JP3729685B2 - 模型飛行機の舵装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、形状記憶合金アクチュエータにより駆動される模型飛行機の舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1および2は、従来より知られている差動型形状記憶合金アクチュエータの一例を示している。本体1には支持材2,3が固定されており、これらの支持材2,3にはそれぞれピン4,5が取り付けられている。前記本体1には、操作端部材6の中心部に設けられた回転軸7が回転可能に支持されている。前記操作端部材6の一端部に設けられたピン8とピン4との間にはコイル状に巻かれた第一の形状記憶合金9が介装される一方、操作端部材6の他端部に設けられたピン10とピン5との間にはコイル状に巻かれた第二の形状記憶合金11が介装されている。前記第二の形状記憶合金11は図1に示される短い形状を記憶している。前記第一の形状記憶合金9は第二の形状記憶合金11と同様の短い形状を記憶している。
【0003】
この差動型形状記憶合金アクチュエータにおいては、第一の形状記憶合金9が冷却しているとき、第二の形状記憶合金11が加熱されると、図1のように、第二の形状記憶合金11は記憶している短い形状に戻り、操作端部材6を図上時計方向に回転させるとともに第一の形状記憶合金9をマクロ的に見て伸び変形させる(参考までに述べると、この場合、真の意味では、第一の形状記憶合金9の各部は曲げおよびねじり変形している)。また、逆に、第二の形状記憶合金11が冷却しているとき、第一の形状記憶合金9が加熱されると、第一の形状記憶合金9は記憶している短い形状に戻り、操作端部材6を図上反時計方向に回転させるとともに第二の形状記憶合金11をマクロ的に見て伸び変形させる。これにより、図上左右対称の運動を行わせることができる。
【0004】
図4および5は、従来公知より知られている単安定型形状記憶合金アクチュエータの一例を示している。本体1には支持材2,3が固定されており、これらの支持材2,3にはそれぞれピン4,5が取り付けられている。前記本体1には、操作端部材6の中心部に設けられた回転軸7が回転可能に支持されている。前記操作端部材6の一端部に設けられたピン8とピン4との間には、非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばね12が介装されており、このばね12は操作端部材6を図上反時計方向に付勢している。前記操作端部材6の他端部に設けられたピン10とピン5との間にはコイル状に巻かれた形状記憶合金13が介装されており、この形状記憶合金13は図5に示されるような短い形状を記憶している。
【0005】
この単安定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、形状記憶合金13が冷却しているときは、図4のように、ばねの力により操作端部材6が図上反時計方向に回転されているとともに、形状記憶合金13がマクロ的に見て伸び変形されている。他方、形状記憶合金13が加熱されると、図5のように、該形状記憶合金13はばね12に抗して記憶している短い形状に戻り、操作端部材6を図上時計方向に回転させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記図1および2のような差動型形状記憶合金アクチュエータにおいては、動作方向を切り替える際、それまで加熱されていた形状記憶合金9または11が十分冷却しない(形状回復力を失っていない)うちに、他方の形状記憶合金11または9を加熱すると、両方の形状記憶合金9,11が互いに形状回復力を反対方向に作用させ合って動かなくなってしまう。形状記憶合金9,11の形状回復力は、低温状態のひずみの与え方によっては降伏限界より大きくなるので、このように両方の形状記憶合金9,11が形状回復力を作用させ合う状態になると、最悪の場合は、アクチュエータを動かせないばかりでなく、形状記憶合金9,11が破断したり、塑性変形し、アクチュエータが壊れてしまっていた。
【0007】
