JP3729962B2

JP3729962B2 - Piston ring manufacturing method

Info

Publication number: JP3729962B2
Application number: JP01794097A
Authority: JP
Inventors: 章原山; 八郎田中; 充春岩泉
Original assignee: 帝国ピストンリング株式会社
Priority date: 1997-01-16
Filing date: 1997-01-16
Publication date: 2005-12-21
Anticipated expiration: 2017-01-16
Also published as: JPH10204678A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性と耐摩耗性が優れた内燃機関用のピストンリングの製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
硬質Ｃｒめっき皮膜は、高硬度で耐摩耗性が優れているので、種々の摺動部材に利用されている。硬質Ｃｒめっきで最も一般的に使用されているめっき浴は、硫酸を触媒とした浴（サージェント浴）、あるいは硫酸とフッ素を触媒とした浴（フッ化浴）である。
【０００３】
これらのめっき浴で得られる硬質Ｃｒめっきは、
・電流効率が、１０〜２０％と低く、
・２００℃以上の加熱で硬度低下し、耐摩耗性が劣化する
不都合があることが知られている。
【０００４】
電流効率を改善する試みとして、米国特許４，２３４，３９６は、
ＣｒＯ₃：１００〜１６００ｇ／ｌと、
ＣｒＯ₃に対して、０．３〜１５％のＣｌまたはＣｌ^-
および／または
ＣｒＯ₃に対して、０．５〜１０％のＩまたはＩ^-と、
からなるめっき浴により、最高７８％の電流効率が得られることを開示している。ところが、このめっき浴で得られるめっき皮膜の耐熱性、耐摩耗性、析出物成分の耐熱性や耐摩耗性への影響については全く記載されていない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
近年、内燃機関の益々の高出力化・小型化が目指されている。このようなエンジンのピストンリングやシリンダは、より大きな熱負荷が加わるので、加熱によって硬度や耐摩耗性が低下しないＣｒめっき皮膜が求められている。
【０００６】
本発明は、耐熱性と耐摩耗性が優れたピストンリングの製造方法を提供することを課題とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
従来の硬質Ｃｒめっき皮膜は、Ｏ：０．０１〜０．８％、Ｈ：０．０１〜０．１２％を含有し、硬質Ｃｒめっき皮膜の硬度は、Ｈの含有によるものとされている。しかしながら、２００℃以上で熱処理すると、Ｈが放出される。これにより、硬質Ｃｒめっき皮膜の硬度や耐摩耗性の低下が起こる。
【０００８】
このことに鑑み、本発明者は、加熱によって放出されにくい合金成分をＣｒめっきに含有させれば、上記課題を解決することができると考え、種々のＣｒ系合金めっきを探索した。
【０００９】
その結果、Ｉ（沃素）を、重量比率で、０．３〜１．１％含有するＣｒ−Ｉ系合金めっき皮膜は、
・硬度が高く、
・加熱による硬度低下が少なく、
・加熱による耐摩耗性の低下が少ない
ことを見出した。
本発明のピストンリングの製造方法は、ＣｒＯ _３に対して０．１〜１．０重量％のＩを含む無水クロム酸水溶液を基本とするクロムめっき浴を用い、浴温３０〜６０℃で外周面にＣｒめっきを被覆した後、上下面に窒化層を形成することを特徴とする。
【００１０】
Ｉは、Ｃｒめっきの触媒として作用して電流効率を高める他、Ｃｒと共析してめっき皮膜の硬度、耐摩耗性、および耐熱性を高める。
【００１１】
Ｉの含有量が増加するに従って、Ｃｒ−Ｉ系合金めっき皮膜の硬度が向上する。摺動部材用として望ましいＨＶ８５０以上のビッカース硬度を得るには、０．３％以上のＩを含有させることが必要である。また、Ｉの含有量の上限は１．１％であって、これを越えるＩを含有させることはできない。より好ましいＩの含有量は０．６％以上である。
【００１２】
次に、Ｉは加熱後のめっき皮膜の硬度低下を抑制する。Ｉが増加するに従って、加熱後の硬度低下は少なくなる。しかし、Ｉの含有量が０．３％未満であると、その効果は充分でない。
【００１３】
更に、Ｉは、加熱後のめっき皮膜の耐摩耗性の低下を抑制する。Ｉの含有量が０．３％未満であると、加熱後の耐摩耗性の低下を抑制する効果が充分でない。
【００１４】
他方、めっき浴中のＩは、触媒作用により電流効率を高める。無水クロム酸水溶液を基本とするクロムめっき浴のＩ／ＣｒＯ₃が、重量比率で０．１％未満であると、触媒効果が充分でなく、重量比率で１．０％を越えると、めっき皮膜が、残留応力が大きくなり、クラックが粗大化し、母材から剥離する。
【００１５】
なお、Ｉは、ＨＩＯ₃、ＮａＩＯ₃、ＫＩＯ₃等の形でめっき浴中に添加される。
【００１６】
めっき温度が高くなると、めっき皮膜のＩの含有量が減少すると同時に硬度が低下する。めっき温度が６０℃を越えると、高硬度のめっき皮膜が得られない。一方、めっき電流は、めっき液を加熱する。したがって、めっき温度が低いと、めっき液の冷却を要することになるから不利である。以上から、めっき温度は、３０〜６０℃の範囲とするのがよい。なお、めっき温度のより好ましい範囲は４０〜６０℃である。
【００２０】
【発明の実施の形態】
Ｃｒ−Ｉ系合金めっき皮膜のＩ含有量が皮膜硬度に及ぼす影響について説明する。
【００２１】
めっき条件：
めっき液組成
ＣｒＯ₃ ：８００ｇ／ｌ
ＨＣｌ：１０ｇ／ｌ
Ｉ／ＣｒＯ₃ ：０．４重量％
電流密度
８０Ａ／ｄｍ²
浴温
３０〜７０℃
【００２２】
上記のめっき条件で得られたＣｒ−Ｉ系合金めっき皮膜のＩ含有量と硬度の関係を図２に示す。皮膜中のＩ含有量は、ＥＰＭＡで分析した。
【００２３】
図２は、
・Ｉが０．３％以上で、ＨＶ８５０以上の硬度が得られること
・Ｉが０．６％以上で、ＨＶ８５０未満の硬度がなくなること
を示している。
【００２４】
次に、Ｃｒ−Ｉ系合金めっき皮膜の耐熱性の試験結果を説明する。
耐熱性試験に使用しためっき条件を表１に示す。
【００２５】

