JP3732449B2

JP3732449B2 - Toothed belt and method of bonding rubber and fiber

Info

Publication number: JP3732449B2
Application number: JP2002052443A
Authority: JP
Inventors: 望重光; 昭彦本▲崎▼; 新長谷川
Original assignee: Mitsuboshi Belting Ltd
Current assignee: Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date: 2002-02-27
Filing date: 2002-02-27
Publication date: 2006-01-05
Anticipated expiration: 2022-02-27
Also published as: JP2003254391A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はエチレン・α−オレフィンゴムと他のゴムとのブレンドゴムからなるベルト本体を有する歯付ベルトに係り、詳しくはベルト本体と歯布の接着を改善した歯付ベルトに関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、ＯＡ機器やその他いろいろな用途においてオゾンによるゴムの劣化が発生し、従来の天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどから構成されているベルトではオゾン雰囲気下で劣化したゴムが早期にクラックを生じるという問題が発生している。
【０００３】
このようなベルトの早期破壊現象に対し、従来からゴムの耐オゾン性の改善が検討されてきたが、これに代わり最近ではエチレン−プロピレン系ゴム（ＥＰＲ）あるいはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム（ＥＰＤＭ）等のエチレン・α−オレフィンゴムが優れた耐オゾン性、耐熱性、耐寒性を有しているとともに比較的に安価なポリマーであり、ベルトへの使用も検討されつつあり、例えば特開平６−３４５９４８号公報に開示されている。
【０００４】
また、クロロプレンなどのハロゲンを含んだゴムはダイオキシンの発生につながることからハロゲンを含まない、廃棄しても環境に害を及ぼすことのないゴムで製造されたベルトが求められており、ＥＰＤＭをはじめとするエチレン・α−オレフィンゴムからなるベルトが有望視されている。
【０００５】
しかしながら、エチレン−プロピレン系ゴムをはじめとするエチレン・α−オレフィンゴムは引き裂き力が低く、パーオキサイド架橋系を用いると、更に引き裂き力が低下するという問題があった。一方、硫黄架橋系を用いたものは、加硫度を十分に上げるのが困難であるため、走行時に摩耗が多くなるという問題になっていた。また、加硫度を上げるために、分子内の二重結合量の極めて多いＥＰＤＭを用いると、粘着摩耗はある程度改善できるが、耐熱性が低下するという不具合が発生した。
【０００６】
また、引き裂き力が弱いということと併せてエチレン・α−オレフィンゴムの接着性は低く、特に繊維との接着性に関しては問題となっている。具体的には、繊維材料をレゾルシン−ホルマリン−スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックスとを含有するディップ液に浸漬処理した後、ＥＰＤＭゴム組成物と加硫接着する方法（特開平８−１１３６５７号公報）、またレゾルシン−ホルマリン−ゴムラテックス接着液で接着処理した繊維材料と、メチレン供与体、メチレン受容体及び珪酸化合物と配合したＥＰＤＭゴム組成物と加硫接着する方法（特開平８−１１３６５６号公報）などが試みられてきた。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、レゾルシン−ホルマリン−スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテックスを含有するディップ液で処理する場合には、接着力が改善されても、これを伝動ベルトの心線のような繰り返し屈曲疲労をうける部位に使用した場合には、心線と接着ゴム層とが早期に剥離することがあった。
【０００８】
更に、メチレン供与体、メチレン受容体及び珪酸化合物と配合したＥＰＤＭゴム組成物を使用した場合でも、同様に繰り返し屈曲疲労をうける部位に使用すると、心線と接着ゴム層とが早期に剥離することがあった。
【０００９】
また、エチレン・α−オレフィンゴムとその他のゴムとのブレンドゴムと繊維との接着ということについてはなんら記載されておらず、ブレンドゴムの場合はブレンドゴムであるということを利用した、より接着力の高い接着方法の開発が期待されるものである。
【００１０】
本発明は、これらの点を考慮し、エチレン・α−オレフィンゴムのブレンドゴムと歯付ベルトの歯布を強固に接着した歯付ベルト、また前記の歯布となる帆布や心線となる繊維コードような繊維とを良好に接着することができるエチレン・α−オレフィンゴム組成物と繊維との接着方法の提供を目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
即ち、本願請求項１記載の発明は、長さ方向に沿って配置した複数の歯部と、心線を埋没した背部からなるベルト本体とを有し、歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトであって、少なくとも歯部がエチレン・α−オレフィンゴムとブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムのブレンドゴムにて構成してなる歯付ベルトにおいて、歯布にはベルト本体を構成するブレンドゴムのうちエチレン・α−オレフィンゴムは用いずブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムからなる接着ゴムを付着させベルト本体と密着加硫せしめたことを特徴とする。
【００１２】
このように接着性を阻害するエチレン・α−オレフィンゴムを配合せずに、それ以外のゴムを歯布に付着させることによって、歯布とベルト本体との間の接着力は向上し、ベルトとしても十分に耐えうるものを得ることができる。また、エチレン・α−オレフィンゴムにブレンドするゴムとしてブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムを用いることによってエチレン・α−オレフィンゴムに不足する接着性を持たせることができるとともに、ブタジエンゴムの持つ耐摩耗性を付与することができ、更にスチレン・ブタジエンゴムによりゴムがブレンドしたものがよく混ざり合って加工性をよくすることができる。
【００１５】
請求項２では、ブレンドゴムはエチレン・α−オレフィンゴム１００質量部に対して、ブタジエンゴムが５０〜１００質量部、スチレン・ブタジエンゴムが５０〜１００質量部である歯付ベルトとしている。
【００１６】
このような範囲でブタジエンゴムと、スチレン・ブタジエンゴムを配合することによってより、耐寒性、耐熱性、耐オゾン性、耐摩耗性、そして接着性、加工性といった性質をバランスよく持たせることができるものである。
【００１７】
請求項３では歯布はＲＦＬ処理液で処理した後に接着ゴムを付着させる歯付ベルトとしている。
【００１８】
接着ゴムを付着させる前に歯布をＲＦＬ処理液にて処理することによって、接着ゴムと歯布との間の接着を強固にすることができ、剥離などの問題を防止することができる。
【００１９】
請求項４では、エチレン・α−オレフィンゴムとブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムのブレンドゴムと繊維との接着方法において、繊維には前記ブレンドゴムを構成するゴムのうちエチレン・α−オレフィンゴムは用いずブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムからなる接着ゴムを付着させ前記ブレンドゴムと密着加硫せしめることを特徴とする。
【００２０】
このように接着性を阻害するエチレン・α−オレフィンゴムを配合せずに、それ以外のゴムを接着ゴムとして繊維に付着させることによって、ゴムと繊維との間の接着力は向上し、ベルトとしても十分に耐えうるものを得ることができる。また、エチレン・α−オレフィンゴムにブレンドするゴムとしてブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムを用いることによってエチレン・α−オレフィンゴムに不足する接着性を持たせることができるとともに、ブタジエンゴムの持つ耐摩耗性を付与することができ、更にスチレン・ブタジエンゴムによりゴムがブレンドしたものがよく混ざり合って加工性をよくすることができる。