このような事態を招かないようにするには、加熱温度を必要最小限にし、動作方向を切り替える際は、それまで加熱されていた側の形状記憶合金9または11が十分に冷却するのを待ってから、他方の形状記憶合金11または9を加熱するようにしなければならなかった。図3は、このような事情を示す従来の差動型形状記憶合金アクチュエータの動作のタイムチャートである。第一の形状記憶合金9の冷却時間および第二の形状記憶合金11の冷却時間の間は、アクチュエータを動かせない無駄な時間となる。そして、形状記憶合金の冷却速度はその熱容量に依存するので、加熱速度より相当遅くなるのが普通であるため、前記無駄な時間は相当長くなるから、アクチュエータの応答性が非常に悪くなる。
【0008】
したがって、前記図1および2のような差動型形状記憶合金アクチュエータにより船や航空機等の舵装置を駆動することは、事実上不可能である。
【0009】
他方、前記図4および5の単安定型形状記憶合金アクチュエータにおいては、操作端部材6を外部から拘束しない限り、加熱によって形状記憶合金13に無理な力が加わることがないため、耐久性の高いアクチュエータを得ることができる。しかし動作の安定点は、常に非形状記憶合金材料のばね12に引かれている側であり、対称な運動を得ることはできなかった。したがって、一つの舵を対称方向に駆動して、船や航空機等の進行方向を制御することは不可能である。
【0010】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の1つの目的は、形状記憶合金により駆動される模型飛行機の舵装置を提供することにある。
【0011】
本願発明の他の目的は、比較的に速やかに舵を切り替えて、進行方向の転換等を行うことができる模型飛行機の舵装置を提供することにある。
【0012】
本願発明の他の目的は、小型軽量化を図ることができる模型飛行機の舵装置を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明による模型飛行機の舵装置は、右左の補助翼をそれぞれ別の単安定型形状記憶合金アクチュエータにより駆動することによって、対称的な舵作用を果たさせるものである。すなわち、本発明による模型飛行機の舵装置は、右左の補助翼と、形状回復力を発生したとき、前記右補助翼下方に動かすように該右補助翼に連係された第一の形状記憶合金と、前記右補助翼上方に付勢する形状記憶合金ではない第一の付勢手段と、形状回復力を発生したとき、前記左補助翼下方に動かすように該左補助翼に連係された第二の形状記憶合金と、前記左補助翼上方に付勢する形状記憶合金ではない第二の付勢手段とを有してなり、
前記第一および第二形状記憶合金は、いずれか一方のみを加熱することも、両方同時に加熱することも可能となっているものである。
【0015】
本発明においては、第一の形状記憶合金を加熱すると、該形状記憶合金が形状回復力を発生し、右補助翼下方に動かす一方、第二の形状記憶合金を加熱すると、該形状記憶合金が形状回復力を発生し、左補助翼下方に動かす。そして、右補助翼下方に動かされたときと、前記左補助翼下方に動かされたときとでは、対称的な舵作用がなされる。
【0016】
第一の形状記憶合金を加熱して、右補助翼下方に動かしているときに、それとは対称的な舵作用を果たさせる必要が生じたときは、第一の形状記憶合金に対する加熱を停止すると同時に第二の形状記憶合金を加熱する。すると、左補助翼下方に動かされるが、第一の形状記憶合金は、加熱を停止されても、すぐには冷却しないので、ある時間の間は下方に動かされた状態となっている。このため、一時的に、右左の補助翼がそれぞれ下方に動かされた状態となり、両方の補助翼が同時に対称的な舵作用を果たし、減速や揚力の増大等の現象が生じるが、第一の形状記憶合金が冷却するにつれ、第一の付勢手段により、右補助翼上方に動かされ、初期位置に戻って行き、左補助翼のみが作用している状態となる。
【0017】
逆に、第二の形状記憶合金を加熱して、左補助翼下方に動かしているときに、それとは対称的な舵作用を果たさせる必要が生じたときは、第二の形状記憶合金に対する加熱を停止すると同時に第一の形状記憶合金を加熱する。すると、右補助翼下方に動かされるが、第二の形状記憶合金は、加熱を停止されても、すぐには冷却しないので、ある時間の間は下方に動かされた状態となっている。このため、一時的に、右左の補助翼がそれぞれ下方に動かされた状態となり、両方の補助翼が同時に対称的な舵作用を果たし、減速や揚力の増大等の現象が生じるが、第二の形状記憶合金が冷却するにつれ、第二の付勢手段により、左補助翼上方に動かされ、初期位置に戻って行き、右補助翼のみが作用している状態となる。
