JP3732596B2 - たばこの茎を脱硝する方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たばこの茎材料(stem material)を脱硝する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たばこの茎材料を加工する場合、たばこの茎材料を喫煙可能な製品に加工する前に、例えば硝酸塩などの、たばこの茎材料に含まれる望まれない可溶性材料を除去することが望ましい。
【0003】
通常、たばこの茎材料に水または蒸気を数段階に分けて吹き付け、吹き付け処理の個々の段階の間に、たばこの茎材料を一旦保管する。その後、たばこの茎材料を細かく切断し、必要に応じて味付けをし、乾燥させる。
【0004】
この方法の欠点は、たばこの茎材料の処理に時間がかかることである。
【0005】
独国特許発明明細書第3419655号に、あるグレードのたばこから可溶性成分を抽出することにより、硝酸塩の含有量が減少したたばこ製品を製造する方法が記載されている。この方法によると、まずたばこを周知の方法によって溶媒と接触させることにより、スラリーを生成する。その後、溶媒の大部分を溶解した成分と共にスラリーから除去することにより、たばこ中の溶媒を飽和状態に保つ。その後、溶解した成分を溶媒から分離し、溶媒の少なくとも一部分を戻すことにより、更なるたばこ溶媒スラリーを生成する。この方法は、大気中の条件下で実施される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、速やかに且つ安価にたばこの茎材料の脱硝を行う方法および装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による、たばこの茎材料を脱硝する方法は、
a)該たばこの茎材料をハウジング内部に導入する工程と、
b)該たばこの茎材料を溶媒に接触させる工程と、
c)該たばこの茎材料を該ハウジングから取り出す工程と、
を含む方法であって、
d)該ハウジングの内部が加圧され、
e)該たばこの茎材料が、フィーダスクリューによって、該ハウジング内の該溶媒と気相の浴を通過するように案内され、これにより上記目的が達成される。
【0008】
好適な実施態様においては、前記溶媒として水が用いられる。
【0009】
好適な実施態様においては、前記ハウジング内で、約100°C〜130°C、好適には約118°Cの温度が維持される。
【0010】
好適な実施態様においては、バーリーたばこの茎材料が処理される。
【0011】
好適な実施態様においては、前記たばこの茎材料および/または前記溶媒の連続的流れが採用される。
【0012】
好適な実施態様においては、前記溶媒が、連続的に交換される。
【0013】
好適な実施態様においては、前記ハウジング内の前記溶媒が、液相と気相とからなる。
【0014】
好適な実施態様においては、前記溶媒の前記気相が、前記ハウジングに供給される。
【0015】
好適な実施態様においては、前記たばこの茎材料が前記溶媒浴中に存在する時間が、特に供給速度を調整することにより設定される。
【0016】
好適な実施態様においては、前記たばこの茎材料の質量が、キログラムを単位とする前記溶媒の質量に対する、キログラムを単位とする乾燥たばこの質量の割合が約0.5〜0.031、特に0.25となるように設定される。
【0017】
好適な実施態様においては、前記たばこの茎材料が、溶媒によるさらなる処理、特に溶媒シャワーに供される。
【0018】
好適な実施態様においては、前記ハウジング内で、約1.5バール〜約3.0バール、特に約1.9バールの絶対圧力が維持される。
【0019】
本発明による、たばこの茎材料を脱硝する装置は、
a)細長い略円筒形状の耐圧ハウジングと、
b)該ハウジング内に配置された回転可能なフィーダスクリューと、
c)該たばこの茎材料と共に液体および/または気体状溶媒を供給および/または排出するための、該ハウジングの耐圧ロックまたはノズルと
を有し、
d)該ハウジングの長手方向軸が、水平方向に対して約5度〜20度、特に約10度の角度(α)で傾斜して、該ハウジングの底部領域において溶媒浴が存在するようになっており、これにより上記目的が達成される。
【0020】
以下、作用について説明する。
【0021】
本発明の方法によると、以下の効果がある。溶媒の圧力が通常の大気圧よりも高いレベルに上がった状態で、たばこの茎材料が連続的に導入され溶媒浴に混合されると、たばこの茎材料が速やかに脱硝されて硝酸塩が溶媒中に取り込まれる。脱硝率は1分〜6分の間に80%にも上る。