【００２３】
請求項５では、ブレンドゴムはエチレン・α−オレフィンゴム１００質量部に対して、ブタジエンゴムが５０〜１００質量部、スチレン・ブタジエンゴムが５０〜１００質量部であるゴムと繊維との接着方法としている。
【００２４】
このような範囲でブタジエンゴムと、スチレン・ブタジエンゴムを配合することによってより、耐寒性、耐熱性、耐オゾン性、耐摩耗性、そして接着性、加工性といった性質をバランスよく持たせることができるものである。
【００２５】
請求項６では、接着する繊維をＲＦＬ処理液で処理した後に接着ゴムを付着させるゴムと繊維との接着方法としている。
【００２６】
接着ゴムを付着させる前に歯布をＲＦＬ処理液にて処理することによって、接着ゴムと歯布との間の接着を強固にすることができ、剥離などの問題を防止することができる。
【００２７】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明に係る歯付ベルトの斜視図であり、図２は本発明に係る歯付ベルトの正面図である。歯付ベルト１はベルト長手方向（図中矢印）に沿って複数の歯部２と、ガラス繊維コードあるいはアラミド繊維コードからなる心線３を埋設した背部４からなるベルト本体を有し、前記ベルト本体の歯部２の表面には歯布５が貼着されている。
【００２８】
上記歯部２及び背部４に使用されるゴム組成物としては、エチレン・α−オレフィンゴムとその他の種類ゴムからなる相手ゴムを混ぜ合わせたブレンドゴムが用いられている。そして歯布にはブレンドゴムからエチレン・α−オレフィンゴム以外の相手ゴムからなる接着ゴム６が付着されており、そうすることによって歯布５は歯付ベルト１の歯部２の表面に強固に接着することができる。歯付ベルト１の歯部表面に歯布５を接着する形態を挙げて説明しているが、本発明はそれ以外の形態におけるエチレン・α−オレフィンゴムのブレンドゴムと繊維との接着において適用することもできる。
【００２９】
本発明で使用するエチレン・α−オレフィンゴムとしては、エチレンとα−オレフィン（プロピレン、ブテン、ヘキセン、あるいはオクテン）の共重合体、あるいは、エチレンと上記α−オレフィンと非共役ジエンの共重合体であり、具体的にはエチレン−プロピレンゴム（ＥＰＭ）やエチレン−プロピレン−ジエンターポリマー（ＥＰＤＭ）からなるゴムをいう。上記ジエン成分としては、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、１，４−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネンなどの炭素原子数５〜１５の非共役ジエンが挙げられる。
【００３０】
上記ゴムの架橋には、硫黄や有機過酸化物が使用される。有機過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサイド、ジ−ｔ−ブチルパーオキサイド、ｔ−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、１，３−ビス（ｔ−ブチルパーオキシイソプロピル）ベンゼン、２，５−ジメチル−２，５−ジ（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキシン−３、２，５−ジメチル−２，５−（ベンゾイルパーオキシ）ヘキサン、２，５−ジメチル−２，５−モノ（ｔ−ブチルパーオキシ）ヘキサン等を挙げることができる。この有機過酸化物は、単独もしくは混合物として、通常エチレン・α−オレフィンゴム１００ｇに対して０．００５〜０．０２モルｇの範囲で使用される。
【００３１】
また、架橋助剤（ｃｏ−ａｇｅｎｔ）を配合することによって、架橋度を上げて粘着摩耗等の問題を防止することができる。架橋助剤として挙げられるものとしては、ＴＩＡＣ、ＴＡＣ、１，２ポリブタジエン、不飽和カルボン酸の金属塩、オキシム類、グアニジン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、Ｎ−Ｎ‘−ｍ−フェニレンビスマレイミド、硫黄など通常パーオキサイド架橋に用いるものである。
【００３２】
そして、それ以外に必要に応じてカーボンブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合物に使用されるものが使用される。
【００３３】
また、以上のエチレン・α−オレフィンゴムにブレンドする相手ゴムとしてはブタジエンゴム（ＢＲ）とスチレン・ブタジエンゴム（ＳＢＲ）を挙げることができる。これらのゴムをブレンドすることによって、繊維との間の接着を向上させることができる。
【００３４】
以上のようなゴムはエチレン・α−オレフィンゴム１００質量部に対してそれぞれ５０〜１００質量部の範囲で配合することができる。５０質量部未満であると接着力が不足することになり、１００質量部を超えるとエチレン・α−オレフィンゴムの長所である耐候性や耐オゾン性といった性能が不十分になるので好ましくない。
【００３６】
更にブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴムを配合することが、繊維との接着性に関してはより高いものを得られるとともに、ブタジエンゴムによって耐摩耗性を付与することができ、スチレン・ブタジエンゴムを配合することによってブレンド性をよくすることができ加工性を向上させることができる。
【００３７】
ブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムのそれぞれの配合量はエチレン・α−オレフィンゴム１００質量部に対して５０〜１００質量部であり、ブタジエンゴムの配合量が５０質量部未満であると接着性が不足するとともに耐摩耗性を向上させる効果が薄く、スチレン・ブタジエンゴムの配合量が５０質量部未満であるとやはり接着性の向上が少なくなるとともにブレンドゴムの混ざりが悪くなって加工性を悪くするので好ましくない。またそれぞれ１００質量部を超えて配合するとエチレン・α−オレフィンゴムの占める割合が少なくなって耐候性や耐オゾン性といった性能が不十分になるので好ましくない。
【００３８】
本発明で歯布をはじめとする繊維として使用するものとしては、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維（ＰＥＴ繊維）、ポリエチレンナフタレート繊維（ＰＥＮ繊維）のようなポリエステル繊維の素材が挙げられる。
【００３９】
歯付ベルトの歯部表面を被覆する歯布としては、平織物、綾織物、朱子織物などからなる帆布である。これらの織物のベルト長手方向に配置される緯糸としては、例えば少なくとも０．３〜１．２デニールのパラ系アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸をベルト長手方向の緯糸全量の２０〜８０重量％含んだものが好ましい。
【００４０】
即ち、緯糸は少なくともパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸を含んだ糸であり、このパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸にメタ系アラミド繊維からなる糸とを含めることができる。具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、メタ系アラミド繊維からなる紡績糸、そしてウレタン弾性糸の３種の糸を合撚したものである。
【００４１】
また、他の具体的な緯糸の構成は、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸、脂肪族繊維糸（６ナイロン、６６ナイロン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等）、そしてウレタン弾性糸の３種の糸を合撚したものであってもよい。
【００４２】
また、ベルト長手方向に配置する緯糸全量の２０〜８０重量％がパラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸である。この理由として、２０重量％未満ではベルト長手方向の歯布の引張強さが低下し、高負荷でのベルト走行時に歯欠けが発生しやすくなり、また一方８０重量％を越えると、パラ系アラミド繊維のマルチフィラメント糸の打込み方向の剛性が前記理由と同じく過大になるため、均一な厚みの帆布を得ることできなくなるためである。