【0018】
このように、一方の状記憶合金を加熱して、一方の補助翼を所定方向に動かしているときに、それとは対称的な舵作用を果たさせる必要が生じたときは、前記一方の形状記憶合金に対する加熱を停止すると同時に他方の形状記憶合金を加熱できるので、一時的には両方の補助翼が同時に対称的な舵作用を果たしている状態となるものの、全体として、比較的に速やかに補助翼の位置を切り替えて、進行方向の転換等を行うことができる。
【0019】
また、意図的に第一および第二の形状記憶合金の両方を加熱することにより、意図的に制動や揚力の増大等を図ることもできる。
【0020】
本発明による舵装置は、形状記憶合金を駆動源とするので、小型軽量化を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0022】
【実施例】
図6〜8は、本発明に対する参考例を示し、この参考は模型の船の舵装置に関する参考例である。この参考例において、船体14の船尾の右側には上下方向に延びる右舵軸15が回転可能に支持されており、船尾の左側には上下方向に延びる左舵軸16がそれぞれ回転可能に支持されている。図8の拡大図によく示されるように、前記右舵軸15には右舵17と右アーム18の中央部とが固定されている一方、前記左舵軸16には左舵19と左アーム20の中央部とが固定されている。前記船体14と右アーム18の一端部との間にはコイル状に巻かれた右形状記憶合金21(本参考例における第一の形状記憶合金)が、船体14と右アーム18の他端部との間には非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばねからなる右ばね22(本参考例における第一の付勢手段)がそれぞれ介装されている。同様にして、前記船体14と左アーム20の一端部との間にはコイル状に巻かれた左形状記憶合金23(本参考例における第二の形状記憶合金)が、船体14と左アーム20の他端部との間には非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばねからなる左ばね24(本参考例における第二の付勢手段)がそれぞれ介装されている。
【0023】
前記右形状記憶合金21は、図7に示されるような短い形状を記憶している。前記右ばね22は、右アーム18を介して右舵17を上方から見て時計方向(以下、本参考例の説明において、時計方向、反時計方向と言うとき、それは上方から見てのこととする)に付勢している。これにより、右形状記憶合金21が冷却しているときは、図6のように、該形状記憶合金21はマクロ的に見て伸び変形されており、右舵17は船体14の長手方向に対し平行となる位置(以下、直進位置という)にある。前記左形状記憶合金23も、右形状記憶合金21と同様の短い形状を記憶している。前記左ばね24は、左アーム20を介して左舵19を反時計方向に付勢している。これにより、左形状記憶合金23が冷却しているときは、図6のように、該形状記憶合金23はマクロ的に見て伸び変形されており、左舵19は船体14の長手方向に対し平行となる位置(以下、直進位置という)にある。前記右および左形状記憶合金21,23は、図示しない駆動回路からそれぞれ通電されるようになっている。
【0024】
次に、本参考例の作動を説明する。船を直進させたいときは、右および左形状記憶合金21,23のいずれにも通電せず、両形状記憶合金21,23とも冷却している状態とする。これにより、図6のように、右舵17および左舵19はいずれも直進位置にある。
【0025】
次に、船を右に旋回させたいときは、前記駆動回路から右形状記憶合金21に通電する。すると、ジュール熱により右形状記憶合金21が所定温度範囲まで加熱され、該形状記憶合金21が記憶している形状に戻って短くなるので、図7のように、右舵17が直進位置から右アーム18および右舵軸15とともに右ばね22に抗して反時計方向に回転される。これにより、船は右旋回する。