【0022】
本発明の方法の別の利点は、複数のパラメータを設定することができ、適切なパラメータ表示がなされると、たばこの茎材料から除去された硝酸塩の量が比較的正確に判明するということである。
【0023】
本発明の方法の更なる利点は、この処理によると、たばこの茎材料は速やかに、すなわち1分〜6分以内に水分を与えられ、選択される方法の条件によっては、必要な切断水分量をすぐに得ることができることである。または、必要な切断水分量を、塵を出すことなく次の処理で設定することができ、その結果材料が大幅に節約できる。
【0024】
水分を与えられたたばこの茎材料、例えばバーリーたばこの茎材料は、約70重量%の水分含有率を有し、乾燥材料、例えばヴァージニアなどの他のグレードのたばこからも採取し得るたばこの茎材料と混合され得る。それにより、混合割合が適切に選択されると、少なくとも15時間の保存期間後に得られる混合物全体が約28%〜42%の範囲の望ましい最終水分含有率を有し、切断され得る。従って、例えばヴァージニアたばこの茎材料などの追加のたばこの茎材料が水分の追加を必要とせず、その結果このような切断可能混合物の製造価格が減少されるという利点がある。
【0025】
さらなる利点は、水分を含むたばこの茎材料は圧力下且つそれに対応して高い温度下において、これまでの水分添加方法により処理されたたばこの茎材料よりも長くもつことである。
【0026】
好適には、溶媒として水が用いられる。なぜなら、これは比較的安価であり、且つ脱硝に非常に適しているからである。
【0027】
本発明の方法を高温下で用いることが特に好適である。なぜなら、その結果この方法の効率がさらに向上するからである。
【0028】
特に好適な実施態様において、たばこの茎材料、および好適には溶媒が連続的に流れ、作用工程が連続するようになっている。溶媒が連続的に置換されることにより、たばこの茎材料から抽出された多量の硝酸塩が溶媒中に現れるということが回避され得る。硝酸塩が溶媒中に現れると、たばこの茎材料の脱硝が損なわれてしまう。従って、このことは、溶媒を通過するたばこの茎材料は一定の条件下で連続的に処理され、たばこの茎材料がその後、既に通過したたばこの茎材料から抽出された高濃度の硝酸塩が存在する溶媒を通過するようなことがないようになっている。高濃度の硝酸塩が存在する溶媒をたばこの茎材料が通過すると、望まれる脱硝効果が大幅に減少し、その結果この方法の効率が低下してしまう。
【0029】
溶媒の質量に対する乾燥たばこの茎材料の質量の割合は、0.25%が最も好適である。
【0030】
好適には、溶媒は浴内の液相として存在する。溶媒の気相は、抽出器内の過剰圧力およびそれによる過剰温度を設定するのに役立つ。その結果、脱硝は最適化されて加速される。従って、溶媒浴のレベルが一定に維持されることが特に重要である。なぜなら、溶媒は水分を含む茎材料によって排出されるからである。
【0031】
ハウジング内で起こる脱硝は、例えば2段階で行われる。溶媒浴中に存在するたばこの茎材料が第1の除去工程を通過し、連続的に混合されながら、ハウジング内の、更なる溶媒が供給される領域に到達する。更なる溶媒は、特にノズルを介して供給され、これにより第2の除去工程において、たばこの茎材料の表面の溶媒が新鮮な溶媒に置換される。
【0032】
除去工程の間、特に高温および過剰圧力下で、気相溶媒を連続的に追加することが特に好適である。これにより、温度のみならず、溶媒の液相中に存在する圧力および、それによりハウジング内の条件を正確に設定することができる。
【0033】
好適には、フィーダスクリューの回転速度は可変である。なぜなら、これによりたばこの茎材料がハウジング内に存在する時間が確立されるからである。存在時間は通常、約1分〜6分である。同様に、存在時間はフィーダスクリューの形状、例えばリード、ピッチ、または長さに応じて設定され得る。
【0034】
更なる利点は、ハウジングに導入されるたばこの茎材料の質量が、正確に決定された量のたばこの茎材料が除去されるように、設定され得ることである。
【0035】
この方法の一変形例において、第1の点においてハウジングから連続的に取り出された溶媒は、第2の点において戻される。これにより、様々な段階、例えば、ハウジングから取り出された溶媒を凝縮するために更なる溶媒を追加する段階、液相と気相との混合物を生成する段階、を通過する。しかし好適には、溶媒の追加は、硝酸塩を含む溶媒ではなく、新鮮な溶媒で行われる。
【0036】
好適には、本発明の方法は、約1.5バール〜約3.0バール、特に約1.9バールの絶対圧力下で実施される。従って、方法の実施中、約0.5バール〜2.0バール、特に約0.9バールの過剰圧力がハウジング内に存在する。