【００４３】
歯布５の経糸としては、パラ系アラミド繊維、メタ系アラミド繊維からなるアラミド繊維のフィラメント糸、６ナイロン、６．６ナイロン、１２ナイロン等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル等のフィラメント糸からなる。好ましくは、アラミド繊維のフィラメント糸が緯糸５にパラ系アラミド繊維のフィラメント原糸を収束したマルチフィラメント糸を使用すれば、剛性のバランスが取れ、均一な厚みの歯布になる。しかし、上記経糸と緯糸の材質はこれらに限定されるものではない。
【００４４】
また、その他の形態としてはコード、不織布、編布などが挙げられ特に限定されるものではない。
【００４５】
そして、以上のような歯布をはじめとする繊維には接着するエチレン・α−オレフィンゴムのブレンドゴムに含まれるゴムのうち、エチレン・α−オレフィンゴムは用いずそれ以外のブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムからなる接着ゴムを例えば歯布に付着させる。付着させる方法としては、ソーキング、スプレディング、コーチングなどいろいろな方法を採ることができる。
【００４６】
エチレン・α−オレフィンゴムは耐候性や耐オゾン性に優れるゴムである一方、ＥＰＴをはじめとして接着性に劣るゴムであり、繊維への付着も困難で剥離の問題が発生するが、ブレンドゴムの場合にはこのように繊維側にブレンドゴムのうちエチレン・α−オレフィンゴムを用いずそれ以外のブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムを付着させることによって、高い接着力を得ることができる。
【００４７】
接着ゴム３には加硫剤、加硫促進剤、また必要に応じてカーボンブラック、シリカのような増強剤、炭酸カルシウム、タルクのような充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤のような通常のゴム配合に用いるものが使用される。
【００４８】
上記接着ゴム層３における加硫剤の添加量は、ゴム分１００質量部に対して０．５〜３．０質量部の範囲で配合することが好ましい。
【００４９】
また、繊維への相手ゴムの付着は直接行ってもよいが、繊維に予めＲＦＬ処理をしてから相手ゴムを付着させることによって、繊維への相手ゴムの付着はより接着力の高いものとすることができる。
【００５０】
ＲＦＬ処理液はレゾルシンとホルマリンの初期縮合物をゴムラテックスと混合したものであり、この場合レゾルシンとホルマリンのモル比は１：２〜２：１にすることが接着力を高める上で好適である。モル比が１／２未満では、レゾルシン−ホルマリン樹脂の三次元化反応が進み過ぎてゲル化し、一方２／１を超えると、逆にレゾルシンとホルマリンの反応があまり進まないため、接着力が低下する。
【００５１】
ゴムラテックスとして、その代表的なものとしてスチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンなどのラテックスがあり、ジエンモノマーの例としては、ジシクロペンタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン、１，４−ヘキサジエン、シクロオクタジエンなどがあげられる。
【００５２】
また、レゾルシン−ホルマリンの初期縮合物と上記ゴムラテックスの固形分質量比は１：２〜１：８が好ましく、この範囲を維持すれば接着力を高める上で好適である。上記の比が１／２未満の場合には、レゾルシン−ホルマリンの樹脂分が多くなり、ＲＦＬ皮膜が固くなり動的な接着が悪くなり、他方１／８を超えると、レゾルシン−ホルマリンの樹脂分が少なくなるため、ＲＦＬ皮膜が柔らかくなり、接着力が低下する。
【００５３】
更に、上記ＲＦＬ液には加硫促進剤や加硫剤を添加してもよく、添加する加硫促進剤は、含硫黄加硫促進剤であり、具体的には２−メルカプトベンゾチアゾール（Ｍ）やその塩類（例えば、亜鉛塩、ナトリウム塩、シクロヘキシルアミン塩等）ジベンゾチアジルジスルフィド（ＤＭ）等のチアゾール類、Ｎ−シクロヘキシル−２−ベンゾチアジルスルフェンアミド（ＣＺ）等のスルフェンアミド類、テトラメチルチウラムモノスルフィド（ＴＳ）、テトラメチルチウラムジスルフィド（ＴＴ）、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド（ＴＲＡ）等のチウラム類、ジ−ｎ−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム（ＴＰ）、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛（ＰＺ）ジエチルジメチルジチオカルバミン酸亜鉛（ＥＺ）等のジチオカルバミン酸塩類等がある。
【００５４】
また、加硫剤としては、硫黄、金属酸化物（酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛）、過酸化物等があり、上記加硫促進剤と併用する。
【００５５】
またＲＦＬ処理に先ってイソシアネート化合物やエポキシ樹脂などで前処理を行ってもよい。未処理の繊維をイソシアネート化合物又は／及びエポキシ樹脂で室温に設定した処理液に０．５〜３０秒間浸漬した後、１５０〜１９０℃に調節したオーブンに２〜５分間通して乾燥される。
【００５６】
この前処理液で使用するイソシアネート化合物としては、例えば４，４’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン２，４−ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリアリールポリイソシアネート（例えば商品名としてＰＡＰＩがある）等がある。このイソシアネート化合物もトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
【００５７】
また、上記イソシアネート化合物にフェノール類、第３級アルコール類、第２級アルコール類等のブロック化剤を反応させてポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化したブロック化ポリイソシアネートも使用可能である。
【００５８】
前処理液で使用するエポキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールや、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコールとエピクロルヒドリンのようなハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物や、レゾルシン、ビス（４−ヒドロキシフェニル）ジメチルメタン、フェノール．ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン．ホルムアルデヒド樹脂等の多価フェノール類やハロゲン含有エポキシ化合物との反応生成物などである。上記エポキシ化合物はトルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に混合して使用される。
【００５９】
【実施例】
以下、本発明の実施例および本発明から外れる比較例となるエチレン・α−オレフィンゴムと繊維との接着物を試験用の試料として作製しそれぞれのゴムと繊維との間の接着力を測定した。
【００６０】
（実施例）
実施例としてはエチレン・α−オレフィンゴムとブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムをブレンドした表１に示すような配合のゴムで背部および歯部を形成し、歯部表面にポリアミド製帆布を歯布として密着させて加硫した６ｍｍ幅で５ｍｍピッチの歯付ベルトを作製した。なお、ポリアミド製帆布の表面にはブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムをブレンドした表２に示す配合のゴムをスプレディングにより付着させている。そして、ベルトの歯部におけるゴムと歯布の接着力の最大値を測定した。その結果を表４に示す。
【００６１】
（比較例）
比較例としてはポリアミド製帆布の表面はＲＦＬ処理のみとした以外は実施例と同様にして歯付ベルトを作製し歯ゴムと歯布との間の接着力を測定した。その結果を表３に示す。
【００６２】
【表１】

