
[0018]
Further, the
[0019]
Further, a mounting plate fitting 32 is superimposed on the lower end surface of the
[0020]
Further, a large-diameter cylindrical mounting tube fitting 40 is externally attached to the caulking fitting 26 fixed to the
[0021]
The rubber
[0022]
Further, the mass metal fitting 14 is accommodated and disposed in the hollow interior of the mounting tube fitting 40 between the opposing surfaces of the
[0023]
The mass metal fitting 14 is formed of a ferromagnetic material such as iron and has a circular block shape. The mass metal fitting 14 is disposed on the substantially same center axis as the attachment cylinder fitting 40 inside the hollow inside of the
[0024]
Thereby, the mass metal fitting 14 is allowed to reciprocate in the axial direction based on the elastic deformation of the rubber
[0025]
In the
[0026]
When the
[0027]
Therefore, if the energizing current of the
[0028]
Therefore, by supplying a current corresponding to the vibration to be vibration-isolated of the
[0029]
In this embodiment, the magnetic attraction force is exerted on the mass fitting 14 regardless of whether the magnetic pole on the
[0030]
Here, in the
[0031]
In the present embodiment, the mass metal fitting 14 is disposed between the opposing surfaces of the
[0032]
In addition, in this embodiment, since the displacement region of the mass metal fitting 14 including the space between the magnetic force acting surfaces of the
[0033]
Next, FIG. 2 shows a
[0034]
That is, in the
[0035]
In the
[0036]
Further, in this embodiment, in particular, in the present embodiment, the magnetic pole given to the tip of the
[0037]
As mentioned above, although embodiment of this invention was explained in full detail, these are literal illustrations, Comprising: This invention is not limited at all by the specific description regarding this embodiment.
[0038]
For example, the shape, size, and the like of the
[0039]
Further, instead of or in addition to the rubber
[0040]
Furthermore, the
[0041]
Furthermore, an electromagnet means can be provided by attaching a coil or the like on the mass metal fitting 14 side. When the electromagnet means is provided on the mass metal fitting 14 side, it is not necessary to provide electromagnet means on the
[0042]
Further, the mounting plate metal fitting 32 fixed to the
[0043]
Furthermore, since the
[0044]
Furthermore, in the said embodiment, although the magnetic force action surface which exerts a mutual magnetic force between the
[0045]
In addition, the present invention can be advantageously applied to a vibration damper that reduces vibrations in various members such as a body and a muffler of an automobile, or a vibration suppression target in various apparatuses other than the automobile.
[0046]
In addition, although not listed one by one, the present invention can be implemented in a mode with various changes, modifications, improvements, and the like based on the knowledge of those skilled in the art. It goes without saying that all are included in the scope of the present invention without departing from the spirit of the invention.
[0047]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, in the active vibration damper structured according to the present invention, the mass member is fixed by the magnetic attractive force or repulsive force generated between the electromagnet means and the magnetic action portion. Since the member is relatively displaced in the approach / separation direction with respect to the member and the vibration force as the reaction force is exerted on the vibration member, mutual sliding contact of the members at the time of operation can be advantageously avoided. Therefore, output loss and unstable operation caused by sliding contact between members can be prevented, stable excitation force can be obtained efficiently, and the damping effect can be improved and stabilized. Any improvement in durability is advantageously achieved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal cross-sectional explanatory view showing a vibrator according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal cross-sectional explanatory view showing a vibrator according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a longitudinal sectional view showing a vibration exciter according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a longitudinal sectional explanatory view showing a vibration exciter as a fourth embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10,60 vibration absorber
12 York
14 Mass bracket
16 Rubber elastic body
18 coils
34 Vibration member
Claims (4)
前記弾性支持手段を厚肉円環板形状のゴム弾性体にて構成すると共に、該ゴム弾性体の内周面に支持筒金具を加硫接着せしめて、該支持筒金具を前記マス部材に固定手段にて固定せしめることにより、該マス部材が支持されるようにしたことを特徴とする能動型制振器。 A fixing member which is fixedly secured with respect to the vibration member, and the mass member which are opposed spaced apart in one direction relative to the stationary member, elastically displaceable manner the mass member with respect to the vibrating member and an elastic support means allowed to support, the other one of the previous SL provided on either side of the fixing member and the mass member, and a magnetic action unit displacement force is exerted by the magnetic field, before Symbol fixing member and the mass member provided on the side of the saw including an electromagnet means for varying the magnetic field exerted on the magnetic action part, allowed to vibrate drive the mass member by energizing the electromagnet means to close / separation direction of the said fixed member while manner, provided a bracket attached to said vibration member, thereby securing said fixing member relative to the bracket by the bracket via the elastic supporting means, said mass member In the lifting allowed the active vibration damper,
The elastic support means is composed of a thick ring-plate shaped rubber elastic body, and a support cylinder fitting is vulcanized and bonded to the inner peripheral surface of the rubber elastic body to fix the support cylinder fitting to the mass member. An active vibration damper , wherein the mass member is supported by being fixed by means .
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