【００２６】
以上の４種類のめっき条件で得られた被めっき物の硬度を、熱処理前後で測定した。熱処理条件は、アンモニアガス中で５８０℃、８時間である。
【００２７】
結果を表２に示す。表２より、次のことが明らかである。
・比較例Ａ，Ｂ（Ｉを含まない従来の硬質Ｃｒめっき）は、熱処理後、硬度が大幅に低下する。
・実施例Ａ，Ｂは、比較例Ａ，Ｂより硬度低下が少ない。
【００２８】

【００２９】
なお、上記表１に電流効率を示してある。表１より、次のことが明らかである。
・比較例Ａ，Ｂ（Ｉを含まない従来の硬質Ｃｒめっき）は、電流効率が低い。
・実施例Ａ，Ｂは、電流効率が高い。
【００３０】
次に、熱処理前後における被めっき物の耐摩耗性について説明する。熱処理条件は、アンモニアガス中で５８０℃、８時間である。
【００３１】
耐摩耗性は、往復動摩擦試験機を使用した往復動摩耗試験によって評価した。
【００３２】
（１）往復動摩擦試験機
図３に往復動摩擦試験機の構成を示す。ピン状の上試験片１０は固定ブロック１１により保持され、上方から油圧シリンダ１２により下向きの荷重が加えられて、下試験片１３に押接される。一方、矩形の平盤形状の下試験片１３は可動ブロック１４により保持され、クランク機構１５により往復動させられる。１６はロードセルである。
【００３３】
（２）試験片
上試験片１０：１７Ｃｒマルテンサイト系ステンレス鋼からなる直径８ｍｍφ×長さ２５ｍｍの丸棒の一端にＲ１８ｍｍの球面加工を施し、その球面上に上記表１に示した４種類のＣｒめっきを施したもの。
下試験片１３：長さ７０ｍｍ×幅１７ｍｍ×高さ１４ｍｍの平板で材質はシリンダライナ用ボロン鋳鉄
【００３４】
（３）試験条件
（ならし条件）
荷重：２ｋｇｆ
往復動速度：１００ｃｐｍ
時間：５ｍｉｎ
（摩耗条件）
荷重：１０ｋｇｆ
往復動速度：６００ｃｐｍ
時間：６０ｍｉｎ
（潤滑条件）
軽油相当の粘度の軸受油（ＪＨ２）
【００３５】
（４）試験結果
結果は上記表２に示す。
表２より、次のことが明らかである。
・比較例Ａ，Ｂ（Ｉを含まない従来の硬質Ｃｒめっき）は、熱処理後、耐摩耗性が大幅に低下する。
・実施例Ａ，Ｂは、比較例Ａ，Ｂより耐摩耗性の低下が少ない。
【００３６】
次に、めっき温度が皮膜硬度およびＩ含有量に及ぼす影響について説明する。
めっき条件：
めっき液組成
ＣｒＯ₃ ：８００ｇ／ｌ
ＨＣｌ：１０ｇ／ｌ
Ｉ／ＣｒＯ₃ ：０．４重量％
電流密度
８０Ａ／ｄｍ²
浴温
３０〜７０℃
【００３７】
表３に、上記のめっき条件で得られた結果を示す。
【００３８】