【0026】
次に、このように右旋回している状態から、船を左に旋回させたいときは、右形状記憶合金21に対する通電を停止するとともに、前記駆動回路から左形状記憶合金23に通電する。すると、ジュール熱により左形状記憶合金23が所定温度範囲まで加熱され、該形状記憶合金23が記憶している形状に戻って短くなるので、図7の一点鎖線位置で示されるように、左舵19が直進位置から左アーム20および左舵軸16とともに左ばね24に抗して時計方向に回転される。このとき、右形状記憶合金21は、通電を停止されても、すぐには冷却しないので、ある時間の間は直進位置より反時計方向に回転された状態となっている。このため、一時的に、右舵17は直進位置より反時計方向に、左舵19は直進位置より時計方向にそれぞれ回転された状態となり、制動が掛かって船は減速するが、右形状記憶合金21が冷却するにつれ、右ばね22の力により右舵17は時計方向に回転され、直進位置に戻って行くので、船は左旋回する。
【0027】
また、逆に、左旋回している状態から、船を右旋回させたいときは、左形状記憶合金23に対する通電を停止するとともに、前記駆動回路から右形状記憶合金21に通電する。すると、右形状記憶合金21が加熱され、該形状記憶合金21が記憶している形状に戻って短くなるので、図7のように、右舵17が直進位置より反時計方向に回転する。このとき、左形状記憶合金23は、通電を停止されても、すぐには冷却しないので、ある時間の間は直進位置より時計方向に回転された状態となっている。このため、一時的に、右舵17は直進位置より反時計方向に、左舵19は直進位置より時計方向にそれぞれ回転された状態となり、制動が掛かって船は減速するが、左形状記憶合金23が冷却するにつれ、左ばね24の力により、左舵19は反時計方向に回転され、直進位置に戻って行くので、船は右旋回する。
【0028】
この舵装置においては、前述のように右または左に旋回している状態から反対側に旋回したい場合は、一方の形状記憶合金21または23に対する加熱を停止すると同時に他方の形状記憶合金23または21を加熱できるので、一時的に制動が掛かった状態となるものの、全体として、速やかに進行方向の転換を行うことができる。
【0029】
また、勿論、一方の形状記憶合金21または23が十分冷却してから他方の形状記憶合金23または21を加熱する場合は、前記一時的な制動を伴うことなく、進行方向の転換を行うことができる。
【0030】
また、意図的に右および左形状記憶合金21,23の両方を加熱することにより、右舵17は直進位置より反時計方向に、左舵19は直進位置より時計方向にそれぞれ回転された状態として、意図的に制動することもできる。
【0031】
図9〜12は、本発明の実施例を示している。一般に、飛行機の舵には、昇降舵(エレベータ)、方向舵(ラダー)、補助翼(エルロン)の3つがあるが、この実施例は本発明を模型のラジコン飛行機の補助翼に適用した実施例である。この実施例において、模型の飛行機26の右主翼27の後縁側には、右主翼27の後縁に沿って延びる右補助翼軸28(図10参照)が回転可能に支持されている一方、左主翼29の後縁側には、左主翼29の後縁に沿って延びる左補助翼軸30(図12参照)が回転可能に支持されている。
【0032】
図10および11に示されるように、前記右補助翼軸28には右補助翼31と右アーム32の中央部とが固定されている。前記右主翼27と右アーム32の一端部との間にはコイル状に巻かれた右形状記憶合金35(本実施例における第一の形状記憶合金)が介装され、右主翼27と右アーム32の他端部との間には非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばねからなる右ばね36(本実施例における第一の付勢手段)が介装されている。前記右形状記憶合金35は、図11に示されるような短い形状を記憶している。前記右ばね36は、右アーム32を介して右補助翼31を上方に付勢している。これにより、右形状記憶合金35が冷却しているとき、該形状記憶合金35はマクロ的に見て伸び変形され、右補助翼31は図10のように水平位置にある。
【0033】