【００６３】
【表２】

【００６４】
【表３】

【００６５】
表３の結果からわかるようにエチレン・α−オレフィンゴムであるＥＰＴとブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムとのブレンドゴムと帆布とを接着する際にエチレン・α−オレフィンゴムとブレンドする相手ゴムであるブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムのブレンドゴムからなる接着ゴムを帆布側に付着させておくことによって、単にＲＦＬ処理のみを施したものと比べて２倍以上の接着力が得られていることがわかる。
【００６６】
【発明の効果】
以上のように本願請求項記載の発明では、長さ方向に沿って配置した複数の歯部と、心線を埋没した背部からなるベルト本体とを有し、ベルト本体の歯部の表面に歯布を被覆した歯付ベルトであって、少なくとも歯部がエチレン・α−オレフィンゴムとブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムのブレンドゴムにて構成してなる歯付ベルトにおいて、歯布にはベルト本体を構成するブレンドゴムのうちエチレン・α−オレフィンゴムを用いずブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムからなる接着ゴムを付着させ歯部と密着加硫せしめたことを特徴とする。
【００６７】
このように接着性を阻害するエチレン・α−オレフィンゴムを配合せずに、それ以外のゴムを歯布に付着させることによって、歯布とベルト本体との間の接着力は向上し、ベルトとしても十分に耐えうるものを得ることができる。また、エチレン・α−オレフィンゴムにブレンドするゴムとしてブタジエンゴムとスチレン・ブタジエンゴムを用いることによってエチレン・α−オレフィンゴムに不足する接着性を持たせることができるとともに、ブタジエンゴムの持つ耐摩耗性を付与することができ、更にスチレン・ブタジエンゴムによりゴムがブレンドしたものがよく混ざり合って加工性をよくすることができる。
【００７０】
請求項２では、ブレンドゴムはエチレン・α−オレフィンゴム１００質量部に対して、ブタジエンゴムが５０〜１００質量部、スチレン・ブタジエンゴムが５０〜１００質量部である歯付ベルトとしている。
【００７１】
このような範囲でブタジエンゴムと、スチレン・ブタジエンゴムを配合することによってより、耐寒性、耐熱性、耐オゾン性、耐摩耗性、そして接着性、加工性といった性質をバランスよく持たせることができるものである。
【００７２】
請求項３では歯布はＲＦＬ処理液で処理した後に接着ゴムを付着させる歯付ベルトとしている。
【００７３】
接着ゴムを付着させる前に歯布をＲＦＬ処理液にて処理することによって、接着ゴムと歯布との間の接着を強固にすることができ、剥離などの問題を防止することができる。
【００７４】
また、エチレン・α−オレフィンゴムと他のゴムのブレンドゴムと繊維との接着方法においても同様に接着力を高める効果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】歯付ベルトの正面図である。
【符号の説明】
１歯付ベルト
２歯部
３心線
４背部
５歯布
６接着ゴム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a toothed belt having a belt body made of a blend rubber of ethylene / α-olefin rubber and other rubber, and more particularly to a toothed belt having improved adhesion between the belt body and a tooth cloth.
[0002]
[Prior art]
In recent years, rubber has deteriorated due to ozone in OA equipment and various other applications, and rubber that has deteriorated in an ozone atmosphere has cracked early in belts composed of conventional natural rubber, styrene-butadiene rubber, chloroprene rubber, etc. The problem of generating is occurring.
[0003]
In order to deal with such an early failure phenomenon of the belt, improvement of the ozone resistance of the rubber has been conventionally studied. Recently, however, ethylene-propylene rubber (EPR) or ethylene-propylene-diene copolymer rubber has been recently replaced. Ethylene / α-olefin rubber such as (EPDM) is a relatively inexpensive polymer having excellent ozone resistance, heat resistance, and cold resistance, and is also being investigated for use in belts. This is disclosed in Japanese Unexamined Patent Publication No. 6-345948.
[0004]
Also, since halogen containing rubber such as chloroprene leads to generation of dioxins, there is a demand for belts made of rubber that does not contain halogen and that does not harm the environment when discarded, such as EPDM. A belt made of ethylene / α-olefin rubber is considered promising.
[0005]
However, ethylene / α-olefin rubbers such as ethylene-propylene rubber have a low tearing force, and the use of a peroxide crosslinking system has a problem that the tearing force is further reduced. On the other hand, those using a sulfur cross-linking system are problematic in that wear during running is increased because it is difficult to sufficiently increase the degree of vulcanization. In addition, when EPDM having an extremely large amount of double bonds in the molecule is used to increase the degree of vulcanization, the adhesive wear can be improved to some extent, but there is a problem that the heat resistance is lowered.
[0006]
In addition, the adhesiveness of the ethylene / α-olefin rubber is low in combination with the weak tearing force, and in particular, the adhesiveness to the fiber is a problem. Specifically, the fiber material is dipped in a dip solution containing resorcin-formalin-styrene-butadiene-vinylpyridine latex and then vulcanized and bonded to the EPDM rubber composition (Japanese Patent Laid-Open No. 8-113657). Further, a method of vulcanizing and bonding a fiber material bonded with a resorcin-formalin-rubber latex adhesive solution and an EPDM rubber composition blended with a methylene donor, a methylene acceptor and a silicic acid compound (Japanese Patent Laid-Open No. 8-113656) Etc. have been tried.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, when treated with a dip solution containing resorcin-formalin-styrene-butadiene-vinylpyridine latex, even if the adhesive force is improved, this is applied to a portion that undergoes repeated bending fatigue such as the core of the transmission belt. When used, the core wire and the adhesive rubber layer sometimes peeled off early.
[0008]
Furthermore, even when an EPDM rubber composition blended with a methylene donor, a methylene acceptor and a silicate compound is used, the core wire and the adhesive rubber layer will be peeled off at an early stage when used in a portion that is repeatedly subjected to bending fatigue. was there.
[0009]
In addition, there is no mention of adhesion between blended rubber and fibers of ethylene / α-olefin rubber and other rubbers. In the case of blended rubber, it is a blended rubber that makes use of the fact that it is a blended rubber. Development of a high adhesion method is expected.
[0010]
In consideration of these points, the present invention provides a toothed belt in which a blended rubber of ethylene / α-olefin rubber and a toothed belt of a toothed belt are firmly bonded, and a canvas or a fiber serving as a core wire as the toothed cloth. An object of the present invention is to provide a method for bonding an ethylene / α-olefin rubber composition and a fiber, which can satisfactorily bond a fiber such as a cord.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