【００３９】
表３から明らかなように、めっき温度が６０℃以下で、めっき皮膜の硬度およびＩ含有率が高いことがわかる。
【００４０】
本発明に係るＣｒ−Ｉ系合金めっき皮膜は、上記で説明したように、加熱後の硬度低下が少ないため、Ｃｒ−Ｉ系合金めっき皮膜を被覆した後に窒化処理を行っても、めっき皮膜の硬度低下が小さい。
【００４１】
したがって、ピストンリング１の外周面にＣｒ−Ｉ系合金めっき皮膜２を被覆した後、さらにガス窒化処理（例えば５８０℃、８時間）を行って、図１に示されているように、ピストンリング１の上下面に窒化層４を形成しても、外周面のＣｒ−Ｉ系合金めっき皮膜２は所定の硬度を保持することができるため、外周面および上下面とも耐摩耗性に優れたピストンリングを提供できる。Ｃｒ−Ｉ系合金めっき皮膜２は、重量比率で、Ｉを０．３〜１．１％含み、ビッカース硬度がＨＶ８５０〜１１５０である。
【００４２】
なお、図１のピストンリング１は、窒化層４を上下面のみならず、内周面にも形成した例を示したが、上下面のみに形成してもよい。
【００４３】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、耐熱性・耐摩耗性に優れたピストンリングを提供でき、このピストンリングを熱負荷が高い高出力・小型のエンジンに好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態を示すピストンリングの一部分を示す縦断面図である。
【図２】Ｃｒ−Ｉ系合金めっき皮膜のＩ含有量と硬度の関係を示すグラフである。
【図３】往復動摩擦試験機の構成を示す図である。
【符号の説明】
１ピストンリング
２Ｃｒ−Ｉ系合金めっき皮膜
４窒化層
１０上試験片
１１固定ブロック
１２油圧シリンダ
１３下試験片
１４可動ブロック
１５クランク機構
１６ロードセル[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a piston ring for an internal combustion engine having excellent heat resistance and wear resistance.
[0002]
[Prior art]
Since the hard Cr plating film has high hardness and excellent wear resistance, it is used for various sliding members. The plating bath most commonly used in hard Cr plating is a bath using sulfuric acid as a catalyst (surge bath), or a bath using sulfuric acid and fluorine as a catalyst (fluorination bath).
[0003]
Hard Cr plating obtained with these plating baths
・ Current efficiency is as low as 10-20%,
-It is known that the hardness is lowered by heating at 200 ° C. or higher, and the wear resistance is deteriorated.
[0004]
In an attempt to improve current efficiency, U.S. Pat. No. 4,234,396
CrO ₃ : 100-1600 g / l,
0.3-15% Cl or Cl ^{− with} respect to CrO ₃
And / or 0.5 to 10% I or I ⁻ with respect to CrO ₃ ;
Discloses that a current efficiency of up to 78% can be obtained. However, there is no description at all about the heat resistance and wear resistance of the plating film obtained in this plating bath and the influence of the precipitate components on the heat resistance and wear resistance.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In recent years, an increase in output and size of an internal combustion engine has been aimed at. Since such a piston ring and cylinder of an engine are subjected to a larger heat load, there is a need for a Cr plating film that does not deteriorate hardness or wear resistance by heating.
[0006]
The present invention shall be the object of the present invention to provide a method for producing superior piston ring heat resistance and wear resistance.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The conventional hard Cr plating film contains O: 0.01 to 0.8%, H: 0.01 to 0.12%, and the hardness of the hard Cr plating film is attributed to the inclusion of H. . However, when heat treatment is performed at 200 ° C. or higher, H is released. As a result, the hardness and wear resistance of the hard Cr plating film are reduced.
[0008]
In view of this, the present inventor considered that the above problem can be solved if the Cr plating contains an alloy component that is difficult to be released by heating, and has searched for various Cr-based alloy plating.
[0009]
As a result, the Cr-I alloy plating film containing I (iodine) by 0.3 to 1.1% by weight is:
・ High hardness
・ There is little decrease in hardness due to heating,