図12に示されるように、前記左補助翼軸30には左補助翼33と左アーム34の中央部とが固定されている。前記左主翼29と左アーム34の一端部との間にはコイル状に巻かれた左形状記憶合金37(本実施例における第二の形状記憶合金)が介装され、左主翼29と左アーム34の他端部との間には非形状記憶合金材料により構成された引っ張りコイルばねからなる左ばね38(本実施例における第二の付勢手段)が介装されている。前記左形状記憶合金37も、右形状記憶合金35と同様の短い形状を記憶している。前記左ばね38は、左アーム34および左補助翼軸30を介して左補助翼33を上方に付勢している。これにより、左形状記憶合金37が冷却しているとき、該形状記憶合金はマクロ的に見て伸び変形され、左補助翼33は図12のように水平位置にある。前記右および左形状記憶合金37は、図示しない駆動回路からそれぞれ通電されるようになっている。
【0034】
次に、本実施例の作動を説明する。飛行機26を直進させたいときは、右および左形状記憶合金35,37のいずれにも通電せず、両形状記憶合金35,37とも冷却している状態とする。これにより、右および左補助翼31,33はいずれも水平位置にある。
【0035】
次に、飛行機26を左に旋回させたいときは、前記駆動回路から右形状記憶合金35に通電する。すると、ジュール熱により右形状記憶合金35が所定温度範囲まで加熱され、該形状記憶合金35が記憶している形状に戻って短くなるので、図11に示されるように、右補助翼31が水平位置より右アーム32および右補助翼軸28とともに右ばね36に抗して下方に回転し、下がった状態となる。これにより、右翼に作用する揚力が増大し、左に機体が傾いて、飛行機26は左旋回する。
【0036】
次に、このように左旋回している状態から、飛行機26を右に旋回させたいときは、右形状記憶合金35に対する通電を停止するとともに、前記駆動回路から左形状記憶合金37に通電する。すると、左形状記憶合金37が所定温度範囲まで加熱され、該形状記憶合金37が記憶している形状に戻って短くなるので、図12の一点鎖線位置で示されるように、左補助翼33が水平位置から左アーム34および左補助翼軸30とともに左ばね38に抗して下方に回転し、下がった状態となる。このとき、右形状記憶合金35は、通電を停止されても、すぐには冷却しないので、ある時間の間は下がった状態となっている。このため、一時的に、右補助翼31および左補助翼33がともに下がった状態となり、両翼の揚力が増大し、飛行機26は上昇しようとする。しかし、その後、右形状記憶合金35が冷却するにつれ、右ばね36の力により、右補助翼31は、水平位置に戻って行くので、右翼側の揚力は減少するため、右に機体が傾いて、飛行機26は右旋回する。
【0037】
また、逆に、右旋回している状態から、飛行機26を左旋回させたいときは、左形状記憶合金37に対する通電を停止するとともに、前記駆動回路から右形状記憶合金35に通電する。すると、右形状記憶合金35が加熱され、該形状記憶合金35が記憶している形状に戻って短くなるので、図11のように、右補助翼31が水平位置から右アーム32および右補助翼軸28とともに右ばね36に抗して下がる。このとき、左形状記憶合金37は、通電を停止されても、すぐには冷却しないので、ある時間の間は下がった状態となっている。このため、一時的に、右補助翼31および左補助翼33がともに下がった状態となり、両翼の揚力が増大し、飛行機26は上昇しようとする。しかし、その後、左形状記憶合金37が冷却するにつれ、左ばね38の力により、左補助翼33は、水平位置に戻って行くので、左翼側の揚力は減少するため、左に機体が傾いて、飛行機26は左旋回する。
【0038】
ここで、従来は、飛行機26が補助翼の操作により傾いて旋回する場合、一般に揚力の重力方向成分が減少するので、機体が降下し始める。したがって、エンジンまたはモータの回転数を上げ、全体の揚力を増やしたり、昇降舵で補正しながら水平飛行状態を保持する必要があった。しかし、この舵装置は、タイミングが少しずれ、一時降下するものの、旋回時の機体の降下を補正する機能がある。
【0039】