That is, the invention of claim 1 of the present application has a plurality of tooth portions arranged along the length direction and a belt main body composed of a back portion in which a core wire is buried, and a tooth cloth is coated on the surface of the tooth portion. A toothed belt having at least a tooth portion formed of a blend rubber of ethylene / α-olefin rubber, butadiene rubber, and styrene / butadiene rubber, and a blend rubber constituting a belt body on a tooth cloth Of these, an ethylene / α-olefin rubber is not used, and an adhesive rubber made of butadiene rubber and styrene / butadiene rubber is adhered and vulcanized in close contact with the belt body.
[0012]
Adhesive strength between the tooth cloth and the belt body is improved by attaching other rubber to the tooth cloth without blending the ethylene / α-olefin rubber that inhibits adhesion as described above. Can also get enough. In addition, by using butadiene rubber and styrene / butadiene rubber as the rubber blended with ethylene / α-olefin rubber, it is possible to give the ethylene / α-olefin rubber insufficient adhesion and wear resistance of butadiene rubber. Further, rubber blended with styrene / butadiene rubber can be mixed well and processability can be improved.
[0015]
In claim 2 , the blend rubber is a toothed belt having 50 to 100 parts by mass of butadiene rubber and 50 to 100 parts by mass of styrene / butadiene rubber with respect to 100 parts by mass of ethylene / α-olefin rubber.
[0016]
By blending butadiene rubber and styrene-butadiene rubber in such a range, properties such as cold resistance, heat resistance, ozone resistance, wear resistance, adhesion, and workability can be balanced. Is.
[0017]
According to a third aspect of the present invention , the tooth cloth is a toothed belt to which an adhesive rubber is attached after being treated with the RFL treatment liquid.
[0018]
By treating the tooth cloth with the RFL treatment liquid before adhering the adhesive rubber, the adhesion between the adhesive rubber and the tooth cloth can be strengthened, and problems such as peeling can be prevented.
[0019]
In claim 4 , in the method of adhering a blended rubber of an ethylene / α-olefin rubber, a butadiene rubber and a styrene / butadiene rubber and a fiber, an ethylene / α-olefin rubber is used among the rubbers constituting the blend rubber. First, an adhesive rubber made of butadiene rubber and styrene / butadiene rubber is adhered and vulcanized in close contact with the blend rubber.
[0020]
Adhesive strength between the rubber and the fiber is improved by attaching other rubber to the fiber as an adhesive rubber without blending the ethylene / α-olefin rubber that inhibits the adhesion as described above, and as a belt. Can also get enough. In addition, by using butadiene rubber and styrene / butadiene rubber as the rubber blended with ethylene / α-olefin rubber, it is possible to give the ethylene / α-olefin rubber insufficient adhesion and wear resistance of butadiene rubber. Further, rubber blended with styrene / butadiene rubber can be mixed well and processability can be improved.
[0023]
In claim 5 , the blend rubber is a method of adhering a rubber and a fiber having 50 to 100 parts by mass of butadiene rubber and 50 to 100 parts by mass of styrene / butadiene rubber with respect to 100 parts by mass of ethylene / α-olefin rubber. Yes.
[0024]
By blending butadiene rubber and styrene-butadiene rubber in such a range, properties such as cold resistance, heat resistance, ozone resistance, wear resistance, adhesion, and workability can be balanced. Is.
[0025]
According to a sixth aspect of the present invention , a method of bonding rubber and fiber is used in which an adhesive rubber is adhered after the fiber to be bonded is treated with the RFL treatment liquid.
[0026]
By treating the tooth cloth with the RFL treatment liquid before adhering the adhesive rubber, the adhesion between the adhesive rubber and the tooth cloth can be strengthened, and problems such as peeling can be prevented.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a perspective view of a toothed belt according to the present invention, and FIG. 2 is a front view of the toothed belt according to the present invention. The toothed belt 1 has a belt body including a plurality of tooth portions 2 and a back portion 4 in which a core wire 3 made of glass fiber cord or aramid fiber cord is embedded along the longitudinal direction of the belt (arrow in the figure). A tooth cloth 5 is attached to the surface of the tooth portion 2 of the main body.
[0028]
As the rubber composition used for the tooth portion 2 and the back portion 4, a blend rubber obtained by mixing an ethylene / α-olefin rubber and a counterpart rubber made of other types of rubber is used. Then, an adhesive rubber 6 made of a partner rubber other than ethylene / α-olefin rubber is attached to the tooth cloth, so that the tooth cloth 5 is firmly attached to the surface of the tooth portion 2 of the toothed belt 1. Can be glued. Although the form which adhere | attaches the tooth cloth 5 on the tooth | gear surface of the toothed belt 1 is given and demonstrated, this invention is applied in the adhesion | attachment of the blend rubber | gum and fiber of the ethylene-alpha-olefin rubber in another form. You can also.
[0029]
The ethylene / α-olefin rubber used in the present invention is a copolymer of ethylene and α-olefin (propylene, butene, hexene, or octene), or a copolymer of ethylene, the α-olefin, and the nonconjugated diene. Specifically, it refers to rubber made of ethylene-propylene rubber (EPM) or ethylene-propylene-diene terpolymer (EPDM). Examples of the diene component include non-conjugated dienes having 5 to 15 carbon atoms such as ethylidene norbornene, dicyclopentadiene, 1,4-hexadiene, cyclooctadiene, and methylene norbornene.
[0030]
For crosslinking the rubber, sulfur or organic peroxide is used. Examples of the organic peroxide include dicumyl peroxide, di-t-butyl peroxide, t-butylcumyl peroxide, benzoyl peroxide, 1,3-bis (t-butylperoxyisopropyl) benzene, 2,5 -Dimethyl-2,5-di (t-butylperoxy) hexyne-3,2,5-dimethyl-2,5- (benzoylperoxy) hexane, 2,5-dimethyl-2,5-mono (t- Butyl peroxy) hexane and the like. This organic peroxide is usually used alone or as a mixture in the range of 0.005 to 0.02 mol g per 100 g of ethylene / α-olefin rubber.