・ We found that there was little decrease in wear resistance due to heating.
The manufacturing method of the piston ring of the present invention uses a chromium plating bath based on a chromic anhydride aqueous solution containing 0.1 to 1.0% by weight of I with respect to CrO ₃ , and the outer temperature is 30 to 60 ° C. After the surface is coated with Cr plating, nitride layers are formed on the upper and lower surfaces.
[0010]
I acts as a catalyst for Cr plating to increase current efficiency, and is co-deposited with Cr to increase the hardness, wear resistance, and heat resistance of the plating film.
[0011]
As the I content increases, the hardness of the Cr-I alloy plating film improves. In order to obtain a Vickers hardness of HV850 or higher, which is desirable for a sliding member, it is necessary to contain I of 0.3% or higher. Further, the upper limit of the content of I is 1.1%, and I exceeding this cannot be contained. A more preferable I content is 0.6% or more.
[0012]
Next, I suppresses the hardness reduction of the plating film after heating. As I increases, the decrease in hardness after heating decreases. However, if the I content is less than 0.3%, the effect is not sufficient.
[0013]
Furthermore, I suppresses a decrease in wear resistance of the plated film after heating. If the content of I is less than 0.3%, the effect of suppressing a decrease in wear resistance after heating is not sufficient.
[0014]
On the other hand, I in the plating bath increases current efficiency by catalysis. When I / CrO ₃ of the chromium plating bath based on an aqueous chromic anhydride solution is less than 0.1% by weight, the catalytic effect is not sufficient, and when the weight ratio exceeds 1.0%, the plating film However, residual stress increases, cracks become coarse, and peel from the base material.
[0015]
I is added to the plating bath in the form of HIO ₃ , NaIO ₃ , KIO ₃ or the like.
[0016]
As the plating temperature increases, the hardness of the plating film decreases as the I content of the plating film decreases. When the plating temperature exceeds 60 ° C., a high hardness plating film cannot be obtained. On the other hand, the plating current heats the plating solution. Therefore, a low plating temperature is disadvantageous because it requires cooling of the plating solution. From the above, the plating temperature is preferably in the range of 30 to 60 ° C. In addition, the more preferable range of plating temperature is 40-60 degreeC.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The effect of the I content of the Cr- I alloy plating film on the film hardness will be described.
[0021]
Plating conditions:
Plating solution composition CrO ₃ : 800 g / l
HCl: 10 g / l
I / CrO ₃ : 0.4% by weight
Current density 80A / dm ²
Bath temperature 30-70 ° C
[0022]
FIG. 2 shows the relationship between the I content and hardness of the Cr-I alloy plating film obtained under the above plating conditions. The I content in the film was analyzed by EPMA.
[0023]
FIG.
It shows that hardness of HV850 or more can be obtained when I is 0.3% or more. Hardness of less than HV850 is lost when I is 0.6% or more.
[0024]
Next, the heat resistance test results of the Cr-I alloy plating film will be described.
Table 1 shows the plating conditions used in the heat resistance test.
[0025]