【0037】
本発明の方法を実施するための装置は、内部にフィーダスクリューを含む細長い略円筒形状のハウジングを有し、耐圧構造を有する。更に、溶媒および/またはたばこの茎材料の連続的供給および排出を可能にする、耐圧ロックおよび/またはノズルが設けられる。ハウジングの長手方向軸は、水平方向に対して、好適には5度〜20度、特に10度の角度で傾斜している。なぜなら、この傾斜角度により、好適には長手方向にハイジング内を通過するたばこの茎材料とハウジングの下端に集まる浴内の溶媒とが、よりよく混合するからである。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1に示し、概して参照符号1で示す圧力調整スクリューは、細長い円筒形状のハウジング9を含む。耐圧構造を有するハウジング9は、耐圧ロック3および4により両端で外圧から遮断されている。ハウジング9内には、約0.9バールの過剰気圧が存在する。圧力調整スクリュー1の長手方向軸は、水平方向に対して約10度の角度で傾斜している。
【0039】
圧力調整スクリュー1の内部には、フィーダスクリュー2が中央に配置され、その中央線8回りに回転可能である。中央線8は圧力調整スクリュー1の中央線でもある。ハウジング9は、蒸気ノズル6を含み、これを介して圧力調整スクリュー1の内部に蒸気が与えられる。圧力調整スクリュー1の長手方向全体に水ノズル7が分布し、これを介して圧力調整スクリュー1の内部に水が導入される。圧力調整スクリュー1の下端において、水浴12が、水の供給および排出により規定される一定のレベルで動作中に集まる。圧力調整スクリュー1の内部空間の残りの部分においては、水浴12上部に蒸気13が存在する。
【0040】
硝酸塩を多量に含むバーリーたばこの茎材料Rは、容量メータユニット5から圧力調整スクリュー1の耐圧ロック3を介してハウジング9の内部に到達する。茎材料Rは、フィーダスクリュー2が圧力調整スクリュー1の上端方向に連続回転することにより、上記内部に案内される。この構成によると、茎材料Rはまず水浴12を通過し、その後、蒸気13が充満した圧力調整スクリュー1の内部領域を通過する。硝酸塩を多量に含む茎材料Rがまず水浴12を通過し、その後、蒸気13が充満したハウジング9の内部領域を通過するとき、茎材料Rに水分が与えられ、茎材料Rに含まれる硝酸が溶媒としての水12の補助により茎材料Rから溶解して、溶媒中に入り込む。溶媒浴12を通過した後、硝酸塩の含有量が減少した茎材料は、茎材料の表面の溶媒に取って換わるようにノズル14から導入される新鮮な溶媒により水洗される。硝酸塩の含有量が減少した、既に水分を与えられた茎材料R’は、圧力調整スクリュー1の上端において、耐圧ロック4を介して圧力調整スクリュー1から取り出され、それにより、硝酸塩の含有量が減少した処理済みの茎材料R’が、この時点で水分含有率約70%を有する状態で、更なる処理が可能となる。更なる処理としては、特に例えば乾燥した茎材料などの乾燥たばこ材料との混合が可能である。
【0041】
圧力調整スクリュー1の水浴12の領域に出口10が設けられ、これを介して、蒸気13と水12とからなる二相混合溶媒が、圧力調整スクリュー1の内部から導管E1を介して取り出される。導管E1中を移送される二相混合物は、蒸気トラップ11に到達する。蒸気トラップ11から導管E2を介して、凝縮物が排出される。
【0042】
この方法の全工程は、約100°C〜約130°Cの範囲の高温、特に約118°Cで実施され、その結果、たばこの茎材料R,R’の寿命が延びる。
【0043】
たばこの茎材料Rがハウジング9内、特に水浴12内に存在する時間は調整してもよいし、規定してもよい。たばこの茎材料がハウジング9内で処理される時間は、通常1分〜6分の範囲である。上記存在時間の正確な設定は、特にフィーダスクリュー2の回転速度を規定することにより達成される。
【0044】
この方法のさらなる実質的パラメータは、圧力調整スクリュー1に供給されるたばこの茎材料Rの量および供給される水浴12の容量である。この場合、新鮮な水の供給量と硝酸塩を含む水の置換量を考慮する必要がある。
【0045】
水の質量(キログラム)に対する乾燥たばこの質量(キログラム)の割合は、約0.5〜約0.031の範囲でなければならず、好適には約0.25である。
【0046】
この方法を逆方向状態で実施することも可能である。すなわち、たばこの茎材料R,R’が流れる方向と溶媒が流れる方向とを互いに反対にし、例えばこの方法の第1の流れ(溶媒またはたばこの茎材料R’)が、第2の流れ(たばこの茎材料Rまたは溶媒)に対して反対に、上部から底部に案内されるようにしてもよい。