[0031]
Further, by adding a co-agent, it is possible to increase the degree of cross-linking and prevent problems such as adhesive wear. Examples of the crosslinking aid include TIAC, TAC, 1,2 polybutadiene, metal salt of unsaturated carboxylic acid, oximes, guanidine, trimethylolpropane trimethacrylate, ethylene glycol dimethacrylate, NN′-m- Usually used for peroxide crosslinking such as phenylene bismaleimide and sulfur.
[0032]
In addition, other rubber compounds such as enhancers such as carbon black and silica, fillers such as calcium carbonate and talc, plasticizers, stabilizers, processing aids, and colorants are used as necessary. What is used is used.
[0033]
Examples of the other rubber blended with the above ethylene / α-olefin rubber include butadiene rubber (BR) and styrene / butadiene rubber (SBR) . By blending these rubbers, adhesion between the fibers can be improved.
[0034]
The rubbers as described above can be blended in the range of 50 to 100 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the ethylene / α-olefin rubber. If it is less than 50 parts by mass, the adhesive strength will be insufficient, and if it exceeds 100 parts by mass, the properties such as weather resistance and ozone resistance, which are the advantages of ethylene / α-olefin rubber, will be insufficient.
[0036]
In addition, blending butadiene rubber and styrene-butadiene rubber can provide a higher level of adhesion to the fiber, and can provide abrasion resistance with butadiene rubber. Blending styrene-butadiene rubber As a result, blendability can be improved and processability can be improved.
[0037]
The compounding amount of butadiene rubber and styrene / butadiene rubber is 50 to 100 parts by mass with respect to 100 parts by mass of ethylene / α-olefin rubber, and the adhesiveness is insufficient when the compounding amount of butadiene rubber is less than 50 parts by mass. In addition, the effect of improving the wear resistance is thin, and if the blending amount of styrene / butadiene rubber is less than 50 parts by mass, the improvement in adhesiveness is also reduced and the blending of the blend rubber becomes worse and the workability is worsened. It is not preferable. Moreover, when it mix | blends over 100 mass parts, respectively, since the ratio for which ethylene and alpha-olefin rubber occupy decreases and performance, such as a weather resistance and ozone resistance, will become inadequate, it is not preferable.
[0038]
Examples of the fiber used in the present invention as a fiber including a tooth cloth include a material for a polyester fiber such as an aramid fiber, a polyethylene terephthalate fiber (PET fiber), and a polyethylene naphthalate fiber (PEN fiber).
[0039]
The tooth cloth covering the tooth surface of the toothed belt is a canvas made of plain woven fabric, twill woven fabric, satin woven fabric, or the like. As the wefts arranged in the belt longitudinal direction of these woven fabrics, for example, a multifilament yarn obtained by converging filament base yarns of para-aramid fibers of at least 0.3 to 1.2 denier is 20 to 20% of the total amount of weft in the belt longitudinal direction. Those containing 80% by weight are preferred.
[0040]
That is, the weft is a yarn including at least a para-aramid fiber multifilament yarn, and the para-aramid fiber multi-filament yarn may include a meta-aramid fiber. The specific configuration of the weft is a combination of three types of yarns, a multi-filament yarn of para-aramid fiber, a spun yarn made of meta-aramid fiber, and a urethane elastic yarn.
[0041]
Other specific wefts are composed of three types of yarns: multi-filament yarns of para-aramid fibers, aliphatic fiber yarns (6 nylon, 66 nylon, polyester, polyvinyl alcohol, etc.), and urethane elastic yarns. It may be twisted.
[0042]
Further, 20 to 80% by weight of the total amount of wefts arranged in the longitudinal direction of the belt is a multifilament yarn of para-aramid fibers. The reason for this is that if the amount is less than 20% by weight, the tensile strength of the tooth cloth in the longitudinal direction of the belt is reduced, and tooth chipping is likely to occur when the belt is run at a high load. This is because the rigidity in the driving direction of the multifilament yarn of the fiber becomes excessive as in the above-described reason, and it becomes impossible to obtain a canvas having a uniform thickness.
[0043]
The warp of the tooth cloth 5 is composed of filament yarns of aramid fibers made of para-type aramid fibers and meta-type aramid fibers, polyamide yarns such as 6 nylon, 6.6 nylon and 12 nylon, and filament yarns of polyvinyl alcohol and polyester. Preferably, if the filament yarn of aramid fiber is a multifilament yarn in which the filament yarn of para-aramid fiber is converged for the weft yarn 5, the rigidity balance is achieved and the tooth cloth becomes uniform in thickness. However, the materials of the warp and the weft are not limited to these.
[0044]
Other forms include cords, non-woven fabrics, knitted fabrics and the like, and are not particularly limited.
[0045]
Of the rubbers contained in the blended rubber of ethylene / α-olefin rubber that adheres to fibers such as the above-mentioned tooth cloth, ethylene / α-olefin rubber is not used and other butadiene rubber and styrene / Adhesive rubber made of butadiene rubber is adhered to a tooth cloth, for example. As a method of attaching, various methods such as soaking, spreading, and coaching can be employed.
[0046]
Ethylene / α-olefin rubber is a rubber that is excellent in weather resistance and ozone resistance, but is inferior in adhesiveness such as EPT, and it is difficult to adhere to fibers and causes peeling problems. In this case, a high adhesive force can be obtained by adhering butadiene rubber and styrene-butadiene rubber other than ethylene / α-olefin rubber to the fiber side without using ethylene / α-olefin rubber.
[0047]