すなわち、従来においては、例えば左(右)旋回で機体が傾き、高度が落ちた際、あわてて反対方向に舵を切った場合、今度は右(左)に傾き、高度はさらに下がってしまうのが一般的であったが、この舵装置によれば、前記のように左(右)旋回から右(左)旋回に切り返した際、一旦両翼の揚力が増加するので、機体の降下を抑えることができる。また、意図的に右および左形状記憶合金35,37を同時に加熱し、左右の補助翼31,33を同時に下げ、両翼の揚力を増すことができ、昇舵の役目も兼ねさせることができる。このような特性は、形状記憶合金の応答性の欠点を補うばかりではなく、比較的ゆっくりした速度で飛行する初心者用模型飛行機に適した操縦性を与える。
【0040】
なお、前記実施例においては、第一および第二(右および左)の形状記憶合金を通電により加熱するものとしているが、本発明においては、赤外線やレーザーによる加熱等の他の種の加熱方式によって第一および第二の形状記憶合金を加熱してもよい。
【0041】
また、本発明においては、第一および第二の形状記憶合金の基本的形態並びに変形および形状回復の態様は、前記各実施例のようなものに限られることはない。
【0042】
さらに、前記実施例では、第一および第二の付勢手段(右および左ばね36,38)はコイルばねとされているが、本発明における第一および第二付勢手段は、コイルばね以外の形式のばね、ゴム等のエラストマーからなるゴム弾性を利用したばね、気体を利用したばね等の他の種のばねであってもよいし、永久磁石等のばね以外の手段であってもよい
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明による模型飛行機の舵装置は、形状記憶合金により駆動され、比較的に速やかに舵を切り替えて、進行方向の転換等を行うことができ、小型軽量化を図ることができる等の優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の差動型形状記憶合金アクチュエータの一例において一方の形状記憶合金のみが加熱されている状態を示す正面図である。
【図2】 前記従来の差動型形状記憶合金アクチュエータにおいて両方の形状記憶合金が冷却している状態を示す正面図である。
【図3】 前記従来の差動型形状記憶合金アクチュエータの動作を示すタイムチャートである。
【図4】 従来の単安定形状記憶合金アクチュエータの一例において形状記憶合金が冷却している状態を示す正面図である。
【図5】 前記従来の単安定形状記憶合金アクチュエータにおいて形状記憶合金が加熱されている状態を示す正面図である。
【図6】 本発明に対する舵装置の参考例において両方の舵が直進位置にある状態を示す平面図である。
【図7】 前記参考例において右舵が切られている状態を示す平面図である。
【図8】 前記参考例における右舵付近を示す拡大平面図である。
【図9】 本発明による舵装置の実施例を示す平面図である。
【図10】 前記実施例において右補助翼が水平位置にある状態を示す断面図である。
【図11】 前記実施例において右補助翼が下げられた状態を示す断面図である。
【図12】 前記実施例において左補助翼が水平位置にある状態を示す断面図である。
【符号の説明】
14 船体
17 右
19 左
21 右形状記憶合金(第一の形状記憶合金)
22 右ばね(第一の付勢手段)
23 左形状記憶合金(第二の形状記憶合金)
24 左ばね(第二の付勢手段)
26 飛行機
31 右補助
33 左補助
35 右形状記憶合金(第一の形状記憶合金)
36 右ばね(第一の付勢手段)
37 左形状記憶合金(第二の形状記憶合金)
38 左ばね(第二の付勢手段)

Claims (2)

  1. 右左の補助翼と、形状回復力を発生したとき、前記右補助翼下方に動かすように該右補助翼に連係された第一の形状記憶合金と、前記右補助翼上方に付勢する形状記憶合金ではない第一の付勢手段と、形状回復力を発生したとき、前記左補助翼下方に動かすように該左補助翼に連係された第二の形状記憶合金と、前記左補助翼上方に付勢する形状記憶合金ではない第二の付勢手段とを有してなり、
    前記第一および第二の形状記憶合金は、いずれか一方のみを加熱することも、両方同時に加熱することも可能となっている模型飛行機の舵装置。
  2. 前記第一および第二の付勢手段はばねである請求項記載の模型飛行機の舵装置。
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