【0047】
図2は、たばこの茎材料R’中の硝酸塩含有率が、本発明による装置内でたばこの茎材料R’が処理される時間にどのように依存しているかを示す。供給された茎材料Rは約5.25%の硝酸塩含有率を有していた。圧力調整スクリュー1内の絶対圧力は、温度118°Cに対して1.9バールであった。乾燥たばこの茎の質量は45kg/時間に設定された。
【0048】
240秒の処理時間後に、たばこの茎材料R、R’の硝酸塩含有率を既に50%を越えて、すなわち約2.4%にまで減少できたことが理解される。さらなる向上も可能であるが、存在時間が非常に長くなる。
【0049】
【発明の効果】
本発明の、たばこの茎材料を脱硝する方法および装置によると、短時間でたばこの茎材料中の硝酸塩含有率を大幅に減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法による材料の流れを、圧力調整スクリューの模式図とともに示す図である。
【図2】処理済みのたばこの茎材料中の硝酸塩含有率が、本発明の装置内における処理時間に依存する様子を例示する図である。
【符号の説明】
1 圧力調整スクリュー
2 フィーダスクリュー
3 耐圧ロック
4 耐圧ロック
6 蒸気ノズル
9 ハウジング
12 水浴
Claims (13)
- たばこの茎材料を脱硝する方法であって、
a)該たばこの茎材料をハウジング内部に導入する工程と、
b)該たばこの茎材料を溶媒に接触させる工程と、
c)該たばこの茎材料を該ハウジングから取り出す工程と、
を含む方法であって、
d)該ハウジングの内部が加圧され、
e)該たばこの茎材料が、フィーダスクリューによって、該ハウジング内の該溶媒と気相の浴を通過するように案内される、方法。 - 前記溶媒として水が用いられる、請求項1に記載の方法。
- 前記ハウジング内で、約100°C〜130°C、好適には約118°Cの温度が維持される、請求項1に記載の方法。
- バーリーたばこの茎材料が処理される、請求項1に記載の方法。
- 前記たばこの茎材料および/または前記溶媒の連続的流れが採用される、請求項1に記載の方法。
- 前記溶媒が、連続的に交換される、請求項1に記載の方法。
- 前記ハウジング内の前記溶媒が、液相と気相とからなる、請求項1に記載の方法。
- 前記溶媒の前記気相が、前記ハウジングに供給される、請求項1に記載の方法。
- 前記たばこの茎材料が前記溶媒浴中に存在する時間が、特に供給速度を調整することにより設定される、請求項1に記載の方法。
- 前記たばこの茎材料の質量が、キログラムを単位とする前記溶媒の質量に対する、キログラムを単位とする乾燥たばこの質量の割合が約0.5〜0.031、特に0.25となるように設定される、請求項1に記載の方法。
- 前記たばこの茎材料が、溶媒によるさらなる処理、特に溶媒シャワーに供される、請求項1に記載の方法。
- 前記ハウジング内で、約1.5バール〜約3.0バール、特に約1.9バールの絶対圧力が維持される、請求項1に記載の方法。
- たばこの茎材料を脱硝する装置であって、
a)細長い略円筒形状の耐圧ハウジングと、
b)該ハウジング内に配置された回転可能なフィーダスクリューと、
c)該たばこの茎材料と共に液体および/または気体状溶媒を供給および/または排出するための、該ハウジングの耐圧ロックまたはノズルと
を有し、
d)該ハウジングの長手方向軸が、水平方向に対して約5度〜20度、特に約10度の角度(α)で傾斜して、該ハウジングの底部領域において溶媒浴が存在するようになっている、装置。
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JP26494296A JP3732596B2 (ja) | 1996-10-04 | 1996-10-04 | たばこの茎を脱硝する方法および装置 |
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JPH10113158A JPH10113158A (ja) | 1998-05-06 |
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1996
- 1996-10-04 JP JP26494296A patent/JP3732596B2/ja not_active Expired - Fee Related
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