[0026]
The hardness of the object to be plated obtained under the above four types of plating conditions was measured before and after the heat treatment. The heat treatment conditions are 580 ° C. and 8 hours in ammonia gas.
[0027]
The results are shown in Table 2. From Table 2, the following is clear.
Comparative Examples A and B (conventional hard Cr plating not containing I) have a significant decrease in hardness after heat treatment.
-Examples A and B have less hardness reduction than Comparative Examples A and B.
[0028]

[0029]
Table 1 shows the current efficiency. From Table 1, the following is clear.
Comparative Examples A and B (conventional hard Cr plating not containing I) have low current efficiency.
-Examples A and B have high current efficiency.
[0030]
Next, the wear resistance of the object to be plated before and after the heat treatment will be described. The heat treatment conditions are 580 ° C. and 8 hours in ammonia gas.
[0031]
The wear resistance was evaluated by a reciprocating wear test using a reciprocating friction tester.
[0032]
(1) Reciprocating friction tester Fig. 3 shows the configuration of a reciprocating friction tester. The pin-shaped upper test piece 10 is held by a fixed block 11, and a downward load is applied from above by a hydraulic cylinder 12 to be pressed against the lower test piece 13. On the other hand, the rectangular flat plate-shaped lower test piece 13 is held by a movable block 14 and reciprocated by a crank mechanism 15. Reference numeral 16 denotes a load cell.
[0033]
(2) Specimen Upper Specimen 10: One end of a round bar made of 17Cr martensitic stainless steel with a diameter of 8 mmφ x length of 25 mm was subjected to R18 mm spherical processing, and the four types of Cr shown in Table 1 on the spherical surface. Plated.
Lower test piece 13: A flat plate of length 70 mm x width 17 mm x height 14 mm, made of boron cast iron for cylinder liners.
(3) Test conditions (conditioning conditions)
Load: 2kgf
Reciprocating speed: 100 cpm
Time: 5min
(Abrasion conditions)
Load: 10kgf
Reciprocating speed: 600 cpm
Time: 60min
(Lubrication conditions)
Bearing oil with viscosity equivalent to light oil (JH2)
[0035]
(4) The test results are shown in Table 2 above.
From Table 2, the following is clear.
-Comparative Examples A and B (conventional hard Cr plating not containing I) have significantly reduced wear resistance after heat treatment.
-Examples A and B have less deterioration in wear resistance than Comparative Examples A and B.
[0036]
Next, the influence of the plating temperature on the film hardness and the I content will be described.
Plating conditions:
Plating solution composition CrO ₃ : 800 g / l
HCl: 10 g / l
I / CrO ₃ : 0.4% by weight
Current density 80A / dm ²
Bath temperature 30-70 ° C
[0037]
Table 3 shows the results obtained under the above plating conditions.
[0038]

[0039]
As is apparent from Table 3, it can be seen that the plating temperature is 60 ° C. or less, and the hardness and I content of the plating film are high.
[0040]
As described above, the Cr-I alloy plating film according to the present invention has a small decrease in hardness after heating. Therefore, even if the nitriding treatment is performed after the Cr-I alloy plating film is coated, the plating film Small decrease in hardness.
[0041]
Thus, after coating the Cr-I-based alloy plated film 2 on the outer peripheral surface of the piston ring 1, further gas nitriding treatment (e.g. 580 ° C., 8 hours), and as shown in FIG. 1, the piston rings Since the Cr-I alloy plating film 2 on the outer peripheral surface can maintain a predetermined hardness even if the nitride layer 4 is formed on the upper and lower surfaces of the piston 1, the piston has excellent wear resistance on both the outer peripheral surface and the upper and lower surfaces. Can provide a ring . The Cr-I type alloy plating film 2 contains I in an amount of 0.3 to 1.1% by weight and has a Vickers hardness of HV850 to 1150.
[0042]
Note that the piston ring 1 of FIG. 1, not the nitride layer 4 top and bottom surfaces only, although an example was also formed on the inner peripheral surface may be formed only on the upper and lower surfaces.
[0043]
【The invention's effect】
According to the present invention described above, can provide a piston-ring excellent in heat resistance and wear resistance, it can be suitably used with this piston ring engine having high output and compact high thermal loads.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing a part of a piston ring showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the relationship between I content and hardness of a Cr-I alloy plating film.
FIG. 3 is a diagram showing a configuration of a reciprocating friction tester.
[Explanation of symbols]
1 piston ring 2 Cr-I alloy plating film 4 nitrided layer 10 upper test piece 11 fixed block 12 hydraulic cylinder 13 lower test piece 14 movable block 15 crank mechanism 16 load cell

Claims

Using a chromium plating bath based on a chromic anhydride aqueous solution containing 0.1 to 1.0% by weight of I with respect to CrO ₃ and coating the outer peripheral surface with Cr plating at a bath temperature of 30 to 60 ° C., A method for manufacturing a piston ring , comprising forming a nitride layer on a lower surface .