Adhesive rubber 3 includes a vulcanizing agent, a vulcanization accelerator, and, if necessary, a reinforcing agent such as carbon black and silica, a filler such as calcium carbonate and talc, a plasticizer, a stabilizer, a processing aid, and coloring. What is used for normal rubber compounding such as an agent is used.
[0048]
The addition amount of the vulcanizing agent in the adhesive rubber layer 3 is preferably blended in the range of 0.5 to 3.0 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the rubber content.
[0049]
Moreover, although the other rubber may be directly attached to the fiber, the other rubber is attached to the fiber with a higher adhesive force by applying the RFL treatment to the fiber in advance and then attaching the other rubber. be able to.
[0050]
The RFL treatment liquid is obtained by mixing an initial condensate of resorcin and formalin with rubber latex. In this case, the molar ratio of resorcin and formalin is preferably 1: 2 to 2: 1 in order to increase the adhesive force. . If the molar ratio is less than 1/2, the three-dimensional reaction of resorcin-formalin resin progresses too much and gels, while if it exceeds 2/1, the reaction between resorcin and formalin does not progress so much, resulting in decreased adhesion. To do.
[0051]
Typical examples of rubber latex include styrene-butadiene-vinylpyridine terpolymer, hydrogenated nitrile rubber, chlorosulfonated polyethylene, epichlorohydrin, and the like. Examples of diene monomers include dicyclopentadiene, Examples include methylene norbornene, ethylidene norbornene, 1,4-hexadiene, cyclooctadiene and the like.
[0052]
Further, the solid content mass ratio between the resorcin-formalin condensate and the rubber latex is preferably 1: 2 to 1: 8, and if this range is maintained, it is suitable for enhancing the adhesive strength. When the above ratio is less than 1/2, the resin content of resorcin-formalin increases, the RFL film becomes hard and dynamic adhesion deteriorates, and when it exceeds 1/8, the resin content of resorcin-formalin increases. Therefore, the RFL film becomes soft and the adhesive strength decreases.
[0053]
Further, a vulcanization accelerator or a vulcanizing agent may be added to the RFL liquid, and the vulcanization accelerator to be added is a sulfur-containing vulcanization accelerator. Specifically, 2-mercaptobenzothiazole (M ) And salts thereof (for example, zinc salts, sodium salts, cyclohexylamine salts, etc.) thiazoles such as dibenzothiazyl disulfide (DM), sulfenamides such as N-cyclohexyl-2-benzothiazylsulfenamide (CZ) , Thiurams such as tetramethylthiuram monosulfide (TS), tetramethylthiuram disulfide (TT), dipentamethylenethiuram tetrasulfide (TRA), sodium di-n-butyldithiocarbamate (TP), zinc dimethyldithiocarbamate ( PZ) Dithiocarbamine such as zinc diethyldimethyldithiocarbamate (EZ) There are salts and the like.
[0054]
Examples of the vulcanizing agent include sulfur, metal oxides (zinc oxide, magnesium oxide, lead oxide), peroxides, and the like, which are used in combination with the above vulcanization accelerator.
[0055]
In addition, pretreatment with an isocyanate compound or an epoxy resin may be performed prior to the RFL treatment. The untreated fiber is immersed in a treatment solution set at room temperature with an isocyanate compound and / or an epoxy resin for 0.5 to 30 seconds, and then dried by passing through an oven adjusted to 150 to 190 ° C. for 2 to 5 minutes.
[0056]
Examples of the isocyanate compound used in this pretreatment liquid include 4,4′-diphenylmethane diisocyanate, tolylene 2,4-diisocyanate, polymethylene polyphenyl diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, and polyaryl polyisocyanate (for example, PAPI as a trade name) ) Etc. This isocyanate compound is also used by mixing with an organic solvent such as toluene or methyl ethyl ketone.
[0057]
In addition, blocked polyisocyanates in which the isocyanate group of the polyisocyanate is blocked by reacting the isocyanate compound with a blocking agent such as phenols, tertiary alcohols, and secondary alcohols can also be used.
[0058]
Examples of the epoxy compound used in the pretreatment liquid include polyhydric alcohols such as ethylene glycol, glycerin and pentaerythritol, reaction products of polyalkylene glycols such as polyethylene glycol and halogen-containing epoxy compounds such as epichlorohydrin, and resorcinol. Bis (4-hydroxyphenyl) dimethylmethane, phenol. Formaldehyde resin, resorcin. Reaction products with polyhydric phenols such as formaldehyde resins and halogen-containing epoxy compounds. The epoxy compound is used by mixing with an organic solvent such as toluene or methyl ethyl ketone.
[0059]
【Example】
Hereinafter, an adhesive of ethylene / α-olefin rubber and fiber, which is an example of the present invention and a comparative example deviating from the present invention, was prepared as a test sample, and the adhesive force between each rubber and fiber was measured. .
[0060]
(Example)
As an example, the back part and the tooth part are formed with a rubber blended as shown in Table 1 in which ethylene / α-olefin rubber, butadiene rubber and styrene / butadiene rubber are blended, and a polyamide canvas is used as a tooth cloth on the tooth surface. A toothed belt having a width of 6 mm and a pitch of 5 mm, which was vulcanized in close contact, was produced. In addition, rubber of the composition shown in Table 2 blended with butadiene rubber and styrene / butadiene rubber is adhered to the surface of the polyamide canvas by spreading. Then, the maximum value of the adhesive force between the rubber and the tooth cloth at the tooth portion of the belt was measured. The results are shown in Table 4.
[0061]
(Comparative example)
As a comparative example, a toothed belt was prepared in the same manner as in the example except that the surface of the polyamide canvas was only RFL-treated, and the adhesive force between the tooth rubber and the tooth cloth was measured. The results are shown in Table 3.
[0062]
[Table 1]

[0063]
[Table 2]

[0064]
[Table 3]

[0065]
As can be seen from the results in Table 3, this is a partner rubber blended with ethylene / α-olefin rubber when adhering EPT, which is an ethylene / α-olefin rubber, a blend rubber of butadiene rubber and styrene / butadiene rubber and canvas. By adhering an adhesive rubber consisting of a blend of butadiene rubber and styrene-butadiene rubber to the canvas side, it can be seen that an adhesive force more than twice that obtained by simply applying RFL treatment is obtained. .
[0066]
【The invention's effect】
As described above, the invention according to the present invention has a plurality of tooth portions arranged along the length direction and a belt body composed of a back portion in which the core wire is buried, and teeth are formed on the surface of the tooth portion of the belt body. A toothed belt coated with a cloth, wherein at least a tooth part is composed of a blend rubber of ethylene / α-olefin rubber, butadiene rubber and styrene / butadiene rubber. Of the blended rubber, ethylene / α-olefin rubber is not used, but an adhesive rubber made of butadiene rubber and styrene / butadiene rubber is adhered and vulcanized closely to the tooth portion.
[0067]
Adhesive strength between the tooth cloth and the belt body is improved by attaching other rubber to the tooth cloth without blending the ethylene / α-olefin rubber that inhibits adhesion as described above. Can also get enough. In addition, by using butadiene rubber and styrene / butadiene rubber as the rubber blended with ethylene / α-olefin rubber, it is possible to give the ethylene / α-olefin rubber insufficient adhesion and wear resistance of butadiene rubber. Further, rubber blended with styrene / butadiene rubber can be mixed well and processability can be improved.
[0070]
In claim 2 , the blend rubber is a toothed belt having 50 to 100 parts by mass of butadiene rubber and 50 to 100 parts by mass of styrene / butadiene rubber with respect to 100 parts by mass of ethylene / α-olefin rubber.
[0071]
By blending butadiene rubber and styrene-butadiene rubber in such a range, properties such as cold resistance, heat resistance, ozone resistance, abrasion resistance, adhesion, and workability can be balanced. Is.
[0072]
According to a third aspect of the present invention , the tooth cloth is a toothed belt to which an adhesive rubber is attached after being treated with the RFL treatment liquid.
[0073]
By treating the tooth cloth with the RFL treatment liquid before adhering the adhesive rubber, the adhesion between the adhesive rubber and the tooth cloth can be strengthened, and problems such as peeling can be prevented.
[0074]
Further, the effect of increasing the adhesive strength can be obtained in the method of adhering the blended rubber and fiber of ethylene / α-olefin rubber and other rubber.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view of a toothed belt.
[Explanation of symbols]
1 Toothed belt 2 Tooth part 3 Core wire 4 Back part 5 Tooth cloth 6 Adhesive rubber

Claims

A toothed belt having a plurality of tooth portions arranged along the length direction and a belt body composed of a back portion in which a core wire is buried, and having a tooth cloth coated on the surface of the tooth portion, at least the tooth portion is In a toothed belt composed of a blend rubber of ethylene / α-olefin rubber, butadiene rubber and styrene / butadiene rubber, ethylene / α-olefin rubber is not used for the tooth cloth. A toothed belt characterized in that an adhesive rubber made of butadiene rubber and styrene / butadiene rubber is adhered and vulcanized in close contact with the tooth portion.

Blend rubber of the ethylene-alpha-olefin rubber 100 parts by weight of 50 to 100 parts by weight of butadiene rubber, toothed belt according to claim 1, wherein the styrene-butadiene rubber is 50 to 100 parts by weight.

Toothed belt according to claim 1-2, wherein the tooth cloth to adhere the adhesive rubber after treatment with the RFL treating liquid.

In the method of adhering a blended rubber of an ethylene / α-olefin rubber, a butadiene rubber, a styrene / butadiene rubber, and a fiber, butadiene rubber and styrene are used without using ethylene / α-olefin rubber among the rubbers constituting the blend rubber. A method of adhering rubber and fibers, comprising adhering an adhesive rubber made of butadiene rubber and closely vulcanizing with the blend rubber.

Against rubber blend is an ethylene-alpha-olefin rubber 100 parts by weight, adhesion of the butadiene rubber is 50 to 100 parts by mass, the rubber and fibers according to claim 3-4, wherein the styrene-butadiene rubber is 50 to 100 parts by weight Method.

The method for adhering rubber and fiber according to claim 3, wherein an adhesive rubber is adhered after the fiber to be adhered is treated with an RFL treatment liquid.